68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 02:52:24.35 ID:YZQkYMXJO
ところが、ここで予想外の事が起きたのです。
(#^ω^)「待つお!!」
_
( ゚∀゚)爪'ー`)「!?」
ξ;゚听)ξ「ぶ、ブーン……?」
(;・∀・)「何やってんだあの馬鹿……」
元飼い猫で太っていて喧嘩はからっきしの猫、ブーンが猫達とツンの間に割って入りました。
二匹組の雄猫は頭は悪そうですが喧嘩は多少強そうです。
そんな奴らにブーンが敵うわけありません。
モララーは慌ててブーンを助けようとしました。
しかし、後ろから誰かに首根っこをくわえられ、身動きが取れなくなってしまいました。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 02:55:19.15 ID:YZQkYMXJO
(#・∀・)「何すんだ!離せ!」
(;メ゚Д゚)「落ち着け、俺だ」
背中から聞こえてきたのはギコの声でした。
モララーは振り返り様に引っ掻いてやろうと思って出していた爪を引っ込め、
その場にペタンと腰を下ろしました。
(;・∀・)「なんだギコか……。なんで止めるんだよ。このままじゃブーンが……」
(,メ゚Д゚)「いいから黙って見とけ」
言いたいことはいろいろありましたが、モララーはギコを信じてもうしばらく傍観することに決めました。
_
( ゚∀゚)「何だぁ?おめぇ……」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 02:56:57.95 ID:ja9ZzBIGO
予想外の結末でも
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 02:58:02.41 ID:YZQkYMXJO
(#^ω^)「ブーンは……ブーンだお!」
爪;'ー`)「いや意味わかんないから」
(#^ω^)「ツンに手を出すなお!!」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
_
( ゚∀゚)「おうおう。てめー、俺達が誰だか知ってんのか?」
(#^ω^)「知らねーお!」
_
( ゚∀゚)「知らねーなら教えてやろう……。聞いて驚くな!隣街の暴れん坊、ジョルジュとフォックスってぇのは俺達のことよ!」
(#^ω^)「知らねーお!」
爪;'ー`)「知らないのかよ」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:00:34.59 ID:YZQkYMXJO
|;゚Д゚)「ジョルジュとフォックスだと!?」
|;・∀・)「知ってるの?」
彼らの名前を聞いて唯一反応したのはギコでした。
隣街の猫の事も把握してるとは、さすがこの街のボス猫です。
|;゚Д゚)「隣街のボスから聞いた話だと、あの二匹は狩りもせず雌猫の尻を追っかけてばっかで、
この前なんか三日間食事も取らず雌の尻追っかけててぶっ倒れたとか……」
|;・∀・)「これはひどい」
|;゚Д゚)「そのくせ喧嘩は強いらしい」
|;・∀・)「誰にでも一つくらいは特技があるもんね……ってブーン大丈夫かなぁ!?」
|メ゚Д゚)「いざとなったら助けにいけばいいだろう」
|;・∀・)「ブーン……」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:03:30.86 ID:YZQkYMXJO
モララーの心配をよそに、ブーン達の方では早くも火花が飛び散っていました。
_
( ゚∀゚)「そこどけよ、豚」
(#^ω^)「いやだお」
_
( ゚∀゚)「痛い目にあいたいのか?」
ξ;゚听)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「ツン、大丈夫だお。ただ……こいつらとの仕合が終わったら……」
ξ;゚听)ξ(仕合……?)
( ^ω^)「ブーンと、結婚して欲しいお」
ξ゚听)ξ「!!」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:06:44.55 ID:YZQkYMXJO
|;・∀・)「あ、あの馬鹿自分で死亡フラグ立てやがった」
|メ゚Д゚)「愛する女のために命を捨てる……。素晴らしいことじゃないか」
|;・∀・)「死なせないようにしようね」
モララーの不安は募る一方です。
ブーンは相変わらずジョルジュとにらめっこを続けておりました。
_
( ゚∀゚)「……どうやら痛い目に遭いたいらしいな」
( ^ω^)「……ツンはここから逃げるお」
ξ゚听)ξ「……うん」
いつになくブーンは真剣です。
ツンは慌ててその場から離れます。
ギコとモララーは心配そうな目でそれを見つめています。
……そして、まずはジョルジュが動きました。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:09:59.65 ID:YZQkYMXJO
_
(#゚∀゚)「おらぁぁあ!!」
ジョルジュが爪を出し、多少大振りに見えるそれはブーンの頬を引っ掻きにきました。
あれならいくらブーンでも避けれる、そうモララーは直感しました。
(彡;ω;)「ぶひっ!?」
|;・∀・)「ちょっ」
|メ゚Д゚)「えー……」
ところがその身を包む脂肪のせいか、
それとも初めての喧嘩に緊張して体が動かないのか、
ブーンは簡単に避けられるはずの攻撃をモロに受けてしまいました。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:12:08.72 ID:YZQkYMXJO
_
( ゚∀゚)「おらおらぁ!なんだなんだなんもしてこないのかぁ!?」
(;彡#)ω×)「おっ……おっ……」
ブーンはジョルジュの攻撃をただただ受けるだけです。
避けることも、反撃することもありません。
|;・∀・)「何やってるんだよアイツ……!!」
|メ゚Д゚)「きっと何か考えがあるんだろう。ブーンを信じろ」
|;・∀・)「う……」
モララーは飛び出したい気持ちを必死に抑えます。
しかしそんなことをしているうちにもブーンの自慢の白い毛はどんどん朱に染まっていきました。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:14:44.38 ID:YZQkYMXJO
_
(#゚∀゚)「オラオラァ!!」
(;彡#)ωメ)「う……」
一方的に殴られ続けるブーン。
もうそろそろモララーも我慢の限界です。
なぜブーンは自分から何もしないんでしょう。
(彡#)ωメ)「ツン、言ってたお……」
_
(#゚∀゚)「ああ?」
ボロボロのブーンが口を開きます。
ジョルジュも思わず攻撃の手を止めてしまいました。
(彡#)ωメ)「暴力を振るう猫は嫌いだって……。
暴力でなんでも解決しようとする猫は弱虫なんだって……」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:17:35.81 ID:YZQkYMXJO
(彡#)ωメ)「僕はツン好きだから……ツンの嫌いな暴力は絶対に振るわないお!!」
_
( ゚∀゚)「……ぷ」
_
( ;∀;)「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!なんだこいつ!馬鹿だ!本物の馬鹿だ!」
_
( う∀゚)「ぶはっ……。こいつ俺にただ殴られるためにここにいるんみたいじゃねぇか」
_
( ゚∀゚)「……まぁ、それがお望みなら」
_
(#゚∀゚)「気の済むまで殴らせてもらうけどよぉ!!」
ジョルジュが再びブーンに攻撃を加えようとしました。
ですが、それはできません。なぜなら……
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:19:58.10 ID:YZQkYMXJO
(,メ゚Д゚)「よく言った。ブーン。きっとツンもそれを聞いて喜んでるぞ」
(;・∀・)「あーあ。こんなにやられちゃって……大丈夫か?」
ブーンの前に立ち塞がる、二匹の雄猫。
その片方は隣街にまで名のしれた、立派なボス猫でありました。
_
(;゚∀゚)「その頬の傷……!まさかギコか!?」
爪;'ー`)「なんだって!?ギコだって!?」
ジョルジュとフォックスは先ほどまでの威勢も無くして、少しずつ後ずさりを始めました。
情けないことに、二匹とも両耳を倒して……。
(,メ-Д゚)「さて……、俺の友人が随分世話になったなぁ……」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:22:28.42 ID:YZQkYMXJO
ギコが一歩歩み寄ります。
ジョルジュとフォックスは体勢を低くして服従のポーズを取りました。
しかし、そんなことをしても意味はありません。
なぜならギコは、怒っているのですから。
(#メ゚Д゚)「たっぷりと礼をしてやるから覚悟しろよ?」
_
(;゚∀゚)「や、やべっ!!逃げろ!!」
爪;'ー`)「ご、ごめんなさいーー!!」
(#メ゚Д゚)「待てやゴルァァァァ!!」
二匹の猫が雪のない道を大慌てで走って行きます。
そしてそれを一匹の猫が鬼の形相で追い掛けます。
しかし、いくらギコの足でも二匹に追いつく事はできないようでした。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:25:24.85 ID:YZQkYMXJO
_
(;゚∀゚)「よし!このままいけば逃げ切れるぞ!!」
ジョルジュが叫んで更に走ります。
このままなら逃げ切れると、確信して。
確かにこのままなら逃げ切れたでしょう。
ところがどっこい、そんなに上手く行くわけがありません。
ξ゚听)ξ「逃がさないわよ!!」
ジョルジュ達の行く先を塞ぐのは、亜麻色の美しい巻き毛を持った猫、ツンでありました。
_
(#゚∀゚)「どけぇ!!クソアマァァァァ!!」
ジョルジュが右の前足をツンに向かって振り下ろします。
ジョルジュ達の後ろの方でギコの「あ……」という声が聞こえました。
ゴシャッ!
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 03:43:43.22 ID:p88EZMQbO
続き気になる
ほしゅ
寝落ち?
84 :
さる:2009/11/16(月) 04:00:29.56 ID:YZQkYMXJO
鈍い音が響きました。
フォックスはその場で呆然しております。
ギコは額に手を当て、「あちゃー……」と呟きました。
音の発信源では
(;##∀メメ)
顔面を思い切り地面に打ち付けて、ぴくりとも動かないジョルジュがおりました。
ξ゚听)ξ「ふん。喧嘩を吹っかけてきたあんたが悪いのよ」
ツンは冷たくそう言い放ちました。
* * * * *
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:02:55.11 ID:aT2d4VLmO
ジョルジュざまぁwww
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:03:30.21 ID:YZQkYMXJO
ξ゚听)ξ「馬鹿よ。アンタ。本当に馬鹿」
(;彡#)ω^)「おー……」
ξ--)ξ「大体ね?やらなきゃ自分がやられるって状況で、
暴力はダメだから何もしないなんて有り得ないでしょうが」
(;彡#)ω`)「おー……」
ξ--)ξ「あーあ。……こんなのが旦那だなんて、先が思いやられるわ」
(;彡#)ω^)「おっ!?」
ξ゚听)ξ「あら、アンタ言ってなかった?『この仕合が終わったら結婚してくれ』って」
(;彡#)ω^)「と、ということは!?」
ξ゚ー゚)ξ「……幸せにしてくれなきゃ、許さないんだからね」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:06:13.20 ID:YZQkYMXJO
(;彡#)ω^)「お……お……」
(;彡#)ω;)ブワッ
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと!なんで泣くのよ!」
(;彡#)ω;)「だって……だって……うれしいんだお……」
ξ;゚听)ξ「だ、だからって泣くことないじゃない!!馬鹿!!」
(,メ゚Д゚)「ふむ。ハッピーエンドだな」
(;・∀・)「あの二匹は気の毒だったけどね……」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:09:35.81 ID:YZQkYMXJO
ジョルジュはあのまま、フォックスはギコとツンに思いっきりお仕置きをされ、気を失ってしまいました。
フォックスは特に何もしていなかったのにボコボコにされて、本当にお気の毒です。
(,メ゚Д゚)「あ、そうだ。モララーに聞きたい事があってな」
( ・∀・)「ん?何?」
(,メ゚Д゚)「でぃの事なんだが……」
唐突な質問でした。
いきなりでぃの名前が出たので、モララーは心底驚きました。
同時に嫌な予感もしました。
( ・∀・)「……でぃがどうしたの?」
(,メ゚Д゚)「気になっていろんな猫に聞いて回ってみたのよ。
だけどどの猫もでぃの事を知らないんだ……。
お前……あれからでぃに会ったか?」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:10:06.48 ID:aT2d4VLmO
しええん
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:13:04.47 ID:YZQkYMXJO
( ・∀・)「会ったよ。……でも、彼女……自分の家について聞いてほしくないみたいだった」
(,メ゚Д゚)「そりゃまた。どうして?」
( ・∀・)「理由も……聞いてほしくないみたい」
(,メ-Д゚)「……ふぅん」
……その時のギコの怪訝そうな顔は、モララーの脳裏に張り付いて、中々消えませんでした。
* * * * *
夜になりました。
モララーは体を起こし、空を見上げます。
今日の月はなんだか悲しそうな表情をしてました。
( ・∀・)「よし、行くか」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:16:17.24 ID:YZQkYMXJO
誰に言うわけでもなくそう呟いて、モララーは歩き始めます。
(メ^ω^)「お?モララー……?」
ξ゚听)ξ「どこに行くのかしら……」
雪のない道をモララーはせっせと歩いて行きます。
今夜はクリスマス・イブ。
あちこちの家からは人間達の歌声が響きます。
人間達は本当に楽しそうです。
しかし、月はどうしてあんなに悲しそうな表情をしているのでしょうか。
そんなことを考えてると、すぐにいつもの待ち合わせ場所に着きました。
(#゚;;-゚)「こんばんは。モララーさん」
( ・∀・)「こんばんは、でぃ」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:17:53.68 ID:aT2d4VLmO
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:18:37.07 ID:5NgPGWcIO
しえん
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:20:39.95 ID:YZQkYMXJO
今日はでぃは空を見上げておらず、モララーが来る方向をじっと見ておりました。
そして、モララーの姿が見えた瞬間、でぃの表情が明るくなったように見えました。
( ・∀・)「じゃあ、行こうか」
(#゚;;ー゚)「はい」
でぃが元気よく頷くと、首輪の鈴がリン、と音をたてます。
その透き通った鈴の音は夜空へスゥと消えて行きました。
モララーが笑顔で歩き始めます。
でぃは笑顔でそれに続いて行きました。
(メ^ω^)「モララー……。一人で何やってるんだお?」
ξ゚听)ξ「ブーン。私、もう帰らないとご主人様が……」
(メ^ω^)「お!送ってくお!」
まさか…
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:23:23.21 ID:YZQkYMXJO
モララー達はいつもの道をせっせ、せっせと歩いて行きます。
今日で三度目、非常に慣れた足取りで山を登って行くのでした。
獣道を抜け、雪月花の茂みを抜けると、いつもの広場に到着です。
(#゚;;-゚)「ここは本当にいい場所ですね。いつ来てもそう思います」
( ・∀・)「そうだね。静かだしねー」
二匹はいつものように広場の中心へ行き、腰を下ろします。
白く輝く月は、どこか悲しそうな表情でモララー達を見下ろしています。
( ・∀・)「ねぇ、でぃ……」
(#゚;;-゚)「はい?」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:26:24.59 ID:YZQkYMXJO
( ・∀・)「寒いね」
(#゚;;-゚)「はい」
( ・∀・)「もっとこっちにおいで。体をくっつけた方が暖かいよ」
(#゚;;-゚)「……いえ、結構です」
あら、振られちゃったなとモララーは苦笑い。
でぃはそんなモララーを見てクスクスと笑います。
( ・∀・)「今日も月が綺麗だね」
(#゚;;-゚)「そうですね」
しえん
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:29:15.46 ID:YZQkYMXJO
月は悲しそうな表情ですが、とても綺麗でした。
しかしずっと月を見ていると、こちらまで悲しい気分になってきます。
モララーはにっこり笑って、でぃに話かけます。
( ・∀・)「また明日も見に来ようね」
(#゚;;-゚)「……そうですね」
でぃもにっこり笑ってモララーに返します。
しかし、その笑顔もどこかぎこちないものに見えました。
モララーの脳裏にギコの怪訝そうな顔が浮かび上がります。
(#゚;;-゚)「あの……モララーさん」
( ・∀・)「なに?」
でぃがモララーに話掛けます。
しかしどこか寂しそうな表情でした。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:38:12.64 ID:aT2d4VLmO
最後の支援
頑張れ作者
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:44:45.06 ID:bQyhHefRO
わっふる
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:48:42.75 ID:54UjwONg0
しえん
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 04:53:57.13 ID:lFywtaGWO
支援
104 :
さる:2009/11/16(月) 05:00:13.04 ID:YZQkYMXJO
(#゚;;-゚)「あの、ありがとうございました」
( ・∀・)「なんだよ突然……変なの」
(#゚;;-゚)「あの……私の友達になってくれて……」
にっこり笑ってでぃは話続けます。
話をする彼女の表情はとても幸せそうでした。
(#゚;;-゚)「私……昔……いじめられてて……」
( ・∀・)「えっ……?」
(#゚;;-゚)「飼い主さんに……虐待されてたから……体中傷だらけで……それで……」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:02:52.97 ID:ZeDKvIBiO
ばいばいさるさん支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:04:00.66 ID:YZQkYMXJO
(#゚;;-゚)「みんな私を気持ち悪いって言って避けたんです……だから、友達ができなくて……」
(#゚;;-゚)「そのうち飼い主さんにも捨てられて……私、一人ぼっちになっちゃって……」
(#゚;;-゚)「だから、モララーさんに友達だって言って貰えて嬉しかったです」
(#゚;;-゚)「本当に、ありがとうございました」
深々とお辞儀をするでぃ。
その目にはうっすらと涙が浮かんでおりました。
( ・∀・)「でぃ……」
( ・∀・)「なーに言ってんだい。友達なんて、いくらでも作れるよ」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:07:07.57 ID:YZQkYMXJO
(*・∀・)「そうだ!明日のクリスマス!僕の友達を連れて来るよ!」
(#゚;;-゚)「え……?」
(*・∀・)「いい奴らばかりだからね、きっとすぐに仲良くなれるさ」
(#゚;;-゚)「そ、そうですか?ありがとうございます……」
(*・∀・)「そしたらきっとさ、そんな昔の事忘れるくらい楽しくなるよ!」
(#゚;;-゚)「モララーさん……」
(#ぅ;-T)「あの……本当に……ありがとうございました……」
(*・∀・)「いーのいーの!明日を楽しみにしててね」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:09:52.90 ID:YZQkYMXJO
( ・∀・)「じゃあ今日はもう遅いし、帰ろうか」
(#゚;;-゚)「あ、私はもう少し残ります」
( ・∀・)「えっ……。でも、帰り道」
(#゚;;-゚)「大丈夫ですよ。三回も来たんで、もう覚えました」
( ・∀・)「でも……」
(#^;;-^)「大丈夫ですって。そんなことより、明日楽しみにしてますから」
(*・∀・)「!」
(*・∀・)「わかった!まかせといて!」
支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:12:10.65 ID:YZQkYMXJO
(#^;;-^)「はい」
(*・∀・)「じゃあね!バイバイ!」
(#^;;-^)「はい。さようなら」
(#゚;;-゚)「……さようなら、モララーさん」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:15:08.95 ID:YZQkYMXJO
誰もいなくなった広場で、でぃは月を見上げます。
月を見上げて、涙を流します。
―――ああ、お月様。見てください。
こんな私にも友達ができました。
気持ち悪いと迫害され続けていた、私にも友達ができました。
たった四日……たった四日間でしたが、本当に楽しかったです。
―――これで、もうこの世に未練はありません
(# ;ー )「……本当に、ありがとうございました。モララーさん……」
最後に呟いた言葉は、モララーには届きませんでした。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:17:19.43 ID:YZQkYMXJO
誰もいなくなった広場を月が見ています。
白い、雪のように白い雪白の月。
冬の光は町を優しく包みます。
しかし、今日の月はなんだかとても悲しそう。
そう、とてもとても、悲しそうでありました。
( ・∀・)雪白の月のようです(#゚;;-゚) 終わり
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:19:49.61 ID:VknJPeq3O
お疲れー
すごい面白かった
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:20:04.27 ID:YZQkYMXJO
投下は以上です
元は総合短編だったのですが……30レスを激しくオーバーしたためスレを建てました
お題は
・この試合で勝ったら俺……
・サイケデリック・ロック
・スリーアウト
・青春真っ只中
・真冬の光
でした
こんな時間に支援ありがとうございました
寝る
乙です
まさしく静かな月の様な花でした面白かった
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/16(月) 05:26:02.09 ID:EODmLz8LO
乙です
楽しかったよ
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
すっごくよかったです!
書いてくれてありがとう
乙でした