1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
dairi
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 21:59:59.56 ID:xqqE2eQaO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:02:20.74 ID:xqqE2eQaO
('A`)
ファイナルファンタジー5がある。
SFC用のカセットとして黄ばみは侵食したものだが、内部はまだまだ現役だった。
でも、もう時間じゃないか。
重量感のないコントローラーにコードを巻き付けてそのままテレビ横に押し込む。
('A`)
携帯と財布が入ったブレザーを羽織り、ぬるぬると玄関を出た。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:04:40.25 ID:xqqE2eQaO
('A`)ここで響くBGMのようです
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:07:13.69 ID:xqqE2eQaO
('A`)
読者諸君
彼は鬱田ドクオ、主人公の名前はデフォルトに従い世界観を守りたいと思ってる高校ニ年生である。
そんな律儀さ故にいろいろとググり抜き、その過程で見つけた裏技もついでに試みるのが現代のドクオである。
彼は今、学校を終えて歩いているようだ。
白〜♪
おや…?
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:10:08.41 ID:xqqE2eQaO
白〜♪ 〜♪
(( _ゝ))「ドゥーン たっ たっ たっ たっ たっ たっ った
ドゥドゥーン たっ たっ たっ たっ たたたた
ふふん ふふん ふふん ふふん……」
何と言うことか!
前触れなく、まるで何かに取り付かれたかのように、曲を奏でる携帯とドクオがセッションを始めた。
それは大太鼓なのか、時計塔の鐘の如く余韻を残すような響き。
主旋律は弦と弦で表現された霧に見える。
両音源から発せられるそんな重低音が響く今、彼はなんと3倍も凛々しくなっている。流石だ!
しかし凛々しかったのがいけなかった。
人口密度の高い駅の手前、無駄に目立つ彼の周りでは皆が早足になるのは自然である。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:11:31.28 ID:xqqE2eQaO
40秒後
('∀`)サワヤカ
ある程度満足したのか、ドクオは携帯を確認した。
メール受信
本文
☆!!1000万円当選!!☆
おめでとうございます!!!!
今回なんと1万人の中から、運よくなんたらかんたら
メールもいつも通り。
携帯電話は、スパムメールと表裏の関係にあるドクオプレイヤーになっていた。
リアルな内容のメールが来る可能性は、無いに等しい
しかしドクオは満足だった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:14:05.84 ID:xqqE2eQaO
('ー`)
この手の曲が好きなのだ!
今この時も口ずさむのは携帯の着信音。
奥行きが無い世界が、八方に広がる。
最後にメールを閉じて携帯をポケットに入れるまでが、いつも通りの終わり方である。
さて、さりげなくポケットに入れた後、不意にスケルトンBが近づいてきた。
(^q^) あなたは聞きましたか?もうそろそろ例の四人が来るそうです。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:16:22.88 ID:xqqE2eQaO
〜〜
ドクオは声を発しない。
それは混乱、戸惑い、そして日常的に使われてなかったからだった。
(;'A`)
彼はあの人を何故かスケルトンBと認めた。
いい人そうな腐った顔を三度見したがやっぱり腐っていた。
次に、顔以外に見える全てのもの。
難破船の甲板、紫の空、ふじつぼ。
全ては荒れてこそいるが原形を残しつつ、まだ船が船だとわかる。
紫色の空は腐臭を視覚化しているかのようだが、内陸暮しの学生故に、この潮が混じった生臭さの詳細がわからない足元はふじつぼとふやけた木目、滑るか傷付くかの二択は素足にはよくないだろう。
ドクオはここが、通い慣れたいつもの駅前ではないという結論に至った!
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:18:15.04 ID:5kYg/DexO
しえ
読みづらい
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:18:57.71 ID:xqqE2eQaO
(^q^) どうしましたか?
悪いスケルトンではなさそうだ。
ドクオは彼に助けを求めようとしたが、彼のコミュニケーション能力は二年間使われずに錆び付いていて上手くいかない。
駅前が突然船の上になった自身の境遇を伝えるのは大変だった。
(;'A`) 結局、俺はどうやってここに来たのか。
そういえば、ここっていったいなんなんですか…?
(^q^) ここは「船の墓場」、アンデットの巣です。
それにしても、これはしんじがたい…。ふむふむ…。
船の墓場、それは今朝に進んだダンジョン。
ファイナルファンタジー5の世界である。
(^q^) とりあえず、わたしは行かなくてはなりません。
うつださんもいっしょに行きますか?
(;'A`) は はい!
今は一人になるのが怖かった。
よって悪意の無さに即答するドクオだった。
〜〜
少し歩いてドクオが口を開いた。
('A`) そういえば、えー スケルトンBさん?
(^q^) 生前はオワタというなまえでした。
おわたん☆でいいですよ。
(;'A`) …。
オワタさん、これから行く場所って。
(^q^) 例の4人のところです。
セイレーンさんの命令で戦う予定ですが、めんどくさいので見るだけです。
野次馬魂です。
('A`) やっぱりかぁ。
例の四人とは、主人公達だろう。
裏の世界は興味深い。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:23:40.25 ID:xqqE2eQaO
更に疑問は続く。
('A`) 命令ってことは、それが無ければ人は襲わないってことですか。
(^q^) 襲います。
スケルトンとして当然です。
('A`) え。
(^q^) え。
('A`) …。
('A`) 一応俺、生きてます。
(^q^)
(;^q^) なんと、異世界からやって来たのはわかりましたが、スケルトンですらなかったとは。
(A;)
ドクオは、現地のアンデットさん公認のアンデットフェイスだったのだ!
滅多にない称号に喜んでいるのか、ドクオは影で涙を流した。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:26:45.55 ID:5kYg/DexO
しえん
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:26:57.49 ID:xqqE2eQaO
後の道程では、セイレーンのおっぱいは大きいだの、抱きしめられておっぱいが当たっただの。
死因は顔におっぱいを押し付けられて至高の圧死だのと、とても興味深い情報を聞いた。
ただ、おっぱいの下りでオワタさんはよく滑って転んでいた。
オワタさん曰く、噂では魔力で船の墓場一帯の情報が瞬時にわかるらしく、これは彼女が掛けたおっぱいの話がされると発動する呪いらしい。
さて、そろそろ目的の場所が見えてきた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:29:17.27 ID:xqqE2eQaO
(^q^) あのドアの向こうにいるようです。
(;'A`) はぁ はぁ
なるほど、確かにドアの縁から光と声が漏れていた。
しかし、ここまで来るのに大分遠回りした気がする。
実は宛もなく歩きまわってきたのではないか。
セイレーンさん。
敵の位置くらいちゃんと伝えておきましょう。
ζ(゚ー゚*ζ うん。スケルトンAっちゴメンね。
あ、AっちってHに聞こえる。卑猥。
('A`) あ、はい。
いきなりすぎて、そしてつっこみどころが多すぎて素になってしまった。
とりあえず美人さんは美乳でs。
ドクオは勢いよく転んだ。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:31:27.32 ID:xqqE2eQaO
彼女がセイレーンさん。
200歳を過ぎると乙女の仮面を脱ぎ捨てた方が楽しいことに気付く、らしい。
何故出てきたのかは不明だが、多分野次馬魂だろう!
(^q^) お二人さん 目標が盛り上がっていますよ。
ζ(゚ー゚*ζ マジで? B退け私に見せなさい。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:33:52.95 ID:xqqE2eQaO
〜〜
ヽ( ;*゚∀)ノ やめろ!やめろったら!!
|*'A`) ワーオ
これは…、おかしらの半裸シーン…!!
後ろ姿しか見れなくても、ドクオの下半身はゴブリンパンチ!!
(^q^) あなたはホモに興味があるのですか。
見損ないました。
見損なわれたけど今は目が離せない!
全力のスルーだ!
/ ,' 3 …!! (・∀・*)
/ ゚ 3 …!? ( ∀ ;)
鼻の下を伸ばした野郎共(バッツとガラフだろう)が、ファリスに手で払われ上体を反らす。
さらに、そこから上下逆さまになって顔から勢いよく滑り込んだ。
おっぱいの呪いか…!?
おっぱいを見たのか…!?
ざまぁwwwwwwww!!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:36:50.81 ID:xqqE2eQaO
(^q^) 男の胸板を見て吹っ飛ぶとは…。
|*゚ー゚)ζ あたしは好きよ?BL。
なんか胸がキュンキュンしちゃうあべし。
セイレーンさん自身の発言にも引っ掛かる呪いマジぱねぇ。
いやそんなことよりも、
|A ))
神様主人公が頑張ってるからってこんなご褒美を簡単にあげるんですかむしろこいつらまだ序盤で頑張ってませんよねというかパーティをここまで動かした俺だけが頑張ってたのであってちょっとスタッフ出てこい云々…。
流石に後ろ姿だけでは飽きてきた。
もうそろそろ前が見たかった。
こっちを向いてほしかった。
そんな時に早々とあの眺めを、しかも特等席で先に見られたとは腹が立つ。
怒りや嫉妬、他にも教育上悪いものがドクオから溢れ出た。
なんかもう彼の目が恐い感じだ。
こんな殺気なら振り向くものも振り向かないと思われた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:39:07.58 ID:xqqE2eQaO
しかしファリスは突然に、必然的に振り向いた。
(;∀;*)
ファリスは目に涙を浮かべて濡れた服を被る。
女性的な上半身を、服を剥いだ二人に見られないように。
|゚ー゚)ζ なんだ女か。
(^q^) …ふぅ。
|゚ー゚)ζ| 畜生、BL的展開を返せ!
B・L! B・L! B・L! B・L!
なんだか、波の音やBLコールがとても遠くに聞こえる。
君はこんなにも可愛かったのか。
確かに男二人から無理矢理服を脱がされるのは怖いもんね。
海賊である前にまだまだ若い女の子だもんね。
よーし僕が温めてあげようハアハア。
|ー`)b ごつぁんです。
萌えを再確認したドクオは、理不尽に足を滑らせて意識を失った。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:42:04.37 ID:PRhKUl6E0
sien
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:43:33.73 ID:xqqE2eQaO
〜〜
気付いたら家から歩いて5分くらいの場所で倒れていた。口の中が渇く。
それは緊張やら恐怖とは全く関係ない、疲労によるものだった。
ふと、アスファルトにイヤホンと携帯を見つけた。
('A`) またやっちゃったな…。
鼻歌を歌い妄想しながら歩く。
心地好いが、道行く人達の視線が怖くなる。
古い同級生に見られたら立ち直れない。
('A`) 呪いの地、か。
後でまた行くかなぁ。
ドクオは、その世界に本当に行けるということに気付いていないようだ。
そんな彼が他の場所の「妄想」をするのは、また違うBGMを気に入った時の話となる。
それはいつのどこかはわからないが、きっと楽しいに違いない!
おしまい
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/07(土) 22:45:34.25 ID:PRhKUl6E0
おっつ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
読みにくいことに悪気はないんだ許して欲しい