1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理店
2 :
ラプラスのジーザス☆ゼロ:2009/10/31(土) 20:03:05.56 ID:nZkBsN9tP BE:2294567677-2BP(1300)
外人ガーガーがたてちゃったの???
3 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:03:24.53 ID:keU3OmPpO
代理サンクスです。
それでは投下します。
4 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:04:52.40 ID:keU3OmPpO
満月は、人を狂わせる。
闇にポッカリと浮かぶ丸い光は、見る人を狂気へと誘う。
(・∀ ・)TRAVELERSのようです
第2話 戦うラスト・サムライ 後編
ほら、夜の太陽が狂気を見つめている。
5 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:06:12.99 ID:keU3OmPpO
(・∀ ・;)「あ、にじゃ、が、ふたり……?」
開いた口が塞がらないとは、こういう事を云うのだろうか。
またんきは、只口をポカンと開けていることしか出来ない。
顔も、背丈も、格好も、声も、何もかも。
まるで兄者を鏡で映したよう。
唯一違うのは、鼻の形だろうか。
兄者と違って、男の鼻はすっと通っている。
禍々しい殺気を放つ、兄者に瓜二つのその男は、夜空の月を背にただ微笑んでいた。
(´<_` )「随分探したんだよ、またんきクン。
モララーに肉親が居たなんてほんの一月前に知ったし、モララーも居場所教えてくんなかったし」
(・∀ ・;)「な、何の話だ!
アンタ、何者なんだ!?
アニキと何の関係があるってんだ!」
6 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:08:06.03 ID:keU3OmPpO
やれやれ、といった風に男は溜め息をつき、肩を竦めた。
またんきは、男の動き一つ一つに警戒心を剥き出しにしながらも、目の前の存在に畏怖する。
(´<_` )「あのな、別に取って食おうって訳じゃないんだからさ。
そんな警戒心剥き出しにされても困るんだけどなー」
男の纏っていたオーラが、普通の人間のそれになる。
その瞬間、またんきの体の震えも止まり、鳥肌もおさまった。
張り詰めていた緊張感を、飄々とした態度で台無しにしてしまう男。
男が、更に兄者に近くなった気がする、とまたんきは無意識にそう思った。
7 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:09:10.89 ID:keU3OmPpO
ドンドン、ピーピーという音楽が、窓の外から聞こえてくる。
おかしいな、今日はお祭りなんて無かった筈なのに。
(´<_,` )「気になるかい?」
またんきの視線に気づいたのか、男はククッと籠った笑いを見せた。
(・∀ ・;)「き、気になんかなるかよ!
俺ァ祭りにゃ興味ねーよ!」
:( <_, ):「…フ、フーン…。
そっか……ブフッ…」
(・∀ ・;)「(何だコイツ)」
手で口元を隠しつつも、笑いを堪えきれていない男。一歩間違えば不審者だ。いや、もう既に不審者だが。
8 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:14:19.39 ID:keU3OmPpO
(´<_,` )「いやーすまん、昔を思いだしてな」
クククッと喉を鳴らす男。
やっぱり不審者だ。
ドンドン、ピーピャラ、ドコドン、プーピー。
音はどんどん大きくなる。
この建物の近くを通っているのだろう。
篭ったような、何かを一心に祈るような低い声は、またんきに更なる不安感を与える。
とても、耳障りに思えた。
(´<_` )「本題に戻ろうか、またんきクン」
男の纏う空気が、再び殺気と人ならざる何かに変わる。
(´<_` )「今回は、君には何もしないよ。
顔を見に来ただけだしね」
声は笑ったままだが、月の逆光で男の表情は見えない。
ひた隠された狂気に、またんきは再び恐怖する。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 20:18:54.82 ID:+cFFxlAqO
支援
10 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:20:00.04 ID:keU3OmPpO
コツ、と男がまたんきに歩み寄った。
(・∀ ・;)「!」
慌てて足を引きずって後退する。
コツ、コツと男が近寄れば、その度に後退。
ふと、またんき右手が兄者の腰に触れる。
そして、腰にあった何かを瞬時に握り、一気にそれを引き抜いた。
(・∀ ・;)「ち、近寄るなッ!」
ピタッ、と男の足が止まる。
ナイフにしては余りにも長く、剣と云われれば余りにも形状が違いすぎる得物の切っ先が、男の鼻先に向けられていた。
(´<_` )「…………」
男は少し驚いたような顔をし、またんきの瞳をじっと見つめる。
11 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:28:08.41 ID:keU3OmPpO
(・∀ ・;)「こっ、これ以上近寄ってみろ!
お前のその鼻、削ぎ落としてやる!」
(´<_` )「…弱ったな……」
切っ先が自分に向けられているにも関わらず、男は呑気にうーん、と唸っている。
(´<_` )「だからさ、俺は本当に何も………」
刹那。
一瞬、何が起こったか、またんきには理解出来なかった。
まず、男の驚いた顔。
一秒後、男の右肩が瞬時に消えた。
三秒後、男の苦悶の表情と、形容し難い悲鳴が響き渡った。
またんきが右手から凶器が消えたのに気づいたのは、男が悲鳴を上げた二秒後だった。
12 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:33:51.73 ID:keU3OmPpO
( <_ ;)「ぎゃぁぁぁあああああああああああああああ!!」
(・∀ ・;)「な……………………」
まるで噴水のように、男の右肩から血が噴き出す。
またんきの右頬を擦って落ちてきた男の右腕が、ビクンビクンと蠢いている。
(;´_ゝ`)「…………………」
またんきの後ろで、肩で息をし、大量の汗をかく兄者。
その手には、またんきが先程まで握っていた得物が、しっかと握られていた。
13 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:40:40.16 ID:keU3OmPpO
( <_ ;)「……っぁ、あに、者………!」
( ´_ゝ`)「俺の相棒を先に没収しなかったお前のミスだな、弟者よ。
切れ味最高の『村雨』の味だどうだ、ん?」
( <_ ;)「こ…の…死に損ないめっ…!」
( ´_ゝ`)「お互い様だ、化け物め」
幽鬼のようにフラフラと立ちすくむ男、弟者。
兄者は侮蔑と憤りの視線を弟者に投げかけ、唾を吐く。
lw;´‐ _‐ノv「またんきっ、逃げるよ!」
(・∀ ・;)「シュー!?」
いつの間にかシューも回復しており、またんきの手を引く。
そのまま窓へと走り、
lw;´‐ _‐ノv「下、見ちゃ駄目だよ!」
(・∀ ・;)「え?」
そのまま、窓をぶち破った。
14 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:48:35.83 ID:keU3OmPpO
( <_ ;)「………」
( ´_ゝ`)「どうする弟者よ。
右腕はもがれ、武器は無し。
俺にどう立ち向かうつもりだ?」
問い掛ける兄者と、沈黙する弟者。
弟者の目は爛々と輝き、射殺さんばかりに兄者を睨み付ける。
( ´_ゝ`)「あの時の借り…。
ここで返してやっても良いんだぞ?」
( <_ ;)「チッ!」
弟者は小さく舌打ちすると、おもむろにマントを翻した。
(;´_ゝ`)そ「しまった!」
慌てて兄者が窓辺に駆け寄るも、弟者は既に姿を消していた。
(;´_ゝ`)「クソッ…逃がしたか……!」
悔しそうに歯軋りをすると、兄者は急いでまたんき逹の後を追った。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 20:52:16.52 ID:F/DgOLo+O
そぉい
16 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 20:55:01.03 ID:keU3OmPpO
すいません、風呂オチします
17 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 21:10:12.90 ID:keU3OmPpO
戻りました。
再投下します
18 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 21:12:49.01 ID:keU3OmPpO
な ん だ こ れ は!?
シューのエスパーで空に浮かんでいたまたんきは、眼下の世界に絶句した。
通りという通りが全て松明の明かりで埋め尽くされ、人混み『らしきもの』が蠢いている。
それらは全て、のっぺりとした魚のような顔、エラをパクパクと開閉させ、しきりに言葉のようなものを呟いていた。
マントから僅かに覗く手には、水掻きのようなものがついており、松明の明かりに照らされて、ぬめっているのが分かる。
( ∀ )「あ……あ………」
lw´‐ _‐ノv「見ちゃ駄目だって言ったのに…」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 21:15:37.48 ID:F/DgOLo+O
し
20 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 21:24:58.81 ID:keU3OmPpO
( ∀ ;)「吐きそう……」
lw´‐ _‐ノv「吐かない吐かない」
力無く頭(こうべ)を垂れ、シューに寄りかかる。
シューもまた、疲れており、人気のない場所へとゆっくり降りる。
( <_ ;)「糞ッ………」
lw;´‐ _‐ノv「!」
降り立った場所を間違えた。
其処には、右腕を庇う弟者が居たのだ。
lw;´‐ _‐ノv「……………」
弟者は痛みに気をとられているのか、シュー逹に気づいた様子は無い。
シューは、魚面逹の気配を感じながらも、足音を立てずにその場を後にした。
そして、ペタペタという音と、獣の咆哮にも似た断末魔が聞こえたのを最後に、シューも意識を失った。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 21:29:45.41 ID:+cFFxlAqO
しえ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 21:32:05.31 ID:ajmjP4b3O
没ネタ作品の執筆は進んでますか?
23 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 21:35:08.19 ID:keU3OmPpO
夜更け、何処かの城。
一人の男が、ランプの光だけを頼りに、黄ばんだ一冊の本に読み耽っていた。
( )「大いなる…………………心臓……………」
ブツブツと呟き、左手のペンを素早く動かし、羊紙皮に何かをしきりに書き込んでいる。
男が本の次のページを開いた時、突如として男の右腕から血が吹き出る。
( )「!………」
血が羊紙皮や本に降りかかり、何が書いてあったのか分からなくなってしまった。
男は一瞬呆けたが、別に気にとめる事もなく、本と羊紙皮を片付け始めた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 21:52:57.73 ID:+cFFxlAqO
投下スピード遅くね?
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 22:26:58.17 ID:fwDTVFC1O
サルったか?支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 22:35:18.06 ID:PH273ysoO
すみません、連続さるった上にケータイの充電が切れましたorz
PCに切り替えますんで、少々お待ち下さい。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 22:55:43.54 ID:1h5Pj50OO
支援!
28 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 23:02:14.02 ID:PH273ysoO
PC規制…だと…!?orz
仕方ないのでこのケータイで投下します。
29 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 23:11:46.04 ID:PH273ysoO
「主、何をなさっています?」
男の背中に、姿無き声がかかる。
男は後ろをチラリとも見ようとせず、本と羊紙皮をランプの火で燃やす。
( )「何でもないよ。部屋へお戻り」
気配が消えたのを感じ、血が流れ続ける右腕を撫でる。
窓を見やれば、満月が登っているのが見える。
(´<_` )「今日は、満月か………」
血が止まっているのを確認すると、男は微笑んだ。
(´<_` )「待っているよ、兄者」
満月は、相変わらず輝いていた。
30 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 23:14:06.61 ID:PH273ysoO
(・∀ ・)TRAVELERSのようです
2話後編 終わり
31 :
◆jPpg5.obl6 :2009/10/31(土) 23:15:41.93 ID:PH273ysoO
これにて、2話終了です。
質問等あれば、日付が変わるまで受け付けます。
支援ありがとうございました。
そして色々とすみませんでした。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/31(土) 23:26:51.35 ID:zfHhXxqkO
おつ、今から読む
33 :
◆jPpg5.obl6 :
質問は無いみたいですね…。
3話は今日明日辺りに投下します。
時間が出来たら、2話の書き直しもする予定です。
それではノシ