長門「財布の再構成を忘れた」 キョン「……その方がいいと思うぞ」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
「処理能力を情報操作と改変に回したから、このインターフェイスの再生は後回し。今やってる」
「手を――貸そうか?」
教室の固い床に仰向けで寝そべっている状態のMy救世主が上体を起こすのに少しでも役立てばと
伸ばしてみた俺の手に、長門は案外素直にすがりついた。
おう、何かが当たってるような気がしないでもないが、危機一髪で救い出された囚われの王子様の
言うセリフでもないだろうし、第一、この少女は「当ててんのよ」などと言い返してくれないであろうことは
容易に推測できるので、やはり思ったことをそのまま口に出すのは控えておくことにしよう。
埒もないことを考えている俺の腕を拠り所として上体を起こしたところで、
「あ」
長門の薄い桜色の唇がほんの僅か震えるように開き、続いて自分の身体のあちらこちらを何かを
確かめでもするようにるように撫でまわした後、再び短い言葉を紡いだ。
「財布の再構成を忘れた」
「……その方がいいと思うぞ」
なんかクドイ 厨二風を感じる
物差しとして許せない
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:50:55.09 ID:3JUMvaFnO
キョン「俺にはマジックテープ属性無いし」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:51:03.12 ID:fGt+aj5LO
でも続きます↓
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:51:45.82 ID:bUBFiRK20
やめてー!
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:52:18.39 ID:1gOYaVH90
え続くのこれ()
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:54:20.12 ID:0Yc1wZ7pO
そのあとに言葉を続けようとして、俺は思いとどまった。
そうだよ、今更何を言うことがあるだろう。長門を取り巻いていたいろいろな問題は
これでほとんど解決するんじゃないのか?
例えばだ、根本的な患部を切除する手術をした後で、
『いやまったく、あのガンは歴史的な大きさでしたね』
などと患者に言う外科医はいるだろうか?いや、いるかもしれんな……。
でも長門のケースに限ると俺にはとてもそんなことはできない。
できやしないさ、あれだけのことを見せられれば。
長門本人は気にしていなかったであろう――いや、気にもとめていなかったのかもしれない。
しかし、傍から見ている分にはとても痛々しい事件が多々あったのだ。
長門の持ち物、そう、財布についての忌わしい出来事の数々が。
たとえば――
いや、俺はいったい何を考えてたんだ。今更こんな事を考えていてもしょうがないじゃないか。
そうさ、全ては終わったことなんだ。
長門にも、そして俺達にも明るい未来が待っていることは想像に難くない。
うん、全て上手くいくはずだこれからは。
「…… 」
俺の顔を無言のままじっと見つめている長門に気づき、ふと我に帰る。
彼女のどこまでも深く澄みきった瞳の奥に俺のことを『心配してくれているような色』が
浮かんでいるように思えるのは気のせいなんだろうか。
それにしても、いったいどれくらい思考の海に沈みこんでいたのだろうか。
「えっと、身体の方はもう大丈夫なのか?」
「もう少し」
まだあまり力が入らないのか、俺の腕に寄りかかるようにしながら
「負担になるようなら――
そう言いながら一人で身を起こそうと身じろぎろする長門。
しかし、まだ腕にあまり力が入らないのかその動きは小さく弱々しく思えた。
「おいおい、負担になんかならないさ。身体が治るまで俺に寄っかかってろ。
いや、もちろんその方がお前にとって楽なら、なんだけどな」
確かに俺はほんの少しだけ腕にだるいような感覚を覚えていたが、
それは長門の重さが負担になっている訳では無く、単に同じ姿勢で
腕を伸ばしていただけなのだから。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 15:03:52.14 ID:ktnJvdsaO
なかなか
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 15:04:17.12 ID:JTkXdUTv0
バリバリ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 15:07:18.47 ID:w3JQBRaN0
いいじゃない
「そう」
長門は短く言葉を発すると身動きをやめ、再び俺の腕に身体をゆだねると
ゆっくりと全身の力を抜いていく。俺から一度は遠ざかりつつあった柔らかで
しなやかな感触がまた戻ってくる。
ふむ……。
俺が考えるに、重さはあっても無くても同じ様なものなんじゃないだろうか。
かえって少し重量感と言うか、がっしりとその存在を感じられて、
こう、しっかりと力を込めて支えることができるモノの方が比較的楽に
支えることができそうな気がする。
16 :
廣田 ◆HIROTA/yU6 :2009/10/22(木) 15:18:48.47 ID:UkP7w3q70
この時間はニートは寝てるから、いまVIPにいるのは、学校で携帯から書き込んでるボッチと、仕事サボってVIPしてるオッさんと、主婦と、インフルで休校の俺くらいしかいないんだよなー
あーでもROMってる奴ってかなりいるもんなー
誰かがZIPあげたら、スレは100くらいしか伸びてないのに、ZIPは1000人待ちだったりするもんな。
しかも携帯からROMってる奴もふくめたらかなりの人数がみてるんだもんな。
しかも、VIPPERなのを隠してる奴もいるから、もっと人がいるわけだし。
そもそも2ちゃんねる自体が1000万人以上が使ってる超大型掲示板なんだし。
つまり
>>1はSSを皆が満足するように完結させないと、何百万人、何千万人に恨まれ、呪われてしまうよってこと。
言い方を変えれば、ものすごく軽やかで柔らかく、そこはかとなくいい香りのする、
程よいぬくもりをたたえたてはいるが、少し込める力の具合を間違えてしまえば粉々に
砕けてしまう(かもしれない)物体と、
同じ形、大きさではあるが無機質でいくら力を込めても決して壊れそうもないモノ。
――まあ体育で使うマットをぐるりと巻いたようなものでも想像してくれ――
この二つを空気椅子ライクに腕だけで支えてみた感じだ。
疑うのなら自分でやって比べてみてくれたらいい。
とは言っても――『同じくらいの年頃の自称宇宙人、しかも儚いという言葉が似合いそうな異性』
――が弱り切った態を示している時に、その細い身体を自分の腕に抱く、
という比較対象的な経験をすることが出来ればの話ではあるのだが……。
それに、どういうわけか長門の身体からはあまり『重さ』というものは感じられなかった。
ただそこに『在る』というか、存在自体は感じられるのだが『質量』とか『体積』などという
感じではなく、どちらかというと『体温』とか『呼吸』――いやいやいや、いったい俺は何を
考えているんだ。
自分の方の『体温』を上げかけた俺は照れ隠しに長門に、
「実はな、少しだけ腕がだるくなってるんだ。少し態勢を変えるが窮屈だったら言ってくれ」
「…… 」
微かに首を縦方向に動かすいつものしぐさを確認した俺は少しずつ、自分が、そして何よりも
長門が楽になるような態勢を取るべく身体を動かし始めた。
腕だけで支えるのではなく、そう、こんな感じに俺の胸の方に長門の上体が
もたれかかって――うん、そうだ。そうしてくれたらいい感じに力を分散できる。
そうだな、そんなふうに腕を首の方に回してくれたから、なおいい感じになったぞ。
あ、ちょっと待ってくれ。そうすると上着がめくれるだろ?おいおい、そうじゃな――
だからさ……。おいおいおいっ、だから――ああ、そう、それならいい。おお……
ふぅ・・・
これなら長門の身体が治るまであと数時間かかろうが大丈夫だ。
「そう」
「うむ」
「そんなに時間はかからないと思う」
「そうか」
「そう」
「長門…… 」
「なに」
「いや、呼んでみただけだ」
「そう」
「うむ」
「疲れた?」
「いや、そうじゃない」
「そう」
「ああ」
「隠さないでいい」
「え……」
「わかっている」
「えっと…… 」
「時間稼ぎ」
「ばれてたか すまん……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 16:24:05.81 ID:w0UceW6h0
財布の話はまだかー
「負担ならやめればいい 所詮オ――
「そういうことは言うんじゃありません」
「一部削除修正する。許可を」
「ああ、やっちまえ」
「負担ならやめればいい」
「そういうわけにもいかんさ。俺から始めちまったんだ。ケツは俺が持つさ」
「そう」
「ああ」
「無理しないで」
「ああ」
「で、少しは溜まった?」
「いや、小ネタだけだ」
「…… そう」
「すまん…… 」
「いい」
∧_∧
( ゚ω゚ )
小ネタは C◇l丶l丶
まかせろー / ( )
(ノ ̄と、 i
しーJ
「本当にやめて欲しい。不快」
「ああ、すまん。どうかしてたんだ……」
財布はなんだったのか…
「あなたはいつもそう」
「え?」
「なんでもない」
「いや、何でもないって……今何か言いかけただろう?」
「もういい」
「よくないさ。気になるじゃないか」
「そう」
「当たり前だろ、言いたいことがあるのならちゃんと言ったらどうだ」
「じゃあ言わせてもらう。あなたはいつもこんな事しか出来ない」
「なんだと・・・」
「何か妙な事を考え付くといつも『後のことを考えずに』行動に移す」
「うっ・・・」
「それもたいして面白くも無いのに、得意げに」
「・・・ 」
「今回も本当は何も考えていなかったはず」
「くっ・・」
「おまけに、本来ならスレタイト本文で完結しているべきもののはず」
「・・・ 」
「ちがう?」
「そう」
「やめて、不快」
「ごめんなさい・・・」
「スレッドタイトル + 1の本文のみだったらまだ評価してくれた人もいたかもしれない」
「・・・ 」
「でもあなたは欲を出した」
「欲・・ だと・・?」
「そう」
「・・・ 」
「それだけで落とすのが、いいえ、落ちるのが『モッタイナイ』と思った」
「そ、そんな事・・」
「ない?」
「あります・・・ 」
「貧乏性」
「ううっ・・」
「それだけではない」
「ま、まだあるのか・・」
「あなたは最初から1で終わらせる気はなかった」
「!! 」
「1で完結させるきなら、本文最後の切れがもっと良いはず」
「・・・ 」
「あなたは保険をかけた」
「・・・ 」
「もし、 ま ん が い ち でも反応があれば……反応が暖かいようであれば」
「・・・ 」
「続きを書けるように」
「!!!!!!1111」
「見え見えの手」
「・・・ 」
「物書きからすれば焼死旋盤、噴飯もの」
「ごへんか――
「くちごたえはやめて、不快」
「ごめんなさい・・・」
「それに…… 」
「そ、それに?」
「あなたは反応が暖かいと見間違えた。本来なら書き続けられるような反応では無かった」
「2-7までのことか・・・」
「せめてもう少し待てなかったの?」
「・・・ 」
「焦り過ぎ。この早r――
「そういうことは言うんじゃありません」
「一部削除修正する。許可を」
「ああ、やっちまえ」
「あなたは焦り過ぎ」
「そうだな、やっちまったって感じがいまさらながらひしひしと……」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 17:19:33.44 ID:w0UceW6h0
はたして財布の話に持ってくことは出来るのか
「いまあなたがやっていること、これには意味があるの?」
「意味・・・ですか・・・ 」
「おもしろいとでも?」
「い、いいえ・・・」
「まさにオ――
「続けてくださってもいいですなにもいいませんからこれ以上突っ込むとn番煎じがあれなんで」
「そう」
「そうです」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 17:25:59.26 ID:w3JQBRaN0
長門から見た財布とは何か
「曲がりなりにも縁があって、読んでくれた人達に申し訳ないと思わない?」
「・・・ 」
「数人がレスをくれているはず」
「・・・ 」
「たとえ発言がなくてもあなたが思っているよりスレを開いてしまった人は多い」
「・・・ 」
「このスレを開いてしまい、後悔してる人も、あなたが思っているよりずっとずっと」
「・・・ 」
「その人達が既に無駄にした時間、これから『後悔とヘンなモノを読まされた怒り』で
無駄にするであろう時間は――
「も、もうやめてくれ・・」
「で」
「で・・・?」
「今日は言わないの?」
「な、何をですか?」
「お得意のセリフ」
「え・・・」
「 『嫌なら見なきゃいいじゃない』 」
「そ、そんなこと言ったことは――
「思ってもいないと?」
「・・・ 」
「言える程の根性も無い。そう見なしてもいい?」
「・・・ 」
「よく考えてほしい」
「・・・ 」
「嫌なら見るなと言うのは少なくても2回目以降にしか通じない」
「・・・ 」
「一回目を通して『ああ、クソだ』と思いながらも再び見に来る珍しい性格の人になら
そう言ってあげてもいいとは思う」
「もの好き・・・?」
「そういう性格性癖の人もたまにいるのは事実、でも少数」
「・・・ 」
「問題は一回目、ここに何があるのか皆にはわかりようもない」
「・・・ 」
「看板で一応の目安は付くだろうと推測はされるも、中身がこんなだとはお釈迦様でも――
「ごめんなさいごめんなさいごめんねごめんねごめんなさいごめんくさいごめんなさ――
「やめて、不快」
「はい・・・」
「言いたいことは理解できる?」
「・・・」
「見に来てくれた人を失望させないように『努力』だけはして欲しい。それができるかできないかは
この際問わないことにする。どうせあなたは誰からも期待はされていないはず」
「・・・」
「少なくとも看板に掲げたこと、スレタイで取り上げた題材には繋げるように努力しないとJAROに
訴えられても抗弁のしようがないことを理解して欲しい」
「・・・」
「で」
「・・・ 」
「どうするの このスレ」
「・・・ 」
「そう、心が折れたのね」
「はひ・・・ポッキリと逝っちゃいました」
「で」
「・・・ 」
「少しは溜まった?」
「ほとんど溜まってませんが・・・ 」
「ここまでやらかしていたら、一度見た人はもう見には来ないと断言してもいい。それでも続ける?」
「ほんとはやめたいです・・」
「好きにすればいい」
「でも覚えておくといい。あなたは時々この手で『時間稼ぎ』のような行為をするが、
一部の人達を恐ろしく不快にさせる可能性を秘めていることを。これを面白がる人が
そうそういるとは思えないし、何より読み手を舐めているとしか思えない。
普通に書き溜めるか、即興でやるにしても素直に時間がかかりそうな旨を
伝えた方が高感度は高いはず。
とは言っても支援を当てにして用意が不十分なまま立てるとかは論外。
流行りもののスレタイを思いついたからと言って、『誰かが立てる前に』だとか
『流行りが終わっちゃう』とかの雑念に捉われて行動を起こすと
あとで泣きを見る羽目に陥る――」
「妙に蛇足っぽいですが、ひょっとしてコピペミスですか・・・?」
「そう…… 」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 18:04:59.03 ID:Ld/zA/Z1O
わかった
一時間で1000いったら
おっぱいうpしてやる
顔つきID つきでな
長門の回復を待つ間、俺は少し困った事態に陥っていた。
それは単純に言うと『間がもたない』ということ。
元来俺はそうおしゃべりな方では無いと自分では思っているし、
今までの人生で実際にそう指摘された記憶は皆無であり、
どちらかと言うと自問自答することが多い、言わばおしゃべりとは
対極にある『寡黙』な性格と言ってもいいんじゃないだろうか。
だが今は場合が場合だ。たとえ二人とも妙な気は毛ほども抱いていないにしろ
――特に長門の場合、『妙な気』が何を示しているかもわからないであろう――
こういう体制でじっと黙ったまま時をひたすら消費するこに俺は慣れていない。
苦行だとまで言うつもりはないのだが、何というかもの凄い気づまり感がする。
プレッシャーとかではなく、あくまでも『気づまり感』なのだが、俺の自意識が
異様に過剰なのだろうか。若さゆえの一過性のものならいいんだがな。
で、俺の自意識が悲鳴を上げているからといって、あまり長門に
声をかけることも憚られた。
なぜかと言うと、長門は現在、鋭意回復中でありその集中をあまり妨げない方が
いいんじゃないか、と言うのがひとつ。
もう一つ、少なからず長門は俺の負担になることを極力避けているように
している節が仄見える。おそらく長門の身体が今より数段ひどい状態だったとしても、
俺が『んー 少し疲れたかも』などと言う素振りを見せれば、たちどころに自分だけで
なんとかしようとするであろう。
あるいは、まだその方が長門にとっては気が楽でいいのかもしれない。
本当なら俺は席を外し、長門一人にしてやったほうがすべての面で
うまく事が運ぶのかもしれない。
ひょっとしたら俺は長門の回復の邪魔になってはいないだろうか。
だが、こちらからしてみれば、俺のためにこうなったのだから、俺にできることが何か
少しでもあれば、してあげたいじゃないか。ああ、これは俺の自己満足か……。
こうやって意識を自分の内面にのみ向けていれば、少なくとも『あれ』を思い出すことも――
くそっ、やっちまった……。考えないように考えないようにしていたのに思い出しちまったぜ。
アレのことを……。
長門、まだなのか?まだ回復はできていないのか?
このままだと俺は、俺は、考えてしまう……思い出しちまうんだよ。
「ん…… 」
長門を抱えていた腕に思わず力がこもってしまったのか、
長門が僅かに身じろぎをするとともにそのうっすらと開いた
薄桜色の唇から、吐息とも溜息ともつかない小さな気体の
カタマリ状のものがこぼれた。
長門、急いでくれ。まだなのか――心の中でほとんど絶叫に近い金切り声をあげつつも
表に出さないように――長門にだけは気づかれないようにするために、俺はものすごい精神力を
いま振り絞っているのだが、果たして成功しているのだろうか……。
「…… 」
長門は身じろぎをする前と変わらぬ姿勢でずっと俺の顔を見つめ続けている。
どうやら俺の内心の動揺を気取られてはいないようだ。
そうだ、いいぞ、そのまま自分の身体を治すのに集中してくれよ。その間に俺は――
ええと、俺は何をするんだ?
そうだ。思い出さないようにするんだ。
なにを?何をってアレを。
アレ?あれだよ。あれ。ああ、あれか。
そう、あれだ。うん、あれ。黒いの。黒かったっけ。
うん、黒かった。そうか黒かったか。
黒いだけだったか。いや黒いだけじゃなかった。
そうだな、黒いだけじゃなかった。黒いだけじゃなかったっけ。
うん、黒いだけじゃなかった。何か特徴があったっけ。
何か特徴があったよ。ふうん。普通のじゃなかったんだ。
うん、普通のじゃなかった。普通のじゃないって変ってるってこと?
そうだね、変わってたかも。変ってるんだ。変ってるね。
そうか。変なんだ。変?変だね。色が?色は黒だよ。黒なんだ。
黒は変?黒は普通じゃない?そうだね、黒は普通。
じゃあ変なのは――――
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 18:46:29.97 ID:BcUsuwfrO
もしもし
C
がちゃ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 18:46:53.81 ID:Hwp8af89O
がんばってるな
「……大丈夫?」
え、なんだって?何かあったのか。
「汗…… 」
汗?あ、ああ、俺か。俺が汗をかいてるのか。いやすまん、顔に垂れちまったか?
「そうではない。でも、すごい汗」
霞がかかったような俺の頭の中に小さいが凛とした声が響いている。
ああ、この声は長門だな。長門が俺に話しかけてるんだ。
えっと、なんだっけ。ああ、そうだ、汗。俺、汗かいてるらしい。それもすごく。
ハンカチ、そうハンカチ持ってたよな。今日は妹の花柄のヤツを間違えて
持ってきたんだっけ。昼休みに危うく恥をかくところだったぜ。笑えるだろ?
脳内補正すれば僅かながら心配そうな風にも見えなくはない長門の視線が
俺の視線をまっすぐにとらえている。
うん、補正はやめとこう、いつもの視線だ。
というか、俺はずっと長門の顔を見ていたはずなのに――長門の瞳から
目をそらした記憶などないのに、なぜだか久しぶりに視線があったような気がする……。
この若さにしてもう呆けが始まっちまったのかなぁ、先が思いやられるぜ。
ってか、我ながらすごい汗だな。夕日をもろに浴びてるせいか?
いつだったか見た映画の中に出てきた設定に、電磁波がどうのこうので
太陽風がものすごい殺人光線にどうたらこうたらってのがあったが、
まさかそれじゃあるまいな。
と、こんな事を考えている暇があったら先にやらなければならないことが――
そうそう、汗だ、汗を拭かないとな。マイシスターズ花柄ハンカチはいったいどこに
しまったっけか。ええと、確か制服の上着だっけか。
右腕は長門の身体を支えるのに使用中のため、左腕一本で制服のポケットを
上からなぞってみる。ううむ、上からじゃわからんか。
普段何も考えていない時はそんなに使いづらくはないはずの俺の
利き腕じゃない方は、それを意識した今この瞬間に不器用になり、
たどたどしい動きで、ごそり、ごそりと目的のモノをつまみ出すために
あちこちのポケットをまさぐっていく。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 19:28:11.69 ID:55mM11B0O
しぶとい
くそっ、汗が……。
間違っても長門の顔に、自分の汗の雫をこぼさないように身体の向きを調整し、
必要以上に用心しつつ難航するハンカチ捜索作業を続ける。
長門のことだから、別に俺の汗の一滴や二滴を顔にかけられたくらいで怒り出したり
泣き出したりはしないのは明白なのだが、やはり思春期を生きる若者として、
たとえ汗だとはいっても自分の体液を年頃の女性(まあ同性でもかな)に浴びせるのは
字面から行っても禁忌すべき事であるし、こればかりは自意識過剰だと言われない
妙な自信が湧き上がってくるのを自分でも阿呆らしく思った。俺、何考えてんだ……。
俺ってこんなに汗っかきだったっけか。どこにこんな水分を貯め込んでたんだ。
また一筋、首筋を汗が流れ落ちる。意識すればするほど、季節はずれの真夏に
ひいた風邪の末期症状を冷房の効かない部屋の布団の中で迎え撃っているかの
ごとく、次から次へと湧き出してきやがる。
と、不意に視界に入った白いモノが――ええと、これは真っ白いハンカチ?
「使って」
さすがにこれは長門持ち物なんだなあと感じさせる、折り目のはっきりとプレスされた、
かといって新品では無いと感じさせる清潔でシミ一つないであろう真っ白いハンカチ。
一瞬動きが止まり固まったようになっている俺の顔を、長門のハンカチが躊躇いがちに
移動――汗を拭きとっていく。
「悪いな……」
「いい」
下から手を伸ばし、片手で器用に俺の顔を拭い続ける自称宇宙人の手先。
ずっとこのまま拭き続けてもらうのも悪いしハンカチを受け取って俺が自分で拭くのが
この場合の正解なんだろうか、などと考えながら俺の左手は捜索を続けている。
なにせこの汗の量だ。長門のハンカチはすぐに汗を吸って拭きとれなくなるのは
目に見えているし、びしょびしょに汗を吸ったハンカチを絞ってもらうのは俺の
男としての、いや人間としての何かが許してくれそうもない。
俺の利き腕じゃない方の人差指の先端部分にざらりとした感触。
え……? 俺の全身がざわりと音をたてたような気がした。
指先の、それもほんの一部分だけが『それ』に触れたはずであるのに、
その部分から身体中に広がって行く奇妙な感覚。身体の表面の部分部分の
毛穴が収縮するような、皮膚と肉の間のほんの僅かな薄い間隙の間を
自分以外の何物かがぞわぞわと這い回っているような嫌悪感――
肌が順番に粟状の突起物に覆われてゆく――手羽の方から順番に
少しずつ羽をむしり取られていくブロイラーにしかわからないんじゃないかなあと
思わせる絶望的な感覚。
これは――まさかあれか!?
でもいったいなんで俺の制服のポケットなんかに……
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 20:13:14.90 ID:w0UceW6h0
財布北ーーーー
いや、まさかそんなことがあるはずないな。うん、気のせいだ。
そう、ゆっくりとポケットの中の『それ』から指を離して、うん、そうだ。
ほら、ちゃんと鳥肌も収まったじゃないか。あはは。俺どうかしてるよな。
そんなことより汗だ汗。ハンカチはっと――おおっ、これか?この折りたたんだ
布っぽい感触はまさしくハンカチだ。まさかアレと同じ――いやいやいやいや、
まさかこのポケットにだ、うん。こっち側のポケットにこのハンカチ”だけ”
入ってるとはな。はははは。
「ありがとな、助かったよ」
長門に礼を告げつつ自分のハンカチを悠然と取り出す。一旦妹のハンカチは膝の上に置き、
俺の汗を吸って重くなった長門のハンカチを受け取ると
「これ、洗ってから返すからな」
「そう」
短いやり取りの後、長門’Sハンカチには制服の”別の”ポケットに収まってもらい、引き続き
自分の体液の除去作業を開始する。
それより長門の治療(といってもいいものだろうか)はまだ終わらないのだろうか。
あれから結構な時間が経過しているようにも思えるのだが・・・・・・。
しかし、そんな事を考えているなどとはおくびにも見せないようにしないとな。
長門のことだから、自分で何とかできる範囲にまで回復すれば俺にそう告げるであろうし
その宣言が未だなされていないという事は、まだそこまで十分に回復できてはいないという
ことなのだろうから。
でも本当に長門はあの忌まわしい呪縛から解き放たれたのだろうか。
というか、今でも俺には疑問だったのだ。なぜ長門は『あれ』を使って――
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 20:36:59.30 ID:mbHo1apr0
2、3人の小説家を無理やり混ぜたような文章だな
ああ……やっちまったか。嫌なことを考えないようにすればするほど余計に
頭の隅っこにへばりつかせてしまい、事あるごとにひょっこりと思考の淵に
浮かび上がらせちまうのは、子供の頃、親が不在なのに怪奇映画を見ちまった深夜、
トイレ行くのがどうしても我慢できなくて半泣きになりながら、自室からトイレまでの
道筋の電灯を全部つけた上に懐中電灯まで持ち出すような不甲斐無い幼少時代から
付き合ってる俺の癖みたいなもんだ。
考えないようにってのがどうしても無理なのなら、いっそのこと真正面から向き合って
みるのもいいかもしれんな。
長門の方も復活まではまだそこそこ時間がかかりそうな感じではあるし。
「同じ態勢でつらくはないか?もし不都合があるのならいつでも言ってくれよ」
「大丈夫」
長門に一声かけて、今のところ問題無し――まだ時間がかかりそうなのを確認した後で
俺は自分を思考の海に沈めてみることにした。
かといって、ポケットの中にひょっとしたら存在するであろう『アレ』と向き合うのは
まだ少し時期尚早というものなので、今は考えないことにする。
幸いどこからも異議は出ないだろう。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 21:10:37.49 ID:XWV0aaCb0
皮膚と肉の間のほんの僅かな薄い間隙の間を
日本語になってねえwwwww
俺が最初に『それ』に気がついたというか、違和感のようなものを感じたのは、
初めて長門に出会った翌日、そうハルヒと一緒に文芸部の部室を訪れた次の日の昼休みだった。
教室でその日の弁当――俺の好きなから揚げがメインのおかずだったっけか
――に舌鼓を打っていた俺にハルヒが
「いつまで食べてるのよ。自販機のジュースが飲みたいんだけど」
どうぞどうぞ、ご自由にお好きなだけ飲んで来てください。
あなたにジュースを飲む権利をあげます。
「頭わいてんの?なんであたしがあんたにジュースを飲む権利を貰わなきゃいけないのよ」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 21:30:49.12 ID:J/7gS4o+0
読んでないけど
無駄に読みにくいごちゃごちゃした文章を頑張って打ってる事は伝わってきた
金払った小説がこんなのだったなら
壁に投げつけて、引き裂いて、踏みにじって、火を点けて燃やし
残った灰に糞を載せ、小便をぶっ掛けて、怪しげなキノコを添えて
アルミホイルで包んで、中の具が毀れない様にして、長時間火の中に入れて
ころあいを見て取りだして、スダチを絞って、マヨネーズを和えて
出来上がったものを、作者の顔面に投げ付けに行くかも知れないところだが
どうせVIPだ
タダでみるもんなんだ
お前が頑張っているならそれで良いじゃないか
頑張れ頑張れ
ちょっと不測事態 支援不要おとして
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 21:54:32.23 ID:lnqX3G/b0
落としてとか言うとホントに落とされるぞ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
反語だらけで読みにくい