1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:28:14.40 ID:deHZSp5P0
―― 一階 体育館
女性「」
ハルヒ「……眠りに着けたのね、やっと……この子」
キョン「ああ……俺たちが来るのを、ずっと待ってたんだろうよ。誰かに、メッセージを伝えられるのを」
みくる「……ぐす……『模様の部屋』……そこには、一人しか入ったらいけない、そういうことなんでしょうか……」
古泉「ええ……そして、奥の扉から、廊下が伸びていると。
しかし、見取り図には、それらしき場所が確認できません……」
キョン「……とにかくよ。行ってみるしかねえと思うぜ。
奥に扉っつったら……一つ見当たるが、ありゃ、用具倉庫か?」
長門「他に、両脇の壁に鉄の扉が、二づつ」
古泉「……とりあえず、用具倉庫から調べて見ましょう。ただし、彼女の言う『模様の部屋』がどこにあるかわかりません。
十分に注意をしていきましょう……」
キョン「……ハルヒ、行けるか?」
ハルヒ「……当然よ」
ぐしぐし
ハルヒ「この子の遺志、ちゃんと引き継いであげなくちゃ……絶対、脱出するのよ。この学校から」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:36:43.42 ID:deHZSp5P0
―― 一階 体育倉庫
ゴウンゴウン
キョン「案の定、暗いな……古泉、ライト頼むぜ」
古泉「はい。……! フレスコ画です、こんな所にまであるとは……
……壁にも床にも、『模様』と思われるものは、ありませんね」
ハルヒ「だったら、フレスコ画を確認しましょうよ。あの子の行ってた、廊下ってのがどこから行けるのかとか、分かるかもしれないし」
古泉「ええ、そうしましょう。朝比奈さん、涼宮さん。念のため、入り口で見張っていてください、何か現れないか」
みくる「は、はい」
ハルヒ「オッケーよ。大丈夫よ、みくるちゃん。こっちには武器があるんだから。あんたのみくるフラッシュとか、あたしの木刀とか」
キョン(木刀はまだしも、フラッシュはコウモリ限定じゃねえか……)
古泉「では、照らしましょう……三人で照らしたほうが、効率がいいでしょう」
キョン「しかし、えらく大量に用意してきたんだな、懐中電灯」
古泉「ふふ、もしもの時のためにと思いまして……結果的に役に立っているんですし、良いではないですか」
キョン(……実際に遭遇しちまったら、もしもでもなんでもねーじゃねーか)
長門「見つけた」
キョン「早っ!!」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:38:14.16 ID:i54yy7ZSO
わくてか
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:38:17.66 ID:deHZSp5P0
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:44:58.19 ID:deHZSp5P0
『幻の部屋にて 窓辺に 銀の輝きを』
古泉「……幻の部屋、ですか……もしかすると、彼女の行っていた、あるはずのない『廊下』と関係しているのかもしれませんね。
フレスコのメッセージが告げるくらいです、やはり、この体育館にある扉のいずれかから、その『廊下』へ行けるのでしょう」
長門「探索を進めるべき」
キョン(古泉、フレスコのメモなんて取ってたのか。……まあ、この状況じゃ、やるほうがまともか……暇だな、しかし)
チラッ
キョン(ん? ……なんだ、そこの跳び箱の影に……
! こいつは……!)
骸骨「」
キョン「なっ……!」
キョン(こ、こいつは……死体だ。やっぱり、若い女の子の……しかし、今までのヤツらと、骨の見た感じが違う……
それに、服も着てねえ。まさか、『敵』か……!?)
キラッ
キョン(! 違う、この骸骨……『眼鏡』をかけてる! こんなもんを掛けたゾンビはいねえ……
……眼鏡越しの、眼窩が、天井を見上げて息絶えてる……天井ッ!?)
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:46:59.06 ID:OyL/pkdEO
待ってた
支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:48:37.21 ID:deHZSp5P0
古泉「? どうかしましたか?」
キョン(まさか、ここは―――!!)
バッ
キョン「―――天井! 天井の一部に……『模様』がありやがる、古泉ぃぃぃ!!」
古泉「なッ―――!?」
キョン「『模様の部屋』は此k」
ボッグォン
キョン「オウッフ」
古泉「ぐえっ!」
ハルヒ「きゃああっ!? な、何、敵!?」
ドッシャアアアア
キョン(なっ……なんで、俺と古泉が、用具倉庫の外まで吹っ飛んだんだ!?
まっ、まさか―――)
キョン「長門っ―――うおあッ!?」
―――ボウッッンッ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:48:53.60 ID:lOdMR4eaO
まってた
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:53:23.71 ID:xxFSqftxO
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 17:54:35.25 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「きゃああああっ!? ひ、火が、倉庫ん中に! 火があっ!!」
古泉「ばっ、馬鹿な……長門さん!! 火を、火を消すんだぁっ!!」
キョン(あのバカ、フルパワーじゃねえってのに……!!)
みくる「きょ、キョン君!! これっ、消火器! どう使うんですかッ!?」
キョン「! 貸してください! ……こっんのヤロォォォォォォ!!」ブシャァァァァァア
ドジュウウウウウウ……
ハルヒ「ちょ、もっと早く消火してよぉ、キョン!! 有希が、有希がああっ!!」
キョン(俺だって、この五倍は出て欲しいがよ! 機能的限界があんだよ!)
シュウシュウシュウ……
古泉「あらかた消えました……長門さん! くっ、煙で見えない……長門さん!!」
長門「無事」
古泉「うっはぁっ!?」
キョン(いきなり古泉の目の前に!)
ハルヒ「ゆ、有希いいいい!! よかったあ、無事だったの……げほ、ゆ、有希、なんか、けむい……」
長門「消火ガス。そのうち希釈される」
完結期待支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:02:25.46 ID:deHZSp5P0
―――
古泉「なるほど……あの模様の真下のみが、炎が噴出しなかったと」
キョン「『一人しか入っちゃ行けない模様の部屋』の正体、か……確かに、あの模様の下には、一人しか入りきらんな」
長門「足に経度の低温火傷を負った。しかし、問題ないレベル。あなたたちへの蹴りのダメージのほうが大きい」
ハルヒ「もう、無茶しないでよね!」
長門「申し訳ない。しかし、説明する時間はなかった」
みくる「……えっと、それで。フレスコは、なんて?」
古泉「ああ、はい……『幻の部屋にて、窓辺に銀の輝きを』……と、ありました。
このメッセージがどのような意味を持つのかは分かりませんが……『幻の部屋』があるならば、『廊下』があってもおかしくないでしょう。
彼女の残したメッセージどおり、『庭の見える廊下』を探してみましょう」
ハルヒ「たしか、奥の扉って言ってたわよね。あの子が居た入り口から、奥っていうと……ステージ側の両脇にある、鉄の扉のどっちかね」
古泉「地理的に、入り口を入って左……つまり、北へ向かうほうの扉は、塀に面しているはずです。となると、おそらく……こちらの。南へ向かう扉が、そうなのではないかと思われます」
キョン「ま、開けてみりゃあいいさ。ハズレなら、おおかた開いてはくれないんだろうしよ」
ハルヒ「よし、いくわよ……この扉ね。あたしとみくるちゃんで開くから、何か飛び出してきたら、斧で真っ二つにしちゃっていいからね」
キョン「へいへい」
ゴウンゴウンゴウン
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:11:23.81 ID:deHZSp5P0
キョン「これは……ビンゴだな」
古泉「ええ、『廊下』です。……西向きに、渡り廊下と並行に続いているようです。そして、反対側の壁に『窓』がある」
ハルヒ「! 『中庭』よ、ついに見つけたわ! でも……うっそうとしてて、わけわかんないわね」
古泉「ええ……地理的に考えて、中庭というよりも、サブグラウンドといったところでしょうか。運動部のコートなどがあったものと思われますが。
草やら岩やらで、面影はないですね……あの、バスケットゴールの塔が、名残でしょうか」
キョン「いくつか、建物っぽいのが見えるのは、運動部の部室か……?」
ハルヒ「発電機が野外にうっちゃってあるとも思えないし……あそこが臭いわね」
長門「まだ、中庭にたどり着けたわけではない。『部屋』を探すべき」
ハルヒ「っと、そうだったわね……まあ、探すまでもなく、こっからでも見えるわよ、ほら、廊下の奥に、中庭のほうに向いたドアがあるわ」
キョン「……おい、古泉」
古泉「はい?」
キョン「……あのドアの先って、多分、この窓からも見える、あの部屋だよな」
古泉「ああ、本当ですね。おそらく、そうでしょう……それが、どうかしましたか?」
キョン「……あの、窓。……『割れて』ないか。人が一人通れるぐらいのデカさに」
古泉「……え……?」
―――
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:12:22.41 ID:i54yy7ZSO
とっとと書け太郎
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:14:28.67 ID:J6lvM1HJ0
* *
* + おわりです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:18:50.77 ID:deHZSp5P0
―― 一階 幻の部屋
ハルヒ「きゃーっ! 見て、窓! 割れてるわよ! ここからなら、中庭に出られるわ!」
キョン(こりゃあ……やっぱり)
古泉「『先行者』の方が、既に解いていたようですね、このからくりは……」
キョン「……なあ。いくつか気になってるんだが、やっぱり、この学校はおかしいぜ」
ハルヒ「は? 何を今更言ってんのよ、はなっから、おかしいのなんてわかりきってるじゃない」
キョン「そういうんじゃなくてだな、こう……あの『亡霊』が、俺らを此処でくたばらせるつもりなら。何故、『ヒント』なんてもんがある?」
ハルヒ「? ……さあ、でも……そういえば、そうかしら」
キョン「それに、この『先行組』だって、あの魔封じの紐や、岩どもを壊したはずだ。
しかし、岩や紐は、次に入ってきた俺たちの前にも立ちふさがった。だが、この窓だけはそのままってのはどういう事なんだ?」
みくる「ふぇ……そういえば……」
ハルヒ「うーん……わかんないわよ、見落としたんじゃないの? とにかく、今は中庭に行くのが……? あれ、なにこれ……書置き!」
古泉「え……『先行者』のですかっ?」
ハルヒ「多分……えっと」
『聡、律へ 電気を点けたのは私だ、だけど美術室には行けない。三階が明るくなったから、探索してみる』
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:25:52.85 ID:deHZSp5P0
キョン(こいつらは、発電機を見つけられたのか……そして、こいつが此処にあるってことは。やっぱ、発電機はこの先で間違いないな)
ハルヒ「……また、初めて見る名前ね。この子達、何人で来たのかしら……」
みくる「えっと、これまでに、その……死んじゃった人と会ったのは」
古泉「四名ですね。しかし、いずれも女性でした。少なくとも、この『聡』という方とは、まだ出会ってないようです」
ハルヒ「……どこかで、あの子達みたいに、死ねずに待っているのかもしれないのね……」
古泉「はい、そして、おそらくこのメッセージの方とも、まだ出会っていないでしょう。この方は三階へ向かわれたようです。僕らは、まだ三階をまともに探索してはいません」
キョン「……こいつらの軌跡を追うのが、一番速そうだな」
ハルヒ「そうと決まれば、さっさと発電機よ! この陰鬱な世界に、光を叩き込んでやるの!」
キョン(そういや、いつの間にかか知らんが、空がドン曇りんなってやがるな……)
古泉「よし、行きましょう。何が有るかわかりません、注意してください……」
―――
――― 東側 中庭
キョン(まったく手入れのされてねえ雑草が、わさわさと……ったく、ゾンビだらけだってのに、草ばっか元気に生きまくりやがって)
古泉「岩さえ壊してしまえば、部室までは遠くないですね……」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:28:51.91 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「よっし、いくわよ……ふんっ―――でえええりやあああ!!!」
ドッグバアアアアン
キョン(……気持ちよさそうだな、実際、このハンマー……)
グルルルルルルル……
キョン「ん? ……腹空いてんのか、古泉」
古泉「? ……え、僕ではないですよ? あなたじゃあないんです?」
キョン「いや、俺じゃ」
グルルルルルル……
古泉「……これは、まさか」
キョン「……やべえっ、周りを気をつけろ!」
ハルヒ「へっ!?」
狂犬「ガウウウウ!!」
みくる「ひゃあああっ!!?」
長門「犬」
キョン「見れば分かる!」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:33:45.76 ID:deHZSp5P0
狂犬「ガウウウウルルルッルルルルッルル……」
ハルヒ「な、何よこの目……ふ、フツーの野犬じゃないわよ!?」
古泉「……こいつらの食料、何だと思います? 僕は、一つしか予想できないんですが」
キョン「……俺も一つしか浮かばねえな」
みくる「こ、この犬、わ、私たちのこと、たっ――――」
狂犬「ガアアアアアアアアアウ!!」バッ
みくる「きゃあああっ!?」
キョン「させるか犬畜生がっ!!」ブンッ
バッゴォォォン
狂犬「アギャッ!!」
ハルヒ「うひゃっ!? の、脳天に……や、やりすぎなんじゃ……」
古泉「……涼宮さん、これはそういうレベルではありませんよ……こちらがやらなければ……僕らがエサにされてしまいます……それに、まだいます」
グルルル……
ガウッガウッ……
グルル… ルルル……
ガルルルル……
ピッピカチュウ……
ウウウウ…… WRYYYY……
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:37:24.79 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「う、うそっ、囲まれてるっ!?」
キョン(多すぎないか、こりゃ……)
古泉「……来ますよ」 ボッ
狂犬「「「「ガアアアアウ!!」」」」ババババッ
ハルヒ「うひゃあああっ!?」 ブンブンブンッ
古泉「ふもォォォォ―――っふ!!」 ドンドンドンドンドンドンドンドンッ
キョン「くっそ……でええええい!!」ブウンッ
長門「…………火」ボソッ
みくる「え」
―――― ボウウウウッ!!
狂犬「「「「アイギャアアアッ!!」」」」
バタバタバタバタ……
古泉「え?」
キョン「え?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:41:31.31 ID:deHZSp5P0
長門「……あたりの雑草を利用した」 スッ
ボフッ
キョン(あ、一瞬で消えた……長門、お前……図書室ん時より、随分レベルアップしてねえか?)
古泉「……な、なるほど、野生動物は火に弱いですからね……しばらく近寄ってこないでしょう」
ハルヒ「……な、なんか、夢見てるみたい……」ぐしぐし
キョン「夢だとありがたいんだがな……」
長門「雑草も燃えて一石二鳥。今のうちに、あの部室まで」
キョン「よ、よし……岩は最低限だけ壊そう、またあんなんを呼び寄せたら洒落んならん……(なんとかなりそうだが)」
ハルヒ「あ、うん……え、あれってあたしが呼んじゃったの?」
キョン「わりとな」
ハルヒ「……ごめんなさい」
キョン「気にすんな」
古泉「よし、まずこの岩を壊して……無駄ァッ!!」ブゥンッ
ボッグォン
キョン(……俺もやりてえな、アレ)
どうやら吸血鬼がいるようだね
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:45:17.81 ID:deHZSp5P0
古泉「よし、部室までの道を作りました。行きましょう」
長門「!」ダッ
ボグシャァッ
古泉「あうろふっ!」
ドズッシャァァァッ……
キョン「な、長門!? お前、何やって―――ああっ!?」
ガブゥゥッ
長門「く……」
狂犬「アググググググ」
ハルヒ「! ま、まだ残って……有希いっ!!」
キョン「オラァ!!」
ズバッゴォン
狂犬「アグgレgッ……」ドサッ
長門「……うかつだった。残党がいた」だくだくだく……
みくる「な、長門さん、酷い怪我ですよっ!?」
電気ネズミもいたな
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:51:35.61 ID:deHZSp5P0
古泉「つつ……と、とにかく、ここはまた、犬が来るかもしれない……この部室に! そこで、手当てを!」
キョン「な、長門、しっかりしろ! ……お前、回復は!?」
長門「情報操作の範囲外……」
キョン「くそ……とにかく、中に!」
――― 運動部室 A
ハルヒ「あーもう、ここも真っ暗! と、とにかく、有希をどっかに座らせて! みくるちゃん、救急箱!」
みくる「は、はいい! とにかく、血を止めないと!」
長門「……頼む。……あなたと古泉一樹は、室内を探索して。危険な可能性もある」
キョン「あ、ああ……(今度は正真正銘の無茶じゃねえか……!)」
古泉「そ、そうですね……落ち着かなくてはいけない。ここは……どうやら、サッカー部の部室のようですね……
見た限りは、安全です。今度こそ、天井にもどこにも『模様』はありません」
キョン「……ん? 何だ、このデカイ機械……パソコンか?」
古泉「? ……っ! これ、発電機です! 僕らの探していたものですよ!」
キョン「な、マジか!?」
古泉「はい、間違いありません! ……この紐がエンジンだ、これで電気が通るはずです!」 ビッ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:56:27.50 ID:DQL3hMvc0
おもしろい
続けてかまわん
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:57:00.89 ID:deHZSp5P0
キョン「……」
古泉「……あ、あれ?」
長門「……燃料を、見て」
キョン「! そうか、燃料……古泉、こういうのは、何を燃料にするんだ?」
古泉「ガソリン……でしょうか。でしたら、部室の隣に、災害時用の小屋がありました。そこにあると思います」
キョン「よし、俺たちで取りに行くぞ、古泉! ハルヒ、長門の様態は?」
ハルヒ「血は大体、止まったけど、かなり深いわ……しばらく休ませたほうがいいかもしれない」
長門「……問題ない。ほんの少しだけでいい。……燃料を取りに行って、二人とも」
キョン「あ、ああ、分かった。すぐ戻るが、俺ら以外が来ても、絶対にドアを開けるなよ! よし、行くぞ古泉!」
古泉「はい!」
―― 中庭
キョン(ガソリン……あった、こいつか! このニオイ、間違いないぜ……)
古泉「よかった、無かったらまずいことになってましたよ……まあ、『先行組』が発電機を作動させられたなら、あるだろうとは思っていましたが」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:06:30.45 ID:deHZSp5P0
キョン「よし、あいつらん所に戻……」
古泉「? ……どうかしましたか?」
キョン「……いや、このガソリン……校舎にぶっかけて、盛大に火を起こしちまうとかじゃ……駄目だろうな、やっぱ」
古泉「……分かりませんが、恐らく、効果はないと思いますよ。……『亡霊』の力が、涼宮さんのものと同レベルだとすれば、恐らく、何らかの方法で、僕らを束縛しつづけるでしょう」
キョン(ですよねー……)
古泉「……あの、長門さんは。……何故、あんな無茶なことを……」
キョン「!」
古泉「いえ、助けていただいたのは分かっています。ですが、今の長門さんは、情報操作の能力はかなり限られています。
……こんなことを言うと、なんというか、縁起が悪いのですが。……心配なんです、今の彼女を見ていると。
いつもの調子で僕たちを助けようとして……こんなことが続けば、いつか、彼女は」
キョン(……確かに、な……今のあいつは、ちっとばかり火が起こせて、大人二人をぶっ飛ばせる蹴りを打てるだけの、一介の女子高生だ……)
キョン「……あいつなりに、気にしてんだよ。いつもの調子が出ないことを」
古泉「……そうなのでしょうか」
キョン「ああ、そうだよ。……確かに、俺も、あの怪我は心配だ。こんなことがたびたびあったら……とも不安になるさ。
……だから、全力で防ぐつもりだ。俺だって、いつもよりは、少しばかり戦力になれるんだしな。
次は長門がお前を蹴り飛ばす前に、俺がお前を蹴り飛ばす……それしかねーだろ」
古泉「……そう、ですね。すみません、迷うようなことを言って……よし、戻りましょう、みなさんのもとへ。
発電機を作動させなくては……先に進めません」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:06:39.49 ID:Bfvyt1udO
なんかサイレンっぽいな
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:10:35.22 ID:xxFSqftxO
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:11:54.14 ID:deHZSp5P0
――― 運動部室 A
ハルヒ「あ、お帰り! どう、ガソリンはあった?」
キョン「ああ、見つけたよ。……ところで、こりゃどこに注げばいいんだ?」
古泉「少し、待ってくださいね……あった、恐らくこのキャップです。満タンまで入れれば、2、3日で切れるようなことは無いでしょう」
キョン(んな長居、絶対にしたくないがな……)
古泉「では……ふんっ」ビッ
パッ
ハルヒ「きゃっ! ……つ、点いた! ライトが点いたわよ、キョン!!」
キョン「ああ……これで、学校のほうにも回ったのか?」
古泉「恐らくですが。……どうやら、体育館の電灯も点いたようです。薄暗くなってきましたし、ちょうどいいタイミングでたどり着けましたね」
長門「あの書置きの目的地……三階へ行くべき」
キョン「あ、ああ……しかし、長門、お前の怪我は―――あ、あれ? ……お前、怪我は?」
ハルヒ「ふっふっふ……キ・ョ・ン。安心しなさい、有希のケガは、キレイさっぱり治してあげたわ。
このあたしが――――『心の力』でねッ!」
キョン「何ィィィィっ!?」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:17:16.94 ID:S/EhAc8b0
お,立ってるじゃん
応援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:17:24.51 ID:deHZSp5P0
みくる「あ、あの、本当なんです。涼宮さんが、長門さんの腕をこう、ぎゅっと握ったら、長門さんが」
長門「治った」
みくる「って」
キョン(……え、ちょっと待てよ? たしか、この学校じゃ、あの亡霊の力……ハルヒに似た力が働いていて
それが俺たちに影響して、妙なパワーを発揮できるとか、そういう話だったよな?)
古泉「……どうやら、いつも通りの彼女の力というのとは、少し違うようですね」ボソ
キョン「!」
古泉「彼女は基本的に、力を無意識に発揮します。自分の記憶にも残りません。
彼女も、僕らの『心の力』と同じく。その名のとおり、彼女自身の『心』が、この学校を包むパワーと呼応して発生したのでしょう」
キョン「……なるほどな」
古泉「しかし、回復が可能なのは心強い。……これは、少しばかり道が明るくなったと言って良いですね。二つの意味で」
ハルヒ「よし! 発電機が動いたら、もうこんな岩だらけの庭に用は無いわ! 目指すは三階!
あの書置きを残した人が、まだ、その先に居るかもしれないわ……行きましょう!」
キョン「ああ……そうだな」
―――
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:27:24.93 ID:deHZSp5P0
キョン(道中。あの書置きに残されていた、『美術室にいけない』という記述の真の意味を俺たちはこの目で目撃した)
ハルヒ「これ……東側の廊下が、ヘンな光の壁に覆われてるわ」
古泉「恐らく、『結界』でしょうね……さきほどは見落としましたが、こういうことだったのですか」
キョン(結界。恐らく、その動力源は……あの『亡霊』の『力』なのだろう。俺たちが破ろうとしても、無理だろうな)
―― 三階 北側校舎 廊下
ハルヒ「さて、ついたわね……明かりがあれば、こんなの、ただの木造建造物よ、怖くもなんとも無いわ」
キョン(ただの木造建造物に、怨霊は憑いてねえだろ、ただの木造建造物には!)
古泉「一番最初の部屋が、ハンマーを見つけた家庭科室……見た限り、突き当たりの角まで、部屋はありませんね」
キョン「あとは、バケモノの類が居ないか、だな……よし、行こう。古泉、今度、お前が後ろ頼む。俺の斧は前線向きだろ」
古泉「……これは頼もしい。なんだか、いつもの貴方からは想像できない、頼りがいのようなものを感じますね。今の貴方には」
ハルヒ「……ま、確かになかなかがんばってるわね、キョンにしちゃ。いいわ、あたしの前を行くことを許してあげる」
キョン(そりゃ、こんな状況だ、いやでも成長するっての……でねーと、ゾンビか犬のエサんなっちまうんだ)
ハルヒ「みくるちゃん、いつでもみくるフラッシュできるように、準備しときなさいよ! 何なら、みくるビームでもいいからね!」
キョン「――ッ、あれはやめてくれッ! ノーコンにも程がある!」
みくる「ふぇ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:32:55.17 ID:deHZSp5P0
―― 三階 東側校舎 廊下
キョン(……北側の廊下は、問題なく突っ切れた。そして、東に折れようとすると……)
ハルヒ「あ、これ、たしか『魔封じの紐』だっけ?」
古泉「そのようですね。問題なく、ライターで」
長門「マジシャンズ・レッド」ボソッ
ボォォォフッッッ
古泉「……それ以前の問題すらありませんでしたね」
キョン(長門。お前、ちょっと楽しんでるだろ)
長門「……紐があったと言う事は、この先、新たな敵が跋扈している可能性がある。注意して」
キョン「だな……」
みくる「でも、さっきから、あんまり人魂さんとか、ゾンビの人とかに会いませんね……」
古泉「恐らく、明かりが点った影響でしょうね。古来より、あの手のものは、暗い場所を好みますから」
ハルヒ「みくるちゃん、遠慮してないで、目から光なり紫外線なりぶっ放しちゃっていいからね?」
キョン「やめとけ、メラノーマんなるぞ」
みくる「ふぇ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:40:38.24 ID:deHZSp5P0
―――
古泉「教室は、三つ……三年E組から、C組までですね。とりあえず、このE組には、『フレスコ画』もありませんでしたし、手がかりも見当たりませんでした」
キョン「つーことは、A組とB組もあんのか……また、時代の割りに、えらく大所帯な学校だな」
古泉「まあ、この規模ですからね。当時、それなりに敷居が高いか、門が広いかのどちらかだったのでしょう」
ハルヒ「一階の西側は確認したわよね? 東側は行けないし、二階は西側だけしか見てないけど、あの書置きからして、東にフレスコはなかったのね、きっと」
キョン「だろうな、でなきゃああは書かんだろ。西側って断定してたしな」
みくる「えーっと、二階の北側が、職員室と、校長室と、会議室でしたっけ?」
長門「そう。そして、一階の北側校舎には、科学室と音楽室があった。どちらも進入不可能」
ハルヒ「体育館も探したし……つまり、残りはこの三階にあるはずよね。何枚あるのか知らないけど」
キョン「ああ、とりあえず、東側はあと二部屋……」
ガラッ
キョン(! D組のドアが、開きやがった……ひとりでに、前も後ろも同時に!)
キョン「何か来る、気をつけろ! 教室から出てくる!」
ハルヒ「! な、何……ゾンビ、コウモリ!? 何でも来なさいよ!」
キョン(いや、ヤツらは、ドアなんか開ける力は無い……!)
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:45:45.15 ID:deHZSp5P0
ガッシャン ガッシャン
鎧×2「「……」」
キョン「なっ……鎧―――ッ!? 西洋の『甲冑』だ!」
ハルヒ「ハァッ!? なんで学校に『甲冑』なの!? 馬鹿なの!? 死ぬのッ!?」
キョン「俺が知るかぁっ!!」
みくる「な、何か持ってますぅ!!」
古泉「『槍』です!! まずい、来ます!」
キョン「『槍』だぁっ!? こっちは『斧』だぞチクショウっ!?」
長門「大丈夫、ファイエムなら有利」
キョン「此処はファイエムじゃねえ!」
鎧A「―――」ヒュッ
キョン「やばい、散れ! 一突きにされんぞォ―――ッ!?」バッ
ハルヒ「うっきゃああっ!?」バッ
長門「……マハラギダイン」ボソッ
ゴオオオオォォォッ!!
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:46:43.65 ID:S/EhAc8b0
追いついた
>>1はストーリーの盛り上げ方うまいな
頑張って完結させてくれ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:50:18.62 ID:deHZSp5P0
メラメラメラ
鎧A「……」 ガシャンガッシャン
キョン「駄目だ、効いてねえ! そりゃそうだな、中身がねえ鎧ならそうだろうよ畜生!!」
長門「解除」フッ
古泉「僕が隙を作ります、その隙に斧で攻撃を! ―――WAAAAAAAANAAAAAABEEEEEEE!!!」ドンドンドンッ
ボグボグボグォォン
鎧A「―――」ふらっ
キョン「っし、槍が来ない、今だ!」ブォンッ
長門「駄目」グイッ
キョン「ぐえ゛ッ! な、何す」
ヒュッ←キョンの鼻先で槍先が止まった音
キョン「」
長門「もたもたしていたら、後ろの鎧が追いついてしまった」
キョン「すいませんでした!」
古泉「まとめてふらつかせればいいだけです……オラオラオラオラオラオラァ!」 ドンドンドンドンドンドンッ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:53:35.61 ID:deHZSp5P0
ボグボグボグボグォォン
鎧AB「「……」」ぐらっ
キョン「ウリャァァァァッ!!」ブンッ
みくる「み、みくるフラ――――ッシュ!!」 カッ
ガイィィィィイイインッ!
キョン「いぎっ!?」
鎧A「……」ヒュッ
長門「危ない」グイッ
キョン「ぐえッ!」
古泉「……斧が、効かない……!」
みくる「ふ、フラッシュもです……」
キョン「それはわかってます」
みくる「ふぇ」
ハルヒ「ちょ……来るってば!」
鎧AB「「――」」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:57:33.72 ID:deHZSp5P0
キョン「ぬおっ!?」
古泉「く……まずい、劣勢です! WRYYYYY!!」ドンドンドンッ!!
ボグボグボグ
鎧AB「「―――」」フラ……ガシャッガシャッ
古泉「駄目です、コレでも、倒しきれません!」
みくる「こ、こうなったらっ! みくるビームッ!! ……あ、で、出ないですうう!」
キョン(え、今、あなたの目の前には俺の背中がないですか?)
ハルヒ「心の力が足りないのよ!」
鎧A「――」ヒュヒュッ
キョン「何ッ!?」ガンガンッ!!
ハルヒ「『心の力でしか、抗えない』って言ってたじゃない、あの階段の子が!」
鎧B「――」ヒュオンッ
キョン「だから、何だって!?」
ハルヒ「――――でえええええい!!」 カッ
――――ドヒュウウゥゥゥゥウウウッッッ!!
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:01:54.82 ID:deHZSp5P0
キョン(なっ、んだこりゃ、『風』かッ―――!?)
ハルヒ「このっ――――フッ飛べぇぇぇぇ!!!」
ドギャァァァァァンッ
鎧AB「「!!」」 ズオォッ
ドガッシャァァァァァン……
鎧AB「「」」
キョン(……え、何だ、今の?)
ハルヒ「……なんだ、割と簡単じゃない。『心の力』って」
古泉「……涼宮さんの言ったとおり、『フッ飛び』ました、鎧が……そして、何かが『抜け』ていくのを見ました。恐らく、霊魂かなにかでしょう……」
長門「……『心の力』に間違いない」
ハルヒ「……フフン、こんなもんよ」
みくる「た、倒しちゃった……今のだけで……」
キョン(……こいつの思い込みの強いのが、こんなとこで役に立つとは……)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:09:39.58 ID:S/EhAc8b0
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:10:12.68 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「これ、割と応用が利くみたいよ。古泉くんも有希もみくるちゃんも、もっと色々できるんじゃない? 一種類だけじゃなくって」
古泉「……驚きましたね」
長門「……あの鎧は、もうただの無機物」
ハルヒ「ほんと? ねえ、じゃあ、あの槍! あれ、使えないかしら? あれなら結構軽そうよ! あたし、もうちょっとまともな武器が欲しかったのよね!」
タッタッタ……
キョン(……いらねえだろ、今のあったら……)
古泉「……兎に角、危機は逃れました。……涼宮さんが居てくれてよかったです。僕らだけでは、かなりまずい状況でしたよ」
キョン「ああ、マジにな……」
古泉「それに……『心の力』は、使いようだということも分かりました。彼女ほど柔軟には難しいかもしれませんが、僕らにもできることの幅が増えるかもしれません」
キョン「……正直、それっぽいもんをまだ発揮できてねえ俺には、えらく置いていかれちまった気分だ」
古泉「ふふ、あなたは常識的過ぎるのでしょうね。ここでは、常識なんて通用しません」
キョン「……お前の話じゃ、ハルヒはアレでかなりの常識人だったんじゃないのか?」
古泉「ええ。ですから、彼女は、この状況が『非常識』であることが、ちゃんと分かっているんです。其れもまた、『常識的』であるということですよ」
キョン(……コレをきっかけに、あいつの常識の箍が外れたりしなけりゃいいが)
ハルヒ「キョン、この槍軽い! 使えるわよ! ほら、あの女の子が言ってたじゃない!
斧と槍は魔除けになるって! 良いもん拾ったわ。でも、片方は曲がっちゃって使い物にならないけど……もったいない
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:18:19.33 ID:deHZSp5P0
―― 三階 南側校舎 廊下
キョン(さて、東側の残る二クラスも探索完了、問題なしとして。俺たちは、位置的に、あの昇降口の二階上となる、この南側廊下に居る)
みくる「見取り図だと……此処は、中央の南側に『生徒会室』があるだけですね……あの扉がそうでしょうか?」
ハルヒ「それしか見当たらないわね。よし、行くわよ、みんな!」
キョン(いつのまにかハルヒに先頭になられちまった……)
ハルヒ「! ……みんな、来て! この部屋のドアに、紙が張ってあるの、『書置き』よ!」
キョン「! また、『聡と律』へのか?」
ハルヒ「そうよ……でも、これ、どういうことかしら?」
『聡、律。この先の床はおかしい、ネバネバしてる。気をつけて』
古泉「また、この二人を名指しですね……察するに。この紙を書いた方が、僕らと同じ道のりを来たなら。
少なくとも、あの渡り廊下の少女と、体育館、体育倉庫、の死体は見かけているはずです。
すると、恐らく……この『聡と律』の二人とは、僕らはまだ、出会っていないのかもしれませんね」
キョン「あの、『ライトにつぶされた死体』と、『階段の白骨死体』のどっちかが、『律』のほうだって可能性はねえのか?」
古泉「……考えられます。しかし、確実に。僕らがこれまでに見かけてきた死体は、皆女性のものでした。『聡』という名前から、女性は想像できません。
『聡』と、このメモを書いた方……この二名は、少なくとも、まだ僕らが出会ってきた中には居ないと考えていいでしょうね」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:24:56.62 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「……この部屋は、安全かしら。中で電気は点ってるみたいだから、ゾンビやコウモリの類はいなさそうだけど……」
キョン「攻撃できる準備はしとくさ。それに、何かヤバイなら、この書置きに書いてあるだろ」
ハルヒ「それもそうね……じゃ、開けるわよ。せーのっ!」ガラッ
古泉「! ……敵は居ません、フレスコも……見当たりません。しかし、これは……」
キョン(『床』が、一切なくなってやがる……デカイ『穴』が開いてる。いや、ただの穴じゃない!
この穴……普通なら、下の階が見えるはずだ。だが、何も見えない……!)
みくる「これ……な、なんだか、すっごく、深くないですか……?」
ハルヒ「……みくるちゃん、ちょっと、『ライト』やってくれる?」
みくる「え? あ、はい……」カチッ
ハルヒ「違うわよ! ライトよ、目から『ライト』! 『みくるスポットライト』よ! 目からフラッシュ焚けるなら、それぐらいできるでしょ! つか、できるの! 思い込むのよ!」
みくる「ふぇ、は、はい……えーっと……ライト、ライト……むー……!」
キョン(またハルヒのやつは、アホなことを……)
カッ
キョン(マジで?)
応援してる
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:28:47.24 ID:Ud5HyTHmO
面白いな
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:30:36.40 ID:deHZSp5P0
みくる「ふえ? あれ、今、何か出てますかぁ?」
ハルヒ「それよそれ! みくるちゃん、穴を見下ろしてみて! その『ライト』で照らすの!」
みくる「は、はい」
キョン「……何も見えねえぞ。かなりの光量のライトだってのに」
古泉「……どう考えても、おかしいですね。下階を貫通しているというわけでもないようです……」
キョン「別世界につながってる、とか言うんじゃねーだろうな」
古泉「……心を読む心の力とは、恐ろしい」
キョン(マジかよ……)
ハルヒ「……ま、別世界っていうか、ちょっとした次元のゆがみみたいのだったら、あってもおかしくないわね。こんな状況だもの」
みくる「あ、あの、なんだか目が熱いんですけど……」
キョン「! も、もう大丈夫です、光を止めてください」
みくる「あ、はい……あ、消えました、よね?」
古泉「はい。……実は、先ほどの鎧との戦いで、僕もすこし自覚していますが……『心の力』の多様は避けるべきかもしれません。
その名のとおり、僕らは『精神力』を消費して、あれらの能力を発揮しているようだ……あまり乱用すると、ガタが来るかもしれません」
ハルヒ「何よ、ややこしいわね……ま、いいわ。この部屋は、とりあえずほっといて……東側校舎を探索しましょ。教室が二つ残ってるはずよ」
キョン「ああ……しかし、この書置きが気になるな。ネバネバしてる……こりゃ、いったい何の話だ?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:35:41.10 ID:VwLqbr2DO
面白いな
前スレ見逃したのが悔やまれる
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:38:17.86 ID:deHZSp5P0
長門「……あれ」
ハルヒ「? ……! な、なにあれ……電気の陰になって、見づらかったけど……あっちの床、なんか妙なもんが、床にぶちまけてあるわ!」
キョン(! マジだ、ありゃ……な、何だ? 溶岩みたいにも見えるが、違う……)
古泉「察するに、あれが『ネバネバ』というものでしょう。……ふむ、普通の靴だと、足をとられるかもしれませんね。
一応、雪山や泥濘を進む為の『安全靴』を二足持ってきてありますが……あいにく、僕のサイズでして」
キョン「いくつだよ」
古泉「27です。お三方にはまず大きいでしょう。あなたは」
キョン「27.5だ。まあ、ちっとキツいぐらいは我慢するさ。そのほうが足をとられんかもしれんしな」
ハルヒ「……え、もしかして、二人だけで行くの?」
キョン「あの床が正体不明だからな。ここらは安全のようだし、お前の『心の力』がありゃあ、少しの間くらい大丈夫だろ?」
ハルヒ「まあ、特に不安はないけど……有希の火もあるし、あたしの槍もあるしね。新兵器、みくるスポットライトも」
キョン(役に立つのか? あれ、敵に)
古泉「……よし、僕は準備できました。あなたも履き替えてください」
キョン「ん……サイズは問題ないな。じゃ……行くかね、三階東側、残り二部屋だ」
古泉「……何か、あるはずです。残るは、この先の二部屋だけだ……何らかの手がかりか。あるいは、この生徒会室の穴に関する情報……何かが」
キョン(その『何か』が……『聡』ともう一人の死体、でないことを、ひたすら祈るぜ……)
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:48:38.77 ID:deHZSp5P0
―― 三階 東側校舎 ネバネバ廊下
キョン(……思っていたより、『ネバネバ』は強力じゃなかった。ローファーやらスニーカーやらではきついだろうが、この手の靴を履けば、問題なく歩行できる)
古泉「……手前の部屋は、『フレスコ』は見あたりません。それに、机や椅子といった類のものもありません……そのほかにも、目につくものはない。
こちらから壁を叩いた限り、入り口からは見えない位置に『フレスコ画』がかけられている様子も無い……扉を開ける必要はないでしょう」
キョン「えらく慎重だな……ま、ハルヒも居ないし、余計な動きはしないに越したことはないか」
古泉「ええ。……もし、次の教室に何も無ければ、この教室にも入ってみましょう」
キョン(次の教室……『三年B組』か)
古泉「……! この部屋……床が『ネバネバ』でありません。それに、机や椅子もある……
フレスコは、ここから見える場所にはありませんが……この部屋には、何かあるかもしれません」
キョン「分かった……行こう」
ガラッ
キョン(……なんだ、この教室。なんつーか、妙だ……これまでの教室と、明らかに何かが違う。
ここまでの教室にあった『異様さ』が感じられない……)
古泉「……ありました、『フレスコ画』です! 廊下側の壁に掛けられている……!
遠巻きから照らします、メッセージを探してもらえますか?」
キョン「ああ、分かった…………いや、悪い。探すまでも無かった。ど真ん中に浮かび上がってきたぜ……『メッセージ』だ」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:56:14.67 ID:deHZSp5P0
―― 三階 東側校舎 三年A組
『彼女は事故で、愛する人を失ってしまった』
キョン「……なんだ、こりゃ? 何のヒントでもねえ……」
古泉「『彼女』とは、恐らく……あの『亡霊』の少女のことでしょうね」
キョン(……まあ、その程度の予測は、俺にもできる。しかし……本格的に、わけがわからねえぞ)
キョン「やっぱり、この『フレスコのメッセージ』を残してるのは、あの『亡霊』の女とは別の誰かなのか……? なら、いったい誰が?」
古泉「……それは、わかりませんね……」
キョン(? 何だ、古泉の奴、一瞬何か言おうとしたような……)
古泉「……? すみません、少しいいですか……この、机」
キョン「机?(……古泉が、窓際の後ろから二番目の席に向かって、まっすぐ歩いていく)」
古泉「……これは……なんでしょう、『日記』……でしょうか?」
キョン(! 机の中から、古泉が取り出したのは……『本』だ。文学書の類じゃない、布張りの表紙の冊子……)
キョン「日記だって? ……その、机の中に入ってたのか? ……お前、何でそんなもんがあるって分かったんだ? 中を見たわけでもないのに」
古泉「……わかりません。ただ、何か、呼ばれるような感覚が……!!
この日記……! 『美術部』の『部員日誌』です! 表紙に書かれている―――!!」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:57:49.17 ID:Ud5HyTHmO
wktk
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:58:00.10 ID:CGpvGkQeO
けいおんメンバーの生き残りはいるのか?
しえんぬ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:05:52.28 ID:deHZSp5P0
キョン「何だって……『美術部』!? マジか、それはっ!?」
古泉「っ、何でもマジかと訊かないでください! 書いてあるんです、ここに! 表紙です! 背表紙にも書かれてる!」
キョン(な、何だ、古泉……妙に気が立ってるってか……)
キョン「……わ、悪い……だが、確かに『マジ』だ……『部活動日誌 美術部 八』……八? このほかには、無いのかよ?」
古泉「いえ、この机には、これしか……た、ただし、『鍵』が掛かっています、この日誌には……読めないんです。
でも……これは、持って行くべきです! 絶対に、何か、この中に記されている……
僕も、何故こんなことを強く感じるのかわからない! しかし、間違いない! これは、持って行くべきなんだ!」
キョン「わ、分かったって! 分かったから、少し落ち着け、古泉! 何でお前がそんなに焦ってんだァ!?
確かにそれは『怪しい』ぜ、俺だって間違いなく持って行く! 何しろ、『ヒント』になってる『フレスコ画』を書いたのは、この学校の『美術部員』だってんだ!
別に俺は、そいつを持っていくことを拒んだりしねえよ! お前、冗談抜きに、『心の力』の使いすぎで疲れてるんじゃねえか!?」
古泉「……い、いえ……すみません、確かに、今の僕はヘンでした……何か、ただ、この日誌を、決して離してはいけないような気がして……
……え、っと……この部屋は、これくらい、でしょうか?」
キョン「ああ、いや、落ち着いてくれたなら良いんだがよ……そうだな、この部屋にはもう……ッ!?
……いや、まだある……まだある、『手がかり』が! 何で……コレに、最初に気づかなかったんだ……!?」
古泉「え……! ……黒板に、文字!? こんなもの、外から見たときは見当たらなかったのに……
それに、教卓に何か乗っている……! ……これは、『ロープ』……いや、違う! 『縄梯子』だ!」
キョン「おい、古泉……この黒板の文字、『書置き』だ! しかし、『聡や律』にじゃねえ……この、『書置き』の送り先は―――!!」
『私たちと、同じ運命を辿ってきたしまった人へ』
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:13:35.69 ID:JGTaBBjVO
ファイトクラブだッ!
かかって来い!
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:18:46.43 ID:deHZSp5P0
『もしも、私たちと同じように、この呪われた学校を訪れてしまった人がいたなら。その人たちへ、このメッセージを残します。
この学校は。彼女、恐らく、あなたたちも出会ったであろう、あの女の子の亡霊の謎を解き明かさなければ、脱出することはできない。
私たちは、もう、二人きりになってしまった。けれど、できるだけ、あの亡霊を鎮める方法を探します。
生徒会室の穴を見ましたか? まだなら、見てください。あそこは、どこか別の場所へ続いている。その先に秘密があると思う。
私たちが見つけた縄梯子を、三つ置いていきます。これを使えば、穴の中へ降りていけると思います。
念のため、三つとも繋げて使ったほうがいいと思う。
どうか、ご武運を。 秋山澪 田井中聡』
キョン「これは……俺たちへの、メッセージだ……!!」
古泉「……二人、だって!? 馬鹿な、あの鎧相手ですら、僕ら五人でやっとだっていうのに!!
たった二人で、何ができるっていうんだ! ……しかも、僕らに、この縄梯子を残していったっていうのか!?
穴がどこまで降りているか分からない、いくつ持っていたか知らないが、あるだけつなげるべきだ!!
……何故、こんな事を……!!」
ガンッ ガンッ
キョン(いや、この書置きもショックだが……俺はむしろ、この古泉の錯乱っぷりのほうが気になる!)
キョン「古泉、落ち着け。やっぱ、あの『穴』は重要だ、それは間違いない。
それにだ、こいつらがまだ生きている可能性だってゼロじゃねえだろ!
……と、とにかく、今はこいつらの所業より、俺たち自身の事だ! この縄梯子を持って、ハルヒたちのところに帰るんだよ!
そして、あの穴の先に行くしかないんだ! 俺たちに他に道があるか? あ?」
古泉「……す、すみません。どうしたというんでしょう、僕は……」
キョン(俺が聞きたいんだよ、それは……
……『秋山澪』と、『田井中聡』……こいつらが自分で言ってるんだ、恐らく、こいつらのほかの仲間は全滅したんだろう……この先にいるのか、あんたたちは……?)
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:20:33.19 ID:8gINZihwO
決着ゥゥゥ――――ッ!!
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:26:41.58 ID:sv0NPvbF0
/ . __ 、/ 丿 ヽ
/ , / ./ / _ ,__' i i i i 'l
//. / / /_-''’ ___,,ノ、 7 ' l
. レ.l/ ./ / ,,-''''' l l .l , l
/ ,/ ´ , '_ !-‐'''''''''''') ./l ../l i ...l l
r/ .l ゙ '''’ _,,,-‐/ ̄.l/ .l ./ l i .l l
.l.! 々' Vヽー--l/'‐、l /l i /ll
l /'''' ヽ '..,,,___、l/./ ノ'l/ l'
l ./ ! '' /'/' ,/)ノ
l / / / ,//
/ 丿 亅 ./ /r'
/ ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ /丶 ____ ./ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ \. .l\ ”-ニ⊃ //r'\
/ '-,/ .l \ ' ̄ ,/ / │ ''、、
./ / l 丶ゝ,,,,,,,-‐'' / │ 'l "'-、
/ .∩/ .l /─、 ,─/ │ 'l "'-、
../ ∩/ .l / Cl l - l\ │ 'l "'-、
/ / レ' ヽ┌──┐ソ\ │ 'l "'-、
VIP列島@涼宮ハルヒの開発 ーVIPPERで街を作るー
http://vipquality.sakura.ne.jp/town/start.htm 【初心者ガイド】
http://vipquality.sakura.ne.jp/town/index.html
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:26:53.85 ID:deHZSp5P0
―― 三階 南側校舎 生徒会室・異次元への穴
ハルヒ「……つまり。やっぱり、あの『ムギ』って子や、『律』は……あたしたちが出会ってきたうちの、誰かだったのね」
キョン(そういうことになる、か……いったい、どいつがどいつだったのか、さっぱりわからんが……少なくとも、あいつらのうちの三人は。
……どれほどの時間かしらんが、魂を持ち続けて。俺たちに、メッセージを伝えるために、この学校に留まり続けていたわけだ……)
ハルヒ「で、この日誌ね……鍵つきなんて、めんどくさいわね。でも、鍵なんてどこにあるのかしら……やっぱり、美術部室かな?」
長門「何にしろ。今、行くべき道は、この『穴』の先にしかない」
キョン(……見れば、穴の淵に、でかい『出っ張り』がある。ここに、縄梯子の両端を掛けりゃいいのか。
……『澪』に、『聡』……『縄梯子』は見当たらないが、きっと。そいつらも、この先へ降りたんだろうな……)
古泉「……大丈夫です、引っかかりました。三つの結び目も、可能な限り固く結びました。
……いきましょう。この先に、何があるか……わかりませんが」
みくる「……ごく」
長門「……」
キョン「……一番手、失礼するぜ」
ハルヒ「え……キョン、あんた……」
キョン(……古泉も、理由はわからんが、かなりキテんだ。俺が行かなきゃ―――)
ハルヒ「自分の次に有希を指名して、ノゾこうとか考えてんのね!?」
キョン(真にキテんのはこいつだったか……)
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:32:19.50 ID:deHZSp5P0
―― ??階 異次元への穴
ギッ ギッ
キョン(……縄梯子は丈夫に作られているようだが、やっぱ、不安なのは仕方ないよな……)
ハルヒ「---ン!! --コエルー!!?」
キョン「ああ、聞こえるよ!! ……はあ」
キョン(しかし、もうとっくに、十階分ぐらいは降りた気がするんだが……相変わらず、暗闇は―――!!)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
キョン(……さっきまで、暗闇だったはずの、俺の真下に……いつの間にか! 目の届く位置に、『床』があるッ……!?
……まさか。これが、『次元』を超えるってことなのか……!?)
ギッギッギッ
キョン(やっぱりだ……数段上を境に、この段を下りれば、床が見えるって地点がある……!)
キョン「……ハルヒ、古泉、長門、朝比奈さあああん!! 大丈夫だ、床に通じてる!! 問題なく降りてこれるぞおおお!!!」
……グッ
キョン(……聞こえたみたいだな。梯子に、誰かが足をかける感覚があった……となると、縄の耐久力を考えて、俺はさっさと床に降りるべきか……)
―――
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:37:48.71 ID:deHZSp5P0
―――??階 異次元の部屋
ギッギッ
古泉「ふう……これは、驚きましたね……『学校』とは、まったく無縁の内装だ。……まさに、異次元というところですか」
キョン(……梯子を降りた先は。『部屋』だった。扉があり、その左右に壁がある。その壁の一方には……)
ハルヒ「これ、『フレスコ画』よね!? でも……どうして、異次元にまで『フレスコ』があるのかしら……」
みくる「そ、それより、この……この先って、どうなってるんでしょうか……?」
キョン(そう。この部屋には、当然、『天井』はない。天井は、『異次元』へとつながっているからだ。そして、それと同じく……)
長門「……扉と対面の壁が、『無い』……この先も、恐らく、別次元へ続いている」
キョン「……異次元ってのは、真っ暗なんだな……始めて知ったぜ」
ハルヒ「この先も、どっかに続いてるって事……? で、でも、進むべき道じゃ、ないわよね……?」
キョン「当たり前だ、こっちにまともなドアがあるってのに、なんでこんな得体の知れない風穴に飛び込まなきゃいけねーってんだ。
それより……『フレスコ』だ。こいつにも、メッセージは残されてるのか……長門、頼むぜ」
長門「分かった」
古泉「では、照らします……」
カチッ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:42:46.76 ID:OyL/pkdEO
支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:50:21.61 ID:deHZSp5P0
長門「……見つけた。右上」
キョン「えらく見づらいところにあるな、おい……」
ハルヒ「っし、みくるちゃん! 『みくるテレスコープ』よ! 双眼鏡になったつもりになりなさい!」
みくる「は、はあ、えーっと……」
シュウウウウ……
みくる「はえ? あ、嘘! ほんとに、読めます!」
キョン(……この人、ハルヒが言えば、はかいこうせんすらぶっ放すんじゃないだろうか)
みくる「えっと……? ちょっと、意味が分からないですけど、読みますね」
『緑の扉は、眠るべき場所へと続いている』
ハルヒ「……眠るべき場所? なにそれ、寝室?」
キョン「学校に寝室はねえだろ……こりゃ、俺の推測だが……」
キョン(……俺の脳裏に浮かんでいるのは。あの――昇降口から見えた、グラウンドの端に立てられていた、奇妙な『塔』……)
ハルヒ「? 何よ、言ってみなさいよ」
キョン「……俺がみた、あの『塔』……ありゃあ、『供養塔』だったんじゃねえか? と、ふと思ったんだよ」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:52:25.97 ID:3G5/VYf8O
あんまり書き込みが少ないからってやる気なくすなよ。
みんなドキドキして見てるんだ。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:53:39.63 ID:9WiPkqOo0
おう
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:56:07.32 ID:DQL3hMvc0
面白い展開だ
驚愕出ないから代わりに出版しちゃえば?
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:57:50.71 ID:DDLeN/YlO
気持ち悪いスレ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:59:12.29 ID:3XGYaslK0
うん、面白い。支援。
これほどまでに
気になってくるものがあるだろうか
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:59:14.60 ID:deHZSp5P0
ハルヒ「供養塔……って、あの、昔、お墓とかに、墓石代わりに立てたってやつ?」
キョン「ああ。今だってあるぜ、『原爆供養塔』だとか、その手の奴が、わりと。現代で、新しくおっ建てるやつは少ないかもしれんが」
みくる「それって、つまり……『眠るべき場所』っていうのは、あの女の子の幽霊の『眠るべき場所』……そういうことですか?」
キョン「……推測ですけど、大体、そんな感じです」
ハルヒ「うーん……でも、そんなの、学校の敷地内に建てる? 普通……」
長門「……これらの『フレスコ画』を描いたのが、あの『亡霊』の少女であるとするならば、可能性はある」
ハルヒ「学校が、『天才』の生徒のお墓を、敷地内に立てたっての? ……いまいち、納得いかないわね……」
キョン(ま、俺だってありえんと思うさ……しかし)
みくる「『眠るべき場所』がどこだとしても、『フレスコ』が示す場所なら、そこを目指すべきなんじゃ……」
ハルヒ「そうね……たしかにそうね。で、つまるところ、この『緑の扉』っていうのは、この部屋を出た先にあるのかしら?
……? なにしてんの、古泉くん?」
キョン(そういえば、古泉の声がしない……何してんだ、あいつ? ドアに耳を当てたりして……また、向こうの様子を探ってるのか?)
古泉「……いえ、すこし、奇妙な感覚がしまして……気づきませんか? この、音に」
みくる「音、ですか? ……そういえば、なんだか、すごくこう……重い音が聞こえる、ような?」
ハルヒ「あ……いわれてみれば、なんか聞こえるわね。どっかに『滝』でもあるのかしら……
っつっ! って、何今の……『耳鳴り』? なんでいきなり……」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:08:35.36 ID:deHZSp5P0
キョン(耳鳴りに、滝? ……そういえば、俺も感じる。妙な『重い』音……まるで、こりゃ、アレだ。『水族館』にでもいるような感じ……!?)
古泉「……は、梯子を……! 皆さん、『梯子』に上ってください!! この部屋の天井より高くにですっ!!
やっぱり、ぼくの気のせいじゃない! この、ドアの向こう……『水』があるんです! あるどころじゃあない、『張り詰めている』んです!
涼宮さんの『耳鳴り』も、そのせいだ……『気圧』がおかしくなってるんです! しかも、どんどん『水』は押し寄せている!!
このままじゃ……『壁』が、決壊します! 『水』が押し寄せてくる!!」
キョン「なっ……何ィィィィィッ!!?」
ハルヒ「う、嘘でしょォッ!? だって、こんな古い作りの建物……あ……」
キョン(……そう、この『異次元』の部屋は……さっきまでの『学校』とは、作りがまるで違う!
壁は、『コンクリート』のような、頑丈な材質でできてる―――しかし、それさえも!)
ピ シ ッ
古泉「! ―――まずい! 『決壊』する――早く、『梯子』へ上るんだあッ!!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと、待っ……」
古泉「待ってる暇があったら、こんなに叫ばないィッ!! ―――駄目だ、間に合わないッ!! 壁が―――ッ!!」
ビ シ ッ ピ キ ピ キ ビ キ ビ キ バ キ バ キ …………
―――― ド グ ォ ッ ! ! !
キョン(うわ、マジだよ……『壁』が見る見るうちにひび割れて……『水』が押し寄せてきやがった―――まだ、誰も『梯子』に上れてねえじゃねえか)
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:12:40.09 ID:iJEkIzHCO
支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:15:54.78 ID:ABJs9VDgO
スレ主は天才か?
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:16:03.35 ID:DQL3hMvc0
今日中に終わるかい?
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:16:55.65 ID:deHZSp5P0
ズ ド オ ォ ォ ォ ォ
キョン(そいや……毎年2、3人、『鉄砲水』で死ぬ奴がいるよな……まさに、これみたいなやつにやられるのか―――
うわ、やばい、なんかスローモーションで見えてきた……ここで『アウト』か? 亡霊でも、なんでもない、ただの『水』でリタイヤかよ……)
古泉「だッ―――!!」
ハルヒ「きゃああああっ!?」
みくる「ふえええっ!?」
長門「―――!!!」
キョン(長門――ああ、そうだ、今の長門は、こういうの向きじゃねえんだったっけ―――ああクソ、せめて古泉が、あの『赤玉』になれりゃいいのに……
……あ、でも、全員俺より後ろに居るな―――いや、そういう問題じゃねーだろ、これ。俺が受け止めて、残るメンバーは助かりました。ってレベルじゃねえ。
このまま、仲良く吹っ飛ばされる以外に道はねえか……こういうのに向いた『心の力』って、無かったっけ?
ハルヒは……いまんとこ、回復と攻撃だけか。長門は火、朝比奈さんはバリエーション豊富な眼光線、古泉はふもっふ……あー、あと、誰だ。
俺か。あ、俺、そういやまだ何もねーか。
思い込めってか。
……思い込んだら、何とかなるってか。
……いいだろうよ、どうせこのままじゃ、全員くたばるんだ。
思い込めっつーなら、死ぬほど思い込んでやろうじゃねーか―――『水がなんだってんだ、畜生』ってなァ――!!)
キョン「ッ――――んの―――ドチクショウがああああああ――――ッ!!」 カ ッ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:18:53.23 ID:JGTaBBjVO
この間DIO様感覚で一秒
――――ドッグォォオオオオオオオオオン!!!
古泉「なっ―――!?」
ド ド ド ド ド ド ド ド ……
キョン(……すげえな、コレ……マジで、思い込みでなんとかなるんだな、おい……)
ハルヒ「な、なにこれ、『水』が、『割れ』てる……」
長門「……『壁』」
ハルヒ「え?」
長門「『壁』が発生している……彼を中心に。……『シールド』」
ド ド ド ド ド ド ド ド ッ…………
古泉「……お、収まった……『水』が、止まった……!!」
キョン(ああ…………こりゃ、確かに疲れるわ―――――――)
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:26:36.92 ID:S/EhAc8b0
なんというwktk感www
支援
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:28:25.13 ID:1ANmOQ/EO
ハナクソマンコ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:29:23.67 ID:+qL1tR0l0
こころのちからって
すごいんだな
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:29:30.30 ID:deHZSp5P0
―――
キョン「いや……おとなしく気絶もさせてくれんのか、お前は……」
ハルヒ「あ、当たり前じゃないの……このまんまくたばりそうだったから、無理矢理たたき起こしたのよ!!」
古泉「……な、何と言うか。しかし、これで一通りはそろいました。『攻撃』に『防御』に『回復』……『探索』向きの朝比奈さんを加えれば、かなり心強いですよ」
キョン(意識が遠のいたと思った十秒後、俺はハルヒの往復ビンタのもとに、敢え無くこの、非現実的現実世界に引っ張り戻された……正直、ちょっと寝たかったんだが)
古泉「……どうやら、先の鉄砲水で、この空間に溜まっていた『水』は排出されたようです……しかし、ところどころに『水溜り』があります」
長門「『流れ』もある。おそらく、まだ、どこかから『水』は出続けている。しかし、この部屋の『異次元への壁』が排出口の役目を果たす。先のような事態にはならない」
キョン「……えらく眺めがよくなったな……しかし、何だ、此処は……」
キョン(『鉄砲水』で決壊した壁の向こうには……なにやら、『洞窟』のような空間が広がっている。
明かりは無いが、壁全体が淡い光を帯びていて、薄暗くは無い……)
ハルヒ「どう見ても、『現実』の世界じゃないわね……せっかくなら、『夢』だったらよかったのに」
キョン「同意権だ、畜生め」
古泉「……此処から先、正真正銘、何が居るか分かりませんね。
ですが、この先は、先ほどまで『水』が溜まっていた空間です。『生物』の敵が居るとは考えにくい……と、思いたいのですが」
キョン「逆に、『霊体』ならいくらだっているかもしれねーわけだ……ここの照明は、俺たちが発電機でともした明かりとは関係なさそうだしな」
支援
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:39:02.77 ID:deHZSp5P0
―――異次元空間 『鏡の回廊』
ハルヒ「……見る限り、敵の類は見当たらないわね。……にしても、何か気分悪いわ……全体から『怨念』みたいのを感じるっていうか」
長門「間違いではない。この空間は、あの『亡霊の少女』が構築した、異空間であると思われる。『怨念』がその構成に含まれている可能性もある」
みくる「つまり、ここのどこから『ユーレイ』が出てきても、おかしくないんですよね……」
キョン(つっても、『霊体』なら、朝比奈さんのフラッシュだって十分通用する……俺は『魔除け』の斧、ハルヒは『魔除け』の槍を持ってる……
仮に、此処にいくら『人魂』が出ようと、俺らにはたいした問題じゃァないと思うが……)
ハルヒ「ユレイの作った空間ねえ……その割には、リアリティが溢れてるけど。壁は岩っぽいし、天然の鍾乳洞みたいだわ。明かりがあるのを除けばね」
古泉「……長門さん。『松明』のような炎を作れませんか? ライトで一点を照らすより、全体を照らせたほうが都合がいいのですが」
長門「……」 ボゥッ
キョン「うお」
長門「できた。この『炎』は、私を中心としたある程度の範囲内でならば、操れる。『精神力』の消耗も、たいした程度ではない」
ハルヒ「万能ね、有希……じゃ、あたしたちから、4〜5メートルくらい先に、浮かべていられる?」
長門「可能」
キョン(……なんつーか、さすが長門だな……
道は、今のところ一本道か。たしか、目指すのは『緑の扉』だったよな……んなもんがあるのか、果たして?)
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:39:07.33 ID:NeUKgeL30
支援
ここまでwktkするスレは久しぶりだ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:43:32.82 ID:DQL3hMvc0
ペースがどんどん落ちてるけど・・・
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:44:18.55 ID:3XGYaslK0
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:44:31.47 ID:deHZSp5P0
―――チラッ
ハルヒ「? 今、突き当りで、何か光ったわ……有希の炎が、何かに反射したみたい」
キョン「あ? ……突き当たり?」
トットット
キョン「って、おい! また、不用意に近づいてんなよ!」
ハルヒ「……鏡だったわ。ただの。でも、こんな『洞窟』みたいな所に『鏡』なんて、ちょっと妙ね……」スイッ
古泉「――! 涼宮さん、その鏡――何か、おかしい! 離れてください!」
ハルヒ「えっ――――」
鏡「―――」 ヌ ゥ ッ
ハルヒ「きゃあっ!!?」
キョン「! 鏡から、何か出やがった―――!! 古泉ィ、長門ォ――――!!」
古泉「ウリャァァァアアア!!」 ボッ――――ドンッ!!
長門「――――直進」 ギュンッ ボフッ!!
ズドンッ!!
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:50:32.95 ID:deHZSp5P0
鏡「」
パキィィィン……パラパラ
ハルヒ「び、びっくりした……ふざけてんの!? 『鏡』と見せかけて、そっからなんか出てくるなんて!」
キョン「だから、油断するなっつったじゃねえか……ほれ、立て立て」スッ
ハルヒ「う……言われなくったって、立つわよ!」グイッ
みくる「あ、あの、今の鏡の向こう……これ、何か……『部屋』になってませんか……?」
ハルヒ「え?」
キョン(! 本当だ、ぶっ壊れた鏡の向こうに、別の空間が見える……だが、この部屋にあるのは……何だ、こりゃ?)
古泉「……これは、『噴水』……のように見えますね。周りの床に、噴出した水が溢れ出しています。なるほど、このあたりに散乱している『水』の水源は、これですか」
ハルヒ「噴水? あ、本当だ……なんか、すっごくキレイな水……ね、この部屋、調べてみない? 『手がかり』があるかもしれないわ」
古泉「そうですね……幸い、今の鏡が砕けた穴で、人が一人通るくらいのスペースは確保できましたし、調査してみましょう」
長門「噴水…………」
―――
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:57:17.64 ID:JGTaBBjVO
これは『支援』だ…
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:57:40.25 ID:deHZSp5P0
――異次元空間 『噴水の部屋』
古泉「……狭い部屋ですね。それだけ、探索もしやすいですが……見た限り、物陰の一つもありません。
気になるのは、この『噴水』くらいでしょうか……」
ハルヒ「ね、なんか、すごく綺麗よ、この水。透き通ってるし、何も混ざってない感じ……
キョン、あんたたしか、ペットボトル持ってたわよね?」
キョン「あ? ああ、あるが……汲むのかよ? こんな、わけわからねーとこの水なんか、飲むつもりか?」
ハルヒ「だって、ぜんぜん綺麗じゃない。ね、有希、この水って、問題ないわよね?」
長門「……解析完了。人体に支障のある成分は含有していない。硬度は低いが、飲用して問題はない」
ハルヒ「ね、やっぱり。キョン、どうせだし、あたしの水筒にも汲んでくれる?」
キョン(……長門の解析が通用したんなら、まあ、問題ねえだろうな)
キョン「分かったよ。俺のボトルと、お前の水筒しか、空いてる容器はねえし、それだけだが、いいか?」
ハルヒ「ま、いいわ。……それにしても、なんていうか……久々に綺麗なものを見たからかしら、すごく……落ち着くわ……」
キョン(確かに……この噴水は、『綺麗』っつってもいいな……なんとなく、心が洗われるような……『心の力』で消費したものが、満たされてくような気がする……)
みくる「本当、綺麗……とっても、おいしそう……」すっ
ハルヒ「あ、ずるい……あたしも、飲んでみよ……」すっ
ぱしゃ―――
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:01:59.10 ID:3Wj9fNYn0
懐かしいな、スウィートホームか…支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:05:46.22 ID:deHZSp5P0
トクトクトクトク
キョン(……ん、二人とも、水を飲んでるのか……まあ、いいだろ、別に。この水に、問題はないだろうしな)
キョン「よし、汲み終わったぞ……ハル―――――なっ!!?」
ハルヒ「んく、んく……ぷは、キョン! この水、すごく美味しい! なんか、すごい! 体中が綺麗になるみたい!」
みくる「ぷは……ほ、本当……なんだか、汚れたものが、全部なくなっていくような……透き通って……て…………え…………?」
キョン(―――俺が、二人を見た、瞬間―――!!
何だ、こりゃ? さっきまで透き通っていた筈の! とんでもなく『綺麗』だった、筈の、噴水が―――『赤く染まって』いる―――!?)
みくる「え、あれ……なんで、手が、汚れ……え、ひ……あ、あ、あああああ…………!!!」
ハルヒ「え、み、みくるちゃ……! ちょ、ちょっと、その口、どうしたの!? あっ、手も!
どうして『血まみれ』なの、みくるちゃんッ!!? 怪我でも―――え……う、うそ……」
キョン「っ、二人とも、噴水から離れろ!!!」
キョン(い、いきなり、『臭って』きやがった―――この! この『噴水』が吹き上げているのはっ!!)
ハルヒ「な、なんで、『血』……わ、わたし、これ、飲んで……うっ……」
みくる「ひっあぐ……ぐ、げえ……ぐっ、えぐっ……げえええッ―――!!」
古泉「っ―――駄目だ、この部屋から―――出ましょう! ここは―――この空間は、全て! あの『亡霊』の支配下だ!!」
キョン(―――マジかよ……おい――!)
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:09:22.14 ID:49aWTCOXO
本当に立てたんだな
これは支援以外にしようがない
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:13:56.64 ID:deHZSp5P0
ガシャンッ
ハルヒ「うっ、げぼ……あ、あたし……何、うそ、あの、噴水……綺麗な水が、あったのに……!!」
キョン「お、落ち着け、ハルヒ、朝比奈さん! こんなの、あれだ―――幻だ! ありえないだろうが、あんな噴水から―――『血』なんか出てくるわけねえ!」
みくる「で、でも゛っ、ぐっ、えぐっ……この、あじ……これ、ぜったい……うっ……げえっ―――っ!!」
バシャバシャッ
キョン(赤い……やっぱり、『血』……! 長門……長門! 『解析』はっ!?)
長門「……間違いなく、これは、人間の『血液』……先刻の解析の結果と、全く異なっている……有り得ない」
ハルヒ「そ、んな……ぅ……えぐッ―――っ!」
ビシャッ バシャッ……
古泉「……まずかった、あの部屋に踏み入ったのは……あの水を『飲んだ』のは……
この先、何があるか分からない! 『フレスコ』だ、『フレスコ』のメッセージ以外に、何も信じてはいけない……」
キョン(……ああ、思い知ったよ……これ以上、あの『亡霊女』の手の中で踊ってたら、こっちが参っちまう……!!
……『フレスコ画』は! ただ一つ、この呪われた世界で、あの『亡霊女』ではない、誰かが残した『メッセージ』なんだ!)
ハルヒ「う、うぐ……がほっ、げほっ!!!」
バシャッ パシャッ……
―――
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:15:18.25 ID:deHZSp5P0
わあ昨日と同じぐらいのレス数で悪いんだけど
ちょっと今日も限界
書き溜めないけど筋書きは最後まで今日出来たんで
明日ちょい早めの時間で四時ぐらいからスレ立ててなんとか終わらすからごめん
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:16:25.94 ID:3XGYaslK0
了解。四時だな?
お疲れ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:19:10.70 ID:3G5/VYf8O
途中で飽きて展開早くするのとかはやめてね(>д<)
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:21:44.76 ID:CGpvGkQeO
面白いねこれ
四時ってアレだよな?
夕方だよな?
朝の四時だったら泣くぞ
わかった明日の四時だな
期待して待ってるよん
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:36:16.98 ID:S/EhAc8b0
面白かった
お前は頑張ったよ乙
明日も期待してる
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
お前さては変態だろ