1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
始めるか……
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:25:59.89 ID:V3qc2kkNO
始めるな
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:27:49.02 ID:HCiiic1R0
鶴屋さんとセックスしたいです
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:29:45.94 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「本当は夜やりたいんだけど……まあ、夏休みも終わっちゃったことだし、仕方ないとするわ」
キョン「なあ……こんな廃校、前からあったか? しかも、市内に」
古泉「さあ、僕はこの土地には詳しくないですから……ですが、実際にあるんですから、あった……のでしょうね」
みくる「こ、この学校に、入るんですか? すっごく古くて、今にも壊れちゃいそうですけど……」
ハルヒ「確かに、あたしもちょっとびっくりしたけどね。こんなソレっぽいのが、市内にあったなんて、噂にも聞いたことなかったもの」
キョン「……急ごしらえか」
古泉「の、ようですね」
ハルヒ「ん? 何?」
キョ泉「「なんでもありません」」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:34:09.60 ID:LzjdRN2CO
いち乙!
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:35:43.76 ID:6Bg5MA9l0
キョン「……古泉」
古泉「おや、そちらからお顔が近いというのも珍しい」
キョン「……大丈夫なんだろうな、ここ……」
古泉「それは僕に訊ねられましても……まあ、個人的には。むしろ、涼宮さん特製であることは、安全の保障でもあると楽観できると思いますが」
キョン「……あいつのことだから、ユーレイの一塊や二塊、学校のついでにこしらえてやいないだろうか」
古泉「どうでしょうねえ。まあ、たとえそれに似たものが彼女の力で作られていたとしても。
それはあくまで、彼女の理想の幽霊でしょうから……それなりに恐ろしいものかもしれませんが、僕らに危害をくわえたりはしないと思いますよ」
キョン「……しかしまあ」
古泉「半世紀ほどは経っているように見えますねえ……涼宮さんがもし映画監督にでもなられたら、日本の映画界の撮影場所事情は、それは潤うでしょうね」
キョン「夏に桜が咲きましたの非じゃぁねえぞ、こりゃ」
ハルヒ「ラッキー、正門から入れそうよ! 二人とも、なにもたもたしてんのよー!」
キョン「……ああ、今行くよ」
古泉「まあ……少しばかりのスペクタクルは覚悟しておくべきかもしれません」
キョン「少しばかりで済む事を祈る」
>>1 まさかあそこでみくるが活躍するとは思わなかった、乙!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:42:53.93 ID:6Bg5MA9l0
―――
ハルヒ「なんか、窮屈なつくりねぇ……グラウンドも狭いし、校舎と塀の幅も狭いし」
長門「建設されてから、70年ほど経過していると思われる」
ハルヒ「ふーん、70年前は、いろいろ立地条件も難しかったのかしら。まあ、こんな小山の上にあるんだし、狭いのは仕方ないか」
キョン(マジでぶっ潰れそうだな、こりゃ……木造で70年モノって、かなりヤバイだろ……)
みくる「あの、外からぐるって見て回るぐらいじゃ……」
ハルヒ「却下よ」
みくる「ですよねー」
ハルヒ「じゃ、まずは昇降口ね……ワクワクして来たっ!
古泉「向こう側は……グラウンドに直通しているようですね」
キョン「……ん?」
ハルヒ「どしたの?」
キョン「いや……あの、グラウンドの隅っこに建ってるの、何だ?」
ハルヒ「グラウンドの隅っこ? ……よく見えないわ、とにかく中に入りましょ」
キョン(ありゃ……何かの塔か?)
なにか分からんがクロスSSか?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:46:46.93 ID:VSNkhOxnO
ドルアーガの塔
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:51:17.83 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 昇降口
ハルヒ「ゲタバコまでふっるいわね……まあ、当たり前か」
みくる「い、意外と普通……きゃっ!? あ、あの絵……びっくりしたあ」
キョン「絵? ……なんだこりゃ、仰々しい額縁にまで入って……なんでこんなもんが、昇降口に飾ってあるんだ?」
ハルヒ「美術部かなんかの作品なんじゃないの? にしても、やたら立派ねえ……腕利きの美術部員でもいたのかしら」
古泉「……すみません、ちょっと……いいですか?」
ハルヒ「?」
古泉「これは……『フレスコ画』ですね」
キョン「フラスコ?」
長門「フレスコ画。壁や石版に漆喰を塗り、乾燥するまえに塗料を用いて描く技法にて描かれた絵画」
ハルヒ「へえ……それって、すごいの?」
古泉「ええ。少なくとも、一介の学生の創作物とは思えませんね」
ハルヒ「へぇ、なんだかソレっぽいじゃない。かつて天才が在籍した学校なんて、いかにも何かありそうだわ。キョン、これ、撮影しといて!」
キョン「……心霊写真にでもならねえだろうな……」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:54:39.62 ID:6Bg5MA9l0
キョン(まあ、携帯のカメラで心霊写真ってのもないか……)
ガンッ!!
キョン「のおっ!?」
古泉「!」
みくる「ひゃきゃっ!!?」
ハルヒ「え、何? どしたの、いま?」
キョン「……何だ、ドアがいきなり閉まったのか? 長門、お前が閉めたんじゃ」
長門「違う。……ひとりでに」
キョン「なんだそ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ハルヒ「え、今度は何っ!?」
古泉「地震です!!」
キョン「なんですとっ!?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 17:59:19.16 ID:6Bg5MA9l0
ズ ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ハルヒ「な、何々何よっ!? ただの地震にしちゃ、うるさす……」
キョン「! やばい、入り口の扉から離れろ!」
みくる「ええっ!? 何でですかっ!?」
長門「……地震で、前面の斜面が崩壊した」
ハルヒ「つまりっ!?」
古泉「土砂が押し寄せてきます!!」
キョン「マジかよ!?」
ズドーン
キョン「……あ、あぶねえ……俺らに直撃はしなかったが……」
古泉「入り口が……土砂で、完全にふさがってしまいましたね」
ハルヒ「びっくりした……何よ、こんな展開にならなくてもいいじゃない」
キョン(……ちょっと待った、なんかいやな予感が……)
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:04:11.74 ID:6Bg5MA9l0
ゾクッ
ハルヒ「っ! な、何、いまの……なんか、ぞくって」
みくる「ふぇ……きゃああああ!!? あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
キョン(リップスライムかよ!)
長門「……あそこ。天井のほう」
古泉「こ、これは……!?」
亡霊「……」
キョン(長門の指差す方向に……古臭いセーラー服を着た、長髪の女子高生の姿がある……)
ハルヒ「な、なにこれ……も、もしかして、これって」
みくる「お、おばっ……浮いて……」
亡霊「―――私の学校を―――荒らすのね、あなたたちも……」
みくる「ひっ……しゃべ……」
キョン(……ハルヒよ、ちょっとばかり……演出過多じゃないか、これは……それとも、まさか―――!)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:11:06.57 ID:6Bg5MA9l0
亡霊「生きて帰さない……私たちの場所を……荒らす人は……誰一人……絶対に」
スゥ
キョン(き、消えた……マジだ、やっぱり。ハルヒ特製なのか、どうかはしらんが……こりゃ、誰かのドッキリなんかじゃねえ……)
みくる「ふぇ……い、いきてかえさないって……あ、あたしたち……ひゃあああっ!?」
古泉「お、落ち着いてください、朝比奈さん!」
ハルヒ「……そっ、そうよ、なんだかわからないけど……入り口が潰れたからって、何だっていうのよ! 学校よ? どっかの柵でも乗り越えれば、外に出られるわよ!」
みくる「で、でも……絶対にって……」
ハルヒ「大丈夫って言ってるでしょ! あ、あんなの……あれよ、幻覚よ! 蜃気楼よ!」
キョン(……ハルヒのこの反応……いや、まさかとは思いたいが……)
古泉「……とにかく、グラウンドに出ましょう。裏口があれば、そこから出られるはずです。斜面に面しているのは、正門だけでしたから」
ハルヒ「そ、そうよ! さっさとこんな学校……」
ガッ ガッ
ハルヒ「……な、なにこれ、なんで開かないのよ……グラウンドに出られないじゃない! カギでも掛かってんの、廃校のくせに!」
古泉「どいてください、涼宮さん! ―――も―――っふ!!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:15:10.37 ID:6Bg5MA9l0
ドガッシャン
ハルヒ「うきゃっ!?」
キョン(ゲタバコは投げるもんじゃねえッ! ……つか、おい、マジかよ!?)
ハルヒ「び、びっくりした、もう……え、ちょっと……なんで、いまのでもびくともしないのよ! このドア、どうなってんの!?」
みくる「ま、まさか……あの、おばけの……怨念とか……」
ハルヒ「なっ……あ、ありえないわよ、そんなの! ……キョン、古泉君! 連係プレーでもう一発!」
キョン「ゲタバコなんか投げられるか!」
古泉「セカンドレイド――ッ!!」
ボッグォン
キョン「……傷一つつかねえ……」
ハルヒ「う、うそでしょ……こんなの……」
古泉「……」
みくる「ひぇ……」
キョン(……どうしてこうなった……)
鬼太郎!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:22:27.32 ID:6Bg5MA9l0
―――
みくる「」
ハルヒ「みくるちゃん、ちょっと、しっかりしてよ……もう」
キョン「……古泉、長門。朝比奈さんが目を覚ますまでに聴きたいことがあるんだが」
古泉「おそらく、答えられることはあまりないでしょうね……想定外の事態です」
長門「あの扉は、情報操作の及ばない位相にある力にて、封鎖されている……そして、この建造物内に、それと同様の空間封鎖が数件観測された」
古泉「長門さんの力の範囲外……と、言うと」
長門「……解析不可能な部分が多い。しかし、情報統合思念体の観測下に、この位相に近い概念が、一件のみ存在する」
キョン(……よくわからんが、次に長門が口に出す名前は、予測できる)
長門「涼宮ハルヒの力」
古泉「……」
キョン「しかし……何の根拠があるわけでもないが、俺には……どう見ても。この状況を、ハルヒの奴が、チョッピリとでも望ましく思っているように見えんのだが」
古泉「同意見です……だとすれば」
長門「あの少女の姿をした『思念体』の力……」
キョン「……あの亡霊の『怨念』が、ハルヒの力レベルだってのか?」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:26:42.49 ID:2SpQiLlh0
シェン
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:30:04.08 ID:6Bg5MA9l0
古泉「……長門さん。一般的な亡霊というのは、皆、そんな力を持っているものなんですか?」
キョン「そもそも亡霊は一般的じゃねえけどな……」
長門「有機生命体が亡霊、幽霊と称する概念には、個々の大小はあれど、通常空間に干渉を及ぼす力がある例は少なくない。
しかし、この学校を封鎖している力とは、根本的に異質なもの。
いくら強い……『霊力』を持つ霊体であっても、現状のような事態を引き起こすことは不可能」
キョン「……じゃあ、あの亡霊はいったい、何だってんだ……」
みくる「うーん……す、涼宮さん?」
ハルヒ「あ、気がついた? ちょっと、三人とも、なに円陣組んでるのよ? みくるちゃんが目を覚ましたわ、作戦会議よ……」
キョン「……ちなみに、その作戦ってのは、何を目的とする作戦だ?」
ハルヒ「決まってるでしょ? このふざけたからくり学校から、一刻も早く抜け出すのよ!」
キョン(……安心した)
古泉「……危険ではありますが。校内を探索しなければ、始まらないでしょうね」
ハルヒ「ええ、そのとおりよ……きっと、どこかから逃げられるはずよ」
キョン(しかし……あの亡霊が、マジで俺たちを殺しにかかる気だとしたら……太刀打ちできるのか?)
ハルヒ「とりあえず……しらみつぶしに探すしかないわね。どっかに割れてるガラス窓なんかがないか、探すのよ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:40:25.01 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 東側校舎 二年A組教室
ハルヒ「……うわ」
キョン「ど、どうした? ハルヒ……なんか、ヤバイもんでもあるのか?」
ハルヒ「いや……また、あの『フレスコ画』があるわ、壁に掛かってるの。それだけよ……多分、安全だと思うわ」
キョン(マジだ……教室の後ろの壁に、でっかく飾ってある)
古泉「……やはり、この学校の生徒か、少なくとも関係者が描いたものの様ですね……」
ハルヒ「だからって、こんなもん、そこらじゅうに飾っとくなんて、頭おかしくなるわよ……奇妙な絵だし」
長門「……やはり、窓は開かない。グラウンドへの扉と同じ状態」
キョン(……『封鎖』されてるってことか……)
ハルヒ「そう……ま、まだまだ教室はほかにもあるんだから、さっさと次いきましょ。ほら、みくるちゃんも、角っこにうずくまってないで!」
みくる「ひゃ、ひゃい! ……あれ?」
ハルヒ「? どうしたのよ、みくるちゃん?」
みくる「いえ、ここの壁に……何か、文字が……」
古泉「文字、ですか? 失礼……『フレスコ画を光で照らせ』……と、読めますね」
キョン「何だって? ……誰が書いたんだ、そんなもん」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:42:52.03 ID:p47JZp2RO
さるよけ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:48:02.07 ID:6Bg5MA9l0
古泉「わかりませんが……試してみましょう。一応、懐中電灯は持ってきましたから」
カチリ
ハルヒ「……何も起きないじゃない」
長門「……ここ」
キョン「! なんだこりゃ、絵に文字が浮かび上がってきやがった……!!
フレスコ画ってのは、こんな仕掛けもできるのか!?」
古泉「……いえ、通常なら、考えられません。何か、別のパワーによるものとしか……」
ハルヒ「えーっと……『虫には火、蝙蝠には光』……? 何これ、さっぱり意味わからないじゃない」
古泉「ええ……しかし、おそらく何かのヒントになるものなのでしょう。……そう考えるほかありません」
ハルヒ「つまり! この『フレスコ画』をみつけて、片っ端からライトを浴びせてやれば、謎が解けるってことね?」
キョン(すこしは異様がれよ、その状況を!)
ハルヒ「みくるちゃん、いいものを見つけてくれたわ! 隅っこにうずくまってたからこそよ!」
みくる「は、はあ……」
古泉「解決の糸口が見つかっただけでも収穫です。では、ほかにもフレスコ画がないか、探して見ましょう……しかし」
キョン「何があるかわからん……注意はしないとな」
古泉「そういう事です」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:53:02.03 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 東側校舎 二年B組教室
ハルヒ「あれ、この部屋……何よ、ナマイキにカギなんか掛けてあるわ」
長門「……見せて」
ハルヒ「?」
……カチリ
長門「……開いた」
キョン「!」
ハルヒ「へえ、すごい! 何、有希ったらそんな特技持ってたの? これは便利ね! さ、行くわよ」
ガラガラ
キョン「……今のは?」
長門「単純に施錠が施されていただけ。操作が及んだ」
古泉「……校内を探索する分には、こちらもある程度無理が利くという事ですか」
キョン「……まるで、校内をうろつけと言われているようだな」
みくる「ふぇ……こ、怖いこと、言わないでくださいよぉ……」
ハルヒ「……この部屋に、フレスコ画はないわね。窓も閉まってるし……でも、一応何か手がかりがないか、探して見ましょっか」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 18:59:15.23 ID:6Bg5MA9l0
古泉「……! 涼宮さん、あの机の上に、何か紙が置いてあります……」
ハルヒ「紙? 本当だ、何か書いてあるわ。えーっと」
ガタガタ
キョン(! ―――俺の目に、今映ったものは……幻か!?
ハルヒの目指す机の脇に、何か、青白いもんが―――)
古泉「ッ、涼宮さん、危ない!」
バッ
ハルヒ「へっ!? きゃああっ!?」
人形「カタカタカタカタカタカタカタカタカタ」
キョン(幻じゃねえ! 机の脇から、妙な人形が飛び出してきやがった!!)
キラリ
みくる「ひゃあああっ!? す、涼宮さ……あ、え……なんで……か、からだが……!?」
ハルヒ「みくるちゃんっ!? ちょ、このっ! まとわりつくなっ! 人形のくせにっ!」
キョン(今、人形の目が光った……朝比奈さんのほうを向いて!)
古泉「でぇぇい!!」
ガスッ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:04:01.43 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「うひゃっ! で、でかしたわ、古泉君!」
古泉「念のため、持ってきた木刀が役に立ちました! ですが、まだ動いています!」
キョン「念のため持ってくるものかよっ!? いや、それより! そいつの目を見るな、ハルヒ、古泉ぃ!!」
キラリ
ハルヒ「えっ……なっ、なにこれ!? 体が……!」
古泉「しまっ……!」
人形「カタカタカタカタカタカタ」
キョン(やべえ、遅かった!! 人形がこっちにきやがっ―――)
ドガッシャン
人形「」
長門「……動かなくなった」
ハルヒ「……あ。か、体が動くわ……びっくりした、今の、金縛り?」
キョン(久々に見たぜ、長門の膝蹴り……しかし)
ハルヒ「今のが、あの亡霊の『怨念』だっての……!? 何よ、常識じゃないわよ……」
キョン(まさか、お前からんな言葉を聞ける日が来るとはな……)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:05:26.51 ID:y1IZLTXl0
うひゃっwwwwwww
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:10:36.91 ID:6Bg5MA9l0
みくる「あ、あの、この紙……ひえっ!? こ、これ……!!!」
ハルヒ「あ、そうだった、紙……! これ、見て、みんな!」
『むぎへ フレスコは重要な手がかり 手分けして探そう』
キョン「こりゃ……」
古泉「……僕らの他にも。ここを訪れた人が、居たという事ですね……おそらく」
長門「……書かれてから、十年ほど経過している」
キョン(やっぱり……ここは、急ごしらえの廃校なんかじゃ、ねえってことかよ……)
ハルヒ「やっぱり、フレスコ画なんだわ……この手紙を書いた人たちも、きっと、フレスコ画を手がかりに、脱出したのよ! 此処を!」
キョン(そう、だといいんだが……この先で、もう一つの可能性の片鱗に出逢っちまったら……)
古泉「……この人たちは、分散して行動していたようです。僕らは、できるだけ固まっていたほうがいいでしょう……幸い、武器になるものもあります」
みくる「そ、それがいいです……そうしてくださいい……」
ハルヒ「絶対抜け出してやるんだから……こんなふざけた学校! 次のフレスコを探すわよ、みんな!」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:13:11.30 ID:p47JZp2RO
けいおんかぁ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:13:28.31 ID:FrGDalH5O
スウィートホーム思い出した
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:13:53.63 ID:IJ+Bj9anO
面白い
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:19:18.40 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 東側校舎 廊下
ハルヒ「! 何、あれ……紐みたいのが、格子みたいになって、進めなくなってるわ」
古泉「紐……? これは……『魔封じの紐』ですね。現在でも、神社などで使われているものです」
キョン「魔封じだって? 馬鹿言え、全然封じてねえじゃねえか……なんでそんなもんが、こんなところにあるんだ?」
古泉「わかりません、しかし……んんッ……ぬッ!! ……ふう。どうやら、この紐で封じられているのは、僕らのほうのようですね」
キョン「何だって?」
古泉「引き千切れそうにありません。あの、扉と似たようなもの、ですかね……」
ハルヒ「はあ? じゃあ、この先には行けないってこと?」
古泉「ええ……いや。『魔封じの紐』……なら、もしかすると……すみません、火打石などは持っていませんか?」
キョン「はぁ? 有るわけないだろ、そんなもん」
古泉「そうですか。でしたら……もっふ」カチッ
ボウッ
ハルヒ「きゃっ!? ……びっくりした、一瞬で燃えちゃった」
古泉「やはり。魔封じの紐は、最後に供養の際、火にくべるものなんです。……オイルライターで補えるか不安でしたが、問題ありませんでしたね」
キョン「この先は……階段か」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:20:35.35 ID:Mr2lSB5u0
スウィートホームですね
そして先人はけいおん部wwwwwww
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:25:19.15 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「二階に続いてるみたいね。さすが昔の学校、教室も少ないわ……? 何かしら、二階のほうが暗くなってる……」
古泉「どうやら、窓が木板で閉ざされているようですね……」
キョン「おい、足元も見えねえ、このまま上るのは危ねえぞ。懐中電灯はどうした?」
みくる「あ、え、はい、あたしが持ってます。えっと……」
カチ
みくる「あ、点きまいええええええええ!!!?」
キョン「Yeah!?」
みくる「ちっ、ちgちggggちぎっちぎちっちが……そ、そそそそそそsこの壁のところに……いいい……」
古泉「こ、これはッ―――!?」
骸骨「」
ハルヒ「ひきゃあああっ!? が、がががががgっががががいこつ……!?」
キョン(朝比奈さんのライトが照らした先、階段の踊り場の隅に……骸骨が横たわってる……
科学室の模型なんかじゃねえ、ホンモノだ……なんつーか、こう! オーラでわかる!)
みくる「まっ、まさかこれ、さっきの紙の……ひっ……」
古泉「なっ……何てこった……これは、ホンモノの……人骨のようですね……」
面白い。支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:31:38.39 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「う、うそでしょ……こ、こんなとこで、やられたっての……?」
古泉「……やはり、完全に白骨化していますが、死体です……」
みくる「はう」ふら
長門「キャッチ」がし
みくる「あっ、す、すいませ……」
キョン(……! ちょっと待て、この骸骨の横の壁……!)
キョン「おい、これ……血文字だ! こいつ、何かメッセージを残してるぞ……」
ハルヒ「! なんですって、メッセージ……?」
古泉「ほ、本当です! これは……滲んでいて、よく読めませんが……」
『きをつけて心の力でしかかてない』
キョン「心の力だって……? ……何だ、こりゃ? こいつの、味方へのメッセージか?」
古泉「はい……そして、あるいは。……『同じ運命を辿るもの』への……でしょうか」
みくる「そ、それって……」
ハルヒ「あたしたち……!? ……じょ、冗談じゃないわ、こんな……こんな目にあってたまるか!
行くわよ、みんな……絶対、何が何でも、あたしたちは生きて帰るんだから……!!」
キョン(……最悪の予想が、いきなり当たっちまった……)
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:39:31.43 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 東側校舎 廊下
ハルヒ「古泉君の行ったとおり、窓がふさがってて、真っ暗だわ……電気なんかもちろん通ってないし」
古泉「ライトを使って、注意深く探索しましょう。何せこのボロ校舎です、床だって信用していいかわからない。
僕が先頭を行きますから、背後は頼みますよ」
キョン「あ? 俺か? ……まあ、このメンバーだ、そうなるわな。いいぜ、できる限り気をつける」
ハルヒ「なんか不安ねえ。あたしが後ろでもいいわよ?」
キョン「いや、さすがに俺の面子が立たねえよ……いいから、お前はいざって時に振り回せるように、木刀でも握っとけ」
ハルヒ「そ、そうね……わかったわ」
キョン(……ハルヒのやつ、かなり参ってるな……そりゃ、俺らだって参っちゃいるが。
あいつにとって、ここまで露骨な非現実なんか、初めてだろうしな……)
長門「……待って」
古泉「? どうかしましたか?」
長門「壁に、文字がある」
キョン「! マジか……マジだ、また『メッセージ』だ! だが、血文字じゃねえ……紙がねえから、壁に書いたってとこなのか……」
『澪ちゃんへ ふらすこは反対がわに見つけたよ! 危なかったら呼んでね!』
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:48:18.65 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「反対側……ってことは、西側ってこと? どうも、こいつら、みんな単独行動だったみたいね……」
古泉「ええ……書置きを残すくらいだ。どうやら、『先行者』のうちの一部と僕らとは、似たように進んでいるようですね」
キョン「あまり喜べねえな、アレを見たあとじゃあよ」
ハルヒ「だ、大丈夫よ……あたしたちは、ちゃんと固まって動いてるんだから。こいつら、きっとあたしたちより若かったのね。やる事が軽薄だわ」
古泉「……先の人々のことを気にしてもいられません。とにかく、フレスコが西側にあるという情報は確かでしょう」
ハルヒ「そ、そうね……行きましょう」
キョン(それとなく、古泉の奴も余裕がねえな……まあ、当然だろうが。いつもより、言葉使いが荒いぜ)
みくる「ふえ……」
キョン(朝比奈さんはいつもの調子だし……長門は精神的には問題ないかも知れんが、情報操作がいまいち頼れねえのは確かだ。
……マジにならなきゃいかんな、こりゃ……)
―― 二階 西側校舎 廊下
キョン「ん……おい、古泉。こっち側にも道があるぞ……なんだ、こりゃ? 一階にあったか?」
古泉「道、ですか? ……本当ですね、廊下があります……西側はノーマークだったので、一階がどうだったかまではわかりませんが」
ハルヒ「じゃあ、フレスコはこっちにあるかもしれないって事?」
キョン「……すこし、見てくる。古泉、わるいが残っててくれ。未開の地だ、何が有るかわからんしな」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:53:34.39 ID:6Bg5MA9l0
古泉「! しかし、分散するのはあまり……」
キョン「何、危なかったら大声でも上げるさ。俺もライトは持ってきてるし……外から見てわからなかったぐらいだ、大して長い道じゃないだろうよ」
古泉「……わかりました。僕らはここで待っていますよ」
ハルヒ「え、で、でも、キョン……大丈夫なの?」
キョン(……まあ、存分に怖いっちゃあ、怖いがな)
キョン「ああ、ヤバかったら呼ぶって」
長門「……私も同行する」
キョン(! ……そう、だな。それがいい。今、一番きついのは朝比奈さんとハルヒだろう……二人が少しでも休めりゃいい)
キョン「ああ、じゃあ、頼めるか?」
長門「いい」
ハルヒ「あ、危なかったら呼びなさいよ! あんたなんか、いつやられるかわかんないんだから……」
キョン「ああ、わかったよ。 じゃ、頼むぜ、古泉。行こう、長門」
長門「こくり」
キョン「口で言ったろ今」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 19:55:39.59 ID:XYRPBWw6O
しえ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:00:50.30 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 西側校舎 南側・図書室
キョン「……なるほど、図書室か……そういや、俺の中学もシンメトリーだったが、片側だけに、多目的ホールだかと図書室の出っ張りがあったな」
長門「……これ」
キョン「ん? ! ……こりゃ、学校の見取り図か。使えるな、こいつは……
……しかし、何だ、ややこしい学校だな、随分。西側の廊下を北に進むと、そこから東側に折れる廊下があるのか……
左上だけ繋がってねえ四角形みたいなもんか……また、偉い造りだな。体育館はどこにあるんだ? プールもねえな……」
長門「……これ」
キョン「ん? いや、見取り図なら今携帯で撮影するぜ。さすがに、丁度よく半紙に刷られてもいないしな」
長門「違う、これ」
キョン「え? ……な、何だそりゃ!? ……これ、『斧』だよな……」
長門「……わからない。しかし、武器は重要……この場では、私の力が及ばない可能性が十二分にある」
キョン(! ……暗がりの中でだが、今、一瞬。長門の表情が、なんつーか、こう……申し訳なさそうに変化した気がする……)
キョン「……ああ、わかったよ。大丈夫だ。お前がいてくれるだけでも、俺は随分助かってるぜ。精神的に、な」
長門「……そう」
キョン「……フレスコもねえみたいだし、戻るか」
キョン(……そうだ。今こそ、俺らがしっかりしねえとな……こうなっちまったんだ、ぼやいても仕方ねえ)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:05:48.44 ID:6Bg5MA9l0
キョン「よし、戻―――」
長門「待って」
キョン「え……どうしっ―――うおっ!? 何だ、こいつらっ!」
蛆虫「「「「「「「「「「「「ウゾウゾウゾウゾウゾウゾ」」」」」」」」」」」」」」」
キョン(う、蛆だぁっ!? いや、そんなもんじゃねえ……デカい上に、多い! んだ、こりゃ、ベルゼバブの幼虫か!?)
キョン「この野郎っ!!」
ブォン
キョン「うわ、くそ、駄目だ、数が多すぎる!」
長門「―――火、虫には火を……」
キョン(! ―――そうだ、あのフレスコのメッセージ……! しかし、火だって!? 俺はライターなんか持ってきちゃいねえぞ!?)
長門「本を撒いて」
キョン「何っ!?」
長門「撒いて」
キョン(本―――この、山と本棚に押し込めてある、こいつらかッ!?)
キョン「ええい、ままだっ!」 ブンッ
バサバサバサバサ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:07:05.09 ID:PJOAx5UCO
ベルゼバブて…
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:10:21.36 ID:6Bg5MA9l0
ブチブチブチ
キョン「おい、駄目だ! 何匹か潰れたぐらいで――――」
長門「%&''($#$%#$''()&@」
ブォッ
キョン「うおっ!?」
蛆虫「「「コゲコゲコゲコゲ……」」」
キョン「び、ビビった……そうか、長門が火をおこしたのか……」
長門「可能かどうか不明だった……いや、厳密には、情報操作は及ばなかったはず」
キョン「……え? な、何だ?」
長門「情報操作で、発火を試みた。しかし、ロックが掛かっており、不可能だった……何故発火したのか、私にもわからない」
キョン(何だって……?)
長門「ただ、発火することを……願った」
キョン「願った……? もしかして……そりゃあ、あの骸骨の……」
長門「わからない……虫は退けた。一刻も早く、古泉一樹たちと合流すべき」
キョン「あ、ああ、そうだな……」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:14:46.75 ID:g45ke++nO
スウィートホーム懐かしいな
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:19:47.23 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 西側校舎 廊下
ハルヒ「でかしたわ、キョン! この見取り図は使えるわよ……それに、曲がり角の向きで、どこにいるのかも完璧にわかるし!
……ところで、何? その仰々しいの……」
キョン「……俺もわからん。まあ、武器になるのは確かだと面ってな。見つけてくれたのは、長門だが」
みくる「オノ、ですか……初めて見ました」
古泉「ぼくも、実際に見るのは初めてですね……刃も鋭利です。たしかに、色々と使えますね」
長門「南は、図書室があっただけ。あの書置きのフレスコは、この先にあるはず」
古泉「よし……進みましょう。いい武器が手に入っただけ、ラッキーです。それは、あなたが持っていてください」
キョン「ん」
古泉「向かいましょう。……十分に注意を払いながら、です」
キョン(……蛆虫どものことは、古泉に話した……俺たちがであったのは、あの人形と、蛆虫ぐらいだ。
……『血文字』を残せるようなえげつねえ傷を負うようなやつが、ほかにもいるって事だ……)
ハルヒ「よし、キョン、後ろは頼んだわよ! ……行くわよ、フレスコ画のところに!」
キョン(……少しだけだが、いつもの調子を取り戻せてるみたいだな……古泉がうまくあやしてやってくれたのか……)
みくる「…………ごく……」
長門「…………」
ハンターでも出てくるのかな?
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:26:47.96 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 西側校舎 一年A組教室
古泉「……! 皆さん―――驚かずに聞いてください」
ハルヒ「! な、何?」
古泉「……フレスコは、ありました……それと、もう一つ。……また、『死体』があります。白骨化しています」
みくる「ひっ……!」
ハルヒ「ま、また……? ……も、もしかして、『ムギ』の? それとも、『澪』の……?」
古泉「わかりません……ライトで見る限り、危険なものは、ないようです。……死体に何かメッセージがないか、調べる必要があります……入れますか?」
みくる「だっ……だ、大丈夫です」
ハルヒ「……あたしも、平気。もう、なんていうか……ちょっとだけど、慣れてきたし、ね」
キョン「行こう、古泉」
古泉「……はい」
―――
キョン「……こいつの周りには、『血文字』は見当たらないな……這いずってきたような跡がある、ここまで逃げてきたってことか」
古泉「そのようですね……体躯からして、女性のものです。それも、まだ幼い……中学生か、高校生かでしょう。僕らと同じくらいです」
ハルヒ「あ、あんたたち……なんか、えらい場慣れしてない? いきなり……」
キョン「まあ、な……こいつは何の手がかりにもならんようだ。あとは、『フレスコ画』だ。ハルヒ、頼むぜ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:33:30.93 ID:wQ271xgjO
スウィートホーム懐かしいな
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:34:19.50 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「う、うん……えーっと……! 出た、メッセージ!」
『ハンマーがあれば 妨げる 岩はもう 岩ではない』
ハルヒ「……なにこれ?」
キョン「えらく詩人だな、そのメッセージを残した奴は……ようするに、『ハンマー』を探せってことか」
古泉「ふむ……ハンマーですか。おそらく、道を妨げるような岩を破壊できるものならば、かなり大振りなものでしょう。
ここまでで、見落としてきているという事もないと思います……」
キョン「……そいつで、入り口の土砂をどうこうしようってのは、無理なんだろうな、やはり」
古泉「あれを叩くのは、あまり賢い行動ではないでしょう。むしろ、土砂がより進入してくるのを促してしまうかもしれません」
ハルヒ「……とにかく、他にもフレスコか、手がかりがないか、調べてみましょ。それでなきゃ――――」
みくる「ぅいひえああああああああっ!!!?」
ハルヒ「うっきゃあああっ!?」
古泉「朝比奈さんっ!? どうしま……なっ!!」
骸骨「う……あ……」
キョン(あ、あの白骨死体が……!! 朝比奈さんに縋るようにして、動いてやがるっ!?)
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:39:51.48 ID:6Bg5MA9l0
みくる「あっ……ひ、や、こないで……」
骸骨「う……わ…たし…………ライト……が……」
キョン(! 待て……この骸骨、襲ってきてるわけじゃないっ!?)
骸骨「ライトが……さえ……落ち……なきゃ……わたし……しな……」
骸骨「」
みくる「ひえ……」くらっ
長門「キャッチ」がしっ
ハルヒ「み、みくるちゃん! しっかりして、骸骨はもう離れたわ!」
キョン(今のは……メッセージだ! こいつ、ずっとここで、死に切れずに……!?)
古泉「……これ以上動く様子はありませんね。……行きましょう。目指すは、フレスコ画と、ハンマーです」
ハルヒ「あ、う、うん……みくるちゃん、大丈夫?」
みくる「は、はい……だっ、いじょぶです……ごめんなさい、心配かけて……」
キョン(ちくしょう……見つけてやろうじゃねえか、ハンマーとやら……これ以上、誰もが神経擦り減らすだけの、こんなところにいられるかってんだ……!!)
ハルヒ「よし……行くわよ、みんな。とりあえず、この、北側の校舎ね……目指すのは」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:42:57.71 ID:6Bg5MA9l0
これ絶対おわんねーだろ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:46:00.48 ID:DhV2IfVdO
責任持って終わらせろ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:47:35.06 ID:CuM9MKQ0O
どうせ保守させるハルヒSS作者様(笑)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:49:12.56 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 北側校舎 廊下
古泉「どうやら、北側の校舎には、教室以外の部屋が集中しているようですね……ここは職員室、向こうは会議室になっています」
ハルヒ「職員室に、フレスコなんてあるかしら? あったら、本格的にクレイジーよ、この学校……」
古泉「フレスコを描いているのが教師か、それに順ずる方という可能性もあります。
いえ、むしろ、あの技術を学生が再現できるとも思えません……教室にも飾るあたり、校長や理事長あたりの作品という可能性もあります」
キョン「だとしたら、職員室はソレっぽいな……長門。カギ、開けられるか?」
長門「……可能」
カチリ
古泉「では、開けます……」
ガラリ
古泉「! これは……フレスコ画はありません、しかし……」
ハルヒ「何よ、古泉君? また、死体……! これ……『電灯』が、落ちてきたの?」
キョン「何だって?」
キョン(マジだ……なんで職員室にだけ、こんな豪華な電灯をぶら下げておいたかは知らんが……そいつが部屋のど真ん中に落ちてる……)
みくる「もしかして、さっきの、骸骨の人がいってた、ライトって……」
ハルヒ「ここが……あの子がやられた場所、ってこと……なのね……」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 20:58:12.28 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 北側校舎 職員室
古泉「……くまなく探しましたが、この部屋には、『ハンマー』や『書置き』は見当たりません。フレスコもないようです」
キョン「ついでに、隣の『校長室』も見てきたぜ。成果は……ハンマーでも書置きでもねえが、これだ」
ハルヒ「? なにそれ、書類? ……これ、この学校のこと?」
キョン「ああ、長門が見繕ってくれた……この学校の『美術部』についてが書いてある」
ハルヒ「美術部? ……! やっぱり、あの『フレスコ画』を描いてるのは、ここの美術部員だって!」
古泉「ちょっと、すみません……美術部、部員は五人……どうやら、あのフレスコ画は、『美術部長』の作品のようですね……
……間違いなく。涼宮さんの言っていたとおり、この方は『天才』です……あんなタッチのフレスコ画を描ける学生なんて」
キョン「……そのフレスコ画に手がかりが残っているってのは……無関係じゃないだろ、こりゃ」
ハルヒ「……『美術室』が、どこかにないかしら。きっと、そこに何かがある気がするわ」
古泉「可能性はありますね……ただ、おとなしく行かせてくれると楽観するべきではないでしょうが」
ハルヒ「やっぱり、当面は『フレスコ』と『ハンマー』ね……この部屋にはどっちもないみたいだし、次の『会議室』を見てみましょ」
キョン(そろそろ、何か出そうで怖いな……)
みくる「『電灯』には、気をつけたほうがいいみたい、ですね……」
古泉「ええ。次から、確認します。大きな電灯が有る部屋は警戒しましょう……彼女からの、『メッセージ』ですからね」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:04:08.34 ID:Ee59vVGf0
これはおもしろい
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:04:23.70 ID:6Bg5MA9l0
―― 二階 北側校舎 会議室
ガラ
古泉「さすが、広いですn―――! 何か、来ますッ!!」
ハルヒ「ふえっ!?」
蝙蝠「「「バササササササキィィィィコェェェェェェ」」」
キョン「ッ―――『コウモリ』だッ!! えっと、コウモリには……何だっけ!?」
長門「光」
キョン「光っ!? ライトかっ……この野郎っ!」ブンブン
ハルヒ「駄目よ、全然効いてないわ!」
古泉「オラオラオラオラオラオラぁ!」ブンブンブンブン
バシバシバシスカバシスカ
古泉「駄目です、木刀じゃ対処しきれない!」
ガブ
キョン「いってぇ!! 噛まれたっ!? クソ、『光』じゃねェ―――のかよ!! ライトじゃ足りねえってのか!?」
みくる「ひええええっ!! こ、こないでぇぇぇぇぇぇ――――!!!」
カッ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:07:29.07 ID:Ee59vVGf0
スウィートホーム何かと思えば保育園の頃泣きながらやったゲームじゃねぇか!
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:09:40.18 ID:6Bg5MA9l0
キョン(!? 何だ、今、部屋中が、一瞬だけ明るくッ!?)
蝙蝠「「「ヤッダァーバァァァァ」」」 バサササササ
古泉「! に、逃げていきます……今の光は、一体!?」
みくる「ふぇ……え、あ、あたし……な、何したんですか? え?」
キョン(あ、朝比奈さん……? そのポーズは、咄嗟に取ったんですか? 所謂、みくるビームというやつの……
まさか……『心の力』……?)
ハルヒ「び、びっくりした……でも、なんだか分からないけど、コウモリは逃げ……」
ガシッ
ハルヒ「あっひゃあああっ!?」
キョン「なっ……ハルヒッ!?」
半身男「グググg……ガッバァァァァアァ」
ハルヒ「きゃああああっ!? 何、これ!? ぞんびっ、ゾンビぃ―――ッ!?」
キョン(ばっ……なんだ、このこれまで以上にえげつねえのは!? 下半身のねえ男が、ハルヒの体にしがみついてやがるッ!!)
キョン「この野ッ……って、ヤバい……このままじゃ、オノでハルヒまでぶった切っちまうじゃねえかッ!?」
ガスガスガス
ハルヒ「は、はなせえええっ!! だ、駄目、木刀じゃびくともしないわっ!! や、這い上がってくんなあっ!!」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:10:54.09 ID:wQ271xgjO
面白いし投下速度的には書き溜めありか
期待しえ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:14:04.74 ID:6Bg5MA9l0
半身男「ズビズバ」
ハルヒ「きゃっひいいいいっ!!? 舐めるなああああっ!!! だ、だめ、助けて、キョ―――ン!!」
キョン「んなっ、つったって、この状態じゃオノなんかッ!!」
古泉「―――!! WRYHAAAAAAA!!!」 カッ
ボンッ
ドグボァァァァァ―――ッ!!
ハルヒ「あっきゃあっ!!?」
キョン「ぬおっ!?」
半身男「くぁw背drftgyふじこlp;@:「」
ハルヒ「……え……えっ?」
古泉「あ…………あれ?」
キョン(い、今の……気のせい、じゃねえよな? 古泉の手から……例の『赤いの』が出て……ゾンビ野郎を、ブッ飛ばした……!)
ハルヒ「な、何? 今の……」
古泉「え……わ、わかりません、ただ、涼宮さんを助けないとと……まさか、これが……あの、骸骨の血文字の……?」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:14:06.91 ID:53JAuFivO
燃えるゴミは月水金
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:22:03.77 ID:6Bg5MA9l0
長門「……聞いて」
キョン「うおっ!? な、長門……いきなり耳元で、何だよ!?」
長門「……今、この建造物を支配している力は、涼宮ハルヒの力に似たもの……やはり、間違っていない。
……この場では、私たちに。僅かではあるが、涼宮ハルヒの影響による力が備わっている……今、それを観測できた」
キョン(何だって……いや、確かに、そりゃあとんでもなく心強くはあるが……)
キョン「じゃあ……やっぱり、この学校を封鎖してる力ってのは……」
長門「……ありえない事。しかし、涼宮ハルヒとは別の、『涼宮ハルヒと同質の力』によるもの……
そして、その持ち主は。あの……『亡霊』の少女」
キョン(……んな、馬鹿な……! あの亡霊が、ハルヒと同じ……『神』だとでも言うのか……!?)
長門「……これ」
ハルヒ「へ? ……そ、それ、書置きじゃない! いつの間に見つけたの? 貸して……えっと、何々?」
『ムギちゃんたちへ この先の階段の上に、三枚目のフレスコがあるよ!』
古泉「……筆跡からして、あの『壁』の方と同じ方が書いたようですね……この先の階段の上というと、三階の北側の廊下……でしょうか」
ハルヒ「ったく、部屋も書いておいてくれれば手間が省けるのに。これ書いたの、相当の馬鹿ね……」
キョン(つまり、これを書いたのは……あの二人の死人の、どちらでもないわけか……)
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:28:48.79 ID:6Bg5MA9l0
―― 三階 北側校舎 家庭科室
長門「階段の途中には、何も異常はなかった。最も近い部屋は、ここ」
キョン「家庭科室か……都合よく美術室だったら嬉しかったんだがな」
ガラリ
古泉「……ふむ、フレスコ画は見当たりませんが……! あの扉から、『準備室』へ行けるようです。そちらを見てみますか……」
ネズミ「チュウ」
古泉「ええ、注意しますよ……うっだぁぁああっ!!?」
ハルヒ「きゃっ!?」
みくる「うっきゃっ!?」
キョン「ぬがあっ!? こ、古泉? 何、お前にあるまじき声を……」
古泉「あ……い、いえ、すみません……何かと思ったら、ネズミでした……敵意はないようです、ただのネズミですよ」
ネズミ「ピッピカチュウ」
ハルヒ「なんだ、ネズミかあ……家庭科室なら、まあいるわよね。でも、こんな廃校の家庭科室に、食べ物なんてあるのかしら?」
ネズミ「ニコチュー」
古泉「確かに不思議ですが……まあ、敵ではないようですし。とにかく、『準備室』を見てみましょう。フレスコ画があるかもしれません」
おもしろいからがんばってくだしあ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:30:31.49 ID:qgoVKShp0
ネズミwww
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:31:56.89 ID:kgUSBSrpO
元ネタ知らないけど面白い
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:36:25.23 ID:6Bg5MA9l0
―― 三階 北側校舎 家庭科準備室
ハルヒ「! やったぁ、ビンゴぉ! また気味悪いフレスコ画が飾ってあるわ!」
みくる「ふえ……この部屋は、窓から日が差してますね……あっ、これ! フレスコ画のすぐとなりに、書置きがあります!」
古泉「あっ、本当です……よかった、血文字ではありません。やはり、また同じ筆跡です……」
『みんなへ はつでん器は東の中庭にあるよ 私もさがすね』
ハルヒ「はつでん器って、発電機のこと? ……それって、もしかしてこの学校の? それはいいわ、二階も三階も真っ暗だもの。
電気が通ったら心強いわよ、ライトでいちいち照らさなくても、見逃しなく探索できるじゃない!」
キョン「……しかし、妙だな、こりゃ。なんで自分も見つけてねえ発電機が、東の庭とやらにあると分かったんだ? こいつ……」
古泉「他の方からのメッセージか何かですかね……東の中庭ですか。東側の一階はまだ探索していませんし、こちらを優先すべきですかね……
いや……でも、やはり『ハンマー』が気になるな……」
長門「……フレスコ画が先」
ハルヒ「! そうだ、忘れるところだったわ……この『フレスコ画』のメッセージを確認しないとね」
カチッ
みくる「……あっ、そこ、右下! 出ました、メッセージが!」
『ハンマーは 小さな獣の 部屋にある』
なるほど
古泉が和夫(ライター)
キョンが田口(カメラ)
長門がエミ(カギ)のポジションか
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:40:45.24 ID:E64O9xke0
>>71 元ネタ知らんけど
キョンがあまり動かない(古泉が活躍することが多い)のは
カメラポジションだからなのか
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:42:41.82 ID:6Bg5MA9l0
ハルヒ「小さな獣……? 何よ、それ。ってか、ハンマーが手がかりってフレスコに書いときなさいよ、こんなこと!」
みくる「小さなけもの……って、あのコウモリさんのこと……でしょうか?」
長門「会議室はいつの間にかくまなく探索した。しかし、ハンマーと思えるものは見当たらなかった」
キョン(いつの間にだよ)
古泉「……小さな獣。……もしかして、あのネズミ……あんなところにいるのは奇妙だと思っていましたが……
家庭科室に戻ってみましょう。どうも、あのネズミが引っかかるんです」
―― 三階 北側校舎 家庭科室
ネズミ「ウッヂューwwww」
キョン「……まあ、小さな獣には違いないが……何かハラ立つな、このネズミ」
みくる「でも、この子、妙に人に慣れてますよね。普通、ドブネズミさんって、こんなふうに触れたりしないのに……よしよし」
キョン「うらやましい野郎だ」
ハルヒ「! やったぁー! ハンマー獲ったどーっ!!」
キョン「なっ、マジかよ!?」
ハルヒ「マジよ! 一個だけ閉まりきってない戸棚があると思ったら、これが無理矢理放り込んであったわ!」
古泉「これは……確かに、間違いなく『ハンマー』ですね。かなり重量もあります……並の岩なら削れるでしょう……どうやら、アタリですね」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:45:09.48 ID:63GE73pY0
ドブネズミに素手で触れたりこうもりに咬まれるのってまずくないか
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:45:10.12 ID:jR+pNWGH0
結局ネズミはなんだったんだ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:52:00.36 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 北側校舎 廊下
ハルヒ「で、問題の東の中庭とやらを目指してきたけど……ハンマーが先に見つかってよかったわね」
キョン「ああ。階段を下りた目の前に、こんな岩があったら、どうにも行きようがねえしな。
おそらく、一階から回り込んでも、似たようなバリケードがあるんだろうよ」
古泉「では、失礼して……ドラァ!!」 ブオン
ズガッシャン
キョン「うおっ!? ……こ、古泉。お前、張り切りすぎじゃねえか……こんなデカイ岩が、一発って……」
古泉「……い、いえ。僕も驚いています。こんな腕力はないですよ、僕には……どうやら、この『ハンマー』であることが重要だったんでしょうね」
ハルヒ「ぬぐぐぐ……ムカツクわ、遊ばれてるみたいで……とにかく、発電機よ! 東の中庭っつったら、東側の校舎から行けるに決まってるわ!
この先よ、この先! 行くわよ、みんな!」
キョン(しかし、中庭なあ……見取り図にはそんなもん書いてないんだがな……)
―― 一階 東側校舎 廊下
古泉「! 見てください、東側の校舎側に折れる角に、このまま直進する道があります……
これは、どうやら『体育館』への通路のようです……」
長門「……向かってみるべき。敷地内の見取り図上、中庭と呼べる空間があるとしたら、この先である可能性が高い」
ハルヒ「また、偉い暗いわね……ライトがいるか。ま、発電機をたたき起こすまでの辛抱ね……じゃ、行くわよ」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:55:15.30 ID:XNKwQtL1O
猿阻止
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:57:25.24 ID:PJOAx5UCO
道無き道を
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 21:58:32.69 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 渡り廊下
クククク……
ハルヒ「……ね、ねえ、キョン……この声って、あたしの空耳じゃ……」
キョン「……よかった。俺の空耳でもねえようだな……」
みくる「こ、こわいです……お、襲ってこないんでしょうか……」
古泉「……受け売りですが、この手の魔物たちは。暗闇のなかで、真の力を発揮すると聞きます。
発電機を手に入れるまでの辛抱で……! と、止まってください……何か! 何かが、僕の足元にいます!」
ハルヒ「ういぃっ!?」
何か「あ……う……人……?」
キョン「っ……! おい、待てこりゃ、骸骨じゃねえ……ゾンビでもねえ! ……人だ! まだ、肉体がある!」
古泉「! 朝比奈さん、ライトを! 照らしてください!」
みくる「は、はい!」
女の子「う……あ、あれ……そ、っか……きみたち、も……ここに……来ちゃった……ひと…………?」
キョン(! やっぱり―――いや、しかし、『生きて』るわけじゃない……これは、あの二枚目のフレスコの部屋に居たやつと、同じ……!)
wkwk
おもろい
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:06:59.74 ID:6Bg5MA9l0
女の子「よかった……だれかと、話したくて……ずっと、ここで……」
みくる「ひ、酷い怪我……い、今、救急箱、わたし、持ってますから! 手当てを……」
女の子「ち、がうの……もう、わたしは、死んじゃってるから……
みんなに、いろんなこと、伝えようとしたんだけど……だめ、で……」
古泉「あなたは……もしかして、フレスコの手がかりを残した……!?」
女の子「……読んで……くれたんだ……よかった……
おねがい、聞いて……わたし、最後のふらすこで……読んだの……
『斧と槍』は……おばけから……まもってくれるって……
……よかった……だれかに、教えてあげられて……もう、いくね……いま、いく……あずにゃ……みん……」
ハルヒ「! ちょ、ちょっと、しっかりして……!!」
女の子「」
キョン「……ハルヒ、違う。死んだんじゃない……こいつは、もうとっくの昔に……」
ハルヒ「そんな……だって、今まで! 今、あたしたちに! メッセージをくれたじゃない!」
古泉「……ずっと、彼女は……ここにいたんでしょうね。……誰かに、メッセージを伝えられたと知る、その時を待って……
彼女は、やっと、行くべき場所へ行けたのでしょう……」
キョン「……『斧』……そりゃ、やっぱり、これのことなんだろうな」
長門「……この先。……この少女が、たどり着けなかった道。私たちは、そこにたどり着かなくてはならない」
古泉「……行きましょう。何が有っても……進まなくては為らないんです、僕らは」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:12:05.61 ID:FOrODUAWO
しえん
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:12:53.63 ID:QFvjSPBE0
そうだ、僕らの物語はまだ始まったばかりなんだ!!
>>1の次回作にご期待ください
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:14:30.65 ID:6Bg5MA9l0
――――
古泉「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!!」
ズドドドドドドドドドドッグォン
キョン(古泉。お前、岩壊しまくるの、正直楽しんでるだろ……)
ハルヒ「しっかし、『ハンマー』がなきゃ、話にならないわね……何よ、この岩無双」
みくる「体育館まで、あと少しなんですけど……見つからないですね、庭への入り口」
古泉「思うに、体育館から、中庭へ出る扉がないかとにらんでいるのですが……まあ、扉はあてになりませんが、ね」
キョン(まあ、外界に出られる扉が封鎖されていないわけもないだろうな……)
コウモリ「「「「キィィィィコエェェェェェ」」」」
キョン「のがっ!? またコウモリかよ!?」
みくる「あ、え、いま、倒します! み、みくるフラーッシュ!!」
ペカーン
コウモリ「「「ヤッダァーry」」」」
長門「……今。一瞬、見えた……ここの壁に、また『書置き』がある」
微妙にモンスターの台詞がおかしいw
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:21:37.27 ID:6Bg5MA9l0
古泉「! 本当ですか……本当だ、書置きです! ……さっきの、あの女性の筆跡とは違います……」
ハルヒ「! ちょっと待ってよ、あの子たちは、『ハンマー』を手に入れられなかったはずじゃないの?
どうして岩を壊していった先に、『書置き』があるのよ!」
キョン「……繰り返しているんだろうよ、多分だけどな」
ハルヒ「!」
キョン「考えても見ろよ、俺たちが侵入したとき、正門はまったく、ぶっ壊された跡なんかなかっただろ。
……多分、『あいつら』がこの場所にやってきたときも。同じように、土砂崩れに入り口をやられたんだ……」
ハルヒ「……わけ、わかんない……どうしてそんな事する必要があるのよ……?」
キョン(それは、俺にもわからん)
古泉「……メッセージは、こうです」
『ムギへ フレスコは体育館にあった 光がない、もしこの場所に来たら、メッセージを受け取って。
ハンマーは図書室に置いたから、使って』
ハルヒ「これ、最初に見つけた書置きと同じ文字だわ……この人。さっきのあの子に、会ったのかしら……」
キョン「……わからん。しかし、とにかく、この先にフレスコ画があるのは確かみたいだな」
古泉「ええ。この人たちの残したメッセージは、信用していいでしょう。……向かいましょう」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:23:01.39 ID:o5v5Rv2x0
しえん
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:29:29.86 ID:Ys5ZSygP0
久々に地の文がないのに面白いSSにあった。がんばれ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:29:55.90 ID:6Bg5MA9l0
―― 一階 体育館
キョン「……どうだ、古泉、フレスコはあるか?」
ちょっとだけ充電
いってらっさい
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:33:00.26 ID:6Bg5MA9l0
ごめん実際書き溜めないんだ
ちょっと充電するからちょっと数十分だけ待って
充電ガンバ〜
なんだと?あれほど完成させてからと(ry
保守してあげるから、早く書きなさいよね
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:38:43.25 ID:Ys5ZSygP0
SSスレ立てるときには書き溜めをすましておくこと。
今回は許す
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:43:30.41 ID:6Bg5MA9l0
古泉「……いえ。広いので、ここから照らしただけではわからない分もありますが、目の届くところには……」
ハルヒ「古泉君、みんな!」
みくる「ひゃっ!?」
キョン「! どうした、ハルヒ! また、何か出たかっ!?」
ハルヒ「違うわ……『この子』よ! この子も……まだ、生きてる! 何かを、私たちに『伝えてくれてる』の!」
古泉「何だって……? ! これは、さっきの人と同じ……まだ、肉体がある方です!」
女性「……聞いて……お、願い……フレスコの……メッセージを……」
キョン(これは……この人、とんでもない『火傷』だ……! 生きていられるはずない、でも……『メッセージ』を発している!)
ハルヒ「……大丈夫、ちゃんと聞いて上げるから。話して……私たちが、聞いてあげるから」
女性「……東の、庭は……見えるの、この、先の……奥の扉の先の、廊下から……
でも、どうやったら、入るのか……私には、わからなかった……の……
フレスコも、壊されて……おねがい、聞いて……
『模様の部屋』には……一人しか、駄目なの……お願い、どうか……生きて、おねがい……」
女性「」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:45:07.70 ID:6Bg5MA9l0
正直今日中に終わらないと思うから書き溜めは明日しときます
同じスレタイで検索していただけたら続きをやってるとおもいます
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:47:30.91 ID:6Bg5MA9l0
さーせんした死ぬ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:48:48.43 ID:Ys5ZSygP0
>>98 絶対に許さない。夜に外出するときは背後に気をつけろ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 22:57:20.68 ID:o9Jgz0jqO
さわ子でもないのに「女性」と書かれていると気になる。
ほ