ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら528
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは〜じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「〜〜アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry
山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。
※名前の由来などについてはまとめサイト参照
・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 18:43:36.93 ID:bE31H0pQ0
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 18:56:30.66 ID:A2Cfyves0
よく落ちるな
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 19:04:49.29 ID:0lkq1ZUa0
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ヘ, 、 ____ ヘ 、
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´ ] 、/ ./::::::::/:::::::::;'::::::::::::::::::`ヽ::\ ] ´ ヘ 、/
ガチャ _ __ ガチャ /::/::::/:::;'::::/:::::::::::::::::/::::::::l::::ハ ヘ, ´_ __
ガチャ (( \∨/ .)) /::/:::::::::l::/:::/'|:::i:::::::::::/::/|::l:::|::::::} (( |∨/ )) ガチャ
── (⌒,) j;/::::::::::::|;':::/ |:::|::::::::/::/ ,|::|::|:::::::| 冖 (⌒,) ガチャ
/" ̄`\ ∠;:::::::;イ:::|::/\,|::」::::;/|://|/|/:::;':::| / ̄Υ ガチャ
──── | <.´ ̄\ /::::::/::|:::|/ ●  ̄ ´● /:::/:|i::| 冖/ __ /
 ̄`\ \::/::::|::::| " ゛/:::/l:::||∧/" ̄;| ,/
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6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 19:11:21.05 ID:cMEcVSbqO
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 19:30:55.00 ID:CKDpGEGIO
いちおつ!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 19:41:53.84 ID:CR9eEl3WO
また落としたのか
もう完走とか夢のまた夢だな
いちおつ
過疎なの?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 19:51:34.32 ID:CR9eEl3WO
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:27:03.23 ID:DpZS7Q2CO
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:27:22.20 ID:TMMP7H+XO
危ない
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:45:57.86 ID:GxCBIyxiO
大丈夫か
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:48:40.12 ID:CR9eEl3WO
お題
つ・男がツンデレそっくりの娘をポリゴンで作ってみたら
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 20:59:46.95 ID:pw4OnNbtO
ツン獄殺
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 21:18:46.03 ID:0lkq1ZUa0
☆
このスレかなり前からみるけどまじで528までいってんの?
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 21:28:24.47 ID:CKDpGEGIO
眠いよかなみん
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 21:38:24.99 ID:WiPFYqJ7O
おやすみ委員長
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 21:45:20.78 ID:N5aqShBMO
もう落とさせないからな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 21:51:16.26 ID:kgYrEBipO
>>19 途中で落ちたら小数点で刻むから、実質1000以上いってるけどな
帰宅ほ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:11:35.76 ID:JBGYfJD30
実質1000超えてるのに名前が決まっていない奴がいるんだ・・・
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:16:39.24 ID:NODrRoCuO
ただいま
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:24:48.53 ID:9VRRqF5R0
名前はそれぞれが決めればいいことだけどなwww
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:35:31.86 ID:JBGYfJD30
しかし一応デフォは欲しいと思うところなんだが
やはり名前がある奴のほうが多く投下されてるからな
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:45:02.73 ID:oiQU2UF20
いや、それは違うだろ。
投下されるのは人気のある属性だからであって、だからこそ
早い段階(まだそういうのが許容されてた頃)でデフォネが挙がったわけで。
今決まってないのは、最盛期のデフォネが受け入れられてたあたりで
まだ浸透してなくて挙がらなかっただけ。ぶっちゃけていうと、マイナーだから。
デフォネついたところで投下量はそう変わらないと思うよ。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:45:34.97 ID:PFhEXPWR0
勝気だってボクっ娘だって名前ないけどたくさん投下されてたじゃん
名前なんて飾りだって過去528+αのスレで何度言われてきたことか。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:49:45.90 ID:0lkq1ZUa0
8レス頂きます。
お題:小学生になったタカシ 二日目・午前(第三話)
過去投下分(第一話・第二話)
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun999.txt ■三行あらすじ■
ある朝目覚めると、タカシくんは小学生になっていました。
お隣さんで幼馴染で恋人の梓ちゃんに匿われながらも、性的虐待に苛まれるタカシくん。
梓ちゃんの提案で伯父さんの家に行くことになった彼は、無事元の姿に戻れるのでしょうか?
32 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(1/8):2009/10/04(日) 22:50:42.41 ID:0lkq1ZUa0
さて、朝食を済ませた俺たちは旅装を整え、梓の伯父さんの家へと出発した。
梓によれば、目的地は長野県の松本市というところらしい。
こいつは何度も行っているだろうから、新鮮味はないのだろうけど、俺個人としては初めての場所なのでガッツポーズしてしまった。もちろん心の中で。
交通手段は高校生らしく電車だ。ちょうど松本まで走る特急があって、それを利用するらしい。
十年一昔という慣用句に倣えば、三昔以上も前の流行歌で題材になったアレだ。
「八時ちょうどのやつには絶対に乗らないからね……」
「なんでだよ、せっかくだし乗ろうぜ。急げは途中の駅から乗れるかもしれないし」
「うっさい! ダメなものはダメなの!」
軽く追及してみたら、「縁起が悪い」とかいう答えが返ってきた。サビの部分しか知らないけど、要するに離別の曲だからイヤなのか。
こいつってば、相変わらず妙なところが乙女なんだよなぁ。
軽く騒いだところで、最寄の私鉄駅に到着した。ここからJRに乗り換えて、特急を利用するのだそうだ。
さすがに夏休みということもあって、制服姿の生徒は見受けられないものの、駅構内はお盆休みを終えたサラリーマンの戦場と化していた。
――むにゅっ
「タカシ、ボクから離れちゃダメだからね!」
「大丈夫だって、この歳でさすがに迷子にゃならねえよ」
「油断してると危ないんだぞ! 気を抜くな!」
――むにゅむにゅ
先ほどから妙な擬音が紛れているのだが、これは梓が俺の二の腕をつかんでいる音である。
混雑した構内で、はぐれないようにって配慮なんだろうけど、なんか駄々っ子扱いされてるみたいで、あんまりいい気分じゃないんだよな。
「なぁ、梓。そんなところつかまなくても、手をつなげばいいんじゃないのか?」
「だ、だめだよ! こんなに人が多いんだから、密着してないとすぐにはぐれて生き別れになっちゃんだからね!」
見かけによらず、こいつが心配性なのは知ってるから、あまり刺激したくないというのが率直な意見なのだが、つかむだけならまだしも
腕をむにむに揉むのだけは勘弁してもらいたい。なんか痴漢に遭ってる気分だぞ。
「なっ! なに言ってるんだよ! ぼ、ボクがタカシの腕を、も、もももももも、揉んだりするわけないだろ! バカ!」
なんだよそのリアクション……。俺がすごく悪いこと言っちゃった気分になるじゃないか……。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:50:52.53 ID:JBGYfJD30
なるほど・・・言われればそうかもな、俺が間違っていた気がしてきたよ
とにかくキャラを愛せば問題無いしな
34 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(2/8):2009/10/04(日) 22:51:26.65 ID:0lkq1ZUa0
下り方面の車内は比較的空いていた。
座席は埋まっているものの、立っている乗客はまばらで、サラリーメンの汗が醸し出す人いきれに苛まれることもなかった。
「なぁ、梓。さっきは変なこと言って悪かったな」
「えっ!? な、なんのことかな……?」
とぼける姿が逆に痛々しいぞ。頼むから、もうちょっと堂々としててくれ。
「お詫びってわけじゃないけど、俺の腕でいいなら好きなだけ揉んでいいから……」
先ほどまで曇っていた顔が、見る見るうちに晴れ渡っていく。ここまで機嫌を直してくれるのなら、言った価値もあるのだろうか。
台詞はものすごくかっこ悪かったけど……。
「べっ、別にタカシの腕がほっそりしてて気持ちよさそうだとか、小さい男の子の脚に興味があるとかそんなんじゃないんだからねっ!」
「うわぁ……」
ドン引きだった。
はるか昔、女子大生のお姉さん集団にべたべたと触られまくった記憶が蘇る。
あれって小さい子と遊んでたんじゃなくて、性的虐待スレスレの行為だったんだろうか。なんか女性恐怖症になりそうだぞ……。
「で、でも……、タカシがそこまで言うんだったら、ボクが触ってあげてもいいんだからね!」
「……やっぱダメ」
「ええっ!」
ショックを受けていた。
背景に稲光が走りそうなくらい。
梓はこちらに手を伸ばしたままの姿勢で固まっている。なんだよ、これじゃ断れないだろ……。
「いや、冗談だ……。す、好きなだけ触っていいからな……」
「最初から素直にそう言えばいいんだよ! 変なこと言うからややこしくなるんだからね!」
さすがに軽くイラっとしたが、言い返したところで事態は悪化の一途を辿るだけなのだ。大人しく我慢していよう……。
さて、当の梓は恵比須顔で腕を揉んでいる。
最初は遠慮がちに触れる程度だったものの、段々とテンションが上がってきたのか、上腕部から二の腕の辺りをむにむにと揉みほぐしている。
マッサージされてるみたいで気持ちいいんだけど、梓の執着っぷりがちょっと怖い。
だってこいつ、さっきからまるまる三駅分揉みっぱなしなんだぜ?
異変に気付いた乗客が通報してもおかしくないだろ……、児ポ法的に考えて……。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:51:36.11 ID:ZSmQHAay0
フハハハ…サルサル
36 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(3/8):2009/10/04(日) 22:52:19.72 ID:0lkq1ZUa0
まもなく終着駅に到着しようかという頃、梓の様子が変化していることに気付いた。
俺の腕を触っていることに変わりはないのだが、なんかこう……感触を愉しむというよりは、注意深く形状を確認しているような……。
「どうかしたのか?」
「えっ? あ、いや……。えっと、なんて言ったらいいのかな」
梓は眉根を顰め、思案しているようだった。なにか変なことでもあったのだろうか?
「うーん、気のせいかもしれないんだけど、感触が変わったんだ。肉付きが良くなったというか、太くなったというか……」
と言いつつ、むき出しの前腕部の太さを測るように、にぎにぎと掴んでいる。
「やっぱり見た目よりも、ちょっと太い感じがするなぁ……。なんでだろ?」
最初は冗談でも言ってるのかと思ったが、梓の表情を見る限りデタラメなことを言っているようには思えない。
梓に腕も揉まれている間に体の大きさが戻ったのかとも思ったが、見た感じ目立った変化はないし、外見に変化があったのだとすれば、
梓の指す「視覚と触覚のギャップ」という内容と食い違ってしまう。梓は、見た目よりも腕が太いと感じているのだから。
気のせいだと一蹴してもいいような些末事なのかもしれないが、そうすることは憚られた。
俺がこの体になって以来、このような異変が立て続けに起こっているのだ。
いわゆる『見た目は子供。頭脳は大人』の先例として、件の少年探偵を参考にしていた。
しかし、コナンには起こらなかった現象が今の俺にはあまりに多く発生していて、全くの参考にならないのだ。
そもそも、江戸川コナンという存在――子供という器に大人の知識を有した存在――は、実際に創り出せるものなのだろうか……?
――あれ?
もしそうだとすると、俺が感じてきたもう一つの違和感まで説明できてしまう。でも、こんなことって……。
JRの駅に到着すると、通勤で混み合う構内を抜けて、窓口へと駆け込んだ。
梓は「ボクがタカシの分の切符も買うのに!」と息巻いていたのだが、こればかりはさすがに固辞した。
学生の身分でお金の貸し借りなんてするもんじゃない、と親から言い聞かされてきたからという理由もあるのだけれど、自分自身の
目でどうしても確かめたいことがあったのだ。
「すみません、松本までの乗車券と特急券をお願いします」
「特急券は自由席と指定席がありますが、どちらにしますか?」
「えっと、それじゃ自由席で」
「それでは、5,670円になりますね。今の時間ですと、特急に乗り換えられるのは――」
――やはりそうだ。
でも、これってどうなんだろうな。正体がわかったからといって、どうにかできるような代物じゃないってことに変わりはないのだから。
37 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(4/8) intermission:2009/10/04(日) 22:53:10.18 ID:0lkq1ZUa0
特急乗車直後
「梓、なんかこの席すっげえ眩しいんだけど……」
「このくらいボクにはどうってことないよ。それに、こっちの方がいい景色見られるんだから我慢しろ」
「いや、そうは言っても真夏の直射日光はなかなか厳しいぞ……」
「タカシは根性なしだなぁ。昔から言うだろ、心頭滅却すれば――え、えっと……ひ、ひもまた…………陽もまた眩しっ!」
「お前も根性なしだよっ!」
高尾 → 相模湖 (八王子〜甲府間)
「あの高いところにある、くるっとした道路っぽいものってなんだ?」
「あー、あれって高速道路の入り口じゃないかな?」
「ボケろよ! 『ウォータースライダーじゃないかな? テヘっ☆』とか、いろいろあるだろ!」
「そんな急に振られても反応できないよ! それにそのボケ面白くな――」
「そ、それじゃもう一回いくからな! ボケる準備しておけよ!」
「えっ!? わ、わかった……」
「なぁ、梓。あの高いところにある、くるっとした道路っぽいものってなんだ?」
「えっと……ウォ、ウォータースライダーじゃないかな……えへっ♪」
「なんだよそれ!? 同じことを繰り返すなら鸚鵡だってできるぞ! お前をそんな風に育てた憶えはない!」
「う、うるさい! そこまで言うならタカシがお手本見せろよな!」
「え、マジ……?」
「いいからやるぞ! ――ねぇねぇ、タカシ。あの高いところにある、くるっとした道路っぽいものってなにかな?」
「あー、あれな。あれって道路に見えるけど、実はウォ、ウォータースラ……」
「ワゴンのおねえさーん、コーラと幕の内弁当くださーい」
「ごめんなさい! お願いだから無視しないで!」
甲斐大和 → 勝沼 (八王子〜甲府間)
「なんかやたらと長いトンネルだな。抜ける気配が全くないぞ」
「さすがにもう少しじゃないかな。それにね、ここを抜けるとすっごくいい景色が見れるんだよ!」
「お前がそこまで言うなら窓にへばりつくのも吝(やぶさ)かではない。さあ来い! いい景色!」
「ボクだって見たいんだから、もっと詰めろ! ――あっ! 抜けるよ!」
「「うおっまぶしっ!」」
38 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(5/8):2009/10/04(日) 22:54:34.34 ID:0lkq1ZUa0
「あのさ、伯父さんの家に着いた時のことなんだけど、さすがに『別府タカシ』って名前で紹介したらマズいよね」
「いや、別に大丈夫じゃないか?」
「大丈夫じゃないよ! ボク、タカシのこといろいろ話しちゃってるし……」
どんな話を吹聴したのかはあえて聞くまい……。
こんな見え見えの地雷を踏めるほど、マゾっ気が強いわけじゃないし、そもそも俺はマゾヒストではないのだ。
「うーん、どうしよう……」そんな逡巡をよそに、梓は腕を組み、真剣に悩んでいた。
世の中には同姓同名の奴だっているんだから、そんなに気にするものでもないと思う気持ちもあるのだが、不安に顔を曇らせる梓を
前にしてしまうと、迂闊なことを口に出すのは憚られてしまう。まぁ、ここは梓の気の済むようにさせるべきなんだろうな。
「ボクってば、つい『タカシ』って呼んじゃいそうだから、名前はそのままで苗字だけ変えてみようか。『湯布院タカシ』とかさ」
「温泉シリーズか。地名を苗字にした例も多いし、そういうアプローチの仕方もいいかもな」
梓は偽名でごまかすことにしたようだ。そんなことしなくても、という言葉を飲み込み、梓の提案に応じることにした。
目的地まではまだ一時間以上も残されている。いい暇つぶしにもなるんだから、付き合わない手はないよな。
こいつとのバカ話はそれなりに――というか、かなり楽しいのだ。
「草津タカシ」
「なかなかいいじゃん。ただ草津は有名すぎて、温泉のイメージが先行しちゃうかな」
「有馬タカシ」
「おお、普通にありそうな名前だ。でもありきたり過ぎて、ちょっとインパクトに欠けるかもな」
「下呂タカシ」
「ちょっと待て!!」
「あれ? タカシってば下呂温泉知らないの? 日本三名泉の一つで、お土産は『下呂の香り』が人気なんだよ」
「下呂温泉は知ってるよ! でもわざわざ偽名に使うなよ! 『ゲロタカシ』って小学校のイジメかよ!」
「んじゃあ、シカタカシ」
「意味も無く回文にすんな! それに温泉関係なくなってるぞ!」
さらに付け加えるなら、鹿ってバカを連想させるから、あんまりいいイメージがないんだよ……。
「バカタカバ?」
「だから回文から離れろよ!」
「バカロレア!」
「バカから離れてください!」
「タカシのアホ!」
「それはただの悪口だ!」
39 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(6/8):2009/10/04(日) 22:55:21.33 ID:0lkq1ZUa0
ったく、偽名はどこにいったんだよ……。ていうかお前、俺で遊びたかっただけだろ。
「えへっ、バレたか」
にへらっと邪気のない笑みを浮かべる梓。
それだけで怒る気も失せてしまうから、不思議なものだ。巧く懐柔されてる気がしなくもないけど……。
しかし、そんな笑みも――先の不安からか――すぐに影が差してしまう。
「あのさ……、ボク、本当にいろいろ話しちゃってるから、さすがに同姓同名はマズいと思うんだ」
「いや、だからこそ偽名は使うべきじゃないんだよ」
「なんでだよ。タカシの親戚がタカシと同姓同名って、どう考えてもおかしいじゃん」
「いいんだよ。伯父さんたちへは、別府タカシ本人として自己紹介するつもりなんだから。親戚の小学生じゃなくてな」
「えっ? だって、タカシが高校生だってことは伯父さんたちは知ってるし、でも今のタカシはそんな体で……」
「たぶん、俺の体は高校生のままで、何も変化してないんだ」
梓の大きな目が、さらにまるく見開かれる。驚いているというよりは、発言の意図がわからない様子だ。
この辺が頃合だろう。うまく説明する自信はないが、伯父さんの家に着く前に話しておかないといろいろとマズいよな。
――出発点は、コナンとポルナレフだった。
小さくなりながらも知性を保ったコナンと、小さくなるにつれ知識を失っていったポルナレフ。
両方ともフィクションの話だが、二者の違いについて、なんとなく気になるところがあった。
「違いってどういうこと?」
「そうだな。コナンは薬の力で『変身』して、ポルナレフは若返ったことで『退行』したんだ」
「違いがあるようには思えないんだけど……」
「コナンは、体だけが子供になって中身はそのまま。ポルナレフは、体も中身も子供になった、って思ってもらえばいいよ」
「うーん、まぁそこまではわかった。でもさ、それがどうかしたの?」
「九九も知らないような子供に、果たして高校生の持つ情報量が入りきるのか? って疑問を感じたんだ」
自慢というわけではないが、俺だってそれなりに勉強してきたつもりだし、人並みの経験だってしてきたはずだ。
そして、それら全てが失われることなく、今の自分に残っている。
小学生と高校生では、体重で換算すれば倍以上も違うのだから、記憶できる量だってかなり変わってくるんじゃないだろうか。
「でもさ、よく天才児とかテレビに出てくるじゃん。そういう人なら、大人の知識量だって入るんじゃない?」
「俺くらいの知識なら、天才児に移せるかもな。でもさ、そうじゃないだろ? 移すべき対象は、『小学生当時の別府タカシ』なんだから」
「あー、そっか」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 22:55:45.54 ID:lalKVN8RO
どうせもう寝るから言うけど
需要の多いデフォネだけあれば十分って馬鹿が多数だからな
俺もかなり昔に何度か追加しろって言ってたもんだ
梓や勝美なんてもはや使われ続けてる実績があるんだから
そうだ、その馬鹿共が次に何を言うか当ててやろう
「避難所でやれ」だろ?
41 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(7/8):2009/10/04(日) 22:56:16.49 ID:0lkq1ZUa0
「脳の発達については正直よく知らない。実際には子供の俺にだって、高校生の知識量を詰め込めるのかもしれない。
でも、俺にとって重要だったのは、『そんなことがありえるのか』って思い始めたことなんだ」
「ん? どういうこと?」
. . . . . . . . . . . . .
「俺の体は小学生になっていないんじゃないか、って疑念がわいてきたんだよ」
例えば服だ。俺の体が本当に小学生の体になってたら、梓の服が着られないなんてことはないし、ましてや袖を通した途端、
服が縮むなんて現象が起こるはずもない。
しかし高校生の体のままであると考えれば、梓の服が入らないことは自明であるし、怪奇現象かとさえ感じた『服が縮む』という奇術も、
認識と現実のギャップを埋めるために、(俺の体だけでなく)服も小さくなったと脳が認識したのであれば、一応の説明になる。
服が縮むという現象は、自分の体よりも小さい服は着られないという常識に対して、体を縮めた非常識が講じた対抗措置なのかもしれない。
「じゃあさ、タカシの体が高校生のままなら、どうしてボクには、小学生の姿で見えてるの?」
梓の疑問は尤もだ。そもそもの起源は、俺が小学生になった(ように見えた)ことから始まったのだから。
「あくまで俺の予想なんだけど、脳の認識段階で、小学生の別府タカシに置き換わってるんじゃないかと思う」
「どゆこと?」
「梓の目、というか視覚が捉えているのは高校生の俺なんだけど、その情報が脳に伝達される時に、高校生の俺から小学生の俺へと、
情報が置き換えられてるんじゃないか、ってことだ」
「目で見えてるのはいつものタカシなのに、脳みそは小さいタカシとして認識してるってこと?
「そうだ。それに、恐らくは視覚だけじゃない。聴覚だって触覚だって、小さい頃の俺のものに変換されているんだろう」
見た目が小さくとも、声が大人のものであれば、その存在に対して疑念を抱かないはずはない(実際、俺の声は幼児のそれに聞こえている)。
触覚だって、見た目との大きなギャップがあれば、異変に気付いてしまうだろう。見た目に反する大きさを感じれば、誰だっておかしいと思う。
ただ、こちらについては、完全な変換がなされていないようだ。八割方変換されていたのだろうが、梓はその僅かな違和感に気付いたのだから。
「そんなことってありうるの?」
「俺だって信じられないさ。でもこれ以外に矛盾なく説明できるアイデアがなかったんだ。服が縮んだり、記憶や知識が保たれていたり、
他人からは高校生として扱われたりってことに」
「ちょ、ちょっと待って。今、タカシってば変なこと言わなかった? 高校生として扱われてる、とか……」
「ああ、俺が小学生に見えてるのは、ごく一部の人だけだと思う。他の人には、高校生の姿で見えてるみたいだ」
小学生の姿で捉えているのは、俺や梓やその家族、それに昔から親しく付き合ってる人くらいだろう。
小学生当時の俺を今でも思い出せるくらい親交のある人でなければ、認識段階での情報置換はできないはずだ。
実際、俺のことを小学生って認識したのは、俺と梓と梓のお母さんくらいなのだから、全くの的外れというわけではない。
42 :
小学生になったタカシ 二日目・午前(8/8):2009/10/04(日) 22:57:00.83 ID:0lkq1ZUa0
「それじゃ……、ほとんどの人には、タカシが高校生のままで見えてるってことなの?」
「そうなるかな」
「どうして……、どうしてそんな結論が出てきたの?」
「視線に違和感があったんだ。俺へと向けられる視線に」
視線というものは、対象によって変化するものだ。
例えば、赤ちゃんを見つめるときは慈しみの眼差しを向けるだろうし、見るからに怪しい中年男性には訝しげな視線を送るだろう。
しかし、別府タカシへ向けられる視線は変わらなかった。高校生から小学生へと変容したのなら、向けられる視線も変化するはずなのに。
「でもでも、それってただの気のせいかもしれないじゃん。ちゃんとした証拠はあるの?」
「確認したさ。切符を買うときに」
自分で切符を購入したのには、こういった理由もあった。
購入した際に子供料金が提示されれば、小学生の体になってしまった、あるいは赤の他人からも小学生に見えているということになる。
しかし、実際に提示されたのは、大人料金の運賃だった。
「さすがに小学校低学年の子供を相手に、大人料金で切符を売りつけたりはしないだろ?」
梓はやはりどこか納得のいかない表情をしている。
当然だろう。一応の辻褄が合ってるとはいえ、俺の話は妄言の域にまで達している。素直に納得する方がおかしいのだ。
「ワゴンのおねえさーん! コーラください!」
梓は単純明快で簡単明瞭な質問を第三者にぶつけたのだった。
「あ、あの! この人、何歳くらいに見えますか?」
ワゴンのお姉さんは、親切にもこの奇矯な問いに答えてくれた。――そうですね、高校生くらいに見えます。お兄さんですか? と。
それから梓は、車掌さんや店員さんについでを装って同じ質問をしていた。そして例外なく高校生という回答が返ってきた。
執拗に食い下がっていた梓も、これら返答で俺の妄言を信じてくれたようだ。いや、信じざるを得なかった、と言うべきだろうか。
信じられない、いや、信じたくない気持ちも当然だ。
このことが真実ならば、俺だけでなく、梓もまた異変に見舞われた当事者となってしまうのだから。
「ボクね、タカシのことを助けるつもりだったんだ……」静寂を断ち切るように、梓はつぶやいた。「でも、ボクもおかしくなってたんだね」
暗い表情を見せた梓だったが、やっぱりこいつは沈まぬ太陽だった。
「ちょっとびっくりしたけど、もう大丈夫! 原因はまだわかんないけど、これって前進だよね! ボク、絶対にタカシを元に戻すから!」
俺だって大丈夫だと思ってるさ。まだまだわからないことだらけだけど、俺には梓がいてくれるんだからな。
43 :
小学生になったタカシ 二日目・午前:2009/10/04(日) 22:58:24.42 ID:0lkq1ZUa0
以上です。
さる支援ありがとうございました。
あと、投下タイミングが悪く、話に割り込む形になってしまいすみません。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:04:12.52 ID:6yyUeQM50
読む前ほ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:15:42.36 ID:ZSmQHAay0
読む前五分ボクっ娘
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:17:22.52 ID:CKDpGEGIO
させないっ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:18:57.28 ID:0lkq1ZUa0
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:19:59.12 ID:vSzvykUn0
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:25:56.78 ID:NODrRoCuO
切ないほ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:27:35.79 ID:utsxLXkjO
>>43 なに、ツンデレあってのこのスレだ
投下感謝する
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:28:10.03 ID:8FAw2jDbO
まぁ体が縮んでも脳に入る量は変わらないらしいけどな。記憶なんて大した量にならないとか。
ってどっかの偉い人とインデックスで言ってた気がするよ!
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:31:17.96 ID:0lkq1ZUa0
その件について調べてみたのですが、六歳児でも大人の90%程度まで脳が発達しているらしいですね。
脳の容量については、発想のきっかけ程度に考えていただければ幸いです。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/04(日) 23:53:20.79 ID:6yyUeQM50
落とさせん
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:00:02.59 ID:CKDpGEGIO
おやすみかなみん
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:06:51.28 ID:Xv7VIaJ0O
ID
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:07:46.31 ID:H6KHzLrd0
ちぇき
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:09:56.56 ID:zKts275YO
ID
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:17:50.48 ID:qZGynJLS0
おやすみちなみん
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:22:49.51 ID:IkvfeYunO
ID
中川さん亡くなったんだな……
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:24:55.26 ID:8GcTyvt7O
ID
ID
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:43:05.73 ID:7N2qmFG+O
おやすみ尊
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 00:43:07.20 ID:IkvfeYunO
ふぅ…
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/05(月) 01:00:33.78 ID:IkvfeYunO
日曜深夜とて油断ならんな
中川&麻生で仲良くしてる写真とかもう切なくてしょうがねえよ…
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
おやすみお嬢