今は27歳・男・サラリーマン。 スレタイ通り、ヒキコモリ経験あり。 鬱話・恋話・エチー話・武勇伝・・・いろんな体験談があるんだ。 最近、ちょっとした出来事があって、急に人生を振り返りたくなった。 話したいことテンコ盛りで整理がつきにくそうなんだけど、 なんとかまとめてみたから暇があったら聞いてくれないか。
俺は勉強も運動も顔も普通、あまり目立たない平凡な学生だったんだけど、中学からの親友が2人いた。 名前は仮にトシとカズとしておくね。 三人は弱小剣道部の部員で、お気楽な部活動のおかげで学校生活は毎日それなりに充実してた。
俺たち三人組にはそこそこ仲がよかった女子グループがいて、 俺はその中でもトビキリ可愛いチエ(仮)という子が中学のころから好きだった。 オナニーのおかずは大体彼女で、たまに親父が隠し持ってたいかがわしいビデオや本に浮気した後は、 必ずチエで口直しするくらい、変態的に彼女が好きだった。 カズとトシは俺がチエ一筋なのを知っていた。
高校1年の一学期終業式の日、いつも通り仲間内で成績表を見せ合った後、 カズが「高校生になったんだから中学とはレベルの違う遊びしよう!」と元気よく言った。 「「いいね。なにしよっか?」」 俺とトシは迷わずにその提案に乗る。 「夏休みと言ったらキャンプファイヤーだろ、常考ww」 そう叫ぶと、カズは数学のノートをおもむろに開いた。 開かれたノートには数式など一切書かれていない。 ページには【旅のしおり】と女のような字で書かれていた。 「女子を誘ってさ、みんなで夏の思い出つくろー!!」 カズは鼻息を荒くしてノートを掲げる。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:18:24.82 ID:tgPrRWiSP
「わるいけど、パ〜スw」 不意にチエの声がする。 「一生懸命ノート取ってると思ったら「旅のしおり」〜w」 チエはそう言ってカズからノートを奪った。 笑いながら女友達に見せびらかす。嫌味だが元気なところが可愛い。 「3人とも成績ヤバかったのに、もう遊びの計画?夏期講習明日からあるんだよ?」 チエの友人も馬鹿にしたような目で俺達を見た。 トシが堪りかねて「誰もお前らに来て欲しいなんて言ってねぇよ!」と言ってしまった。 無論、他に誘える女の子はいない。 カズの計画は夏休みが始まる前に頓挫した。
帰り道、「アヂ〜。。。アヂ〜よ〜。夏休み死ね」とカズが言い続ける。 トシもあまり明るい顔をしていない。 夏休みが始まるってのに心気臭い。 「男祭りで結構だろw 俺はお前らだけでも行きたいよ」と言ってみた。 内心では当然俺もガッカリだが、初日からこれでは夏休みを惰性で過ごしかねない。 「さすが(俺)!そうだよな!男祭り最高だよな!やってみなきゃ、楽しいかどうかなんてわかんねぇよな!」 カズのテンションが一瞬にして上がる。 「しゃあねぇな〜w」トシはヤレヤレといった感じだ。 カズの数学ノートの中身は【男の祭典・実行計画】に書き直された。 結局俺達3人以外にも暑苦しい暇人連中が集まって、 遠くのキャンプ場で3泊4日の男祭りをしに行くことになった。
俺達が夏期講習をサボって行ったのは山奥のキャンプ場。 ちなみにそこには「キャンプファイヤー禁止」と赤字で大きく書かれた看板が立っていた。 キャンプ場にはシャワー施設もなかった。 風呂に入るため、仕方なしに近場の温泉まで3km位歩く。 もちろん帰りにはまた汗だくになる、不便極まりない場所。 だが、友人と泊りがけでどこかに行くのは皆初めてだったので、 全員それなりに盛り上がった。
夜は下ネタと恋愛話で皆殆ど寝なかった。 「クラスの女で誰が一番いいと思う??」 「ウチのクラスって、びんみょ〜」 「んなこたぁねえだろ。結構可愛いのいるってw」 誰が何を言ったかは覚えてないが、こんな会話が飛び交った。 「−なあ、正直に好きな女子いる?」 修学旅行とかでも、こういう話題を振る奴は結構多い。 何故か一人ずつ順番に好きな女子を暴露する羽目になる。 俺の番が来た。「俺は・・・「お前はいいよ。どうせチエだろ?」」 言う前にカズに遮られた。 「ち、ちがうわ!」思わず否定してしまう。 「必死だなwww 何が違うんだよ?」 「「「「「バレバレ!!wwww」」」」」 狭いテントの中で下衆な笑い声がこだました。 「テントの中でオナニーだけはすんなよw」トシも調子に乗っている。 「しねえよw」俺はそう言って、寝そべったままトシをテントから蹴り出した。
キャンプ終了前日の夕方、俺達はまた温泉までの長い道のりを歩いていた。 「あちぃな〜。」 「どうせ帰りに汗だくになるんだし、風呂なんか入っても意味ねえよな〜w」 うだるような暑さにぼやく俺とトシ。 「いや、剣道部は風呂入れやww」 「「「バトミントン部がエラそうに言うなw」」」 「おれはミントンに同意だなw 3人とも汗かき過ぎww」 「おめえ、甲子園行くんじゃねえのかよ?今頃野球部は練習中だろw」 「うっせw」 カズは他の部の奴らと楽しそうにやりあう。
「うはw変なもんみっけたぞ!!ww」 突然誰かが叫んだ。 そいつが見つけたのは岩を削って建てた祠のようなもの。 扉みたいになってる所に錆びついた南京錠がぶら下がっていたが、鍵は外れていた。 中に何が祭られてるのか気になって、盛り上がった俺たちは勝手に扉を開けた。 「「「「「なんじゃこりゃw」」」」 中にはちっちゃな地蔵さん。 神社にあるような榊も置いてある。神仏ごちゃまぜな怪しい雰囲気だった。 よく見ると、その榊の横に木の人形みたいなものが置いてあった。 カズが「なんだこれwwww」と言いながらそれを持ち出そうとする。 「「「いや、それは流石にヤメロwww」」」 俺達はカズをみんなで咎めた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:29:02.83 ID:BYen8fleO
久々の長編ものか?
その後、温泉に浸かり、来た道を汗だくになって引き返した。 帰ったころには辺りは真っ暗だった。 「キャンプファイヤー、やりたかったのにな〜」 「だな・・・・・」 誰かがつぶやいたのを聞いて、俺は適当に返事を返した。 星空の下、静まり返る男達。虫の音が聞こえる。 キャンプもこれで終わりと思うとなんとなく寂しい。 俺は急に寂しさを感じて全員の顔をキョロキョロと見回した。 みんな同じように落ち着かないような顔をしていた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:31:52.30 ID:tu7mwZ4OO
「やっぱりさ〜、このままってわけには行かなくね?」 カズが沈黙を破った。 「「「「・・・やる??wwww」」」」 全員がほとんど同時に言った。 言ったと同時に全員がすぐに動き出し、薪を集め始める。 アッと言う間にキャンプファイヤーの準備ができた。 火をつけると瞬く間に燃え上がった。 俺達ははしゃいで火の回りで叫ぶように歌った。 そのあとすぐに管理人のオジサンがすっ飛んできて、ひどく怒られたが、 俺達の男祭りは有終の美を飾った。
リア充じゃねぇか。死んでいいよ。
キャンプも無事に終わり、また普通の夏休み生活が始まる。 中学と違い、夏期講習でほぼ毎日学校へ通う。 そして講習の後の部活動。学期中となんら変わりのない生活。 俺は、トシとカズの三人で部活帰りに近所のCD屋と楽器屋を回って帰るのが日課としていた。 CD屋では、解りもしない歌詞の洋楽を聴きながら 「「「やっぱ洋楽最高!J-popはウンコwww」」」 と三人で中二病患者のセリフを吐く。 ちょっと遅めの中二病。 とにかく3人で毎日イタイ姿を晒し続けていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:38:21.23 ID:tgPrRWiSP
>>11 たぶん長い。良ければお付き合い下さい。
>>13 やっぱ俺は相手にされて無いのな?
正直凹む・・・
>>15 ごめん。
楽しかった思い出をしっかり残したくて
そのまま夏休みも終わると思っていたある日、 トシは「ワリィ、今日は予定あるから帰る」と言い、そそくさと帰ってしまった。 その日を境にいつも一緒に遊んでいたトシが急によそよそしくなった。 トシは次第に付合いが悪くなり、ついに俺もカズもトシを誘わずにCD屋へ行くようになった。 「「ボンジョビ神!B’z死ねwww」」 とイタイ盛り上がり方をするのは俺とカズだけになった。
講習も部活動も休みとなった別の日、 俺は溜まりに溜まった宿題をどうかたづけるか考えていた。 そんなおり、カズが血相を変えて俺の家に飛んでくる。 「トシがチエと手を繋いで図書館に入ってったぞ!」 ドアを開けるといきなりそう叫んだ。 「はぁ!!??jfjsdkjfjsdぁgj!!!!」 急に付き合いが悪くなったトシ。 内緒でチエと付き合いだしていたことは火を見るよりも明らかで俺は激しく動揺した。 俺たち3人は高校に入ってから勉強とは無縁の学生だった。 そういえばチエは成績がよく、いつも俺達三人の成績の酷さをネタにして笑っていた。 トシは図書館デートならバレないとでも思ったのだろうか。 滅茶苦茶に腹が立った。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:44:17.23 ID:tgPrRWiSP
「あいつ・・・殺してあwせdrftgyふじこ!!」 「え!? おい、ちょ・・・何するんだよ!?」 俺は困惑するカズの手を引っ張ってすぐに図書館に駆け込んだ。 図書館には夏休みの課題を必死に写し合う学生がいっぱいいた。 俺は館内を駆け回った後、自習室でトシを発見する。 何故かチエはその場にいなかったが、彼女のカバンが置いてあった。 有無を言わさずトシの胸倉を掴んで自習室から引きずり出した。 外へ連れ出したはいいものの、正直何を言っていいのか分からなかった。 俺はトシの胸倉を掴んで睨みつけたまま押し黙った。 流れる気まずい空気。カズはオロオロしていた。 するとトシの方が口を開く。 「・・・わるい」 「!・・・何が!」 「・・手、離せよ」 「コノヤロ!」 「・・・(俺)には悪いと思った。・・・でも俺も好きだったんだよ。チエも俺が好きだって言ってくれた」 「・・・・俺が聞きたいのはそんなコトじゃぇよ!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:48:23.55 ID:tgPrRWiSP
「そんなコト」は俺が一番問い詰めたかったコト。 はぐらかされると思っていたら、いきなりの直球で面喰った。 いきなりゲロったものだからトシとチエの関係について何も言及できない。 気持ちが収まらなかった俺はどうにかしてトシを責めようとする。 「何で言わなかった?もう俺らと遊ばないつもりかよ?心配してたんだぞ!?」 嘘じゃないけど俺が本当に腹を立ててる理由じゃない。 そう叫びながらグチャグチャな感情を整理できずに泣きそうになる。 トシには俺の嫉妬と怒りが手に取るように分かっていたと思う。 その場でとにかく俺に謝った。 俺にはその謝罪が逆に癪に障って、本当に殴ってやりたくなった。 だが、チエがもうすぐ戻ってくる、とトシがつぶやいたのを聞いて何もできなくなる。 (彼氏に暴力なんか振るってる様を見られたらオシマイだ。) 打算が働いて逃げに回ってしまう。 俺はバツが悪そうにそっぽを向いた。 一度視線を外すと、トシの顔が見られなくなった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:50:43.39 ID:tgPrRWiSP
「あれ?二人も勉強?珍しいねw」 うだうだしていると突然チエの声がした。彼女だと気づいても俺は顔を見られない。 チエはどうやらノートを買いに行っていたようだ。 俺たちを見るなり笑いながら喋りかけてきた。 チエの登場に心の乱れをさらに大きくした俺は声を出せないままうつむく。 そんな俺の様子を察してか、トシとカズは何事もなかったかを装った。 紳士協定・・・男友達はこういう時にありがたい。 「俺らは今日の勉強はもう終わり!(俺)の奴、教科書忘れやがって。何のために図書館来たんだかw」 カズがアドリブでそう言い、俺の背中を押すようにして図書館から出た。 カズの機転は有難かったが、家に帰る途中、俺は一言も発しなかった。 俺を慰めようとしてか、カズは何かと必死に喋っていたが、 俺には何を言っているのか全く聞こえなかった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:55:33.61 ID:BYen8fleO
>1はモテ要素無さすぎ ワロタ。 フラれて引きこもり乙
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:56:55.74 ID:tgPrRWiSP
俺はその後しばらく意識的にトシを避けるようにした。 トシは俺に話掛けようとしてくれたが、顔をマトモに見ることが出来なかった。 トシに対して本気で怒りを見せただけあって、バツが悪かった。 そんな俺を見かねてか、カズがこう言った。 「気持は痛いほど分かるけど、ここで不貞腐れてトシと険悪なまま終わったら正直情けないぞ。」 この一言がトシと仲直りする切っ掛けを与えてくれた。 俺はトシに謝ることにした。 「暴力振るって悪かった。チエのことは嫉妬しただけだから、もう忘れて欲しい。」と伝えた。 トシも改めて俺に謝った。 「俺はチエが好きだったことを隠してた。結果的にお前を裏切ったことに変わりはない。悪かった。」 そう言った。 二人の間に多少のしこりは残ったけど、この日からまた友人関係に戻った。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/21(月) 23:59:11.76 ID:tgPrRWiSP
>>23 モテないけど、ひきこもった原因じゃないんだ。
読んでくれてありがとう。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:00:40.19 ID:SUCj4HiVP
仲直りしてから俺はトシを茶化すようになった。 「キスした?」「脱童貞した?」と冗談めかして根掘り葉掘り聞いた。 二人の関係を逆にネタにして開き直った自分を偽った。 卑屈な姿を晒すまいと必死になった。 自分で聞いておいて、二人の進展を聞けば聞くほどみじめになった。 今までに増して、何回もチエでオナニーするようになった。 トシがチエと付き合い出したことが、悪いことだらけというわけではなかった。 親友の彼女となったこともあり、俺もカズも、チエとは以前以上に仲良くなれた。 可愛い女子とある程度仲良しでいられるのは、高校生としては合格点だったと思う。 おかげで文化祭や体育祭も結構楽しかった。 そんなこんなで高校一年生はあっという間に終わる。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:02:01.28 ID:fwDZ1Pf3O
id変わったのか?
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:06:19.07 ID:SUCj4HiVP
高校2年。 カズとトシとはクラスが分かれてしまったが、相変わらずの毎日だった。 二人との部活・CD屋巡り・バンド妄想は一年の時と変わらない。 過程こそ不本意だが、チエともかなり仲良くなって、 この楽しい日々がずっと続くと思っていた。 でも別れは突然やってきた。 ある日の朝、担任が普段より早く教室やってきた。 ホームルームが始まると思ったが、そうではなく、担任は俺だけを廊下に呼び出して言った。 「3組の貴方のお友達・・・今朝トラックに撥ねられたって電話が来たわ。貴方も今日は早退てしもいいから、ちょっと覚悟しておいた方がいいかもしれない。」 ―登校中の交通事故。カズはあっけなく死んでしまった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:07:39.13 ID:fwDZ1Pf3O
急展開だな。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:12:12.86 ID:SUCj4HiVP
>>27 暇な奴は聞いてくれ 系のスレってVIPで立ってると思って・・・
板違いだったかな
>>28 ・30
あまり思い出したくないことなんだけどね。
ほんと、寂しい俺のオナニースレに付き合ってくれて感謝。
IDは0:00だからだと思うよ。
一応、読んでる
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:13:15.47 ID:SUCj4HiVP
通夜・葬式は色々な学校の学生服で溢れていた。 違う高校に入った中学の同級生だったが、顔も殆ど覚えていない。 式の会場ではトシも俺も、一言も喋らなかった。 ただ、チエだけは俺たちの気持ちを代弁するかのようにすすり泣いた。 式が終わったあと、一緒にキャンプに行ったミントン部員が 「あの人形のせいかも・・・」とつぶやいた。 俺は言いようのない寒気に襲われたが、その感情はすぐに激しい怒りに変わった。 俺が掴みかかろうとするとトシがすでにそいつを殴っていた。 式場には学校の教師が大勢いた。場が騒然となり、トシは一週間の停学になった。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:14:29.75 ID:SUCj4HiVP
カズがいなくなってから、高校生活は一気に暗くなった。 話かけてくれるクラスメートもいつの間にか、チエ以外にいなくなった。 俺は唯一、部活で体を動かしている間だけ嫌な気分を忘れられた。 トシと汗を流し、たまに顔を出してくれるチエとの雑談が心の支え。 先輩が引退し、人数も減って試合に出られるギリギリの剣道部だった。 俺は弱いくせに志願して主将になった。 そんな心の支えの部活動も長く続かなかった。 トシが部活を辞めると言いだしたのが切掛けだった。 勉強に専念していい大学に進学したいという理由。 チエと同じ大学を狙ってることはすぐに分かった。 トシが抜けると試合にも出られなくなる。 顧問にも引き留めるように言われ、俺は半狂乱の状態でトシに詰め寄った。 でも、トシの決心は固かった。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:15:43.21 ID:bGTcnKFZO
中島と野球してるほうがマシ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:16:00.52 ID:fwDZ1Pf3O
ひでぇ友達もいるもんだな。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:18:32.74 ID:SUCj4HiVP
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:22:51.32 ID:SUCj4HiVP
「主将の(俺)には本当に申し訳ない。でも部活にだけ、今だけにすがって、この先どうしたらいい?」 「将来のこと考えたらやっぱりちゃんとしたところに進学したいんだよ!」 「引退したらお前はどうする?お前まで剣道やめろなんて言わないけど、沈んだまま高校生活送って人生棒に振ったら、カズが悲しむだろ!」 「俺が志望校狙うには時間が足りないんだ!お前も勉強始めて、同じ大学に行こう!」 トシの言うことは正論。 勉強なんて全くしてこなかった俺はこの頃、毎日焦りばかりを募らせていた。 「トシも勉強なんてしていない」そんな考えにとりあえずの安心を求めていた。 トシは俺のこともかなり考えてくれていたんだと思う。 でも当時の俺にはそんな風に考えられるキャパがなく、「またトシに裏切られた」と嘆いた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:25:16.88 ID:SUCj4HiVP
トシが抜けたのを切掛けに「大会に出られないんじゃ意味がない」と一人抜け、 また一人抜け、部員はほとんどいなくなった。 道場で一人素振りする俺に対して、顧問は「主将のくせに求心力がない」となじった。 不安と焦りと怒りと悲しさと寂しさ。 グチャグチャになった心のせいで眠れない日が続いた。 俺は夜になると、繋がらなくなったカズの携帯に何回も電話をかけた。 <この番号は現在使われておりません> 機械音声の応答を聞いて一人で嗚咽した。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:27:11.71 ID:SUCj4HiVP
心の拠所だった部活動を取り上げられた俺はショックとストレスから心の病にかかった。 授業中、椅子に座っているだけで激しい嘔吐感が身を襲う。 毎日毎日、授業は吐き気をひたすら我慢して時間が過ぎるのを待った。 休憩時間になるとトイレに駆け込んで盛大に嘔吐した。 不思議なのは家にいるときは何ともなかったことだ。 学校の授業やバス・電車の中など、行動を制限されるような場所に行く時だけこの嘔吐の恐怖が襲う。 パニック障害の典型だった。 俺は休みの日以外は飯を食うのが怖くなった。 毎朝一切のものを口にせずに登校し、昼も母が作ってくれる弁当をこっそりトイレに流した。 部活は行っても練習もできないので、チャイムが鳴るとすぐに教室を出て行った。 俺はそのまま登校拒否気味になっていった。 2年目をやっとの思いで履修し、高校3年になった年の最初の模試。 俺は試験の最中に強烈な吐き気を催し、何も言わずに途中退席した。 (試験時間さえも耐えられない。進学なんて絶対無理じゃね。) そう悟った俺は泣きながら模試会場を飛び出した。 その日からヒキコモリの生活が始まる。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:27:52.54 ID:8IyMhftOO
顧問クソだな
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:30:16.39 ID:fwDZ1Pf3O
カワイソス
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:30:36.43 ID:ge/Mrotg0
読む気がしない
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:30:54.69 ID:SUCj4HiVP
締め切った窓とカーテンで光の刺さない部屋。 腐ったような臭いが漂う中、夜中にこっそりと借りてきたレンタルビデオのアニメを延々と見続けた。 俺は焦りと不安に押しつぶされそうになるのを紛らわすように映像に食入った。 剣道の防具も、キャンプで親友と一緒に取った写真も、部屋の隅で埃をかぶっていた。 ヒキコモリ始めた初めのうちは「学校に行け」という親と、毎日掴み合いの喧嘩をした。 「俺の気持ちなんて誰もわからない」と言うのが口癖になった。 そんな俺を見て祖母が毎日泣く。 祖母は俺の見ていないところで「共働きなんかして、子供にろくにかまってあげなかったせいだ」と母を批判し、母親もそれに耐えられなくなった。 自分のせいで家庭がグチャグチャになった。 罪悪感からそのうちに親も避けるようになった。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:32:27.75 ID:aJn4VmS5O
チンコ盛りにみえた
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:33:33.90 ID:Ybfz1svSO
表現ワロス 小説家気取りかよwwwwww
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:35:49.24 ID:SUCj4HiVP
>>41 教師の一言って、本人は何気ないつもりでも生徒の一生を変えちゃう力があるんだよね。
俺も身をもってそれを知ったよ。
>>42 鬱展開ごめん。
でも今はつらい時期もあったんだよなぁって考えれるようになったよ。
>>43 すいません。
面白く書けるように工夫します。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:38:35.71 ID:SUCj4HiVP
ある日、人目を避けて通い続けたビデオ屋の店員に話しかけられた。 「君、まだ高校生でしょ?こんな夜中に毎日来て・・学校通ってないの?」 心臓が口から飛び出しそうなくらいに驚いた。 ごまかそうとしても、口から声が出なかった。 俺はその場から走って逃げ出そうとした。 店を出るとき自動ドアにぶつかって盛大にコケタ。 それからビデオ屋に行く気力も無くなり、ずっと見ていたアニメも見られなくなった。 その日から一日中何もしないで寝て過ごした。 もちろんこのままじゃダメだと何度も思ったけど、 どうしても学校へ行く勇気が出なかった。 授業時間に耐えられる自信がなかった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:39:53.35 ID:4kcLEpVw0
支援するよー
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:40:49.15 ID:31ehIHTwO
俺
>>13 だけど別に茶化したわけじゃないんだけど誤解されるような表現でスマン
面白いよ、続けてくれ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:41:16.79 ID:UDqAIXMxP
長い3行で 今全体の何%?
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:41:56.98 ID:SUCj4HiVP
>>45 こんなでも、後々チンコ盛りな展開もあるんだ。
よろしければお付き合い下さい。
>>46 ごめん、カッコつけすぎだね。
もっとフランクに書きたいんだけど、俺の書き方で伝わるかな・・・
気をつけます。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:44:30.14 ID:SUCj4HiVP
>>49 ありがとう。頑張ります。
>>50 いやいや、書き込んでもらえるだけでもうれしいです。
>>51 すません、たぶんまだ1/4も行ってないと思う。
両親が仕事に出てから、俺はこっそりと部屋から抜け出し、広告チラシを読み漁った。
カラフルなチラシがちょっとした刺激に思えるくらいに退屈していた。
読み終わったチラシの順番も場所も綺麗に元に戻して、部屋に戻ろうとしたとき、
一番上にあったチラシの中の【バイト募集!】の文字を見つけた。
「・・・バイトか。今の俺じゃ、高校止めてもフリーターにすらなれないな。」
そう思って余計鬱になった。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:46:14.20 ID:SUCj4HiVP
部屋に戻った俺は2chに書き込んだ。 「ヒキコモリの俺に道を示して欲しい」そんな内容だったと思う。 投稿してからいくつものレスが一瞬で帰ってきたのを覚えている。 予想通り「ヒキコモリは逝ってヨシ!」そんなレスが大半だった。 そんな中、俺のために真剣にアドバイスをくれる人もいた。 「学校いけなくってもいいじゃん。ただ逃げるんじゃなしに、何か他のことに挑戦汁!」 何か他の事・・・バイトのチラシのことを思い出した。 何もやっていないのにダメだダメだと思って逃げていてもしょうがない。 学校がどうしても無理でも、バイトはまだ挑戦したことがない。 「所詮はバイト。ゲロ吐いて恥を晒してもすぐに辞められる。開き直れ!」 自分に何回も言い聞かせて部屋から飛び出し、 広告の電話番号を震える指でダイヤルした。
現在進行形でニートしてるんだけど眠くなってきたから要点だけ書いてくれる?
飛ばしながら大体読んでる
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:48:08.95 ID:SUCj4HiVP
自分にできる仕事とできない仕事の違いは何となくわかっていた。 家にいる時にパニックにならないのは、家のどこで嘔吐しても平気だからだ。 だからバイトでも洗面所がある職場ならたぶん大丈夫。という妙な自信があった。 俺は背が高かったこともあり、面接では大学生を騙った。 初めての面接は緊張のあまり、トイレを借りる羽目になったけど、 店長は「体調悪そうだね?大丈夫?」と逆に心配してくれた。 嘔吐した時は面接に落ちたと思ったが、店長は身分証の提出も無しに、すんなりと仕事をくれた。 「俺、バイトするよ。学校は行けないけど、部屋に籠ってるよりかはいいよね?」 その晩、親に自慢気にそう話した。 高校だけは卒業しろという親は微妙そうな顔をしていたが、 「ヒキコモリを続けるよりはいい」と最後には理解を示してくれた。 俺の社会復帰の一歩が始まった。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:51:00.43 ID:MxK+qnTsO
パニック障害辛いよな。もう人並みの 生活できないんじゃないかってくらい未来に絶望すり。 俺の場合過呼吸だったがマジで苦しかった
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:51:08.12 ID:fwDZ1Pf3O
>55 オマイはこういう経験談真剣に読んだ方がいいんじゃないか?
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:52:27.57 ID:SUCj4HiVP
バイト生活は学校と違って気ままだった。 適当に仕事をするだけでお金が貰える。 嫌なら適当な理由を並べてすぐに辞めることもできる。 俺はバイトにのめり込んだ。 ひとつの職場に慣れるとすぐに次、また次の面接を受け、 いつの間にか週のほとんどをバイトで埋めるようになった。 俺は昼も夜もひたすらに働いた。 ある日バイト先のコンビニで、偶然チエとトシの二人と出会った。 二人とも、学校に来なくなった俺を心配しているようだった。 チエは「自分の人生をなんだと思っているのか」と、顔を赤くして怒った。 トシは逆に俺の顔を見て青い顔をしていた。 俺が学校に来づらくなったは自分のせいだと思ったんだと思う。 登校拒否になった理由、病気のことは話さなさず、 「やりたいことが見つかったから金を貯めてる」とテキトウな嘘を伝えた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:54:18.06 ID:8mk11jwo0
>>59 眠いんだよ
教訓的な部分をひょいひょいと抜き出しておしまいにしてくれんかね
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:54:56.07 ID:xqZOYdfS0
PSPで文字打つのってめんどいよね 支援
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:56:16.86 ID:SUCj4HiVP
>>55 現在進行形か・・・。貴重な睡眠時間頂いて申し訳ない。
要点はだいたいスレタイ通りの体験談なんだ。。
>>56 ほんと、お付き合いいただき感謝します。
>>58 うん。精神的に健康な人には分からないだろう辛さだよね。
過呼吸も苦しいだろうな。
障害は乗り越えられましたか?
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 00:57:55.02 ID:SUCj4HiVP
二人はそれからというもの、以前以上に連絡をよこすようになった。 深夜のバイト先を教えると、仕事中に顔を出してくれた。こういうのは正直嬉しい。 二人はバイト中だろうが、何だろうが俺と話すと必ず「学校に来い」と言った。 「本当にやりたいことなら卒業してからでも十分時間はある」と説得されるが、俺は別に何か目的があってバイトしているわけではなかった。 「お前のしたいことってなんなんだ?そのくらい教えてくれてもいいじゃないか」 そうしつこく聞かれ、事情を隠しきれなくなった。 ある日、俺は自分の抱えるパニック症状を二人に打ち明けた。 トシは「ごめん、俺が勝手なことしたせいでまたお前を苦しめた。」と言って泣きだした。 自分が原因で病気になった、そんなことを繰り返し口にした。 「たまたま悪いことが重なっただけだってww、泣くなよ気色悪いなwおかげでバイトも楽しんでできてるしww」 本心では多かれ少なかれトシを恨む気持ちもあったけど、責める気にはなれなかった。 きっかけは何であれ、自分が勉強してこなかったことや精神的な弱さのせいで病気になったことは分かっていた。 むしろトシが自分を心配してくれていたことを知って嬉しかった。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:01:26.88 ID:SUCj4HiVP
>>61 教訓なんて偉そうなことは言えないけど、現状を変えたいなら、まずは人のアドバイスを素直に実践してみることかなぁ。
>>62 支援感謝
PSPでもネットできるのか!
チエはその日から毎日学校のノートを持ってきてくれるようになった。
時間がある時は俺をチエの家に呼び、トシと二人で勉強を教えてくれた。
「事情があって学校に行けないだけで、進学できなくなったわけじゃないだろう」
チエの家に上がるのを遠慮して嫌がる俺に対してトシが言った。
二人に教えてもらいながら勉強するうちに、俺は初めて勉強を楽しいと感じた。
また、チエの家に何度もお邪魔するうちに、チエの妹とも仲良くなった。
姉妹そろって美人だ。
妹は「姉と同じ高校に行きたい」と、勉強会に参加するようになった。
俺はチエの妹から「教えるのが一番上手」と褒められた。
「俺は二人より頭悪くて、中学の時に苦労したからね。勉強も時間かけて覚えたぶん、(妹)がどこで悩んでるのかなんとなく解るんだよねwww」
と、自慢にならないことを自慢げに話した。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:04:46.84 ID:SUCj4HiVP
トシは勉強会があると、必ず大検や地元の特殊学校、夜間学校の情報を調べて持ってきた。 色々な情報誌やパンフレットを広げては、俺に進路の選択支を説明する。 「今だから言うけど、俺、正直お前が俺やカズと同じ高校に入れるとは思ってなかったんだ。でも最後の最後で追い上げて、合格しただろ?大学だって同じように良い所狙えるはずなんだよ、お前は。」 トシはそう言って俺を褒め殺した。 ―お前は絶対進学すべきだ。トシは何度もそう繰り返した。 二人は病気のことを知ってから、いつも俺を気遣ってくれた。 俺はバイト先であまり仲のいい友人を作ることはできなかったため、 チエとトシの二人には精神的かなり支えられた。 バイトを続けていた俺はちょっとした金持ちになった。 ある日トシとチエを呼び出して御馳走しようと思った。 久々に友人と外食。 いつものお礼に会計は俺が持つというと「「大バカ野郎」」と返され、 結局3人で割り勘することになった。 誘った手前、非常に申し訳ない。 俺はこの頃からチエを夜のオカズにしなくなった。 たぶんなんとなくこの二人を汚したくないと考えたんだと思う。 その代わり、妹が俺の脳内で犠牲に・・・やめておこう。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:06:05.62 ID:xqZOYdfS0
ID末尾がPはPSPだとおもてたw
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:06:48.93 ID:SUCj4HiVP
ある日、トシが嬉しそうな顔をして俺の家にやってきた。 手には学校紹介の資料らしきものを持っている。 「またかw」と思いながら資料に目をやった。 「どらどら・・・ん?」読もうと思ったのに全く読めない。 奴が持ってきた資料は俺の大嫌いな英語で書かれていた。 「おい、なんだこれ?ww 嫌がらせ?ww」 そう言った俺を制してトシは嬉しそうに語りだす。 「外国の学校って、かなり自由なんだってよ。授業はガム食って、ジュース飲みながら受けるくらいらしいぞ。授業中・試験中に席立っても怒られないなんて、お前にぴったりじゃんか!これならお前でも卒業できるだろ!」 「・・・その前にどうやって入学するんだよw」 「・・・だよなw」 半分呆れて、溜息が出た。 トシは「やっぱダメか。これ、一応持っとくか?」と読めもしないパンフを俺に差し出す。 「悪いけど、英単語見てるだけで吐きそうだわww」 俺の返事にトシは苦笑いを浮かべ、俺の家をあとにした。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:08:44.60 ID:fwDZ1Pf3O
妹さんを汚すんじゃねぇ WWWW
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:09:46.16 ID:SUCj4HiVP
夕方、俺は部屋に閉じこもって考えていた。 (アメリカ、か。トシの奴、突拍子もないこと言って・・・まるでカズみたいだな。) カズ・・・あいつなら今の俺を見て何を言うだろか。 (ひょっとしてトシのやつ、同じ考えであんなこと言いだしたのかも) 何故だか急に胸が熱くなった。 「確かに授業風景の写真とか、うちの高校とは全く違うよな・・・でも俺はまるで英語出来ないし」 「今の俺じゃ無理か・・・」 不意にカズの笑う顔を思い出した。 ((さすが(俺)!そうだよな!男祭り最高だよな!やってみなきゃ、楽しいかどうかなんてわかんねぇよな!)) カズはいつもこんなノリで、とにかく思い立ったら実行しないと気が済まない奴だった。 「お前だったら、迷わず渡米してたかもな・・・」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:12:02.01 ID:SUCj4HiVP
>>67 あ、俺のことを気遣ってくれたんか。
ありがとう。続き急ぎます。
>>69 スミマセン。やっぱり僕は根が変態なんですww
そんなことを考えているうちに、誰かに後押しさえしてもらえれば行けるんじゃないかという気になった。
俺は親に何気なく
「アメリカの学校って、授業中に席立っても卒業できるんだって」と話した。
「へぇ。日本もそうならいいのにね」と、どうでもよさそうな返答。
当り前だ。自慢じゃないが高校に入ってから英語で赤点以外取ったことは無い。
やっぱり妄想は妄想。
取り留めのない夢物語は忘れて、夜のバイトに行かなければいけない時間になった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:14:52.78 ID:SUCj4HiVP
その日、夜間のバイトでくたくたになったんで、家に着いて即布団に倒れ込んだ。 ・・・昼まで寝よう。そう決めていたのに、朝方、携帯メールの着信音に起こされる。 送信者はチエ。他のメールだったら無視していたが、眠い目を擦りながらメールを開いた。 【今日から(俺)ちゃんも英語勉強しよう!大検だって英語必要だよw】 「・・・トシのおせっかいが」 チエに焚きつけさせようとしてるに違いない。 俺はそのままなんとなくトシに電話をかけた。 「どうした?なんかあったのか?」 何秒か待つとトシは電話に出た。 トシが出てから気づいたが、学校はまだ授業中の時刻だ。 受話器から歴史の先生の遠い声が聞こえた。 「・・・昨日の資料、読むの手伝ってくれる?」 何も考えずに電話したのに、意志とは全く関係なしに何故かそう言った。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:16:23.47 ID:SUCj4HiVP
昼過ぎになるとトシから携帯メールが来た。 【パソコンのメールをチェックすべし】そう書いてある。 すぐさま親のPCを立ち上げて、新着のメールを開くと、添付ファイルがついていた。 ファイルの中身は分厚いパンフレットの和訳。 部活の顧問(英語)が手伝ってくれたと、メール本文に書かれていた。 顧問も俺のことを気に病んでくれていたそうだ。 いろんな感情が込み上げてきて泣きそうになりながらパンフレットに目を通した。 その日は親の帰りを待ち遠しにした。 仕事からようやく帰ってきた親にいきなり聞いてみる。 「・・・なぁ、アメリカ行ってみてもいいかな」 「「はぁああ!!??」」 予想通りのリアクションに苦笑いする。 親は驚いていたが、パンフレットを見せると嬉しそうな顔をした。 母は手放しで喜ぶ。父も俺の立ち直りを満足そうに見つめていたが、 「高校を卒業しなきゃアメリカでも大学には進めないだろう」と冷静に言った。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:17:41.59 ID:SUCj4HiVP
「year 11・・小学校6年、中学3年、高校2年の11年間まで終わってれば、カレッジに入れる。そこから大学(ユニバーシティ)に編入できるらみたいだよ。」 運が良かった。無理してでも2年を終えた過去の自分に感謝した。 「テストはどうする?試験時間に耐えられるのか?」 「それはわからないけど。でも聞いた話じゃ、試験中に1回2回席外しても試験官が便所についてくるだけで、不正をしなきゃなんら問題ないみたいなことは聞いた。」 父親は最後まで「まずは高校を卒業しろ」と言ったが、俺は説得を繰り返した。 @ カレッジを出るまで、大学に入学するまでは仕送りはしない A 無理だと思ったらすぐに帰国して夜間学校に入る それが最終的な父との取決だった。 幸い俺には貯えがある。現地でもバイトはできる。 最端でコースを履修すれば一年かからずに大学に編入できる計算だ。 決めてしまえばあとは実行するだけ。 翌日母親と共に、俺は久しぶりに高校へ行き退学届を出した。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:18:12.92 ID:fwDZ1Pf3O
スゲェ展開…
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:19:41.01 ID:xqZOYdfS0
この行動力はうらやま
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:19:54.19 ID:SUCj4HiVP
その日からは必死で英語の勉強を始めた。 バイト中も、こそこそとMDウォークマンで英語を聞き、単語カードを読んだ。 トシとチエも今まで不定期だった勉強会を定期的に開いて、俺の勉強に付き合ってくれた。 トシは「まずは単語だ」と言って、俺に分厚い単語帳をくれた。 「お前も使うんだろう?」と聞くと、「全部覚えた」と返される。 流石、中学の時は優等生だっただけのことはある。 「カッコいい〜ww」と茶かすように言って、単語帳を受け取った。 単語長はトシのメモや、殴り書きでいっぱいだった。 どうやら本当に全部覚えたようだった。 「とりあえず、俺とチエに追いつかなきゃ話にならんだろ」 トシはそう言った。俺は徹底的にトシの勉強の跡を追った。 チエは文法を丁寧に教えてくれた。 「(俺)ちゃんに教えなきゃと思うと、私もしっかり勉強できるよ〜」 そう言って、毎回新しい単元を徹底的に予習してくるため、全く追い付けない。 毎回毎回二人に教わるばかりで自分が嫌になり、不安にもなった。 「バイトもやればできた。一つの事に集中すればきっとできる。」 と言い聞かせ、寝る時間を削って勉強した。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:21:41.54 ID:Xy9uqKahO
>>1 奇遇だな
俺も
鬱話・鬱話・鬱話・鬱話・・・色んな体験談があるんだ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:22:04.79 ID:SUCj4HiVP
数ヶ月後、俺は片道だけの航空券を持って空港に立っていた。 これでしくじったら高校中退のまま終り。もう後がない。 初めての海外に加えて、こんなプレッシャー。 不安にならないわけはなく、立っているだけで膝が震えた。 「「英語だけならもう余裕で同じ大学に行けるのにな〜w」」 チエとトシの笑い声に勇気をもらう。 二人はわざわざ空港まで見送りに来てくれた。 ここまで来たら二人の言葉と自分自身を信じるしかない。 17年間守り抜いた純潔と決意を持って日本を発った。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:22:06.67 ID:h2V0Pn7BO
支援
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:24:09.41 ID:MxK+qnTsO
>>63 ホント時々起こす程度かな。連休明けに
電車乗るとヤバい
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:24:10.46 ID:sh6+7EYnO
いい友達持ったな 俺にはそういうのいないから
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:25:48.38 ID:SUCj4HiVP
>>75 たぶん、たまたま色々重なった結果で、
こういうことは誰にでも起こりうると思うんだ。
>>76 誰かに後押ししてもらえるっていうのが大きかったと思う。
あの時友人を拒んでいたら、たぶんまだ社会には出ていなかったと思います。
>>78 鬱な体験も、共有すると良いことがあるかも。
俺はあったと思います。
良かったら教えて下さい。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:26:51.65 ID:1p6OX9n+O
レスしてねーで早くかいてくれ、馴れ合いは嫌いだ。 スレストすんぞ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:29:38.15 ID:SUCj4HiVP
>>80 感謝します。
>>81 辛いですよね。俺もいまだに会議中とかに吐気催したり・・・
うまく付き合う方法ってないもんですかね。
開き直るのが一番だとは思うんですけど。
>>82 確かに友達にはすごく支えられたと思います。
でも2chとか、親切に相談のってくれる人って、結構世の中にいるもんですよ。
その後、語学学校・カレッジと、バイトをしながら勉強し、大学進学を目指した。
カレッジには俺のようにヘタっぴな英語しか使えない留学生が多かったので居心地は悪くなかった。
校風も自由。初めのころは緊張してすぐに洗面所に駆け込んだけど誰も気にしない。
トシが言った通り、授業中にガム噛んだり、水飲んだりする奴も多かった。
「喉が乾いたら授業に集中できない。勉強するために飲み物飲んでなにが悪い?」
そんな文化に勝手に感心した。
いつ嘔吐感に襲われてもここなら大丈夫だと安心できるようになると、
自然に病状は和らいでいった。
俺は町中の家賃が高いせいで、電車やバスを使わなければ通学できないようなところにしか住居を構えられなかった。
交通機関の中で症状が出るの怖かったが「病気の克服の訓練ため」「学校も通えるんだから問題ない」と自分に言い聞かせて、郊外に住むことに決めた。
家は古びたアパート(といっても日本のマンションなんか比べ物にならんくらい広い)で、赤の他人との共同生活だった。
間取りはベットルーム2つ。
オーナー(借主)のシンガポール人の男が一部屋を、他の留学生がもう一部屋を使い、俺はプライバシーもへったくれもないリビングルームでの格安生活を送った。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:30:34.90 ID:SUCj4HiVP
日常生活はもちろんカルチャーショックの連続だった。 バスも電車も、時刻表なんてまるで無視だった。 早朝に用事があって、朝6時30分にタクシーを予約したら、7時に来た。 ぶち切れて怒鳴りつけてやろうと思ったら、中から出てきた運転手は満面の笑みで 「よう!おはよう!素敵な一日の始まりだな!」とほほ笑みかける。 ダイエットコーラの空き缶が転がる車内で、運転手に向けられた脂ぎった笑顔には乾いた笑いしか出なかった。 俺の家はバスの終点近くだった。 バイト帰りの深夜に乗ると乗客は俺一人。 運転手がいきなり「お前どこに住んでる?」と聞いてきた。 拙い英語で答えると、バスがいきなり路線をコースアウトした。 運転手はバスを俺の家の目の前に停めてくれた。 「こんな時間に誰も乗らねぇんだよ。仕事帰りか?お前留学生だろ?頑張れよ!」 俺がこの国に惚れこむのに時間はかからなかった。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:31:55.96 ID:SUCj4HiVP
仕送りがないのは正直つらかった。 銀行の残高が自分の生命線だった。 バイト代で生活費を賄ってはいたが、学生ビザには労働時間の制限がある。 頑張って働こうとしても状況がそれを許さず、口座の残高は増えることはない。 俺は自分の生活水準を落として、何に対してもお金を使わないように極力我慢するしかなかった。 カレッジにはそんな俺を「日本人のくせに貧乏人」とあざ笑う連中がいた。 途上国、特にアジアから留学してくる奴には想像を絶するような金持ちボンボンが多い。 俺が必死に勉強してる授業を平気でサボって単位を落す。 人が必死に仕事してる時間に豪遊し、外に出られない俺を笑う。 自堕落な生活をこれっぽっちも気にしない。 日本人ならヒキコモりだって、焦りや申し訳なさを抱えて生きている。 生産的な生活をしないからと言って、全く気にしていない人は少ないはずだ。 でも、彼らはそんな考え方を持ち合わせていない。 親がいくらでも金を持っている。心の底から妬ましく思った。 学校でも街でも、青春を謳歌している若いアジア人を見ると「金持ちの甘ったれが!」と決め付けて毒づいた。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:32:05.48 ID:MxK+qnTsO
やっぱメリケンかっけーわ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:32:58.81 ID:SUCj4HiVP
そんな理由もあって、俺はカレッジに入るとすぐに中国人が嫌いになった。 うるさい、汚い、ずうずうしいという、2chでよく言われているような奴らに対する日本人の評価は大半の中国人に当てはまった。 中国人はどこに行っても自分たちだけのコミュニティーを作り上げる。 グループワークで中国人が二人いれば、彼らは英語を話さなくなる。 そもそもグループに貢献するという意識が皆無で、他人の成果に便乗して単位を狙うような奴らばかりだ。 華僑の教師の授業を取った時、中国人の生徒は授業中に平気で中国語で質問した。 教師は困った顔をしたが、結局中国語で説明した。 これにはローカルの学生が激怒して、その教師はクビになった。 電話で生活苦や学校生活の愚痴をトシにこぼすと、 「お前が頑張ってることに変わりはないんだ。胸を張れ」と言われた。 何度も親友の声に励まされた。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:34:39.22 ID:SUCj4HiVP
そんな生活の中、重大な事件が起きた。 ある日、デブ・ブス・ガリ勉と三拍子そろったフィリピン人の女の子から、 「一緒にテスト対策を立てよう」と誘われた。 名前は覚えていないが、とにかくその子は可哀そうなくらいブスだった。 俺のバイト先が女の家の近所だとわかると、仕事帰りに寄るように言われた。 「変な噂になっても迷惑だ」そう考え、即答はさすがに躊躇する。 しかし当時はバイトのせいで勉強が遅れぎみだったので、結局仕方なしに承諾することにした。 この自分の行動を今後何年も呪うことになる。 若 さ ゆ え の 過 ち がこうも容易く犯されてしまうとは思ってもみなかった。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:36:10.87 ID:fwDZ1Pf3O
ちょww キタwww
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:40:21.13 ID:6Vts6Lf7O
まさかの4P
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:40:57.88 ID:SUCj4HiVP
>>89 なんだかんだでムカつくのにカッコイイのは反則だよねw
>>92 いや、すいませn。ここは深く思い出そうとすると脳がフリーズするので・・・
俺の純潔がチエに捧げられることはついになくなった。
17年間氷河期だった俺の人生は、春を飛び越えて灼熱の地獄と化した。
詳細は省く。俺はその日、大人の男になった。
俺の噂は瞬く間に学校中に広がった。
女のお喋りネットワークの恐ろしさは世界共通だった。
ただ、俺が童貞だったことは知られていなかったようで、
逆に悪食王・冒険王等の称号を与えられることとなり、
不本意ながらちょっとした有名人になった。
そしてそれが切掛け(かどうかは知らないが)で、マトモな顔の彼女ができるようになった。
こういう言い方はちょっと嫌だけど、やっぱり日本人って言うブランドは強いらしい。
ただ、その後女性と付き合う機会にも恵まれても、どれも長続きしなかった。
女は思った以上に金がかかるし、何より俺にはプライベートで人と会う時間が殆どなかった。
なんやかんやで形式上の彼女ができても、しばらくすると「思っていたより冷たい人間」だと言われ、
別れを切り出される。最初は結構傷付いたが、すぐに慣れるようになった。
酷い時には、付き合いだしてから一度のデートもなしに別れを告げられた。
〃 ヾ、 〃 ヾ、 〃 ヾ、 〃 ____ ヾ、 チラッ… 〃 / \ ヾ、 / ̄ ̄\ || / ⌒ ⌒\ || / _ノ \ || / (● ) (― )\ || | ( ●)(●)l 早く死ねよ ヾ,| ::::⌒(__人__)⌒:::::|// . | (__人__) | (⌒)、_  ̄ _,(⌒) | ` ⌒´ | / i `ー=======一'i ヽ . | } l___ノ,、 ,、ヽ___i . ヽ } l l
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:42:57.08 ID:SUCj4HiVP
ある日、アパートのオーナーから「シェアメートが入れ替わる。今度部屋に入るのはチャイニーズの女だ」と知らされた。 共同生活していた留学生が帰国して、一部屋空く所にその中国人が入るという話だ。 オーナーは数日前から中国語でインターネット広告を出し、その顔も知らない渡米前の中国人と既に契約を付けていた。 抜け目ないやつだと感心すると、「俺が不動産屋なら全室100%稼働だ」と自慢した。 自慢ついでにオーナーは俺に空港からアパートまでの道案内役を押し付けた。 「We Welcome You, Xiaolu(小路)! 」と恥ずかしく書かれた画用紙を無理やり渡され、俺は空港に向かった。 当日、空港に着いてからその女性―シャオルー(仮)の乗る飛行機の到着時間を確認する。 天候の悪化で到着時間が大幅に遅れていた。 いつ入国ゲートから出てくるのか全く分からない状態だった。 仕事の時間に間に合わなくなり、結局その日はバイト先にシフト変更の電話を入れることになった。 夜もかなり遅い時間になってきて、空港内のゲート付近の待合席でボーっとしているうちにうたた寝をしてしまった。
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:51:23.09 ID:zCUGQLp7O
____ r っ ________ _ __ | .__ | __| |__ |____ ,____| ,! / | l´ く`ヽ ___| ̄|__ r‐?? ̄└‐??┐ | | | | | __ __ | r┐ ___| |___ r┐ / / | | /\ ヽ冫L_ _ | | ┌─────┐ | | |_| | _| |_| |_| |_ | | | r┐ r┐ | | | / | | レ'´ / く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘ | r┐| |___ __|. | | | 二 二 | | |く_/l | | , ‐'´ ∨|__ ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄ | |_.| | / ヽ | | | |__| |__| | | | | | | | __ /`〉 / \ │ | |  ̄ ̄| | | / /\ \. | |└------┘| | | | | |__| | / / / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄  ̄ ̄ く_/ \ `フ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | |____丿く / <´ / `- 、_// ノ\ `ー?--┐ `´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'  ̄ ` `´ `ー' `ー───-′
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:51:41.14 ID:mlyFM6wXO
ったく、お前のせいで眠れねえじゃねえか 好きだよ馬鹿野郎
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:55:37.49 ID:VIQEHoARO
おもしろい 支援
遅いすぎる。この分だと朝には落ちてるだろうし… 頼む。急いでくれ。続きが気になるんだ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:57:54.30 ID:xK+o59mG0
寝ちゃったのか?
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:59:05.93 ID:mlyFM6wXO
俺たちに続きを見せてくれぇー!!
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 01:59:30.42 ID:fwDZ1Pf3O
規制喰らったのかな? 連投だし。落ちてほしくないなぁ。
えん
連投規制ってどれくらいだっけ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 02:03:52.50 ID:Cy66HZtDO
再起するなら20代のうちがいいってのがよく分かるな 俺はまだ恵まれてるからよかったけど
支援
自分が落ちるとこまで落ちても支えてくれる友人が本当の友人だ。
俺も今落ちるとこまで落ちたが、誰一人俺の気持ちを分かってくれない・・・
>>1 が羨ましいよ・・・
>>109 煽るつもりじゃないけど、ネット繋げる環境あるだけ十分恵まれてるよ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 02:08:32.87 ID:fwDZ1Pf3O
誰かスレ立てできるやつ1を誘導してくれ。頼む。お願い。
じゃあ一応立ててくるわ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 02:10:51.23 ID:PQcuu3t80
>>110 そうか・・・
バイトして貯めたお金+今まで一回も使わなかったお年玉のおかげだなwww
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 02:15:15.40 ID:mlyFM6wXO
これは寝落ちしちまったのかもな
避難所に降臨
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 02:43:16.31 ID:0AgJZTBo0
保守
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 03:09:56.42 ID:31ehIHTwO
保守
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 03:20:21.23 ID:xqZOYdfS0
ほ
保守
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 03:36:17.76 ID:xK+o59mG0
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 03:52:27.49 ID:xK+o59mG0
保守
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 03:56:16.81 ID:0AgJZTBo0
保守
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 04:16:16.04 ID:xK+o59mG0
保守
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 04:37:02.57 ID:fwDZ1Pf3O
保守
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:04:31.98 ID:xK+o59mG0
保守
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:27:14.57 ID:xK+o59mG0
保守
>>27 このコピペみていつも思うんだがVIPでは何を話せば良いの?
130 :
1です :2009/09/22(火) 05:44:05.24 ID:SUCj4HiVP
スミマセン、今度は避難所の方でまた連投規制されてしまいました。 本当にごめんなさい。 よろしければまたこちらで再会させてもらえますか?
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:46:36.02 ID:4oUMOK140
こちらこそお願いします
はいよ
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:48:27.40 ID:Lgb0BPvtO
今度はこちらを支援だな
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:49:55.24 ID:SUCj4HiVP
>> all ご迷惑おかけします。よろしくお願いします。 『ちゃんと、言われた通り、全裸で待ったのに・・・・』 ナムの最後の一言に俺は耳を疑った。 全裸待機はダイスケが酔っぱらった時に決めたQ難度の大技だ。 嬢のサービスがちょっと下手なだけで全裸のまま受付に文句を言いに行くダイスケのような超大物(バカ)にのみ超えられるハードルのはずだった。 ナムはダイスケの武勇伝を、風俗店でのマナーと思い込んでいきなり実践したらしい。 たぶん嬢は全裸で待つナムを見て、相当の経験者だと思い込んだのだろう。 生サービスはきっとそのためだ。 結局ナムは童貞卒業を果たすことなく、初めての裸の女に散々罵倒されたというトラウマを背負い込むことなった。 ナムには申し訳ないが、この話は俺とダイスケの間で伝説の笑いネタと化した。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:50:12.90 ID:8KXQw6OnO
試演
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:51:21.17 ID:VIQEHoARO
さるよけ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:53:06.59 ID:fwDZ1Pf3O
ダイスケさん、ぱじゃねぇっすwww 多分人気No.1になると思うんだけどw
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:55:04.70 ID:SUCj4HiVP
俺は共同生活を始めるまで、ダイスケのことを勉強もロクにせずに風俗に金を注ぎ込みまくるチャランポランな奴だと思っていた。 だが、一緒に生活すると、実際はそうではなく、本当は極限まで切詰めた生活を送っていたことを知った。 学校とバイトのシフトで一日の時間ほとんど埋まっていた。 ビザの関係で留学生のバイトには時間制限があるが、それを破って必死に働いた。 夜は寝る時間を切り詰めて勉強し、ほとんど寝ることなく朝にはまた学校へ通っていた。 ダイスケは毎月一定の金額をマレーシアに帰った彼女に仕送った。風俗遊びも誰かから誘われない限りは全く行かなかった。 朝も夜も中国製の臭いインスタント麺と、格安プライベートブランドのスパムばかり食べていた。 子犬を大切に育て、給料日には肉を与えた。正直言って犬の方がダイスケよりもいいものを食べていた。 俺は夜中に例の夢を見て飛び起きることがあった。そんな寝起きは決まって汗だくなので、風呂に入ろうと部屋から出るのだが、毎回例外なくリビングにはぼんやりとした卓上ライトの明かりが見えた。 部屋の電気を消して、卓上ライトの明りだけを付けてダイスケが勉強していたためだ。 あいつは皆が寝静まった後でも一人でこつこつと勉強を続けていた。 ダイスケはバリとよくビジネスや将来の話をしていた。彼はジョークが入り混じるバリの話を真剣に聞いていた。 どうしたら金を稼げるのか、どうやったら自分が現状から抜け出してマトモな生活を手に入れられるのか、どうしたら家族の絆を取り戻せるのか、そんな視点からだろうか、食い入るように熱心だった。 バリはいつも「金は情報と同じで努力からは生まれてこない。金が欲しいならコネを作れ」と言った。 「関係作りこそがビジネスの本質。それを知らずに頑張っても駄目なんだ」と言った。 事業家の親を持ち、小さい頃から帝王学的な教育を受けてきたバリの言葉は凄味があった。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:58:40.64 ID:VIQEHoARO
チエはどうなったんだろう…
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 05:59:38.11 ID:SUCj4HiVP
ダイスケは日系キャバクラでウェイターのバイトを始めた。俺は最初、夜間バイトの時給の良さのためだと思っていた。 だが、ダイスケの目的は違っていた。ダイスケは店に入る客層をよく観察していた。 店に来る客はほとんどが日系大企業の現地駐在員だった。 ダイスケはそういった客に気に入られようと必死に自分をアピールし、キャバ嬢以上に客と親しくなり、働き口はないかと尋ねた。 バリの言ったことを少しでも実行していこうと考えたらしい。 ある日酔った客が「キャバ嬢全員の前でチンコ見せたら俺の会社で働けるように口を利いてやる」と言った。 日本人にはこういう傲慢な人間が多い。この話を聞いた時、俺は無茶苦茶に腹を立てた。 だが本人はそうではなかったようだ。ダイスケには既に恥もつまらないプライドもなかった。 「よろしくお願いします!」そう言いながら仕事仲間の女性が大勢いる前でパンツを下ろした。 当然女性は大騒ぎ。その客はバツの悪そうな顔をして「本当にやると思わなかった」とだけ言った。 ダイスケは下半身を晒したまま土下座までして頼み込んだが、その客は結局口利きも何もしてくれなかった。 別の日、これまた日系の超一流企業のお偉いさんが店にやってきた。 その客はキャバ嬢から「客に言われて下半身を晒し、土下座までしたバカ」の話を聞き、そのバカに興味を持った。 レジを打つダイスケに「そんなに仕事したいならうちで働いてみる?」と誘いの言葉をかけた。 部下のような人が驚いて反対したそうだが「ちゃんと大学に通ってる学生ならいいんじゃないの?」という一声ですべてが決まったらしい。 次の週、ダイスケはスーツとネクタイに身を包んで新しい仕事先へと向かった。 スーツには子犬がひっかけた小便のシミがついていた。 ダイスケは一週間の半分を学生として大学に、もう半分は社会人さながらに会社へ通うようになった。 職場には日本の一流大学を卒業して現地にやって来たエリートばかり。たかがバイトと馬鹿にされながらも、ダイスケは上司に、同僚にくっついてひたすら働いた。 夜の付き合いは必ず参加し、ベロベロになって家に帰ると、飲んだ酒を全て吐き戻して勉強机に向かった。「お金がない!」の織田祐二の上を素で行っていた。
し
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:03:26.85 ID:fwDZ1Pf3O
スゲェよ。「カッコいい」とは正に彼の為にある形容詞だな。
ダイスケすげぇ… これしか言葉でないよ…
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:06:26.70 ID:dQWjL2+WO
引きこもりだけど昨日久々に出かけたら
冷や汗と動悸が酷くて死ぬかと思ったでごさる
>>1 はなんか…すげえなあ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:07:54.00 ID:SUCj4HiVP
大学卒業を目前に控えた最後のセメスター。この時期には皆それぞれの目標を固めていった。 バリは卒業後中国へ一年留学し、その後親の事業を引き継ぐ。 ダイスケは正社員としてバイト先の企業へ就職し、永住を狙う。 ナムは永住ビザ取得のため大学院へ入り、更に勉強を続けると言った。 俺は迷った末に帰国を決め、日本で働くことにした。浮き沈みを繰り返すチエのことも心配だった。 半年間はあっという間に流れた。皆が卒業試験への不安を抱える中、お互いに励まし合って毎日ひたすらに勉強に打ち込んだ。 ダイスケやバリは自分の決めた将来に殆ど手がかかっている状態だったのに対し、俺は卒業しても就職先を見つけなければいけないという不安を持っていた。 海外大学生がある程度の企業に就職をしようとすると、大学名だけではなく一定の成績が求められる。 俺は外資系の専門職を希望し、勉強に専念するためにバイトも止めた。ダイスケやバリに負けたくなかった。 就職活動の情報収集と試験勉強を並行して行い、何社か面接を取り付けた。日取りは試験最終日の2日後、場所は東京。 試験までに一切の家具を処分した。最終試験が終わった日、みんなとの別れを惜しむ暇もなく夜の便で日本へ飛んだ。 就職活動は思った以上に厳しかった。友人と一緒に住んだ家から一人遠く離れ、狭いワンルームを借りて寝起きする。 不安に押しつぶされそうになりながら毎日自己PRや志望動機を練った。 面接中は電話の電源を落としていたため、チエの電話に出られず、後で荒れた彼女をなだめるのが大変だった。
しえmm
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:12:50.66 ID:SUCj4HiVP
就職活動を始めて2週間ほど経ったある日、バリとナムから『明日から日本行くから』と突然の電話がかかった。 旅行の企画をしていたなら何故言わなかったのかと怒って見せたが、内心嬉しくてたまらなかった俺は携帯を握りしめたまま部屋で踊った。 二人にとっては初めての日本。約1週間の滞在。『『面接すっぽかしてでも案内しろよ』』などと言っていた。 俺は面接の日程が重なったせいで成田まで二人を迎えに行くことができないと詫びた。 二人は言葉の通じない日本の旅行は楽しみだと逆に言った。待ち合わせ場所を伝えて電話を切る。申し訳なくて辛かった。 面接が終わり、俺は待ち合わせの駅の前で立っていた。 「あいつら元気かな」まだ一ヶ月も経っていないのに、二人を見たらに飛びついてしまいそうな程待ち遠しかった。 二人とどこに遊びに行くか考えて、一人でニヤニヤしていた。 周りから怪しげなものを見るような眼で見られたが、俺は抑えきれずに鼻歌を歌った。 すると突然俺の目の前に1台のパトカーが止まる。運転席から降りてきた警官はヤクザのような顔つきだった。 職務質問されるのかと思って、思わず固まった。 警官は「ここだよな?」と呟きながら、後部座席のドアを開けた。降りてきたのはバリとナム。 俺は当然仰天して警官に話しかけた。「す、すいません!この人たち僕の知り合いなんですけど・・・えっと」 警官は笑いながら「あなたですか。大丈夫、道案内をしただけです。」と言った。 その後、警官はトランクから大きなスーツケースを取り出すと、バリとナムに手を振りながらパトカーを走らせて言った。 しばらく呆けていたが、二人の顔を見た俺は思わず吹いた。 バリは何故か必勝鉢巻をしていた。二人らしい登場の仕方に思わず吹いた。 二人は満面の笑みで『『信じられねえ!日本の警察はマジで親切だな!!www』』と言った。 道を尋ねたらパトカーに乗せてくれたらしい。英語も全く喋れない警官だったが、身振り手振りだけで話が弾んだと言っていた。 「日本も良い国になった」と思った。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:14:08.21 ID:fwDZ1Pf3O
警官超gj
しあn
帰国子女で現在引きこもりの俺が支援
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:19:21.90 ID:SUCj4HiVP
その後、就職活動の合間を縫って二人を案内した。だが、遊びに使える時間は本当に限られていた。 二人は観光そっちのけで俺の就職活動を励ましてくれた。夜遅くまで俺が間借りしているアパートで英語面接の練習相手にまでしてくれた。 二人がアメリカへ帰る日、俺の最終面接が重なっていた。本来なら俺が見送りに行ってやらなきゃいけないはずなのに、二人はわざわざ俺の面接会場の前まで来てくれた。 別れが惜しかったが、会場へ入らなければならない時刻になった。 『じゃあな、がんばれよ。お前ならやれるって信じてるからな』 『卒業式はアメリカ戻ってくるんだろ?俺の家にいつでも泊めてやるから、絶対来いよ!』 そう言って、手紙のようなものをよこした。開くとそれは寄せ書きだった。ナム・バリ・ダイスケの3人と、他の友人数名からの励ましのメッセージ。 『面接前に泣そうとすんなww』としか言えなかった。死ぬほど嬉しかった。この紙ぺら一枚が俺の一生の宝だと思う。 二人と固い握手を交わし、強く抱き合った。 『じゃあな。行ってくる!元気でな!』 『『おう!』』 俺は会場へ入っていった。振り返りたかったが、できなかった。目が真っ赤になって、鼻水まで垂れてくる始末だった。 バリとナムのメッセージには『Whatever you do, wherever you go, I’m sure that you’re gonna be alright. Just go crazy!(何をやっても、どこに行ってもお前は大丈夫だ。ただひたすら馬鹿になれ!)』と書かれていた。 「Go Crazy!・・・かよww」俺は絶対に負けられないと思った。
しえん
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:26:13.38 ID:SUCj4HiVP
「目、赤いけど大丈夫ですか?」 「すみません、鼻炎なんです。大丈夫です。」 面接が始まるや否や、思った通りの質問がきた。普通なら焦るところだけど、 (あいつら!やっぱりこうなったじゃねえかww)と二人の顔を思い出し、思い出し笑いしそうになった。 それからは終始リラックスできた。 「尊敬する人物はいますか?」という問いにダイスケやバリ・ナムのことを話した。 「挫折したことや、成功体験があれば聞かせてください」という質問には自分の半生をかいつまんで正直に語った。 「好きな言葉は?」に対しては「Go Crazy!・・・あの、死ぬ気でやれ!です」と思わず口を滑らせた。 試験官は訝しげな顔をしたが、自分を素直にさらけ出して評価してもらいたいと思った。 面接後、別室に通されて結果の通知受け取った。結果は・・・採用。 何故だか気持は落ち着いていた。その後試験官からいろいろな説明を受けた。 「うちに入社を決めてくれるなら、就職活動に区切りをつけて欲しい」的なこと言っていたような気がするが、ほとんど上の空だったのであまり覚えていない。 応接室の窓の外を見上げると飛行機が飛んでいた。二人が乗っているような気がし、机の下に隠した手を小さく振って親指を立てた。 心の底から二人へ感謝した。 その後、俺は日本でバイトしながら入社時期が来るのを待った。バリは中国へ行き、ナムは院へと進んだ。ダイスケは正社員の座をつかみ取り、学生ビザから就労ビザへ切り替えて仕事を始めた。
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:27:31.55 ID:fwDZ1Pf3O
おめでとう! ガチでよくやったよ、1は!
おおう
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:30:35.44 ID:SUCj4HiVP
俺は卒業式には約束通り参加した。この時初めて観光者として米国へ入った。
バリも駆け付け、式の日はみんなで思い出話に花を咲かせ、浴びるように酒を飲んだ。
バーで無茶苦茶なナンパを試みたダイスケが曙関のような警備員に腕を掴まれて外に締め出された。
バリはいつぞやの鉢巻きのお礼にと、インドネシアの伝統衣装「コテカ」を持ってきていた。
コテカ参考図:
ttp://toricot.jp/images/2008_sum/page_images/special/koteka_visual.jpg 酔っぱらったダイスケと俺はこれを付けて(服の上から)踊り狂った。
レンタカーを借りて4人で旅行にも行った。爆音で意味のわからない音楽を再生して車内はカラオケ会場のようになっていた。
バリが居眠りすると、ダイスケが『人が運転してんのに寝るんじゃねえw』と言ってブレーキを何度も踏み込み車を揺らす。
ハイウェイの途中の店で日本じゃありえないサイズのスペアリブを貪り食った。
バケツ程の大きさのコーラを抱えて、
『『『『インドネシア・日本、そしてこの自由の国に乾杯!!!』』』』と何度も叫んだ。
店にいたアメリカ人もそれに続いて『Kanpai!!』音頭を楽しそうに三唱した。
旅行の目的地の海岸に着くころには日の沈む時間で、みんなで夕焼けに見とれた。
普段うるさいバリも押し黙ったように夕陽を眺めた。
苦しかった留学生活。4人で遠出するのはこれが初めてだったと思う。
人生で一番楽しい思い出になった。
いいなぁ
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:32:56.28 ID:rFJxgKlc0
あとはチエ・・・
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:33:21.95 ID:SUCj4HiVP
俺とバリの帰国(バリは中国行き)の日、空港へまた4人が集まった。搭乗時間が迫ると全員次第に口数が少なくなる。 ナムが『4人そろえる日はしばらく来ないのかな』とつぶやいた。 ダイスケが『なわけねぇだろ。またいつでもアメリカに来いよ!』言ったと。 バリが『お前が中国にこいやww』と笑う。『いやいや、日本だろ常考ww』と俺も乗った。 バリの乗る便の搭乗案内が流れた。 『じゃあな!・・・(俺)、お前仕事始まるまで時間あるんだから、絶対中国来いよ!』 『考えとくよw』 バリは元気よく手を振ってゲートへ消えていった。 『・・・ちょっと早いけど、俺もそろそろ行くよ。2人とも、今までありがとう。』バリの背中を見おくって俺も言った。 『俺こそ、ありがとうな。お前がいなかったら俺は卒業できなかったと思う』ダイスケが言った。 『(俺)、お前はほんとにイイ奴だよ。自身を持っていい。俺達は一生の友達だ』ナムも言う。 英語ならではのストレートな表現。日本語にするとちょっと恥ずかしい。 でも、だからこそお互いここまで仲良くなれたと思う。 『じゃあ!元気で!!』 二人とコブシを正面から、上から、下から、三回合わせて肩を抱いた。腕が千切れそうになるような勢いで手を振った。 目が潤んで、鼻声になっていた。2人も泣きそうな顔だった。 一人で待合室に向かい、デジカメで撮った写真を何度も見返した。嗚咽が止まらなくなった。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:34:05.59 ID:fwDZ1Pf3O
ちょww 画像www
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:39:06.34 ID:SUCj4HiVP
カズが死んでから、いろいろあった。思えば俺はいつも誰かに支えられて生きてきた。 病気になった俺が立ち直り、アメリカに来られたのはトシ、チエのお陰だった。 トシの死で精神的にズタボロになった俺は、シャオルーの支えがなかったら、間違いなく日本へ逃げ帰っていたと思う。 シャオルーが消え、一人になって打ちひしがれる俺に手を差し伸べてくれたのは、ダイスケ達だった。 俺が就職で頭を悩ました時にはバリとナムが日本まで駆けつけてくれた。 みんなが俺を支えてくれた。思い出すと涙が止まらなくなった。 アメリカ―日本間の長いフライト、俺は涙が枯れるまで一人で泣き続けた。 日本に着いた俺はカズとトシが眠る場所へ向かった。(墓場で酒を飲むのは悪いことかなw)とは思いながらも、墓石に向かって座り込み、延々酒を飲んだ。 「まだまだ、始まったばかりなんだろうけど、俺は取敢えずの目標をやり遂げたのかな。」 「チエのことは心配するな。絶対何とかしてやる。もちろん俺は手を出さないけど。」 「まぁ、ほっとく男もいないみたいだし、そっちでしっかり悔しがっとけw」 墓石の前でブツブツと独り言を続けた。
しえん
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:41:54.76 ID:SUCj4HiVP
チエは俺の帰国を手放しで喜んでくれた。 またいつも調子で精神的に病む時もあったけど、俺が帰国してからはだんだんと落着きを取り戻した。 「私、メンタルヘルスのカウンセラーになろうと思うんだけど、(俺)ちゃん、どう思う?」 ある日チエは言った。 唐突で驚いたけど大賛成だった。 家族が、俺が、周りの人間がチエに差し伸べた手を彼女自信が掴む決意ができたことを大喜びした。 妹の病気が治り退院が決まるのとほぼ同時にチエは専門学校に入り直した。 活き活きと学校の事をしゃべるチエの姿を見て俺もうれしかった。 彼女なら心に病を抱えた経験を活かして、同じように苦しむ人間の力になれるんじゃないかと思う。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:43:28.84 ID:fwDZ1Pf3O
チエキター!! 良かった〜! 俺の相談に乗った欲しいぜ!
しえm
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:46:43.01 ID:rFJxgKlc0
happyendか?
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:47:23.74 ID:VIQEHoARO
よかった〜
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:47:41.78 ID:SUCj4HiVP
入社直前の月、俺はバリの顔を見るために中国へ渡った。数か月ぶりの再開だったが、奴はいつも通りだった。 中国の露店では馬鹿デカイ蠍の串揚げを食べさせられた。俺はお返しにゲンゴロウの串揚げを買ってやったが、一口食べたバリはその場で嘔吐した。 嫌がるバリを説得して怪しげなマッサージバーへも行った。 個室でシャオジェに+数百元でスペシャルサービスを受けないかと提案された。 俺は断ったが、その後の会計の時、バリが支払った金額は何故か数百元増しの額だった。 バツの悪そうな顔をするバリを、俺は店員と一緒になって指さして大笑いした。 夜、一人でホテルから街を見下ろして、ふと思った。(シャオルーとは、ついに一緒に来ることがなかったな。俺あんなに嫌がったのになww 中国って、オモシロイ国だったよ。ごめんよ。) 中国は確かに汚く、遅れているが、人々の活気は凄まじかった。 当時、というか今でも経済紙なんかでは口を揃えて「中国は伸びる」と言うが、 行ってみてその意味を肌で感じた。 あんなに毛嫌いしていた国に俺はすっかり魅せられた。帰国してから、俺は少しずつ中国語を勉強するようになった。 今更の後悔がないわけじゃない。なんで中国語を話したいと思うようになったかは自分でも分からないが、たぶんちょっとだけ中国も中国人も好きになれたという理由。
支援支援
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:50:18.57 ID:SUCj4HiVP
いろいろあったけど、そのあとすぐに俺の社会人生活が始まりもう3年経った。 バリはその後インドネシアへ帰って親の事業を引き継いだ。 ダイスケはマレーシア人の彼女をアメリカに呼び戻し、二人で暮らしている。日本へも数回帰国しており、何度かあったけど殆ど変わっていなかった。 ナムは院を卒業したものの、永住権取得のためにはまだいろいろとやらなきゃいけないことがあるみたいで、毎日仕事と学校へ通って頑張っている。そういえば最近遂に彼女が出来たそうだ。 チエは学校を卒業して、カウンセラーの一歩を踏み出した。美人で優しいお姉ぇカウンセラーとして人気らしい。 俺は毎朝、大学時代にシャオルーに貰ったアラームに起こされ、満員電車で職場へ向かう生活だ。 電車の中で俯くサラリーマンを見ると 『『日本のリーマンはゾンビみたいだ!お前もじきにそうなるんじゃねえのww?』』 と笑うバリとナムの顔を思い出す。 確かに今は社畜のような生活に甘んじているが、「奴らにゃ負けられんわw」と背筋を伸ばす。
しえん!
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:54:41.48 ID:SUCj4HiVP
本筋はここで終りなんだけど、どうしても報告したいことがあって、もうちょっとだけ続けます。 俺が2chに書き込もうと決めた理由です。もう少しだけ、お付き合いください。 会社の仕事で数か月間、シンガポールへ行くことになった。 うだるような暑さに到着早々やられそうになったんだけど、取引先との顔合わせの時、度肝を抜かれる出会いをして暑さを忘れた。 取引先の顔の中に、なんと「シャオルー」の姿があった。 数年ぶりの再会。お互い『『はじめまして』』と挨拶したけど、驚きの顔が隠せなかった。 彼女は俺を見て泣きそうになりながらも不器用に微笑んでくれた。 後で聞くと、シンガポールで仕事を見つけ、移民したと言っていた。 驚いたことに彼女は結婚して子供を産んでいた。最初は指輪を見せられ、心が少しモヤっとした。 けど、そんな苛立ちは彼女の子供を見て全部吹き飛んだ。天使のような愛らしさ。母親似の可愛い女の子だった。 「うらやましぃなぁ。こんなに優しい母ちゃんいないんだからな〜。」そういいながら、子供の頭をなでた。 シャオルーに判らないように日本語で早口でしゃべったつもりだったが、彼女は俺の言ったことを理解したようだ。 あの時と同じ、軟らかい笑顔を俺に向けた。ずっと抱えてきた心のモヤモヤが断ち切れたような気がした。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:57:27.52 ID:fwDZ1Pf3O
もう何が来ても驚かないと思ったけど… エェぇぇえ!?
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 06:58:25.09 ID:SUCj4HiVP
帰国の日、俺は上司を待つために空港の待合席に座っていた。後から突然、ふと「请问!○△*□吗?」と、中国語で話掛けられた。 一瞬びっくりしたけど、振り返らなくても誰だか分った。 「对不起。我是日本人,我的中文不好。你会英文还是日文吗?」 中国語で聞き返し、「スゲーだろ」と言わんばかりに振り返る。立っていたのはもちろんシャオルー。 あの日、初めてアメリカの空港で会ったシャオルーは俺を中国人と間違えて中国語で話掛けた。その記憶が鮮明に蘇る。 今目の前に立っているのはあの頃、渡米したばかりで寂しくて泣きじゃくったシャオルーではなく、成長し、一児の母となった強く美しい女性だった。 シャオルーはちょっと驚いた顔をして、すぐに外国人とわからないような流暢な日本語で「はは!少しは勉強したんだ?すごいね!」と言う。 まるでかなわない。 その後上司が来て、「(俺)、行くぞ」と言うとシャオルーは人ごみに紛れるように消えていった。
なんとまぁ
シャオルーは俺の嫁
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:00:45.91 ID:VIQEHoARO
人との繋がりってほんと素晴らしいな
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:01:48.03 ID:SUCj4HiVP
日本に帰国してからもシャオルーとはメールでやり取りするようになった。 子供や旦那の写真を自慢された。仕事も順調に行っているらしくお互い安心した。 最近はお互いにだんだんと返信の合間が長くなってきたけど、俺はこのままお互いの人生からフェードアウトしてもいいような気がする。 彼女は彼女の幸せを掴んだ。それを祝福してやりたいことに変わりはない。でも、嫉妬深い俺のことだからそのうちに仕事を辞めてシンガポールに飛ぶなんてことをしかねない。 自分の道を探すことに決めた。 シャオルーの最後のメールを眺めていると、俺は誰かに自分の半生の話を聞いてもらいたくなった。 皆に聞いてもらうことで、一つの区切りをつけたかったんだと思う。 現在に追い付くまで結構時間もかかって、書いてる途中で泣きそうになったけど、なんとか伝えきることが出来たように感じる。 みんな、ありがとう。
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:03:54.12 ID:VIQEHoARO
乙 幸せになってくれ
乙! 久々の良スレだった!おかげで眠れなかったけどなwwwww
おつかれ
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:07:13.11 ID:eUnC4b4m0
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:07:49.60 ID:SUCj4HiVP
人生って辛いイベント、うれしいイベント色々あるよね。中には嫌なこと続きで、潰れちゃう人もいると思う。 自分のちょっとした経験から出る言葉で、上手く伝えられないかもしれないけど、幸不幸のブレは自分の周りにどんな人間を置くのかで大きく変わってくると思うんです。 俺にとってのシャオルー、トシ、カズみたいに、愛を与えてくれる人間や、楽しい時間を共有してくれる人間の存在は誰にとっても確かにありがたい。 でも偶然そういう人と知り合えた人は、それに甘え過ぎてそういう存在を失ってしまうことが無いように気をつけて欲しいと思います。 本当に恵まれた人間の周りには、お互いに与え・与えられ、高め合うことのできる存在が必ずあるんだと思います。 それを手に入れるには、やっぱり自分で最初の一歩を踏み出す勇気が必要で、本当の友情や愛情は一方的に要求しても絶対に手に入るものじゃないと思います。 一見良い人に囲まれて幸せそうに見えても、本当の友達かどうかは解らないし、逆に支えてくれそうな人が見当たらなくても、2chなんかで真剣に話を聞いてくれて、お互い励ましあえる人間ってすごく大切なんじゃないかと思いました。 勇気をもって一歩を踏み出すことが出来た人間は、自分と同じ一歩を踏み出した人間と必ずどこかで出会い、惹かれあい、お互いになくてはならない存在になることができる。 安っぽくてクサイけど、それが俺の考えた人生論です。
最初の一歩か
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:10:41.59 ID:SUCj4HiVP
>>183 今27歳です。
>>179-182 こっちこそありがとう!付き合ってくれてうれしかったです。
>>189 www勇気わいてきた。そろそろ彼女作ろっかなww
こんなくだらない思い出話を延々聞いてくれたみんなに感謝。
シャオルーのことふっきれたつもりだったけど、結局寂しがり屋な俺だから、いろんな人に話を聞いてもらいたかったんだ。
皆の中には成功してるやつ、あと一歩の奴、どん底にいる奴、いろいろだと思う。
説教っぽくなって叩かれるかもしれんけど、現状に不満を抱える人間はとにかく何も考えずに一歩を踏み出してみてほしいです。必ず応援してくれる人間ができるはずだから。
顔も知らないくせに差し出がましいかもしれんけど、もちろん俺もその中の一人。
とにかく頑張って生きてればきっとコトはいい方向に転がると信じてます。
何かに悩んでる人はとにかくだまされたと思って、「Go Crazy!」を実践してほしいです。
それじゃあ、名残惜しいけど、この辺で締めたいと思います。
みんな頑張っていこうね。
ありがとうございました。
改めて乙
これは間違いなくまとめブログ(笑)に載ってニコニコ()にアップされる
>>1 乙。久々に良いスレに出会った
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:31:08.26 ID:qdgLA1fxO
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 07:33:34.38 ID:8KXQw6OnO
久々にVIPでおもしろかった 乙
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 08:03:44.88 ID:NA1KfgPX0
今北さー
>>1 笑いあり泣きありで楽しませてもらった!乙!
全部読ませて貰った ありがとう スレタイに惹かれたんだが 自分も 学生→引きこもり→脱出方向? なんだ どうしても最初の一歩ってのはなかなか難しいと思うけど 少し勇気が出て来た ありがとう
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 08:32:52.00 ID:T7aTgZTvO
>>1 超乙。
>>1 は幸せとは言えない人生かもしれないけど、周りに恵まれたいい人生だね。
>>189 ニコニコにうpしてくれる方がいいけどね。
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 09:25:37.05 ID:6Vts6Lf7O
ちょっとGo crazy!してくる
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 09:50:22.68 ID:zbSPyZ/J0
俺もGo crazy!するわ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 09:56:31.52 ID:TN2TUCCWO
避難所落ちたか(´・ω・`)
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 10:06:23.85 ID:hAVi/Wj1O
元気がでてきた。 ありがとう。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 11:06:58.19 ID:xK+o59mG0
>>1 乙
途中で力尽きて寝ちゃったけど
こっちのスレに戻ってきてて助かった
避難所落ちたから途中読めないけど
一応、最後まで読めた
保守しといてよかったよ
若干やる気出たわ
ありがとう
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 11:27:44.90 ID:4kcLEpVw0
乙 そこらの小説より中身がある
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 11:41:39.82 ID:v/TmIQNaO
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 11:45:12.17 ID:6NxtIjct0
避難所分が読みたいな・・・誰かコピペしてくれ・・・
とりあえず
>>1 乙
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 11:45:42.33 ID:sh6+7EYnO
age 俺もそんな友達作ってやろうじゃんか
避難所の途中までなら持ってるからコピペするよ
流れ的には
>>96 の続きからね
2 名前:前スレ1[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 02:14:26.76 ID:SUCj4HiVP
>>1 すみませんでした。
「バイバイさるさん」ていう規制文章が・・・
ありがとうございます!
7 名前:前スレ1[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 02:18:45.97 ID:SUCj4HiVP
>>3 ありがとうございます。
レス返したいんですけど、なぜか前スレ読み込めなくなってしまって
・・・続けますね。
何時間ウトウトしていたかは覚えていないけど、
突然、「请问!○△*□吗?」と、大荷物を抱えた女性に話かけられて飛び起きた。
俺を中国人だと思ったのか、いきなりの中国語だった。
女性は焦っているようで、半分泣きそうな表情で必死に何かを説明しようとしているが、
生憎中国語は全く分からなかった。とりあえず
「自分は日本人だから中国語は分からない」
「何か尋ねたいことがあれば落ち着いて欲しい」とたどたどしい英語で伝える。
すると泣きそうな顔が一層暗くなる。
英語が分からないのかと思うと、突然ノートを取り出して英文を綴りだした。
『友人と待ち合わせをしているが、自分の飛行機が遅れたために会えなかった。』
『電話の掛け方を教えてほしいが、英語が下手で相手にされない。中国人なら助けてくれると思ってあなたに声を掛けた。』
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 02:24:03.11 ID:SUCj4HiVP 中国人と間違えられたことにはイラっときたが、 初めて海外に来た時の不安な気持は自分も知っている。 身振り手振りでテレフォンカードの販売場所と公衆電話の使い方を教えてあげた。 暗かった顔が次第に明るくなり、公衆電話の前で 「Thank you」「謝謝」「アリガト」を繰り返し言われた。 垢抜けてはいないけど、かわいらしい子で、少しだけ照れくさくなった。 その子は受話器を持ち上げて「もう約束の時間を4時間も過ぎている。会えないかもしれない」とつぶやいた。 (英語話せるじゃん!)かなり訛っていたけど普通に理解できる英語だった。 やっぱりアメリカ人って下手くそな英語には冷たいのかなと思った。 (飛行機遅れたら待ち合わせも大変だよな・・・って、俺も待ち合わせしてたんだ!) この子に起こされてから、シャオルーの乗る飛行機の到着はまだチェックしていなかった。 掲示ディスプレーを見上げると、該当便は30分以上前に到着していた。 電話のプッシュボタンと格闘する女の子に『ごめん、もう行かなきゃいけない!』と伝える。 言って慌ててゲートに走り出そうとした次の瞬間、俺のポケットの中の携帯電話が着信音を鳴らした。 ディスプレーには【public phone】と表示されていた。 「ハロー?」俺が電話に出ると、公衆電話の前でその子が奇怪な顔をした。 まさか。。と思いつつ、受話器から聞こえる言葉を待つ。 女の子が公衆電話に向かって「もしもし。シャオルーです」というと、 俺の携帯から『もしもし。シャオルーです』と聞こえた。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 02:29:50.06 ID:SUCj4HiVP >>all みんな、ありがとう 。・゚・(ノ∀`)・゚・。 笑ってしまうような偶然。 俺はその女の子−シャオルーの顔を見て微笑んだ。 シャオルーはまだ自分が誰に電話をしているのか分かっていなかったようだった。 俺は折れまがった画用紙をカバンから取り出して広げて見せた。 「We Welcome You, Xiaolu(小路)! 」の文字。 半分怒ったように恥ずかしそうに笑ったシャオルーの顔は印象的だった。 そのあとすぐにタクシーを捕まえて家に向かった。 タクシーの中で『‘友達’と待ち合わせてるって言わなかった?』と聞くと、 『知り合いじゃない人との待ち合わせをうまく説明できなかった。メールが中国語だったからてっきり中国人が来るのかと思ってたよ。声かける時は《あなたかも》とは思ったけど、日本人だったから・・・。』 とのこと。とりあえず無事に会えてよかったと、お互い胸をなでおろした。 シャオルーの荷物は物凄い量だった。 自分が渡米した時の3倍はある。彼女は紐で縛った布団まで持っていた。 「ベッドは部屋にあるのに。掛け布団もそんなに高くないから買えばよかったんじゃない?わざわざ大変だったでしょ?」と聞くと、「中国人からすると、掛け布団一枚分でも持ち込んだ方が安い」と返されバツが悪くなる。 「ごめんごめん、気にしないで。」彼女はそう言ってほほ笑んだ。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 02:33:16.93 ID:SUCj4HiVP 家に着き、シャオルーの部屋へ荷物を運ぶのを手伝う。 オーナーは不在だった。 ピックアップを押しつけて、自分は遊びに出ているらしい。 バイト時間を無駄にしたことをどうしてくれると詰め寄ってやろうと思ったのに残念だ。 荷物の運び入れも一段落して、シャオルーにお茶を淹れてあげた。 トシとチエが送ってくれたもので、チビチビと大切に飲んでいた日本茶だった。 シャオルーはお茶を飲みながらため息をついた。 これから始まる生活が不安で仕方ないんだろう。 ちょっと前の自分の姿と重なって見えた。 しばらくすると、シャオルーは北京に残してきた両親のことを思い出し、泣きだしてしまった。 『アメリカでも一人じゃないから大丈夫だよ。俺がいるから。』 驚くほど自然に英語で言葉が出た。冒険王と呼ばれて成長していたのかも知れない。 彼女の隣に座って手を温めるように握った。 体を抱き寄せると一瞬強張ったが、しばらくそのままでいると落ち着いたように俺に体重を預けてくれた。 女特有の、石鹸のような良い匂いがして、心臓が高鳴った。 最初は頭をなでているだけだったが、我慢できなくなって額に、頬にと唇を軽く付けた。 一度顔をはなして向き合うと、今度はシャオルーの方から唇を求めてきた。 服の中に手を入れて肌に触れると暖かくて軟らかかった。 そのままベッドの上に倒れ込んで絡み合った。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 02:41:42.10 ID:SUCj4HiVP たぶん、こういうのって、勢いが物を言うんだろうか。 自分の場合は計画的にゆっく事を進めるよりも、思い切って当たって行く性分なんだと気付いた。 結局その日、出会ったばかりのシャオルーを抱いた。 緊張のせいか、彼女の中はほとんど濡れていなく、あまり気持ち良くはなかった。 向こうも痛かったんだろうか、抱き合った背中に爪を立てられ掻き毟られた。 コトが終わった後、激しい自己嫌悪に襲われた。 「相手の不安に付け込んだ」「痛がっても止めなかった」 本当に自分勝手なことをしてしまった。。そう思ったけど、たぶんこれは建前。 本音は「これから一緒に住む相手にこんなことして・・・面倒にならなきゃ良いけど」だったと思う。 この晩の出来事がこれからの生活に吉と出るか凶と出るか、大きな不安を感じた。 彼女も同じような事を考えていたと思う。 朝、『私はどうかしている』と、しきりにつぶやいていた。 シャワーを浴びると背中の爪痕が酷く痛んだ。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 02:50:52.68 ID:SUCj4HiVP シャオルーは俺と同じ学校へ入学した。 一緒に学校へ行き、一緒に飯を食い、バイトの時間以外は四六時中行動を共にした。 幸い、シャオルーとの生活は心地よかった。 お互いにつたない英語でコミュニケーションを取るうちに、 いつの間にか俺は中国語訛りの、彼女は日本語訛りのオカシな英語を話すようになった。 ただ、彼女との毎日の生活の心地よさにかまけて勉強をおろそかにする自分に焦りを感じるようになっていった。 シャオルーが渡米してから数か月後、カレッジ卒業の時期がやってきた。 最終試験を目前にして俺の焦りはピークに達していた。 大学の合否が決まる、重要な試験だった。 勉強時間は何とか足りているはずだったが、不安がぬぐい去れなかった。 ここで落ちたら今までアメリカでやってきたことが全て無駄になる。 負け犬として帰国し、また日の当たらない生活に落ちるのだけは避けたかった。 俺は考えた挙句、一方的にシャオルーに別れを告げた。 彼女には相当にひどい仕打ちだと思う。 申し訳ないとは思ったが、なぜだか謝れなかった。 自分のキャパの無さを環境のせいにして正当化しようとした。精神的に未熟だった。 彼女は初めのうちは「別れたくない」と毎晩迫ってきた。 俺は極力家に帰らないようにし、バイトの後も深夜までカフェやファーストフード店で勉強し、 家には寝るためだけに帰った。 彼女も次第に俺を避けるようになっていった。 だけど、同じアパートに住んでいる限り、キッチンや洗面所でどうしても顔を合わせてしまう。 引越したかったが、オーナーとの契約期間が終わっておらず、 金が無かった俺は敷金が戻るまで住み続けなければならなかった。 ひとつ屋根の下、気まずい生活が続いた。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 02:57:27.92 ID:SUCj4HiVP ある日、チエから電話が入った。 大学が決まったというめでたい知らせだった。 トシの方は残念ながら浪人すると言っていた。 心配してトシに電話したものの、トシはケロっとしていて 「一年後は志望学部のランクを上げて受験する」と言った。 俺は自分の試験を目前に控えていることを伝えた。 お互い頑張ろうと誓った。 その後俺は無事大学入学を果たした。 チエとトシに真っ先に連絡した。 二人とも祝福してくれた。 トシは「先、越されちゃったな」と笑っていた。 親も電話越しで泣いて喜んだ。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:03:33.60 ID:SUCj4HiVP 大学生活が始まり、仕送りのおかげで生活が多少楽になると、俺にも仲の良いといえる友達が出来た。 ダイスケ(仮)という日本人と、ナム(仮)・バリ(仮)というインドネシア人だった。 ダイスケは落ち着いた性格なんだけど、酒に弱く、飲むと目茶苦茶なことを平気でしでかす面白いやつだった。 意味の分からない美意識(自分ルール)を持っていて、よく分からないことで急に怒り出す熱い面もあった。 頭はそれほど良くないが、かなりの努力家で好青年だった。 また、空手を習っていたこともあり、武道をかじった者同士、妙にウマが合った。 ナムもバリも華僑3世というやつで、いわゆる金持ちの息子だった。 二人とも「金」に関する教育をずっと受けてきており、拝金主義者的なオーラを持っていたので、始めは好きになれなかった。 バイトの時給を聞かれ、素直に答えて嗤われることもあった。 「「俺たちならその三倍は稼げる」」と言われた。 腹が立ったけど、それまでずっと日本食レストランやカフェでの単純労働しかしてこなかったことを考えさせられた。 二人が親の七光りでなく、自分の力で人生を開拓しようと努力する奴らだったことも大きかった。 バリは学生の身で、完全歩合制の営業マンのバイトで月に5,000ドル(当時の為替で50万円以上)を稼いでいた。 とにかく喧しいやつで、口を開くとしゃべるのが止まらないタイプだったが、その分英語力もバツグンで、何よりユーモアのセンスがあった。 俺にセールスのバイトを紹介してくれたのもバリで、コツを教わりながら頑張るうちに俺の稼ぎは大きく変わった。 ナムはどちらかというと大人しい性格で、周りへの配慮を欠かさない出来た人間だった。 ナムはバイトであろうが事務職、管理職としての職種に拘り、キャリアアップを常に図っていた。 ナムは日本のアニメに詳しかった。思春期をアニメで殺した自分とは話がよくあった。 日本語は全く分からないくせに、ガンダムのセリフだけは異様なほどに暗記していた。 この三人は、カズ、トシ、チエと同じく、俺の生涯の親友となります。 思い出話もいろいろあるけど、エピソードは後ほど紹介させて下さい。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:10:16.97 ID:SUCj4HiVP ある日、トシから電話が入った。 トシの声色はなんとなく暗かった。 久しぶりのトシとの会話は嬉しかったが、バイトの時間が押していた俺は「またかけなおす」と言って電話を切った。 浪人生活で不安を抱えているんだろうなと心配になったが、俺はそのまま仕事に戻った。 俺はトシに電話する約束をそのまますっかり忘れた。 バイトも忙しかったが、大学生活は徐々に充実したものになっていった。 進学した大学には日本の大学と同様にサークルのようなものの勧誘会があった。 俺は剣道部を見つけてダイスケ・ナム・バリを連れて見学に行った。 練習風景を見ると久々に体が疼いた。 親に電話して「もう一度剣道やりたい」というと、わざわざ防具と竹刀を送ってくれた。 入部を決め、書類を提出するとマネージャーに『君は有段者じゃないか!明日の試合は是非出てくれ!』と言われ、入部翌日に試合出場が決まった。 たかだか初段、ブランクも長く弱小剣道部員だった俺に、クラブの期待が集まった。 試合当日、ダイスケ・ナム・バリの三人が冷やかしで見に来てくれた。 予選は一本勝負の団体戦。俺は次鋒を任された。 一回戦の相手は鈍重そうな白人。 ブランクはあっても、正直楽勝に思えた。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 12:24:55.52 ID:PQcuu3t80
乙
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:07:07.62 ID:6NxtIjct0
うほw コピペサンクスであります!
俺も連投規制されたわ・・・ 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:15:04.20 ID:SUCj4HiVP 試合が開始される。 『シャァァァァァァラアアアアアアア!!!!』 白人剣士は咆哮を上げて突撃してきた。 俺は相手の体当たりを正面から受けとめようとして、無残に吹き飛ばされてよろける。 次の瞬間 ゴスッッ!!!! と凄まじい衝撃が頭から首へ走った。 一瞬だった。 三名の審判全員は彼の見事な面に一本の旗を揚げた。 俺はピザデブ白人剣士に秒殺された。 久しぶりに半端じゃなく落ち込んだ。 ダイスケ・ナム・バリの三人は俺を慰めようと必死だった。 試合後、首がしばらく痛んだので病院に行くと、ムチ打ち患者にするような大げさな手当をされた。 その日、剣の道を完全に捨てた。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:23:54.40 ID:SUCj4HiVP >>all こんなおそくまで付き合ってくれて本当にありがとう。 ここから鬱展開入りますので、お願いします。 数日後、突然チエが真夜中に電話をしてきた。 チエは終始泣きっぱなし、「トシが・・・トシが・・・」と繰り返すばかりで、 何を言っているのかさっぱり分からなかった。 (別れたのかな・・・嫌な予感だ。)その予感が的中する程度まだならよかった。 「どうしたん?落ちついて言ってよ」と何度もなだめて話を聞きだした。 「・・・死んじゃった」 チエは嗚咽しながらその一言を発した。 「・・・・え?」時間が止まったみたいな感覚を味わった。彼女の言葉の意味が分からなかった。 泣きじゃくるチエに「泣いてたんじゃ分かんないって!何言ってんだよ!」と怒鳴りつけた。 チエは「トシは最近様子が変だった」と言った。 事故で怪我して、入院していたことを聞かされた。 そんなこと俺は全く知らなかった。 院外外出中に階段から転落死した、自殺かもしれないとチエは言った。 それを聞いて、何か喋ろうとしたけど、出るのは意味不明な叫び声だった。 お互い会話にならなくなっていた。 口にしょっぱいものが入って、泣いている自分にその時気付いた。
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:30:11.19 ID:SUCj4HiVP ふと俺は数日前にトシが暗い声で電話をかけてきたことを急に思い出した。 電話をかけなおす約束をして、そのまま忘れていたこと。 一気に青ざめた。 「・・俺がちゃんと電話してれば」 「え?」 「・・・・俺がちゃんと電話返してやればよかった」 そんな感じでつぶやいたんだと思う。正直あまり思い出したくない。 チエは急に泣きやんで、怖いぐらい静かに言いだした。 「・・・酷いよ。(俺)ちゃん・・・・トシの事見捨てたんだ」 「・・・何で見捨てたの!!!!??」 その後はさんざんに罵倒された。 彼女は半ばパニックで、コントロールの効かなくなったスピーカーのように俺をなじった。 【人殺し】とも言われた。 でも、彼女の言葉は正直もう頭に入ってこなかった。 一人叫び続けるチエの声を無視して受話器を置いた。 俺はリビングで笑うように泣き、その後絶叫しながら電話をぐちゃぐちゃになるまで叩き壊した。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:40:24.06 ID:SUCj4HiVP 暴れる俺の様子をシャオルーが物陰からオドオドしながら見ていた。 視線に気づいた俺は「何見てんだ!!ふざけんな!!!」と日本語で怒鳴りつけた。 彼女の怯える視線が心に突き刺さるように感じた。 俺はもう原型をとどめていない電話機を振り上げてまた床に叩きつけようとした。 「Please! Stop it! You’re gonna hurt yourself!!」急に彼女が叫んだ。 彼女からしてみたらいきなり暴れだして怖いはずだし、そもそも勝手に自分をフッた男。 それでも『もうやめて!怪我する!』と心配してかけてくれた言葉だと思う。 彼女は俺に飛びかかり、叫びながら俺の手を掴んだ。 『大丈夫だから・・・落ち着いて』 シャオルーの声を聞くと体から一気に力が抜けた。 俺はそのまま膝から崩れ落ちた。 もうどうでもよくなって、プラスチックと金属の破片が散らばる床に倒れ込もうとしたけど、すんでのところでシャオルーに抱きかかえられた。 彼女はそのまま俺をソファーの上に押し倒して、抱きしめた。 俺は後悔と恐怖と情けなさで顔をグチャグチャにした。 彼女の服もベチャベチャになったが、彼女は気にせず、ずっと俺の頭をなで続けた。 俺は泣き疲れて眠りに落ちた。
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:23:59.44 ID:xK+o59mG0
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:47:58.02 ID:SUCj4HiVP その日は最悪な夢を見た。 水たまりの上を歩いている自分。周りは暗く、何も見えない。 ただ、先にぼんやりと光るものがあって、俺はそれを追うように歩き続ける。 追いかけると、だんだんとそれが形を現し出した。 ・・・人形のような形、あのキャンプの時、祠からカズが持ち出そうとした木の人形だった。 水たまりだと思っていた地面はいつの間にか池のような水場に変わっていた。 人形は誘導するようにスーっと闇の中を進んでゆく。 水はいつの間にか膝元まできていた。戻ろうと思った瞬間、自分の進む先に岸が見えた。 岸の上ではカズとトシが俺に向かって叫んでいた。だが二人の声が届かなかった。 「聞こえない!まってよ!」と叫びながらジャブジャブと水の中を進んだ。 胸元までに迫る水をかいて、必死に叫び続けた。 トシとカズの声もなんとなく聞こえる。 「・・・な!!!」「・・・・・・せ!」 俺は岸に近づこうと必死に泳いだ。 (また二人に会える!)そう思った瞬間、二人の声が聞こえた。 「「・・・るな!・・・来るな!!引き返せ!!!!」」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:54:07.69 ID:SUCj4HiVP 「ッ!!!!!!!」 息が詰まらせたような声を上げて飛び起きた。飲み込もうとした唾が器官に入ってむせた。 体中から汗が噴き出ていた。これが今まで見た中で一番キツイ夢だ。 起きてすぐに、夢の中の川の向こう側 = 二人が死んだことを強烈に意識させられる。 普通、夢なんて起きたら忘れてしまうけど、この夢はあまりに印象が強くて忘れることができなかった。 窓の外を見ると夕方なのか明け方なのか分からないような明るさだった。 ひんやりした空気を感じて恐ろしくなって震え出した。 「クソッ!!!」と声に出すと、頬に何かが触れる感触がした。 シャオルーの手だった。彼女は俺の顔を見て何も言わず、ただ俺の頬と頭をなでた。 彼女の服の胸元が黄ばんでいた。血のようなシミもついていた。 唇が妙に痛み、自分で噛み切っていたことに気づいた。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 03:59:38.90 ID:SUCj4HiVP 『・・・落ち着いた?』彼女が尋ねる。 『・・・ごめん・・・服』 『気にしないで。・・まだ明け方だからもうちょっと寝る?』 『寝たくない・・・怖いから』 『・・そう』 シャオルーの目はただ優しくこっちを見つめていた。俺はまた泣き出した。泣きながら、彼女に全部打ち明けた。 高校の時に親友の一人を失ったこと、病気になって高校を中退したこと、日本に残してきた親友に支えられてアメリカに来たこと、 シャオルーを突然突き放した理由、そして、また、親友が一人死んだこと。 『・・ごめんね。辛らかったよね。でも私は(俺)のそばにいるよ。』 初めてシャオルーと会って、慰めた日にかけた言葉をそのまま返された。 そう言って彼女は一層力強く俺を抱きしめた。ずいぶんと勝手にシャオルーを突き放したはずだった。 こっちが落ち込んだ時に勝手に甘えるのは申し訳なく、情けなく、辛かった。それでも彼女はそんな俺を受け入れてくれた。 その後、何回も同じ夢を繰り返し見るようになった。眠るのが怖くなり、睡眠時間を意図的に削った。 疲労が溜まり、またパニックの病状がぶり返すようになったが、シャオルーの支えもあり、なんとか大学へ通い続けることが出来た。 ダイスケ、バリ、ナムと一緒にバイトを始めて、仕事もなんとか励まされながら続けることが出来た。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:07:45.94 ID:SUCj4HiVP 高校の頃と比べ、学校も私生活も、何もかもが恵まれていたおかげかもしれない。 カズの時と比べて精神的な回復は早かったと思う。 ただ、不定期にチエからかかってくる電話にはずっと気を揉んだ。 電話の内容はいつも決まっていた。まず前の電話で俺を責め立てたことを謝る、そして、自己卑下を繰り返す。 俺が励ますと、それに反発してまた興奮し俺を責め立てる。その繰り返しだった。 俺は夜の時間のほとんどをチエとの電話に費やした。 睡眠不足と疲労で倒れたこともあったけど、今回どん底にたたき落とされたのは俺ではなくチエだった。 今度は俺が支えてやりたいと思った。 普段物静かなシャオルーは、決して人の悪口を言うような人間ではなかったけど、俺が日本に残してきた親友 = チエに対してだけは、敵意をむき出しにした。 一度、電話中にシャオルーに受話器を奪われ、『いい加減にして!(俺)がどんなに苦しんでるのか知らないくせに!!』と叫んだことがあった。 英語だったので、当然チエは何を言われたのか分かっていなかったけど、状況だけは直ぐに理解したようだった。 「そういうことか。・・・自分は幸せだから、トシも私もどうでもいいんだろ!!死んじまえ!!」と言われて電話を切られた。 これには正直堪えた。シャオルーは俺に謝ったが、彼女を責めるわけにもいかない。ただ悲しくなった。 そんなことがあっても、チエは俺への電話を止めなかった。 泣きながら「あんなこと言ってごめんね」と言い続けた。 受話器越しの会話でも、チエがただ俺に縋っていることだけは感じ取れた。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:14:15.69 ID:SUCj4HiVP 午前の授業中に突然電話がかかってきた。 ディスプレーには【unknown number(非通知)】の表示でチエなのはすぐに分かった。 時間を計算すると日本では夜中だった。ため息をついて教室を抜け、電話に出ると 「もう(俺)ちゃんに迷惑かけない。ごめんね。さよなら。」 とだけ言われて電話を切られた。すぐに掛け直したけど繋がらなかった。 嫌な予感がして、俺はチエの妹に電話をかけた。幸い妹は起きていたようですぐに出た。 「チエがおかしなこと言って電話を切った!あいつ、今どこにいるの!?」と妹に聞いた。 すぐさま階段を昇る音、ドアを無理やり開ける音が受話器から聞こえてきた。 「姉ちゃん!!!!」妹の叫び声が聞こえてきた。 何があったかはもちろん見えないけど、妹がパニクっていたので直感的にチエがどんな状態なのかを感じて、すぐに救急車を呼ばせた。 チエは手首を切っていた。全治2週間。通院して体は治っても、心の傷が癒える見通しは全くなかった。 それからチエの不幸は重なった。妹が重い病気にかかり、家族は妹に付きっきりになった。 チエは家庭でも孤立した。手術や入院でとてつもない額の金が必要になったらしい。 チエは高校の頃から努力家で優秀だったが、トシが死んでから大学にはほとんど通わなくなっていた。 単位も危ういような学生に付く奨学金は当然なく、チエは大学を辞める羽目になった。
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:39:32.88 ID:xK+o59mG0
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:20:14.65 ID:SUCj4HiVP チエに連動するように俺の精神状態も悪化した。家にいても常に嘔吐感に襲われるようになった。 ほとんど食べ物を受け付けない体になり、些細なことにすぐに反応して狂ったようにキレるようになった。 シャオルーにも何かにつけて当たり散らすようになった。それでも彼女は懸命に俺の面倒を見てくれた。 毎日滋養のありそうな中国の料理を作ってくれた。一口食べては吐き戻したが、シャオルーは何も言わずに汚物の掃除をした。 彼女は俺にチエと縁を切るように迫った。心使いには感謝していたが、彼女の口からチエの名前が出るのが無性に癪に障った。 シャオルーは俺がどれだけ酷いことを言っても我慢した。 彼女は学校の勉強の合間に日本語を勉強し、日本語での日常会話とまではいかないまでも、英語と日本語まぜこぜの会話ができるようになっていた。 彼女は俺にも中国語を勉強するように勧めてきた。休みには一緒に中国に旅行に行こうと誘われた。 俺は彼女に意地悪をしたかったんだろうか、そういう誘いは断固として拒否した。 優しく温かい彼女から一時も離れたくないと普段は思っていたが、シャオルーが中国人であることを意識した瞬間、俺は何かのスイッチが入ったかのように彼女に敵意を向けた。 中国人を見かけると、カレッジ時代、アジア人留学生に馬鹿にされていた鬱憤をなすりつけるかのように、彼女の前で中国人を馬鹿にした。 「同じアジア人にくくられるだけで反吐がでる」と言い棄てて無意味な優越感に浸ろうとした。 俺がそういうことを言うと、彼女は決まって何も言わずにうつむき、ただ悲しそうな顔をした。 俺も言った後で虚しくなるだけだったが、言うのを止められなかった。 中国人である彼女の前で、何でこんな酷いことを言ったのか。 今考えると、あの時の自分が何を考えていたのか全く分からない。 ただただ本当に自分は最低だった。
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:53:59.77 ID:MxK+qnTsO
コピペサンクス。しかしドラマチックちゃ聞こえが いいが1の周りの人間弱すぎだろjk どんだけ簡単に命投げ出してるんだよ
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:57:12.40 ID:9PQc82CRO
元気出た! ありがとう。
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 13:59:48.39 ID:0yyQqz5fO
>>1 ,.−' ハヾ! 〃,.、 `ー-、
,.-'´ _,.イ ∠三ミヾ!/彡ヽ、ヽ、 `ヽ
/ / ,.' ,.! / _____,.ュ ヘ ̄`ーヽト-、 ヾ、
!イ ! / / ヾ'´_____::::::::::`ー-、 ヽ ヽ !
'‐-、___,.-、_ .} レ'〃イ 〃 ヾ::::::::r===、ヽ、! ト、!
`ーr-ニ=‐、_',__/.! 〉___,.ヾ、__,.ノ___ ii ii L_ ! _,.-=‐'⌒゙`ー‐'´
,.‐'´__,.--、ヘ `ヾニュ‐‐‐'´ ´ ,. 、ヾニ=<___fr=}==ニニ‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄
ー<  ̄ヽ、 ii f‐、 ∠=イ /
ヽ ___`‐ヾ、',ヾ ii´ ̄ ̄`‐ァ、 ∠〃f'!/ . /',
 ̄ ̄ /::.::.::.::.: ̄`i !! ii| ̄ ̄`~^ソ 〃, '/ _ノ L__
. !::.::.::.::.::.::/} i |::::::::::::::::::,' 〃/〃‐----、 . / `ヽ
. !::.::.::.::.::./::.:{ ',.|:::::::::::::::::{ / /:、.::.::.::.::.::.`ヽ / ..::::::::::::::::::::...ヽ、__
f、::.::.::.::.::ヾ、! i|r‐、,.‐ 、// /::._〉::.::.::.::.::.::.ノ /!!u..○:::::::::::○::.. ',ヾ=-、__
!::',::.::.::.::.::r=! !| ii/ K='__::.::.::.::.::.::/!\//:::! u !::::} !
/´::.:',::.::.::.スヾ' ,.仆、 ,./ii !_,/ 〉::.::.::.::∠rァ/.!.!:::,' _ _ ,._,.-、_ ',::/,.勹
. /::.::.::.::.::.::ノ::ヽヽ 〃K-=ニ=、_K //::ヽ::.::´::.://! ヾ、::! ´ ` ´` y'´〃
f'::.::.::.::.::./::.::.::.ヽ ヾ' ト‐----‐'、〉-' /::.::.::.{::.::.::.::} ! ii ヽ=、 r-------ュ /`ソ /`
!::.::.::.,.-'´::.::.::.::.::.ヽヽトr--ァr‐'{__./::.::.::.::.::.}::.::.::.:! ! ハ ', .', { ii ii ii ii .ii| / 〃-' /
,.-'´::,.-'´::.::.::.::.::.::.::.::.:ィ7/;;;;;;;! !::.::ヽ::.::.::.::.::.::.::.ヽ、::.::L! ト、`ヽLx=ニニニニニニニf‐‐'´ /
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:24:26.66 ID:SUCj4HiVP シャオルーに中国旅行に誘われたのと同じころ、ダイスケに「日本に一度帰ったらどうか。俺も用事があって帰らなきゃならなくなったから、一緒に帰ろう」と誘われた。 ダイスケは俺の悩みを知っていた。「日本に帰って友人を励ましてやればいい」そう言った。 俺はチエを励ますことに加え、きちんと通院して自分の病気も治したいと考えた。 シャオルーが一緒に中国へ行きたいと言っていた夏休みの計画。 ほとんど迷うことなく、日本への一時帰国を選択した。 帰国前夜、シャオルーは荷造りをしていた俺をいきなり押し倒した。 いつもの彼女とは思えない激しい口付け。すぐに服を脱がされて丸裸にされた。 シャオルーは普段絶対に自分から俺を求めたりしなかった。 彼女の初めての行動に始めは戸惑ったが、嬌声を上げながら腰を振る彼女の姿が戸惑いを激しい興奮へと変えた。シャオルーは泣いていた。泣きながら俺を求めた。 果てた後も、ずっと泣いていた。 シャオルーに対する愛情(そんなこと言う資格があるかは分らないけど)を感じたのはこれが初めてではないけど、この時ほど彼女を手放したくないと思ったことはなかった。 『ごめん、すぐ戻ってくるから。今まで嫌なことばっかり言って本当にごめん。友達を元気づけて、俺もカウンセリング受けて病気を治してくるから。そしたら、シャオルーのこと、今度は絶対大切にするから。』 と伝えた。行為の後もずっと心臓が高鳴っていた。 シャオルーは俺の顔を見つめて目を瞑るとまたキスをした。涙と汗の味がしてしょっぱかった。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:30:55.98 ID:SUCj4HiVP 帰国の日、ダイスケとは一緒のフライトで成田へ行き、途中の駅に着いてから別れた。 別れ際に「友達の事、辛いかもしれんがガンバって励ましてやれよ。お前はいいやつだから、絶対にみんな良くなるって。」 「夏休み中はお袋のケータイ持ってるから、愚痴りたくなったらいつでも電話してこい。」 といろいろ励まされた。日本での連絡先を交換して、俺は実家へ向かった。 地元に着いてから、荷物を抱えたまま一番に墓地に向かった。 カズが眠る場所。前に来たのは一回きりだった。カズが今頃どんな思いでこっちを見てるのか、知りたかった。 トシもそっちに行ってしまった。チエや俺のことで気をもんでくれているに違いないが、できれば二人で楽しくやっていて欲しいとも思った。 トシの家にも挨拶へ行った。部屋はそのままにしてあると言われたけど、トシの部屋の家具の間取りは俺の知っているものと違っていた。 チエとの思い出の品っぽいものもたくさん置いてあった。 たかが1年強だけど、お互い顔も見ることができずにいた時間の長さを感じた。 リビングにはえらく立派な仏壇が飾られていた。焼香し、手を合わせてトシに伝えるように(お前のおかげで俺はなんとかやっていけてる。このまま頑張るから)と念じた。 帰り際、おばさんに「トシの分まで頑張って、ちゃんと卒業して日本にまた帰ってくるんだよ。」と言われた。おばさんの目は真っ赤だった。
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 14:07:55.14 ID:xK+o59mG0
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:33:42.19 ID:SUCj4HiVP 数日後、チエに連絡を入れて彼女の家を訪れた。 ブザーを鳴らす時は心拍数が跳ね上がった。チエに会いたくなかったわけじゃないけど、正直何を話せばいいのか分からなかったし、覚悟が定まってなかった。 「(俺)ちゃん?」 チエの声だった。恐る恐るドアを開ける感じでチエが外を覗いていた。 「・・・久しぶり」 それしか言えなかった。姿を見せたチエは、高校の頃と比べてかなり痩せていた。 俺も人のことを言えた状態ではなかったが、拒食症状を起こしているとすぐに分かった。 それでも綺麗な顔立ちとセミロングの髪はそのままだった。 家にはチエ以外にだれもいなかった。きっと家族は妹の看病で病院にいるんだろう。 チエの部屋は俺の知っていたものとまるで違っていて、グチャグチャだった。 小一時間くらい近況を報告して、いろんな話をした。 アメリカがどんな所か自慢げに語った。チエのおかげだとも言った。 チエは楽しそうだったが、トシの話になると二人とも押し黙った。 「ごめん、飲み物でも持ってくるね」チエはそう言って部屋を出ていった。 部屋はエアコンも入っておらず、めちゃくちゃに蒸し暑かった。喉がカラカラだった。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:39:32.88 ID:SUCj4HiVP 部屋に戻ってきたチエは様子がおかしかった。しばらくうつむいていたチエは急に「(俺)ちゃん・・・ごめんね」と言って立ち上がり、いきなり服を脱ぎ出した。 俺はすっとんきょうな声を上げた。あまりの驚きに、座ったままのけぞり、思わずあとずさった。 チエはあっという間に上も下も脱ぎ捨て、俺の目の前で丸裸になった。 胸も下も隠さず、ただ、左腕だけを隠すようにして立っていた。 「な!?・・・え!?・・・ちょっと!」 尻もちをついたまま思わず目をそらすと、チエは俺に覆いかぶさった。 「わたし・・・わたしにはもう誰もいないから。(俺)ちゃん以外・・・」 チエの行動を理解できなかった。「わかったから服着なって!」と叫んだ。 チエは全く聞くそぶりを見せず、俺の頭を抱え込んで耳にキスをした。 俺は暑いのと驚いたので汗だくになっていた。「・・・好きなようにしていいから、そばにいて」 チエの言葉に頭がおかしくなりそうだった。中学・高校時代に俺が夢にまで見た女が目前で抱いて欲しいと懇願していた。 チエを想像して自慰行為にふけった時でも、ここまでのシチュエーションは想像したこともなった。 男の欲求に飲み込まれそうになった時、チエが隠していた手首が見えた。彼女の手首は傷だらけだった。 ぞっとしたが、かえってそのおかげで頭が冷静になる。
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 14:10:02.96 ID:7aYXQcRcO
どんだけ暇なんだよ てかどんな気持ちでvipにかいてんの?投稿して200万ゲットとかねらえば? きもちわりい
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 14:10:49.56 ID:vjTyYsfj0
チェさんは韓国人?
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:44:00.97 ID:SUCj4HiVP 「・・・ごめん、離れて」そう言うとチエの体が一瞬強張った。 お互いに顔が見られる距離までチエの頭が離れた。「(俺)ちゃんが私のこと気にしてくれて、嬉しかった。・・・だから」 俺は最後まで聞くことができず、目を背けた。その瞬間、唇が温かい感触に覆われた。口の中に何かが入ってきた。 チエの舌だとわかるのに結構時間がかかった気がする。俺はチエの豹変ぶりに半分恐怖して目を瞑り、されるがままになった。 その時間が長かったのか短かったのか分からない。急に瞼の裏で何かがチラついた。 シャオルーなのかトシなのかわからない誰か。とにかく知ってる顔だった。 俺は大切なだれかを裏切ることになることに恐怖を感じて、チエを突き飛ばした。 唾液が糸のように口と口の間をつたった。それを片手で拭ってチエが言う。 「・・・知ってるよ。(俺)ちゃん、ずっと私のこと好きだったでしょ?」 挑発的な目だった。彼女の言っていることに間違いはない。が、その一言を聞いて、今度は違う意味で頭に血が上った。 「・・・トシが怒るから、そういうのは止めよう」 かなり怒気を含ませて言った。 トシの名前を出したせいか、怒っているのが伝わったせいか、チエの体が固まった。 すぐにでもその場から逃げ出したかったが、チエの腕の傷が気になった。また馬鹿な真似をしそうで心配だった。 「俺もカウンセリングがあるから今日はいったん帰るよ。明日一緒に飯食いに行こう。」そう言って、服を着させた。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:48:12.22 ID:SUCj4HiVP 家を出ると外は大雨だった。自分の股間が痛いくらいに勃起していることに気づいた。 濡れながら全力で走った。走りながら大声で叫んだ。叫び声は雨音にかき消された。 久しぶりに走ったせいですぐに息切れした。立ち止まって息が少し整うとまた全力で走った。どれだけ走って叫んでも勃起が止まなかった。 翌日から通院を始めたものの、カウンセリングにはまったく集中できなかった。 医者の話はいつも上の空だった。ただ、処方された薬の効果か、日本にいる間、症状は抑えられた。 それからチエと何回かあった。会うたびに彼女は間違いなく孤独なんだと感じた。 なるべく多く時間を取って、彼女と外に出かけるようにした。チエはアプローチ的な行動をとることがあったけど、何とか平静を保った。 夏休みは長かった。高校の同級生とばったり顔を合わせると「生きてたの?ww」と言われた。 こいつらの顔を見るのが嫌で仕方なくなった。親とチエ以外に会うべき人間がいなかった。 チエには申し訳ないが、早くアメリカに戻ってシャオルーや友達と会いたいと、すぐに考えるようになった。 シャオルーに電話して『早く会いたい』と何度も言った。電話をすると彼女はいつも嬉しそうだった。 そんな夏休みも終わりに近づいた。俺はダイスケと帰りの便を合わせていた。 成田の待ち合わせ場所に向かう途中で、皆へのお土産を買った。 シャオルーは日中英語の電子辞書、ナムにはガンプラ、バリには必勝鉢巻とオナホールを買った。 荷物がパンパンになったが、お土産に喜ぶ(バリ除く)皆の顔を想像してほくそ笑んだ。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:52:22.53 ID:SUCj4HiVP 空港でダイスケを発見し、手を振った。ダイスケは何故か丸坊主になっていた。理由を聞くと照れながらもはぐらかされた。 久しぶりに友達と会えた俺は終始ニコニコしていた。空港、機内でずいぶんと酒を飲んで、アメリカに着くころには二人とも二日酔いになっていた。 空港に着くと、バリとナムが迎えに来ていてくれた。 ガンプラを手渡すと飛び跳ねて喜ぶナム。『家に帰ったら速攻つくる!』とはしゃいだ。 バリへのお土産は『なんじゃこりゃ!?』と、予想通りのリアクションだった。 ダイスケが『全裸になり、鉢巻を頭に巻いてからホールに挿入するのが日本流だ』と言と、『Fuck you! www』と笑いながら声を上げた。 自分たち4人と、こっちを見ていた外人全員が大爆笑した。 その後、四人でタクシーを捕まえた。バリは帰り道、何故かずっと必勝鉢巻を逆さに巻いていた。 家に戻った俺はリビングに荷物を放り投げ、シャオルーの部屋をノックした。 一秒でも早くシャオルーを抱きしめたいと思っていた。 俺はプレゼントを背中に隠して彼女が出てくるのを待った。 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 04:58:31.40 ID:SUCj4HiVP 扉が開いた瞬間、満面の笑みを浮かべていた俺の顔は歪んだ。 出てきたのは見たことのない白人の女だった。 『あれ?シャオルーの友達?』 『私、最近引っ越してきたの。あなたの事はオーナーから聞いてるわ。リビングに住んでるんだよね?これからよろしくね!』 女は元気にそう答えた。 シャオルーが俺の前から消えた。オーナーは、俺がアメリカに戻る1週間ほど前に突然引っ越したと言った。 電話をかけても全く繋がらなかった。リビングに行くと、俺の荷物はきれいに整理されていた。 シャオルーの部屋に置いていた俺の小物も、丁寧に俺のベットの上に置かれていた。 枕もとには書き置きがあった。後に破り捨ててしまったため、詳細は覚えていない。 ただ、「(俺)のもとを去ると決めた」という内容が綺麗な筆記体で書かれていた。 手紙の終わりには下手くそな平仮名で「ごめんなさい」とあった。 その部分は一度水で濡れてふやけたようにボコボコしていた。俺は呆然とした。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:02:52.91 ID:SUCj4HiVP そのあとしばらくふさぎこんだ。畳まれた自分のシャツを抱き抱えると、シャオルーの残り香がした。 俺は帰国前のシャオルーの涙の意味を考えた。彼女はもうあの時から別れを決めていたのかも知れない。 シャオルーに渡すはずだった電子辞書を開けた。発音機能付きの高価なものだ。 「wo yao ni 我要你」 文を入力して何回も発音させた。機械音が虚しく響いて涙を誘った。 一度入力をデリートして「我爱你」と入れたけど、発音ボタンが押す資格はないと思い押せなかった。 自分が初めて、本当に人を好きになったということに気づいた。 なんで彼女のことをもっと考えてやらなかったのか、何でいつも悲しませるような態度しかとらなかったのか、後悔なんていう言葉じゃ言い表せないほど、過去の自分をズタズタに殺してやりたいと思うほどに自らの行いを悔いた。 俺はその日からまた家に帰らなくなった。毎日バリやナムの家に入り浸って、酒を飲んだ。 ただ、チエの電話には俺は気丈にふるまった。 チエの電話は相変わらずだった。チエと電話越しに喧嘩して落ち込むたび、シャオルーがどれだけ俺の為に気を使ってくれていたか気づいた。 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:06:07.19 ID:SUCj4HiVP ある日ダイスケは電話で俺を呼び出した。実はダイスケにも華僑の彼女がいて、ずっと一緒に生活していた。 彼女と同棲してる奴の部屋には流石に入りづらい。だからダイスケの家に行くのはこの時が初めてだった。 ダイスケの部屋に案内されると、一匹の子犬が飛び出してきた。ダイスケが動物を飼っていたことを初めて知った。 部屋は男臭く、とても女と住んでいるは思えなかった。聞くと、彼女は夏休みになると同時に故郷のマレーシアに帰国してしまったそうだ。 ダイスケはグラスに酒をついで俺に差しだすと言った。 「いつまで塞込んでるつもりだ?」いきなりだった。 「まぁ、女につけられた傷がなかなか癒えないのはわかるけどな。・・・お前、友達と会ってきたんだろ?・・・日本に帰るように焚きつけた手前で悪いけど、 正直彼女、お前がどんだけ励ましても良くならないだろ?」 いきなりチエの話題を振られ、俺は固くなる。「今のお前と一緒なんだよ、そいつも」 思わずダイスケを睨むが、奴は構わずに続けた。 「落ち込んでる奴に周りが手を差し伸べても、本人に‘そこから抜け出そう’って意思がなきゃ絶対助けられないんだよ・・・わかるか?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:09:49.70 ID:SUCj4HiVP 俺はハッとした。確かにそうだ。俺はいつもチエを励まそうと言葉をかけるが、彼女はそれを否定して自分を卑下し続けた。 俺はダイスケやナム、バリに対して全く同じ行動を取っていた。自分を全て見透かされた気がして、俺はその場で縮こまった。 「実は俺、お前に言ってないことがあるんだよね。俺の彼女のこと。あいつもその手の病気持ちでさ、帰国させたのもそういう理由だよ。」 「手首切ったり、首吊ろうとしたり、もう滅茶苦茶だったよ。故郷に帰れば少しは良くなるのかと思って説得したんだわ。」 「彼女だけじゃないな。正直言うと、俺自身の人生もお前と張れるくらいヤバくなってきたしな。」いつも馬鹿なことしか言わないダイスケの顔が一瞬曇った。 「俺が今回帰国した理由言ってなかったよな?俺の家さ、親が自己破産して離婚したんだ。」 「は?」 ダイスケの言葉に思わず間抜けな声を上げる。「帰ってからパスポートも書き換えたんだよね。」 ダイスケは「ホレっ」とパスポートを放り投げた。慌ててキャッチして中を開くと、ダイスケの苗字が別のものになっていた。 「母親についてくことになって、苗字を移したんだよ。」言葉が出せなかった。 いつも何食わぬ顔で俺を励ましてきたダイスケにこんな事情があったなんて全く予想外だった。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:11:35.76 ID:SUCj4HiVP 「今まで親の脛かじりで勉強も適当にしかしてこなかった俺が、こんな状況受け入れられるわけないと思ったけどな。こうやってまたアメリカに戻ってきたのはお前のおかげなんだよ。」 また予想外の言葉。 「カレッジの時のお前の境遇、知ってるからな。俺も頑張らなきゃいかんと思って髪も剃ったよ。あんま意味無いけど、気合いってやつ?」 今あるものを全部捨ててでも目標を達成する。ダイスケはそんな覚悟に満ちた男の目をしていた。 俺もカレッジにいた時はこんな顔をしていたんだろうか。ダイスケの言葉は一語一語全てが重かった。 「俺もバリもナムも、お前にずっと手伸ばしてるんだから、いい加減に自分で掴んで、早く這い上がって来いって。」 俺はボロボロに泣いていた。男友達に涙を見せたのはダイスケが二人目だった。 ダイスケはその後すぐにもとのいい加減なキャラに戻ったが、その時言われた言葉はずっと頭の中に残った。 ダイスケは尊敬に値するすごい奴だと感じた。 「だいたいお前は固すぎなんだよ。羽目外したっていいじゃねえか。そういうのならいつでも付き合ってやるぞ。羽目じゃなくて道踏み外しそうになったら俺らがまた引き戻してやるからさ。フラれた時くらい思いっきり馬鹿やろうや。」 ダイスケは半分照れながらそういった。 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:14:32.60 ID:SUCj4HiVP 俺はその後、ベロベロに酔っぱらい、ダイスケに連れられて初めて風俗へ行った。 アメリカでの売春行為は、一部の州を除いて非合法だ。だが、ダイスケはその辺の裏事情に異常に詳しかった。 法の目を掻い潜った本番アリの風俗をいくつも知っていた。俺が選んだ嬢は韓国人で容姿はモデル並に綺麗だった。 (日本のシステムとの違いを後で知ったんだが、あっちは日本と違って写真だけじゃなく、実際に女を見て選ぶことになっている。もちろん指名料もかからないし、イイ子がいなければ帰ってもよい。) ダイスケの方はと言えば、俺に先に選ばせたのはいいものの、残った嬢が結構不細工でずっと唸っていた。 これで同じ金額なのは納得いかないだろうが、奴は悩んだ挙句、一人を指名して別の部屋に消えていった。 プロの技は正直言ってすごい。今までに経験したセックスとは全然違った。 女にフラれて心に穴が開いた俺が簡単にのめり込んだのは言うまでもない。 それからはバイトの給料日にダイスケと風俗に行くのが恒例となった。 稼ぎが少なかった時はお互いに食費を削って融通した。また、風俗通いをするようになって、いつしか煙草も吸うようになっていた。 「なぁ、俺今道踏み外してね?」というとダイスケは「今頃気づいても遅いなぁ〜ww」と笑って言った。
いいよぉー。面白い
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/22(火) 14:55:54.56 ID:nn9qhNvy0
xK+o59mG0 規制?
はろうか?あと5,6レスで避難所はおしまい
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:20:07.54 ID:SUCj4HiVP ある日ナムから電話がかかってきた。 『俺、アパートの契約がもうすぐ切れるんだけど。お前の契約は?よかったら一緒に住むところ探さないか?』 ナムはそれまで一人でアパートを借りて住んでいた。契約の更新も出来たが、賃料が上がるためにそれは考え中で、どうせなら独り身になった俺と共同生活をして家賃をうかそうと思ったらしい。 俺はその提案に飛び付いた。シャオルーが去ってから、なんとなく自分の家にいるのが嫌だったし、もう敷金が戻ってくる契約期間は過ぎている。俺は2年以上住み続けた家から出る決意をした。 ナムとの部屋探しを始めてしばらくすると、ダイスケが共同生活に参加したいと言い出した。 理由は「犬が不動産屋に見つかった」からだった。『犬を処分するか、今すぐ出て行け』と言われたらしく、ダイスケは憤慨していた。 不動産屋の言うことは当然だが、ダイスケの気持ちもわかる。 その犬は元々彼の犬ではなかった。どこぞの金持ち中国人留学生のカップルが元の飼い主で、女の我儘で飼い始めた犬。 恋が冷めて二人が別れると、面倒を見切れなくなった男の方がダイスケに一時的に預かってくれないかと尋ねたらしい。 当然アパート住まいのダイスケは飼うことができないが、保健所送りになるならばと、新しい飼い主が見つかるまでの約束で引き取った。 その中国人はその後音信不通。ダイスケは止む無く隠れながら子犬を養うこととなった。 そんな性格のダイスケだ。不動産屋の『処分』という言葉に激怒し、『今すぐ出てってやんよ!Fuck You!』と伝えて家を出ることを即決した。 そして俺とナムとの共同生活の話を思い出し、連絡を入れてきた。新しく見つけたアパートはバリの住むマンションの向かいだった。 間取りはベットルームが二つと広いリビング。家賃もそこそこに安く、なかなかの物件だった。 俺とナムが一部屋ずつ寝室に使い、リビングのスペースにダイスケと子犬が住むことに決めた。 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:21:46.84 ID:SUCj4HiVP 親友と同じ家に住むってのは本当に貴重な経験ったと思う。 四六時中一緒にいると良い面・悪い面合わせて今まで知らなかった一面がわかるし、そのおかげで絆も深まった。 バリも近所だったので、結局俺達の家に入り浸りで、ほとんど毎日一緒に仕事に行ったり、学校に行ったり、遊んだりした。 こう言うのもなんだけど、3人とはカズやトシ以上の仲になれたと思う。3人は自分の一生涯の友達だと思ってる。 バリとナムのエピソードをまだあまり語ってないので、ここらでどんな奴らだったか紹介させてください。
俺がもってる過去ログはここまで
>>243 規制だよー
2回も喰らった
>>244 よろしく
俺もこっから先見てない
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:27:40.02 ID:SUCj4HiVP バリの親は事業家だった。親の事業の為に、三人の中で唯一米国のグリーンカード、いわゆる永住権をもっていた。 その生まれもあって金銭感覚にシビアで、金の話に目がなかった。 前にも書いたけど、俺はバリと会った当初、彼の拝金主義者的な考え方が嫌いで、自分からバリと仲良くしようとは思わなかった。 でもバリは俺が今まで嫌悪してきたボンボン達とは違った。 カネの使い方を心得ていて、自分のしたいことや欲しいものがあれば、親にねだらずに自分で努力してそれを必ず稼ぐ男だった。 俺やダイスケに稼ぎのいい仕事を紹介してくれたのもバリだった。俺は彼のおかげで自分のキャリアや将来についていろいろと考えるようになった。 バリはビジネスとプライベートの分け方が4人の中で一番上手だったと思う。 客や知らない人間の前ではネイティブと殆ど変わらないような流暢な英語を喋ったが、 俺達3人とはブロークンなお馬鹿英語ばかりを使った。 日本語訛りやインド訛りの英語をマネするのが上手く、よく俺の英語をからかってきたが、不思議と嫌な感じはしない。バリが口を開くと俺はいつも笑った。 遊びにはいつも真剣で、ゲームをしている時もガキのように熱くなった。 今時小学生でも言わないような戯言を口にし、人に面白いことをさせようと煽る。 バリが突然『警官の前で貧血のふりして倒れこんだ奴が優勝!』というと、ダイスケが何も考えずに即実行する。 何ともくだらないけど、そのやり取りが実に面白かった。 ただ、自分がやるように煽られると、ひたすらチキンな性分を晒した。 加えて、ダイスケが酔って暴れると、すぐに部屋の隅で固まって大人しくなる。 あまりの根性の無さが、また、彼のオモシロイ性格を際立てた。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:33:30.19 ID:SUCj4HiVP
>>108 心配してくれてありがとう。一応休みだから大丈夫ですよ。
>>all も付き合ってくれてありがとう!
ナムの方はと言うと、どちらかというと控え目な人間で、アニメ好きだったこともあって、俺と性格は近かったのかもしれない。
ただ、それが災いして大学でも彼女ができなかった。顔はバリより全然カッコいいのだが、いかんせん押しが弱く、女っ気が全くなかった。
ある日バリがナムに言った。
『お前、アメリカに永住したいならこの国のカルチャーに従わなきゃいかんだろ!
自由の国の文化、フリーセックスって知ってるか?ダイスケに風俗でも連れてってもらえよ!』
ちなみにバリは童貞ではないものの、自分自身はそういう遊びをしない。
根性無しのバリこそ風俗でプロの技を知るべきだと思ったが、この時は俺もダイスケも奴の提案を持ち上げてナムを煽った。ナムはその場では『誰が行くか!』と顔を赤くして断った。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:35:50.71 ID:SUCj4HiVP 夜、バリが自宅に帰ったあと、俺達三人は酒を飲みながら恋愛について語った。 すでに出来上がっているダイスケが言った。 『女ってのはつまりあれだ、・・・てめえの息子のシェルターだ。オェェェ。・・・・自分の持ち家があっても旅行に行けばホテルに泊まるもんだ。うぃぃっっ。・・・風俗ってのはそう言うもんだろうが。・・・ヒック。 ・・・付き合ってる女がいたって、家と同じで、今よりいい物件があれば当然のように引越すべきだ!自分の気持ちよさが全てだ! ・・・畜生、あの不動産屋の女、絶対犯してやんぞ・・・いや、(犬)に犯させてやる。。ゲェェェ。』 シラフでは、思いやりだの、男なら女のために人生を賭けろだの、クサイことを平気真顔で言うくせに、酔った時は女を物以下に扱うような発言をする。 いつも言うことが滅茶苦茶だ。(犬)と飼い主の汚物で酷い有様になったリビングも掃除して欲しい。 ナムは戸惑いながら言った。『俺も女を知っておいた方がいいのかもしれん』 酔ったダイスケもこれは聞き逃さなかった。俺と顔を見合わせてニヤリと笑った。 「これはアレだな!久しぶりに行くしかなさそうだね!」「だな!ナムの門出だ!乾杯!」 俺がいきなり日本語で叫ぶと、ダイスケもそれに合わせる。二人で最後の酒を飲みほした。 俺達二人はナムを魅惑の夜の街へと誘った。悦楽の園への道中、俺は笑いながらナムに話した。 『知ってるか?ダイスケの奴この間風俗に行った時、部屋に入った瞬間にフル勃起させて全裸待機してたらしいぞ。部屋に入ってきた嬢が驚いて叫び声上げたんだってw』 (普通は嬢に促されて脱ぐか、脱がしてもらう) 『言うなって言っただろが、(俺)!マジで酔ってたんだよ!w』 ナムから乾いた笑いが聞こえた。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 05:39:11.82 ID:SUCj4HiVP 店は俺達がよく行く場末の風俗店。不細工が多いが、アタリの日は格安でかなりの女が抱ける。 が、生憎その日三人の前に出てきた女は、金を貰っても抱きたくない、どう見ても40を超えた超絶不細工ババァばかりだった。正直ここまでハズレたことはなかった。 奇特な少数派をターゲットにマーケティング路線を変更したのかと思った。 ナムが目を丸くさせて『あれならお袋の方が全然マシだよ!』と言ったのを聞いて爆笑した。 俺達は当然店を変えて仕切りなおした。そこには一人しか可愛い子がいなかった。 『今日はナムの為の日だ。俺達二人は待合室で待とうぜ。』というダイスケの提案に乗った。 一人奥へと案内されていったナムはドナドナの子牛のようだった。 俺とダイスケは待合室のソファーで煙草を吸いながらナムの生まれ変わりを待っていた。 15分後、ナムが待合室へ戻ってきた。 一時間一本勝負のはずだ。帰還には明らかに早い時間だった。ナムはプルプルと震えていた。 店を出るとダイスケがおもむろに聞いた。『どうだった!?大人になった感想は??』 ナムが口を開いた。 『緊張ですぐ出たよ。最悪なのはその後だ。女に散々罵倒された。Fuck you, son of a bitch!だと。俺は客だぞ!?』 『『マジで!?』』 深く聞くと詳細はこうだった。部屋に入ってきた嬢には最初、王様のように扱われた。 愛想も良く、かなり気に入って貰えたようで、アメリカの風俗では絶対にやらないはずの生フェラサービスをされたらしい。(病気の管理とか、日本より全然厳しい) だが、それがいけなかった。初体験で興奮ゲージもマックスだったナムは秒殺され、口内発射された嬢は激怒して彼を罵倒したそうだ。当然サービスも打ち切り、いきなり部屋を追い出されたのだと言う。
ありがとう! 読んでこよう
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2009/09/22(火) 15:42:18.20 ID:MxK+qnTsO 面白かった。で、今の1の次の目標はなんだ? バリナムダイスケとはもう会わないの?