1 :
◆07i/WpNp2k :
2 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:14:02.88 ID:uqIemoa+0
○登場人物紹介
('A`) ドクオ
VIP国出身。
婚約者クーとの結婚をクーの父親に認めてもらうため、エレメントマスターを目指して旅をしている。
川 ゚ -゚) クー
ドクオの婚約者。
VIP国騎士団所属。
ノパ听) ヒート
クーの姉。
VIP国騎士団副団長。
(`・ω・´) シャキン
クーとヒートの父親。
VIP国騎士団団長。
(´・ω・`) ショボン
シャキンの弟。クーとヒートの叔父。
バーボンハウス『ショボン』を経営する。
从 ゚∀从 ハインリッヒ
ラウンジ国在住の精霊博士。
守護精霊に詳しい。
3 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:17:21.71 ID:uqIemoa+0
○用語説明
・エレメントマスター
全ての守護精霊と契約を結び、その力を手に入れた者の称号。
VIP国では英雄視されるが、今までにエレメントマスターになった者はほとんどいないらしい。
・エレメントルーン
成長と共に、この紋様が体に浮かび上がる者がいる。
VIP国では『悪魔の紋』と呼ばれ、これを持つものは『悪魔の子』として忌み嫌われる。
しかし、実はエレメントマスターになれるのはエレメントルーンを持つ者だけらしい。
・守護精霊
世界のどこかに、『火』『水』『風』『土』『光』『闇』の6体の守護精霊がいると言われる。
その試練を乗り越え契約を結ぶと、その力を借りて魔法を使うことができる。
・精霊
守護精霊と契約を結ぶと、その分身体である精霊が仲間に加わる。
術者は、この精霊を介して守護精霊の力を使うことができる。
※この分身体の精霊を指して『守護精霊』と呼ぶこともある。
・導きの妖精
エレメントルーンを持つ者をエレメントマスターに導くことが使命であるらしい。
4 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:20:35.13 ID:uqIemoa+0
○精霊・妖精紹介
ミセ*゚ー゚)リ ミセリ
風の精霊。風の守護精霊の分身。
羽の生えた妖精のような姿で、かすかに緑色の光を放っている。
(゚、゚トソン トソン
水の精霊。水の守護精霊の分身。
水色のドレスを着た人間の女性のような姿で、かすかに青い光を放っている。
( ФωФ) ロマネスク
火の精霊。火の守護精霊の分身。
猫顔猫耳で貴族のような服を着ており、かすかに赤い光を放っている。
( ´∀`) モナー
土の精霊。土の守護精霊の分身。
白い体で猫のような耳が生えており、かすかに黄色の光を放っている。
( ・∀・) モララー
光の精霊。光の守護精霊の分身。白い光を放っている。
白い体で猫のような耳が生えており、背中には6枚の翼が生えている。
川д川 貞子
闇の精霊。闇の守護精霊の分身。
長い黒髪の少女のような姿をしている。
5 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:23:29.76 ID:uqIemoa+0
( ^ω^) ブーン
導きの妖精。
白い体の小人のような姿をしている。
ドクオをエレメントマスターにするために協力する。
ξ゚听)ξ ツン
運命の女神。ブーンの幼馴染。
エレメントマスターになるためには、彼女に認められる必要がある。
〜前回までのあらすじ〜
六体の守護精霊と契約したドクオは、エレメントマスターとして認められるためVIP城に戻った。
その後、VIP城で精霊界への入り口を見つけ、精霊界で運命の女神・ツンと出会う。
ツンにエレメントマスターとして認められ、人間界に戻ってきたドクオを待ち受けていたのは、
クーが遠征先で命を落としたという知らせだった……
〜 ('A`)はエレメントマスターを目指すようです 第10話 〜
6 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:26:25.73 ID:uqIemoa+0
シャキンの言葉に、ドクオは耳を疑った。
(;'A`)「今、何とおっしゃいました……?」
(`・ω・´)「ああ、すまない。順を追って話そう」
(`・ω・´)「ヒートとクーは、最近南の海を荒らしている海賊を取り締まるために、遠征に行っていたんだが……」
(`・ω・´)「その先で、クーが大怪我を負って帰ってきてね……」
(`・ω・´)「ついさっき、息を引き取ったんだ」
(;'A`)「それは……本当なんですか……?」
(`・ω・´)「ああ、私だって嘘だと思いたい。だが、事実なんだ……」
7 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:29:29.91 ID:uqIemoa+0
ドクオがショボンに連れられて来た部屋には、クーの遺体が安置されていた。
川 - )
(;'A`)「クー……?」
(;'A`)「クー……返事をしてくれよ……」
(; A )「クーーーーーーーーーー!!!!」
ノハ;;)「うおおおお、クーーー!! ごめんよおおお、あたしがついていながら……」
( A )「ブーン……ツンは、エレメントマスターは世界を動かす力を持っていると言ったよな……」
( A )「人を生き返らせる魔法とか、ないのか……?」
(;^ω^)「いくらエレメントマスターになったといっても、死んだ人を生き返らせる魔法はないお……」
8 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:32:34.61 ID:uqIemoa+0
( A )「俺は、俺は……今まで何のために……」
( A )「俺は、エレメントマスターになった……でも、それが何だっていうんだ……」
( A )「クーがいなくて、何がエレメントマスターだ!」
( A )「本当に大切なものも守れなかったなんて……」
川д川「ドクオさん……人の死は、逃れられない運命なんです……」
川д川「あの闇の迷宮でも言いましたよね? 愛する人を失っても、新しい人生を見つけると……」
('A`)「ああ、言ったよ……でも、取り戻せるならどんな手段でも使うともな……」
('A`)「確かに、これは逃れられない運命なのかもしれない……」
('A`)「でも、まだ諦めることなんてできない……」
('A`)「何か、方法があるかもしれないじゃないか!!」
クローン
10 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:36:02.82 ID:uqIemoa+0
川д川「……」
川д川「ドクオさんがそこまでおっしゃるのなら……ひとつ考えがあります」
川д川「変えられない運命を変える方法が、もしあるとしたら……」
川д川「運命を司る『運命の女神』様に、もう一度会ってみれば、何かわかるかもしれません」
('A`)「そうか……!」
(*^ω^)「そうだお! ツンなら、きっと何か知恵を貸してくれるお!」
('A`)「それなら、早速もう一度精霊界に行くぞ!」
ドクオは再び、開かずの扉から精霊界に向かった。
ξ゚听)ξ「貴方、また来たの……」
とぅるるん
12 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:39:34.51 ID:uqIemoa+0
ドクオは、ツンに経緯を話した。
ξ゚听)ξ「……人の死は変えられない運命よ。それを捻じ曲げたら、世界はメチャクチャになるわ」
('A`)「……」
ξ゚听)ξ「でも……一つだけ方法があるわ」
('A`)「……!」
ξ゚听)ξ「人を生き返らせる魔法なんて無いけど……」
ξ゚听)ξ「時間を戻す魔法ならある……」
('A`)「本当か!?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:39:58.51 ID:+LoQstcyO
展開が相変わらず早いっすね^^
お父さんの我慢汁で出来たんすか^^
14 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:42:40.13 ID:uqIemoa+0
('A`)「それは、どんな魔法なんだ?」
ξ゚听)ξ「その魔法の名は『リセット』……時の守護精霊の力を借りることで使える魔法よ」
('A`)「時の守護精霊……?」
('A`)「俺が契約したのは、『火』『水』『土』『風』『光』『闇』の六精霊だ」
('A`)「その他に、時の守護精霊がいるのか……?」
ξ゚听)ξ「そういうことよ」
('A`)「そうか……それで、その時の守護精霊っていうのは、どこにいるんだ?」
ξ゚听)ξ「ほら、そこにいるじゃない」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:44:48.54 ID:NUgJhXnz0
支援
16 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:45:25.76 ID:uqIemoa+0
ξ゚听)ξ「そこに、アホ面した妖精が……」
(;^ω^)「……!? 僕かお!?」
ξ;--)ξ「やっぱりアンタ、忘れてたのね……」
ξ゚听)ξ「学校で習ったじゃない……」
ξ゚听)ξ「導きの妖精は、力を貸している人間がエレメントマスターになったら、時の精霊の役目も負うのよ」
(;^ω^)「すっかり忘れてたお……」
ξ゚听)ξ「だから、私は貴方をエレメントマスターとして認めるとき、ブーンに聞いたのよ……」
ξ゚听)ξ「貴方が、エレメントマスターとして『時の魔法』を使うのにふさわしい人間なのかをね」
17 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:48:20.21 ID:uqIemoa+0
ξ゚听)ξ「時の魔法を使えば、その性質上、世界のバランスを大きく変えることになるわ……」
('A`)「……」
ξ゚听)ξ「それと、『リセット』の魔法は、大きな代償を必要とするの」
('A`)「それは?」
ξ゚听)ξ「『リセット』を使うと、私は力のほとんどを使い果たして眠りにつく……」
ξ゚听)ξ「『エレメントルーン』の力を司るのは私だから、貴方は精霊の力を使うことはできなくなる」
ξ゚听)ξ「つまり……貴方は、『エレメントマスター』ではなくなるということよ」
('A`)「……!」
18 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:51:31.12 ID:uqIemoa+0
('A`)「でも、時間を戻すっていうことは、ツンの力も元に戻るってことじゃないのか?」
ξ゚听)ξ「残念ながら、そう都合よくはいかないの……」
ξ゚听)ξ「精霊界の時間軸は、貴方たちの世界のそれとは別だからね……」
('A`)「そうか……」
ξ゚听)ξ「つまり、『リセット』を使うことは、エレメントマスターとしての力すべてを引き換えにすることになるの」
ξ゚听)ξ「貴方にとって、今『リセット』を使うことは、それだけの価値があることなの……?」
('A`)「……ああ!」
('A`)「クーを取り戻せるなら、エレメントマスターとしての力なんていらないさ」
('A`)「ひとつ残念なのは、精霊の力を失って、ブーンや他のみんなとお別れしなきゃいけないってことだけど……」
(;^ω^)「……」
19 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:54:19.49 ID:uqIemoa+0
('A`)「ごめんな皆……俺はやっぱり、クーを選ぶよ」
( ^ω^)「僕は、ドクオとお別れするのは寂しいお……」
( ^ω^)「でも、それでドクオが幸せになれるなら、僕は応援するお!」
('A`)「ブーン……」
( ・∀・)「僕も、同じ意見だよ」
ミセ*゚ー゚)リ「あたしも!」
(゚、゚トソン「私もです」
( ФωФ)「我輩もである」
( ´∀`)「僕もだモナ」
川д川「私も、短い間でしたけど……」
('A`)「みんな……!」
20 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 22:57:12.09 ID:uqIemoa+0
ξ゚听)ξ「それじゃあ時刻は、貴方の婚約者クーが大怪我を負う直前」
ξ゚听)ξ「……貴方が『闇の迷宮』から出て、サイアクを後にした直後ね」
ξ゚听)ξ「ついでに、貴方の婚約者が怪我をした海賊船の上まで移動させてあげるわ」
ξ゚听)ξ「……覚悟はいいのね?」
('A`)「ああ……!」
ξ゚听)ξ「この魔法は、みんなも力を貸してね」
( ^ω^)「わかったお!」
ξ゚听)ξ「じゃあ、みんなでいくわよ。せーの……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:57:25.91 ID:r3gJE62xP
めっちゃ支援やねん
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:59:26.87 ID:a2uNrPvrO
来てる来てる支援
23 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:00:32.23 ID:uqIemoa+0
('A`)( ^ω^)( ФωФ)( ´∀`)( ・∀・)
「「「「「「「「「リセット」」」」」」」」」
ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソン 川д川 ξ゚听)ξ
24 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:03:27.75 ID:uqIemoa+0
VIP国の南の洋上に浮かぶ海賊船。
海賊たちとVIP国騎士団討伐隊が激戦を繰り広げていた。
ノハ#゚听)「……くそっ、こいつら思ったより手強いぞ! 油断するな!」
川 ゚ -゚)「ああ、わかっている」
ノハ;゚听)「……おい、クー! 後ろ!」
川;゚ -゚)「なにっ……?」
( ´_ゝ`)「……悪いが、死んでくれ!」
海賊の一人が、クーに斬りかかろうとした、その時。
空中に現れた人影が、海賊の上に降ってきた。
(;´_ゝ`)「ぐぇっ!」
(´<_`;)「兄者!」
25 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:06:23.29 ID:uqIemoa+0
それはもちろん、『リターン』の魔法で時間を巻き戻し、場所も移動させてもらったドクオである。
ノハ#゚听)「今だ! 海賊どもを捕らえろ!」
唖然とする海賊たちを、討伐隊の騎士たちが拘束していく。
('A`)「イテテ……ここは……?」
川 ゚ -゚)「ドクオ!」
('A`)「クー!? それにあんた……兄者さんに、弟者さんじゃないか……」
ドクオは、自分の下敷きになって気絶している兄者を見て、そう言った。
(´<_`;)「ドクオ!?」
('A`)「……海賊って、あんたたちだったのか……」
川;゚ -゚)「ドクオ、知り合いなのか? ……それに、どうしてここに……」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:07:16.85 ID:a2uNrPvrO
しえ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:08:08.15 ID:L84WAVSyO
リターン……?
28 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:09:31.86 ID:uqIemoa+0
('A`)「ああ、旅の途中で出会った人たちだ。 ……でもなんで海賊なんかに……」
(´<_` )「ドクオ……俺たちはやっぱり、自分たちの力で生活を立て直すことはできなかった……」
(´<_` )「海賊稼業でもして、命をつなぐことしかできなかったんだよ……」
('A`)「……」
川*゚ -゚)「そうか……ドクオ、ついにエレメントマスターになれたんだな?」
川*゚ -゚)「それで、魔法でここに来たんだな? そうなんだろう!?」
('A`)「クー……今の俺は、何の力も無い、何の魔法も使えない、ただの人間だよ……」
川;゚ -゚)「えっ……?」
('A`)「クー、落ち着いて聞いてくれ……」
('A`)「俺は、ある事情があって、全ての力と引き換えに、ここに飛ばしてもらったんだ……」
('A`)「エレメントマスターになるために今まで旅してきたのに、情けないよな……」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「……そんなこと、ない」
('A`)「えっ……?」
川 ゚ -゚)「ドクオがそれだけの決断をするには、それなりの理由があったんだろう?」
川 ゚ -゚)「事実、あそこでドクオが現れなければ、私は海賊にやられていたかもしれない……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……そうなんだろう? ドクオは、私を助けるために、駆けつけてくれたんだろう?」
('A`)「……ああ!」
川*゚ -゚)「やっぱりな! ドクオは、私の、私だけのエレメントマスターだよ」
(*'A`)「クー……」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:14:38.45 ID:YJX2MmpUO
支援
31 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:16:15.64 ID:uqIemoa+0
ノパ听)「……よし、海賊はだいたい片付いたな! ……ん?」
ノハ*゚听)「……お前ら! お熱いじゃないかぁっ!!」
('A`)「……はっ……」
川;゚ -゚)「ね、姉さん……これは……」
熱い抱擁を交わしていた二人は、ヒートの言葉で我に返った。
ノパ听)「ドクオ、ナイスタイミングだったぞ! お前のおかげで海賊は全員捕らえた。 ありがとう」
('A`)「……」
ノパ听)「……じゃあ、VIPに戻るか!」
('A`)「……はい!」
川 ゚ -゚)「そうだな、姉さん」
32 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:19:04.11 ID:uqIemoa+0
VIPに戻ってきた一行を出迎えたのはショボンだった。
(´・ω・`)「やあ、みんな戻ってきたね。 帰ってきたばっかりで悪いんだけど、すぐにお城に向かってくれ」
ノパ听)「おじさん! どうかしたのか!?」
(´・ω・`)「今、お城のほうは大騒ぎでね……兄さんが待ってるから、とりあえずみんなで行ってきなよ」
川 ゚ -゚)「何だろう? とりあえず行ってみるか」
城では、シャキンが三人を出迎えた。
(`・ω・´)「ヒートにクー、それにドクオ君。 待っていたよ」
ノパ听)「父さん! 海賊は全滅させたぞ!」
(`・ω・´)「ああ、ご苦労だった。 だがその話は後だ」
(`・ω・´)「王が待ってるから、みんな一緒に来てくれ」
('A`)「えっ……俺もですか?」
(`・ω・´)「もちろんだ。 詳しいことは、王に会ってからだ」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:20:24.19 ID:r3gJE62xP
支援
34 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:22:36.31 ID:uqIemoa+0
三人は、シャキンに連れられて王の間にやってきた。
(`・ω・´)「王、三人を連れて参りました」
/ ,' 3「ふむ、ご苦労」
/ ,' 3「まずは、ヒートにクー。 海賊討伐、ご苦労じゃった」
ノパ听)「はっ!」
/ ,' 3「そして……そなたがドクオじゃな?」
('A`)「はい……」
/ ,' 3「ワシは、VIPの国王、アラマキ十七世じゃ」
/ ,' 3「そなたがエレメントマスターを目指して旅をしていたこと……」
/ ,' 3「そして、ニューソクでの活躍は、シャキンから聞いておる」
('A`)「……」
/ ,' 3「じゃが、今日ここに来てもらったのは、その話ではない」
35 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:26:08.02 ID:uqIemoa+0
/ ,' 3「実は数日前、この国の『悪魔の子』の体にある『悪魔の紋』が一斉に消えたのじゃ」
('A`)「……!」
('A`)(そうか、ツンが眠りについたから、皆のエレメントルーンも消えたのか……)
/ ,' 3「そなたの体にも、『悪魔の紋』……『エレメントルーン』が浮かんでおったじゃろう?」
/ ,' 3「……やはり、消えておるか?」
('A`)「はい」
/ ,' 3「やはりそうか……ともかくそれで、悪魔が祓われたといって、国中がお祭り騒ぎじゃ……」
/ ,' 3「……まあそれはよい。 ところでその件で、あるお方が我が国を訪れておってな……」
国王がそう言うと、奥からドクオの見覚えのある顔が現れた。
(;'A`)「あ、あんたは……!」
lw´‐ _‐ノv「やっほー。 ドクオ、ひさしぶり」
/ ,' 3「知っておると思うが、聖都テンゴクの大神官・シューどのじゃ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:27:53.70 ID:r3gJE62xP
支援
37 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:29:22.67 ID:uqIemoa+0
/ ,' 3「シューどのが言うには、エレメントルーンが消えたことに、ドクオが関わってるという話なのじゃ」
('A`)「……!」
/ ,' 3「ドクオ、その話は本当なのか?」
('A`)「……はい」
/ ,' 3「やはりそうか! そなたは、この国の忌まわしき偏見から解放してくれた英雄じゃな!」
/ ,' 3「元はといえば、ワシの先祖が引き起こした悲劇じゃ。 先祖に代わって礼を言うぞ」
('A`)「いえ、そんな……」
/ ,' 3「ドクオはクーとの結婚を控えておったな?」
川*゚ -゚)「はい!」
/ ,' 3「この国の英雄の結婚式じゃ。 国を挙げて盛大な結婚式を挙げさせようぞ!」
/ ,' 3「シャキンも異存はないな?」
(`・ω・´)「はっ、クーの父親として、ありがたき幸せであります」
ノハ*゚听)「よかったな! クー! ドクオ!」
38 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:32:40.69 ID:uqIemoa+0
王の間を後にしたドクオは、シューに人のいない場所に連れてこられた。
('A`)「久しぶりだな、シュー。 でも、なんでVIPに?」
lw´‐ _‐ノv「ドクオ……君、『リセット』を使ったね?」
('A`)「……! ああ、でも何でそれを?」
lw´‐ _‐ノv「昔いろいろあってね……ボクにはそれがわかるんだ」
(;'A`)「昔って……あんたどう見ても10歳くらいだろ……」
lw´‐ _‐ノv「フフフ……まあそれで、君にはお世話になったし、ちょっとだけ恩返ししようかと思ってね」
lw´‐ _‐ノv「この国では『エレメントルーン』は忌み嫌われてるらしいからね……」
lw´‐ _‐ノv「それが消えた原因が君にあるとわかれば、君のお手柄になるだろう?」
('A`)「そうだったのか……」
39 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:35:46.23 ID:uqIemoa+0
('A`)「でも、俺が『リセット』を使ったから、シューたちの力もなくなったんじゃないのか?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、それなら心配いらないよ」
lw´‐ _‐ノv「ボクたち神官の魔法は、エレメントルーンの力を利用しているわけじゃないからね」
lw´‐ _‐ノv「生まれつき、『光の素質』をもってるから、光の魔法だけだけど、精霊の力を介さずに使えるのさ」
('A`)「なるほどな」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、ボクはそろそろ行くよ」
lw´‐ _‐ノv「……奥さんと、お幸せに」
('A`)「ああ、ありがとう」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:37:14.54 ID:dOBgtTucO
し
41 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:39:19.37 ID:uqIemoa+0
後日、国を挙げて、ドクオとクーの結婚式が盛大に開催された。
国の悪魔を祓った英雄の結婚式として、国民は大いに盛り上がった。
ノハ*゚听)「うおおおお!! おめでとう、クー! ドクオ!!」
(´・ω・`)「二人とも、おめでとう」
川*゚ -゚)「ありがとう、姉さん、おじさん」
(`・ω・´)「ドクオ君、最初は正直、君のことを軟弱な男だと思っていた……」
(`・ω・´)「だが、旅から帰ってきた君は、随分とたくましい顔つきになったな」
('A`)「ありがとうございます」
(`・ω・´)「娘を……クーを、よろしく頼むよ」
('A`)「はい。 クーは、必ず幸せにします」
42 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:41:23.35 ID:uqIemoa+0
すると、ドクオの前に、見覚えのある人物が現れた。
_
( ゚∀゚)「ドクオ!」
('A`)「あんたは……ジョルジュ!? 何でここに?」
_
( ゚∀゚)「……俺、あんたがサイアクを去った直後、魔法が使えなくなっちゃってさぁ……」
_
( ゚∀゚)「光の魔法でオーラの膜が張れなくなってしまえば、もうサイアクには住めねぇ……」
_
( ゚∀゚)「ドクオ、あんたのせいなんだろ?」
('A`)「ああ、すまない……それで、俺に文句を言いに来たのか……」
_
( ゚∀゚)「いいや、その逆さ」
_
( ゚∀゚)「俺は、エレメントマスターになれないことに絶望して、あの町で堕落した生活を送ってた……」
('A`)「……」
_
( ゚∀゚)「でも、あの町に住めなくなったから、これからは故郷に帰って、まともな生活をしようと思ってな」
_
( ゚∀゚)「俺の恋人を紹介するよ。 おーい!」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:43:52.50 ID:a2uNrPvrO
支援!
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:44:04.74 ID:usbSHa9BO
支援
45 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:44:24.62 ID:uqIemoa+0
从*゚∀从「へへへ……」
('A`)「ハインさん!?」
从 ゚∀从「アタシが精霊のことを調べ始めたのは、ジョルジュが行方不明になってからだったんだ……」
从 ゚∀从「ジョルジュが帰ってきたのはドクオのおかげだな。 ありがとう!」
_
( ゚∀゚)「そういうわけで、二人でアンタに礼を言いに来たのさ」
('A`)「そうだったのか……」
_
( ゚∀゚)「それじゃあ、花嫁と幸せにな!」
('A`)「ああ、ありがとう。 あんたたちもな」
从 ゚∀从「たまにはラウンジにも遊びに来いよ! 夫婦でな!」
('A`)「はい、ありがとうございます」
46 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:47:51.72 ID:uqIemoa+0
続いて、また見覚えのある人物が、ドクオの前に現れた。
('、`*川「ドクオ……」
('A`)「あなたは……キジョ国の女王!」
('、`*川「あなた……ウツオに会ったでしょう?」
('A`)「……! どうしてそれを……」
('、`*川「やっぱり、そうなのね……」
('、`*川「ウツオがね、夢に出てきたのよ」
('、`*川「それで、聞いたの。 あなたと戦って敗れたことを……」
('A`)「……すみません、俺がウツオを……」
('、`*川「ううん。 ウツオが言ったの。 あなたを、弟だと思って可愛がってくれってね……」
('A`)「……」
47 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:50:25.35 ID:uqIemoa+0
('、`*川「本当にあなたはウツオに似てるわ。 他人とは思えない……」
('、`*川「……あなた、結婚するんですってね」
('A`)「はい」
('、`*川「本当に、弟のことのようにうれしいわ。 お幸せにね」
('、`*川「私に何か力になれることがあれば、またキジョの国に来てね。 歓迎するわ」
('A`)「ありがとうございます」
ノハ#゚听)「見つけたぞ、ドクオ! 主役が何やってるんだ!」
ノハ*゚听)「さあ、はやく誓いの口付けを!」
川*゚ -゚)「姉さん……」
(*'A`)「は、はい……クー、愛してるよ……」
川*゚ -゚)「私もだ、ドクオ……」
二人は、そっと唇を重ねた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:51:10.70 ID:k7ZQsYlGO
久々支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:52:38.32 ID:29LHd9Mh0
支援します
50 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:53:24.71 ID:uqIemoa+0
後日、ドクオは城に呼ばれた。
/ ,' 3「ドクオよ……そなたはこの国の英雄じゃ」
/ ,' 3「今後は、この国の大臣として、力を貸してはくれぬか?」
('A`)「……いえ、俺は政治に関わるような器じゃありません」
/ ,' 3「ふむ……それでは、そなたはこれからどうするつもりじゃ?」
('A`)「俺には、まだまだ知らないことがたくさんあります」
('A`)「できれば、これからは学者として、この世界のことをいろいろ調べたいのです」
/ ,' 3「そうか……よかろう! では、ドクオには宮廷付きの学者として活躍してもらおうではないか!」
('A`)「はい、ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「よかったな、ドクオ!」
51 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:56:32.24 ID:uqIemoa+0
その後。
ドクオとクーの新居にて。
川 ゚ -゚)「ドクオ、何を書いてるんだ?」
('A`)「ああ、俺がVIPを出発して、ブーンや精霊のみんなと旅したときのことを書いてるのさ」
('A`)「精霊のみんなと、いつか再会するときのために、忘れないようにね」
川 ゚ -゚)「そうか……大切な思い出なんだな」
('A`)「ああ。 クーと今こうして居られるのも、あいつらのおかげだからな」
川 ゚ -゚)「なるほど、感謝しないといけないな」
そして、ドクオは書いていた本を閉じた。
その表紙に書かれていたタイトルは……
〜 ('A`)はエレメントマスターを目指すようです 〜
[The End]
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:56:44.80 ID:usbSHa9BO
支援
53 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/19(土) 23:59:06.37 ID:uqIemoa+0
以上でこの物語はおしまいです。
応援してくださった皆様、ご指摘をいただいた皆様、
そしてここまで読んでくれた全ての皆様、ありがとうございました!
……あと、
>>27さんにもご指摘をいただきましたが、
>>25の一行目の『リターン』は『リセット』の間違いです……
お恥ずかしい限りです……
終わり…?
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:04:25.96 ID:gtv/JQo9P
乙
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:05:48.29 ID:Nxo+4ir2O
乙
なんかしっくりこないオチだなー…
乙
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:07:39.00 ID:T/t70dR/O
乙!
キャラの心情とか、精霊との絡み、別れの描写がもっとあると更に楽しくなったかも…
口出し申し訳ない、、でも本当に楽しませてもらったよ!
淡々と進んでいったねw
もうちょい地の文多めでもよかったかも
でも面白かったよ、次回作も期待してます
60 :
◆07i/WpNp2k :2009/09/20(日) 00:11:10.95 ID:BVo4HKgt0
>>58 ご指摘ありがとうございます。
それは一重に、私の表現力不足によるものです……
精進します。
>>59 ありがとうございます。
61 :
第3話:2009/09/20(日) 00:16:32.51 ID:iq0aIcYe0
読みやすくて好きでした
乙!
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙。見かけたら必ず読んでたよ