(,,゚Д゚)ギコと从 ゚∀从ハインと学園都市のようです

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1 ◆BYUt189CYA


この投下が終わったら俺、来週の投下分書くんだ……。


そんな感じで第九話。
まとめはこちら。

オムライス様
http://vipmain.sakura.ne.jp/559-top.html

ブーン小説グループ様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/533?mode=tree
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:39:35.26 ID:64i7yW8HO
キマシタワー
3 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:41:25.54 ID:sZDBApqT0

――――第九話

             『作者と絵師』――――――――――







        表現の動機を5KB以内で表現せよ
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:41:34.76 ID:79X2v6hEO
支援
5 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:45:04.54 ID:sZDBApqT0
陸軍部隊との合同訓練は、ほとんど陽が沈んだ現在でも続いていた。

都市各部に明かりが灯り始め、戦場を限定的に照らしていく中、
剣撃や銃撃、そして術式の起動音が響き、その間を疾駆の音が縫っていく。

劣勢を強いられているのは学園都市VIP側だった。
全体としての統率、個々としての練度、それぞれ高い水準を誇る陸軍に対し、
VIPの生徒達はあまりに稚拙で、若過ぎた。

完全にやられっ放しというわけではない。
上級生の中には、そのセンスと才能で互角に戦う者もいる。
しかしそんな彼らも、連携という完成された動きの前には崩れていくしかなかった。

それでもVIPの生徒達は、歯を軋ませながらも抵抗を続けている。

「くっ……強い! 大人げねぇ奴らだ!」

「はっはっは、当たり前だろう! 子供が大人に敵うわけがない!」

「うるせぇクソ大人! 加齢臭がすんぞ!」

「それは禁句だろこのガキャアアアア!!」

などという言い合いも含みながら、学生達が押されていくのが現状であった。
6 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:47:13.36 ID:sZDBApqT0
/ ,' 3「ふぅーむ」

それを、アラマキ学園長が寮の屋根から見ていた。
戦意を失った者への暴力等、理不尽な行為を防ぐための監視だ。
なるべく両軍の邪魔をしないよう、隠れて眺めている。

/ ,' 3「やはり苦戦じゃのぅ。 決して弱いわけではないのじゃが……」

鍛えていない一般人より強く、鍛えている大人より弱い。
中にはとんでもない実力を秘めている生徒もいるが、それを使いこなす年数として四、五年は短過ぎる。
実力云々ではなく、経験の差が大きく出ている戦闘だった。

/ ,' 3「ふむぅ」

( `ハ´)「――やはり、そんななりでも生徒が気になるカ」

いつの間にかシナーが背後に立っていた。
『プロフェッサーK』との繋がりを持つ彼が堂々と姿を見せているのは、
彼が学園の臨時教師で、アラマキや他の教師と同じく警備に回っているからだ。

/ ,' 3「そりゃなぁ。 ワシの学園じゃよ、ここ」

( `ハ´)「違うナ。 プロフェッサーKが設立した以上、『彼女』のものダ。
      お前は、ただポジションを譲られているだけに過ぎン」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:47:33.66 ID:ded5K9ZI0
しえしえ
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:49:07.94 ID:usbSHa9BO
来よったか!支援
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:50:11.34 ID:79X2v6hEO
支援支援
10 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:50:56.43 ID:sZDBApqT0
/ ,' 3「相変わらずセメントじゃの。
    ところでどーじゃ? ワシの生徒達は」

( `ハ´)「弱いナ」

/ ,' 3「……お前、そのストレートなところどうにかならんのか」

( `ハ´)「性分ダ。 しかし――」

眼下を見て、

( `ハ´)「――根性はあるようだナ。 瞳に諦めが無イ。
     痛い思い、悔しい思いをしようとも、泣きもせず抵抗していル」

/ ,' 3「何故じゃと思う?」

( `ハ´)「オマエ好みで、誇り、と答えようカ。
      今まで積み重ねてきた努力と意地、簡単に否定されては敵わんだろウ。
      特に相手が相手ダ。 反抗期さながらの抵抗を見せているナ」

/ ,' 3「ふぅむ……ま、それも正解としておこうかの」

どういう意味かを問おうとしたシナーだが、アラマキの横顔を見て止めた。

/ ,' 3「嬉しいもんじゃのー。 ワシ、こっちに残って良かったと思うとるよ」

( `ハ´)「……そうカ」

生徒達を見守るアラマキの表情は、いつになく優しいもの。
旧知のシナーですら久しく見ていない、とても穏やかな顔であった。
11 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:54:21.35 ID:sZDBApqT0
学園都市内、方角として生活区南東。
そこでは、他学園の学生同士による戦闘が発生していた。

( ・∀・)「…………」

陸軍が新たな戦術として試した、『人を直接飛ばして投入する』という荒々しい方法。
それによって学園都市VIPに侵入してきたのは、屈強な陸軍兵士などではなく、

( ・∀・)「学園都市ラウンジ、か……名目上は姉妹都市だったよね。
     それがどうして陸軍に混ざって訓練に?」

(=゚ω゚)ノ「簡単なことだよぅ。
      こんな田舎にあるVIPとは違って、俺っち達の都市は本国のすぐ傍にあるんだぜ。
      同レベルの相手と戦える訓練を陸軍が行うにあたって、
      俺っち達に誘いの話が来ねぇわけねぇだろーよぅ」

まぁ、と言い、

(=゚ω゚)ノ「同レベルたぁ、ちょーっち過大評価だったみてぇだがよぅ?」

<_フ ー )フ「――――」

視線の先には、エクストが仰向けで倒れていた。
初撃を防いだ上のカウンターを受け、吹っ飛ばされたのだ。
12 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:57:00.00 ID:sZDBApqT0
あの大柄な身体を飛ばしたのは、彼の手に握られている柄の長い斧だ。
イヨウ=クラインと名乗った深紅の制服姿の手にそれが握られているが、
そんな彼の身体はお世辞にも大きいとは言えず、どこかアンバランスなイメージを与えてくる。

エクストの隣に立てば、おそらく彼の肩より下に頭が来るのではないだろうか。
一見して自分達と同じ年代とは思えない身長だ。

そして持っている武器は、おそらく普通の長斧ではない。
斧頭のデザインを見るに、あのサイズと無骨さはおそらくDQN製だろうが、
気になるのは石突部分にあるアンカーのような物体だ。

斧の重さに振り回されないためのものなのか、別の意味があるのか、今は判断が出来ない。

長斧という重量系の武器は、持ち主の体重にも意味を求めてくる。
それでいてエクストを吹っ飛ばしたのは、何か別の要因があると見て良いだろう。

(=゚ω゚)ノ「おいおーい、田舎学生といやぁ粗暴で頑丈なのが常じゃねぇかよぅ。
     俺っちみてぇなガリ勉の優等生の一撃食らって、
     そんなあっさり倒れるわきゃねぇだろうがよぅ」

けけけ、という笑みには、たっぷりの皮肉が込められていた。
おそらく、自分達がVIPの生徒より優れていることを自覚している。

それもそのはず。
学園都市VIPが、本国から離れている街や都市から生徒を集めるのに対し、
学園都市ラウンジは、本国の高等教育を受けた生徒を受け入れる都市なのだ。
つまり、

( ・∀・)「エリート、ね。 確かに自信だけはエリート気取りらしい」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:57:25.97 ID:SPtWcUZmO
境ホラ面白いな!支援!!
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:57:55.02 ID:5xsvF5Za0
このイヨウ…ラクハーツを使いこなしてやがる…!
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:59:15.31 ID:usbSHa9BO
ちょっ!エクスト瞬殺
16 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 20:59:37.95 ID:sZDBApqT0
(=゚ω゚)ノ「実力も兼ねてるよぅ。
     見えねぇかよぅ? アンタのお友達が一撃でノビちゃってるの」

( ・∀・)「生憎だけど僕には見えない」

(=゚ω゚)ノ「んー?」

( ・∀・)「確かにあの程度の一撃で、エクストが負けるわけないからね」

言った直後、エクストが動いた。
高く両足を上げ、勢いをつけて下ろし、その速度を使って上半身を跳ね上げて着地。
すぐさま剣を構えた表情には笑みがあり、

<_プー゚)フ「――おおっしゃ! 俺、復活!!」

(=゚ω゚)ノ「へぇ……手加減はしてなかったんだけどよぅ」

<_プー゚)フ「おいおい、今のが本気かよ? だったらラウンジもたかが知れてるなー」

安い挑発に、イヨウが口端を少し歪めた。
肩に乗せていた長斧を構えながら、

(=゚ω゚)ノ「けっ、言ってやがれよぅ。
     俺っちはベラベラと口じゃあ語らねぇ……実力で叩き伏せてやんよ」

<_#プー゚)フ「やってみやがれ! 逆にさっきの礼をしてやる――!」

瞬間、二人が同時に動いた。
獲物に食らいかかる肉食獣のように、真っ直ぐ相手を見ながら武器を振るう。
17 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:01:28.03 ID:sZDBApqT0
大剣と長斧という重量武器同士が激突。
金属音と、金属が震える音が重奏した。

鼓膜を叩く重高音に、しかしエクストとイヨウは眉一つ動かさない。
むしろ口に笑みを浮かべ、

(=゚ω゚)ノ「ただの馬鹿ってわけじゃあないみてぇだよぅ……!」

<_#プー゚)フ「はン、伊達に毎日鍛えてねぇっての……!」

互いの武器を弾き合う。
距離をとり、間髪入れずに再び激突。
勢いと体重、そして腕の力に任せた一撃をぶつけていく。

( ・∀・)(へぇ……エクストと互角にぶつかれるのか……)

重量系の武器は、その重さ故に連続動作には向かない。
戦術としては一回の攻撃で勝負を決めるため、大振りになることがほとんどだ。
距離をとり、突撃からの攻撃、そして離脱というのが基本的な戦法になる。

そういう意味で、二人の動きは非常によく噛み合っていた。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:03:14.43 ID:usbSHa9BO
おお!復活した!
19 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:03:49.88 ID:sZDBApqT0
<_プー゚)フ「へへっ、良い感じだぜ……!」

エクストは湧き上がる喜びと高揚を、口端を吊り上げることで表現した。
他学園とはいえ、同級生でこれほどの生徒と会うのは久々だったからだ。

二年生でありながら三年生レベルの実力を持つエクストは、
よく上級生を相手に喧嘩を吹っ掛けたり、修練を申し込んだりする。
もはや同級生相手では満足出来ないことが多くなっていた。

しかし学年が異なると、そこには先輩後輩の関係が入ってくる。
上級生としては後輩に怪我をさせるわけにもいかないので、結果的に手加減されるのだ。
それがエクストにとって、不満の原因となっていた。

誰か、自分と本気で戦える奴はいないのか。
実力があるのは当然として、立場や学年を気にしない奴は。

<_プー゚)フ「……受け止めてくれよ俺の本気を!!」

(=゚ω゚)ノ「おうよ、受け止めてやんよ! その上で負かしてやるよぅ!!」

いる、のかもしれない。
もしかしたら目の前の男がそうなるのかもしれない。
小柄だが、その身体からは想像できないパワーを感じる。

そう思うと、自然と腕に力が入った。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:05:35.42 ID:5OvRLVpVO
相変わらず読み難いな
21 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:06:36.54 ID:sZDBApqT0
初撃から数えて五度目の衝突。
それぞれの武器が軋みを上げ、そして二人は距離をとる。
長斧を軽く振り回し、そして悠々と肩に乗せたイヨウが嬉しそうに言った。

(=゚ω゚)ノ「うはー! お前最高! マジで俺っちを一刀両断するって感じがたまんねぇ!
     ウチんとこのは、失敗恐れて策ばっか使うからつまんねぇしさ!
     普通、試合前に同級生に下剤とか毒盛るかっつーの!」

相対しているエクストも、やはり同じような表情をして、

<_プー゚)フ「苦労してんなぁ、お前……。
        だが、そういうテメェこそやるじゃねーか!
        ほら、もっと楽しもうぜイヨウとやら! カモーン!」

( ・∀・)(ほほぅ)

あのエクストが素直に認めていることに、モララーは少しだけ眉を上げた。
イヨウという生徒、近接戦闘に関してはエクストと同レベルと見て良いのだろう。

( ・∀・)(流石はラウンジ、ってところかな。 特進クラスって言ってたけど……、
     逆を言うなら、それに食いついてるエクストが凄まじいってことか。
     やっぱりアイツは才能あるよなぁ)
22 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:09:05.34 ID:sZDBApqT0
しかし、このまま彼に任せっきりではいけない。
これはルールの定まった個人戦ではなく、あくまで防衛戦の最中だ。
倒せるならさっさと倒し、次の相手を探すか、誰かを助けに行かなければならない。

( ・∀・)(そのためにはスズキの援護射撃が欲しい。
     まだ彼女は配置についていないし、少し時間を稼ぐか)

近接を得意とする相手には、射程外から仕掛けるのが当然。
白熱し始めた二人には悪いが、イヨウばかりを構ってるわけにもいかない。

( ・∀・)「イヨウ、って言ったかな。
     エクストと切り結べる同級生なんて久々に見たよ。 驚いた」

(=゚ω゚)ノ「うぇっへっへ、そう褒めンなよぅ。 照れちまうじゃねぇか。
     まぁ、俺っちは特進クラスだしな」

( ・∀・)「……特進クラスって?」

(=゚ω゚)ノ「そのまんまだよぅ。 優秀な奴らの中の、もっと優秀な奴が集まったクラスさ。
     大体は生徒会の役職狙いで、そんな俺っちも実は『作者』狙いでな」

<_;プー゚)フ「あ? 作者? お前、作家にでもなるつもりかよ?」
23 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:11:28.54 ID:sZDBApqT0
(;=゚ω゚)ノ「なぁに馬鹿丸出しの発言してんだよぅ。
      いいか、俺っちの言った『作者』ってのは――」

イヨウの言葉を、モララーが続けた。

( ・∀・)「――学園都市ラウンジの生徒会メンバー、その役職名の一つだよね。
     『作者』は確か、切り込み隊長みたいな意味を持っていたはずだ」

(=゚ω゚)ノ「なんだ、知ってんじゃねぇかよぅ。
     先頭切って飛び込み、戦況を形作る者って書いて『作者』ってんだ。
     俺っちは、その役職の座を狙っていてよぅ」

こちらの処機とは少々異なる意味を持つようだ。
処機が部隊を示す言葉なら、作者は役職の名前を示している。
ということは、

(=゚ω゚)ノ「一人で一騎当千……とまではいかねぇが、
     軍勢の中においても一個の戦力として数えられるような存在だよぅ。
     どうよ? かっけーだろ?」

<_プー゚)フ「へー……そんなんがあるのか。
        じゃあ、お前と互角に戦ってる俺でも狙えるかねぇ」

呑気に言うエクストだが、それをイヨウが鋭い目で見た。
そして、

(=゚ω゚)ノ「……いやぁ、オメェには無理だよぅ。
     実力も度胸もあるが、足りねぇ。 残念だがよぅ」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:12:04.89 ID:qRvKAykc0
ヒャッホー、紫煙
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:13:26.49 ID:PumvxKvI0
ホライゾンもこっちも楽しみだ
26 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:13:43.85 ID:sZDBApqT0
と、そこでモララーの腰にあるポケットが細かな振動を放った。
震えは二回分。
スズキが狙撃配置についたのだ。

なんとか時間は稼げた。
エクストも、イヨウの言葉で次の攻撃を仕掛けようとしている。

( ・∀・)(これはいけそうだね……)

強い確信がある。
周りを見たが、イヨウの仲間と思われる者もいない。
それは、独力に自信があるというこの上ない証拠でもあった。

<_プー゚)フ「はっ! どっちでもいいさ! 俺はテメェを倒すぜ!!」

馬鹿が発進する。
先手を譲ったイヨウは、後の先を得るつもりなのか深く構えた。
これもまた、モララーにとっては都合の良い展開だった。

(=゚ω゚)ノ「威勢の良いこった! 来なよ元気ボーイ!」

<_#プー゚)フ「せぃっ――!!」

大きく振りかぶり、


<_#プД゚)フ「――あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:14:42.59 ID:qRvKAykc0
支援紫煙私怨
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:14:59.57 ID:izNfwOpp0
初遭遇ktkr

支援
29 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:16:12.96 ID:sZDBApqT0
(=゚ω゚)ノ「ひょぉたまんねぇ……!」

対するイヨウも動いていた。
後ろ手に構えていた斧を持ち上げ、エクストが攻撃を放つよりも早く、

( ・∀・)(今だ!!)

そして更に早く、遠方からそれが飛来した。

(;=゚ω゚)ノ「っ!?」

まず響いたのは確かな金属音。
が、と鳴り、い、という響きに繋がる音が、その場にいる者達の耳に入る。
そして同時、イヨウの構えていた長斧が大きく弾かれた。

<_#プー゚)フ「さっきのお返しだ――!!」

(;=゚ω゚)ノ「マジかー!!」

いきなりの手応えに対処出来るわけもなく。
ほぼ無防備な状態で、イヨウはエクストの斬撃を食らう。

(= ω )ノ「っぬぐぉ……!?」

右頭上から振り下ろす袈裟の一撃。
エクストの腕力と勢い、そして大剣の重さの全てが噛み合ったそれは、
小柄な深紅の制服姿を容易く押し、そして飛ばす。

イヨウの身体が、大音と共に、近くにあった寮の壁に激突。
後を追うように砂煙が湧いた。
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:16:15.12 ID:l/U8qE4j0
絶倫ですねえ
31 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:18:32.68 ID:sZDBApqT0
( ・∀・)「よし……! スズキ、よくやってくれた」

長斧を弾いたのは、遠くにて狙撃したスズキだった。
的の小ささから難易度が高いのではないかと心配していたのだが、やはりそこは彼女の得意分野。
見事、長斧のみに当て、エクストの攻撃がきっちりと入った。

<_プー゚)フ「今のはモラっち……っつーかタムタムの仕業か。
         こういう時は、助かったよサンキュー、って言えばいいのか?」

( ・∀・)「言いたくなさげだけど」

<_プー゚)フ「本音を言えばな。
         でも、これは個人戦じゃねぇ。 そういうことだろ?」

( ・∀・)「素晴らしきかなチームプレイってところだね。
      ところで手応えの方、どうだった? ちゃんと倒せてる?」

<_プー゚)フ「相手は無防備だったぜ。
        けど、カウンター食らうと思って俺の方が全力出し切れてなかった。
        だから解んね。 それでも相当痛ぇはずだが」

( ・∀・)「だろうね。 僕は君の攻撃なんか絶対に食らいたくない」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:20:54.23 ID:izNfwOpp0
支援
33 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:21:12.32 ID:sZDBApqT0
防御術式はあるが、それでも止められるかどうか。
とにかく手を抜くことを知らないので、正面からの相対は絶対に避けたい男だ。
そんな彼の攻撃を受ければ、少なくとも無事でいられることはないはず。

もしかしたら骨の一本や二本は折れているかもしれないが、
それを覚悟の上で訓練に参加しているはずだ。
文句は言わせない。

<_プー゚)フ「! 動きがあるぞ、モラっち」

( ・∀・)「気絶はしてないね。 まだ動けたら厄介だ。
     スズキにはそのままいてもらおう」

スズキに待機の合図を送り、二人で構える。
いきなり攻撃が来ても良いよう、モララーは術式杖『ウルトレス』の周囲にウインドウを展開し、
隣のエクストは、いつでも仕掛けられるよう腰を深く落としている。

そして煙が晴れた。
そこにいるのは、

<_プー゚)フ「んあ……?」

壁を背にして長斧を構えたイヨウの姿。

しかし、その格好がおかしい。
柄を脇に挟んで腰だめに構え、何故か長斧の頭を前方へと突き出しているのだ。
34 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:22:18.49 ID:sZDBApqT0
(=-ω゚)ノ「……ったく、良い腕した狙撃担当がいやがるよぅ」

そう静かに呟きながら、長斧を微妙に動かしているのは、

(;・∀・)「まさか――」

(=-ω゚)ノ「気付くのが遅ぇ。
      だから田舎学生だって言われンだよぅ馬ァー鹿」

直後、長斧の頭が爆発光を噴いた。

<_;プー゚)フ「ぬぉあ!?」

大気を叩く重音と共に、漂っていた砂煙が一斉に散り、
それが『何かが発射された』のだと理解したモララーが、響いた大音に負けない声で叫んだ。

(;・∀・)「スズキ――!!」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:22:24.36 ID:izNfwOpp0
しえん
36 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:23:55.33 ID:sZDBApqT0
スズキは、寮の屋根の上でうつ伏せの狙撃体勢を作ったまま、一部始終を見ていた。

爪*゚〜゚)「?」

砂煙が薄れ、遠く、こちらに背を向けたモララーとエクストが構える。
やがて砂煙の奥に見えたイヨウの姿を見て、彼らと同じように疑問を得た。


……あの格好は?


そして光が一瞬だけ生まれ、

爪*゚〜゚)「え――」

スズキの判断と動作は、無意識に行われた。
修練で培ってきた危機察知能力がフル稼働し、危機が訪れていることを知らせ、
反射的に身体が右方向へ動いたのだ。

強烈な光が、スズキを襲った。
37 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:25:27.04 ID:sZDBApqT0
粉砕の音と震動、そして暴力的な風。
横殴りのそれらを受け、スズキの身体が一気に強張る。
いくつか破片が当たったのか、腕や足に鋭い痛みを得ながら、

爪;゚〜゚)「なっ……え……!?」

自分へ向けて砲撃が来たのだと、今更に理解した。
左を見れば、寮の屋根の縁部分が見事に抉れてしまっている。
もし右ではなく左に避けていたら、と思うと、冷たい何かが背筋を撫でた。

流石に非殺傷モードだとは思うが、それでも喰らえば痛いだろう。

爪;゚〜゚)「あ、あうあう、でも……!」

スズキは首を横に振った。
現状は助かっているのだ。
もし駄目だった時のことを考えても、もはや意味がない、と。

だから、これからのことを考える。
今、おそらくモララー達は戸惑っているはずだ。
自分の無事と、砲撃を受けた身として、情報を送らなければ。

スズキは砲撃を受けた左方向を凝視する。
そして、残り香のように残っている光の粒子を見て、砲撃の正体を確信した。
それは、

爪;゚〜゚)「今のは、魔術砲でありますか――!!」
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:25:58.05 ID:qRvKAykc0
支援砲撃
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:26:32.63 ID:izNfwOpp0
支援
40 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:26:49.20 ID:sZDBApqT0
( ・∀・)「……なんとか、スズキは無事らしい」

砲撃を終え、体勢を崩すイヨウを見ながら、モララーは小さく呟いた。
無事を知らせる三度の震えが、ポケットの中にある携帯端末から生まれたからだ。
エクストが頷きで応じるのを視界の端に見ながら、メール内容を確認する。

<_;プー゚)フ「しかし何だ、ありゃ……砲撃機能までついてやがるのかよ。
         どこのメーカーだ?」

( ・∀・)「DQNかと思ってたけど、砲撃まで出来るとなると……。
     いや、スズキが砲撃の正体を見極めてる。 魔術砲らしい。
     厄介だな……」

<_プー゚)フ「なんだそれ?」

( ・∀・)「最近、注目を受け始めてる技術でね。
     とは言っても術式みたいなものだよ。 魔力をそのまま撃ち出すのさ」

簡単に言ってしまえば、銃や砲のシステムを採用した術式だ。

通常、術式とは魔力を何らかの形や効力に変え、発するものである。
それは例えば炎や風、力場、流れ、果ては物体の能力値まで影響が及ぶのだが、
魔術砲はそうしたプロセスをすっ飛ばした、『起動→発射』という最速機動を採用している。

ただ威力のみをぶつける。
この点においては銃器と変わりはない。

決定的に違うのは、銃器は弾数制だが、魔術砲はエネルギー制であることだ。
銃弾の一発が一発であることに対し、魔術砲は一発を二発にも十発にも打ち分けられる。
更には機種依存だが、直線型、連射型、拡散型などの形式変更も可能だと聞く。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:27:48.15 ID:qRvKAykc0
ガンランスならぬガンアックスなのか
男の浪漫だなw
42 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:28:47.00 ID:sZDBApqT0
(=゚ω゚)ノ「おぉう、流石に知ってるかよぅ」

と、イヨウが長斧を掲げた。
尻部分のアンカーから蒸気が噴き出し、本体を冷却していく中、

(=゚ω゚)ノ「DQNと教導境界線の合同試作品、魔術砲内蔵長斧『トランシエント』。
     へっへっへ、まだ世界のどこにも売ってねぇ超レアもんだぜぇ。
     俺っちはこの武器のテスターでもあってよぅ」

(;・∀・)「うわ、普通に羨ましい! っていうか、なんでそんなものを!?」

(=゚ω゚)ノ「学園都市ラウンジの特進クラスだから、としか言えないよぅ」

(;・∀・)「特進クラス……侮れない……!」

(=゚ω゚)ノ「オメェ、そんな部分で評価されたって全然嬉しかねぇっつーの。
     なんだかんだ言ってウチ、実力主義だからよぅ。
     やっぱそっちで驚いてもらわねーと」

冷却終了を示すランプが点灯したのを確認し、イヨウは改めて武器を構える。
その小柄な身体からは考えにくい迫力が滲み出ていた。

今まではパフォーマンス、そしてここからは本気、ということらしい。
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:30:05.02 ID:DjhWol8PO
何週連続だよwwww
作者すげえwww
44 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:30:21.25 ID:sZDBApqT0
<_;プー゚)フ「ちィっ、チビスケのくせに獣みてぇな奴だぜ……!」

(=゚ω゚)ノ「あ? 今、オメェ何つったよ?」

<_;プー゚)フ「……まさか気にしてるのか? チビだってこと」

エクストの無遠慮な言葉に、イヨウは小さく顔を俯かせた。

(= ω )ノ「……あのよぅ。
     俺っち、『これ言われたらフルボッコ』って決めてる言葉っつーのがあってよぅ。
     なんかさぁ、やっぱ人の気にしてることって言うべきじゃねーじゃん。
     だから俺っち、全世界のチビのために、こう思うんだよぅ」

(;・∀・)(あ、自分で『チビ』って言葉は使うんだ……)


(#=゚ω゚)ノ「全ての高身長に鉄鎚を、ってなぁ――!!」


<_;プー゚)フ「あ、あれぇ!? なんか途中で主旨変わってね!?」
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:30:51.37 ID:usbSHa9BO
キヤノンアクスか…かっけー!
46 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:32:54.03 ID:sZDBApqT0
エクストの叫びは無視され、鬼の形相をしたイヨウが迫る。
大振りの横薙ぎが、咄嗟に構えられた大剣に当たり、甲高い音を響かせた。

<_;プー゚)フ「ぐがっ……!? い、ってぇ!」

(;・∀・)「エクスト! まだだ!!」

(#=゚ω゚)ノ「低身長を悩む若者代表、イヨウ=クラインがオメェの頭叩いて身長縮めてやんよぅッ!!」

振り抜いた長斧をそのまま、今度は石突による攻撃が来た。

術式機構と冷却機を兼用するアンカーのような部分は、攻撃に使えるよう強化されている。
むしろ機構が仕込まれている分、打撃力として見ればこちらも充分に脅威だ。

<_;プー゚)フ「背ぇ高くても良いことねぇっつーの!
         ビビって近付いてこねぇ奴もいるしさぁ!」

(#=゚ω゚)ノ「しかぁし! 低身長であることにプライド的な損失はあるよぅ!」

<_;プー゚)フ「そりゃそうかも――って、うぉっと!?」

エクストが一歩退き、眼前を石突が薙いでいく。

本来なら反撃のチャンスだが、イヨウはそれを許さない。
石突を払った後、回転を止めず、更に勢いを上げて迫ってくる。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:33:07.00 ID:qRvKAykc0
(=゚ω゚)ノえらい高身長もげろ
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:34:31.63 ID:LMQ3I4N40
まぁ身長で体格に差が出るし戦闘職としてはこだわるだろう
49 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:35:43.47 ID:sZDBApqT0
横回転しつつ、斧頭と石突を使っての連続攻撃。
更にステップを刻むことで斜めの軌道も付け加えている。
長柄系武器の戦い方の一つで、大振りになりやすい攻撃の隙を埋めてくるものだ。

<_;プー゚)フ「ちっ……だがなぁ――」

迫る回転攻撃に、エクストは即座に判断を下した。
大きくバックステップすることで、敢えて距離を離したのだ。

<_#プー゚)フ「その程度の攻撃なら見慣れてるぜ!
         小細工には力! 今度こそブっ飛ばしてやる!!」

いくら回転が鋭くても、それ以前に体格差が決定的だ。
加えてエクストの突進力も加われば、イヨウに耐える術はない。
しかし、

(#=゚ω゚)ノ「わぁーってんだよぅ、馬鹿野郎!
      俺っちだって、そういう判断は見慣れてンぜぇ!?」

エクストが離れるや否や、イヨウは踵を路面に擦り付けて急停止した。
そのまま長斧を構え、それをエクストへ向け、

(#=゚ω゚)ノ「距離が離れたらコレの出番ってなぁ!」

<_;プー゚)フ「げっ、しまっ――」

(#=゚ω゚)ノ「――食らいなよぅっ!!」

同時、魔術砲が吼えた。
スズキを狙い撃った直線型の魔力光が、今度はエクストへ襲い掛かる。
50 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:37:34.56 ID:sZDBApqT0
<_;プー゚)フ「くっ……!!」

たとえエクストが頑丈でも、あの威力と同じならダウンは免れない。
咄嗟に、大剣を盾にしようとして、

( ・∀・)「こういう時こそ僕の出番だよね……!」

モララーが、エクストの前に滑り込んだ。
既に展開していた防御術式を起動させ、シールド状の光を作り出す。
その表面に魔力の塊が激突した。

強烈な光と音。
しかし、なんとか防ぎ切る。

術式で作った防御膜が、軋みながら消えていくのを見て、

(;・∀・)「無茶苦茶な威力だ……僕の術式じゃあ、一発分しか耐えられない」

そう呟いた時。
散り舞う光粒の向こうから、それらを裂くようにイヨウがいきなり現われた。

(;・∀・)「なっ!?」

(=゚ω゚)ノ「へへっ、悪ィなぁおい。
     オメェが防御術式使いってのは解ってンだよぅ……!」

それは、防御されるのを予測しての接近だった。
51 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:39:45.03 ID:sZDBApqT0
モララーが慌てて次の術式を起動させるが、

(#=゚ω゚)ノ「遅ぇ!!」

展開し切れていない光の壁を割り砕き、長斧が走る。
薙ぎ払いの一撃が、深くモララーの右脇腹に突き刺さった。

(  ∀ )「がぁっ……!!?」

まさに痛打。
耐える間もなくモララーの身が浮き、一気に弾き飛ばされる。
路面に叩きつけられ、力無く転がっていくモララーを見ながら、

(=゚ω゚)ノ「さっきから積極的に参加してねぇのは、攻撃能力持たねぇ証拠!
     自分からスタイル知らせてりゃあ世話ないよぅ!」

<_#プー゚)フ「テメェッ!!」

(#=゚ω゚)ノ「安心しなぁ! 次はオメェだよぅ!!」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:41:23.72 ID:JMyujjb2O
モララーがザコキャラすぎる
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:45:23.71 ID:xW7DZgYZ0
初遭遇支援
54 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 21:47:31.88 ID:sZDBApqT0
ちょっと投下止まります
ごめんなさい
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:49:02.44 ID:usbSHa9BO
保守は任せな
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:54:38.39 ID:Nc1kTZpOO
支援
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:58:14.58 ID:qRvKAykc0
保守結界
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:59:41.89 ID:DjhWol8PO
いやマララーの必殺技炸裂プラグだろ
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:02:39.20 ID:q8h+Aox00
作者乙
支援
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:06:08.45 ID:usbSHa9BO
支援
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:06:50.42 ID:Hz9n4FNZ0
支援
支援
支援
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:11:20.76 ID:qRvKAykc0
支援薄いよなにやってんの
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:12:27.60 ID:q8h+Aox00
しししししししししししししししししし
ええええええええええええええええええ
んんんんんんんんんんんんんんんんんん
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:14:23.60 ID:q8h+Aox00
シェー
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:15:27.85 ID:PumvxKvI0
( ^ω^)「ハイパーウルトラグッドスペシャルインクレディブルグレートデンジャラスマーベラスフォーイェーン!!」
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:17:46.27 ID:q8h+Aox00
( ゚∋゚) 「コケコッコー」
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:21:02.99 ID:qRvKAykc0
紫煙私怨支援
パープルヘイズリベンジサポート
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:22:47.88 ID:NUgJhXnz0
それは支援であり、保守でもある

69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:26:11.64 ID:qRvKAykc0
それは支援というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:27:41.51 ID:Iz4+z2UlO
支援!!
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:31:37.35 ID:cjvn773KO
魔術砲って
クー生きの渋澤がやってたような物なのかな?
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:33:13.31 ID:PumvxKvI0
あれは異常だけどそんな感じみたいだね
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:33:54.35 ID:YIgfgYlSO
しえんえん
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:34:27.87 ID:NUgJhXnz0
だが、保守というにはあまりにも高く、鋭く、広大でお手頃だった
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:34:50.01 ID:w5E+m/WOO
保守支援
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:38:54.48 ID:qRvKAykc0
ほほほほほ保守
77 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:40:24.88 ID:sZDBApqT0
怒りに任せたエクストの攻撃を、イヨウは冷静に回避。
そのままの動きで石突を突き出した。
連動の動きは、流れるようにエクストの顔面を狙うが、

<_#プー゚)フ「届くかよ……!」

間一髪、スウェーバックで避ける。
しかしその大袈裟気味な動作が、イヨウに更なる追撃チャンスを与えた。
更に踏み込み、石突を突き出したまま、

(=゚ω゚)ノ「リフリジェレイト……!!」

冷却を示す一言と同時、石突のアンカー部分から勢い良く蒸気が噴き出した。
それは確かな熱と湿気を持ちながら、エクストの顔面に降りかかる。

<_;フ ー )フ「っ!?」

(#=゚ω゚)ノ「落ちろよ高身長!!」

蒸気の尾をたなびかせ、長斧が唸る。
今までの横回転をメインとしたものではなく縦の大振りだ。
斬撃というより叩きつけの一撃が、


<_;フ Д )フ「――っぐぁぁあ!?」


エクストの無防備な右肩に、直撃した。
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:40:55.89 ID:ziReBVQT0
支援
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:41:20.97 ID:qRvKAykc0
お帰り支援
80 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:41:44.01 ID:sZDBApqT0
沈み込むような衝撃。
今まで経験したことのない重圧。
一瞬遅れて激痛が走り、身体全ての機能を妨害する。

<_;プД゚)フ「っ……っくしょ……!」

思わず膝をつくと、右手に握っていた大剣が手から離れた。

(;=゚ω゚)ノ「お、おおぅ、これで沈まねぇとかどんだけだよぅ」

<_;プー゚)フ「ぐっ、ぬぬ……腕が……!!」

(=゚ω゚)ノ「折れてはねぇが、それじゃあしばらく動けねぇだろうよぅ。
     ま、頑張った方かねぇ」

爪;゚〜゚)「モララー君!!」

(=゚ω゚)ノ「おや?」

モララーがやられていたのを見ていたのか、
スズキが慌てた様子で、倒れた彼の傍に走り寄っていた。
今まで彼女の狙撃援護が無かったのは、駆けつけてきていたからだろう。

抱えられたモララーの頭が、微かに動くのが見える。
なんとか意識はあるらしい。
81 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:42:56.63 ID:sZDBApqT0
(=゚ω゚)ノ「けどまぁ、戦闘不能だわな……。
     あの女の子も戦う気はねぇみたいだし、俺っちも女殴るのはちと嫌だよぅ。
     勝負あったってノリで良いかねぇ」

<_;プー゚)フ「っ……」

(=゚ω゚)ノ「悪ぃなぁ。 これ個人戦じゃなくて団体戦なんだよぅ。
     担当した敵を倒したなら、別の敵を探すか、味方の加勢に行かなきゃよぅ」

それはつまり、別の誰かが危機に陥るということだ。

特進クラスを名乗るだけあって、このイヨウという生徒はかなり強い。
この男が自由に動き始めたら、その被害は大きなものとなる。
もしかしたら、どこかで戦っている自分達の仲間にも――

<_;プー゚)フ「――っだらぁぁ!!」

(=゚ω゚)ノ「お」

思った瞬間、エクストは立ち上がっていた。
震える右腕で大剣『オフェンスキープ』を握り、しかしなんとか構えながら、

<_;プー゚)フ「ま、だまだぁ……俺は戦える……!」

(=゚ω゚)ノ「おいおいフラフラじゃねぇかよぅ。 無茶は止めときな」

<_;プー゚)フ「無茶なんかじゃねぇよ……! 俺がまだ戦えるって言ってんだ!
         テメェが勝手に決めることじゃねぇ!」

(=゚ω゚)ノ「コイツ……」
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:43:44.63 ID:NUgJhXnz0
支援
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:43:46.87 ID:LMQ3I4N40
あらら、負け?
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:44:25.38 ID:qRvKAykc0
支援支援しえーん♪
85 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:44:25.78 ID:sZDBApqT0
最後の一撃は、敢えて利き腕側の肩を狙った。
あれを受けた以上、あの重そうな剣を握る余裕はないはず。
だが、エクストは気合と根性だけで剣を握り、立ち上がっている。

(=゚ω゚)ノ「…………」

ラウンジではあまり見ない光景だ。
誰も彼も強さを持っているが故に、勝負の諦めも早い。
対峙しただけで負けを認める奴もいるくらいだ。

なのに、この男は立ち向かおうとしている。
どう考えてもコンディションは最悪に近いにも関わらず。

(=゚ω゚)ノ「へっ……根性あるじゃねぇか。
     さっきは田舎学生とか言って悪かったよぅ。 オメェも戦士の卵なんだよなぁ」

長斧の重さを感じながら、

(=゚ω゚)ノ「オメェのこと気に入ったよぅ。 せっかくだ、名前くらい教えてくれよぅ」

<_;プー゚)フ「エクスト=プラズマン……武術専攻学部の二年だ」

(=゚ω゚)ノ「プラズマン……?」

イヨウの表情が変わった。
それは驚きを含めた、意外、という色で、

(;=゚ω゚)ノ「オメェまさか、あのプラズマンの兄弟か何かかよぅ?」
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:46:42.89 ID:h110faQzO
しえーん!!
87 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:46:45.90 ID:sZDBApqT0
<_;プー゚)フ「……兄貴のこと知ってるみてぇだな。 もう卒業してるだろ?」

(=゚ω゚)ノ「あぁ、とっくにな。 滅茶苦茶な成績を残してよぅ。
     そうかそうか、オメェがあの男の弟かよぅ」

はは、と笑い、

(=゚ω゚)ノ「じゃあ、もうちょっと構ってやらねぇと失礼ってもんかよぅ。
     話には聞いてンぜ? いつか兄貴と勝負するってーな」

<_;プー゚)フ「あのクソ兄貴、ベラベラと……」

(=゚ω゚)ノ「そんなこと言ってる場合じゃねぇよぅ。
     何せそれが本当ならオメェ、ぶっちゃけて言うけど相手が悪過ぎらぁ。
     化物の中の化物……エクスト、オメェはそんな奴に挑もうとしてんだぜ?」

<_;プー゚)フ「……解ってるさ」

……ムカつくな。
コイツ、何も知らないのに何を勝手に。

(=゚ω゚)ノ「解ってねぇ。 あの人は、ラウンジにいる時点で学生を超越してたよぅ。
     それが今、もう卒業して外界に放たれてンだ。 意味解るかよぅ?
     どこで何してるかは知らねぇが、いつか確実に辿り着くところまで辿り着くぜ、マジに――」

あぁ、もう。

<_#フ Д )フ「――そんなこと解ってんだよッ!!」

(;=゚ω゚)ノ「おおう」
88 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:48:01.19 ID:sZDBApqT0
<_#プー゚)フ「テメェ……さっきから勝手なこと言いやがって……!
         俺の前で否定するなら他人のことにしろ! それなら構わん!!」

(;=゚ω゚)ノ「うおーい! 他人はどうでもいいんかい!?」

<_#プー゚)フ「知るかっ!
         俺ぁ別に、他人の夢や目標について無責任に庇うことも肯定も出来ねぇ!
         それを諦めるのも叶えるのも、そいつらの意思一つだ!!」

だが、と言い、

<_#プД゚)フ「俺の目標がどうなるかは、全て俺が決める!
         だから俺の前で、俺の目標を勝手に否定するんじゃねぇぇぇッ!!」

(;=゚ω゚)ノ「えぇー……」

爪;゚〜゚)「す、すごい声であります」

(メ-∀・)「はは……」

エクストの咆哮を、モララーは苦笑しながら聞いていた。

相変わらず言っていることが面白過ぎる。
他人を決めつけるのはどうでもいいが、自分を決めつけるのは許さない。
一見すれば目茶苦茶な理論だが、


……本来は、それが正しいんだよなぁ。

89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:50:15.94 ID:qRvKAykc0
兄弟対決のフラグ成立支援
90 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:51:41.75 ID:sZDBApqT0
他人を助けられるのは、己に余裕がある者だけだ。
自分達は学生で、まだまだ学ぶことが多く、上を見続けなければならない。
協力したり、助け合うことはあっても、その人の人生を手助け出来るほどの暇はない、と。

そして、と重ねて思うのは、

(メ・∀・)(アイツが感情的になるの、そういえば初めて見るかも……)

それほど大切な目標なのだろう。
いつものヘラヘラしているエクストは、どこにもいなかった。

(=゚ω゚)ノ「……へっ、面白ぇ。 本当に面白ぇなオメェ」

<_#プー゚)フ「あー……叫んだら頭の中がスッキリした。 反撃開始だ」

(=゚ω゚)ノ「おーおー、たまんね。 でも一つ言わせてくれよぅ」

笑みを浮かべ、

(=゚ω゚)ノ「オメェの目標を否定はしねぇよぅ。 確かにオメェの意思一つだわな。
     けど、俺っち程度にフルボッコされてるようじゃあ……なぁ?」

<_#プー゚)フ「上等……!
         兄貴と同じ学園の生徒であるテメェを倒し、足掛かりとさせてもらうぜ!」

痛みはある。
疲れもある。

それでも、と、エクストは剣を握りしめ、目標を叶えるための突撃を敢行した。
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:53:33.58 ID:qRvKAykc0
しっ支援なんだな
92 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:53:37.32 ID:sZDBApqT0
生活区画の南東部でも、エクスト達と同じような相対が始まっていた。

ハハ ロ -ロ)ハ「…………」

ξ;゚听)ξ「…………」

川д川「ふふ、ふふふ……」

不気味に笑い続けるのは、ラウンジの生徒であるサダコ=ベルクトルフ。
長いスカートにローブを羽織る姿は、書物上に見られる魔女の格好に似ている。
顔の大部分を覆い隠した黒髪の向こう、見え隠れする両眼はひたすらに気味が悪い。

そしてその足下に、ブーンが倒れていた。

(;^ω^)「ぐ、ぐぇぇ……」

と、苦しげな息を吐く彼は、
なんとか起き上がろうとするものの、それが出来ないでいる。
頭部に衝撃を受け、脳震盪を起こしているのだ。
93 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:54:46.51 ID:sZDBApqT0
ξ;゚听)ξ(何が起きたの……?)

一部始終を見ていたツンは、今起きたことを冷静に思い出す。

戦闘の始まりは、ツンがブーンに攻撃指示を出した瞬間からだった。
相手が女子生徒であることや、名乗ってすらいないことに、しかしツンは躊躇いを持たなかった。
ここが戦いの場となっている以上、いつどこで倒されても文句は言えない。

素直に言うことを聞いたブーンは、持ち前の俊足でサダコに接近。
ツンとは違って少しだけ迷いはしたが、すぐに思い直して蹴りを放とうとした。

その時だった。
サダコが、何かを呟いたのだ。
そしてブーンが一瞬だけ動きを止め、

ξ;゚听)ξ(いきなり身をのけ反らせて、倒れたのよね……)

トラップ系の術式を使ったのだろうか。
例えば単純に接近者へショック効果を与えるものなら、今の状況も頷けるが、
術式起動音が聞こえず、光粒も散らなかったのが気になる。

それらを隠す術式を併用した、とも考えるが、やはり何かが引っ掛かった。
94 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:55:59.68 ID:sZDBApqT0
だが、強化術式専門の自分では見当がつかない。
ツンは後ろにいるハローへ視線を向け、

ξ;゚听)ξ「ハロー、何か解る?」

ハハ ロ -ロ)ハ「……えぇ」

彼女は静かに頷き、

ハハ ロ -ロ)ハ「よく解っているわ。 嫌になる程に、ね」

ξ゚听)ξ「え……?」

そういえばサダコが妙なことを言っていた。
懐かしい顔もいる、と。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:56:55.36 ID:Hz9n4FNZ0
エクストが久々にカッコイイな
支援
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:57:13.26 ID:qRvKAykc0
おお、ブーン組みまでもしかして全員分今日やっちまうのか?
97 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:57:16.08 ID:sZDBApqT0
自分はサダコに見覚えがないし、
子供の頃から一緒だったブーンの知り合いなら、知らないわけがない。
一時期を除いてだが、ブーンの交友関係は大体把握している。

となると、やはりハローしかいない。
その思考が目に表れていたのか、彼女は肩をすくめた。

ハハ ロ -ロ)ハ「昔の話。 今は関係ないわ。
       それよりもさっきの……過去を知る私も知らない何か、よ。
       そして、気をつけなさい」

ξ゚听)ξ「解ってるわ」

ハハ ロ -ロ)ハ「NO、そして、と言ったはず。
        あの妙な攻撃方法とは別に、もう一つ気をつけるべきことがあるわ。
        昔からあの子、ちょっと変な癖があるのよね」

ξ゚听)ξ「……どういう意味?」

ハハ ロ -ロ)ハ「それは――」

そこで、サダコが被せてくるように声を放った。
足下を指差し、やはり不気味な笑みと共に、

川д川「ふふふ、ねぇ、良いの? 私は敵よ? ねぇ? この子放っておいていいの?」

(;^ω^)「ぐっ、うぅ……!」

ξ;゚听)ξ「! ブーン!」
98 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 22:58:51.02 ID:sZDBApqT0
川д川「ふふ、情けないわね。 知ってる?
     今この子、『ツンがさっさと助けないから』って言ったわよ?」

瞬間、ツンは自分の頭に血が上ったのを自覚した。
ブーンとは、互いに足りない部分を補う仲だと思っているが、
自分の不始末は自分で何とかする、という最低限の線引きは出来ていたはずだ。

それでいて頼まれなくても助けることはするが、それが当然だという態度は許せない。

ξ#゚听)ξ「っ……!? 何言ってんのブーン!?
       アンタ、最近ちょっと私に甘え過ぎじゃあ――」

ブーンが、驚き半分怒り半分といった表情でこちらを見た。

(;^ω^)「――ま、待つお!?
     先に僕のことを『役立たず』って言ったのはツンだお!?」

ξ#゚听)ξ「はぁ!? なんで私がそんなこと言うのよ!
       アンタの頑張りは私が一番解ってるんだからね!?」

(;^ω^)「え? えぇ!? 何これ!」

何かが食い違っている。
そのことに気付いた二人は、互いに視線を合わせ、そしてサダコを見た。

川д川「ふ、ふふふ、ふふふふ……面白いわね、貴方達。
     いつもこんな喧嘩してるの?
     だったらもうちょっと相手の意見を聞かないとね、ふふふ」

ξ#゚听)ξ「こ、この女……!」
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:00:13.75 ID:qRvKAykc0
支援
100 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:00:45.50 ID:sZDBApqT0
踊らされた、という事実に、ツンはまず顔に熱を感じ、
それが全身へじっくり伝わり、やがて冷えていくのを感覚として得る。
今すぐ張り倒したい衝動に耐えていると、ハローが、

ハハ ロ -ロ)ハ「だから言ったじゃない、気をつけなさいって。
        虚言癖があるのよ。 だから無闇に信じちゃ駄目」

サダコが更に深い笑みを浮かべた。
もはや『うっとり』という言葉が似合う顔、頬と目元を少し赤くしながら、

川д川「ふふふ、あぁ最高ね。 最高よ。
     真実の無い言葉に惑わされて感情を震わせる姿ってステキふふふ」

どうやら頭か心のネジが数本外れているらしい。
自分の周りにも、大小あれど似たような連中がいるツンには珍しく感じることはない。
関心を寄せる最大の問題は、ハローの言った『虚言癖』という言葉だった。

と、這いつくばっていたブーンが身を起こす。

(#^ω^)「この、よくも……!」

川д川「ふふふ、左、危ないわよ」

(;^ω^)「え? あ、これは御親切に――」

すると、右から衝撃が来た。
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:01:38.44 ID:qRvKAykc0
ブーンそこは騙されるなよw
102 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:02:08.69 ID:sZDBApqT0
風船が割れるような音と共に、視界が判別出来ないほどにブレる。
予期しない方向からの攻撃に脳が揺れ、猛烈な吐き気が襲い掛かってきた。

(;^ω^)「う、ぁ……っ」

何が上で何が下なのか解らなくなり、立っていられない。

さっきと同じだ。
上を見て、と言われて空を見上げたら、真下から攻撃が来たのだ。
まったく意味が解らない。

再び膝をつくブーンを見て、ハローは結論する。

ハハ ロ -ロ)ハ「……貴女達では相性が悪いわね。
       特にブーン、さっきからサダコの言葉に惑わされっ放しよ」

ξ;゚听)ξ「でも、相手の言うことがホントかウソか解らないんでしょう?
       だったらどうすれば……」

ハハ ロ -ロ)ハ「簡単よ。 とても簡単なこと。 だけど、教えてあげない。
        そっちの問題はそっちの問題よね。 解決を手伝う義理まではないわ」
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:02:16.58 ID:AH8INCECO
支援
104 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:03:49.74 ID:sZDBApqT0
ただ、と言い、ハローは一歩前へ出た。

ハハ ロ -ロ)ハ「因縁と言える相手だし、ここは私が出てあげる。
       ついでに時間も稼いであげるから、答え見つけてみなさい」

ξ゚听)ξ「……いつになくスパルタね」

ハハ ロ -ロ)ハ「あら、貴女は他人から答えを教えてもらって喜ぶタイプ?」

ξ;゚听)ξ「ぐっ……」

ハハ ロ -ロ)ハ「そんなこと良いから、さっさとブーンに退避指示を出すか助けに行きなさい。
        戦える人数は多いほど良いわ。 特に貴女達は二人で一人分だものね」

事実だけに反論は出来ない。
何より、今という状況で仲間同士の言い合いは不毛だ。
せっかくの合同訓練、経験はより多く得ておきたい。

渋々といった様子でツンが頷くと、ハローはそのまま歩き始めた。
サダコがそれに気付き、また笑みを浮かべる。
何度見ても慣れない表情だった。

川д川「……ふふふ、久し振りねハロー。
     どう? 私、名前をちゃんと覚えてたわよ? 凄いわよね?」

ハハ ロ -ロ)ハ「えぇ、姓の方は覚えてないみたいだけど」

川д川「ふふ、ちゃんと言ったじゃない。 名前を、って。 聞いてた?」
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:04:24.69 ID:w5E+m/WOO
しえん〜
106 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:05:20.45 ID:sZDBApqT0
ハハ ロ -ロ)ハ「相変わらずコミュニケーションがとり辛い女ね。
        コンプレックスを虚言で包み隠し、結果、もっと大きなコンプレックスを抱えて、
        貴女、今の学園生活で友達いるのかしら。 心配だわ」

川д川「……ふふふ効かないわよ、ハロー。
     もうあの頃の私じゃあないの。 強くなった。 自信があるの。
     言ったでしょう、特進クラスって。 私は特別なのよ」

ふふ、と息を漏らし、

川д川「さっきの攻撃。 あのニコニコした子を倒したの。 気になるでしょ?」

ハハ ロ -ロ)ハ「えぇ、そうね。 教えて欲しいものだわ」

川д川「ふふふ何でも解ってる風な貴女が、そうやって私に教えを乞うなんてステキよ。
     だったら教えてあげる。 聞いて驚きなさい。
     私はね、確かに虚言癖があったわ。 認める。 事実よ。 本当。 トゥルー。
     それで嫌な思いもしたし、言われたとおり、もっと大きなコンプレックスも抱えた。
     でもね、もうそんなの関係いの。 だって――」

両腕を左右に広げ、充血した目を見開き、


川д川「――だって私、言霊を操れるようになったもの!」


ハローの後方で、ツンが思い切り肩を落とした。
107 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:07:30.58 ID:sZDBApqT0
ハハ ロ -ロ)ハ「言霊、ね……」

言葉には力がある、という考え方から生まれた言葉だ。
あまり詳しくはないが、言語学として正式な研究はされているはず。
それをサダコは操れるのだと言う。

川д川「私はね、元から言葉や文字に興味があったの。
     だって文字って不思議じゃない? そこにあるのに、何処にもないのよ?
     私が例えば『犬』って言えば、これを聞いた誰もが犬を思い浮かべるわよね。
     でも、その犬は何処にもいない。 解る? ステキよね?」

一気に饒舌となったサダコは、更に続ける。

川д川「言葉はね、『それのみ』なの。 それ以外の意味なんてないの。 劣化もしない。
     でもね、言う人や使い方、状況によって直接の意味や、伝わる結果が違ってくる。
     私が今言う『こんにちは』と、明日の私が言う『こんにちは』。 違うわ。 そういうこと」

ハハ ロ -ロ)ハ「…………」

川д川「貴女も知っている通り、私は虚言癖を持っていたわ。
     嘘を吐き続けた。 惨めな自分を隠すために。 皆、迷惑したでしょうね。
     それでも言葉は真実よ。 私はあの時、『テストで満点を取った』と嘘を吐いたわ。
     でもね、24点だったテスト用紙を見るまでは、それを聞いた人達の中では、
     私は確かに『満点をとった生徒』だったのよ。 だって、答案用紙を見ない限りは否定出来ないんだもの」

だから、と言い、

川д川「ふふふ、見せてあげるわハロー。
     私が虚言の果てに手にした力、言葉を操る力を」
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:07:52.31 ID:h110faQzO
支援
109 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:09:22.38 ID:sZDBApqT0
ハハ ロ -ロ)ハ「……!」

川д川「『風よ吹け。 すると風が吹いた』」

突風。
それが、いきなりサダコの背後から来た。
吹き付けてくる無色の激流は、しかし立っていられないというほどでもない。

ハハ ロ -ロ)ハ「これは……」

まずハローが思ったのは、それが術式によるものかという疑問だ。
術式の起動方法の一つに音声を使うものがあるが、ウインドウも起動音も無かった。
現状、正解だと言えそうなのは、

ハハ ロ -ロ)ハ(本当に言霊を操っているの……?)

頭の中の情報を引っ掻き回す。
確かに詳しくはないが、何かで概要だけは読んだ気がする。
110 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:11:02.44 ID:sZDBApqT0
川д川「ふふ、考えてるわね。 その真剣な表情、好きよふふふ」

ハハ ロ -ロ)ハ(とりあえず一度距離をとるべきね)

足下に転がるブーンを助けるため、サダコをあの場から動かす必要があった。
彼女の優先目標は間違いなくハローで、だからこそ後退という判断は当然だ。

それに、どちらも肉弾戦は得意ではない。
距離をとり、互いに有利な位置を探り合いながら戦う術式戦メインである。
だが、

川д川「逃がさないわよ。 『こちらへ来なさい』」

ハハ ロ -ロ)ハ「っ!?」

下がろうとしていた身体が、強制的に前へと歩かされた。
いや、厳密に言えば、いきなり背中から押されたのだ。
すぐさま背後を見るが、しかしそこには誰もいない。

ハハ ロ -ロ)ハ「何……?」

川д川「ふふふ、言ったでしょう? 私は言葉を操れるの。
     私が放つ言葉は全て真実なのよ」

ハハ ロ -ロ)ハ「……言葉に強制力を持たせている、にしては軽装ね」
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:12:18.17 ID:9TY/gKa60
しえ
文字文字文字
112 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:12:36.57 ID:sZDBApqT0
もし仮に術式で『言葉を操る』という能力を得ているのなら、
言葉という形を持たないものを表現するための概念系、それに力を付加する干渉系、
そして操るための制御系と、少なくとも三種の術式を組み込む必要がある。

それだけの規模の術式となれば、魔力消費も半端ではない。
だというのに彼女の格好は制服にローブと、センス云々は別として、装備が軽過ぎる。

ハハ ロ -ロ)ハ(そもそもデバイスが見当たらない……。
       リングやブレスレッド式なら、容量的に考えて言葉を操る術式なんて使えるわけがない)

ならば、どういうことか。
本当に言葉を操る能力を得たのか。
しかし結論を出すには、情報が足りない。

ハハ ロ -ロ)ハ「……仕方ないわね。 ここで相手してあげるわ」

川д川「ふふ、この近距離で何をするつもりなの? 楽しみ」

向かい合う距離は、歩数にして五歩分ほどだ。
術式使いにとっては致命的とも言える近距離だが、

ハハ ロ -ロ)ハ「私はね、自分で何もかもをするのが好きなのよ――!」

取り出すは赤色ののスティック型デバイス。
添えた親指でスイッチを上げれば、それが起動条件だ。
すぐさま、ハローの周囲に四本のポリゴンテクスチャーな触手が出現した。

ハハ ロ -ロ)ハ「GO! GO Tentacle!!」
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:12:58.43 ID:g1ND5L490
ネシンバラ支援
114 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:14:12.40 ID:sZDBApqT0
ハローの指示に忠実な反応を示す触手。
それぞれ四方向から、サダコを殴りつけるために動き、

川д川「『邪魔だから砕けなさい』」

しかし、いきなり爆ぜた。

真ん中から引き千切られるようにして、四本の触手が全滅。
形を保っていたのは一瞬で、次の瞬間には光の粒子となって散っていった。
少し遅れて、消、という鈴の音に似た音が響いていく。

川д川「近距離でも戦えるなんてステキよふふふ。
     でもね、駄目よ。 言葉に距離なんて関係ないんだから」

ハハ ロ -ロ)ハ「…………」

やはりおかしい、とハローは確信した。
言葉を操るにしては、不可解な点が多過ぎる、と。

術式として言葉を操るのであれば、
周囲空間を言葉に即した状態に改変するのが最も簡単だろう。
そういう意味で本当に言葉を操れるのであれば、負けろ、と言えば良いはずだ。

負ける要素が一斉にハローに襲い掛かり、術式の効果が及ぶ限りは敗北が決定付けられる。
そんな高度な術式を作ることが出来るのかという問題は別として、それをしないのは何故か。
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:14:25.73 ID:AH8INCECO
ハロー姐さんファイトォオオォ!

支援!
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:16:03.38 ID:qRvKAykc0
触手プレイ支援
117 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:16:04.74 ID:sZDBApqT0
ハハ ロ -ロ)ハ(簡単ね。 出来ない。 それだけのこと)

そして更に疑問があり、

ハハ ロ -ロ)ハ(彼女がさっきから、この距離を保とうとするのは何故かしら。
        ……確かめる必要があるわね。 体感として)

川д川「ふふ、絶句? でも次は私の番よ」

右手を掲げた。
それを大きく右へ振り、

川д川「『殴られなさい』」

勢い良く左へと振った。
ビンタという攻撃方法だが、五歩の距離がある状態では届くわけがない。
ハローは、とある考えもあって敢えて動かなかった。
そして、

ハハ ロ -ロ)ハ「――っ!!」

はっきりとした打撃が、ハローの左頬を打った。

金の髪が乱れ、掛けていた眼鏡が飛んだ。
それは音を立てて路面に落ち、二度三度と転がっていく。
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:18:01.51 ID:5xsvF5Za0
ハハ ゚ -゚)ハ
119 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:18:51.36 ID:sZDBApqT0
ξ;゚听)ξ「何よ、今の……!」

ブーンを救出する機会を窺っていたツンは、
今起きた理不尽にも程がある出来事に、驚きと怒りを感じていた。

前者は説明できない攻撃に対して、
後者は仲間を殴られたという事実に対して、だ。

そして思うのは、今の出来事に対する推測。
ある程度の距離があるのにも関わらず、打撃がハローを襲った。
それは、己の身体以外の何かを使わなければ出来ない芸当だった。

ξ゚听)ξ(やはり術式だわ。 ほぼ確実に。
      でも、その正体が解らない……!)

手が届きそうなのに、届かない。
何かを見落としている感覚は、とても焦れったもの。

それは、渋澤の『鉄拳』を相手にしているような感覚に似ていた。
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:19:36.08 ID:tj4g6kkeO
触手でらめぇな展開マダー?
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:19:41.93 ID:MYYRuLWKO
これは宝貝、神の見えざる手か?
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:20:31.69 ID:LMQ3I4N40
メガネを取ったら?しえん!
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:21:12.03 ID:usbSHa9BO
阿部ならわかるんじゃね?
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:21:40.25 ID:qRvKAykc0
支援の章
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:22:05.38 ID:pBjmYPj2O
支援!
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:22:10.29 ID:AD7LTIO2O
やっぱり鉄拳と似てるんだな
127 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:22:56.51 ID:sZDBApqT0
ξ;゚听)ξ「何よ、今の……!」

ブーンを救出する機会を窺っていたツンは、
今起きた理不尽にも程がある出来事に、驚きと怒りを感じていた。

前者は説明できない攻撃に対して、
後者は仲間を殴られたという事実に対して、だ。

そして思うのは、今の出来事に対する推測。
ある程度の距離があるのにも関わらず、打撃がハローを襲った。
それは、己の身体以外の何かを使わなければ出来ない芸当だった。

ξ゚听)ξ(やはり術式だわ。 ほぼ確実に。
      でも、その正体が解らない……!)

手が届きそうなのに、届かない。
何かを見落としている感覚は、とても焦れったいもの。

最も近いものとして、渋澤の『鉄拳』を相手にしているような感覚に似ていた。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:23:01.01 ID:Hz9n4FNZ0
支援術式展開w
129 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:24:37.45 ID:sZDBApqT0
川д川「ふふ、ふふふふふふふふ……惨めね。 最高よ」

ハハ - )ハ「…………」

川д川「貴女じゃあ、私に勝てないわ」

ハローは答えない。
乱れた金髪で顔を隠したまま、落ちた眼鏡を拾った。
汚れてしまったレンズに構わず耳に掛け、位置を調節し、

ハハ ロ -ロ)ハ「……ふふ」

笑みを浮かべた。
それは、仲間であるツンやブーンですら見たことのない表情。
いつもの自信に満ちたものではなく、

ハハ ロ -ロ)ハ「……いけないわね、自分で言ったことを忘れるだなんて。
       凡ミスも良いところ。 反省しなきゃ」

自嘲。
己を嘲る笑みに、サダコが怪訝そうな表情を見せる。

川д川「何を――」

ハハ ロ -ロ)ハ「大体解った。 本格的にいくわ。
        もったないけど、まだ仲間にも見せたことのない力を使って」
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:25:06.60 ID:xW7DZgYZ0
そう来たかー…
131 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:25:48.02 ID:sZDBApqT0
取り出したのは、胸ポケットに差さっているスティック型デバイス。
しかし今度は赤色ではなく、透き通るほどのブルーカラーのスティックだった。
同じように親指でスイッチを押し上げ、

ハハ ロ -ロ)ハ「来なさい」

直後、その場の空気が一変する。
原因は視覚的に明らかだった。

ξ;゚听)ξ「ちょ、それって……!」

ハハ ロ -ロ)ハ「Joker、ってやつよ」

そう言って笑みを浮かべる彼女の周りには、あるものが降り注いでいた。
風に乗ってふらりふらりと揺れ落ちていくのは、

川д川「青色の花弁……!?」

ハハ ロ -ロ)ハ「に、見えるでしょうね。 でも――」

右腕を軽く掲げ、その白く細い指を一本立てた。
すると花びら達が一斉に動きを止め、その鋭利な先端をサダコへと向ける。
その動きに、思わずサダコが息を詰めるのを楽しそうに眺めながら、

ハハ ロ -ロ)ハ「――GO」

発射された。
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:26:08.76 ID:AH8INCECO
wkwk支援
133 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:27:09.89 ID:sZDBApqT0
それは、もはや花弁とは言えない何かであった。
次々と加速し、獲物へ食らいつこうとする青色の群。

サダコはいくつかの判断を短い時間で行なった。
向かい来る複数の青色の正体を『小さなブレード』と推測すると同時、
数はそう多くないが、それでもノーガードで受けるには危険と判断した。

川д川「っ……! 『舞い上がりなさい』!」

き、という甲高い音が響き、呼応するように風が唸りをあげた。
サダコを中心として回転の動きを生み、突っ込んできた青色の花弁を巻き込みながら上昇し、
結果、サダコは無傷でハローの攻撃を凌いだ、

ハハ ロ -ロ)ハ「――と思ってるのかしら?」

目の前に、距離を詰めたハローの顔があった。

川д川「くっ! 『退きなさい』!!」

ハハ ロ -ロ)ハ「〜♪」

川д川「え……? ど、どうして……」

と、確認するように周りを見ると、

川д川「あ」

いつの間にかハローの繰り出していた触手が、
サダコの周囲四ヶ所、何もない空間に、文字通り『絡み付いていた』。
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:27:15.56 ID:usbSHa9BO
新技支援
135 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:28:28.60 ID:sZDBApqT0
そこに透明な何かがあるのか、軋みの音を上げながら触手は震えている。

ハハ ロ -ロ)ハ「自分で言っていたのに忘れるなんて、情けないわ。
        貴女は嘘吐き。 だから、言霊を操れるなんていうのも嘘なのよね」

川д川「っ……」

ハハ ロ -ロ)ハ「随分と巧妙に隠したものね。 おそらく自律系の砲か何かかしら。
       それを……四つね。 常に周囲に浮かべている。
       戦闘前から起動しているから、起動音が無いのは当然……」

そして、と言い、

ハハ ロ -ロ)ハ「あとは自分の都合の良い言葉に合わせて、攻撃を叩き込めば良い。
       『左』と言って『右』から攻撃が来たり、『こちらへ来い』と言って背後から押されたり、
       ちょっと考えてみればパターン入ってたのよね」
136 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:31:39.09 ID:sZDBApqT0
川д川「ど、どうして……気付いて……」

ハハ ロ -ロ)ハ「言葉を操るなんて、そんな強力な手札は最後まで伏せておくものよ。
       それをわざわざ説明するのは、注意を引きつけたい証拠と見られても仕方ないわね。
       言葉の操り方、稚拙にも程がある、と言わせてもらおうかしら」

更には、

ハハ ロ -ロ)ハ「私をあの距離から逃さなかったのは、遠くからの観察を嫌ったのかしら?
       大気の流れや音を見れば、貴女の周囲に何かがあると、ね」

正解だったのか、サダコの表情が大きく歪んだ。
歯を軋ませ、怒りを露にすると、その華奢な右手を振りかぶる。
しかし、それよりも早く動く影があった。

ハハ ロ -ロ)ハ「――ブーン、荒事は任せたわよ」

( ^ω^)「把握!」

川д川「あっ……」

(#^ω^)「ハローが時間を稼いでくれたおかげで、回復したお!!」

既に足はツンによって強化されている。
頼みの砲塔もハローに抑えられ、為す術がなくなったサダコは、

川д川「ハロー=エステル……!!」

搾り出すように呟き、そしてブーンの足刀蹴りを食らって吹っ飛んだ。
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:31:40.21 ID:79X2v6hEO

138 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:33:01.16 ID:sZDBApqT0
数メートルの距離を滞空して路面に落ち、そのまま転がっていく彼女を眺めながら、

ハハ ロ -ロ)ハ「……やっぱり覚えてたのね、私のフルネーム」

と、宙に浮いていた四つの砲塔が消えた。
操作範囲の外に出てしまったため、リセットが掛かったのだろう。
捕まえておくものも無いので、ハローも触手術式を全て解除する。

気持ち良くなるほど飛んだサダコを見て、ブーンが呟いた。

(;^ω^)「うわぁ、ちょっとやり過ぎたかもしれないお……」

ハハ ロ -ロ)ハ「良いんじゃない? 何度も殴られてるわけだし」

(;^ω^)「ハローは昔の知り合いにもセメントだお……。
     でも、よく四つの砲を持ってるなんて気付いたお?」

するとハローは首を横に振った。

ハハ ロ -ロ)ハ「いいえ、砲が四つあるなんて思ってなかったわ。
       何かが在る、とは確信していたけど、ね」

(;^ω^)「え”」
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:33:16.16 ID:qRvKAykc0
あらら、ブーン意外と容赦ねーなw
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:34:58.03 ID:h110faQzO
ハローさん最高っす
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:35:48.89 ID:usbSHa9BO
支援
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:37:07.67 ID:w5E+m/WOO
しっえん
143 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:38:25.74 ID:sZDBApqT0
突然なんだけど、ここで投下終わらせて下さい。
本当にごめんなさい。なんか駄目だ。
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:38:49.97 ID:X3BVxnB5O
支援
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:38:55.61 ID:64i7yW8HO
えっ
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:39:37.49 ID:AH8INCECO
どうした
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:39:47.19 ID:usbSHa9BO
そうか駄目か。保守は必要かい?
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:39:51.40 ID:8EMlIFLpO
なん…だと…?

なんだとっ!!!!!!!!
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:40:19.78 ID:pBjmYPj2O
ハロー支援
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:40:28.81 ID:h110faQzO
そんなときもあるさ
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:40:40.41 ID:4CrnW7BH0
なんか駄目だワロタ
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:41:37.27 ID:xW7DZgYZ0
何があったかはわからんが、ともあれ乙
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:43:39.11 ID:qRvKAykc0
まあ、のんびりやってね作者
乙乙乙
154 ◆BYUt189CYA :2009/09/19(土) 23:44:20.44 ID:sZDBApqT0
本当に申し訳ないです。
えーっと、ちょっと色々と確信があったりしたので、
今日のところは見逃して下さい。うひー。

しかしどうしようこれwwwww途中終了なんて初めてだwwwwフヒヒwww


>>147
落としておkです。


支援ありがとうございました。
そんでもってホントごめんなさい。

まとめはどうしよう。今回はもういいか。うん。
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:44:27.22 ID:5Wjt50cfO
>>143
はぁ!ふざけんじゃねーよ
書き溜めあるんなら投下しろよ
もしかしてチラチラ某スレの評価見てたとか?
あれが本当の評価だけどな
信者どもにすら見捨てられないようにな
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:45:01.50 ID:q8h+Aox00
乙カレー
おやすみなさい
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:47:07.26 ID:pBjmYPj2O

てことは再投稿?
楽しみにしてますよー。
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:47:33.46 ID:AH8INCECO
何が駄目なのかわからんがともあれお疲れ
ゆっくり休んでくれ
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:48:00.47 ID:usbSHa9BO
>>154
わかった。待ってるからもう一回出直してこい。
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:48:06.43 ID:5Wjt50cfO
あーあ信者がどんどん離れて行くなぁ…
学園都市は打ち切りにでもしたら?
いや寧ろしばらくブーン系から離れて見るとかね
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:50:02.39 ID:YhvN0QQjO
作者むりすんなよ
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:51:46.78 ID:4CrnW7BH0
ID:5Wjt50cfOが必死すぎて
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:52:22.58 ID:l/U8qE4j0
ID:5Wjt50cfO
以降は某スレでお願いします。
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:52:31.17 ID:k7ZQsYlGO
よむほ
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:52:35.61 ID:5Wjt50cfO
楽しみにしてる読者を踏みにじる行為をしてそれか
憤慨してるROM専だっているはずだ。もう引退の時期なんだよ
少なくとも俺にはそう感じるよ
な?
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:53:02.58 ID:pz/JTdXb0
まじかー待ってるぜ頑張ってくれ!乙!
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:55:19.21 ID:0ATNlIPpO
作者乙

wktkしとくよー
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:56:05.27 ID:Hz9n4FNZ0
楽しみに待ってるぜ
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:56:52.54 ID:5Wjt50cfO
も う 楽 に な ろ う ぜ
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:56:54.71 ID:5BHIgtRMO
作者、俺だけはお前が好きだぞ。
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:58:13.89 ID:9Ja6EXAZ0
>>170
おいふざけんな俺もだ
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:58:49.12 ID:r3gJE62xP
作者愛してる
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:00:15.20 ID:usbSHa9BO
>>170
おっと抜け駆けはそこまでた
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:01:18.22 ID:R3bzpGQXO
>>170
俺が一番好きだ
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:03:39.73 ID:xiYYFkhp0
>>171>>173>>174
は?何言ってんの?俺がry
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:04:15.06 ID:i8VvkIACO
――――第九話

             『作者と絵師』――――――――――







        表現の動機を5KB以内で表現せよ


確かにもう引退するべきだな
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:18:12.17 ID:MweiWwUw0
なんだか流れがすさまじいがズドンで世界は平和だぜ。
作者乙!楽しみに待ってる!
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:27:07.89 ID:Grhvg4Fp0
楽しみにしているよ。
それだけが糧だろう。
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:27:34.06 ID:Bs9p5l9hO
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:49:08.38 ID:ihxw/y7+O
あけ
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:49:34.98 ID:WXggrd6d0
支援爆撃
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:00:41.46 ID:R5u1VD7mO
OK OK いじょーなし
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:11:16.37 ID:0HGb/ba2O
あげ
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:34:36.34 ID:kQ22AhfwO
きてただと
よむほ
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:00:44.59 ID:R345nHam0

おもしろかった
来週も楽しみにしてる
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:01:35.58 ID:bKQ2cCsv0
nnu
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:13:21.69 ID:VUrtD38WO
よむほ
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:44:20.88 ID:oBIAkXKQO
よむほ
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 03:27:44.24 ID:94QFhiobO
よむほ
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 04:51:39.96 ID:mfHYJzv9O
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 06:09:02.84 ID:fMAFFauSO
今から読む保守
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 06:14:37.57 ID:bp1ueZxqO
よむほ
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 07:30:07.10 ID:CptmCua+O
よむほ
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:30:34.98 ID:XJZb4C4bO
よむ
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:53:28.01 ID:C5bM7m2ZO
来てたのか
まあなんかしらんが作者乙!
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 09:21:27.11 ID:w/MwHIs50
まだ残ってるとは
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 10:37:29.30 ID:tPD20shiO
よむほ
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 10:50:39.39 ID:gtNEe9MyO
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 11:29:19.50 ID:gQKMum1yO
よむほ
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:15:24.58 ID:h1e3uWoIO
よむほ
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:19:16.00 ID:mfHYJzv9O
支援
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:25:36.83 ID:gkjjyllI0
投下後の支援
これは流行る
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:28:21.29 ID:ZfoL5uzq0
いや落とせよ
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:36:34.32 ID:h1e3uWoIO
まとめられたないんだから仕方ないじゃん
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:36:59.87 ID:Dz40QxrF0
必死になってる人はきっと書けなくて妬んでいるんだよねw
否定をするならまず書いてみろって
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
さらしあげ