1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:13:28.66 ID:hxPUcQzHO
アスカはオレの嫁5
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:13:55.89 ID:clBMGdks0
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい
▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・【!】お題:保守=ただ保守するのも何だから小説風に保守する=通常作扱いにはなりません
▽規制されている方へ
・
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。
▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を
▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
wiki内週末品評会:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:14:45.82 ID:clBMGdks0
45 ◇O8W1moEW.I 09/09/16 12:33:59 ID:kHVepUrr
週末品評会第7回『ねこ』から早3年半
ずっと、俺は何かが欠けたような気持ちでいっぱいだった
ネコがあるのなら当然あってしかるべきあのお題が、この長きにわたる間出されずにいたのは一体どういうわけだろうか
さあ今こそ立ち上がるのだ、犬派の諸君!
第181回品評会 『犬』
規制事項:5レス以内
投稿期間: 2009/09/19(土)00:00〜2009/09/20(日)23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間: 2009/09/21(月)00:00〜2009/09/22(火)24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:15:39.18 ID:clBMGdks0
744 名前: ◆DSM7XB0fYQIy [] 投稿日:2009/09/16(水) 12:55:19.54 ID:BMQBoyf4O
よろしい、ならば戦争だ
《少佐》
第181回品評会 『猫』
※投下する際に題名の後ろにどちらのお題を使用したのかを明記してください
規制事項:5レス以内
投稿期間: 2009/09/19(土) 00:00〜2009/09/20(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間: 2009/09/21(月) 00:00〜2009/09/22(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:22:25.22 ID:GAp0plHN0
スレ立て乙
そして、品評会のネタが下りてこない
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:22:51.60 ID:396hnPBV0
いちおつ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:23:05.61 ID:9yFgoP4nO
いちおつ!
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:25:24.03 ID:AkGtLa9d0
いっちょつ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:28:59.41 ID:JiZ8oDlc0
前スレ
>>996 インコ書いたものです
投稿する前によく読み返したほうがいいですよね
優しい話言ってた人はないです。豚骨ラーメンで初投稿した初心者です。
小説は読むのは好きだが書いたことは殆どありません。。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:39:37.39 ID:AkGtLa9d0
優しい話優しい話言ってたのは自分で、
優しい話書きたいのにいつまでたっても優しい話が降りてこないです
パンダしか降りてこないです。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 22:52:28.40 ID:18vO+cjtO
あげ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:10:23.61 ID:NWb14DjPP
行き詰ったのでお題ください↓
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:13:54.08 ID:wXZ6MZpg0
>>15 SUSHI,TEMPRA,FUJIYAMA,HARAKIRI,DOGEZA.
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:16:46.42 ID:NWb14DjPP
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:28:58.42 ID:L7UJGjuPO
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:30:16.63 ID:KYEYZMGF0
お題くれ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:45:51.15 ID:yOeVY0Jf0
お題下さい
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:46:00.29 ID:18vO+cjtO
おっと
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:49:15.76 ID:yOeVY0Jf0
メタと叙述トリックの違いについて考えてたら夜になっていたでござる
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/17(木) 23:57:48.58 ID:18vO+cjtO
>>24 失敬。保守がちょうどかぶった
よかったらお題もってって
つ「マウス」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:00:40.05 ID:mII/1iGP0
お題を貰って書いていたものが気がついたら品評会用のものになっていたでござる
土日は家にいないんだけど、どうしたらいいかな
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:01:50.16 ID:zTVKAysG0
今投下したらいいんじゃないかな?
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:05:54.30 ID:hXp1pP3B0
不在者投稿制度なんてあったっけか
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:08:27.58 ID:ZVILKlpQO
ないなら作ればいいのよ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:09:09.15 ID:lx5AsGnh0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:09:56.19 ID:CFjRkgdsO
投下出来なくちゃ困るな。規制者か避難所にその旨書いて投下しておくとかどう?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:10:29.00 ID:ZVILKlpQO
連投スマネ。
規制者スレとかに投下しておいて、土曜日になったら本スレに転載してもらうなんてどうだろか?
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:18:56.40 ID:mII/1iGP0
一応、投稿期間が決まってるみたいだし、携帯がつながるかどうか解らんから、
>>33の案でいきまス
初品評会ででこの体たらくは申し訳ない気がするが
おだいちょうだい
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:32:45.64 ID:ILQ8oBog0
もひとつちょうだい
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:38:57.15 ID:mII/1iGP0
マネキンに内臓詰めて運ぶ話しか思いつかない俺はもう筆を折るべき
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:57:14.89 ID:yqXupZhEO
お題
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 00:57:47.79 ID:tRrdgY9s0
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 01:02:08.27 ID:lx5AsGnh0
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 01:02:11.61 ID:osfJO5Gq0
47 :
繰り返される…お題:おっと 0/4:2009/09/18(金) 01:19:23.76 ID:2lwEwser0
投下します
48 :
繰り返される…お題:おっと 1/4:2009/09/18(金) 01:21:02.48 ID:2lwEwser0
「最近、つい何かを間違えてしまったことはないかね?」
目の前に突然現れた老紳士は開口一番そんなことを言ってきた。
「私は最近多いのだよ。そういったつい間違えてしまうということが。おそらくは歳の所為なのだとは思うのだが、
如何せんあまりにも多くてねこの間病院に行ってきたのだよ」
老紳士はなお軽快な口調で語り続ける。
それに対して俺は何も言う事がなく、ただ「はぁ?」と所在無く答えることしかできない。
「それでくだされた診断結果が、認知症らしいのだよ」
「大変ですね」
「ああ、本当に大変だよ。私はこの通りピンピンしているというのに」
俺は老紳士の語りを話半分に聞き、この老紳士がいつどこから出てきたのかということを考える。ここは住宅街
の一本道であり、隠れられる場所等精々電柱くらいしかない。では、どこかの家から出て来たのだろうかといえば、
それもないだろう。この辺の家に住んでる人はあらかた知っていて、その中にこんな老紳士が居た記憶はない。
考えても分からないのなら、
「すいません、あなたは誰ですか? そしてどこから来たんですか?」
素直に聞くまでだ。
「おっと、私としたことが自己紹介がまだだったか。すまんな、少年。私は大石菊次郎というものだ。出はこの町内
でないので、言ったところで大した意味もないだろうから伏せておくよ」
「では、大石さん。俺になんのようですか。俺はこれでも結構忙しい身で、早く行かないと負けちまうんですよ」
「ほぅ、負けるということは勝負事かね。何の勝負だい?」
「野球ですよ。六年生の野球チームと次の一ヶ月間の放課後の校庭の使用権をかけて戦ってるんです。負けられ
ないんですよ」
「ふむ、それは重ね重ねすまんな。何、用というほどの事でなかったのだ。ただ単に、話し相手が欲しくてね。家で
はすっかり認知症として扱われているので、誰も私の話を真剣には聞いてくれないのだよ」
はっきり言ってしまえば、迷惑極まりない。そんなことで止められていて試合に間に合わなかったら、仲間に示しが
つかない。
「じゃあもういいですか? 俺は忙しいんでほかの人を探してください」
そういって走り出す。
早くしないと本当に試合に間に合わない。
「まあ、そう言うな。ここであったのも何かの縁じゃないか。その試合を見学させてくれたまえよ。なに迷惑はかけな
いさ」
49 :
繰り返される…お題:おっと 2/4:2009/09/18(金) 01:22:15.39 ID:2lwEwser0
老紳士はそう言ってついて来た。
グランドにはもうすでにみんな集まっていた。
ホームベースのあたりで、みんなが俺を睨んでいる。
当然だろう。時間よりも三十分も遅れたのだから。まだ始まっていなかっただけ僥倖と言うものだ。
「遅れてごめん」
そういって俺はいっそう駆ける。
老紳士はゆっくり後ろからついて来る。
走りながら気付いたのだが、人数が極端に少ない。そして顔ぶれはみんなよく見かけるものばかり。
六年生達がいないのだ。
「おっせぇ〜ぞ」
誰かがそんな風に俺を一回小突く。
「悪かった。へんなおっさんに絡まれてたんだ」
「変なおっさん?」
何人かが口をそろえて問うてくる。
「あぁ。今後ろからついて来るおっさんだよ。そんなことより六年生はどうしたんだ?」
「六年生のエースの久保君が怪我したから、試合は来週だってさ。それまではグランド自由に使っていいらしいよ」
「マジで? ラッキー」
そんな風に浮かれていると、後ろからようやくおっさんが到着した。
「きみは早いな、少年」
「あっ、おっさん。この前の」
さっき俺を小突いた奴が、そう言った。
「ん、きみは誰だったかな?」
老紳士は思案顔になる。
「この間、下校中にいきなり話しかけてきたじゃねえかよ。何忘れてんだよ」
「ああ、確か清水大樹君だったね。思い出したよ」
「えっ? おっさんなんで俺の名前知ってんだよ。俺あんときは確か相手しないでさっさと帰ったはずだぞ」
「おっと、しまったなぁ。そうだったそうだった。最近そういった勘違いが多いのだよ」
「あっ!?」
誰かが突然大声を上げた。眼鏡っ子の吉田だ。
50 :
繰り返される…お題:おっと 3/4:2009/09/18(金) 01:24:07.75 ID:2lwEwser0
「この人、前……」
声は震え、その瞳には涙が滲んでいる。
「前に……ニュースで出てた。人を……殺したって」
吉田は震えた声で、それでも精一杯振り絞ってそう言った。
そういえばさっき認知症がどうとかって。
「ちっ、ガキのくせにニュースなんて見てんじゃねえよ」
老紳士だった男は、かおを突然歪めて、懐からナイフを取り出した。
「あぁ、その通りでございますよ。殺人癖の大石菊次郎さんですよ。質問があるならさっさと訊きな。優しい優しい菊
次郎おじさんは、死に行く子供たちの疑問に答えてあげますよ」
「あんた、認知症って病気なんじゃねぇのか?」
俺はどうしても気になったので、元老紳士だったおっさんにそう聞いた。
「あぁ? どうでもいいこと訊きたがるんだな。まあいいや。そんなもんはフェイクだよ。何の意味もない。ただ会話を
つなげるためだけの嘘っぱちさ。めんどくせえ、あと二つだ」
「なんで人殺しなんてするんだよ」
後ろで震えてる大樹がそう大きな声で訊いた。
「いい質問だな。ガキ。一番最初は不可抗力だったんだよ。街でヤバイ不良どもに襲われてな。その時に近くにあっ
た鉄パイプでぶん殴ってやったら死んじまったんだよ。それがおっとどうしたずいぶん楽しくってな。それ以来病みつ
きになっちまったんだよ。正直感謝してんだぜ。あの不良坊やたちにはよ。あいつらのおかげでつまらない老後を送
らなくてすみそうだからな。まあ、大半は俺の『おっと』ってのがでかかったように思うがな。お前らももし生きてられた
らその瞬間は逃すなよ。絶対に後悔するからよ。まあ、そんなもんはねえんだがな」
下卑た笑い声がグランドに響く。まさしくこれが人類の屑というやつなのだろう。
「さあ、あと一つだな。早くしな」
誰も声を発しない。
「おいおいおいおい、あと一つ残しとけば殺されないなんて馬鹿なこと考えてるんじゃないんだろうな。質問がねえんな
らこれでしまいだ。あばよ。ガキ共」
「待った。なんであの時俺を殺さなかったんだ? それになんで俺の名前知ってるんだよ?」
大樹が最後の質問を使った。
「全部で三個っつたろっ」
怒声が響く。そしてすぐに
「まあ、いいぜ。どうせラストなんだからそんくらいのことは許してやるよ」
51 :
繰り返される…お題:おっと 4/4:2009/09/18(金) 01:25:41.47 ID:2lwEwser0
と緩くなった声で語る。
「あん時は流れが悪かったんだ。その前にさっき名前が挙がってた六年の久保って野郎を殺そうとしてたんだが、逃げ
られちまってな。いまいち流れが悪かったから殺すのはやめたほうがいいって思ったんだよ。お前の名前知ってたのは、
次に確実に殺すためだよ。身辺調査は基本中の基本だろ」
おっさんはそこで話を止めて、ニタリ顔になる。
「これで全部質問は終わったな。じゃあな、ガキ共」
そういっておっさんはナイフを持った手を大きく振り上げた。その瞬間、ゴーントいう鈍い音が響く。おっさんはナイフを振
り上げたまま倒れた。
そこに居たのは、金属バットを振り下ろした六年生のエース久保君だった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
久保君の眼は大きく開いて、口は悦びに歪んでいる。まるで何かに恍惚としている様な表情だった。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 01:26:58.29 ID:2lwEwser0
以上です
なんか方向性がすっごくずれました
たぶん二つ目
通常作
甘い。鯛焼きぐらい甘い
たぶん、作品部分は三レス。
投下する
戦い慣れた場所。
仲間は既に息絶えて、銃は拳銃一つだけ。
あと十五秒か、十秒か。その程度、僅かその程度の時間が経過するだけで、消し飛んでしまう。
C4<プラスチック爆弾>が設置されているその場所へ続く、石畳の道。
敵兵力は恐らく一人か二人。時間もない。拳銃一つで切り抜けなければならない。
意を決して吶喊。
隠れられる場所は木箱の裏――!
一人発見、距離は至近。
照準を頭に、人差し指に力を込める。
発射された弾は外れた。ゲームオーバー。敵は落ち着いてその突撃銃を私に向けて発砲した。
先ほどとは全く違う道。
「わはー」
「わはー。じゃないわよ」
隣には可愛い女の子。
「いやはや流石は世界で最も遊ばれているゲームの一つである所のCS、それの大会。
私らのような弱小クランは勝てませんねぇ」
何を隠そう。今のはゲーム。カウンターストライクである。
「くそぅ。商品も賞金もないけど悔しーわね」
「負けたけれども、私には手に入った物がありますし、別に悔しくはありませんが」
「うぅ。人数足りないから参加してなんて言わなきゃよかったわよ」
「良い言葉がありますよ」
「……聞きたくない」
「吐いたツバは飲み込めない。という言葉なんですが」
この上ないほどに可愛らしい彼女。彼女は救いの糸のカケラも見当たらない、という風にうなだれた。
「ふむ」
「何よ」
「まだ口の中にあるツバなら、代わりに飲み込んであげますが」
「近寄るな変態ッ!」
彼女は、少し元気になったように見える。
「全く、基本ポジションがハイな貴女が、ロウになったらこちらが気を使う事になりますよ」
ぼそり、と呟いた言葉は彼女には届かない。
――まぁ良い。とりあえずは、参加報酬の使い道を考えるとしましょう。
「白黒で統一して、トップハットに真っ白なドレスシャツ、黒い上着に黒いミニスカート。なら白いショーツに白いブラでしょうか。
縞模様のオーバーニーソックスを穿かせてみましょう。えぇ。すっぴんでも十二分に可愛らしいのですから化粧はナシで」
「変態」
「何を――」
「変態変態変態変態変態!」
「――今更。私はモテナサス連合の一員ですよ?」
とりあえずは、手を差し出した。
「え?」
「帰りましょうか。人の眼も痛いです」
彼女は辺りを少々見ると、私の言葉を理解した。
「コロス」
「おぉ、怖い怖い。ですね」
「ふざけないでよ、馬鹿」
そう言いながらも、彼女は私の手を取った。
「素直じゃないんですから」
「本当の意味で殺すわよ」
「どうぞ? 惚れた女に殺されるのも、また一興でしょう」
彼女は呆れたように私を見る。
「それって、私が本当に殺さないのがわかってるから言える事よね」
彼女は少々勘違いしている。
もしも本当に殺されても、まぁ良いかと思えるほどに、私は彼女が好きだから。
「一目惚れ、というのは中々に度し難いものです」
顔を下げて呟くと、彼女は私の手を離した。
「良いわ。行きましょ。何をやればいいの?」
彼女は笑って私に聞く。
コレが私が彼女に払ってもらう報酬。
「……そうですね、適当な布でも買いに行きましょうか」
「どうして?」
「既製品ではなく、手造りの服を着て貰いたいからですよ。まぁ、報酬は私の注文付けた服装で、写真を撮らせて貰う事で」
「ここら辺に布を売っている店ってあったかしら?」
「私は知ってます。行きましょう?」
離された彼女の手を握って、その店へと向かって歩いて行く。
「一回戦負けばかりですね。私は」
「なら、私は予選落ちね」
へ? と、間の抜けた顔をして彼女を見た。
「……から」
蚊の囁くような大きさで呟いた彼女の言葉が、嬉しかった。
「何て言ったんですか?」
私の方が先に惚れちゃったんだから。なんて聞こえていませんよ。
顔が気持ち悪いぐらい笑っているのが自分でも分かります。
彼女に対しても、他の誰に対しても、聞こえなかったふり。
今のこの距離感をもう少し楽しんでからでも良いでしょう――?
以上
なんだか色々と失敗
sageとか、番号とか。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 02:02:56.35 ID:lx5AsGnh0
>>57 もうちょっと情景描写して欲しい
>>先ほどとは違う道
>>隣にはかわいい女の子
>>何を隠そう。今のはゲーム。カウンターストライクである
例えばこの三つが繋がらなくて、引っかかった。他の場所も似た感じ
後もう一個
「一回戦負けばかりですね。私は」
「なら、私は予選落ちね」
って、このセリフが何を意味するのか、最初分かんなかった。
セリフとしては悪くない気がするから、できればセリフが出てきた瞬間に
意味を理解させてくれる振りが欲しかった。
彼女の魅力は結構伝わってきた。
>>58 とりあえず、描写の順序を気を付けるようにします
情景描写の数を増やすように心掛ける事にします
最後のは治りそうにないですが、気に留めておきます
物語を紡ぐ事は難しい。されどそれが私をこれ以上ないほどに興奮させる
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 02:56:26.44 ID:99GE05f8O
人がいたらお題くれ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 02:58:16.47 ID:dtRuQzLG0
お題ぷりーず
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:05:08.27 ID:dtRuQzLG0
ぐへぇサルスベリをお題に小説ですかぁ・・・
やってみます。
お前ら文才あるだろ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:19:30.34 ID:ILQ8oBog0
>>66 1レスの小説に3日かかる俺に文才があるとかwwww
なに寝ぼけてんだよ
odai kure
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:29:56.03 ID:hXp1pP3B0
地蔵
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:30:31.44 ID:oh3FVTptO
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:31:15.52 ID:2quH80SO0
/ )/)
/ ソ
⊂ う 前スレまでの通常作品、過去スレ、過去ログ、全て編集完了致しました。
( ). ∧,,∧
V''`と(´・ω・) 総作品数:6535作品
と ,イ ノ,,ノl 総スレ数:756スレ
lヽlヽ / ,_ づ ( ) 現 在 :757スレ目
( ) (ノ´ ⊂ く .備 考 :シルバー(プラチナ)ウィーク中、BNSKにいる事ができません。
と ⌒つう と 、 r''′ 23時の進行は、どなたか手の空いている方がいらっしゃいましたらお願いします。
では、
http://bnskvip.jp.land.to/up/src/up2271.png
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:37:56.53 ID:hXp1pP3B0
>>67 時間を掛けていいものを作る
当たり前の事をやっているにすぎん
何も自虐的になる必要はないさ
それに、そんなにポンポン閃いてたら他の奴らが可哀相だろ
短い時間で作った文より
時間を掛けて作った文の方が味がある
良くも悪くもな
たかがこんな文だけで俺は結構時間掛けてしまったぞww
上手い事を言おうとすると時間が掛かるのは俺のだめなところだ
まぁ自身持ちなさいよ
と、何にも知らない素人の俺が上から目線でお送り致しま(ry
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 03:50:07.57 ID:ILQ8oBog0
>>73 俺の場合思いつくまでと、書き上げてからの推敲に異常に時間かかるからな
以前、推敲しないで投下した時は後で読み返して死にたくなったよ
あと、文才っていうより知識とかアイディアの使い方にセンスのある人はホントにうらやましいな
山本弘とか京極夏彦とかはほんとに凄いと思うぞ
>>71 いつも乙です
>>74 ははは、推敲←の漢字なんて読むかわかんねぇ
まぁ何となく想像付く、ようするに見直しとか確認とかそんな感じだろ?
つじつまが合っているかとか不自然な点がないかとか、多分だけど。
うんうん、知識とかあってもそれをどう捻って使うか、そこも肝心かもなぁ
普通に使っても普通で終わるもんな
俺にはセンスないから無理だよ
と言うか素人と言うか何と言うか俺自身あまり小説は読まないからな
生きてきた中で10冊読んだか読んでないと思う
笑えねぇ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 04:22:06.73 ID:ILQ8oBog0
>>75 推敲(すいこう)と読むぜ
そして大体あってる。くわしくはgoo辞書でも引いてくれ
昔は漫画書いてたけど、絵を描くのよりストーリー考える方が面白くなったのと、絵を描くのが好きじゃないことに気づいちゃったからなあ
だから俺も小説より漫画の方が多く読んでるぜ
あと、小説は読み方わかったら結構楽に読めるぞ
読み方っていうか、文字を絵に変換して考えてるってことなんだけど。俺の場合
慣れたらアニメとか漫画みたいに絵が頭に浮かぶようになるぞ
小説考える場合は逆にこのシーンを書きたいっていうのを考えてから書き出すかな
……少数派かな、もしかしたら
>>75 書きたい話を自分がわかるように書いたらええちゃう。
難しく考えることでもないよ。
>>76 「すいこう」か、おk分かった
辞書でも開いてみるわ
漫画描いてたのか。
ストーリーを考えるのはとても楽しい事かもしれないけど
とても難しいことでもあるよね
自分のためのストーリーならそこまでで納得できるかもしれんが
誰かに見せるためとなってくるとなかなかそうはいかない
万人受けするストーリーってのはむずかしいものかもねぇ
それとも、好きなように書けなくなったら終わりなのかね
なるほど、文字を絵に変換するのか・・・・
想像力が豊かな俺には可能かも知れんなww
いや、妄想豊かと言った方がいいかw
どのように解釈するか、どのような絵に変換するかによって自分だけのストーリーも描けるな
「刀で斬り合っている」と言う文章を見て自分だけのアニメ(戦闘)を頭の中に描くのは楽しいものかもしれん
小説ってのはアニメや漫画と違って「決まり」がないというか自由にできると言うか、読者次第で。
このシーンを書きたい・・・か、仮にそのシーンを書きたいとして、そこまでどう繋げるかだな
とりあえず最初に大まかな要所を決めて、主人公達の設定をどのよう(ry
むずかしいw
>>77 そっか〜
なるほどなるほど。
ん〜俺が書こうとすると厨二すぎて笑えるよw
物語の中で厨二的要素を挟まなくてはいけないところもあるかもしれないけど
俺がやろうとすると最初から最期まで厨二だ
俺自身シリアスな物語を書きたいものだが・・・。まぁ俺は読み手側だから書く気はないんだ。アドバイスありがとう
ほ♡
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 05:29:29.70 ID:ZVILKlpQO
ほ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 06:31:18.23 ID:r9U5Yvd70
ほ…っ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 07:18:07.36 ID:Em2kCBA20
>>52 最初のほうで句読点がなくて違和感のあるところが
あとおっさんが本性表すのがいきなりすぎるとおもう
ワンクッションあったらいいかな
そして最後の後まだ続くかと思ったら5レス目がなかった
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 07:57:57.11 ID:r9U5Yvd70
ふ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 08:32:29.68 ID:10uhdqN5O
>>52 前半の伏線が足りない。だから唐突な印象を受ける
口調が変わったあとの老紳士が小悪党にしか見えない。口調変える必要は無かったような気がする
ぬっへっほーしゅ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 09:44:10.95 ID:fkld9CgwO
厨ニとシリアスって両立できなくもない、と思うけどな
設定だけ抜き出せばどうみても厨ニでも、
読んでみたら案外ぽくないっ話って結構あると思うよ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 10:59:38.15 ID:10uhdqN5O
よ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 11:35:10.58 ID:fkld9CgwO
が
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 11:41:23.22 ID:QMtl77hE0
ふ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 11:45:35.22 ID:RfrZNVz50
れ
あ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 11:59:56.01 ID:fkld9CgwO
自分の「夜が明けた」計画は脆くも焼き払われました。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 13:08:21.21 ID:10uhdqN5O
あげ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 14:01:00.21 ID:fkld9CgwO
五連休どころか土日も休めないことになりました
さよなら品評会
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 14:38:06.94 ID:Vok8VgJ50
保守とお題↓
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 14:39:03.50 ID:lx5AsGnh0
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 15:12:21.90 ID:10uhdqN5O
ほ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 15:49:23.20 ID:10uhdqN5O
星
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 15:52:25.18 ID:jtoQSd6vO
出来るかどうかはわからないけどお題ください
大富豪(トランプの)
保守
保守
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 16:56:23.42 ID:9XXreSFe0
涯「生きるために 保守……ッ」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 17:29:49.08 ID:10uhdqN5O
あげ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 17:52:24.92 ID:jwAHEn/s0
本州
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 18:32:47.60 ID:hXp1pP3B0
お題くれ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 18:38:22.56 ID:hXp1pP3B0
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 18:57:35.84 ID:CFjRkgdsO
お題をいただきたい
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 18:58:19.58 ID:mExiFx4h0
くじら
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 19:13:52.40 ID:CFjRkgdsO
把握
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 19:36:56.99 ID:hNM0QnHE0
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:00:01.28 ID:mExiFx4h0
ほ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:10:03.86 ID:8YKYphom0
おーおー、文才ないカス共がいきがってるね〜wwwww
題をくれだぁ?そんなの自分で考えられないやつに小説なんか書けるかwwwww
クリームレモンでも飲んで寝ろwwwwwプロになれない哀れなワナビ達よwwwww
レンジャーストライク楽しい
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:11:08.10 ID:dnxHQx+U0
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:11:14.89 ID:kwV0juT3O
小説って誤字脱字、表現のあやまり、文法的ミス以外は、酷評される筋合いはないだろ。小説は自由な表現方法なわけだし。
絵描きの描く絵に、なにをダメだしするんだろう、って話ですよ。
くだらんチェックシートなんかで、受験の科目の採点でもするような出版社が存在するみたいだが、糞だね。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:12:05.89 ID:nCyMqt+y0
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:19:29.46 ID:fkld9CgwO
そういうのの採点マニュアルみたいなのがあるならちょっとみてみたいなw
採点基準が明確ならそれでもいいと思うけどね
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:19:51.26 ID:mExiFx4h0
基礎が大事
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:20:48.17 ID:4y5zoOH50
その出版社が求めてる小説を書くしか無いだろ。じゃなきゃ自費出版だ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:23:46.50 ID:o0GAMB6IO
商売だからそれは当然だと思うけど
そういう意味で好き勝手書けるBNSKは最高
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:24:23.83 ID:/YT9ir950
糞なのは「作品の著作権は主催者に帰属します」
とか言っちゃってる高校生の文学コンクールだろ
誰が送るんだっていう
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:26:55.98 ID:hXp1pP3B0
大した作品はこないだろうっていう前提でやってるなそれw
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:29:51.11 ID:8YKYphom0
>>122 まさに現在それに取り掛かっているんだが
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:36:12.59 ID:mExiFx4h0
>>124 お金目当てじゃないならいい腕試しになるんじゃないか
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:38:08.64 ID:/YT9ir950
えー、小説って自分の分身というか子供みたいなもんだろ? 文才なくても
その権利人に譲るとか俺はちょっとごめんだわ
心情的に
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:39:53.50 ID:8YKYphom0
>>126 お前は良いワナビになれるよ。プロにはなれないが。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 20:51:48.14 ID:/YT9ir950
>>127 ワナビワナビって、なにかと思えばライトノベル作家目指す人を言うのか
プロ目指すんならそれこそ賞にでも送ったほうがいいぞ
文才に自信あるならなおさら
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:01:22.42 ID:dnxHQx+U0
ここの作品も著作権フリーだしな
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:12:09.39 ID:/YT9ir950
>当サイトに掲載されている作品の著作権は各作者に帰属します。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:15:13.39 ID:mExiFx4h0
マジすか
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:15:55.20 ID:UCPqr4W7O
まとめもある意味、著作権侵害?
勝手にまとめてるわけだし。
今回の品評会のお題って猫でも犬でもどっちでもおkって事?
掲示板に載せてるんだからみんな著作権はないってわかってるだろ
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:22:05.02 ID:s4OsZUa+0
>>133 そうですよー
投下するときにタイトルの横にどっちのお題を使ったかを明記してくださいませ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:22:48.96 ID:xypJkruhO
バイト先のゴミ置き場で
ホラー小説の中身を考えながら作業してたら、背後に社員が居て変な声出た
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:37:48.25 ID:CFjRkgdsO
アッー!ですねわかります
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:55:12.92 ID:mExiFx4h0
あげ
今日久しぶりに書こうと思ったけど前スレでもらったお題忘れちゃった
お題プリーズ
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:01:37.78 ID:hXp1pP3B0
貝殻
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:03:35.03 ID:OHMQGVHS0
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:25:28.74 ID:mExiFx4h0
ほ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:29:48.82 ID:JPTXRwvlO
お題ください
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:38:39.13 ID:2lwEwser0
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:39:12.29 ID:JPTXRwvlO
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:58:47.37 ID:mExiFx4h0
ほ
これから投下します
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:01:56.84 ID:RfrZNVz50
すみません。文字制限にひっかかったので訂正してからまたあとで投稿します。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:17:10.78 ID:fXWiVHbZ0
あげ
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:17:40.14 ID:sxWLunrD0
お題ください
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:18:36.83 ID:QMtl77hE0
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:24:57.46 ID:2lwEwser0
お題くだたい
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:25:07.66 ID:TnmNP6RiO
規制とけないお題くれ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:28:16.88 ID:hXp1pP3B0
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:29:38.33 ID:2lwEwser0
これから投稿します。
私は部下一人を引きつれ、島の生態系調査に来ていた。ほとんど趣味みたいな物であったが、研究機関から援助金は出る。
調査に向かう島は、入島規制がされていたため大戦後に入った者は誰もおらず私達が初めて入る事になる。
放射線量が基準の数十倍を超えているため危険地域に指定されていたのだ。
支給された防護服は、顔を覆うガスマスク、レインコートのような白い服の中にはボタン一つで食事(一週間分程度)が取れるような仕組
みが施されている。ゼリー状の簡易食に、五リットル程の水と、尿を再利用できる浄化装置も備えられていた。できれば自分の尿は飲みたく
ない。
今回の調査は放射能汚染による生態形の影響についてだ。遥か昔の地球でも原子炉の事故による放射能汚染があり、奇形の生物や菌類が見
つかった記録がある。今回もそのような生物が見つかる可能性は高いだろう。
島は鬱蒼としていた。蜃気楼のせいで、空冷装置が備えられている防護服の中にも熱気が伝わってくるようだ。私達は、着陸すると島の中
心に向かって歩き出した。以前に人々が住んでいた家屋もあるが、苔や植物のツルが覆い隠していた。生と死の退廃的な景観が長い歳月を確
認させ、悪戯な好奇心が目を覚ますようだった。
「教授! 新種の植物ですかね? 発光しているようですけど」
私の部下が、無線越しに言った。
「ああ、おそらく新種だろう。発光する植物は何種類か確認されているが、花が発光するのは珍しい。初めてのケースかもしれない」
花の持つ光は、日中だというのにはっきりと目視できた。閃光のように眩く強い光が明滅している。私は、その様子をビデオに収めた。今
まで、何百種類という新種の発見に立ち会ってはきたが、何度経験してもその喜びは色褪せない。
「放射線の影響ですかね?」
「その可能性はあるが、断定はできない。だけどこれは大発見だよ。よくやった」
私は、部下の功績を称え、花をピンセットで採取しようとした。その時だ。
「うわぁ………うっ! あぁああ!」
「おいどうした!」
部下がいきなり、呻き声を上げた。私は振り向き、部下に近寄る。
遅れて、私の体に激痛が走った。部下と同じように呻き声を上げる。激痛に身悶えし、私はその場に倒れこんだ。
気付いたら私は壁にもたれかかっていた。周りを確認すると四方には壁しかなく、圧迫感さえ感じる。目を凝らし壁を見ると、植物のツル
が絡み合い構成されているように見えた。何か巨大な植物の一部のように思える。壁からは独特の饐えた匂いがし、私は顔をしかめた。遥か
上空からは光が射していて外と繋がっているのが確認できた。
「はあ……」と私は深い溜息をついた。この場所から出るには、この壁を登って上に行くしかないのだ。無線で、部下に連絡を取ろうとし
たが何処にも繋がらなかった。いよいよ登るしかない。
私は、植物で構成された壁を登る。ツルとツルの間に手を潜らせ、きっかけを探しながら確実に登っていく。登るにつれ、目に入り込んで
くる光は強くなる。防護服を着て壁を登るのはひどく疲れる作業だ。一昔前のタイプなら走る事すら難しかっただろう。
途中何度か足を踏み外しそうになるが、手をツルの間に潜り込ませていたため大事にはいたらなかった。私は、一番上のへりに手を掛け
る。獣のけたたましい咆哮が聞こえた。
登り終えた私は、それが何なのかようやく理解できた。
そこには人々が逃げ惑う姿が見えた。獣の咆哮だと思ったのはサイレンだったらしい。
辺り一面は焼け野原で、映像でしか見た事のない光景が広がっている。
おぞましい。おそろしい。凄愴で残酷な……登らなければよかった。ただひたすら後悔した。
私はただ、その光景を見ている事しかできなかった。登ってみるとそこには……あああああああああああああああああああああああああ!
――思い出したくもない
しばらくして私は目を覚ました。部下も近くにいたし、特に体の異常も確認できなかった。花を採取した時、発光は一瞬たりともしていな
かった。私は、すぐに調査を切り上げた。成果は、この花しかないが十分であろう。
私は、幻覚を見ていたのだろうか。それとも記憶を見せられたのか。それはわからないが、部下も同じ夢を見ていたらしい。
採取した花とビデオデータを倉庫の奥にしまい、私と部下はしばらく休職することにした。
以上で終わります。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 23:46:27.23 ID:10uhdqN5O
あげとく
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 00:00:07.81 ID:zJn1FKtfO
>>159 防護服がハイテクで近未来っぽいのにビデオでずっこけた
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 00:01:41.65 ID:YyVtqCbmO
品評会開始ー!
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 00:04:48.09 ID:FH3MJlu70
早速品評会作品投稿したいと思うんだが、必要事項は
・鳥
・お題
・消費レス数
でおk?
>>166オケ。
あとは題名の後ろにどちらを使ったのか明記。両方の場合は比重の多い方を書いてくれ
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 00:22:52.54 ID:hCWDbQx4O
あげ
169 :
見上げる空には(お題:猫) 0/3 ◆C8rbp8eahM :2009/09/19(土) 00:26:20.03 ID:FH3MJlu70
品評会作品
一番乗りで投稿します
170 :
見上げる空には(お題:猫) 1/3 ◆C8rbp8eahM :2009/09/19(土) 00:28:21.90 ID:FH3MJlu70
地上は生命であふれている。
草木は茂り、生き物は大小に関わらず、その限りある生命を精一杯謳歌している。
では、空はどうだろう。蝶は空を飛んでいるとはいえない。鳥も疲れれば地に降りる。
空は、まさに空っぽなのだ。
つい先日、おれは命を失った。
原因としてはよくある話で恐縮なのだが、散歩中に自動車事故に遭ったのだ。
別に飛び出したわけでも、呆けながら歩いていたわけでもないのだが、クルマからはおれのことが見えなかったのだろう。猛スピードで突っ込んできたクルマに、おれの意識は身体よりも遠くに飛んでいった。そして意識が身体に戻る前に、魂の方が意識に追いついてしまった。
おかげでおれは空をさまよう存在に―いわゆる幽霊となった。
靄のかたまりのような、あやふやな幽霊状態になって初めて解ったことなのだが、空は幽霊でいっぱいだった。死神は随分と怠け者らしい。
時代も国籍もゴタマゼで、女子高生とヨーロッパの貴族然とした格好の女性が談笑していたり、ホー・チ・ミンとナポレオンが一緒に、それを見上げてニヤニヤしていたりしているのを見た時は、脳が腐るかと思った。腐るものがなくて助かった。
地上は生命であふれている。空は死者でいっぱいだった。
「やあ、新入り。どうしたの、あやふやな状態で死んだ魚みたいな目をして」
ふわふわと、そこいらで繰り広げられている馬鹿馬鹿しい様子を眺めていると、ひとりの口髭の男が声をかけてきた。見覚えはあるのだが……だれだったかな。
「死んでるからいいんだ。……まで、おれの目は魚型はしてないぞ」
おれがそう答えると、男は楽しそうに声を上げて男は笑った。こっちは死にたてで何が何だか分からないと云うのに、何がそんなに面白いんだ。
あっちで、『東郷ターン!』と叫びながら腰を振り、尻を突き出している馬鹿な偉人が見えるが、そっちの方がよっぽどおかしいと思うが。二つの意味で。
「天国にも逝けず、下を見れば地上のくらしが見え、それを羨ましいと思い続けるしかないこの状況で、みんな随分とお気楽なんだな」
そういうと彼は、ははーと、やっぱりお気楽そうに笑いながら答えた。
「ここがその天国だからじゃないかな」
「信じられるか。どこの世界に『ファランクス! ファランクス!』と叫びながら東郷平八郎の尻をつつくアレクサンダー大 王がいる天国像があるんだ」頭痛を感じる頭があれば、おれは発狂している自信がある。「こんな天国認めるか」
「キミにとってはそうだろうね。死んでいるとはいえ、ヒトがネコのように自由だと言うのは、キミには耐えられないだろうね」
どこから取り出したのか、彼はガラス瓶を抱えて中身を指で掬って舐めながら、やっぱりジャムはイチゴに限る、などと漏らしていた。彼もやっぱりお気楽だったが、不思議と腹は立たないのは、彼のかもし出す雰囲気のせいか、おれに腹がないからか。
「ああ、おれはどうしたらいいんだ」
「キミはどうしたいんだい?」
「おれは……ここではない、どこかへ行きたい」
「哲学的だねえ。それともこの空以外の所へ行けない、我々に対する嫌味なのかな。まったく、君はいつまでここに居座るつもりなんだい?」
「いつまでと言われるほど長く居たとは思えんが、違う所にいけるなら、一刻も早くここから立ち去りたいもんだ」
彼は相変わらずジャムを舐めながら、少し考えて言った。
「キミは自分の事がわかってないようだ」
傾げる事の出来る首があれば、以下省略。
「キミには、ペロ、あと八つの、ぺロペロ、命があるはずだから、ペロ、もぐもぐ、下に、ペロ、降りれば、ペロペロもぐペロもぐ」
「喰うか喋るか、いや、喰うな。喋れ」
「だから、キミにはあと八つの命があるはずだから、下に降りれば自動的に転生するはずだよ」
馬鹿が。いや、間違えた。馬鹿な。命は一つきりだから価値があるのではないのか。
「一人はひとつ。一匹はここのつ。降りれば全て解決すると思うよ」
そう言うと、彼は一心にジャムを舐め始めた。多分もう何を言っても返事はもらえないだろう。
おれは自分がいる空を見上げてみた。太陽が眩く、しかしそのぬくもりは感じない。
下に降りれば生き返る、と言う彼の言葉を信じたわけではないが、あの太陽のあたたかさをもう一度、全身に感じることが出来るなら試してみる価値はあるだろう。
視線を落とすと、ジャムを一瓶食べ終えた男が、腕を枕に高いびきをかいていた。自由気ままで、自分のやったことには興味がない。本当にネコのようだと思った。
更に視線を下に向けると、見慣れた柿の木と、瓦屋根。おれはあそこで、ヒトの歴史をネコに話して聞かせる老人と一緒にくらしていたのだ。彼は今どうしているだろう。おれの死を嘆いているのだろうか。
「わかった。おれは下に降りてみる」
ありがとう、と寝ている彼に声をかけるが、彼は寝返りをして、頬杖をついたまま、うっすらと目を開けただけだった。その姿を見て、彼がだれなのかを思い出した。道理で、おれのことがよくわかるはずだ。
おれはもう一度、ありがとうと言って、お気楽な天国を後にした。
172 :
見上げる空には(お題:猫) 2/3 ◆C8rbp8eahM :2009/09/19(土) 00:30:23.06 ID:FH3MJlu70
暗い。
しかし、やわらかくて、あたたかい。まどろみのなか。
少しだけ身体を動かすと、ふわふわとした懐かしい香りと感触に包まれており、これは母のにおいのする毛布に包まれているのだとわかった。
―いい加減たちなおってくれよ。父さんがそんなんじゃ、あいつも悲しむ。
声が聞こえた。男と、老人だろうか。
―うるさい。あいつはわたしの生き甲斐だった。あいつが死んでしまったこの世に未練はない。
―そんなことを言わないでくれよ。ほら、子猫を貰ってきたんだ。
―その子猫はあいつじゃない。あいつの代わりはどこにもいない。
―新しい生き甲斐を見つけてくれといってるんだ。
毛布のせいか、声がくぐもって聞こえている。
―兎に角、この子猫の面倒を見てくれ。どうしても嫌なら、今夜引取りに来るが、今は仕事に行かなきゃいけない。せめて、カーテンぐらい開けてくれよ。暗い所じゃ子猫も可哀相だ。
がちゃり、とドアの音がして、それっきり男の声は聞こえなくなった。
時計の音がうるさく響いている。おれはまどろみから抜け出すことが出来ず、眠りの中に落ちそうになっていた。
不意にカーテンを開く音がして、毛布のなか明るくなる。
「……子猫か」
コウタ、と老人はつぶやきながら毛布を開く。見慣れた、母よりも懐かしいと感じる、少し寂しげな優しい顔が、逆行のなかではっきりと見えた。
「腹減ってないか。いまミルクを持ってきてやるからな」
本当に懐かしくて、もう一度会えたことが、兎に角うれしかった。
「おまえ、コウタによく似ているな。猫に九生ありというが、お前がコウタの生まれ変わりだったらわたしは幸せだな」
だったら、おじいさんはとても幸せだ。そして、おれも。
「コウタは、先日事故で死んだわたしの大切な猫、いや、家族だったんだ」おれの小さな身体を抱え、チェストの上にある猫の写真をおれに見せる。「人間の歴史について、よく話してやったもんだ」
掌でやさしく包まれる。遠い昔の懐かしい感触。
「そういえばおまえ、名前はあるのかい。あの馬鹿息子はなにも言わんでいったが」
まあ兎に角、今はミルクだな。そう言っておじいさんは、おれを日のあたる窓際に置き、台所へ向かった。
おれは生まれたばかりの、幸せな猫である。
名前はまだない。おじいさんから名前を貰う為に。
からりと晴れた青空を見上げ、うららかな日差しを全身に浴びる。
地上は生命であふれている。空は死者でいっぱいだ。
おれの小さな身体は、幸せに満ちている。
173 :
見上げる空には(お題:猫) 4/3 ◆C8rbp8eahM :2009/09/19(土) 00:31:31.19 ID:FH3MJlu70
以上です
ああ、名前欄ミスった
初投稿なのに
乙ー。これが初投稿とかスムーズすぎだろ……俺なんか初めての時とかテンパってえらい事になったよ。いやな思い出だ
ああ、『品評会初』でござんす
どうにも、普通のスレには言葉が足りなくていけない
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 00:47:05.71 ID:mk9PfE6P0
投下します。
177 :
品評会作品:ニャース工場 (1/1):2009/09/19(土) 00:48:21.99 ID:mk9PfE6P0
愛玩用猫型ロボット、ニャースが開発されてから一年。街は捨てニャースが溢れていた。
皆はこの愛玩用猫型ロボットに飽きてしまったのだ。エコと言いながら太陽電池で動かす
ようにしたのが間違いだった。都会は光に満ちて、電池が切れる事もない。
彼らは群れて、街中を走り回った。本当は食べる必要も無いのに、一緒にご飯を食べたい
という愛玩機能のため、家に忍び込んでは食べ物を盗んだ。
猫の頭部らしき物を生産する工場の中で、二人の工員が機械を操作している。
「先輩、今まで気付かなかったんですけど、これってニャースの部品なんですか?」
「そうだよ」
「社会問題なのになんで作ってるんですか?」
「さあな。でも今度のニャースはちょっと青色だし、新製品なんじゃないか?」
ニャースの頭部は次々と作られる。少し先のラインでは延々と一部の部品をショートさせる機械が動いていた。
『新製品、捨てニャースを駆除ニャース』が発売されたのは青色の頭部を作りはじめて三日後だった。
駆除ニャースを放すと、ニャースを捕獲するらしい。食料を見分けるチップの一部がショートさせられ、
ニャースを食料と認識するようにしたのである。
工場の休憩室の中で、新聞を読んでいた所に先輩が入ってきた。
「先輩、駆除ニャースがブームで売れてるらしいですよ。増産らしいです」
工場の先輩がコーヒーを啜りながら、新聞を眺めている。
「これが捨てられたらどうなるんでしょうね」
「その時は青色のニャースも食料にする緑色のニャースを作ればいいんじゃないか?」
「緑色のニャースが捨てられたらどうなるんでしょうね」
「その時は初期のニャースが緑色のニャースを捕獲するようになってるから問題ないよ」
「なるほど、緑色のニャースが社会問題になる頃には初期ニャースは絶滅してるわけですね」
猫達の頭部は、今日も毎分百個の勢いで作られていく。
了
178 :
品評会作品:ニャース工場 (2/1) ◆XUJnAVCyr2 :2009/09/19(土) 00:49:23.59 ID:mk9PfE6P0
トリをつけ損ねました。ごめんなさい。
>>175いやいや、俺も確か通常作二三個書いてから品評会参加したくちだったからだいたい分かるよ。
すでに二作だと……!?今回多そうだ……。俺も雑談してる場合じゃないな。書いてこよ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 01:09:49.41 ID:YyVtqCbmO
まとめ速っ!乙です
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 01:31:59.83 ID:hCWDbQx4O
ほ
品評会の作品のオチずっと考えてて、
ようやく思いついたのが自分でも滅入るくらい最悪なのもだった場合、書くべきだろうか…
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 01:57:22.01 ID:5fG6t58v0
>>182 最悪の意味が、面白くないって意味なら他のオチを考えるべし
そうじゃないなら、とりあえず書いてみれば良いと思う
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 01:57:37.28 ID:FH3MJlu70
>>182 とりあえず完成させてみれば?
それから封印か別の落ちか投稿かを決めるといいのではないかと
>>183-184 ありがとう
とりあえず書いて、完成させてみることにする
しんどい作業になりそうだけど、頑張ってみる
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 02:23:10.33 ID:zJn1FKtfO
ほしゅ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 03:17:29.54 ID:N4JFArefO
保守的な捕手、補習中
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 03:20:17.66 ID:mk9PfE6P0
保守的な捕手が補習中に補修中
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 03:24:20.36 ID:BNfmS+GzO
おまいらポエ板に恋よ!
おまいらの自作の詩をランク評価してやんぜ!
筆力も格段に上がるぜ!
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 03:29:12.21 ID:mk9PfE6P0
せかいのとびらが
またたくまに
ぐちゃりぐちゃり
と中二チックな詩を書きながらお互いを褒めあうスレでしょう…?
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 03:46:12.65 ID:BNfmS+GzO
>>190 んじゃ中二を感じさせない詩を君は造れるかな?
まぁ、むりか
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 04:16:55.47 ID:BQr3VFf70
ほ
193 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 0/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:03:09.75 ID:oBoVlTAp0
保守代わりに投下
久しぶりの投下だ。っていうかもうこんな時間wwwwww
194 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 1/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:04:30.35 ID:oBoVlTAp0
「ここが美術準備室かー……」
溜息をはあと吐き出し、美術準備室の扉を開いた。
「……」
俺はもう一度、さっきより大きな溜息を吐いた。
「うわー、思ったより酷いね」
後ろで千尋が、驚きの声をあげる。
「ちくしょー、覚えてろよ木村のやつ」
ふつふつと美術教師の木村への憎しみがこみ上げてきた。
いくら俺に非があるとはいえ、こんな雑務を押し付けやがって。クラスも部活も受け持
っていない暇な教師のクセに。
「しょうがないよ。美術のテストで赤点とった弘樹がわるいんだから」
「む、お前は木村の味方なんだな。ていうか、準備室の掃除頼まれたのは俺だけだろ、
なんで関係ない千尋がついて来るんだよ」
すると千尋は、ぷくっと頬を膨らませ。
「そういうこと言うなら、掃除手伝ってあげないないもんねー。じゃ、私はお先に失礼
させてもらうよ、掃除1人で頑張ってねー」
千尋はくるりと背を向け、美術準備室のドアノブに手をかけた。
「あー、ごめんなさいごめんなさい。俺が悪かったです。だから、掃除手伝ってくださ
い千尋様」
千尋はドアノブにかけた手を止め、ゆっくりと振り返えった。そして、たいして大きくない胸を張って得意げな表情で。
「よろしい!」
そんなやりとりをしながら、俺たちは美術準備室の掃除に取りかかかった。
しかし、改めて見ると本当に酷い有様だな。スケッチ用であると思われる乳首丸出しの
彫刻像やら、卒業生のものと思われるわけの分からん創作品やら、美術用具を乱雑に詰めこんだダンボールやらが埃まみれで散らかっている。
「弘樹ー、おっぱいばっか見てないで、早く片付けてよ」
「いやー、お前よりいい胸してるなーって思って」
「うわ、最低、セクハラ、変態。訴えるよ」
195 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 2/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:05:48.75 ID:oBoVlTAp0
俺は、はいはいと適当に返事をして掃除を始める。すると、ダンボールの中に変な物が
入っているのに気づく。
「なんだこれ? 貝殻?」
手に持って見てみると、螺旋を巻いた大きな白い貝殻だった。なんか紐なんかも取り付
けてある。
訝しげな目でそれを見ていると、横から千尋が。
「それ、耳に当てると波の音が聞こえるってやつじゃない?」
「む、どれどれ……」
俺は千尋に言われた通り、貝殻の穴を耳に当ててみる。……何も聞こえな――
『ボォォォォォォ!』
「うぎゃああああああああああああああああああ! 鼓膜がああああああああああ!」
「あは、やっぱり法螺貝だ」
千尋は悶え苦しんでる俺を横目に、きゃぴきゃぴと楽しそうに法螺貝を吹いて遊んでい
る。こいつ……絶対わざとだな……
と、その時、俺と千尋、二人しかいないはずの美術準備室に声が響いた。俺たち以外
の、何者かの声が。
「ふわぁ……久しぶりの仕事じゃのお。これ娘、あんまりぴーぴー貝を吹くでない。う
っとしいわ」
声がすると、突如俺たちの目の前に、気だるそうな感じの女が現れた。
白い、いや寧ろ、銀色に近い髪を腰の辺りまで伸ばし、細い眉毛の下の黒く大きな瞳が
は瞼で半分閉じられている。一見すると美しい女性だと思うのだが……横になり、手に頭
を乗せ、足でふくらはぎの辺りをぽりぽり掻いている、所謂、おっさんが横になりながら
テレビを見るスタイルで登場したのだ。
「「だ、誰ですか?」」
俺たちは、自然と声を揃えて謎の美女に声をかけた。
するとその女は、首を傾げ、訝しげな表情で俺たちを見ると、急に何か気づいた。みた
いな表情になり1人で、うんうんと頷いてから話始めた。
「お主ら、妾を誰なのか知らないで呼び出したのか?」
妾? 何だコイツ、やはり普通の人ではなさそうだな……
196 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 3/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:07:13.31 ID:oBoVlTAp0
「は、はあ……そういう事になるんでしょうか……ていうか本当に誰なんですかアナ
タ?」
千尋はすごい当惑した表情で、謎の美女に声をかけた。千尋って意外と度胸のあるやつ
なんだな。
すると女は、ふっと不適な笑みを浮かべ。
「よろしい、答えてしんぜよう。妾は貝の妖精カインじゃ。それに、ただの妖精ではな
い。呼び出した者の願いを1つ叶えてやることができるのじゃ。あと、くれぐれもシェン
ロンと呼ぶでないぞ、気分を害する。 妾のことを呼ぶときはカイン様と呼ぶがよい」
「「……」」
怪しい、怪しすぎるだろ……常識的に考えて。俺たちは危ない人を見るような目で、こ
のカインとやら見ていると。
「な!? 妾を疑っておるんじゃな! な、なら分かった。特別にデモンストレーショ
ンを行ってやる。感謝するがよい」
カインはそう言うと、目をつぶり、手を組んだ。そして、なにかの呪文のようなものを
ブツブツと呟きはじめた。そして、目をカッっと見開き、手を上空へとかざす――
「はっ!」
――すると、先ほどまで見るも無残な荒れ模様だった美術準備室が、一瞬で綺麗に整理
整頓された準備室に生まれ変わってしまった。
「「……」」
俺たちは、口を半開きにしたマヌケ面を見つめった。これは本物だ。なんでも叶えてく
れる。ふふふ……何を叶えてもらおうかな。って、あれ? 呼び出したのって確か……
「はいはーい! 呼び出したの私ですカイン様! 私の願いを叶えてくれますか?」
俺が思った瞬間、我先と千尋が名乗り出た。
「あ、ズル……」
千尋は俺の方を見ると、手を合わせて舌をちょこっと出して、いたずっら子のような笑
顔で俺に謝った。
「ま、まあ、貝を吹いたのはお前だから、別にいいぜ」
「本当!? やったー! ありがとね、弘樹」
「ふむ、願いを叶えるのは小娘の方か。よろしい、願い事を申し上げよ」
すると、千尋は頬を赤らめ、俯きもじもじしながら、ぶつぶつと何かを言った。
197 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 4/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:09:21.73 ID:oBoVlTAp0
「む……む……」
「なんじゃ、はきっりと申し上げえ」
千尋はさらに俯き、そして、顔を真っ赤にしながら願い事を叫んだ。
「む、胸を大きくしてください!」
「へ?」
俺はつい素っ頓狂な声をあげてしまう。
願い事をなんでも叶えてもらえるってのに胸大きくって……夢があるような、ないよう
な、もしかしてさっきの気にしてるのか?
願い事を聞いたカインは、千尋をじっと見据え、口を開いた。
「だめじゃ」
「え?」
「だから、ダメだと言ったんじゃ。お主の願い事は叶えられぬ」
なに? 言ってることが違うじゃねえか、確かに千尋の願い事はくだらないが、なんで
も叶えるって言ったじゃねえか、ダメだってどういうことだよ。
俺は、状況を理解できないで、おろおろとしていると、千尋はカインに話が違うと食っ
て掛かった。
「ど、どうしてですか! 弘樹のいる前で恥を我慢して言ったのに……」
するとカインは千尋を見据えたまま話を始めた。
「その願いはお主の本心か? いや、違うじゃろ? お主の願いからは見栄、羞恥、体
面、そのような愚かで浅ましい下心が見えるんじゃ。 妾は願いを叶える。そう言った
が、それは、その者の本心からの願いを叶えるということなんじゃ、だから本心で願って
いない、お主の願い事は叶えられぬ」
千尋は顔を真っ赤にして俯き、消え入るような、か細い声で返事をした。
「わかりました…………」
するとカインはきょろっと俺の方を向いた。
「妾は誰が呼び出したかとか気にしないぞ、この場にいたお主にも、願い事を叶える権
利はあるぞ、お前は何かないのか?」
うわー……、そうきたか……、凹んでる千尋を尻目に、俺だけ願い言を叶えてもらうと
か……気まずすぎる! 空気を読めよ、妖精!
198 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 5/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:10:49.91 ID:oBoVlTAp0
「弘樹、私のことは気にしないでいいよ。実際、どうでもいい願いだったし。ははは、
恥ずかしいところ見せちゃったな」
「本当か……?」
「うん!」
頬を赤らめ、恥じらい混じりの笑顔を俺に見せる千尋。うん、大丈夫なんだよな? じ
ゃ、じゃあ……
「ね、願い事いいっすか? カイン様」
「どれ、言ってみろ」
俺はごくりと生唾を飲み込み、意を決して願い事を口にする。
「俺を億万長者にしてください」
「却下」
「馬鹿」
「あー、願い事どうしよっかー、弘樹ー」
あの後、カインは、妾はいつでもお主らの願い事を叶えるぞ。願い事が決まったとき、
その法螺貝をもう一度吹いて童を呼ぶがよい。と言って、法螺貝の中に消えていってしま
った。
「私、願い事どうしようか、あれこれ考えたけど、やっぱりどれも下心ある気するんだ
よねー。だから、あの法螺貝は弘樹が使っていいよ」
「そんなこと言われたって、俺だって下心満載の願いしか浮かばねーよ」
千尋は、あんなこと言われた後にも関わらず、上機嫌で声を弾ませながら喋る。
「いいのー、私はあれに頼らなくても、今がちょっぴり幸せなんだもん。今のままの、
いつもと変わらない日常がずっと続きますように。なんて願い考えたけど、それじゃ、な
んかもったいないよねー、だから弘樹が使って、なんか良い願い叶えてよ」
いつもと変わらない日常か……実際、俺もそんな願い事くらいしか思いつかないんだよ
なー。
千尋は横断歩道の白い部分をぴょんぴょんと跳ねて渡っていく。そして、くるりと振り
返り、大きな声で言った。
「私ねー! これからもこうやって、ずっと毎日弘樹と帰るのが願いかもー!」
そう言って、千尋はいつもと変わらない、曇り1つない満面の笑顔を俺に向けた。
199 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 6/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:12:21.28 ID:oBoVlTAp0
そのとき、俺の視界を一台のトラックが横切った。
トラックが視界から消えると、千尋の姿もそこから消えていた。
『手術中』と表示されたライトの不気味な光が廊下を照らしている。
俺は、薄暗い廊下に設置された。ソファに座りながら俯いていた。隣では千尋の母親が
大声を上げて泣いている。旦那も暗い表情ながら妻をなだめている。手術成功の可能性は
極端に低くいそうだ。
「失礼します」
俺は溢れ出しそうな涙を歯をぐっと食いしばって耐えながら、その場所を後にした。
中庭を訪れると、俺は鞄の中に入れていた、あの法螺貝取り出した。ここで吹くのは、
他の患者の迷惑になる? そんなこと言っていられない、今は一分一秒を争うんだ。
俺は法螺貝を手にすると一切迷わず、思いっきり吹きあげた。
「なんじゃ、もう決まったのか? あら小娘の方がいないのう」
カインの呑気な声に苛立ちを覚えたが、今はそれどころではない。
「千尋はいま手術中だ」
「……ほう、事情は知らんが、難儀なことじゃのう」
「千尋を助けてくれ……」
「それが願いか?」
「……そうだ。だから早く助けてやってくれ……」
「だめじゃ、お主の本心を聞いとらん」
「早くしろ……早く……早く助けろよお! これが俺の本心なんだよお! 千尋を失い
たくない! 千尋のそばにずっといたいんだ!」
「……」
「千尋と毎日一緒に帰りたいんだ! 千尋のことが好きなんだ! ……だから! だか
ら……早く千尋を助けてくれ……早く……」
「……わかった。お主の願い叶えてしんぜよう」
200 :
僕たちの願い(お題:貝殻) 7/7 ◆QmrNKIyyew :2009/09/19(土) 05:13:31.38 ID:oBoVlTAp0
あの日以来、法螺貝を吹いてもカインは現れなくなった。
きっと、今も誰かの願い、いや、想いを叶えているのかーなんて思ってたりする。
いつもと変わらない、いつもと同じ、そんな日常をこれからもずっと大切にしていきた
いと俺は思う。
「弘樹ー! 帰ろう!」
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 05:17:41.84 ID:oBoVlTAp0
投下終了
今回はわりと自信作。物語としては月並みだけど
というか最近、キッチリ書こうとするとどうしても長くなってしまう
短い文章で綺麗に纏められる人の凄さを思い知った
さて、今日起きたらいっぱい感想がきてるはずだ・・・・・
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 05:28:08.45 ID:BQr3VFf70
この時間・・・長いの・・・読む気にならねー・・・ぜ・・・う・・・orz
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 06:14:00.01 ID:zJn1FKtfO
連休なにそれ保守
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 06:37:01.86 ID:Z40nZ7ki0
>>201 よし、じゃあ自分の実力も気にせず感想書くぜ
まず長すぎるって書いてるけど、俺はそう感じなかったかな
むしろラノベ文体だからこれくらいなら充分読めると思うよ?
ただ誤字脱字が多いのが目立ったかも
話はオーソドックスできっちりまとまってていいと思う
ただ、千尋がはねられた当たりがあっさり感じたかな
もっと主人公を追い詰めてもいいと思う
キャラクターはいいと思うし、いい意味でラノベっぽいと思うよ
うん、読みやすいし
あとは推敲をしっかりしてくださいな
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 07:10:18.60 ID:wQM4dP37O
主人公「あまりに哀れだから千尋の胸を大きくしてやってくれ」
カイン「お前全然そんなこと望んでねえだろこの隠れ貧乳好き野郎」
千尋「!」
何故こういうやりとりが無かったのか理解に苦しむ
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 07:26:03.36 ID:rtvefoE9i
俺がこんな事を言うのは筋がとおってないけど
ずばり、面白くない
207 :
自由の価値(お題:犬) 0/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:03:14.04 ID:kPAM2xn40
品評会作品投下します
208 :
自由の価値(お題:犬) 1/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:04:07.04 ID:kPAM2xn40
混雑した学生食堂でアレンと昼食をとっている時、そういえば、という調子で彼が切り
出した。
「就職先、どうよ?」
「少しマズイかもしれない。今年は警察の受け入れが一割減だから……もしかしたら、ペ
ットの方向かな」
「俺もヤバイんだ……牧羊犬の受け入れ、かなり少ない。夢だったんだけどなぁ」
彼は尻尾をくねらせた。落ち込んでいる時の癖だ。入学以来二カ月間、一緒に過ごして
きた仲だから解った。
知り合って直、僕らは将来の夢を語り合った。彼は牧羊犬になりたいと言った。父が故
郷の牧場で働いている姿を見て思ったそうだ。
なるほど、ボーダーコリーの彼にはお似合いの職業だ。性質的にも能力的にも天職と言
っていい。
白と黒の美しい毛並みに包まれ、緑溢れる草原を駆け抜けるアレンの姿が目に浮かぶ。
素晴らしい光景だった。
僕はといえば夢は警察犬だが、理由は無い。如いて言えばラブラドール・レトリーバー
である僕の性質に合って、しかも受け皿が一番広いという事くらい。
ペットにだけはなりたくなかった。ペットだけは、何があっても嫌だったのだ。
父はペットだった。家の中で子供と戯れているか、無気力に昼寝ばかりしている畜生だ
った。
それが、どうしようもなく嫌だった。
勤勉さでは他に出るもの無しと言われるラブラドール・レトリーバーとしてこの世に生
を受けたのに、家の中に閉じこもっている父を見るのは、我慢に耐えなかったのだ。
だから僕らは必死で就職先を探していた。雲行きは、怪しかったが。
「……まあ、そろそろ行くか。就職云々の前に講義落としたら卒業すら出来ないからな」
「それもそうだ。次は、歴史学……ジル先生か」
僕らは空っぽになった白いプラスチックの容器を口に咥えた。周りにはもう犬の姿は見
えなくなっていた。
それから一ヶ月。必死で就職先を探したアレンだったが、牧羊犬になれなかった。彼は
頭を垂れて実家へ帰っていった。美しい白と黒も今は寂しげだった。
209 :
自由の価値(お題:犬) 2/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:04:49.31 ID:kPAM2xn40
そして僕も、警察犬になれなかった。毛並みのように真っ黒で陰鬱なキモチを引っさげ
て、僕は帰路を辿った。
だが結果は兎も角、僕らは大学校を卒業した。犬総合訓練大学校。職業の自由を与えら
れた犬の為の学校を、僕らは卒業した。
*
実家での日々は、散々と言うより他無かった。僕ら犬は三ヵ月あれば見違えるほど成長
する。人間は、そうではない。
「ゴローちゃん!」
「こらっ、毛を引っ張るな! 抱きつくな!」
マイは制止を無視して僕に抱きついた。いやまあ、人間から聞けば「ワンワン!」と言
っているだけなのだから、無視もクソも無いのだが。
「ゴローちゃんがっこう終わったんだよね。これからはずっと遊べるね!」
まだ幼いマイは無邪気に笑った。僕の頭を撫でようと勢い良く手を伸ばす。冗談じゃな
い、僕はペットになんかなりたくなかったんだ。俊敏な動きで家から出る。後ろからマイ
の声が聞こえたが無視した。
「父さん! 寝てんなよ、マイを何とかしてくれ。もう疲れた」
晴天の下、ぐったりと横たわっていた父はゆっくり目を開くと、緩慢な動作で立ち上が
った。それから、ドアの方へ足を向ける。
「……なんでそんなに嫌がる」
「人間のペットなんてやってられるか! 僕は警察犬になりたかったんだ」
怒りを顕にして吼え叫ぶ。遠くにマイの顔が見えた。怯えの表情だった。
父さんは僕の方に視線を向けると、溜息を吐いた。
「大学校では何を教わってきたんだ。こんなことなら、学校に行かせるべきではなかった」
悲しげな目をしていた。僕には何の事かわからなかった。
父さんはくるりと振り向くと、よたよたした足取りでマイの方に駆けて行った。最初は
不安を顔に浮かべていたマイだったが、父さんとじゃれている内、すぐに笑顔になっていた。
「なんだってんだよ……」
父の言葉が、訳も解らず胸に突き刺さった。
210 :
自由の価値(お題:犬) 3/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:05:30.93 ID:kPAM2xn40
*
振り返ってみれば、予兆は目に見えていた。父は今まで以上に昼寝するようになったし、
足腰は弱くなって歩くことすら億劫な様子だった。
それでも気づかなかったのは僕がガキだったからだと思う。
底冷えする冬の日だった。安眠を貪っていた僕は、突然の光りに目を覚ました。いきな
りなんだ?
「サブちゃん!」
マイが父の名を呼んだ。顔には悲痛な表情が浮かんでいた。見たことの無い顔だった。
嫌な予感がした。僕は父さんを見た。
父さんは地べたに這いつくばって小刻みに震えていた。吐息はか細く、今にも途切れて
しまいそうだった。
有り体に言って、死に際だった。
「サブちゃんどうしたの。痛いの苦しいの?」
マイに遅れてマイの両親が部屋に駆けて来た。諦めの表情だった。致し方無いと思う。
老衰ばかりはどうしようもない。天の定めし命の限りだ。人として長い時を過ごしてきた
彼らは、父が死へと向かっていくのをじっと見守っていた。
ただマイだけが違った。
彼女は父の体を撫で擦った。いつもみたいな乱暴な手つきではなかった。ゆっくりと痛
みを労るように、彼女は父さんに接していた。
父さんの体が大きく痙攣した。
僕は目を背けた。父さんは好きではなかった。けど、見ていられなかった。その哀れで、
無残な、悲しい死に様を直視出来なかった。父さんの下半身には水溜りが出来ていた。鼻
を突くアンモニア臭。あまりにも虚しかった。
「……大丈夫怖くないよ」
それでもマイは父さんの体を撫で続けた。彼女は手を休めなかった。父さんの死を直視
していた。優しい眼差しで。
それはマイの両親も同じだった。諦めの表情だったけど、父さんから目を離すことは無
かった。死の予感はこれ以上無いほど強く感じているだろうに、それでも父さんを見守っ
211 :
自由の価値(お題:犬) 4/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:06:13.94 ID:kPAM2xn40
ていた。
その時僕は、解った。本能的に解った。
親父の溜息の訳、そしてジル先生の最後の言葉。
目の前に広がる光景の意味。
*
歴史学の先生、ジャーマン・シェパードのジル先生が最後の講義で言った事を僕は鮮明
に覚えている。
「我々は自由を得た。職業を選べる自由だ。能力さえあれば、どんな職種にでもつけるよ
うになった。勿論人間が必要としている範囲内での事だ。しかし、我々は人間の隣に生き
るようになって数千年で、大きな一歩を踏み出すことが出来た」
白く長い毛に包まれたジル先生は、そこで一呼吸置いた。十歳と高齢の先生だ。けどそ
の言葉には年齢を感じさせない力があった。
「だが諸君、努々忘れる事なかれ。我々がどれだけの自由を得ても、社会性を得ても、我
々は人間の相棒であり友なのだ。人に愛され人を愛す存在だ。一万五千年前、オオカミと
袂を別った時からずっとそうあり続けてきたし、これからもそうだ。警察犬であっても、
介護犬であっても、災害救助犬であっても、それよりも先ず人間最愛の友である犬なのだ。
それを心に刻んでいて欲しい」
*
結局、父さんは死んだ。どう足掻いても助からなかったと思う。命の定めだ。
けれど同時に、父さんはその身をもって僕に教えてくれた。
人は大切な存在の死を悼む。それがどれほど無残なものでも、目を背けない。
僕が見た光景は、正しくそれだった。マイは確かに父さんの死を悼んでいた。マイの両
親もだ。
覚悟を持ってずっと見守ってくれていた。心変えする理由など、それだけで十分だ。
僕はマイと遊ぶようになった。相変わらずやんちゃで、言うことも聞いてくれないし、
僕を乱雑に扱うけど、それで良いような気がした。
212 :
自由の価値(お題:犬) 5/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/19(土) 08:06:57.82 ID:kPAM2xn40
僕は今、家族に連れられ牧場に来ていた。マイに自然と触れ合わせるため、とか何とか
言っていたが縁とは奇妙なもので、そこでばったりアレンに出会った。
「親父、もう年らしくてさ。足腰が立たなくなってきたんだと。最初はペット扱いだった
けど、今は牧羊犬やれてるよ。広大な草原を走るのって、やっぱり楽しいぜ」
自慢気な表情で吠える彼だった。
「お前はペットの道にしたのか? 警察犬はどうしたんだ」
「いや、今でも目指してる。大学校時代より勉強してるかもしれない」
ジル先生は言っていた。僕らは人間最愛の友だ、と。けれど、こうも言ったのだ。我々
は大きな一歩を踏み出すことが出来た。
今考えてみると、その一歩は人間にとっても大きな一歩だったんじゃないかと思う。犬
と人間の相棒としての関係から、さらに踏み出す為の一歩。
だから僕は警察犬になりたいと、心から思う。僕らが与えられた自由を享受し、それを
持って最愛の友である人間の為に働きたい。心の底からそう思うのだ。
「お、そっか。やっぱりペットなんて嫌だもんな。折角職業の自由があるんだ。好きな仕
事やるのが一番だ」
「そうじゃないんだ。ペットでもいい。けどそれ以上に、与えられた自由の下で人間の隣
に居たいんだよ」
僕の言葉に、アレンは首を傾げた。そのうち嫌でも解っちまうさ。そんな言葉に、彼は
そっけなく返事をした。
「ゴローちゃん!」
「っと、マイが呼んでる。そろそろ行くよ」
「元気でな。……よく解らないけど、頑張れ」
ありがとう。一際高く吠えて、僕はマイに向かって駆け出した。マイは飛び跳ねて僕が
来るのを今か今かと待っている。
全く、我侭な友達だ。
<終>
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 08:24:20.71 ID:g5h9c+5+0
>>201 最後のほう、三点リーダが多いと感じた
いくらクライマックスだからってあまり多すぎても。
あと気になったけど、美術部ない設定なの? 木村先生暇すぎだろw
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 09:26:25.51 ID:QaZUVjz/0
ほ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 10:21:52.56 ID:9MhWQYci0
h
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 10:26:19.34 ID:GwIHCasL0
お題くださいな
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 10:30:47.72 ID:wQM4dP37O
滑る
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 10:34:04.22 ID:GwIHCasL0
自分の作品を客観的に見れるようになるまで一年かかる
編集者は重要なポジションだと思う
たった一年でいいのか
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 10:59:14.91 ID:mVNbA2wJ0
>>162 どう"おぞましくておそろしくて凄愴で残酷"なのか書かないからすごく安っぽい文章になってしまってるね
登ってみるとそこには……あああああって描写から逃げるな、こら
>>201 読みやすかった
ストーリーはよくあるもので特に言うことはない
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:03:35.76 ID:mk9PfE6P0
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:11:28.09 ID:wQM4dP37O
うらやましいな
胸はって「自分の作品面白い」なんて言える作品書いたことないよ。
だからこそBNSKにいるわけだけど
いつかそんな作品が書けるといいなあ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:15:06.30 ID:GwIHCasL0
>>220 文法グチャグチャで、発想が中二で、ネタもコアで、展開もぼろぼろ
なのに、一番素直に書いていた、高校生の頃の作品が
自分の作品の中で一番面白いのはどうしたもんかと
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:25:51.87 ID:u/ziYFOR0
品評会で全然ダメだったのに、何回も読んじゃう作品が俺にもあるなぁ
幸せな事だ
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:48:12.80 ID:DLUGkY6j0
お題下さいな
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 11:50:56.52 ID:MBMzkUac0
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 12:35:34.23 ID:hCWDbQx4O
あげ
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 12:41:59.22 ID:oBoVlTAp0
うおー感想きてるー!みんなありがとう
>>204 基本ラノベしか読まない俺は、どうしてもラノベっぽい文体にしかできないんだよね
千尋が轢かれるところは結構考えたけど、上手く書けるほど文才ないから、あえて短くして、唐突というか不意に感じを演出させたかったんだよね
>>205 その発想はなかったwwwwwww
>>206 うん・・・そうですよね
書き終った後はいい作品書けたー!って思ったけど、読み返してみるとなにこのありきたりなストーリーって自分でも思った
精進します
>>213 あー俺も多すぎるかなーって思ったけど、まあいいかって思って直さなかったwww
木村のことは掘り下げなくていいだろwwww
つーか、全然考えてなかったwwww美術部ないとか美術教師二人いるとか、各々の想像にまかせるぜ
>>222 サンクス!
231 :
◆/pLvmLezI8WC :2009/09/19(土) 13:12:14.61 ID:k711uTGQ0
久しぶりの投稿です。
お題はさほど意識していませんが「犬」「猫」両方つかってます。
タイトル「ドッグフード」
5レス
232 :
品評会「ドッグフード」1部 ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:15:25.32 ID:k711uTGQ0
宅急便がきたとき、私は4畳半の部屋の中にいた。建ってか
らすでに十数年経過しているアパートの床には、うっすらとき
め細かい埃が積もっていて、私は歩くたびに足の裏にそれを
感じる。いくらぬれ雑巾でぬぐおうが、高性能の呼び声高い掃除
機を使おうが、この足の裏にあるざらつきは常にこの部屋とと
もにある。不快ではないが、常にある程度私の意識は無意識で
あるにしてもそこに割かれている気がする。
送られてきたダンボールは大手引越し業者のもので、大きさ
こそ私の肩幅ほどあるものの腰にずしりとくるぐらいの重さだ
った。これぐらいの宅配便を受け取ったことはあっても誰かに
送ったことがないのでわからないが、もし箱の大きさで値段が
決まるのなら送り主は損しているはずだと思う。私はところど
ころ皺ができてへこみのある箱を部屋の中央にもってゆき、ノ
ートパソコンが開きはなしの小さなちゃぶ台の前にすえると、
思い切り爪をたて、ガムテープとしばし格闘した。その間、箱
は、私がその方向、向きを帰るたびにぐわんぐわんと重心を移
動させ、私はその音と手に伝わってくる振動から、中を見ずと
も中に入っているものが形のさだまった機械のようなものでは
なく、でもある程度統一感をもったものだとわかった。
私にはこの感覚に覚えがある。高校生のとき何を思ったのか
私はなけなしの小遣いを使い、通信販売でサンドバッグを買っ
た。届いたのは丈夫で分厚いゴムの袋だけだった。あっと、思
わずそのときは口に出していってしまったが、なるほど確かに
商品名に「砂」は含まれていない。拍子抜けした私は、それで
もゴムの袋に払ったお金がもったいなく、隣町のスポーツセン
ターにまで砂を買いにいった。砂はゴムの袋と同じだけして、
到底納得できる値段設定ではなかったが、やはりゴムの袋が無
用のもとして部屋に置かれ続けるのは忍びなく、買った上に電
車で羞恥心とともにそれを背負って帰った。そのとき全身で感
じた重さが、今箱の中にあるのと同じだったと思う。家に帰る
233 :
品評会「ドッグフード」2部 ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:17:19.18 ID:k711uTGQ0
と母親が好奇の目で見る。私は確かに憮然として、説明なしに
部屋にあがると、無機質な手際で砂をつめこみ、サンドバッグ
を部屋にたてかけた。サンドバッグは思ったよりも小さいサイ
ズで、壁にたてかけると、ただでさえ大きさが足りないくせに
自分の重さで無気力に縮みこみ、高校生の私は少し泣きそうに
なった。一発、へろへろのローキックを浴びせ、クローゼット
の中に横倒しにしてねじこんだ。横倒しになったサンドバッグ
は無駄に砂が入っているせいで、砂丘と同じ形をつくり、今思
い出してみると大学生になってからみた「アラビアのロレンス」
の砂丘のようだな、と思った。
ようやくはがすべきテープをはがし、強引に箱をひしゃげな
がら蓋を突破した。オレンジ色のビニールの包みが2つ見える。
取り出してみると、ダンボール特有の臭いとともに、少しだけ
柑橘系の甘い臭いがした。二つの包みを取り出すと底に化粧品
が転がっている。柑橘系の香水は蓋がはずれていて、箱の底に
転々と染みをつくっていた。手首に吹きかけると、胸がすっと
する、それでいて媚び売る甘さをも下品にならない程度にある。
すぐにそこそこの高級品で、男性用というより女性用とわかっ
た。少しだけ胸が高鳴る。が、箱の中はもうからっぽで、こぼ
れた香水の臭いだけが残っている。
オレンジ色の包みに目をやると、どこかで見たことがあるよ
うな犬のCGキャラクターがぐっと力強い瞳とガッツポーズを見
せ付けてきていて、その下に「厳選ドッグフード」とプリント
されている。2つのドッグフードは壁にもたれかかったサンド
バッグ同様、胸をそらしぎみに、すんぐりと床に吸い付いてい
る。
私は犬を買っていない。
ダンボールをたぐりよせ、送り先をみた。まったく違う住所、
まったく違う名前。送り主の名前にも覚えはない。アッと思っ
たがもう遅い。運んできた宅配員は額が若干後退しはじ
234 :
品評会「ドッグフード」3部 ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:18:09.36 ID:k711uTGQ0
めた、顔色のすぐれないおじさんだった。疲れていたのかな、
どうすればいいんだろう、私は少し苛立ち恨んだが、そばにち
ょこんと起立している香水を見ると、やはり胸が膨らんでくる。
「ねえタカアキ」
携帯電話をかける。相手は忙しい、電話をかけてはいけない
と思いながらも、つい手が伸びてしまったのだ。幸い相手はち
ょうど「暇をしていた」ようで、私が今夜会えないかというと、
少しだけ渋った後だったが受け入れてくれた。
私は服を着替え、パソコンの電源を落とし、髪をなでつけ、
薄っぺらなスニーカーを履いた。ハンドバッグには香水を忍ば
せて。
電車でゆくこと10分、タカアキは改札の前に突っ立ってい
た。身長180センチと長身ながら、肩幅が異様に狭く、腕は
私と同じくらい細い。それでいて黒いジーンズと不似合いな赤
いアメリカンカジュアル系のジャケットを羽織るのだから、端
的にいってしまえばダサい。タカアキは青白い顔を少し上向き
にしていた。私は声をかけると、ゆすりと体を動かし、ちょっ
とだけかっこつけた様子で手を握ってきた。骨ばった手のひら
を感じ、私は自分の部屋の、足の裏にこびりついた微細な感覚
を思い出す。彼は私が手にもっている、大きめのスーパーの袋
を目にした。私はドッグフードも香水といっしょにもってきて
いた。
「ユメちゃんにあげる」
ユメちゃんとはタカアキの飼い猫である。タカアキは薄く笑
う。私はタカアキの後ろに従い、彼の家、私と同じくらいのぼ
ろアパートに入った。
タカアキの部屋は散らかっているわけではないが、部屋のあ
りとあらゆる隅に古本が積み上げられているため、私は本と本
の間に身を潜めることになる。埃くささにはさまれながら、私
ははじめて香水をかけた。柑橘系の鋭さはかび臭さの中でも遺
235 :
品評会「ドッグフード」4部 ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:20:08.79 ID:k711uTGQ0
憾なく私を感じさせる。タカアキは台所の棚からスナック菓子
をもってきて、開けた。タンと音がして小さな猫が現れる。ユ
メちゃんはスナック菓子の袋についた糊塩を少しだけなめると、
気高く身をそらして狭い部屋の中、古本の間をもぐったり出て
きたり落ち着きなく動き回った。私は時々その背中に手をやる
も、猫のほうはさほど興味をしめさなかった。
私はドッグフードのひとつを開き、猫の前に置いた。猫はこ
れには現金に興味をしめし、鼻をひっつけ、終いに一口含んだ。
「猫ってドッグフードでもいいんだね」
「おなじようなもんだろ」
タカアキはいつのまにかビールを手にしていた。私は暖かい
目で猫が少しづつ私のもってきたドッグフードを食すのを眺め
た。しかしまもなく猫は唐突に顔をそむけると、半開きになっ
た押入れの寝床まで走り去ってしまった。
「やっぱりあわないのね」
「なあ」
タカアキは顎で残されたえさを示す。
「片付けてくれよ、臭いちょっとくさいし、あとさすがに2袋
は多いだろ、どうしたの?」
私はうなづいただけで答えなかった。少し顔をうつむかせると、
自分のワンピースの胸元からふわりと甘いみかんの匂いがする。
古本とドッグフードの臭いの中で私は少しだけ胸を高鳴らせる。
236 :
品評会「ドッグフード」5部 ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:24:57.66 ID:k711uTGQ0
タカアキは満子を抱いた。タカアキは満子の胸元に顔を押
し付ける。
蜜柑の匂いを感じたが、それは古本の臭い、ドッグフード、
そして自身と相手の体臭の中で妙な薄気味悪さをもっていた。
気にしたのはその一瞬のことであった。
終了
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 13:29:15.20 ID:wQM4dP37O
お題を両方使う場合でも、ウエイトの重い「どっちか」を宣言してね!
238 :
品評会「ドッグフード] ◆/ks5Y92PHE :2009/09/19(土) 13:39:56.17 ID:k711uTGQ0
じゃあ「猫」です
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 13:44:55.79 ID:wQM4dP37O
了解了解
ご回答ありがとう!
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 14:21:29.62 ID:wQM4dP37O
保守
品評会好調だなあ
犬派まけるなー
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 14:23:10.83 ID:B2TsJ+LcO
このスレに稀に他板のスレから勧誘来るよな
なんなんだろうな
こんなに盛況だと今日が土曜日なの忘れそう
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 15:18:15.61 ID:wQM4dP37O
今日が日曜日だと思って今日中に作品仕上げれば、明日もう一作書く時間ができるよ〜
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 15:19:18.66 ID:g5h9c+5+0
犬も猫も可愛いよね
お題ください
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 16:15:03.61 ID:Z40nZ7ki0
クレヨンしんちゃん作者しんだらしい
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 16:22:33.65 ID:Z40nZ7ki0
>>248 mjdk
てかググッたけど詳細載ってない
ソースどこよ?
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 16:26:55.41 ID:9MhWQYci0
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 16:32:55.02 ID:Z40nZ7ki0
>>250 d
服装がほぼ同じで、家族が認めてるってことはほぼ間違いないのか
まあ、まだギリギリ確定はしてないみたいだけど
どちらにしろこの遺体の方のご冥福をお祈りします
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 17:05:50.27 ID:wQM4dP37O
そっか……
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 17:28:12.03 ID:jC1aGmL80
ほ
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 17:43:17.55 ID:wQM4dP37O
五レスで収まりますように
今書いてるやつが五レスで収まりますように!
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 18:07:17.20 ID:hCWDbQx4O
あげる
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 18:22:33.79 ID:YyVtqCbmO
クレしん大好きだ……違うといいんだが……ご冥福をお祈りします
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 18:26:35.70 ID:kPAM2xn40
サクッと読める文章を書こうとするとやおいになって
じっくり読ませる文章を書くとつまらなくなる
誰か助けて保守
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 18:29:42.96 ID:MGk9NZ110
少ない文字でどれだけ意味をつめこめるか
俳句とか短歌とか詩を見るのがいいんじゃないですか?
やおいって読んだら801に変換されて、うほっになってしまう
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 18:49:44.71 ID:p5/k7kBvO
801とうほっを一緒にすんな
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 19:25:17.67 ID:p5/k7kBvO
ほ
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 19:52:39.31 ID:RjNknatu0
ん
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:10:02.15 ID:hCWDbQx4O
ほす
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:18:34.51 ID:xJWiMGOxO
オダイクダサイ
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:20:24.51 ID:OZuTlGudO
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:44:34.50 ID:BQr3VFf70
か
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:45:37.62 ID:MGk9NZ110
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:48:25.82 ID:GGXKfCO10
くださいお題
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:49:25.55 ID:stT5XHPG0
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 20:52:43.14 ID:MGk9NZ110
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:03:49.33 ID:ca7QBeR20
久々に書いてみたくなった。
お題くださいな
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:06:14.57 ID:ca7QBeR20
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:11:13.77 ID:GGXKfCO10
お題ください
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:26:59.90 ID:lAiDoW8Z0
文才ないけどお題ほしい・・・
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:27:33.04 ID:hCWDbQx4O
タイムアフタータイム
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:32:52.76 ID:RTZvwYHS0
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:36:08.69 ID:MGk9NZ110
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:45:48.46 ID:kB/ydD/A0
今無性にお題がほしい
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:46:37.58 ID:MGk9NZ110
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 21:48:36.19 ID:kB/ydD/A0
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:11:10.18 ID:hCWDbQx4O
あ
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:30:47.12 ID:YyVtqCbmO
保守
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 22:48:27.73 ID:YyVtqCbmO
ほ
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:06:28.66 ID:YyVtqCbmO
し
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:06:34.32 ID:dHplKqgKO
の
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:07:05.55 ID:MGk9NZ110
か
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:26:22.23 ID:hCWDbQx4O
ほ
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/19(土) 23:27:01.68 ID:QYYjv0xdO
り
292 :
おじいちゃん(お題・猫)0/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:34:12.71 ID:q9Q/RsZf0
品評会投下します。
お題は猫で5レス。
293 :
おじいちゃん(お題・猫)1/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:35:07.95 ID:q9Q/RsZf0
おじいちゃんが死んだのは、秋が始まる頃だった。葬式の日は朝からやたら暑く、私は縁側に座っていた。ふすまを挟
んだ後ろの大広間では、みたことのない親戚やらおじいちゃんの友達やらが大勢集まり、おじいちゃんに騙されたことや、
おじいちゃんにそそのかされて失敗した話や、おじいちゃんがしてきたしょうもない話をビールの入ったコップ片手にし
ていた。あんまし、葬式らしくない。それもおじいちゃんの人柄が原因なのだろう。
かくいう私もおじいちゃんに騙された大勢のうちの一人だ。小学四年生の時、自由研究で困っていたら駅前のビルが緊
急時になるとロボットに変身することを教えてくれて、私は夏休みの間ひたすら駅前のベンチに座ってビルの観察を続け
た。緊急時が何をさすのかわからないからひたすら待っていたら夏休みは終わっていた。中学に入る前、最初の自己紹介
の時にリコーダーでCMソングメドレーを吹くと無条件で友達が百人出来ると言われて、テレビCMの有名な曲をメドレー
で吹けるように練習した。そして自己紹介の日にそれを披露するとクラスメイトはあっけにとられ、以後三年間はリコー
ダーからあだ名をとられてダー子と呼ばれることになった。友達も結局五人ぐらいしかできなかった。さらに高校二年の
頃、これは最近の話だけど、我が家には倉があって、そのなかに壺みたいなのがたくさんあるんだけど、そのうちの一つ
に惚れ薬があると言われて、私は意中の男性に振り向いてもらおうと片っ端から壺の中身を調べ始めた。結局何個目かの
壺を調べたときイナゴの死骸みたいなのがたくさん入った壺をみて捜索は中断した。
しかしおじいちゃんはなかなか憎めない人物であった。ロシアのマフィアみたいに鼻が高くて目が鋭い、なのに笑った
顔は年老いてもなお愛嬌があり、葬式にこれほどの人が集まったのもおじいちゃんの人柄が良かったからなのだ。みんな
おじいちゃんに騙されると悪い気はしないらしい。
「あんた、こんなとこいないで中はいればいいじゃない」
後ろを振り返ると喪服の母が疲れた顔で出てきて私の隣に腰掛けた。
「こんなに人数多いとなかなかしんみり出来ないわね。いったい何百回ビール瓶を傾けたかわからないわよ」
「おつかれさま」
「ほんとはあんたも働かなくちゃいけないんだからね、こういうときは」
「最初は手伝ったもーん。お母さんだってこれからサボるんでしょ」
「当然よ。もうみんな出来上がってるから相手にしたくないじゃない」
母はにっこりと笑った。おじいちゃんによく似た笑い方だ。うちの家系は多分笑顔がうまい。
「あ、そうだ」
母は喪服のポケットから茶色い封筒を一つ取り出した。
「これが貴方への遺書」
「私へ」
294 :
おじいちゃん(お題・猫)2/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:36:43.32 ID:q9Q/RsZf0
「ほら、おじいちゃんが亡くなるちょっと前に書斎にこもりっきりの時があったでしょ」
「うん」
珍しく書斎に立ち入り禁止を言われて、今度はどんなことをしているか気になっていた。そのあとに亡くなってしまっ
たのだが。母から封筒を受け取る。
「どうやら今日来る人全員に宛てた遺書を書いてたらしいのよ」
全員と言っても今日だけで私は学校の全校生徒よりも多くの顔を見ている気がする。その全員にって何通あるんだろう。
「あの人節目節目にでっかいことをやりたくてしょうがない人なのよね」
「それは、知ってたけど。凄いね」
「尊敬通り越して呆れちゃったわよ」
私はまじまじと封筒を眺める。遺書もらったのなんて初めてだ。茶封筒の表には達筆な字で「孫、春子へ」なんて書い
てある。仰々しい。
「春代さーん」
広間の方からははを呼ぶ声がした。母は顔をしかめる。
「さっきから昔の男達に引っ張りだこよ。パパには内緒にね」
そういって母はまた広間へと入っていく。眼鏡をかけた肌の黒い男性が母を手招きしている。昔の男達ってどんぐらい
いるんだろうか。母親ながら恐ろしい。
改めて茶封筒を眺める。端っこを丁寧に破り、中の手紙を取り出した。何百通と書いているはずなのに、一筆一筆丁寧
に書かれた小綺麗な遺書だった。
「春子へ。春子は春代には全く似ていないほど、気の強い、しっかりとした女性だった。そのくせ、わしの言葉をほいほ
い信じるのでかわいげがあった。そのまま強くて可愛らしい女性と育つよう、それがわしの願いだ。追伸、何か困ったこ
とがあれば「輝けサンシャイン!」と強く叫びなさい」
叫びなさい、ってこんな恥ずかしいこといつ叫べばいいのだろうか。相変わらず、しょうもないことばかり、最後に残
していく人だ。
遺書を封筒に戻し、隣にそっと置く。それから伸びをして空を見た。夕方が近づいていて、空は茜がかっていた。
「あれ、ダー子じゃん」
広間から出てきたのは私には覚えのない人だった。ダー子と呼ぶからには、私の中学の時の同級生だろう。
「誰だっけ」
「覚えてない? クラス一緒でさ、席が最後の方隣同士だった広山だけど」
295 :
おじいちゃん(お題・猫)3/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:37:28.17 ID:q9Q/RsZf0
ぼんやりと記憶が残っている。なにしろリコーダーの失敗以来ふさぎがちに過ごしていて、数人の友達とテリトリーを
作るように過ごしていたのでクラスメイトのだいたいの顔を忘れてしまっている。
「あのじーさん、ダー子のおじいちゃんなのか」
「おじいちゃん知ってるの」
「ああ。知り合ったのは最近なんだけどさ、ゲーセンで友達と格ゲーで遊んでたら、あのじーさんが挑戦者で乱入してき
てあっさり俺たち負かされて、呆然だったね。何もななんだとおもったよ。それから毎週金曜日はそのじーさんと対戦す
るのが俺らの楽しみだったんだけど、最近急に来なくなって、そんで一昨日友達の一人がこの家のこと知って、俺が今こ
こにいるわけだ」
そういえば金曜日になると町へ出かけてた。あれはゲーセンに行っていたのか。何者なんだろう。
「凄いよなー」
「私はおじいちゃんがゲームしているところ見たことないから、びっくり」
おじいちゃんって何で死んじゃったんだろう。話を聞く限りあと三十年は死にそうにない。
「あ、そういえば広山、君は遺書もらったの」
全員にと言ってもゲーセンで知り合った若者までには書いていないだろう。
「ああ、これだろ。今日来られなかった友達の分までちゃんと貰ったよ」
おじいちゃんの徹底ぷりに驚いてしまう。
「なんて書いてあったの」
「なんか、遊んでくれたお礼と、あと追伸がよくわからなかったな。『下下右上+パンチキック同時押しで必殺技』って、
どういうことだよ」
「必殺技の、出し方」
「わけわかんないよな、あのじーさん」
広山君もにっこりと笑った。なんだか今日は笑顔が素敵な人が大勢いるな。
「た、大変です!」
広間の騒ぎの中、ひときわ大きな声が響いた。中を見てみると、さっきの眼鏡をかけた肌の黒い、母の昔の男が立ち上
がり叫んだようだった。
「みなさん、落ち着いて聞いて下さい」
落ち着くも何も、みんなお酒に酔っぱらっている。
「突拍子もないことを言ってしまいますが、全て本当のことです」
296 :
おじいちゃん(お題・猫)4/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:38:11.06 ID:q9Q/RsZf0
眼鏡の男性も酔っぱらっているのだろうか。周りの酔っぱらいから早く言えとか、うるせーとか、ヤジが飛んできている。
「宇宙人が、襲来します」
つまんねーぞとどこかから罵声が飛んだ。それでも男性は続ける。
「言っても信じて貰えないでしょうが、私は地球防衛軍の者です。富士山の地下に本拠地があります。日夜迫り来る宇宙
人と戦っていました。その戦っていた張本人が、この亡くなられた春彦さんなんです」
これは急展開だ。宇宙人が出てきた。広山君は本気に受け取って良いのか酔っぱらいの言葉として受け取るべきか迷っ
ているようだ。
「先日ついにおじいさんの手により化けネコ星の侵略を防ぐことに成功し、地球に平和を取り戻せたと思ったのですが、
どうやら生き残っていた宇宙人が数匹いて、そいつらが今からおそってくるのとの情報が本部から送られてきたのです」
酔っぱらいって、怖い。そう広山君に言おうと思った。だけどその瞬間、縁側の向こうに広がる庭へ、雷が落ちた。ど
かんと。
私と広山君は衝撃に体を飛ばされ、広間の中へと転がってしまう。
なんだ。これ。
「今すぐ本部から避難用の車が来ますので、皆さんは急いで駅前へと避難して下さい」
酔いが醒めたのか喪服の集団は叫びながらわらわらと動き出した。その間にも庭先へもう一発変なビームみたいなのが
放たれた。ぽっかりと穴が空いている。
「ダー子、ぼけっとすんな。走るぞ」
いつの間にか私は広山君に手を引かれ、走り出していた。
駅前まで来ると我が家に起こっている出来事を把握できた。私の家の上空には猫の形をしたメカニカルな浮遊物がただ
よっている。爪みたいな所からビームを出しているらしい。宇宙人って本当にいたんだ。
「くそっ、春彦さんが亡くなったせいでやられ放題だ! 早く対策を立てなければ」
眼鏡の男性は青ざめた顔で家の方を見ている。おじいちゃん、地球が大変だよ。どうすればいいの。おじいちゃん、な
んか教えてよ。
――追伸、何か困ったことがあれば「輝けサンシャイン!」と強く叫びなさい
おじいちゃんのしょうもない言葉だけど、今は信じてみるよ。
「輝け、輝けサンシャイン!」
297 :
おじいちゃん(お題・猫)5/5 ◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:38:57.08 ID:q9Q/RsZf0
力の限り私は叫んでみた。背中に刺さる喪服の人達の視線が痛々しかった。やっぱり、何も起きないじゃない、嘘つき。
だけど、やっぱりおじいちゃんは憎めない。ごごご、と重たい腰が上がるように、駅前のビル群が持ち上がり始めた。
持ち上がるにつれてビル達は複雑に噛み合いながら、人の形を形成していく。駅前のビルが変形するのは、嘘じゃなかっ
たんだ。
「これなら、これなら倒せるかもしれない!」
眼鏡の地球防衛軍の人が拳を握っている。
「だけど、そうだ、もう春彦さんは、パイロットがいないんだ」
「たぶん、俺ならいける気がします」
そう名乗り出たのは広山君だ。
「ダー子、これってさあのロボットの必殺技のことだよな」
そういって広山君はおじいちゃんの遺書を私に見せる。
「うん、おじいちゃんならやりかねないと思う」
広山君は遺書をポケットにしまうと、ロボットの方へと走っていった。地球防衛軍の新しい戦士が誕生した瞬間だった。
「巻き起これ、タイフーン!」
今度は母が叫んだ。みると母の遺書にはそう叫べと書いてあるらしい。どこからか鳥の形をしたロボットが飛んできた。
それには遺書に使用方法を書かれていた私のパパが乗り込んだ。次におじいちゃんの友達のおばあさんが遺書に書いてあっ
たように呪文を唱えると、最初の攻撃の時に巻き込まれた人達の傷が治った。それに他の人の遺書には隠し通路の道順が
書いてあり、私たちはそれを使い安全な場所まで避難することが出来た。またご丁寧にも別の人の遺書にはテレビ放送を
利用した今回の騒動をもみ消すための手順が書かれていたらしい。
そんなわけで、おじいちゃんの遺書によって地球は今日も平和です。それから高校でもおじいちゃんのゲーセン相手や
将棋相手、本屋友達の生徒と仲良くなりました。結局高校でもダー子と呼ばれ続けそうです。おじいちゃん、どうもあり
がとう。
追伸、倉にあるという惚れ薬はさっぱり見つかりません。
298 :
◆fSBTW8KS4E :2009/09/19(土) 23:40:42.46 ID:q9Q/RsZf0
以上です。
今回はものすごい叩かれる気がして興奮がおさまらねえぜ!
299 :
帰らぬ彼女(お題:if)0/4 ◆btRk8HN9Ho :2009/09/19(土) 23:55:49.51 ID:ca7QBeR20
できたー!投下します!
タイトル:帰らぬ彼女
レス数:4
300 :
帰らぬ彼女(お題:if)1/4 ◆btRk8HN9Ho :2009/09/19(土) 23:56:46.83 ID:ca7QBeR20
「もしも俺が殺人犯だったとしたら、お前はどうする?」
突然の質問に驚き顔を上げると、そこにはよく知った顔があった。僕がよく行っているバーのマスターがニヤ
ニヤしながらこちらを見ている。よく冗談を言っては、そのことで結論のない話を2人でしている。つまるとこ
ろ、バカ話というヤツだ。
「それを僕に言ったところで、マスターは何をしたい?」
「そうだな…時効まで匿ってほしい、かな」
マスターは切りそろえた顎鬚を左手でさすりながら答えた。
「しかしなぁ、殺人犯だろ?匿ったとして、何かあった時に僕が殺されたんじゃ、意味がない」
僕は首を振った。マスターは虚空を眺めながら何かを考えているようだ。
「そんなことしたら俺の時効が伸びちまうじゃないか。それこそ意味がないな」
「だとしても、僕が匿ったら僕自身が罪に問われるじゃないか」
「なんだなんだ。今日は否定的な意見ばかりじゃないか」
「まぁ、あまり気分のいい話ではないからね。それに……」
「それに?」
「この状況で楽しい話ができる訳が無い」
僕はため息をひとつついた。
「ははは、それもそうか」
マスターは相変わらずニヤニヤしながら僕の前ウロウロしている。
「それじゃあ気分の悪い話ついでに、もう一つ気分の悪い話だ」
僕の正面に座ってマスターが話し始めた。
「俺が殺した女の話だ」
「まさか……」
僕ははっと息をのんだ。その表情が滑稽だったのか、マスターは声を上げて笑っている。僕からしたら笑える
要素が何一つない。全くもって気分の悪い話だ。
「だから『もしも俺が殺人犯だったら』って言ってるだろ?これも仮定の話だとして聞いてくれればいいさ」
301 :
帰らぬ彼女(お題:if)2/4 ◆btRk8HN9Ho :2009/09/19(土) 23:57:33.03 ID:ca7QBeR20
「俺が殺したのは女だ。中々いい女だったぜ。美人でスタイルも良くて、おまけに性格もいいときてる。ここま
でくれば満点だろう。ただ、その女は俺にとってはゼロ点だった。なんでかって?そりゃ俺に振り向かなかった
からだ」
マスターは好物を食べるように、ゆっくりと言葉を租借しながら語り出した。
「その女には恋人がいた。俺はそいつと別れるように言ったんだが、聞く耳をもたない。果てには俺に今後話し
かけるなとまで言ってきやがった」
突然、マスターが立ち上がった。僕は一瞬だけ身を縮めた。
「仕方ないからその場は別れたんだ。彼女も冷静じゃなかったのかもしれない。また別の日に話してやればいい
と思ってな」
またもや僕の前を右へ左へとウロウロする。マスターの頭上には裸の電球が一つぶら下がっている。彼が動く
と影が伸びたり縮んだりと、不気味に動き回っている。
「別の日にもう一度話をしに言ったんだが、彼女はまた同じ事を言う。今の彼と別れる気はない、さっさと帰って、とね。その日はさらにもう一つ言われたんだ。何だと思う?」
「…………」
マスターが僕に意見を求めてきたが、僕はそれに答えられなかった。
「分からないのか?そんな筈ないよな?さあ、俺が何を言われたのか答えろよ!」
どんっ、と壁を蹴る音が鳴り響く。振動で棚に置いてある酒瓶がカタカタと音を上げた。空瓶も置いてあるの
か、乾いた音も混じっていた。
「……その彼氏と婚約していた」
「そう!その通り!大正解だ!」
指をパチンと鳴らして右手に持ったサバイバルナイフで僕を指した。
「半年後に結婚をする。だからもうこれ以上関わらないで。そう、言われたよ」
マスターは苦々しい顔をしながら、再び僕の前に座った。
「怒りに身を任せて彼女を突き飛ばしてしまったんだ。その時に頭でも打ったんだろう。そのまま彼女は動かなかった」
またニヤニヤと笑い出したのを見て、僕は背筋が凍った。
「でもな、まだ息はしてた。俺ははっとしたよ。このまま連れて行って、なんとか婚約を解消するように説得す
ればいいんだってね。俺の素晴らしさを分かってもらえばいいんだってね!」
302 :
帰らぬ彼女(お題:if)3/4 ◆btRk8HN9Ho :2009/09/19(土) 23:58:23.96 ID:ca7QBeR20
「彼女は一人暮らしだったから、家族にも知られることなく俺の家へ連れて行くことができた。そして毎晩毎晩
俺たちは愛し合いながら、婚約者との関係を断ち切るように説得をした。だが、一週間経っても彼女は一向に折
れなかった」
「……だから、だから殺したっていうのかっ!?」
僕は狂ったようにマスターへ叫んだ。飛び掛って殴り飛ばしてやりたかったが、柱と一緒に何重にもロープで
括り付けられていたため、ギシッとロープが軋んだだけだった。しかしマスターは怯む事はなく、また淡々と語
り出した。
「俺のものにならないなら、いっそこの世界から消えてしまえばいいんだ。そう考えた俺はその日の内に実行に
移した。不要なものは早急に処分しなければならない。そうしなければ、自らを腐らせてしまうからね」
マスターはサバイバルナイフを手の中で遊ばせている。時折反射する光がやけに眩しい。
「心臓を一突き。実にあっけないものだった。人間はこんなにすぐに死ぬものだとは思ってなかったな。息をし
なくなった彼女をそのままにしておくことはできなかった。そのままじゃ、まだこの世界から消えたことにはな
らないからね」
マスターはニヤリと口元を歪ませて僕を見た。
「バラバラにして山中に埋めてやったさ。特に顔はズタズタに引き裂いた。全てが終わって安心したよ。もう彼
女のことを気にすることは無くていいんだ、ってね」
「お前のそんな身勝手で……彼女は殺されたのか」
「身勝手だと?お前がそんな言葉を口にする資格があると思ってるのか!?」
「何だと?」
「お前は俺のたった一人の妹を殺したんだぞ!」
303 :
帰らぬ彼女(お題:if)4/4 ◆btRk8HN9Ho :2009/09/19(土) 23:59:05.83 ID:ca7QBeR20
「ちょっと待て、何の事だ?僕は人を殺した事なんかないぞ」
「確かに直接手を下してはいないだろうな。だが、お前は俺の妹を無理矢理犯しただろう?妹はあの後……ビル
から飛び降りて自殺した」
「!!」
「お前が覚えてなくても、俺は忘れられなかった!」
マスターがはき捨てるように叫ぶと、床をどんっと踏み鳴らした。棚の酒瓶がまたカタカタと鳴り響いた。
「お前が始めて店に来た時から気付いてたんだよ!だが、お前は俺達家族の前で土下座までして反省していると
言っていた。だから俺も何も知らないかの様に振舞っていたんだ」
僕の過去が目の前の男の口から吐き出される。目の前が暗転して気が遠くなりそうだ。
「それなら、彼女を殺さずに僕を殺せばよかったんだ!彼女には何の罪もないだろう!」
「だから言ってるだろう?単に俺の好みだったんだ、って。お前への復讐なんてものは偶然だ」
「……狂ってる」
「何の罪もない少女を犯すようなお前に言われたくはない!!」
僕はもう頭をうな垂れるしかなかった。正面を向くような気力も残っていなかった。
「なんだ?人の人生を壊しておいて、自分だけは幸せでいたかったのか?」
「……すまなかった。僕が馬鹿なことをしたばっかりに……」
マスターはため息を一つついて後ろを振り返った。
「と、言うことだそうだ。分かったろ、この男の正体が」
「?」
僕が顔を上げるのと同時にマスターの後ろにあった扉がガチャリと音を立てて開いた。そこに立っていたのは
僕の婚約者だった。
「本当に……あなたはこの人の妹を…その…無理矢理犯したの?」
「え?なんで彼女が……?」
マスターは立ち上がって、またいつものニヤけた顔をして僕を見ていた。
「だから言ったろう?『もしも俺が殺人犯だったら』って」
304 :
帰らぬ彼女(お題:if) ◆btRk8HN9Ho :2009/09/20(日) 00:00:51.94 ID:ca7QBeR20
以上になります。
これだけ急ピッチに書いたの初めてだ…もうちょっとひねればよかったかなぁ。
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:14:51.88 ID:rbrDRyBg0
あげ
久しぶりに書いてみようと思う
お題を
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:28:17.63 ID:NM0BQ7dI0
規制解除キタァアアアアアアアアアアアアアア!!
ってことでお題ください
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:35:27.40 ID:Ez+sj43X0
把握
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 00:58:55.14 ID:e+TOCfksO
ほし
311 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 0/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:04:10.03 ID:M3gfXvvk0
品評回作品投下します
312 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 1/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:04:55.65 ID:M3gfXvvk0
「うわぁ!」
玄関の引き戸を開けた瞬間、黒い物体が飛び掛ってきた。あまりにも俊敏に動くその物
体を避けられず、僕は尻餅をついた。
「ひこや、どうしたっとね」
茶の間でくつろいでいた祖母が慌てて出てきたが、僕を見るなり呆れとも苦笑ともつか
ない吐息を漏らした。
「なんだ、きゅうでねべが。何をそんなに驚いとるね」
「イキナリ飛び掛られたら驚くに決まってるだろ!」
キュウは僕の腹の上でキャンと高く吠えた。元々は真っ白な毛並みの秋田犬なのだが、
どこでどう遊んできたのか今では泥まみれの真っ黒クロ助だ。
「キュウもいきなり飛び掛ってくるな。駄目って何度も言っただろ」
厳しい表情でキュウの目を見ながら言うと、殊勝にも項垂れて悲しげに声をあげた。い
や騙されないぞ。このバカ犬は何度叱っても覚えやしないんだ。
「……はぁ。まあ、行ってくるよ。帰りは遅くなると思うから」
やるせない気分になりながらも、祖母に向けて言った。けど祖母の反応はおかしなもの
だった。
「出かけるって、ひこや。その格好でか? 婆ちゃんは若いのが好む格好は解らねけど、
その格好は止した方がいんでねぇべか」
祖母の視線は僕の胸の辺りをさしていた。つられて目を向ける。
「……ああ。着替えてから行くよ、ばあちゃん」
お気に入りの白いジャケット。
今は真っ黒に染まっていた。
*
キュウ。僕の家に住んでいる犬。僕が中学二年の時に祖父が貰ってきた。その時はまだ
生まれたばかりのキュウだったから、今は八歳。一言で言って、バカ犬。
人を見るとまず飛びつく。それだけ聞くと可愛いもんだけど、野外を駆け回って汚れき
った体で飛びついてくる。勘弁して欲しい。その癖一度家に入ると茶の間でのんべんだら
りとしている。帰宅してドアを開けたらお利口にもお座りして待っててくれる……なんて
313 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 2/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:05:36.77 ID:M3gfXvvk0
事はない。
で、極めつけに学習能力が無い。いくら叱っても愚行を止めやしないし、いくら誉めて
も待てすら出来ない。
正真正銘のバカ犬である。
しかしそれが、ただの犬なら解る。
何とこのキュウ、あの忠犬ハチ公の末裔だと言うのだ。
信じられない。
けども祖父が言うには、事実、そうらしい。名前だって遠い先祖であるハチ公のように
利口な子になって欲しいからキュウとつけたと言っていた。
まったく信じられない。
しかし僕にそれが確かめられる訳が無く(確かめる気だって起きないが)、我が家のキ
ュウ君はハチ公の血筋という事で通っていた。
*
「いやー、本当バカ犬だよね」
缶チューハイ片手に、孝也は声を上げて笑った。頬はもう赤い。弱いんだからゆっくり
飲めばいいのに。
「笑い事じゃないって……」
嘆息して、チューハイを呷る。何時の間にやら外は雨。激しい雨音が響いている。空気
は冷たいけど、お酒の力で身体は温かかった。
孝也は高校時代の同級生だ。一番気があって毎日のようにつるんでいた。
大学は僕が県内進学、彼は県外進学と別れてしまった。けど孝也が休みに帰郷すると、
高校時代に戻ったみたいに毎日遊んでいる。
この夏休みも、嘘でも誇大でもなく毎日遊んでいた。で、そろそろ後期が始るから帰ら
なきゃイケナイという事になって、飲み会を開く次第になったのだった。
「ごめんごめん。まあ、災難だったね」
そう言って孝也はまた笑い出す。勉強しない奴だ。これからはキュウと呼んでやろうか。
「でもさー、確か前もこんな事あったよね」
「……思い当たることがありすぎて思い出せない」
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:06:25.32 ID:Og/tqooL0
>>304 読みました。
ありきたりな話のような気もするけど、面白かったです。
酒場の描写やマスターの雰囲気などが細かく・・・というより、
ちょっぴり怪しげな文章に合っていると思いました。ただ主人公のリアクションやマスターの動作などを
不自然だと感じました。なんというか、お互いにクサい芝居しているという印象がありました。
文章自体は丁寧で読みやすかったです。
315 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 3/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:06:27.60 ID:M3gfXvvk0
「ほら、僕が引っ越す前日にも飲み会したじゃん。あの時も同じようなこと言ってなかった?」
大きな声では言えないが、高校三年の春休みに僕らは飲み会をしたのだ。送別会って奴。
その時も僕は泥だらけのキュウに抱きつかれて、飲み会では酷いありさまだった。主に自
棄酒のせいで。
「……そういえばあの時も、白のジャケットだったなぁ」
「キュウ、白いの大好きなんじゃないの。……それにしても、文彦もよく愛想つきないよね」
自分でもそう思う。何だかんだ言ってキュウの事は可愛がっている。どうしてだろう。
自分でも良く解らなかった。
そんな調子で二人酒を飲んでいると時間は瞬く間に過ぎ、気づけばもう三時を回ってい
た。孝也は午後一時発の電車で帰るらしく、今日はお開きという事になった。
「それじゃ、一時に会おう」
「ありがと。またなー」
家の外に出た時、もう雨は収まっていた。
孝也は力の限り手を振って僕を見送ってくれた。あいつ、相当酔ってるな。そう思った
のも束の間、視界が波打つ。僕もかなり酔っているみたいだ。
*
千鳥足で舗装の悪い夜の道を歩けば、足がもつれて転んでしまうのは当然だった。家の
近くに来るまでに僕は三度も転んでいた。雨上がりの田舎道だから、服はもう泥だらけだった。
だから、僕はキュウの事を考えながら帰路を辿っていた。
よく愛想つきないよね。孝也の言葉。
言われてみれば、そうだ。あのバカ犬には散々迷惑をかけられてきた。それこそ、思い
当たる節がありすぎる程に。
それでも確かに僕は奴の事を可愛がっていた。部屋に居れば構ってやるし、食事を催促
されればすぐに準備してやる。
なんでだろうなぁ。責任感じゃないのは確かだ。キュウが可愛いから? まさか。その
点において、奴はバカ犬以外の何者でもない。そして家族だからなどと言う理由でもない。
家族になら無条件で優しく接する事ができるほど大人ではない。
理由は、あった気がするんだけどな。でも僕にはそれが思い当たらなかった。
316 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 4/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:07:09.62 ID:M3gfXvvk0
土と雑草でデコボコした道を歩く。電灯なんて文明の利器は存在しない。雨上がりの空
に浮かぶ白銀の月だけが薄暗い獣道を照らしている。
だから最初は気づかなかった。
「ワンッ!」
道の先に白の体躯が見えた時には、既にキュウの鳴き声が響いていた。疾走するキュウ
は白い矢のように僕の方へ駆け寄ってきた。そして足元に来ると、僕の足に顔を擦りつけた。
キュウは僕の帰りを待っていたようだ。遅すぎる僕の帰りを。さながらハチ公のように。
それで、思い出した。
前も待っていてくれた。高校三年の春、孝也と酒を酌み交わしたあの日も。夜遅くに帰
った僕を出迎えてくれた。その日だけじゃなかった。僕の帰宅が遅かった日は、いつでも
待っていてくれた。雨の日も、雪の日も。
可愛がる理由なんて、それだけで十分お釣りがくるくらいだ。いつも僕の事を見て、気
にかけてくれている。それがどれほど幸せなことか。
キュウはまだ僕の足に身体を擦り合わせている。まるで僕の存在を確かめるように。不
意に涙ぐみそうになった。それを誤魔化そうとキュウの頭を撫でると、キュウは嬉しそう
に咽をならした。
キュウの鳴き声、体温。そのどれもが心地よかった。あたたかかった。
「ありがとな、キュウ。待っててくれて」
僕の言葉にキュウが笑ったように見えた。
*
「ひこ、そんなに急いでどうしたべ」
「孝也の見送り、一時発の電車!」
丁度良く茶の間の壁掛け時計がベルを鳴らす。十二時のベルだ。ものの見事に寝坊した。
僕は水を撒き散らしながら顔を洗い、急いで着替え、脱いだ服を散らかしたままに部屋を出た。
「爺ちゃん、車借りるよ!」
「気ぃつけて運転せえよ」
「大丈夫っ」
317 :
バカ犬キュウ公(お題:犬) 5/5 ◆7cy2QI8jBM :2009/09/20(日) 01:07:50.81 ID:M3gfXvvk0
靴を引っ掛けて勢い良く玄関のドアを開ける。
黒い塊が飛び掛ってきた。どこかで見た光景だった。
「……キュウ。いい加減に学習しろ!」
殊勝にも項垂れて悲しげに鳴くキュウ。しっかり躾てやりたい所だが、生憎時間は無い。
「あーもう。爺ちゃん、行ってくるよ!」
呆れと焦りの交じった気分になりながらも、祖父に外出を伝える。けれど祖父の反応は
おかしなものだった。
「ひこ、わしゃお前をそんな風に育てた覚えはねえ。若者の流行はわからねが、そんな浮
浪者みたいな格好だけはすんでね」
祖父の視線は僕の胸辺りに。嫌な予感。つのる既視感。
真っ黒に染まったワイシャツ。
――こんのバカ犬がっ!
<終>
318 :
◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:14:37.87 ID:Ez+sj43X0
そのバカ犬どこで売ってますか。
品評会作品投下します。
お題は猫で、名前はトムと言います。
全部で5レスです。宜しくお願いいたします。
319 :
トム(お題:猫) 1/5 ◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:16:10.74 ID:Ez+sj43X0
息子の友達と話をした。
里菜と名乗ったその女の子は、綺麗な赤毛をアバウトに後ろで束ねていて、その豪快な髪型がとても愛らし
かった。十四歳、息子と同じ“年長組”だと言っていた。第二次性徴がもう始まっていて、これはやばい、油断していたと思った。こ
いつらなんか、まだまだガキだと思っていたのに。侮れなかった。
カタパルトでの作業を終えて、自宅に戻る帰り道でのことだった。自宅に戻ってからの作業の段取りなどを考えながらボートを走ら
せていた俺を、湖岸からの黄色い声が呼び止めたのだ。里菜ちゃんは俺のことを「北宮くんのお父さん」としてちゃんと認識していた
らしい。「集落まで乗せていって欲しいな」と言われたので、俺は彼女をボートの後ろに乗せた。そして、色々なことを喋りながら、
集落に帰った。息子のことや、もうすぐ完成する宇宙船のことなどを話た。ドーナツの話なんかもした。すげぇ楽しかった。
「北宮くんのお家は、あのドーナツを三等分したって聞いたんですけれど、それって本当ですかー?」
里菜ちゃんがそんな質問をしてきて始まったのが、ドーナツの話。今から四年と少し前、冬の日のことだ。
俺達が暮らしているこの惑星は、植民開始からの日がまだ浅い。たかだか十五年程度の時間では、人々が安定した生活をするに足る
ほどの基盤を築くことが出来ていないのが現状だ。生活の根幹、食料の供給さえ怪しくなることがある。特に、宇宙船の組み立て作業
が山場を迎えていた六年前からの四年間のそれは本当にひどいものだった。
その日も、食料の供給は無かった。その日の前日も食料の供給は無かった。さらにその前日も無かった。誰もが空腹だった
母星から持ってきた保存食も、その頃にはもう底を尽きかけていた。しかし、それでも食糧管理局は、なけなしの保存食をを子供達
にだけ配った。子供達を餓えさせるくらいだったら、という思いだったのだろう。この惑星に住む大人は、例外なく子供に甘い。
それがドーナツだった。缶詰に入った、小さなドーナツ。子供でも片手で持てるくらいの、本当に小さなドーナツが一つ。
「ああ、そうだよ。父、母、息子の三人だから三等分して食べた。あのドーナツ、不味かったなぁ」
俺の言葉に、里菜ちゃんは「えー」と可愛く声をあげた。
「本当だったんだ。うちのお父さんはねー、お前のために配られたドーナツだから、お前が食べろって言ってくれたよ」
我が家の子が息子じゃなくて、里菜ちゃんみたいな娘だったら、あるいは俺もそうしたかもしれないなと、ふと考えた。あの、栄養
満点のドーナツ。くそ不味いドーナツ。いや、やっぱり三等分したかな。
「ドーナツは分けることが出来るからなぁ。三等分出来るものなら家族で三等分したいよ、俺は。遠慮はなしだ」
だって、家族だから。俺がそう言うと、里菜ちゃんはにへらと笑った。
「里菜ちゃん、もういっそのこと、うちの家の子にならない?」
なんとはなしに、そう聞いてみた。そしたら里菜ちゃんはちょっと頬を赤らめて、「北宮くんかぁ。どうしようかなぁ。お父さんは
優しそうだしそれでもいいかなぁ」などと言い出した。どうしようと思った。本当に、どうしようかと思った。
集落に到着し、彼女と笑顔で手を振って別れたあと、俺は息子を捜して道を全力で走った。探していた標的は、牛舎で牛の世話をし
ていた。「お帰り、父さん。どうしたの?」などと怪訝そうに問う息子に、俺は人差し指を突きつけて、こう宣言してやった。
320 :
トム(お題:猫) 2/5 ◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:16:53.82 ID:Ez+sj43X0
「おまえなんかに、娘は、うちの里菜はやらん。十年早い」
「里菜って……長谷部さんのことか。誰の娘だよ。ていうか、なんで父さんが下の名前で呼び捨てなんだよ」
里菜ちゃんの名字は長谷部らしい。長谷部。冶金技師の長谷部さんと同じ名字だ。あのおっさん、あんなにかわいい娘がいたのか。
「なに、お前、まだ長谷部さんとか呼んでるの? なんだよー、俺の方が里菜と仲良しだな」
ちょっとだけからかってみると、息子の目がすっ、と細くなった。息子は俺に似てやたらと良い顔つきをしているが、ときどき、妻
に似たとても冷たい目つきをすることがある。例えば、今この時みたいに。
「お、なんだその目。やるのか。なら受けてたつぞ。ネコがネズミよりも強いことを証明してやる」
俺がファイティングポーズをとると、息子は頭を振り、それからいかにも呆れたといった感じのため息をついた。
「父さん、やめてよ。付き合いきれない。それに、その“ネコ”とか“ネズミ”とか、そんな居ない生き物の名前で呼ばないでよ」
俺達は自分達大人のことをネコと自称し、対する子供達のことをネズミと呼んでいる。理由は子供達には教えていない。
この惑星に、ネコやネズミと呼ばれる動物はいない。俺が産まれた惑星にもいなかったので、実は俺も実物を見たことはない。大昔
の古典アニメーションが、移民船の中で見たそれが俺にとって唯一の接点だ。あの移民船がこの星に残っていてくれたなら、色々なこ
とがすごく楽だったのに、と思う。子供達に、ネコとネズミについての具体的な説明をすることだって出来ただろう。
「お前らはネコの可愛さを知らないからそんなことを言っていられるんだ。まあ、待ってろ。宇宙船が完成したら、他所の星からネコ
とネズミを貰ってくるから。その可愛さにメロメロになるがいいわ」
息子はもう一度ため息をついた。今度のは先ほどのため息と比べてより大きくて、より深い。
「僕には父さんたちが考えていることが本当に、全く、わからないよ。この星には生活していく上で不足しているものがまだまだたく
さんあるんだ。それなのに、まるでムキにでもなっているみたいに宇宙船作りに熱中してる。しかもその最大の理由が、ネコとネズミ
を連れてくるため、とか。言っちゃ悪いけど、ネコもネズミも所詮は愛玩動物なんだろ。現時点でそんなもののために労働力を注ぐ必
要なんて、ほんの一ミリだって無いはずだよ」
これは今まで、何度も話し合われた話題だ。だから、俺が返す言葉も、今まで何度も口にし続けた言葉になる。
「……息子がやさぐれてしまった。なんていうことだ。情操教育の不足が原因だ。豊かな感性を持った子供を育てるためにも、やはり
愛玩動物が、ネコとネズミが必要だ!」
「もう、いい。父さん達は、もう、いい」
息子はそう言って、踵を返して背を向けた。そして、不服そうに「馬鹿だ」とそう口にした。
「父さん達は、馬鹿だ。頭はいいのかも知れないけれど、本当に馬鹿だ」
「なんだよ、そういうこと言うなよ。子供は親の言うことは、聞かないといけないんだぞ。そうしないと、泣くことになるんだぞ」
折角の俺の忠告も、息子の心には届かなかったらしい。息子はあきれ果てたといった感じの口調で、こう言った。
「俺は父さんみたいに涙もろくないから、そう簡単には泣かないよ」
何を。
321 :
トム(お題:猫) 3/5 ◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:17:44.59 ID:Ez+sj43X0
子供達は、大人に対して不信感を抱いている。数多くある他の問題を押しのけて、宇宙船の作成に傾倒しているように見える我々大
人の振る舞いが「おかしい」と考えている。
「父さん、僕達が抱えている最大の問題は、この星にネコやネズミがいないことじゃない。絶対に、違う。僕達が真っ先に解決しなく
てはならない問題は、他にあるんだ。僕には、父さん達が最大の問題と言ってもいい出生率問題を無視しているように思える。本来そ
こに割り振らなくてはいけないリソースを、どうでもいい物のために注いでいるように思える。そして、その理由が全くわからない」
息子が主張する通り、この星の出生率はデータで見ると異常だ。結果、この星の住民の年齢構成は極端に偏った状態になってしまっ
ている。我々ネコ、現在三十二歳から四十五歳までの大人が三百人弱、そして息子達ネズミが三十八人。それがこの星の全人口だ。ネ
ズミ達の年齢層は十四歳の“年長組”から十二歳の“年少組”までの三年間という短い範囲内に限定されている。十二歳より下の子供
は、この星には一人として存在しない。ここ十年以上、この星では新しい人の子の命は授かっていないのだ。
新たな命が育たなければ、長期的にみてこの星に未来は無い。だからこそ子供が産まれないという根本的な問題は、我々が全力をし
て解決しなければならない問題ではないだろうか。ネズミたちのリーダー、つまり俺の息子の言い分は、要約するにそういうことだ。
それに対する、我々大人の統一見解はこうだ。
「ばっか、お前、ネコの方が大事だろうが。すっげぇかわいいんだぞ。なめんな」
宇宙船が完成したときには、息子は最初の行き先を地球圏にするべきだと頑なに主張した。少なくとも、地球との連絡がとれる範囲
の惑星にするべきだ、と。俺達のような移民は、地球統一政府から一定の庇護を受けることが可能な契約を交わしている。自分達で解
決不能な多大な問題、例えば、天変地異や原因不明の疾病等が発生した場合、植民者が庇護を求めれば統一政府は全力をもって植民者
を救わねばならない、というものだ。息子はその権利を行使するべきだと主張した。十年以上、出生がゼロというのは多大な問題とし
て扱われるだろう、と。
「だけど、ここから地球圏に連絡がつく範囲まで移動するのに六年はかかる。往復すれば十二年だ。それに比べて、隣の星系ならたっ
た四年で往復することが出来る。三分の一だよ。コストパフォーマンス的にも、お隣さんの星へ行って、ネコとネズミを譲ってもらっ
て帰ってきたほうがお得じゃないか」
そう言った俺に、「コストパフォーマンスで比べるレベルにも至っていないだろ」と息子は激昂した。息子は冷静なようでいて、熱
しやすい。きっと俺に似たんだろう。
「ネコがいたところでどうにもならない、だが地球と連絡がつけばみんなを救えるかもしれない」
そんなことを熱弁する息子に、俺はこう言った。
「でもなぁ。ネコはヒゲが生えていて、あまつさえ尻尾もあるんだぞ。かわいいんだぞ」
俺のその意見に対して、息子は何も言わなかった。押し黙ったまま、部屋を出て行った。
322 :
トム(お題:猫) 4/5 ◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:18:25.34 ID:Ez+sj43X0
宇宙船の打ち上げを翌日に控えた最後の夜、とうとう子供達が実力行使に出た。夜の闇に紛れて、次々と家を抜け出したのだ。その
まま宇宙船へと乗り込み、地球圏へ向けて飛ばすつもりなのだろう。俺に代表される馬鹿な大人が、くだらない愛玩動物のために、大
切な宇宙船を飛ばす前に。この星の未来を救うために。おそらくはそんなことを考えているに違いない。
息子の顔を思い浮かべる。あいつは誰に似たのか、とんでもなく真面目な性格に育ってしまった。それでいてどちらの親に似たのか、
行動力も有り余っている。俺に似て非常に賢い。あいつが子供達を統率する以上、きっと彼らがやりたいことをやり遂げるだろう。
状況の確認はすぐに終わった。全ての子供は俺の息子に同調し、一緒に宇宙船へと乗り込もうとしている。上出来だ。「全員行動」
を美徳として子供達に躾けてきた甲斐があったというものだ。
だがもちろん、俺達だってそれを黙って見過ごすわけにもいかない。俺達大人は、親としての、あるいはネコとしての責務を果たさ
ねばならない身なのだ。男達、子供を持つ父親達は集落の広場に集まり、全員でネズミ達を追った。
宇宙船のカタパルトは、集落が隣接する湖上に設置されている。湖上をボートで向かうのが早いのだが、桟橋に繋がれていたボート
のバッテリーは全て放電されていた。結果、俺達はカタパルトまで走って向かわざるを得なかった。子供達による工作だろう。この手
の迅速で、それでいて丁寧な仕事ぶりには感心させられる。
息をきらした俺達がカタパルトに到着したときにはまだ、宇宙船は発射準備をしている最中だった。俺達が建造した宇宙船は、カタ
パルト側で必要な操作も、全ての宇宙船のコクピットからコントロール出来るように設計されていた。今回の設計で、一番苦心した点
は実はそこだった。
「間に合うぞ!」誰かがそう叫んだ。あとは岸と宇宙船を繋ぐ、湖の上を走る長い桟橋を走るだけだ。誰かが宇宙船の近くまで走り寄
れば、その誰かのの安全のために子供達も打ち上げを中止せざるを得ないだろう。根は真面目で優しい子供達なのだ。
大丈夫。きっとまだ何かの策はある。俺達はそう信じて、走った。先頭は俺。夜の桟橋を大人の一団が駆けた。
数メートル先の足下あたりの高さにロープが張られていることに気付いた。ロープは黒色に塗りつぶされている。気付かれにくくす
る細工だったのだろう。ロープ気付かずに走り抜けようとすれば、十中八九は躓いて転ぶことになるだろう。運が悪ければ、そのまま
湖へ落っこちることになるかもしれない。
「気をつけろ!」俺は叫んだ。「この先の足元にロープが張られているぞ!」
「おうよ!」「任せろ!」後ろから、口々に了解を告げる声がする。言いたいことは、ちゃんと全員に伝わったらしい。
さあ、ネズミ達よ、見るがいい。ネコの実力を。
俺はロープの前で踏み切ると、勢い良くジャンプした。俺の体は宙に舞い、そしてロープが引っかかった足首を支点として、くるり
と回転した。そのまま、さながら競泳選手のように、俺は夜の湖へと頭からダイブした。
後ろの連中も、俺に続いた。たくさんの豪快な水柱があがった。きっとそれらは、宇宙船の窓からもよく見えたことだろう。
俺達が岸辺へと向けて泳いでいる間に、宇宙船が空へと高く打ち上がっていった。打ち上げは成功だった。
323 :
トム(お題:猫) 5/5 ◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:19:07.77 ID:Ez+sj43X0
「おつかれさまでした。うまくいったね」
女達が来ていた。女達は濡れネコのようになっている自分の夫に、乾いた布を渡していた。俺も妻からタオルを受け取り、それで顔
を拭いた。水草と泥の臭いがした。
誰かが、歓喜の雄叫びをあげた。俺もそれに倣った。妻も嬉しそうに叫んだ。男も女も、全員で、叫んだ。飛んでいく宇宙船に向けて、叫んだ。
もしかしたらそれは、子供達へも届いたんじゃないかと思うくらいに強い、感情の爆発だった。
この星は、もうすぐ終わる。隣接した星系にて突如発生した、原因不明のブラックホールはあと数年でこの星を飲み込むことになる。
それが判明したのは、入植を始めてから二年半ほどしてからのこと。それ以降、俺達の生活の目的はこの星で暮らすことから、脱出
を試みることに変化した。入植の基礎工程さえ完了していない状態での方針変更。すさまじく過酷なものだった。
だが、それもここまで。今日をもって、まずは計画の第一段階が終了した。子供達を全員、無事に重力波から逃す。それが出来た。
計画は第二段階に移行する。この星を離れつつある宇宙船と連絡を取り、子供達に種明かしをする。同時にそれは、当分の間会えな
くなる息子たちと話をする、最後の機会となる。割り当てられた時間の中で、俺は息子と何を話そう。昔話とかをしてやろうか。
例えば、ドーナツの話を。まだお前が十歳になっていない頃の話をしようか。
お前さ、目に涙を浮かべてドーナツの缶詰を持ってきたんだぜ。「こどもだけドーナツもらった」とか言いながら、それがまるで悪
いことであるみたいに。今にも大泣きしそうで、だから俺、思わず言っちゃったんだよな。「よし、でかした。家族三人で分けて食べ
るぞ」って。そしたらお前、一気にすごい笑顔になってやんの。そして、小さいかけらを大事そうに食べながら、「おいしいね」とか
すげぇいい笑顔で笑うんだよ。とんでもなく不味いドーナツなのに。あの時、思ったんだよ。お前は俺にとって誇りだって。俺の息子
がお前で、本当に良かったって。そんな話をしようか。息子はきっと、泣くだろう。涙もろいから。俺に良く似て、すげぇ涙もろいから。
泣けばいいんだ。親の言うことを聞かない子供は、泣くことになるんだ。そのことを身をもって教えてやろう。
お前が優しい子だったから、「ドーナツを一人で食べるのは嫌だ」って泣くような奴だったから、子供達がそんな風に優しく育って
くれたから、俺達はこんな芝居をうったんだぜ。自分達だけがまず脱出するなんてこと、絶対承知しそうにない子供達だから。俺達の
頼みなんてとても聞いてくれそうに無い、頑固で優しい子達に育っちゃったから。
最後の水柱、ちゃんと見てくれたか? すげえネコっぽかったろう。そういう話もしよう。俺達がネコであることをアピールしよう。
明日から、俺達は自分達用の宇宙船の建造に取り掛かる。それが計画の第三段階。重金属とか殆ど無いし、燃料なんかもどうやって
調達するか、非常に頭が痛い。何より、時間が無い。今度は三年以内に、大人達全員が乗れる巨大な宇宙船を作らなくてはならないのだ。
解決しなくてはならない問題はとんでもなく多い。でも俺達は作れると思う。自分達が乗る宇宙船。だってさ、俺達はネコだもんな。
ネコっていうのはドジな生き物でさ、ネズミが仕掛けた罠に、簡単に引っかかるんだよ。でも、それでもネコは大丈夫なんだ。
ネズミが仕掛けた、どんな危険なトラップに引っかかっても、せいぜい怪我をする程度で、絶対に死なない。ネズミのせいで死んだ
りはしない。それがネコという生物だ。だから俺達も死なない。ネコだから。必ず宇宙船を作り上げる。ネコだから。
そしてネズミと同じ家に住んで、いつまでも、いつまでも仲良くケンカをしながら暮らすんだ。それが、ネコとしての生き方なんだ。
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:20:08.08 ID:M3gfXvvk0
投下乙。
>>232からまとめに転載しようと思ったんだけど、そのままコピペでいいのかな?
それとも、1部、2部って所は1/5、2/5とかってこっちで勝手に直して転載するもん?
書式的にいいのかどうかワカラン
325 :
◆zH52hPBzFs :2009/09/20(日) 01:20:43.53 ID:Ez+sj43X0
以上です。
正直今までの中で一番感想を読むのが怖い作品に仕上がったんだけど、
fSの酉の人の投下後のコメントみたらなんか安心してきた。
仲間がいてよかった。
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:21:41.48 ID:Ez+sj43X0
>>324 1/5に直すのと、(お題:猫)はいれてしまった方がいいと思います。
自分ならそうします。
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:22:13.15 ID:M3gfXvvk0
>>326 了解ー。
最後挟まっちまってすまねぇ。
始めての品評会
コレで良いのか、悪いのか、よくわからないコノワタシ
たぶん4レス
お題比率。犬50猫50。それでも選ぶなら猫
タイトルは「縁側で」。思いつかないからってコレで良いのだろうか
ところで、こんな深にゃなのに投下ラッシュが来ていますね
朝焼けに染まっている和風家屋の縁側に、二つの影が存在した。
一人は少女、一人は少年に見える。
少女は、烏の濡れ羽色とでもいうような艶やかな黒い長髪。黒を基調とした浴衣に袖を通している。
少年は、適当に切りそろえられた白髪に、雪の様に白い肌。白を基調にした洋服を着ている。
「良い人たちだったよね」
少年が笑顔で言った。
「そうね」
少女も笑顔で答えた。
「願わくば」
少年が謳う。
「あの二人に、永く終わらぬ幸福を。僕が出来うる限りの祝福を」
言い終えると、少年が少女を肘で小突く。
「……願う事は一つ」
少女は、唇を尖らせながら言葉を紡ぐ。
「あの二人が死ぬまで幸せに生きてくれるという事だけよ」
少年が少女に頬ずりをした。
陽が中ほどまで登ってから、誰も居なくなった縁側に人影が現れた。
年は二十程に見える女性だ。目は腫れぼったく、充血して赤くなっており、奇麗な髪は好き放題に跳ねていた。
寝巻きと思しき服に、上着を羽織っただけの格好をしている。
先ほどまで少年と少女が座っていた縁側に腰を掛けて、女性は泣き始めた。
「若かったのにのぅ……。まだまだこれからも生きる筈だったのにのぅ」
それが死んだのは一昨日だ。昨日は様々な手続きをしていて、泣く暇も無かった。
手続きを終えてから、彼女は夜通し泣いていた。
泣いている所に、一人の若い男がやってきた。
「美千代さん」
「……なんじゃ」
「死んでいたのは、そこですか?」
よくよく見れば、男の眼も赤く充血していた。最低限の身だしなみはしていたが、それだけは目立っていた。
「そうじゃ」
男はよいしょ、と縁側に腰を下ろす。
「ん」
美千代と呼ばれた女性は男にもたれかかる。
男は女性の体重を支える気はないのか、倒れた。
「重いですよ」
「おいこら」
充血した目で、一緒に倒れた女性は男を睨みつける。
「あの二匹が重い」
「……む」
女性は言及しようとしていたが、それを止める。
331 :
お題:猫。タイトル:縁側で。3/4 ◆RURI/.bcvc :2009/09/20(日) 01:25:12.23 ID:q7z+JWDM0
「どうして死んだんでしたっけ」
「……もともと、病気だったようじゃ」
「シロの方はここを駆け廻っていましたよね」
「内臓の病気は、外見には出難いからの。たとえそれが心の臓腑であろうとも、のぅ」
「クロはクロで、駆け廻るシロに引きづられるように駆けていましたね」
「良い猫じゃった。居てほしい時に居てくれ、少し疲れると勝手に離れてくれおった」
男は、そろそろ慰めようと思った。
「わきわき」
わざわざ女性の視界の中に入れて、男は手をわきわきと動かす。
「……。なんじゃ、この手は」
「弱っているので、僕が慰めて差し上げようかと。エロんな意味で」
「止めい」
女性がべし、と男の頭を叩いた。
「妾は知っておるぞ。お前はいつもいつも妾が落ち込んだ時は馬鹿をやる」
男は手を止めた。
「そうでしょうか?」
「そうじゃ。馬鹿者」
女性は手をまわして、男に抱きつく。
「たまには弱みぐらいみせい。寂しいじゃろうが」
「と言われましても」
「……というか、じゃ」
「はい?」
「あの白い馬鹿犬に、『二人はもっともっと仲良くした方がいいと思うよ?』と言われたような気がしてならん」
「奇遇ですね。僕もです」
「夢枕に立ったわけでもないというに。何でこんな事を考えるのかはわからんがのぅ」
「僕は黒い馬鹿猫に『私達と同じぐらい仲良くしてほしいね』って言われたような気がします」
二人の記憶の中では、寄り添い歩く、黒い子猫と白い子犬が居た。
「あ。仲良くなったね」
縁側近くに立っている白い髪の少年が言った。
「……私は別に、二人に仲良くなってほしいなんて言った覚えがないんだけど」
その隣にいる、黒い髪の少女が、そっけなく言った。
「素直になろうよ、クロ」
「私は素直。シロ」
少女は頬を染めて、そっぽを向けていた。
縁側で横になっている二人を見ていた二人は、何所かへ歩き始める。
「四十九日も結構残っているし、色々見て回らないかい?」
「そうね。一緒に行く」
黒い子猫と白い子犬は寄り添いながらどこかへ消えた。
以上
……毎度の如く、中々にあまぁい味付けに仕上がってしまいました
投下乙。
気にしちゃうけど、メ欄は空白にしといてねとの決めごとがあります。
以後お気を付けあそばせ
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:31:25.99 ID:gv1dyMci0
案の定というか、圧倒的に猫派が多いな
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:31:40.00 ID:4S2RAuFhO
気付いても気にしない、というか
運営さんの手間になるらしいからメール欄は空白にしてね
幼女との約束だ!
337 :
お題:無精卵 0/3:2009/09/20(日) 01:31:54.32 ID:alVXgYMu0
投下します
338 :
お題:無精卵 0/3:2009/09/20(日) 01:33:05.65 ID:alVXgYMu0
食卓に並んでいる今日の朝食は卵だらけだった。
オムライスに卵焼き、ゆで卵に茶碗蒸し。
「昨日卵をたくさん貰ってね。せっかくだからいろんな卵料理に挑戦してみたの」
「それはいいんだが、実は卵はあんまり好きじゃないんだ。昔ちょっとあってね」
「えっ、なになに!?」
「いや、聞かないほうがいい。言い方を変えると、俺が言いたくない」
そうあんな話を彼女にできるわけが無い。
まさに悪夢といっても差し支えない、あの出来事を。
「なぁ俊哉、相談があるんだが」
4時間目の授業が終わると、すぐに裕也がやってきてそう言った。
「その話は今じゃなきゃ駄目だろうか。俺は一刻も早く飯が食いたい。最悪飯を食いながらでもいいんじゃない
か」
「わかった。じゃあ食べながら話す。どこで話そうか。できればあまり人に聞かれたい内容じゃないんだ」
ふむ、珍しいな。自他共に変態として認め、学校でもその名を知らないものは居ないほどの漢が今更人に聞か
れたくない話とは。
「よし、じゃあ屋上でも行くか。あそこは立ち入り禁止になっているから誰も来ないだろ」
「おっけ。じゃあ三分後な。遅れたらジュース一本だかんな」
そういって裕也は財布をもって教室を出て行った。あいつはたった3分で購買という名の戦場を乗り越えられる
と思っているのだろうか。
そんなことを思いながら、俺は弁当を持って屋上に向かう。
さてさてどんな相談を持ちかけられるやら。
「遅れてすまん」
「12分の遅刻だな。とても相談する側の行動とは思えん。11月の寒空の下でこんなに待たせるとは、おまえさて
は俺のことが嫌いだな?」
俺がからかい半分にそんなことを言うと、
「そんなわけないだろ。俺がおまえのことを嫌いになるなんて、例えお前が女だとしてもありえない」
と真面目な口調で反論された。多分あれだな。ここは突っ込んじゃいけないところだと思う。
「分かった分かった。お前が俺のことが大好きなことはよく分かったから」
あぁ。なるほど、一を読み飛ばしてwikiを読んでたから忘れたのか
なるほど、なるほどなるほど。……死にてぇ
忠告ありがとうございました
340 :
お題:無精卵 2/3:2009/09/20(日) 01:34:18.77 ID:alVXgYMu0
ともういっちょ冗談で返すと
「そうか分かってくれるか」
とニコニコ顔で返事される。
これは……。限りなくまずい展開じゃないのか? 悪いが俺はノンケだぞ。いや、悪くないか。むしろ悪いのは向
こう側だ。とにかく疑惑の念が捨てきれない。
「そんなことより、早く相談ってのをしてくれ。寒いんだよ」
こんな空気耐えられない、早く事を終わらせるのが最善だと俺の本能が告げている。
「そうだったな。実はさ、俺の弟が今鶏の卵を孵化させようとしてるんだ」
裕也の弟は確か今小学2年生くらいか。昔遊びに行ったときに、見た覚えがあるな。
「それ自体は別にいいことなんだが、それが市販の卵でな。無精卵だから絶対に孵化しないんだよ。でも弟は卵
が孵る日を今か今かと心待ちにしてるんだ。どうすればいいと思う?」
流暢に話しながら、裕也は俺の隣に座る。……近くないっすか? いくら男同士といえども、心音が聞こえる距離
というのはいささか問題があると思う。そしてなぜこいつの心音は早いんだろう。なんかもうすっごく嫌だ。早く終わ
らせよう。
「おまえがどっかから有精卵を手に入れてきて入れ替えればいいと思う」
少し早口になっているな。自覚できるレベルということがヤバイ。
「それができればいいんだが、俺はどこに行けば有精卵が手に入るかが分からない。だから相談しているんだ」
確かにそうだ。むしろ入れ替えが浮かばない脳みそだったらこいつは駄目だろうな。だがそれなら解決は簡単だ。
「近くに養鶏場があるだろ? そこに行って貰ってくればいい。さあ、じゃあ教室に帰るか」
俺は急ぎここから去ろうとする。
すると、学生服を後ろからひっぱられた。
「待ってくれよ。一人じゃ・・・怖いんだ。なあ、一緒についてきてくれないか?」
上目遣いに見られる。すごく気持ち悪い。自分でも顔が引き攣っているのが分かる。自覚できるレベルなのがヤバイ。
「分かった。わかったからもう教室戻っていいか? いい加減寒さが限界だ」
本当に色々な意味で寒い。
「ありがとう。明日は土曜日だよな。明日行こう。朝お前んちに迎えに行くよ」
裕也は立ち上がって俺の手を握ってくる。そろそろ限界が近い。
「分かった。じゃあ明日な」
俺はギリギリの精神をフル動員して、なんとか正気を保つ。
「ああ、明日な」
341 :
お題:無精卵 3/3:2009/09/20(日) 01:35:40.09 ID:alVXgYMu0
そう言って裕也は、俺よりも早く屋上から出て行った。スキップだったのが本当に怖い。あいつは結局購買で買ってき
たらしきパンに一切手をつけなかった。
……そういえば何故こんな話でわざわざ人目を気にする必要があったのだろう。最大の疑問である。
ふぅ、今日ほど明日が来るのが怖いと思ったことはない。俺は脚を引きずりながら屋上を後にした。
翌日俺たちは養鶏場に卵を貰いに行き、無事有精卵をゲットした。
その帰り道。悲劇が起きた。その悲劇は無論俺だけに対してのものなのだが。
「なあ俊哉」
裕也の呼びかけに振り向く。その瞬間、世界が反転する。強い衝撃を受けてその正面に青空が広がる。どうやら地面
になぎ倒されたようだ。誰に? この状況では一人しかいない。俺をなぎ倒した男が俺に上に馬乗りになる。
「こうなる日をずっと夢見ていた」
顔が上気している。これはまずいかもしれない。よもや昨日察した不安が次の日に明確な形を伴って降りかかるとは思
いもよらなかった。
「初めてあった日から、ずっとだ。こんな日が来るのを理想としてた。ああ、今こそ俺の思いをぶつけられる。受け取れ。
これが俺の想いだぁぁぁぁぁぁ」
こうして俺の童貞は破られてしまった。
いま考えるとすさまじい出来事だな。
あいつ今なにしてっかな? 高校出てから一切音沙汰ねえけど。
「ねえ、なにがあったの?」
「いやこればっかりはほんとに聞かないほうがいいって」
そんな風に彼女をなだめつつ、目の前の卵料理に手をつける。
うん、卵は悪くない。
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 01:37:03.42 ID:alVXgYMu0
以上です
正直お題が置いてけぼりです
すいません
>>338 レス数ミスりました
すいません
>>342 うほっ
童貞が破られたってことは、相手は受けか。ふふふ、勃っちゃうなんて俊哉さんも案外スキモノなのねぇ
……割り込み、すいませんでした
344 :
お題:一日預かる 1/4:2009/09/20(日) 01:39:06.56 ID:UcdncnlPO
ノブに手をかけて、念のためもう一度周りを見回す。
大丈夫。
誰にも見られていない。
そっとドアを明けて、靴を脱ぐ。
いや、脱ぎかけて、やめる。
先の尖った革靴やハイカットのスニーカーが散乱しているのは、玄関のたたきではなく、部屋の中のいたるところだ。
洋式なんだな。
一瞬で把握して、靴のまま部屋に上がる。
広めのワンルームは、見るも無残に荒らされている。
ソファの上には、おそらく使い終わった後のバスタオルが数枚。
ベッドの上は、ジャケットやらシャツやらジーンズやら、洋服が無造作に重なっている。
床にはコンビニの袋と、お弁当がら。見事にすべて食べかけだ。
足の踏み場がないとはこの部屋のために作られた言葉だろう。
思い切りため息をつく。
ここで、どうやって眠るんだ。
345 :
お題:一日預かる 2/4:2009/09/20(日) 01:40:28.85 ID:UcdncnlPO
冷蔵庫を開ける。
薄暗い室内に、冷蔵庫からの光が、まさに望みの光のように降り注ぐ。
部屋の醜態が嘘のように、整然としている。
ビール、ビール、ビール。
小さい冷蔵庫だけれども、それでも、ぎっしりのビールの並ぶ様子は、圧巻だった。
缶を1つ取り出し、ソファの上に座れる場所をつくり、プルタブをあける。
ぷしゅう。
「う・・うぅ」
泡が小さくこぼれたのと同時に、布団と服の山から小さくうめき声があがった。
「いたのか!?」
「いたよ・・・約束だもん、預かるって」
「1日だけって言わなかったか?」
「チリも積もれば、山となる・・・1日1日の積み重ねが年月であり・・・」
「・・・どうしたら、ここまで崩壊させられるんだ」
「・・・」
まあ、いい。
無事であるはずだったが、やはり不安はあった。
自分が人を傷つけることを生業としている以上、自分はもとより、自分に関係する人間に危害が加わる可能性は、おそらく、普通より高い。
少し家を空けるために、不安もありつつ、家を預かってもらうことにしたのだった。
346 :
お題:一日預かる 3/4:2009/09/20(日) 01:41:33.68 ID:UcdncnlPO
「まあ、助かったよ」
ベッドに手をついて、ぎょっとする。
なにか、冷たいものが、手についた。
目を凝らして、自分の手のひらを見る。
見るよりも先に、ついさっきまで溺れていた臭いが鼻をつく。
急な生理?いや、普通の男は毎月血を流したりはしない。
「・・・おい?」
嫌な予感がして布団をよける。
「何があった・・・?」
まだじんわり広がる血溜まりと、その中で脂汗をかく青白い顔。
「・・・」
肩で苦しそうに呼吸をするだけで、答えはない。
「なんでもいい。何か、言ってくれ」
「・・・け・・・いたい」
「けいたい?携帯電話か?」
握られている携帯電話を見る。カメラモードがスリープになっている。
撮影したのか?
そもそも、ついさっきなんじゃないのか。
入れ違いに近いんじゃないのか。
駅から家までの間にすれ違った人間はいたか?
いや、いなかった。
そもそも、どうして私じゃなくてシミズが刺されるんだ?
携帯電話を手に、しばらく混乱のままに考える。
考えて、走り出す。
許されない。
自分が傷つけるのは、仕事なんだから仕方ない。
自分や、自分の大切な人間が傷つけられるのは、許せない。
私は、家を出て、走る。
おそらく、今日の仕事相手に関係があるはずだ。
私は、走り続けた。
347 :
お題:一日預かる 4/4:2009/09/20(日) 01:43:21.56 ID:UcdncnlPO
ベッドに残されたシミズがつぶやく。
「ちょwおまwww救急車wwwwたのむwww」
以上終わりです
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:19:21.18 ID:e+TOCfksO
ほ
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:37:27.40 ID:IvvhjAhA0
>>314 感想&評価ありがとです。
マスターの方は完全に芝居なのでそれはいいとして…やはり途中で方向性変えたのがマズかったか。
でも、面白かった読みやすかったは最高の言葉です。ありがとうございます!
お題、誰かお願いします
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:52:56.27 ID:Og/tqooL0
自動販売機
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:54:46.58 ID:Og/tqooL0
お題くださいな
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:57:49.15 ID:MVQKcDWO0
なんでVIPでするの?
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 02:58:18.89 ID:Og/tqooL0
>>351-352 この場合はどうしましょうか
とりあえず、先に頂いた自販機でいこうと思います
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 03:28:14.19 ID:M3gfXvvk0
全感が既に大変な量になってしまった
今からやっておけばいいじゃない
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 03:43:28.82 ID:M3gfXvvk0
いや、今からやった結果、大変な分量になっちまったんだわ
読み違えたよ
そんなそら恐ろしいことを言わないでくれ……
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 04:01:26.75 ID:M3gfXvvk0
うん……まあ頑張って推敲する他ないわな。明日にでも頑張る。
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 04:03:50.31 ID:KgkQlsRU0
品評会用の作品、ほぼ完成したヤツ。
一日置いて見返す。とてもつまらない。
僕はメモ帳を閉じ……あああああ畜生書けねえ!!!!
363 :
なんでvipでやるの?:2009/09/20(日) 04:05:23.93 ID:Og/tqooL0
通常作投下しまーす
お題は「なんでvipでやるの?」
364 :
なんでvipでやるの?1/2:2009/09/20(日) 04:06:50.86 ID:Og/tqooL0
現代人の退屈ほど恐ろしい病気はない。
とある老人が、自室のベッドの上に胡坐を掻いた。そして煙草を一本吸い始め、やがて吸い終わった。その後、老人は夕飯を
食べ、排便をし、眠りについた。やがて『眠り終わり』、目が覚め始める。目が覚め始め、目が覚め終わると、彼はそれを『起
きた状態』だと認識するのだ。そして朝の運動をし、朝食を取る。彼はもう定年しているので、ほとんどの時間を自由に過ごす
ことが出来た。しかし、自由というのも経験してみれば、なかなか困ったものだ。彼は不自由というのも経験したことがない訳
ではない。長い人生だったのでいくつもの、仕事のしがらみや、恋人の束縛など、彼は一通りの不自由を年相応に経験したつも
りでいたし、実際にそうだった。ゆっくりとコーヒーを啜り、ひどく晴れた秋の遠い空を見て、彼は今の生活に退屈を感じた。
退屈を考えることは出来たが、そこから離れることは、彼には考えられなかった。
老人はかつて青年、というより、少年に近い青年だった頃、何かと理由を求めた。仕事をするようになってから、老人はそん
な風には考えなくなっていたが、年を取ると子供に戻ると言うのか、彼は若かりし頃のようにそれぞれに理由を与える彼自身の
哲学を始めた。椅子に座り、煙草を吸い、頬を付いて、老けた老人はゆっくりと、生きる意味など、とても答えの出ないような
問いを考え始めた。『考え始めた』のでやがて老人は『考え終わる』のだろう。そして、また次の日も『考え始める』気がした。
煙草を吸い、「どうして私は煙草を吸うのだろう?」と考えた。彼は若かりし頃、興味本位で煙草を吸い始め、以来ずっと禁
煙することなく、煙草を毎日のように吸い続けている。あえて理由をひとつ挙げるとするのなら、彼が煙草に依存しているから
だ。どうして彼は煙草に依存するのか、煙草にはそういう成分があるから、どうして煙草にはそういう成分があるのか、依存さ
せてお金を稼ぐ人達が居るから、どうしてそういう人達がいるのか、どうして、どうして。彼は今までの人生で作られた固い結
び目を解くような気持ちで、どうして、を頭の中で連呼した。
365 :
なんでvipでやるの?2/2:2009/09/20(日) 04:08:15.64 ID:Og/tqooL0
しかし、やがて彼も眠くなり、そのままうとうとと眠り始めてしまった。『考え終わり』、『眠り始める』のだ。『眠り終わ
り』、彼の気が向けば、『考え始める』だろう。時には老人の考えは、悲観的になり、彼は彼自身の考えに憂鬱にさせられた。
そんな時は決まって、考えないように考えるのだ。『考えないように考えることを始める』のだ。仕事をしているとき、彼には
考えるというより、情熱があった。情熱はその人の内にある間は、それがなくては動けないほど重要なものだが、おかしな話、
いざ情熱がなくなってみると、その重要性をちっとも感じることは出来ないのだ。そう彼は考えた。
彼は何故こんなことを考えるのだろう。それも言うなればひとつの情熱なのかも知れない。彼は『考え始める』のと同時に考
える情熱を感じることがあった。しかし、腹が減り『考えるのを終わらせ』、『食事を食べ始める』と、その情熱は消えている
ことに、考え始めた時に気が付く。自分自身がここで行動する間は、それには大きいにしろ小さいにしろ情熱が伴う。彼は考え
たことで、自分が今動くこと、「どうして私は煙草を吸うのだろう?」という問いの理由を探すことは無意味だと思うようになっ
た。煙草を吸い始めると、煙草を吸う情熱に火が付き、やがて火は消えるのだ。理由を探す情熱もまた不意に火がついたりする
かも知れない。そう考えると、今の自分にも、形は違えど、若き日の情熱はあるのだと思った。
彼は再び椅子に座り、窓から外を見た。そして彼は、忙しそうに駅へ向かう若いサラリーマンを見た。そこに若き日の自分を
重ねた。若き日にあった情熱と、全く反対方向に向いているような今の情熱を、同じ情熱と言えるのだろうか。もしかしたら俺
の今持つ、この情熱は、正常な情熱ではなく、病気なのかも知れない。彼の煙草の吸う手は震え始めたが、彼は彼自身の決まり
に従い、考えるのを終わらせた。
366 :
なんでvipでやるの?:2009/09/20(日) 04:10:15.53 ID:Og/tqooL0
終わりです
マスターベーションってやつです><
暇でしたら感想お願いします
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 04:58:23.71 ID:e+TOCfksO
ほっす
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 05:22:11.25 ID:iOlw6kxb0
>>347 wwwwを使った小説再び
ただし、今回も使い方は最悪です☆
とりあえず、緊迫した場面でそれ使うのはやめましょう
もし使うとしたら異常な雰囲気を出す時だけにするみたいに、よっぽど工夫しないとムリ
(例えば、ゲーム感覚で人を殺す人間の狂気を書くときとか)
そうじゃないと、緊迫した場面が台無しになるよ
というわけで見事にオチでがっかりしたよ
とりあえず最後で他の感想が全部ぶっとんだぜ。悪い意味で
>>366 とにかく見づらくて読みづらい
そしてお題が内容とまったく関係ないな
とりあえず書き終わった後しばらくして自分で一回読んでくれ
内容は哲学的に見えるけど雰囲気だけ小説みたいに見える
あと、最後に人称が俺と一人称になってるのは主人公のモノローグのつもりなのかな?
急に人称変わったし違和感あった。出来ればもうちょっとなんとかしてほしかったかな
しかし、投下作多くて感想追いつかないな。すまん
品評会投下します。
1レス。
お題は、もちろん犬に決まっている。
猫はかわいいけれど、犬と比べて猫を選ぶ奴なんているわけない。
370 :
カレントデジタル (お題:犬) 1/1 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/20(日) 05:41:30.50 ID:PTyt3RnO0
犬を飼っている。柴の♂で、尾を振り回すのが趣味の奴。うちに来たときは確か春で、小学校で友達ができなくても、
モコがいるから「良いや」なんて思っていた。それが十年前。そのとき、モコは頭に桜を載せていて、まだ見ぬ学校という
ものに怯えていた私を、寝ぼけまなこで見送ってくれた。そして夕方、笑顔で帰ってきた私の話を、こいつは怠そうに聞いていた。
私には、モコがいる。だから、私は人を殺さない。犯罪者にもならない。
こいつと離れたくないから、今までと同じように、散歩に行ったり、遊んだりしたいから。
世の中の人も、そう、自制して生きているのだ、と思う。夢、友情、道徳、子供、法律、恋人、常識、財産、
理性、ぬいぐるみ等、自分だけの何かをブレーキとして、枠組みから外れないように生きているのだろう。
もし、こいつが死んだら、そんなことは考えたくもない。だけど、その日は遠くない。そのとき、私は、
何か代わりを見つけるのか?
「あなたのブレーキは何?」
呟いて、モコの頭を撫でる。頭の毛は薄く、昔のような艶がない。感触もざらついて乾いている。だけど、
眼はまだ輝いていた。犬小屋を壊そうか、とばかりに趣味にいそしむ。それから舌をたらし、私の手を嬉しそうに舐め、
一度だけ、吠えた。
こいつには、ブレーキなんてない。
「ありがとう、これからもよろしく」 <了>
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 05:42:39.79 ID:PTyt3RnO0
以上です。
犬が好きです。
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 07:10:20.00 ID:02ftWvct0
ほ
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 07:23:16.38 ID:j5fD38IGO
>>347 サクサク読めた。冷静に書いてるような主人公が実はとてもパニックになってるのか。面白い。
ちょ、おま が冷静なツッコミだったっていう。
ただwとか使ってもし、ウケを狙ったつもりなら、正直スベったと言わざるえない。
ドンマイケルwwwwwwwwwwwwwww
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:03:30.15 ID:LhN37BXX0
ほしゅ
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:32:02.83 ID:deJVr0zJ0
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:53:17.01 ID:PTyt3RnO0
ここまでの全感終わったー
まだ来るのか……
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 08:55:59.05 ID:Ez+sj43X0
なんか夏休みの宿題を七月に終わらせてそうな組が
すごく大変そうなことになってるwww
自分も全館書き始めるかなぁ
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 09:43:21.72 ID:KgkQlsRU0
ほ
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 09:44:41.51 ID:uD0XV2D70
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 10:01:29.38 ID:j5fD38IGO
その理屈はおかしい
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 10:05:33.04 ID:4S2RAuFhO
他の小説読みたくなくなったりしたら困るから
リンクを押さないことにした
単発のリンクは踏まない事にしてるんだ
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 10:55:32.70 ID:KgkQlsRU0
ほ
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 11:07:49.53 ID:iQvVBYK/0
>>304 なんか伏線のないところから次々話が展開していった印象
取り残された
>>342 アラビア数字と漢数字のサラダボウル
それに三点リーダが使えていたり使えていなかったり
友人がゲイなのと有精卵を貰いに行く話はどこでどう繋がってるんだ?
>>347 これも三点リーダが使えていない
シミズが主人公とどういう関係なのか説明されてないのはマイナス
最後のオチは……まあ、いいんじゃね? 嫌いじゃない。
使用は自由だから強くは言えないが、wみたいなのは嫌われがちだからお勧めはしない
>>366 あれ、vipはどこに消えた?
確かにこれはオナニー
けどなかなか楽しめた
誰もが人生中に一度は考える命題を文にするとここまでくどくなるのか
文がきつきつなのでもう少しテンポを意識したらいかがかと
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 11:36:57.70 ID:5RBC9Om80
ほー
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 11:59:38.81 ID:LhN37BXX0
ほしゅ
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 12:25:12.48 ID:iQvVBYK/0
ほ
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 13:09:22.08 ID:xGFVH1AGO
お題ください
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 13:12:30.58 ID:j5fD38IGO
理性主義
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 13:18:43.52 ID:xGFVH1AGO
ありがと
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 13:55:03.98 ID:5RBC9Om80
ほ!
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 14:28:58.44 ID:5RBC9Om80
い!
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:04:19.60 ID:NKpQmicX0
あげ
394 :
品評会用作品 お題:犬 0/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:08:16.38 ID:3vz6CLUn0
品評会用作品投下しまさー。
純度100%の犬作品。
395 :
品評会用作品 お題:犬 1/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:08:59.77 ID:3vz6CLUn0
俺は犬を飼っている。
オスの柴犬で名前をナツという。夏に我が家に来たからナツ。安直極まりないが俺は良い名だと思っている。
犬を飼うと言うのは、社会人二年目に過ぎない一人身の俺には過ぎた贅沢だが、昨日今日飼い始めた犬ではな
い。ナツはまだ俺の小さかった頃、八歳の頃に近所で生まれた子犬を分けて貰ったもので、以来十六年間ずっと
一緒にいる。
いや、正確に言えば三ヶ月ほど俺たちは離れ離れになっていたからずっとではないが、それ以外で離れた事は
無いので"ずっと"と言って構わないだろう。
その三ヶ月の間だって、俺が居なくなって元気をなくしたらしいナツの為に週末ごとに家に帰っていたし、研
修を終えた七月の頭には、俺は会社の寮に入らず安アパートを借りてナツと共に入居していた。
そのお陰で、苦労はそれなりにあったと思う。
同期と比べて明らかに俺の預金額は少なかったし、仕事で疲れた体に鞭打ってナツを散歩に出すのを、苦痛に
感じたことも一度や二度ではなかった。
それでも俺がナツと一緒に暮らし続けたのは、なんのことはない、俺の事を慕ってくれるナツの事を俺も好き
だったからだ。
そのナツも、去年冬にコロナウィルスに感染して以来めっきり老けこんでしまったが、それでも俺が帰宅すれ
ば歓迎してくれるし、散歩と言えば尻尾を振って玄関に向かう。今晩とてそれは例外ではなく、
「ナツ、散歩に行くか?」
夕飯を終え、人の傍らで丸まっていたナツにそう言うと、のそりと起き上がってナツは玄関に向かった。
俺が炬燵に入ったままその様子を観察していると、ナツは玄関の前に座って、年老いてすっかり白くなった顔
をこちらへと向けた。
「はいはい、分かったよ、行くよ、からかった訳じゃないぜ」
炬燵の魔力に取り憑かれていた事は否定しないが、嘘や冗談で"散歩"は口に出来ない。
大昔に一度だけやった事が有るが、散歩に連れて行くまでずっと玄関で無言のアピールを続けるのだ。あの無
言のプレッシャーは、この狭い六畳一間のワンルームで無視するには荷が勝ち過ぎている。
「つーか、お前はオスじゃなくて漢だな。言葉は無くとも背中で語るんだから」
靴を履きながら、そんな事をナツに向かって喋る。言葉をかけられたナツは、返事をする代わりに俺の鼻へ自
分の鼻をくっつけてきた。戯言は良いから早くしろ、ということらしい。
「はいはい、それじゃあ行こうか……うお、さむっ」
扉を開けた瞬間、身を凍らせるほどの冷気が俺を襲い、思わず俺は身を竦ませる。
396 :
品評会用作品 お題:犬 2/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:09:45.57 ID:3vz6CLUn0
その横を通り抜け、ナツは振り返って俺の事を見た。
「いや、お前と一緒にすんな。こちとらNOT寒冷地仕様なんだよ。寒いの苦手なんだよ」
そうぶつくさと文句を言いながら、廊下を歩いて階段を下りる。
ナツはあんなに人を急かしたくせに、表に出ると行儀よく俺の隣に寄り添って歩いていた。
「……お前も大人しくなったな、やっぱり」
苦労して散歩のマナーを叩きこんだのに、些細な出来事でマナーを忘れて人を引っ張り回したものだが、ここ
最近は他の犬と会っても挨拶程度で終わってしまう。散歩するには楽だが、老化の証だと思うと切ないものだ。
「お前さんはどうよ、自分が老けて衰えて行くっつーのは。やっぱり、嫌か?」
俺の問いに、ナツは耳を向けただけで聞き流し、前を向いたまま路地を歩き続けた。
「そうか、興味ないか。達観してるなあ、お前は」
達観と間逆に位置する俺の言葉は、深夜の住宅街の闇に飲み込まれる。そのままゆっくりと歩いて路地を抜け
ると、片側二車線の道路に出た。
その道路に沿って歩いて行ると、時折道路を通る自動車やトラックの巻き起こす風に煽られる。その都度、温
まりかけていた体を冷やされて、俺は亀のように首をすくめた。
「寒い……帰ろうかな」
そう呟いて俺は立ち止まり、ナツも同時に立ち止まった。だが、俺が踵を返してもナツは立ち止まったまま
だった。軽く紐を引っ張ってみるが、無視される。こういうときのナツは強情だ。
俺はナツの背中としばらく睨めっこしていたが、やがて根負けして言った。
「分かった、じゃあ行こうか」
その言葉を聞いて、またナツはゆっくりと歩き出した。俺がその隣に並ぶと、ナツは少しペースを上げ、俺は
少しペースを落とす。もう、何も確認するまでもない、長い事変わらない散歩のペースだ。
これから俺たちが向かうのは、この道路を歩いた途中にある坂を上った先に有る小さな公園。そこは高台から
見える街並みだけが有る公園で、退屈極まりない場所なのだが、そこが何故かナツのお気に入りの場所だった。
「やっぱり帰っとけばよかったかもな」
その坂はかなり傾斜がきつく、運動不足気味の体にはかなりきつい。そして、いざ登りきってみたところで
「相変わらず、何もねえな」
そんな感想しか出てこない。
高台と言っても、せいぜい三十メートル弱。少し大きなマンションがあれば視界は遮られてしまうし、そもそ
も住宅街しか向こうに無いのに、遮られて困る物もなんて無い。本当に何も無い丘の公園だ。
「なあ、帰ろうぜ」
397 :
品評会用作品 お題:犬 3/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:11:20.61 ID:3vz6CLUn0
無駄と知りながら、ナツに言ってみるが、ナツは視線どころか耳さえ傾けず、俺の言葉を無視して見せた。
そのくせいつも、俺が飽きてベンチに座ろうとすると、非難がましい目を向けてくるのだから理解できない。
だから俺はナツの気が済むまで、公園の端にある柵にもたれ掛かって煙草をふかす事になる。
そうして俺が煙草を一本吸い終える頃、ナツはふいと鼻先を公園の出口へと向けた。
「よし、帰るか」
俺とナツは公園を立ち去り、あとには何も無い風景だけが残った。
夏、ヒートアイランド現象の余波を受けて、夜中だと言うのに泣き喚く蝉の声を掻き分けて俺は家路を急いで
いた。残業ですっかり遅くなってしまったが、俺には急がなければならない理由があった。
相変わらずの安アパートにたどり着き、安普請の階段を踏みぬかんばかりに駆け上がる。
「今帰ったぞ!」
そして乱暴に扉を開けると、冷気が部屋から流れ出してきた。冷房の消し忘れ、と言う訳ではない。ナツの為
にあえて冷房を入れっぱなしにしていたのだ。そのナツは、部屋の隅に横たわったまま尻尾を振って見せた。
ナツは夏バテだった。それも重度の。
医者によれば、老衰と相まってもう長くないそうで、ナツはかつての面影もないほどにやせ衰え、今では起き
て歩くこともままならない。
「飯は……やっぱり食べてない、か」
朝、家を出る前に作って置いて行った老犬食は、一口たりとも口を付けられた形跡がなかった。
その事実に落胆しながらも、俺はすぐに気持ちを切り替えて新しい餌に取り替えてやる。そんな事に意味が有
るとは思えないが、何もしないと言う選択は俺にとって難しすぎた。
だが案の定、ナツは餌に見向きもせず、俺が夕飯を食べている最中も横たわったまま微動だにしなかった。
「なあ、お前飯食わないと体に触るぞ? 自覚は無いかもしれないけど、お前、爺さんなんだからさ」
ナツにそう話しかけながら頭を撫でるが、ナツはおざなりに尻尾を振っただけで、やはり餌には見向きもしな
かった。やむを得ず、俺は一旦諦めてバスルームに入ってシャワーを浴びた。
汗を洗い流してさっぱりした分、重い気分が余計に際立ってしまったが、それに気づかない振りをして俺はバ
スルームを出た。すると、視線は自然と横になっているナツへ向かう。
いや、横になっているナツが居る筈の場所へ向かった。だが、そこにナツの姿は無かった。
「おいナツ、何やってるんだよ」
398 :
品評会用作品 お題:犬 4/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:12:15.27 ID:3vz6CLUn0
そして玄関の前に座っているナツに向かって、苛立ちを隠そうともせずに言った。起きる気力が有るなら、食
事をとって体力を付けなければいけないと言うのに、こいつは一体何をしているのか。
「おい、ナツ、飯を食え」
もう一度声をかける。するとナツは、振り返って俺の目を見、もう一度玄関へと視線を戻した。
まさか、と思いながら俺はナツに問う。
「お前、散歩に行きたいのか?」
散歩、と言う単語に反応して、ナツは尻尾をパタと一回だけ振った。心なしか背筋も伸びたように見える。
しかし、俺はと言えば呆れてため息も出てこなかった。
「アホか。そんな体で散歩なんて出来るわけないだろうが。散歩行きたいなら、まず飯を食え」
するとナツは、もう一度振り返り、俺と目が有った。
当たり前だが、人間と犬とでは言語どころか意識の時点で、まったく異なる生物だ。だから、互いに相手の意
思を分かったような気にはなれても、理解することは出来ない。
だと言うのに、俺はその一瞬のアイコンタクトだけで、全てを理解してしまった。
「……そうか、じゃあ行くか」
ナツはまた尻尾をパタと振った。俺はその首に縄を付けてやり、扉を開けた。
「生温い空気だな」
まだ蝉が鳴いている。短い廊下を歩いて、ナツはゆっくりと頼りなく階段を下りていった。
そして道路に出て、まだ温かいアスファルトの上をゆっくりと、ナツのペースに合わせて進んでいくと、やが
て路地を抜け、相変わらず交通量の多い片側二車線の道路に出た。時速80kmで車が脇を通り抜けていくたびに風
が巻き起こり、その都度俺はナツが飛ばされやしないかと肝を冷やす。
だから俺は、つい要らぬ手を出してしまった。
「ナツ、だっこしてやろうか」
ナツは歩くのも辛そうにしているのだ、それくらいしてやらないと心苦しくてしょうがなかった。
だが、差し出された手をナツは受け入れるどころか、噛みついて拒絶した。もちろん本気の噛み方じゃない。
歯を当てているだけの甘噛みだが、それは本気で噛みつくのと同等以上の拒絶の意思を表していた。
俺はバツが悪くなって、手を引っ込めてそっぽを向く。
「そうか、じゃあ頑張れよ。お前が倒れても手を貸さないからな」
負け惜しみじみた捨て台詞を吐いて、俺は前を見る。丘の上の公園へと続く坂道がそこにはあった。
ナツはゆっくりと坂を登り始め、寄り添うように俺も続く。ナツの体は頼りなく右へ左へ振れ、風に煽られて
いたさっきよりもよほど危なっかしい。だが、もう手は貸さない。
399 :
品評会用作品 お題:犬 5/5 ◆xJowo/pURw :2009/09/20(日) 15:12:59.29 ID:3vz6CLUn0
文字通り、ナツが選んだ道だ。ナツが力尽きて倒れこんだら、どうやってまた歩かせてやろうか、そんな考え
が頭をよぎる。
だが、ナツはそんな俺の心配をよそに、危なっかしいながら一度も足を止めず、坂を登りきったのだった。
「やっぱ、何もない場所だな」
そんな事を呟きながら俺たちはいつもの場所へと行き、俺は柵に寄りかかり、ナツは行儀よく腰を下ろした。
「今更だけど、変な趣味だな。何も無い夜景なんて、人間の年寄りでも有難がらないぞ。若者だとなおさらだ。
お前、ホント変な犬だよ」
ナツの事は見ずに、煙草に火を付けながらそう口にする。気配で、ナツがチラリとこちらの事を伺ったのが分
かった。
実際、趣味だけではなく色々と妙な犬だった。行動の端々が妙に人間臭く、人の言葉を注意深く聞いて、時に
は言葉が通じてるのではないかと錯覚させるような行動をとり、なにより、当初さほど愛情を注いでいたわけで
はない俺に一番懐いていた。
全くもって理解しがたい、奇妙な犬だった。
「なあ、なんでお前は俺についてきたんだ?」
その問いにもナツは答えない。当たり前だ。
だと言うのに、これまで俺は当たり前の用にナツに話しかけていた。ナツはナツで、言葉を操る以上に雄弁
に、目で、態度で、俺に向かって語りかけてきた。
だから俺は、最期までそれを徹底しようと思う。ずっとそうしてきた関係なのだから、最期までそう在るの
は当然だ。
「ナツ」
やはりナツには目を向けず、声をかける。だが、視界の隅でナツが顔をこちらに向けたのが分かった。
だけど俺はナツの事を見る事が出来ない意気地無しだった。俺はナツを見ないまま、言った。
「お疲れさん。今まで、ありがとうな」
俺の言葉にナツが頷いたような気がした。そして、ナツはゆっくりと横になった。
俺は目一杯煙草をふかして、煙を吐き出す。
「あー、煙が目にしみるな……」
俺はそう言い訳しながら、何度も煙草をふかして、煙を吐き出した。何度も。何度も。
そして、俺はすっかり吸いきった煙草を灰皿に捨て、もう動かないナツの体を抱えて公園を出た。
まだ泣き喚いている蝉の声を掻き分け、坂をゆっくりと、真っ直ぐに下りて行った。
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:14:06.83 ID:3vz6CLUn0
以上で終了です。
さ、全感はじめるかなっとー
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:25:27.82 ID:NKpQmicX0
投下おつ
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:45:18.79 ID:IZ0G6I+g0
前のお題書き上げたが
投下する時間がない
そんなわけで
お
題
ください
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:48:04.40 ID:RdZKhp0H0
タイル
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:50:18.74 ID:IZ0G6I+g0
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:13:59.52 ID:4S2RAuFhO
ちなみに参考までに
今までの品評会でタイトルに犬が入っていた作品数 13
猫が入ってた作品数 34
やはり犬派は頑張るべきですよ
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:40:54.50 ID:e+TOCfksO
ほっせ
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:50:41.37 ID:4S2RAuFhO
妹 33
姉 25
ツンデレ 5
兎 4
幼女 2
幼なじみ 2
あくまでタイトルのみね。
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:22:44.63 ID:e+TOCfksO
ほっす
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:52:21.49 ID:4S2RAuFhO
今日はねこさんいないからみんな早めの投下頑張ってね
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:11:51.41 ID:wmEbvoTB0
「保守って何だろう……」
ふと漏らした彼女の言葉に、僕は保守を重ねた。
ぼやけて薄れていく明日に、保守だけが輝いて、額に伝う汗を照らしていた。
「僕達はそれでもただ、保守するだけなのかもしれないね」
僕がそう言うと、彼女は保守を投げて僕の鎖骨にそっと触れた。
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:50:48.80 ID:02ftWvct0
ほ
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:13:52.18 ID:1vYAHvmw0
ho
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:33:55.39 ID:RlFeJdfn0
「このままでは後5分も持たんぞ!」
「どうするんだ部長!」
流れ落ちる汗をぬぐいもせずに俺は怒鳴り散らした。
「……止むを得ん! 保守だッッッ!」
部員に衝撃が走る。
「保守だと……正気かよ部長!」
激昂し胸倉をつかむ副部長の手を払いのける。
「うるせえ責任は俺がもってやらぁ! 保守だぁぁぁぁぁああああ!」
「チィッ 仕方ねえ!!」
部員全員をもって保守の態勢に入る……緊張の瞬間だ。
「うおおおおおおお!」
「ほっ!」
「しゅっ!」
「ほっ!」
「しゅっ……!」
3分後、つつがなく保守が終わった。
「保守……成功したな」
「ああ」
「俺たち、やればできるんだな・・・・・・!」
俺をのぞく全員が晴れ晴れとした表情だ。何かをやり遂げた男の顔をしていた。
そんな中、俺は息を切らしながら1人思った。
(保守って……何?)
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:44:37.81 ID:x2FEEwGEi
やぁ、お久し振り!
久々に書きたくなったよ。
品評会に出られないのは残念だけど、お題くれない?
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:45:48.71 ID:IZ0G6I+g0
大国
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:47:17.16 ID:x2FEEwGEi
女の子の大国、了解です
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:47:36.93 ID:1X3rCSdVO
拙者にもお題ぷりーずでござる
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:48:06.03 ID:gv1dyMci0
刀
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:48:46.93 ID:1X3rCSdVO
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:11:47.46 ID:1vYAHvmw0
ho
423 :
◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:12:40.74 ID:02ftWvct0
最後に『缶』とか『菅』でなく『了』とつけられる作品を久々に書いた。
そんなわけで宣言がかぶってなければ品評会作品投下。
424 :
猫のいる日常 (お題:猫) 1/5 ◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:13:53.98 ID:02ftWvct0
僕がその猫に出会ったのは、小学校五年生の夏のことだった。
小学校から帰ってくると、子猫がうちの網戸の中をじっと覗きこんでいた。なんだろうと思って近
づいてゆくと、子猫はびくりとこちらを向いて、すぐ逃げるようにして去ってしまった。
母に尋ねたところ、最近よく来る猫なのだという。洗濯物を取り込んでいるとついてきたので、な
つっこい猫だと思いちょっとシーチキンをやったところ、それ以来居着いてしまったそうだ。
ちょっとそれはどうなんだ、と僕は思った。ちょうどその少し前、僕は同じクラスの仲間と空き地
で犬に餌をやっていたのがばれ、先生や両親にこっぴどく叱られていたのだ。もちろん母はちゃんと
猫を飼って世話するだけの経済力があるので、僕が怒られたのとはまるで話が違うのだけど、子供を
叱った手前、そういったことは自分もきちんとしておくのが大人というものじゃないか。
しかし僕がそう考えていられたのも、ごく短い間のことだった。先のような事情もあって、僕は動
物との触れ合いに飢えていた。
次の朝、軒先の器にハムをちょっとだけ入れておいた。そして学校から帰ってきて見ると、器の中
身は見事になくなっているのだった。味をしめた僕は、次は直に会って食わせてやろうと思い、虎視
眈々と機会をうかがった。
チャンスは意外と早くやってきた。学校が休みで僕が一日中家にいる日、我が家のごく慎ましやか
な庭でがさがさと音がしていた。きたな、と僕は直感して、当時よく食べていた魚肉ソーセージをもっ
て外に出た。二度目のご対面だ。
玄関の戸を開けると、子猫はちょうど目の前にいた。僕の顔を覚えていたのか、今度は平然と座っ
たまま出迎えてくれる。ソーセージの先をちょっとちぎって投げると、子猫は不審げに臭いをかいで、
気難しげな表情のままはぐはぐと食べ始めた。
よくよく見てみれば、ずいぶんときれいな猫だった。銀色と黒の縞模様。シルバー・タビーという
らしい。野良だというのに、見た感じでは毛並みもいい。当時、僕はまだ猫というものに触れたこと
がなかったので、どういう手触りがするのか気になった。しかし僕が近づくと、子猫はこちらをきっ
と睨みつけて、そのまま後ずさりしていった。ちょっとショックだったけれど、その日はそれで諦め
るしかなかった。
それからも子猫はしばしば僕の家を訪れた。最初の頃は母や姉が今日も見たといって盛り上がるば
かりで、僕の前にはあまり出て来てくれなかったのだけれど、そのうちに向こうも僕になれてきたの
か、学校の帰りにはほとんど毎日見かけるようになった。
そして夏休みのある日、事件は起こった。ちょっと洗濯で玄関の戸を開けているうちに、子猫が家
の中にまで上がり込んできたのだった。
425 :
猫のいる日常 (お題:猫) 2/5 ◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:14:49.05 ID:02ftWvct0
それまでにも、靴脱ぎ場のあたりまで猫が入ってくることはあった。気紛れに現われては食うもの
を食ってさっさと出て行くので、とくに誰も問題視していなかったのだ。ただ、さすがに家の中にま
で上がってくるとなると話は別だった。
その日の夕食の後は、家族四人で話し合う時間になった。きちんと責任をもって飼うか、そうでな
ければもう関わるのを止めるか。それが決まるまで、一切あの猫に餌をやってはいけないし、もちろ
ん玄関に入れてもいけない。父がそう言って、僕と姉、そして母が同意した。
台風が近づいてきています。その晩のテレビは、そう伝えていた。
次の日は朝から大雨になった。窓を閉めていても、外を吹き抜ける風の音がびゅんびゅんと響いて
いた。古い家のことで、天井の色々なところから雨漏りがあった。僕がトイレにいったとき、雨や風
の激しい音に混じって、子猫の鳴く声がかすかに聞こえた気がした。
その日は家族の誰も外に出なかった。食事は買い溜めした分の食材で十分足りていた。その夜は何
か起こるような予感がして、僕はいつも以上に寝付けずにいた。
急に家の中が慌ただしくなったのは、ちょうど零時をまわった頃だった。家族はみんな玄関にいる
ようだったので、僕も起きて玄関に行った。一番手前、つまり家の内側の方に父がいて、その向こう
の靴置き場に母と姉が立っていた。
父の視線を追うと、籐で編まれたかごがあった。もうちょっと近づいて見ると、中にあるのは真っ
白なタオル。そしてさらに、その白い布の向こうから、銀と黒の縞模様が覗いていた。
まず発見したのは母だったそうだ。夕食のとき、僕が「外で猫が鳴いてるよ」と言ったのがずっと
気にかかっていたらしい。さっき懐中電灯をもって外に出てみたところ、ぐったりと弱っている子猫
を見つけたのだという。
姉は今にも泣きそうな顔をしていた。きっと本来なら、猫はこういうときに行くべき場所を知って
いて、そこで台風をやり過ごすのだろう。この子猫がそうできなかったのは、明らかに僕たちの責任
だった。中途半端に家の中へ招き入れるようなことをしなければ――恐らく、姉も僕と同じ気持ちだっ
たと思う。
不意に、父が口を開いた。
「仕方ない。お前たちのしでかしたことだ。お前たちで責任を取りなさい」
それだけ言って父は部屋に戻った。重い静寂が僕たちの上にのしかかった。あまりにも正論で、冷
たい言葉で、僕たちは一言もしゃべることができなかったのだ。父が車の鍵と、財布の入ったバッグ
をもって部屋から出てくるまでは。
「もう台風も一応通り過ぎたからな」
426 :
猫のいる日常 (お題:猫) 3/5 ◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:15:37.89 ID:02ftWvct0
そう言うと、父は子猫の入った籠と傘を取って玄関の戸を引いた。
「あなた、こんな時間までやっている動物病院なんて……」
「友人に獣医がいる。まあ、拝み倒せばなんとかなるだろう」
母の問いに答えた後、明日は本格的に準備しなければいけないんだから早く寝ておきなさい、と付
け加えて、父は駐車場へと駆けていった。僕が父の言った『準備』という言葉の意味に思い当たった
のは、ようやく布団に入ってからだった。
次の日はよく晴れていた。昨晩父が言ったように、その日は新しい家族を迎える準備でみんな大忙
しだった。父はすっかり元気になった子猫を連れて、ふたたび獣医へ向かった。予防接種やら蚤取り
やら、色々とやることがあるらしい。母は子猫の餌や毛玉を吐かせるための草を買いに行き、姉は猫
に関する本を借りて来て熱心に読んでいた。
僕はといえば、人間の食べるものを猫に与えるのはよくないのだと知らされて、悶々と行いを反省
していた。姉にお前も何かしろと言われて、午後には猫用のおもちゃを買いに行ったりしたけれど。
そういったわけで、我が家は初めてペットというものを飼うことになったのだった。
姉がとりあえず名前を決めようと言い出して、ああだこうだと紛糾した末、結局父が病院で検査を
受けるときに使った名前に落ち着いた。すなわち、彼女は『ミイコ』と名付けられた。
元野良なので、ミイコの誕生日はあいまいにしか分からなかった。医者がだいたい一月の始めから
十五日の間だというので、書類上ミイコは一月一日生まれというめでたいことになった。
ミイコは不思議な猫で、元野良のくせに、なにか気品めいたものを漂わせていた。こちらから捕ま
えようとしてもするりと逃げられてしまうのに、諦めてソファに座っていると、突然膝に飛び乗って
くる。さらに、僕が少しでも動けば抗議の視線を投げてよこすのだ。
より不思議なことには、ミイコはシャワーというものをほとんど嫌がらないのだった。その大変さ
ゆえに、多くの飼い主はそれ専門の人にシャワーを任せるのだが、うちのミイコにはその必要がなかっ
た。シャワーはたいてい姉と母の役目で、二人がお湯をかけても、ミイコはつまらなそうな顔でじっ
と座っていた。そしてしばらくすると、毛が身体に貼りついて「変な生き物」と化したミイコが、バ
スタオルに包まれて風呂場から出てくるのだった。
そんなミイコだが、一年半ほどの野良生活のせいか、昔ハムやソーセージを与えていたのが悪かっ
たのか、どうも内臓が丈夫でないようだった。僕が高校に上がる頃には、食事を消化しきれず吐くこ
とが多くなっていた。そのための薬を飲ませるのは、もっぱら僕の役目だった。
それでも、当時の僕は、吐いたところを掃除してやればそれで済むことだと思っていた。ただちょっ
と手間が増えるだけで、何か大変なことになるという心配は、まったくしていなかったのだ。
427 :
猫のいる日常 (お題:猫) 4/5 ◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:16:26.51 ID:02ftWvct0
それから一年ほどして、ついに決定的な出来事は起こった。
高校二年の六月、僕が修学旅行から帰ってきた日。いつも病院へ連れてゆくときに使っていたケイ
ジの中に、ミイコはいた。いつもの検診だろうかとも考えたけれど、それにしては時間が遅い。
ミイコが入院する。どのくらいの間かは分からない。父は僕にそれだけ伝えて、ミイコを病院へと
送っていった。僕はとても嫌な想像をしたけれど、まだ大丈夫、どうにかなると思っていた。そう、
自分に言い聞かせていた。
ほどなくしてミイコは退院した。久しぶりに会うミイコは、以前よりずっと痩せているように見え
た。歩き方がぎこちなく感じられた。食事をする姿もなんだか頼りなくて、一度口の中にいれた餌を
よくこぼすようになっていた。ミイコが住むようになってからはすっかり鳴りを潜めていたねずみた
ちが、またばたばたと天井裏を走り回るようになった。
あと二ヶ月。そう聞かされても、僕は何とも思えなかった。頭の中がひどくぼんやりしていた。そ
の言葉の意味を咀嚼しながら、一方では考えることを拒んでいた。隣では姉が大泣きして母に宥めら
れている。僕は、まだ泣けそうになかった。
八月になった。夏期講習が始まる前日の夜、ミイコは僕の枕元にやってきた。何をするわけでもな
く、ただそこに座ってじっとしていた。僕も黙って、ただミイコの背中をなでてやった。あまりによ
く馴染んだ手触りで、僕はその夜、あまり眠れなかった。
翌朝目覚めたとき、ミイコはすでにいなかった。姉のベッドの上で、目をじっと見開いたまま、手
足を伸ばして横たわっていた。
「亡くなったよ」
姉が言った。僕はそう、とだけ返して、洗面所へ向かった。これから少し姉を休ませて、それから
ミイコを火葬してもらいに行くのだと、その途中で母に聞いた。僕はよく顔を洗って学校へ向かった。
学校についてから、また顔を洗う羽目になった。
次の日はとても穏やかな日だった。母の作った朝食を四人で食べて、仕事へ行く父を見送って、姉
と中身のない話をして、僕は学校へ向かった。台風が過ぎた翌日のような、ごく普通の日常。ただ、
何かが決定的に欠落した日常だった。僕はミイコがこの家にいた時間を指折り数えた。六年間。その
数字がもつ意味を、僕はその日一日かけて噛み締めた。
次の日は四人とも休みだった。姉は母と一緒に買い物へ。僕は父に連れられて、すこし遠くにある
大きな本屋に出掛けた。僕が四時間も本を選んでいたせいで、帰る頃にはもう日が沈んでいた。
遅くなったことを怒られるかと思ったけれど、姉は笑顔で出迎えてくれた。何ヶ月ぶりかに見る晴
れやかな笑顔が、どうやらまた何か起こっているらしいと僕に教えてくれた。
428 :
猫のいる日常 (お題:猫) 5/5 ◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:17:12.43 ID:02ftWvct0
居間のソファに何かが乗っている。多分両手の平を合わせたのより一回り大きいくらいの、銀と黒
の縞模様。アメリカン・ショートヘアの子猫だと、僕にもすぐ分かった。背後で行われている父と母
の会話から、僕の耳は「運命を感じた」だとか「血統書つき」だとか、「五万円」だとかいう言葉を
抽出した。
なんだかもう、言葉が出なかった。死者に対する正しい態度なんて、たかだか十七年しか生きてい
ない僕が語れるものじゃない。けれど、他の誰かをその代わりにするというのは、まずやってはいけ
ないことではないのか。
呆れているのか憤っているのか自分でもよく分からないまま、僕がそんなことを考えていると、
「大丈夫よ」
そう言って、姉が僕の方に寄ってきた。その手の中には、母が「運命を感じた」らしい「血統書つ
き」で「五万円」の子猫。
近くで見てみると、子猫はなんだか情けないような、ちょっと困ったような顔をしていた。銀と黒
のコントラストはミイコのものよりもやや強い。腹部の両側の模様はまるで小さな的のようで、中心
が黒く、その周囲の銀色の領域を囲んで円上にまた黒くなっている。
不思議な気分だった。遠目で見たときはまるでミイコのミニチュアのように見えたのに、こうして
みるとまるで面影が重ならない。
「ね? 別にミイコに似てたからってわけじゃないのよ。ただその子が、こう、飼ってほしいー、っ
ていう目で見てくるから、つい……分かるでしょ?」
姉の言い訳には苦笑するしかなかったけれど、僕は久しぶりに、心の底から安堵した。
ミイコがいなくなったことを悲しむのは、多分、これからが本番なのだと思う。ミイコの代わりは
どこにもいないし、誰もそれを求めなかった。みんな彼女のことを忘れたくなかった。ねずみの形を
したおもちゃで遊ぶ姿や、僕らの食べるエビをねだって散々鳴きまわる姿を、ずっと覚えていようと
思っていた。
六年分の思い出をそっと開いては、去った家族を懐かしみ、ときには涙するような日々が、これか
らやってくる。けれど今日は――とりあえず、この新しい家族を歓迎してやることにしよう。僕はそ
う決めて、そいつの頭をぐりぐりとなでてやった。
了
429 :
◆rmqyubQICI :2009/09/20(日) 20:18:26.99 ID:02ftWvct0
終わり。転載は自分でやっときます。
ところで機動編集氏の代わりに進行やりたい人いる?
いないなら俺が雑にやっちゃうけど。
犬と聞いて参加せずにはいられなくなったんで品評会作品投下しまっす
しとしとと小雨の降る秋の夜のことだ。仕事からの帰宅の途上、自動車に乗っているとふと疲労感を感じた。今日はほぼ定時での帰宅だっ
たが、それまで連日の残業で少々疲れていたのだろう。時折、信号の変わり目を見逃していたりして、私は少しばかり自分の注意力が散漫に
なっていると感じていた。それでも、先月結婚したばかりの愛しい妻の元へ早く帰りたいと家路を急いだ。秋の夕暮れは速く深い。会社を出
た頃にはまだ明るかった道も気付くと大分、暗くなって来ていた。自宅のある郊外は街中に比べると街灯もまばらな事もあって車の電灯に手
を伸ばす。瞬間、前方に強い明暗が生まれ視界が狭まった。歩道のない道を少し進むと、事故防止用の反射板らしきものたすきがけする老人
と思しき人影が見えた。私は少し速度を緩め道路の真中の方に寄る。その人影は何故か焦ったように車を避けたので、年寄りは大袈裟だなと
思い、そのまま横を通り過ぎようとした。しかし、何かの叫びと車輪が何かに乗り上げる感触が足下や椅子の下から伝わって来た。何事か、
と驚いた私は、僅かな時間思考が空白状態になりブレーキは踏まなかった。車は、そのままゆっくりと数メートル進む。慌てて車を降りる
と、そこにはうずくまり狼狽している老紳士とその下で痙攣をしている大きな犬がいた。私は大慌てでその人に話し掛けた。申し訳ありませ
ん。あなたの大切な犬を轢いてしまいました。これでお詫びになるとは毛頭考えておりませんが、せめてもの罪滅ぼしに最寄の救急動物病院
まで運ばせて下さい、と申し出た。その男は半ば茫然自失となりながら震える声で私に、お願いします、とだけ言った。私も罪悪感を振り払
うために、男と犬を助手席に乗せ、焦る気持ちを抑えて動物病院に行った。病院までの道中に男は家族がないこと、その犬が家族のようであ
ることを話してくれた。私は一層罪悪感で胸が締め付けられる思いがした。犬の苦しそうなぜぇぜぇという呼吸音と必死で名前を呼びかける
声だけが車中にある音の全てだった。雨の音も車のエンジン音も私の耳には届かない。急く心に強く押され病院にたどり着いた時、私には既
に1日が過ぎたように感じられた。
着いた時点で犬は既に手遅れだった。折れた肋骨は心臓だけでなくあちこちの臓器に突き刺さり、病院まで命がもったことだけでも奇跡的
だったそうである。私は同乗して来た彼に、今日のこの診察代は私が持ちます、と言って少しでも罪悪感を誤魔化そうとした。それ程、私は
この人に対して深い負い目を感じていた。だが、この老次の愛犬家は息子ほどの年齢の私に向かって穏やかな声で私にこう言った。あれは事
故だったのです。それに暗い中で犬の散歩をしていたのに犬に反射板を付けていなかった私にも過失はあるのですからどうぞお気を落とさず
にいてください。このことを警察に申し出るつもりもありませんし、恨みに思うこともしません。賠償等も求めたりはしません。ただ、悲し
み悼んでくださるお気持ちだけで結構ですよ。これを聞いた私は、恥ずかしく打算的な話しなのだホッっとした気分になった。実のところ、
私は交通違反の常習者でもう少しで免停になってしまうところでもあったので、この事故で免許を失うことも大袈裟なくらいに恐れていた。
そして少し気が抜けた私に対してその老愛犬家は続けて、普通の人や悪い人は轢いたと思ったときに逃げてしまったでしょう。きっと私は愛
犬とまだあの雨の中で呆然としていたに違いない。私もあまり体が強い方ではないので、小雨とは言え雨に打たれて座り込んでいたなら肺炎
になってもおかしくなかったでしょう。そう言う意味では貴方にはとても感謝しています。ありがとう、と彼は我が子のような愛犬を轢いた
私に礼さえ述べてくれる。私はこの老人の人の良さに、不意に鼻の奥に痺れるような痛みを覚えた。目頭に熱さを感じて俯く私に、男は犬の
葬式に招待を申し出た。家族同然の犬に最期の別れの晩餐をしたいのだが、彼には家族がいないので私を招待したいのだという。私は素直に
この提案を受けることにした。連絡先を尋ねると彼は名刺を差し出してきた。見ると彼が有名なペットフードメーカーの社長だということが
わかった。彼の鷹揚とした態度に合点が行く。私も名刺を渡した。この日は老人を、本当は家まで送ろうと言ったのだが駅までで十分、今度
の招待の時まで楽しみにして欲しいと言われたので、駅まで送り家に帰った。遅い私に妻はへそを曲げてしまい夕食はインスタント食品で済
ませたが、心は老人が招いてくれるという晩餐に向いていた。
翌週、老人から準備が出来たので料理を楽しみにして欲しい、という電話を貰ったので、電話の通り次の日曜に老人の家を訪ねることにし
た。以前の約束でその日曜日には妻と一緒に買い物に出かけ、夕食をしようという予定だったのだが老人との約束を違えようこともできない
ので、妻に事情を話し一人で百貨店に行ってもらうことにする。月曜の弁当はきっと手抜きだろう、と少し重い気持ちになったが、これから
招かれる老社長との食事会でその分食べられるのだし、人生はヤジロベーみたいなものだろうと考えると事のあらましには不謹慎なことでは
あるが心が弾んだ。当日の昼、出ようとすると玄関の呼び鈴がなる。私の年収の数倍はするであろう高級車に乗って、私よりも一回りは年上
の運転手が家の前に立っていた。ご主人様に貴方をご招待せよ、と寄越されました。自分の車だと思ってお寛ぎ下さい、と運転手は慇懃な態
度で私に乗車するように促す。あの老人に私が殺してしまった愛犬を思い出させるのは憚られるので、自分の車で行くのは遠慮してタクシー
で行こうと考えていた私は渡りに船と車に乗り込んだ。2時間程かけて快適な運転で運転手は私を送り届けてくれた。
会場は山の中に立つ館だった。車を降りる時の運転手の話によるとこの山から見える景色が屋敷の私有地で尚且つここは数ある別荘の一つ
と聞かされた。私は驚きを禁じえずにはいられなかった。外見だけではなく中に入って見ても、老社長の別荘は瀟洒な洋館に成金趣味を感じ
させない趣のある落ち着いた内装、調度を備え、あまりの見事さに私は別世界に迷い込んだ気分でしばらく見惚れてしまう。背後から、老社
長が話かけてくるまでどれくらいあったのだろう、私は呆けて立っていた。夕食の時間までにはしばらくあるので庭を散策しながら少し昔話
をしてもいいですか、と社長は言った。犬の話し、生い立ちの話し、家族の話し、そして庭や山、様々な雑談を私達は楽しんだ。こんなに大
らかな葬式があるのだろうか。私は少々疑問に感じたが彼の優しい人柄を感じさせる喋りに時間を忘れていた。気付くと日も落ち始めてい
る。そろそろ頃合でしょうから、中に入って晩餐を楽しみましょう、と室内へ入ることを促された。時間が経つのは早い。
食前に主人は、この晩餐は私しか招いていない事を伝えていなかったことを謝ってきた。私はそのようなことで謝らないで欲しいと言っ
た。先ほどの雑談の雑談の中で彼は人との付き合いが得意ではないと聞かされていたからだ。大会社の社長ともなると業務以外の人付き合い
が嫌になるという事も聞いていた。こんな些細な事で謝る老社長を、心底人の良い人だと今更ながらに犬を轢いてしまったことを後悔した。
晩餐が始まった。給仕の手で食前酒がグラスに注がれる。料理は和洋折衷でお口に合えばいいと思うのですが、と社長は言った。運ばれて来
た前菜は刺身のような肉料理に幾つかの野菜が添えられよく判らないものが掛かっている。恐る恐る口に入れると、素晴らしい香りが口から
鼻に突き抜けた。口に含んだ肉もとろけるような触感で、さらりと口の中に消える。少し残る油の味を添え物のよくわからない野菜が爽やか
に消してくれた。前菜ですら、この次第で私はあまりの美味さに忘我した。続く珍味たちも素晴らしく、私はこのような口幸が本当にあるも
のか、と人生において初めての感覚に狂喜した。もう招き主との会話も料理の話題ばかりになっていた。舌鼓を打つ私を見て老紳士も楽しそ
うに微笑んでいた。主菜がやって来た。それまでの料理は美味しいものの、何の料理なのかさっぱり判らなかったが、この一皿だけは一目で
理解る。何の肉かは判らないが技巧を凝らさず、そのまま焼いたステーキに赤茶色のソースが掛かっている、存在感のある料理だ。これまで
の料理も素晴らしかったが、それらを差し置いて主菜の座に置かれるこのステーキは感動のあまり性的興奮すら覚えてしまうほど美味であっ
た。締めに相応しいデザートを食べ終わる頃になると、今日のような素晴らしい食事は、私の収入では二度と食べられないのだと思い、寂し
さすら覚えるほどの料理だった。
食後に、今日を限りに愛犬のことは思い出にしますので、と主人は愛犬の生前の様子を写したビデオを食堂にあるプロジェクターで上映し
てもよいかを尋ねて来た。私は自分のせいでもあるし、彼の心情を慮って当然ながら諾と答えた。古いものから新しいものまで、ごくありき
たりなビデオカメラを使って主人の手で撮影されたものらしく、時々ぶれたりもするが主人の犬への愛情が伝わって来る映像だった。思わず
鼻をすすった。ちらりと彼を見る。一見すると先ほどと変わらないようであったが目尻に何かが光っていた。老人は言う、別れというものは
何時来るか判らないものです。何時、別れの日が来てもいいように、別れがあっても思い出があればそう生きて行く事が大事なのではないで
しょうか。そう説く彼の横顔に寂しさはあっても、悲しさはもう、見えなかった。そこで一度、映像が切れた。老愛犬家は次のディスクを取
り出して、これで終わりですから、ゆっくりとお酒でも飲みながら見ませんか、と言ってきた。お酒に目の無い私は少しも逡巡せずにいただ
きますと答えた。
このビデオは異様だった。カメラはどうやら三脚のようなもので固定されているらしく、主人が手ずから撮ったビデオのようにぶれたりは
していない。画面の中には、大きな外車でも数十台ほどは入りそうな広いガレージの中央に天井からサンドバッグらしきものが吊るされてい
るものが見える。その前に何故か自分の愛車と同じ車種の車が置かれていた。怪訝に思う間もなく、映像の中の車からエンジン音が聞こえ
る。カメラのアングルからは判らないがどうやら誰かが搭乗していると思われた。突如、自動車は発進してサンドバッグに軽く衝突をした。
その瞬間カエルがつぶれるような音がした。私の愛車は少し後進して止まった。また急発進をしてぶつかり、そして下がる。これを何度も何
度も繰り返した。私は何か薄ら寒いものを感じ老愛犬家に、これは一体何か、と尋ねようとした。すると、ビデオの視点が変わり車のボン
ネットからの視点になった。サンドバッグらしきものには妻が括り付けられていた。私は全身から汗が噴出すのを感じながら老愛犬家に泣き
声で懇願した。今すぐにこれを止めてくれ。妻を助けてくれ。お願いだ。お願いします。許してください。妻はどこですか。そして老愛犬家
は相変わらず微笑みを顔に貼り付けたような表情で、声だけ笑いながら言った。
「さっきの料理は美味しかったのでしょう?」
私も笑った。
終
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:33:54.29 ID:e+TOCfksO
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:52:08.91 ID:e+TOCfksO
あげ
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:12:06.98 ID:02ftWvct0
頼まれた。
ところで金曜くらいに土日いないんで規制スレに投下しとくからしかるべきときに転載して、っていう人がいたよね。
どっか投下されてた?
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:12:11.67 ID:4LD9YoGb0
ho
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:18:34.48 ID:4LD9YoGb0
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:37:12.52 ID:02ftWvct0
作品はかけたが冷却する期間がない・・・
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:52:47.55 ID:Ez+sj43X0
どれか一作他の作品読んでみたらどうでしょう
結構頭が切り替わりますよ
XMENみたいのにマンチェスターダービーにテレビとられた
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:54:51.04 ID:7lsu2K47O
446 :
記憶の中の死体は生きている犬に似ている (お題:犬) 0/3 ◆/sLDCv4rTY :2009/09/20(日) 22:06:41.25 ID:gsseb0NV0
へーい投下投下
447 :
記憶の中の死体は生きている犬に似ている 1/3(お題:犬) ◆/sLDCv4rTY :2009/09/20(日) 22:07:30.68 ID:gsseb0NV0
シャープペンシルを見て母を思い出してしまう。いけない。ぼくが不快な時間が増えてしまう。
文章で「母」という言葉が出てきたら、皆はどう思うだろう。僕は、母性愛、優しさ、そして少ない読書の
記憶から作り出される美しいイメージと、同時にそれへの苦しさに似た反感が出る。僕の母はそこまでいい
人じゃない。悪い人でもないけれど。僕は小学生の高学年まで、いやもしかしたら中学生だったときでも、
自分の母を、作家が安っぽい感動のために作り出した「母」のイメージになぞらえて、いい人だと思っていた。
でもそうじゃなかった。悪い人でもない、いい人でもない、ふつうの人間だ。僕はそれがたまらなく嫌だ。
僕が、母の文句を言おうとすると、誰にだか分からないけれど怒られている気がする。両親を大切にしない
のは馬鹿だとか、そんなことばで無条件に怒られそうな気がする。これは、実際にいわれたわけではなく、
ドラマや漫画、小説などで、特に強調されるもののひとつだ。とりあえずそれが嫌だ。そんなの関係ないよ
って思う。お前とは。たとえばおまえは、僕が死んでも世界は続くっていうけど、僕が知ることが出来ない
んだから、ないのとおなじだ。そして、僕が知らないものはないのと同じだ。だって知ることが出来ないか
ら。はっきりいって、直接知ることが出来ないならどうでもいいことだ。目を瞑れることだから見ないでお
きたい。死ぬのがこわいと人は言う。じゃあなんで寝るのが恐くないんだと思う。寝てると意識がないんだ
し、そして夢の中では極端に馬鹿になって人はいわゆるキチガイっていう普段は疎まれているものになる。
変身する。だから、僕は僕のことを馬鹿っていわれると混乱する。だって、他人が存在するとしても、他人
は僕のことは知ることが出来ないし、僕は他人のことを知ることができない。相対評価に自分を入れる意味
はない。僕は僕自身のことを馬鹿って評価することは出来ない。なんでかっていうと他人が頭よかったりす
るのをしっていれば僕は僕のことを馬鹿って評価できるけど、僕は他人になったことがない。そして、例え
ば僕の昔の行動を他人(中学二年生とか)に当てはめて、今の自分がもっと遅い時間帯に生まれた人より頭
がいいとは思えない。行動にはもっとぐちゃぐちゃとした考えがあってそれを把握できずに他人を馬鹿にす
ることは出来ない。それでいて、僕が馬鹿だったとしてもそうでなかったとしても今目の前にあるものはた
いしてかわらないから、正直どうでもいいことだ。どっちにしろかわらない。いや、馬鹿と卑下するのを見
せびらかすことで、他人が楽しくなるのかもしれないけれど、どうでもいい。君は存在しない。これを書い
てるときだって、僕は君を考えていない。君を想定していない。できない。どっちかというと、過去、なに
かの文章を読んでる自分の記憶を他人として想定しているのだけれど、正直それも駄目なのだろう。だって
自分の一瞬まえのぐちゃぐちゃした考えを覚えていない。自分のでさえ。記憶の中の人間は、人間か? も
し記憶のなかにいる人間が人間じゃないっていうのなら、いま世界に存在してるとされる人間ってやつも人
448 :
記憶の中の死体は生きている犬に似ている 2/3(お題:犬) ◆/sLDCv4rTY :2009/09/20(日) 22:08:17.30 ID:gsseb0NV0
間じゃないよ。だって死ぬんだし。すこしも知ることもなく人間死ぬんだから。ほんのちょっとでも他人が
考えていることを知る前に、君は死ぬから。ああ、死なないかもしれないけれど。他人を知ることができる
ってのは、死なないかもしれないってのとおんなじだよ。一生しることが出来ないなら無視していいよ。知
ることもないまま何にもなくなるんだから。だからまず自分が楽しくないと意味がない。向上心とかなくて、
とりあえず楽しかったらいいと思う。最近気づいたのだけれど、ひなたぼっこってほんと気持ちいい。ひな
たぼっこって言葉が、かなり嫌なのだけれど、自分自身をただ単に時間のなかの物として存在させるのがた
のしい。
さて、話しは変わるけれど、僕は犬派だった。今はどちらかというと猫派だ。そんなことにたいして意味は
ないけれど、僕は、犬をみているとなんだか母から借りたままのシャーペンを見るように、いやな気分にな
るんだ。
犬は、従順だって言われている。それが本当かは、僕は知らないし、犬を飼っている人がそれを意識してい
るということは分からないしどうでもいい。今の僕が感じたことなのだから、他人に当てはめられるとも思
わない(そして過去の僕、未来の僕にも当てはめることが出来ないとおもう)。
僕は他人が存在しているという事実が嫌いだ。犬は、僕を存在として扱うからいやだ。そこが、おそろしい
と思う。種族(種類)によって、他人の存在の度合いがちがうのだ。犬は、生まれたときから他人の(他の
犬の)存在を意識している。俺は、それが恐い。このシャーペンもそうだ。これは、昔母が使っていたもの
で僕が勝手に取って持っているものだ。そして、僕はこれが見つかったらまた色々と怒られるのだろうと思
う。母はそれぐらいのことで怒るからいやだ。怒られるのも嫌いだ。怒るってのは、他人の存在が根底にあ
る。他人が僕の行動を感じたからそういう行動がある。
分からないんだ。わからないんだよ。だって、みんな、一つのことが正しいと(みんなってのはたとえば両
親の悪口を言おうとすると怒る口と髪の毛だけのような男だ)いうのに、たとえば、宗教とかで意味の分か
らないことをいうからだ。
今現在で、分かっている確かなことを教えてくれ。宗教とかいらないから。二つのことをしたくないんだ。
確かなことは何もないって言うのならそれを全員でやってくれ。不愉快だ。いやだよ。
みんな忘れているだけなんだよ。不快なことがあってもすぐに忘れるから、いま不快な目にあっている人を
忍耐力がないとか言うんだ。死んでくれ。ずっと思ってるけど、「昔の俺もそんなだったなあ」なんていうや
つは、死ねばいいよ。単純に過去の自分を他人に当てはめ、優越感に浸っている。あいつら、アホだから媚
449 :
記憶の中の死体は生きている犬に似ている 3/3(お題:犬) ◆/sLDCv4rTY :2009/09/20(日) 22:09:13.60 ID:gsseb0NV0
売りの自虐ばっかりしていて、自虐の対象にできる昔の自分を自分より若いひとに当てはめてる。お前が馬
鹿じゃなかったことあるのって聞きたい。自虐が本性ならそう言うよなそうじゃないならはよ死ね。未来の
お前から見てお前は馬鹿だから、早く死んでくれ。馬鹿は死んでくれ。
僕はべつに死んでもいい。いや、死にたいわけでも何でもないんだ。僕だけがみえている世界だから、僕が
壊したっていい。本当に、他人とは関係ないんだ。そして僕は他人を殺したっていい。だって僕は他人じゃ
ないから、結局のところ僕にその視は何の影響も与えない。でも、例えば自分で自分を殴ったら痛いという
物理的なルールみたいに、法律というルールで僕が不快になるからしないだけだ。僕は、法律より、なくっ
たら痛いってことが理不尽だと思う。でも法律のほうが不愉快なのは、それが、例えば母や犬のように、僕
を世界としてみてそれを主張してくる他人がつくったものだからだ。他人の世界が僕に入り込んできている
からだ。
すっげー嫌だ。
2009-09-20 : 未分類 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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Pagetop
No title
どうも、お久しぶりです。7年ぶりのコメントですね。三ヶ月までの記事とくらべて、ずいぶん変わりましたね。わんわん
2009-09-20 23:31 name: かいいぬ : 編集
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:11:13.29 ID:gsseb0NV0
おーわりっと!
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:11:41.19 ID:Ez+sj43X0
投下乙ですよー
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:12:03.47 ID:02ftWvct0
品評会作品でいいんだよね?
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:14:17.43 ID:gsseb0NV0
あ、そうです。すいません
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:29:16.17 ID:02ftWvct0
>>453 りょーかい。
まとめようとしたけど、「(お題:犬)」とかの分いつもより名前欄が長くなってるからか、書き込んでも反映されない……。
一レス目にお題だけ入れて、あと3レス使って「(お題:犬)」抜きでまとめておくことにします。
「No.13」抜くとちょっと変な感じになるしね。
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:39:33.10 ID:gsseb0NV0
>>454 うわああああああすいません。転載ありがとうございます!
タイトルってテンションあがってるとめっちゃ長くなるよね!
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:57:00.17 ID:e+TOCfksO
ほ
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:57:18.11 ID:02ftWvct0
>>455 いえいえ。
さてもうすぐ十一時。みんな予約の準備しとくよーに。
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:00:14.58 ID:02ftWvct0
なんかあんまり予約なさそうだけど、とりあえず二十三時を過ぎました。
・これから品評会作品を投下する人はまず予約。その上で俺の指示に従って投下すること。
・予約条件は「レス区切りまで終わり、後は投下するだけ」の状態であること。
・予約締切は23:30。失格とならないよう早めの予約、それと書き込む前のリロードを推奨。
では張り切ってどうぞ。
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:02:43.84 ID:PTyt3RnO0
もうみんな書いちゃったという感じだろうか
ありゃ、そんな感じか。オレ書くの遅っ!
まぁとりあえず予約
よーしパパ久しぶりに参加しちゃうぞー
長編の息抜きに予約
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:10:23.96 ID:02ftWvct0
どうもそんな感じみたいね。
では◆DSM7XB0fYQIy氏どうぞ。
じゃあ投下します
使ったお題はもちろん猫!犬も書きたかったけど間に合わんよ
《題名》空猫ばしり 全5レス
464 :
空猫ばしり (お題:猫) 1/5 ◆DSM7XB0fYQIy :2009/09/20(日) 23:12:57.13 ID:73ULV7KaO
それは初めからなにやらきな臭い話だったのだ。
あの時、六年二組の教室で吉田がにやにやしながら渡してきた、妖しいまじないの文字を見せられたあの時から、すでに始まっていたのだ。
その時隼人はとっさに破り捨てたい衝動に狩られていた。自然と紙の両端を手に持ち、そのまま引き裂こうとする体勢になった時に、吉田が慌てて止めてきた。
「な、なにしてんだよ隼人!?お前なになんだ狂ってんのか!?」
隼人は自分でもなぜそのような行動に出たのか理解できなかったため、上手く返事をする事ができずしきりに首をかしげていた。
ここ最近、隼人のクラスでは願い事がかなう不思議なおまじないが流行っていた。それはとある紙を髪の毛と一緒に燃やすと、その人の願いが叶うといういかにも眉唾な代物だった。
もちろん隼人は信じてなどいなかった。ただその時どうしても叶えたい願い事を抱えていたのだ。わらにでもすがりたい気持ちでいっぱいだった。
なぜなら来月にあの憎っくき運動会がひかえていたのだ。隼人は運動が苦手であり、そしてゲームや漫画をこよなく愛する、ごく平均的な小学生だった。
運動会、それは百メートル走や障害物競争といった、走る種目が嫌がらせの様に盛り込まれている、比類なき罰ゲーム大会だ。
練習しても一向に速くならないタイムが隼人を嘲笑うかのようだった。そこに降って湧いた天からの助けに、心はあっさり傾いてしまった。
それが間違いだと気付いたのはすべてが終わったあとだった。
早速隼人は休みの日にひとけのない空き地にやってきた。父親の机からこっそり拝借してきたライターを取り出すと、願いを込めてお札に火を点ける。
その瞬間、周りの空気がグニャリと揺れた。それは立っていられないほどの衝撃で、隼人はその場に自然としゃがみ込んでいた。
すぐに辺りの様子を伺う。そこには目を疑うような光景が広がっていた。
近くに生えていた木が恐ろしいスピードで成長している。幹は太く、葉は大きく立派に。そして同時に、自分の足元に生えていた草もみるみるうちに腰の上にまで伸びてきた。
周りの物が十倍ほどの大きさに延びきるぐらいまで、その怪奇現象は止まらる事を知らなかった。落ち着いた後も、隼人はすっかり怯えきっていた。
焦げ臭い匂いが一面に充満していた。隼人のいる場所のすぐ近くに真っ黒に煤けた大きな焼け跡があった。
そこから、なにやら影のついた奇妙な煙がぽっかりと空にゆっくりと登っていくのが見えた。
途端に、自分は騙されたのだという様な、そんなみじめな気持ちが隼人の心を襲った。直感が、得体の知れない異変に強く拒絶を訴えてかけていた。
隼人はひどく心細かった。自分が小さくか弱くなってしまった気がした。そう考えた時、遠くにある巨大な鉄の塊が目に入ってきた。
隼人はようやくそれが車だと気づいた。その時に至って完全に隼人は現状を理解した。『周りが大きくなった』のではない。『自分が縮んだ』のだ。なんという事だろう。
すると、そのあまりに巨大な建造物である乗用車のその下から、大きな獣が這い出てきたのだ。肉食獣のしなやかな動き、濡れ羽色の黒い毛並み。
それは猫だった。まるで黒豹だと隼人は思った。とても大きい。隼人は恐怖も忘れてその動物のゆっくりとした動きを目で追っていた。
焼け跡を目指して歩いてくるとそこで止まり、やれやれといった感じで首をふった。
「どうしてこうも無駄に火を使いたがるのだろうな。理解しがたい種族だ」
巨大な黒猫が、人間の言葉を喋っていた。やはり騙されたのだ、何かに決定的に。隼人は自分でもよく分からないため息をついた。
黒猫が隼人の存在に気づいた。少し顔を上げ、珍しい物を見た時の様に目を丸くしている。大きな丸い目がますます見開かれ、中の宝石の様な瞳がこぼれ落ちるのではないかと
ばかりになっている。ただそれもほんのわずか数秒ですぐに戻ってしまった。
「ああ、人の子か。なるほど、どうやら越されてる様だ。ちょっと待て」
そう言うがはやく、黒猫は隼人の近くに寄ってきた。そのしなやかな動きと対象的に、隼人は動きがとれなかった。黒猫が周りを幾度も巡回する。鈴の音がした。
465 :
空猫ばしり (お題:猫) 2/5 ◆DSM7XB0fYQIy :2009/09/20(日) 23:15:00.46 ID:73ULV7KaO
「ずれるな、ずいぶん上みたいだ」
鈴の音のする方向を探ると、首輪が見えた。赤いビロードの生地でできた、クリスマスの飾りみたいな少し安物っぽい大きな首輪で、肌触りが良さそうだった。
「すいません。もし言葉が通じるなら、教えてください。あなたは猫ですか?」
その隼人の言葉を聞いた黒猫は、どこか楽しげな表情になり、姿勢を正して名乗りをあげた。
「いかにもいかにも! 小生は黒猫のブッカと申す、この近所に住まう飼い猫の一匹である!……さて他に質問はあるかな、人の子」
ひどく芝居じみた、そのふざけた自己紹介を一通り済ますと、黒猫は急に真顔になり、隼人をうながすかの様に質問を投げ掛けてきた。
それはまるで隼人が今いちばん気になっている事を見透かしているかの様だった。
「あの……僕は……どうすれば僕は元に戻れますか?」
「どうやら私では手に負えないようだ。ただ、思い当たる場所なら二三ない事もない。ついておいで」
素っ気ない口振りで言うと、黒猫は焼け跡を軽やかに飛び越え、すたすたと先へ歩いていく。一方の隼人はその後ろをついていく他に、なにもいい考えが思い浮かばかった。
「あの……黒猫のブッカさん、一体どこにいくんですか?」
「いい質問だ。これから行く場所は、あの空の禊ぎ地の第三層、神多雨の中域の霧又というところだ。知ってるかな?」
そらのみそぎち、しんたうちゅういき。それは隼人の耳には聞き慣じみのない言葉ばかりで、歴史の授業を習った時に聞いた古代の大和文明の響きを彷彿とさせた。
「えっと……そのみそちぎに行けば、すぐに元の身長に戻れるんですか?」
「あまり結論を急ぐな、人の子。それは決して得策じゃない。そして今わたしが語れる事はほんのごくわずかだ。ただし、これだけは言っておこう」
黒猫の顔が振り向きざまに隼人に向けられた。
「君はある石を手に入れる必要がある。すべてはそれからだ」
しばらく行くと目の前の草むらが開け、周りより少し盛り上がった小高い丘にたどり着いた。
普段の身長なら気づかない程度の高さのその場所で、ブッカは立ちどまり座り込んだ。仕方なく隼人も続いて立ち止まる。
「さて、じゃあ上空までは風井戸に放り上げてもらう事にしよう。体勢を崩さないように気を付けるんだよ」
「へ? 風井戸って一体なんですか……ってうわわっ!?」
突如身体の周りに竜巻が起こり、下から突き上げるように風が吹き上げてきた。その竜巻は隼人と黒猫の身体を持ち上げぐんぐん上に登っていく。
空に打ち上げられる大砲の弾の様に、速度を弛めずに一直線に登っていく。ブッカがのんびりとした声で説明するのが聞こえてきた。
「こんなふうに風井戸の上空には、筒状の空気の壁が空の高い所まで伸びているんだ。下にいれば何もしなくても上まで吹き上げてくれるのだ」
そして、隼人は空を、飛んでいた。遥か数千メートル下には、普段自分が暮らしている大きな街が見えた。ビルやマンションが消しゴムぐらいの大きさにしか見えない。
すべてが一望できる、あまりの高さに隼人は自分の金玉がひゅっと上に縮み上がるのを感じていた。この高さから落ちたら間違いなく死ぬはずだった。
「そろそろ降りるから、準備をしておいた方がいいぞ」
ボッという鈍い音が聞こえた。雲を突き抜けたためか、冷たい水蒸気が肌に当たるのを隼人は感じた。それまで受けていた下からの風が急に逃げ場を見つけた様に、様々な方向に拡散する。
「うわっ!?……いたた……」
466 :
空猫ばしり (お題:猫) 3/5 ◆DSM7XB0fYQIy :2009/09/20(日) 23:15:55.99 ID:73ULV7KaO
隼人は見事に着地に失敗し身体を地面にしこたま強く打ちつけられていた。その痛みをなんとかやり過ごし、顔を上げる。
その空の上には、見渡すかぎりの半透明な平地と青空がどこまでも続いていた。
「雲の上にこんな場所があるなんて……」
隼人が呆然としていると、ブッカがその疑問に素早く答えていた。
「ふむ。人の知識でもってして説明をするならばどう言えばいいだろうな」
この猫はすごぶる生真面目なタイプなのかもしれない、隼人はそう思った。
「まず、雲は水蒸気だ、要は霧がかった『もや』だという事だ。ところでプリズムは知ってるかな、人の子。光を屈折させる作用を持つ鉱石だ。そして水がこのプリズムと同じ作用を持つ事も知ってるだろう……知らないのか。
まあいい。この天空にはいつでも水蒸気である雲がたゆたっている。目眩ましにはぴったりの環境なのだよ」
そこまでまくし立てると、ブッカは近くにあった、まるで茂みの様に平地に溜まった雲を前足と前足で挟み込み、足を水で湿らせた。
大きな猫がやってはいるが、どこか理科の実験みたいだった。ブッカは少し濡れたのが嫌そうで、何度も舐めている。隼人とりあえず聞いておくべき不思議な事を尋ねてみた。
「じゃあこの浮かんでるプラスチックみたいな床は何なんですか?」
「それか。それは長くなるぞ。それでは気象学の基礎の基礎の質問だ。雨や風といった様々な現象は何が起こしている物だか知っているかな?」
「分かりません」
「おい、即答だな。答えは『熱』だ。この上空の現象は全て『熱い』『冷たい』という温度の変化で成り立っている。ポイントはその運動の道理を少しだけいじくる事にあるんだ」
どれだけ説明されても隼人にはブッカの言ってる事がさっぱり理解できなかった。とにかく上空に地面があり、そこに知らない世界が広がっている、それだけはわかってきた。
「まぁ時間がたてばそのうち理解できるようになるさ。それより今は先を急ごう、暗くなってしまうぞ」
そう言うと、ブッカはその見渡すかぎり何もなさそうな平地を、慣れた足取りでためらいなく歩き始めた。
当然だが隼人もそれに続こうとした。ブッカがこのあと変身などしなければもちろん、という話ではあるのだが。
なんの前触れもなかった。黒い大きな猫は、突然いままでの四足歩行を止めていた。さも当然の様に背を縦に気持ちよさそうにのばすと、しっかりとした足取りの二足歩行で歩きだした。
背丈はちょうど大人ほどはあるだろうか、その立ち姿はおとぎ話の中に出てくる獣人という生き物のようだった。
しかもみるみる内に顔や腕の毛が薄くなっていき、次第に褐色の肌をのぞかせてる様にまでなったのだ。隼人は固まってしまった。
「またそのような顔をしてからに。いいかい、この世界には君たちに知らされていない事が山ほどあるんだ。ただそれだけの事だよ、人の子」
そう言って不敵な笑みを浮かべ、大きな瞳を三日月型にした。人型に近くなった黒猫は、まだ子供である隼人が照れを感じるほどの美しさとしなを兼ね備えていた。
年の頃は二十歳前後。その額は狭くオールバックで、すらっとのびた身体に対して顔が小さい。彫りが深く、目鼻立ちがくっきりとしている。
その下にふくよかな胸と肉付きのいい腰が続き、その部分だけに気持ちばかりの毛皮が乗っかっている。それはまるで生地の少ない煽情的な若者の服装の様だった。
「ん? この格好が気になるか? 完全に人型にもなれるが、なにせ服を用意するのが面倒でね。わたしらは基本裸なわけだし」
「いえ!気になりません!」
隼人はなんだか照れくさくていたたまれない気持ちで、急いで否定していた。一方の黒猫はわざと戯れているのか少し楽しそうだった。
467 :
空猫ばしり (お題:猫) 4/5 ◆DSM7XB0fYQIy :2009/09/20(日) 23:16:42.43 ID:73ULV7KaO
それから歩くこと小一時間後、二人の目前には街が現れていた。それはこの半透明な台地に居を構えている少し風変わりな街だった。
どうやらここが霧又と呼ばれる目的地らしい。そこここに立ち並ぶ建物がそれぞれ虹の七色の一つに染め上げられ、街にカラフルな彩りを添えていた。
遠くからみるとマーブルに染まったガムのポップのようであり、かつシャボン玉の色どりのように見えた。
そして街にはブッカの様な獣人たちが所狭しと溢れかえっていた。どうやら顔見知りもいるようで、しきりに声を掛けられ嬉しそうに返事をしている。
「なかなかにぎやかな所だろう」
目を細め自慢気に語りかけるその口調には、誇らしさが滲みでていた。
「いつもここに来ているんですか?」
「私たちが普段外でなにをしてるのか、人間はまったく知らないだろう? まぁそういう事さ……さぁ、いよいよこの先だ」
ブッカは頭の後ろで手を組みのんびりと街の奥へと進んでいく。その先には巨大な神殿が山の様にそびえ立ち、決して小さくない霧又の街を睥睨していた。
神殿の中は厳粛な雰囲気が漂い、誰もが声をひそめ細心の注意を払い物音を立てずにいた。神官たちの礼服が起てる、サッサッという小さな衣ずれの音でさえ聞こえてくる。
そんな張り詰めた空気の中、ブッカは気楽そうにスタスタと入っていく。奥に見える巨大な物目がけてどんどん進んでいった。
建物の天井半分まである、仏像のような大きさのそれは、動いていた。
その巨人こそが、卑しくも百獣の王ライオンの獣人でありまたこの街の長老でもある、アバヌその人であった。そのアバヌに対し、ブッカは気軽に片手をあげ『おう』と挨拶をする。
「ブッカ、会合途絶えて久しいな。なぜもっと頻繁に顔を見せにこんのか。街ではよく見かけると聞くぞ」
アバヌの不機嫌そうな声が低くごろごろと神殿に響く。近くに控える神官たちなどは気が気でない様子だし、ブッカは相変わらずどこふく風といった態度だった。
「いやなに、ついな。それより元気にしていたかアバヌ爺さま」
「相変わらず危ない橋を渡っているのではあるまいな。もしそうならば、またしばらくはこの神殿に籠もってもらう事になるぞ」
「おっと、会ってそうそう矢継ぎ早に牙を剥くな、爺さま。違うのだ、今日は別の用でもってして力を借りに来たのだ」
あまりの問いつめに慌てるようにしてブッカは横で縮こまった態をしている隼人を手で示した。すぐにアバヌ爺さまの巨大な顔が隼人をねめつける。
「ほぅ……これは。越されたか、人の子をな。ふむ、任せておくがいい」
何度か首を縦にふり神殿に風を起こしたあと、アバヌはその巨大な身体を前に起こした。そしてそのままの姿勢でゆっくりと気持ちよさそうに伸びを始めた。
その顔にライオンのたてがみが延び覆い始める。身体のあちこちの筋肉が伸びでぶるぶると震えている。
その震えはその巨大で堅牢な神殿をも大きく揺れ動かすほどの物で、踏張らなければ立っていられなかった。
伸びが終わると、その姿はすっかり百獣の王のそれに戻っていた。
「それではこれよりガカイを開始する。皆の者は用意を怠るな。我の叫びは鋭いぞ」
アバヌはその地鳴りのような声で高らかに宣言を放つ。これを聞いた周りの神官たちは、一斉に体に力を入れているようだった。
隼人は訳も分からずブッカの方を仰ぎ見る。するとブッカの顔にはなにやら楽しげな笑みが零れていた。
「さて人の子、君は走るのが好きかな?」
その意味深な言葉にかぶさるように、強烈無比な猛獣の咆哮が、無防備な隼人の全身を襲った。体の真にビリビリという衝撃が伝わり、次の瞬間には隼人は気を失っていた。
468 :
空猫ばしり (お題:猫) 5/5 ◆DSM7XB0fYQIy :2009/09/20(日) 23:19:03.11 ID:73ULV7KaO
――走っていた。隼人は今現在あの半透明な地面を蹴って前に向かって走り進んでいる所だった。足場は先ほどと比べてひどく危うく脆く、あまりに不安定だった。
辺りは薄暗く陰り、見通しが悪い。ただ足元の半透明の地面が所々あかるく光っては消え、明滅を繰り返して辺りを染めていた。遠くからブッカの声が聞こえてくる。
「足が動いていない。踏み込みが足りないぞ」――うるさい。僕は駆けっこなんて心底どうでもいいんだ。だって漫画家にそんな物は必要ないじゃないか――
はぁはぁという自分の荒くなった息遣いが隼人の耳に響く。ドクドク流れ込んでくる血が目頭までをも熱くしていく。それでも隼人の足は思うように動かなかった。
「動かそうとしたら駄目なんだ、ただ速く走るんだ。速く速く目的に到達するんだ」――なんでこんな思いをしなくちゃならないんだ――
急にすべてにうんざりして、駆けていた足が止まりそうになった。途端に足場が柔らかくなっていく。溶解は後ろにいくほど加速していく。
明滅が速くなる。急かすように速く柔らかく。それでもすでに隼人は限界を越えていた。力がまるで残っていなかった。
「いつかは分かるよ。逃げてはいけない日が必ず来る。あとは精一杯戦うしかないんだ」――――
その時隼人の足の裏が点滅した台地を完全に噛んだ。固くしっかりとした感触が伝わり、その力が体を前に運ぶ。
次の足がまた点滅した部分を噛み、そのあまりの加速に体が跳ぶように前につんのめる。
そうして隼人は、今までに経験した事のない速さのままで、その薄暗い禊ぎ場を最後の最後まで駆け抜けていた。明るい光りが先に見える――
――隼人は空に来た時にはじめに立った場所にいた。すでに神殿や街を遠く離れているらしい。しかもどうやら走ってここまで来たようだ。
息が荒く、服が経験したことがない程に汗だくになっている。だが身体は軽かった。今ならいくらでも走れる、そう思えた。
ブッカが嬉しそうに隼人の肩を抱いてきた。
「よくやった。君は自身の努力で確かな結晶を掴みとったんだ。どんな気分だい?」
「なんか……不思議な気分」
嬉しそうに微笑む隼人の胸元にいつの間にかペンダントが掛かっていた。ごく小さな宝石が台座に納まっている。日に当てるとキラキラと輝きを放っている。
「それが君の心の中にある意志が結晶化した宝石だ。君だけのロゼッタストーンだ、これはお土産みたいなもんだよ、持って帰るといい」
ペンダントには宝石の他に、螺旋状のねじまがった金属の固まりが引っ掛かっていた。触ると切れる様に尖る、ひどくいびつな形だった。
「それか……それは逃げるまでの君の卑やしい小さな分身さ。すぐにでも捨ててしまえばいい」
冷たく、ごつごつしたそれは、言われてみれば確かに隼人自身だった。
隼人の心の中にひどく懐かしいもどかしい気持ちが込み上げてきた。とても黙っている事が出来なかった。
「……だめだよ。だってこれも僕だもの。絶対に持って帰る」
隼人が確信を持って固まりを握りしめるのを見て、ブッカは目を細めて嬉しそうに頷いた。その時だった、堰を切った様に隼人の身体が膨れ始めた。
それと同時に隼人の肩を抱いたブッカが戯れるように体に抱きついてきた。そのまま倒れる様に二人の身体が風井戸の中に飛び込んでいく。
「気に入った! それも数多ある選択の中の一つだ! それではまた再会までしばしの別れだ、いつか何処かで会おう人の子!」
遥か下に見える地上に向かって凄まじい速度で落ちていく。その感覚は先ほど感じた速さの世界とどこか似ている、隼人はそう思っていた。
《終わり》
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:19:47.26 ID:02ftWvct0
お疲れ様でした。一応転載の方確認しておいてくださいな。
では◆h97CRfGlsw氏どうぞ。
【順番】
(なし)
470 :
◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:19:54.38 ID:zWALNYky0
ギリギリ書けた・……
予約です
予約します
「種越さんって、本当に猫みたいですよね」
古ぼけた神社に続く、山を削って作った長い階段。紅葉した木々に囲まれるその最上段に、私と太一さんは寄り添うようにして腰掛け、夕焼けを眺めながらいつものように雑談に興じていました。
そんな中、ふと彼の口から出た言葉に、私は思わずびくりと固まってしまいました。かじりつこうとしていたたい焼きを取り落としてしまうほど、衝撃でした。
「どうしました? 熱かったですか?」
「あ……は、はい、すみません」
「種越さん、猫舌に加えて、猫手もですか? たい焼き、好物なのに難儀ですね」
はは、と彼は爽やかに笑います。私も笑顔を返します。しかしその実、内心では頭を抱えています。彼は、知っているのです。私が――本当は、人間ではないということを。
そりゃあ、そうです。彼と出会って約一年、年がら年中この神社に入り浸って彼を待ち、いつも同じ紅白の巫女服を着た女の人を、誰がパンピーだと思いましょう。誰のことだって私のことです。
彼に、仕事してないんですか? 他の服は着ないんですか? と聞かれて初めて気付く体たらく。服は、彼がいつも制服を着てくるものだから、そういうものなのかと。仕事は……うん。
いえ、でも、それはまあ、別にいいのです。いや、人間に正体がばれたと知られたらお母さんに折檻されるのもやむ無いことですが、まあ、それもいいです。問題は、もっと別の所にあります。
「あ、種越さん、またあの子ですよ」
だんまりを決め込んで黙々とたい焼きを貪っていると、太一さんが不意に社寺林に指を向けました。示す方に顔を動かすと、そこには可愛らしいお猫様の姿が。
彼がちちちと舌を鳴らすと、その猫はにゃんにゃんと可愛らしく鳴き声をあげ、こちらに歩み寄ってきてしまいました。私が目ぢからを駆使してあっち行けようと念を送りますが、シカトです。
そしてその猫は私にすり寄ると膝の上に乗り上げ、座礁した船のようにぱたりと横になり、野良猫にあるまじきくつろぎっぷりを発揮しました。隣で太一さんが、苦笑を漏らします。
「流石種越さんですね。僕も結構猫には懐かれる方だと思うんですが……あなたといると、まるで見向きもされないですね」
「い、いえ、そんな、偶然ですよ。あ、ほら、食べこぼしたたい焼きの香りにつられたのかも」
「そんなことありませんよ。種越さん、猫に好かれやすい人なんです。羨ましいなあ」
悔しそうなニュアンスを含ませながらも、彼はどこか嬉しそうな顔を私に向けます。優しげな彼の表情を、私は懸案事項も忘れてうっとりと眺め、顔が赤くならないうちに目を逸らします。
彼と出会ったのは、この神社でした。お母さんに命じられて渋々境内を掃除しに出かけた際、捨て猫と、その傍らで困り顔を作っていた彼とを見つけたのです。
話しかけたのは、好奇心からでした。あまり俗世と交わることの許されない私は、滅多に人と話す機会がありませんでした。年若い男の子を見かけて、興奮してしまったのです。
捨て猫は怪我をしていました。それを心配し、辛そうな彼の横顔。手伝いを申し出たときの彼の笑顔。引き取り手を探し出せた時、よかったなと猫に語りかける彼の優しい表情。――私は、恋を知りました。
「猫って、可愛いですよね」
空想に浸っていた私は、彼の唐突な言葉にびくりと現実に引き戻されました。曖昧にそうですねと返事を返すと、彼は整った顔に笑顔を浮かべ、私の目をじっと目つめてきました。
「僕、猫が大好きなんですよ」
「……し、知ってます」
「種越さんは、猫、好きですか?」
膝の上で勝手にまったりとしている猫が、ごろごろと喉を鳴らします。朱に染まった枯れ葉がひらひらと舞い、その内の一枚が、私をあざ笑うかのように頭の上に乗りました。
どろりとした嫌な汗が、私の背中を流れます。彼は、知っているのです。私が真に人間ではないことを。そして、確信しているのです。私が――猫の人化けであることを。
「……あ、あの、太一さん。どうか聞いてほしいことが、あるんです」
でも、私は猫ではなく。実はその、なんというか……狐、なのでした。
「え……き、狐?」
私が人間ではないこと。この神社には、代々のご先祖様たちが祀られていること。そして働いていないのは戸籍が無いせいで私に責はなく、服は趣味だということ。
それらのことを、彼は大した抵抗もなく受け入れてくれました。それよりむしろ、話を続ければ続ける程に期待で輝く瞳が、私の罪悪感を堆く積み上げていきます。
でも、毒をくわらば皿までなのです。私は意を決して、彼に真実を伝えました。そう、私は悠久の時を渡る天帝妖孤、その末裔なのです。猫じゃないんです、と。
「猫じゃ、ない……?」
やっぱり彼は、思ったとおり私のことを猫と思っていたようでした。そうなんですごめんなさいすいませんと、私は彼が言葉を続ける前に、畳みかける様に謝り倒しました。
悪いのは私なのです。彼を誤解させるようなことを、意するも意せずも多々してきました。枚挙に暇がないほどではありませんが、そもそも人に化けられる獣なんて高が知れています。
たい焼きを欲しがったり、匂いでそれと大判焼きとを区別してみせたり。猫手猫舌は自前ですが、先程の野良猫に至っては誤解も詮ないことです。動物神が動物に懐かれるのは、仕様なのです。
彼はわなわなと震え、何か言いたげに私を睨んでいます。そう、あの視線に込められているのはおそらく、怒りと失望、そして怒りと怒りなのです。罪悪感で胃がねじ切れそうです。
「本当に、狐なんですか?」
努めて冷静を装っているのがわかるだけに、彼の動揺の深さが伺えます。今からでも、やっぱり嘘でしたと誤魔化して、全てを無かったことにしてしまいたい。
私は、太一さんのことが好きです。彼にとって私は、ただの放課後の暇つぶしに便利な話し相手程度の認識かもしれません。しかしこの一年は、確かに私の人生で最も充実していたのです。
ちょっと優しくされて、すぐに好きになる。まるでおぼこな娘です。でも、そうなってしまったのだから、仕方がありません。もっと親密になりたいと考えるのも、自然な流れだって思います。
だからいつか、私の生い立ちも話そうと決めていました。しかしその決心は、もし受け入れられなかったらという不安から鈍り、彼の誤解に感づいてしまってからは、延ばし延ばしで結局一年。
「……証拠を見せます」
もっと早くこうしておくべきでした、なんて言っても後の祭り。私は膝上の猫をぽいと放り、ゆっくりと立ち上がりました。そして目を瞑り、手で印を切り、意識を集中させます。
途端、辺りの空気がすっと静まりました。抑えていた妖気が迸り、風を纏って渦を巻く。隣にいた太一さんが、息を呑むのがわかります。力の解法。妖気の高まりと共に、気合い裂帛。
次の瞬間、黒かった髪は脳天から山吹色へと色づき、似た色の耳が側頭部から天に向かってぴんと生えます。さらにお尻の付け根辺りから尻尾が伸び、袴から先端が覗きました。
この瞬間、私は今まで誰にだって見せたことのない、妖孤本来の姿を太一さんに晒しました。今は金に色づいた瞳を向けると、彼は驚愕に目を剥いていました。
「ほ、本当に狐だ……!」
怖がったり、悲鳴を上げられなくて、私はほっとしました。……いえ、昔は神々しいと讃えられたらしいこの姿も、今はともすればコスプレの延長か。げに恐ろしきは人の世、というやつですね。
もとい。頭を振って気を取り直し、改めて彼に向き直ります。彼の目には、驚きつつもやはりどこか失望の色が宿っていました。胸元の襟をくしゃりと握りこんで、私は彼に尋ねました。
「や、やっぱり、狐じゃダメなんでしょうか?」
「え? だ、ダメって、別に。僕はそんなこと……」
「は、はっきり言ってくれた方がありがたいです!」
切羽詰まった声色に含まれた私の切な覚悟を感じたのか、彼は目を細め、言葉を探して俯きました。――初恋も、どうせ叶わぬ泡夢幻、なれば雅に散る艶紅葉。詠み人私。どうぞ一思いに。
「じゃあ、言いますけど……僕はですね、比率で言うとしたら、猫10その他0で猫を愛しています」
ぶ……ぶっちゃけたー! の、望み薄って言うか皆無じゃないですか! 猫もいいけど狐もね、なんていう華麗な売り込み方ならいけるかな、なんて淡くも思っていた私は何処へ行けばいいんですか!
あまりのバッサリっぷりに言葉を失った私は、衝撃のあまり思わずその場にへたり込んでしまいそうになってしまいました。先程の猫がこの場にいたら、妖気パワーでぶっ飛ばしていたところです。
猫、猫。私だって、猫は好きですよ。でも、たかが猫と狐に、それほどの差がありましょうか? そうです、同じ哺乳類、種類は違えど四足動物。10対0程の差があるとは、どうしても思えませんでした。
「で、でも、狐だって猫に負けないくらい可愛いですよ!」
だから私は、言ってしまいました。わたわたと腕を動かしながら、なんとか興味を持ってもらおうと彼の気を引きます。彼はぴくりと眉根を寄せると、私にじと目を向けました。
「……いいですか、種越さん。猫はですね、そりゃあ可愛い生き物です。あのしなやかな体、愛らしい造詣の顔。鳴き声も僕の心をくすぐるように響いて、見ていると堪らない気持ちになるんです」
なにかをポチリと踏んでしまったようです。彼は至極真面目な顔で、猫の素晴らしさを懇々と語ります。淀みなく溢れる猫さんへ熱情に気圧され、私はただ相槌を返す他ありません。
「決して人に媚びないところも素敵だと思います。気まぐれだけど、しかしただ冷たいわけでもなく。傷ついたり、悩んだりすると、彼らはそっとさりげなく膝の上に来るんです。温い体が、心を落ち着かせてくれます」
「そ、そうですか……」
「はい。まだまだそれだけじゃありませんが、とにかく僕は、そんなわけで猫が好きなんです。……で、例えば狐はどこが可愛いんです?」
「えっ」
急な振りに、私はぴたりと固まってしまいました。太一さんは、自分の話すべきことは話したとばかりに、私の言葉を待っています。き、狐のどこが可愛いですかって、そりゃあ――
――あれ? と、咄嗟に返す言葉が見つかりません。私は打ちのめされた気分で、その場にもふんと腰を下ろしました。き、狐は……狐は、何をアピールすればいいんでしょう。自分のことなのに……。
妖孤と言っても、もはや森にも住めず、神としても尊ばれなくなった今。私たちは人間に扮し、人としてこの社会に同化し、日々を生きています。だからなんだというと、狐なんか日頃全然見かけないのです。
ですから、狐の愛らしさを語れと振られても口をつぐむほかありません。嫌な沈黙が流れます。こんなことになるんでしたら、告白の前に「キツネ 可愛い 最高」で検索しておくべきでした……!
「え、えっと……。こ……」
「こ?」
「こ、こぉーん!」
私は苦し紛れに、手をお団子に握り、顔の前に持ってきて猫なで声、もとい狐……いえ猫なで声でいいです。とにかくそれで、狐の可愛らしさを、自分を通して精一杯アピールしました。
腐ってもお孤様、それなりには見れる顔(だと自分では思ってます)。猫耳でなくとも、動物の耳と尻尾が付いていれば、それなりには……。そんな圧倒的自負心から行った行動でした。
「それはにゃあんのポーズでしょうがァァ――ッ!」
「ひ、ひぃぃ――!」
「馬鹿にしてるんですか!? 僕の猫好きを、どうせ口だけだと、そう思ってるんですね!?」
でも逆効果でした。彼はぷんすかと憤激すると勢いよく立ちあがり、私を怒鳴り付けました。あわあわと自分の失策を思い知り、私はもはやの心境です。膝が震えて笑っています。
彼にとって、お猫様は神域なのです。私のような者の浅薄な考えが通用するはずがなかったのです。お母さん、助けてお母さん。お父さんを落としたという可愛い狐のポ−ズは、(C)ATでした。
な、なにか、なにか他に手はないかと、私は必死に無い知恵を絞って考えます。私にあって、猫にない魅力……。狐なのに窮鼠な状況がそうさせたのか、幸いにも一手、思いつくことができました。
「じ、じゃあ、尻尾!」
「はい?」
「あ、あの……し、尻尾、触ってみてください。猫さんと違って、ふわふわですよ。ほ、ほら、どうせなら耳も触っちゃってください」
立ち上がり、袴の後ろを捲りあげ、自慢の尻尾を見せつけます。山吹に色づき、先端が白く尖ったそれは、普段やることがないのでばっちりと毛づくろいされていて、我ながら会心の触り心地のはずです。
耳だって、少し筋張っているかもしれませんが、柔らかい毛で覆われていていますし、猫よりも大きいです。彼の反応をうかがうと、私の捨て身に少しは感じるものがあったのでしょうか、目を細めています。
「種越さん……その、見えちゃってます」
……。私はゆっくりと袴を降ろし、その場にペタンと腰を下ろしました。いえ、別にそんなつもりはありませんでした。これは偶然……違うんです、私は淫乱な狐さんではありません。部屋にHな雑誌なんてありません。
475 :
◆M0e2269Ahs :2009/09/20(日) 23:24:30.46 ID:esbx//9p0
よやっく
「……これは、中々……」
妖孤的には歴史ある由緒正しい、今となってはいつ取り壊されるかわからない神社の境内。御先祖サマの視線なんかを感じつつ、私は座り込んで尻尾を伸ばし、彼に撫でてもらっていました。
彼のしなやかな指が毛並みをなぞり、擽られるような刺激が伝わる度、顔が赤くなります。気持ち良くなって声なんか出してしまったらもう取り返しがつかないので、我慢です。
ぷるぷると耐えていると、急に彼の顔がもふりと尻尾に押し付けられました。柔らかい頬から体温が伝わり、思わず尻尾を膨らませてしまいます。顔が火照って、唇が震えます。
「……じゃあ、耳も触ってもいいですか?」
こくりと頷いて答えると、彼の手が私の耳に伸びてきました。わしゃ、と優しく指で摘ままれ、こすられるように刺激されます。こりこりと筋を遊ばれて、ぞわわと背中が泡立ってきます。
くすぐったくて叫びだしそうになります。しかし彼は黙して語らず、至って真面目に私の感触を……あ、いえ私の耳の感触を確かめています。そう、これはある意味、勝負なのです。
がんばろう、と改めて意を決したとき、指がつぷりと奥まで差し込まれました。産毛を擽り、優しくあやす様な手つきで、耳の穴を弄ばれます。も、もうダメだった……。
「あ、あひ……!」
「……うーむ」
「あ、あふ……て、テクニシャンですね……」
耳の内と外を指で挟まれ、ぐりぐりとマッサージされて私は、堪え切れずに音をあげてしまいました。彼がこれを猫さんにしているのをよく見ましたが、ま、まさかこれほどとは。
しばらくして、彼はふむとなにかに納得したように頷き、私の耳から手を離しました。私は精根尽きて思わずぱたりと倒れそうになり、危うく階段から転げ落ちるところでした。
どうでしたか、と努めて落ち着いた声で太一さんに問いかけます。彼は手で口元を押さえ、真剣な面持ちで何かを思案している様子でした。是か非か、祈るような気持ちで彼を待ちます。
「……いえ、凄く良かったです。尻尾はふわふわで暖かくて、お日さまの香りがしますね。耳も、同じくらい触りごたえがありました」
「で、でしょう! ほら、やっぱり狐だって――」
「でもやっぱり、僕は狐より猫の方が好きなんです」
「かわ……い……」
勢い込んで喋ろうとしていただけに、機先を制されて私は言葉を失いました。視界が白んでいくような感覚に押さえつけられ、頭が垂れていきます。――やっぱり、狐の私じゃ、ダメなんです。河合って誰ですか。
重苦しい空気に、耳も萎びる様に畳まれてしまいました。失恋というのは、こういうものなんですね。今まで生きてきた二十年と少し、初めての感覚に、鼻の奥がじんとしてきます。
下唇を食んで、堪えます。――なんで私は、狐なんかに生まれたんだろう。猫だったら、彼に愛してもらえたのに。きっとこれからも、一緒に過ごせたのに。これで私の恋は、終わりを迎えるんです。
「……お時間、取らせてすみませんでした。私はもう、ここへは来ませんから……今まで、ありがとうございました」
彼が私の隣に再び腰を下ろすのに合わせて、私は立ち上がりました。もうこれ以上彼といたって、不愉快な気持ちにさせるだけです。やはり私は、部屋にこもって毛繕いしているのがお似合いなのです。
悲しい。なんて悲しいのでしょう、思い人からダメと言われることは。こんなに辛いことは、自分が人間ではなかったと知った時以来です。そうです、どうせ私は化け狐。人間様と恋愛などと。
自分の後ろ向きな思考に、堪えていたものが溢れてきました。私は踵を返し、もう帰ろうと境内の方に向って歩き出します。せめて泣き顔だけは、隠す。最後の意地でした。
「ま、待ってください、種越さん。どうしてそうなるんですか!」
「だ、だってえぇ……太一さん、猫の方が、っうく……好きなんでしょう? 私、狐だから……猫じゃありませんでしたからぁ……!」
彼に背を向けたまま答え、私は駆けだしました。散った涙が夕焼けの赤い光を受け、きらきらと煌めきながら後ろへ流れていきます。鼻水まで出てきました。こんな顔、彼には見せられません。
「種越さん!」
と思っていたのに、私は追ってきた彼にあっさりと腕を掴まれ、振り返らされてしまいました。私のべたべたになった顔を見ると、彼ははっとして目を細めました。醜い狐の子です、私……。
「は、離して! わ、私なんかもう、放っておいてください!」
私は袖で顔を隠し、手を振りほどこうと暴れました。しかし彼は頑として私を繋ぎ止め、離してくれません。……彼に妖術なんて使いたくありませんでしたが、こうなったら。
と、そう考えた瞬間でした。太一さんは私の腰に腕を回すと、強く抱きよせてきました。そして、思わず固まった私に顔を近づけ――ちゅ、という小さな音と共に、私と彼の唇が重なりました。
「種越さん、僕はあなたのことが好きです」
……あ、あれ? 疑問符が頭の中を駆け巡り、唇に残る感触が考える力を根こそぎ奪っていきます。彼の言葉に、私は口をパクパクさせたまま、馬鹿みたいに顔を赤らめるしか出来ませんでした。
なんでどうしてと、喜んでいいのか訝しむべきなのか、よくわかりません。だって、彼は猫が好きなんです。私は尻尾も耳も猫に劣る、どこを可愛いと称すればいいいかも判然としない、冴えない狐なのです。なのに。
「……種越さんは、どうして僕に自分のことを話そうと思ったんです?」
「ど、どどどうしてって……」
彼の腕が、私を抱いています。彼の胸に私は収まり、今までにない距離に密着しています。ひ、ひ、と私の喉は変な音を鳴らし、緊張と興奮で尻尾がざわついています。耳がぴんと張り過ぎて、痛いです。
どうしてって――私は、彼が好きだから。私が人でなくても受け入れてほしくて、自分が人ではないことを話したんです。だけど、彼は私のことを猫だと思っていたんです。でも私は狐で、猫じゃないからダメで……あ。
「僕はね、種越さん。あなたが、例え人でなくたっていいんです。僕が好きになったのは、これまでずっと一緒に過ごしてきた、あなたそのものなんですから」
「で、ですが……私は」
「僕は猫が好きです。そしてあなたのこと、もしかしたら猫かもしれないって勝手に思ってもいました。……でも、猫じゃなかったから嫌いになるなんて、あるわけないでしょう?」
ああ……そうか。思えば、私が人でないと告げられても、彼はほとんど動じませんでした。猫が狐がと考えるあまり頭の片隅追いやられていましたが、そもそもの心配事は、まったくの杞憂だったのです。
彼は私のことを、初めから受け入れてくれていたのです。勝手な想像で彼の気持ちを決めつけて勝手に焦っていたのは、私でした。申し訳なさと、彼の言葉の温かさに、再び視界が曇ってきました。
「種越さんの口からも、聞かせてください。……あなたは僕のこと、どう思っているんです?」
「す、好きです! 大好きですよ!」
ここぞと意気込んで言うと、彼は優しく微笑んでくれました。私も両腕を彼の背中に回し、体を預ける様に力いっぱい抱きつきます。胸に顔を押し付けて、すー、と深呼吸してみたりもします。
恋の成就。幸せでした。生まれて初めて感じる、他人から存在を認められる喜び。こんな私でも、誰かに必要とされている。私の心に温かな充足の光が、優しく灯ったような気がしました。
「……ところで種越さん、変化の術って、出来るんですか?」
そして速攻でその輝きは一時停止。私はぴくりと固まって、ぎちぎちと彼を見上げました。……な、なるほど、だから狐でもいいと。今狐でも、いずれ猫ならばなにも問題はないと。そ、そういうことですか?
「す、すみませんが、無理です。そういう細やかな術は、確か今は誰も使えないはずで……」
「そうですか……いえ、いいんです。僕は種越さんのこと、好きですから」
嬉しいです。好きと言われるのは、何度言われてもいい気分です。でも、何故今再び言うのでしょう。彼の笑顔に無言の圧力があるような気がして、私の頬をたらりと汗が滑り落ちていきました。
狐でも、好きですから。狐でも。それは妥協のお言葉。元々彼は、私を猫だと思っていたのです。期待を裏切ったのは私、背かれたのは彼。な、ならば……譲歩するべきなのは、私ではないのでしょうか。
「……わ、私、狐ですけど! 精一杯、猫になる努力をしますから! にゃあん!」
私は両手をお団子に握り、彼の腕の中でもがいて、顔の前に構えて猫なで声。彼が、とてもいい笑顔になりました。……私だって、されたいのです。猫可愛がり、されたいのです。
全ては彼に愛されるために。小さなプライドなど、その辺に投げ打てばよいのです。彼に迎合した私は妖狐であることをまるっと放棄し、一人の猫として、彼と一生を歩む決意をしたのでありました。
「だから太一さん、私のこと、これからもずっと愛してほしいにゃん!」
彼に膝枕をされ、顎下を擽られてにゃんにゃん喘ぐ私を、先程の野良猫が林の中から私たちを見ていました。そして猫は、私を心底憐れむような目で一瞥すると、そのまま何も言わず、奥へと消えていったのでした……。
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:26:46.57 ID:02ftWvct0
お疲れ様でした。一応転載の確認をお願いします。
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◆ytqbKw3zqk氏
◆M0e2269Ahs氏
479 :
青いバナナ(お題:犬) 1/5 ◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:28:34.03 ID:zWALNYky0
「おい、バカ犬」
「……なんだアホ猿」
天地逆さまになった視界の中で、伏せの状態になって眠そうにしているバカ犬がダルそうに応えた。なぜ天地逆さまにな
っているかというと、オイラ自身が天地逆さまになっているからだ。
「お前の顔って、よく見ると間抜け面だな」
「……お前には負ける」
心底嫌そうに顔をしかめながらバカ犬はそう吐き捨てた。
「いやいや、本当に。まるで形の悪い大根のような顔だ」
オイラのこのセリフに、バカ犬はギロリと鋭くこちらを睨みつけた。しかしグルルと唸ってこちらを威嚇することもなけ
れば、牙を剥き出しにすることもない。ただ睨みつけてくるだけ。そして終いにはフンと鼻を鳴らしてそっぽを向いてしま
った。
なんだ、つまらん。
バカ犬をからかって暇をつぶそうと思ったのに、向こうはまるで乗ってくる気が無いようだ。当てが外れてしまったので、
ぶらぶらと逆さまにぶら下がっている木を、体で揺らして遊ぶことにした。ワサワサと細長い葉が擦れて鳴る。なんだか楽
しくなってきたので、もっと大きく鳴らしてみることにした。次第にガサガサと喧しくなってきた。
「……うるさいぞ、アホ猿」
顔をしかめて不服そうにバカ犬が言った。しかし、そんなことにも構わずオイラは大きく体を揺すって木を軋ませる。
「それはご主人様が大切に育てている観葉植物だ。お前の遊び道具じゃない。悪戯も大概にしろ」
伏せていた体をのっそりと起き上がらせて、バカ犬はオイラを止めようと近づいてくる。
「猿が木に登って何が悪いってんだ。木偶の坊は黙ってろ」
「黙っていられるか。以前だってどこからか勝手にご主人様の饅頭を盗み出して、手酷く怒られたばかりじゃないか。悪戯
をしてご主人様を困らせているのを黙って見過ごせるか」
「……確かにあのときはこっぴどく叱られたけど。でも食い物を堂々と置いておく主人にも非がある。猿は食い物があれば、
迷わず食うもんだ」
「……ったく。猿ってのは食い意地ばかり張って、品が無いから困る」
「なにをーっ!」
バカ犬の悪態を聞くや否や、オイラは木から身を投じて犬の頭上に飛びかかった。しかしバカ犬は生意気にもオイラのタ
ックルを横に跳んでかわした。それを見たオイラは着地と同時に体をねじってバカ犬の方へ追撃をしようと跳躍しようとし
た――が、バカ犬の前脚に体を押さえつけられ、オイラは仰向けに倒れて身動きが取れなくなってしまった。
「くっそ、このウドの大木め! 無駄に図体ばかりでかくなりやがって。昔はオイラの方が強かったのに!」
480 :
青いバナナ(お題:犬) 2/5 ◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:29:33.67 ID:zWALNYky0
じたばたを暴れてみても、体重を乗せたバカ犬の足の重圧から逃れることはできなかった。それがすごく悔しくてギャー
ギャー騒ぎ立てる。
するとガチャリとドアが開かれる音がした。奇声をあげるのを止め、そちらの方を見てみるとご主人が顔をのぞかせてい
た。
ご主人はむすっとした顔をしながらオイラ達を叱るように一言二言何か言い、その後可笑しそうにくすっと笑った。バカ
犬に組敷かれるオイラの様子が面白かったのだろうか。
不意にご主人がはっと何か閃いたような顔をした。そして部屋の奥へと言ったん姿を消したが、すぐに戻ってきた。両手
にペット用の食器を持ち、食器には餌が盛られていた。
オイラ達が騒いでいる理由が、腹が減って気が立っているからだとでも思ったのか。
それはまあ、勘違いであるけど、餌を持ってきてくれたのはすごくうれしい。実際、腹が減っているのも事実だった。
ご主人が食器を床に置くと同時にオイラはバカ犬の足の下から素早く抜け出して餌に飛びついた。がつがつと食器まで食
べんばかりの勢いでむさぼっていると、ご主人が満足そうに微笑んだ。オイラもハッピーでご主人もハッピー、やっぱり食
事は皆を幸せにする。
バカ犬はというとムカつくくらい呆れ顔でこちらを見据えていた。そして自分も食器に顔を突っ込んでもそもそと餌を小
鳥がついばむように食べ始めた。はっ、オイラとは違って食い意地張ってないとでも言いたいのか、そんなにお上品に食べ
てくれちゃって。
ご主人はそんなバカ犬にも満面の笑みを浮かべていた。それを見て、ふとバカ犬の尻尾に目を向けてみる。あっ、……こ
いつすっげー尻尾振ってる。クールに気取っておきながら、その実お前も結構食い意地張ってるじゃないか。それに気付い
て、クククと含み笑いが自然と漏れる。
オイラ達が餌を食べて大人しくなったからだろうか、ご主人は満足そうに笑みを浮かべつつどこかに行ってしまった。
「……おいバカ犬。ご主人の前ではカッコつけたいのか知らんが、ずいぶんと尻尾がご機嫌だぞ」
「なっ!」
オイラが顔をニヤつかせながら言ってやると、バカ犬はあわてて陽気に踊る尻尾を抑えようとした。それでもやはり好機
嫌を隠し切れず、小さく揺れていた。持ち主とは違って、尻尾はずいぶんと素直で可愛らしいじゃねえか。
「それにしてもよぉ、お前は本当にご主人のことが好きなんだな」
そんなに嬉しそうな尻尾を見ていると、しみじみそう思う。さすがに餌だけでここまではしゃがないだろう、無論尻尾が。
「当たり前だろ。捨てられた俺を拾ってくれたのだから、……とても感謝している」
このバカ犬、確か三年くらい前だったかと思うが、ご主人がどこからか拾って帰ってきた。その時のこいつは泥にまみれ
て汚れていて、雑種だから毛並みも良くないこともあってひどくみすぼらしかった覚えがある。すぐにご主人に洗ってもら
って泥は落ちたが、それでもさほど見栄えが良くなったわけではなかった。それなのにご主人ったら何を思ったが、ほらお
予約
482 :
青いバナナ(お題:犬) 3/5 ◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:30:28.18 ID:zWALNYky0
友達だよ、とでも言いたげに俺とこのバカ犬を一緒にさせようとした。
ちなみにオイラはこいつがこの家に来る丁度一年くらい前からここにいた。だからここに住む先輩としてとりあえずオイ
ラへの礼儀を教え込んでやろうと思った。その頃のこいつは今のように大きな図体をしておらず、オイラにすら負けるほど
の矮躯であったから、すぐにオイラに屈服すると思った。しかしこのバカ犬は根性が凄まじくねじ曲がっていた。これだか
ら捨て犬はヒネてていけねえ。
「あの日は雨がひどく降っていた。よく覚えている。段ボールの中で震える俺を――」
「あー、お前の思い出話なんかに興味ねえ。勝手に語り出すな、バカ犬」
バカ犬がしみじみと思い出話に浸ろうとするのを防ぐ。オイラ、そういう湿っぽい話嫌いだし。
バカ犬はむすっと不機嫌そうに黙る。
「……お前は、ご主人様のことが好きじゃないのか?」
「んあ? いや、オイラだってご主人のことは好きだぞ。当たり前じゃねえか」
だって美味い物食べさせてくれるもん。
……いや、それだけじゃないけどね。ご主人が楽しそうに笑っているとオイラも楽しくなるし。オイラが悪戯しても、叱
りはすれ決して乱暴はしないし。
まあ、悪戯っ子な坊の遊び相手をやらされるのはあまり好きじゃないけどね。ちなみに坊っていうのは、ご主人の子供。
「……ご主人様は、本来メスのご主人を守るべきオスがいないにもかかわらず、いつも凛々しく頑張っている。とても尊敬
に値するお方だ」
「昔はいたんだけどな、つがいのオス」
「ほう、俺は会ったことから知らんな。興味がある。どんな方だったんだ?」
「お前に似て、いけ好かない奴だよ」
「……」
バカ犬は再びぶすーっと渋い顔をして黙りこくってしまった。
このバカ犬が来る少し前だったと思うが、この家には確かにご主人の旦那であるオスがいた。オイラがご主人に初めて会
った時も、その旦那が一緒だったのを覚えている。オイラが檻の中でキーキー騒いでいると、ご主人と旦那がオイラを見て
楽しそうにしていた。そしてその日、オイラはこの家に初めて来ることになった訳だが。
まあ、気が付いたらどっか行っちゃってたんだけどね。
「……」
すっかり空になった自分の食器を見下ろす。そして隣に視線を移すとバカ犬の食器の中は、ぼそぼそ食べていたせいか、
まだ大分餌が残っていた。
「いただきっ!!」
483 :
青いバナナ(お題:犬) 4/5 ◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:31:41.29 ID:zWALNYky0
バカ犬の隙をついて隣の食器に顔を突っ込む。バカ犬がワンテンポ遅れて怒鳴る。
「それは俺のだ! 食うな!」
「やだよー。図体が俺よりでかいからってこんなに餌がもらえるなんてずるいぞ。どうせ頭使ってないんだから、そこまで
栄養いらねえだろ?」
「ふざけるなっ!!」
再びオイラ達が騒ぎ立てていると、再びドアが開かれた。先ほどより少し荒っぽい。ご主人が再臨なさった。
こうしてオイラ達はそろってご主人のお叱りを受けることになった。
夕暮れ時になった。空はみかん色に染まり、オイラの口内に涎が満ち、甘い果物がなんとなく食べたくなってきたその時。
坊がガチャッと喧しくドアを開け放った。坊は基本的に毎日朝早くからどこかに出かけているのだが、すでに帰ってきて
いたようだ。
手には散歩用の綱が握られている。もう散歩の時間になったようだ。
ちなみに散歩に行くのはバカ犬だけ。オイラは面倒くさいので散歩には行かない。家の中で十分動き回っているので、散
歩に行かなくても運動不足にならない。
バカ犬が駆け寄ってきた坊の手をぺろぺろと舐める。傍目から見ると愛嬌のあるように見える。本当にご主人と坊の前で
は可愛げのあるもんだ。オイラだけとの時とはえらい違いだ。
坊が綱をバカ犬の首輪に繋ぐ。ドアの入口ではご主人が坊とバカ犬のことを待っている。坊はバカ犬を引き連れご主人の
方へと笑顔で駆けていく。そして二人と一匹が連れ添って家から出ていった。オイラはそれを目の端で見送り、特にやるこ
ともないので少し眠ることにした。
――目が覚めた。
ぼーっとした頭を左右にふらふらさせながら周囲を見回す。バカ犬がいない。まだ散歩から帰ってきていないのだろうか。
いつまでやっているんだよ、と心の中で悪態をついた。
早く帰ってこないかなぁ。あんな奴でもけっこうからかい甲斐はあるから暇をつぶすのには便利だ。何となく手持無沙汰
でドアをカリカリと引っ掻く。すると急にドアが開かれた。
ドアから出てきたのは坊だった。遅れてご主人も出てきた。
坊はオイラの顔を呆然としながら見てきた。いつもは活発そうな瞳はドロンと濁っていて、瞼は腫れぼったかった。ご主
人の方を見ていると、ご主人も坊とそう変わらない表情を浮かべていた。
なんでこんなひどい顔をしているんだ?
すると坊が唐突にえっくえっくと声を漏らし始めた。次第に声は大きくなり、目からはぽろぽろと大粒の滴が溢れ、しき
484 :
青いバナナ(お題:犬) 5/5 ◆eeBRZzl9kY :2009/09/20(日) 23:32:34.68 ID:zWALNYky0
りにしゃくりあげる。そしてオイラを抱き寄せて、ワーワーと大声を上げた。
なんだなんだ、何が起きてるんだ? あまりの出来事に頭が混乱する。
その後しばらく、オイラは坊に抱かれたまま、坊の雄叫びのような声を聞いていた。雄叫びと言ってもその声から勇まし
さは欠片も感じなかった。むしろその声は、坊が坊自身を責めているようにも感じた。
……状況はよく分からないけど、今はされるがままされよう。坊がそうしたいならオイラは構わない。オイラが他の奴に
気を使うなんて珍しいな、なんて自嘲気味に笑いたくなったが今は止めておこう。オイラは坊の叫びに耳を傾け、そして夜
は更けていった。
それから数日経った。
どういう訳か、バカ犬の姿が、あの日散歩に行った時から見えない。いじられキャラなあいつがいないとどうにも一日が
単調に感じる。退屈だ。坊もあの日から全く元気がないし、ご主人もよく日中にどこかへ出かけるようになった。今日もご
飯にバナナを一本渡され、オイラは家に一匹取り残された。
なんだろう、オイラの知らない所で何かが起きてる。だけど何が起きてるのか分からない。なんだか、ひどく気持ちの悪
い気分だった。前にもこんな気分を味わったことがあったような気がする。何の時だっただろうか。……ああ、旦那がいな
くなった時だ。
そういえばあの時も旦那がある日突然家の中で見なくなって、ご主人がよく外出するようになった。あのときとまったく
同じだ。あの時もオイラは何が起きてるのか分からず、こんなふうに家で腐っていた。
……そうか、バカ犬。お前、どっか行っちゃったのか。
参ったな。オイラ、こういう時どうしたらいいか分かんないや。湿っぽいのは嫌いだというのに。どうしよう。
しばらく考えた後、オイラはふとあることを思い出して部屋を飛び出し、リビングに入った。周囲をぐるりと見回すと目
的の物はすぐに見つかった。それを手にして元いた部屋に戻った。
オイラは手にした物を床に置いた。それは、あのバカ犬の食器。その中にご主人から貰っていたバナナを一本丸ごと放っ
た。一本まるまるはさすがに大きすぎたのか、入りきらなかったが、まあどうでもいいや。
以前ご主人が旦那の絵が描かれた板の前に饅頭を置いていた時があった。まあ、その饅頭はオイラが食べちゃったけどさ。
とりあえず、よく分からないけど、誰かがどっか行っちゃった場合は、こうして食べ物を置けばいいんだろ。生憎俺は絵心
なんてないからバカ犬の絵なんて書けないけど、まあ食べ物だけでいいだろ。
……まったくよぉ、いけ好かない所は旦那と似ているって言ったけどさ、何もこんなところまで似なくてもいいだろうに。
本当に腹の立つ奴だ。
オイラが食べ物を他の奴にやるなんてこと、まずあり得ないんだから感謝しろよ。特にバナナなんて、猿の大好物なのは
常識だろ。……まあいいけどさ。どうせ今食べたって、渋い味しかしないだろうし。
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:33:06.23 ID:02ftWvct0
お疲れ様でした。一応転載の確認(ry
では◆ytqbKw3zqk氏どうぞ。
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◆M0e2269Ahs氏
◆EqtePewCZE氏
<打ち止め!>
家には異臭が漂っていた。中には、猫と一人の老婆がいる。
若い頃の老婆は、今程醜くなく、むしろ美人の部類だった。しかし性格に難がある。男に貢がせて財布が空になるとゴミ屑のように捨て
る。父親が病院の院長をしているためけして貧乏な訳ではない。男が堕落していく様を楽しんでいるのだ。こんな性格だから友達と言える知
り合いは一人もいなかったが、特に不自由に思ったりしない。
そんな遊びをしている間に彼女も歳をとった。父も死に母も死んだ。皮膚はただれ、乳房も垂れ落ち、若い頃の美貌は見る影もない。唯一
の魅力が失せた彼女には誰も近寄らなくなり、一人家で酒を浴びる日々が続いた。彼女は結婚もせず、きまった定職をもたず、両親の遺産を
食い潰すだけの生活をしていた。
ふと散歩する事があった。まだ、自分には男を惹きつける魅力があると錯覚していたのだ。垂れ下がった乳房と頬。ぼてっとした段腹に、
落ち窪んだ目。彼女を口説こうとする男は誰もいない。話しかけてくる人にまともな者はなかった。保険のセールス関係に詐欺まがいの投資
の勧誘ばかり。ビラ配りのアルバイトだって彼女には近寄りたくはないだろう。もし好き好んで話しかけるものがあったら余程の好事家であ
る。
見る目がない人間ばかりね。それとも私の美貌のせいで遠慮してるのかしら。彼女は見当はずれの考えをし、通りを歩いていた。
その日彼女は、男から宗教の勧誘を受けた。最初は、食事をしようと誘われた。しかし次第に宗教の話になっていく。言葉巧みに誘惑し気
付けば宗教団体の集まりに来ていた。人と接点がなくなっていた彼女は宗教にのめり込んでいく。宗教という独自のコミュニティに孤独な人
間は、陥りやすいのかもしれない。コミュニティに所属しているだけで、人との繋がりができる。同じ思想を持った者達の集まり、その中で
は会話も行われる。久々のまともな会話に彼女は、新鮮さを感じていた。それは、洗脳なのかもしれない。だけどそんな事は関係ないという
ばかりに彼女は熱狂的な信者となった。
熱心に宗教の勧誘をするものだから近所の人達は極端に彼女を避けるようになっていた。挨拶さえする者はなく、彼女の顔を見たら逃げ出
す者さえでるようになった。
せっかく人が、親切心で教えてやってるのに。彼女はいつもイライラしていた。感覚が一般人とはかけ離れているのだ。
いつものように宗教の集まりに出掛ける。集会が終わると彼女の知人が「猫を飼わないか」と相談してきた。どうやら飼い猫が子供を産ん
だため里親を探しているらしい。一瞬躊躇したが彼女は、二つ返事で猫を貰う事を承諾した。唯一、人と接する事ができる場所。嫌われてこ
の場所にいずらくなることは絶対に避けたいと思った。以前の彼女なら男を貶して楽しむ事しか考えなかっただろう。動物の世話なんていう
面倒くさい事は、絶対にやりたくない事だった。
彼女は二匹の子猫を家で育てる事にした。灰色の猫だ。ロシアンブルーという種類で毛はさほど長くない。慣れない世話に最初は手間取っ
ていたが時間が立つにつれ楽しむようになっていた。猫は勝手に、家の中を歩き回るしご飯の時間になれば彼女の元に寄ってくる。さほど手
はかからない。
彼女の楽しみは、猫の世話だ。気まぐれな猫達だが、膝の上で丸くなる猫はとても愛らしく、彼女のイライラは紛れていった。
あんなに熱心になっていた宗教も段々行かなくなるようになった。それよりも猫と一緒に戯れているほうが気分が安らぐ。そうしているう
ちに彼女は宗教を辞めた。生きがいは猫だけになった。
猫を執拗に愛するようになり、その数は段々と増えていく。最初、二匹だったのが五匹、十匹、二十匹となった。ロシアンブルー、アメリ
カンショートヘア、マンチカン、スコティッシュフォールド、ボンベイ、シャルトリューから雑種まで猫の博物館が開けそうな勢いだ。
近所からは苦情がきた。正しくは、近隣の苦情を聴いた役所の職員が注意しにきたのだ。猫が庭に糞尿をするため、悪臭があちらこちらに
漂よい、それに耐えられなくなった住人が通報したのだろう。
しかし、民間単位で悪臭を規制する法律はないため彼女は何らそれに応じる必要性はなかった。その事を知ってか知らでか彼女は無視をし
続けた。自分を避けている住人に逆恨みするかのように彼女は一切改善しようとはしなかった。
「ざまあみろ。私の言う事を無視するからだ」彼女は、安楽椅子に座りながら虚空を見た。家の中に下卑た笑いが響き渡っている。猫は彼
女の方を一瞬見たが、再び元の行動にもどった。
それから十数年の時が流れた。周りの住民はほとんどその場を去り、引っ越していった。猫は数匹死に、数を減らした。そして彼女は病を
患った。病院の診断によると心不全らしい。週に何度か通院している。
彼女はもう若くはない。猫に食事を出すのも大変な作業だ。一匹、二匹ならまだいいが、彼女の家には十匹以上の猫がいる。
「おまえは、かわいいね。おまえだけが私の生きがいだよ」膝の上で丸くなっているロシアンブルーが彼女と重なって見えた。
彼女が死んだのは蒸し暑い夏の深夜だった。蝉の泣き声がしんしんと聞こえている。猫達は彼女に気付く素振りもなく部屋の片隅で寝てい
た。
ベッドの上の老婆は、白目を向き口から泡を吹いている。全てが終わりを告げた。
残った猫たちは食事ができないので痩せ細っていく。飼い猫は食事を得る方法を知らない。一匹がキャットフードの入っている袋を掻き破
ると周りの猫がそれを争うように競って食べた。
餌が尽き、猫たちにも限界が近づく。食事を出してくれなくなったロボットは猫たちに喰われた。ロボットを貪り終えると猫たちは共喰い
をはじめた。
そして残った一匹が見つかった。血で染まった毛は黒ずみ、他の生き物に見える。
ベッドの上には人間の骨だけが残っていた。
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:35:23.61 ID:02ftWvct0
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では◆M0e2269Ahs氏どうぞ。
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◆EqtePewCZE氏
<打ち止め!>
申し訳ないんですが、予約取り消させてください。
間に合わなかった……。ほんとうに、ご迷惑かけてごめなさい。
490 :
桃源郷ショートノーティス (お題:犬) 1/1 ◆M0e2269Ahs :2009/09/20(日) 23:36:26.84 ID:esbx//9p0
かぶれているらしい彼の手紙、その題材が『犬』だったので、僕は少し驚いた。
彼はいろんなことを知っているのに、この手紙が誰に運ばれているのか、まだ知らないのだ。
嬉しいような、悲しいようなと、僕はこういう生き方について少し考える。けど、足は進めた。
右に左に上に下に、地中の迷路を進む。僕の匂いを辿ればいいので、迷うことはもうない。
月明かりが差し込む部屋がいくつかあって、そこはおそらくアナグマが掘った穴ではないのだ
ろうけど、僕はそこのひとつで彼の手紙を読んだ。プライドが高いコリーは、僕のことを『犬』だ
と言って笑ったけど、僕は色んな世界を知れている今を、好きだなぁと思っている。
『犬を飼うということは、犬の幸せを決める権利を持つということ。自分自身の幸せでさえ、うま
く決められないのに、人間よりもずっと短いうちに死んでしまう犬だから毅然と、その幸せは決め
なければいけないのだけれど、僕はきっと、豚肉を欲しがっていたらあげてしまうし、毎日も遊ん
であげられないだろうと思う。言葉が通じない相手の幸せを、君はどうやって決めているの?』
彼はきっと、頭がいい人ではないのだと思う。何でも小難しく考えて、それでいつも悩んでいる
から、だから彼は『かぶれた人』なんて言われてしまうのだ。ただ、今回の彼の質問。それは、
僕にとっても刺激的なものだった。
でこぼこの勾配を滑り降りるようにして走ったら、後は出口まで一直線。そのまま走り抜ける。
開放感を体いっぱいに感じながら、夜の森林の音に紛れて走る。いつもと同じところを走って
いる。なのに、心がざわついた。彼の言葉が過ぎるのだ。確かに僕は、支配されている側の生
き物なのだ。僕にも僕なりの自我があって、僕が思う幸せもある。だけども、それとは別に、僕
には幸せが与えられている。それは覗いていいことなのだろうか。考えると、心がざわついた。
見えてきた館の一番右の窓。明かりが灯っている。何も考えないようにして、僕は窓の下まで
走り寄る。呼吸を整えて、「わん!」と叫んだ。しばらくしてレースが揺れ、僕のお嬢さんが顔を
出す。いつもよりも、嬉しそうな顔をしていた。どうしてだろう。その答えは、すぐに聞けた。
「おかえりバジャー。聴いて! 戦争が終わったのよ!」
戦争が、終わった? 身を乗り出して、お嬢さんが腕を伸ばしてきたので、僕は包まれた。
体中についた土を払いながら、お嬢さんは言う。
「もう、あなたを危ない目に遭わせなくてもいいの!」
ああ。
汚れたままの僕に顔を埋めるお嬢さんの体温を感じながら、僕は何故だか、かぶれた彼と
話してみたいと思った。一体彼は何をもってして幸せだと思うだろう。いつか、会えるだろうか。
尻尾を振った。
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:37:57.03 ID:02ftWvct0
>>489 了解しました。
現在、週末品評会181stの投票受付中です。今回の品評会お題は『犬/猫』でした。
投稿された作品は■まとめ
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1253288790/l50 -週末品評会181st- にてご覧頂けます。
投票期間は2009/09/22(火)24:00:00までとなっております。
感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)
******************【投票用紙】******************
【投票】:<タイトル>◆XXXXXXXXXX氏
【関心】:<気になった作品のタイトル>◆YYYYYYYYYY氏
<気になった作品のタイトル>◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************
― 感 想 ―
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書いている途中の方は是非。
なお、進行は前回の機動編集氏のものを丸コピペして改変させていただいたことをここに告白します。
みなさんお疲れ様でした。
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:39:32.48 ID:esbx//9p0
おつおつでしたー
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:39:34.11 ID:02ftWvct0
― 第百八十一回 週末品評会一覧 ―
No.01 見上げる空には (お題:猫) 0/3 ◆C8rbp8eahM氏
No.02 ニャース工場 (お題:猫) 0/1 ◆XUJnAVCyr2氏
No.03 自由の価値 (お題:犬) 0/5 ◆7cy2QI8jBM氏
No.04 ドッグフード (お題:猫) 0/5 ◆/ks5Y92PHE氏
No.05 おじいちゃん (お題:猫) 0/5 ◆fSBTW8KS4E氏
No.06 バカ犬キュウ公 (お題:犬) 0/5 ◆7cy2QI8jBM氏
No.07 トム (お題:猫) 0/5 ◆zH52hPBzFs氏
No.08 縁側で。 (お題:猫) 0/4 ◆RURI/.bcvc氏
No.09 カレントデジタル (お題:犬) 0/1 ◆pxtUOeh2oI氏
No.10 品評会用作品 (お題:犬) 0/5 ◆xJowo/pURw氏
No.11 猫のいる日常 (お題:猫) 0/5 ◆rmqyubQICI民
No.12 愛犬家と私 (お題:犬) 0/5 ◆IFmeJ5U99w氏
No.13 記憶の中の死体は生きている犬に似ている (お題:犬) 0/3 ◆/sLDCv4rTY氏
No.14 空猫ばしり (お題:猫) 0/5 ◆DSM7XB0fYQIy氏
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 0/5 ◆h97CRfGlsw氏
No.16 青いバナナ (お題:犬) 0/5 ◆eeBRZzl9kY氏
No.17 ロボット (お題:猫) 0/2 ◆ytqbKw3zqk氏
No.18 桃源郷ショートノーティス (お題:犬) 0/1◆M0e2269Ahs氏
うあーなんかどっと疲れた。
みんなお疲れさん。
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:40:08.75 ID:gv1dyMci0
18作かー すげぇな
連休だからかね
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:45:32.25 ID:e+TOCfksO
乙
なんか今回力作多そうだな。どうせ連休も暇だしねちっこい全館書いてこよう
おダイ暮れ
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:02:35.22 ID:dTTDyxz10
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:07:18.62 ID:CDetCLd30
みんな乙でした
特に運営代行さま、ありがとう、ありがとう。ともだち。
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:18:26.84 ID:jRYKm1s/O
ほ
時間外で品評会作品投下するのに、期限というものはありますか?
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:22:48.60 ID:CDetCLd30
基本的には無いと思うけど、水曜以降に投下するんだったら通常作扱いのほうが
感想はつく気がします。
品評会のお題はいつでも通常作はOKという仕組みです
504 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:26:37.65 ID:0J+jDqov0
なんだかとてもいらいらしてる全感を投下します。
結構な量なのでさるをよろしく。
ありがとうございます
安心しました
水曜までには書きあがってそうです
間に合わそうと思って、燃え尽きちまったよ…
506 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:27:21.14 ID:0J+jDqov0
No.01 見上げる空には (お題:猫) 1/3 ◇C8rbp8eahM
動物を殺す話は嫌。
物自体は悪くはない、とは思う。
>「人間の歴史について、よ〜
こんな言い訳っぽくするのなら、前半の余計な部分をばっさりいくか、
前が一つ目の命じゃなくて、昔の人の飼い猫だったとかにすればいいんじゃないとか思った。
>その子猫はあいつじゃない。あいつの代わりはどこにもいない。
だと思うので、こういう作りの話は好きじゃない。とりあえず、最後はきれいに終わらせましたみたいな。
No.02 ニャース工場 (お題:猫) 1/1 ◇XUJnAVCyr2
ぐるぐるする構造はまあおもしろいけど、あとが適当過ぎるのでは?
駆除ニャースは誰が買うの? 元の奴を捨てるような人が、わざわざ買うわけはない、と思う。
国とか自治体? 別にまわるようにしなくても、駆除し終わったら戻ってくるようにすればいいだけだし。
それをさらに捨てる必要があるの?
そもそもニャースを食料としか見ないのだったら青の奴とかは別に外にいても問題ないんじゃない。
食事を取られることもないんだし。
あと別にマングーサーとかお題:猫じゃなくてもどうでもいいような話だと思った。
No.03 自由の価値(お題:犬) 1/5 ◇7cy2QI8jBM
よかったけど、別に人間の友達とかじゃなくてもいいと思うけどな。
ジル先生のお言葉は、個人的に嫌い。
人間の友達や人間の下で働く道もある、とかだったら好きだったと思う。
その上でペットであることを受け入れるようになるとかで。
人間本位の考え方で、ちょっと気になった。
文章はわざとかはわからないが、ちょっと変というか大げさに感じるところがあった。
鼻を突くアンモニア臭、とか。
死で物語を動かすのは安直だと感じるので個人的に好きじゃない。
全体的によかったとは思うけど。
507 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:28:02.15 ID:0J+jDqov0
No.04 ドッグフード(お題:猫) 1/5 ◇/ks5Y92PHE
何が書きたいのかよくわからなかった。そのわからなさ俺が楽しめる種類ではなかったようだ。
文章が落ち着き過ぎていると思う。最初、猫が主人公なのかと思って、次におっさんが主人公なのかと
思ったら、若い? 女が主人公だった。
サンドバッグの商品名に「砂」はってあるけど、サンドは砂じゃないの? と思った。
書き方をわかりやすくしたほうがいいかも。わかりにくくするような場面ではない、と思うし。
あと文章の飛び? が変に感じた。ロレンスから現代に戻ったとことか、いきなりセリフが入ったとことか。
電話のセリフは前を一行空けるか、電話したことを地の文で書いてからセリフにすればよかったかも。
あと最終レスで視点がいきなり移ったようにも見えるがなんだろう。意図がなければやめたほうがいいと思う。
全体を通しての何か裏があったかもしれないが、俺は読み取れなかったし、楽しめなかった。
No.05 おじいちゃん(お題・猫)1/5 ◇fSBTW8KS4E
ね、こ……?
お題をとっても気持ちよく無視したような作品に見えたが、おもしろいことはおもしろく、笑えた。
ただ不思議なことを不思議なままで終わらせるのはちょっとずるいというか、気に掛かる。
壁抜け人間しかいない世界で密室殺人で盛り上がったみたいな? 違うか。
キャラクターの設定みたいな感じは好きなので、普通の何の変哲もない現代でやってたらよかったけど、
それだとおもしろさを出すのが難しいのだろうか。
おじいちゃんの巧妙な罠で、「輝けサンシャイン」を言わされて、さらにハッピーエンドとかだったら最高なのに。
今は流れで言ってるだけなので、「うんこくさい」でも「学級文庫」でも構わないというのが残念。勢いだけというか。
No.06 バカ犬キュウ公(お題:犬) 1/5 ◇7cy2QI8jBM
地の文が幼いように感じて、最初、小学生を書いてるのか、と思ってしまった。
話とはあまり関係がないが、何度も起こってるけど直らないバカ犬みたいに書かれたとこが何度かあったけど、
まともに躾をしているように文章から感じられなかった。甘やかしすぎみたいな。食事催促で出しちゃうとことか。
この犬はとてもかわいいのだけど、話が何もなかったように感じた。
ちょっと数ヶ月戻ってこれないぐらいの友人に見送りに行くのってやりすぎじゃね、とも思った。
現実がどうかはわからないが、普通の現代を舞台にしているのに全体的に自分の中でこの話からリアリティが感じられなかった。
犬がかわいい、ってだけだと物足りない。
508 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:28:49.54 ID:0J+jDqov0
No.07 トム(お題:猫) 1/5 ◇zH52hPBzFs
ネコとかネズミとか繰り返してるけど、合っているようには思えない。
設定が雑だと思う。地球が六年で隣が二年? これだと隣で発生したブラックホールに
地球が飲み込まれるのも数年後じゃないか? 連絡ってのが何かはわからないが。
ブラックホールって飲み込んだ分だけでかくなるような気もするし。
それにそれを大人だけが知ってるというのはどうだろう? そんなこともわからない子供たちで地球に行けるのか?
あとドーナツを分けるという優しい子供なのに、実力行使にでるのもどうかなと思った。
「全員行動を美徳としている」の全員は子供だけなのか。なんか子供をバカにしてる話のように感じられた。
トムとジェリーの反対(あんまり覚えてないけど)としてネコ側がということなのかもしれないけど、ちょっとやだ。
それにそれは命名についてなだけで反対にだって簡単にできちゃうわけだし。
自分の根が子供なので大人の思い通りみたいな話は好きじゃない。自己犠牲も陶酔が強すぎると微妙に感じる。
最終レスの説明っぽいのをもっとシンプルにすれば、そういう感じは減ったかも。
子供側も大人の思っていることはお見通し、さらに計画が、みたいな、もう一度、というかどんでん返しみたいなのがあればよかったかな。
視点者の思い通りだと駄目なのか。ミステリで最初から最後まで探偵視点だから、驚くとこがなかったよ、みたいな。
あとなぜかわからないが、目がすべるような感じがした。個人的に文章の合う合わないというだけかもしれないが。
No.08 縁側で。(お題:猫)1/4 ◇RURI/.bcvc
セリフが合わなかった。なんでわざわざ変にするんだろう。効果が見込めるのならいいけど、
普通にしたほうがいいと思う。そういうキャラ付けを上手く動かすのはかなり難しいと思うから。
まあ、挑戦しなきゃ上手くもならないからやるのは悪くないと思うけど、今回は失敗かなと感じる。
静かなのを書きたいのか、明るいのを書きたいのか、テキトーに流した感じ。
主題とかあるのだろうか、別になくてもいいと思うが、あったほうが楽だ、とは思う。
シロクロを死なしてる必要はなかったかな。別に庭で遊んでるとかケンカしてるとかでいいだろうと。
No.09 カレントデジタル (お題:犬) 1/1 ◇pxtUOeh2oI
自分の。なんか余計なこと書いて、主題が埋もれちゃった感じ。
別にお題:犬じゃなくても書けるけど、犬じゃなければできなかったかな、と自分では思う。
こんなに皆が死について書くのなら、こうしなければよかった、と反省してる。
509 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:29:32.33 ID:0J+jDqov0
No.10 品評会用作品 (お題:犬) 1/5 ◇xJowo/pURw
犬が死ぬだけの話。こういうのは好きじゃない。
動物を物語中で殺せば悲しくはなるが、それは別に作者の実力でも物語の力でもない、と思う。
<ここで感動しなさい>と直書きしてあるのと一緒。
話の筋は別として気になった点だけど、「〜〜な」みたいな独り言っぽいセリフが多すぎて心なしか寒く感じる。
犬に話しても応答がない、と考えるキャラなら、心の声をメインにして、セリフを減らせば良いし、
犬に話すことが変じゃない、と考えるキャラなら、普通に人間に話すみたいな応答を期待した形のセリフにしたほうがいいと思った。
地の文に余計な言葉が多いように感じた。しんみりとした話を書くのなら、もっと削ぎ落としたほうがはえると思う。
あとタイトルは考えたほうがいいと思うよ。品評会だから読んだけど、通常作だと読まれる確率が減る気がする。俺、個人としては無題はほぼ読まない。
>時速80kmで車が脇を通り抜けていくたび
どこの高速だよ!
No.11 猫のいる日常 (お題:猫) 1/5 ◇rmqyubQICI
No.10につけた感想の上三行の「犬」を「猫」に変換した気持ち。
特におもしろいというところはなかった。普通にミイコとの暮らしでも書けばいいのに、
弱い動物を弱らせて、悲しいねという雰囲気を作るのはつまらない。
現実として新しい動物を飼うというのはいい、と思うけど、それを物語として最後に書くのは綺麗ごとで下品。
普通に普通の猫のいる日常を読みたかった。これのどこが日常なのかわからない。出会いと別れだけの日常なのか?
猫を飼ってもそれしか楽しいことはないということなのか。
No.12 愛犬家と私 (お題・犬) 1/5 ◇IFmeJ5U99w
1レス目まで読んだ。動物を殺す話は嫌い。
そして、詰まりすぎで読みにくい。両方相まって、読むのやめた。
もっと、段落を早めに切ったほうがいいと思う。文章も読みやすいタイプじゃないし。
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:29:48.45 ID:wTW2oe5N0
またpxかww
511 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:30:35.98 ID:0J+jDqov0
No.13 記憶の中の死体は生きている犬に似ている 1/3 ◇/sLDCv4rTY
読みにくかったけど、一応、最後まで読んだ。よくわからなかった。
>犬は、僕を存在として扱うからいやだ。
猫だって同じだと思うが。こちらから近づけば逃げるとか。
あと文章がごちゃごちゃしすぎてるように思う。
まあ、オチがあれだし、文章に何か言うのもおかしいことのなのかもしれない。
ただトリを覚えていなければ途中でリタイアするような感じだったとは言っておく。
そういうのでもいいと思っているのなら構わないが、思ってないなら工夫したほうがいいかも。
結局、よくわからなかったってことと、おもしろくはなかったってことだけがある。
No.14 空猫ばしり (お題:猫) 1/5 ◇DSM7XB0fYQIy
横に長い。5レスという範囲が与えられたのだから、そこで読みやすいフォーマットにすべきだと、個人的に思う。
安くするために、今まで4百ページだったものをぎゅうぎゅうづめにして百ページにまとめました、とか読みたくないでしょ?
というわけで1レス目を流し読みするだけにとどめた。
まあ、他に読んでくれる人がいるでしょう。参加者多いし。
その分だけの感想としては、なんかキャラがステレオタイプすぎるような感じ。運動嫌いとか書くにしてももっと独自の表現が欲しいかも。
後半読んでないからちゃんとしたことはいえないが。
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 1/5 ◇h97CRfGlsw
N0.14に書いた感想と同じ。別の人から感想を貰ってください。
1レス目を流し読みしただけの感じだと、No.14の人の文章よりはおもしろうそうかなという感じはした。
ちょっとシカトとか合ってないようなとこも感じられたけど。
No.16 青いバナナ(お題:犬)1/5 ◆eeBRZzl9kY
尻尾は正直よのう、みたいなとこがおもしろかった。
前半は大好き。後半は糞。
せっかく良い感じに進んでて、今回の投票はこれだな、とまで思ったとこだったから、反動が大きい。
こんなくだらない品のない展開になって残念だ。
お題の犬だけでなく猿を出してきたとことかホントに良いと思ってたのにマジ残念。
512 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:31:17.90 ID:0J+jDqov0
No.17 ロボット (お題:猫) 1/2 ◇ytqbKw3zqk
>皮膚はただれ、
これはきつく書きすぎのように思う。年取っただけで、ただれはないだろう。
>それとも私の美貌のせいで遠慮してるのかしら。
昔は、自分が美人だとわかっていたのなら、今が醜いってことぐらいわからないだろうか?
もとからおかしいのなら、ともかく。
一番、最初に猫と老婆いると書いてあったのに、途中で猫を貰う話が入るのは変だと思う。
無駄に空行が沢山、入っているせいで区切りがわからないし、やるのなら一行目のあとにだけ空行を入れるとか、
一行目は書かないとかしたほうがよかったかも。
去勢せず数匹を飼ってたら十ぴきとかではすまないと思う。あと子猫も生まれてはすぐ死んで、家の中に死骸とかも転がるだろう。
そういうところを見た老婆を書かないのテキトーだなだと思った。
最後だけど餌がなくなったら、勝手に外に出てくでしょう。老婆が死んで汚くなった部屋ならネズミもゴキブリもでて餌には困らない気もする。
ただ残酷なことを書きたいだけなのか、全体的にテキトー風に見えて、とても幼稚に感じた。
最後の数行でロボットという単語が出てきたが、出さないでタイトルだけにしたほうがいいと思う。
もしくは最初からロボットで通すか。おもしろいと思うところがなかった。
せめて暗い残酷な話で興奮するようなものとか、理解できない気持ちの悪さとかがあればよかったけど、
そういうのがなく、そういうのの上辺の言葉だけをバランス悪く集めた感じなので微妙。
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:31:52.14 ID:wTW2oe5N0
さるー
514 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:32:17.92 ID:0J+jDqov0
No.18 桃源郷ショートノーティス (お題:犬) 1/1◇M0e2269Ahs
よくわからない。感覚的なもので感じる話だろうか?
それっぽいと思うことにして、こちらも、いつもより感覚的な感想を書くが、「戦争」という言葉が微妙。
一行目の犬が題材の手紙というとこの「題材」は変。品評会としては、「題材」と使うけど、
手紙で「題材」ってないと思う。毎回、違った題材の手紙を送ってくるとかいう設定で、今回が犬だったというのなら
ありかもしれないが。
「毅然」前後の文章がおかしい。ここに「毅然」が入るのは合ってない。
戦時中のお手紙配達犬の話ってことでいいんだろうか? 全体的にわざとなのか知らないが文章が変だと感じた。
もっとシンプルにすればいいと個人的には思う。
総評:みんなが犬や猫が嫌いなのだということがわかった。殺しすぎ。死なせすぎ。
今回書いてた人と同じ人がとは言わないが、ケータイ小説(笑)とか書く人が多いこのスレで、
ケータイ小説みたいな安易な死の話を書くのはどうなんだろうか。
まあ、あれはあれで人気なのだから見習う点があるのかもしれないが。
安易に命を奪って無理矢理感動させるような話が大嫌いで、犬猫が好きなので、今回は全体的につまらなく、低レベルに感じた。
ペットが死んで悲しいです、なんて話を書いただんごの人たちは、いったい何を書きたかったのだろうか、と思う。
今回、読まなきゃ良かった。もっと普通の犬や猫と暮らす日常を読みたい。どうせ殺すのなら登場人物の人間の方を殺せばいいのに。
参加した人が増えてるのは良かったと思うけど。何か今回、凄いキレてるな……
515 :
投票 ◆pxtUOeh2oI :2009/09/21(月) 00:33:01.01 ID:0J+jDqov0
******************【投票用紙】******************
【投票】:ない
【関心】:No.05 おじいちゃん(お題・猫)1/5 ◇fSBTW8KS4E氏
――感想――
もっと練って、お題をちゃんと絡ませて、決めのセリフに必然性とかがあれば投票だったかも。
**********************************************
次点で3、16、どちらも死を入れる必要なんかなかった。次いで6、なんか足りなかった。
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:33:41.12 ID:wTW2oe5N0
全館おつー
そんなにしんでんのかっ
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:33:50.33 ID:0J+jDqov0
以上です。
>>510 影響されやすい人間なんで、他の人の感想を読む前に、
自分の分を終わらせちゃいたいんです><
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:34:15.83 ID:U7hUwtOUO
パー速池
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:37:13.48 ID:4wYPgesP0
毎度オチに不評のある俺
やっぱり俺に感動的な死を演出することは不可能のようだ
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:38:44.53 ID:vIRBOpCP0
>>519 5レスで感動的な死を演出するのは無理だと思うんだな。
むしろ、理不尽な死とかの方がやりやすい希ガス。
全館おつー
>>511ちょ、ま、待ておま一レス目までは単なる入りで……
まぁいいや、読ませる力がないって事だな。頑張ろう
なんてことだ時間外で出す前に全館が出てしまった!
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:02:26.56 ID:0J+jDqov0
いまさら、さるった
>>521 今回、俺が、1レス目で切ったのは、読ませる力と言うより、
見た目の問題が大きい、と思う。
横になげーとか、詰まり過ぎて次の行がわからねーとか。
作品の質も大事だけど、ネット上で見せるものだから、
中身以外の見やすさ、読みやすさとかも気にした方がいいかもしれない。
まあ、全部、俺の個人的な感覚だから、あまり感想を真剣に参考にされても困るのだけどw
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:02:31.50 ID:jRYKm1s/O
>>522大丈夫、今このスレは時間外作品がでれば感想書きまくる人達でいっぱいだと思う、たぶん
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:21:24.82 ID:4wYPgesP0
お題頂戴
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:21:57.61 ID:vIRBOpCP0
鍋
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:23:48.54 ID:4wYPgesP0
お題ください
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:34:39.61 ID:vIRBOpCP0
バズーカ
題もってこいや
>>523ちなみにNo.14書いた椰子です。いやさ、ちょっとごねた理由はせっかくジブリっぽいしょーもないの書いたからさ。
もし灯台守書いたジブリ大好きのpxの酉の人ならどんな酷評、及びお前は分かってない的な指摘してもらえるかなって期待してワクテカしててさ。
はいはい単にごねただけさ。読みやすさか、気を付けます。はぁー、もっと頑張らんとな
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:06:44.30 ID:vIRBOpCP0
h
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:24:18.45 ID:0J+jDqov0
>>531 がんばって、読んだよ
さっき1レスでリタイアしたときも、確かにジブリっぽさは感じてた
猫の恩返しっぽいなていう。ただそれはまったく褒め言葉にならないでしょう。
最後も猫の恩返しのバロンの言葉をダメにした感じに見えるし。
>「〜〜我の叫びは鋭いぞ」
このへんとか、全体的にセリフが変に感じた。もっと自然な感じにした方がいいと思う。
人の子とかの繰り返しも、やめたほうがいいかなと、個人的に思う。
そんな感じで世界観は作り物っぽさが強すぎて入り込めなかった。
雲の上への移動シーンなんかはいいかもしれない。
運動が苦手なのに小一時間文句なく歩けるのはどうだろう。一時間って結構長いよ?
>「……だめだよ。だってこれも僕だもの。絶対に持って帰る」
こういうちょっとしたひねくれみたいなのは好き。
プリズムについてとか、ロゼッタストーンとか、あまりテキトーに使うより、
自分で物を作っちゃうほうがいいんじゃないか。プリズムは鉱石じゃないし、光の屈折はどんなものでもあると思うし。
これが正しいかは保証できないが、変な世界を作るのなら、
普通でない価値観を入れるといいかもしれない。俺はそうすることが多い。
名前って何ですか? とかみたいな。そういうのを書くのが楽しいからだけど。
あまり人間基準にしないほうがいいかと。それは上で言ったプリズムとかのことも含めて。
とりあえず、気楽に死を扱ってないのは良い。ただやっぱり頑張るとことかストーリーまで
ステレオタイプ的で既存のものを写して劣化させて書いただけに見える。
それと酷評を待つって変じゃね。感想なんて読んだ人がどう感じてるかを見るためだけのもので、
厳しい言葉かどうかとか関係ないような。
あと俺はジブリより、押井守の方が好きなんです><
今日、猫の恩返しのDVDを買おうか迷って止めたぐらいだし。
はい、書いたよ。
あとさっきいらいらしてて、書かなかったけど、
参加者とか運営してくれた人とか、感想書く予定の人とかお疲れ様です。
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:46:05.66 ID:0J+jDqov0
結局、全部読んだ。
あと全感まとめてきます。
No.12 愛犬家と私 (お題・犬) 1/5 ◇IFmeJ5U99w
人食い系を読むのは苦手。動物を殺す話は嫌い。
そして、詰まりすぎで読みにくい。両方相まって、一度は読むのやめた。
もっと、段落を早めに切ったほうがいいと思う。文章も読みやすいタイプじゃないし。
もっとセリフを使うとか。使ってないのは最後のを際立たせるためかもしれないが。
同じ苦しみをってことでこれなのかもしれないが、事故直後に冷静なのはなんか変かなと思う。
もしかしたら男が天蓋孤独かもしれないし、妻を愛していないかもしれない。
作者だからわかる情報が、老人に伝わりすぎているような。
最後の一文は嫌いじゃない。
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 1/5 ◇h97CRfGlsw
横に長いのはやめたほうがいいと思う。読まれる率が減るし、読んでも話を楽しみにくいから。
話は、結構、おもしろかった。好みのタイプ。
たびたびふいに入るネットのつっこみみたいなのはいらなかったかも。
そういう変な言葉より、このキャラクターの言葉で行ったほうが好きだった。
たまに人称が変に感じることがあった。「彼」を使うのはいいけど、
思っている気持ちっぽいところでは「あなた」を使ってもいいかなという場所がいくつか。
1レス目最後のキツネ告白はちゃんとセリフにしたほうがいいと思う。
心の声で、そのあと彼のセリフでちょっと戸惑った。
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:47:01.37 ID:jRYKm1s/O
>>534うはwwごねとくキタコレwwイヤスww
的確な批評ありがとう!やっぱロゼッタストーンとかプリズムだめかー。天候はちょっと勉強したんだけど、その他はまだ手出さなきゃよかった。
コピーして今後の参考にしまっす!知識ある人の意見はためになるのう
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:59:57.70 ID:0J+jDqov0
自己まとめ終了
ロゼッタストーンってロゼッタ町で見つかったからロゼッタストーンらしいって
さっきググったらでてきたからな
おニューのパソコンで書くようのお題をください
きっとその小説は超絶パワーアップしてるはずだから
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 03:07:43.84 ID:1d2MS64T0
>>537 しんがり
全巻の先駆け取られた……っ!
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 03:15:54.83 ID:0J+jDqov0
はあく
昨日から書いてたからな!
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 04:18:06.00 ID:WV1vPdoE0
hohohoho
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 05:47:14.66 ID:jtuhUGma0
ほ
542 :
◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 05:56:35.86 ID:Cc1jbav40
時間外で投下しますよ
お題は『犬』です。5レスです。
543 :
ディナイアルSの女 (1/5) ◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 05:58:51.88 ID:Cc1jbav40
あたしのことを何にも知らないくせ、そんなふうに冷たくしないでよ。
膝元で丸くなっている猫を左手で撫でつけながら、右手に持った煙草を口に持ってくる。ピースライトのフィル
ターには真っ赤な口紅がうつって、不快な模様を残していた。
煙草を変えることにした。缶からショートピースを取り出し、口付けをするように先端をついばみ、火をつける。
黒のスリップ一枚では、肌寒かった。ミュートしたテレビが流すのは、くだらなくて低俗な番組である。ぼう
っと眺めながら、ショートピースの甘みと一緒に息を吐く。紫煙を部屋に撒き散らしては、猫を撫でた。
ベッドの上の膨らんだブランケットを見やり、何の感慨もなく視線をテレビに戻す。
灯りのない部屋でぼうっとしていると、時が経つことさえわからなくなる。あたしは何がしたいのか? 指が焼
けそうになるまで減った煙草を灰皿に押し付けると、猫が逃げた。
洗面所でうがいをする。よくもまあ、あのねとついた口のままで煙草が吸えたものだ。飲み込んだせいか、胃ま
でむかついてきた。
「ひどい顔だ。」鏡に映るあたしの姿は、少なくとも溌剌とはしていない。櫛で乱れた髪の毛を梳かして、化粧を
直す。しばらく自分の顔を見つめて、手を洗った。
リビングは暗い。点滅するテレビの光を頼りに脱ぎ散らかした服を着なおした。小さなハンドバッグにはポーチ
が二つと、財布と携帯電話くらいしか入らない。
テレビを切る。
ほうっておけば、どうせ勝手に帰っていくはずだ。猫たちを置き去りにして、あたしは家を出た。
夜中にできることといえば、酒を飲むことくらいだ。あたしはアパートを出た先、歓楽街の入り口付近にあるバー
に入った。いつもはその隣にある別のお店に入るのだが、今日はそういう気分にはなれない。大して変わったこと
が起きたわけでもないのに、あまり機嫌がよくない。なんとなく、知らないところで知らない人と話がしてみたか
った。ケレド、見知らぬ人の前にきてみると面倒になってしまうだろう。
店の名はナウジア、今のあたしにぴったりではないか。
お店に入ると、二つだけあいていたカウンターの左側についた。
バーテンから、あたたかなおしぼりが渡される。彼はとても身軽そうな若者だった。学生のアルバイトか何かだ
ろう。
何か古臭い音楽がかかっている。古臭い、というのは間違いだ。流れを汲んでいると言うべきかもしれない。
さっさと手を拭って、あたしはおしぼりを返した。灰皿を取って、ポーチの中から煙草を取り出す。オイルライ
ターでなんとなく火をつける。
試すような気持ちで、「サイドカー。」と言った。
バーテンは頷くと、下に隠してある冷蔵庫からなにやら取り出し始めた。大きな氷の塊をピックで叩いた。果物
544 :
ディナイアルSの女 (2/5) ◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 05:59:33.49 ID:Cc1jbav40
ナイフでオレンジを切る。
彼はシェイカーを下げて、見えないところで振った。顔のこわばり方から察するに、猛然と振っているつもりな
のだろう。何も考えてなさそうな女に話しかけられて、笑って返した。
店のインテリアは面白い。壁の高いところにシェルフが作ってあって、レッドブルの透明なプレートや、バドワ
イザーやカールスバーグなんかの酒の瓶、それから目つきの悪い猫の置物、色んなものが飾られている。
目の前にコースターが置かれて、あたしは灰皿をずらした。
冷えたグラスにサイドカーが注がれる。
バーテンが下がり、カウンターの端にいる女の前に立ってグラスを拭き始めた。
あたしはサイドカーを一口舐めた。期待はしていなかったが、美味い。だけど、わざわざ褒めてやったりはしな
い。もともとそういった性分ではないのだ。
店はわりと賑わっているが、これといって話し相手になりそうな人もいなかった。あたしは黙々とサイドカーを
舐めては煙草を吸い続けた。入れなくてもいいのに果汁が入っている。チャージは五百円で、メニューの代わりに
CDアルバムのリストがある。
テーブル席の男女が店を出た後に、新たな客がやってきた。煙を吹きかけてやりたくなるような男だ。いや、男
の子だ。
彼はあたしの隣に腰掛けると、足元にショルダーバッグを置いた。
「ビール。」とおしぼりで手を拭いながら彼が言う。それを脇に置いて、灰皿を取る。
「どっか行ってきたの?」
バーテンは気さくに話しかけた。栓を抜いたバドワイザーとグラスに注いで、瓶の残りと一緒に差し出す。
「高速道路をいろいろ走ってみたんです。お高い旅だったよ。しかも運転がつまらないことこの上ない。渋滞しな
いかな、なんて願ったのは生まれて初めて。」
「馬鹿な旅もしたもんだね。どうせならどこかで降りて何か美味い物食えばよかったじゃないか。」
「いろんなものを食ったよ。フランクフルトとかそういった類のもの。――そういえば、僕、明日入っていましたっけ?」
「ちょっとまって。」バーテンは店の奥に消えて、すぐに戻ってきた。「しばらく入ってないね。次は二十六日。」
「そっか、そっか。」男の子がビールを飲んだ。
耳を傾けていたあたしは、煙草を灰皿に押し付けた。「ナッツください。」
バーテンが返事をして、ミックスナッツを出してくれる。もう冷たくはないけれど、サイドカーは少し残っていた。
右隣に座っている男の子は、上着のポケットから煙草のソフトケースを取り出して、上下に振って器用に一本だ
け出すと口にくわえた。
真っ黒なガスライターを出して、火を付けようとする。
545 :
ディナイアルSの女 (3/5) ◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 06:00:05.02 ID:Cc1jbav40
「ん?」ライターはかちかちと音を立てるだけだった。
彼は一旦ライターを置き、上着を脱いで椅子にかけると、マフラーをバッグに詰めた。
それから、ガスのレベルを調節してみたりして、何度も何度も繰り返している。
あたしはそれを見ながら、笑みを噛み殺して、煙草をくわえた。愛用している安っぽいオイルライターのフタを
ゆっくりとあけて、ドラムを押した。先端を火に近づけて空気を吸う。人差し指でフタを閉めて、箱の上に置いた。
左肱を突いて頬を乗せると、ゆっくり息を吐いた。どうも、にやついてしまう。
男の子は「あっ」と声をあげ、意地になって火をつけようとする。悲しそうな顔をしてバーテンを見るが、彼は
女の子との話に夢中になって気付いていない。
「その、火かしてくれません?」
ほらきた。別にライターを貸さなくってもいいのだ。あたしが、緩んだ顔で彼を眺めていると、
「あなた、見知らぬ意地悪さんですね? 時々いるんです。例えば、僕が働いている時に、私のためにカクテルを
作ってくださいみたいな無茶な注文をする人とか。僕じゃなくて、そういうことは店長に頼んでくれって話です。
――いいですよ、僕はお喋りな平和主義者だから、力ずくで奪ったりはしないのです。」
ああ、と嘆きそうになる。こいつは面倒なタイプの男だ。あたしは素っ気無く頷く。係わり合いになりたくない、
という意志を込めて、ライターを差し出した。
「冗談。フィルターがよだれで濡れる前に使いなよ。」
「ありがとう。」と言って、男の子は笑みを見せた。
ライターを受け取り、ピースライトの箱の上に置いた。
「ジッポとかそういうんじゃないんですね。これいくらかな。もしかして、そういうところにこだわらない人でしょ?
大雑把には取り繕うけど、小物まではあまりこだわらないタイプ。でも中に入ってるオイルはたぶんジッポのやつだな。」
あたしは煙を吐き、頷いた。
「やっぱりね。でも、失望したりとか、そういう必要はないんですよ。どちらかというと、僕もそのタイプで、何
をするのにも大雑把な目的はあるけれど、基本的にはノープラン。さっき聞いてました? 高速道路めぐりをした
んですけど、あれは本当にやめとけばよかったな。高速道路で迷っちゃうとちょっと取り返しがつかないことにな
るんですよね。一日長く退屈しちゃった。」
「あんた、ここで働いているの?」と言ってから後悔する。一方的にまくし立てられることに、意地を張ってしま
ったのだ。
「あ、ライターありがとうって言いましたっけ? ――そうですよ。学生に見える? フリーターに見える?」
「学生。」
そう言うと、彼は嬉しそうに笑った。
546 :
ディナイアルSの女 (4/5) ◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 06:00:53.81 ID:Cc1jbav40
「残念、学校には通っていません。一時間半もじっとしているなんて、ちょっと僕には無理な話なんです。五十分くら
いならいいんだけれど、それはもう高校でオワリなんですよね。ところで、ここは初めてなんですか?」
「いつもは隣の店で飲んでる。そっちの方が、数歩だけ家に近いから。」
「やっぱりねえ。あなたって、顔にそういう人間だって書いてあるよ。腐った根性って言うのかな、そういうヒド
い言葉で表したくは無いんだけれど、ちょっとでも更正させてやりたいって僕の気持ち、伝わるでしょ?」
うざい、という一言で終わらせることもできる。しかし、ちょっとだけ楽しんでいるような気もする。もともと、
知らない人と喋りたくてこの店に入ったのではなかったか?
しばらく、彼の話に耳を傾けて、数本の煙草を吸った。
新しくもう一本に火を付けたとき、彼はあたしから煙草を奪い取ると、口にくわえた。ゆっくり吸って、ゆっく
り吐き、そして笑みを向けてくる。
「だめだよ。煙草を吸いすぎちゃあ。いくらか吸う分にはいいのだけれど、さっきから何も飲まず食わずに煙草ば
かりじゃないか。ちょっとはお店の売り上げに貢献してくださいよ。灰皿洗うのだって、結構めんどくさい。僕の
時給は特にかかっていないけど、クビにされちゃう可能性はある。この前なんか、お客さんに飲まされて潰れちゃ
ったんだよ。――ほら、ピスタチオ剥いたから食べて。」
「あんた、馴れ馴れしいんだね。」あたしは彼の手からピスタチオを食べた。それから煙草を奪い返す。彼はさ
りげなくあたしのナッツを食べた。今回は、見逃してやる。
「よく言われます。それで、余計にお節介だとも、お喋りだとも、意外にちゃらんぽらんだとも。しょうがない事
なんだけどね。だって、僕は今、あなたの格好に文句を言いたくて仕方が無いんです。言っていいですか?」
「いいよ。」あたしは笑った。
「よくそんな薄ら寒そうな格好で出歩けますよね。明日は雪が降るんじゃないかって、ラジオでは言っていましたよ。
風邪ひいたらどうするんですか。僕はこうやってあったかいトレンチコートとマフラーでぬくぬくしているからいい
ものの、今日、あなたが何時までこの店にいるのか知りませんけど、閉店は五時ですよ。一番寒い時間帯に外へ出な
くちゃいけないなんて、ちょっと心配だな。」
「二軒目、三軒目とはしごするからいいの。上手くやればお日さまに当たれるし。ワンルームだから、帰りたくないのよ。
ま、理由はそれだけじゃないけれどね。」目を瞑って煙草をふかす。「いや、それだけか。」
「ひっどい生活ですね。僕の言えたことじゃないけどね。もっといい所に住めばいいじゃないか。」
「稼ぎはあるけど、狭いところで、一人で暮らしたい。正確には猫と二人暮し。」
「うわあ。ちゃんと掃除してる? ねえ、部屋とか絶対に片付けないでしょう。そういう人って、ちょっと見てら
れないんだよね。歯磨きはしなくちゃだめですよ。寝る前に何か食べたりしてません? 翌朝のことが心配なら、
そういうことはやめておくべき、」
547 :
ディナイアルSの女 (5/5) ◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 06:03:01.33 ID:Cc1jbav40
「あのね、あたしはあんたよりは年上よ。酒飲んでも大丈夫、坊や?」
男の子は笑った。「もう二十三だし、完全に合法です。そんなに強くはないけどね。あなたは?」
「いくつに見える?」
「十六。」
「バカにしてるの?」
「おかしいな、普通の人はたぶん喜ぶと思うのだけれど。リアルなことを言えば、二六くらいだと思います。」
「大正解。どうしてわかったの?」
「これくらいがいいなあって、僕の願望ですよ。だって、本当に十六とかだったら、日本の将来を心配しちゃう。」
「視野が狭いのね。」とあたしは言った。「本当は二四よ。あんたとあんまり変わらない。ちょっと意外。」
閉店時間を少しすぎるまで、あたしちはずっと喋っていた。というよりも、彼が殆ど喋っていたのだ。その間に、
あたしはサイドカーばかり三杯飲んで、煙草を一箱強吸っていた。『おいしかったのでもう一杯ください。』こん
なことを言ったのは初めてだ。
あたしたちが店を出たのは、客の中では一番最後だった。地下への階段の前に立って、吹いてくる冷たい
風に身を強張らせる。
「今日はもう帰ることにするわ。きっと、あいつはもういなくなっているだろうし。」
「ふうん。」と彼は言った。「きみの部屋、本当に汚いんだろうね。ちょっと、僕が行って掃除してやりたい気分だ。
ああ、なんて寒そうな格好!」
「近いから構わない。」
「馬鹿だねえ。」
そういいつつ、彼は上着を脱いであたしの肩にかけた。
「ちょっと、いらないって。」
「僕はちょっと強引だよ。」彼はにやりとしてマフラーを解き、あたしの首に巻いてくれる。「さて、明日もオフ
みたいだから、地獄のお掃除タイム、頑張りましょうか!」
「どうしてそうなるのよ。明日仕事だってば。」
「どうせ、夜だったりするんでしょ。時間はたっぷり!」と言って、彼は笑う。「ところで、家どっちなの?」
「あっち。」と言って指をさす。
あたしは首に巻いたマフラーを引っ張られながら歩いた。
こういうのも悪くないかもしれないな、と密かに思った。
548 :
◆QIrxf/4SJM :2009/09/21(月) 06:04:23.26 ID:Cc1jbav40
いじょーです!
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 06:09:10.96 ID:Cc1jbav40
寝る前保守いれときっ
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 06:28:45.38 ID:KYoPYPPm0
猫……?
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 07:26:09.99 ID:JdbI6nDPO
保守しつつ感想に感謝
草生やした文章書いた人です
半年ROM待ちきれず書いたのが仇となりました
次回真面目に書きます
すみませんでした
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:20:49.04 ID:XDn4tkhM0
へくち
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:54:45.98 ID:RfkwZWNm0
あ〜、ぐすぐす
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 09:09:06.26 ID:wTW2oe5N0
なんとなく思うけど、半年もROMってたら書きにくくなる気もするなー
書き始めて半年以内って人のくおりてーは気合入ってて好きだ
お題ください
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 09:24:37.67 ID:vIRBOpCP0
天秤
留年決まった後の学生生活
堕落、失墜、復活
お題をお願いします
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 09:45:18.25 ID:RfkwZWNm0
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 09:51:49.63 ID:sqUDsEqYO
>>509>>535 感想ありがとう
人食い系の話しだし、詰屈した読み辛さで嫌な感じを狙ってみたんだけど
脳内映像的には白黒キネマな雰囲気を出したかったんだけども、筆力が全く足りないね
嫌な感じどころか読み難さだけで終わっちゃったかな
以降精進しまっさ
このスレは俺みたいな糞野郎でも書いていいの?
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:15:06.45 ID:4+D72+cMO
文才がある人が書いたらスレタイ読めって言われるよ!
>>1を熟読したら怖れず参加だ!
勿論半年ROMる必要なんて全くないよ!
おk
>>1は読んできた
トリは強制じゃないんだな?
ならもしもしが恥晒してやんよ
誰かお題をお願いします
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:33:20.54 ID:OSEGx0Ps0
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:33:47.61 ID:Qwg4J8g30
天国
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:37:08.41 ID:Q9GbQFrcO
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:57:59.58 ID:73sZqumG0
なら、三十分前にこのスレに一目ぼれした俺も書いていいんだな?
お題をください。
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:00:01.04 ID:Fi/x+Ty20
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:00:43.37 ID:gS0KNA9W0
セプテンバーバレンタイン
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:08:40.34 ID:73sZqumG0
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:48:38.59 ID:gS0KNA9W0
ho
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:03:41.45 ID:J/xUf7MK0
お題下さい
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:09:56.02 ID:J/xUf7MK0
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:31:33.46 ID:RfkwZWNm0
ほおっしゅ
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:41:52.35 ID:4+D72+cMO
ひーらーりー
くーるーりー
581 :
投票:2009/09/21(月) 12:54:06.86 ID:TQLAhlEU0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.02 ニャース工場 (お題:猫) ◆XUJnAVCyr2氏
【関心】:該当なし
**********************************************
【総評】
我慢せず最後まで読めて、作者の言いたいことがそれなりに伝わってきた話がものすご
く少ない。全部で18作もあるのに。なんということだ。
どうでもいいことがだらだら書いてある水増しピンボケ作品もあれば、たった一レスな
のにまったく意味のわからない作品もあった。
まともに読めて何かしら感じることのあった作品はNo.2の一作だけ。
みんなそれほど犬猫好きじゃないんだろうか。
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:22:15.82 ID:WV1vPdoE0
ho
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:51:08.17 ID:WV1vPdoE0
お題ほしいな
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:54:49.72 ID:gS0KNA9W0
キーパー
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:55:15.28 ID:WV1vPdoE0
あいよ
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 14:23:41.85 ID:4+D72+cMO
ひらりくるり
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 14:55:58.48 ID:gS0KNA9W0
ほ
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 15:31:47.45 ID:4+D72+cMO
ひらり
くるり
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 16:09:24.24 ID:gS0KNA9W0
ほ
お題をくださいな
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 16:31:30.20 ID:WV1vPdoE0
キーパー書けねえOTL
再お題おねがい
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 16:34:49.51 ID:WV1vPdoE0
墓にアロマテラピーだと!?
把握
>>594 彼岸花
ダメだ、留学がどうしても書けん。
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 16:47:50.70 ID:gS0KNA9W0
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.01 見上げる空には (お題:猫) 1/3 ◇C8rbp8eahM
話は面白かったがかなり無理やりな箇所が。
あとジャムの人、ずっとジャムおじさんかと思ってた。夏目漱石ね。
No.03 自由の価値(お題:犬) 5/5 ◇7cy2QI8jBM
ありきたりながら、わりとツボ。
**********************************************
【まとめ】:全体的に作品の質があと一歩足りてない
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:11:07.86 ID:rU/fm4NmO
週末忙しくて品評会参加できなかったー、平日に書いていれば………
お題くれ
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:21:09.27 ID:JdbI6nDPO
オダイヲクダサイ
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:24:37.28 ID:JdbI6nDPO
炎了解
ありがとう
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:41:26.74 ID:rU/fm4NmO
毒wwww
初のバトルものに挑戦してみようかな了解
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:13:42.19 ID:4+D72+cMO
お題
ください
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:14:02.25 ID:eiXO7irr0
文才ねぇな
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:16:13.61 ID:4+D72+cMO
把握
ありがとう
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:29:13.28 ID:G64i9vv8O
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:29:56.96 ID:G64i9vv8O
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:51:17.53 ID:qjejjGIJ0
あげ
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:15:52.22 ID:mOoMqFDgO
は
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:15:53.33 ID:cXhXRDseO
ほ
お題下せぇ
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:36:36.52 ID:PIj/IhwQO
お題ちょうらい
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:43:01.68 ID:4wYPgesP0
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:19:51.17 ID:mjwSh4tm0
おだいくださいませ
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:21:38.01 ID:19vcQs340
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:31:07.26 ID:BxDuI5f1O
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:33:39.11 ID:PIj/IhwQO
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:50:23.30 ID:cXhXRDseO
ほし
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:08:28.22 ID:cXhXRDseO
ほす
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:33:18.57 ID:qjejjGIJ0
ほ
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:34:31.87 ID:t3ldrn2fP
そんなことよりおなかがすいたよ
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:42:25.99 ID:JN6hTK0S0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.06 バカ犬キュウ公(お題:犬) 3/5 ◇7cy2QI8jBM
【関心】:No.02 ニャース工場 (お題:猫) ◆XUJnAVCyr2氏
**********************************************
【総評】
自戒も込めて言わせてもらうと、死に過ぎ死なせ過ぎ。単体ならともかく、連続で読んでいくと「またか」とうんざりしてしまう。
安易な発想に流れないで、構想の時点で一度立ち止まって推敲する冷静さがあっても良いんじゃなかろうか。
それを除外しても、読みにくい話が多かったように思う。
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:09:52.68 ID:qjejjGIJ0
ほ
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:31:07.54 ID:qjejjGIJ0
ほ
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:50:32.69 ID:rJKywIq/0
ほ
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:04:21.30 ID:5U/3rDp8O
切ない感じのお題下さい
ビターチョコレート
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:06:28.78 ID:sYGzWe7x0
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:08:34.00 ID:0J+jDqov0
上でもらったお題でいいのが思いつかないので、
新しいのください
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:09:40.50 ID:5U/3rDp8O
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:11:13.08 ID:0J+jDqov0
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:15:00.07 ID:JN6hTK0S0
なんかお題くだせいあー
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:17:52.65 ID:t3ldrn2fP
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:19:43.72 ID:19vcQs340
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:20:26.62 ID:+xJ/0ogn0
ネコで書いてみようかな
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:21:51.82 ID:3iRxdp3Z0
女々しい猿女の友情
というお題で諦めたのであたらしいのください
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:22:50.17 ID:19vcQs340
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:23:00.10 ID:JN6hTK0S0
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:25:07.09 ID:3iRxdp3Z0
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:31:53.34 ID:4wYPgesP0
俺も新しくお題もらい直すことにしよう
くーださい
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:33:00.78 ID:3iRxdp3Z0
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:33:36.77 ID:4wYPgesP0
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:49:15.03 ID:IemsdVSU0
そーいやー、結構前にもらったお題を書かずに、新たなお題を求めるのっていいの?
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:52:57.42 ID:UEOYD0I9O
オリジナルって初めてなんで、できるだけ具体的っぽいお題下さい
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:54:02.62 ID:Cc1jbav40
みぞれ
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:57:14.01 ID:O2MeyJbo0
>>651 書けないようだったら全く遠慮することなく新たなお題をもらっちゃっていいと思うよ
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:59:19.93 ID:UEOYD0I9O
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:01:27.42 ID:o4IMklai0
これって絶対お題をもらわないとだめなん?
そうみたいだよ
それか自演する(ry
書いてみたくなったのでお題お願いします。
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:06:08.24 ID:1naCd7Y5O
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:06:16.02 ID:o4IMklai0
うあ・・・もう結構なところまで書いたのに・・・
>>658 雲
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:08:03.49 ID:o4IMklai0
まあ、とりあえずこれ書いてからお題もらうか・・・
>>659-661
はあく。
これって全部使わないといけないんですか?
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:17:55.74 ID:Fn+CXzKH0
>>660 多分予想だけどそれを晒してたら言われたであろうこと
・三点リーダーは「……」だよ
・? や! の後は一字空け
・行頭の字下げ
そんな指摘貰ってもなぁって思うだけなんで
>>1のwiki読んででフォーマットはあわせた方がいいと思う。
その方が有意義な感想もらえる確率あがると思う。
お題は適当に貰って、むりやりでっち上げれば……って自分が
出来ない事を他人に求めちゃいかんね。
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:21:31.66 ID:JmcTUH6Q0
話を書くにあたって、お題以外にも筆者が伝えたい「テーマ」みたいなものってあるじゃない?
それって、どの段階で織り込めばいいんだろうか。
アイディア出す時なのか、構想中か、プロット作成時か、本文執筆中か、それ以外か。
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:34:01.16 ID:Fn+CXzKH0
>>667 そんなものはないのでわからない。
ごめん
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:36:58.89 ID:1naCd7Y5O
>>677 自分は雰囲気で読ませたいと思っているから、あえていうなら執筆中かな
>>667 テーマか、全て一貫して「ヒロインを魅力的に映したい」だからなぁ、まず前提にテーマがあるな
正直テーマとか考えてないです
お題を消化するだけで手一杯
>>667 自分は構想中に自然と出てくるかなあ
思いついたときが織り込むタイミングなんじゃないか
お題頂戴
なんでこんな自分が書くお話は破綻していて面白くなくて文章が下手なんだって泣きそう
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:53:48.09 ID:Y1Bz8ahFO
才媛
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:55:40.98 ID:UfQHkS6e0
深窓の令嬢
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:57:15.22 ID:JmcTUH6Q0
お題くれ
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:01:16.33 ID:bY38wT/q0
お題ください
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:01:50.23 ID:avidn8lN0
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:07:51.41 ID:JmcTUH6Q0
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:08:44.15 ID:bY38wT/q0
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:37:25.57 ID:XLCqc52h0
お題krkr
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:37:38.60 ID:Y1Bz8ahFO
あげ
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:50:28.48 ID:bY38wT/q0
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:54:03.61 ID:HdavbW9L0
ひさびさにお題ください
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:55:38.54 ID:XLCqc52h0
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:56:13.52 ID:HdavbW9L0
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:37:18.10 ID:Y1Bz8ahFO
あげる
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:39:24.38 ID:Y/dtRmea0
おだいちょうらい
りんご
みんなは書けなくなったらどうやって書けるようになる?
もう半年も何も完成させられていなくて、
もうスランプじゃなくて自分はもともと書けない人だったのではないかと思い始めてる
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:48:11.59 ID:UfQHkS6e0
>>691 見切り発車で無理やり何かを書いてみる。途中でオチを思いついたらそのまま仕上げる。
何も浮かばなかったら新しいのを書き始める。
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:51:19.90 ID:+5cSSK+X0
>>691 いまがまさにスランプ絶好調の俺参上
役にたたんかもしれんが自分がやってること書く
・本を読む、しかも今まで読んでなかった種類のもの
・そのへんをチャリで走る
・プロットのマニュアルを作る(現在製作中)
・人の作品を読んで感想書く、それで自分だったらこうするって考える
・とりあえず昔貰ったお題は放置。あたらしく自分で書きやすいのなんか考えてリハビリする
・自分が上手いなと思った短編をトレースする
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:55:44.09 ID:avidn8lN0
小説としての話を考えるんじゃなくて、好きなようにを妄想する
ご都合主義や超展開のオンパレードで、支離滅裂とした内容だけど
そうしてるとたまーにいいネタが思いつく時があるし、自分の書きたい場面とか見えてきて書く気が起きる
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:56:19.43 ID:JmcTUH6Q0
>>691 そこまで長期間のスランプには縁がないから参考になるかは分からないけど
未読の作品読むとか、ショートショート以下の短い作品を書くとかかな。
やおいだろうが会話劇だろうが、とにかく「書いた」という事実を作るのは大切と思う。
696 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 03:16:24.53 ID:Y1Bz8ahFO
寝るぜ
>>691 書けなくなるときは自分の場合、大抵インプットが疎かになってる
専門書とか、ノンフィクションの小説を読んでみる
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:04:14.75 ID:UfQHkS6e0
ほ
今から風呂入るからついでにお題くれ
おっと、部活ユニフォーム画像スレに張り付いてしまっていたぜ。
>>700ネジ回すやつな。おk
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:31:18.76 ID:iQsvG3lf0
貰ったお題からどうしても思い浮かばないのです。
簡単なのください
ねじまわす奴だ。おk
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:35:18.57 ID:0vr864hs0
何時ものことながら自分を棚に上げた全感 - 5くらい。
今回はずいぶん猫である、犬である必要がない作品が多かったと思います。
後、最後の方はもうなんか気力が沸きませんでした。冒頭って大事。
No.01 見上げる空には (お題:猫) ◇C8rbp8eahM
幽霊という形而上的な存在に対してこう言うのはアレでナニだが、言葉が通じるんだろうか? さらに言えば脳が無いのに情報を蓄積
出来るんだろうか。妖怪となれば別だが、元は生命体である幽霊と考えると、そこらへんは疑問に思えてくる。
まぁ思っただけだが。あ、横に長い。読み辛い。
話:話の展開についていけなかった。2レス目終盤、結局男は誰だったのか僕には解らなかった。
全体的に空虚な気がした。発想の基点はネコが九つの命を持っている、って所なんだろうけど、何かそうである必然性が感じられない
とでも言うか。上手く言えないけど、小説の終わりにおいて「おれの小さな身体は、幸せに満ちている」と主人公は言っているけど、
その言葉に全く説得力が感じられない。もっと砕いて言えば、つまんなかった。
文:少し冗長すぎるきらいがあるかな、と思った。というか、以下省略って使いたかっただけちゃうかと。
1レス目終盤、「ヒトがネコのように自由だと言うのは〜」何が言いたいのかさっぱり。
2レス目中盤、「おれは自分がいる空を見上げてみた」見回してみたが正しいのでは。若しくは、文脈から読めば、
「自分の居る空よりもさらに高いところにある空」というニュアンスが欲しい。
同中盤中盤、「自分のやったことには興味がない」だけど、ネコって他人には興味を示すモノだったか? 違う気がする。自分のやっ
たことにすら興味がない、なら解る。同中盤、視点移動が空に居る男から一気に柿ノ木と瓦屋根に移っている。最初読んだとき、
丘の上に立つ家を想像して「おかしくね?」と思った。周りの情景何も書いてないんだから、勘違いした僕が攻められる謂れは無いと思う。多分。
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:35:59.55 ID:0vr864hs0
No.02 ニャース工場 (お題:猫) ◇XUJnAVCyr2
ニャースが食料って、色々問題あるよね。どうやって食べてるか不思議でしょうがない。
話:実際問題、部品をショートさせるよりもその回路を取り除く方に走ると思う。というか、そうでなきゃコストがヤバイ。
知識を持たないコンピュータに食料を認識させるには、「りんごは食料」みたいなデータを延々と綴ってやらにゃならない(画像付きで)。
それを保存するのは恐らく磁気ディスク。耐ショック耐性を考えると不揮発性メモリが妥当だろう。けどメモリって高い。
それをむざむざ取り付けるか? という疑問。細かすぎる事かもしれないけど、そういう視点は持つべきじゃないかなと思った。
大筋としては面白いと思う。しかし猫である必然性はない。
文:細かいことを言うようだけど、1レス目一行目「街は捨てニャースが〜」はおかしい。街には、若しくは捨てニャースでのどちらか。
二行目、「飽きてしまったのだ」解らなくは無い。まあ、様々な理由だったんだろう。しかしその理由がネコに起因するのか、
人間に帰結されるのかでこの話の見方が変わると思う。それだけでも書いて欲しかった。
No.03 自由の価値(お題:犬)◇7cy2QI8jBM
自作。
星新一の生活維持省を読んでたらこんなん出来てた。
似ても似つかないけど。
No.04 ドッグフード(お題:猫) ◇/ks5Y92PHE
字下げをしよう。読み辛い。
話:ぶっちゃけて何を言っているのかさっぱりだった。とりあえずサンドバッグの下りは重さを表現するためだけに書いたの?
で、「音と手に伝わる感触から〜解った」わけで、それが「覚えのある感覚」だったんだな。うん。
そしたら「全身で感じた重さが〜同じだった」 物質的な意味の重さが、手に取っただけで解るわけが無いのは当然だし、
何で開封しただけで羞恥心とかの精神的重さを背負うのかがわからない。あまりにも冗長すぎる。
退廃的っていうの? 言葉が見つからないんだけど、三畳一間の小さな下宿 貴方は私の指先見つめ〜みたいなのって、
雰囲気は好きだけど本当に何もないとつまらない。まあ僕の読解力が無さ過ぎるっていう可能性は亡きにしも非ずですがね!
つかその方がありえそうで怖い。他の人の全感ではどういう評価なんだろ。
文:1レス目、「大きさこそ私の肩幅〜」この繋ぎ方だと、「〜ほどあるが軽い」っていうのが正しい気がする。
重いなら「〜ほどだが」とか。肩幅って結構広いよ。と思ったら、女なのね。うーん、これはそこから女だって読み取れって
意味なのだろうか。いや無理じゃね? まあ微妙な表現だと思った。
所々疑問な接続とか副詞とかあるけど、表現は面白いと思う。語りと相まって読者を惹きつける魅力がある。
ただ最後だけ三人称っぽくなってるのはわからない。何かあんの? ついでに、誤字多い。
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:37:18.69 ID:0vr864hs0
No.05 おじいちゃん(お題・猫) ◇fSBTW8KS4E
これは本音で当たるべき作品だと思った。
話:面白い。しかしあまりにも猫度が低すぎる。猫がガジェットにしかなってない。いやそれもお題のこなし方の一つかもしれないが、
それにしたってガジェットが猫である必然性は無いし、あまりにも蔑ろにされすぎている。 例えば、地球防衛軍は様々な宇宙人と
戦っている。しかし化けネコ星のネコに対抗できる手段を持っていたのは春彦さんだけだった。春彦さんの血をひいていなければ、対抗出来ない。
こんな感じなら、まあ解る。けど本文を読むとネコの部分がイヌでもキジでもサルでも、ネッシーでも構わないような印象だ。
ネコである必然性が欠片たりとも無い。 でも、面白いと思う。
文:主人公の感情と描写のバランスが素敵。表現もピッタリだと思う。
No.06 バカ犬キュウ公(お題:犬)◇7cy2QI8jBM
自作。 No.3を書き上げてから
「あー、どうせ今回も生きる死ぬの作品ばっかりになるんだろうなぁ」なんて思った。
いや確かに死って一番身近な非現実だから扱いやすい。けどそればっかりじゃあ、萎える。
(毎回登場キャラクターが死ぬ作品ばかり書いてるお前が言うな? ……ご勘弁を)
もっとこー、気楽に楽しめる作品。でもしっかりお話として成り立ってる作品を書こう。
そう思って、無いに等しいギャグセンスを振り絞って書きました。笑い所どこ? とか言われそうで怖い。
No.07 トム(お題:猫)◇zH52hPBzFs
なんなの今回の良作の多さは。思わずぐっときちまったじゃないか。
話:しかしSF的な小説っていうなら話は別だ。SFオタの一人としてきっちり分析。と思ったが、書き連ねてみたら50文字×30行くらいの超大作になっちまったから要点だけ。
・現地に政治組織が見えない(あれば植民者の脱出などを手助けしてくれたはず)。ご都合主義臭い。
・なんで一回の移民で終わったのか(惑星一個に対して300人は明らかに少ない。歴史を見ても20万人とかなのに)。ご都合臭い。
・息子14歳なのに大人び過ぎ。教育受けてないはずだよね? というか、食糧問題は大丈夫になったのか?
・ブラックホールに飲み込まれるってのがまず訝しい。別星系にまで影響はあるのか。少なくとも潮汐力は、計算上そこまで強くなかったけど。
・つか何で宇宙船作れるの? 材料的にも、人材的にも。極度に高度な専門技術類の塊だぜ、アレ。植民者はそんな奴ばっかりだったのだろうか。
・根本的に、宇宙船と連絡するとか言ってたし、連絡装置あるならそれでSOS信号送ればよかったんじゃね?
という訳で、SF的なガジェットを使うならもっと設定を塗り固めて欲しい。けどお話としては、ありきたりな構造だけど楽しかった。いや、好きだったが正しいか。まあそんな感じ。
文:最後の独白でぐっときた。いい味出してると思う。
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:38:04.86 ID:0vr864hs0
No.08 縁側で。(お題:猫)◇RURI/.bcvc
世界観わかんねぇぇ。
話:犬猫が死んで手続きが必要なの? どこの世界の話だマジで。
あとクロが何で死んだのかワカラン。どっちも心臓の病気? これは書き方かもしれないけど、シロだけが病を患っていたように読める。
文:何か作り物臭くて集中して読めなかった。
こういうとアレかもしれないけど、頭の中の妄想をそのまま形にしちゃったような。
クロがツンデレキャラなんだけど、その内実が全く語られてなくて、というか登場キャラクター全員上辺ッ面だけしか
描かれてないからどうもこそばゆいような、何恥ずかしいこと言っちゃってるのという感じ。
とりあえず俺には受け入れられなかった。
No.09 カレントデジタル (お題:犬) 1/1 ◇pxtUOeh2oI
両親全否定。
話:主人公の家庭状況はわからないけど、相当狭量な人物ですよね。いや哀れというのか?
犬が全てで、彼がいるから一般人として生きていると。考え方としちゃ解らないでもないけど、正直言って滑稽だ。
それはあまりにも情報がないから主人公の人となりが解らなくて、というだけじゃないと思う。いやそれも大きいんだけどさ。
そんなこと言ってるけど、実際犬がいなくなったらお前本当に人殺すの? てな感じだろうか。
ついでに言えば、全人類が自分と同じように狂ってるって考えてるのも癪に障る。人間って、依存しなきゃ生きられないほど弱い存在じゃないと思うが。
そしてやはり犬である必然性が(ry
猫でもよくね? つか自由気まま(ブレーキが無い)つーなら猫のがそれっぽい気がするけどね、ぼかぁ。
文:一文目、「うちに来た時は〜」 それまで焦点は犬にあったのにいきなり自分に焦点が来て軽く混乱。
No.10 品評会用作品 (お題:犬) ◇pxtUOeh2oI
(相手が)自分の事を好きだから、僕も好き。そういう語調は正直嫌いだ。
話:綺麗だけど、それじゃあ何かカタルシスを感じたかとか、面白かったか? と言えば否と答える。
両者とも日常を、ガタが来ていると解っていながらも続けて、そしてやっぱり崩壊した。 ナツの死を主人公は悲しんだ。終わり。
どうもこういう作品を読むと、俺の読解力が足りないだけで実は凄いことを書いているんじゃなかろうか? と邪推してしまうから苦手だ。
文:荷が勝つなんて言葉あったのか。
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:39:13.60 ID:0vr864hs0
No.11 猫のいる日常 (お題:猫) ◇rmqyubQICI
ああ、やっぱり死んだなぁ。
話:これは考え方でしか無いんだけど、僕としては小説は知識と発想の産物だと思う。
で、この話には片方すらなかったように思えて、まあ要するにつまらなかった。
家族の言葉をわざわざ括弧つきにする理由もわからなかったし(だって、それまで野良出身てことに不満の一つも言ってない)、
だからそれらの言葉に過剰反応する主人公の心理状況も解らない。 ついでに言えば、犬でも構わないようにおも(ry
別に登場キャラクター殺すのはいい(一辺倒は良くないけど、方法論としては有りだと思う)。
ただ、「死んだよ。ほら、悲しいだろう?」ってのは違うと思う。物語的に意味のない死、死それ自体が意味になってる死は、微妙だ。
No.12 愛犬家と私 (お題・犬) ◇IFmeJ5U99w
ぐお、疲れた目に行頭下げ無しはキッツイ。
話:スプラッタ・ホラーそれ自体はいいけど、そぶりを少しも感じさせないのはどうなんだろうか。
ちょっとズルイ話だけど、他人の全感を先に読んでたから人肉食の小説があることは知ってた。
だから肉が出た時点で、誰の? と思ってドキドキ出来た。けど感想読む前だったら、そのあまりの唐突さにおいてけぼりだったと思う。
前に聞いた話だが、ホラーとは恐怖それ自体で怖れを煽るのではなく、恐怖までの時間、タネあかしまでの時間で湧き立たせるものらしい。
モノクロ映画の巨匠がそう言っていた。この作品では妻が殺されているという事実を予想させる出来事のかけらもなかった。
これじゃあ怖がることもできないと思う。 それと、別に犬である必要(ry
文:1レス目中盤、「ブレーキは踏まなかった」ずいぶんと鬼畜な主人公ですね。踏めなかった、では? つか誤字オオス。
No.13 記憶の中の死体は生きている犬に似ている ◇/sLDCv4rTY
読む気力が減退しまくりんぐなんだが。行頭下げくらいやってくれてもいいんじゃね。っていうか読まないとダメなのか? そんな思いで斜め読み。
話:そしたら全く意味解らなかった。ただ全体を通して、主人公が自分のものに対する考え方を吐露した内容だってのは理解した。つまらなかった。
文:しょっぱなから誤字はきっつい。言い回しも大仰すぎる希ガス。
No.14 空猫ばしり (お題:猫) ◇DSM7XB0fYQIy
ねこ……?
話:こんなとき何て書けばいいのかわからないの。
頭が内容に追いつく前に、物語はどんどん先へ先へ進んで行きました。気づいたら主人公は一回り大きくなっていました。おしまい。
なんで猫が必要だったのかよくわかりませんでした。
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:39:55.16 ID:0vr864hs0
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) ◇h97CRfGlsw
精神力がつきました。主に横に長いせいで。
No.16 青いバナナ (お題:犬) ◇eeBRZzl9kY
ああ、こりゃあpx氏の感想の通りだわ。
話:竜頭蛇尾をモロに体現してると思った。犬猫っていう組み合わせはかなりあるけど、犬猿は無い。まずそこが目を引いた。
で、犬も猿もキャラが立ってる。掛け合いが面白い。キャラクターがしっかりしている小説ってのは、まず大抵面白い。
だからこれからどうなるのかな? と期待していたんだけど、まあ死にましたね。彼氏と同じ死に方だったりしたんだろうね。
でも、だから何という感じでもある。
死んだね、悲しいね。そこで終わっちゃあ、なぁ。
No.17 ロボット (お題:猫) ◇ytqbKw3zqk
犬じゃあ、ダメなんですか。奴らだって愛嬌あるし、手間かからないんだけど。
話:ぬべーっとしてべたーっと終わった。
文;ずいぶん大層な物言いだと思った。
No.18 桃源郷ショートノーティス (お題:犬) ◇M0e2269Ahs
理解に苦しむ作品だった。
ネコじゃだめだったんでs(ry
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.07 トム(お題:猫)◇zH52hPBzFs
【関心】:No.05 おじいちゃん(お題・猫) ◇fSBTW8KS4E
**********************************************
猫派つえー。
兎も角、参加者の皆さん、まとめてくださった方、転載してくださった方々、全感投下した人。お疲れさまでした。
711 :
投票 ◆rmqyubQICI :2009/09/22(火) 04:41:18.07 ID:/fRiApUU0
全感乙。それから投票。
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】
:No.05 おじいちゃん (お題:猫) 0/5 ◆fSBTW8KS4E氏
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 0/5 ◆h97CRfGlsw氏
**********************************************
今回の品評会で一番印象に残ったのは、動物が死に過ぎだとかあまり面白い作品がなかったとかそ
んな高度な話ではなく、時間外の作品がほとんど丸一日経ってもまとめられていなかったことだった。
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:48:32.57 ID:iQsvG3lf0
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 05:05:21.27 ID:XEgt7V0RO
お題ください
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 05:10:39.13 ID:P8bNu86X0
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 05:17:57.00 ID:16J4iMHHO
投下します
……オチ、ってなんですか?
みたいな初投稿の俺ですが、ご指導のほどよろしくお願いします
716 :
『天使は君だと笑ってみせた(お題:煉獄) 1/2』:2009/09/22(火) 05:20:08.85 ID:16J4iMHHO
地獄の沙汰も金次第。極楽浄土も金次第。だってこの世の全ては金次第なのだから。
「寂しい奴ね」
金で買えない価値を持った君が言う。けれど俺は間違ってない。君は知らないから。汚い者や愚かな者を。
俺はこの煉獄で、沢山見てきたのだ。君の知らない汚らしい事を沢山。
じゃりじゃりと、地面の底から音がする。賽の河原で餓鬼達が飛び跳ねる音がする。じゃり、じゃり、じゃり。子どものすすり泣く声の合間に。じゃり、じゃり、じゃり。
上を見ればキリスト様と仏様が仲良く歩いてる。その周りには、だらけたおっさん達が寝転がって屁をこいたりしてる。
そのどちらにも属さない、この煉獄にはどのくらいの罪人が居るのだろうか。前を向けば、人、人、人。スクランブル交差点のど真ん中で、誰にもぶつからずに突っ立っている。
じゃらじゃらと、すぐ隣で音がする。すれ違う女の人からは良い匂いがして、貴金属の擦れ合う音が聞こえる。じゃら、じゃら、じゃら。彼女の抱えた子どもが腹を空かせたと泣く合間に。じゃら、じゃら、じゃら。
ゴミ捨て場を見れば、ハゲたおっさんと痩せたじいさんが仲良く今日の晩飯探し。その周りには血のこびりついたチワワが、通行人に牙を見せつけている。
ほら、ご覧。地獄だって天国だって、どっちも金次第だろ? 君はこの世界を見て、それでも僕を寂しい奴だと言うのだろうか。
白い世界から伸びる茎に包まれた君が言う。
「寂しい奴。でも、来てくれてありがとう。今日はどんな話をしてくれるのかしら?」
「寂しいのはそっちじゃないのか? じゃあ今日はとっておきを聞かせてやろう! 題して、親父のヅラフライトパニック!」
「オチが読めそうな気がするんだけどー」
今こうして笑う君が誰よりも天国に近いのなら、その君が居るここは、きっと天国なんだろうね。
この世界はみんな金次第だから、君も金次第ならいいのに。
717 :
『天使は君だと笑ってみせた(お題:煉獄) 2/2』:2009/09/22(火) 05:21:34.87 ID:16J4iMHHO
名の通った大学病院の、最上階の角の部屋。日当たり良好の一人部屋。
その中にぽつねんとある真っ白なベッドには誰も居ない。君はいってしまったのだ。君だけの天国に。
そこにはきっと何もなくて、何もないから何も起きなくて。だからきっと、一番幸福な場所なんだろうね。
最上階から見下ろす街並みは、天国と地獄に見せかけた煉獄、に見せかけた現実。
そこで償い続ける罪は、――君を追いかけられていないということ。
了
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 05:32:27.33 ID:UfQHkS6e0
>>717 これは……小説に見せかけた詩っぽい。
あまり擬音語を多用すると、敬遠しちゃう。
そして、話が二転三転してわけが分からないままおわちゃった。
不治の病に犯された彼女を見舞う話かな?そして彼女が死んじゃったと。
でも締めの文章が安っぽい感じで、読後感をまるで受けなかった。
719 :
お題:炎 1/2:2009/09/22(火) 06:14:12.40 ID:BHpluEMYO
「コンモスカを」
こなれた感じでオーダーすると、バーテンダーはかしこまって席を離れた。
少し強いお酒だけど、とてもキレイなはずだよ。
もちろんキミには、きっと見劣るけどね。
冗談めかしたボクの言葉に、目の前の女の子はウフフと笑う。
「キレイってどんなふうに?」
「キミと同じくらい情熱的にさ」
「ねえ、酔っているでしょう」
まさか。
ボクは切ないくらい酒に強い。
酔って前後不覚になって酒の勢いで何も覚えていないまま気がついたら。
そんな言い訳が使えればどれだけ楽だろう。
同じ店には行きつけない。
浮世の浮いた名前が知れ渡っては困るからね。
今日は、新宿のブリティッシュパブで見つけた子。
いつもと同じ、興味を持って話しかけたのは向こうから。
かわいいかどうかなんて、どうでもいい。
ボクにはそんな判断できない。
来るもの拒まず、据え膳はいただかないと。
「これからどうするの?」
パブでしこたまパイントを重ねたあと、大概の女の子がいつも言うセリフが出た。
これは、早く食ってくれのわかりやすい合図。
でもボクはここで肩を透かす。
「ニューオータニのバーに行こうと思ってる」
出会ってちょっと飲んでそのまますぐにヤルなんて、そんな野暮、したくないじゃないか。
美しくないよ。
720 :
お題:炎 2/2:2009/09/22(火) 06:15:54.13 ID:BHpluEMYO
コンモスカは、サンブッカをアレンジしたカクテルで、仕上げに火をつけるのが特徴。
カクテルっていうのは、おいしさはもとより、見た目の美しさが重要。らしい。
女の子は色がキレイってよく言うけど、ボクにはわからないから。
だから、何かカクテルを飲んだほうが良いということになったら、ボクはコンモスカを選ぶ。
炎は、見た目より何より、情熱的でしょう。
そう。熱を持っているから。
カクテルのカクテルたる所以も楽しめるようになって、ボクは怖いもの知らずになった。
人を見た目で選ぶ必要はないし、女の子はボクに興味を持ってくれる。
ボクの持っている最強の武器は、目が見えないこと。
ボクはこの最大の付加価値を存分に生かしてる。
以上終わりです
超掌編
721 :
720:2009/09/22(火) 06:20:43.22 ID:BHpluEMYO
あああすみません
>>720の漢字が間違っている
「価値を生かす」は違うよね
気をつけます
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 06:28:59.94 ID:vRMTZJ1aO
通りすがりのほ
お題くださいです
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 06:52:41.21 ID:+5cSSK+X0
お題ください
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 07:30:24.21 ID:vRMTZJ1aO
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 07:30:49.43 ID:bhN1XwHI0
サーセン
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 08:03:00.81 ID:BM0sUgLF0
カミセン
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 08:52:25.45 ID:At6CCy560
チェーセン
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:39:02.21 ID:UTdzzqQZO
グジョンセン
だれかお代ください・・・
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:51:24.08 ID:NWQPUiQf0
>>732 12円ですか・・・うまい棒でも1、2円余ります・・・
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:58:51.97 ID:O3P1FTnO0
お題くだしあ
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 10:01:57.99 ID:NWQPUiQf0
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 11:11:24.26 ID:LQ1/ketH0
ho
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 11:31:14.02 ID:MPyw41rvO
>>705ー710
全感おつ
そして「荷が勝つ」で俺まで焦って辞書で調べちまったぜコノヤロウ
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 11:55:15.44 ID:LQ1/ketH0
>>717 わけわかんねー
>>718見てようやくわかったけど
確かにこれは小説じゃないわな
擬音の使い方はあまり嫌いじゃない
>>721 んーありきたりだなぁ
オチも使い古されてるし
まとまってはいる
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:04:33.55 ID:3cZyI1uRO
お題くれ
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:05:42.89 ID:NWQPUiQf0
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:17:31.98 ID:3cZyI1uRO
拷問部屋把握
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:36:58.39 ID:BIp+DmsIO
ほっしゅ
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:01:16.15 ID:LQ1/ketH0
十日以内に仕上げられる爽やか八頭身系のお題おくれ
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:05:21.88 ID:g3wkkD+P0
ブレーメン
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:06:31.99 ID:LQ1/ketH0
了解した
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:38:37.37 ID:Y1Bz8ahFO
ほ
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:45:30.92 ID:I6tdqnfc0
このスレエロ有りだっけ?
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:48:41.60 ID:eyPVlqkcO
お題くれ
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:56:45.14 ID:F7tGCldXO
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:57:20.98 ID:LQ1/ketH0
>>748 有りだったとは思うけど敬遠されるかもよ
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:59:33.94 ID:F7tGCldXO
お題くらはい
753 :
投票 ◆C8rbp8eahM :2009/09/22(火) 14:00:02.25 ID:WwP8uxnj0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.07 トム (お題:猫) 0/5 ◆zH52hPBzFs氏
【関心】:No.02 ニャース工場 (お題:猫) 0/1 ◆XUJnAVCyr2氏
**********************************************
全体的にひねりのない作品が多かった気がする。
もちろん自分にも言えることなのだが。
ひねりが全てではないのだろうけど、足りないと読む価値がないものになるのだと理解した。
各関係者の皆様。お疲れ様でした。
754 :
ラビットさんの歌 (お題:過去、学校) 1/31:2009/09/22(火) 14:02:47.19 ID:pJPYxolX0
随分前に貰ったお題ですが、完成したので投下します。
さるさけお願いします。
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:10:43.82 ID:LQ1/ketH0
さる
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:11:19.68 ID:UTdzzqQZO
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:12:36.17 ID:Y1Bz8ahFO
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:13:32.91 ID:bY38wT/q0
31レス……だと?
759 :
ラビットさんの歌 (お題:過去、学校) 1/31:2009/09/22(火) 14:20:01.26 ID:pJPYxolX0
さる食らったので出直してきます。
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:20:24.81 ID:F7tGCldXO
な、糞アマチュアのオナニースレに成り下がったろ。
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:25:05.91 ID:LQ1/ketH0
>>759 レス数も三分の一くらいに圧縮してくれると嬉しいよ
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:44:51.29 ID:UTdzzqQZO
投下されたら読むけどそれは長編スレに落としてここに報告してくれた方が結果的に読む人は増える気がするよ
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:06:42.22 ID:a03h9RhY0
全感投下しまっす
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:07:49.86 ID:a03h9RhY0
No.01 見上げる空には (お題:猫) 1/3 ◇C8rbp8eahM
可もなく不可もなく、そんな印象だった。
筋道がはっきりしてるのはいいと思うけど、あまり必要だとは思えない設定が
なんか話に合ってないように思えた。というか、ギャグが全然おもしろくなかったせいかも
しれないw それでも、なんだか死がかるーく扱われてるふうに見えて、それは締めと合わ
ないんじゃないかなぁと俺は思った。
No.02 ニャース工場 (お題:猫) 1/1 ◇XUJnAVCyr2
こういうロボットを作れる技術があるのに、どうしてこういう話はそういうところの
頭が悪いのか理解不能!理解不能! 突っ込みどころがあったら負けだと思う。
No.03 自由の価値 (お題:犬) 1/5 ◇7cy2QI8jBM
話自体はわかりやすいのに、脇を固めた設定(たぶんここがこの話の勝負どころ
なんだと思うんだけど)が甘すぎて、終始首を捻ったままだった。
犬が大学に行って、職業選択の自由を得ている話を読者の想像に任せるのは
ちょっとどうなのかと思う。あと、なんというか、話自体で作者が作り出した設定を否定しても、
何のメッセージにもならない気がする。これなら、普通の家庭の親子犬だけの話でよかったん
じゃないかと、俺は思ってしまう。
No.04 ドッグフード (お題:猫) 1/5 ◇/ks5Y92PHE
あーわからんw
犬猫を無視してもよくわかんなかった。1レス目途中まではリズムがよくて
いいかも、って思ったんだが、サンドバックの件で間延びしだし、それからは
よくわかんないまま進んでって終わってしまった。
率直な感想はこんな感じで、あとは何とも。なんかごめん。
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:09:20.42 ID:a03h9RhY0
No.05 おじいちゃん (お題・猫)1/5 ◇fSBTW8KS4E
猫かんけーねーw
なんだか、粗い感じがした。これ、普通にじいちゃんと一緒に猫星人と戦う話じゃ
ダメだったのか。セリフを言っただけで敵を撃退できちゃうなら、じいちゃんが
じいちゃんである意味がない気がして、そこがもったいない。
No.06 バカ犬キュウ公(お題:犬) 1/5 ◇7cy2QI8jBM
お話としては、そう目を引くものでもないし、よくあるようなペットとの話だった。
だけどまぁ、犬好きな人としてはなんだか少しひいき目に見てしまうところがあるw
犬は本当に従順だからなぁ。そんなに必死にならなくても、ちゃんと飼ってやるのに
生きていけなくなる不安とかを常に抱えてる気がする。バカ犬にはそういうところが
ないから(いいや、あるに違いないって思ってるけど)、なんだか理想像のようで
眩しく思えた。うーん。なんか感想らしい感想じゃなくて悪いね。けどまぁ、典型として
よく書けてたんじゃあないかなぁ。
No.07 トム (お題:猫) 1/5 ◇zH52hPBzFs
いい話だなぁ。
マジなネズミと、遊びつつも追いかけるネコ。トムは宇宙船の名前かな?
ネコで話を考えようとしたとき、俺も宇宙が似合うな、なんてことを思って
そういうところでもなんか嬉しかった。
どうにかして一緒に行けばいいのに、とか、そんなぶっ飛んだ危機ありすか、とか
そこらへんは、まぁネズミとネコの話だし許せるレベルだけど、最後は説明しすぎだと思う。
親父が、めっちゃ持ち上げてたネコが、どれほど素晴らしいのか。ここに期待しながら
読んでたから、まだこれからって感じで終わったのが、残念と言えば残念。
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:10:24.95 ID:a03h9RhY0
No.08 縁側で。(お題:猫)1/4 ◇RURI/.bcvc
ペットが死んだ。ストーリーがそれだけだったから、なんとも。
こう、シロクロが四十九日までブラブラするか、みたいなこと言ってるし、
そのブラブラ具合を書いて、最後に飼い主の様子を見に行く、とかって形にしたら
ストーリーも膨らんで、楽しめたんじゃないかなぁとか思う。
No.09 カレントデジタル (お題:犬) 1/1 ◇pxtUOeh2oI
なんだか、どうしてそういう思考なんだかって思う。
これだけだと中二病こじらせたんか、とか、そんなの一年後には忘れてるよ、とか、
そんなことくらいしか思わない。これだけだと。
No.10 品評会用作品 (お題:犬) 1/5 ◇xJowo/pURw
まぁ、ペットの死は誰だって悲しいからなぁ。
それとは別に、なんだかこうも通じ合っているふうな関係はちょっと信じられない。
まさに、物語用の関係、というか。(いや、実際あるのかもしれないけど)
死という題材にしてもそうだし、そういうところで作りすぎてて(もしくは、浸りすぎてて)、
話全体から作者の存在が感じられて、より作り物っぽく感じてしまったのかも。
No.11 猫のいる日常 (お題:猫) 1/5 ◇rmqyubQICI
なんかもう、全体的に悲しみで溢れているなぁ、と。
動物に餌やっちゃうところとか、猫が死んじゃうところとか、新たな猫がやってくるところとか
もう、これでもかってくらいで、そこには深く触れられていないんだけど、(というか触れられ
ていたら、重たすぎるだろうけど)あれこれ考えさせられた。なんか、タイトルからして
そういうところはあまり関係ないのか? なんて思ったりもするけど、あんまりミイコとの
楽しい時間っぽいところを書いていないのは、やっぱりそうなのかな、とか思ったり。
ペットを飼うって、考えてみたら一体どういうつもりなんだろうなぁ、なんて。あぁ、重たかった。
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:12:09.55 ID:a03h9RhY0
No.12 愛犬家と私 (お題・犬) 1/5 ◇IFmeJ5U99w
ううーん。
人の全感を先に読んじゃった俺としては、うーんw(やっぱ先に読むのダメかなぁw)
未読だったらどう読んだろうな。オチがすべての作品だからなぁw ほんとごめんw
展開を急いでる感じで、物語も動いているようで動いてなくて、それで気づいたかなぁ。
うーん。あぁ、なんか語彙はすごいなぁと思った。
やっぱり読んでいい感じはしないよね。うへぇ、って感じだった。
No.13 記憶の中の死体は生きている犬に似ている 1/3 ◇/sLDCv4rTY
ブログなんて、いい形態とったなぁ。
俺も、このブログを書いた人と似たようなことを思って、ブログに書いたことがある。
そしたら、それは哲学だって言われて、入門書を勧められた。そんなの求めてないのに。
けど、誰に何を言われても絶対納得なんかできないし、きっと、同じことを思った!なんて
共感なんかして欲しくなかったりもして。俺は。じゃあ、なんでこういうこと書くんだろうね。
何がしたいんだろうね。一瞬まえのぐちゃぐちゃした考えのことなんてとっくに覚えてないから
わかんないけど。
No.14 空猫ばしり (お題:猫) 1/5 ◇DSM7XB0fYQIy
まず、タイトルで一番惹かれていた作品だったんだけど、これはいいわくわく感があった。
>「すいません。もし言葉が通じるなら、教えてください。あなたは猫ですか?」
このセリフなんかすごくいい感じ。だけど、プリズムやら床やらの説明は余計だと思った。
わくわく感が、いい具合に削がれたw 縮んじゃう時点で、おかしな話なんだから、そんな
説明求めてないよ。あと、猫のセリフのセンスも、もうちょっとなんとかできたような気がする。
あとはいい感じに、楽しめて読めた。うーん。掴みがうまかったなぁって思う。
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:13:41.55 ID:a03h9RhY0
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 1/5 ◇h97CRfGlsw
おもしろかった。なんでこう、テンポよく書けるのかね。
なんか、変身してくところなんかは、視点がおかしい?
んん。おもしろかったです。なんか、他に何も言えないw
No.16 青いバナナ (お題:犬) 1/5 ◇eeBRZzl9kY
二匹のやり取りはおもしろかったんだが、うーん。
展開からして、これだけだと何のドラマもないよなぁ、どうするんだろって思ったんだけど
やっぱりこうなるか。あんまりうまい使い方じゃなかった気はする。けど、どうなってたら
納得できたろうって考えてみると、あまり思いつかないんだよなぁ。
犬猿の仲だけど、最後はご主人のために手を組む、みたいな? うーん。どうだろな。
バナナを置くとこなんかは、猿じゃなきゃできなさそうだし、いいような気もするんだけどね。
No.17 ロボット (お題:猫) 1/2 ◇ytqbKw3zqk
これは、ちょっと楽しみどころがなかった。
最初から、興味を持てるような、どっかにいそうな人を書いてないから、その人のことを
ロボットだとか言ってみても、骨だけにしてみても、何とも思わないというか。
こういう話は、明らかに悪い奴がこうなるより、いい人がこうなっちゃう方が強烈な気がする。
まぁそれでも、無理がある気はするが。猫はたぶん、どっか行っちゃう。犬なら、いそうだけど。
猫は、ノルウェージャンフォレストキャットって奴がいいなぁってwiki見ながら思った。
No.18 桃源郷ショートノーティス (お題:犬) 0/1◇M0e2269Ahs
俺の。なんかすげー難しかった。でも、ギリ逃げないで書けた、と思う……ような。たぶん。
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:15:32.30 ID:a03h9RhY0
時間外No.01 ディナイアルSの女 (1/5) ◆QIrxf/4SJM
冷めた感じと、強引な感じがうまくて、おもしろかったんだけど、
どこでお題消化してるのかわかんなかった。うーん。なんかもう言えることないw
なんかそれでもいいじゃんとか思うんだけど、なんか色々と読み取れてない気がして
なんだかなぁ。いや、俺の問題なんだけどね。ごめんね。
******************【投票用紙】******************
【投票】
No.07 トム (お題:猫) 1/5 ◇zH52hPBzFs氏
No.14 空猫ばしり (お題:猫) 1/5 ◇DSM7XB0fYQIy氏
No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 1/5 ◇h97CRfGlsw氏
【関心】
No.06 バカ犬キュウ公(お題:犬) 1/5 ◇7cy2QI8jBM氏
No.13 記憶の中の死体は生きている犬に似ている 1/3 ◇/sLDCv4rTY氏
**********************************************
No.07は、ビシッとしてていいなと思った。こう書くってのが、はっきりしてる気がする。
No.14は、楽しませようとしてるのが伝わってきた。猫にはこういう話が似合うよね。
No.15は、単純におもしろかったから。なんかごめんw
No.06は、バカ犬票。なんか物語というのはこういうものかも、なんて思ったから。王道的。
No.13は、犬の態度すべてが自分を映してるみたいで、そういうとこは犬の嫌なとこだよね。
次点として
No.05は、誰かが言ってたけど必然性が足りなかったような。お題の扱いもあって。
No.11は、重たすぎて、楽しめるっていうレベルじゃあなかったかも。
No.16は、たぶんお題が違ってたら映えて見えてたような。でもやっぱり、展開はよくないか。
時間外No.01は、おもしろいんだけど、やっぱり俺はちゃんと読めてない気がしちゃって。
今回は作品数が多くてよかった。最初はうげーだったけど、読んでみると、やっぱ得るものが
いっぱいあって楽しかった。得るだけ得て、どうともしてない気がするがw とにかく、みんなおつおつでした。
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:17:16.79 ID:a03h9RhY0
いじょうです。なんかあったら言ってね
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:20:55.83 ID:LQ1/ketH0
全館乙
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:01:49.16 ID:LQ1/ketH0
ほ
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:41:10.49 ID:LQ1/ketH0
ほ
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:45:06.17 ID:w1TnkBEJ0
お題くださいな
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:48:00.77 ID:NWQPUiQf0
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:51:57.02 ID:w1TnkBEJ0
把握しました
お題くれ
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:08:49.42 ID:g3wkkD+P0
匙を投げる
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:08:49.46 ID:8m5WfWXk0
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:12:12.68 ID:UfQHkS6e0
おだいちょうらいおにいちゃん
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:13:41.46 ID:b07MUMkdP
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:13:47.88 ID:g3wkkD+P0
黒
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:15:14.76 ID:UfQHkS6e0
難しいよ。
把握
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:30:31.93 ID:WwP8uxnj0
お題ください
スカーフ
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:39:46.26 ID:WwP8uxnj0
承知
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:11:38.44 ID:z9hfePiT0
誰かいましたらお題をくださいな
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:14:31.88 ID:UZPTFsie0
幽霊倶楽部
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:15:04.02 ID:z9hfePiT0
把握
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:38:32.95 ID:tS8fjc/S0
ほ
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:55:03.57 ID:5hq1Rv5nO
た
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 18:58:16.71 ID:NWQPUiQf0
る
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 19:14:15.75 ID:BM0sUgLF0
の
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 19:14:56.58 ID:bY38wT/q0
乳
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 19:21:22.15 ID:0Ni5Nll30
頭
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 19:49:15.64 ID:tS8fjc/S0
ほっほ
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:09:07.58 ID:Y1Bz8ahFO
ほ
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:10:00.99 ID:NWQPUiQf0
ほっほっほ…
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:10:14.11 ID:b07MUMkdP
ぬわー
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:11:15.63 ID:UTdzzqQZO
めんぼくない
めんぼくない
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:11:32.01 ID:J/FRiHNc0
お題くらさい
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:14:57.97 ID:b07MUMkdP
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:18:44.38 ID:J/FRiHNc0
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:37:35.32 ID:Y1Bz8ahFO
あげ
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 20:44:33.38 ID:BM0sUgLF0
パン
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 21:01:48.43 ID:emHX8ihr0
otto
810 :
◆QIrxf/4SJM :2009/09/22(火) 21:07:20.15 ID:NXQgUwJs0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.15 お母さまが見てる (お題:猫) 0/5 ◆h97CRfGlsw氏
【関心】:No.01 見上げる空には (お題:猫) 0/3 ◆C8rbp8eahM氏
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じ、地獄のような品評会だったぜ・・・
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ho