ハチワンメイデン

真紅は閑だった
閑過ぎてくんくんのぬいぐるみの耳をかじってしまう程ヒマだった

真紅「退屈ね雛苺しゃぶしゃぶ…2588(ｒｙ秒ぶりにチェスでもやりましょう…はむはむ」
雛苺「うゆ…ひなは真紅に勝てないから嫌なのー」
真紅「あら、チェスは参加することに意義があるのよ」
雛苺「うー…」
真紅「話はまとまったわね。という事でＪＵＭ、チェスを用意して頂戴」

ＪＵＭ「いやウチにはそんなモン無いんですが…」
真紅「何ですって！？」
ＪＵＭ「これでガマンしなさい」
雛苺「うゆー、これはなあにＪＵＭ？」

ＪＵＭ「地球最高峰の頭脳格闘技…将棋だ」

以下、ねぎま・#Gﾅ談NWN?・ウル星石対談スレ

全力で期待

真紅「なるほどＪＵＭ、話は分かったわ
　　　つまり日本に伝わるチェスのようなものなのね」
ＪＵＭ「そういう事だ。ルールはだな…」


真紅「大体把握したわ。それで、ＪＵＭは強いの？」
ＪＵＭ「まあまあかな。突き詰めていくと相当複雑なんだよこのゲームは」
真紅「そうなの。まあいいわ、早速相手をして頂戴」
ＪＵＭ「初心者がいきなり勝てるようなゲームじゃないぞ？」
真紅「私に不可能なことなんてないのだわ」
ＪＵＭ「そうか…まぁじゃあ…お願いします」
真紅「お願いします」


10分後
ＪＵＭ「全駒だ」

蒼星石が君も元奨？と言ってからハイタイムで獣人蒼星石になると聞いて

真紅は泣いた。怒りと悔しさと切なさと心強さと…

ＪＵＭ「す、すまんやり過ぎた」
雛苺「真紅いい子いい子…泣かないのーよしよし…うっうっ…グスン」←もらい泣き

真紅「…よ」
ＪＵＭ「…え？」
真紅「同情なんてまっぴら御免なのだわ！！わ、私は…私は…

　　　一ヶ月後、必ずＪＵＭ！貴方を倒してみせる！！」
雛苺「真紅男らしいのー！ひなも応援するの」
翠星石「翠星石も協力してやるですぅ」

ＪＵＭ「居たのか翠星石」

台詞は一行間隔をあけると読みやすいかと

真紅「まずは戦法を覚えないと…」
翠星石「ちょっとだったら翠星石が知ってるですから教えてやるですよ」
真紅「翠星石は将棋を知っているの？」
翠星石「蒼星石のとこのおじじが結構やってるですからね
　　　　　たまたま教えてもらったですぅ」
真紅「なるほど、それじゃ将棋では貴女の方が先輩なのね
　　　　じゃあよろしくお願いするのだわ(ぺこり)」
翠星石「ま、任せろですぅ」

ちょっとお姉さん面が出来て翠星石は戸惑いながらも嬉しそうだったそうな

真紅「この戦法は四間飛車というのね」

翠星石「そうですぅ、相手の攻めを待ってカウンターを仕掛けていく高等な戦法なのですが、
　　　　　真紅は攻めよりも守りが得意な感じを受けるですからきっと向いてるはずです」

真紅「まずはこの戦法を覚えてみるのだわ、ありがとう翠星石」
翠星石「じゃあ自分は居飛車側を持つですから、少しずつ応手を覚えていくですぅ」
雛苺「楽しそうなのー」

一ヶ月後

真紅「お待たせしたわねＪＵＭ…今日こそ貴方にリベンジを申し込むわ！」

ＪＵＭ「気配が変わったな真紅…」

翠星石「ＪＵＭが寝てからひたすらネット対戦しまくってたですからねぇ…
　　　　　肌荒れと充血した眼が荒んだ雰囲気を演出しとるですぅ…ゴクリ」

ＪＵＭ「振り駒は僕の先手だ」

真紅「結構よ、始めましょう」

将棋対決ですか

バチダンバチダン

ＪＵＭ「(ん、真紅のヤツ四間飛車か…なるほど、勉強したようだな
　　　　だが一ヶ月程度で簡単に追いつけるほど将棋は甘くないぜ…！
　　　　さて居飛車穴熊でじっくり倒すか急戦で一気にいくか…？)」

パチッ

翠星石「舟囲いから68銀！真紅、これは…」

真紅「(大丈夫分かってるわ翠星石…これは急戦を仕掛けるという意思表示…！
　　　攻めは早いけれど先手玉は薄い…ＪＵＭの飛車を封じる事が出来れば勝てる！)」

パチンッ

ＪＵＭ「(ニヤリ…急戦とタカを括るのは早計だぜ真紅！！
　　　　さあこれで動揺するがいい！)」

バ　チ　ッ！

翠星石「な…７6歩…ッ！！」

翠星石「(ま、まずいですこれはもしかして玉頭位取り…！？
　　　　　　こ、この戦法は今はあまり指す人がいねーもんですから
　　　　　　真紅にも対策を教えてなかったですぅ…！)」

真紅「こ、これは…！」

ＪＵＭ「真紅、将棋はちょっと齧ったからって簡単に勝てるようになるほど
　　　　甘くは無いんだぜ！！」


ジュンは勝負に熱がこもるあまりキャラが変わっていたそうな

イメージが必要ですね

ﾅﾙｰ

あ、間違えた上の手は７５歩だった



真紅「(この戦法は戦った事はないけれど偶然ネットで見たことがあったのが
　　　　まだ救いね…ＪＵＭは長期戦で押しつぶす気なのだわ…
　　　　でもこの戦法は完全に組むまでに時間がかかる…それまでに
　　　　こちらの模様が良い形にしておけば…)」

ＪＵＭ「へえ、案外落ち着いたもんだなぁ真紅さんよ　　(誰だよ)
　　　　まあせいぜい頑張ってみるがいいさククク」

バチダンバチダン

後手：真紅
後手の持駒：なし
９ ８ ７ ６ ５ ４ ３ ２ １
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v金v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手：JUM
先手の持駒：なし
手数＝27 ▲５七銀 まで

後手番

ちなみに今の局面はこんな感じ。テキトーだけど

さっきよりだいぶ読みやすいです

支援？

バチダンバチダン

真紅「(よし、相手も堅く囲ってきたけれどこちらも３筋４筋は抑えたわ
　　　　　これなら十分戦える…！)」

ＪＵＭ「なるほど銀冠に組んだか真紅
　　　　でもこちらの上部は厚いぜ？支えきれるかな？」


ちなみに>>1は玉頭位取りなんてあんまり知らないので適当ですが
その辺は流してください
まあＪＵＭも素人だし逆にリアルになると仮定

先手：JUM
後手：真紅

▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △４四歩 ▲４八銀 △４二飛
▲５六歩 △３二銀 ▲６八玉 △６二玉 ▲７八玉 △７二銀
▲５八金右 △７一玉 ▲９六歩 △９四歩 ▲２五歩 △３三角
▲６八銀 △５二金左 ▲７五歩 △６四歩 ▲７七銀 △８二玉
▲７六銀 △６三金 ▲５七銀 △４三銀 ▲７七角 △４五歩
▲６六歩 △４四銀 ▲２六飛 △３五歩 ▲６七金 △１四歩
▲１六歩 △５四歩 ▲８八玉 △８四歩 ▲７八金 △８三銀
▲８六歩 △７二金 ▲６五歩 △同　歩 ▲同　銀 △５三銀
▲３三角成 △同　桂 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △４六歩
▲同　歩 △４五歩 ▲２一飛成 △４六歩 ▲１一龍 △４五桂
▲６六銀 △３六歩 ▲同　歩 △３七歩 ▲４三歩 △３二飛
▲６一角 △６二金引 ▲７二角成 △同　金 ▲９八香打 △６四歩
▲７六銀 △３六飛 ▲９五歩 △同　歩 ▲同　香 △９四歩
▲同　香 △同　銀 ▲同　香 △９三歩 ▲同香成 △同　玉
▲８一龍 △８二金 ▲９四歩 △８三玉 ▲９三金 △同　香
▲同歩成 △同　玉 ▲９一龍 △９二金打 ▲５一龍 △９四香
▲９七歩 △９六歩 ▲５三龍 △９七歩成 ▲７九玉 △８八角
▲同　金 △同　と ▲同　玉 △９七歩 ▲７九玉 △９八歩成
▲７一角 △４七歩成 ▲７三龍 △８三香 ▲７四銀 △７二金打
▲８三銀成 △同金右 ▲８二角成 △同金寄 ▲７一龍 △５八と
▲７八金 △８九と ▲同　玉 △９八銀 ▲８八玉 △９七角
▲９八玉 △７九角成
まで128手で後手の勝ち


ＪＵＭ弱ッ

…という訳でＪＵＭはへっぽこ攻めが災いして負けてしまいました

ＪＵＭ「ま…負けました…

　　　　そんな…バカな…」


真紅「攻めが適当過ぎたわねＪＵＭ
　　　もっと熟考しなくては」

雛苺「thinkだけに、なのー」

翠星石「ひなうまですぅ」

将棋ってむずかしいですね

真紅「あの激戦から早３日…日に日に棋力が上がっているのが実感できるのだわ

　　　今なら烈海王でも勝てるッ！！」

ＪＵＭ「あのな、言っとくけど僕は世間じゃ相当弱い方なんだからな？
　　　　一発入れたくらいで調子に乗ってたら痛い目にあうと思うぞ」

真紅「まあ烈は言い過ぎたわね」


水銀燈「こんにちは真紅…久しぶりねえ」

真紅「す、水銀燈！」

水銀燈「あらなぁに？将棋なんて物やってるのぉ？
　　　　　お馬鹿さんがそんなものやっても無駄だと思うけど」

真紅「余計なお世話ね水銀燈
　　　貴女はせいぜい麻雀だけに精を出していればいいのよ」

水銀燈「何よ、麻雀は面白いのよ？将棋なんて退屈過ぎてやってられないわぁ」

真紅「雀鬼」

水銀燈「！！何ですって？？？！！」

真紅「雀鬼じゃない貴女なんか」

水銀燈「真紅うううううううううううううううう！！！！１１！」

タブー中のタブーに触れた

水銀燈「許さないわ真紅…！！貴女なんか将棋でケチョンケチョンになればいいのよぉッ！！」

真紅「怒ったわね水銀燈？でも私に将棋で敵うと思っているのかしら」

水銀燈「ハッ！私の棒銀戦法を喰らうがいいわ！！」


パラッ　カラカラ

真紅「振り駒は貴女の先手ね水銀燈
　　　　持ち時間は１５分切れ負けでいいかしら」

水銀燈「そんなに必要ないわよ
　　　　　あなたの玉を詰ますのなんて５分もかからないわ」

真紅「後でホエ面をかかないことね
　　　　それで、何を賭けるの？」

水銀燈「こっちが勝ったらあそこのくんくんを頂くわ」

真紅「！！
　　　　くっ、上等じゃない…！じゃあ私が勝ったら一週間下僕になって貰うわ」

水銀燈「フフフいいわよぉ？
　　　　　将棋の地獄ってものを見せてあげる」

真紅「じゃあ…」

二人「お願いします」

水銀燈「何よこの程度？」

バチダンバチダン

真紅「…ッ！！」

水銀燈「つまんなぁい…
　　　　　全然手ごたえが無いじゃないの」

真紅「…そ、そんなっ…！」


翠星石「ま、マズイですぅ！真紅は原始棒銀の受け方を全然知らない…！！」

水銀燈「これで終わりよ真紅っ！！」

ビタン！！

真紅「瞬殺…わ、私が…？そんな…」

水銀燈「私の棒銀に貫けないものなんて無いわ！！」

先手：水銀燈
後手：真紅

▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △４四歩 ▲２五歩 △３三角
▲３八銀 △４二飛 ▲２七銀 △３二銀 ▲２六銀 △４三銀
▲１六歩 △６二玉 ▲１五銀 △５二金左 ▲２四歩 △同　歩
▲同　銀 △２二角 ▲２三銀成 △３一角 ▲２二歩 △５四歩
▲２一歩成 △４一飛 ▲３一と △同　飛 ▲２二成銀 △４一飛
▲２三飛成 △７二玉 ▲３二成銀 △同　銀 ▲同　龍 △４二飛
▲３一龍 △４五歩 ▲４八金 △４六歩 ▲同　歩 △同　飛
▲４七歩 △２六飛 ▲３八銀 △２八飛成 ▲１一角成 △１九龍
▲４四馬 △８二玉 ▲３六歩 △７二銀 ▲４六角 △１八龍
▲７四桂 △９二玉 ▲６一龍 △８二銀 ▲同桂成 △同　玉
▲７一銀 △９二玉 ▲８二金
まで63手で先手の勝ち

ちなみに棋譜はkifu for win というフリーウェアで再生できます
まあそのために落とす人なんて居ないでしょうが

さっきの半分で決着ですね

※原始棒銀と右四間は初心者を瞬殺する凶悪な戦法です


水銀燈「…という訳でこのくんくんは頂くわ
　　　　　約束だものねえ真紅？」

真紅「あああくんくん…くんくんが…涙」

水銀燈「元はと言えば貴女が雀鬼なんて言うのが悪いのよ

　　　　　じゃーあねー♪ぎゅっ(はぁと)」


真紅「くんくんが居ない生活なんて…辛すぎて考えられない…うっうっ」


翠星石「ちょちょっとチビ人間！何とか言って励ましてやるですよ！！」　ﾋｿﾋｿ

ＪＵＭ「まあ勝負の事とは言え気の毒だな

　　　　よし分かった真紅、棒銀対策を教えてやるよ」

真紅「舟囲いからの棒銀ならある程度対策も知ってたの…ぐすん
　　　でもまさかいきなりノーガードから攻めてくるなんて…」

ＪＵＭ「さっきの対局はちょっと受け損なっただけだろ
　　　　なあに受け方さえ知れば全然どうという事はないさ」

真紅「ほ、本当ＪＵＭ？是非教えて欲しいのだわ」

おい

クソッ水銀燈に棒銀を使わせて金糸雀に金無双や金矢倉を
使わせたかっただけなのに何でいつの間にかこんな難しいスレになってしまったんだ



寝る

おや乙