1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ペンションVIPへようこそ
あなたの名前は
>>2 お連れ様の名前は
>>3ですね?
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:11:45.63 ID:uR1VmTBi0
ミッキーオ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:12:29.70 ID:YaBzcQyk0
小林一茶
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:12:31.18 ID:Bd+sQGdh0
ミニーオ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:18:13.57 ID:tIj/3Z3s0
BGM:アレ
ようやく覚えたVIPでなんとかスレを立てて、ぼくは一息ついていた。
一茶はそんなぼくの目の前で、息もつかさず鮮やかにレスをした。
小林一茶「あは、ミッキーオの顔、キモヲタみたい^^」
ミッキーオ「はは、うるさいよ一茶ちゃん。モニターの向こうからぼくの顔が分かるのかい?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:23:24.95 ID:tIj/3Z3s0
ミッキーオ「どうせぼくは
>>1より煽られるほうが似合ってますよ」
小林一茶「よくある煽りじゃないスルーしなさいよ。
VIP始めた日にスレ立てなんて、かなり凄いと思うわよ」
貶されながら褒められる。
ぼくはすっかり調教され始めているようだ。
改めて一茶の書き込みを見た。
鋭い叩きと煽りテクニックは、VIPに舞い降りた殺し屋のようだ。
誰しもがそのモニターの向こうに、不細工な面を期待したはずだと思う。
一茶なら、とぼくは思った。
一茶ならその期待を裏切らない。
可愛かったら爆発する。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:26:17.04 ID:tIj/3Z3s0
さっきからVIP育ちの一茶に
さんざん腕の差を見せつけられて
うんざりしていたぼくだったが、
いまだけは勝ったような気持ちになった。
そしてちらりと反射した自分の顔にコーヒーをぶちまけた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:29:06.03 ID:tIj/3Z3s0
小林一茶「もう一回だけ、立てよ?」
ミッキーオ「ええっ? また立てるの?」
ぼくは規制されたくなかった。
朝からの猛特訓で、ぼくは必死ランキング上位という状態だったのだ。
小林一茶「いいじゃん! あともう一回だけ!」
ミッキーオ「もうやめようよ。それにほら、すぐ過疎っちゃうし」
ぼくはそういって、このスレを指さした。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:33:30.45 ID:tIj/3Z3s0
小林一茶「ほんとだ。すっかり昔と変わっちゃったな」
一茶は急にしおらしくなった。
小林一茶「しかたないなあ、今日はもうやめよっか」
ぼく達は、一茶の叔父さんの
>>10さんに借りたタカミン絵チャットにログインした。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:39:14.67 ID:PPzHs5AIP
珍宝
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:44:25.94 ID:tIj/3Z3s0
小林一茶とは、今年の九月にVIPで知り合った。
規制されたからという名目で、
一緒にスレを立てる関係にまでこぎつける
ことができたのは、今日のことだ。
しかし、会ってセクロスに期待しているぼくをあざ笑うかのように
ぼくは彼女にいいようにやられっぱなしだった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:49:43.29 ID:tIj/3Z3s0
だから、メッセンジャーのアドレスを交換しないかと言われたときは、
正直いって驚いた。
彼女の叔父さんの珍宝という人が、VIPで企画を経営しているのだという。
しかし、いい加減VIP企画は飽きられていて、夏だというのに客がないらしい。
それで、あわよくばセクロスと言うことで、ぼくは話に乗ってみることにしたのだ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:53:12.69 ID:tIj/3Z3s0
ぼく達は……。
A 一旦タカミンで落ち合った後、避難所のGEPで落ち合った
B 一旦タカミンで落ち合ってから、スレ立てまでここで話でもしようということになった。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:57:04.40 ID:PPzHs5AIP
ABABABABABABA
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:57:54.05 ID:R6ePbS+GO
こんや、12じ、だれかが、ぬるぽ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:00:03.50 ID:tIj/3Z3s0
一旦タカミンで絵チャしてから、スレ立てまで雑談しようと言うことになった。
一茶は絵師だった。
VIPでの態度から考えられないくらい良い絵を描いてみせてくれた
ぼくはそのギャップに苦笑しながら、
彼女の描く女の子の頭の上にうんこを書き足す作業にあけくれていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:06:26.90 ID:tIj/3Z3s0
小林一茶「ミッキーオは何か描かないの?」
ミッキーオ「ぼくは絵は点でだめなんだ」
小林一茶「ふうん。まあミッキーオはライターだもんね。
絵は私が頑張るから、ミッキーオもいい話書いてね。サービスしてあげる」
一茶が流れるような仕草で、ちょっとエッチな格好の女の子を描きだした。
一茶の脳内は男のぼくよりエロいかもしれない。
ミッキーオ「もういいよ!」
小林一茶「抜いてもいいのに」
ミッキーオ「えっ・・・」
小林一茶「冗談に決まってるでしょ、変態」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:08:52.04 ID:tIj/3Z3s0
このまま絵チャにいたら、エロリクしまくってしまいそうだ。
ミッキーオ「そ、そろそろスレ立てしようか」
小林一茶「そうね」
心なしか小林一茶に残念そうな響きがあるような・・・
まったく、構って女には付き合っていられない
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:13:18.77 ID:tIj/3Z3s0
日付も変わったことだし、早速スレを立てた。
「かたいたちみたいなノベルゲーつくろうず!」
かまいたちというのはノベルゲームのパイオニアである。
面白さの原点に返った製作をしようというわけだ。
ぼくたちはスタッフが集まるまで、自演しながら待つことにした。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:20:54.32 ID:tIj/3Z3s0
小林一茶「あーP2のID切り替えるの面倒になってきた。ルーター再起動もだるい」
ミッキーオ「一茶はその必死さを絵に注げば、今頃コミケの女王だったろうね」
小林一茶「うるさい!」
その時、最初のスタッフ3人が現れた。
>>21「かまいたち? あたしもすき」
そういったのは腐女子風の絵を描く女の子だった。
>>22「あのゲームこわいよねー^^;」
全然こわそうじゃないのは、
いかにも初心者ながらも可愛い魅力ある絵をサンプルにあげてくれた。
>>23「こんや12じ、だれかが うp。なんちゃって★」
誰にもウケない書き込みをしていたのはライター志望だった。
サンプルは箸にも棒にもかからないような冒頭だけで終わる意味不明の小説だ。
3人とも、いきなり女アピールを始めている。
小林一茶は少し不機嫌そうだった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:47:54.92 ID:tIj/3Z3s0
人いないし安価やめるわ
腐女子と幼女とライター女っってことで。
小林一茶「で、どの子が好みなの?」
一茶の鋭い視線が突き刺さる。
どれって言われてもな・・・
ミッキーオ「とりあえず3人とも上手いと思うけど」
ぼくは無難な返事をした。
自分の立てたスレに来てくれたのだから、嬉しいのが素直な気持ちだった。
小林一茶「逝って良し」
ミッキーオ「な、なんでだよ?!」
これだから女は。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 01:53:06.88 ID:tIj/3Z3s0
腐女子「じゃあ、何描けばいいですか?」
今主催の珍宝さんは居ないし、
たぶんぼくに聞いているのだろうが……
ぼくは仕切りって奴が苦手だった。
2chで人を纏めるなんて、人事のプロでも御免被りたいだろう。
そういった思いはおくびんにも出さず、ぼくはWIKIを覗く。
その間に、一茶は早速どっちが上なのかはっきりさせておこうと言わんばかりに
絵をうpし始めた。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:00:09.00 ID:tIj/3Z3s0
一茶の絵は好きだ。
今更褒めるのも白々しく思う。
名無し達も、どうだとばかりにうpされた絵より
腐女子や幼女の絵のほうが親しみやすいようだった。
特に幼女の絵は可愛らしくて反響が多く、
一茶はちょっと悔しそうだった。まったく面倒臭い奴だ。
幼女「わたしたちさっき参加したばかりだけど、どこまで出来てるんですか?」
ミッキーオ「かまいたちみたいなのっていう以外、ほとんど何も決まってないよ」
ライター女「設定とかもなし?」
ミッキーオ「そうだよ。意見ある?」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:08:34.95 ID:tIj/3Z3s0
ライター女はそれを聞くと、
嬉々として自分勝手な妄想設定を語り始めた。
ライター女「阿部さん出そうよ、ホモエンドとか」
……その設定、自分でシナリオに出来るんだろうな……?
ぼくも作業に参加するライターなので、一抹の不安をぬぐいきれない。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:15:38.53 ID:tIj/3Z3s0
そのとき、名無しが何やらスレの動向を聞いた後、
参加表明を匂わせる発言をした。
新しいスタッフが来たようだ。
ピザ夫「かまいたちか、ワシに任せておけ! 相方と一緒に参加してやる」
珍宝「ああ、ピザ夫にピザ子さん、いらっしゃい。遅かったですね」
主催の珍宝さんが出てきて、二人を迎える。
どうやらぼくと一茶のように、彼に呼ばれたスタッフのようだ。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:22:25.19 ID:tIj/3Z3s0
ピザ夫「えらいネタスレが乱立してて、どれなのかわからんかったわ」
スレ一覧を見ると、さっきはそれほどでもなかった糞スレが、
どんどん勢いを増している。
一つ立つとたけのこのように立つ制作スレ。
乱立せずに、一つの所で作ればいいのにと、たまに思う事がある。
しかし、みんな好き勝手に妄想して好き勝手な製作気分に浸りたいのだ。
楽で無責任なところだけに参加して、その結果すぐに廃れることになろうとも。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:35:47.41 ID:tIj/3Z3s0
ぼくは反射的にスレのレス数を見たが、まだ200だ。
スレ番号が飛んでいるのは、NGに引っかかったからだろうか。
WEB担当「まだなにもないけど公式サイトの用意が出来ましたので、
みてみてくださいね」
珍宝さんの知り合いだろう。
WEB担当と名乗る女の子が書き込みに参加した。
珍宝「早くしろよ」
WEB担当「すみません・・」
この二人はどういう関係なのだろう。
性欲をもてあましていたぼくは、
つい珍宝さんの慣れ慣れしさから肉体関係を想像してしまう。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:39:57.83 ID:tIj/3Z3s0
気づくと、ぼくと一茶は彼女をみていた。
また嫉妬されるのかも知れないと思ったが、意に反して彼女はつぶやいた。
一茶「大変そうね・・・」
ミッキーオ「ぼくのほうが大変だよ」
一茶「ばーか」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:53:45.69 ID:tIj/3Z3s0
公式サイトにはすでに、
影絵で出来た仮のキャラ紹介や、ストーリー紹介が用意されていた。
ライター女は早速自分の考えた設定をアピールしている。
腐女子と幼女も、wktkを隠せない様子だった。
ぼくと一茶もページを開く。
なかなか凝ったロゴに、思わず感嘆の声を上げた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 02:57:15.37 ID:tIj/3Z3s0
ミッキーオ「一茶ってロゴも作れるんだね」
一茶「それWEB担当さんだよ」
気まずい空気が流れた。
珍宝さんとWEB担当さんが、企画の説明を始める。
スタッフは、ぼくたち、三人娘、そしてピザ夫婦……
だけかと思っていたのだが、もうひとり、こんな企画には似つかわしくない客が居た。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:06:21.11 ID:tIj/3Z3s0
スタッフに溶け込むようにして書き込んでいる名無しの男……
公式サイトで盛り上がっているのに
一人でこの企画はダメだなどとご高説な書き込みをしている。
……アンチ。それが第一印象だった。
ミッキーオ「アンチ乙」
ぼくは書き込んでしまっていた。
一茶「ちょっと、火に油を注いでどうするのよ」
ミッキーオ「ごめん・・・」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:12:18.22 ID:tIj/3Z3s0
アンチにはぼくが脳内あぼーんされているのか、
頼んでも居ないやる夫のゲーム制作まとめなどを貼っている。
制作スレにはこの手のネガキャンが必ず沸いてくる。
ぼくはそれを知っていたので、すぐにNGIDに指定した。
それに、公式サイトの出来をみた時点で、もうそんなことはどうでもよくなっていた。
ミッキーオ「上手く纏まってるよね。ここに一茶や腐女子や幼女の絵が入るんだね」
ピザ子「私も絵師です。よろしくお願いします」
腐女子「そうなんだ、よろぴくー」
一茶「よろしく」
一茶の挨拶は至って普通のものだったが、
その裏に潜む感情が分かる気がした。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:14:50.16 ID:tIj/3Z3s0
一茶「さてと、早速立ち絵描きましょうか。設定教えて」
ミッキーオ「ええ、もう?」
一茶「なによ、まだ決めてないの?」
ライター女「私、ホモルートかきたい!」
お前は黙ってろ。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:26:08.41 ID:tIj/3Z3s0
幼女「あの……」
がやがやとキャラ設定に盛り上がっているところに
幼女の書き込みが割り込んだ。
「今避難所にいったら、こんな書き込みが……」
幼女が震えながら、主催の珍宝さんにURIを差し出した。
ぼくも反射的にクリックすると、スクリプト荒らしのように、不吉な字が書き殴ってある。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:28:18.34 ID:tIj/3Z3s0
『こんや、12じ、きかくが、しぬ』
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:33:53.68 ID:tIj/3Z3s0
「今夜、12時、企画が……死ぬ?!」
スタッフが一様に息を呑んだ気がした。
書き込みが止まったスレに、ようやく珍宝さんが指揮を執り始める。
珍宝「これはひどい」
ピザ子「……」
一茶「まだ2時間も経ってないのに」
ぼくは内心、さっきのアンチの仕業じゃないかと思っていた。
しかし、避難所とVIPではIDが違うし、
そのIDにしても幾らでも工作することができる。
それは一茶も気づいているようで、決めつけることは出来なかった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:42:03.98 ID:tIj/3Z3s0
どうせ悪戯だろうということで、
すぐに企画会議が始まった。
ライター女の勢いにまけて、ぼくは彼女にメインを譲ることにした。
それを切っ掛けに、キャラ設定が次々と決まっていく。
絵師達がラフを描いているなかで、手持ちぶさたなスタッフ達は談笑に耽っていた。
ピザ夫「ところでミッキーオ君。就職先はきまったのかね?」
ミッキーオ「いえ、まだですが」
ピザ夫「ワシは○○会社の社長なんや。ライターなら雇って遣ってもいいで。
サンプル見る限り、良い筋してる」
ミッキーオ「は、はあ……」
2chでそんなことを言われてもなあ。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:47:58.08 ID:tIj/3Z3s0
自称次第で何にでもなれるのだ
ニコ厨の自称上級者や批評家に辟易していたぼくは
当然このピザ夫もうさんくさくしか映らない。
ミッキーオ「ありがとうございます」
適当に相づちをうちながら、話題が変わるのを待っていた。
そんな気持ちとは裏腹に、ピザ夫の自慢は止まらない。
一茶「2chで自慢しなきゃならないほどストレス抱えてるの?」
一茶の鋭い指摘にぼくは顔面が凍る思いだ。
それはいっちゃダメだろう。
その場にいたスタッフは全員口をあんぐりあけて、レスが止まってしまった。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:53:25.90 ID:tIj/3Z3s0
幼女「現実にその地位にいる人は、
わざわざスレチな場で自称しなくてもいいですよね。
だってそれが自分にとって当たり前の状態で、何も特別な事じゃない。
それでも制作スレでひけらかしてしまうのは、どうしてなのかな?かな?」
この幼女……!!
幼女の意外な黒さに、
一茶は言いたいことを先に言われたかのように同意している。
幼女「社長とはほど遠い地位で、憧れからの発言なのか
それなりに近い地位だけど一歩及ばず、背伸びしてみたくなったとか……」
ミッキーオ「あの……幼女ちゃん……?」
ピザ夫「……」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 03:59:06.34 ID:tIj/3Z3s0
ピザ夫はすっかり黙り込んでしまった。
流れを変えようと気を利かせたのか、ピザ子と腐女子が絵を投下し始める。
珍宝「いいねいいね。このまま使えるよ」
ライター女の考えた設定による立ち絵だった。
無茶苦茶な設定をうまく消化している。ぼくは素直に感心した。
続けて幼女や一茶の立ち絵もあがってきた。
幼女の絵もかわいいが、ぼくは一茶をひいき目に見てしまう。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:04:48.16 ID:tIj/3Z3s0
不吉な避難所の書き込みの後、あっさり亀裂が入りかけたこの企画。
何とか持ち直したところで、ぼくは一茶に指摘した。
ミッキーオ「どうしたんだよ急に。一茶はぼくに突っかかっていればいいだろ?」
一茶「ああいうの、イラっとするのよ。ミッキーオが嫌がってるのも分かってたし」
幼女「ですー」
ライバル視しているのかと思っていたら
あっさり仲良くなっている絵師二人。
まったく分からないものだ。
珍宝「早速サイトに載せて貰いますか」
主催が早速切り出して、スタッフもそれに同意する。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:13:27.89 ID:tIj/3Z3s0
ピザ子「あまり悪く言わないでやってください。
いわゆる同人ゴロなんです。それなりに誇りを持ってやっているんですが、
まっとうな職業にコンプレックスがあるらしくて」
なるほど、とぼくは思った。
二人は相方同士だったのだ。
ピザ子さんの目の前でピザ夫さんを侮蔑するのは失礼すぎた。
2chだし、そこまであげつらうこともなかったと思う。
一茶と幼女もピザ子に謝ると、ピザ夫もやってきて言った。
ピザ夫「そや、わしは恥ずかしいことをしてしもうたわ。
だがミッキーオくん。言ったことは本当やで?
同人ゲームのシナリオでよければ、仕事用意したるさかい」
ミッキーオ「就職失敗したら、よろしくお願いします」
ピザ夫「失敗してもしなくても、いつでも声かけてな」
ライター女「私には声がかからないっていう」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:22:57.72 ID:tIj/3Z3s0
腐女子「いいなースカウト」
ピザ子「腐女子ちゃんだってレベル高いと思う。
幼女ちゃんも数年後には、私を追い越してそうだなあ」
そういうピザ子は、いかにも美術の心得がありますというような
萌え絵とは一風かわった立ち絵を仕上げていた。
一茶「萌え絵的な要素を取り入れつつ、自分を見失ってない感じがいいよね」
一茶のつぶやきにぼくも同意した。
ミッキーオ「一茶の絵だって良いよ」
絵師達もぼくに合わせて頷いてくれる。
互いを認め合う和やかなムードが生まれて、ぼくは一安心した。
「WEB担当、どこいった?」
珍宝さんが唐突に書き込んだ。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:30:20.09 ID:tIj/3Z3s0
「WEB担当!」
珍宝さんの呼びかけに、返事はない。
ミッキーオ「どういうことだろう」
珍宝「WEB担当がいないんだよ。
彼女がいないとFTPのパスワードが分からない。
つまり、公式サイトが更新出来ないんだ」
腐女子「いきなりこまりましたねー・・」
幼女「……」
幼女が黙り込んだ。
ぼくもおなじことを思い出していた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:37:14.41 ID:tIj/3Z3s0
一茶「スタッフ逃亡は、よくあることだけど」
ピザ子「ちょっと早すぎますね」
腐女子「うん。大抵自分の能力を悟ったり、
自分の言った納期を守れなかったりして、
居づらくなって出て行くから」
想像以上に玄人なスタッフが集まっているようで、
絵師達は失踪の驚きよりも何が原因だったかのほうに頭が回っている。
ライター女「私のシナリオが嫌でやめちゃったのかな……」
ミッキーオ「まさか。
ここまで丁寧にサイトを作っているんだからやる気があったのは間違いない。
手放すのは不自然だよ」
珍宝「だめだ、アップロードできない。
基本のパスは全部試したが、そういうのじゃないみたいだ」
ピザ夫「ううむ・・・」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:53:38.13 ID:2LEw5IcdO
さるさん?
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 04:59:48.82 ID:tIj/3Z3s0
>>46 さんくす
幼女「クラックします?」
珍宝「は?」
幼女「パス解析ツールです。
そんなに難しいものじゃなければ、ツールで簡単に割れますよ」
一同唖然とする。
一茶「よ、幼女ちゃんよくそんなことしってるね……」
口ぶりから一茶も知っていたようだ。
ピザ夫「でも、不正アクセスにならないか?」
幼女「もちろんそうです。どうします?」
ミッキーオ「どうするって……そういうのはやめたほうが」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 05:16:36.89 ID:tIj/3Z3s0
珍宝「企画で委託した管理でもあるんだ。
その本人が居ないんじゃどうにもならない。
戻ってくる保証もないし、待っていたらVIPのスレは落ちてしまうよ」
しばしの沈黙の後、
珍宝「俺がやったことにします。割りましょう」
幼女「実はもう割っちゃいました。パスワードはkagianaです。
読めるアルファベットだけなんて不用心ですね」
一茶「kagiana…….鍵穴?」
珍宝さんはすこしためらったが、
やがて手にしたパスで画像をアップロードした。
が、その瞬間、このサイトがおかしいことはみんなに分かった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 05:26:48.90 ID:tIj/3Z3s0
先ほどまで見えていたデザインが一転して真っ黒になり
企画は解散しました、の文字がでかでかと張り出されたのである。
ピザ夫「なんじゃこりゃあ……」
珍宝「な、なんだ? 画像をアップしただけなのに、どういうことだ」
ピザ子「悪戯?」
腐女子「なんかHDDがりがり言い出したんだけど……」
一茶「まずい、ウイルスかも知れない」
ミッキーオ「ぼくのノーdはさっきから静かだけど……?」
幼女「パターンファイルがない新種のウイルスには、ワクチンソフトって無力ですよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 05:32:44.99 ID:4AOwmcW/0
C
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 05:35:35.07 ID:tIj/3Z3s0
幼女らしからぬ冷静さでぴしゃりと言い放つ。
頷いてピザ夫が付け足した。
ピザ夫「サイト見ただけで感染するGENOウイルスなんてのもあったからな」
ミッキーオ「え……」
一茶「みんな一旦PCの回線切った方が良いかもしれないね。
再起動はしちゃだめだよ。逆に危ないから」
幼女「ですね」
こういったことにまったく耐性のないぼくたちは、
一茶と幼女の指導のままにLANケーブルをぶっこ抜く。
スタッフは携帯で落ち合おうと言うことになった。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 05:53:50.13 ID:tIj/3Z3s0
時計は、12時43分だった。
集まり直した制作スレでは
携帯で新たなIDになったスタッフの面々が話合っていた。
まず最初にしたのはオフライン状態でのフルスキャン。
幼女ちゃんの言うとおりなら、意味はないことになるが……
そして、案の定それらしいウイルスは引っかからなかった。
ピザ夫さんのPCからはいくつかウイルスが発見されたらしいが、
他からは発見されてないしエロサイトで踏んだやつだろう。
一茶のPCからも何故かエロサイト系のマルウェアが見つかったらしく、
資料とりにいったんです、と顔を真っ赤にしていた。
ぼくは後々使える良いネタを掴めたと思った。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:07:56.17 ID:tIj/3Z3s0
ピザ子「やっぱり、あの書き込みをした人の仕業……そうとしか考えられない」
珍宝「ちょっとまってくれ。
それじゃあ自動的に犯人はWEB担当って事になってしまう」
その通りだ。
珍宝さんの発言によればFTPのパスワードを知っていたのは彼女だけだし、
ウイルスまで仕掛けてあったんなら尚更だ。
腐女子「企画に潜り込んで、壊して楽しむ人達がいるって聞いたことある」
幼女「語るスレですか?」
ミッキーオ「語るスレ?」
聞き慣れない言葉がでて、ぼくは聞き返した。
そこに、一人の名無しが入ってきた。IDの末尾を見ると、PCからだ。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:13:55.84 ID:tIj/3Z3s0
名無し「2chでのゲーム制作を語るスレか。
その可能性はあるね、でも、それはほとんど都市伝説だよ。
あそこはウォッチスレといって、企画の動向を眺めて楽しんでいるけど、
潰れた企画が目の敵にしてスケープゴートにしてる部分もあるんだ」
一茶「どっちにしろ良い趣味じゃないけど」
珍宝「ヲチスレか……。
昔見たことがあるけど、ちょっと異様な空気だったな。
つまらないことで揚げ足を取ったり、汚い言葉で罵っていたような……」
ピザ子「ところであなたは?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:25:17.22 ID:tIj/3Z3s0
名無し「楽しそうだったのでスタッフ志願しようと思ったんですが、
丁度トラブルだったようで」
珍宝「ごたごたしててすみません。
書き込んであるとおり、サイトは開かないでくださいね。
危ないかも知れないので」
名無し「大丈夫です」
……もし、その推理通りだったとして、
随分用意周到な裏切りだ。
珍宝さんの信頼を得てサイトを任されて、
ぼくたちと会話をしつつ避難所にあの書き込みをして
会議に気を取られている間にサイトを改ざんする……
そんなことを、一時のウォッチネタのためだけにするのだろうか?
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:37:07.14 ID:tIj/3Z3s0
腐女子「今WEB担当さんはあたしたちのことをあざ笑ってるのかな」
珍宝「……きめつけるのはよくない。
彼女は絵を楽しみにしていたし、サイトだってしっかりつくっていただろう?」
ピザ夫「そうだよな。まあ、それも狡猾な罠だったともいえるわなあ。
わしにはわからんわ」
企画は相当なダメージを受けていた。
こんや、12じ、きかくが、死ぬ。
このままでは本当に、その通りになってしまう。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:49:50.50 ID:tIj/3Z3s0
ミッキーオ「明らかに悪意を持っている人がいます。
企画を続けることはできると思いますか?」
ぼくがたずねると、珍宝さんとピザ夫さんが同時に首を振った。
珍宝「残念だけど、主催として続行を頼める状態じゃない……
もし、この企画を潰すのが目的なら、
また何かが起きることになる」
ミッキーオ「じゃあ、
犯人はここを今もみてるということになるんじゃないでしょうか?」
幼女「そうですね」
ミッキーオ「更に言ってしまえば、スレに書き込んでいるかも知れない」
一茶「ミッキーオ、珍しくさえてるわね。
そうよ。私たちは携帯だけど、PCからのIDは変えほうだい。
たとえば名無しさんがWEB担当さんと同一人物っていうこともありえるわ」
不穏な空気が流れた。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 06:57:21.26 ID:tIj/3Z3s0
名無し「俺は本当に、さっききたばかりだよ」
一茶「例えです。
私たちだって条件は一緒。
携帯で書き込みながら、安全なPCから書き込めばいい」
珍宝「うーん。
WEB担当さんが犯人という流れになってしまっているが
俺はそうは思えないんだ。
どうか信じてくれないか? きっと回線の不調か何かで……」
腐女子「サイトの件はどう説明するの?」
〜〜〜〜〜〜〜〜
ちょっと離れます
落ちてたら運命ってことで
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 07:06:23.61 ID:2LEw5IcdO
いってらー
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 08:13:53.04 ID:JVFwwLtAO
おもしれぇwww
つか製作の方はどうなったん?
どうなったも何も、これ名無しが勝手に立てただけだから
企画とは何の関係もないよ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
そうなのか
てっきり製作者の一人かと