1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:02:01.21 ID:ZzR4pmHuO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:02:42.72 ID:HXp3Df+WO
おかえりぃぃいい支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:04:51.54 ID:jx7rkR7GO
機械と機械を接合して造ったような広い道に影が六つ、距離を置いたところ一つ。
( ・∀・)「左右に別れて!」
と、腕を薙いだモララーの指示に従い、ダイオードとヒートがV字に別れて疾駆を開始。
《――ピピピ》
甲高い電子音。
前方に立つ『杖』のような、一本脚で立つ藍色の『魔動機械』からのものだ。
/ ゚、。 /「ヒートッ!」
ノハ#゚听)「いっくぜぇえええええええええええええええええええットッ!!」
地を深く蹴り、ヒートが一本脚へ向かって跳躍。
右手を堅く握って拳を作り、それを内に捻って身体を右へと回転させ始める。
一本脚の頭部と思われる部分の中心には、真っ赤な球体が一つ。
それが眼なのかどうかは解り兼ねるが、ヒートを捉えたことは確かなようだ。
ノハ;゚听)「やっぱ速ぇ――ッ!」
《ピピピピピピ――》
深紅色のガントレット『ヴォルレット』が装着されたヒートの拳が、空を穿った。
その下には重心を逸らし、半ば倒れ込むような格好で停止した一本脚。
この状況から、一瞬ヒートの頭を過ぎったのは戦闘単位認定試験での記憶だった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:05:01.82 ID:o1LXRwsTO
待ってた!支援
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:06:40.00 ID:FdQqPUESO
おいおいどんだけ久しぶりだよ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:06:57.23 ID:jx7rkR7GO
《ピッ――》
か、と地を叩く音と共に一本脚が動く。
一本脚の下部は鋭利な刃物――一本脚の形状を『杖』と比喩したが、下部は宛ら両刃の『剣』のようだ。
ノハ;゚听)(来ッ――たッ!!)
ヒートは全体重を踵に掛け、後ろへ倒れ込み始める。
そんなヒートを目掛けて、一本脚の全身を使った斬撃が放たれた。
/#゚、。 /「させると思うかッ!」
ヒートの腹部が裂かれる寸前、ダイオードの声に合わせて一本脚が横へ弾け飛んだ。
跳躍からの半月斧に因る回転斬り。
斬撃と打撃の衝撃で散った、一本脚の破片が地に降り注ぎ、
ノハ*゚听)「わっ!?」
(゚n゚;@「うっ……」
ヒートが滑り込んで来たゲレの背をクッションにして完全に倒れ込んだ。
( ・∀・)「三人共、お疲れ様。 一体だと、流石に早いね」
モララーの乾いた拍手の音が響き、今戦闘は無事終了を迎えた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:07:35.81 ID:YReP1K4gO
久しぶり!シエン!
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:09:00.64 ID:jx7rkR7GO
第十二話 『内包都市』
('、`*川塔の魔術師と爪゚ー゚)悪魔のようです
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:10:57.96 ID:jx7rkR7GO
ノパ听)「おっ! ここ、広いぞッ!?」
(゚n゚*@「今までに比べたらまぁまぁ、っとこだな」
果てなく続いていた長い階段を漸く抜けると、そこは円状の空間だった。
少し先に眼を向けると、また上へと続く階段がある。
少し遅れて、階段からずらずらと、
(;・∀・)「魔動機械もいないようだし、ここらで休憩にしようか」
_
彡;゚A゚)「あー……また階段が……」
('、`*;川「賛成。 ダイオード、今何時……?」
/ ゚、。 /「八時十二分だ。 入塔から約八時間経ったな」
呼気から疲労を感じさせる三人と、最後尾に就いていたダイオードが出て来た。
まずは二人、中心の辺りまで進んだモララーとペニサスは、へたり込んで溜め息を吐く。
ジョージも背負っていた身の丈半程もある巨大なリュックを背から下ろし、溜め息吐いた。
その横で、ジョージが使役する悪魔・ゲレが身体を伏す。
/ ゚、。 /「先にある階段を見てくる。 何もいない、来そうにないようならここで朝食を取ろう」
と、へたり込む二人の横を通り過ぎながら言ったダイオードは、先に位置する上へと続く階段へ向かった。
返事は返さず、モララーは小さく手を挙げて、ペニサスは小さく手を振って見せる。
手を下ろし、ペニサスはダイオード後ろ姿を見送りながら、徐に口を開く。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:13:15.91 ID:DF32KsncO
おかえり支援
おひさしぶりでござる。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:14:46.31 ID:jx7rkR7GO
('、`*;川「結構いいペースよね……?」
(;-∀・)「入塔して、あの場所を抜けるまで二時間……。
あの魔動機械が彷徨く場所を抜けて、ここに来るまで三時間……。
残り三時間が休憩、と……」
('、`*;川「……ちょっと休憩し過ぎじゃない?」
(;-∀-)「体力のことは言わないで」
ノハ*゚听)ノ「おーいッ! こっの場所は何もないみたいだぞーッ!!」
('、`*;川(元気ねぇ……)
(;・∀・)(元気だなぁ……)
モララーとペニサスに手を振ったヒートは、二人の方へ向かってスキップ混じりで歩き出す。
どうやらこの空間の周りの壁を調べていたようだ。
_
彡;゚A゚)「なぁ、モララー」
( ・∀・)「……誰?」
_
彡#゚A゚)σ「何回目だよっ! お前の永遠の好敵手と書いてライバル!
ジョージ・ラーコリンヌだッ!!」
びしっ、と効果音が付きそうな程勢いがあるジョージの動作。
こうした二人の遣り取りは、入塔から計十三回目になる。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:18:26.76 ID:jx7rkR7GO
( ・∀・)「で、何かな?」
_
彡ヽ A )「あ……その、一応俺もゲレと組めば前衛に入れるから……使ってくれよな?」
( ・∀・)「あはは、素直だね」
_
彡ヽ゚A゚)「ヘヘ、止せやい」
('、`*;川「感覚麻痺してるわよ……まぁ、あれだけ放置プレイ喰らえばそりゃあね……」
塔へジョージとゲレがやって来て、四人を見付けて合流してから、
今の今までモララーは徹底的にジョージを『無いモノ』として扱ってきた。
ペニサス御一行が塔を上るという噂を聞き付け、やって来た一人と一匹――ジョージとゲレ。
その二名をパーティーに加えようか話している時、
( ・∀・)「頭数は多い方がいい。 歓迎するよ」
(゚n`*@「しゃあねーなァ」
_
彡;゚A゚)「えええぇぇぇぇえええええええぇ……」
と、まるでゲレの隣に立つジョージが見えていないように、ゲレだけを見てそう言ったのだ。
そこからジョージが鬱憤を乗せた激語を放ち、鬱陶しくなった四人と一匹加えた面々は、
それを無視して再び道を進み始めた。
暫くして大人しくなったかと思えば同行懇願が始まり、無言になったかと思えば泣き声を聞かせてくる。
最終的には、黙って付いて来て何かぶつぶつと呟いていた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:21:04.18 ID:jx7rkR7GO
先程抜け来た階段の下には、何体もの魔動機械がそこら中を彷徨く階層広がっていた。
そこで何十回と行われた戦闘に於ても先述した通りで、ジョージは空気として扱われていたのだ。
この即席パーティーで連携を取るため、モララーは指示に徹し、
三人と一匹はモララーの提案に従って一回の戦闘を三名で行い、
次の戦闘では前戦に出た内の一名が抜け、控えていた者が加わるという形を取って戦った。
( ・∀・)「名付けて『回転式シフト(僕も加われば完璧、もう一人なんて要らない)』だ」
連続して戦闘行えば、確実に疲労と心労が溜まっていく。
充分とは程遠いのだが、休息時間が得ることが出来る。
この回転式シフトはパーティーに加わった一匹と、三人の実力があって成り立ったものだ、と言えるだろう。
そして何よりそれを考え、各々の力を遺憾なく発揮させる指示を下したモララーを忘れてはならない。
しかし、この回転式シフトの例外となる四名での戦闘も二度行われていた。
宙に浮いた巨大な角錐形の魔動機械三体に囲まれた時と、
道を塞ぐように待ち構えていた浮遊した球体の魔動機械十八体との戦闘。
後者の戦闘では指示に徹していたモララーも、この時ばかりはいざという時は参戦しよう、と身を構えていた。
この少数で囲まれたり、数で押されたりすれば、作戦や指示に従っている余裕はなくなる。
しかし三人と一匹は、何とか両の戦闘を終わらせていった。
戦勝後の四名は喜びから抱き合い、モララーは安堵の溜め息を漏す。
そんな中、いつの間にかはぐれていたジョージが半泣きでやって来て、空気が一気に冷えたような気かした。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:23:16.62 ID:jx7rkR7GO
そんなこんなでジョージの自尊心は見事に打ち砕かれ、多少素直になったようなのだ。
( -∀・)「僕が意地悪でそんなことしてた……そう思うの?」
ペニサスの放置プレイ云々の話に、モララーはそんな質問で返してきた。
('、`*川「超思う。 めちゃめちゃ思う」
ノハ;゚听)「ウザかったが、流石に私は心が痛かったんだぞっ……」
ペニサスの隣でちょこんと胡座を掻きながら、同意見のヒート言う。
( ・∀・)「あはははは、まぁ、八割型はね」
('、`*;川「殆どじゃないっ!」
_
彡;ーAー)「チッ……余計な気を遣いやがって……!」
( ・∀・)「気なんて遣える程持ち合わせないよ。 ただ万が一があると困るし、邪魔と言うか」
_
彡# A )「嘗めやがって……ッ!」
ノパ听)「うん……?」
('、`*川「さぁ……?」
二人の話が読めないヒートは疑問を浮かべてペニサスに眼を向ける。
が、ペニサスも存じていないようで首を浅く振って返した。
微笑するモララーをジョージは一睨し、リュックからボトルを取り出して、喉を鳴らし始める。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:24:59.82 ID:jx7rkR7GO
('、`*川「……私も、喉が乾いたわ」
ノパ听)「私もッ! お……丁度ダイオードが戻って来たッ!」
( -∀・)「おかえり。 合図はー……無かったけど?」
/ ゚、。 /「ああ、暫くは安全だと思う」
と、言いつつダイオードは腰に手を持っていく。
彼女とヒートが纏っているのは鎧を彷彿とさせる黒色のスーツ。
これは魔闘士科の生徒が戦闘訓練の授業時などで着用するものだ。
女生徒の間では身体のラインがはっきり出て嫌だ、と不評だが、男生徒の間ではけしからん、と実に好評である。
ダイオードの手を持っていった先は、ウェストポーチのようになっていた。
スーツと一体化したそれのファスナーを開け、取り出したのはヒートから預かった『エスパスの箱』だ。
(;-∀-)「また出口が見えない長〜い階段が続いてた?」
/ ゚、。 /「いや、遠くにだが、上に光が見えた」
鉄のような金属で出来た床にエスパス箱が置かれ、それを中心として魔法陣が展開される。
その魔法陣は、ペニサスが詠唱する際足元に展開されるものとは違い、色が付いた光を放っていない。
( ・∀・)「何!? ここで本格的に休むことも考えていたけど、
そろそろ尿意を催す人も出るだろうから急ごうか」
('、`*川「そうね……それがいいわ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:26:22.96 ID:WuA6HEl/O
待ちくたびれたぜ!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:28:03.80 ID:jx7rkR7GO
ペニサスの賛成に、腹が減っては戦は出来ないんだぞ、抗議するヒートを見て、小さな笑いの波が立った。
笑いが収まる前に、と頓に響く。
/*゚、。 /「縮小せし 微睡みの空間
醒唱えし 眼醒めの空間」
と、ダイオードが短く詠った。
それを契機に、陣が茶の光を放ち始める。
応じてエスパスの箱の内部で何かが暴れているかのように、箱が膨れ上がっていく。
それは瞠っていたら、確実に酔ってしまいそうな光景だった。
/ ゚、。 /「よし……出来たぞ、ペニサス!」
と、ダイオードが声を掛けながら平手を向ける。
ダイオードの立つ隣、平手を向けた先には、人が四五人入れる程に大きさを変えたエスパスの箱があった。
上下四方へ約二メートル伸びた小型コンテナはその一面が開き、ゆっくり倒れて重低音を立てる。
('、`*川「はいよー……ホント、便利なものよね」
ノハ*゚听)「夏季休暇前だかにな、パパ先生から貰ったんだッ! スゲーだろッ!?
マモン先生が造ったもんで、このレベルの空間魔術を使った魔導品h……って聞けーッ!!」
ヒートを無視してペニサスが、続いてヒートが立ち上がり、コンテナへ向かって歩き出す。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:30:57.30 ID:jx7rkR7GO
コンテナ内部の空間は、三つに仕切られていた。
真ん中を縦に仕切って出来た長方空間が一つ、更にその長方空間を仕切って出来た正方空間が二つ。
長方空間には、寝袋が四つにそれと同数の薄手の毛布、その上には適当に置かれた各人の荷物。
正方空間の一つには、御菓子のような携帯食料から、缶詰やインスタント食品などの食料。
もう一つの正方空間には、携帯コンロや鍋などの調理道具、銀製の洋食器類が入った布袋。
その布袋を手に取ったペニサスは中から、マグカップを一つずつ取り出して、隣に立つヒートに渡していく。
_
彡 ゚A゚)「確か、夏季休暇中にヴォルツ火山にスイエル姉妹が行ったって聞いたな……」
( ・∀・)「へぇ、太古の牢獄に何の……」
言い留めたモララーの眼はヒートの脚部と腕部を順に映してから、瞼を下ろして黙考に移った。
(゚n`*@「ヴォルツ火山ってアレだろ? 『はぐれ』なんかが跳梁跋扈してるってとこ」
_
彡 ゚A゚)「ああ、軍部も手を付け難いくらいらしいな。 麓に悪魔の村なんかもあるって噂だ」
( -∀・)「なるほどね……あの武具の素材となるヴォルカノ鉱石を採掘に行ったわけか」
_
彡;゚A゚)「あっ……あー! しっかしまぁ、たった二人でよく生きて帰って来たなぁ……」
( ・∀・)「彼女達は名家スイエルの者――『四方英雄』が一人『クー・スイエル』の眷属。
幾ら僕等と同じ、練熟していない者であったとしても、ね?」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:32:56.21 ID:jx7rkR7GO
『四方英雄』。
嘗て、VIPの四方を、塔を創造する魔女リベルシャを守護したとされる者達。
しかしそれだけでは、英雄とは呼ばれなかったかもしれない。
塔完成後のことだ。
魔女リベルシャが使役していた絶大な力を誇る悪魔の王――『魔王』が反逆した。
それは偏に、リベルシャの死を意味していた。
枷を解いただけでは飽き足らず、直ちに『魔王』が始めたのは己を拘束していた種へ報復。
無情、無差別、そんな殺戮と破壊が行われる。
その『魔王』を斃したのが『四方英雄』なのだ。
立ち向かった『四方英雄』の中には、五体の何れかを失ったり、多大な損傷を与えられてしまっが者もいた。
『一夜戦争』。
後に人々は、この戦いの苛烈さを物語るようにそう名付けたのであった。
( -∀-)(でもこれは……魔術体系の違いからなのか……?)
_
彡 ゚A゚)「だけどよぉ、久々に『クー』の名を継ぐ者出たっつうのに、
姉妹で能力が分かれちまってるのはどうなんだ?」
自分に掛けられた声で、図らずもモララーの思考のベクトルが明後日の方向へ伸びていたのが止まる。
先程までのジョージの剣幕はどこへ行ったのか、と普通に会話を交わすこの状況をにモララーは小さく苦笑した。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:36:15.02 ID:jx7rkR7GO
( ・∀・)「それはまぁ、どちらの『才』も兼ね備えていることに越したことはない。
だが、二つに分けてその二人が力を合わせた方、が……」
_
彡 -A-)「どっちがいいのか……俺には解り兼ねるわ」
( ・∀・)「僕もだよ。 ヒートとは最近知り合ったばかりだし、クーの方とはまるで話したこt」
ノハ*゚听)「何の話してるんっだッ?」
(;-∀・)「ぐっ!?」
背後からモララーに抱き付くようにして、肩に手を掛けたのはヒートだ。
両手にはマグカップが握られており、抱き付いた衝撃で中に入っていた水が飛沫となって飛んだ。
(;・∀・)「あ、ああ、『伝統』についてだよ。 それよりヒート、男は誤解する生き物らしいかr」
/*゚、。 /「モ、モララーとヒートはそんな関係だったのか……!」
(゚n゚*@「男だけじゃないようだな」
どっと笑い声が響く。
ダイオードとヒートを除いた、心底愉快そうな笑い声。
('、`*川「ヒート、アンタ幾つよ……? 見た目から言ったら13、4だけど」
ノハ#゚听)「失礼だな! もう15だッ!!」
('、`*;川「その幼さに納得がいった……いえ、幼過ぎるわ……」
やれやれ、と首を振ったペニサスは、手に握ったマグカップから水を一口。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:39:38.23 ID:WuA6HEl/O
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/02(水) 00:39:56.65 ID:jx7rkR7GO
/*゚、。 /「ペニサスは八月に17になった。 同じく、私も今年で17になる……!」
ノハ;゚听)「何故どや顔……?」
( ・∀・)「僕は18ね。 歳なんてそれ程重要じゃないけど、一応」
独特の間を置く喋り方をするモララーは、眼を伏せた。
ここにいる女子三人は見向きもしないのだが、中々整った中性的な顔立ちをしている。
_
彡ヽ A )「俺は……今年で20だ……」
対に、少し嗄れた声を出すジョージは癖はあるが、平凡顔立ちだ。
ノハ;゚听)「最年長ぉ――ッ! リ、リーダー……?」
( ・∀・)「年下相手に向きになって好敵手とか言わないでくださいよ」
('、`*川「老け顔だと思ってたけど……それよかアンタもヒートに負けず劣らず幼いわよね」
/;゚、。 /「その歳で……この程度の力しか……」
_
彡;゚A゚)「うるせぇ!!」
怒声に、声を押し殺して笑うのはペニサスとモララー。
ううむ、とヒートは悩ましげに唸り、ダイオード心配の眼差しを送り続ける。
(゚n゚*@「――ヒート、俺は537歳。 最年長だ」
ジョージの横で伏していたゲレは首だけを上げてそれだけ言うと、再び顎を地へ付けた。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
そのゲレの言葉に、
ノハ;゚听)「なぁにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!?」
d('、`*川b「ゲレさん、ユニークです」
/ ゚、。 /「ダウトダウトダウト」
騒ぎ出したのは女三人。
驚きの叫び、馬鹿にしたような感想、否定否定否定。
しかし召喚師である男二人は冷静に、
_
彡 ゚A゚)「嘘じゃねぇよ、多分な」
( ・∀・)「悪魔の使役は感情と知性を奪うのが常識。 人が求めるのは悪魔ではなく、その『力』。
だからなのか、人間は悪魔バックボーンに対して小指の先ほども興味を抱かない。
知らなくたって無理もない。 知る人はそう多くないはずだよ」
_
彡 ゚A゚)「召喚科の教科書にすら載ってねえからな。 俺は『悪魔は道具』って考えがいけ好かねぇ……」
( -∀・)「悪魔は邪な存在っていうのが人間の見解……仕方がないさ。
もう解っただろうけど、種でそれは異なれど悪魔は長命だ」
ノパ听)「へーッ!」
/;゚、。 /「馬鹿な……いや、それなら『動』は兎も角『言』については、納得がいく……」
モララーから明かされた事実に、二人は驚嘆の言葉を漏らす。