1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ザザッ…
こんにちは、平沢 憂です。
私たちは今、ロボットのコックピットにいます。
周囲からは爆音と金属音、そして室内では叫び声が響いています。
さわこ「クソッッッタレガァァァァッ!!!」
相手を貫くように放たれるボディーブロー。
三角錐の形をした鋭い拳は相手のロボットの肢体に突き刺さる。
その瞬間、超音波に近く高い金属音が鳴り響く。
そしてゴソゴソと胎内を漁り始め、真珠の様な球体を取り出した。
バキンッ…ギリッ ゴゴンッ…
???「それを潰せば、"勝ち"だぜ…?」
さわこ「ふふ…うふふふふふふふ… ふっ…」
気でも狂ったかのような笑みを浮かべ、真珠を潰す命令をロボットに下した瞬間…
それは蓮状に潰れ煙を上げた。
…
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:16:09.58 ID:Fby1rbs30
―冬休み―
律「また今年もクリスマス会やろうぜ! 場所は、また唯の家か??」
唯「りっちゃんごめんっ! 今年は両親がいるんだ」
紬「…」
澪「残念だな、じゃぁちらかった律の部屋で開くか?」
ニヤニヤしながら律に振ると、ポッと顔を赤らめ額から汗をにじませ澪にそのまま返す。
律「そうだよなぁ〜、澪の部屋なんて下着がぽいぽい転がっているもんな〜♪」
澪「ばっ… そんなに汚くない!」
そのまま、いつもの痴話ゲンカへと発展した。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:17:20.43 ID:7fIoxAOqO
憂「たいよう!」だと思ったけど違った悲しい。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:25:01.87 ID:Fby1rbs30
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ…
今年はウチの別館が使えるので、そこでやりましょうか?」
唯「6回…」
律「よっしゃ!それじゃ12月24日に開催決定だな♪
それじゃ、さわちゃん先生に連絡してくる!」
音楽室を出ようとした瞬間のこと、唯が声をかける。
唯「和ちゃんと、憂を誘ってもいいかな?」
澪「そうだな、いつも"だれかさん"のせいで世話になっているからな」
少し嫌味っぽく唯の言葉に付け足し律に目をやるが、
祭り気分である律は気にかけることはなく、快くOKの返事をした。
唯「んふふぅ〜、楽しみたのしみ〜♪」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:28:33.46 ID:+bBIAYnz0
コエムシ!
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:30:33.39 ID:Fby1rbs30
♪〜平沢家〜♪
唯「そんなわけで、今年はムギちゃんの別館でクリスマスパーティーやるんだ。
憂もおいでよ〜♪」
憂「ん〜、お父さん・お母さんが久しぶりに帰ってくるから一緒にいたいけど…
クリスマスの夜を邪魔するのもなんだから、ついてくよ。」
唯「やった〜♪」
TV『次のニュースです、先日行方不明になっていた8人の団体が刺殺体で見つかりました。
犯人は団体の一員である○○高校の男子とみられ、7人を殺害した後、
自殺するという奇妙な形で事件は収束しました…
さて、CMの後は、ういちゃんCDデビューという心温まる―――』
唯「サンタの衣装持って行こうか!?」ワクワク
憂「あはは、わたしもおそろいにするね♪」
二人はニュースに気を止めることなく、クリスマスに向けての準備を始めた。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:35:02.42 ID:KV7iF4P50
んん?
支
援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:36:10.74 ID:VBeArQPB0
支援すればいいわけ?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:42:25.62 ID:Fby1rbs30
―12月24日―
琴吹邸の門をくぐり、別館へ案内された。
一足早く到着している女性は、別館のテラスでジンジャーティーをすすっている。
胸元を広く開けた紫のパーティードレスにファー付きのショール、
時折めがねに手をかける。
唯「やっほぉ〜♪ おわぁ…和ちゃん、大人っぽい…」
胸元を飾る銀色のネックレスが和の色気を一層引き立たせている。
憂「こんばんは〜、いつもお姉ちゃんがお世話になってます。」
和「こんばんは、唯、憂ちゃん。
別館に入るには、指紋・声紋認証が必要みたいだから紬に声をかけてきなさい」
唯「うん、憂、行こうか♪」
憂「そうだね」
二人はパタパタと入り口へ向かった。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:44:28.74 ID:Fby1rbs30
唯「ムギちゃん、やっほぉ〜♪」
紬「あらあら、いらっしゃい。
ここで指紋・声紋認証するから、このパネルに触れて自分の名前を言ってね」
ぺたり
唯「ひらさわゆい だよ。」
ぺたり
憂「ひらさわうい です。」
紬「…」
(これでよかったのよね、これで…)
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:46:27.94 ID:KhzFJcXm0
怖い
支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:58:03.46 ID:Fby1rbs30
その後…
フリル付きで純白のドレスを纏った梓、
普段着の律、コートで必死に体を隠している澪が姿を見せた。
律「みおー… いいかげんに、これをとれ… よっ!」
バッ!
律がコートを奪い取ったその下には、黒のロングドレス。
全体的にタイトな仕上がりで、澪のボディラインがはっきりと解る。
胸から腰にかけてのラインは見事な凹凸を描いており、
チャイナドレス風なのか、下半身のスリットからは透き通るように白い太腿が顔を出している。
唯「おおぉ〜、澪ちゃんエ・ロ・い♪
そして、あずにゃんもかわいいよぉ〜」スリスリ
唯は梓に飛び掛るも、彼女は必死に抵抗した。
梓「も…もう、やめてくださいっ!」
(澪先輩の背中、キレイだな…)
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:00:46.57 ID:OAot+ffO0
平沢憂
(これは究極。なぜなら登場すればもちろん鬱展開だし、登場しなかったらリアルで鬱になるからだ)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:07:08.60 ID:Fby1rbs30
唯「あれ?さわちゃん先生は?」
律「…あれじゃないか?」
ピッと指を門へ向けると…
ゾンビのようにふらふらと別館に向かってくる、ロングヘアーの女性と思われる人影。
のたのたとよろめいており、異臭を放っている。
憂「うっ、お酒臭い…」
律「ありゃ〜、ずいぶん飲んでるな…」
さわこ「彼氏にふられたのよぉぉぉぉっ!!!」
いきなり彼女はその場で泣き崩れ始めた。
紬は不憫に思ったのか、彼女の肩をポンと叩いた。
紬「うふふ…先生、今日は楽しんでいってください♪」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:25:22.05 ID:Fby1rbs30
♪〜琴吹邸 別館〜♪
律「うぉぉ!唯!見ろよ、肉だぞ肉!」
唯「りっちゃん隊員、こっちにも肉があります!」
二人は興奮し料理にがっつく。
相変わらずの光景を見守り和と憂は微笑んでいる。
梓「澪先輩、これおいしいですよ?」
澪「なんだろう、これ? …お、なかなかイける。
ムギ、この料理何なんだ?」
何かの刺身に箸をつけ、その歯ごたえを楽しむ。
紬「ブタのキンタマ料理だそうです」
澪「」
ダダダダダダッ!(ゲポッ…ウゲロロロロ…)
ぽろりと箸を落とす梓と、お手洗いへかけこみ吐き出す澪。
梓「でも、おいしいですね♪」ホクホク
…
さわこ「…ん? 誰か私のこと呼んだ?
う〜ん、飲みすぎたか…ちょっと寝よう。」
とりあえず
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:43:54.74 ID:Fby1rbs30
無事パーティーも終わりを向かえ、各自帰路につく。
コツコツコツ…
唯「今日は楽しかったね〜、和ちゃんも憂も楽しんでくれたみたいでよかったよ。
誘った甲斐があったもんだっ!」
和「紬に感謝しなくちゃね」
憂「そうですね♪」
鼻息を荒くし自慢げに語るも和と憂に即座に鎮火され、ぽけ〜っとした表情をする唯。
和と憂はその顔を見てクスクスと笑った。
和(こうやって、私と唯は一緒にいたんだもんなぁ…10年以上もずっと…。)
憂(これからも、ずっとこうやってお姉ちゃんと一緒でいたいなぁ…)
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:45:11.27 ID:Fby1rbs30
コツコツコツ…
律「で、どうだった?ブタのキンタマ料理は?」
してやったりの顔で話題を出す律、澪の顔から血の気が覚めて青くなるが…怒りで紅潮してきた。
ゴスンッ!
澪の握りこぶしが鈍い音を立てる。
澪「このバカ律!! まったく、嫌なことを思い出させるなよ…。」
梓(なんだかんだで、この二人も仲がいいなぁ…)クスクス
律「梓、どうした?なんか嬉しいことでもあったのか?」
トトッ と梓は数歩先へステップし、スカートを翻し二人に笑顔を向けた。
梓「ふふっ、なんでもありません♪」
…
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:45:49.42 ID:qYSswe+JO
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:50:40.20 ID:pmgXZiEA0
おーえーあーえー
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:51:29.26 ID:Fby1rbs30
―翌日―
さわこ「んっ… うんぁ…?」
さわこが目覚めると、目の前には無機質な空間が広がっている。
そして周りには見たことのある顔ぶれ。
紬「ここは… …どこ?」
唯「ここの床、あったかいね〜 憂もやってごらんよ♪」ごろごろ
澪「誰?」
律「私だっ!」
梓「前髪長いですね…ヘアバンドしてないとこうなるんですか…」
和「部屋にいたはずなのに、何が起こったのかしら…?」
突然の変化に戸惑う紬と和だが、2人以外はいつも通りのほほんとしている。
唯「で〜、ここどこぉ?」
唯の間抜けな声で、和・紬以外は全員ハッと我に返るものの、
この夢の中にいるような無機質な空間と異様な状況に即座に順応できるはずはなく、
突如室内は静寂に包まれた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:01:34.51 ID:Fby1rbs30
???「よう、ジャリンコども」
突如、浮遊する白いマスコットのような人形が現れ、8人に話しかけた。
???「契約者の残り全員死んじまって、
新しい契約者が出てきたと思ったら…女ばっかじゃねぇか」
律「なんだあれ…?」
唯「かっ…かわいいよ、うーいー あれ欲しい!」
憂「まったく、お姉ちゃん世話できるの…?」
???「だーっ!!うるせーーーっ!一人ずつ喋れよ!」
和「貴方…名前はなんていうの?」
???「オレは、コエムシ…とでも言っておこうか…」
唯「じゃあ、コエちゃんだね♪」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:04:22.98 ID:Fby1rbs30
コエムシ「誰がコエちゃんだ!
…とツッコミたいところだが、早速はじまるようだぜ…
そこで寝ている年増!とっとと椅子に座りな!
テメェらもだ。」
さわこ「…だっ、誰が年増ですって!?」
いつの間にか、各々見覚えのある椅子が配置されている。
澪「なんだこれは…どうなっているんだ?なぁ!なぁ!」
未だに混乱している澪は、取り乱し呆然と立っている梓をゆさぶっている。
ズズ…ズンッ…
コエムシ「このヌイグルミを操縦しないと…お前ら死ぬぜ?
とりあえず、年増…座りな。 声が聞こえたんだろ?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:05:29.25 ID:Fby1rbs30
どうしようもない状況に、戸惑いながら椅子に座るさわこ。
それと同時に頭痛が走った。
さわこ「な…なにこれ…脳に色々な情報が入ってくる。
ロボット? 敵? 15連戦…? わたしたちの世界が消滅??
わからない…わからないわからないわからないっ!
何なのコレ!? なんなのよぉっ!」
強くコエムシに問うが、反応はない。
とりあえず解ることは、どこかの山林にいることと、巨大な人の形を模した物体が目の前にいることだった。
いつの間にか、無機質な空間は表の風景を取り込み映し出している。
コエムシ「ブツブツうるせーな…
さぁ、思い通りに動かしてみな…」
…
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:06:57.15 ID:Agn4+Wzr0
人数は14、5人と相場で決まってるみたいだが、今までの戦いは全てアウェイであり
諸事情で前のパイロットが同士討ちしたとかにすれば辻褄は合いそうだね
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:11:35.58 ID:Fby1rbs30
…
ギリギリギリ… メシャ…
さわこ先生は球体を潰す指示を与えたのだろう。
あっけなく潰れ、変形した球体は煙を上げている。
さわこ「ふふっ… はははは…やった!やったわよ!!!
勝った、勝ったぞ…バーカっ! あははははははははははは …はぁ」
先生は椅子から立ち上がり、狂ったように笑い、叫び始めた。
すると…
…ドサッ…
抜け殻となったように倒れ、全く動かない…なぜ?
律「さ…さわちゃん?」
コエムシ「ああ、もう死んでるぜ…それ…」
澪「うわ… うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
目の前で起きた突然の死に、澪先輩は発狂してその場にうずくまっている。
お姉ちゃんは…なんでこんな状況で寝れるのだろうか。
…
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:18:46.56 ID:Fby1rbs30
♪〜音楽室〜♪
コックピットから移動した7人と1体は情報の整理をはじめた。
コエムシが色々説明するものの、内容は皆の頭に入る余裕などない…ただ1名を除いては。
和「つまり…こういうことね…」
和は淡々と説明をはじめ、キュキュッとホワイトボードに書き込む。
・自分達のロボットはパイロットの生命力を使い、念じるだけで動くこと。
・コックピットに衝撃はあまり伝わらない(相当緩和されて伝わるようだ)。
・勝利条件は相手のロボットの核を破壊すること。
・操縦者は15名、連戦連勝すること。
・戦闘に負ける、または48時間以内にケリがつかないと自分の世界(宇宙)が消滅すること。
・最終操縦者は引継ぎの為、次の世界でチュートリアルすること。
・ロボットの全体像は
>>16 参照。
…etc
唯「私たち…死んじゃうの?」
和「ええ、そういうことになるわね。
勝利しても自分が死ぬ、負ければ宇宙が消滅する…。
どちらを取るかはパイロット次第ってことかしら。」
澪「いやだっ!死にたくない…じにだぐないよぉ… グスッ」
律「みお"っ… な… なぐなよぉ… グスッ」
梓「…」
紬「…」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:21:41.84 ID:ipBh5CWeO
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:33:51.93 ID:Fby1rbs30
…
各自、今日の出来事を胸にしまい帰路についた。
コツコツコツ…
唯「ねぇ…私たち、死んじゃうのかな?」
和「そうよ」
憂「でも…勝たないとお父さん・お母さんも消えてしまうんですよね?」
和「そうよ」
唯「自分のせいで皆消えちゃうっていうのは嫌だなぁ…」
和「そうね」
姉妹の問いかけに全て冷静に答える和、無論彼女も恐怖を抱いている。
その証拠に、少し震えている…。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:43:44.97 ID:Fby1rbs30
唯「ところで、私たちのロボットの名前…なんていうのかなぁ?」
和「前の世界のパイロット達は、ジアースってつけていたみたいね。」
唯「わぁ、和ちゃん物知りだぁ…♪」
和「ふふっ…ありがと、 ちょっとうちに寄っていかない?
憂ちゃんと唯に見せたいものがあるの。」
…
憂「わぁ…お姉ちゃんの小さい頃の写真だぁ。」
和「うちの父親が私をよく撮ってくれていたみたいなの。
ほら、唯ったらこの頃からずっと変わってない♪」
憂「和さんの家でもゴロゴロしていたんですね…」
唯「こっちは入園式の時の写真だ…和ちゃんかわいかったなぁ〜」
和「過去形?」
唯「あ、もちろん今もだよ!!」
憂「もう、お姉ちゃんったら…あはは」
…
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:53:01.50 ID:Fby1rbs30
10年以上、私と唯は一緒だった…。
泣いている時も、笑っている時も。
唯はわたしを姉のように慕ってくれ、私は妹のように接することもあった。
一人っ子でたまに寂しい思いをしていた私にとって幸せだった。
高校生になったとき、唯は今までと同じようにぼ〜っと過ごすのかと思ったら違っていた。
それは軽音部に入ったのがきっかけだった…。
軽音部に入ってからの唯は、少しずつ少しずつ成長していくのが解った。
そのおかげで、今まで唯を妹のように思っていた私の気持ちは、
子を見守る親の気持ちへと変化していった。
親になって子の成長を見守るってこういう気持ちなのかな?
唯の成長ぶりを見ると、たまに嬉しくはあるものの少し寂しい気持ちになる。
子と親の関係はいずれ切れることぐらい解っている、
せめて…もう少し唯が成長するところを見ていたかった。
唯「のどかちゃん?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 22:53:32.39 ID:ipBh5CWeO
澪=カコの予感
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:04:29.42 ID:Fby1rbs30
唯「泣いているの?」
和「ううん、少し考え事をしていただけ…大丈夫…大丈夫だから、そんな顔しないで…唯。」
唯…そんな不安げな表情で私の顔を覗かないで…私まで不安になってしまう。
私はあなたの姉であり、親でありたかった…ずっと見守っていたかった。
唯の頭をなでると、不安な表情はいつもの笑顔へ変わる。
憂「っと、お姉ちゃん!もうこんな時間だよ!!」
唯「そうだ、お父さんとお母さん帰ってきているんだった…
和ちゃんごめんね、今日はこれで帰るね」
和「ううん、こちらこそ今日はありがと、それじゃ今度は初詣にでも会いましょう♪」
唯「そだね、今年は一緒に行けなかったから来年は一緒に行こうよ。
澪ちゃんの晴れ着、すっごくキレイなんだよ〜」
和「うふふ…楽しみにしているわ」
解っているわ…そんなことくらい。
私は新年を迎えることができない。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:08:25.50 ID:Zoswh5s2O
唯「死亡ふらぐ!」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:12:39.63 ID:3a4pjzq20
あーにーそーん あーにーそーん♪
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:13:08.97 ID:Fby1rbs30
トントン… パチン
トントン… パチン
和「何やっているんだろう、わたし…」
私は今、生徒会室で年明けにある職員会議の資料を纏めている。
家にいてもやることはないし、目標にしていた大学に向けての勉強も無意味と思って止めた。
することといえば、生徒会での活動くらいだ。
コンコン… ガラッ
唯「あの〜… 和ちゃんいますか…?」
和「唯?」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:14:41.21 ID:Fby1rbs30
唯「何か昨晩の夢で、和ちゃんがどこか行っちゃうような夢見ちゃって…
少し不安になっちゃった。」
唯の泣き虫はずっと変わらないんだろうな。
和「あはは、そんなペットじゃないんだから大丈夫よ」
唯にウソをつき続けるのが苦しい。
泣きたいけれども、唯にはずっと笑っていて欲しいから耐えることしかできない。
和「そうだ、この資料片付けたら喫茶店でパフェでも食べに行こうよ。
久しぶりに奮発してあげるわ。」
唯「やった〜!」
和「それじゃ、手伝ってね」
唯「うー…わかった。」
トントントントン パチンパチン
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:19:48.17 ID:6lbqqgAT0
支援させていただこうか
キャラ変えただけの糞みたいなss投下すんなカス
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:24:58.71 ID:Fby1rbs30
トントントントン パチンパチン
和「ねぇ、唯はこれからの進路って決めてる?」
唯「ん〜、音大に行ってもっとギター上手くなりたいかな?
あはは、私って取り得がないから、こんな漠然とした返事しかできないや」
ううん、それが聞けただけで満足…唯は自立してきている。
それに、取り得が無いのは私。勉強なんて社会に出てもそんなに役立つものじゃない。
唯「和ちゃん…」
和「うん?」
唯「ホチキス留めすぎ…」
支援
カコはもう原作でもアニメでもなぁ……
誰がどのキャラかなと想像してみる。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:32:15.28 ID:EF85/zyE0
唯「地獄少女!」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:32:18.42 ID:Fby1rbs30
…
和「どうやら時間みたいね…、あと少しで新年を迎えることが出来たのに…残念。
しかし…また山林で助かったわ…私以外の犠牲者は出そうにない。」
私が椅子へ腰掛けると、みんな徐々に集まってきた。
唯は食事中だったのか、年越しソバの丼をかかえたままやってきている。
うふふ、唯ったら最後まで面白いことしてくれるのね…
さわこ先生が死んでから1週間弱経過したこともあり、心の整理もできたのだろうか、
澪以外の皆は不思議と落ち着いているように見える。
澪「やだよぉ… 死にたくないよぉ… グスッ」
和「澪!しっかり目を開けて今からわたしがやること…全てを記憶に焼付けなさい!」
あなたがしっかりしないと、唯も律もまともに戦えるはずがない。
だから、私の遺志だけでも受け取って欲しい。
コエムシ「敵さんも準備ができたみたいだぜ…まぁガンバリな」
馬を模した下半身、そして人の形を模した上半身。
コレって…ケンタウロスかしら?
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:39:08.92 ID:ipBh5CWeO
wktk
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:42:23.65 ID:Fby1rbs30
相手から動く気配が感じられない…先手を貰うか。狙うのは…上半身の心臓部!
ズシ…ン ズシ…ン ズグッ!
一歩一歩慎重に近づき、思い切り鋭い右手で心臓部を貫いた…。
思ったより装甲が薄く、ジアースは反動で相手にぶつかり、室内に微振動が走る。
和「っ!!」
澪「ひっ!!」
相手が消えていない…てことは、核を貫きそびれた!?
右腕を引き抜こうとするも、相手の左手に掴まれて引き抜けない…罠だったってことね。
あーあ…何やっているんだろ、わたし。
そうこうしているうちに、相手のランスはジアースの体を孔だらけにしていく。
こちらの核を探るようにザクザクと刺し続けているが、上手く核を外している…。
和「コエムシ、このロボット…"念じれば動く"って言ってたわよね?」
コエムシ「ああ…」
なら、こんなこともできるはず…。
ガゴッ…
プラモデルのように前腕の半分を切断し、上手くケンタウロスからの拘束から逃れることができた。
今度はこちらの番ね…
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 23:55:21.14 ID:Fby1rbs30
律「おー!和すげーぞ!! 派手なビームとか出ないのか?」
和「ちょっと黙ってて!集中しないと崩れる!」
律「はい…」
よかった、不安と緊張で身動き取れないんじゃないかと思っていたけど、律はもう大丈夫そう。
順番的に澪が先にならなければ…の話だけど。
どうやら、ビームだかレーザーだか撃てるみたいね…やってみよう。
発射口は胸部…なんだかブレストファイアーを思い出すわ。
パシュー…ン
幾多にも分かれた光の糸はケンタウロスとその周辺を焼き払った。
律「…ぐっ…」
(うっわ、すっげ!すげーーーーっ!)
上半身はやっぱりフェイクだったようね、左半身が吹っ飛んでもピンピンしているわ。
それに…中は空洞。
それなら弱点は解ったもの、コレで決着と行こうかしら?
ギギッ… バキンッ! ギシンッ!
上半身を9時、6時、4時と反時計回りに捻りはじめる…そして、捻りに耐え切れない部分の装甲はバラバラ剥げ落ちて行った。
どうやら、ここが限界みたいね。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/01(火) 00:07:16.02 ID:l8ZLYLSL0
反時計周りに捻らせた体を、一気に時計回りさせ反動を利用し左腕を射出した。
本当は「ロケットパーンチ!」って叫びたかったけれど、余裕はない。
ソニックブームというのか、コックピットにいても鼓膜を痛めつけるほどの轟音が響き、
地面には弾道の跡ができている。
そして当のケンタウロスはというと…
馬身の正面から胸、腹、肛門を突き破り、ぽっかりと大きなトンネルができていた。
勝った…
コエムシ「…おつかれさん、余韻に浸ってな」
澪がぱたぱたと近づいて来る。
全く、あなたまで泣かないでよ。
澪「和…せっかく一緒のクラスになれたのに、一人ぼっちになるのは嫌だ!
一緒にお昼ご飯食べたい、喫茶店に入りたい!まだ一緒にやりたいことはいっぱいあるんだぞ!!」
和「バカ… 解っているくせに…」
ゴーン… ゴーン…
唯「あっ!? 除夜の鐘…」
ふふっ…唯ったらこんな時でもマイペースなのね、崩れた表情じゃなくてよかった…
そして、こんな形だけれども、みんなと新年を迎えることができて幸せ。
澪、憂ちゃん、唯のこと…ずっとよろしくね。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/01(火) 00:09:58.00 ID:/PPFS0DsO
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/01(火) 00:24:18.81 ID:l8ZLYLSL0
…
澪「なぁ… 律、わたしが死んだら泣いてくれるか?」
律「ばっきゃろ、当たり前だろうが!
つか、新年早々そんな暗くなる話題出すのやめろよ…ちくしょう」
タッタッタッ
梓「澪先輩、律先輩、あけましておめでとうございます!!
…って、最初どこのカップルかと思いましたよ…」
律「え?なんで?」
梓「澪先輩の晴れ着はまだしも、律さんは男物の袴姿だからビックリしましたよ。」
澪「馬子にも衣装ってよく言ったもんだ」ニヤニヤ
律「う…うるさいな…」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/01(火) 00:28:23.37 ID:l8ZLYLSL0
唯「ごめん、みんな待った〜?
おお!りっちゃん隊員、見事な袴っ娘であります!
でも、なんで顔赤くしているの?甘酒のんだ?」
憂「あけましておめでとうございます」
唯「あれ?ムギちゃんは…?」
澪「ああ、正月3が日は来客対応しなくちゃいけないみたいで、
家から出られないみたいだ」
唯「ほへ〜、お嬢様も大変なんだぁ…」
律「まぁ、とっととお参りして、カラオケにでも行こうぜ!」
唯「お〜っ!」
回線落ちた…
ごめん…後で最初からやりなおします。
需要あるかわからないけどorz
ハハッけいおんss筆者ははシナリオより言い訳のほうが成長してるねっ