212 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:08:25.68 ID:v0r6qB9k0
古泉 『ジョング隊が多すぎます! 重機動メカが神人を無視し始めていますし、こちらが不利になってます!』
長門 『出来る限りはこちらでも撃墜はする。先ほどより権限が復旧している。多少危険な場所でも生きてはいられる』
ベス 「意志のようなものからの力か。具体的には何が出来る?」
長門 「筋力の増加。自分への一定距離内の弾丸の静止。その弾丸に気を使う必要はあるが」
ベス 「不意というのはいつだって突かれるものだ! その程度ではまだまだ、自分のことをもっと考えろ!」
「……バリアが全く効かなくなっているのか? イデは何を考えている!」
ハタリ 「イデの輝きは増しているんだぞ!?」
ベス 「イデのエネルギーチェック、まだカララを中心に放出されているのか?」
オペレーター「いや、船全体から四方へ放射されている!? いや、循環しているのか、どうなんだ?」
ベス 「なんだと? 迷っているような動きだと言うのか!」
213 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:14:03.30 ID:v0r6qB9k0
ジョリバ 『ベス』
ベス 「ジョリバ、大丈夫か!」
ジョリバ 『イデオンの機関室だ。妙な現象が起きている』
『イデのエネルギーがイデオンガンに集中しなくなっている。あと一・二回うったら、おわりだな。ウッ!』
ベス 「おい!」
ジョリバ 『カララさんの親父さんにやられてな。出血がひどい……、どうやら俺たちイデに見放されたらしいぞ』
ハタリ 「ジョリバ、そんな事は無い! イデは迷っているんじゃないのか!?」
ジョリバ 『そんな事……』
ハタリ 「そうだ。レーダーを見ろよ、ベス!」
ベス 「なんだ……? 神人の動きが鈍くなっている? それもソロシップを狙っていた奴だぞ!」
ジョリバ 『本当か……!?』
214 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:19:30.38 ID:v0r6qB9k0
デク 「……やっぱり同じだ。コスモ、亜空間飛行中の敵艦をイデオンガンで狙い撃ち出来るかな!?」
コスモ 「何!?」
デク 「イデのレーダーがさっきから同じサイン送ってんだ! 神人への反応も弱くなってるし、攻撃してこないんだよ!」
コスモ 「なんだ? 頭の黄色い神人が何かやったのか?」
デク 「わかんないよ!」
テクノ 「しかし、さっきの話の事を思い出しても見ろ! ハルヒがイデに勝りかねない勢いだという話」
コスモ 「だったらなんだ!」
テクノ 「イデの代わりにハルヒが俺たちの守り神になってくれるとか!?」
コスモ 「突拍子もない事を言って、テクノにハルヒがうつったか!? デク、回線を回せ!」
デク 「ハルヒがイデと話をつけてくれたって事無いの!?」
コスモ 「だったらこんなサインは送ってこないんじゃないのか!? まだ俺たちにバッフクランを滅ぼさせたがっているんだろ!?」
「赤い星が揺れている……狙い撃てる」
テクノ 「来たぞ、重機動メカだ!」
コスモ 「来させておけばいい!」
215 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:24:33.03 ID:v0r6qB9k0
ハルヒ 『どうすればいいの!? 撃たせればいいの? 撃たせなければいいの?』
キョン 『ハルヒ、迷い始めたイデは守ってやれ!』
ハルヒ 『ああ、そっか!』
神人 「ウォオオオオオオン」ブォン
ドガシャアアン
コスモ 「なに、さっきまでこっちを狙っていた神人が重機動メカを? 今撃つ!」
「これで、敵のとどめでもさせるって言うのかい、イデ?」グイ
ブワアアアアアアアァァ……
デク 「イデオンガンの波動が拡散して亜空間に!」
ハルル 「かまわぬ! 戦闘指揮官は私であ、!?」
キラルル 「ハルルさま!」
ブワアアアアアアアアアアアアア
216 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:29:35.16 ID:v0r6qB9k0
オペレーター「三分の一がやられました!」
ドバ 「通常空間から狙い撃ちが出来るのか!?」
ギンドロ 「私は地球へ帰る! こんなところで死にたくはない!」
ドバ 「そうか、分かったような気がする。知的生命体が存在しなければイデは存在しえないのに、なぜ殺し合いをさせるか!」
「知的生物に不足しているのは、己の業を乗り越えられん事だ。欲、憎しみ、知恵のこだわりをひきずったままの生物ではイデは善き力を発動せぬ」
ハルヒ 『だったら!』
ドバ 「ぬ!? だったら、なんだというのか。自ら善き知的生物を作るのがイデの目的だろうが!」
ハルヒ 『イデだってねえ!』
ギンドロ 「ドバめ。貴公は自分の力だけでこの軍団を動かしていると思ってか!」
ドバ 「ダマレ!」バキューン
ギンドロ 「ああっ!」ドウッ
ドバ 「分かるか俗物。そこまで思うほど私は傲慢ではない。だから、私の恨みと怒りと悲しみを、ロゴダウの異星人にぶつけさせてもらう!」
「ハルルが男だったらという悔しみ、カララが異星人の男に寝とられた悔しみ、この父親の苦しみを誰が分かってくれるか!」
ハルヒ 『あなただけじゃないでしょ!?』
217 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:34:34.92 ID:v0r6qB9k0
コスモ 「声が聞こえた!? ハルヒの声だった! 俺だけじゃないって? 俺はバッフクランを撃ったんだぞ!?」
デク 「こっちにも聞こえた! 同じようなことだったぞ?」
コスモ 「……恨みを捨てろって言ってるのか? しかし、俺たちはもう捨てたも同然なんだぞ!」
カーシャ 「ファード、弾を持って来て!」
「声……? ハルヒが叫んでる。みんな一緒だって……そうよ、だからバッフクランにいじめられれば、どうしようもないのよ!」
ドカーン
カーシャ 「何、散弾! ああっ」
ガシャーン
アーシュラ 「カーシャ!」
ファード 「ああ、見るなよ!」
アーシュラ 「だって!」ジワ
ファード 「僕たちが! ルゥもカーシャもカララもメシアもロッタも、守らなきゃいけないんだぞ!」
「泣くなよ!」
ラポー 「カーシャ、弾丸を……」
ファード 「カーシャは死んだよ!」
ラポー 「ええ、なんで……」
タッタッタッ
長門 「何があった……?」
ロッタ 「カーシャが死んじゃった!」
ファード 「まだ敵はいるんだよ? ハルヒだって戦ってるのに、僕らがめそめそしてらんないよ!」
ロッタ 「ええ、ええ、そうよ。そうよね」
218 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:40:36.52 ID:v0r6qB9k0
ベス 「妙だな、左からの攻撃に集中し過ぎている?」
「イデオン、右の方を調べてくれないか!」
古泉 『偵察だったら僕が!』
ベス 「いや、単独行動が安心なのはイデオンだ、お前たちは艦内の守備を!」
古泉 『どうやら涼宮さんが頑張ってくれているらしいですけど!』
『いや、まだ反転しきってない神人がいます!』
『長門さんは艦内に、僕は神人を!』ヒューン
ベス 「!? カーシャが死んだか? ハルヒの声が聞こえてきたばかりなんだぞ?」
ハタリ 「なんだ?」
ベス 「いや、コスモ。カーシャが死んだ」
コスモ 『え? 嘘だろ、そんなの。まだこれからじゃないか……相手も一緒だって言うから、怨めないんだぞ!』
俺ずっとバックフランだと思ってたんだ…
220 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:46:16.06 ID:v0r6qB9k0
>>219 やったぜフラン!
デク 『コスモ、見えた。超新星の中!』
コスモ 『なんだあれは……』
ベス 「イデの流れ、どうなってる?」
ハタリ 「それがさっきよりおかしい事になってる。半分が放射されて、半分が艦の中に閉じこもって……」
ベス 「何? どういう事だ」
ハタリ 「半分が俺たちを守るように、生きている俺たち全員を中心に放射されている!」
ベス 「イデが!? イデオンガンの様子はどうだ、コスモ!」
コスモ 『ゲージが、回復している?』
ジョリバ 『使えるのか!?』
コスモ 『いや、もうイデオンガン自体の限界が来ているみたいだな。それで力が集中しなかったのか』
デク 『あれは……加粒子砲? バカみたいに大きい!』
コスモ 『俺たちを守っているイデに託さなければならない! 甲斐の無い生き方でないようにってな!』
ベス 「ああ……」
デク 『イデのエネルギー、すっきりした感じで来る!?』
221 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 07:46:59.06 ID:v0r6qB9k0
コスモ 『イデオンソードでいく!』
ブーーーーーーーーーーーーーン
ガガガガガガガガガガガガガガ
長門 「ハァッハアッ」
ジョング兵 「さっきから銃弾が効かない女だが、これで!」ババババババ
アーシュラ 「ユキ」
先に寝といて良かった
223 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:00:47.01 ID:v0r6qB9k0
長門 (また限界? せっかくここまで出来たのに……でも!)
「!」カンカンカンカンカン
(イデが力を貸してくれた!?)
アーシュラ 「ユキすごい! 弾丸がとまっちゃった、手品!?」
長門 「……違う。でもそう、同じようなものなのかもしれない」バキューン
バッフクラン歩兵「くっ、銃が……」
長門 「さすがに艦全体のコントロールは許されない……いや、私がここから見えない全員の命まで守ってはいけない?」
(くやしい? 十六年生きて来た記憶をイデに与えられて、私は人のように生き生きとしている)
(私は、今気持がいい……? ハルル・アジバだって哀れに見えた)
(涼宮ハルヒ、私も同じ……?)
古泉 「イデのエネルギーがすっきり? 神人も重機動メカばかりを相手にしてくれる!」
「涼宮さん、あなたはイデに何をしてるんですか?」
「僕たちはいい方向に行けるんですか!?」
224 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:06:05.79 ID:v0r6qB9k0
ベス 「ん? あの正面の輝きは何だ?」
ハタリ 「変なんだ! ひとつだけ、イデオンの方で見つけてくれたものと同じ位置にあるんだ!」
ベス 「映像だ! イデの力なら映像が撮れるはずだ!」
ドバ 「ガンド・ロワは発射された……超新星のエネルギーをもう避ける術はあるまい……」
ギンドロ 『これで終わるのだなドバ?』
ドバ 「しかし、これでわれわれも半分の戦力を失い、二万の将兵しか残らん訳だ」
「!? 貴様?」
ギンドロ 『ンフフフフフッ、気にするなドバ。死んで見て貴公の本音が良く分かる』
『貴公は本気で、バッフクラン一族の事を考えている。疑って悪かった』
ドバ 「なんだ、これはイデの業というのか!?」
「イデの真の発動が始まっているというのか!!?」
ギンドロ 『フフフ、どうかな。別のものを感じないでもないな……』
ドバ 「さっきの声と関係があるのか!?」
225 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:11:43.26 ID:v0r6qB9k0
ハルヒ 『イデは迷っている』
キョン 『イデがそういう面を見せたから、怨みは忘れられたか?』
みくる 『……涼宮さん?』
ハルヒ 『! みくるちゃん! なんで!?』
イデ 『……』
キョン 『やっぱり悩んでるんだな』
みくる 『そういう事、最初からわかってたはずですよ?』
ハルヒ 『そうなの!? なんで、みくるちゃんはそう言えるの……』
みくる 『自分独りじゃあ、大きな自分に呑み込まれてしまうだけだから』
『仲間にも見てもらうんです。そうして見てもらえれば、意外と小さく見えるかもしれません。悩みとかはそういうものでしょう?』
ハルヒ 『そうか、イデは集合体として独りだった?』
キョン 『一つっきりになるまで合体してしまったものなのか?』
ハルヒ 『大きい見方をした時に、種族として孤独だとか? 私が、拮抗する別の種族として声をかけた?』
みくる 『さあ、はっきりとはわかりませんけど』
キョン 『そうか。ハルヒがみんな同じだって言った。イデだって同じだ。先は見えない』
226 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:15:02.59 ID:v0r6qB9k0
コスモ 「誰の声だ? イデだって先は見えない……? それなら間違う事ってあるんだろうか?」
「ベント、テクノ、ミサイルの残りはどれくらいだ?」
デク 「イデに先が見えない? 生き物ならば、当然だけど……!? 間違ったら、その時正しいって思った方に行くだろ!?」
コスモ 「イデが迷って、これから方向が変わるって事か?」
テクノ 「あと二十パーセントって所か」
ベント 「しかしな、機関部は動いている。それもこれまでにない好調! ソードがいくらでも撃てるんじゃないのか!?」
グワアアアアアアアアアア
コスモ 「なんだ? 加粒子砲!」
ベス 「正面?」
ハタリ 「ゲージが輝いている!」
ベス 「しまった! イツキはイデオンにいるか!?」
コスモ 『なにい!?』
神人 『ぐぉおおおおぉぉぉおぉぉぉおおおおおおお!』
古泉 「しまった……!? しかし、朝比奈さんもこうなった?」
「長門さん、涼宮さん、すいませんけどお先に……!」
(しかし、何の気分です? 妙に落ち着いていられるような……)
ハルヒ 『当然でしょう? イデがあなたも包んでいるんだから』
古泉 (涼宮さん?)
227 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:16:18.34 ID:v0r6qB9k0
あー、ごめん。不意に休憩が入るかも。九時ぐらいには復帰するつもりだけど気絶しちゃったら昼ぐらいかなあ
んじゃ昼まで寝るわ
229 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:25:00.48 ID:P9z2Jd9P0
ていうか今昼まで放置したら多分普通に落ちるぞこのスレ……ラスト直前で新スレとか情けないし
長門 『!? 古泉一樹?』
コスモ 「クソっバリアー最大!」
「ソロシップも!」
ベス 『分かっている、分かっているが。いくらイデが好調でもここまでやられては……!』
ベント 「うわあっ!?」
(コスモ、すまないけど……悪い気分じゃない!?)
ジョリバ 「ベント、大丈夫かっ、うぉっ!?」
(痛みが退いていく……)
ゴーン
コスモ 「くそぉおおおおおおおお!」
230 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:29:40.21 ID:P9z2Jd9P0
ハルヒ 『ソロシップにも直撃……白い巨人は全滅……けども、イデはわかってくれてる。これなら』
イデ 『……』
キョン 『ハルヒ、どうしたい?』
ハルヒ 『古泉君もここに来てくれるかしら……』
みくる 『私は、ここにいるんです。きっと大丈夫……』
スッ
古泉 『あれ、朝比奈さん、こんな所にいたんですか? あれ、涼宮さんも、あなたまで。先ほどはどうも』
キョン 『よう、まっすぐ来たみたいだな』
古泉 『なんなんですか? 妙に楽な気分ですけど、僕は死んだはずじゃあ?』
ハルヒ 『本当に大丈夫だった?』
ジョリバ 『ああ、痛みが退いてきてな。なんなんだこれは。幽霊というのか』
ハルヒ 『ジョリバ! いいえ、それほどあやふやじゃないわ。私がみんなを知ってるもの』
231 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:34:42.06 ID:P9z2Jd9P0
スッ
カララ 『メシアに、頼みましょう?』
ハルヒ 『カララさん? あなた!』
カララ 『メシアさえ生きていればイデは生きながらえる』
『そして、あなたの世界を変えるほどの力……』
『ハルヒは見て来たでしょう? 私の父も、ソロシップの人達も』
『みんなが健やかな姿を目指せる未来を……』
ハルヒ 『そうか、私がきっかけを与えれば! イデ、手伝いなさい!』
キョン 『何? 作り変えるのならば、みんな俺たちと一緒にならなければならないんだぞ!?』
ハルヒ 『分からせなければならない人はまだいる。だったら利用して、一緒に幸せになればいいのよ。イデの罪も帳消しにする!』
ベント 『俺にも手伝えるかい?』
ハルヒ 『ええ、自分を信じておいてちょうだいね。ここにいるんだって』
ベント 『それなら出来そうだな』
232 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:39:59.37 ID:P9z2Jd9P0
ドバ 「五分後にビームは消滅する、ロゴダウの船と巨人の消滅を確認」
「以て、この作戦を終了する! 残存艦隊集結しつつ、待機せよ!」
コスモ 「ハアッハアッハアッハアッ」
「赤い光が見える……? イデが廻っていたって、こうも傷めつけられればワンポイント攻撃しか無い」
「イデが教えてくれているのか、それともハルヒか……」
「神人は少しは残っているが、頭の黄色いのはここから見えない……?」
デク 「いや、下の方、加粒子砲に当たらなかった奴の中にいる!」
ベス 「了解だ、コスモ、デスデライブに入る!」
ラポー 「ベス、早くケリをつけられないの!? 入り込んだ敵が……!」
ドカーン
ファード 「ああ、アーシュラー!」
カチン
長門 「大丈夫。弾は届いていない。このような苦しい死に方はさせない」
ルゥ 「あああ、だあ、だあ……」
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 08:42:21.07 ID:kp/8jfzk0
だあ
234 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:45:20.42 ID:P9z2Jd9P0
アーシュラ「ありがと……」ビクビク
ベス 「デスブレーキのタイミングはコスモの指示に従え!」
ハタリ 「了解!」
コスモ 『デスドライブブレーキを!』
バキューンバキューン
ハタリ 「!」
「くっ…… 腕に当たったなら」
長門 「!」バキューン
バッフクラン兵「ぐあっ……手なんぞを撃ち抜いて!」カタン
長門 「気がつかなかった。今更邪魔をしているものがある。いや、そんな感じではない?」
ハルヒ 『ごめんなさい。でも大丈夫、大丈夫だから!』
235 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:50:26.26 ID:P9z2Jd9P0
コスモ 「ん、ハルヒがまた何か言ったのか!?」
デク 「聞こえないよ!」
コスモ 「……あれか!」
ズゥォオオオオオオ……
デク 「これじゃない! 教えてくれるのはこれじゃない!」
ドバ 「なんだ、全く損害を受けていないのか!? 巨人も船も?」
コスモ 「どこだ! 光っている敵は!?」
デク 「一時の方向!」
コスモ 「みつけた……」
イデ 『今……?』
ハルヒ 『そうよ、イデ。私はそう信じるわ!』
みくる 『そう、あの人ともう一度話せれば分かる事があるはずです』
キョン 『バッフクランの総大将。あの人はまだ頑なでいるハズだな』
ハルヒ 『そう。あなたと話の出来る意志がこうも言ってるのよ! あなたはどうしたい?』
イデ 『……この行く末……』
236 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:55:04.83 ID:P9z2Jd9P0
コスモ 『あの向うか……!』
ドバ 「なんだ、異星人の声!?」
「また、私の目の前に現れるのか! ロゴダウの異星人め」
コスモ 『貴様は!』
ドバ 『イデの導きか!?』
ハルヒ 『違う、それだけじゃない!』
ドバ 『私たちのような出来そこないの生物の憎しみの心を根絶やしにするために、イデが導いているのではないのか!』
コスモ 『イデの方向が変わるかもしれないと聞いたんだ! それなら今はそうではないかもしれない!』
ドバ 『我らを戦わせておきながら、今さら何が!』
デク 『イデも生きてるんだからなあ!』
ハルヒ 『絶対なんかじゃない!』
キョン 『自分が間違ったと思う時には……』
みくる 『話し合ってどっちもが良い事を考えなきゃいけません!』
ドバ 『このような大きな力を持っておきながら、間違うなどとは……!』
古泉 『堅過ぎますよ!』
ハルヒ 『認めなさい! そうすれば!』
237 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 08:57:12.58 ID:P9z2Jd9P0
コスモ 「ミクルや古泉の声まで聞こえた? そうか! ハルヒの力はどんどん強くなる。その方向性も!!」
「敵の中心が分かった……!」
「あれだ!」
デク 「イデオンソード全開!」
コスモ 「直接ぶちのめしてやる!」
デク 「コスモ、熱くなり過ぎるぞ!」
238 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:02:20.97 ID:P9z2Jd9P0
ドバ 「ガンド・ロワ発射用意!」
兵士A 「司令、そんな事をすれば我々も!」
ドバ 「侍ならば潔く死んでくれ」
兵士B 「この、バイラルジンも!」
ドバ 「まともにやれば敵いようもない相手だが、あと一息でせん滅出来る!」
兵士C 「しかし、われわれの地球はもうない! 総司令は我々の血を根絶やしにされるおつもりですか!」
ドバ 「二人でも三人でも生き残れば良い!」
兵士C 「我々はイデなどは欲しくは無い! 生き延びられれば!」チャキ
239 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:07:15.02 ID:P9z2Jd9P0
ドバ 「見ろ。迫ってくる巨人は我々を生き延びさせてはくれん」
「巨人はまっすぐにこのブリッジに向かっている。その訳が分かるか」
「バッフクランとしての業を持った男がこの私だからだ!」
「もう後戻りは出来ん。イデは発動した」
兵士C 「そんな事は無い!」バキューン
ドバ (ギンドロ……それ以外とは何だった……? さっきの小娘共の声か? この者達の言う通りか?)
バリ
兵士A 「巨人がブリッジに? うわああああああ」
B 「うぉおおおおおおお」
みくる 『怖いでしょうけど!』
C 「声が聞こえ? うぁあああああ!」
240 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:10:50.58 ID:P9z2Jd9P0
コスモ 「発光している? この構造物、加粒子砲そのものじゃないか!」
「そんな事はさせない!」
イデ 『これで……後は……?』
ハルヒ 『後は任せてくれればいいわ!』
『あなたに悪い様になんか絶対にしない!』
イデ 『任せれば良い……』
コスモ 「なんだ! イデまでがもう良いと言っている? しかしこれを潰さなきゃあ、みんな死んでしまう!」
長門 『ユウキ・コスモ』
241 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:17:38.52 ID:P9z2Jd9P0
コスモ 「なんだ!」
長門 『迫っている重機動メカを破壊して。私にも涼宮ハルヒの声は聞こえた』
『もう、私たちのやることは終わった。一生懸命にここまで生きて、イデに教える事が出来たと』
コスモ 「そんなに聞こえる、俺とは違うのか!?」
長門 『信じて』
コスモ 「……わかってるさ、お前達の付き合いの長さは三十二年分だからな」
長門 『それは違う。厳密な話を……』
コスモ 「こんな時まで、やめてくれよ……そうか、楽に」
「デク、下からくる重機動メカにミサイルを、その後はシートに体を預ければいい」
デク 「何!?」
ベス 『休めばいいとは、どういう事だ? しかし、確かに疲れた……』
グワァァァァァァァ
コスモ 「加粒子砲が発射されるのか……。ああ、これまで短かったはずなのに、長かったなあ」
デク 「リラックスし過ぎじゃないの? でも、もういいって言われて眺めるとこの光は綺麗だよ」
コスモ 「眩しすぎて寝られやしないよ……」
ハルヒ 『私がメシアの体を守るから、イデは力のコントロールをして、みんなを光の中に!』
アアアアァッァアァァアアッァアア
242 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:32:45.70 ID:P9z2Jd9P0
『ああ、われわれは迷う事は無い』
『メシアとイデと、あの光は?』
『ハルヒ・スズミヤだってな。俺たちをこれからどのようにもしてくれるらしい』
『おお、あれがこれからの世界を作るのか?』
『迷わずに済みそうですか?』
『おお、トロロフ、一族郎党みな追いつく』
『怖くは無いか、エミリア』
『あなた、ご心配なく』
『キャッキャッ』
『こらー、みんな並んで、並んで! みんな約束したでしょ? メシアと新しく生まれ変わるみんなのために歌を歌うって』
『ロッタ、遅かったわねえ』
『この子がねえ、まだだめなのよ? 甘えんぼさん』
『違う違う、僕は強い子だよ! アーシュラー』
『あはははははは』
『姉さん、シェリル姉さんは大丈夫かしら?』
『大丈夫よ、ホラ、あそこよきっと』
『メシアよ、イデを守るメシア、世界を作る私たちの仲間も!』
『あれか? シェリル』
『そうよ、みんなあそこにいるわ』
『間に合ってよかった』
243 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:33:30.94 ID:P9z2Jd9P0
『ミオ、お前の踊りを見せてやるか』
『フフフフフ』
『モエラー、モエラ!』
『ラポー、やめろよ、みんなに笑われるぞ』
『ふん、だれが笑うもんかよ。こっちは一人身だ。一緒にレーダー見てたユキもさっさと先に行っちまった』
『まったくさ、先が思いやられるぜ。それにユキは友達思いだからな。当たり前だろ?』
『たまにゃあ期待したっていいだろ?』
『いいじゃない! これから、これから!』
ハッピーバースデートゥーユー、ハッピバースデートゥーユー
『ん? ハルル、歌が聞こえる』
『歌? 歌ね……かわいい歌だ事』
『行くか!』
『ええ!』
『あはははははは』
『歌、歌のようだけど』
『誕生日のお祝いの歌だ……俺たちみんなのために歌ってるのか!』
ハッピバースデーディーアチルドレーン、ハッピバースデートゥーユー
244 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:34:12.42 ID:P9z2Jd9P0
『あ? まだ目が覚めない魂がいる。コスモ?』
『あ、キッチ・キッチン! コスモが!』
『デク、後はいいわ。皆の所へ行って? 後は私とカーシャがやる』
『あ、こんなになってもコスモは目覚めないの』
『暖かいキスを』
『したわ、何度も。あなたが、どうぞ』
『……』
『……疲れているのよ、きっと』
『みんなが生まれ変わるというのに』
『メシア、お飛び、イデとハルヒになすべきことを教えておあげ!』
『大丈夫だよな、きっと』
『ええ、でも私たちの時代はまだ続くみたいです。またどこかで会うでしょうし、今は任せましょう』
『あ……光が』
『コスモ』『コスモ……』
『キッチン、カーシャ』
『キッチン、君と会いたかった。何もしてやれなかったから』
『そんな事は無い。コスモがいただけで、あたしは良かったよ』
『そういってくれると、嬉しい。キッチン』
『……子供たちが待っているから』
『あれがメシア、それにイデとハルヒも光っている。俺たちがやってきたこと。ムダじゃなかったよな』
『そんな事無い、そんな事。ハルヒだって言っていたのよ? 私たちがイデに示したって。飛んでごらんよ。ほら』
245 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 09:34:53.17 ID:P9z2Jd9P0
『メシアか……』
『あれがコスモよ?』
『コスモか』
『ダミドにマヤヤ?』
『おそかったなー、コスモ』
『ああ、力を抜いても抜き切れないようなこだわりがあったからね』
『わかる。これからは楽に行こう』
『ズオウ、この少年です。そしてあの少女。イデの発現の中心にいたものです。この者たちの動きがあってこその私たちでしょう』
『うむ。良き男女というわけだな?』
『そんな、俺はただ単純なだけで……』
『この世の事単純だ。単純でなければならぬ』
『遅かったな、コスモ』
『疲れはとれて?』
『綺麗になったわねえ、コスモ!』
『キッチン、幸せになろうな!』
『当たり前じゃない、損しちゃうもの!』
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 09:38:38.92 ID:VeD+q8rB0
集合的無意識の神であるイデと
個でありながら無自覚の神であるハルヒの共存か。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 10:18:21.96 ID:oXj9GocEO
落ちた?
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 10:40:07.50 ID:kp/8jfzk0
だあ
249 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 11:21:24.32 ID:P9z2Jd9P0
落ちてた。あと一期に行くよ
ハルヒ 『皆、ついてきてる?』
長門 『覚えている限りは確認している……』
古泉 『こんなに楽になれるなんて』
朝比奈 『あら、でも私たちはまだまだやらなきゃならない事があるはずですよ?』
古泉 『そっか。涼宮さんの好きな世界を作るんですから!』
キョン 『それはいいが、あんまりいい加減にするんじゃないぞ!』
ハルヒ 『わかってるわよバカキョン。イデとみんながやってきたこと、ムダになんかしないんだから、メシアも頑張ってね!』
イデ 『我の……居場所……』
ハルヒ 『また少し遠いけど、用意するわ。必ず会いに行く。待ってて!』
イデ 『……わかった』
ハルヒ 『それじゃあ皆、歌いなさい!!』
ハッピーバースデートゥーユー、ハッピバースデートゥーユー
ハッピバースデーディーアチルドレーン、ハッピバースデートゥーユー
250 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 11:22:24.10 ID:P9z2Jd9P0
キョン 「ハルヒー、あれ、誰もいな……」
ハルヒ 「キョン、遅いわよ」
キョン 「なんだ、いるじゃないか。なんでいないなんて思ったんだろう」
古泉 「あなたは苦労してますからね。ボケでも始まったんじゃないですか?」
みくる 「ふええ、キョン君ボケちゃうんですかあ!?」
キョン 「いい加減な事言うなよ古泉」
ハルヒ 「いい加減じゃないわよ。キョンならあり得るものね」
キョン 「お前なあ!」
? 「うーーっ」
ハルヒ 「おー、キョンはこわいでちゅねー」
キョン 「赤ん坊?」
長門 「先ほど涼宮ハルヒが子守りを引き受けてきた」
キョン 「はあ? 一体どこの」
長門 「確認していない。また稀なケースが発生しているため、エラーの処理を行っている」
キョン 「またか。しかし、俺は何も覚えちゃいないぞ」
251 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 11:26:35.07 ID:P9z2Jd9P0
古泉 「関係ないんじゃないですか?」
長門 「……」
ハルヒ 「なあに訳の分かんない話してんのよ、あんた達。みくるちゃん、お散歩にでも行きましょう?」
? 「だー、だー、」
みくる 「かわいいでちゅねー」
? 「うーっ!」
みくる 「ひっ!」
キョン 「朝比奈先輩がきらいだなんて、贅沢なガキでやがる」
ハルヒ 「今日はこのまま解散にしちゃうから、みんな好きにしてね?」
長門 「……」
古泉 「いいんですか? それではちょっと寄りたいところがあったので」
キョン 「バイトか?」
古泉 「そんな訳はないでしょう? あの表情を見てから行ってください」
ハルヒ 「……?」ニコニコ
252 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 11:27:35.28 ID:P9z2Jd9P0
キョン 「そうか。じゃあ珍しく私用なんだな?」
古泉 「珍しくは余計です。それでは」
長門 「……帰る」
ハルヒ 「じゃあキョン、戸じまりよろしく」
みくる 「おねがいしまあす」
キョン 「任された。しかしまだ早いのにな。珍しい事もあったもんだ」
ガチャ
タッ タッ タッ
タッ タッ
タッ タッ タッ
253 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 11:28:15.03 ID:P9z2Jd9P0
タッ タッ タッ
ガチャ
? 「よう、ハルヒいるかい?」
キョン 「ありゃ、優喜先輩ですか。もう帰りましたよ?」
優喜 「そりゃ残念だな。ちょっと意見を聞きたい事があったんだけど」
キョン 「先輩も妙なところがありますね。ハルヒに意見だなんて」
優喜 「ハルヒはおもしろい事言うんだぜ? まあいないなら仕方ないか」
キョン 「だったらSOS団入りますか?」
優喜 「そりゃ勘弁だな。こっちはこっちでやってる事があるんだし。あ、この前借りたCD返しとく」
キョン 「あ、まだいいんですけど。まあ、わかりました」
優喜 「ああ、ありがとうな。それじゃ、朝比奈さん達によろしく」
ガチャ
タッ タッ タッ
キョン 「……さて、帰るか」
『我は……待っている……』
キョン 「ん? ……なんだ。気の所為か」
END
254 :
◆6QwIkXVRANb/ :2009/08/28(金) 11:29:03.30 ID:P9z2Jd9P0
本編との差別化狙ったら後半がすっかりきもくなったな。すまん。
ハルヒ仲立ちでイデとしゃべっちゃうとか考えた俺を罵倒したい。
コテコテで何回も出てくるユウレイは甘え。
ちょと休む。
↓今回のお話
発動編→人類新しい地球で完全転生
今回 →ハルヒが緩衝剤を用意して別世界にてみんなで肉体乗り換え
ちんたまおっ来おっ基金珠万たまみのーだんなーなんだぜ!?
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 11:32:06.94 ID:xg0D8YQRO
乙
次回作の予定はあるのだろうか
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 12:04:38.56 ID:5w3HWPvcO
>>1よかったよ
最近の子達も見ないかな、富野作品
売上だけが全てじゃないよね、アニメって
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 12:04:59.37 ID:5A+pnQui0
これは続編に期待できる終わりかただな
260 :
◆sjPepK8Mso :2009/08/28(金) 13:03:52.30 ID:W46dmTib0
イデ様が迷うものかよ! ってブチ切れられるかと思ったが
次はわかんないねえ。じゃあまた
乙だぜ!
次も期待させてもらうよ