1 :
◆8mKNFy.aN6 :
2009/08/27(木) 00:44:04.77 ID:1forF0rP0 毎度のご観覧ありがとうございます
感想や質問書き込んでもらうと励みにも規制除けにもなるのでお願いします
ttp://osorenagara.tonosama.jp 前回までの分うpしました、今回は20からです、
相変わらず字が多いですがご勘弁を、、、
. ∧
. / :| ぽわわわーん
. ____/ |
\ | ____
. /. ̄ ̄ ̄ \ .| / \
. / 、 | ./ \
.  ̄ ̄\ | |/ / ̄ ̄\
/ ̄ ̄ ̄ ̄. \ | ./ //三三三{
.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\. \ .| / ///三三三Z
/ ̄ ̄ ̄ ̄ . \ \ |./ //// \ 第三篇 好色な男たち 「熱烈な心の告白」
7´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\ V !/ //// \
./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\\ V.//// |
}:三三三三三三三.×\\l.///×三三三三三三三:{
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` ー――'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:45:16.67 ID:1forF0rP0
_,..、-''"~""''';,‐-.., アリョーシャは、 `゙''ー-、,__,,..-‐''"'''- ._,,..-‐''~"~"'''''‐- 父が修道院から逃げ出していく際大声で叫んだ ,__,,...-‐ '''"" , -'" ``丶、. 「枕や布団をかついで、家に帰ってこい」 ::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:.. という命令を恐れてはいなかった ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ll=lll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:.... ...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:... 父が、つい調子にのりすぎて ', "゙ 言ったものであることはちゃんとわかっていた _,,.-‐''"_,,゙ __,,.. .-‐'''""~ ,,.. ''' この瞬間彼の心の中にうごめいていたのは別の恐れだった _,,.-‐''" ,,.. ' r'´ \ / `i. ほかでもない、それは女性に対する、 . / y ,! ヽ、 __ それも特に先ほどホフラコワ夫人に託してよこした手紙で、 ,! 〈 ./ ,r'⌒ヽ、__,.-' 「 必ず来てください 」と . / i | ,' ,イ}_ 有無を言わさぬ口調で頼んできたカテリーナにたいする恐れだった / ,! _y / ̄ / 彼が恐れたのは、まさにほかならぬカテリーナという女性だった _,. ' ,r' ̄/ ,/ / (_,ィ. r' , ' / 「あの人に会う前に一度 / `¨ ,/ ドミートリィ兄さんに会っておきたいけれど、 / ,/ でもきっと今は家にはいないだろうな、、、」 / _/ / __ -―  ̄ 一分ほどその場にたたずんでから、彼はついに最終の肚を決めた  ̄ 習慣的なあわただしい十字を切り、彼は恐ろしい令嬢の家に毅然とした足どりで向かった
END
4 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:46:23.17 ID:1forF0rP0
_/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶、 家はわかっていた ,.'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ だが、広小路に出て、それから /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.N 広場などを突っ切っていたのでは、かなり遠くなる /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:|:/.!.:| /.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.{ .:!'lル′ 小さな町なのに / '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/゙i .:| ひどくあちこちに広がっているので、 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /__,!:.:| 道のりもかなり遠い場合があるのだ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ >イ /.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:// '. おまけに父が待っているし、 . /,:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|// ! ことによると先ほどの命令をまだ忘れずに、 /.:/.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:l.,′ | 気まぐれを起こしかねなかったから、 i./,|.: '.:.:.:.,.ヘ. :.:.:.l :.:l :.:.:.:.:.:l. | どちらへも間に合うように急がなければならなかった ||'|l.:.:.,イ '. :.:/ .:.|.:.:.:/、:| l. |. / l !∧:.|ヘ.__|.:ム.ヽ.|.:.:/ '.:|.ハ \ それやこれやを判断した結果、 . r´ '/V,r'´ ノ' }'/ 、 ノj. ヽ、 \ 彼は裏通りづたいに近道することに決めた r{_ / / '´ 「 \ }. そういう抜け道なら、五本の指のようによく知っていた,..ノ , ′ | \ __/ `!_ fr,.ィノ`¨ ./ | ヽ-r'、 `ヽ
5 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:48:17.93 ID:1forF0rP0
,r-; ,r'´;;;`、;`ゝ, この道なら、広小路へ出るのに半分は近くなる ,/;;;`、;;;`、;;;`、;`ゝ, 途中で一箇所、父の家のすぐ近くを、 /;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、ゝ, それも父の庭と隣り合っている、 ぐ;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、::;'ァ 窓の四つついた、古めかしい小さな、 | _____|.:| 傾きかけた家のわきを通ることになっていた | |_|_|_||ヾ| | | | | ||..::| そこで……突然、まったく予想もしなかった対面にぶつかった |  ̄ ̄ ̄ |.:| vヘノV/y/W///7/y'/V7!y'V"メ/Wハ,.イ7_ノ7ヘノV/y/W///7/y'/V7!y'V"メ/Wハ,.イ7
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 00:48:52.87 ID:2e2MF6uS0
よっしゃ
7 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:49:28.52 ID:1forF0rP0
_ .,'´r==ミ、 i 《リノハ从)〉 从(l|゚ ヮ゚ノリ /.:.: ⊂lj京iつ 彡 /.:.: ぐ/_l〉 /.:.:.:.: / \ ト 生垣の向うの隣家の庭に、 し'ノ /.:.:.:.:.: / / ヽ.┴、ヽ 兄のドミートリィが何かによじのぼって、 /.:.:.:.:.:.:.: / , / / / ', r' ! 胸までのりだして立ち、必死に両手で ___/.:.:.:.:.:.. | / | /| ハ | | `l | こちらに合図を送って、呼んでいたのだが :;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.: V| ∨ニマ ヽ. |ヽ. ! | |- ’| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.: ヽ. | f7:} \lニヘー| / / / どうやら人にききつけられぬよう :;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:: . ゙ァ| じ’ {_:::::}ヽハ. ル′ | 叫ぶのはおろか、 ,..、小、 ' 辷ソ / 'イ ) || 言葉を口に出すのさえ恐れる様子で / | l\!ニ_ヽ _/ ム'_,. ‐<V 手招きしているのだった ,ュ_ .| | ,.-ヽ.-一ァ/ /´{---、 ーヘ . l ` | V / ̄ / _ム _ ) `l. _ノ アリョーシャはすぐ生垣に走りよった . rL_ ', ヽ/', / l r'´ |( |
鼻が邪魔にならないかしら? で始まるやつだっけ?
9 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:51:06.24 ID:1forF0rP0
「お前の方でふりかえってくれたから、たすかったぜ」 /) / ) 嬉しそうに急きこんで、ドミートリィがささやいた ハ / / / 「こっちへ乗りこえてこいよ!早く! / ノ / / / ______ ああ、お前がきてくれたとはありがたい、 / /ヾ/ ,.'-‐''"´ __,.ノ たった今お前のことを考えていたところなんだ……」 / ´ / / ,. -‐''"´ / / アリョーシャのほうも嬉しかったが、ただ , ' 〈 _,. -‐ 、 どうやって生垣を越えたものか、とまどっていた ,. ' ` ̄´ _/ だが、ドミートリィが逞しい腕で肘を支え、跳躍をたすけてくれた / _,.-‐''"´ アリョーシャは僧服の裾をからげ、 / / 町のはだしの腕白小僧のような身軽さでとびこえた / / / __,.- '´ 「よし、うまいぞ、行こうぜ!」 / / 感激したようなささやき声がドミートリィの口をついて出た l : : : /. : : : :|: :j:_厶-.: : : : : : : : :l: : :|: : |: i |: : : :|.:|.: : : :|.イ|/ ヽ.: :、: : |. : ‐|、: :|: : |: | どこへいくんです? |: : : :|.:|.: : : :|.:| ,ィf云ミ\|\| \:|.|: :|: : |: | |: : : :|/\: : |.:|{ |に, | f災}|.ノ. :/.:,′ それに、ここにはだれもいないのに |: : : : {⌒'\トゞ 辷り ト'7ムィ/レ′ どうして声をひそめたりするの? |: : : : ヘ |: : :| ` `¨ | |: : : : : `T|: : :| っ ノ |: : : : : : :|:l : : ',、 . イ .: : : : : : :| |: : : ', ` ,._ .イ: : | アリョーシャはあたりに目をくばりながら、ささやいたが ,′: : : : :/:∧: : :.ヽ─┴┐: |: : :| そこは自分たち二人以外だれもいない無人の庭だった /.: : : : : :/:/ ヽ: : : :\ |.: :|: : :|
10 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:52:52.92 ID:1forF0rP0
__ / \\>‐_‐、 「どうして声をひそめるかだって? ああ、畜生」 /.フフフフ\Yニ二| ふいにドミートリィは声をいっぱいに出して叫んだ < フフフフフフフフ\ヽヽ\ | \フフフフフフ/ ̄| ̄ 「人間って、わけのわからない混乱をするものだな | lヽ<ヽフフ/ ::;;| 俺はね、ここに張りこんで、人の秘密を見張ってるんだ |、ヽl \Y ,..:::;;;| だから、必要もないのに口のきき方まで変わって ト、|\ | '' ,..;;:;:|.:.:.:.:.: 馬鹿みたいに声をひそめたりするんだ . ヽl .ト、 ! ::.,:;;;;::,!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:さ、行こう!こっちだ!」 \! N ;;::;;:;‐'''´.:.:.:.:.:.:.: ヽ.|;:‐'´.:.:.:.: 古びた傾いた小屋の中に緑色の木のテーブルがあり コニャックの半分くらい入った壜とグラスがのっていた
11 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:54:12.35 ID:1forF0rP0
お前は『また飲んだくれてる』なんて目で見ているな? rー‐<::/ ン-―ー- 、 、 \ 俺は飲んだくれてやしないよ、 {(こ 〆.:::/ ____ \ ヽ..::::ヽ appreciateしているだけさ __/'´/ 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.j ::ヤ¬寸 /,イ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,イ 坐れよ、俺はな、アリョーシャ、 レ/,イ ::/ :{:ハ\{ ::、::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::| お前をつかまえて抱きしめてやりたいよ {/::| :!{.::ィ'f坏ト\{ヽ ,><ム:!:::::::: Kヽ:ト、 なにしろ俺が世界中で本当に…… |::::ヽ::i:ヽi. r'_;メ ヽ´ イ圷ハ|::::::::::|\/ヽ> 本当の意味で(わかるな!わかるだろ!) |i:::::::トl::ハ. , r';ン´j::::::::: l: V 愛してるのは、お前一人なんだから! |i::::::::!:::: ヘ {>ーァ /:!::::::::/::/ lN:ヽ:ヽ::',:::ヽ、ヽ _,ノ ,.ィ::/::::::/ / 、、、それともう一人≪卑しい女≫に惚れて ヾ /}::}八::::ヽ>.-‐か/7::/∨ そのために一生を棒に振っちまったけど r<¨ リ\`ヽ、\__ { 〉/イ l )} これは愛するのとは違うんだ f⌒ \ \ヽ )' \ニニ∧ | |!彡ヘ 惚れるのは憎みながらだってできるからな
12 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:55:49.65 ID:1forF0rP0
〆 /!-‐l:::l :::::/!::::::l:::::::::::::::::::::',:::: ! :::::l::',:::::l ヽ、__/:', ほら、このテーブルの前に坐れよ、 ト、// |-‐::!::| :::::! l :::::|'i::::::::::::::::::::i:::::l゙i:::::il::i:::: ! ,>',:::: | すっかり全部話して聞かせるからさ /´:::ゝ、i〉 :::::!:it::、_i i::::::i \::::::::::::::!:_;|-!‐!l::!:::: !イiヽヽ: | 何もかも、いま説明するよ i .::/ //∧ :::| ! \ !`ヾ、:ヽ. \::::/i|ム‐|、i:/!:: | ! ', ヽヽ! | / !/ i::::〉:::ト:! ,ィ≠ミ:ヽ` 丶 ' ゞ;ィ=≠ミゝ|::: l,.| i::::i | 俺がいったいなんで i i、_」i |:/∧:::゙i`代〃 ::ハ fヾ〃:ノ/ !::: !^l |::::ソ! お前に会いたがっていたと思う? | ::i `'\! | i´t、゙i. ゝ- ' , ゞ-‐' ' |:::ム./'"::::::| | 、、ついにこの時が来たからさ l ::| ::::::::ii、!ヽ `ヾ_ゝ __,..__, /::/´::::l:::::: :! | !:::i :::::::::i:ヾ. ` `‐ 、_ /!:/:::::::::i::::: / | 明日になったら俺は ! :|i :::::::ヾ ゝ  ̄ ヽ .イ:::/:/::::::::::/::: /:: l 雲の上からとびおりるからなんだ | :i l ::::::::::ヽ \. `i _, < .|`メ/::::::::/::::::/}: / ヽ.! ヽ :::::_;; ゝ;:〉=-. ,_._ / メ i:::::::/‐-、/ レ 明日は俺の人生が終わって rヽr‐t´ ./:::::::::::....` ‐、/_ __,,} ヽ:/  ̄!`i‐、_ また、新しくはじまるんだよ、、 / ヽ y´ ̄ ̄`"‐-、 "ヾ:::::..〉 ` ´ | ` .| } | `ヽ / Y 弋‐--y'_,,-‐‐- ,,_| / / i 、 \ ところでお前はどこへ ! / ` } -‐‐‐--==l / / / ` ‐ \ いくところだったんだんだ?
13 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:57:11.93 ID:1forF0rP0
i .: : :/, :/. : !: :,|: |: : l : : : :\ : : : '. |.: : //: | : , |:/ |: !、.:\ : : : :|: : : : | お父さんのところですけど、 |: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! その前にカテリーナ・イワーノブナのとこへ |/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ 寄るつもりだったんです /. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ /. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′ ほら、こんな手紙をもらったんです /. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| 急いでいかなくては、、、 /. : : : :/ `´ |.: :∧` - ´7 : : :|.:'. . / : : : : : .′ |. : : ∧ /. : : : !: ヘ r'´ \ / `i. 彼女と、それから親父のところだって! . / y ,! ヽ、 __ ほう!まさにどんぴしゃりだ! ,! 〈 ./ ,r'⌒ヽ、__,.-' . / i | ,' ,イ}_ 俺がお前に会いたがっていたのはまさしく / ,! _y / ̄ / 親父と彼女のところに使いにやって _,. ' ,r' ̄/ ,/ / 両方ともと、けりをつけるためなんだぜ (_,ィ. r' , ' / / `¨ ,/ ああ!神さま! / ,/ ここで弟と出会わせてくださって、ありがとうございます / _/ / __ -―  ̄ いいかい、アリョーシャ、聞いてくれ  ̄ なに、焦ることはない、今や世界は新しい道へ踏みだしたんだ!
14 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:58:26.94 ID:1forF0rP0
(⌒ 、 .. . ... :. .:.:.:.: .: .... ..:.:.:.:.. .:.:.:.. .. .. .... .:.:.:... ( ヽ⌒ヽ 、 / / .. .:.:.:..: .:.:.:.. ....:.:... ( ) ... :. .:.:.:.: .: .. ___┐ / /ヽ アリョーシャは待つことに決めた `ヽ / |´ , へ 実際に自分の仕事はすべて、 , ⌒ヽ . .. :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:. . |___/ / . ... .. | | .. .... .. .:.:.:今やここだけにあるのかもしれないと ( ' / ./ ヽノ さとったのである ゝ `ヽ / .... .:.:.:.:.:... / .:.:.:..:.:. .. | . ...... .. . (⌒ ... .... . /... :. .:.:. .. / | ミーチャはテーブルに片肘をつき、 .:.:.... .... / / .... .:.:.:. . .. | ... :. .:.:.:.: .: .... 掌に頭をのせて .. .... .. .:.:.:..: / / . .....:.:.:.:.:.:.:.. ... | . .. ...:.:. しばらく考えこんだ .. ..... .. ..:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:... ...... .. .... .. i / (⌒ 、 .. .... .. .:.:.:..: .:.:... , ⌒ヽ . :. .:.:... 二人とも黙っていた . .. .... .. .:.:.:..: .:.. ... ( ヽ⌒ヽ 、 ( Y⌒ ヽ
15 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 00:59:13.64 ID:1forF0rP0
__ __ なあ、アリョーシャ、 /:::::::::::::::ヽ この地上で人間は、恐ろしいほど _/ ヘ-、 いろいろなことに堪えなきゃいけない、、 〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/ 恐ろしいほどたくさんの災厄がふりかかるんだ! /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」 悲しみの眼差しもて ケレースがいずこを見ても ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ いたるところ目にするは 深き恥辱に泣く人ばかり , ィ ト{八::::/リj/V-、 卑しい世界から人が 心で立ち直るためには {{ | | `'' | l }} 古き母なる大地と とわの契りを結ぶことだ {:',|└─‐‐─┘|// {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :} 恥辱のどん底にはまり込むようなことがあると , -―-ゝヘ _ノ {_/ ___ 俺はいつもこの詩を読むんだ { >=入_、____人=< ヽ でも決して、改心するようなことはないのさ ヽ 〃 `┴‐┴'´ ヽ / なぜって、俺はカラマーゾフだからな \| / ', | /.∧ ヾ_ { } レ′/ミー', どうせ奈落に落ちるんなら、いっそ頭からまっ逆さまに、、 `ーゝ ____」L=‐' /_チャ__', 俺は、そういう人間なんだよ
16 :
1 :2009/08/27(木) 01:01:20.10 ID:39f4UBBDO
17 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:03:14.45 ID:1forF0rP0
,...‐.:ニ二'_`:..、 ぶどうの露と、美の女神 . /::/,,.-‐ーゝ:v\ 情欲は虫けらにも与えられる /ィ:iイ´i:.:,ヾ、::`i:::∀::', /V:::i:ム,ハぃ斗、ハ:::ト〉:i この一節は俺のことをうたっているんだ !/|::::| zュ` -=v':::|i::::| そして俺たちカラマーゾフ家の人間はみな同じことさ |ト;::::∧ _ , i:::::|:::i.| 情欲が心に嵐をまき起こすんだ .!ハ:::i::::> _/イ:/:::リ り|:_:/"/´レヘノ そして、美、まったく恐ろしいものだよ r/ /=ヌ /" `, 理性には恥辱と映るものが、心には美と映るんだからな ,// ! / ,イ,.ノ ,.| 本当のとこを言うと、大多数の人間にとっては /,.4、,.レ' ,./ノ´ /ノ 情欲の中にこそ、美が存在してるんだよ、知っていたか? /メi´ `'ーァ'´ /´ .〈´ ' 、 fj ,イ まったく人間っていうのは広いよ、広すぎるくらいだ `ー-z.、,>、_ ,/┘ 俺ならもっと縮めたいね、、、おっと、そろそろ本題に入ろうか、、、 __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―== ―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄___ ̄―===━ __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
18 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:06:06.47 ID:1forF0rP0
____ / \ あいかわらずとんでもなくしゃべり続ける男だお / ─ ─\ / (●) (●) \ 酒を飲んでるとはいえ | (__人__) | 本題に入る前に、10ページ以上は1人でしゃべっていたお ./ ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | どれどれ、続きは、ミーチャの過去の話みたいだお .\ “ /__| | これが例のカテリーナとの「ドラマ」のようだお、、、 \ /___ /
19 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:09:09.25 ID:1forF0rP0
/ ̄ ̄ ̄\ / .\ ミーチャは国境守備隊の赴任先でカテリーナと出会った / ─ヽ .─ \ 初め、気位の高いカテリーナはミーチャをまったく相手にしなかった | (●) (●) .| \. (__人__) / そのころミーチャはフョードルと、 ..( ヽ ┏━┳━┓../.丿 「これで清算にし、以後は何も要求しない」という内容の \ \┃ ┃ ┃゛/ 権利放棄の誓約をし、六千ルーブルを受け取っていた \旨 ┃ 三ン ┗━┻━┛ カテリーナをなんとか見返してやりたいと感じながらも ミーチャは日々、放蕩三昧で荒くれていた / ̄ ̄ ̄\ そんなある日、ミーチャはある裏情報を手に入れる / .\ 上司であり、カテリーナの父である中佐が、 / ─ヽ .─ \ 公金をこっそり使い込んでいたのが、ばれそうになり | (●) (●) .| どうしようもなく困っている、ということだ \. (__人__) / .( ヽ ┏━┳━┓../.丿 ミーチャは、親交のあったカテリーナの姉に、こんなことを言う \ \┃ ┃ ┃゛/ \旨 ┃ 三ン ┗━┻━┛
支援
支援
22 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:12:46.86 ID:1forF0rP0
-―――- / : / / ̄ ̄`ヽ`ヽ、 / : :_/. :/´「 ̄ ̄、`ヽ、 ヽ お父さんの手元で /.:/ !: :/_/l: ! : : 、:ヽ : : :V ∧ 四千五百ルーブルがなくなったらしいですが i::〈_人!: :l∧\ヽ: : :i : i : _: ト、: i もし、それが軍にばれてしまったら . l:://l/ !:::lf千 ミ、ヽ\!≦´V lく: :l これは軍法会議ものの、大変なことですよ lく/〈/´!::l ゞ-' 弋冫j/l l〉 ! l ::!:::ヽ、!::l 、_′ /:∧!: :! だから万が一の場合は !::l:::::::::∧ト、 ー ′/:/.:/ ハj いっそお宅のあの女学生さんを . Vヽ、:::::lヽ、丶、_ ィ/.::/.:/j/ こっそり僕のところによこしたらどうです? (\_ _>、:::!、|ヽ ト、/イ/ お金は気前よくさし上げてもいいし、 > _`ヽ__ /ヽ ヽ! \ _ヽ ̄ ヽ_ 神にかけて秘密は守りますよ rf壬‐_´__ノ Vヽ / ∧ ヽ´__`ヽ ト、ヽ 〈\ ノ ト、!// 丶 、__`i l } /ヽ ̄ ノ ∨ 、 l ! !/ ヽ、 {  ̄ l / \ l l ∧ \
支援
24 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:15:12.78 ID:1forF0rP0
/ ̄ ̄ ̄\ 『どうしてそんなこと、、この間はちゃんと全額ありましたもの』 / .\ 『あなたって汚い人ね!よくもそんなことを!』 / ─ヽ .─ \ カテリーナの姉、アガーフィヤはひどく怒って、相手にしなかった | (●) (●) .| \. (__人__) / その後、少しして、部隊の引継ぎが行われることになる ..( ヽ ┏━┳━┓../.丿 老中佐は急に病気になったといって二昼夜も家にこもった \ \┃ ┃ ┃゛/ 実際、中佐は公金を内緒で他所に貸し付けていたのだけれど \旨 ┃ 三ン 騙されて金が返ってこず、どうしようもなかったのだ ┗━┻━┛
25 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:18:04.36 ID:1forF0rP0
___ ..|そこへ突然、伝令が帳簿と命令をもって駆けつけてきた / \ ....|『官金を二時間以内に、ただちに提出せよ』 / \ / \ .|中佐は帳簿にサインした / ι (●) (●) \ .|それから立ちあがると、軍服に着替えにいくと言って、 .| υ (__人__) | __ |寝室へ駆けこみ、二連発の猟銃をとるなり、 \ υ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / .|歩兵の弾をこめ、右足の長靴をぬいで、 (⌒ / / / .|胸にしっかり銃をあてがい、片足で引金を探しにかかったんだ i\ \ ,(つ / ⊂) ..| | \ y(つ__./,__⊆) ....|ところが、アガーフィヤがいつかの俺の言葉をおぼえていて | ヽ_ノ | ....|怪しいと思っていたので、そっと忍んできて、折りよく見つけたんだな | |_ .|彼女は部屋に駆けこむなり、うしろから父親にとびつき、抱きとめた ヽ、___  ̄ ヽ ヽ .....|銃は天井を射ちぬいて、だれにも怪我はなかった と_______ノ_ノ .|ほかの連中もとびこんできて、中佐にむしゃぶりつき、 |銃をとりあげて、両手をおさえた……
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:19:18.55 ID:K2nYxiabP
こんな字の多いやる夫スレがあるか
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:20:58.59 ID:6z1vJA5pO
教会みたいな所で親父と長男がいいあらそってるところまで見たんだけど これがその続き?
28 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:21:24.74 ID:1forF0rP0
__/∠ィT丁 ̄ ̄トミ、ゝ、ヽ⊥__ヽ、 ノ-ヲ/:.:/:.:.:ハ:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽヽi:.:.:F{⌒ ̄{ ン ./:.:.i:.:.:.:!:.:.i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:ヽ:.!:.:.:l. \>′ ……これはみんな、あとできいたことだぜ ,i个.、{:.:.:.!:.:i:.:!:.:.ト、:.:ト、:.:.:.:.:.:.!:.:.ノ:.i:.:.:.:l >ゝ、 そのとき俺は自分の家にいたんだよ / ///:.!:.:.i:.:.:!{:ト_ト、!:l ヽ:.:.:.イ!」:/!:.:.:├斥、ハ!  ̄V/:.くl:.:.:i:.:.レ彳Tヽ`ヽ `xi斥 トl:.:.:.:レ:.:ヽヽ 夕方、外出する気になった矢先で、 }:.:.:.:.l:.:.:ヽ:ト、ゝン ゝン ,l:.:.:.:.!:.:.:.:.V! 服を着かえ、髪をとかし、 l:.!:.:.:.':;:.:.:.:.\ , /:.:.:.:.:i:.:./:.ハ! ハンカチに香水をふり、軍帽をとりあげたとき、 l:ハ:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.ヽ ー‐_− /!:.:.:.:.:.,':./l/l/ ヽ ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:`ヽ、___ ィ!`V/!:.:.:/:「 / ´ いきなり、ドアが開いて、 ヽ \ハヾヽ、:.:.:.:.ヽ、__′メ/:.,.イLl ´ 目の前に、俺の部屋に、 /--i:{_ `⌒ヽ{r‐┐./イ i! l カテリーナが入ってきたじゃないか /__ ̄`\\/ ̄/ ├、_/!:.:.:!!Y
29 :
1 :2009/08/27(木) 01:24:33.33 ID:39f4UBBDO
30 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:25:10.54 ID:1forF0rP0
::../.:::::::l.::::l::l:ll三三三三イ.::::::::::::::::::::/.:::::,イ.::::::l.::、:ヽ、 :/.:::::::::l.:::::l::l:ll三三エ//.::::::::::::::::::::ノ.:://!.:::::ハ.:::ヽ、ヽ 彼女は入ってくると、ひたと俺を見つめた ::::::::::::l.:::::::!:l::ヽ::>/.:::/.::::::::::::::::/-+ 、 j l.:::/:::l.:::::::::j 、ヽ 暗い目が意を決したように :::/.::::l.::::::::l::l::::::y.::::, .::::::::::::::,::イ.::/ Y、!:/.:::::!.:::::::::l ヽ l 大胆に見つめてはいたけれど、 /.::::::l.::::::::::y´7.:::::/,.::::::::::::://':/,、‐-、' j/.::::::::!ヽ::::::! j| 唇や口もとにはためらいの色が見てとれた :::::::::l.:::::::::f f.::::/l:l.::::::::/' /イ/ (`t=、 ノ.:::::::::::l1 ヽ::l j :::::::::l.:::::::::l、!.:,ヘ l.:::::/ / / l /f:/ イl:l::l.::::::::!l `j :::::::::!l.:::::::、.::レ、_' .lイ:/ l/::/ /.:::/.l∧.::::::!l ::::::::l.:!.:::::::ヽ.:::!' !レ. ¨ /.:::/7 ! l.:::/ l :::::::l.::!.:::::::::ヽ.::ヽ """ 丶.// j l.:/ j ::::::!.::::〉、::::::::ヽ.::ヽ、 rっ/l/ .レ ./ 姉が申したのですが、 :::/.:::/.:::ヽ:::::::::::ヽ.ヽ` ー 、.__ / ./ もしわたくしがこちらへ……自分でいただきにあがれば /.:::/.:::::::::::\:::::::::ヽヽ/::.l 四千五百ルーブルくださるとか ::::/,.. -――- 、、:::::::ヽヽ〃 :/ y‐'´ ̄ ̄``‐、ゝ:::::::ヽ'、 わたくし、参りました……お金をください! :::/ ヽ::::::::f 1
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:25:29.99 ID:2e2MF6uS0
>>27 言い争って、にょろーんとみくるが話しているところまで見ていたらそこの続き。
32 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:28:08.83 ID:1forF0rP0
__ / \\>‐_‐、 息を切らせ、怯えてた、、 /.フフフフ\Yニ二| 声が途切れて、唇が震えていたっけ、、、 < フフフフフフフフ\ヽヽ\ | \フフフフフフ/ ̄| ̄ 俺は頭から足の先まで彼女を眺めまわした | lヽ<ヽフフ/ ::;;| お前、あの人を見たことあるだろう? |、ヽl \Y ,..:::;;;| まさしく 美人 だろ ト、|\ | '' ,..;;:;:| ところが、あの瞬間の美しさは、また違うんだ . ヽl .ト、 ! ::.,:;;;;::,! \! N ;;::;;:;‐'''´ おい、アリョーシャ、しっかり聞いてくれ ヽ.|;:‐'´ まさか、居眠りなんてしないでくれよ? |.: : //: | : , |:/ |: !、.:\ : : : :|: : : : | 「兄さん、すっかり全部 |: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! 何もかもの事を話してくれるんですね」 |/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ /. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ /. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′ アリョーシャが、胸をどきどきさせながら言った /. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| /. : : : :/ `´ |.: :∧` - ´7 : : :|.:'.
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:28:49.33 ID:K2nYxiabP
ここはいいシーンだよな
34 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:31:19.04 ID:1forF0rP0
__ __ _ . _ , '"´ ,. _ ___`丶、 何もかも、さ / ` / /´-‐ァー-ヽ \ 俺のかっこ悪いとこも含めて、何もかも、な、、 . / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ / └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ', 彼女は美しい貴族で俺は卑劣な悪党なんだ、、 ,' ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l 彼女は父親のためにわが身を捧げようとしている , '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. | この悪党で虫けらに過ぎない、この俺に、 | l:l :!:{、| l ::| マソハ: |:: | | l:l::i个| l ::l! _ ′} .:}:.l:: l 彼女のすべてが、文字通りすべてが | lハ:l::{::', ::::{、 /.:/::.l:: l この虫けらの思い通りになるんだよ l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._ /.:/::::/l::;! . ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃 身体のラインがくっきり見えたっけ . ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/ なにも思い悩むことなんかない、 /⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ ただ虫けららしく、やっちまえばいいんだ
支援
36 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:34:09.74 ID:1forF0rP0
. /, - ─' ゝ__:.:.:ヽ. , .:.:.:.:.:.::.:.\ ヽヽ:ヽ /._:. >_, . イ: ∠.:..___/:.:.:/::.:.:.:,.:\, !:l.:. '. そして、翌日彼女にプロポーズしにいく ´ _ /ィ:.:/:.::/:.:.::.:.∠\-=.,/:.:.,.ィ:.:/:.:.:. ∨:!::. l こうすれば、このことは誰にも知られず済むし /`! |!∧:./:.:.:, / イゝrヽ, ̄´ /.;/:.:,/.:.:.,|、: ! お上品な仕上げができるってわけさ ,/ | |Y V:.:./ / ゝニ' _'.,_j/i´,:.:.∧ ,ソ / | | | /::/∧ /.rハ/:/:.:/ |-' こんな俺でもやっぱりそういうとこは . 、,. | | // |! | 、 / \_' `‐'ィ_';,ィ´rt' きっちりかっこよく、キメたいからな \ | | ! /ヽ\ `ー '´ /::´:,/_/´ ヽ| `ー ''.| | | ト.\ ´ ̄/ フ::´:::::,,/ ところがその瞬間 `二/ _-、 |、\_ ̄//- 頭の中にこんな声が響いたんだ、、、 /// r/`ノ、 / ー/ /, { i i| ' ,/ヽ/rt, / /,イ 『でも、明日お前がプロポーズにいったとしても ゞヾ /j<_´二´r ´ きっと彼女はお前に会いもしないで叩きだすだろうぜ?』
37 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:37:09.68 ID:1forF0rP0
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ / / \;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/Y^Y^ヽ/ / / .イヽ \ \;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: .;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/: : : ∨: : / / / / / ! ! ! ! \ ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:/: : : : :::/: : :.l / / イ / | | | l ', l`ヽ.l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:/: : : : : :: /: : : :{ l、_ / / ! / | | ,.l -ト l | l;:;:;:;:そうだなんだ、 ;:;:;:;:\: : : : : : i: : : : :| { `メ、 l/ l/ l l//l | ! ト、;:;:;:;:;:;:;:きっとそうなるに違いない ;:;:;:;:;:;:;:\: : : :.|: : : : :| | / / `ニナー〃 ー'l / !/l l l: :〉;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\/l___.r| l え¨斤〒 f 斤fア从 ∧ |/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| l l{ ヘ l/ 辷ラノ 辷ノノ /}l /: :〉 /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| l lト、_V , 、、 {/l /'´// ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| l l  ̄lヽ、 f^ー--ァ ノ l/;:;:;:;:;:;:;: 『街中に言いふらしてみなさいよ! ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l l ', |;:;:;:> 辻_ノ_,. イ l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: あんたなんかこわくないんだからねっ!』 .;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ ト、 ヽ、 |/: :.| T:.ヽ |;:;:;:;:l |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ /;:;:;:\ \|: : :.< Lュ: 弋.;:;:l |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ /;:;:;:;:;:| >、 \: : \___ ヽ: : lヽ.l |;:;:;:;:;:;:;:なんてこと言いだすに決まってる .;:;:;:;:;:;:;:/ l;:;:;:;:/⌒ヽヽ ヽ: : : \  ̄| : l: :l| |;:;:;:;:;:;:;:;:、、俺はちょっと意地悪をしてやりたくなった
38 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:40:12.72 ID:1forF0rP0
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: -―――- 4000ルーブル! ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ : / / ̄ ̄`ヽ`ヽ、 あれはただの冗談ですよ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ : :_/. :/´「 ̄ ̄、`ヽ、 ヽ 本気にしてたんですか、Madamm?? ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/.:/ !: :/_/l: ! : : 、:ヽ : : :V ∧ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i::〈_人!: :l∧\ヽ: : :i : i : _: ト、: i そりゃ、200くらいならまだしも . ;:;:;:;:;:;:;:;:;:l:://l/ !:::lf千 ミ、ヽ\!≦´V lく: :l 4000ってのは軽々しく出せる額じゃありませんよ ;:;:;:lく/〈/´!::l ゞ-' 弋冫j/l l〉 ! とんだ無駄足でしたね ;:;:;:;:;:;:l ::!:::ヽ、!::l 、_′ /:∧!: :! ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!::l:::::::::∧ト、 ー ′/:/.:/ ハj ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: Vヽ、:::::lヽ、丶、_ ィ/.::/.:/j/ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(\_ _>、:::!、|ヽ ト、/イ/ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: > _`ヽ__ /ヽ ヽ! \ _ヽ ̄ ヽ_ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: rf壬‐_´__ノ Vヽ / ∧ ヽ´__`ヽ ト、ヽ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: 〈\ ノ ト、!// 丶 、__`i l } ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: /ヽ ̄ ノ ∨ 、 l ! !/ ヽ、;:;:;:;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: {  ̄ l / \ l l ∧ \;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
39 :
1 :2009/08/27(木) 01:41:38.89 ID:39f4UBBDO
>>33 まさに、ドラマというのがふさわしい名シーンだと思います
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:42:11.48 ID:K2nYxiabP
さるったか
41 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:44:59.04 ID:1forF0rP0
/ : : ; : : /_..-───- ._: :\ . / : ; : :/: : /´ ______\: ヽ こんなことを言えば、彼女は逃げ帰るだろうけど /: : _/: :/: : 厶 '´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ: ヘ 俺は極悪非道な復讐を成し遂げられるわけだ /:/ ,.'7: : :/: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ヘ: ', /' , '/ i: : : :|: : : ∧ : : : : : : : : |: : : |: : : : i: | こんなくだらんいたずらの結果、 . ハ厶i. |: : : :|: :.|:.l ',: : | : : : : : |: : : レ': : :|: | その後の一生、後悔し続けるとしても |:.7 /トr|: : : :」_| \|\ : : : | x'´ハ: : : ;' ハ それでも、やるに値する復讐なんだ、こいつは |:.' /: | r{ : : : |: ∧「`ヽ、.___,.\: イ__V_,|: :rf:/| | 、、、結局やらなかったがね、、、 |:| |: :.| | |: : : :N 'Tに叮 ヾ hィ}r〈 { 'j.ト'| なあ、アリョーシャ |:ヽ: :.| |、|: : : :| ゞ-‐’  ̄´l | | l': :! こんな、憎しみをこめて見つめるなんてこと l: : : └ : ヘ: : :|、 ' ノ } リ : | 他の女のときには、ただの一度もなかったぜ ∨: : : : : :|ヘ: :.l \ r─ャ _. '´ l: ,l: | でも、誓って言うよ ,.、ヘ\ : : | ト: l ` ._ ,r´ イ、 j/ 俺は彼女を3秒、いや5秒ほどかな、、 ,〈 ', ', ヽ: } | ヽ / 「| ィ ´|||', 憎しみをこめて見つめていたけれど / ',. ', ', V | ム -‐ ´ } ||| | それは、狂おしい愛と紙一重の憎しみ、なんだ
42 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:47:27.53 ID:1forF0rP0
i''i~7ニニニニニニニニニニニニニニニニニi~i''!i |.ll | 。 l|| 。 o 。 l .| | 俺は窓のとこへ行って | |!| ゚ o . 。 l|| 。 o ||.|l| 凍りつくガラスに、額を圧しあてた .|.ll| 。 ゚ l|| 。 。 .|l l あの感触、、今でも覚えているよ、、、 |.l| 。 ゚ o ゚ l|| o 。 . __ __ lニl o . l|| 。 , -' /:::::::::::::::ヽ | l|''。⌒o゚⌒⌒。l||⌒。 ( _/ ヘ-、. 心配するな、 .l. ||⌒⌒⌒。⌒ .l||⌒ ; 〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/ それ以上、彼女を待たせたりはしなかったさ | .l||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l||;;;;;;;;;;/l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」 俺は向きなおって、机の引き出しを開けて ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ 5000ルーブルの債券を取り出した , ィ ト{八::::/リj/V-、 {{ | | `'' | l }} 何も言わず彼女に見せて、折り曲げ、手渡し、 {:',|└─‐‐─┘|// ドアを開けて、一歩下がっておじぎをしたよ {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :} 最上級に敬意をこめた特別のやつをな!
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:47:32.59 ID:K2nYxiabP
いいシーンなのでしえん
44 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:50:04.92 ID:1forF0rP0
彼女は全身をびくりとふるわせて、一瞬食い入るように見つめ、ひどく真っ青になっちまったよ、 テーブルクロスみたいにな。そして突然、やはり一言も言わぬまま、発作的にという感じではなく、 実にやわらかく、もの静かに、深々と全身をかがめると、まともに俺の足元にひれ伏して、 額を床につけておじぎするじゃないか、女学生流のおじぎじゃなく、ロシア式にだよ! そして、跳ね起きるなり、走り出て行ってしまったんだ。 彼女が走り出て行ったとき、俺は軍刀を下げていた。俺は軍刀を引きぬいて、その場で 自殺したくなりかけた。なぜかはわからん、ひどく愚劣なことだけど、きっと歓喜のあまりだろうな。 お前にわかるかな、ある種の歓喜によっては自殺できるもんだよ。しかし、俺は自殺せず、 軍刀に接吻しただけで、また鞘におさめたがね。もっとも、こんなことはお前に話さなくともよかったな。 それにしてもどうやら今でさえ、こうした内心の葛藤を話す際に、俺は自分をよく見せようと、 いささか尾ひれをつけたようだな。でも、構わんさ、それでいいんだ、 人間の心のスパイなんて、勝手にしやがれだ!
45 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:51:40.85 ID:1forF0rP0
__ __ . -- ._ /:::::::::::::::ヽ _/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶、 _/ ヘ-、 まあ、 ,.'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/ カテリーナ・イワーノヴナと /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.N /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ 俺のドラマ≠ヘ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j.:.:|:/.!.:| ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」 これですべてだよ /.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.{ .:!'lル′ ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ / '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/゙i .:| , ィ ト{八::::/リj/V-、 これを知ってるのは /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /__,!:.:| {{ | | `'' | l }} イワンと、それにお前だけさ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ >イ {:',|└─‐‐─┘|// /.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:// '. {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :} ./,:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|// ! /.:/.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:l.,′ | ドミートリィは立ちあがり、興奮して一、二歩踏みだすと、 i./,|.: '.:.:.:.,.ヘ. :.:.:.l :.:l :.:.:.:.:.:l. | ハンカチを取りだして、額の汗をぬぐい、それからまた座った
46 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:53:03.89 ID:1forF0rP0
|: : : :|.:|.: : : :|.イ|/ ヽ.: :、: : |. : ‐|、: :|: : |: | |: : : :|.:|.: : : :|.:| ,ィf云ミ\|\| \:|.|: :|: : |: | |: : : :|/\: : |.:|{ |に, | f災}|.ノ. :/.:,′ |: : : : {⌒'\トゞ 辷り ト'7ムィ/レ′ |: : : : ヘ |: : :| ` `¨ | これで、 |: : : : : `T|: : :| っ ノ はじめの半分は理解できました |: : : : : : :|:l : : ',、 . イ .: : : : : : :| |: : : ', ` ,._ .イ: : | /./':::::::::::∧:::!、::::::::|:::::l ::::::::::|:::::::::| \ 〉:::::::: ! i:,' l::::::::::::ト、|::| \:::::|ヽ」x' ::::::|:::::::::| 〉'.:::::::::::| l| !:::::::::::|,rfトl、 x|' ,ィチえ、|:::::::::L. イ.|:::::::::::::| そうな、 l ::::|:::::'. トィl {.じ リ'^|:::::::::|`i | |:::::::::::::| その前半はあっちで起こったドラマだ ト、::|:::::ハ ー' ー‐' |:::::::::,_ノ l.」:::::::::::::l そして、これからここで起きるのが後半の悲劇なんだよ |:::N:::|:::'. '__ , |:::::: /.:レ.::::::::::::::, |:::l |:::|:::::\ ヽ._ ノ ./.:::::/.::::::::::::::::::: / |:::| ヽ|:::::l:::::` . __.. ´'.::::::/.::|:::::::::::::::::/
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 01:53:56.17 ID:K2nYxiabP
ミーチャにとってカテリーナは、気品もあるし教養もある、正しい道を歩もうとする意志の強さもある、 自分とはまったく正反対で住んでる世界がちがうはずの存在だったんだよな
48 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:54:10.67 ID:1forF0rP0
i .: : :/, :/. : !: :,|: |: : l : : : :\ : : : '. |.: : //: | : , |:/ |: !、.:\ : : : :|: : : : | |: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! その後半の方に関しては |/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ 僕には、まだ何にもわからないけど、、 /. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ /. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′ 「『僕には』だって? /. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| 俺にだって、さっぱりわからんよ」 /. : : : :/ `´ |.: :∧` - ´7 : : :|.:'. ./ : : : : : .′ |. : : ∧ /. : : : !: ヘ でも、兄さん、はっきり聞いておきたいんですけど ./.〃: : : : | |:l.: : : :'. /.: : : : /. : ハ 兄さんは婚約したんでしょ?まだ婚約してるんでしょ? |: |{ .: : : : :l |Nヘ. : : | ,./ イ.: : :/. : : : | __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―== ―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄___ ̄―===━ __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
支援
50 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:55:07.19 ID:1forF0rP0
____ / u \ ミーチャは翌日にプロポーズに行ったりはしなかった / \ /\ 「これはもうすべて終わったことだ」と自分に言い聞かせた / し (●) (●) \ カテリーナの方からも、一度、余った260ルーブルが入った | ∪ (__人__) J | 封筒が届いただけで、まったく一言の連絡もなかった \ |\ / /| / /⌒ノ \/ ( ) なんとか官金を返還したカテリーナの父は、その後すぐ亡くなる | / / | | 葬儀を終えたカテリーナは家族と共にモスクワに旅立つ、、、 出発の直前、たった一行だけ、記された青い便箋が届いた ┌─────────────────┐ │ .│ │ I will write to you. Wait. K ...│ │( お便りします お待ちを ) .│ │ .│ │ .│ │ .│ │ .│ │ .│ └─────────────────┘
支援
52 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:56:06.57 ID:1forF0rP0
/ ̄ ̄ ̄\ モスクワに着くと、カテリーナの運命は思わぬ方へ転がる / . \ 子供のいない親戚の老夫人がカテリーナを、実の娘のように喜んで迎え / \ヽ ./ U \ 遺言状を彼女のために書き改めたのに加えて | (○) (○) ι .| 更に「お嫁に行くときの為に」と、80000ルーブルをぽんと渡したのだ \. (__人__) / ( ヽ ┏━┳━┓../.丿 すぐに、ミーチャのもとに4500ルーブルが届き、彼を驚かせた \ \┃ ┃ ┃゛/ そして、その3日後に、約束の手紙が届く、、、 \旨 ┃ 三ン ┗━┻━┛
53 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:57:10.61 ID:1forF0rP0
┌─────────────────────────────────────┐ │ ...│ │ I love you madly, even if you don't love me, never mind. ....│ │ Be my husband. Don't be afraid. I won't hamper you in any way. .│ │ I will be your chattel. I will be the carpet under your feet. ....│ │ I want to love you for ever. I want to save you from yourself. ..│ │ ...│ │ 狂おしいほど愛しております あなたが愛して下さらなくとも構いません ......│ │ わたくしの夫になって下さい 心配なさらずに 決してあなたを束縛したりしません , │ │ わたくしはあなたの家財道具に あなたの足もとの絨毯になるのです , ィ//____ │ あなたを生涯愛します あなた自身からお守りしてさしあげます /´ ̄: : :!: : : : : :.`ヽ │ ┌‐ァ´/:/: :.l: ∧: :.!: : :`ヽ: \ │ Y´:{:/: : /__:イ:/ !__!、:.!: : :ヾー ゝ │ {:::::/:{: /´/l/ l/ `}:|: : l: :} └────────────────────────────..`Y: イ:ャ≠rミ r-=rァ: :|: :| |∧!:/ r、:::| トィ,.:} 〉: ト、l |l: 込.弋シ 弋ツ{ }イ:| |:!:. ート、'''' 。 '''ノl" l:.| |:.ヽ: :| ` ァ-ャ<. |: :l:.| |: :.}: :| /l ></ ト、 |: :l.:|
54 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 01:58:06.04 ID:1forF0rP0
// / / : / /. : : : : l : `ヽ ヽ: : l: : : : : : : : : : :l / :/ / / /l / l : : : : : l : : : lヽ !: :! : : : : : :l : : : :l この手紙は今もここにあるよ / . :i: l / / !/!: : l . . ! : : : l: :∨ : ト、: : : : :l : : l: l 肌身離さず持っているんだ / . : l: :l !/`ヽ! l: : :l : : : : . . .l l l ト、 ヽ、|: : : !: ! アリョーシャ! . ′: : l: :l !fモヽ ヽ: :lヽ : : : : : l: : . .! ! l | ト、 ヽ、 l: ! ずっと心に突き刺さったままだよ! . l /. : : l//l k_ノ| ヽ! \__: l_/. :/ : : l lヽ\/´: /. :! l ! : : : :/ :l ゞ ソ ´ ≧ !::/l`/. : : :l _!: ヽ、`>. :! 俺はすぐにはモスクワに行けないから l l : : :/. :/! 〃/ ノ`ヾ l/. : : : l/´l : : : :∨ : : : 涙ながらに手紙を書いたさ . ! !: : :l :/ ∧ ′ トくノ /ノ/. : : : /| l : : // : : :/ ただ、一つ、今思い出しても . l l: : :l∧/ ∧ 、 ー ' /. : : : /´_ヽ」: /:/. : : / 恥ずかしいことを書いちまった、、、 ! 、 : l /イ!::∧ ヽ /. : : : /くノ ノ :/:/ : : / ∨ヽ! / j//.:ヽ、 __/. : : : /ー‐ ´: / / : : / 彼女はすっかり金持ちになったけれど . / ヽ / /.::/ / ̄「 ̄ /. : : /. : / : / :/ : 〃 俺はすっかり、一文無しの貧乏人だ、って / / /.::/ ! ノ /. : : :イ. : :/ : //:// しなくてもいい金の話をさ、、、 . / / /.:::/ ノ /_.. < l :/|//イ: // . / (ヽ/l /.:::/  ̄ ‐- j/ ! |/ そのあとイワンに手紙を書いたよ、6nぎっしりな /(ヽ、ヽ!::! /.::::: ̄:::... ―- | それで彼女のところに行ってもらったんだ
55 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:01:30.89 ID:1forF0rP0
// / / : / /. : : : : l : `ヽ ヽ: : l: : : : : : : : : : :l / :/ / / /l / l : : : : : l : : : lヽ !: :! : : : : : :l : : : :l そんな目で見ないでくれよ、アリョーシャ / . :i: l / / !/!: : l . . ! : : : l: :∨ : ト、: : : : :l : : l: l そうさ、イワンは彼女を好きになった / . : l: :l !/`ヽ! l: : :l : : : : . . .l l l ト、 ヽ、|: : : !: ! . ′: : l: :l !fモヽ ヽ: :lヽ __: l: : . .! ! l | ト、 ヽ、 l: ! わかってる、、世間的にいったら . l /. : : l//l k_ノ| ヽ! ´\ ̄`:ト、:/. :/ : : l lヽ\/´: /. :! ひどく馬鹿なことをしたもんだよ l ! : : : :/ :l ゞ ソ ≧ !::/l :/. : : :l _!: ヽ、`>. :! l l : : :/. :/! 〃/ ノ`ヾ l/. : : : l/´l : : : :∨ : : : だけどな、でもな、 . ! !: : :l :/ ∧ ′ トくノ /ノ/. : : : /| l : : // : : :/ こいつが、もしかしたら . l l: : :l∧/ ∧ 、 ー ' /. : : : /´_ヽ」: /:/. : : / 最後に俺たちの救いになるかもしれない ! 、 : l /イ!::∧ 丶 ー /. : : : /くノ ノ /:/ : : :/ ∨ヽ! / j//.:ヽ、 __/. : : : /ー‐ ´: / / : : / あぁ! . / ヽ / /.::/ / ̄「 ̄ /. : : /. : / : / :/ : 〃 彼女がどれだけイワンのことを思っているか / / /.::/ ! ノ /. : : :イ. : :/ : //:// どれだけ尊敬しているのか、、、 . / / /.:::/ ノ /_.. < l :/|//イ: // . / (ヽ/l /.:::/  ̄ ‐- j/ ! |/ ここでの恥知らずな振る舞いがあった後でまだ /(ヽ、ヽ!::! /.::::: ̄:::... ―- | こんな俺みたいな男を選ぶなんて、そんなことあるか?
56 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:04:39.83 ID:1forF0rP0
. | / | /| ハ | | `l | でも、彼女が愛するのは V| ∨ニマ ヽ. |ヽ. ! | |- ’| 兄さんのようなタイプで、 ヽ. | f7:} \lニヘー| / / / イワン兄さんのようなタイプの人ではないと. ゙ァ| じ’ {_:::::}ヽハ. ル′ | 僕は、思います、きっとそうだと思います、、、 ,..、小、 ' 辷ソ / 'イ ) || / | l\!ニ_ヽ _/ ム'_,. ‐<V ,ュ_ .| | ,.-ヽ.-一ァ/ /´{---、 ー /.:/ !: :/_/l: ! : : 、:ヽ : : :V ∧ i::〈_人!: :l∧\ヽ: : :i : i : _: ト、: i .l:://l/ !:::lf千 ミ、ヽ\!≦´V lく: :l ふんっ lく/〈/´!::l ゞ-' 弋冫j/l l〉 ! 彼女が愛してるのは、自分の善行なんだ l ::!:::ヽ、!::l 、_′ /:∧!: :! 俺を、じゃないんだよ !::l:::::::::∧ト、 ー ′/:/.:/ ハj .Vヽ、:::::lヽ、丶、_ ィ/.::/.:/j/
しえn
58 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:07:42.10 ID:1forF0rP0
____ ......| / u \ .| ふいにドミートリィの口をついて、心ならずも、 / / \\ .| ほとんど憎悪に近い調子で、こんな言葉がとびだした。 / し (○) (○) \ .| 彼は笑いだしたが、一瞬後には目がぎらりと光り、 .| ∪ (__人__) J | __ .| 顔じゅう真っ赤になって、力まかせに拳でテーブルをたたいた。 \ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / | (⌒ / / / .| 「誓ってもいいよ、アリョーシャ」 i\ \ ,(つ / ⊂) ....| 自分自身に対する恐ろしい、 | \ y(つ__./,__⊆) ......| 真実の憤りをこめて、彼は叫んだ。 | ヽ_ノ | ......|
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 02:10:35.00 ID:39f4UBBDO
>>47 まさにそうです、でもミーチャにも高貴な面はたくさんみられる
高貴なミーチャ、低俗なミーチャ、その両面を見ると
ミーチャと彼女は正反対であり、同時に同じタイプでもあったのでは
60 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:11:32.11 ID:1forF0rP0
信じてくれるか、アリョーシャ、神聖なる神に、キリストの神にかけて誓うよ。俺はたった今 彼女の気高い思いを皮肉ってみせたけど、俺なんか彼女より百万倍も卑しい心の持ち主で、 それに、彼女のその気高い思いは天上の天使のように純粋なものだってことは、 しっかりわかっているとも!それこそ悲劇なんだ、俺自身たしかにわかっているってとこがさ。 ちょっとぐらいは悲劇を気取ってみたって構いやしないだろう?話を飾り立ててるわけじゃあない。 俺は本心を話している、偽りなく話しているんだから! それで、イワンのことだが、あいつが今その知性をもってして、どんなに世の中を呪わしく感じているか 俺にはわかるんだ!選ばれたのは誰だ、何者だ?人でなしだよ。婚約者の身でありながら人の目も 気にせず、放蕩を自制できず遊びまわっている──それも、まさにその婚約者の目の前でだ! 俺のような男が選ばれて、あいつは振られた。いったい何故?それはな、清純な娘さんが 感謝の念から自分の一生と運命とを無理やり捧げようとしているからだよ。こんなの馬鹿げてる! 勿論こんなことイワンには話したことはないし、あいつも、ほんのちょっとでさえ洩らしたことはないがな。 でもな、運命はきっとこうなる。ふさわしい男がふさわしい地位を手に入れて、 不相応な野郎は裏通りへと永遠に消えさるのさ──汚らわしい、けれど愛しい裏通りへ。 お似合いの場所で、その野郎は快楽と堕落にまかせて、汚辱と悪臭の中に身を沈めていくんだ。 脈絡のない話になっちまったけど、言うことは全部言ったよ。 ごちゃごちゃに並べ立てたけど、でも、きっと俺が言ったとおりになる。 俺は裏通りに溺れていって、彼女はイワンと結婚するさ。
支援
62 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:15:04.19 ID:1forF0rP0
i .: : :/, :/. : !: :,|: |: : l : : : :\ : : : '. |.: : //: | : , |:/ |: !、.:\ : : : :|: : : : | ヾヾ |: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! |/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ /. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ 待ってよ、兄さん! /. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′ 兄さんはまだ婚約者なんでしょ? /. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| カテリーナ・イワーノヴナが望まないのに /. : : : :/ `´ |.: :∧` - ´7 : : :|.:'. 解消することなんかできないでしょうに? / l / r―/ l | ハ l ヽ ト、} l l' レ7l l ハ !_ ヽ.ト、 |ハ、 l ノ そうさ、俺は正式な婚約者だ l l / ハl l { l/ `ヽ! ヽf,r、l ! モスクワで立派に祝福してもらった / l / 〃,くl ! レf示r' lリ/ ! | . / // ∨lハ (_! l ハト辷リ 、´l l その時カーチャといろいろ話し合ったんだ / // l l \l |ノ〃ノ r'フ _ ノ/ / 誠実に、敬意を込めてさ |/ l l ヽ l | ||Y 〈__´/ ′/ 、、、彼女、全部聞いてくれたよ、、、 | /{ ト、 ヽヽヽ、 `ヽ, ノ . l/ ', ト,l\ ト.}⌒ ̄`ヽ、_, r′ . / ヽヽ.\\ノノ \ '、
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 02:17:03.96 ID:K2nYxiabP
>>59 お互いを鏡に映し合って、にっちもさっちもいかない
アクセル踏みながらブレーキも踏むような、憎しみと一体化した不思議な愛情だよね
先走り汁スマソ
64 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:18:04.26 ID:1forF0rP0
............................................ _______.......................................... ........................................._/:ヽ-‐':´: :: : : : : : : : ::`ヽ、.......................................... .........................-‐=ニ´: ::/:.:、: : : : : : ::、: : : : : : : : : : :ヘ、.......................................... ............................/: ::;イ:|: ::λ: : :i: : : :|:: ::/;;;`};;};`;ヽ::ハ.................. ........................./: ://: :j : :| ヘ‐、:|: : : :|::/;;;;;;;;;;/: : ~:|;;;〉:j....... 困った表情を浮かべながらも ........................l/ / ::::|: : :| ∨::|、: : :|::ヽ、;;;/: :: : : :|: ::リ...............優しい言葉をささやいてくれた ..................................j: ::::ヽ:: :| ___ヽ{ヘ: : :ト: : :|: : :::: : : :|::/............... .................................|/ヘ:::',ヽ{ ャ;チヤ ヽ;: ::|ヘ: :|: : : : : : :|'.................................. ........................................ヽ::〉 |j:;ソ, V::.{´ヽ{: : ::|:: : :|i.................. ...........................................〈 ゛ ∨_ノ: : :/:::|::: : |:|.......................................... ..............................................\-' /: : ::/:::::j::: : :|::|....... まあ、彼女らしい強気な言葉ではあったがね ................................................ ` ‐-‐ァャ/: : ::/::::;人:::: :|:.:|........... その時、彼女は俺にたいへんな約束を、 ....................................................... /:::/: : :ノ,ィ´ ヽヘ:: |: :|....... 品行を改めるっていう約束をさせたんだ ................................................... r'-/: ::;f´r===、 |::|: :|.............................. ................................................... i 〈: :;ノ〉´ ̄゛\ヽ |::!: :|........... そう、、約束したっていうのに、、、 ........................................................./ /V / | i |:: : :|................................. ................................................ /イ / | | |:: : :|.......................................................................... __ / \\>‐_‐、 なんで今日、お前をつかまえて /.フフフフ\Yニ二| ここに引っぱり込んだのか、、、 < フフフフフフフフ\ヽヽ\ | \フフフフフフ/ ̄| ̄ 今日という日に、、、 | lヽ<ヽフフ/ ::;;| なあ、今日という日をよく覚えておけよ、、 |、ヽl \Y ,..:::;;;| ト、|\ | '' ,..;;:;:| 今日、今から . ヽl .ト、 ! ::.,:;;;;::,! カテリーナ・イワーノヴナのところへお前を使いに出すんだ \! N ;;::;;:;‐'''´ ヽ.|;:‐'´
65 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:21:31.32 ID:1forF0rP0
/:::/// ___ \:.ヽ ヽ\ r==f/ / '´ ̄ l:.. \:``ヽ::V=≠┐ └ァ'7: /::/〃l: l: :.. ヽ\ヾ! 弋f>、j /く l::: l:::::!::l: l{:: .!:.::: . |.:: }: }::: V \\ /,イ/〉|::: |::`!::トklヽ:{\::::.....j;イ!:リ:::: レスト、> V'//::ハ::.:l:: :!,ィテトミ\ \くィチfK|:::: |)ヽ`| Y{::::八::iヽ{ ヘz;;ノ ´{z;;:ノイ:i:: |:: V! 俺はこの先もう二度と |:!::::::{:ヾ!ハ `´ .. `´ /::!:.:..l:: j::|:| 彼女に会いに行くことはない |:!::::::::ヽ::::.. 丶 ー_一 ィ:::,':.:./〃! リ ヽヽ:八::ヽ:::::... `ト __ ,ィチV:〃::/{:/ノ 丶ゝハ:::}ヽ=-、::ヽ、_′/乂:/lハ{″" 「兄からよろしく伝えるよう言われました」 /二リ、 \ _ヾ:Y⌒「´/;:イ |l 〉 〃‐ 、 \\/_ノ:/ |┐ ∧ |l そう、言ってきてくれ |′ \`//;;;;f /∧\ V/ |/'' //;;;;;;;;! ' / fヘ、Yー、 rイ, '´ 〈/;;;;;;;;; ! ' ト/_シ
66 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:24:52.87 ID:1forF0rP0
i / / / / ,′ j l ヽ l/:l ,' ! l / / / ! l | l ハ. ',ハ / | ! | /!/! /lノ :/ l、!_/| ! ! :| lハ ! | | li┼リ七_k| / /'_jzk「:! l ! |ヽl そんなっ! ヽ ハ ヽ ヽlィ仍ヘ}`l( 'fitナ}l/ イ /! / リ lヽ∧ ヽ八ct::ソ `‐'゚イ´/イ j/ 二度と会わないなんて、、 | ! `ト、 ム、 `.::.: , .:::.:/ i'´|/ そんなの無理ですよ ,リノ___| ヽ!ヘ 、 (⌒フ , イ | |l /「´| ! !| ハ > 、_ ィヘヽ| :i| l八 /' | l | リ | l>rー'´ / ノ :リ ト、 ヽ. / :l| l ,' / .ノ f=(ヽ _/ / 〃/ >、', 〈 -ヘ V/‐ク^ヽ `Yヘ / / // /ハ ____ / u \ 「だからこそ、お前に頼んでるんだ / \ /\ 俺の口からそんなこと、言えるわけがない」 / し (○) (○) \ .| ∪ (__人__) J | __ 『それで兄さんはどうするつもりなの?』 \ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / (⌒ / / / i\ \ ,(つ / ⊂) 「裏通りに沈むのさ」 | \ y(つ__./,__⊆) | ヽ_ノ | 『グルーシェニカのところなの!? | |_ じゃあラキーチンが言ってたのはほんとだったの?』 ヽ、___  ̄ ヽ ヽ と_______ノ_ノ
しえn
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 02:27:55.04 ID:upupsKhMO
最後にまとめてくれたら助かる
69 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:28:35.20 ID:1forF0rP0
____ / \ カテリーナとのドラマ、その全容が明かされたお / \ ,_\. そしてもう一人の女、裏通りの女、グルーシェニカ、、 / (●)゛ (●) \ | ∪ (__人__) | そういえばラキーチンは確かに言っていたお / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | 「ミーチャは、ただ婚約者から解放されて一刻も早くグルーシェニカのところへ .\ “ /__| | 駆けつけたい一心で、自分からいいなずけを弟に譲ろうとしているのさ」 \ /___ / ____ /::::::::: u\ フョードルといいミーチャといい、 /ノ└ \,三_ノ\ ,∩__ このカラマーゾフ≠チてのは本当にどうしようもないお /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | | そもそも、婚約して、約束までしたっていうのに \::::::::: ` ⌒´ ,/_ | | なんで他所の女のところに遊びに行ったりするんだお!! ヽ i 丿 /(⌒) / ̄ ̄´ / / /
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 02:29:30.22 ID:39f4UBBDO
>>63 いいライバルって感じで、決していいカップルにはならなそう
72 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:31:55.00 ID:1forF0rP0
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: _____ わかってるよ、、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.: ,r ´::::::::::::::|'´/:::`ヽ. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: _/::::::::::iニ|::::|'´:l::::|::::::::| そもそも、最初はあの女をぶん殴りにいったんだ .:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.: /:::::::::::::::/L|::::|:7トハハ;l’ 今では、はっきりわかってる事なんだが、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::::::::::::〈/ 」::::〈 ヘ} リ、_ 親父とあの女が組んで、俺を嵌めようとしてたのは事実だ.: |:::::::::::::::::::{._|::::::', ,./ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:::::|::::::::l::::::::|:::::::', `! そこで、逆にぶちのめされちまった、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:::::|:::::::::',:::::∧:::N,.-r‐' 感染しちまったんだ、今もまだ感染してるんだよ .:.:.:.:.:.: |:::::|:::::::::::\::∧:::::::ノ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:::::|:::|::::::;ハ}`ーヽ:/y^L すべては終わった、、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: . 从::l、:|;r´,. −- 、{ ヽ そして、すべてはまた始まるんだ、、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.: . / ` ` / lト ._ ノ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / / ノヽ.._ / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.: ト ._ ハ / | ____ / \ グルーシェニカに惚れてしまったミーチャは大金をはたいて / へ ─\ 彼女と共に馬車でモークロエという町へ繰り出した / (○) (○) \ | (__人__) | 三日もどんちゃん騒ぎを続け3000ルーブル≠ \ |\ / /| 散財するのだが、その金が実はカテリーナから預かっていた / /⌒ノ \/ ( ) 当然、手をつけてはいけないお金だったのである、、、 | / / | |
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 02:33:51.55 ID:FzImeiNUO
あげ
74 :
1 :2009/08/27(木) 02:37:06.68 ID:39f4UBBDO
75 :
1 :2009/08/27(木) 02:40:24.82 ID:39f4UBBDO
さるさんになりました 3時〜再開します
76 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:40:40.05 ID:1forF0rP0
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//\>.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|| ヽ::ヽ、 _, あの悪女、グルーシェニカ、、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__,..--‐‐┴‐‐--..、_ j;/ ./;/ あいつの曲線美がすごいんだよ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ィ´:.:.:.:.:.:.:.::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``-‐":/ 足の先まで、からだ全体がさ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:::` ̄゛‐-、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ : : : : : : : : : : : : .:.:.::.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :ヘ ̄` 彼女の御御足を .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::ハ. じっくり眺めて、俺はキスしたんだ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.::i:.:.:.:.:.::::.:.:.:.:.:.::.::.:.:.::.::.:.:.:.::.:./:.:.:.::..:.:i.:::ハ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.::::::::.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:/:::}:.:.:j:.:.::} でも、誓って言うが .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:|::::i::::i::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:|/}::/:/}.:|リ それだけでお終いだった .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.|:::ヽ:|:::.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.::.:.|:.|ノ::'"i} |/.:.:.:.: 彼女がゆるしてくれなかったんだ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:::::::|:::.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.::::.:|:.| |:.:.:.:| .:.:ニヤリ.:.:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.|:::::|:.:.::.:.:.:.:..:.:.:.:.:::::.:.|:.|ィ|:.:.:.:| .:.:.:.:.:.:.: あいつ、笑いながら言うんだ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.::|:::|:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:::::::::|リ\i:.:.:| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:|::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:.:::::::::| ヽ、| 「わたしのしもべになるって言うんなら、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:::|:|:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.::::::::::} /´ ヘ わたしに逆らわず .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.i|.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:::::::::|/ `\ すべてわたしの好きにさせてくれるなら、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:::|.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::::::::::| 丿` それなら、結婚してあげてもいいかもね」 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.::::|:.::.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:::::::::| / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.::::|:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:.::::::::|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 笑いながら、言うんだよ、、、 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
77 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:42:25.58 ID:1forF0rP0
____ 「なぁ、アリョーシャ、これは悪夢で悲劇なんだよ」 / \ ミーチャは酔っ払いのようにまくしたて、目は血走っていた / \ ,_\ 立ち上がり、アリョーシャの肩をつかみ、強く揺さぶった / (●)゛ (●) \ | ∪ (__人__) | __ \ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / ミーチャが使ってしまった3000ルーブル≠ヘ (⌒ / / / カテリーナが i\ \ ,(つ / ⊂) 「あまり他人に知られたくないので | \ y(つ__./,__⊆) モスクワの姉へ、こっそり隣町から送ってほしいんです」 | ヽ_ノ | といって、渡したものだったのだ | |_ ヽ、___  ̄ ヽ ヽ ミーチャはカテリーナには、送金した、と嘘をついていた と_______ノ_ノ 領収書は忘れてしまったからいずれもっていく、とも
78 :
1 :2009/08/27(木) 02:42:39.05 ID:39f4UBBDO
79 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 02:44:23.30 ID:1forF0rP0
_,. - ―― - . .、 /´..... : : :___ : :\ 今日お前が彼女のとこへ行って /::.::.::.::./ ´ ___ `ヽ: :ヽ 「よろしくとのことでした」 って言うだろ? /::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : `ヽ|:ヽ: ! /::.::ィ/、:_!: :/:./: |::_::_-‐_ヘノ:l:l そうしたら彼女は !::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ト〉 「お金のことはどうなりました?」 と聞く |::`メ|::.::.|:..,|:| l lヽ: : ト、:: |: :|:レ| |::.:/| |::.:..|:廾ト、 ヽ \:| ,.斗l-:l:.,1:! お前はこう言ってもいいんだ l.::.L|{1::.:.l:.ト十::テ ー ' イォ:卞l/イ |:| 「兄は低劣な色キチガイです |:.|:l:Lト!:.:.ト{  ̄ ,  ̄`|:.|:Lj:l 感情を抑えられない卑しい人間です !:|:l::.::.:l::..ト、 , -、 イ::l:..:イ:! あの時のお金は送らず使ってしまいました lム|:.|::.:ト:..l |\ ´ ̄` /7:/、/ノ′ 動物みたいに、自制できなかったんです」 ってな /|: 「lト::.:|.ヽ:! ` ーァ ´}: : j/ : |「ト. ハl: l:::l ヽ!: : :ト_- ― <|: :/: : : !!| l ただ、これも是非、付け加えてもらいたい i ヽ:.l:::l : : : : l _, ----l: : : : : :l:|| | 「だけれど、兄は泥棒じゃありません | ト:ヾヽ : : : l_ノ  ̄ `| : : : : :l:l:l ! ほら、ここに3000ルーブルあります ! { ヽヾヽ : : l l : : : : /'/ { ご自分でモスクワに送ってください | ヽ トヾヽ : :l !: : : :/':イ | 兄からは、よろしくとのことでした」 ってさ } V ヽヾヽ: :l fYiソ : : /'/ ハ | | _, --、 }_ヽヾヽ |ljl/: : :/'/ / r‐- | さぁ、その3000をどう調達するかだ、、、
80 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:00:07.94 ID:1forF0rP0
/:.:./:.:.:.:.:/:.八ト、:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ '. /:.:.:.l:.:.:.:.:.l:./ ヽヽ:.:.:.:.:.ハ、:.:.:.:.;:.:.:.:.:.} | 兄さん、絶望で自分をいじめちゃだめです l/:.:.:i:.:.:.:.:.:≧ァ、 ト、\:.:.厶イ:.:.:}:.:.:.:.:.l| W:.:.|:.:.:.:./x=ミ、 ヽ\\x≠ミ:.ハ:.:.:.:W:! カテリーナ・イワーノヴナなら、きっとわかってくれます .{:.:.:ハ:.:.:.l灯ィ刋 \ トィ匁ハノ:.:.イV:.:| この不幸を奥底まで理解して、赦してくれます ヽム:.\:.|マtツ マt少/:/:.}):.:.:! l八\ゝ、 ' /イ:.:.:.イ:.:.:| あの人は最高の知性をそなえているはずです |:.:.!:.:.∧ ‐- ..イ:.:.:.:{:.:.:.:.:| 兄さんがどれだけ不幸になっているかなんて l:.:.|:.:.:.:.:.:> 、 ` ィ介l|:.:.:.:.:l:.:.:.:.; あの人ならきっと、たちどころに見抜くはずです ./:.:.j:.:.:.:.:.:.`Y´} ー ´|ヾ、ハ:.:.:.:|、:.:.:\ /:.:./.ヤ丁:.:.:.:.:. `\ヘ:.ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:. /:/:/:.:{:.:.l:.:.:.:.:ヽ:.\:.:.:l:.:..マ¨}\:.:.:.', 赦しちゃくれないさ /7:.:l:.:∧:.ト:.:.ヽ:.:.}:.:.:ハ_.l:.:.:.:Yヽ_/:.:.:.:! ,'ヽl :.:i:.!\ヽ \∧>jム|:.:.:.:.!=く:.:.:.:.:.l これはな、アリョーシャ i:.ijハ:.:ハヘ処ミ 丶` イf::圷 |:.:.:.:.|`ヽヽ:.:| どんな女でも、大目に見ることはできない問題なんだ |:.| l !:.:.:ハ ゞ' `ー' l:.:.:.:.|_ノlヽ〉 :| |:.Ljヘ ..:八 '_ ,':.:.:.:.:l:.}_j :.:.:.:.l 俺は3000を彼女に返すしかないんだ l:.!ヽ:ヽ .:.: \ ` ./ .: /:/:.:.:ノ:l:.:.:l:l ヾ 丶\ヾ:.个ー-イ´///イ:.:.:/:.:〃:.:リ , -‐ァ' ヽ_>∨ヘ:〃^ヽ´ ノ{:.:レ'/`X//
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 03:00:21.50 ID:2e2MF6uS0
支援
82 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:02:25.90 ID:1forF0rP0
l : : : /. : : : :|: :j:_厶-.: : : : : : : : :l: : :|: : |: i |: : : :|.:|.: : : :|.イ|/ ヽ.: :、: : |. : ‐|、: :|: : |: | |: : : :|.:|.: : : :|.:| ,ィf云ミ\|\| \:|.|: :|: : |: | でも、どこで手に入れれば、、 |: : : :|/\: : |.:|{ |に, | f災}|.ノ. :/.:,′ |: : : : {⌒'\トゞ 辷り ト'7ムィ/レ′ そうだ! |: : : : ヘ |: : :| ` `¨ | 僕のところに2000ルーブルあります |: : : : : `T|: : :| っ ノ イワンにも1000ルーブル出してもらって |: : : : : : :|:l : : ',、 . イ .: : : : : : :| |: : : ', ` ,._ .イ: : | この3000ルーブルを持っていきなよ! ,′: : : : :/:∧: : :.ヽ─┴┐: |: : :| __ / \\>‐_‐、 その金はいつ手にはいるっていうんだ? /.フフフフ\Yニ二| もうこれ以上、先延ばしはできないんだよ < フフフフフフフフ\ヽヽ\ | \フフフフフフ/ ̄| ̄ 今日のうちに、なんとしても | lヽ<ヽフフ/ ::;;| 金ができようが、できまいが |、ヽl \Y ,..:::;;;| お前には彼女に挨拶に行ってもくれ ト、|\ | '' ,..;;:;:| . ヽl .ト、 ! ::.,:;;;;::,! \! N ;;::;;:;‐'''´ 、、、それと、親父のところへも行ってもらいたい ヽ.|;:‐'´
83 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:04:41.08 ID:1forF0rP0
|: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! |/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ /. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ /. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′ お父さんのところへ? /. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| !:::::::::::|,rfトl、 x|' ,ィチえ、|:::::::::L. イ.|:::::::::::::| l ::::|:::::'. トィl {.じ リ'^|:::::::::|`i | |:::::::::::::| ト、::|:::::ハ ー' ー‐' |:::::::::,_ノ l.」:::::::::::::l そう、親父に3000ルーブル頼んでみてくれ |:::N:::|:::'. '__ , |:::::: /.:レ.::::::::::::::,′ |:::l |:::|:::::\ ヽ._ ノ ./.:::::/.::::::::::::::::::: /
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 03:05:14.24 ID:FzImeiNUO
いま裁判のとこまで読んでます でもここを見て後戻りしてます!
85 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:06:34.06 ID:1forF0rP0
ィ ‐―- 、__ ,-‐ァ´/ ∠-―‐-、‐ 、 「でも、くれっこありませんよ、兄さん」 〃 _,': /-―――-\ ヽ 〃  ̄ ̄\ 入{≧ 7: /::../:/: ,イ}ハ:\l | ヾヽーく<゙{:ナ./.::..,'::/厶!:. /l:: i:::}:!:バ―――― -- 、 | !l ¨ヽYl:::::::l:ハ{八X_ , l:;!ィリ:: } }´ ヽ くれないのはわかってるさ . l l }=l:::::::l:{ ャtr-ュミ jノtrァルリ! ∠彡 / とくに今はな! l l ノ人fl:::::::l `ー' 、`' {´イ::| / ./ l k≠^ヽ|:::::::l _ , 八i ::|'/ / 親父は、グルーシェニカと俺が l ヘ\::ハ :::ハ. '´‐,‐' イ::::l|::l / もしかしたら結婚するかもって ヽ {ハ、::ヽ::::i> , 、.. _/:/:: / リ ./ 本気で怯えているんだよ ヽ |ヘ:::jヽ::! fヘ ヽ::::/{::./ / 俺を助けるようなことするわけない 丶 !| |lV j/|>‐<ヘ ヽ{ハ:{ / |~\ i | |l |ニ二ニ! || ! / それにな、知ってるか? | | ヽ ./ | |l | l. || ! >'´ 親父は、3000ルーブルを封筒に取り分けていて ヽ_| ヘメ | |l | l. || !/ グルーシェニカが来たら、そいつで誘惑する気なんだ _ ____l l ll | / /イ ここ3日か4日、親父はずっと彼女を待っているんだよ . 〃〃 l \\ l{{T}// / | || o | \`jl 〃 / これでお前も、なぜ俺がこんなところに張りこんで | || ! ヽ!V/ { いったい何を見張っているのか、わかっただろう?
86 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:08:55.72 ID:1forF0rP0
__ __ /:::::::::::::::ヽ _/ ヘ-、 ここで、見張ってるのを知ってるのはスメルジャコフだけさ 〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/ 親父の金の封筒のことを教えてくれたのもあいつだぜ /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」 親父は今ごろ酔っ払ってイワンと食卓をかこんでるさ ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ アリョーシャ、行って、3000ルーブルを頼んでくれ…… , ィ ト{八::::/リj/V-、 {{ | | `'' | l }} ……あぁ、くれそうもないことはわかってるさ {:',|└─‐‐─┘|// でも、俺は奇蹟を、神の思召しの奇蹟を信じてるんだよ、、 {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :}
87 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:11:02.73 ID:1forF0rP0
(⌒ 、 .. . ... :. .:.:.:.: .: .... ..:.:.:.:.. .:.:.:.. .. .. .... .:.:.:... ( ヽ⌒ヽ 、 / / .. .:.:.:..: .:.:.:.. ....:.:... ( ) ... :. .:.:.:.: .: .. ___┐ / /ヽ 神さまは俺の心をご存じだ `ヽ / |´ , へ 俺の絶望をごらんになってらっしゃる , ⌒ヽ . .. :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:. . |___/ / . ... .. | | .. .... .. .:.:.:. ( ' / ./ ヽノ いっさいの光景を見ておられるんだ ゝ `ヽ / .... .:.:.:.:.:... / .:.:.:..:.:. .. | . ...... 恐ろしいことの起るのを、 (⌒ ... .... . /... :. .:.:. .. / | はたして神が見のがしておくだろうか? .:.:.... .... / / .... .:.:.:. . .. | ... :. .:.:.:.: .: .... .. .... .. .:.:.:..: / / . .....:.:.:.:.:.:.:.. ... | . .. ...:.:. アリョーシャ、 .. ..... .. ..:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:... ...... .. .... .. i 俺は奇蹟を信ずるよ、 / (⌒ 、 .. .... .. .:.:.:..: .:.:... , ⌒ヽ . :. .:.:... 行ってきてくれ! . .. .... .. .:.:.:..: .:.. ... ( ヽ⌒ヽ 、 ( Y⌒ ヽ /::::::::::::::::l::::::::!::::::::::::::::::ヘ:::::::::l::::::::::ヘ ,′:::::::::l:::∧:::::|:::::|\ -‐-L_:::::|::::::::l:::i |::l:::::::::::j:イ´\l\| \::::ハ:::::/:::::|::|:::| 行ってきます |::|:::::|::::::N,x=、 行ミト/|:::/l:ノ:::| 、|:::::|::::::|ハ 心.} { じり' jイ.:::::::::! ここで、待っててくれる? \|\_> 辷ソ , ー-' ;:::リ:::::|::| |::::::::::', ___ /:::::l::::::::|::| __ |:::::::::ヽ、 ` ´ ,/::::::::l:::::::::、| . Y7ヽ、 | :::::::::::::::>.,. ..__.. '´/::::::::::l::::::::::::ヽ 〈 ' / ∧ |:::::::::::::::j_// /:::::::::/ヽ、:::::::::::ヘ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 03:11:22.84 ID:39f4UBBDO
>>84 読めば読むほど味が出る
より深い読みの手助けになれば幸い
支援
90 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:14:12.21 ID:1forF0rP0
. / // // l/ ヽ丶 / l / r―/ l | ハ l ヽ ト、} l l' レ7l l ハ !_ ヽ.ト、 |ハ、 l ノ ああ、 l l / ハl l { l/ `ヽ! ヽf,r、l ! いくらか時間はかかるだろうからな / l / 〃,くl ! レf示r' lリ/ ! | 親父は酔っ払ってるだろうし . / // ∨lハ (_! l ハト辷リ 、´l l お前も、いきなり話を切り出すわけにはいくまい / // l l \l |ノ〃ノ r'フ _ ノ/ / 何時間でも待っているよ、、、 |/ l l ヽ l | ||Y 〈__´/ ′/ . | /{ ト、 ヽヽヽ、 `ヽ, ノ ただ、これだけは覚えておいてくれよ . l/ ', ト,l\ ト.}⌒ ̄`ヽ、_, r′ . / ヽヽ.\\ノノ \ '、
91 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:18:00.34 ID:1forF0rP0
「たとえ真夜中になろうと、お前は今日のうちに、金のあるなしにかかわらず、 カテリーナのところへ行って、『兄がよろしく申しました』と言うんだぞ。俺はぜひとも お前に、その言葉を言ってもらいたいんだ。『よろしく申しました』とな。」 「兄さん!でも、ひょっこりグルーシェニカが今日やってきたら…… 今日じゃなくとも、明日か、あさってあたり?」 「グルーシェニカが?見張ってるから、張りこんで邪魔してやるさ……」 「でも、もし……」 「もしそうなったら、ぶち殺してやる。そのまま引きさがれるかい」 「殺すって、誰を!」 「爺をさ。あの女は殺さんよ」 「兄さん、なんてこと言うんです!」
支援
93 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:21:13.76 ID:1forF0rP0
__ __ /:::::::::::::::ヽ _/ ヘ-、 でも、わからんよ、 〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/ わからんさ…… /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ ひょっとしたら、殺さんかもしれんし、あるいは殺すかもしれない ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」 ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ 心配なのは、まさにその瞬間になって、 , ィ ト{八::::/リj/V-、 ふいに親父の顔が憎らしくなりそうなことさ {{ | | `'' | l }} {:',|└─‐‐─┘|// 俺はあの咽喉仏や、鼻や、眼や {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :} 恥知らずな薄笑いが、憎くてならないんだ , -―-ゝヘ _ノ {_/ ___ { >=入_、____人=< ヽ 個人的な嫌悪を感じるんだよ、そいつが心配なのさ ヽ 〃 `┴‐┴'´ ヽ / \| / ', | /:;:;:;:;:;:;:; どうにも我慢できそうもないからな…… :;:;:;:;:;:;ヾ_ { } レ′:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`ーゝ ____」L=‐':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
94 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/27(木) 03:24:05.91 ID:1forF0rP0
____ ......| / u \ .| 「じゃあ、行ってきます、兄さん。そんな恐ろしいことが / \ /\ .| 起らないよう、神さまがうまく取りはからってくれますよ、 / し (○) (○) \ .| 僕は信じてます。」 .| ∪ (__人__) J | __ .| \ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / | 「じゃ、俺はここに腰をおろして、奇蹟を待つとしよう。 (⌒ / / / .| でも、もし奇蹟が起らなかったら、その時は……」 i\ \ ,(つ / ⊂) ....| | \ y(つ__./,__⊆) ......| アリョーシャはもの思わしげな様子で | ヽ_ノ | ......| 父のところへ向かった。 | |_ .| ____ / u \ / \ /\ 不吉な予感がする、、、 / し (○) (○) \ .| ∪ (__人__) J | これは何かが起る、、、 \ |≡| / / /⌒ノ=( ) パタン フラグびんびんびんだお、、、 | / / |≡|\\
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 03:28:10.16 ID:39f4UBBDO
て
96 :
1 :2009/08/27(木) 03:34:14.67 ID:39f4UBBDO
支援ありがとうございます ただやはりひっかかってしまいました きりがいいのでここで終わります 23/28まで来ました 明日の昼と夜中使ってこのスレ中で終わらせたいと思います よろしければ保守お願いしますorz
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 05:13:23.16 ID:zdO6iQkI0
保守
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/27(木) 08:21:30.46 ID:TQwAz1ca0
保守
支援