1 :
◆8mKNFy.aN6 :
Special Thanks For 。。。 AAエディタ:(´д`)EditVersion3 様
当スレッドは『カラマーゾフの兄弟』の前半およそ1/6ほどの内容をまとめると同時に
読んでいくにあたって必要な背景知識などを併せて解説しようとするものです
想定している読者は、一度読み始めてみたが挫折したことがある人、読んでみたいと
思ってはいるもののなかなか踏ん切りがつかない人、普段は読書なんてしないけれど
有名な本だから少しくらい内容を知っておきたい人、一度最後まで読みきったけれど
いまいち面白いと思えなかった人、、等であり、そのうち必ず読むつもりでいる人には、
却っていらぬ先入観を植え付ける危険があるということを、先に警告しておきます
というのは、やる夫スレッドの性格上、アスキーアートを多用することは避けられず、
各キャラクターのイメージが私が使用するアスキーアートのキャラクターに固定されて
しまう危険が十二分にあり、また、そのイメージを打ち破り、新しく自分なりの人物像を
頭の中に再構築する作業が非常に困難であることは容易に予想されうるからです
一方、いわゆるネタバレ≠心配なさる方もいらっしゃると思いますが、その点に
関しては「ある者が『ロミオとジュリエットは共に命を落とす』と劇場で叫んだところで、
いったい誰がそのことに対して腹を立てるだろうか」という言葉を思い出して頂きたい
『カラマーゾフの兄弟』の概要は言うまでもなく、すでに世界中に知れ渡っているにも
関わらず、やはり世界中の人々がそれを楽しんで読んでいるのです
前回までの内容をうpしました
ttp://osorenagara.tonosama.jp 素人ページなのでみにくかったらすいません
このスレは15の続きから始まります
2 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:49:25.88 ID:lowr/s9w0
____ ......| 彼はそれ以上つづけられなかった。
/ u \ .| 目がぎらぎら光り、呼吸も苦しげだった。
/ \ /\ .| 庵室にいる人たちもみな胸を騒がせていた。
/ し (○) (○) \ .| 長老一人を除いて、
.| ∪ (__人__) J | __ .| だれもが不安の色を見せて席から立ちあがった。
\ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / |
(⌒ / / / .| 司祭修道士たちはけわしい目でにらんでいたが、
i\ \ ,(つ / ⊂) ....| それでも長老の意志を待っていた。
| \ y(つ__./,__⊆) ......| だが長老自身は、さながら何かを待ちうけるかのように、
| ヽ_ノ | ......| じっと目をこらしているといった感じだった。
| |_ .|
3 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:50:12.74 ID:lowr/s9w0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/:.ノ( \ ,, ,,. ,.
ド ミー ト リィ !! /: : : ⌒ \ / | /| /| _,,.r':/ /::|
/ : : : : ._ _ \ /:::::i /::i |:::::i ./'''"´:::::/ ./:::::::|
| : : : : ´⌒\,, ;、 、、/⌒`. l /::::::::i |::::! .i::::::i /::::::::::,,.//:::::::/
. |: : : ::; ( ◎ ) ノヽ ( ◎ ).;;:: | i::::::::::i i::::i i:::::::i/:::;.r''" /:::::::/
|: : : : : ´"''" , "''"´ l i:::::::::i. i::::i,/i:::::/'"´ ./:::::::/
\ : : : ( j ) / i:::::::::i. i:::/::::i:::/ /:::::::/
,r''"\: : .`ー-‐'´`ー-‐'′/ i:::::::::i i/:::::::i/:| /::::::::/
f!: : : : :: : : ト、 i:::::::::"::::::::::/ |:::::::/
i!: : : !: : : : : ヽ. i:::::::::::::::/ i::/
! i ./: : .i i: : : : :: : ;!ii:::i: :i:i i i:::::::::/ i/
| i!i/: : : : !l|r"-'"-i| i`i|‐、 :i' i, i::::::::i
|,イ|,,..r''"!l| i! |ヽi `i :,./. ', / . i:::::::i
,r'''! |i! ii | | |`i i: :// ', ヽ.,.r"/. i:::::::i
i、 / ! ,,,,.i! l-ー|--i!、 .i:/ ./ :'i,'.,.,,,.r'" / .i:::::::i
\ i \ /i ,,..r''" i! i. ! i! l .i ./:: ;;ir''" /ヽ . i::::/
\ ! .\/ .:i. | i ヾ、./:r''" / ヽ. i/
`' / .::/ .!|,,.rヾ、,,ノ /ヽ. ヽ、
. 〈 .::::i i | ,,..-‐ ''"|i i / ヽ、 .ヽ、
ヾ;::ヽ、i ! / /,,,,..... -−''' "´
―−―――ヾ;::::i ! !|i !|/ヾ;― ==
ヾ:i, |i. !|| i |i ,,.r"!| 〉 もしお前が息子でなかったら、
`i、 || |i i ||'" / 今すぐ決闘を申し込むところだぞ……ピストルでな
.ヽ|| i|'
. i'ヽ、 ,,.r''"!i 距離は三歩……三歩の距離でだッ!!!
....:::::::::ヽ|i,,,,,|,,..r''":::::::.......
図書館に借りに行ったら1,2巻がなかった件について……死ね
5 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:50:58.35 ID:lowr/s9w0
//7ヽ イ : //:_/_.:/ |: :.:|: : ヽ:.:.. : : : : :.. |. l :.:.:\<二ニ.┬ ´ 僕は……
/イ /イ`:/: :/:l: :/:./`ヽ l: : :ト: : :.:ヽ:.:.:.. : : :.:.l:.:.:|:.:.. :.:ヽーj ノー 二 僕は……
` /´: : : /: : l:. l /l:/ \ヽ:.| ヽ: : :.ト 、:.:. : :|ヽ_L:.:.:.:.|:...| ドイ ̄:.:|
L〉: : : l : : |:. |:| |′ ヽヽ \:.{ \: :イ´l:|:.:. :.:.|:.:.:!:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l 心の天使である
|: : : : :! : : |:. :l{ z三ミ 、、 \ \ /ヽj }l!:.:. :.:l:.:.:l!.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l いいなずけといっしょに
{/: : :.:!: : .ハ:. :ト ´ `ヽ ´ {ー'r_z三ミ、 |:. :.:/:.:.:ハ:.:l:.:.:.:.:. :.:|:.:.! 故郷へ帰って、
/: /: :.:|: |: :..ヽ:ヽ i ´ ` j: : /: : /: }/ハ:.:.:. :.:!:.:.l 父の老後を
./ /: :.:小 :!: :.:.:.:ヽ:\ /⌒ ー--、‐ 、 /://:.イ:.:.:/:.:.:.:.!:.:.: : ト:.:.l 慰めようと思っていたのに、
':/!: ::. :.|:ハト: :.:.:.:.:.:ト.ー / \i /イ:.:/´:.:|:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.: : | l:.:l
/ | : :.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.l:.:\ { j /:/:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:l|:.:. : l !:.! みれば
! !: : :.:.:|!:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:l´ノ \ー- ___ノ .イ:/:./}:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.: :l j:リ 父は淫蕩な狒々爺で
| ,.ゝ---― 7´: \:.ヽ ` 、 ‐ _ .. .<_:.:.:./:/:.j:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/ !:.:.:/ // 下劣きわまる
イ { : : { \ヽ  ̄/ ヽ:..:..ヽソ/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/ j:.:/ /´ 道化役者に
ヽ: :\ `\ { 〉:../´ `7:/- :._:.:./ /´ すぎなかったんです!!
6 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:51:41.79 ID:lowr/s9w0
┌─┐
│ | /\
│ | ┌┐┌┐ _____ \ \
│ | └┘└┘ / ___ | \/ _
| \ / / / .| / /
| \ \/ / / / /
| |\ \『こんな男がなぜ生きているんだ!』 / / □ □ □ □
| | \/ / / /\ / /
| | \/ \ \_/ /
└─┘ \___ノ
しえn
8 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:52:27.02 ID:lowr/s9w0
「¨¨ 7 .:.:.:.:.:.:.:/1:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、}:.:.:.:.:.:.ヽ
| _ ィ:. .::.:.:.:.:/:.:.l{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... :.:.:.:.:.:.rfヘ、'.
r──イ´ l:.:.:.:.:.:.:/:ハ:.:|ヽ:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... l YVヽ
ゝ─ '´ヽ /j:.:.:.:.:.:イ:ハ '、l '.:.:.:ト、:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.l {、 \
r ,二.<l:.:.:.:/ォ≠、、丶 '.:.:| X:.:|:.:.:.:.:.:l ヽ /
V ヽ:.:.:V::{リ::ト` V/ィ:.:ナ、:.:.:.ハ _ノ く
l '.:.:.Vzシ 1::{リ7:.y:.:.:ハ'「:.:.:\\
| }:.:.「 ̄ _ 、辷7:/:.:.:/ ノ V:.:.:.「`´
_.ハ ト、:', /-=ヘ //:.:.://:.ヽ_>:|:.:'. いや、
/ \ .ハ:.:.:} !'´: : : : } ,.:イ:.:.:/__:.:.:.:.:.:.:.:.ト、:\ 教えてください、
__ノ \ 、__ノ{ \:|、ゝ──' ィ|:!7:.:/! T V:|、:.:.'. \ヽ
/ 、 \ ._ '. ` `¨¨「|´_rュハ:/ | | |、l \、 `
j ゝ、} ヽ-'′ '.\ >j |__/ l_ハ__ハ/ ト この上まだこんな男に
.r'′、 ヽ ト、 \、__L|____. j / ./ }ハ 大地を汚させておいてもいいんでしょうか!
{ 、 ', \ V| l / |/ }
.'、 ', ヽ '. _ノ { v /r≠!
\ ト、 \ _ノ_. ィ´ ̄ ̄「|¨´ | } _ノ ゝヘ.}
9 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:53:14.06 ID:lowr/s9w0
┌┐.┌i ┌┐ __ ┌┐ | | [][] ____
|└[][]L.ロロ | [][] | | ロロ |.[][] l└─┐'"´ `¨ー 、
|┌┤.r‐┘│┌┘ | └┐└─┐l ̄ ̄ ,,.-'" ヽ ヽ、
「ききましたか!」 └┘..凵 └┘ ! l ̄__l ̄ ̄.┘ r‐'" ,,.-'"` ヽ、
└┘ / ヾ ( _,,.-='==-、ヽ ヽ、
「ききましたか、みなさん!」 i へ___ ヽゝ=-'"/ ◎ _,,> ヽ
./ / ◎ > ='''"  ̄ ̄ ̄ ヽ
「父親殺しの言うことをききましたかね?!」 / .ヽ-‐´''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ /
i `、 _y──‐ l /
', i_/ / _ ' /
ヽ、  ̄ ̄ /
しかし、醜態にまで達したこの騒ぎは、 ヽ、_ /
この上なく意外な幕切れで終わった、、、 `¨i ヽ
ふいに長老が席を立ったのである / ヽ
/ ヽ
10 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:54:16.09 ID:lowr/s9w0
:.:.:::.:::.:::.::.::( 長老はドミートリィの方に歩きだし
.. :::.:::.::.::ヽ すぐそばまで行きつくなり
:::::.... :::::::::`'''‐‐--''''つ その前にひざまづいた
.:.:.:.:.:.:.... ::::.:::.:::.::(´
::::::::::::::::::::.... :::::::ヽ、__-‐ 、 アリョーシャは、
:::::::::::::::::::::::::::.... :::::::::::.:::.:::.ノ 衰弱で倒れたのだ
:::::::::::::::::::::::::::::::::.... ::.::.::.:( ,.- 、と思いかけたが、それは違った
::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... :.:` ̄: : :
:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::....
_ __:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::.... ひざまずいたあと
:::.. :::.. `ヽ、`\:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::.... 長老はドミートリィの足もとに
::::.. :::::::.. `ー、 ヽ,_:.:.:.:.:.:.:.:::::::::... はっきりした、意識的な跪拝をし
::::::.. :::::::::.. ,> └―‐‐ 、:.::::::::::... 額を地面に触れさえした
::::::::.. :::::::::::.. '‐、 「´ ̄"''ー、 \:.:::::::::..:..
:::::::::::.. ::::::::::::.. `′ `゛` :.::.:.:..:.:.:.:...
::::::::::::::.. :::::::::::::.. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:::.... アリョーシャはあまりのおどろきに
, ⌒ヽ:::::::::::::::.. . .. ...::.::: ____ .:::... 長老が起きあがろうとしたとき
丶''′ / :::::::::::::::::.. __┌‐ー'´,--‐'"´ :.:.:.::.... 助け起こすのが間に合わぬほどだった
( :::::::::::::::::::.... r'´_,.-‐-、''ー、 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.....
`‐' ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.. ,ィ'´''"´ レ'"´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::....
丿:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.. : : : : : : : : : : : : : : . 長老の口もとに
ヽ___ノ´ ̄ ̄`ー、 : : : : : : : : : : : : : : . 弱々しい微笑が
):::.. : . : : : : : : : : . かすかにかがやいていた
/:::::.:.::..
(_::::..:.:.:.::.. 「 赦しておあげなさい!
:.:.:.:.:.:..:.. :.:.:.:.:.:.::.. すべてを赦すことです! 」
: : : : :::.. :::: : : : :..
11 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:55:14.72 ID:lowr/s9w0
_____
. ,r ´::::::::::::::|'´/:::`ヽ.
_/::::::::::iニ|::::|'´:l::::|::::::::|
. /:::::::::::::::/L|::::|:7トハハ;l’ ドミートリィは数瞬の間、
l:::::::::::::::〈/ 」::::〈 ヘ} リ、_ ショックを受けたように立ちつくしていた
|:::::::::::::::::::{._|::::::', ,./
|:::::|::::::::l::::::::|:::::::', `!
|:::::|:::::::::',:::::∧:::N,.-r‐' 自分の足元への跪拝──これはいったい何事だろう?
|:::::|:::::::::::\::∧:::::::ノ
|:::::|:::|::::::;ハ}`ーヽ:/y^L
. 从::l、:|;r´,. −- 、{ ヽ
. / ` ` / lト ._ ノ
/ / ノヽ.._ /
ト ._ ハ / | やがてふいに 『 ああ!』 と叫ぶなり、
| ` | | | 両手で顔を覆って、部屋をとびだした
. ,! | | ,r'
/ ', /
速いのはけっこうだがさる喰らうだろ
13 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:56:13.66 ID:lowr/s9w0
|: |:: |::.. ::. j:|
|: |::. ::| .:|: ::| それにつづいて他の客もみな、
|: |::. ::l .:|: ::| 狼狽のあまり主人に別れも告げず、
|:i ::| :: :| l | おじぎもせずに、一団となって逃げだした、、、
|:|: :| ::| :: ;| |
|:|: :| ::| :: :| |
|:|: :| ::| :: :{ | 「どうして足もとへおじぎなんかしたんだろう、何かの象徴かな」
|;} : :| :| :: |
|: .:| ;n ::| :: | なぜか急におとなしくなったフョードルが
, . |: ::| ::{リ ::! :!:| ,,.., .. さすがにだれにも直接話しかける勇気がないまま、
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:. 会話をはじめようと試みかけた
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ハ._,,. ,,::;;.:. ,;:.,,. .. ,.,,. このときみなは
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ\_,,.,. :, ,.vVw, 僧庵の囲いから出るところだった
;:´.:: :/.::::ヾ::\::\::ー、 ,;;::.. ,,:;;;.. .,:: ,;..,,.. ..
14 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/25(火) 23:57:37.18 ID:lowr/s9w0
,___
/ \
/ \ / \ わたしは気違いどもの責任はとりませんよ!
/ (●) (●) \ もう、あなたとのお付き合いはごめんこうむります
| ___'___ | フョードル・パーヴロウィチ!いいですか、永久にですよ
\ |il!|!il| /
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃ このあと、昼食会に招かれていたのも
| `l ̄ とてもじゃないがこんな醜態の後では
. | | あなたと一緒に行くわけにはいきませんよ!
___
おや、ミウーソフさん / ヽ、_ \
わたしと一緒なのがそんなに嫌なんですね /(● ) (● ) \
心配いりませんよ /:::⌒(__人__)⌒::::: \
行ってきなさいよ、ミウーソフさん | l^l^lnー'´ |
修道院長さまをお訪ねしてたっぷりご馳走になってくるといい \ヽ L /
ゝ ノ
いいですか、失礼させてもらうのは / /
あんたじゃなくて、このわたしです、帰りますとも
適度に読み手がレスを挟まないとすぐにサルっちゃう
16 :
1:2009/08/25(火) 23:59:34.36 ID:+y9vGjE1O
>>12 さるさんは毎時00分には確実に解除されるのでとばしました
ここからはゆっくりいきます
支援
18 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:02:26.02 ID:vWX/7P+C0
____
/ \
/ _,ノ \ \
/ (●) (●) \ あなたが帰るってのは、本当ですか?
| ' | うそじゃあないでしょうね?
\ ⌒ /
____
あんなことのあとで /⌒ ⌒\
どの面下げてわたしが行かれますか? /( ―) (―)\
つい夢中になってしまってね、失礼しました! /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |
イワン、お前には適当な頃合に \ /
迎えの馬車をよこすから、残りたかったら残るといい、
さよなら、愛しい親戚のミウーソフさん!
19 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:05:59.72 ID:lowr/s9w0
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .
:::::::::::::::::::: ..::::: ...___:::::::::::::::::::: ..: (いまいましい野郎だ、が、まさか騙しはしないだろう!)
:::::: ..::::: . ..::::: /::::::::: . \:::::::::::::::::::: .
... ........../:::::::::::: \.. .... .. ..... .... 遠ざかってゆく道化者を
... ...../:::::::::::::::: \.... .. .:.... 腑におちぬ眼差しで見送りながら
..... ..........|:::::::::::::::::: |.... .. ... ミウーソフは考えこんで立ちどまった
..... .......\::::::: /.... .. ........ ...
... ..........>:::: < .... .. .:.. . 「あなたは院長さんのところへいくんですか?」
... ........( |:: / ).... .. .:.... .... .. ミウーソフが唐突にイワンにたずねた
... ... .......`|::::::: /'.... .. ...... . ..
... ...... ....|:::::::::人 /::.. .... ....... .... .. ..... . 「きまってるじゃありませんか?
... ..........ヽ::::::ヽ,.L_).... .. .:.... .... .. ..... . せっかく招いていただいたんですから……」
... ...... .... >__ノ三三.... .. .:.... .... .. ..... .... .. .......
.. ........ ..........三三三三.... .. .:.... .... .. .... .. ..
. .. ... 三三三三三.... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:07:35.86 ID:/6CLKAsP0
ちょっとだけ期待してる
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:07:58.07 ID:Ea6tdwec0
キター
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:08:58.80 ID:ttLHaG9D0
支援
23 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:09:00.47 ID:vWX/7P+C0
.. - ─……‐-. .、
,. '"´ . : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
,.'´. : : : : : : ,.: : : : : : : : : : : :ヽ
/. :./: : :/:/: : /:l: : : |: :l:l: : : : : :.!
, イ: :〃l: : :/:/: : /: :|: : : |: :|:|: :|: :i: : ::`ヽ 「それに、
|: 〃 l: :/:/_L/1 : |: : /|: :|:|: :|: :|: : :.:.:.::.' あれが僕らの仕業じゃないってことは
|/ Wl:/l/ { |: /|: /. |: :|:|: :|: :|: : l: :.l:! 説明しておく必要がありますからね」
{ ∧Yィ行ミヽ|/ .|/ ̄「/メ、/: /: : l: :.l:!
,′: :l 辷ソ ニ二_l/l: /: : ./: :.l: l
l: l: : l , 〒テテミV/: : /: :./l: {
l/l: : ト、 辷ソノ: : :,.イ: : /l人{
l: : l/ ヽ ` 〃: ∠ノl/
\| >r‐r‐ < ィ´l/l/
l:/ ,. -─┴┐ ミウーソフは憎しみをこめてイワンを眺めやった
∠二二ヽ ! (まるで何事もなかったように行くんだな!)
,. イ. : : : : :.ヽ. ヽ ヽ 彼は思った
,. ィ77.イ. : : : : : : :.', ! `、 (こいつが『カラマーゾフ』ってやつだな、、)
∠∠//.:.:l. : : : : : :.:.:.:l | ハ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:____
|:l i.ll:/.:.:.::j. : : : : : :.:.:.:.l | j:{ .:.:.:.:.: / \
|:| i/.:.:.:.:.:{. : : : : : :.:.:.:.:l L_ _ __{」 .:.:.:.:.:.:.:.:.: / _,ノ ⌒ \
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.: / (一) (ー) \
.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.: | ´ ij |
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \ ⊂つ /
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ \
24 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:11:55.85 ID:vWX/7P+C0
____
/ \
/ _ノ '' 'ー \ 予想通りとはいえ、
/ (●) (●) \ とんでもない騒ぎになってしまったお
| (__人__) |
\ |\ / /| でもドミートリィもフョードルも帰ったようだし
/ /⌒ノ \/ ( ) とりあえずは一段落ってかんじだお
| / / | |
/ ̄ ̄\
/ \ ___
|:::::: | / \
. |::::::::::: | / ⌒ ⌒ .\ しかし大喧嘩の最中まで
|:::::::::::::: |/ (●) (●) \ よくまあ、あんなに喋るもんだお
. |:::::::::::::: } | (__人__) |
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/
たしかに ヽ:::::::::: ノ | \
そう言われりゃそうだな /:::::::::::: く | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
25 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:14:47.43 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ でもな、あれも無駄に
| ( ●)(● しゃべりまくっているようにみえて
| (__人__) 後から読み直してみると実は
. | ノ ほとんど全部の台詞が伏線になってるんだ
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ 最初に読むときは長ったらしくてたまんないが
(. \ / ./_ノ │ 2周目にもう一度みてみると
\ “ /___| | あまりの情報量の多さにたまげるぜ!!
. \/ ___ /
____
で、フョードルとドミートリィの争いは / \
お金のことだけじゃなく /─ ─ \
どうも、女がらみのようだお / (●) (●) \
そのへんが | (__人__) |
いまいちわかりにくかったから \ ⊂ ヽ∩ <
詳しく教えてほしいお | | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
26 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:18:44.54 ID:vWX/7P+C0
__
/ \ おっと、そいつは重要ポイントだけど
/ _ノ \ このあと、どんどん説明されていくから心配せず読んでみな
| ( ●)(●) ____
. | (__人__) /− − \
| ` ⌒´ノ /(●) (●) \
. | } / ⌒(__人__)⌒ \ そうなのかお
. ヽ } \ | |r┬-| | じゃあ気にせず読み進めるお
ヽ ノ \ \ `ー'´ _/
/ く. \ \ ノ \ 次のサブタイトルは
| \ \ (⌒二 | 「出世主義者の神学生」、、、
| |ヽ、二⌒)、 \ | | どういう意味なんだろうお
/ ̄ ̄ ̄\ ......|
/ .\ .| アリョーシャは長老を寝室に連れてゆき、ベッドに掛けさせた。
/ ─ヽ .─ \ | (中略)
| (●) (●) .| .| 長老は力なくベッドに崩折れた。
\. (__人__) / ......| 目がかがやき、呼吸も苦しげだった。
..( ヽ ┏━┳━┓../.丿 | すっかり腰を下ろすと、彼は何か思いをめぐらすように、
\ \┃ ┃ ┃゛/ ..| まじまじとアリョーシャを見つめた。
\旨 ┃ 三ン .....| 「行きなさい、さあ、行くがよい。」
┗━┻━┛ .|
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:22:08.70 ID:clgYthK/0
きてたか
今日もよろしく頼むぜ
28 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:22:56.39 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ━)(━) 急いでいきなさい お前は向うで必要な人間だ
. | (__人__) そして、いいかね、息子よ
| ` ⌒´ノ 将来もお前のいるべき場所はここではないのだよ
. | } わたしが間もなく神さまに召されたら、すぐに修道院を出るのだよ
. ヽ }
_/⌒ヽ ィ あらゆることに耐えぬかねばならぬ
i'⌒゙l | l`ー-一´\ やることはたくさんあるはずだろうしの
| |. | | ト \ しかし、わたしはお前を信頼しておる、だからこそ、送り出すのだ
| | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、
|.  ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ
(( / ` \\ ))
/ / , ヾ ヘ
アリョーシャの顔に ,' / /| ! ヽハ
またしても強い反応が描かれた (( | ,' /i / ! |ヽ ヽ \ i ! ))
唇の端がふるえた | l / 」ム、ヘ ! \\ ヘ i |
ヽハ i ,イかi ヽゝ ,≧ム_ ! 'ハ
アリョーシャは残っていたくてならなかったものの (( ! ヽN `dzソ たfリ >i!、i/ i ! ))
逆らうわけにはいかなかった | { i | 、 ゞc' /ノ | i |
『兄へのあの跪拝は何を意味しているのですか』 ノ |ヘ、 t.ニつ /│ ! ,','
という質問がこぼれそうにさえなったが (( / , - l へ、 ゛ _ ィ l! ∨ ))
たずねる勇気はなかった / ./ ゝ \  ̄ ト、 __| i ヘ
/ │ \ l il ! ! ヘ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:24:40.83 ID:Ea6tdwec0
30 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:26:16.47 ID:vWX/7P+C0
_j|_ / ̄ ̄\
 ̄|! ̄ / ヽ_ \
| | (⌒ )(⌒) どうしたな?
__j|__ (__人__) 俗世の人なら故人を涙で送るのもよいが
 ̄|「 ̄| ` ⌒´ノ われわれはその人のために喜んで、祈ってあげるものだよ
|! . | }
十 | . ヽ } さあ、行きなさい、急いでな
__j!__ ヽ ノ 兄さんたちのそばにいておあげ
 ̄|! ̄ _,,,,ノ|、 ̄//// \、 一人だけのそばにではなく、両方のそばにだよ
_,,..r''''"/ | \`'/ / |  ̄`''ー-、
/ / | /\ / / / ヽ
ノ | > |/)::::/\/ \ ノ /}
|: |:: |::.. ::. j:|
|: |::. ::| .:|: ::| 僧庵の囲いを出たとき、彼はふいに胸が苦しくしめつけられ、立ちどまった
|: |::. ::l .:|: ::| あんなにはっきりと自分の死を予言した長老の言葉が
|:i ::| :: :| l | すぐ前で再び、ひびいたような気がしたのである
|:|: :| ::| :: ;| |
|:|: :| ::| :: :| | ああ、神さま!
|:|: :| ::| :: :{ | アリョーシャはすでに久しくこれほどの淋しさを味わったことがなかった
|;} : :| :| :: | 彼は僧庵と修道院とをへだてている林の中を、
|: .:| ;n ::| :: | 足を早めて歩きだしたが、内心の思いを堪えることができなかった
, . |: ::| ::{リ ::! :!:| ,,.., それほど自分の思いに心を圧しひしがれていたのである
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:. ,.
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ハ._,,. ,,::;;.:. ,;:.,,. .. ,.,,.この時間にはだれにも出会うはずはなかったのだが
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ\_,,.,. :, ,.vVw, 小道の最初の曲がり角でふいに
;:´.:: :/.::::ヾ::\::\::ー、 ,;;::.. ,,:;;;.. .,:: ,;..,,.. .. ラキーチンの姿に気づいた
31 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:30:48.68 ID:vWX/7P+C0
, -‐ r ─― 、
/ / \ ←ラキーチン
// ,=vシ== 、 ヽヽ ヽ (ミハイル・オーシポウィチ・ラキーチン)
君を待っていたんだよ! // // ヽ ヽ ! l l アリョーシャの友人の神学生
〃{ i{ {‐-、 ィ尢ハl i| |
修道院長さんのところへ行くんだろ {仆 f ィ=ミ ィ≠ミ | |
知ってるよ、会食だってね |ハムヘr;_j , jr;_リl |)l|!
僕は行かないけど、 l `∧ r‐‐v li l l |l
君は急いでいってお手伝いしてきなよ ,' i ゝ、 ヽ ノ ィ'l l l !
/ ,' l _}>‐匕!_ / ,'l l |
/rt/ ィf< _ _ `/ /_j | l
ところで一つだけききたいんだけど ノ |l/ ,' llニニ二ニ/ / >、|
アリョーシャ、、あれはいったいどういう意味なんだい? ¬ー/ / // ヽ
. / / / | ,/ /´,/ ヽ
, イ / ∧ | fA./ //レ''´ \
出たな屑のラキーチン
33 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:34:17.80 ID:vWX/7P+C0
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/. : : :/. :/. : : |: : : : : : : : : : : : ヽ あれ、って何のことさ
i .: : :/, :/. : !: :,|: |: : l : : : :\ : : : '.
|.: : //: | : , |:/ |: !、.:\ : : : :|: : : : |
|: : :l:|.: :|:_ムイ'¨V{ \.:下`ヽ.| : : |: ! 「ほら、君の兄さんに対する
|/ :从_: N,ィ'示{ ヘ、 ラがヽ!: : ル′ 長老の最敬礼さ、おでこをコツンとさ」
/. : : { |: :|{ヒ-り {_n/l)jノ
/. : : : : .ヽ|: :| `¨’ _' / |.:′
/. : : : __: : : _| ∧、 (.ノ ィ : : !:| 何を意味しているかなんて
/. : : : :/ `´ |.: :∧` - ´7 : : :|.:'. 僕は知らないよ、ミーシャ
. / : : : : : .′ |. : : ∧ /. : : : !: ヘ
. /.〃: : : : | |:l.: : : :'. /.: : : : /. : ハ
34 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:36:12.47 ID:vWX/7P+C0
,r::::::.... ヽ:::, -── - 、:::ヽ::.ヽ ヽ
| ,' .: :, ‐' ヽ::ヽ:}i: l ま、長老が説明するはずもないけどね
!:::...i/ .::/ , -―ヽ:i::! !: ! 僕に言わせればあれはただの 保険 だぜ
│ { ..:::| __ ' リレ!| !l
| i .:ヽヘゝ´ ` イかリk|:: |:| ! 君の一家に何か不吉なものを感じたから
!| | { |`ー ,イ丞テミ 弋zソ '|::: !i ! 一応、おでこをコツンとやっておいただけさ
.!|.:|!::ヽ| ::|`弋zソ !:: |::|l
l !::!..::::::| ::|.、 t ― v7 !::. !=' ニニ≠ 、 これで後で、犯罪が起れば
,'//_,. -┤ ::l..\ ` ‐ ‐' /.!::: !‐'´ ̄ へヽヽ__ 『ああ、そういえば長老さまが
// ィ二.| :::!:::...`>ー- イ, .::!: |`! ヾ=、、ヽ 予告なさっていた』ってなるわけだ
.///r' | :::l::::::::...\ /.:: !:: |│ ,' , ヾ `
/ ' /丶: | :::| ::....ヘ / .!::: | .| / / それで、象徴だった、暗喩だったと
/‐'´ \:. | ::::! ,, =、 > l〃~|:::: !.┘ / ' みんなに褒められ記憶に残るって寸法さ!
V:/.:.:.:.:.:!:.:.:.、:.:.:.:ヽ:.:ヘ:.:.ヘ:',
/:/:/:|:|_ム:ト、:\:__:l_:.:.!:.:.:.i:.ト
l/:!:!:.:N,ィ__ォヽ ヾ!ィ__ォミ|:.:.|:l:.|
犯罪ってなんだい? |:l:|:.:.|代zり ヒzり }:.:j:.!:|
何のことだい? |从:.:|| ' _彡イリリ
君は何をいっているの? |:|:.ヾゝ n 7´:.:.:.|
|:|:.:.:.|:`ト 、 ,.イ|:.|:.:.:.:.|
_〃:.:.:.∨|rL_`¨´_!、:!:!/.:.:.:|:.!
35 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:39:32.70 ID:vWX/7P+C0
_,,,.......,,,_
_,.-ッ≦―:::::::::::::::::::::::::::`:ー、 知らないみたいに言うじゃないか?
,..r::´:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ 君だって、うすうす気がついているはずだよ
,.r:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ 僕は、君の兄さんのドミートリィって人間のすべてを
,イ:::::::::::{少‐"´ ̄`^<::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::', 今日、あの場所で一遍につかんだんだよ
,イ::::::::::::/^ \:、:::ヘ:::::、:::::i:::::::::ヘ:',
r:::/::::// 1:!、::::i:::::}::::::!:::::::::::!::, 彼は愚かではあるが正直で、女好きだ
l:::i::::::i::i , - ¨了ヘ:::ト、::i::::::i:::::::::::i:ハ これが父親から譲り受けた彼の定義だよ
i::!::::::ヘ:!__ / ソ !ツ i::|:::::::}:::::::::::}:::! ところでアリョーシャ、君にだけはおどろかされるよ
t:从::::iヾ_ `゙ ,.ィf斤本ヾ}:;!:::::::i=ェ;::::::i:::i 君だってカラマーゾフなんだぜ!まぁそれはいいとして
f !::::ハ x=ェ. t弋り!}"|::!:::::::::ト、 }::::::!:::!
! ヾ_:::ヽ《ft爪! ちエン 1j:::::::::tイソ:i::::i:::::i 君のもうひとりの兄さん、イワンはどうだろう?
`iムヾムイ リ:::::::::::|´:::::|::::!::::i 彼だってやっぱりカラマーゾフなのさ
|::::ハ  ̄ ’ _,. -へ, f;:::::::::::::!::::::::|::::i:::::! ここにカラマーゾフ家の問題の全てがあるんだ
f:::::::::ゝ t __¨ン |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::} 女好きと、強欲と、神がかり!
i:::::::::::↑-、_ ,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i
j::::::::::::::|::::i:::|i`::ー.、._,,. -´ f:::::::::::リ:iト、::::::;!:::::|:::::| イワンはきっとミーチャから婚約者を奪うだろうよ
,{:::::::::::i:::|:::::|::!';::::::::_;:r^! ,!:::::::::::;'::j: : ヽ:!:::::::l:::::| それもミーチャの同意のもとでね
f:::::::::::j::::|:::::!_;>-´: :_:,.r| ,f::::::::::::;':::,': : : : :`-、|:::::| ミーチャは婚約者から解放されて
i::::::::::::;':::::|/: : : : ;/ー- /::::::::::::;'i:::i': : : : : :,.ィΞ>-、._ グルーシェニカのもとに駆けつけたいのさ
!:::::::::::i::::::{: : : : : r'" ̄ ソ:::::::::::イ:!:::!: : : : ;イ三シ´: :,:-‐、
f:::::::::::i|:::::::!: : : : :i二二ソ:::::::::::;"j:::/: : :,イΞ": : ;ィ´ ヽ、
!:::::::::::f|:::::;': : : : :f /::::::::::::/:/::/: : ;イ三": ;イ´ }
36 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:43:23.70 ID:vWX/7P+C0
_,,,.......,,,_
_,.-ッ≦―:::::::::::::::::::::::::::`:ー、 ところが今度はミーチャの行く手をさえぎるのが
,..r::´:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ あの老いぼれの親父さんってわけだ
,.r:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ とにかく突然グルーシェニカに惚れこんじまって
,イ:::::::::::{少‐"´ ̄`^<::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::', 彼女を眺めているだけで涎をたらす始末さ
,イ::::::::::::/^ \:、:::ヘ:::::、:::::i:::::::::ヘ:',
r:::/::::// 1:!、::::i:::::}::::::!:::::::::::!::, そのグルーシェニカときたらどっちにもいい返事をせず
l:::i::::::i::i , - ¨了ヘ:::ト、::i::::::i:::::::::::i:ハ 今のところどっちが得か観察しているところだよ
i::!::::::ヘ:!__ / ソ !ツ i::|:::::::}:::::::::::}:::! 親父さんからは金はごっそり搾りとれる
t:从::::iヾ `゙ ,.ィf斤本ヾ}:;!:::::::i=ェ;::::::i:::i ミーチャには金こそないが、でも結婚できるからな
f !::::ハ t弋り!}"|::!:::::::::ト、 }::::::!:::!
! ヾ_:::ヽ , ちエン 1j:::::::::tイソ:i::::i::::i そうなんだよ、結婚できるんだ!
`iムゞ=r'''" 、 リ:::::::::::|´:::::|::::!::::i 金持で貴族でお嬢様で美人の婚約者、
|::::ハ f;:::::::::::!::::::::|::::i:::::! カテリーナ・イワーノヴナを棄ててまで
f:::::::::ゝ r 、 _ _ |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::} 自分と結婚しようっていうんだからな
i:::::::::::↑-、_. | ! ,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i
j::::::::::::::|::::i:::|i l !、._,,. -´ f:::::::::::リ:iト、::::::;!:::::|:::::| こうしたいっさいのいきさつから
,{:::::::::::i:::|:::::|::!'! ,!;:r^! , -=、::::::::::;'::j: : ヽ:!:::::::l:::::| ほんとうに犯罪が起りかねないんだ
f:::::::::::j::::|:::::!_/ .,!. / /:::::::::;':::,': : : : :`-、|:::::|
クズだけど、炯眼だなぁ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:46:59.20 ID:jlG7hTFd0
イワンがかっこいいんだよ!イワンが!
39 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:47:18.83 ID:vWX/7P+C0
/:.:.:/:.i:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:/:.:.:.:;.|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:\:.:.:.:.:.:ヽ
どうして君は /:.:./:.:.:.:.:/:.八ト、:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ '.
そんなに何もかも /:.:.:.l:.:.:.:.:.l:./ ヽヽ:.:.:.:.:.ハ、:.:.:.:.;:.:.:.:.:.} |
知っているんだい? l/:.:.:i:.:.:.:.:.:≧ァ、 ト、\:.:.厶イ:.:.:}:.:.:.:.:.l|
なぜそんなに W:.:.|:.:.:.:./x=ミ、 ヽ\\x≠ミ:.ハ:.:.:.:W:!
確信をもって言えるの? .{:.:.:ハ:.:.:.l灯ィ刋 \ トィ匁ハノ:.:.イV:.:|
ヽム:.\:.|マtツ マt少/:/:.}):.:.:!
l八\ゝ、 ' /イ:.:.:.イ:.:.:|
|:.:.!:.:.∧ ‐- ..イ:.:.:.:{:.:.:.:.:|
l:.:.|:.:.:.:.:.:> 、 ` ィ介l|:.:.:.:.:l:.:.:.:.;
アリョーシャが眉をひそめて ./:.:.j:.:.:.:.:.:.`Y´} ー ´|ヾ、ハ:.:.:.:|、:.:.:\
きびしくたずねた . /:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.\}::ヾ、 \::::Y:.:.:| \:.:.:.:ヽ
40 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:50:21.68 ID:vWX/7P+C0
, -‐ r ─― 、
/ / \ じゃあ君はなぜ、質問しながらそんなに恐れているんだい
// ,=vシ== 、 ヽヽ ヽ つまり君自身も、僕が真実を語っているって認めてるのさ
// // ヽ ヽ ! l l
〃{ i{ {‐-、 ィ尢ハl i| | 君の兄貴のイワンも、こうなることを待っているんだよ
{仆 f ィ=ミ ィ≠ミ | | 濡れ手で粟だもの
|ハムヘr;_j , jr;_リl |)l|! 恋いこがれているカテリーナ・イワーノブナもいただけるし
l `∧ r‐‐v li l l |l 彼女の財産の六万ルーブルも手に入る
. ,' i ゝ、 ヽ ノ ィ'l l l !
/ ,' l _}>‐匕!_ / ,'l l |
/rt/ ィf< _ _ `/ /_j | l 「イワンは金に釣られたりしないさ」
ノ |l/ ,' llニニ二ニ/ / >、|
/ / /. ├ ¬ー/ / // ヽ そうかい?
. / / / | ,/ /´,/ ヽ じゃあ、カテリーナ・イワーノヴナの美しさには?
41 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:53:17.21 ID:vWX/7P+C0
/ 丶
イワンの狙いはもっと高いところにあるんだよ / / ヽ \
イワンが求めているのは金や、平穏じゃないもの / / / ./ } } `、 \
もしかしたら、、苦悩を求めてるのかもしれない i / / / / ,′ j l ヽ
l/:l ,' ! l / / / ! l | l ハ. ',ハ
兄さんの心は嵐のようにはげしいんだよ / | ! | /!/! /lノ :/ l、!_/| ! ! :| lハ
兄さんの思想は偉大だけれど、まだ未解決のままなのさ ! | | li┼リ七_k| / /'_jzk「:! l ! |ヽl
ヽ ハ ヽ ヽlィ仍ヘ}`l( 'fitナ}l/ イ /! / リ
兄さんは何百万の金だろうと見向きもせず lヽ∧ ヽ八ct::ソ `‐'゚イ´/イ j/
思想の解決だけを必要とするタイプの人間なんだよ | ! `ト、 ム、 `.::.: , .:::.:/ i'´|/
,リノ___| ヽ!ヘ 、 (⌒フ , イ | |l
/「´| ! !| ハ > 、_ ィヘヽ| :i| l八
/' | l | リ | l>rー'´ / ノ :リ ト、 ヽ.
,r::::::.... ヽ:::, -── - 、:::ヽ::.ヽ ヽ
| ,' .: :, ‐' ヽ::ヽ:}i: l なんだいそりゃ、いや、君らはまったく貴族だよ!
!:::...i/ .::/ , -―ヽ:i::! !: ! しかし「解決」てのは剽窃ってやつだよ
│ { ..:::| __ ' リレ!| !l 長老のお説教のパクリ、二番煎じじゃあないか
| i .:ヽヘゝ´ ` イかリk|:: |:| !
!| | { |`ー ,イ丞テミ 弋zソ '|::: !i ! まあ、ともかくイワンはたいした謎をぶつけたもんさ!
.!|.:|!::ヽ| ::|`弋zソ !:: |::|l 『不死がなければ、善行もない
l !::!..::::::| ::|.、 t ― v7 !::. !=' ニニ≠ 、 したがってすべてが許される』 だっけ?
,'//_,. -┤ ::l..\ ` ‐ ‐' /.!::: !‐'´ ̄ へヽヽ__
// ィ二.| :::!:::...`>ー- イ, .::!: |`! ヾ=、、ヽ あんなものは、ばかげたハッタリだよ
.///r' | :::l::::::::...\ /.:: !:: |│ ,' , ヾ `
/ ' /丶: | :::| ::....ヘ / .!::: | .| / /
42 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:55:18.20 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄ ̄\ ......| 単なるハッタリさ、その本質たるや
/ .\ .| 『一面から言えば認めざるをえないし
/ ─ヽ .─ \ | 多面から言っても認めぬわけにはいかない』
| (●) (●) .| .| というだけのことじゃないか。
\. (__人__) / ......| 彼の理論なんざ、卑劣そのものだよ!
..( ヽ ┏━┳━┓../.丿 | 人類はね、たとえ不死を信じなくとも、善のために生きる力くらい、
\ \┃ ┃ ┃゛/ ..| ひとりで自分の内部に見いだすさ!
\旨 ┃ 三ン .....| 自由、平等、同胞主義などへの愛の中に
┗━┻━┛ .| 見いだすにちがいないんだ……
43 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:56:13.06 ID:vWX/7P+C0
____
/ \ ラキーチン、、、また癖のあるキャラが出てきたお
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ そして グルーシェニカ
| (__人__) | カテリーナ・イワーノヴナ この二人の女がキーのようだお
\ |\ / /|
/ /⌒ノ \/ ( ) しかし、ラキーチンは神学生のくせに
| / / | | なんだか、アリョーシャと全然違う性格みたいだお
ラキーチンは僧侶の家柄で / ̄ ̄\
神学生をやっているんだけど / ヽ、_ \
どうも嫌々やってるようなんだな (●)(● ) |
(__人__) |
最後に飛び出た ( |
『自由、平等、同胞主義』なんて台詞からも . { |
どういう思想をもってるかわかるだろう ⊂ ヽ∩ く
| '、_ \ / )
44 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:56:54.77 ID:vWX/7P+C0
まぁ、とりあえず / ̄ ̄\
名前だけとはいえ / \ ___
争いの中心になる |:::::: | / \ フョードル
人物が出揃った . |::::::::::: | / ⌒ ⌒ .\ ドミートリィ
|:::::::::::::: |/ (●) (●) \ イワン
. |:::::::::::::: } | (__人__) | それに
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/ グルーシェニカ
ヽ:::::::::: ノ | \ カテリーナの五芒星フォーメーションだお
/:::::::::::: く | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
45 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:57:43.01 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) さあ、そろそろ第二編「場違いな会合」も大詰めだ
. | (__人__) 最後にまた、一騒動あるんだが、
| ` ⌒´ノ おっと、 / ̄ ̄ ̄\
. | } そこは自分で読んでみなよ / .\
. ヽ } / ─ヽ .─ \
ヽ ノ ビシッ | (●) (●) .| 言われなくとも
/ く__,-ュ__ て \. (__人__) / さっそく読むお!
| ___ 三) ( ..( ヽ ┏━┳━┓../.丿
| |  ̄ ´ \ \┃ ┃ ┃゛/
\旨 ┃ 三ン
┗━┻━┛
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 00:59:15.90 ID:jlG7hTFd0
これ、どれくらいで終わるんだろうなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
47 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 00:59:35.95 ID:vWX/7P+C0
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄___ ̄―===━
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
,,,_______,,..._ ___
,/',/',/',/',/' ,.- 、.ヽ| | さ、やっと修道院長のところへ着いたぞ
/~/~/~/~/~/:.:..::.:.` 、\ 君は台所の方へ回るといいさ、、、
,/',/',/',/',/'/:. ___ \ヽ
, /'/~/~/~//:: .:.├┼┼┤ \\ おや?あれはどういうことだろう?
'i, 'i, 'i, 'i, 'i/:.:.:::..  ̄ ̄ ̄ :\_,、 僕たちおしゃべりし過ぎたのかな
| ̄ ̄ ̄|::..:.:...:. , '⌒l⌒ヽ .:.::| しかしこんなに早く食事が終わるはずないし、、
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 て
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| BATA! / /" `ヽ ヽ \ て
|:.:.: |:.::, :,: ::;:.| :iili | iili |:. .,:.::.| BATA! //, '/ ヽハ 、 ヽ
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/' ̄"' ̄ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''` 〃 {_{\ /リ| l │ i|
`"'''` ,' \ "'''`" レ!小l● ● 从 |、i|
"'';; :;:`"`"'''::;;.`"'"'';; ,.:;:`"`"'';; :"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``" ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
/⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
ラキーチン.→ /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
48 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:02:35.90 ID:vWX/7P+C0
__
, ' ´ ̄´ `丶、
君の親父が飛び出してきたぞ! =,,≠==、、 ` 、
またカラマーゾフが何かしでかしたな! ヽ ) ヽ
リ l l ゝ ,,,,从 l l
(l∨ ⌒ヽ ´ 〃 } l
ほら、イシドル神父が l | r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ それに君の親父も、
二人に向かって叫んでるよ ,'| | l / / / | きっと悪態をついてるんだぞ
,'.| | \` ー ' _ / / !
_ , -| | - l ` ー < / / | あ!ミウーソフも馬車で逃げてく
r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´ |.│∠ / / / ヽ ! こいつは一騒ぎあったな
 ̄ { ` ヾ } { | /≠ミ/ ,' ,' l |
ヾ____ノ ノ ` ー-____.l | l / / / │ │ 院長を殴ったりしてないだろうな?
` ー----‐‐ ̄ / / | l / ./ / │ .l それともやつらが殴られたかな?
/ / ! l , ' / / { | ヽ それなら、自業自得なんだけど!
/ / | l_ . // ! /| | ヽ
_ _ 。 o O
, ´ `ヽ ○ 。
! ! o ○ O _ _゜ ラキーチンの推測は間違っていなかった
ヽ、__,.ノ o , ´ `ヽ 事実、かつてきいたこともないような、
○ O o ゜ O ! 思いもかけぬ恥さらしな騒ぎが起ったのである
o ヽ、__,.ノ
。 o O ゜。 O ゜
゚ ○ _ _
, ´ `ヽ ゜ O 。 ━━ 遡ること、十数分 ━━
o ゚ ○ 。 O ! ! o
ヽ、__,.ノ
49 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:06:04.01 ID:vWX/7P+C0
,,,_______,,..._ ___
,/',/',/',/',/' ,.- 、.ヽ| | ミウーソフとイワンが修道院長のところに入っていくころには
/~/~/~/~/~/:.:..::.:.` 、\ 根は上品でデリケートな人間であるミウーソフの心中に、
,/',/',/',/',/'/:. ___ \ヽ ある種のデリケートな変化が急速に生じ、
, /'/~/~/~//:: .:.├┼┼┤ \\ 腹を立てているのが恥ずかしくなってきた
'i, 'i, 'i, 'i, 'i/:.:.:::..  ̄ ̄ ̄ :\_,、
| ̄ ̄ ̄|::..:.:...:. , '⌒l⌒ヽ .:.::| 『イライラして修道僧たちにあたってもしょうがない
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| 議論はよして、優しく、愛想よくしておいて……
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| それから、そう、俺があんなピエロの仲間じゃなく
|:.:.: |:.::, :,: ::;:.| :iili | iili |:. .,:.::.| みんなと同じように被害者なんだって証明しよう……』
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/' ̄"' ̄ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''`
`"'''` ,' \ "'''`" こうした神妙な気持は、修道院長の食堂へ
"'';; :;:`"`"'''::;;.`"'"'';; ,.:;:`"`"'';; :"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``"入るに及んで、いっそう堅いものになった
50 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:08:37.47 ID:vWX/7P+C0
食卓は豪華に用意されていた
x〜t〜z〜x 焼き具合のみごとなパンが三種類
ヽ,⌒y⌒y⌒y⌒/ ぶどう酒が二本
ヽ、...,._,._,.__,._,.ノ 修道院でとれた上等の蜂蜜酒が二壜
.r:‐:‐:、 それに近在でも評判の高い修道院製のクワスを入れた水さし
_._._._,,i"゛゛゛゛゛', ,'~`''i、,_._._._._._,._
./ ,r''"` 、 ,' ,' ,r''"゛ヽ, / チョウザメのスープ
/ ヽ、、,,;:'゛゜"゛'''''''"゛゛゜"゜"''i、,,,;:' / 魚をつめたピロシキ
./_._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._/ 特別なすぐれた調理法による蒸し魚
,--‐‐‐‐--、 チョウザメのつくね揚げ
i`;‐‐----‐'l,._,.. アイスクリーム
l i !○l| 果物の砂糖煮(コンポート)
i l l゛`゜゜ そして最後がミルク・ゼリーという献立である
`'‐‐----‐ '
51 :
1:2009/08/26(水) 01:10:35.26 ID:aijRavOkO
52 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:11:41.01 ID:vWX/7P+C0
, ======、 , ======、
|i:.¨ ̄  ̄¨.: i |i:.¨ ̄  ̄¨.: i
|i: :i| |i: :i|
|i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i| |i:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i|
イォシフ神父とパイーシー神父、 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
さらに、もう一人が招かれていた \:;;;;;;;;;;;;/ \:;;;;;;;;;;;;/
`ヽ;:i'´ `ヽ;:i'´
ミウーソフとカルガーノフとイワンが入っていったとき |;:|
神父たちはもう食堂で待ち受けていた |;:| |;:|
___________ _____|;:|___ ________ ___|;:|_______
__ノ 人__ __ノ 人__
「院長さま ` ── ´::::::::::::::::::::::::: ` ── ´:::::::::::::::::::::::::::::::::
まことに申し訳ございませんが」 ミウーソフが愛想よく、うやうやしい口調で切りだした
____
/ \
/ \ /\ 実はお招きにあずかった連れのフョードル・パーヴロウィチをおいて
/ (_) (_) \ われわれだけ参ったのでございます
| 、__',_, | というのも、先ほどゾシマ長老の僧庵でまるきり場所をわきまえず
\ / 一口に申せば、まったく失礼な言葉を口にしたのでございます
r、 r、/ ヘ そのことはもうお耳に入っているかと思いますが……
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | | 当人も自分の非を自覚し、心から反省しておりますし
ヘ lノ `'ソ | | その恥ずかしさに克てず、わたしと、ご子息のイワン君とに
/´ / |. | くれぐれも院長さま後悔をお伝えしてくれと頼んだしだいです
\. ィ | |
53 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:14:24.12 ID:vWX/7P+C0
:.:.:.:.:.:...... .... .... . .. ...... ::.:.:............ミウーソフは長口舌の最後のくだりを言い終えて
:.:.:. .:.:.... :.:.:...... ...:.:.:.. :.:.:. .:.:.... :.:.:......すっかり自分に満足し、先ほどまでの腹立ちなど
:.:.:. .:.:.... 心に痕跡もとどめぬくらいだった
,,,_______,,..._ ___ :.:.:.:.:.:...... .... .... . .. ...... ::.:.:............
,/',/',/',/',/' ,.- 、.ヽ| | 修道院長はもったいらしく話をきき終わると
/~/~/~/~/~/:.:..::.:.` 、\ :.:.:. :.:.:. ..... .... ........... .軽く頭を下げ、答えて言った
,/',/',/',/',/'/:. ___ \ヽ
, /'/~/~/~//:: .:.├┼┼┤ \\ ... . .. .....「お帰りになった方のことは、まことに残念に存じます
'i, 'i, 'i, 'i, 'i/:.:.:::..  ̄ ̄ ̄ :\_,、 ひょっとしたら、食事の間に、わたしどものことも
| ̄ ̄ ̄|::..:.:...:. , '⌒l⌒ヽ .:.::| 好きになっていただけたかもしれませんのに
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| さあ、どうかみなさん、召し上がってくださいませ」
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田|
|:.:.: |:.::, :,: ::;:.| :iili | iili |:. .,:.::.| 、、、フョードルが
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/' ̄"' ̄ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''` 最後のとっぴな行動に出たのも、
`"'''` ,' \ "'''`" まさにこの時だった
"'';; :;:`"`"'''::;;.`"'"'';; ,.:;:`"`"'';; :"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``"
54 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:17:17.79 ID:vWX/7P+C0
,ィ爪 ノ乃、
___ _,. -‐ァァ'!fT}l{Tf'!ァァ‐- 、_ ___
_________________|_____| ,.ィ´i l | | | | |乂|||乂| | | | | l i`ヽ、 |_____|______
______________ |┬┴|/l | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | l\|┬亠| ________ ハ ハ
_l__l__|┴┬||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┴┬|__l__l_ {ハ _《 ノ!
__l__l_|┬┴||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┬亠|_l__l__l 〉彡彡ミミハ
_l__l__|┴┬||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┴┬|__l__l_ ;彡ィ''ァヽ:::ヾk
__l__l_|┬亠||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┬亠|_l__l__l iケ:ノ/::::::kぅ'':}lk
_l__l___ |┴rー|,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|込|||込|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_|┴rー| ___l__l_ ,レテニ.ヽ:::'':::::lllハ
__l____l___「 ̄ ̄|,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_|||,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_「 ̄ ̄|_l__l__l /レ'::::::::ヽゝ∠-fjハ.
. /::::;::::::::::/::C‐''T!:'リli.
断っておかねばならないが、彼は本当に帰る気になりかけていたのだし、 {:::: :2)::;/;;/7::::;〃::::llj
長老の庵室であんな恥さらしな行いをしたあと、何事もなかったような顔をして l'::'::ゝ';ム7ノ='":::i:::::リ
修道院長のところへ昼食をよばれにいくことはできぬと、事実、感じもした。 `‐ー′ |:::j:::::::::::j::::::|<
といって、ひどく恥じ入ったり、自責の念にかられたりしたわけではなく、
むしろあべこべだったかもしれないが、それでもやはり、食事をするのは
失礼だと感じたのである。だが宿坊の玄関へがたぴし音のする馬車がまわされ、
もはや乗りこむ段になってから、彼はふいに足を止めた。
55 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:20:10.94 ID:vWX/7P+C0
*'``・* 。
★ `*。 わたしはいつも、
| * 自分がだれより卑劣な人間なんだ
____ | * みなに道化者と思われているんだ
/⌒ ⌒\ | +゚ という気がしてならないんです
/( ●) (●)\ | ゚*
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \/⌒) +゚ それならいっそ、
| |r┬-| | ノ 。*゚ 本当に道化を演じてやろう、と思うんでさ
__\ `ー'´ // 。*・ ゚
(⌒ |。*・ ゚
""''',。ヽ_ 。*・ ゚
+ │ 。*・ ゚ | * 。.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.: `・+。。*・ ゚ .:.:.:.:.:.:.: | `*。:::::::::::;:;:;:::::: :;:;:;::::::::::;:;:::::::;:;:;:;::::::::::::::::::
.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.: :::: :::::::::: ::::::: ::::: ::::::::::::;; :: :::::;;;;;::::: :::::; :::::;;;;;:::::::::;;;;;::::
:::::;;;;;::: ;;::;;:: ::::::: ::::: ::::::::::::;;;;;;::::: :::
::::::::: ___ :::::;;; ::::::: :::;
::;;::./⌒ 三⌒\:::;;;;'' 長老のところで自分で言った言葉を思い出し
/<○>三 <○>\ しばし考えに沈んだまま
/::::: (__人__) ::::: \ 彼は声もなく憎さげにせせら笑った
| `⌒'J | 目がきらりと光り、唇までが震えはじめた
\ /
/ \ 『なに、毒食わば皿までだ』
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 01:21:42.68 ID:jlG7hTFd0
>>51 トン
丁度、この本1月前に読了したから、支援
57 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:23:59.85 ID:vWX/7P+C0
,,,_______,,..._ ___ 『 今となっちゃ、
,/',/',/',/',/' ,.- 、.ヽ| | どうせ名誉挽回もできないんだから
/~/~/~/~/~/:.:..::.:.` 、\ いっそ恥知らずと言われるくらい
,/',/',/',/',/'/:. ___ \ヽ やつらに唾をひっかけてやれ!
, /'/~/~/~//:: .:.├┼┼┤ \\ お前らなんかに遠慮するもんか
'i, 'i, 'i, 'i, 'i/:.:.:::..  ̄ ̄ ̄ :\_,、 、と言ってやろう、それだけの話さ! 』
| ̄ ̄ ̄|::..:.:...:. , '⌒l⌒ヽ .:.::|
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田|
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| 修道院長の食堂に彼が姿をあらわしたのは、
|:.:.: |:.::, :,: ::;:.| :iili | iili |:. .,:.::.| まさに、お祈りが終わってみなが食卓に移ったその瞬間だった
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/' ̄"' ̄ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''`
`"'''` ,' \ "'''`"
"'';; :;:`"`"'''::;;.`"'"'';; ,.:;:`"`"'';; :"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``"
58 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:29:18.41 ID:vWX/7P+C0
/||ミ __
/ ::::|| / / /| _
/:::::::::::||____ / / /ヽ |/ / / _ /|
|:::::::::::::::|| || / / \ |  ̄ /| | / / /
|:::::::::::::::|| || / / ヽ | | | |/ / /
|:::::::::::::::|| || / / | ヽ |/ / /
|:::::::::::::::|| ̄ ̄\ || .// | 〉 |/
|:::::::::::::::||\ /\ |/
|:::::::::::::::||●) (●) \
|:::::::::::::::|| (_人_) | 「みんな、俺が帰ったと思ってるらしいが、ほら、やってきたぜ!」
|:::::::::::::::||___ /
|::::::::::::::(_____ノ´|| だれもがかれをまじまじと見つめて、今すぐ何か愚劣な、
|::::::::::::::(_ノ / . . . || うとましいことが持ちあがるにちがいない、と感じた
|:::::::::::::::||/ || ミウーソフはこの上なく柔和な気分から、とたんに
|:::::::::::::::|| || きわめて凶暴な心境に変った
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
\ ::::||
\||
59 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 01:31:28.20 ID:vWX/7P+C0
____
/ u \ だめだ、
:/ \ / \: こんなこと、僕は我慢できない!
:/ U (@) (@) \
| u __´,_ U |: とうてい、できん……絶対にできるものか!
:\u ./__/ /:
____
この人はいったい、何ができないって言うんです? /⌒ ー、\
/( ●) (●)\
院長さま、入ってもいいですか、 /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
それともだめですか? ご一緒させていただけますかな? | |r┬-/ ' |
\ `ー'´ /
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 01:48:54.07 ID:clgYthK/0
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 01:56:54.52 ID:7YO3X+lYO
死なないで欲しかったなあ
未完の名作
62 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:01:10.52 ID:vWX/7P+C0
r-〈`,
| ', ',`, 「衷心からおねがいいたします」
! ', ', ', 修道院長が答えた
l ', ', ', 「みなさん!僭越ではござりまするが心からおねがいいたします
{`ヽ } ', ', ', いっときの諍いを忘れて、主への祈りを捧げながら、
',´ ヽ / } この和やかな食事の間に、愛と親族の和とで結ばれますよう……」
', ヽ、_/ /
ヽ /
`, 〃 「いや、いや、だめです!」
ゝ ,' まるで我を忘れたように、ミウーソフが叫んだ
ヽ !
l l
| !
(ヽ三/) ))
__ ( i))) ミウーソフさんが帰るのなら、わたしも失礼します
/⌒ ⌒\ \ 残るのというのなら、わたしも残ります
/( ●) (●)\ ) これからはなんでもミウーソフさんと一緒にしますよ
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| | それから院長さま、
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/ 『親族の和』ってのはこの人には耳の痛い言葉でしてね
| | | | __ヽ、 / 何しろ、わたしを親戚と認めてくれないんですからな
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
読み始めたばっかりの俺が来ましたよっと
64 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:04:42.77 ID:vWX/7P+C0
___
/ \
/ \ /\
「帰ろう!」 / (●) (●) \ ____
ミウーソフがカルガーノフをふりかえって叫んだ | __',_, | / \
\ /__/ / / ⌒ ⌒ \
「そうはいかん、待ちなさい!」 / -=・=- -=・=- \
部屋にさらに一歩踏みこんで、フョードルが金切り声でさえぎった | (__人__) |
\ |++++|」_キラッ/
`ー''´ l
___
/ \ キリッ わたしの親戚のミウーソフさんは、話の中に
/ \ , , /\ 誠意より上品さの方が多い、のをお好みだが
/ (●) (●) \ (プリユ・ド・ノーブレス・ク・ド・シンセリテ)
| (__人__) | わたしは反対で
\ ` ⌒ ´ ,/ 上品さより誠意のほうが多い、のが好きなんです
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ (プリユ・ド・シンセリテ・ク・ド・ノーブレス)
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄ ええ、ノーブレスなんて、くそ食らえですよ!
. | |
65 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:09:25.93 ID:vWX/7P+C0
わたしはそりゃ道化だし、道化をよそおってもいますけれど ____
しかし、名誉の騎士なんですと、はっきり申し上げておきます!+ ./ \ /\ キリッ
わたしがこちらへ伺ったのだって、すべてを見届けて / (●) (●)\
はっきり言わせてもらうためだったんですよ! / ⌒ノ(、_, )ヽ⌒ \
| `-=ニ=- |
実は息子のアレクセイがこちらで修行しているんですがね、 \ `ー'´ / +
わたしは今日ずっと話をきいたり、おどけたりしながらも
こっそり観察してきたんですがね、ここで一つ最後の一幕を演じてさしあげますよ!
____
/::::::::: u\ そもそも、わが国の現状はどうですか?
/ノ└ \,三_ノ\ ,∩__ わが国では倒れたものは倒れっぱなし
/:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu 倒れたら最後、永久に倒れてなけりゃならない
|::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | | なんとかこれを変えられないものでしょうか!
\::::::::: ` ⌒´ ,/_ | | わたしは立ち上がりたいんです
ヽ i 丿 神父さん、わたしは腹を立ててるんですよ!
/(⌒) / ̄ ̄´
/ / /
66 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:13:34.51 ID:vWX/7P+C0
神父さんたち、 ____
あんたがたはなぜ精進をなさるんです? / \
どうして、それに対するご褒美を天国に期待してるんです? /_ノ ヽ、_ \
そんなご褒美があるならわたしだって精進しますとも! /(●)三(●)) .\
だめですよ、 | (__人__) |
修道院なんかに引きこもってちゃあ、 \ ヽ|r┬-| / /
現世で徳をつんで、社会に利益をもたらすことですな、 / `ー'´ \
そのほうがずっとむずかしいんだから!
,========、
|i:.¨ ̄  ̄¨.:i| ところで随分なご馳走を用意したもんですね
|i: :i| ファクトリーの古いポートワインにエリーセフ兄弟製造の蜂蜜酒、、
|i: :i| いやはや、神父さんが酒壜を並べるとはね
|i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i| へ、へ、へ!
ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
\:;;;;;;;;;;;;;;;;;/ いったいこういうものはどっからくるんでしょうね
,ヘ''r;,:;、< それはね、ロシアの百姓からですよ!
〈入( ヘ\ \ 勤労者がマメだらけの手で稼いだわずかな金を
∨(ヘ ヽ ヽ 生活もかえりみず、ここへ納めたんですよ!
ヽ| i ヘ |
| |', i あんたがたはね、民衆を食いものにしてるんですよ!!
ノ入ヽ l
67 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:17:16.32 ID:vWX/7P+C0
「それはさすがにひどい言い方です」イォシフ神父が言った
パイーシイ神父は頑なに沈黙していた
_j|_ ミウーソフが部屋から逃げ出し、カルガーノフも続いた
 ̄|! ̄ 修道院長は頭をさげ、おごそかに言った
|
__j|__ 「『汝の身にふりかかる不本意な辱しめを、喜びもて堪えしのび、
 ̄|「 ̄ 心乱すことなく、汝を辱しむる者を決して憎むなかれ』
|! わたしどもも、そのように振舞いましょう」
十 | . … .
__j!__ :____:
 ̄|! ̄ :/_ノ ー、\:
:/( ●) (●)。 \:
「これだからな!偽善そのものだ! :/:::::: r(__人__) 、 :::::\:
わけのわからない御託を並べやがって!」 :| { l/⌒ヽ |:
:\ / / /:
68 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:19:27.08 ID:vWX/7P+C0
, ―――― 、
/ _ノ ' ;、ヽ_ \ せいぜい偽善者ぶるんですな、
/ ( ●) (●) \ わたしは帰りますよ
/ (__人__) ) 今後もう二度と、お邪魔はしませんから
| / | | | | |ゝ ノ ,.、,_ ,..._
_ヽ、 、`ー―'´,)r‐ァ‐''"/ _/ >-‐ 、 わたしが前、千ルーブル寄進したからって
'/ / \  ̄ ̄ (゙\`マ -‐ト-.r '`';ーく__\ また、期待してたんでしょうがね、へ、へ、へ!
, '/ '、 ゞ __ ,ィ ヽ \\ ,)/ ノ / ノ 頼まれたって、もう二度と来てやるもんか!!
/ `' ーァ、 ;;:/ / ̄iヽ `々゛ 、 /
| ヽ ;ノ 〈 ',ヽ `、 :i ノ | それから息子のアリョーシャは
l \ ヽ /, \l ! / | 今日限りで永久に引きとりますからね
ヽ ,、 -〉 , --〉/⌒i'ハ ; ト、 今は自由主義の時代ですぜ!
; | \ /_ノi\l ',\ ヽ, ! \ 汽船と鉄道の時代なんだ!!
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 02:20:50.90 ID:l5px6zQ90
ひどい外道だw
70 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:22:04.34 ID:vWX/7P+C0
,,,_______,,..._ ___
,/',/',/',/',/' ,.- 、.ヽ| | 彼は、わめき散らしながら外へ出た
/~/~/~/~/~/:.:..::.:.` 、\ ラキーチンが彼の出てくるのを見つけたのは、まさにこの瞬間だった
,/',/',/',/',/'/:. ___ \ヽ
, /'/~/~/~//:: .:.├┼┼┤ \\ 「アレクセイ!」 遠くから気づいて、父親が叫んだ
'i, 'i, 'i, 'i, 'i/:.:.:::..  ̄ ̄ ̄ :\_,、 「今日中に俺のところへ引き払ってこいよ!
| ̄ ̄ ̄|::..:.:...:. , '⌒l⌒ヽ .:.::| 枕も、布団も、匂いさえも残してくるな!」
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田|
| l;;;;i;;;; l |:.:.田田 | :iili | iili |:.田田| アリョーシャは無言のまま注意深くこの光景を眺めながら
|:.:.: |:.::, :,: ::;:.| :iili | iili |:. .,:.::.| 釘付けにされたようにたちどまっていた……
"''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"/' ̄"' ̄ヽ` "''`"`"'''::;;.`"''',;,;;,;``"'''`
`"'''` ,' \ "'''`"
"'';; :;:`"`"'''::;;.`"'"'';; ,.:;:`"`"'';; :"'''::;;.`"'''::;;.`'',;,;;,;``"
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
―― ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄― ―――― ==  ̄―― ̄ ̄___ ̄―===━
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
71 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:24:47.57 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ \ ___
|:::::: | / \ ど、
. |::::::::::: | / ⌒ ⌒ .\ どうしてこうなった・・・
|:::::::::::::: |/ (○) (○) \
. |:::::::::::::: } | (__人__) |
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/
しょうがないだろ ヽ:::::::::: ノ | \
これがフョードルという男さ /:::::::::::: く | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
72 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:27:25.99 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ しかしまあこれで
| ( ●)(ー) 第一編「ある家族の歴史」
. | (__人__) 第二編「場違いな会合」 と終わったわけだ
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } ここまで、どうだ?
. ヽ L } なんかわかんないところでもあるか?
ゝ ノ ノ
/ / \
____
うーん、とにかくフョードルの印象が強烈だったお / \
それとドミートリィも /─ ─ \
一番最後に出てきたのに / (●) (●) \
アリョーシャよりも目だっていた気がするお | (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そうだな
| ( ●)(●) フョードルはこの先、尻すぼみになっていくが
. | (__人__) 一方ドミートリィは小説全体を通して存在感を示し続ける
| ` ⌒´ノ
. | } 主人公はアリョーシャだと書かれてはいるが
. ヽ } プロット上ではドミートリィの方が主人公と呼ぶに相応しいかもしれないな
ヽ ノ mm 今回おとなしかったイワンにも勿論、見せ場はたくさん出てくる
/  ̄ ̄ ̄ つノ 有名な「大審問官」のところをはじめにな
| | ̄ ̄ ̄
人類最強の男、エメリヤーエンコ・ヒョードル!!!
75 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 02:31:26.49 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\ ___
/ _ノ \ /⌒ ⌒\ じゃあ、このあたりでもう一度
| ( ●)(●) プニ /(● ) (● ) \ 主要な人物をAAをつかって
. | (__人_(ニ~`ヽ、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \ まとめてみるお!
| ` ⌒´(((_⊂>ヽ| |r┬-| |
. | } \ \ `ー'´ /
. ヽ } ゝ-| ヽ
ヽ ノ \ ヽ \
/ く \
| \ \ そうだな、
| |ヽ、二⌒)、 いっちょやってみっか
+ ____ + ≪フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフ≫
+ /⌒ ⌒\ +
キタ━━━//・\ ./・\\━━━!!!! 長老の前でも相変わらずの大暴れ
+ /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ + ドミートリィとの確執の原因はお金だけでなく
| ┬ トェェェイ | どうやら、女が関わっているようだ
+ \│ `ー'´ / +
_|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_ アリョーシャとの触れ合いでみせた温かみが
> < ドミートリィにも向けられることはあるのだろうか
/ ─ / /_ ──┐ヽ| |ヽ ム ヒ | | 止められない憎しみの連鎖の果てに
Χ ─ / / ̄ / / | ̄| ̄ 月 ヒ | | 家族の平穏はおとずれるのか、、、
ノ __ノ _ノ \ / | ノ \ ノ L_い o o
76 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:01:24.47 ID:vWX/7P+C0
. / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ ≪ドミートリィ・フョードロウィチ・カラマーゾフ≫
/ └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ', (ミーチャ)
,' ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l
, '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. | 高潔でありながら愚劣
| l:l :!:{、| l ::| マソハ: |:: | 正直でありながら破滅に向かって走り続ける男
| l:l::i个| l ::l! l⌒ヽ′} .:}:.l:: l
| lハ:l::{::', ::::{、 ヽ.ノ /.:/::.l:: l 「心の天使」とまで言うカテリーナを棄てて
l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._ /.:/::::/l::;! 妖婦グルーシェニカに向かっていくのは何ゆえ
. ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃
. ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/ 長老の「最敬礼」は果たして彼を救うだろうか、、、
/⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ
/ ̄ ̄\  ̄|! ̄ ≪ゾシマ長老≫
/ _ノ \ |
| ( ●)(●) __j|__ イワンとの謎めいた問答は、
. | (__人__)  ̄|「 ̄ ドミートリィへの跪拝は、
| ` ⌒´ノ |! アリョーシャを俗世へ送り出したのは、
. | } 十 | いったい何を予見してのことなのだろうか
. ヽ } __j!__
_/⌒ヽ ィ  ̄|! ̄ 死を間近にしてなお衰えぬカリスマに
i'⌒゙l | l \__ィ〜っ 人々は奇蹟を期待している
| |. | | ト、_"__冫く;'三} 「長老の死後必ずや、何かが起きるであろう」と、、、
| | ( " ̄⌒ヽ、 |____`ー‐"
77 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:04:12.48 ID:vWX/7P+C0
,;' ヽ ≪イワン・フョードロウィチ・カラマーゾフ≫
. ノ , i / ,, / |ヽ ゙ヽ (ワーニャ)
イ i | i ,'`メ // /i .ト ヽ ヽ
レ| { i |//'´ `メ / / /| } ト 1 「すべてが赦される」と説きながらも
',イ i r+テ=ミメイ //'"|´/ / ハ| 自説を完全には信じきれてはいない
`、ヽ r'メ, {。;;;;'ソ ` ' ,rz;,y'ノi〃イ .' まさに、そこに彼の苦悩が存するのだ
`ハヾ ヘ i'ー''- /。シ゚ク /'" 知性の鎧を身にまとっていても
レ',`''; i , `'' / / 彼もやはり、二十三歳の青年に過ぎない
' i∧ト i, - ,イ{ ./ そしてやはり、彼もカラマーゾフなのだ
. ,y}`ヽ |ゝ, _, r '´ リ |/ 兄の許婚、カテリーナへの思いは果たして、、、
,ノ.:.:.ヽ `', {;;ヽ、. |i
/:.:.:/:.i:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ≪アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフ≫
/:.:.:/:.:.:.:;.|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:\:.:.:.:.:.:ヽ (アリョーシャ)
/:.:./:.:.:.:.:/:.八ト、:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ '.
/:.:.:.l:.:.:.:.:.l:./ ヽヽ:.:.:.:.:.ハ、:.:.:.:.;:.:.:.:.:.} | いがみ合う家族の間で引き裂かれる青年
l/:.:.:i:.:.:.:.:.:≧ァ、 ト、\:.:.厶イ:.:.:}:.:.:.:.:.l| 最愛の師により俗世に送り出される彼は
W:.:.|:.:.:.:./x=ミ、 ヽ\\x≠ミ:.ハ:.:.:.:W:! この先、何を見、何を思う
.{:.:.:ハ:.:.:.l灯ィ刋 \ トィ匁ハノ:.:.イV:.:|
ヽム:.\:.|マtツ マt少/:/:.}):.:.:! 「二人の父」「二人の兄」「二人の女」
l八\ゝ、 ' /イ:.:.:.イ:.:.:| 混沌の中、
|:.:.!:.:.∧ ‐- ..イ:.:.:.:{:.:.:.:.:| 彼の果たす役割は、大きい、、、
l:.:.|:.:.:.:.:.:> 、 ` ィ介l|:.:.:.:.:l:.:.:.:.;
78 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:06:05.30 ID:vWX/7P+C0
┏━━━━━━━━━━━━┓ ≪カテリーナ・イワーノヴナ≫
┃ ┃
┃ ┏━━━━━━━━┓ ┃ 「あるドラマ」からミーチャと婚約をし
┃ ┃ ┃ ┃ この町へやってきた良家の令嬢
┃ ┗━┓ ┃ ┃ アリョーシャに
┗━━━┛ ┃ ┃ 「必ず来てください」と手紙を出した彼女である
┏━━━┛ ┃
┃ ┏━━━┛ ドミートリィが、尊敬してやまないにも拘らず
┗━┛ しかし別れようとしているこの女性は
┏━┓ いったいどんな人物なのか、、、
┃ ┃ NO IMAGE
┗━┛
┏━━━━━━━━━━━━┓ ≪グルーシェニカ≫
┃ ┃
┃ ┏━━━━━━━━┓ ┃ 「妖婦」「牝犬」「身持ちの悪い女」
┃ ┃ ┃ ┃
┃ ┗━┓ ┃ ┃ フョードルとドミートリィを悪魔的に惹きつけるこの女は
┗━━━┛ ┃ ┃ どちらの男をえらぶのか
┏━━━┛ ┃ はたまた、どちらもえらばないのか
┃ ┏━━━┛ 彼女の決定が物語を決定すると言っても
┗━┛ 過言ではない
┏━┓
┃ ┃ NO IMAGE カテリーナとの女の戦いも見逃せない、、、
┗━┛
79 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:09:11.64 ID:vWX/7P+C0
,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ≪パーヴェル・フョードロウィチ・スメルジャコフ≫
∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ヘ/i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ
∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´`'"´`i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
}:.::.|i:.:.|:.:.:丁≧|trュi:| |:.:リ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i
{:.:.:.:|:|:.:|:.:.:|:.i:.:.!i:.:.ハ/j i≦了7./:.:.i:.:! ? ? ?
lヘ/ヘハ、:|≦斤乍 /廴レリノ//:ハリ
,'i:.ヘ(|:.:.:.:.:.:| `弋少 升仆ヘ/:/.:ノ
,':i:.:.:.:l|:|:.:.:.:.:| ゞ少 /ソノ
,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l ′ /:.l::|
/:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!、 ´ ` /:.:.|l:l
/:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ヘ:.|i| \ <:.:.//:|
/ ̄ ̄\
/ \ ___
|:::::: | / \
. |::::::::::: | / ⌒ ⌒ .\ 人物はよくわかったお
|:::::::::::::: |/ (●) (●) \ でも、最後になんか
. |:::::::::::::: } | (__人__) | 知らない奴がでてきたお
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/
おっと ヽ:::::::::: ノ | \
つい勢いでやり過ぎてしまったか | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴―
80 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:13:33.99 ID:vWX/7P+C0
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ このあとすぐ紹介されるんだが、
(⊃ ( ●)(●) スメルジャコフはカラマーゾフ家の召使いのコックだ
| (__人__)
| ` ⌒´ノ カラマーゾフ家には三人の召使がいた
| } \ 前にも少し話に出てきた、ソフィヤの墓を建てたグリゴーリィと
/ヽ } \ その妻であるマルファ、
/ ヽ、____ノ ) そして、この老夫婦に育てられたスメルジャコフ
/ . | _/ ちなみにイワンと同い年だ
____
/ \ ━┓
パーヴェル・フョードロウィチ・スメルジャコフ、、、 /─ ─ \ ┏┛
/ (●) (●) \ ・
、、、フョードロウィチ?? | (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
いったいこれはどういうことだお? | | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
81 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:18:12.00 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ ヽ、. _ノ \ エクエクエクエク、、エクセレーント!!
| (●)(●) | なかなか冴えてるじゃねえか、やる夫!!
| (__人__) |
| ` ⌒´ | フョードロウィチ
| } 召使のスメルジャコフが何故『フョードルの息子』なのか、、、
ヽ }
人_____ノ"⌒ヽ ここのくだりは妙に謎めいていて
/ \ 作者も意図的にはぐらかしているような感じもする
/ へ \ カラマーゾフの考察本でもしばしば問題になる箇所だ
( ヽγ⌒) | \ \
 ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
82 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:22:53.45 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー)
. | (__人__) ここを下手に解説しようってのは
| ` ⌒´ノ 野暮ってもんだぜ
.l^l^ln }
. ヽ L } このエピソードは、なんというか神秘的な面白さもあるし
ゝ ノ ノ とにかく自分で読んでみろ、としか言えないな、、、
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○) って、もう読みはじめてるしー!!
. | U (__人__) / ̄ ̄ ̄\ 黙々……
| U |r┬-| 彡 / .\
. | ` ⌒} 彡 ズコー / ─ヽ .─ \
. ヽ } | (●) (●) .|
ヽ ノ \. (__人__) /
/ \ ..( ヽ ┏━┳━┓../.丿
/ /\ / ̄\____l⌒l ──────── \ \┃ ┃ ┃゛/──────
| | \ / ヽ \_____| \旨 ┃ 三ン
Σ(⌒ノ ゝ \__) ┗━┻━┛
83 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:25:11.35 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ おおっと、画面の前のあんたも
( ●)( ●) | ちょっとでも読む気になったのなら
(__人__) | ../} これ以上はネタバレを聞かないで
_ ヽ`⌒ ´ | / / __ とっとと、本屋に走ることだな
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / 図書館にいけば確実にあるだろうから
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / / それでもいいんだが
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄) ハードカバーのデカイやつで
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄ 訳が古いやつの可能性が大いにある
ヽ. `ー '/ / /\ \ ロシア文学のハードカバーときたら
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ そりゃもう「鈍器のようなもの」だからな
/ ̄ ̄\
今、手に入りやすい文庫版は二種類ある / ヽ_ .\
( ●)( ●) |
・新潮文庫(上・中・下巻) 全3巻、合計¥2,520 (__人__) |
・光文社文庫(1〜5巻) 全5巻、合計¥4,200 l` ⌒´ |
{ |
どちらがいいとは、一概には言えない { /
こう言っちゃなんだが人それぞれってやつだな ヽ ノ
▼/ ̄  ̄ ̄)____
ちなみにこのスレッドは 〃(⊥) ´/ / ̄ ̄/ / 〃 ⌒i
新潮版を参考に構成しているぞ ___i /⌒\./ /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i
84 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:30:43.82 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ ._ノ ヽ、\ 新潮版は昭和53年から一線を張ってきた重鎮だ
| (●)(●) | 古けりゃいいってもんじゃあないが、勿論それなりに評価され続けてきた
| (__人__) | ほとんどの人にとってカラマーゾフといえばこれだろうな
| ` ⌒´ } 文体はまぁ、今流行ってるような本に比べたら硬いけれども
| } 漱石、鴎外なんかと比べたらやさしいぐらいだと思うぞ
ヽ /
__ヽ ノ__ 一方、光文社版は「今息をしている言葉で」がコンセプトなだけあって
/ .ヽ 非常にとっつきやすい訳になっている
|| || また、冒頭で説明したような、ロシア式の名前のわかり難さについても
|| ・ ・ || 工夫がされていて、多くの人が読破できるよう親切になっている
|| || また、各巻末には当時の様子がいろいろわかる「読書ガイド」がついてる
/ ̄ ̄\
どっちを選んでも / _ノ .ヽ、\
極端に悪いと言うことはないはずだ | (●)(●) |
| (__人__) .|
もし可能なら、実際立ち読みして | ` ⌒´ ノ
台詞のところを読み比べてみて r─一'´ ̄`<ヽ }
人物の喋り方がしっくり来る方を選ぶといいだろう. `ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ).
例えば、ゾシマ長老なんかは . /, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
両者でかなり喋り方が違ってイメージが変ってくるからな (/ / // / / ...| ...|\..\\ \_)
/ // / / . . \_\_)、_)
あとは値段、字の大きさ、「読書ガイド」が必要かどうか、 ー' {_/ノ ."´
なんかで決めればいいと思うぞ
85 :
◆8mKNFy.aN6 :2009/08/26(水) 03:34:44.34 ID:vWX/7P+C0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) っと独り言はこのへんにしといて / ̄ ̄ ̄\
. | (__人__) やる夫は熱心に読んでるし / .\
| ` ⌒´ノ 俺はそろそろおいとまするぜ / ─ヽ .─ \
. | } | (●) (●) .| わかったお
. ヽ } そのうちまた来るよ \. (__人__) / 、、、
ヽ ノ mm .( ヽ ┏━┳━┓../.丿
/  ̄ ̄ ̄ つノ ──────────\ \┃ ┃ ┃゛/────────
| | ̄ ̄ ̄ \旨 ┃ 三ン
┗━┻━┛
…… | ___
このスメルジャコフがフョードルの第二の召使になり、 .| / \
この物語のはじめのころ、グリゴーリィとマルファの .| / ─ ─ \
老夫婦といっしょに離れで暮していた。 ..| / (●) (●) \
彼はコックとして使われていた。 ......| .| (__人__) | __
この男についても特にいろいろ話しておく必要が大いに ..| \ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ /
あるのだが、読者の注意をそんなに長い間、ありふれた | (⌒ / / /
召使たちのほうにそらせておくのは、わたしとしても ....| i\ \ ,(つ / ⊂)
心苦しいので、スメルジャコフについてはいずれ小説が ......| | \ y(つ__./,__⊆)
すすむにつれて触れることになるだろうと期待して、 ...| | ヽ_ノ |
物語に移ることにしよう。 ...|
ほ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 04:18:14.78 ID:JJCB+s3Y0
へ
今夜はここまで?乙。
乙。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 06:34:13.01 ID:paLEL2QJ0
age
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 07:29:07.41 ID:clgYthK/0
このスレ保守したほうがいいのか?
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 07:31:24.49 ID:1WP5TmK0O
や ら な い 夫
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 09:44:14.72 ID:Q60/v3xv0
おしゅ
保守しなくてもいいだろ多分また建てるよ