1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
このスレは皆様の善意で成り立つつもりです
三日くらい前の深夜に駅前でボーッとしてたら
目の前をピンク色のワンピースを着た裸足の女の子が横切っていった
こんな時間になにやってんだよと思って目で追っていると
すぐ後ろから多分弟であろう少年が泣きながら走ってきて少女の裾をつかんだ
そのとき白いパンツが見えたのだ
少年のハーフパンツがなにかの拍子でずり落ちたのだ
膝が絡まってコケそうになる少年
裾をつかんだままの手が宙を泳ぐ
少女は知らんぷりのままビルの狭間に消えた
当然のごとく少年は顔面から縁石に向かって倒れた
打ち所が良かったのかすごく良い音がした
不謹慎だがすごく良い音だった
あーあ、やっちゃった
そう思いながらピクリともしない少年を見ていた
少年の手のひらは少女のワンピースの裾をつかんだままで
そうだ
なんで俺はワンピースが脱げる瞬間を見なかったんだろう
今はすこし後悔している
二日前、新聞の三面に下半身露出の少年ワンピース死亡との記事が載った
思わず午後の紅茶を妹の背中に噴いた
妹「はあっ!?なにやってんの馬鹿兄貴!」
俺「わりぃわりぃ」
妹「ちくしょう、これじゃ遊びに行けねえよ」
俺「着替えりゃ良いじゃん」
妹「簡単に言うなよ馬鹿兄貴!」
時計のベルが午前二時であることを告げる
俺「てか、おまえ誰に会いに行くの?」
妹「はあっ!?関係なくね?」
俺「そうかよ。だったら早く着替えろよ」
俺は覗くつもりでいた
ウッ・・・
すっきりして賢者気取りでいると何も知らない妹はワンピースに着替えていた
俺「えっ・・・ピンク?なんで?」
妹「似合わないかな!?」
俺「いや・・・すげえ可愛いよ」
妹「なに!?照れるし!」
身をよじらせて赤面する妹
まだ中一なのにすごく・・・女に見えた
妹「じゃ行ってくるから!」
そう言うと跳ねるように玄関を出ていった
尾行開始だ
月明りひとつ
躍る影を追いながら俺は妹が裸足であることに愕然とした
何かおかしかった
脱げそうなハーフパンツを片手で押さえながら走る
なんだよこれ
俺は少年が死んだ場所へ先回りすることに決めた
もしかすると
妹はそこを通るはずだ
もしかすると
俺は駅前で待った
少年が死んだ場所にはロープで囲いがしてあった
縁石にはまだ生々しい血痕が残っている
人通りなどひとつもない商店街
かすかに足音が響く
足音が
いくつかの足音が
ワンピースの裾を翻し走ってくる妹
必死の形相だ
背後に誰かがいて手をのばしているのが見えた
咄嗟に物陰から飛び出し妹の名を叫ぶ
妹「兄貴!早く助けて馬鹿!馬鹿!」
その時、いくつかのことが同時に起こった
俺のハーフパンツが膝で絡んで
妹のワンピースの裾が背後の誰かに掴まれ
その背後の誰かは見たこともない貧相なオヤジで
車が急に
ワンピースの前面のボタンがすべて弾け飛んだ
車が
急に
俺はコケた
脱げるワンピース
轢かれるオヤジ
血しぶき
撥ね飛ばされる妹
下着姿で
地面に叩きつけられ
足の裏が頭の上にあって
倒れた俺の腹をゆっくりと轢いていくタイヤ
俺は血を吐きながらヒクヒクしている妹に転がりながら近よった
俺「大丈夫か!」
妹「何あのオヤジ・・・キモいんだけど・・・」
俺「安心しろ、ペチャンコだ・・・よ」
腹に手をあてると腸かもしれない肉がはみ出しているのがわかった
痛ぇ
妹「やばい・・・なんか痛いんだけど」
俺「俺のほうが痛ぇから我慢しろ」
俺たちを轢いた車から老婆が降りてきて携帯で救急車を呼んでいた
妹「・・・馬鹿兄貴・・・」
しゃべるたびに血がこぼれて顔面が濡れた
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 22:05:59.31 ID:cbbnXa0YO
妹「やばい・・・死ぬかも・・・」
俺「死ぬな・・・
>>1000まで行くから・・・死ぬな・・・」
俺は意識を失った
おしまい
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙
よかった