1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:21:52.59 ID:Sv3J2ZAL0
r'ニニニ二二二ニニニ、ヽ
| | .@ | | ト、____, へ
rー┤| |├、 ヽ }
| | | Π | | | ≡三ーーーーァ /
l l l lニ コ .| | | ≡ / /
| l l |_| | | | ≡三 ./ /
l__l_l______|_|__| っ .≡ / /
| / ,イ,へ 丶、 ヘ ≡三./ / ノ|
| ,' / // \| \ ト、 ヽ ', つ ≡{ 丶ーーーー' }
!j./l / ` ヽト、ヽ } ゝ、_______丿
. | | .!/.! ○ ○ l l |ヽ,' ⊃
l | | .l/////////////! | !.|
.| ! | ト、 ,-ー¬ .ィ| .| l こ、これは
>>1乙じゃなくてバギクロスなんだから
| l ! l l` r --.' <j ,' | | 変な勘違いしないでよね!
| .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
.| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',
書けたはいいが、ここに書くネタが無い。
AAでお茶を濁す、そんな第26章。
>>1さんありがとう。
まとめサイト 布団をかけずに寝ていたらお腹を壊しました。オムライス様
http://vipmain.sakura.ne.jp/272-top.html ※以前の濃い人物紹介がお好きな方は、上記のリンクから特設ページへお願いします
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:23:35.46 ID:bwU6Iut2O
ktkr!!!!!!
4 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:25:30.34 ID:Sv3J2ZAL0
アルキュ正統王国
首都は【獅子の都】ヴィップ。王位正統継承者ツン=デレがリーマンから離れる形で建国。
国旗は黒地に黄金色の獅子。
王都の評議会派と差異を明らかにする為、国号は首都名と同じくヴィップを使用している。
ξ゚听)ξ 名=ツン(ツン=デレ) 異名=金獅子王 民=リーマン 武器=禁鞭 階級=アルキュ王
ミセ*゚ー゚)リ 名=ミセリ 異名=無し 民=リーマン 武器=無し 階級=尚書門下(行政次官)・千歩将 ツンの付き人
( ゚∀゚) 名=ジョルジュ 異名=急先鋒 民=リーマン 武器=大鎌 階級=司書令(司法長官)・万騎将・薔薇の騎士団団長
(´・ω・`)名=ショボン 異名=天智星 民=リーマン 武器=鉄弓(轟天) 階級=中書令(立法長官)・千騎将・黄天弓兵団団長
从 ゚∀从 名=ハイン(ハインリッヒ) 異名=天駆ける給士(闇に輝く射手) 民=??? 武器=仕込み箒・飛刀 階級=中書門下(立法次官)・千歩将
ノパ听) 名=ヒート 異名=燃え叫ぶ猫耳給士(自称)・赤髪鬼 民=リーマン 武器=鉄弓・格闘 階級=司書門下(司法次官)・千歩将
(*゚ー゚) 名=しぃ 異名=紅飛燕(三華仙【花】) 民=リーマン 武器=細身の剣と外套 階級=司書門下(司法次官)・千騎将
( ,,゚Д゚) 名=ギコ 異名=九紋竜(三華仙【月】) 民=メンヘル 武器=黒い長刀 階級=千歩
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:26:14.44 ID:xSosIKp40
しえん
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:27:27.38 ID:dZWG9hnz0
音速のドブネズミ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:27:40.64 ID:dwdP1fP2O
リアルタイム遭遇ktkr
8 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:27:53.76 ID:Sv3J2ZAL0
ニイト王国
戦に破れ荒廃したニイトの地を復興させた【無限陣】クーが民の声に応える形で独立。
卓越した戦術と共に経済・流通を武器にする。専守防衛が基本思想であり、覇権には興味を持たない。
国旗は青地に白い狼。
川 ゚ -゚) 名=クー(本名ニイト=クール) 異名=無限陣(三華仙【雪】) 白狼王 民=ニイト 武器=??? 階級=ニイト王
爪゚ー゚) 名=レーゼ 異名=神算子 民=ニイト 武器=??? 階級=???(財務担当)
爪゚∀゚) 名=リーゼ 異名=金槍手 民=ニイト 武器=ランス 階級=???(騎士団長)
( ´_ゝ`) 名=兄者 異名=金剛阿 民=メンヘル(元海の民) 武器=手斧・兄者玉 階級=???(元メンヘル十二神将・第五位)
(´<_` ) 名=弟者 異名=金剛吽 民=メンヘル(元海の民) 武器=手斧・弟者砲 階級=???(元メンヘル十二神将・第九位)
白衣白面
【天智星】ショボンが過去の伝説を再現させた、最強の強襲部隊。
その強さの秘密は、全ての隊員が命を捨てる事を惜しまぬ事にあり、【突撃】と呼ばれる捨て身の特攻を得意とする。
総勢300の白衣白面を率いるのは【王家の猟犬】を名乗るブーン(旧ナイトウ)であり、
その柔らかな性格が白面の戦士をまとめあげていると言っても過言ではない。
その意味では【白衣白面】とはヴィップから完全に独立した私兵集団である。
ニイトに潜入活動を行なっていたが流石兄弟によって多くが囚われ、投獄された。
( ^ω^) 名=ブーン(旧名ナイトウ) 異名=王家の猟犬 民=??? 武器=拐(刃の映えたトンファー) 階級=白衣白面隊長
(,,^Д^) 名=プギャー(旧名タカラ) 異名=鉄牛 民=モテナイ 武器=拐 階級=白衣白面副長
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:28:17.82 ID:HKcuf1Jd0
はえぇなおい
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:30:08.40 ID:ZnCeOqS1O
おさるさんに気をつけて!
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:30:08.95 ID:VGGdGsj80
いっぱい溜まってたんだな
12 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:30:48.35 ID:Sv3J2ZAL0
MAP 〜智弁和歌山まで負けた。もう帝京以外応援するチームが残ってない。どうしよう編〜
※
http://up2.viploader.net/pic/src/viploader1139220.jpg @キール山脈 未開の地。厳しい自然環境下で、隠密の故郷とも呼ばれる。
Aヴィップ(ギムレット高地) 首都は【獅子の都】ヴィップ城
内乱の制圧に成功するが、国内でニイト征伐の世論が異常なまでに高まり、世論に押し切られるように出兵した。
Bニイト王国 首都はニイト城。 ニイト族の居住地。メンヘル・リーマン両陣営と同盟関係にある。
ヴィップの動きに警戒しつつ、表面上では沈黙を守っている。
Cモテナイ王国 首都は【戦士の街】ネグローニ
失地の民モテナイの再興を謳う。メンヘルとは近く同盟を結ぶ事がほぼ確定している。
Dバーボン地区 首都はバーボン城。 本来は中立領だが、リーマンの影響下にある。
領主は【元帥】シャキン。現在は【鉄壁】ヒッキーが領主代行を務めている。
Eデメララ地区 首都は【王都】デメララ
リーマン族支配化にある、アルキュの中心とも言える土地。もっとも気候がよく住みやすいとされる。
Fローハイド草原
中立帯だが、リーマンの力が強い。
Gシーブリーズ地区 首都はシーブリーズ。
海の民の根城であり、表面上は中立地帯。だが、メンヘルとの繋がりが強く同盟関係にある。
Hモスコー地区 首都は【神都】モスコー。
メンヘル族の居住地 その大半が岩と砂に覆われている。
旧ギムレットの山賊やデメララを追われた貴族階級、ニイト、モテナイ、シーブリーズと数多くの勢力と密接な関係にある。
支援しよう
まってたよ!!
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:35:03.73 ID:xSosIKp40
>>2 まさかとは思うが
そのAA貼りたくて
スレ立て依頼したんじゃねーだろーな支援
16 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:37:26.77 ID:Sv3J2ZAL0
第25章 獅子と猟犬
ヴィップ領内からニイト領内に侵攻する場合、その侵攻ルートはたった一つに絞られる。
その逆もまた同様だ。
両国はその国境を“迷いの森”と呼ばれる原森によって分かたれており、
当然そこは大軍を動かすに向かぬ土地柄である。
よって、森を迂回して南部の荒地を進むのが唯一の道と言えた。
北には飛び石のように浮かぶ島があり、そこを進めば両国の首都を直接叩く事も出来る。
が、心細い橋で繋いだだけの島は“迷いの森”以上に行軍に不向きであったし、
あまりにも守るに易い地といわざるを得なかった。
そもそも、ヴィップは流刑地なのである。
罪人の逃亡や賊の侵攻を防ぐ為、他領との接点は出来る限り絞り込まれていたし、
だからこそツン達は“陸の孤島”ともいえる彼の地にて勢力を蓄える事が出来たのであるが。
この年、ヴィップからニイトに向けて出立した兵は、騎兵2000 歩兵4000。
騎兵は、先の内乱で出番の無かった【薔薇の騎士団】1000を【急先鋒】ジョルジュが率い戦陣を務める。
騎兵副官は【紅飛燕】しぃ。彼女が遊軍として500の騎馬隊を指揮する。
歩兵部隊の長官は【赤髪鬼】ヒート。3000の歩兵が汗血馬に跨る彼女に続く。
中央には【天智星】ショボンを軍師とした【金獅子王】ツン=デレが【九紋竜】ギコに守られながら全軍を見渡す。
率いるは選び抜かれた精鋭、弓騎兵と歩兵がそれぞれ500。
後方には糧秣輸送隊として歩兵500が官女ミセリと共にある。
首都ヴィップには【戦鍋団】ダディとフンボルトを残し、南方からの守りには【白鷲】フィレンクトを置いた進軍は、
正にヴィップの現在動かせる全軍を動員しての物と言えた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:40:27.73 ID:400aVCvVO
復活うれしや
支援
18 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:41:55.84 ID:Sv3J2ZAL0
諸兄らの中には、この時の戦力を『少ない』と感じる者もいるだろう。
が、考えていただきたい。
【鉄壁】ヒッキーがネグローニに侵攻した際の戦力が、騎兵500・歩兵1500だ。
つまり、この度の行軍はヒッキーの3倍という数に当たる。
歩兵部隊の多くが義勇兵によって組織されているとは言え、
内乱直後のヴィップがこれだけの兵を動かす事自体が異常なのである。
なにしろ、先の内乱で反乱軍本体を破った時の戦力が騎兵500・歩兵1000だったのである。
当時はヴィップ軍の騎兵中枢を担っていた【薔薇の騎士団】が動けなかったとは言え、
比較すればどれほど異常な事かご理解いただけよう。
『遠征は民の財産の七割を奪い、国の財産の六割を消費する』。
この孫子の名言を諸兄らに説明したのは、ヒッキーのネグローニ侵攻戦の時であったか。
大軍を動かせばそれだけ国庫を圧迫する事になり、そこから考えてもツン=デレがどれだけ本気であったのかが窺い知れる。
なにしろ、相手はあの【無限陣】なのだ。
民衆の不満を押さえるだけで良いのなら、少数の兵を動かし適当に暴れさせれば良い。
だが、それは一時凌ぎに過ぎない。
ニイトは軍を動かし、派遣した兵は全滅を免れぬであろう。
その結果、不満は更に高まり全滅した兵は無駄死にである。
戦うのならば、必勝の態勢で臨まねばならない。
また、そうする事でクーに圧力をかけ、剣を交えずに内乱の首謀者を引き渡させる可能性もある、というのがツンの考えであった。
そして、この時ヴィップの前に陣を引いたニイトの軍容は、
騎兵500を前にした歩兵隊が2000。率いるは【金槍手】リーゼ。
その後方にニイトの主戦力とも言える【天馬騎士団】1000を率いた本陣。
翻る大旗の下には【白狼王】ニイト=クールがいるはずである。
彼らは城を出て決戦を選んでいた。
19 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:44:33.91 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
━━━━━━━━━━
━━━━━━━━
━━━━━━
川 ゚ -゚)『悪い知らせだ』
非常召集された軍議の場で、開口一番クーが告げたのは、ハインが兄者の小屋を立った日の昼時であった。
( ´_ゝ`)『それは良いが……口元に食いカスがついているぞ』
川 ゚ -゚)『む?』
兄者の言葉に、クーは慌てて袖で口元を拭う。
普段から無いに等しい表情が、一層固くなっていて。随分と機嫌の悪いようだった。
そして、それは弟と楽しんでいた昼餉を邪魔されたから、と言った程度の物ではあるまい。
例えそれが、程度に拍車をかけているとしても、だ。
( ´_ゝ`)『相当に悪い知らせなのだろうな。貴様が食事を中断するくらいだ』
川#゚ -゚)
その言葉に頬を赤らめつつも、クーは兄者をキッと睨みつける。
やれやれ、と肩をすくめながら、隠密は心中気が気ではなかった。
思うのは、今朝方姿を見送った“泣き虫”の事である。
まさか見つかったか、と最悪の展開が頭をよぎる。
が、クーの口から出たのは、兄者の予感から遠く離れたところの“最悪の展開”だった。
川 ゚ -゚)『ヴィップの野良猫めが我が国に向けて兵を出した。国境からの報告によれば、その数5000以上』
20 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:47:33.11 ID:Sv3J2ZAL0
(;゚ω゚)『ツンが攻めてくる……それは本当なのかお? 誤情報じゃないのかお?』
川 ゚ -゚)『それはないホライゾン。確かな情報だ』
かつて肩を並べた友が攻めてくる。
その光景を思い浮かべて、青年は息を飲んだ。
出来れば間違いであって欲しい。
しかし、どんなに思ってもそれは否定されていく。
(;゚ω゚)『でも、でも……』
川 ゚ -゚)『現実を見ろ、ホライゾン。自身の影を獅子と勘違いした野良猫が、愚かにも狼に爪を向けた。
それが全てだ』
(;゚ω゚)『……そんな』
川 ゚ -゚)『ホライゾンよ。お前が何を考えているか、私にはよく分かる。
しかし、お前は【勝利の剣】モララーの子なのだ。
攻め来る敵から父の愛した民を守る為。何をするべきなのか、分からぬワケではあるまい』
言い合う姉弟を横目に兄者は思う。
( ´_ゝ`)。oO(ハインリッヒ……間に合わなかったか)
こうなると、自身の小屋でハインを休ませていた数日間が悔やまれる。
だが。
負傷と疲労で給士は歩くのもままならないほどだったのだ。
あまりにも早いヴィップの動きが憎らしかった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:48:04.47 ID:xSosIKp40
しえん
22 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:50:51.68 ID:Sv3J2ZAL0
(´<_`;)『5000以上か……それにしても大軍だな』
爪ii- -)『えぇ。我が軍はすぐに動かせる兵はどんなに急いでも4000が限度だわ』
この世の不幸を全て背負っています、という顔でレーゼが漏らす。
頭の中では軍を動かす事によって生じる出費でも計算しているのだろう。
爪ii- -)『最悪。……最悪』
(´<_` )『しかし、愚痴っていても仕方あるまい』
ドーンと沈み込んだレーゼの声に被さる様にして弟者が口を開いた。
(´<_` )『まずは集められるだけの兵を集めてカンパリに籠城しよう。
その上でニイト城に兵を集め、城攻めに疲れたヴィップを叩く……と言うのが良いと思うが』
面白味の欠片も無い戦術だ。
が、それ故に堅実で確実性の高い策。
正気な時の弟者らしい考えと言えよう。
爪ii- -)『籠城……長期戦になるわね……本当に最悪……』
金庫から金が吸いだされる様でも想像しているのか、レーゼは今にも泣き出しそうな顔をする。
爪゚∀゚)『え〜、つまんないですヨ〜。リーゼはガンガン殴りたいですヨ?』
(´<_` )『そうか。地面でも殴ってろ』
爪;>∀<)『ひどっ!?』
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:52:14.00 ID:63GcAiyAO
ドンパチwktk
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:52:20.24 ID:xSosIKp40
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:54:28.39 ID:8yrzvydzO
え、この前きたばっかなのに
26 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:55:34.68 ID:Sv3J2ZAL0
川 ゚ -゚)『安心しろ、レーゼ。籠城は無い』
クーが口を開いたのは、そんな時である。
(´<_`;)『なっ……本気か!? 受け手の数が攻め手より少ないのならば籠城が基本では』
川 ゚ -゚)『貴様は』
狼狽する声を遮った。
川 ゚ -゚)『狼が薄汚い野良猫を前に巣に立て籠もるとでも思うのか』
爪;゚ー゚);^ω^);´_ゝ`)『……っ』(´<_`;(゚∀゚;爪
一同は、異論反論を一切許さぬ凍りついた声に息を飲んだ。
怒っている。表情こそ冷静を保っているが、心の奥底では怒りの炎が渦巻いている。
川 ゚ -゚)『告げる!!』
手にした羽毛扇を振るって命じた。
川 ゚ -゚)『レーゼは騎兵500を、リーゼは歩兵2000を率いて先陣を務めよ!!
私は【天馬騎士団】を率い流石兄弟と共に後陣を率いる!!
急げ!! 落雷が如く行動せよ!!』
その言葉に、双子の姉妹は慌てたように座を立ち上がり、玉座の間を後にする。
そして、クーは彼女の横に立つ弟の顔を見上げ、一言いうのだ。
川 ゚ -゚)『さて、ホライゾンよ。お前にもほんの少しだけ働いてもらうぞ』
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:56:13.40 ID:xSosIKp40
支
援
28 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 21:59:00.12 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(´・ω・`)『……なんとも厭らしい陣形だね』
久々に再会した給士が、痛む身体をおして淹れてくれた茶を飲んでもなお、ショボンの表情は晴れなかった。
ハインが動ける程度まで兄者の小屋で身を休め、合流するまで10日。
ヴィップが軍を動かしたのが7日前だから、もしハインが負傷していなかったら開戦は防げたかもしれない。
が、過ぎた事を言ってもしかたあるまいのだ。
ヴィップ軍の中には、負傷をおして貴重な情報を伝えた給士を責める者は一人もいない。
それでも、幕舎の中で身を横たえているハインは責任を感じている事だろう。
( ゚∀゚)『主力騎馬隊の前に歩兵か。前線に騎兵もいるみてぇだが、ありゃ歩兵の指揮隊って所だろうな』
ξ゚听)ξ『【薔薇の騎士団】に歩兵をぶつける、って言うのは妙ね。
確かに荒地で機動力は殺されるけど……それでも気になるわ』
誰に言うでもなく言葉を吐くツン=デレの眉間には、深い皺が寄せられていた。
弱小勢力であった筈のヴィップが後に強大になった理由。
それは、人材に恵まれた事にも因るが、騎兵隊が充実していた事も大きな要因と言われている。
島内一の攻撃力を誇る【薔薇の騎士団】。援護を得意とする【黄天弓兵団】。
防衛線に長けた【青雲騎士団】。流水が如く陣形を変える、しぃ隊。経験豊富な【戦鍋団】。
どのような戦況下にあっても常に先手を取れる事は大きなメリットであったと言って良い。
(´・ω・`)『遠見眼鏡で見ても、あの歩兵隊は弓も長槍も持っていない。
騎兵と真っ向からやり合おうとするには妙だね』
もし、この場に黒い方の給士が居たのであれば、偶然生まれた“槍”と“やり合う”と言う駄洒落を、
さも最初から計算していましたとでもいう風にアピールしているところだ。
が、今のショボンにはそのようなつもりは更々無く。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:59:26.51 ID:63GcAiyAO
ブーンの立場辛すぎだろw
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:59:38.42 ID:0yIfkINo0
支援 支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:01:12.21 ID:xSosIKp40
sien
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:02:33.25 ID:EFhHF05nO
釣りかと思ったら作者
ktkr
33 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:03:05.53 ID:Sv3J2ZAL0
(´・ω・`)『……兄者の姿が見えないのも癪に障るね』
葉を入れすぎた茶を飲んだ時のような顔で呟いた。
【金剛阿吽】の兄弟がニイトに身を置いているというのは、ハインが伝えた貴重な情報の一つである。
メンヘルにおいて十二神将の第五位にまで就いていた兄者と、第九位であった弟者。
歩兵を指揮する騎馬隊の中に弟者の姿は確認したが、兄者が戦場の何処にもいないというのは考えられない。
( ,,゚Д゚)『って事は伏兵かゴルァ』
(´・ω・`)『だろうね』
ギコの言葉は皆の考えを代表した物で。
高低のある荒地に、北面には身を潜めるに適した森。
攻め手より少数であるにもかかわらず、籠城を選ばなかったと言う事は知略戦を選んできたと言う事に他ならなかった。
(´・ω・`)。oO(と言う事は、だ)
クーがもっとも恐れる事は伏兵の位置を探られる事である筈だ。
ならば、こちらに探らせる隙を与えず動いてくる。
兵,゚Д゚)『申し上げます!! ニイト陣中より一人の将が現れ、一騎討ちを望んでいます!!』
見張りの兵が幕舎に飛び込んできたのは、ちょうどそんな時だった。
その声を聞いたツンはジョルジュと目を合わせ、コクリと頷く。
ξ゚听)ξ『勝って来なさい!!』
告げたのは只一言。
だが、全般の信頼をこめた一言。
それを聞いたジョルジュは軽く片唇を上げると、外套を翻し幕舎を後にする。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:04:17.44 ID:xSosIKp40
試演
35 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:07:14.26 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
爪゚∀゚)ノシ『やはー』
( ゚∀゚)『……』
戦の勝敗がここで決まると言っても過言ではない、緒戦の一騎討ち。
ヴィップ全軍の期待と信頼を背に陣を出たジョルジュの前に現れたのは、能天気が人の形を為したかのような女騎士だった。
ミルクティー色の髪を両耳の後ろで束ね、ゆったりとした官服の上に白銀の胸当てをつけている。
跨る馬の色も白。
陽の光を浴びるその姿は、眩いばかりに輝いて見える。
( ゚∀゚)『……女は寝台の中でしか泣かせねぇと決めてるんだがな。まずは名を聞こう』
何よりジョルジュの目を引くのは彼女が軽々と肩に担ぐ獲物だ。
北の大国ラウンジの重装突撃騎兵隊が愛用する、超重量級の刺突武器・突撃槍。
ランスと呼ばれる大槍を、竹竿でも扱うかのように手にしている。
爪゚∀゚)『名乗るほどの者じゃありませんし、貴様に名乗る名前はないけど
【天馬騎士団】団長リーゼと申しますですヨ?』
( ゚∀゚)『……へぇ』
その名を聞いたジョルジュの瞳が野生の獣の輝きを持つ。
久々に手にした大鎌の感触を確かめるように、二度三度しごいてみせた。
( ゚∀゚)『天下に知られた槍の名手、【金槍手】のリーゼか!!
相手にとって不足はねぇ!! 黄金に値すると言われた槍捌き、しっかり見せてもらうぜ!!』
叫ぶと同時に、愛馬の腹を蹴った。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:07:39.29 ID:xSosIKp40
紫煙
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:11:14.11 ID:63GcAiyAO
ジョルジュ名乗んねーのかよww
sien
39 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:12:00.23 ID:Sv3J2ZAL0
爪゚∀゚)『やっはーい!!』
力任せに振りぬかれたランスがジョルジュの鼻先をかすめた。
鐙(あぶみ)にかけた両足だけで愛馬を操り、危険区域から離脱する。
(;゚∀゚)『あっぶねぇ……こえぇ女だな、おい』
爪>∀<)『もっちろん!! 大人の女ですモンっ!!』
言って再び突撃槍を振るう。
本来は刺突専門である筈のそれを、ジョルジュは巨体を仰け反らせるようにして避わした。
人並み外れた腕力で相する者を薙ぎ倒すスタイルは【白鷲】フィレンクトに似ているように思える。
が、あたかも大鷲が獲物を狩るように乾坤一擲の一撃を叩き込もうとするフィレンクトと違い、レーゼは初撃から敵を叩き潰しに行く。
爪>∀<)『何時でも何処でも誰とでもあーでもこーでも何でもかんでも全力全開っ!!』
袈裟懸けに振るわれた一閃を、今度は身をかがめてやり過ごした。
星の欠片をもって鍛えられたと言われる死神の大鎌ではあるが、圧倒的な馬鹿力で振るわれる大槍を受ける事など出来まい。
圧し折られるのがオチと言う物だ。
(;゚∀゚)『てめぇ、どっかの誰かさんとキャラ被ってるぜ』
爪゚∀゚)『ならばっ!! そやつも倒してリーゼが世界の神となっちゃいますヨっ!?』
(;゚∀゚)『なんだそりゃっ!?』
自軍最前線で一騎討ちの行方を見守る、赤い給士をチラと見ながらジョルジュは一歩後退する。
一方的に攻め立てられるような展開の中で、ジョルジュは未だ自慢の大鎌を一度も振るわずにいた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:13:01.94 ID:xSosIKp40
私怨
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:14:02.50 ID:PVMECDurO
sageてたorz
42 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:16:10.65 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
( ,,゚Д゚)『なぁ。俺が行った方が良かったんじゃねぇかゴルァ?』
ヴィップ軍陣中。
移動櫓の上で遠見眼鏡を覗くギコが思わずボヤいた。
前線では【薔薇の騎士団】が楔に隊列を作り上げ、彼らの団長が勝利する瞬間を待っている。
その右翼・つまり南方にしぃ率いる騎兵500。
総計1500の騎兵の背後には3000の歩兵が、固唾を呑んで勝負を見守っていた。
(´・ω・`)『……何て言うか、ヒートを更に能天気にしたような女性だね』
市を駆け回る子供のような掛け声は、歩兵部隊後方の本陣にまで届いている。
いや、それだけでなくリーゼの振るう大槍の風圧までもが感じられるような錯覚を覚えていた。
( ,,゚Д゚)『けっ。ただ力任せに振り回してるだけじゃねぇか。俺ならとっくに勝ってるぜ。
何やってやがるんだゴルァ』
(´・ω・`)『うん、まぁそうだろうけど、仕方ないよね』
ギコの言う通り。
ひたすらに一撃必殺の大振りを繰り返すレーゼの動きには、あまりにも隙が大きい。
ランスを振り終えた時、重量に負けて体が大きく流されるのだ。
そこからでも慣性の法則を無視して、腕力で態勢を整えるのは流石、と言えるだろうが、
もし相手がギコであったらその隙に懐に飛び込まれていたであろう。
が、騎馬のジョルジュではそうはいかない。
自らの攻撃距離に迫ろうとした時には、すでにレーゼは攻撃の態勢に移っている。
防戦一方。
前進と後退を繰り返すジョルジュの動きは、誰が見ても歯痒い物だった。
そういやこの作品って後何年かかるんだ?
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:18:41.56 ID:xSosIKp40
4円
45 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:19:49.97 ID:Sv3J2ZAL0
( ,,゚Д゚)『なぁ。今からでも遅くねぇぜ。俺に行かせろよゴルァ』
\(´・ω・`)/『駄目』
ショボンにはギコの考えが手に取るように分かる。
彼は生まれついての戦士だ。
楽しそうに大槍を振るうリーゼの姿を見て、腕が疼いてきたのだろう。
が、ここでギコを使うわけには行かぬ。
(´・ω・`)。oO(籠城策を捨てた、と言う事は必勝の策があるはず)
ならば、どう動いてくるか。
消耗戦はありえない。
最も考えられるのは、本陣への直接攻撃である。
その時、側にギコがいるのといないのでは、対応の幅が大きく変わってくるからだ。
( ,,゚Д゚)『なぁ、姫さんよぉ。俺にやらせろって。いきなり将官を失う訳には行かねぇだろゴルァ』
ξ゚听)ξ『……その必要はないわ』
痺れを切らした剣士は、ついに無言で遠見眼鏡を覗き込んでいたツンに直談判を始める。
が、ツンはショボンとは違う形でギコの言葉を退けた。
何故なら。
バーボン城の戦い。
キュラソー奪還戦。
テネシー公兄弟の起こした内乱。
ヴィップが誇る勇将は、その全てで最前線に立ち、そして勝利してきたのだから。
ξ゚ー゚)ξ『その必要はないわ。将軍は必ず勝ちます』
どこまでも支援!
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:20:55.92 ID:peh4ee1HO
ツンかっこええ支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:21:26.13 ID:lGZv4rdsO
どこまで〜
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:22:17.55 ID:jf5/uUZ5O
よし、支援だ!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:23:16.14 ID:N97BEetfO
おっぱい!おっぱい!
51 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:23:48.65 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
爪゚∀゚)『やっはーーーーーーっ!!』
裂帛の気合と共に振り下ろされた大槍を、半歩飛び退くようにして避ける。
ここに来て、女騎士の大槍は慣性を押さえ込む事が出来ず、大地に深々と叩きつけられた。
一騎討ちが始まって早、四半刻(約30分)。
常に攻勢にあったリーゼの表情には明らかな疲労が浮かび始めている。
( ゚∀゚)『ふぅ。ま、こんなもんかな』
爪#>∀<)『なにを賢者っぽく余裕綽々なんだコンチクショーっ!?』
掬い上げるような攻撃もヒョイとかわす。
( ゚∀゚)『いや、実際余裕だしな。うん、先生はあの時こーやってたのか』
爪#>∀<)『ガーン!! 余裕とか言われたっ!?』
事実、肩で息をしているリーゼに対し、ジョルジュは汗もかいていない。
頭に思い浮かべているのは、師であるフィレンクトがキール山道でメンヘル十二神将が一人ジタンを圧倒した際の光景である。
爪#゚∀゚)『なんか、実験台にされてるみたいでムカつくんですけどっ!?』
( ゚∀゚)『まぁ、な。つか、俺だってちょっとムカついてるんだぜ?』
準備運動はここまで、とでも言う風に首をコキコキと鳴らしつつ言う。
( ゚∀゚)『お前さ、本気で俺様を倒そうとしてねぇだろ?』
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:25:17.82 ID:xSosIKp40
しえん
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:27:53.98 ID:bbshIlEZO
支援が駆ける
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:27:54.05 ID:63GcAiyAO
ジョルジュとレーゼの顔が似てて困る
55 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:28:35.16 ID:Sv3J2ZAL0
爪;゚∀゚)『ななななななにを言ってるんですかネ?』
( ゚∀゚)『伏兵』
必死に誤魔化そうとするリーゼだが、ジョルジュの一言に目を泳がせた。
明らかに動揺が見て取れる。
( ゚∀゚)『数で劣るお前らは必ず戦場の何処かに伏兵を忍ばせている。
大方、この一騎討ちで敗れたフリをして適当に逃げ出す。で、俺達が勢いに乗ったところで側面をつく。
そんなところだろ?』
爪;゚∀゚)『ワタシ、アルキュ語ワカリマセーン?』
リーゼの反応が自分の考えと同じだった事を確認すると、【急先鋒】は大鎌の柄を握りなおした。
使い慣れた鉄の柄が、掌の中でギュウと鳴る。
( ゚∀゚)『悪ぃな。お前らに恨みはねぇが、俺様は戦士だ。
どんな戦であろうと、この背に民の命を背負っている以上、負けるワケにはいかねぇ。
お前らが策を用いるなら、その全てをこの大鎌で切り裂いてみせる。
それに、な』
四半刻。練りに練りあげてきた剣気を解放した。
背にした主の気を察知した愛馬もまた、頭を下げ突進の構えをみせる。
(#゚∀゚)『俺様は陛下に「勝って来い」って言われてんだっ!!
適当なトコで逃げて来いなんて言われてるテメェに負けるわけにいかねぇんだよっ!!』
叫ぶと同時に愛馬の腹に合図を入れた。
ここにきて【急先鋒】が攻勢に移る。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:28:42.22 ID:/S+KfgfFO
釣りかとおもっちった
今から読む
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:29:34.86 ID:xSosIKp40
支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:29:47.96 ID:UYe7RJBZO
きたぁぁぁぁぁ
超楽しみにしてたんだからねっ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:30:52.68 ID:jf5/uUZ5O
( ゚∀゚)
格好いい、やべぇ。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:35:09.18 ID:CiZWf3uhO
なんとなくニイト軍を応援したくなる
支援
62 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:35:18.66 ID:Sv3J2ZAL0
爪;゚∀゚)『っはーーーーーーーっい!!』
( ゚∀゚)『そんなもんが……』
起死回生を狙ったリーゼ渾身の一撃。
それをジョルジュは初めて避わそうとしなかった。
駆ける愛馬の速度を落とさぬよう、鞍上で身を沈め獲物を構える。
(#゚∀゚)『俺様に何時までも通用すると思うなぁっ!!』
大鎌を振るった。
が、それはリーゼの大槍を受け止めようとしての物ではない。
全力で振るわれた大槍の勢いを殺さぬよう。むしろ“加速”させてやるかのように払い上げる。
爪;゚∀゚)『やっ!?』
自身の力だけでも振るえば大きな隙が生まれる攻撃。
予測していなかった方向に身体を流され、更に勢いを加算されたリーゼは、今までに無かったほど大きく態勢を崩した。
その一瞬、ジョルジュはリーゼの死角に飛び込んでおり
( ゚∀゚)『貰ったっ!!』
胸当ての襟に大鎌の刃を引っ掛けると、力任せに馬上から放り投げ落とした。
そして。
(´<_`;)『いかん!! リーゼを殺させるな!! 全軍前進するぞ!!』
ノハ#゚听)『させるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ヴィップの力を見せてやれぇっ!!』
一騎討ちが終わりを告げたと同時に、両軍が動き出す。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:36:28.76 ID:FzT14FwrO
前来たばっかなのにw
支援!
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:38:14.81 ID:aLOin7uEO
くっそどっちもいい国で応援できねぇ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:38:52.40 ID:PVMECDurO
しえん
66 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:39:26.17 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(´・ω・`)『……ふむ』
戦場を僅かに離れた本陣で、ショボンは戦況を見守っていた。
今、中央では互いの最大勢力である歩兵部隊がぶつかっている。
しぃ率いる遊軍はその中でレーゼ率いる騎馬隊と衝突しており。
【薔薇の騎士団】と合流したジョルジュは北部からニイト歩兵の側面をつこうと軍を動かし、
ニイト主力である【天馬騎士団】と交戦状態にあった。
ξ゚听)ξ『将軍は苦戦しているみたいね』
(´・ω・`)『うん。流石は【無限陣】だ。この展開も想定内だったらしい』
僅かな平地に進んだ【薔薇の騎士団】は、高みに隊を展開した【天馬騎士団】の射撃を前にして防戦一方になっている。
盾を広げて犠牲を最小限にしてはいるが、進むも退くも出来ない様子であった。
ξ゚听)ξ『それでも、矢の数だけは無限じゃないわ。無限の策を持つと言われている彼女でもね』
ツンの言うよう、矢が尽きればジョルジュはすぐさま攻勢に移ろう。
いや、それが出来ずとも【天馬騎士団】を足止めしているだけで十分である。
中央の戦いは数で勝るヴィップが徐々に圧しつつあった。
(´・ω・`)『仕掛けてくるなら今だ。ギコ。“迷いの森”に向け騎兵500を動かせるようにしてくれ』
一旦優勢になったと思わせて伏兵を仕掛ける。
本陣を狙ってくるなら、この瞬間しか考えられなかった。
そして、ショボンが命じたと同時に一人の兵が幕舎に転がり込んでくる。
ヘ;゚∀゚)イ『陛下っ!! ニイト軍の奇襲ですっ!! その数200、先頭に【金剛阿】兄者っ!!』
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:41:29.62 ID:jf5/uUZ5O
兄者きたか
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:43:30.67 ID:400aVCvVO
しえん
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:44:04.20 ID:CiZWf3uhO
兄者来た!
一度兄者の水中戦を見てみたいもんだ。
支援
70 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:44:25.29 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
ξ゚听)ξ『……とりあえず、今日のところは勝った……と言っても良いのかしら』
(´・ω・`)『伏兵は完全に防いだ。ここまでは僕らの勝ちだ』
小さく安堵の溜息をついたショボンは、手にした碗を唇に当てた。
が、いつのまにかそれが空になっていた事に気づき、卓に戻す。
(´・ω・`)『でも、相手はニイト。そしてクーだ。被害を出さぬよう緩やかに撤退しているし、今回はただの様子見と見るべきだろうね。
フィレンクト老が守っているとは言え、手薄な本土をメンヘルやリーマンが侵攻して来る可能性もあるし、
新興国家とは言えモテナイのダイオードが動く事も考えられる。
特にモテナイはリーマンとぶつかるつもりなら後背のニイトに恩を売っておきたいだろうしね』
ξ゚听)ξ『……モテナイがヴィップに手を貸してくれる事はないのかしら』
(´・ω・`)『さぁね。もしダイオードがニイトに加担したとしても、突如こちらに寝返る可能性はある。
まぁ、モテナイは今自分達の国の事で精一杯だろうけどね』
クーとしてはもっと乱戦に近い状況で伏兵を動かしたかった事だろう。
が、それはジョルジュが圧倒的にリーゼを討ち破った事で出来なくなり。
結局、終始ヴィップ有利なまま苦し紛れに伏兵を動かしたような形になってしまった。
(´・ω・`)『こうなったからには次の戦はもっと厳しくなるだろうね。
出来ればジョルジュにクーを捕らえてしまって欲しいものだ』
今の勝利にとらわれず、ショボンの目は次なる勝利に向かっている。
そこには油断の文字など微塵も無い。
だが。
“それ”の報告を受けた時、彼らは全てが間違いであったと知る。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:47:47.75 ID:63GcAiyAO
なんだなんだ
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:48:32.31 ID:7f6TRfsDO
しえん
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:48:48.18 ID:jf5/uUZ5O
とりあえず支援だ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:49:14.66 ID:djPlfvcrO
( ^ω^)
75 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:49:50.86 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(*゚−゚)『勝敗は決した。貴女は降伏すべき』
爪゚ー゚)『あら、そうかしら? 勝負は終わるまで分からないわよ?』
中央の戦いでは、すでにニイトは敗走の態勢になりかけていた。
足の遅い歩兵を連れたヒートは、深入りせぬ程度に追走に入っており、
北部では矢の尽きた【天馬騎士団】が圧され始めている。
ヴィップ本陣に襲いかかった奇襲兵も、【九紋竜】ギコらによって足止めされていた。
(*゚ー゚)『それは無い』
爪゚ー゚)『そうかもね。だからと言って私が降伏する理由にはならないわ』
言ってレーゼは細身の剣を振るった。
が、それはいとも簡単に避けられてしまう。
文官の彼女ではしぃに勝てる要素は一つとして無かった。
(*゚ー゚)『もう一度だけ言う。降伏して』
戦いが始まる前に、ショボンから全将官に伝えられた事がある。
それは、ヴィップが有利になった瞬間ニイトが奇襲を仕掛けてくる、と言う事だ。
彼らはそれを避わした。今となっては、負ける要素は一つとして無い。
爪゚ー゚)『お断りするわ。それに“あれ”を見ても降伏しろなんて言えるのかしら?』
伏兵は完全に見破られ、勝敗は揺るがないであろう。
誰もがそう思っていた時。
戦場に小さな変化が生まれつつあった。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:52:24.02 ID:jf5/uUZ5O
来るか・・・・?
77 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:52:36.81 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(#゚∀゚)『クソッ!! 俺様はテメェラに構ってる暇はねぇんだっ!! さっさと引きやがれっ!!』
爪゚∀゚)『やはー。そうもいかないんですヨっ?』
永劫とも思える矢の雨を防ぎきり、【天馬騎士団】と衝突したジョルジュの前に現れたのは、
【無限陣】クーではなく男装の女騎士【金槍手】リーゼであった。
先程のような大振りでなく、まるで刺突剣(レイピア)のように大槍を扱う彼女の前にジョルジュは完全に足止めされていた。
(#゚∀゚)『やっぱり手ぇ抜いてやがったか!!』
爪゚∀゚)『悪く思わないから反省しないですヨ!! 演技派と言って欲しいですヨ!!』
乗馬を狙ったかのように思われた槍先がクンと跳ね上がり、正確に左胸を突いてくる。
全腕力を込めぬ一撃は何とか受け止める事が出来たが、その超重量に腕が痺れた。
(#゚∀゚)『言え!! テメェラの王様は何処にいやがる!?』
爪゚∀゚)『馬鹿ですか? “あれ”を見れば分かるでしょ? 馬鹿ですか?』
(#゚∀゚)『馬鹿って2回も言いやがったなっ!!』
ジョルジュは完全に冷静さを欠いている。
先の一騎討ちとは完全に立場が逆転していた。
しかし、それも止むを得ないだろう。
西の空に見える“それ”を見て、【薔薇の騎士団】は大きな混乱の中にあった。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:52:58.04 ID:cjRlac0KO
まさか…ブーンが?
しえしええあ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:57:28.27 ID:djPlfvcrO
しえんぬ
81 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 22:58:57.06 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(#,,゚Д゚)『汚ぇぞゴルァっ!!』
( ´_ゝ`)『ふむ。娼室の王子様と呼ばれた俺に対して随分と酷い事を言うのだな?』
遠目に見れば“迷いの森”から現れた伏兵隊を足止めしているかのように見えたギコであったが。
その実は、兄者率いる奇襲隊によって逆に身動きを封じられていた。
500の騎馬隊は、地中に埋められていた“絡め縄”によって半壊状態にある。
そこに投石攻撃を仕掛けられ、身を守るのが精一杯といった体であった。
伏兵を完全に読みきっていた、と思っていた。
それすらも読まれていたと知ったのは、罠に嵌り“あれ”を見てからである。
急ぎ離脱して戻らねばならない。
思えば思うほど、絡みついた縄が解けなくなっていく。
( ,,×Д×)『ゴルァッ!?』
ギコの顔を襲ったのは投石ではない。
たっぷりの水を染み込ませた泥玉だ。
が、視界を奪われた者は縄から脱出できず、投石を避ける事も出来なくなる。
( ´_ゝ`)。oO(くそ……何をしているのだ俺は)
兄者の心は複雑であった。
若き日の友を救う為にハインを逃がした筈が、こうして彼女の国を討ち破る作戦に加担している。
惰性に流される蝙蝠のようだ。
それでも、どうする事も出来ず。
兄者はひたすら己の義務を果たす事に逃避した。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:01:04.10 ID:PVMECDurO
兄者かっこよすぎ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:01:09.11 ID:jf5/uUZ5O
投下間隔に焦らされるぅうううう
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:01:21.86 ID:MKjgs1l6O
支援
85 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:01:49.68 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
(;*゚ー゚)『……っ!!』
━━━━━では、この時戦場にいる者達は何を見ていたのだろうか?
(;゚∀゚)『くそっ!! 退きやがれぇっ!!』
西の空。ヴィップ軍最後方。
(;,゚Д゚)『急げ!! 間に合わなくなるぞ!!』
遠征の生命線とも呼べる糧秣部隊。
(;´・ω・)『まさか……クーの狙いは本陣でなく……』
立ち昇る黒煙。
ξ;゚听)ξ『伏兵の……更に伏兵……』
そう。
この時、クーの狙いは本陣でなく、その更に奥の糧秣部隊。
ヴィップ軍全ての目を前線と本陣に向けさせた上で発動させた、必勝の策。
4000の本隊も、切り札のように思わせた伏兵も全て囮に過ぎず。
云わば。
━━━━━伏兵の二段構え!!!!!!!!!!!!!
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:02:31.86 ID:CiZWf3uhO
ハインだって匿ってもらっておきながら兄者の事話したんだからおあいこだろ。
支援!
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:03:13.52 ID:63GcAiyAO
兵糧守れよwww
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:04:57.96 ID:MKjgs1l6O
>>87 兵糧部隊は機動力に欠けるって某アルファが言ってた
支援
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:05:20.79 ID:aLOin7uEO
何か唐突にエクシードを思い出した
云わば。
━━━━━伏兵を 爆 砕 す る !!!!!!!!!!!!!
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:07:13.89 ID:mKsDXZXF0
どんな状況でも兵糧は狙われんだから武将しっかり置いとけwwww
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:07:17.67 ID:9aLMVb9K0
官渡の戦いか
そういや、モテナイとか今どうなってんの?
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:08:40.90 ID:63GcAiyAO
94 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:10:06.22 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
兵;゚Д゚)『申し上げますっ!! 敵軍第二の伏兵部隊の中に輿に乗った黒髪の将を発見!!』
ヘ;゚∀゚)イ『へ、陛下っ!! 指示をっ!!』
台風の勢いで次々にもたらせられる報告を聞き、ショボンは自らが敗れたのを知った。
気の緩みなど微塵もないと思っていた。
だが、この戦に勝利し次の戦の事を考えていた時、すでに油断は生じていたのだ。
(;´・ω・)『そんな……後方にも兵を残している……簡単に襲われる筈が……』
ξ;゚听)ξ『ショボン!! 貴方は本陣で指示を!! アタシはミセリの救援に向かいます!!』
言うより早くツンは幕舎を飛び出していた。
身近な歩兵100を連れると、後陣に向けて駆け出す。
ショボンが愚かだったのではない。ただ、ヴィップ軍の視線を後方から外させたクーが一枚上手だっただけ。
そして。
この時、まだ一人としてクーと言う戦術家の本当の恐ろしさを分かっていなかった。
ツンとショボン。どちらが本陣に残るにしても、混乱の最中に王の周辺が手薄になる事に変わりはない。
皆が皆、クーの狙いは本陣でなく糧秣だと“思い込んでしまった”時に現れたのは。
二重三重に張り巡らせた罠の、真の切り札。
ξ;゚听)ξ『……あ……』
第三の伏兵。その数200。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:10:13.96 ID:MKjgs1l6O
wktk
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:12:18.66 ID:7f6TRfsDO
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:13:07.75 ID:PVMECDurO
そして現れる白衣白面
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:15:20.75 ID:mKsDXZXF0
ブーンどっちにつくんだろうwktk
100 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:16:05.11 ID:Sv3J2ZAL0
ξ;゚听)ξ『ナイト……ブーン……』
(;゚ ゚)『……ツン……』
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:17:09.91 ID:PVMECDurO
優柔不断な主人公だ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:17:38.66 ID:McwZt2cVO
うああああ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:17:59.94 ID:9aLMVb9K0
おそらくブーンは状況に流されるにかける
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:19:02.77 ID:peh4ee1HO
それにしてもブーンは流されっぱなしだな。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:19:02.79 ID:jf5/uUZ5O
選べないだろ、家族とツンと天秤にかけて
ぎゃあああああ
107 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:19:37.24 ID:Sv3J2ZAL0
ξ゚ー゚)ξ『そっか……結局、最後までアタシ達はクーの掌の上で踊ってただけだったのね』
静かに言葉を紡ぐ表情は、とても晴れ晴れとしていて。倍する敵を前にしても、恐れはない。
本来ならば後方支援に動かせる手駒であったギコを誘導された時点で、こうなる事は決まっていたのだろう。
思うのはただ、おのれらの旅路の終わりが近い、と言う事だけ。
(;゚ ゚)『ツン……僕は君と戦いたくな』
ξ゚ー゚)ξ『喋らないで。分かってる』
民意の暴走に端を発した出兵だった。
予想を遥かに超えた昂ぶりを抑えきれず、その事に対しての後悔はある。
ξ^ー^)ξ『でもね。アタシはみんなの王様なんだ。
負けると分かってても……逃げられない。戦わなきゃ駄目なんだ』
言って腰から禁鞭を引き抜いた。
完敗だった。
それでも“人々が自分で生きる道を選べる国”への種は撒いた。
今は誤ったが、それでも人は先に進む事が出来るだろうと信じる。
(;゚ ゚)『……それは違うお。君は死んじゃいけないお……。
信じてくれる人の為に……生き延びなくちゃ駄目なんだお……』
ξ^ー^)ξ『そうだね。でも、貴方だってアタシを逃がす訳にはいかないでしょ?
戦う覚悟は出来てるし、勝てない事も分かっているわ』
(;゚ ゚)『……っ!!』
そして、ツンは西に視線を送った。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:22:10.96 ID:jf5/uUZ5O
ツン立派だ・・・・
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:22:32.53 ID:xSosIKp40
しえん
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:22:35.22 ID:/S+KfgfFO
支援
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:22:59.63 ID:UXem8e5e0
しえん
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:23:02.77 ID:PVMECDurO
ブーンしね
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:23:06.33 ID:aLOin7uEO
( ゚ω゚ )
114 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:23:34.29 ID:Sv3J2ZAL0
ξ゚ー゚)ξ『クーは撤退したみたいだね。貴方に全てを任せたみたい』
それも仮面の青年には分かっている事だった。
ツンが言うよう、全てはクーのシナリオどおりに事は進んだ。
糧秣部隊への攻撃は、あくまでツンの周辺を手薄にする為だけの罠。そして、自分が金髪の王を討てば全てが終わる。
ξ゚ー゚)ξ『剣を抜いて、ブーン。たとえ勝てなくても、貴方が言うとおりアタシは最後まで足掻いてみせる。
最後の瞬間まで王であり続ける』
(;゚ ゚)『……』
その声に引かれる様、青年は緩々と腰に十字に差す“拐”を引き抜いた。
猟犬の爪を模した刃が陽光に鈍く輝く。
ξ゚ー゚)ξ『ありがと。あのね、アタシは貴方に凄くよく似た人を知ってるんだ』
(;゚ ゚)『お?』
突然話を切り替えたツンを前に、青年は間抜けな声をあげた。
それに構わず黄金の獅子は美しい思い出でも語るかのように続けるのだ。
ξ^ー^)ξ『アタシの一番の友達。胸に生まれた感情の正体も教えてくれずに消えてしまった人。
あの人の面影を持つ貴方に負けるなら……【王家の猟犬】である貴方が選んだ国に敗れるなら……悔いはないわ』
(;゚ ゚)『……っ!!!!!!!!』
黄金色の髪が風に揺れる。
そして、それに気圧されるようにカラカラに乾いた喉から絞り出すようにして、青年は口を開いた。
(;゚ ゚)『……を……お』
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:23:45.57 ID:1keQqr+v0
クー様支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:23:48.96 ID:McwZt2cVO
誓ったんじゃなかったのかよおおおお
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:24:19.38 ID:63GcAiyAO
ξ。A。)ξ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:24:19.91 ID:LYfb/Mkf0
なんか地の文が残念なんだよなぁ
地の文3割ぐらいにしてセリフメインにすりゃもうちょっと読者増やせただろうに
支援支援支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:25:57.73 ID:0DRpS7eIO
地の文は減らしてほしくない
どっちにしろブーンは残念な奴になり下がる
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:26:04.24 ID:MKjgs1l6O
支援
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:26:09.15 ID:UXem8e5e0
支援
124 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:26:26.79 ID:Sv3J2ZAL0
(;゚ ゚)『ヴィップ軍は陣形を整えつつある……ここは撤退しますお……』
敵軍の総大将を前に。千載一遇の好機を前にしての撤退宣言。
当然のようにざわめく自軍兵士を前に拐を腰に戻した青年は、そのまま振り返り森へ消えていく。
最初こそ何が起こったのか分からぬでいた兵達も、指揮官が立ち去ったのを見て、慌てた風に後を追う。
納得いかずヴィップ軍に攻めかかろうとした者もいたが、混乱した自軍では勝負にならぬと知るや逃走した。
ξ;゚听)ξ『え……嘘……?』
何が起こったのか分からぬのは、ツンも同じである。
それでも生き延びた事を知って、脱力したかのように地面に腰から崩れ落ちた。
ξ;゚听)ξ『……どうして……?』
その理由は分からない。
ただ、森の奥に消えていく青年の背中をジッと見ていた。
それは、あたかも老人のそれのように小さく丸まっていた。
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:26:49.68 ID:9aLMVb9K0
ぶーんのばかおまえにおうのしかくはない
しえん
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:28:05.47 ID:aLOin7uEO
どうしてこうなった
やっぱり残念な奴だぜ主人公のくせに
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:28:24.48 ID:YH7ikPrT0
>>118 お前には残念でも、これが好きって読者も多いんじゃね?
自分は好きだけど。
個人の好みの問題だからな。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:30:03.90 ID:UKiflYgdO
街狩りのブーンといい、やたらヘタレ補正強いよな
131 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:30:23.02 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
川#゚ -゚)『どう言う事だ、ホライゾン!!』
陣に戻った青年を待っていたのは、興奮に顔を染めた姉からの叱責だった。
碗を叩きつけられた額が鈍く痛む。
足元にぽたりと一滴、赤い血が落ちた。
( ω )『……僕は……戦いが……嫌だお』
川#゚ -゚)『理由にならん!!』
四輪車に座した白い狼が、その足元に両膝をつく弟を殴りつける。
それでも青年は微動だにせず、それを受け入れた。
川#゚ -゚)『多くの者が傷つき、倒れた!! 多くの者を傷つけ、倒した!!
それは何の為だ!! 侵略者を討ち、より多くの者を護る為だ!! 貴様はその全ての信頼を裏切ったのだぞ!!』
( ω )『それは違いますおっ!! 誰もが傷つかず、傷つけないのが一番なんですおっ!!』
川#゚ -゚)『黙れ!! 婦女子の理屈だっ!! 現実はそんなに甘くないっ!!』
( ω )『黙りませんおっ!! クー様は……クー様はあまりに悲しい事が多すぎて……見えなくなっているだけなんですおっ!!』
川#゚ -゚)『ホライゾンっ!! 貴様、私達の思い出まで……愚弄する気かっ!!』
掴みかからんとばかりに怒りを顕わにするクー。
しかし、青年は引かなかった。大地に額を擦りつけ懇願する。
( ω )『お願いですおっ……僕はツンと姉様に争って欲しくないですおっ!!』
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:30:41.32 ID:AzyJnUboO
確かに、残念な主人公ではある。へたれだし。
だが、ツンも相当に卑怯ではある。
ええい
ドクオはまだか!?
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:30:59.58 ID:9aLMVb9K0
ツンの決意は立派だった
クーの計略も見事だった
ブーンお前は蝙蝠か
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:31:39.92 ID:xSosIKp40
支援
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:31:50.75 ID:CiZWf3uhO
なんだかなぁ。
ツンの妙なふっきれ度も気に入らないし
ブーンの無責任さも気に入らない
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:32:24.80 ID:jf5/uUZ5O
ブーンの不人気ぶりにワロタ
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:32:25.94 ID:McwZt2cVO
支援だ
ブーンの言い分だけは正しいかもしれないが状況的に言い訳にすらならないヘタレっぷり
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:32:54.29 ID:tA22L2Rh0
兄者といいブーンといい男の方が揺れまくってるな支援
ツンは描写が多いからまだ分かる、自分が死んでも国が続くからって感もあるし
ブーンが最近描写少なくて考えが分からなくてもやもやするのぅ
でも全力支援
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:33:42.51 ID:bbshIlEZO
ブーンはどっちの味方なんだよ
前を見ても、後ろを見ても・・・
辛い立場だお
144 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:34:59.90 ID:Sv3J2ZAL0
川#゚ -゚)『……』
( ω )『……』
お互いに口を開かず、緊迫した空気が流れる。
そして、それを破ったのは諦めたかのようなクーの溜息だった。
川#- -)『ホライゾン。貴様は卑怯だ。再会して初めて“姉”と呼んでくれたのが、このような時とはな』
不機嫌さは隠せない。
だが、その声から怒りは消え去っていた。
( ;ω;)『姉様!! それじゃあ……っ!!』
川 ゚ -゚)『貴様は貴様なりにニイトを思っての事だろう。
レーゼを使者に送り、会談の場を作らせる。貴様の望み、一度だけ聞いてやろうではないか』
言って手を叩く。
幕舎外に待機していた兵が飛び込んできた。
川 ゚ -゚)『レーゼを呼べ。この戦い、和解の使者とする。
ホライゾンよ。お前は自分の幕舎で休むがいい。会談にはお前にも同行してもらおう』
それで議は終了となった。
青年が退場し、独りになった幕舎内でクーは天を仰ぎ呟く。
川 ゚ -゚)『父様……これでよかったのでしょうか』
その右手は、首から下げられた鈴を握り締めていて。
誰もその声に応える者はない……。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:35:06.25 ID:xSosIKp40
( ;ω;)みんなひどいお
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:35:08.07 ID:1keQqr+v0
ブーンうぜえ
こいつなんで暗殺者みたいなことやってんだ
確実に向いてねえだろ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:35:38.75 ID:PVMECDurO
>>140 兄者はハインさえ助かれば別に良いだろうけど
ブーンはヘタレ二股男
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:36:02.79 ID:mKsDXZXF0
あれ?
ブーン記憶戻ってないよね?
支援支援
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:36:33.41 ID:9aLMVb9K0
ブーンは暗殺者にも武将にも王にも向いてないな
152 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:37:36.51 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
( ´_ゝ`)『随分と偉い立場だな、銀髪君。やはり王妹の子は一味違う』
( ;ω;)『おっ?』
涙で顔中を濡らした青年が幕舎を出た時。
待っていたのは【金剛阿】兄者の不機嫌そうな顔だった。
( ´_ゝ`)『ツン=デレもクーも争わず、仲良くか。この戦乱の時代によくそんな事が言えた物だ』
( ω )『……何か……言いたい事があるんですかお?』
( ´_ゝ`)『あぁ、あるさ。俺は貴様のその甘い考えが気に入らない』
言うや、兄者はブーンの胸元を掴み上げる。
ブーンもまた、兄者の胸元に手をかけていた。
(# ω )『……誰も傷つかない世界を目指して……何が悪いんですかお?』
(#´_ゝ`)『悪くないさ。だが、その為に貴様がやっている事はなんだ?』
汚らわしい者でも触っていたかのように、隠密は青年の身体を弾き飛ばした。
二歩三歩よろめく様に、ブーンは後退する。
( ´_ゝ`)『理想ばかり高く掲げるくせに、手は穢そうとしない。
誰もが持てぬほどのモノを持ちながら、やっている事はただの泣き落とし。違うのか、銀髪君』
( ω )『……意味が……分かりませんお?』
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:37:41.66 ID:aLOin7uEO
川 ゚ -゚)「貴様は戦場に立たず牧師でもやってろ」
(# ω )
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:38:27.24 ID:jf5/uUZ5O
世の中大半の人間は暗殺者にも武将にも王にも向いてないだろ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:39:07.53 ID:xSosIKp40
まあヘタレ隠密に言われる筋合いはないわな
いいぞもっとやれ兄者
フルボッコだ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:40:24.51 ID:mKsDXZXF0
>>154 ssの主人公の大半は暗殺者か武将か王に向いてる
いや、きっと
>>1ならこの後にブーン覚醒イベントがあるさ!
兄者がおまえらの代わりに…
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:40:53.10 ID:PVMECDurO
いいぞ兄者殺せ
あれ……でもよく考えたらブーンいなけりゃハイン死んでたのに
兄者恩知らずのような気もしてきたぞ……
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:41:35.98 ID:YH7ikPrT0
おまえらずいぶん手厳しいな・・・。
幼少の記憶をなくし、心が通じ合った好きな女を守る為に目の前から姿を消し
その女のために暗躍してる最中にたった一人残された姉と出会い、
完全に忘れていた過去と自分の血筋をいきなり告げられ・・・
そんな状況で簡単にどっちか選んで行動できる奴なんてなかなかいないだろ。
163 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:42:47.95 ID:Sv3J2ZAL0
( ´_ゝ`)『分からぬか? ならば教えてやる。
貴様は今すぐ手薄のニイト城に舞い戻り、手勢を掻き集めて王となれ。
王妹ペニサスの子、英雄モララーの子として王を名乗れ』
( ω )『……』
( ´_ゝ`)『そうすればクーは必ず貴様に降るだろう。
その後にヴィップを併合すれば、万事解決。
貴様が手を汚す覚悟さえあるのなら、それでめでたしめでたし、だ』
( ω )『僕に……二人を裏切れ、と言うのかお?』
その言葉に兄者はつまらなさそうに唾を吐き捨てる。
( ´_ゝ`)『視点の違いだ。そもそも、今の段階で貴様はどっちつかずの状態なのであろうが。
俺ならば、そうする。俺が裏切り者と呼ばれるだけで全てを救えるなら、喜んで汚名を着てみせる』
言って兄者は背を向けた。
言葉が過ぎた事を後悔するかのように。逃げ出すように歩き出す。
( _ゝ )『……少し、言い過ぎたな。だが、覚えておいてくれ銀髪君よ。
世の中には、どれほど汚名を着たくともそれすら出来ぬ人間の方が多いのだ』
( ω )『……お』
兄者の呟きの意味など、ブーンには分からない。
ただ、立ち去るその背中が、あまりにも寂しそうに見えた。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:42:54.11 ID:MKjgs1l6O
>>157 このブーンはDBの最長老ですら「あなたには隠された才能はない」と見放すレベル
支援
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:43:19.55 ID:9aLMVb9K0
>>161 バンピーにはきついが暗殺者や武将や王の立場なら選ばなきゃいけないね
>>161 主人公にはどちらかを選ぶ決断力もしくは両方選ぶ覚悟が求められる
好きな作品だから余計にな
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:43:49.90 ID:mKsDXZXF0
>>161 選ばないならまだしも、記憶に無い姉を選んで戦闘に参加するって行動とって
ここを押せば勝てるってとこでやっぱ好きな人が大切だから無理
ってのがもやっとしてるんじゃないかな
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:44:27.96 ID:xSosIKp40
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:44:36.39 ID:N97BEetfO
大切な仲間がいるヴィップ
大切な肉親がいるニイト
精神的にまだ未熟で平和主義的なブーンが
どちらか一方にほいほい行ける方がおかしだろ
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:45:23.55 ID:9aLMVb9K0
平和主義者がなぜ暗躍できるんだ
兄者、結局は八つ当たりかよ
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:47:06.42 ID:UYe7RJBZO
追い付いちまった
ブーンが最初ヘタレなのは基本どこもそうだろ
覚醒して手がつけられなくなったら無双とか言うのにおまいらときたら…
173 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:47:26.35 ID:Sv3J2ZAL0
※ ※ ※
━━━━━━━━━━
━━━━━━━━
━━━━━━
後日。
使者レーゼから提案された和解会談の案を、【金獅子王】ツン=デレは一も二も無く承諾した。
会談の場は両国国境沿い。
ニイトからは【神算子】レーゼが。
ヴィップからは官女ミセリが代表に選ばれ、会談を行なう幕舎の建設にかかった。
だが。
この会談は行なわれぬまま、終局を迎えた。
何故なら。
ニイト城のエドワードが暗殺され、
幕舎設立を行なっていたレーゼとミセリも何者かに襲われ重傷を負うという事件が起こったのである。
二人は話も出来ぬほど酷く傷つき。
現場には投弾兵器の欠片と、一振りの飛刀が残されていた。
ここにきて、青年の想いも虚しく。
両国和睦への道は完全に断たれたのである。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:47:30.70 ID:YH7ikPrT0
>>165 たしかにそうなんだけど、元々そういう立場として育てられてきたのならまだしも、
いきなりそうならざるを得ないって状況ばっかりじゃん。
葛藤しつつ少しずつ成長していくのが普通じゃね?人間だもの。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:47:42.92 ID:4PcMB+NI0
ニートの貴様らに王の資質云々言う資格は無い
やっぱり暗躍してる奴がいるんだな
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:49:14.48 ID:xSosIKp40
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:49:41.29 ID:CiZWf3uhO
なにいいいぃィィ!!?
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:50:39.07 ID:9aLMVb9K0
その立場になってからどれぐらい経ってるんだよ戦乱の世に悠長だなww
>>175 俺ニートじゃないよ
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:51:11.20 ID:mKsDXZXF0
>>174 戦闘に参加しなければヘタレで済んだんだけどねぇ
片方に肩入れして戦争に参加して重要な役目を担いながらやっぱ無理ってのがね
そんな行動取られたら成長すら出来ずに死んでいく兵士たちがいくらいても足りない
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:51:35.08 ID:0/pkNeuXO
狐じゃね?
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:52:24.74 ID:4PcMB+NI0
>>180 戦乱の世に居たことあるんだwスゲーwww
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:54:04.60 ID:9aLMVb9K0
まあこんな将や暗殺者普通に殺されてるか部下に謀反起こされるか上に切られる罠
王だったらあっという間に国のっとられるか潰されるか
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:54:17.27 ID:MKjgs1l6O
>>183 【審議拒否】
∧,,∧ ∧,,∧
∧∧ (・` ) ( ´・) ∧∧
(ω・` ) U ) ( Uノ( ´・ω)
| U u-u u-u (U ノ
u-u ∧,,∧ ∧,,∧ u-u
(・ω・`) (´・ω・)
(l U) (U ノ
`u-u'. `u-u'
187 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:55:35.13 ID:Sv3J2ZAL0
以上、第25章でした。
このような時間までありがとうございます。
( ^ω^)について、色々と面白く読ませていただきました。
それについてご返答させていただきますと。
はい、ヘタレです。
優柔不断です。
元々ヴィップに属していたにも拘らず、祖国だからとニイトに留まりフラフラと。
書いていてずっと『誠死ね』でした。
ですから、まぁ、正統な評価じゃないかな、と。
次章はニイト編クライマックス。
第26章 王家の猟犬
本日、完成いたしました。
何時でも投下できる状態になっております。
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:55:38.08 ID:63GcAiyAO
投弾と飛刀なら流石と高岡の要素だな
この結果だとブーンはクーに殺されても文句は言えないな
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:57:28.57 ID:UYe7RJBZO
連続投下だったら作者にアナル差し出す
>>187 乙!
ブーンは好きになれないが作品は好きだから今後も頑張ってくれ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:57:34.30 ID:YH7ikPrT0
>>181 白衣白面で暗躍してた時のブーンは、ツンを守る覚悟の下で動いてただろ。
ただ、いきなりたった一人の肉親が現われ、壮絶な過去の出来事と自分の生まれを知って
姉がどれだけつらい思いをしたか目にしたら簡単にどっちかなんて言えないだろ。
今回の戦闘だって流されたのもあるかもしれんが、自分が行かなかったら
他の奴が派遣されてツンは殺されるわけだから、なんとかそれを止めたくて行ったのもあるんじゃね。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:57:46.73 ID:MKjgs1l6O
乙!
>誠死ね
何ともいえずもやもやしてたのが
この一言で納得してしまったチクショウ
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:57:55.06 ID:9aLMVb9K0
クーに絞め殺されても文句は言えない
おつでした
ブーンについては今後に期待
だがクーを泣かせたらただじゃおかねえ
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:58:55.04 ID:peh4ee1HO
乙
飛刀と言ったらハインだがハインがこんなことするとは思えん
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:59:32.06 ID:9aLMVb9K0
誠ブーンならクーもツンも泣かせるに1000エソ
198 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/20(木) 23:59:56.87 ID:Sv3J2ZAL0
>>190 ほぅ。
よし、分かった。
5分休憩させてくれ。
3年ぶりの連続投下行くぞ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:00:39.50 ID:rHu7f5KLO
明日投下してサマー三国志参加者涙目にしてやればいい
キタ━━(゚∀゚)━━!!
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:01:00.95 ID:hr6ZMNe30
乙!
何時でも投下できるなら今見たい!
作者が疲れてないなら是非・・・・
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:01:08.17 ID:OptIQaGOO
乙でした
次回にもwktk
な、なんだってええええええええええ!
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:01:48.51 ID:YLCc53ogO
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:01:57.46 ID:CiZWf3uhO
乙!
ところで質問なんだが、海の民の所にいた妹者と流石兄弟の関連を示すような文ってあったっけ
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:04:11.22 ID:C12Kbx3TO
この話で読み手を引き付けて連続投下すごいですね
あこがれちゃうなー
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:04:21.42 ID:yoZclzng0
ブーンが更に誠氏ねになったら
クーとツンを泣かせた上レーゼリーゼにもフラグ立てるんだな
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:04:32.37 ID:xXVFPrYMO
なにいいいいいいィィ!!!?!?
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:04:37.37 ID:giW8BvotO
作者がそっち系だと聞いて飛んできました!
211 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:04:59.66 ID:dDhHtpy80
>>205 ないですね。
血縁でも全く無いし。
海の民の人間は名前が東方文字ってだけですから。
(兄者 弟者 妹者 渋沢 荒巻)
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:05:00.76 ID:1k5ofvqr0
>>190 グッジョブ!
>>192 うん、そういう描写があればよかったんだけどね
意外にもなかったしさ、だから皆の気持ちもわかるってこと
俺はヘタレなブーン好きなんだぜ
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:05:24.69 ID:v1GFgg+d0
>>205 流石兄弟が元々海の民だったって話ならあった
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:05:48.22 ID:fNKMgl5wO
ブーンはニイトにいる間、葛藤もそんなに見られなかったのがなぁ……。
それより、次だな。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:06:37.72 ID:OptIQaGOO
ハイパー絶倫タイム入りまーす
216 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:07:03.16 ID:dDhHtpy80
ハルヒが始まるまでに終わりますように。
行きますです
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:07:49.60 ID:psnbXKBoO
おまいら俺と俺のアナルに感謝しろよ
冗談はやめにして楽しみに待ってます
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:07:53.07 ID:xXVFPrYMO
ばっちこいやあああああああ
219 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:08:31.10 ID:dDhHtpy80
第26章 王家の猟犬
━━━━━ま、簡単に言うとよ。うちの陛下は相当ブチ切れてるワケだ。
━━━━━面白くも無いが、それには全く同意見だな。あの薄汚い野良猫の裏切りを私達は許しはしない。
(;^ω^)『……』
幕舎の奥に身を隠し、青年はそのやり取りに耳を傾けていた。
どこか間の抜けたような男の声は、かつて自分の上官であった者の声。
感情を押さえ込むように低い女の声は、自分の姉のそれである。
男から見えぬように、そっと顔を出す。
( ゚∀゚)『でもよ、考えてみてくれ。戦に負けたヴィップにとって、ニイトから出された和解案は渡りに船なんだぜ。
こいつを袖にするメリットが無い』
川 ゚ -゚)『メリットなら十分にあるだろう。何処の馬の骨とも知れん官女一人を犠牲に、
我が右腕とも言うべきレーゼに深手を負わせた。十分な動機だ』
( ゚∀゚)『だがよ、動機ならニイトにだってあるわけだろうが?
元々テメェらから停戦を持ち掛けるメリットがねぇ。本当にレーゼとか言う嬢ちゃんは怪我してんのか?』
川 ゚ -゚)『……どういう意味だ?』
( ゚∀゚)『例えばよ。ショボンや俺様が戦線離脱してればニイトは次の戦いでドンと有利になるって考えもあるって事だ。
希代の戦術家様ならそれくらい思いついても不思議はねぇし、ヴィップの陣中じゃ下級兵までそう噂してやがる。
出来れば、その嬢ちゃんを見舞わせてもらえるとありがたいんだがな?』
両方ともヒートアップしてますね
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:11:31.46 ID:C12Kbx3TO
ブーン始まったな
222 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:12:00.47 ID:dDhHtpy80
川 ゚ -゚)『断る。薄汚い野良猫の使者に、傷つき臥せった友を晒すつもりはない』
( ゚∀゚)『だよなぁ』
言ってジョルジュはさも困ったと言う風に短く切り揃えた頭を掻いてみせる。
その姿さえ不敵に見えるのは、この男らしいと言うべきか。
( ゚∀゚)『ぶっちゃけた話、俺様はこの戦いどちらにとっても得る物が無いと思ってる。
が、うちの王様はカンカンだし、兵もいきり立ってる状況だ。
出来る事ならニイトから譲歩してもらえると助かるんだがな』
軽口を叩いているようでいて、ジョルジュの視線には拒絶を許さぬ凄みがある。
しかし、クーはそれを正面から受け止めて見せた。
川 ゚ -゚)『【急先鋒】よ。私は後悔しているのだ』
( ゚∀゚)『……』
それは、それだけ彼女が怒りに震えている、と言う事で。
川 ゚ -゚)『何に後悔している、とでも聞きたそうだな。
それは勿論、貴様らに情けをかけてやった事に対してだ!!
去るが良い野良猫の使者よ!! その首、戦場まで身体に乗せておく事くらいは許してやろう!!』
この宣言によって、交渉は決裂に終わった。
もはや打つ手なし、と知ると勇将は敵王に一礼し、幕舎を後にする。
なんでブーンはこの状況で立ち聞きなんてしてんだよwwwwww
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:13:40.86 ID:yoZclzng0
ヘタレだから
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:13:51.51 ID:om5NEtBi0
連投とは
支援
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:14:10.10 ID:jISGiFRbO
なぁ作者俺をそんなに眠らせたくないのか?
支援
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:14:54.06 ID:va1rc+jk0
支援
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:15:13.90 ID:psnbXKBoO
26章はよくできたと聞いたからwktk支援
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:15:16.25 ID:yoZclzng0
クーもツンも完全に踊らされてるよな
第三者の漁夫の利が出てくるか
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:16:29.97 ID:OptIQaGOO
どうなるのホント
支援
俺も作者にアナルやるぜ!!
さっきうんこしたけど
>>229 ブーンが結果的にそいつらの手先だから困る
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:17:40.82 ID:Jd5XxhTSO
24章読んでない俺涙目
オムさん早めの更新お願いします!
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:17:48.86 ID:giW8BvotO
支援
235 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:17:55.23 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
( ゚∀゚)。oO(どうにもキナ臭ぇんだよなぁ)
誘導する下級将官の背を追いながら、陣中を観察する。
ニイトの兵は皆士気高く、擦れ違う者は彼に憎らしげな視線を送っていた。
この場にいる全ての者が、【神算子】レーゼを襲撃したと思しきヴィップを許さぬ思いで一杯なのだろう。
憎悪の念は誰か一人が一歩前に出れば、1000を越える者がジョルジュに襲い掛かるであろう程に強く。
それが為されないのも、ただジョルジュの身を包む猛将の気迫に押されているからに他ならない。
( ゚∀゚)。oO(それにしても、この空気……ヴィップとよく似てやがる)
元々、出兵に乗り気ではなかった彼だ。
観察者の立場になって全体を見渡すと、この戦いの全てが霧中にあるように感じ取れる。
まず、ニイトに加担した【白衣白面】ブーンの存在。
彼はクーについたかと思えば、前の戦いでツンを見逃すと言う不可解な行動に出ている。
不可解と言えば、ヴィップ内でのニイト討伐の声が異常に強かった事も納得できない。
外交上の接点を探るより早く民が暴走するなど、考えられぬ話だ。
『自らの意思で政に加われるようになった民が、その正しい使い方も分からずに暴走した』の一言で終わるとも思えぬ。
そして、今の状況。
糧秣を焼き本陣の襲撃まで成功させたニイトからの突然の和解提案。
それもおかしい話であったが、会談を阻止するかのように互いの使者が襲撃されたのは何故であろう?
ヴィップの兵は倒れたミセリの体の下から【金剛阿】兄者の使う投弾兵器の欠片を発見した。
ニイトの兵は、会談様幕舎の隅に【給士】ハインの使う飛刀を見つけ出したと言う。
なによりもこの襲撃事件によって昂ぶる兵達の間に流れる空気は。
ヴィップ城で民衆の一部が蜂起した時にあまりによく似ていた。
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:19:54.25 ID:xXVFPrYMO
ねむ支援
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:20:19.46 ID:yoZclzng0
意外と王よりも部下のほうが冷静ww
238 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:20:47.13 ID:dDhHtpy80
从*゚ー゚)『陣門に着きました、ヴィップの使者殿』
( ゚∀゚)『ん? おぅ、ありがとよ』
誘導してくれた礼だ、とでも言う風に百歩将の腕章をつけた女性将官の胸を軽く指で突いてやる。
ニイトの主力である【天馬騎士団】が全身を白銀で固めた女性騎士だけで作られている事は、前の戦で知った。
胸当てに阻まれてジョルジュの指が柔肉に届く事はなかったが、それでも女騎士は小さく悲鳴をあげて後ずさる。
それを確認してから、満足そうに白馬に飛び乗った。
( ゚∀゚)『戦場で会おうぜ、嬢ちゃん』
从#*゚皿゚)『二度と会いたくありませんっ!!』
背中に浴びせられる罵詈雑言を聞き流しながら、愛馬をヴィップ陣中に向かわせる。
思うのは、やはりあまりに不可解な事の顛末についてである。
まず、仮面の青年剣士ブーン。
彼は間違いなくヴィップの味方である。そうでなければツンを見逃す筈が無い。
それでもニイトに属しているのは、彼がただヴィップを勝たせるのではなく、戦そのものに納得していない事の表れだろう。
もし、ヴィップの勝利だけを考えるのであればクーを殺害してしまえば済む問題だから、である。
( ゚∀゚)。oO(……なんだがなぁ)
だが、それではブーンが何故ニイトに属しているのか、説明がつかない。
そればかりか、【白面】が戦に反対しているのであれば、誰が何の為に会談をぶち壊すような事をしたのか?
そこまで考え付けば、自ずと答えは導き出される。
諸兄らの中にもお気付きの者はいるだろう。
それは、つまり。
( ゚∀゚)。oO(……裏で暗躍してるヤツは……二人いる?)
>>237 どっちも大事な側近を傷つけられてるからな
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:22:12.26 ID:hr6ZMNe30
え?ハインはブーンの血筋の話ををビップ側に説明してないの??
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:22:33.50 ID:OptIQaGOO
しえん
>>240 しちゃったら最悪ブーン死ぬからじゃね?
支援!
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:24:34.12 ID:yoZclzng0
ニィト側でもおかしい事に気づいてるやつはいないのかw
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:24:54.79 ID:1k5ofvqr0
>>240 クーはしちゃってもよかったけどしなかったって事は作戦でもあるかもね
支援
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:25:01.63 ID:FvXW7ACfO
( ^ω^ )どうしてこうなった
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:26:24.17 ID:Ru6Pm2bZO
もともとブーンはショボンが勝手にニイトに送りだしてるからな
ショボンには話しただろうけどそこからはショボン次第だろうな
248 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:26:36.58 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
川 ゚ -゚)『くどいぞホライゾンっ!!』
( ω )『姉様っ!! お願いだから……お願いですからっ!!』
【急先鋒】ジョルジュが退出した直後。
幕舎に飛び込んできた弟の姿を見て、クーは即座に彼が何を言いに来たのか察した。
だが、その嘆願を聞き届けられる段階は既に過ぎてしまっている。
川 ゚ -゚)『ヴィップは我らが差し伸べた手を振り払った!! それどころか、爪を立て友を傷つけた!!
我らは戦わねばならない!! レーゼの身体に刃を突き立てた報いを億倍にして返してやらねばならない!!』
( ω )『それは……何かの間違い……』
川 ゚ -゚)『間違い?』
空気が凍る。
それに反して、クーの緑がかった瞳に怒りの炎が巻き起こった。
川#゚ -゚)『“何かの間違い”などと言うあやふやな物の為にレーゼは伏していると言うのかっ!!
その身に生涯消えぬ傷を負ったと言うのかっ!!
レーゼの身体に刻まれた傷!! それが全てだっ!!』
怒気冷めやらぬ声に青年は圧倒される。
そして。
川#゚ -゚)『兄者っ!!』
( ´_ゝ`)『うむ?』
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:27:26.08 ID:yoZclzng0
誰か頭に血が上ってる王をいさめてやれよ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:27:56.41 ID:hr6ZMNe30
状況把握には必須の情報だろうに・・・。
どんどん話がややこしくなっていく、まさにどうしてこうなった状態だな
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:29:06.90 ID:vEDSslNyO
しえ
252 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:29:43.75 ID:dDhHtpy80
川#゚ -゚)『ホライゾンを捕縛しろ』
( ω )『……っ!!』
クーの言葉が示す物。
それは、ブーンに対しての絶対的な拒絶で。
( ´_ゝ`)『……良いのか?』
川#゚ -゚)『ホライゾンは王たる私に一度ならず逆らった。
血を分けた弟とは言え、その罪は裁かれなければならない。
この戦い、ホライゾンの力は無用とする!!』
( ω )『姉様っ!! 僕はどうなっても良いから……お願いだかr』
しかし。
青年が言葉を終える事は無かった。
黒衣の隠密が、彼の首元に渾身の手刀を叩き落したのだ。
意識を失ったブーンは、四輪車に座す姉の足にすがりつく様にして崩れ落ちる。
( ´_ゝ`)『檻車に押し込んでおけ』
幕舎の外に待機する兵を呼びつけ命じた。
それから、顎に指を当て数秒考えてから口を開く。
( ´_ゝ`)『なぁ、クーよ。本当に良かったのか?』
ブーン
ツンにとって血筋的な意味で邪魔
クーにとって感情的な意味で邪魔
どうしてこうなった主人公……
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:31:45.14 ID:yoZclzng0
このままだとクーもツンも手痛い打撃受けるな
255 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:32:58.04 ID:dDhHtpy80
川 - )『……レーゼは』
重苦しく。ただ、言葉を吐いているだけとも思えぬほど重苦しく、クーは声を紡ぐ。
川 - )『レーゼも……私にとって家族なんだ。ホライゾンだけでなく、お前達も……ニイトの民全てが私にとっては
失う事の出来ない家族なんだ……。私は、家族を傷つける者を誰一人として許す事は出来ない。
私の全てをもって駆逐してみせる……』
思うのは、心底困り果てたとでも言いた気なレーゼの笑顔だ。
ひたすらにニイト再興を目指し進んできた自分と、能天気なリーゼ。
だが、レーゼがいてくれたからこそクーは己の理想に向けて駆け続けてこれたのだし、リーゼも笑っていられた。
その彼女を傷つける者は許せない。
許す訳にはいかない。
( ´_ゝ`)『だが、な。本当にレーゼを襲ったのがヴィップによる者だという確固たる証拠はない。
【急先鋒】の言うよう、動機としてはあまりに希薄だ。
今の貴様がしようとしている事は、単なる憂さ晴らし。八つ当たりにしか見えんのだがな』
川 - )『……それでも』
そう。それでも。
川 - )『山は動き出しているのだ。もう、止まる事は出来ん』
( ´_ゝ`)『歴史は勝者によってのみ語る事を許される、か。
確かに我らが勝てばこれからの戦は憂さ晴らしでも何でも無くなるからな。全く、大した名言だ』
クーだけではない。
ニイト陣中で声高に叫ばれるヴィップとの最終決着を望む声は、止まらない。
誰にも止める事は出来ない。
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:33:13.92 ID:BUfvawvB0
なんともカオスな状況になってきたな
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:33:41.82 ID:7rXkGgGC0
家族の割には無駄な戦ばっかりしてるな
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:34:33.20 ID:yoZclzng0
クーさんその後に第三者によって疲労したとこを攻め込まれます
やっべー
ブーンまさかのキラさん化が頭をよぎったわ
260 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:36:22.19 ID:dDhHtpy80
( ´_ゝ`)『ならば、我ら兄弟は陣に残ろう。今の貴様は冷静さを欠いているからな』
川 ゚ -゚)『なんだと? それはどう言う意味だ』
突き刺さる視線を兄者はひょいと避わす。
( ´_ゝ`)『貴様の弟が連れていた、輸送隊荒らし部隊。その存在すら忘れているのだろう?
少数とは言え、死角を突かれる可能性もある。
この時とばかりに銀髪君の奪還に動くやも知れぬ。
その時、我ら兄弟以外に誰が太刀打ちできるのだ?』
川;゚ -゚)『……あ』
その言葉でクーは自分がいかに熱くなっていたかを知る。
と、同時にこのような時、常に諌めてくれたミルクティー色の髪を思い浮かべるのだ。
( ´_ゝ`)『どうせ、もう止まらぬのだろう?
ならば、行け。後ろは我らに任せて、とっとと行くが良い』
川 ゚ -゚)『……すまぬ』
一言だけ詫びると、クーは一人の騎士を呼びつけた。
全軍に向けての通達を告げる。
川 ゚ -゚)『これより、ヴィップのツン=デレと最終決戦に出る!!
小細工の類は無用!! 正面より我ら全軍の怒りをぶつける物とする!!
【斬見殺】を持て!! この戦い、私自ら先頭に立つぞ!!』
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:36:32.30 ID:xXVFPrYMO
ニイト側で冷静なの兄者くらいじゃねーか
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:36:51.28 ID:yoZclzng0
というかブーンこういうときこそお前の出番だろ
姉に泣きすがってるよりやる事はあるだろ
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:36:56.27 ID:BUfvawvB0
やべえフラグ立ったな
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:38:11.60 ID:hr6ZMNe30
あーあ・・・
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:38:32.01 ID:yoZclzng0
ヴィップでどれぐらい冷静なのがいるかね
ツンは無理だとしても
266 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:38:42.04 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
ξ゚−゚)ξ『ミセリ……』
ミセ* − )リ『……』
【金獅子王】ツン=デレの前では、一人の官女が寝台に横たわっていた。
規則正しく胸は上下しているものの、小さな身体中に巻かれた包帯が痛々しい。
意識は回復せず、時折濡らした布を唇に当てて水分を与えてやらねばならなかった。
(´・ω・`)『今、ジョルジュが戻ったよ。交渉は失敗に終わったそうだ』
ξ゚−゚)ξ『……そう』
陣中で囁かれるのは、今回の襲撃がミセリではなく、上級将官を狙ってのものだ、と言う声だ。
中には、襲われたのがヴィップの頭脳とも言えるショボンや勇将ジョルジュでなくて良かった、と言う者もいる。
しかし、ツンはそうは思わなかった。
この色とりどりの花飾りを髪につけた官女とは、ともに幼い日からの付き合いである。
王都で【沈黙の塔】で窓の外だけを眺めて暮らしていた時も。
流石兄弟によって拉致され、彼らの元を逃げ出した時も。
ギムレットの台地に来てからも、常にミセリはツンの側にいてくれた。
その彼女が今、ここに伏せっている。
軍医は生命の心配はいらぬと告げてはいたが、それが何の慰みになろうか?
許さない。
誰であろうと許す事は出来ない。
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:39:27.97 ID:Ru6Pm2bZO
ショボンは期待できそうにないな
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:40:36.46 ID:yoZclzng0
両国相打ちになるかブーンがココで活躍できて止めれるかどっちかだな
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:41:08.94 ID:OptIQaGOO
支援しえん
270 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:41:48.86 ID:dDhHtpy80
(´・ω・`)『ジョルジュが言うにはね。ニイト城のエドワードが何者かに暗殺された、とニイト軍で囁かれているそうだ。
これが事実だとすれば、僕達がニイトに攻め入っている理由は無くなる。
辛いだろうけど、僕らは早急にヴィップに戻るべきだと思うんだ』
ξ )ξ『理由? そんなものはこれ以上いらないわ』
言って、獅子王はゆらりと立ち上がった。
黄金の髪が怒りにざわ、と揺れる。
ξ )ξ『すでに幕は開かれた。多くの血が流れた。
雌雄を決するには、これだけで十分すぎるでしょう』
(´・ω・`)『……そうだね』
ここに来て【天智星】ショボンは気づいていた。
影で動いている者は、自分だけではない。
彼が動かしていた【白衣白面】など、とうに端役に過ぎず。
不愉快な戯曲を奏でている者がどこかにいる。
ξ )ξ『全将兵に告げなさい。これよりヴィップはニイトとの血戦に臨みます。
全てをこの一戦で終わらせましょう』
(´・ω・`)『……分かった』
一言告げて、ショボンは王の幕舎を出る。
そして思った。
(´・ω・`)。oO(僕は負けた……でも、それは決して【無限陣】に敗れたのではない)
姿無き影に負けたのだ、と。
せめてハインがまともな状態なら望みはあるかもな
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:43:25.32 ID:xXVFPrYMO
だめだこりゃー
ツンデレいくらなんでも振り切れすぎwwwwwwwww
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:43:57.48 ID:yoZclzng0
さてここで得をするのは誰だ?
ほかの国メシウマだな
支援です
277 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:44:54.41 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
川 ゚ -゚)『……』
ξ゚听)ξ『……』
陽光照らす国境に、二人の王が対峙した。
一人は赤黒い義足を地に付けた、白き狼ニイト=クール。
一人は黄金の馬に跨った、黄金の獅子ツン=デレ。
彼女達の背後では、ニイト軍3500・ヴィップ軍5000の兵士が殺意に目を爛々と輝かせている。
ξ゚听)ξ『ニイト=クール』
舌戦の口火を切ったのは、ツンだ。
ξ゚听)ξ『野に生きる山犬が獅子に背いた罪は重い。
この戦いでその愚かさを身に染み付かせてあげましょう』
川 ゚ -゚)『獅子だと? 勘違いも甚だしい。笑わせるな』
静かに。だが、ありったけの思いを込めてクーが返す。
川 ゚ -゚)『野良猫が己の縄張りだけ守っていれば見逃してやったものを。
その思いあがり、命と言う代価で償わせてやろう』
これで“儀式”は終わった。
両軍の兵士は呼吸すら殺して、次にかかるであろう命を待つ。
そして、ついに。
ξ#゚听)ξ『 全 軍 突 撃 せ よ ! ! ! ! ! 』(゚- ゚#川
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:45:25.32 ID:yoZclzng0
この状態だと戦中かこの後にヴィップ強襲されないか?
279 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:48:37.52 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(#,,゚Д゚)『ゴルァァァァァァァァァァァッ!!!!!』
この日、最も速くニイト軍に切り込んだ者。
それは、【急先鋒】の異名を持つ者でなく、血戦の場にあっても背中の彫り物をさらけ出した剣士だった。
すんぐりとした身体を更に低く沈めた男は、さながら小さな土石流のようだ。
東方の業物を振るえば、それだけでニイト兵の首が宙に舞う。
ニイト'A)『一人で行くな!! 複数で当たらねば止められぬぞ!!』
ギコを手強いと見た戦士が指示を出す。
同時に三方から短槍を手にしたニイト兵が襲いかかった。
だが。
(#,,゚Д゚)『ゴルァルァルァァァァァァッ!!』
放たれた神速の三段突き。
漆黒の長刀は槍と刀の有利不利など意に介さず、相する者の命を奪い去る。
( ,,゚Д゚)『判断は悪くなかったぜゴルァ』
すれ違い様に、先の戦士の胴を横に薙いだ。
鉄貼りの甲冑を容易く切断され、血を吹き出させながら男はどう、と倒れこむ。
( ,,゚Д゚)『畜生、何やってやがる猪馬鹿!! 戦が始まったら何も考えず突っ込むのがテメェの仕事だろうが!!』
ひとり語ち、左翼に目を向けた。
そこでは、【急先鋒】ジョルジュと【紅飛燕】しぃが【天馬騎士団】とぶつかっている。
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:49:31.67 ID:yoZclzng0
これでブーンまだグダグダしてたら完全にクズだな
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:49:42.70 ID:jISGiFRbO
難しいことわからないからとりあえず支援
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:49:47.49 ID:7O9V7iWg0
予想はそろそろよそうか
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:50:15.61 ID:Ru6Pm2bZO
ジョルジュと兄者がどう動くか
285 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:51:34.10 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
爪#゚∀゚)『やはーーーーーーーーーーっ!!』
ノハ#゚听)『うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
中央に切り込んでいたのは、九竜の剣士だけではない。
ギコと同じく歩兵の先頭に立ってニイト軍に飛び込んだヒートは、【金槍手】リーゼと遭遇・戦闘に入っていた。
燃える様に赤い髪と涼しげな紅茶色の髪が幾度も交差する。
この時ヒートは、細やかに突き出されるリーゼの大槍をようやく腋に抱え捕まえたところであった。
おおよそ【第六天魔王】ダディとの一騎討ちの再現のような態勢である。
だが。
ノハ;゚听)『わわわわわわわっ!?』
その膂力はダディよりも遥かにリーゼが勝っていたようだ。
まるで一本釣りのように軽く投げ飛ばされてしまう。
体を丸め猫のように着地。すぐさま立ち上がった。
爪゚∀゚)『っはーーーーーーーーーっ!!』
追撃が来る。
ならば。
ノパ听)『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!』
背中から鉄製の強弓を引き抜き、矢を絞る。
放たれた矢はリーゼの髪を数本引き裂き、同時に振るわれた大槍もまたヒートの髪をかすめた。
そのまま交差し、距離を空け振り返る。
そして両雄は再び叫び声と同時に大地を蹴った。
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:52:25.38 ID:yoZclzng0
あした仕事あるしそろそろ限界だ最終支援
287 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:53:52.48 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(;゚∀゚)『それにしても、あいつらウルセェな……ここからでも居場所が分かっちまうぜ』
ヴィップ軍左翼に軍を展開したジョルジュは思わずぼやいていた。
正面高台に陣取った【天馬騎士団】から降り注がれる矢の雨の中。
まるで涼風でもかわすかのように、降りしきる矢を風車のように回転させた大鎌で払い落としていく。
進軍の合図がかかるや否や。ジョルジュは白狼の大旗を追うように、この位置に騎馬隊を進めた。
先の戦では、この地に誘導された為動きを封じられた場所である。
にもかかわらず、彼は舞台をここに選んだ。
何故か?
( ゚∀゚)『テメェら、耐え凌げよ!! ここが崩れたら一気に崩れるぞ!!』
それが理由である。
高台に隊を向けた【天馬騎士団】。
もし、傾斜を駆け下りる勢いを利用されたら、中央を一息に突破されかねない。
故に彼はこの地を戦場に選んだのだ。
(*゚ー゚)『行く』
そして、彼にとって心強かったのは共に左翼に進軍した【紅飛燕】しぃの存在である。
300の騎兵を連れた彼女は、ただ防戦に回るのではなく、小まめに隊を分散させてはニイト軍に攻撃を仕掛けていた。
狙いを定めさせぬ様に隊を分け、かと思えばニイト軍の手薄な場所で隊を集中させる。
地味ではあるが堅実な用兵は、数度にわたって【天馬騎士団】を後退させた。
薔薇゚∀゚)『将軍!!』
外套を返り血で染め上げた騎士がジョルジュの元に駆け寄って来たのはこの時である。
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:55:06.91 ID:FvXW7ACfO
支援
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:56:45.00 ID:xXVFPrYMO
支援!
290 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 00:57:26.97 ID:dDhHtpy80
( ゚∀゚)『へへ、居なかったか。やっぱりな』
騎士の報告を聞いたジョルジュは、にやりと片頬を持ち上げた。
まだ若いが、ジョルジュがリーマンに属していた頃からの部下である。
危険を冒して戦場全体を駆け巡らせ掴んだ情報は、彼にとって万金の価値がある物だった。
(*゚ー゚)『なに?』
【天馬騎士団】を後退させ帰還した女騎士が尋ねる。
( ゚∀゚)『いや、な。もしかしたら……もしかするかもしれねぇ、ってだけさ』
(*゚−゚)『意味が分からない』
湖の奥底のような冷たい目で睨まれても、【急先鋒】は嬉しそうな笑みを隠さない。
( ゚∀゚)『いいか、テメェら!! 今はこの地を守り通せ!! 俺様達が動く時は必ず来る!!』
このニイトとの戦いにおいて、【急先鋒】ジョルジュの先見の明は神がかっていた。
今、【天馬騎士団】を足止めし、尚且つ力を蓄えるというのは常人に出来る事ではない。
ただ、一つ見落としがあるとすれば。
【天馬騎士団】が掲げる白狼の大旗。
その下に、足止めしている筈の【無限陣】クーの姿が無かった事である。
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:58:39.84 ID:OptIQaGOO
dkdkしえん
いなかったってのはクーのことじゃないのか
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 00:59:53.90 ID:yoZclzng0
ブーンのことだろ
294 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:00:35.18 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
兵;´∀)『来たぞ!! 陛下に近寄らせるなっ!!』
叫んだ兵の顔半分が突如消え去った。
胴体に残った下顎から血を垂れ流し、ドウと倒れる。
血に染まり、その赤を更に深めた鉄の足が、地に転がる顔の上部を胡桃でも割るかのように容易く踏み砕いた。
【赤髪鬼】ヒートが【金槍手】リーゼに敗れたとの報が入り、
指揮官不在となった歩兵部隊に【天智星】ショボンが向かった直後である。
本陣中央付近に集合していたヴィップ兵が、何の前触れもなく味方に切りかかった。
咄嗟に反応できぬヴィップ兵を数人殺害した兵達は外套を脱ぎ捨て、隠し持っていた旗を高く掲げる。
兵;,゚Д゚)『なっ!? ニイトの旗だと!?』
VIP'A`)『いつの間に潜んでやがったんだ!?』
慌てふためき振り下ろした刃は、ニイト兵の先頭に立つ女の足が一閃されると、枯れ枝のように砕け散った。
彼らがそこに見た物は鋼鉄の義足。
兵;,゚Д゚)『そんな馬鹿な!! 貴様が何故こんな所に!!』
その声を軽く聞き流し、女は乱れた髪をふわりと背に流す。
川 ゚ -゚)『無論、ツン=デレの首を取る為。無益な殺生は好みでないが、野良猫も一匹で冥土を歩むは寂しかろう。
旅路の共をしたくば我が前に立つが良い』
【黄金獅子】ツン=デレと【白狼】ニイト=クール。
二人の距離は歩数にして100にまで近づいていた。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:01:07.70 ID:Uv4t1dYSO
支援!
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:01:47.00 ID:7rXkGgGC0
いや無益な殺生大好きでしょ
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:02:03.68 ID:yoZclzng0
ああああ気になって眠れない支援
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:03:44.52 ID:FvXW7ACfO
一般兵にドクオとギコがまぎれこんでるwww
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:05:02.64 ID:OptIQaGOO
ここで大将対決とな
301 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:05:29.84 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(#゚ω゚)『くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!! ここを開けろ!! 僕をここから出せおぉっ!!』
必死に叫び、鉄格子を揺すった。
しかし、手足もろくに伸ばせぬような檻車の中では出せる力など限られている。
どれほど力を込めようとも、それはただガチャガチャと耳障りな音を立てるだけだった。
( ω )『くそ……どうして……なんでなんだお……』
彼方に見えるは、人馬の捲き起こす土煙。
この場にあってもなお、鉄くさい血臭が嗅ぎ取れる気がした。
今。あの土煙の下では、彼の大切な人達が剣を交えあっている。
( ω )『僕には……どうする事も出来ないのかお……?』
誰よりも大切な友、ツン=デレ。
彼女を影から護る為に、死を装い側を離れた。
ニイトの地では自身を弟と呼ぶ女性や新たな友と出会って。
だが、姉は過去の悲しみからヴィップの友を憎んでいた。
クーの悲しみを知り、だからこそヴィップの友にも心を開いて欲しくて、ニイトに残った。
そして。どうしても争わなければならぬ意味も分からぬまま、戦争が始まった。
ツンとクー。
どちらかだけを選ぶ事などしたくなかった。
大切な二人。共に手を取り合って欲しかった。
しかし、それも適わず、二人は命を奪い合おうとしている。
( ω )『そんなの……そんなの嫌だお……』
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:05:47.17 ID:yoZclzng0
大将の近くに武将配置してないとか・・・
ブーンダメ男くん
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:07:44.54 ID:yoZclzng0
嫌なら泣きすがったり場に流されずに行動しとけよ
戦わないブーンはただの豚
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:08:43.66 ID:VhbLNMetO
みんな手厳しいな
307 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:09:29.43 ID:dDhHtpy80
???『ふむ。嫌ならばどうする、銀髪君』
背後からかけられた声に振り向いた。
眼前の光景にしか目が行っていなかったが、彼はおそらくずっとそこに居たのだろう。
地べたに胡坐をかいて座り、ジッと彼を見つめていた。
( ゚ω゚)『……兄者』
( ´_ゝ`)『嫌ならばどうするのだ? 英雄モララーの血を引く者よ。
すでに全ては終局に近づきつつある。
立ち上がるか? それとも、またいつかの様に泣いて丸く治めるか?』
立ち上がり、二歩三歩と近づく。
その細く小さな瞳は、悲しげな覚悟に染め上げられていて。
( ´_ゝ`)『貴様には貴様にしか持てぬ力があるだろう、二人目の王位継承権を持つ者よ。
覚悟を決めれば、クーもツン=デレも救えるのだ。
もし、貴様が魔道を歩むならば……煽った義務だ。この俺もそれに従おう』
この場において兄者は敢えて回りくどい言葉を選んだ。
それは、青年自らの口で答えを聞きたかったからである。
強制では意味が無い。
一時の感情に流されての決断では、いつか思い描いた理想は磨耗する。
ニイト=ホライゾン自身の意思で道を選び、駆けていかねばならない。
( ω )『……それは……僕に王様になれって言う事かお?』
( ´_ゝ`)『……今からでも遅くない。
【夢幻剣塵】モララーと王妹ペニサスの子として。もう一人の王として戦に介入するのだ。
それであれば、ヴィップの兵もニイトの兵も一人として貴様に手は出せぬ。二人を止める事が出来る』
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:09:45.23 ID:FvXW7ACfO
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:09:53.26 ID:OptIQaGOO
これからだ支援
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:10:15.69 ID:yoZclzng0
>>306 本当に駄目なやつには厳しくしないさ
きっとこれから活躍するだろうという希望もこめてる
マダオのまんまだったらどうしようもないが
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:11:53.85 ID:giW8BvotO
ブーン表に出るなら熱いね
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:12:21.19 ID:Y79h6rdI0
クー様支援
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:12:32.46 ID:yoZclzng0
これで兄者に流されて王になったら最悪だww
何が魔道だよ
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:13:13.63 ID:jISGiFRbO
兄者かっこええ支援
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:13:41.06 ID:BUfvawvB0
兄者の思惑通りになるんだろうか
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:14:33.31 ID:Ru6Pm2bZO
>>308 クーもツンも後ろで見てるだけでいるには済まないところまで来てるからな
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:15:36.88 ID:nCsZd/0+O
しかし兄者は格好いいなw
318 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:15:57.25 ID:dDhHtpy80
( ω )『兄者は……どうして僕をそんなに王様にしたがるんだお?』
その質問は、きっと隠密には予測できていたのだろう。
広い青空を見上げ、呟くように漏らす。
( ´_ゝ`)『……妹が、な』
( ω )『お?』
( ´_ゝ`)『きっと、今も泣いているんだ。己の罪と無力さに涙を流しているんだ。
クーやツン=デレが自分の家族を傷つけた者を許さぬように。
俺はアレに泣き止んで欲しい。そして、アレに涙を流させた者を許したくない』
( ω )『……』
( ´_ゝ`)『俺は。アレを泣かせた者をぶん殴る為なら何でもするつもりだ。例え、友を裏切る事になろうとな』
兄者とハインの関係を知らぬブーンには、その言葉は酷くあいまいに聞こえる。
だが、それでも理解できるのは兄者が彼にしか分からぬ覚悟を決めているという事。
その姿は、かつての親友の姿とどこか似ていて。
( ω )『分かったお、兄者。僕はこれから、この戦争に突撃する。二人を……止めてみせるお』
( ´_ゝ`)『そうか……すまない。ならば、俺も貴様と共に魔道に堕ちよう』
その姿も。その言葉も。どこか似ていて。
決意する。
故に、青年は言うのだ。
( ^ω^)『だが。断る』
わっふー
ブーンやるじゃん
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:17:30.60 ID:yoZclzng0
ほう・・・ここにきてやるのか?ブーン
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:17:43.69 ID:Ru6Pm2bZO
よく言った!
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:18:31.31 ID:Dc+5UHa7O
きたっ……!
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:18:37.12 ID:FvXW7ACfO
ブーン?
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:18:39.57 ID:yoZclzng0
寝坊覚悟の支援
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:18:45.17 ID:OptIQaGOO
おおっとおおぉぉお!?
支援しえん支援!
支援なのだよ!
327 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:20:31.37 ID:dDhHtpy80
(;´_ゝ`)『は?』
( ^ω^)『兄者の言葉を聞いて思い出した。気づいたんだお』
予想だにしなかった答えに、兄者は思わず口を半開きにしてしまう。
それを横目にブーンは言葉を繋げた。その顔は何故だか晴れやかで。
思い出したのだ。全てを捨てて修羅に生きると宣言した友の前で、自分が何を誓ったか、を。
( ^ω^)『僕が王様になって、力づくで二人に握手をさせて。それで本当に全員笑ってくれるのかお?
ヴィップに住む人も、ニイトに住む人も。みんな笑っていられるのかお?
誰も笑っていないのに、姉様もツンも笑えるのかお? きっとそれは……本当に二人を護ったとは言えないんだお』
(;´_ゝ`)『……全てを護る、とでも言うのか? そんな事は不可能だ』
( ^ω^)『誰一人笑っていないのに、兄者の大切な人は笑ってくれるのかお?』
(;´_ゝ`)『……っ!!』
それで兄者は気がついた。
罪の意識に苛まれるハインリッヒが、クーとツンが上辺だけの和解をしたとして解放される筈が無い。
きっと彼女もまた上辺だけの微笑みを浮かべて生き続ける事になる。
( ^ω^)『僕は全てを護ってみせる。この戦いを終わらせてみせる。その為になら……』
(;´_ゝ`)『貴様……死ぬぞ』
英雄の威光も王族の権威もかなぐり捨てた単身戦場突破。
それは正気の沙汰でなく、狂気に等しい。それでも青年は笑って言うのだ。
( ^ω^)『命を捨てる価値があるお』
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:22:06.02 ID:C12Kbx3TO
ついに頭が飛んだ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:22:53.42 ID:yoZclzng0
よく言ったよく流されなかったな
成長すると信じてた
俺も・・・安心して・・・眠れる・・・
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:23:08.19 ID:nCsZd/0+O
ブーンが漢に…
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:24:29.75 ID:T/FE/ET5O
しえーん
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:24:35.38 ID:FvXW7ACfO
ヘタレとか言ってすいませんでしたwww
333 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:24:56.73 ID:dDhHtpy80
(;´_ゝ`)『……』
( ^ω^)『……』
( ,_ゝ )『……く』
青年の言葉を聞いた兄者は、突如檻車に背を向けた。
その肩が小刻みに震えている。
(;^ω^)『あ、あの、兄者?』
( ,_ゝ )『く……くくくっ……』
俯き、額を押さえるようにして兄者は笑っていた。
目的の為に手段を選ばず。
捨てれば捨てるほど強くなれると思っていた。
だが、目の前で格子に囲まれた男は、全てを護る事を誓い、その癖一番大事なはずの己の命は捨てる覚悟があるという。
( ,_ゝ )『矛盾しているぞ、銀髪君。覚悟があるのは良い事だが、貴様が死んで笑顔を失くす者もいるのではないか?』
(;^ω^)『あ』
指摘されて初めて自論の綻びに気づいたのだろう。
腕を組み、何秒かうんうんと唸ってから。
(;^ω^)『そ、それなら死んでも生き返ってみせるお!!
元々僕は死んだ事になってるんだし、ツンの前でもちゃんと生き返らなきゃだし……』
( ,_ゝ )『意味が分からんぞ、貴様』
支援支援
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:26:17.57 ID:vJAOzqv7O
たて!たつんだブーン!!!!!!!!!!!!
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:27:26.90 ID:FvXW7ACfO
支援
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:27:44.91 ID:OptIQaGOO
支援す
338 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:28:31.01 ID:dDhHtpy80
全てを護る為に、命を捨てる。
口に出すだけのも躊躇われる綺麗事を、きっと青年は真剣に思っているのだろう。
二律背反。両立しない生き方こそ、彼が辿り着いた答えなのだろう。
それは1つを護る為に100を捨ててきた兄者とは、正反対の生き方で。
しかし兄者は今。その生き方に光を見た。
たった1つを護る為に全てを捨てる、ちっぽけな勇気で無く。
たった1つを護る為に全てを護る、笑い出したくなる程に大きな勇気を。
きっと、それこそが【射手】と決別したハインリッヒの持つ強さなのだ。
(;^ω^)『あ、あの、兄者?』
( ´_ゝ`)『ニイト=ホライゾン』
突如真顔になった隠密は、片膝を大地につき、低く頭を下げた。
( ´_ゝ`)『だが、俺も貴様の言葉を拒絶しよう。俺も貴様と共に行く。
俺も全てを護るため。貴様と共に戦ってみせよう』
見張りに立っていた【金剛吽】弟者が駆け寄ってきたのは、ちょうどその時である。
(´<_`;)『兄者!! ニイト城の方角から敵襲だ!! その数、騎馬にしておよそ100!!』
その言葉に兄者は、ニヤリと笑う。
シナリオこそ彼の思い浮かべていた物と大いに変わってしまった。が、タイミング的には予想通りだ。
( ´_ゝ`)『構わん!! 迎え入れてやれ、弟者よ!! 奴らは貴重な戦力だ!!
それより、戦闘の準備をしろ!! これより、第二回犬耳祭の開催だ!!』
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:29:01.20 ID:VhbLNMetO
なんか急にブーンもだけど
お前らがカッコ良く見えてきた
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:29:36.29 ID:xXVFPrYMO
兄者が大人すぎる
かっけぇよ支援
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:32:17.61 ID:OptIQaGOO
何と言う好展開
支援
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:32:39.00 ID:FvXW7ACfO
犬耳祭キターwww
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:33:01.75 ID:nCsZd/0+O
こいつら皆カッケェwww
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:33:10.36 ID:vJAOzqv7O
猟犬ktkr
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:33:21.22 ID:jISGiFRbO
これは熱くなりそうな予感支援
346 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:34:47.40 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(;´_ゝ`)『……とは言え。何の策も無いのでは無駄死にに終わるぞ……』
陣を出た彼らは、ニイト軍の背を迂回。
北方に進んでいた。
ちょうど両軍歩兵部隊がぶつかり合っている付近に小高い丘を見つけ、腹ばいになって戦場を観察する。
( ´_ゝ`)『まだツン=デレもクーも討たれてはいないようだが……
それでも両軍併せて最低5000は戦闘可能と見ていいだろうな』
(,,^ ^)『軽く50倍っすねwwwwサーセンwwww』
【金剛阿吽】流石兄弟とブーン。それに【鉄牛】プギャーによって救出されニイト城から駆けつけた白面兵100。
それが彼らの全兵力だった。
ヴィップ・ニイトが共に疲労し【白衣白面】が皆勇猛な戦士であろうと、まともに当たったのでは勝ち目が無い。
広大な湖に一滴の色水を落とした程度の影響しか戦況に与えないだろう。
( ´_ゝ`)『【天馬騎士団】は……乱戦に紛れているようだな。
元々歩兵はニイトの方が少なかった。大方、その穴埋めと言う所だろう』
(;,^ ^)『つか、あそこで戦から外れてるのって【薔薇】っすよねwwww何で傍観してるんすかwwww』
( ´_ゝ`)『知るか。だが、もし【薔薇】に妨害されたら相当厳しい事になるぞ。
それを踏まえて、どうするのだ? ブーンよ。何か考えはあるのか?』
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:37:41.01 ID:FvXW7ACfO
ブーンwww
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:37:43.61 ID:xXVFPrYMO
共闘キタ――(゚∀゚)――!!
349 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:39:30.38 ID:dDhHtpy80
( ゚ ゚)『策なんかいらないお。やる事は一つ。みんなは出来る限り道を開いてくれればいいお。
無理に戦う必要はないから、作った持ち場を守る事だけ考えてくださいお』
幽鬼の面に素顔を隠した青年は、髪の染め粉を落とし銀髪に戻っている。
雪のような白装束に身を包んでいた。
( ゚ ゚)『そうすれば……あとは僕が止める。
止められる筈だったのに止めなかった。それで沢山の人が傷ついた。
この戦い、僕が必ず止めてみせますお』
( ´_ゝ`)『とは言え、この人数で作れる道などタカが知れているだろう。
もし、瞬歩で切り抜けるとしても貴様の瞬歩ではそれ程の距離は駆けれぬ筈だ。
何より、障害物だらけの戦場で直線移動しか出来ぬ貴様に何が出来る?』
兄者の言葉は厳しいが、それは青年を否定したいが為の物ではない。
最後の最後に拾い上げた可能性をふいにせぬが為なのだ。
(,,^ ^)『……って、お前さん。まさかとは思うが“鍵”を使う気じゃねぇだろうな?』
( ´_ゝ`)『“鍵”?』
( ゚ ゚)『……』
この場合、沈黙は肯定の同意語である。
“鍵”と言う単語に兄者は覚えが無かったが、この時この場合、青年が何をしようとしているかは察する事が出来た。
(;´_ゝ`)『!! まさか、限界解放か!?』
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:42:42.27 ID:7O9V7iWg0
エクシーーーーード!!
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:43:16.90 ID:giW8BvotO
限界突破オーバーゼ……
サーセンwwwwww
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:45:04.19 ID:FvXW7ACfO
しえん
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:45:39.92 ID:Pd12mqE50
支援
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:45:55.96 ID:Y50i59QDO
支援
355 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:46:57.21 ID:dDhHtpy80
(´<_` )『限界解放?』
( ´_ゝ`)『何だ、弟者知らんのか……と言っても我らには元々無縁の話だからな。
いいだろう。説明してやる』
瞬歩法のメカニズムとは、脳が肉体が破損せぬよう定めたリミッターを意識的に解除してやる事にある。
ただ、このリミッターが完全に振り切れた状態だけでしか発動出来ぬのであれば
数度の使用を待たずして肉体が先に破壊されてしまうから、
身体が破損しないギリギリまで力を抑える必要が出て来る。
つまりは、この最後の過程を取り払い、文字通り己の命を削り発動される瞬歩法のこそが。
かつて、キュラソー解放戦で瞬歩に開眼した青年が力の抑制も出来ず発動させた力こそが……
(;´_ゝ`)『考え直せ、ブーン!! 限界解放など使ったら待っているのは運が良くても廃人生活だぞ!!』
( ^pゝ^)『ぱしへろんだすwwwwwwあうあうあーwwwwwww』
(;´_ゝ`)『とか言って生涯過ごす事になるんだぞ!!』
( ゚ ゚)『ハインさんは……あと3回までって言っていましたお。……それに』
(#´_ゝ`)『「……それに」、の後は何だ!! 「きめぇwwww」とか言ったら只じゃおかんぞ!!』
( ゚ ゚)『……僕は、命を捨てる覚悟だって最初から言ってある筈ですお』
それの言葉を聞いて暫くは唖然としていた兄者であったが、
これ以上は無駄と知ってガックリと肩を落とした。
肩にぽんと手を置かれ振り返る。
(,,^ ^)『やめとけって。あーなったら大将は梃子でも動かねぇよ』
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:48:39.40 ID:OptIQaGOO
兄w者ww 無理があるww
兄者の顔www
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:49:13.89 ID:jISGiFRbO
限界突破と読みそうだった支援
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:49:23.52 ID:7oFNl3Ex0
兄者のキャラが定まらんな
360 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:50:25.43 ID:dDhHtpy80
(;´_ゝ`)『全く……姉弟揃って頑固者とは……厄介なところばかり似おって』
(;゚ ゚)『すまんですお』
(,,^ ^)『ま、言っても今更だな。それよりお前さん達、声でか過ぎだ。
【薔薇】に気づかれたぜ』
プギャーの言葉を聞いて、二人はやや西方に隊を構える騎士団に目を送る。
なるほど、数人の騎士達がこちらを指差して何やら騒いでいた。
(,,^ ^)『何を言っても無駄なら、ここに何時までも寝転がってるのはただの時間の無駄っすねwwwwサーセンwwww』
皆、筋骨隆々とした白面剣士の言葉に異論を挟む余地は無く。
( ´_ゝ`)『良いか、貴様ら。ヴィップとニイトに住まう全ての者の明日をかけた一戦だ。
格好良く死のうなどと思うなよ。足掻き、生き残り、持ち場を死守するんだ』
Λ_Λ
(゚<_ ゚ )『100対5000か……犬耳祭の前座には丁度良い。血が滾るわ』
(;,^ ^)『……』
弟者の頭にいつの間にか乗せられている物体については、誰もが何も言おうとしなかった。
視線を交え、コクリと頷くと【猟犬】を先頭に立ち上がる。
(#´_ゝ`)『行くぞ!! 我らが拳と刃もて、全てを護ってみせよ!!』
(#,^ ^)『応!!!!!!!!!!!!!』
叫ぶと同時に、この戦場に生まれた第三の勢力が両軍の中に駆け込んでいく。
目指すは、戦場の中央。二人の王が接触しようとしている、その一点のみ━━━━━。
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:50:35.87 ID:giW8BvotO
(^q^)ぱしへろんだすwwwwwx
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:52:11.79 ID:m8dfP5ezO
弟者wwwwwww
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:52:15.12 ID:giW8BvotO
猫耳…じゃなかった犬耳www
あと目が逝ってるwww
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:53:19.50 ID:FvXW7ACfO
弟者www
365 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:55:12.90 ID:dDhHtpy80
( ゚ ゚)『みんな。少しの間だけ、頼むお』
一人、高台に残った青年の目もまた、戦場の中心に注がれていた。
黄金の髪と緑がかった黒髪が近づきつつある。
( ゚ ゚)『……ツン……姉様。今、行くお』
陽光を全身に浴びるように全身を“大”の字に広げ、瞼を閉じる。
ゆっくりと息を吸い込み、丹田に気を集中させる。
( ‐ ‐)『……』
深く深く、己の内面に潜っていく。
無意識下で肉体に制限をかけている扉に近づいていく。
身体を削る行為に恐怖を感じぬわけではない。
が、恐れや戸惑いは別の感情が押し潰す。
( ‐ ‐)『……』
ただ、立っているだけで青年の足元で小石が爆ぜ飛んだ。
ゆっくりと、静かに立ち昇る風が、砂を巻き上げる。
しかし、まだまだ足りない。
自身が心の、もっとも深い場所にまで身を沈めていかねばならない。
そして、吐き出される言葉は━━━━━
( ‐ ‐)『我は……猟犬なり』
【白衣白面】の代名詞。突撃の詩。
弟者が限界突破したwwww
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:56:05.78 ID:vJAOzqv7O
うはwww
熱すぎるwwww
368 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 01:59:30.71 ID:dDhHtpy80
( ‐ ‐)『……引き千切る爪 貫き穿つ牙なり』
紡がれる言葉に意味はない。
言葉は暗示だ。
更に深く、深層に潜り行く為の感情を沸きあがらせる為の暗示だ。
何故、ツンは己の姉と戦わねばならない。
何故、クーは己の友と戦わねばならない。
何故、誰がこの戦いをあざ笑い見ている。
何故、己はこの戦いを防ぎとめられなかった。
( ‐ ‐)『……我が命は我が物に非ず 我が魂は我が物に非ず』
怒り。
その感情が恐れも迷いも掻き消して、次々と扉を開いていく。
( ‐ ‐)『……我ら 群れを成すとも一人にて。
届かずを知るも ただ月を見上げ吼える』
全てを失い、求める物は遥か彼方にあって。
それでも戦う道を選んだ悲しい男達の詩が、感情を更に高めていく。
今や、青年はさながら風そのものに変わろうとしていた。
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 01:59:39.57 ID:FvXW7ACfO
支援
370 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:02:02.87 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
ノハ;゚听)『なぁ、ご主人。一体どうなってるんだ……?』
(;´・ω・)『……僕にも分からないよ』
痛む左腕を押さえた赤毛の給士が、ペタンと主に並ぶようにして腰を下ろす。
ふわりとめくれあがった給士服の奥から、何やら白い物が見えた気がするが、興味は全く起こらない。
標準よりも遥かに短い給士服を年がら年中ヒラヒラさせている彼女の事より、不可解な事実が目の前で起こっているのである。
(゚<_ ゚ )『わっしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっい!!!!!!!』
爪;゚∀゚)『や、やはーーーーーーーーーーーーっ???????????』
雷電が如く突き出された大槍を駆け上がった。
そのまま、一人だけ重力から解放されているように女騎士の肩に飛び乗ると、顔を蹴り飛ばす。
爪;゚∀゚)『な、なんなのさーーーーーーーーーーーーーーーっ???????????』
叩き落そうと振るわれた大槍は、後方宙返りで避わした。
そのまま空中で身を反転させ、
(゚<_ ゚ )『ねむれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!!!』
頭が下になった体勢から左腕を突き出し、開いた掌から無数の飛礫を撃ち出す。
飛礫の大半は大槍に弾かれ、急所を打つ事は無かったが、射出の反動を生かした弟者はトンと着地してみせた。
(;´・ω・)『なんで……【金剛吽】が僕らを助けるんだ?』
ノハ;゚听)『ご主人に分からない事があたしに分かる訳ないだろ……つか、ご主人なんか失礼な事、考えなかったか?』
371 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:05:22.01 ID:dDhHtpy80
爪;゚∀゚)『そ、そうそうそうそうそれそれそれそれそれっ!! リーゼもそれが言いたかったっ!!』
右腕をブンブンと振り回し、主従の会話に入り込んできたのは大槍を持った女騎士であった。
爪;゚∀゚)『な、なんで弟者がリーゼと戦ってるんですかねっ!? 意味分からないんですけどっ!?』
(゚<_ ゚ )『黙れ!! お前は何も気づかぬのか!!』
一喝する。
(゚<_ ゚ )『この戦いの向こうに明日はない!!
憎しまなくてもよい者達が憎しみ合い、共に手を取り合える者達が殺しあう!!
それに何の意味がある!! 今この戦いを止めなくば、歩める道は暗黒のみ!!』
爪;゚∀゚)『で、でもリーゼはクー様のために……レーゼのために戦わないと……』
(゚<_ ゚ )『そうかもしれん!! だが、それは楽な道を歩んでいるにすぎない!!
奈落へ続く下り坂、確かに進むは楽だろう!!
しかし、本当に大切な人を思うなら奈落へ進むを止めなくてはならん!!』
そこで弟者は一拍言葉を止める。
そうして、ありったけの思いを込めて叫ぶのだ。
(゚<_ ゚ )『しかし!! どんなに辛い上り坂でも、大切な者と歩むなら人は笑って進める!!
そして!! 荊の道の彼方に広がるは、真なる楽園!! “犬耳”と言う名の黄金郷!!』
爪;>∀<)『途中まで感動してたし分かったような気もしたけど、
最後で意味分からなくなっちゃいましたっ!?』
支援なんだよ!!
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:07:21.02 ID:hr6ZMNe30
弟者だいなしwwww
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:08:26.51 ID:nCsZd/0+O
(*゚∀゚)アイヤー
375 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:08:49.18 ID:dDhHtpy80
ノハ;゚听)『ご主人……分かったか?』
(;´・ω・)『なんとなく、ね。少なくとも弟者が犬耳好きって事だけは分かったよ』
主従揃って、うんうんと頷く。
弟者の頭に飾られたふわふわの飾り物。仕掛けがしてあるのか、時折ぴょこぴょこと動く辺り更に意味が分からない。
(゚<_ ゚ )『お喋りはここまでだ、リーゼよ。俺もここで時間を喰う訳には行かぬ』
言って腰から手斧を引き抜いた。
義手の甲からは一尺(約30cm)程の刃が生え出ている。
(゚<_ ゚ )『言葉で説明しても分からぬのなら、肉体に我が意思を刻み込んでやろう!!』
爪;>∀<)『あの説明で理解しろって言われても、無理無茶無謀!!
あ〜れ〜御無体な〜、良いではないか良いではないか〜、なんですけどっ!?』
リーゼ必死の抗議など耳にも入らぬ、と言った風に弟者は大地を蹴る。
それを見ながら、ショボンは感じ取っていた。
(´・ω・`)。oO(誰が……いや、でも確かにきっと誰かが……)
何者かが奏で、自身も歌わされていた不快な戯曲。
その舞台に踊りこんだ者達がいるのだ。
そして、【赤髪鬼】ヒートもまた、二人の戦いを見ながらこんな事を思っていたと言う。
ノハ*゚听)。oO(お姉様に犬耳っていうのも……いいなぁ)
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:09:18.68 ID:m8dfP5ezO
弟者落ち着いてwwwww
(U^ω^)わんわんお!
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:10:48.50 ID:vJAOzqv7O
おとじゃwww
379 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:11:53.39 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(;,゚Д゚)『な、なんだテメェら!! 何処から沸いて出やがった!?』
(,,^ ^)『【白衣白面】副長プギャーっすwwwwサーセンwwww』
ギコの長刀と、プギャーの二本の拐(爪型の刃を先端につけたトンファー)が交差する。
共に人並みはずれた膂力に恵まれた肉体を持つ同士。
岩石に例えられる剣士の筋肉がはちきれんまでに膨れ上がり、【鉄牛】の異名を持つ白面兵の骨は軋んで悲鳴をあげた。
(#,゚Д゚)『ゴルァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
(#,^ ^)『wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』
ギコがプギャーの背中越しに見る物。
それは、次々と薙ぎ倒されていくニイト兵。そして地に伏せていくヴィップ兵の姿である。
ある者は味方の背を踏み台替わりにして兵の中に飛び込み、
ある者は舞踏でもしているかのように兵の間をすり抜けていく。
ひたすら一直線に突き進む様は、正に“当たるを幸いに蹴散らす”と言う言葉が相応しい。
从;゚∀゚)『な、何なのよ一体!? ヴィップの援軍!?』
VIP;゚听)『そんなわけあるかよっ!! こいつら手当たり次第に殴ってきやがるっ!!』
戸惑い困惑した兵達は、意味も分からぬまま新たに表れた共通の敵に向けて剣を抜く。
が、それも白面兵の振るった拐に容易く弾き返されてしまった。
( ・ ・)『殺されるかもしれねぇけど、殺しちゃならねぇ!! フハハー、全く戦場は地獄だぜぇっ!!』
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:12:31.85 ID:xXVFPrYMO
寝れねぇwwwwww
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:13:19.32 ID:vkuDWP+30
ちくちょう酒がうめぇじゃねえか支援
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:13:32.40 ID:FvXW7ACfO
そろそろ寝たいが支援www
383 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:14:19.64 ID:dDhHtpy80
( ´_ゝ`)『兄者玉・72式っ!!』
ギコとプギャーの一騎討ちは呆気なく終了した。
ギコの背後に駆け寄った兄者が、得意の投弾兵器を叩き付けたのである。
中に仕込まれていた粘性物質に絡めとられ、ギコは転倒する。
(#,゚Д゚)『テメェェェェェェェェェ汚ぇぞゴルァァァァァァァァァッ!!』
( ´_ゝ`)『隠密に汚いも糞もあるか、馬鹿者が。油断していた貴様が悪いのだ』
(;,^ ^)『えげつない真似するっすねwwwwサーセン』
( ´_ゝ`)『樹脂の加工物だ。火で炙ってやれば動けるようになるさ』
淡々と言いつつ、周囲を見渡す。
一時は破竹の勢いだった白面であったが、ニイトとヴィップが共に当たってくるようになると、戦況は変わった。
切り開いた道を崩さぬよう、防戦に回る者が多くなって来ている。
(,,^ ^)『この辺が限界っすかねwwww』
( ´_ゝ`)『もう少し先まで進みたかったのだが……戦線が延びればその分守りも薄くなるからな。
止むを得まい。それと、もう一つ悪い知らせだ』
言って兄者は、戦場の片隅をアゴで指した。
その上空には濛々と土煙が舞っている。
(;,^ ^)『ちょwwwwwwwあれってwwwwwwwwww』
( ´_ゝ`)『あぁ。早すぎるな。【薔薇】が動いた』
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:14:29.73 ID:gCrkxAR3O
状況が…!
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:16:32.83 ID:jISGiFRbO
限界ラスト支援
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:16:46.03 ID:giW8BvotO
支援支援支援支援
387 :
あと10レスくらいかな ◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:18:01.47 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
━━━━━━━━━━
━━━━━━━━
━━━━━━
薔薇゚∀゚)『将軍!! 動きがありました!! 何者かが戦場に介入!!』
( ゚∀゚)『来やがったか!! 何処だっ!!』
答えが返るよりも早く、ジョルジュの目はその集団を捕らえていた。
【天馬騎士団】が撤退した高台を駆け下りるようにして、白装束を纏った戦士達が戦場に切り込んでいく。
( ゚∀゚)『【猟犬】は!? あの野郎はいるか!?』
薔薇゚∀゚)『確認!! 一人、高台に残っているようでありますっ!!』
( ゚∀゚)『へへ……そうか。やっぱり、そうか』
不敵に笑い、唇を舐めてみせる。
この戦の影に何者かがいると考えた時、ジョルジュは思った。
すでにこの戦、舞台に立っている者では止められない。
それが可能なのは第三の勢力のみ。
ニイトに身を置きながら、ツンを見逃した【白衣白面】の青年、ただ一人。
だから、ジョルジュは時を待った。
敗れればヴィップその物を失う、あまりにも危険な賭け。だが、彼はそれに勝利した。
万感の思いを込め叫ぶ。
( ゚∀゚)『今こそ我らが動く時!! 【薔薇の騎士団】、出撃する!!!!!!!!!!』
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:18:26.60 ID:vJAOzqv7O
駄目だ・・・明日まとめて読ませてもらう。
あとは任せた
ラスト支援
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:18:43.58 ID:+Axo82EVO
パターン青、支援です!!
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:19:26.46 ID:hr6ZMNe30
支援だ
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:19:48.24 ID:FvXW7ACfO
支援
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:20:19.97 ID:vkuDWP+30
支援
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:20:22.26 ID:nCsZd/0+O
ならば最後まで付き合おう支援
あぁ間違い無い、支援だ
395 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:20:54.52 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(;´_ゝ`)『なっ!?』
当然、兄者はそのようなジョルジュの思惑など知らない。
だから、自分達が切り開いてきた道を駆けてきた【薔薇】が
白面を無視してニイト・ヴィップへの中に飛び込んでいった時、思わず声を漏らしていた。
(#,゚Д゚)『テメェ、猪馬鹿!! 今頃ノコノコ出てきて何やってやがるゴルァ!!』
(#゚∀゚)『うるせぇ、筋肉チビ!! この戦は裏に何かある!! 寝てねぇで手伝え!!』
大鎌の柄で数人の兵を薙ぎ払い、兄者と目を合わせる。
( ゚∀゚)『この戦いを止めるんだろ!? ヴィップが万騎将【急先鋒】ジョルジュ!! 助太刀するぜ!!』
( ´_ゝ`)『……っ!! ありがたいっ!! 5式っ!!』
叫ぶと同時に大地に縫い付けられているギコに投弾兵器を叩きつけた。
一瞬包まれた炎の中から、剣士が飛び出してくる。
( ,,゚Д゚)『クソ……やっぱりテメェは気にくわねぇぞゴルァ』
愚痴りながらも前線に駆け込んだ。
戦力を数倍した彼らは、無人が野を行くが如く、背後に立つ青年が為の道を切り開いていく。
だが。
その時、すでに二人の王は対峙していた━━━━━。
支援!支援!
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:21:59.67 ID:xXVFPrYMO
お前ら、後はまかせた
ラス支援……!
ジョルジュさんまじかっこいいっす
支援
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:22:44.86 ID:FvXW7ACfO
最後の一人になろうとも支援
400 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:23:01.19 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
ξ゚听)ξ『来たわね……ニイト=クール』
川 ゚ -゚)『決着をつけようか……ツン=デレ』
向かい合う。
すでに周囲の兵は背後に下がらせていた。
二人を中心に輪を為すかのようにして、舞台は完成している。
義足の重量を生かした蹴りを中心としたクーの攻撃は、馬上にあれば急所に当たる事はない。
が、まず馬を狙われその下敷きになることを恐れたツンは、徒歩(かち)の一騎討ちを選んだ。
ξ゚ー゚)ξ『今だから言うけどね。アタシは貴女を尊敬していたわ。
ひたすら民の為に生きる強さに、憧れていた』
川 ゚ -゚)『……私も、君個人に憎しみを抱いた事はないよ。
もし、出会う場所が違っていたら我らは共に手を取り合えたかも知れんな』
しかし、すでにもう後戻りは出来ない。
ツンが手にする禁鞭は、甲冑の類を身に着けていないクーの身体を容易く引き裂くだろう。
クーの赤銅色の義足は、黄金の甲冑を一撃で粉砕し、それごとツンの身体を破壊するだろう。
共に国の頂点に立ち、家族同様に過ごしてきた友を戦で傷つけられた以上。
引く事は出来ない。
ξ゚听)ξ『行くわよ!! ニイト=クール!!』
川 ゚ -゚)『来い、ツン=デレ!!』
二人の一騎討ちは、まずツン=デレが仕掛けるようにして始まった。
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:23:17.96 ID:T/FE/ET5O
しーえん
402 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:25:27.14 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(#゚∀゚)『おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!』
怒号一閃。まるで草でも刈るかのようにして数人の兵達を払い飛ばした。
すでに、どこにヴィップの者がいてどこにニイトの兵がいるのか分からぬ程、周囲は混乱している。
真横でドスンドスンと駆ける剣士に叫んだ。
( ゚∀゚)『殺すんじゃねぇぞっ!!』
( ,,゚Д゚)『分かってるぞゴルァ!!』
連続突きを放った長刀は、鞘に包まれている。重量は随分増したが、それでもその速度に翳りは無かった。
薔薇;゚∀゚)『報告!! 今、両王が接触いたしました!!』
(;゚∀゚)『……っ!! ちぃっ!!』
思わず舌打ちする。それでも大鎌を振るった。
(;,^ ^)『まさか、間に合わねぇんじゃねーだろうな』
プギャーの言葉は、今戦っている【白面】と【薔薇】の即席連合軍、誰もが思い浮かべた物だろう。
(;´_ゝ`)。oO(くそっ!! まだか、まだなのかブーンよ!!)
兄者は思わず背後を振り返った。
そして、見る。
風を纏った青年が、静かに第一歩を踏み出したのを。
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:26:04.62 ID:vkuDWP+30
いいぞもっとやれ支援
ショボンが無能になり過ぎてないか?
あと話の流れ的にビップとニイト戦わせたかったんだろーけどここまでの流れは色々無理やりな話の進め方だなぁ
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:28:15.75 ID:gCrkxAR3O
支援
406 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:28:41.08 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
━━━━━━━━━━我は 猟犬なり
引き千切る爪 貫き穿つ牙なり。
我が命は我が物に非ず 我が魂は我が物に非ず。
我ら 群れを成すとも一人にて。
届かずを知るも ただ月を見上げ吼える。
残すべき名も無きは 人ざるを捨てた身であるが故。
我が身かえり見ざるは 誇るべき毛皮も持たざるが故。
ならば今……
( ゚ ゚)『ならば今 我ら皆猟犬として 我らが死を此処に望まんとす』
静かに目を開いた青年は、まず確かめるように一歩を踏み出した。
早鐘のように鼓動を繰り返す心臓が、全身に煮え滾る血を送り続ける。
全身は剣気と言う名の炎に包まれ、触れた大気まで蒸発するようだ。
研ぎ澄まされた神経回路は、肉体が叫ぶ悲鳴を不要物として遮断し。
ただ“駆ける”事だけに特化した肉体の両腕を、青年は翼のように広げる。
( ゚ ゚)『今、行くお。ツン。姉様』
そして。【王家の猟犬】は全てを護る為、駆け出した。
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:29:07.76 ID:m8dfP5ezO
支援支援!
408 :
◇COOK./Fzzo:2009/08/21(金) 02:29:21.51 ID:FvXW7ACfO
これで終わりです
支援ありがとうございます
皆さん寝てください
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:29:46.11 ID:rHu7f5KLO
> ξ゚听)ξ『行くわよ!! ニイト=クール!!』
> 川 ゚ -゚)『来い、ツン=デレ!!』
この件でソードマスターヤマトが思い浮かんだのは俺だけじゃないはず
支援
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:30:19.95 ID:FvXW7ACfO
>>404 wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
支援だ!
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:30:57.82 ID:kexaq/eD0
今ひどい自演を見た気がする
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:31:24.08 ID:gCrkxAR3O
支援!
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:31:49.45 ID:nCsZd/0+O
おぉぉ!乙!
また気になるとこで切るなwww
416 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:32:11.99 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
(;´_ゝ`)『来たぞ!! 身を伏せろ!! 巻き込まれるぞ!!』
(;,^ ^)『遅いっすよ、大将wwwwサーセンwwww』
叫ぶと共に、地に伏せた。
瞬間、突風が兄者の真横を通過し、身体が浮き上がりそうになるのを必死で大地にしがみつき堪える。
(;´_ゝ`)『こ、これが限界解放か』
(;,^ ^)『うちの大将は特別っすwwwwあーなったら姐さんでも止められないっすwwwwサーセンwwww』
青年が“道”を駆けたのは、ほんの一瞬でしかなかった。
すぐさま兵の中に飛び込んでいく。
(#゚ ゚)『どけおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!』
殴り。
跳ね飛ばし。
飛び越えて。
見据えるのは、ただ戦場の中心。
青年の目はついに二人の王を捕らえる。
足を振り上げる姉と、禁鞭を振りかざす友の姿を見る。
(;゚ ゚)『……っ!! 間に合わな……』
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:33:49.37 ID:FvXW7ACfO
間に合え!
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:36:13.19 ID:nCsZd/0+O
騙された…wwwwww
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:36:16.05 ID:giW8BvotO
支援支援
421 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:36:21.28 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
川#゚ -゚)『はぁっ!!』
前方宙返りの勢いを加算したあびせ蹴りが、大地を穿った。
立ち上がる反動を利用して前蹴りを放つが、それも惜しいところでかわされる。
川 ゚ -゚)『ちょこまかと……。野良猫のような女だな、本当に』
ξ゚听)ξ『貴女こそ。粗暴な攻撃はまるで野犬みたいだわ』
大きく息を吸い、整えた。ツンが選んだのは持久戦である。
技量で差をつけられている彼女がクーに勝つには、疲労で動きが鈍くなった時を狙うしかない。
【急先鋒】ジョルジュがリーゼ相手にしてみせたのを真似る様に、最小限の動きで攻撃を避わしていく。
これまでに何十を越えるヴィップ兵を相手にしてきたのだ。必ず、どこかで勝機が来る。
川 ゚ -゚)『っ!!』
ツンの牽制を避わしたクーが膝を崩した。
ξ゚听)ξ『!! 今っ!!』
深く踏み込んだ。
しかし。
川 ゚ -゚)『かかったな、ツン=デレ!!』
クーが一撃必殺の足を振り上げた。
避わせぬと見るや、ツンもまた禁鞭を振り上げ━━━━━
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:36:50.79 ID:U1x42ZFCO
しえしえら
423 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:41:12.75 ID:dDhHtpy80
※ ※ ※
足を振り上げる姉と、禁鞭を振りかざす友の姿を見る。
(;゚ ゚)『……っ!! 間に合わな……』
そう。このままでは間に合わない。
決定的に足りない。ならば、どうするか?
怒れ。家族に牙をむく全てに。
怒れ。友に剣を向ける全てに。
怒れ。この戦いの全てに。
怒れ。二人を争わせる者に。
怒れ。第一歩を踏み出すのに遅れた、優柔不断な自分に。
怒れ。大切な者を護れない、無力な自分に。
燃え滾る感情を力と変え、更に強き一歩を踏み出せ。
更に強く大地を蹴れ。
そして。
(#゚ ゚)『うがああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!』
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:41:12.68 ID:jRngIu8H0
シエンタ
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:41:34.86 ID:giW8BvotO
支援
426 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:43:22.76 ID:dDhHtpy80
喧騒は瞬時にして静寂へと変わり。
静寂は徐々に喧騒へと生まれ変わる。
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:44:16.48 ID:giW8BvotO
ざわ…
ざわ…
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:45:53.84 ID:jRngIu8H0
∧∧
ミ*゚∀゚彡 <ソレカラドッタノ
ミ,,,,,,,,,,ミ
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:46:00.33 ID:hr6ZMNe30
ブーーーーーーーーーーン!
430 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:46:24.08 ID:dDhHtpy80
( ・ ・)『フハハーまた死に損なっちまったぜ』
爪;゚∀゚)『……あ……れ?????????』
(;,^ ^)『……ふぅ』
(´・ω・`)『そうか……君だったのか』
兵;,゚Д゚)『……陛下っ!!』
(;゚∀゚)『なん……だと……』
( ,,゚Д゚)『やるじゃねぇかゴルァ』
ニイト;'A)『クー様っ!!』
(;*゚ー゚)『そんな……うそ……』
从;*゚ー゚)『……』
(;´_ゝ`)『……おぉ』
(゚<_ ゚ )『……犬耳わっしょい』
薔薇;゚∀゚)『あの人は……死んだ……筈では……?』
ノハ;゚听)『……なんで……なんでお前が生きて……ここにいるんだ……?』
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:46:30.01 ID:nCsZd/0+O
…
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:48:43.59 ID:nQro0Rq0O
弟者……
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:49:11.20 ID:hr6ZMNe30
狂おしく支援
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:49:27.96 ID:vkuDWP+30
弟者は評価できる
435 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:50:31.98 ID:dDhHtpy80
( ω )『……』
ξ;゚听)ξ『……ナイト……ウ?』
川;゚ -゚)『ホライゾン……?』
二人の王の渾身の一撃は。
互いの身には届かなかった。
そして、二人の間に割り込むようにして立つ、銀髪の青年。
両手にしていた拐は、白き狼の放った蹴りによって粉砕された。
素顔を隠す幽鬼の面は、黄金獅子の鞭によって叩き落とされた。
それでも【王家の猟犬】は。
全てを護ると誓った青年は、そこに立っている。
( ω )『遅くなってゴメンだお……この戦い……止めに来たお』
それだけ言って、青年は膝から崩れ落ちた。
そのまま、大地に倒れこむ。
ξ;;)ξ『ナイトウ!! ナイトウ、貴方本当に……っ』
川 ; -;)『ホライゾン!! どうした!? しっかりしろ!!』
薄れ行く意識の中で。
ブーンは、二人が共に自分の名を呼んでいるのを、確かに聞いた。
今の瞬間まで争っていた事など、忘れたかのように。
自分の名を何度も何度も呼び続けるのを。確かに聞いていた。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:50:42.86 ID:m8dfP5ezO
わっしょい支援
437 :
◆COOK./Fzzo :2009/08/21(金) 02:52:52.66 ID:dDhHtpy80
……終わった。
燃え尽きたよママ。
支援ありがとうございましたー
おちゅかれさま
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:53:34.55 ID:giW8BvotO
キター(・∀・)
おつ!
はまった
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:54:06.85 ID:jRngIu8H0
おおつかれええええ
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:54:07.20 ID:nCsZd/0+O
今度こそ乙!
いやー楽しかったwww
乙
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:54:23.56 ID:FP6HfPB9O
お疲れ様でした
すごく面白かった
乙乙超乙!
乙乙乙!!
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:55:30.41 ID:iXirTpI2O
乙でごわす!!!
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:57:54.55 ID:fNKMgl5wO
乙!
いや、本当にお疲れさまでした。
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:57:58.71 ID:j0JPM64nO
乙
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:58:45.71 ID:nQro0Rq0O
顔ありの人死にが少ないのは序盤だからか
乙 楽しかった
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 02:59:52.19 ID:qiQabk0XO
追い付いたと思ったら、ちょうど終わってた
乙!
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 03:00:46.25 ID:vkuDWP+30
乙乙
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 03:04:59.03 ID:swpHt39wO
特攻の拓かよ...
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 03:08:50.20 ID:E0wGCysK0
乙!
次も楽しみにしてるお
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 03:25:24.48 ID:giW8BvotO
乙
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 03:37:47.97 ID:psnbXKBoO
乙
これで燃え尽きて筆遅れはやめてくれ〜30まで駆けてくれ〜
乙乙
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 05:56:43.46 ID:jISGiFRbO
よむほ
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 06:16:09.36 ID:YLCc53ogO
ほ
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 06:56:13.10 ID:YLCc53ogO
む
だいぶ遅くなったが乙
乙
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 08:08:25.03 ID:YLCc53ogO
よむほ
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
帰ったら読む!乙!