1 :
◆4dw0vE5KZE :
火曜日だけど立つかな?
2 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:03:29.05 ID:aCu3AYAv0
3 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:06:11.44 ID:aCu3AYAv0
《血縁関係図》
祖母(故人)===/ ,' 3 祖母===祖父 祖母===祖父
| | |
| | |
| ___⊥___ |
| | | |
J( 'ー`)し===(`・ω・´) (´・ω・`)===('、`*川
| 兄 弟 |
| |
| |
('A`) 川 ゚ -゚)
ほっしゅ
5 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:09:22.79 ID:aCu3AYAv0
*** あ ら す じ ***
(* ^ω^)「やったお!捕まえたお〜」
早起きして虫取りに出かけたドクオ達。
ブーンは初めて捕まえたカブトムシに、感動しますが…
ξ;><)ξつ⌒□「イヤァ〜!虫イヤァァ!!」
自慢しようとツンに見せたところ、
虫嫌いのツンはカブトムシを撃墜してしまいます。
捕まえた虫たちを逃がして、ツンを宥めた一行は
お土産を購入して一路vipへ向かいました。
一人残ったドクオは
('A`)「んだなぁ、離婚の話しだべなぁ…」
ギコとシィに地元に残った理由を打ち明けます。
一方、vipに帰ったクーは…
リリ ゚ -゚)「…伯父さんにも会ったよ」
(;´-ω-`)「………」
スナとウツダの両家に溝を作った原因を追究します。
さぁ、いったい過去に何があったのでしょうか?
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:11:14.04 ID:JlZFw4TnO
バイト休憩中だけど支援するよ!
7 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:12:07.56 ID:aCu3AYAv0
*** 川 ゚ -゚)side ***
('、`*川「クー、そんなに睨んでちゃ
お父さんだって話もできないわよ?」
リリ ゚ -゚)「母さん…」
('、`*川「それにそろそろ晩御飯よ、長くなるんでしょ?あなた」
(;´・ω・`)「そうだね、とても一言じゃ語りきれないね…」
('、`*川「じゃあ、先にご飯にしましょ?」
リリ ゚ -゚)「あ、待って、母さん」
('、`*川「なぁに?」
リリ ゚ -゚)つ■「これ、お土産」
('、`*川「わざわざ買って来なくっても良かったのに…」
リリ ゚ -゚)「ドクオのオススメだよ、早速食べてみよう」ガサガサ
母によって幾分和やかになった場の雰囲気。
私はそれに乗って、お土産のクッキーを開いて口に運ぶ。
父も、母も同様に…
そうする事で、きっと考えを纏めていたのだろう。
過去に起こった出来事を、どのように伝えれば良いのか…
8 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:15:20.51 ID:aCu3AYAv0
('A`)と川 ゚ -゚)はイトコのようです
9 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:18:23.83 ID:aCu3AYAv0
(´-ω-`)「「ごちそうさまでした」」(゚- ゚ リリ
('、`*川「お粗末さまでした」
夕食前に、お土産のクッキーを一箱平らげてしまったので、
夕食は急遽そうめんのみとなった。
母は色々と下準備をしていたようだったが、
ドクオも帰って来ていないので、次回に持ち越すつもりのようだ。
(*´・ω・`)「ふぅ、たまにはそうめんも良いね。さっぱりするよ」
リリ ゚ -゚)「私達も向こうで食べたよ。皆で食べるご飯は美味しかったな」
(´・ω・`)「そうかい、良い思い出が出来たじゃないか…さて、と」
リビングを出て行こうとする父、私はそれを呼び止める。
リリ ゚ -゚)「父さん、話は…」
(´・ω・`)「…やっぱり話さなきゃいけないかい?
もうドクオ君も家族みたいなものだし、別に知らなくっても…」
リリ ゚ -゚)「何も知らないままなら、それでも良いと思う。
でも、もう知っちゃったから…」
('、`*川「あなた、いずれは話すつもりだったんでしょう?」
キッチンから戻って来た母も、父を説得する。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:19:49.01 ID:W1cwyjFZO
し
11 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:21:26.20 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「わかったよ、その前に…兄さんはどんな様子だった?」
ソファに腰掛けながら問いかける父。
私は記憶を辿りながら答える。
リリ ゚ -゚)「なんて言うか…好感は持てなかったな。
チンピラみたいだったし…」
父の手前、言葉を選ぶ。
相手を威嚇するような言動、粘りつくような視線、清潔とは言えない容姿…
容赦の無い言い方をすれば
『気持ち悪い』
この一言に尽きる。
リリ ゚ -゚)「それに、ドクオに対して酷く辛くあたってるみたいだった」
(´・ω・`)「それで、向こうでは何か聞いたかい?事情とか…」
それに対して包み隠さず答える。
開発計画の頓挫、大樹館の負債、そしてドクオに対する仕打ち。
父と母の表情が曇る、久しく聞いていなかった兄弟の消息が
全てネガティブなものなのだから、仕方の無いことだろう。
そして、ドクオに対する仕打ち…
もちろん、これも初めて聞く内容のはずだ。
12 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:24:13.90 ID:aCu3AYAv0
('、`*川「そんな事が…いつも明るく振舞ってたのに」
母も驚きを隠さない。
ドクオは来たばかりの頃、大人しかったが、
次第に笑顔も見せるようになっていったからだ。
リリ - -)「私も知らなかったとは言え、地雷を踏んでたんだ。
ドクオは『もう良いよ』って言ってくれたけど…」
(´・ω・`)「過ぎてしまった事は仕方が無いよ…」
そこまで知っているのなら、と続け、更に
(´・ω・`)「これから話す事は、せめて君達が高校を卒業してから
…と思ってた事なんだ。それから――」
(´・ω・`)「何を聞いてもドクオ君と変わらず接する事。
約束できるかい?」
リリ ゚ -゚)「もちろん、約束する」
(´-ω-`)「…それじゃ、どこから話そうかな――」
静かに語りだす父。
その表情は普段と変わらない。
だが、声がかすかに震えている。
それが緊張によるものなのか、それとも別の感情が働いているのか…
私には読み取る事が出来なかった――
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:25:01.62 ID:W1cwyjFZO
しえ
14 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:27:15.26 ID:aCu3AYAv0
*** ('A`)side ***
(;'A`)「ブェーックション!!」
/ ,' 3「…汚ねぇべ、せめで横向いでしろ」
J( 'ー`)し「イヤだわこの子ったら…夏風邪かしら?」
(;'A`)「ゴメン、急に鼻がムズムズして…チーン…うぃ」
俺達は食卓についていた。
いつもは、女将業で忙しい母も一緒にいるのは
** 川д川「せっかくドクオ坊ちゃんが帰って来ているのですから…」 **
** ( ・∀・)「今日のところは親子水入らずで…」 **
と言う、二人の好意に甘えさせてもらっているからだ。
/ ,' 3「誰がさ噂さっちんだべ」
('A`)「誰がって誰よ?」
J( 'ー`)し「きっとクーちゃん達よ。無事に着いた頃だろうし
土産話で盛り上がってるんじゃないかしら?」
15 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:30:20.05 ID:aCu3AYAv0
('A`)「そうだべが?」
J( 'ー`)し「さぁねぇ、さ、早く食べちゃいましょ。冷めちゃうから」
('A`)「は〜い」
食事をしながら色々な事を話す。
学校の事、バイトの事、叔父の家での生活の事、
ブーンやツン、そしてクーの事。
久しぶりの『一家団らん』の姿が、そこにはあった。
一部分欠けているが、それを指摘する者はいない。
J( 'ー`)し「そうそうドクオ、弁護士の先生、
明後日の午後には見えるから」
('A`)「ん、わがった」
J( 'ー`)し「それでね、明日ヒマなんでしょう?」
('A`)「ん、ヒマッつったらヒマだべ」
特に決まった用事は無い、持って来た課題の一部をやるか、
後はゴロゴロしているかのどちらかだろう。
16 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:33:09.53 ID:aCu3AYAv0
J( 'ー`)し「だったら旅館の仕事を手伝いなさい、
たまに帰って来たからって
ゴロゴロしてちゃダメよ?」
(;'A`)「えぇぇ…」
/ ,' 3「明日は早起ぎしろよ?久々に揉んでやっぺ」
(;'A`)「えぇぇ…大丈夫なの?祖父ちゃん」
J( 'ー`)し「そうよ、お父さん。また腰でも痛めたら…」
/ ,' 3「何言ってるべ、まだまだ現役だべ!」
J( 'ー`)し「ハイハイ、そうね」(気ばかりは若いんだから…)
/ ,' 3「なんだべ、今の?ワシ、バカにさっちゃ?」
('A`)「気にしたら負けだべ、祖父ちゃん」
和やかな雰囲気の中、夕食をとる。
スナ家のリビングとは正反対の状況なのだが、
今の俺には知る由も無かった――
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:33:44.74 ID:htkL9sEmO
しえんだぜ!ピシッ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:34:25.22 ID:OHcR55af0
通りすがりにホス
いつも読んでるぜ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:35:42.40 ID:SA4dHqC50
しえん
20 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:36:10.35 ID:aCu3AYAv0
*** 川 ゚ -゚)side ***
(´-ω-`)「それじゃ、どこから話そうかな…」
(´・ω・`)「クー、憶えてるかな?
小さい頃に一度だけ、ドクオ君が来た事があったんだけど…」
リリ ゚ -゚)「…憶えてるよ」
忘れる筈が無い、今でも夢に見るほど大切な思い出だ。
…もっとも今は夢の内容も変わりつつあるけれど。
(´・ω・`)「うん、だったら話が早い。
その時、僕達はクーが家にいないように仕向けてたんだけど…
なぜだか分かるかい?」
リリ ゚ -゚)「さぁ?毎日のようにツン達と遊んでいたから…」
そんな事など気にも留めずに、駆け出していたと思う。
(´-ω-`)「そうだったね『遊びに行っておいで』の一言で
走り出す背中を見てホッとした事…今でも憶えてるよ」
('、`*川「良く考えて御覧なさい、親戚が訪ねて来るのに…
普通は出かけないようにするでしょう?」
言われてみればそうだ、特に年齢も近い子供が来るならば
『遊び相手をさせよう』と言うのが普通なのではないか。
21 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:39:44.20 ID:aCu3AYAv0
リリ ゚ -゚)「…じゃあ、私に見せたくない事でもあったの?」
(*´・ω・`)「ご名答、さすが我が娘」
リリ#゚ -゚)「父さん?」
('、`#川「あなた…」
(;´・ω・`)「アッー、うん、済まない、実はね………」
―
―――
―――――
(;´・ω・`)「やぁ、ようこそ、いらっしゃい」
('、`;川「遠かったでしょう?さぁ、上がって休んでください」
彼女はためらいながらも玄関に足を踏み入れる。
招かれざる客だと言う事は、彼女も十分に理解しているのだろう。
J( 'ー`)し「はぁ、それでは…失礼します。ほら、ドクオご挨拶して」
(・A・)「こんにちわ!」
(´・ω・`)「やぁ、元気だねぇ」
J( 'ー`)し「済みません、この子一人で置いてくる訳にも行かなくて…」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:40:38.77 ID:W1cwyjFZO
しえん
23 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:42:12.70 ID:aCu3AYAv0
('、`;川「いえ、良いんですよ」
J( 'ー`)し「お話の間は、お庭でもお借りしたいのですが…」
(´・ω・`)「そうですね、それが良い…ではこちらへ」
カーチャンを伴ってリビングへ、
彼女と幼い甥っ子を飲み物でもてなし、一息ついたところで…
J( 'ー`)し「ドクオ、母ちゃん達は大事なお話があるからね。
お庭で遊んでらっしゃい」
(・A・)「わかった!」
彼女がドクオに席を外すように促した。
リビングから駆け出す小さな背中を見送って、本題に入る。
(´・ω・`)「さて、お手紙は読ませて頂きました。
で、これを書いた本人は…」
J( 'ー`)し「主人はそちらの実家の方に…」
(´・ω・`)「そうですか…」(形振り構っていられないって事だね)
(´-ω-`)「親戚が…増してや兄が困っているなら
協力するのは吝かではありません、ですが…」
24 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:45:18.54 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「この手紙には『大樹館が倒産しそうだから協力して欲しい』
…としか書かれていない」
J( 'ー`)し「………」
(´・ω・`)「言い難い事もあると思いますが、敢えて聞かせてもらいます。
…なぜ、こんな状況に陥ってしまったんですか?」
彼女は押し黙ったまま答えない、重い沈黙がリビングに流れる。
('、`*川「なんでも話してくださいな、困った時はお互い様でしょう?」
ペニサスも説得するが、口を開こうとせず目を伏せている。
(´・ω・`)「…困りましたね、これでは協力なんてできそうも無い」
ΣJ( 'ー`)し
はっとした表情で顔を上げる彼女、それを見て僕は続ける。
(´・ω・`)「理由も話さず『協力してくれ』とは…
ちょっと虫が良すぎるでしょう?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:46:17.09 ID:W1cwyjFZO
支えん
26 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:48:15.64 ID:aCu3AYAv0
J( 'ー`)し「そう…ですね…、わかりました。お恥ずかしい話ですが…」
訥々と話しはじめる彼女。
リゾート開発計画に賛同した事、その計画が頓挫した事、
そしてその負債の一部を背負った事…
冷静に要点を的確に説明していく、
その説明は、まるで第三者が話しているようだった。
(´・ω・`)「…そうですか、そんな事が…」
('、`*川「大変だったでしょう?」
J( 'ー`)し「いえ、なんとか融資も受けられそうなんですが…
それまでの資金が…」
これで一応の説明は受けた、
しかし、腑に落ちない事が一つだけある。
(´・ω・`)「もう一つ、よろしいでしょうか?」
J( 'ー`)し「はい…」
■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
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■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
つ ど え
え ら ば れ し 子 ど も た ち よ
韓国反撃総本部 Part 21
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/ ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■ 自動保守 ■
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28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:48:40.84 ID:F2Bd14zbO
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:50:37.10 ID:SA4dHqC50
しえん
30 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:51:38.61 ID:aCu3AYAv0
彼女の態度に最初の硬さは無くなっている。
事情を説明した事で、いくらか緊張が解けたのだろう。
(´・ω・`)「これは…お父様の考えで計画に乗ったんですか?」
再び緊張する彼女、どうやらまだ明かしていない事があるようだ。
(´・ω・`)「何度かお会いした事が有るからなんですが…
お父様は伝統を、とても大切にしておられた、
その彼がそんな計画に乗るとは思えない」
彼女は再び黙ってしまう、僕は一つの可能性をぶつけてみた。
(´・ω・`)「…兄ですね、その計画に賛同したのは?」
うなだれ、沈黙する彼女。
この場合の沈黙は、千の言葉よりも雄弁だ。
(´-ω-`)「やっぱり、そうですか…」
J(; 'ー`)し「いえ、違うんです、私が…」
(´・ω・`)「もう良いんですよ、無理なさらずに…ペニサス、アレを」
('、`*川「はい、あなた」
寝室から封筒を持って来させる。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:52:12.15 ID:TfCQlgbwO
遭遇支援
32 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:54:15.92 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「今の私達にできる精一杯です。
本来ならば、兄がご迷惑をおかけしたんですから、もう少し…」
J( 'ー`)し「いえ、これだけでも十分です、本当に、本当に有難うございます」
封筒を胸に押し抱き、頭を下げる彼女。その時…
<タダイマー!
声と共に、リビングに走りこんで来る小さな影。
⌒( ・・)⌒「?…おばちゃん、だれ?」
J(; 'ー`)し「え?あ、あの…」
(´・ω・`)「クー、親戚の伯母さんだよ、ちゃんと挨拶なさい」
⌒(*・・)⌒「こんにちわ、おばちゃん!スナ・クー5歳です!」
J( 'ー`)し「こ、こんにちわ…偉いのね、きちんとご挨拶できて」
⌒(*^^)⌒「えへへ…」
('、`*川「クー、ツンちゃん達と遊んでたんじゃなかったの?」
⌒( ・・)⌒「うん!虫取りするから、虫かご取りに来たの!」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:56:06.59 ID:SA4dHqC50
しえ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:56:37.45 ID:F2Bd14zbO
支
35 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 19:57:16.99 ID:aCu3AYAv0
虫かごを取って駆け出すクーに、
J( 'ー`)し「じゃあ、おばさんの子供…クーちゃんのイトコね。
一緒に遊んでくれるかな?お庭にいると思うけど…」
⌒( ・・)⌒ノシ「お庭?誰もいなかったよ?いってきま〜す」
('、`;川「え!?」
(;´・ω・`)「そんなばかな…ドクオ君!」
サッシを開けて、甥の小さな姿を探すがどこにも見当たらない。
(;´・ω・`)「大変だ!ドクオ君が…!」
J(; 'ー`)し「私…探しに行って来ます!」
('、`;川「ちょっと!カーチャンさん!」
(;´・ω・`)「僕も行って来る、君はここに残ってくれ、
ひょっこり戻って来るかも知れないからね」
('、`;川「わかったわ」
(;´・ω・`)「ドクオく〜ん!!」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:58:18.10 ID:htkL9sEmO
sien
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 19:59:17.71 ID:Zbh8EsQyO
お!!待ってた
支援
38 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:01:27.06 ID:aCu3AYAv0
―――――
―――
―
(´・ω・`)「いやぁ、それから大変でね。
そこらじゅう走り回って帰って来てみたら、
クーが、泣いてるドクオ君を見つけたって言うし…」
('、`*川「ドクオ君は泣き疲れて寝ちゃったし…」
リリ ゚ -゚)「そうだったんだ…」
(´・ω・`)つ□「その時一枚だけ写真を撮ったんだよ。
まぁ、カーチャンさんの目的からすると、
僕も相当KYな事をしたもんだね」
写真には、泣き疲れて寝てしまったドクオを抱く伯母と、
私、そして母が並んで写っていた。
リリ ゚ -゚)「こんなの…初めて見たけど…」
('、`*川「普段は戸棚にしまってるから…
ほら、どうやって撮ったのか聞かれたら…ね」
(´・ω・`)「まだしばらくは眠らせておこうと思う、クーにこの話をした事…
ドクオ君には伏せておきたいからね」
リリ ゚ -゚)「うん…そうだね」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:03:46.20 ID:F2Bd14zbO
支援
40 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:04:17.41 ID:aCu3AYAv0
正直驚いた、幼い頃の思い出に、
そんな事情が隠されていたなんて…
ドクオのお祖父さんが
『形振り構わず』
と言っていたのは、この事だったのか。
リリ ゚ -゚)「じゃあ、その時のお金が原因で疎遠になってたの?」
('、`*川「お金自体は返してもらったわ、
気にしなくても良いのに、利息まで付けて…」
(´・ω・`)「そんな事しなくて良いって言ったんだけどね。
カーチャンさんが『どうしても』って譲らなくってね」
リリ ゚ -゚)「え?じゃあ、なんで…」
(´・ω・`)「うん、そこまでは良かったんだよ。
お金も返してもらったし、これからは親戚として
付き合っていけると思ってたんだけど…」
再び父が語りだす…
それは思い出の日から約6年後、私達が小5の頃の出来事だった――
しえ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:06:04.28 ID:F2Bd14zbO
しえ
43 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:07:33.16 ID:aCu3AYAv0
―
―――
―――――
(´・ω・`)「やぁ、どうも。ウツダさん…ご無沙汰しています」
僕は兄の義父である、アラキに呼び出されていた。
突然、『聞きたい事がある』と言う電話が会社にかかってきたので、
会社近くのファミレスで、休憩がてら会う事にしたのだ。
/ ,' 3「久しぶりじゃな…過日は世話になっだ」
席を立ち、深々とお辞儀をする彼に恐縮してしまう。
(;´・ω・`)「頭をお上げ下さい、困った時はお互い様ですし、
過分な利息まで頂いてしまって…」
/ ,' 3「あれはワシらの気持ちだべ。
本来なら、断られでもしゃあねえとごろを助けでくっちゃ。
お陰で経営も持ち直す事がでぎだ、感謝してもしたりねぇ」
(´・ω・`)「そうですか、それは良かった」
/ ,' 3「…じゃが、そんなオメさんに、こだ事聞ぐのは失礼なんだげど」
(´・ω・`)「…なんでしょうか?」
<イラッシャイマセー、ゴチュウモンハ?
44 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:10:42.30 ID:aCu3AYAv0
聞く体制になったところで店員がオーダーを取りに来る。
コーヒーを注文して、店員が去るのを待っていると…
/ ,' 3「…オメさん、シャキン知らねが?」
(´・ω・`)「…は?」
聞けば昨日から姿が見えないと言うのだ。
電話で連絡を取っても良かったが、丁度用事でvipに来る予定だったので、
久しぶりに顔も見たいし、直接礼もしたかったから、
ここに呼び出したと言う訳だ。
(´・ω・`)「いやぁ…こちらには来てないですね。
事前に一本お電話頂ければ、気をつけたんですが」
/ ,' 3「そうが…いや、突然不躾なごと聞いてまって悪ぃがったない。
そだそだ、電話すれば良がった、何しろ会えば何がわがると、
思い込んでいだったがら…」
(´・ω・`)「いえいえ、お気になさらないで下さい。
そうだ、今度家族で遊びに行きますから、
積もる話はその時にでも…」
/ ,' 3「ほぅがほぅが、何にも無ぇ田舎だげんちも、
精一杯のもてなしをさせてもらうべ」
―――――
―――
―
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:11:35.79 ID:F2Bd14zbO
し
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:12:07.82 ID:Y7ZjXMn6O
私怨
47 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:13:30.41 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「と、この時は和やかに別れたんだよね。
突然の電話でびっくりしたけど」
リリ ゚ -゚)「私の知ってるお祖父さんと同じだよ、穏やかで優しくて…」
(´・ω・`)「うん、普段はね、良い人なんだ。
でも絶対に怒らせたくない人でもあるんだよ」
リリ ゚ -゚)「どうして?」
(´・ω・`)「あの人の二つ名を知ってるかい?」
リリ ゚ -゚)「さぁ…知らないけど…」
(´・ω・`)「『アラマキ』って言うんだよ、『荒ぶるマキオ』で『アラマキ』。
昔は凄かったらしいよ、50人を相手に傷一つ負わずに勝ったとか…」
('、`*川「どこまでホントかは…ねぇ」
リリ ゚ -゚)「そんなふうには見えなかったけど…」
(´・ω・`)「もう、いい年だからねぇ、でもこの時はまだ風格があって
僕なんか一睨みで、ちびりそうになっちゃうくらいだったよ」
リリ ゚ -゚)「へぇぇ…」
そらしえーん
49 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:16:15.82 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「さて、話が逸れちゃったね。
それから数日後、アラキさんから電話がかかってきて…」
―
―――
―――――
プルルルルルル
ガチャ(´・ω・`)】「はい、スナでございます」
/ ,' 3「ショボンさんが?」
(´・ω・`)】「え?あ、はい、ショボンは私ですが…」
/ ,' 3「ワシじゃ、ウツダだげんちも」
(´・ω・`)】「あぁ!ウツダさん、先日はどうも…」
/ ,' 3「オメさん、ワシに言う事無ぇが?」
(´・ω・`)】「え?あの…今度お邪魔する件ですか?」
/ ,' 3「とぼげんでねぇ!シャキンが出かける時に会ったのが
『弟のどこさ行く』って聞いでいだったべ!」
ものすごい剣幕に、思わずたじろいでしまう。
(;´・ω・`)】「えぇ!?でもこちらには来てませんy/ ,' 3「黙らっしゃい!!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:16:58.97 ID:5jufRO/W0
支援
51 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:19:24.47 ID:aCu3AYAv0
彼はこちらの言う事になど、聞く耳を持たなかった。
/ ,' 3「オメら兄弟しで、ワシらのごとバガにしてんだべ!?」
(;´・ω・`)】「そんな事ありませんって…」
/ ,' 3「いんや、そうに違ぇ無ぇ、そっちがその気だら、
金輪際付き合いは無しだべ!!」
(;´・ω・`)】「ちょ、もしもし!?もしもし!?…切れてる」
―――――
―――
―
(´・ω・`)「それから、カーチャンさんから電話があって…
謝罪と、とにかく今は頭に血が上っているから、しばらく待って欲しいってね」
('、`*川「でも、なかなか頑固でねぇ。
…ドクオ君が家に来るのも、反対してたらしいのよ」
リリ ゚ -゚)「でも、なんでそんなに怒ったんだろう?」
(´・ω・`)「…裏切られたと思ったんじゃないかな?
ほら、大樹館がピンチの時にお金を融通したじゃないか。
それで得た信頼に泥を塗られた…とね」
リリ ゚ -゚)「そんな、思い込みじゃない」
52 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:22:17.69 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「うん、でも、どっちも兄さんが関わってるんだよね。
大樹館を潰しかけたのもそう、信頼に泥を塗ったのもそう」
('、`*川「だから、私達も強く出られなくって…」
(´・ω・`)「ドクオ君が家に来てくれたのは、幸いだと思うんだよ。
それまでのわだかまりを水に流す、絶好の機会だからね」
('、`*川「私達の代では、不幸なすれ違いで疎遠になっちゃったけど…」
(´・ω・`)「君達には新たな関係を築いて欲しい、そう願っているよ」
知らなかった。
親戚関係にある両家が疎遠になるには、
それなりの事情があるのだろうけど、
ちょっとしたすれ違いが原因になっているなんて…
リリ ゚ -゚)「納得した…とは言えないけれど、色々事情があったんだね」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:24:06.17 ID:F2Bd14zbO
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:24:25.03 ID:W1cwyjFZO
しえん
55 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:25:22.89 ID:aCu3AYAv0
(´・ω・`)「うん、クーも気をつけるんだよ。
相手の言い分を聞くのも必要だって事。
もっとも、鵜呑みにしちゃいけないけどね」
リリ ゚ -゚)「うん、気をつけるよ…それじゃあもう一つ…」
(´・ω・`)「兄さんがドクオ君に、辛くあたるって事かい?」
リリ ゚ -゚)「うん」
(´-ω-`)「さぁ、それは…本人じゃないとねぇ…」
リリ ゚ -゚)「そんな…ここまで話したんだから…」
(´・ω・`)「今日はもう遅いし、ちょっと時間をくれないかな?」
時計を見ると23:00を回っていた。
思った以上に話が長かったようだ。
56 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:28:20.97 ID:aCu3AYAv0
('、`*川「さぁ、クー。お風呂に入ってきなさい。
夏休みだからって夜更かししちゃダメよ?」
リリ ゚ -゚)「わかったよ、母さん。
…父さん、続きはまた明日聞かせて」
(´・ω・`)「…考えておくよ」
私は着替えを取る為に自室へ向かう。
部屋の入り口で、ふとドクオの部屋に目をやるが、
当然ドクオはその部屋にいない。
リリ - -)(新たな関係…か…)
それがどういった物になるのか…
今の私には答えが出せない、なぜなら『関係』と言うものは
相手があって初めて成立するものなのだから。
リリ ゚ -゚)(今悩んでもしょうがないな)
とにかく風呂に入ってさっぱりしよう。
私はそう決めて、長い一日を締めくくる事にした。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:30:47.36 ID:W1cwyjFZO
しえりんこ
58 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:31:17.53 ID:aCu3AYAv0
*** ('A`)side ***
( ・∀・)「じゃ、坊ちゃん、次は温泉の掃除です」
('A`)ゝ「うぃ〜す」
モララーさんの指示を受けて返事をする。
服装はTシャツ+ジーンズにハッピを着込んでいた。
( ・∀・)「まずは男湯から、
お客様を待たせちゃいけないので手早く、かつ丁寧にね」
('A`)ゝ「うぃ〜す」
( ・∀・)「…女湯は私がやります。変な事されても困りますから」
('A`)ゝ「うぃ…(#'A`)しませんよ、そんな事!」
( ・∀・)「…そんな事ってどんな事です?坊ちゃん?」
(#'A`)「な…それより、坊ちゃんは止めてください!」
モララーさんは顔を近づけて…
( ・∀・)(大旦那に見つかると、お前が帰ってから煩そうだからな…我慢しろよ)
( ・∀・)「ほらほら、急がないとお客様を待たせちゃいますよ?」
(#'A`)ゝ「うぃぃぃぃぃっすぅぅぅぅぅ!!」
59 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:34:10.18 ID:aCu3AYAv0
昨日、母に言われたとおり旅館の手伝いをしていた。
朝からモララーさんに指示されて、玄関の掃除から、
チェックアウトした部屋の掃除…と雑用をこなし体は悲鳴を上げている。
救いと言えば食事は『まかない』で済ませられるので、
自分で作らなくて済むという事と、
ギコ達が部活から帰って来るであろう時間(大体15時ごろ)には
開放されると言う事だ。
それは母の、
** J( 'ー`)し「お友達は大事にしなさいね」 **
と言う、心遣いからだった。
ゴシゴシ(;'A`)「ふぃ〜、あっちぃなぁ…」
タイルをデッキブラシで擦る。
大樹館の温泉は源泉掛け流しなので、手入れを怠ると
温泉の成分が残って、とてもよくすべる。
事故防止の為にも欠かせない作業なのだが、かなりの重労働だ。
(;'A`)「よっと、次は…」
タイルを磨き終わったら、洗面器、洗い椅子の手入れ、
脱衣所の掃除…とやるべき事は山積みだ。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:35:06.08 ID:W1cwyjFZO
しえ
61 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:37:09.56 ID:aCu3AYAv0
(;'A`)(これなら交通費を払った方が、良かったかもわからんね)
クー達と一緒に帰っていれば、少なくとも肉体労働は免れるだろう。
しかし、これも旅館の一人息子なら、避けられない仕事なのも事実だ。
子供の頃から手伝いはさせられていたが、ここまでの重労働は初めてだ。
ここを出てから背も伸びたし、少しは大人として扱われているのだろう…
と、無理やり自分を納得させていた。
( ・∀・)「おーい、おわったかー?」
(;'A`)「…もうちょっとです」
( ・∀・)「じゃ、二人でやっちゃおう、露天が終わったら休憩しよう」
('A`)ゝ「うぃ〜す」
モララーさんが手伝ってくれたので、男湯の掃除も程なく終わり
二人で露天風呂の掃除を始める。
(; ・∀・)「タイルは俺がやるから、洗面器を頼む」
モララーさんがデッキブラシで洗い場を擦り始める。
口調が変わったのは疲れてきたせいもあるのだろう、
俺にとってはこの方が馴染み深い。
洗面器の手入れの後、脱衣所の掃除をしていると、
タイルを磨き終えたモララーさんが入ってくる。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:40:09.45 ID:SA4dHqC50
しえ
63 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:40:15.34 ID:aCu3AYAv0
(; ・∀・)「いやぁ、助かったよ。
いつもやってるヤツが夏風邪引いちゃってね」
(;'A`)「そうなんすか」
(; ・∀・)「寝苦しくて、布団をはいで寝たらしいんだよ。
ま、お盆前で良かった、8月に入ると流石に混むからね」
(;'A`)「…商売繁盛なんすね」
(; ・∀・)「その代わり困ったお客も増えてるよ、
安いプランで予約したのに、料理がショボイって文句を言ったり
庭園に入って枝を折ったり…ね」
(;'A`)「…そうなんすか」
俺は相槌を打つしかない、離れていた1年半の間に、
客層も大分変わったようだ。
(; ・∀・)「こないだなんて、錦鯉を釣ろうとした客もいたからね。
さて、休憩にしようか」
かがめていた腰を伸ばしながら、モララーさんが提案する。
俺達は休憩を取る為、従業員用スペースへと向かった。
64 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:43:23.08 ID:aCu3AYAv0
( ・∀・)つ■「ほらよ」
('A`)つ■「有難うございます、いただきます」
モララーさんから缶ジュースを受け取り、一口飲む。
蒸し暑い風呂場の掃除後の体に、冷たい液体が染み渡る。
( ・∀・)「う〜ん、これがビールだったら言う事無いんだけどな」
('A`)「仕事中ですよ、モララーさん」
( ・∀・)「だからジュースで我慢してるじゃないか、午後から送迎もあるしな」
('A`)「…免許があれば、お手伝いできるんですけどね」
( ・∀・)「まぁ、こればっかりは焦ってもな。
…ところで、どうだ?向こうは?」
('A`)「それなりに充実してますよ、訛りも取れたし…」
( ・∀・)「それなぁ、無理に取る事無いと思うんだよな。
('A`)「でも…やっぱり恥ずかしいし…」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:44:52.91 ID:W1cwyjFZO
しえん
66 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:46:37.84 ID:aCu3AYAv0
( ・∀・)「気持ちはわかるよ、でも俺くらいの歳になると、
羨ましくもなるんだよ」
('A`)「羨ましい?」
( ・∀・)「うん、ここで働いてるせいもあると思うけど、
訛りってのはなんつーか…親愛の証みたいな…
ほら、お前だってギコ君と話す時訛るだろ?
何年離れても、一瞬でその空白を埋められるような…な」
('A`)「そんなもんすかね」
( ・∀・)「そう言うもんさ、ま、おっさんの独り言だと思ってくれ」
('A`)「おっさんって…モララーさん何歳でしたっけ?」
( ・∀・)「今年で38だ」
('A`)「38で独身…」
(# ・∀・)「お?言ったなこのヤロ、お前こそどうなんだ?彼女できたか?」
(;'A`)「なんすか、そのつながり…」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:48:17.29 ID:Y7ZjXMn6O
しっしっし
68 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:49:46.08 ID:aCu3AYAv0
( ・∀・)「お前な、10代なんてあっという間なんだから、
彼女の一人や二人いなくてどうすんだ?」
('A`)「…今はそんな事考えられませんよ」
( ・∀・)「なんで?」
('A`)「無理言ってvipに行ってるし、叔父さん所に居候だし…」
( ・∀・)「バカだな、お前。そんなの言い訳じゃねぇか」
('A`)「言い訳…?」
( ・∀・)「そうだよ、お前はそれを彼女を作らない言い訳にしてるだけだ。
本気で惚れたら、そんなの吹っ飛んじまうよ」
('A`)「モララーさんはどうなんです?そんな相手…( ・∀・)「いるよ」
(;'A`)「え!?」
( ・∀・)「彼女がいるから、俺はここにいる。ま、相手にされてないけどな」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:49:52.85 ID:i+OBVj/NO
ドクオは浮気でできた子で血が繋がっていないとわかったら、クーは心置きなく付き合えると喜びそう
70 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:52:28.33 ID:aCu3AYAv0
(;'A`)「それって一体だr川д川「あぁ、いたいた」
川д川「支配人、女将さんが呼んでますよ」
( ・∀・)「おっと、休憩はおしまいっと、じゃあなドクオ」
(;'A`)「ちょ、まだ話は…」
( ・∀・)「お前にゃまだ早いよ、続きは…
お前が童貞捨てたら教えてやるよ」
(//A/)「何を川#д川「馬鹿なこと言ってないで、早くしてください!」
モララーさんは「おー、こわ」と言った風情で、肩をすくめて去って行く。
その場には俺と貞子さんが残された。
川д川「まったく、坊ちゃんに変な事吹き込んで…」
('A`)「いや、別に変な事は…」
川д川「あぁ、坊ちゃん。女将さんが『もう上がって良い』って言ってましたよ。
まかないは厨房で食べられますんで」
('A`)「はい、有難うございます。あの…」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:54:19.84 ID:Y7ZjXMn6O
モララー、38か…
ないすみどる
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:54:20.72 ID:F2Bd14zbO
支援
73 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:55:08.84 ID:aCu3AYAv0
立ち去ろうとする貞子さんを呼び止める。
そしてモララーさんに言われた事を話して、聞いてみた。
('A`)「貞子さんは、言い訳だと思いますか?」
川д川「そうですねぇ…」
彼女は少し考えてから答える。
川д川「そういう受け取り方をする人もいる…って事じゃダメでしょうか?
恋愛なんて、言ってしまえば人それぞれなんですから」
('A`)「はぁ…」
川д川「モララーさんも嬉しいんですよ、坊ちゃんが帰ってきてくれて。
だから、色々と言いたくなるんですよ」
川*д川「彼女ができたら、ぜひ連れてきて下さいね、
精一杯おもてなしさせて頂きますから」
貞子さんもそう言って仕事に戻って行った。
('A`)(言い訳…なのかな)
残ったジュースを一気にあおる。
少しぬるくなってしまったが、それでも清涼感がのどを走る。
('A`)(考えてもしゃあねぇか…)
空になった缶をゴミ箱に捨て、休憩所を後にした。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:57:55.02 ID:BCuTI/rL0
(*・∀・)J( 'ー`*)し「ドクオ私再婚しようと思うの」
(*・∀・)「お父さんって呼んでくれていいんだぜ」
。 。ポーン
//
( A)
75 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 20:58:55.39 ID:aCu3AYAv0
(,,゚Д゚)ノ「うぉーい、来たぞー」
Σ(*゚ー゚)「ドクオが勉強しでる!」
旅館の手伝いを終えて、まかないを食べた後、
居間で課題をやっているとギコとシィが遊びに来た。
('A`)「課題だよ、ちっとでもやっとがねぇどな」
(*゚ー゚)「どれどれ…なんだべ?これ?
見た事ねぇ記号が並んでっぺよ!?」
シィはテキストを覗き込んで素っ頓狂な声を上げる。
vip高と彼女の通う高校では、範囲が大分違うらしい。
('A`)「大声出すな、祖父ちゃん寝でるがら」
(*゚ー゚)「あ、ゴメン」
(,,゚Д゚)「なんだべ?鬼の霍乱が?」
('A`)「いや、実は今朝な…」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:58:58.47 ID:Gp67/HcXO
(*・∀・)(*゚ー゚)「「私達、結婚します!」」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 20:59:13.75 ID:F2Bd14zbO
ポーン支
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:01:08.55 ID:i+OBVj/NO
よかったなクー、イトコかと思ったドクオと結婚できるかもしれないぞ
80 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:01:35.83 ID:aCu3AYAv0
―
―――
―――――
('A`)「祖父ちゃん、ホントにやんのが?」
/ ,' 3「無論だべ、vipで剣道やんなら、おさらいしといで損はねぇべ」
二人で向かい合って木刀を構える。
打ち合うのではなくて『剣の型』をなぞるのだ。
上位である祖父が打ち込み、それを俺が受ける。
気合と共に上段から袈裟懸けに来た木刀を、下段からの剣で受け流す。
次は一度剣を引き、祖父が振るう横薙ぎの剣を受けるのだが…
祖父が腰溜めに構えた姿勢から、身体をひねって木刀を繰り出す瞬間――
ゴキリ/ 。゚ 3「ぉがぁ!!」
奇妙な悲鳴と共にくず折れる祖父。
(;'A`)「祖父ちゃん、どうしたの!?大丈夫?」(今、変な音が…)
慌てて駆け寄ると、うずくまったまま、
/ 。゚ 3「うぐぐ、腰、腰がぁ…」
(;'A`)「腰って…痛いのが?ここが?」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:03:05.24 ID:Gp67/HcXO
じいちゃんwwwww
82 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:04:19.16 ID:aCu3AYAv0
腰を擦ろうと、手を触れると…
/ 。゚ 3「ぐあぁぁ、止め、止めぇ…」
J(; 'ー`)し「ちょっと、どうしたの!?」
騒ぎを聞きつけて母が駆けつける。
(;'A`)「祖父ちゃんが…」
J(; 'ー`)し「また腰をやったのね、ドクオ、そっち持って」
二人で肩を貸して祖父を立たせる。
/ 。゚ 3「ぉがぁ!そっと、そっと…」
痛みで悲鳴を上げる祖父を、布団まで連れて行って寝かせる。
J( 'ー`)し「しばらく安静にしてるのよ、わかった?」
/ ,' 3「うぅ〜、いでぇ…」
J( 'ー`)し「ドクオも、あんまり祖父ちゃんを乗せないでね」
(;'A`)「うん、わがったよ」
―――――
―――
―
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:05:56.76 ID:F2Bd14zbO
しえ
84 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:07:05.33 ID:aCu3AYAv0
('A`)「って訳でな、さっきやっと眠ったみたいなんだべ」
(,,゚Д゚)「なんだべ、爺様も年には勝でねが」
(*゚ー゚)「じゃあ、どこさが行ぐのも無理そうだべな」
('A`)「んだ、ま、せっかく来たんだがら、ゆっくりしてげ。
今、麦茶持って来っから」
課題を片付け、台所から麦茶を盆に乗せて居間に戻ると、
二人は縁側に腰掛けていた。
('A`)つ□「ほい」
(,,゚Д゚)つ□「サンキュー」
(*゚ー゚)つ□「ありがと」
俺も縁側に腰を下ろして、庭を眺める。
(,,゚Д゚)「…なんか、ドクオ。疲れで無ぇが?」
('A`)「あぁ、済まね、今朝の騒ぎの後、すぐに旅館の手伝いさ行ったがら。
いやぁ、こき使わっちゃ」
(*゚ー゚)「んじゃ、眠いんでないの?」
('A`)「いや、それは大丈夫だ、ちっと寝だがら」
85 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:10:46.51 ID:aCu3AYAv0
(,,゚Д゚)「それにしては元気がねぇべ」
('A`)「んー、ちっとな…モララーさんに…」
俺はモララーさんに言われた事を話した。
その場では考えても仕方が無いと思ったが、どうにも頭を離れないのだ。
('A`)「…どうにも頭がら抜げねぐっでよ」
(,,-Д-)「はぁ〜、言い訳が…」
(*゚ー゚)「私はモララーさんの意見に賛成だべ。
そうやって自分を縛っでも、あんまり良ぐねぇべな」
シィははっきりとモララーさんへの賛同を示す。
恋愛に対して積極的なのは、この年代の女子なら
当然なのかも知れない。
(,,゚Д゚)「俺はそうは思わね、言い訳ってのは言い過ぎだべ。
それに…自分を律するのも大事な事だべ。
剣道やってればわがっと思うげど」
ギコは正反対の意見を言う。
先日の夜中に俺が怒ったのを、覚えているせいかも知れない。
(*゚ー゚)「そだ事言ってだら、恋愛なんてでぎねんでねぇの?」
(,,゚Д゚)「だがら、期間限定でだべ?
ドクオだって『叔父さんの家にいるがら』って言ってるべよ」
86 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:13:31.67 ID:aCu3AYAv0
二人の議論(?)はヒートアップしていく。
話を振ったのは俺なので、何とか沈静化を試みる。
(;'A`)「二人とも、落ち着げって…悪ぃがったよ、変な話して…」
(,,゚Д゚)「悪ぃがった、つい熱ぐなっちまっで…」
(*゚ー゚)「ゴメン、最後に決めるのはドクオだったべ。
…でも、意外と好きな人がでぎだら情熱的なんでねぇの?」
(;'A`)「…そだの想像もでぎねな」
(,,^Д^)「「俺(私)もだべ」」(^ー^*)
(;'A`)「オメら…なんで、そだのだげ息ぴったりなんだ?」
(*゚ー゚)「んだって…伊達に」
(,,゚Д゚)「幼馴染やってねぇべな?」
(;'A`)「そごまで息合わせんのがよ…」
結局結論は出なかった。
それも当然なのかも知れない、三人ともまだ高校生で、
モララーさんや貞子さんのように、人に何かを教えられるほど
経験を積んでいないのだから――
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:15:36.47 ID:W1cwyjFZO
しえん!
88 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:16:12.11 ID:aCu3AYAv0
――久々の家族団らんを過ごす事ができた。
クーの家で叔父、叔母達と過ごした事は有ったが
やはり実家というのは良いものだ。
祖父とも剣を交えたが、まさかのギックリ腰。
当分は大人しくしているしかないだろう。
旅館の仕事はきつかったけど、
モララーさんとじっくり話す事ができた。
「それは言い訳だ」
その一言が頭から離れない。
いつか、自分なりの答えを
見つけられるのだろうか――
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:17:49.78 ID:F2Bd14zbO
し
90 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:19:41.90 ID:aCu3AYAv0
('A`)と川 ゚ -゚)はイトコのようです
第16話〜(´・ω・`)は語り、
( ・∀・)は助言(?)をするようです〜
〜fin〜
91 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:22:06.33 ID:aCu3AYAv0
以上で本編は終了です。
今回はスナ家の緊張と、ウツダ家の和みの
温度差を書いてみました。
予定では弁護士登場まで書きたかったんですが、
ドクオとモララーに会話をさせたら長くなっちゃって…
弁護士登場と、シャキンの過去2については次回以降に持越しです。
>>69そこまで考えてないです
>>74年齢差が…でも、有りかな?
今回もおまけを用意しましたので、良かったらお付き合いくださいね。
あ、それから、カーチャンとシャキンは離婚させるつもりなんですが、
その場合、イトコ同士って他人扱いになるんですよね…?
調べてもわからなかったので、
皆さんの考えを聞かせてもらえないでしょうか?
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:23:33.96 ID:IWSuM4p+O
おつんぽ
93 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:25:16.77 ID:aCu3AYAv0
〜 (・A・)の冒険 〜
(・A・)「あっ、アリンコだー」
庭の隅にしゃがみこんでアリの行列を眺める…が、
彼らは生きる為の労働に夢中で、大きな変化を起こさない。
(・A・)「たいくつだべ…」
母ちゃんは、親戚の人と大事な話があるみたいで、
僕は庭で遊んでなさいって言われた。
いつもなら、ギコとシィちゃんと三人で遊んでいるけれど、今日は僕一人。
** J( 'ー`)し「イトコの女の子がいるから、遊んでもらえると良いわね」 **
母ちゃんの言葉に期待してたけど、
今日は遊びに行っているみたいだし、
お庭も狭くて、かけっこなんてできそうも無い。
(・A・)「つまんないなー」
立ち上がって空を見上げる、そこにあるのは
いつも見る澄み切った広い空ではなくて、
ぼんやりと曇って窮屈そうな空だった。
(・A・)「あっ!」
94 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:28:28.14 ID:aCu3AYAv0
その空の中に一つ、見慣れた姿を見つけた。
(*・A・)「ちょうちょだ!」
ひらひらと舞う小さな蝶。
それはゆっくりと庭に飛んできて、庭の片隅で羽を休める。
(*・A・)「よ〜し、ぬしあし、さきあし、しのぎあし…」
そろりそろりと近づいて、蝶に手をのばす。
(・A・)「あ…にげた」
蝶は寸でのところで宙に舞い、塀を超えて飛んでいく。
(・A・)「にがさないぞ〜、まて〜」
『お庭で遊んでなさい』母ちゃんの言葉など
蝶と一緒にどこかへ飛んで行ってしまった。
僕は夢中で蝶を追いかける。
手を伸ばしては逃げられ、逃げられては追いかける。
そんな事を何度か繰り返して…
(・A・)「そ〜っと、やった!!」
(^A^)「つかまえた!カーチャン!見て!これ…」
(・A・)「あれ?ここ…」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:28:59.81 ID:hRTVsPRrO
支援ですわぃ
96 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:31:30.61 ID:aCu3AYAv0
周りを見回すと、見た事の無い公園の真ん中にいるようだった。
おかしい、僕は親戚の家の庭にいたはずなのに、
どうしてこんな所にいるんだろう?
(・A・)「カーチャーン…」
小さく呼んでみるが当然、返事は無い。
途端に心細くなって涙が溢れてくる。
(;A;)「カーチャン!?どご!?」
泣きながら呼んでも返事は無い。
…さっき捕まえた蝶も、いつの間にかどこかへ行ってしまった。
(;A;)「うわぁぁぁぁぁん」
どうしよう、母ちゃんがいなくなってしまった。
いつの間にか知らない所に立っているし…
(;A;)(このままじゃ、お家にかえれないよ…)
そんな事を考えると、不安で不安で、
涙がどんどん溢れてくる。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:32:02.55 ID:F2Bd14zbO
血縁はどうあっても切れない以上イトコなのは変わらないような気もする
98 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:38:32.38 ID:5mbRxs17O
さるです
少々お待ちを…
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:41:59.74 ID:QPM2G/iL0
でも、そもそもいとこって恋愛も結婚もできるじゃん
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:46:25.02 ID:hRTVsPRrO
支援でごわすよ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:48:25.82 ID:OHcR55af0
しえん
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:51:09.24 ID:F2Bd14zbO
支援
103 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 21:51:34.33 ID:5mbRxs17O
まだダメ…
すみません。もうちょっと…
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:52:30.27 ID:SA4dHqC50
しえ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:54:53.11 ID:hRTVsPRrO
さるった時は焦らず一息つけると良いでござるよ
* おおっと *
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:55:09.52 ID:5pidEGss0
しえん
それと、投下終了後でいいんで
>(´・ω・`)「…裏切られたと思ったんじゃないかな?
ほら、大樹館がピンチの時にお金を融通したじゃないか。
それで得た信頼に泥を塗られた…とね」
をもちょっとkwsk教えてください
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:59:58.61 ID:SA4dHqC50
支援
109 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:00:00.44 ID:aCu3AYAv0
⌒( ・・)⌒「どうしたの?何で泣いてるの?」
立ちすくんで泣いていると、目の前に女の子が一人立っていた。
女の子は不思議そうな顔をして、僕の顔を覗き込んでいる。
(;A;)「ヒック…カーチャン…いない」
⌒( ・・)⌒「泣かないで、一緒にさがしてあげるから」
Σ(;A;)「…ヒック」
「いこ!」⌒( ・・)⌒つ⊂(・A∩)「…うん」
女の子に手を引かれて歩き出す。
その間に、女の子はいろんなことを聞いてくる。
⌒( ^^)⌒「アタシ5歳!アタシの方がお姉ちゃんね!」
1歳年上だと知ったときは特に喜んでいた。
最初は、女の子の反応に気が紛れていたけれども
次第に母ちゃんの姿が見えないのが心細くなってきた。
(・A;)「やっぱり、カーチャン、いない…」
⌒( ・・)⌒「泣かないの!男の子でしょ!」
再び泣き出す僕を女の子が叱る、その声で涙は更に勢いを増す。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:00:06.76 ID:Zbh8EsQyO
カーチャンとショボンは他人になるが、クーとドクオは血が繋がってるから、離婚してもイトコだと思う
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:02:17.21 ID:hRTVsPRrO
支援
112 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:05:07.45 ID:aCu3AYAv0
(;A;)「だっでヒク、さびしいの…ヤダ」
女の子は少し迷った後、つないでいた手を離して駆け出す。
Σ(;A;)「待っで!置いてがないで!」
そのまま駆けて行ってしまうのかと思ったが、数歩先で振り返って
⌒(*^^)⌒「じゃあ、アタシがお姉ちゃんになってあげる!」
一瞬、何を言っているのか理解できなくて聞き返す。
(;A;)「?…おでぇちゃん…?」
⌒(*^^)⌒「そう!二人一緒ならさびしくないよ!」
女の子は満面の笑みで手を差し伸べる。
(ぅA;)「うん!」
僕は涙を拭いて、その手を握り返した。
その小さな手は暖かくて、なんだかとても頼もしかった。
「いこ!」⌒(*^^)⌒つ⊂(^A^)「うん!」
もう一人ぼっちじゃない、二人なら心強い。
考えも新たに歩き出したとき、誰かの呼ぶ声が聞こえた。
J(;'ー`)し「ドクオ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:05:48.57 ID:hRTVsPRrO
支援支援
114 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:08:34.22 ID:aCu3AYAv0
声をする方を見ると、額に汗を浮かべ、
息を切らしている母ちゃんの姿があった。
(・A・)「あっ!カーチャン!」
その姿にホッとして、再び涙が溢れてくる。
女の子とつないでいた手を離して、母ちゃんにすがりつく。
エグヒク(;A;)J(;'ー`)し「クーちゃん、ありがとうね、
ドクオを探して来てくれて」
女の子は突然の事に呆然としていたが、
母ちゃんに声をかけられて返事をする。
⌒( ・・)⌒「んーん、だいじょうぶ、だって…」
⌒(*^^)⌒「アタシ、ドクオ君のお姉ちゃんだもん!!」
J('ー`)し「そう、ありがとうね、クーちゃん。
ドクオ、良かったわね、こんな可愛いお姉ちゃんができて」
(;A;)エグエグ
J('ー`)し「あらら、ダメだわね、これは…
じゃあ、クーちゃん。お家まで連れてってくれるかな?
おばちゃんも迷子になりそうだから」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:09:45.82 ID:oHBKN9MXO
支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:10:49.99 ID:5pidEGss0
SHIEN
117 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:11:21.49 ID:aCu3AYAv0
⌒( ・・)⌒「?大人なのに迷子になるの?」
J('ー`)し「そうよ、この子を探して夢中だったから…」
⌒(* ・・)⌒「いいよ!一緒にかえろ!」
⌒(* ・・)⌒つ⊂J('ー`)しつ⊂(;A;)
三人で手をつないで帰る、親戚の家に着くと
おばさんが心配そうな顔で待っていた。
('、`;川「ドクオ君!あぁ良かった、一時はどうなる事かと…」
J('ー`)し「ご心配おかけしました。
クーちゃんがドクオを見つけてくれて…」
('、`*川「まぁ、クー、お手柄ね、偉いわよ」
⌒( ・・)⌒「ねぇ、お母さん、遊び行って良い?
ツンちゃん達が…」
('、`*川「んー?もうすぐお父さんが帰って来るから、
ちょっと待っててね。
あら?ドクオ君は?」
J('ー`)し「済みません、泣き疲れたみたいで…」
僕は泣き続けて眠ってしまっていた。
母ちゃんの腕の中は暖かくて、気持ちよくて…
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:11:25.88 ID:hRTVsPRrO
支援
119 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:14:50.93 ID:aCu3AYAv0
⌒( ・・)⌒「寝ちゃったの?」
J('ー`)し「知らない所を歩いて、疲れちゃったのね」
⌒( ・・)⌒「なーんだ、一緒にあそぼうと思ったのにぃ」
J('ー`)し「ゴメンね、クーちゃん。また今度よろしくね」
⌒(*・・)⌒「いつでもいーよ、だってお姉ちゃんだもん!」
* * * * *
* * *
*
そして――
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:17:02.24 ID:hRTVsPRrO
支援し
121 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:17:10.95 ID:aCu3AYAv0
川 ゚ー゚)「ふん、動揺して訛りが出るようじゃ、お前はまだ私の『弟』だよ」
――その記憶を、大切な思い出として抱えている少女と
(#'A`)「いつまでも『弟』扱いしてんじゃねぇーー!!」
――その記憶を、夢か幻と思っている少年が
十数年の時を経て再会します――
彼らの物語は始まったばかり。
どんな結末が二人を待っているのか…
まだ誰にもわからない――
完
123 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:20:08.11 ID:aCu3AYAv0
〜 虫嫌いの原因 〜
(*^ω^)「おー、クーちゃん遅いおー」
ξ*゚听)ξ「いっつも待っててくれるのにねー」
⌒( ・・)⌒「ごめ〜ん、待った〜?」
(*^ω^)「お、来たお」
ξ*゚听)ξ「どうしたのー?」
⌒( ・・)⌒「親戚のおばさんと、イトコが来てたの」
(*^ω^)「イトコってお兄さんかお?お姉さんかお?」
⌒( ・・)⌒「んー、弟かな?」
ξ*゚听)ξ「連れてきて一緒にあそぼ!」
⌒( ・・)⌒「寝ちゃってたし、今日帰るんだって」
(*^ω^)「ざんえんだおー」
ξ*゚听)ξ「ブーン、それなら『さんねん』って言うのよ!」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:22:05.78 ID:Y7ZjXMn6O
クーだけ違うんだな…
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:22:17.98 ID:hRTVsPRrO
(・ω・)ξ∵)ξ
126 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:23:23.04 ID:aCu3AYAv0
(*^ω^)「おー、そうかお?ツンは物知りだお」
ξ*゚听)ξ「へへ〜ん」
⌒( ・・)⌒「あっ!ブーン、あそこにちょうちょ!」
ξ*゚听)ξ「ブーン、早く!捕まえて!」
(*^ω^)「よーし、いくお!…そりゃ!」バッ!
⌒( ;・・)⌒「あっ…」
(*^ω^)「お?」
ξ* )ξ「………」
ブーンの振るった虫捕り網は、
蝶と一緒にツンの頭を捕らえていた。
ご丁寧に蝶は、ツンの鼻先でもがいている。
ξ* )ξヒク、エグ、ヒグ
(;^ω^)「おー、ゴメンだお」
⌒(;・・)⌒「ツンちゃん、大丈夫?」
127 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:26:04.89 ID:aCu3AYAv0
ポカポカξ#;凵G)ξ「うぁぁぁぁん、ブーンのバカァァ!」
(;^ω^)「ゴメ、ちょ、止めるお」
ξ#;凵G)ξ「キライキライ!ブーンも虫もキライ!!」
⌒(;・・)⌒「あっ!ツンちゃん!」
彼女は泣きながら帰って行った。
(;^ω^)「おー、泣かせちゃったお…」
⌒(;・・)⌒「後で謝りにいこ?」
(;^ω^)「おー、そうするお」
…結局ブーンが許してもらえたのは1週間後、
ツンの虫嫌いは治りませんでしたとさ。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:26:17.80 ID:hRTVsPRrO
支援
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:29:34.14 ID:F2Bd14zbO
支
130 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:29:41.59 ID:aCu3AYAv0
以上でおまけも終了です。
以前から幼いドクオとクーの対話は書きたかったんですが、
本編で過去の話に踏み込んだので、やっと書けました。
夢と違う点は、二人とも幼かったので、
色々抜けてると解釈してください。
>>97 そうですよね、法律の上では縁が切れるかも知れませんが、
血縁と言う意味では切れないんですよね。
>>99 そうなんですが、気の持ちようというかなんと言うか…
>>107 / ,' 3「ショボン達は危機を助けてくれた恩人」
↓
/ ,' 3「だが、シャキンを匿っているのではないか?」
↓
/ ,' 3「嘘をつかれた」
↓
/ ,' 3「裏切られた」
と、ショボンは解釈しています。
可愛さ余って…と言う感情に近いかも知れません。
>>110 なるほど…
>>124 AAが思いつかなかったんです
>>125 次からそれを使わせてもらいます
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:32:28.27 ID:F2Bd14zbO
乙でした
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:32:55.27 ID:QPM2G/iL0
>>130 なるほど気の持ちようか
すまん野暮なこといって
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:33:40.12 ID:hRTVsPRrO
乙でごわした
ξ∵)ξ←で良いのかwwwwww
>>130 ξ∵)ξ ゴェェェエエエェエ!!
って感じになるぞww
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:34:32.02 ID:5pidEGss0
>>130 把握。アラマキはショボンと会った後日、帰ってきたシャキン
がショボンの家に居たと言った嘘を信じちゃったわけか
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:37:21.63 ID:GA7DcuxP0
あ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:38:12.38 ID:kxjxYREbO
乙
ξ∵)ξ乙!
139 :
◆4dw0vE5KZE :2009/08/18(火) 22:41:52.22 ID:aCu3AYAv0
>>132 いえいえ、説明不足なところも一杯有るので、指摘頂くのは嬉しいですよ。
>>135 そうです、正確には『ショボンの家に行く』と言う伝聞を信じたんです。
遠くの親戚より近くの他人。
地域のつながりを大事にする人なので、ショボンを信じられなくなってしまったんです。
さて、そろそろ失礼したいと思います。
本日も長時間お付き合い頂きまして、有難うございました。
今回はイレギュラーで火曜日に投下しましtが、
次回からはまた、月曜日投下に戻そうかと思っています。
ただ、最近煮詰まってきたので、息抜きに短編…
「駄菓子屋さん」を書くかも知れません。
その時は許してくださいね。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:51:12.47 ID:V9vzVX2H0
おおお平日だってのに来てただと?
週末のために酒用意しようとしてたのに・・・とりあえず乙。
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
息抜きに短編書くなら見るよ
乙!!