文才ないけど小説書く

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここはお題をもらって小説を書き、筆力を向上させるスレです。


◆お題を貰い、作品を完成させてから「投下します」と宣言した後、投下する。

◆投下の際、名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』を記入。
 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』) ※タイトルは無くても構いません。


※※※注意事項※※※
 容量は1レスは30行、1行は全角128文字まで
 お題を貰っていない作品は、まとめサイトに掲載されない上に、基本スルーされます。

まとめサイト:各まとめ入口:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/
まとめwiki:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/
wiki内Q&A:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?Q%A1%F5A
2自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 20:52:11.54 ID:1zFfSbzr0
■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■


このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 20:54:27.21 ID:/4m7lLjS0
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です

▽規制されている方へ
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
 そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。

▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を

▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
 wiki内週末品評会:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
4自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 20:54:28.75 ID:1zFfSbzr0
■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■


このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 20:56:59.87 ID:/4m7lLjS0
あれ、あと何貼ればいいんだっけ
6自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 20:57:36.17 ID:/qzZB7mH0
■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■ WARNING ■


このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 20:59:58.67 ID:JhmQUKNb0
91 :◆7cy2QI8jBM :2009/08/12(水) 01:53:03.25 ID:XU+SgktR0

「でも世の中広いし、小説書いて食っていこうなんて人の中にはそれ
くらい化け物じみた奴がいてもおかしくはないかなと思ってた。
 だってまさか、ほんものがいるなんて思わないだろ?」
(杉井光著『ばけらの!』より)

 第176回品評会 『化け物』


規制事項:5レス以内
投稿期間: 2009/08/15(土) 00:00〜2009/08/16(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間: 2009/08/17(月) 00:00〜2009/08/18(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※



日程どうするこれ
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:03:52.37 ID:/4m7lLjS0
>>7
dd
避難所では延長した方がいいような感じだったよな。どうしたものか。
とりあえず、規制スレの転載が先?
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:06:22.54 ID:JhmQUKNb0
※※※宣伝※※※
▲八月品評会
八月一杯かけて小説をのんびり書くBNSK非公式イベント、八月品評会を開催します
毎月開催される月例イベントではなく、八月限定の単発イベントなので気軽に参加してください

お題     : 以下の二つの条件のうち、いずれか一方を満たす小説であること

          条件A 「人語を話す人間外の存在が登場する」
          条件B 「BNSKで出会った心に残ってる小説から、気に入った固有名詞or題名or台詞を拝借して入れる」
       
レス数制限 : 10レス以内

開催日程  : 8月1日(土)〜 8月21日(金) 23:00 までを執筆期間とし
          8月21日(金) 23:30 までに本スレ(※)、及び、まとめスレへ
          どちらの条件を使用したか一言書き添え、投下すること
          ただし、8月21日(金) 23:00 以降は予約制とする
          未完成作品の予約は無効

          8月22日(土)〜8月28日(金) 24:00までを感想及び投票期間(※)とする

         ※ 週末品評会との混同を避けるために、土日の本スレへの作品投稿は禁止
           同様に月火の本スレへの投票行為は絶対禁止
           まとめスレ(http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1249372924/)へにはいつでもウェルカム

詳しくは、http://wikiwiki.jp/bnsk-kikaku/?%C8%AC%B7%EE%C9%CA%C9%BE%B2%F1
10自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:09:54.94 ID:Oncswyfg0
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このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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11自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:10:34.08 ID:Oncswyfg0
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結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
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12自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:11:22.98 ID:Oncswyfg0
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このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:11:58.72 ID:JhmQUKNb0
>>8
延長すんなって意見はないし延長していいんじゃないかと
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:14:46.62 ID:/4m7lLjS0
延長か。
じゃあ、明日締め切りで、水、木が投票って感じでいいのかな。

15自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:17:10.52 ID:Oncswyfg0
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結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
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16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:21:45.46 ID:JhmQUKNb0
こうか

91 :◆7cy2QI8jBM :2009/08/12(水) 01:53:03.25 ID:XU+SgktR0

「でも世の中広いし、小説書いて食っていこうなんて人の中にはそれ
くらい化け物じみた奴がいてもおかしくはないかなと思ってた。
 だってまさか、ほんものがいるなんて思わないだろ?」
(杉井光著『ばけらの!』より)

 第176回品評会 『化け物』


規制事項:5レス以内
投稿期間: 2009/08/15(土) 00:00〜2009/08/18(火) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間: 2009/08/19(水) 00:00〜2009/08/20(木) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
17自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:22:06.98 ID:Gom4S6uR0
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結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

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18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:26:15.64 ID:/4m7lLjS0
>>16
俺も用意してたww
うん。それでいいかと。てか、今二人しかいないんじゃないかというw
19自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:27:07.75 ID:Gom4S6uR0
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結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

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20自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:27:15.24 ID:Gom4S6uR0
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このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
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http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:30:52.78 ID:JhmQUKNb0
別に二人でも構わんのだがスレ埋もれるのが早すぎないか
22自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:33:05.49 ID:nMXRX8Au0
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結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

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23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:33:47.87 ID:/4m7lLjS0
確かに。過疎スレにこれはきついw
んじゃあ、とりあえず転載してようかな
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:35:12.17 ID:ngwpMwld0
うお、vip復活してる
待ちかねたぜ
通常作品すぐに仕上げてくる
25自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:35:38.68 ID:ys1aDsqk0
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このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
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http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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26(8.8人の鬼たち)と巨大な組織の私たち1/1 ◇/sLDCv4rTY:2009/08/17(月) 21:35:55.08 ID:/4m7lLjS0
 私たちは色のように知っているのだ。赤が赤色であるように、しかし、鬼は人間である
と。鬼とは、その身体をいつでも薄い二枚に分けて、何度も剥がしくっつけることができ
る人間のことだ。私たちの先輩がたはそう定義している。私たちは同じ問題意識を持つ人
から成る集団の一つで、膨大な研究のうちの一つが鬼のことの、例えば天国のように
巨大な組織だ。私たちは大きすぎた。私たちは、鬼と、複雑で多色な関係を築きたいと考
えている。鬼は小さいのだ。鬼は、私の大きな研究に、時に、人体の腕のような邪魔で私
をイラつかせる。時々、腕のような邪魔の先での暗がりに、鬼達の白い歯が見え隠れして、
いろんな場所で僕を恐がらせるのだ。
 ふ、と。よる呼吸をしながら風呂場の近くで思索をめぐらせていると、ときどき、私の
鼻奥から後ろ15cmあたりにまるい空洞ができたように感じる。その空白がいやで、僕
はそこでビー玉をくるくる転がしながら、私の論文が、鬼に、無残に改ざんされているの
を感じている。邪魔されている。そして、回る青いビー玉の表面に白い歯が薄く映るのを
かんじながら、それを私は一生きづけないんだと分かる。論文を推敲しても、その改ざん
をずっと気づけないんだと分かってしまって、すごく悲しくなるんだ。
 天国のようにおおきな組織が存在し、別に、月を従えた世界がある。そして、僕と、鬼
が存在している。僕の重い頭には、月球を生き写した空洞の球状が存在し、そこに球体の
ビー玉が青く転がっている。その半透明な表面に小さく白い鬼の歯が映り、そしてそれは
空洞から逆に僕を噛み壊していく為に存在しているという。
 鬼は、アメーバのように分裂して八人になる。“繁殖期”二枚に鬼が自然に剥がれていく
と、切断面にかわいらしい子鬼のデフォルメマークがただ繁茂しているのが見える。鬼が
この世界で生きていける最大の数は8人と決められている。また、月では0.8人しか生
きられない。
 さて、僕を二枚に剥がしたとき、つるつるの切断面に殖えている眼の無い子鬼達。定期
的に、それらをゴミ箱にざあざあ捨てて、僕は0.2人の人間としてやっていこう。腕も
脚も胴も、定期的に無い僕は、いつも風呂場のよこで残りの僕が回復するのをまっている。
二つまるい眼を瞑る。
27自動保守 ◆KAWORUVHOM :2009/08/17(月) 21:36:23.78 ID:ys1aDsqk0
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このたびは私が中途半端な韓国攻撃を指揮したせいで
結果VIPを長期にわたり停止させてしまい
まことに申し訳ありませんでした

今は非常に反省しております
苦情は運営に行かずこちらへお願いします
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


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28徒 1/2 ◇eVToM6tZeY:2009/08/17(月) 21:37:47.49 ID:/4m7lLjS0
 いかにして暇を潰すか。人生における、貴重で有限な時を何ですり潰すか。深夜の通販で売っているような万
能スライサーのように、蕎麦職人が何年も使ってきた石臼のように、どちらでもいいが、どう潰すか。少なくと
もそれが私にとっては目下解決すべき題であり、また万人が気づかないターニングポイントでもある。
 ところで私は化け物を飼っているが、そいつは厄介な事に私を食べてくれる訳でもなく、もちろん、だから飲
み込んでくれる訳でもなく、小言を呟くのだった。そう、ちょうどこんな風に。
「お前の女は糞だ。お前を利用する事しか考えていない」
 うん、だから、それで、何? 私は化け物に問いかけるような愚かな真似はしない。言葉を45度で反射して、
全然別の方角へと受け流すだけだ。
「金勘定や目の前の利益の話じゃない。もっと将来的な視線で語るべきだよ。例えば、私が何かに打ち負かされ
そうになった時の事とかね。一人で立ち向かうよりは二人でいる方がいくらか安心出来るだろう」
 私の答えは曖昧な爪で、どうにか現実性を帯びた正論を手繰り寄せて、化け物の前にポン、と置いた。
「負けそうになったら負ければいい。どうして負けるのが怖い? 負けるのが怖いのは、つまり負ける事に対し
て負けている事にならないか? これはもちろん屁理屈だがね。どう解釈してもらってもいい」
 棘のある化け物の言葉は、私の心臓の付け根を微かに傷つけたように思えた。今だって心臓は重力に逆らって
ぶら下がっているんだ。筋肉はそこまで頼りにならない。
「化け物、かわいい化け物。もう小言はよしてくれ」
 私に槌があればぶっ叩いただろう。私に刀があれば斬って捨てただろう。しかし私には、化け物に対する有効
な手段が言葉しかなかったから、優しい言葉をかけてみた。別に良い人な訳でもないし、そうありたい訳でもな
い。
「協力しようじゃないか、私の化け物。お前の好きな孤独はきっと、彼女と結婚してからだって必ずあるはずだ。
そうだろ? そうに違いない」
 毒気を帯びたセンテンスで、化け物は少しだけその存在感を薄めた。現実より遥か離れた所にあり、いつだっ
て側にいる。そして腐ってる。
「孤独が好きなのはお前だよ」
 私は意を決し、目を開けた。広がっていたのは、高い天井と汚れ一つない真っ白な壁だった。教会。
「誓いますか?」
 隣で私の妻となる女が微笑んでいるのが分かる。だけど私は、私は、私は、一世一代の行事の最中にだって、
自らの内に潜み、余計な事を貪り吐き出す化け物と対峙している。イチャイチャしているとも言える。何せそこ
には愛があるはずだから、もやもやとした感情を形にして押し殺す、例の物があるはずだから。
29徒 2/2 ◇eVToM6tZeY:2009/08/17(月) 21:38:38.93 ID:/4m7lLjS0
「誓います」
 私は毅然とした態度でそう呟いた。どこかあやふやで、胡散臭い言葉だった。
「後悔する。必ず、絶対に」
 誰かが私の襟元でそう囁いた。誰かなんて分かっているはずなのに、赤の他人の方がいくらかマシだ。
 汗の日々だった。めまぐるしく展開し、風のごとく過ぎ去っていく。何も残さず、埃だけを巻き上げ、枯渇さ
せた心を優しくなぞる。確かに労働は対価を伴っている。
 二週間、私と妻の新婚生活に化け物は現れなかった。再び現れたのは、土曜日の夜の事だった。
「やはりこうなる運命だった」
 化け物は私の耳から這い出して、一瞥もやらない私の背中に向かってそう言った。
「運命? どういう意味だったかな?」
 私は含み笑いをして、妻が危うく起きかけた。起きたら起きたでそれでいい。私は妻に体重をかけないように
跨りながら、妻の顔に唾を吐き出したい衝動に駆られている。それが理由だ。
「どうした。やらないのか?」煽る化け物。
「やらない。と、言って欲しいのか?」煽る私。
 妻の首にかかるロープを握った私と、化け物の無言の会話は続く。
「お前はやはり化け物だよ」
 この台詞を言ったのは、やはり私だ。というのは、嘘だ。言ったのは化け物だ。私を化け物と呼ぶ化け物だ。
「女を見れば殺したくなる。どうしたって殺したくなる。お前が始めてこの女を見た時言った言葉、覚えている
か?」
 込み上げてくる笑いを堪えるのに必死だった。大爆笑して、ポップコーンを飛ばして、何かの液体で部屋を汚
したい気分だ。
「運命、って言ったよ、お前は。彼女こそが運命の相手であり、今まで殺してきた女は全て自分に似合わない女
だったと言っていた」
「ああ、言ったね。そういえば」
 汗一つかいていない手に馴染むロープの感覚と、正常な脈拍だけが、この美しい世界を切り取っていた。

30鬼の夢 1/5 ◇gtyBrNPylc:2009/08/17(月) 21:39:55.56 ID:/4m7lLjS0
長い長い夢から醒め、そしてすべては、忘却のかなたへ。
すがすがしい、マーベラスな朝だった。万年に渡り頭を悩ませていたややこしい障害が、一瞬で取り払われたかのような爽快感。
空気を肺いっぱいに吸い込む。今ならどんな奇跡だって起こせそうなほど、心の底を流れる水は澄み切っている。
たとえば神様に願うだけでこの場に眠れる幼馴染な美少女を召喚しろ。
「すーすー」
「ありがとう神様」
ていうかはじめからいた。
名を恵という。同名グラビアアイドルとは似ても似つかぬなだらかな胸元が見るものの哀愁を誘う、パジャマ姿が眩しい花の女子高生である。
はだけていた布団をかけなおしてやると、かすかに身じろいだ。起きるには至らない。むにむにと動く口と眉が尺取虫を想起させた。
「あれ」
朝食を摂ろうとしたものの、食料の蓄えが底をついていた。
億劫だが、仕方ない。
買出しへ。
外へ出て数歩、振り返る。余命幾許もない老人のような、くたびれたアパート。壁に出来た無数のシミと亀裂が、現在に至るその年月を物語る。
俺と恵。ふたりの秘密基地である。ひとつも隠れてなくても秘密基地である。
空は晴れていた。
「今日は何を食べよう」
笑みがこぼれた。
31鬼の夢 2/5 ◇gtyBrNPylc:2009/08/17(月) 21:41:39.40 ID:/4m7lLjS0
街を歩く。ひとり。
高層建造物の谷間はおびただしい数の人で埋め尽くされている。ただ、人“波”ではない。群衆はひたすらに凪いでいる。
静かだ。
サラリーマンも学生もOLも子供も大人も女も男も。
誰も動かない。何も話さない。雑踏に木霊する無音。無関心を通り過ぎた心の最終形がここにはある。
ビルの狭間で何重にも増強された風が地表を撫でた。目の前のランドセルを背負った少女が傾ぎ、砕け、転がり、やがて粒となり、さらわれた。心に滞っていた××の残滓を引き連れて、空へ。
「××?」
ノイズが入り交じり、その短い響きを認識できない。代わって呼応するように、両目から生じた少量の液体が頬を流れた。
「……?」
まあいいや。
さて。
そろそろ、お気づきだろうか。
この世界に何が起こっているのか。その真実に。
…………ご名答。
そう、お察しの通り、現在は世界対抗だるまさんがころんだ選手権の真っ最中なのである。
ルールは一般のだるまさんがころんだとなんら変わらない。鬼が見てる間は動かないこと。
今こうしている間も、鬼である俺と恵の背中を世界中の人間が虎視眈々と狙っているのである。なんということだ。あな恐ろしい。
周囲に注意を払いつつ、コンビニで食料をゲット。持久戦なんでこれすごく重要。
これで一仕事。広すぎる街を背に、帰路を辿る。
途中、パンを食べることにした。
ほどなく秘密基地が見えてくる。その前で、白いワンピースを着てせわしなく視線を漂わせる恵の姿があった。
「ハル!」
32鬼の夢 3/5 ◇gtyBrNPylc:2009/08/17(月) 21:42:32.31 ID:/4m7lLjS0
むこうも気づいたようで、安堵の表情で駆け寄ってくる。
依然パンの咀嚼に忙しい俺は、自由なほうの腕をかかげて応える。
「ハル、何を食べて……!?」
「いてっ」
手の中の包装紙が乱暴に奪われて、地面に打ち捨てられた。
「吐いて! 飲んだの全部!」
突如、喉奥へと無遠慮に侵入してきた指に嘔吐を強要された。びちゃびちゃと音を立て、逆流した内容物がアスファルトのシミとなる。
「苦しい……」
気分最悪。
「こんな、食べたらッ! 死んじゃったらどうするのっ!?」
怒っていた。違う。それは誤解だ。説明せねば。
「大丈夫だよ」
「何が!」
「ほら、まだあるから」
買い物袋をまさぐり差し出す。包装されたパンやおにぎり。
きょとんとした恵の瞳が、俺の顔と手元を往復する。
「は、ハル……?」
「お食べ?」
差し出す。
「あ、あああ……」
その手を素通りして、俺の肩を抱いた。
「待ってよ。いかないでよ」
調子の悪い電化製品を叱るように、体をゆすられる。
「う、嘘だよ。ほら……いつもみたいに、ハル……どうして、おかしいよ、こんなの」
「?」
「返せ!」
「……っ!」
爪が皮膚に食い込み、肩に鋭い痛みが走る。
33鬼の夢 4/5 ◇gtyBrNPylc:2009/08/17(月) 21:43:37.91 ID:/4m7lLjS0
「あ……」
細い腕が力なく垂れた。
「どうしたらいいの……?」
膝が折れ、しゃがみこむ。虚ろな目が、中空を掻いていた。
「もうやだよ。なんでみんな、動かないの? なんで私たちだけなの? こんな悪夢、早く終わってよ……」
懊悩する彼女に。
「なら終わらせる?」
「へ……」
恵の大きな瞳が、しっかりと俺を捉えた。
「知ってるの? 終わらせ方……」
「ん? 知ってる。簡単なことだから」
笑顔で話す。
「目を瞑って唱えるんだ」
「目を瞑って唱える……? それって……」
「だってこれは、だるまさんがころんだ、なんだから」
「あ……」
恵は目を瞬かせた。
「はは……」
最初は風の泣くような小ささで。
「あははは」
だんだんと強く。
「あははははっ、あはっ、あはははは!」
身をいっぱいに捩り、泣きながら笑っていた。
そして、薄暮。
34鬼の夢 5/5 ◇gtyBrNPylc:2009/08/17(月) 21:44:31.88 ID:/4m7lLjS0
赤い世界。
赤は、いつも終わりを思わせる。
長い間笑い続けたにもかかわらず、まだ可笑しいのか、くすくすと時々声が漏れる。
「ハル、おいで」
広げられた両手に近づいていくと、頭を抱かれ、赤子をあやすように優しく撫でられる。
「ごめんねハル……もう疲れたよね……」
「うん?」
「一緒に、唱えよ……」
顔が接近し、そのまま。
「ん」
キス。
いつまでもいつまでも、影法師は離れない。
首元に、冷たい五本の細い指がしなやかに絡みついた。
喉が締めつけられ、絞り出たのは声にならなかった意味を持たない言葉の名残。
ならば唱えよう。精一杯の心で。
――人間になれますように。
35愛ある手紙、100%和紙1/1 ◇F00SERh74E:2009/08/17(月) 21:45:44.57 ID:/4m7lLjS0
 白ヤギさんの家に、郵便配達夫のペリカンさんが手紙を届けに来ました。白ヤギさんの家は白塗り
のお洒落な柵に囲まれた適度な広さの庭のある、素敵なお家でした。
 管区内に人家が少ないというのもありますが、気のいいペリカンさんはいつも郵便物を手渡しする
ことにしていました。ペリカンさんが配達物を郵便受けに放り投げるのは、配達先が留守もしくは居
留守のときだけでした。話はそれますが居留守を使うのは厭世家のカモノハシさんだけです。
 ペリカンさんが呼び鈴を必要以上に鳴らしまくる(これはペリカンさんの癖でした)前に、窓から
見えたのでしょう、白ヤギさんが家から出てきました。「やあペリカンさん。いつもご苦労」
「やあ白ヤギさん。黒ヤギさんからお手紙ですよ」ペリカンさんが腰の鞄から一通の手紙を取り出し
ました。手紙にはもちろん、消化にやさしい純正和紙が使われていました。
 手紙を受け取った白ヤギさんの目つきが変わりました。ふだんの温和な雰囲気はどこへやら、体中
から殺気があふれ出していました。角が実際の倍以上に伸び体は筋骨隆々、背中に黒い翼が生えた姿
はまさに悪魔バフォメットさながら……のようにペリカンさんには見えるほどでした。
 ペリカンさんに止めるすべがあるはずもなく、白ヤギさんは瞬く間に手紙に齧り付きました。もの
の半秒のうちに黒ヤギさんからの手紙は白ヤギさんの四つの胃の中で数時間反芻されることと相成っ
たのでした。白ヤギさんの顔に至福の色が浮かびました。
「し、白ヤギさん。次こそは食べないって言っていたじゃないですか」
「いやあ、手紙というのは本当に。私だってそこらの紙を見境なく食べ散らかしたりはいたしません。
ですが手紙の味というものは一度覚えてしまいますとどうにもなあ。仕方がない、また手紙を書きま
しょうかな」
 そう言って玄関の方に戻ろうとする白ヤギさんを、ペリカンさんが呼び止めました。
「このままでは堂々巡りです。いくら手紙が至高の美味であるとしても、読まずに食べてしまっては
手紙本来の役割を果たしているとは言えません。メッセージは伝えて然るべきものなのです」
 ではどうやってと訊ねる白ヤギさんに、郵便に携わる者としては甚だ不本意ですがと前置きしてペ
リカンさんが言いました。「電子メェルなどはいかがでしょうか」
   ○
 かくして黒ヤギさんのもとに一通の電子メェルが届きました。こんな内容だったとさ。

『kcWCv4/jgrCCzJP6kvaCxo/qj4qCyYLCgqKCxJhBl42CooK9grWC3IK3gUINCpeIj1SCzIvgl2qT0
 +oJVjp6CqYLngUGDXoNDg2iDboNFg1gNCoy7km6PV42HgsWCt4FCDQqXv5edgs2Kso6WiOqU
 gqKCpI6WgsWBQYLHgqSCtYLEguCK85ZdgswNCoKggumCqYK9gs??????????????????????????』
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:47:24.31 ID:JhmQUKNb0
転載おつかれ
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:48:25.40 ID:/4m7lLjS0
んで、>>16の奴使って、まとめスレ立てちゃっていいのかな
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:52:45.66 ID:JhmQUKNb0
いいよ
なんか二人で勝手に話進めちゃってごめんね。人いないからね
しょうがないわけ
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:54:26.57 ID:/4m7lLjS0
>>38
まぁなんか問題あったらごめんちゃいってことで
立ててくる
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:58:26.79 ID:6a2WPnGh0

〆切明日か、今から書こうか迷うな
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 21:58:46.80 ID:JhmQUKNb0
ご苦労様です
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:02:00.93 ID:JhmQUKNb0
>>40
迷わず書けよ書けばわかるさ
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:04:45.51 ID:Qh1zkrcfO
復活して良かった
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:05:52.35 ID:/4m7lLjS0
品評会作品ここまでまとめ済み
チェックお願いします
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:13:26.96 ID:JhmQUKNb0
問題ないようです
乙でした
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:14:21.29 ID:iS2AQHqL0
お題くだっさdい
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:15:47.43 ID:ngwpMwld0
実況
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:18:30.96 ID:iS2AQHqL0
>>47
ありがとう!
実況書いてみる
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:28:21.82 ID:KmXt8UaoO
プリーズギブミー
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:31:17.80 ID:JpaIf6PEO
チョコレート
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:31:48.19 ID:yM/X58uQO
>>49
チョコレート
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:32:09.66 ID:6a2WPnGh0
>>49
ぱいなつぷる
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:41:16.75 ID:JhmQUKNb0
保守
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:41:52.04 ID:KmXt8UaoO
把握。やっぱりチョコレートかw
パイナップルと絡めてかきます。
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 22:53:45.09 ID:JhmQUKNb0
ほす
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 23:08:12.95 ID:/4m7lLjS0
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 23:19:19.60 ID:JpaIf6PEO
ほしゅ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 23:31:07.76 ID:OtQ3P0nu0
いっちょつ!
色々あってこれないのが申し訳ないねー。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/17(月) 23:44:26.42 ID:JpaIf6PEO
品評会まだ四作か
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:01:36.50 ID:8SVMMdHKO
ほーしゅ
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:02:22.12 ID:TLjhPawm0
お題くれ
62お題「チョコレート」+「パイナップル」1/2:2009/08/18(火) 00:03:33.73 ID:OPbrVd7sO
「幼なじみ」というのは、優しくて、思いやりがあって、しかも少しツンデレで、でじつは結構エッチで……、

という都市伝説があるらしいがそういうものはやはり単なる妄想であると断言しよう。
俺にもいわゆる「幼なじみ」がいるのだが……


「すわれいっ!」
竹刀を叩く音で俺は今はまだ修行中なのだと思いだした。
「何をぼけっとしとるかっ!!渇っ!」
「あひっ!」
幼なじみの竹刀はもはや竹刀ではなく凶器だと言える。
俺は目の前にある漢文を必死に暗記することを再開した。なぜならここは歴史ある「漢文道場」だからだ。
「四書五経はもう暗記したかっ!」
「まだ、ってか無理ですっ!」
「たわけいっ!」
といったドーリア人もびっくりのスパルタぶりである。ちなみに四書五経暗記は科挙の試験に備えるようなもの。
といってもこの幼なじみは暗記しているから怖いもんだ。
63お題「チョコレート」+「パイナップル」2/2:2009/08/18(火) 00:04:22.47 ID:OPbrVd7sO
今日の勉学(僕は修行と呼ぶ)の時間が過ぎると、幼なじみはそそくさと母屋にいってしまった。
俺はやっぱり桃色の青春は神話だよな、とか悲しんでいると、幼なじみはなんだか珍しく熱っぽい顔で戻ってきた。
勉学中は気がつかなかったが具合悪いのかな、と思っていると

「これ」
とか言って小さな箱を差し出してきた。
「あげるからっ、じゃあっ」
と言ってさっさと帰ってしまった。
俺はなんだか不思議に思いながらいつものように電気を消して戸締まりをして家に帰る。
部屋で寝っころがりながらふたを開けると、
「誕生日おめでとう」と書かれたカードの下にチョコレートの塊があった。
そしてなぜだか酸っぱい匂いがした。
割って中をみるとパイナップルが生で、しかも一部皮付きで入っていた。

「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」
ゴミ箱に捨てた。
やっぱり「幼なじみ」は都市伝説だなあ。
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:07:58.56 ID:OPbrVd7sO
ミスった一人称とか文末の反復……
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:11:46.17 ID:kxUEuvJ6O
今から投下します
初なので、何か投下方間違ってたりしたらご指摘ください。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:13:23.65 ID:TLjhPawm0
>>65
一応言うと、投下宣言はしない方がいいよ。



誰かお題くれ
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:16:25.27 ID:kxUEuvJ6O
>>65です
ごめんなさい なんかうまく投下できないからちょっと出直します
投下宣言撤回です すみません…

>>66
そうなんですか?1に書いてあったのでしたんですけど…
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:16:36.15 ID:OPbrVd7sO
カラス
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:20:06.22 ID:I314yjFF0
>>62
読みました。オチがよくわからなかったのはきっと
自分に教養がないから。
なぜこの格言がチョイスされたのだろうと思った。
きっと科挙にも合格できそうな博学才穎で虎榜に
名前を連ねることが出来そうなBNSKerがちゃんとした
感想をしてくれると思います。がおー。

>>67
投下宣言はあってくれた方がうれしいです。
テンプレ読んでくれているのもとてもうれしいです。
もしよろしければ是非居着いてやってください。
よろしくお願いいたします。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:24:31.79 ID:1dPPRgRI0
>>69
投下宣言は是非してください。
投下が被ったりする場合もありますので。
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:24:38.15 ID:IWx3TuLP0
■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■
■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■


こんにちは
自動保守です
昨日は大敗を喫してしまいましたが、今度は本気です
みなさんの協力が是非とも必要だ!
集え、選ばれしこどもたちよ!

韓国反撃総本部 Part 21
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1250169591/


■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■
■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■ 緊急指令 ■
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:25:13.72 ID:TLjhPawm0
>>68
把握した

>>69
宣言あったほうがいいのか……
前、「宣言すんな」って言われたことがあったから、つい。
>>67さん、ごめんなさい。

73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:25:16.09 ID:1dPPRgRI0
はい。安価ミスですね。
>>67さんに言いたかったわけです。
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:26:17.81 ID:1dPPRgRI0
>>72
それは1レス作品の時に、1レスなら投下宣言しなくてもいいですよ、
というものではなかったでしょうか?
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:29:25.39 ID:TLjhPawm0
>>74
もしかしたらそうだったかもしれません。

次回から、自分も投下宣言するようにします。
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:29:39.94 ID:kxUEuvJ6O
>>65です。
投下宣言はした方が良いみたいですね。ご指摘ありがとうございました。
ちゃんと準備出来たら、また宣言してみます!
>>72
とんでもないです。わざわざすみません、気にしないでください!
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:31:04.18 ID:q8LB/FXc0
なにこの心温まる流れw

品評会、やっぱり延期になったんだね
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:34:37.86 ID:1dPPRgRI0
人によって言い方や受け取り方が違ったりするものです。
>>1に沿っていれば間違いはないはずので、ここいいらっしゃる皆さん、
ならびに初めて参加される方には是非とも一読していただきたいです。
だからといって、あまり形式ばるのもどうかとは思います。
皆様、適度に力を抜いて小説を楽しみましょう。
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:42:32.49 ID:8SVMMdHKO
>>62
幼なじみが一レス目で古風な感じの口調だったため二レス目の「あげるからっ」てのが違和感があった。
ぶっきらぼうに「やる」くらいのが良かったかも
文体は堅苦しくなくすらすら読めた
ただ最後のパイナップル入りチョコレート&格言の意図がよくわからなかったかな
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:50:37.21 ID:/kuXMJh/0
延長されたから品評会書くかどうか迷ったけどとりあえず通常お題下さい
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:55:53.74 ID:GtM399lT0
>>80
っ「苦手」
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 00:59:54.30 ID:OPbrVd7sO
≫79

あ、そこか……。
気が回らなかった……。

あとネタバレだけど
パイナップル入りチョコレートは料理下手を象徴させて、格言の流れは、じつは一生懸命愛情を伝えた幼なじみのフラグを尽く勘違いによって折ってしまうのを意識したが、コンテクストから客観的に読めないので、明らかに実力不足でした、スマソ、もっと勉強します。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 01:16:41.24 ID:8SVMMdHKO
>>82
スマン、俺はとんでもない勘違いをしていたようだ
「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」の一文が誕生日カードに書かれてる文章だとばかり…
道理でわけわからんかったはずだ
合点がいった
84お題:カラス 0/3:2009/08/18(火) 01:26:47.01 ID:TLjhPawm0
投下宣言!
85お題:カラス 1/3:2009/08/18(火) 01:27:59.48 ID:TLjhPawm0
 僕は、目の前の烏と向かい合っていた。
目が合ったので、お互い動こうと思っても、動きにくい。そんな状況だ。
烏なんて放っておいて、さっさと前に進めばいいのに、目を逸らしたらここで烏に負けてしまう。なぜかそう感じた。
 烏は落ち着かず、そわそわと動いてはいるものの、僕から目を逸らさない。まるで獲物を見るような目。
対抗して僕は、しゃがんで、じっと、烏に目を合わせる。
 ――烏には負けたくない。
そんなものが、今の僕を動かしている。
 僕は今まで、いろんなものに負けては、逃げてきた。
誰だって、思い当たる節があると思う。時には、逃げなきゃならないときだってあったと思う。
それでも、「逃げた」という事実は、消えることがない。負けた上に逃げた。この上ない悔しさだ。
だから、今、烏から逃げてはならない。そんな気がした。
 いや、烏なんてどうってことないのかもしれない。
烏から逃げなかった自分に期待しているのかもしれない。
「烏から逃げなかった自分」は、きっと、これまで以上のことを成し遂げるに違いない。
自分が、自分を期待している。きっとそうだ。
 ということで、僕は今、烏と「格闘」している。
86お題:カラス 2/3:2009/08/18(火) 01:28:51.14 ID:TLjhPawm0
 この道は、人通りが少ない。とはいえ、多少は人が通る。
大抵の人は、しゃがんでいる僕に、怪訝な目を向け、去っていく。
さすがに、三十分もしゃがんでいると、怪しいのかもしれない。
けれども、烏には負けたくない。周囲の目に屈した自分は「期待している自分」ではないのだ。
 烏は相変わらず、そわそわとしている。
知り合いにもこんな奴は居た気がする。落ち着かない、あるいは落ち着こうとしない奴だ。
落ち着きのない奴ほど、厄介な奴――と僕は認識しているので、初対面の人間を見るとき、僕はまず、落ち着き度を見る。
そして、僕はしっかりと落ち着き度を見ているはずで、そういう奴を避けているはずなのに、なぜか厄介なグループに入れられる。
多分、そういう奴の「仲間になろう」という意志に負けたのだ。そして、それを断ることができず、自分は逃げる。
そうだ。きっとそうだ。
でも烏よ。今の僕は君に負けない。きっとそうだ。
 烏は羽をばたつかせるようになった。威嚇か、集中力の限界か、どっちかだ。
「カァーカァーカァー」
 集中力の限界だったようだ。僕はようやく、勝てた。
烏が飛んでいくと、僕はすがすがしい気持ちになった。多分、これからの自分は変わる。
 烏と「格闘」をはじめ、一時間が経ったらしい。
僕は、立ち上がると、歩き始めようとする。しかし、すがすがしい、勝者の気持ちで立ち去ろうとする僕を邪魔するものが現れた。
今の僕なら勝てる。そんな気がした。
87お題:カラス 3/3:2009/08/18(火) 01:29:46.40 ID:TLjhPawm0
 声の方向に振り向く。
無敵気分は一瞬で崩壊した。
そうだ、青い制服の人間が二人も立っていた。
 「君、ここに一時間もしゃがんでいたようだけど、どうしてか、事情を教えてくれると助かるかな。」
どうやら、今回は「逃げることができない」らしい。
逃げたら、多分、捕まる。
 しゃがんでいる僕を怪しんだ誰かが通報したようだ。
僕は烏と睨みあってただけだ。善良な一般市民だ。いや、少し怪しいかもしれないけど。僕の嘆きは、二人の警察官には聞こえないらしい。
家庭と会社への連絡は勘弁してほしい。そうするためには、二人の指示に従わなければならないようだった。
 でも、烏との睨みあいは、絶対に自分の利益になったはずだ。
そう信じて、僕はこれから生きていこうと思う。
 
88お題:カラス 4/3:2009/08/18(火) 01:30:35.64 ID:TLjhPawm0
投下終了です。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 01:39:17.16 ID:OPbrVd7sO
>>83
うほっ、そうでしたか。ちょっと紛らわしかったかも。
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 01:56:44.25 ID:OPbrVd7sO
>>88
少しキツいことをいうと、
まず全体の展開がおかしい。
カラスとにらみ合う→通報→任意同行
はあまり考えられない。
カラスとにらみ合うだけなら他人に迷惑をかけるとは考えにくく、通報する人がいるとは考えられない。
また

僕は今まで、いろんなものに負けては、逃げてきた。

からの展開は不自然。
カラスと「格闘」する根拠も不明。
また

烏は落ち着かず、そわそわと動いてはいるものの

とあるが実際のカラスはこんな動きはめったにしないし、
長時間睨み合うようなことはほぼありえない。

全体を踏まえてみて
もしカラスとの「格闘」をテーマにするなら、その背景を入れて、必然性を作り上げ、またカラスとの死闘あるいはカラス語で語り合うなど端からみて意味不明の危険人物性を明確にしてから通報に持ち込む必要がある。

という辛口評論でした。気分悪くしたらスマソ。
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 02:08:24.49 ID:TLjhPawm0
>>90
辛口評論ありがとうございました。

確かに、カラスが一時間もじーっと人間とにらみ合うはずないですよね。
その他諸々、自分では気がつかないような所が多々ありました。

>気分悪くしたらスマソ。
いえいえ、ぜんぜんそんなことないです。
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ほーほ