1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
立つかな?
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:15:25.54 ID:bP7cZ4K60
紬(やっぱり気のせいなんかじゃ、ない)
後ろを振り向きたい衝動を抑え、メールチェックの振りを装い、そっと携帯のカメラを起動し、さりげなく後方を確認する。
いた。ここ何日か、視界の隅に引っ掛かっていた朧気に見覚えのある人影が。サングラスを掛けているので顔は分からず、服装も微妙に違うが、あそこまで下手な尾行をされれば気付かない方がおかしい。
紬(斉藤に迎えを寄越してもらうべきかしら)
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:17:19.39 ID:bP7cZ4K60
だが少しでも普段と違う素振りを見せたら、こちらが尾行に気付いたと感付かれるだろう。ならばこのまま何時もどおりに振舞うのが得策だ。
紬(まあ何かあったらその時はその時よね)
身辺警護の強化を頼むべきかと思ったが、すぐに打ち消した。高校に通っている間だけは琴吹紬はただの女子高生でありたい。今はまだ様子見でいいだろう。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:21:18.59 ID:bP7cZ4K60
梓「それってストーカーなんじゃ……」
私の話を聞き終え、自身の身体を掻き抱いて身震いする梓ちゃん。
紬「でもただ尾行されているだけで、実害があるわけでもないし。大丈夫よ」
律「甘い……大甘だぜ、ムギ! 今はまだいいだろう。だがそういうのは得てしてエスカレートするもんなんだぜ?
こちらを絡め取るように睨めつける視線! 首筋に掛かる荒い鼻息! なぜ君は振り向いてくれないのと行き場のない情念は膨らみ、やがてそれは憎悪へと変わり、そして……!!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:24:25.03 ID:VUjF/FLnO
期待支援
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:26:15.17 ID:bP7cZ4K60
唯澪「きゃぁ───ッ!」
身振り手振りを交えたりっちゃんの迫真の演技に唯ちゃんと澪ちゃんが悲鳴を上げた。
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえないぃ!」
唯「やばいよムギちゃん! 今すぐけーさつに相談するべきだよ!」
澪ちゃんは部室の隅でぶるぶると打ち振るえ、唯ちゃんはこちらに詰め寄り、鼻息を荒くしながら私の身を案じてくれていた。
こうなることが分かっていたので、尾行されている件は打ち明けるつもりなどなかったのだが、軽音部のみんなの前では隠し事など出来なかった。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:28:50.06 ID:bP7cZ4K60
紬(まさか溜め息一つ吐いただけで気付かれるなんて……ね)
満更でもない苦笑を浮かべながら、この素敵な仲間達の心遣いに感謝する。
梓「でも警察って被害がないと中々動いてくれませんよ。今の話をしたとしても書類を一枚、二枚書いてはい気を付けてくださいね〜で終わるのが関の山だと思います」
律「あ〜……だよなぁ。さてどうすっかなぁ……」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:31:25.30 ID:hXm9TDTN0
うわ・・・何この文章・・・
ケータイ小説レベルじゃないか・・・
VIPのゆとりはこんなレベルで満足なのか
空気悪くしてゴメンw物書きとして許せなかったんだ
>>1も気にしないで続けたらいいよw
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:31:44.10 ID:bP7cZ4K60
唯「はいはい、りっちゃん隊員!」
律「なにかね、平沢隊員?」
唯「わたし達でムギちゃんを守ればいいと思います!」
律「それだ!」
澪「それだ、じゃないだろッ!」
隅で震えていた澪ちゃんが戻ってきて、りっちゃんに全力のツッコミを入れる。
これはひどい
>>8 おいおいw高尚な物書き様がvipのSSスレなんて見てんじゃねーよw
だったらお前はもっと高尚で面白い文章が書けるんだろーなw
スレ立ててみろよw俺が評価してやるよw
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:35:31.36 ID:bP7cZ4K60
澪「私達女の子が集まっても高が知れているだろう」
律「いや、でも数の強みってのも、案外馬鹿に出来ないぜ? みんなでムギに張り付いて送り迎えをしてれば、そのストーカー野郎も手出し出来ないだろう」
紬「そんな、悪いわ。それにみんなに迷惑が掛かるし……」
律「ムギ」
紬「はい?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:37:00.73 ID:PRcspQrs0
俺は楽しめる。
全力支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:39:18.29 ID:bP7cZ4K60
私の肩を掴み、真剣な面持ちで顔を突きつけてくるりっちゃん。その凛々しい表情に一瞬だけどきりとしてしまった。
律「仲間を頼れ!」
唯「りっちゃん……男らしい子……!」
律「いやちょっと待て唯。それは褒めているのか?」
唯「う〜ん、要は女の子だけってのが問題なんだよね?」
律「うおぉいッ、無視かい!?」
唯「ちょっと待ってて」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:42:13.55 ID:OrFGOm/nO
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:42:48.57 ID:bP7cZ4K60
そう言うや否や、部室を飛び出し、ぱたぱたと何処かへと駆けていく唯ちゃん。
澪「何をする気なんだ、唯のやつ……?」
梓「さあ……?」
私達が顔を見合わせ、疑問符を浮かべていると、腕に何かを抱えながら戻ってきた。
唯「じゃあわたし達がりっちゃんの恋人に変装して守ればいいんだよ」
澪律紬梓「はあ?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:46:10.00 ID:bP7cZ4K60
唯「これ、さわちゃんに借りてきた〜」
そういって手にしたものを机の上に広げる唯ちゃん。
澪「これは……」
紬「メンズの服……」
梓「ですよね……」
律「なんでこんなものまで持ってるんだ、さわちゃんは……?」
唯「わたしもそう思ってさわちゃんに訊いたんだけどねぇ、なんかにやっと笑って教えてくれなかった」
律「いやまあ……あまり深く立ち入らないでおこう。それが私達の身のためでもある……」
澪「は、はは……サイズもぴったりだし……」
梓「タグがない……。全部手作りですよ、これ……」
紬(グッジョブですわ、さわ子先生ー!)
自分の置かれている状況を忘れ、思わず心の中で快哉を叫んでしまう。
唯「じゃあ早速着替えてみよ〜♪」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:47:53.78 ID:4dMvxdIp0
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:49:38.58 ID:bP7cZ4K60
梓「ど、どうです、かね……?」
澪「う〜ん、なんていうか……」
律「恋人っていうより弟だよなぁ」
唯「七五三?」
梓「なッ!? じゃあ唯先輩、着替えてみてくださいよぅ!」
男装あずにゃん…
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:51:32.30 ID:coWCz7iCO
>>11って初めて見たけど本当にコピペなの?ぬるぽ?
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:52:22.94 ID:bP7cZ4K60
唯「どう? どう?」
澪「五十歩百歩だな」
律「まあ女としては間違ってはいないんだろうけど」
梓「ところでムギ先輩。なんでさっきから写真、撮ってるんですか?」
紬「いい機会だと思って」
澪律「ムギ自重しろ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:55:05.11 ID:bP7cZ4K60
澪「ど、どう、かな……?」
律「なんかそうやって髪型をポニーテールにして学生服を着ていると、どこの元歌舞伎役者のパイロットだよってかんじだな」
唯「あ、じゃあわたしが超時空シンデレラ!?」
紬「じゃあ私は銀河の歌姫でいいのかしら?」
梓「なんの話をしてるんですか?」
律「まあ似合ってるっちゃあ似合ってるけど、NGだな」
唯「え〜、そう? わたしはいいと思うけど」
律「どこの世界にこんな乳の腫れた男がいるんだよ。さらしでも隠しきれねーよ」
澪「ち、乳言うなぁ!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:56:26.74 ID:sKmW6wrCO
支援
エネファーム聡「続けて」
律「おまえは黙ってろ!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 13:58:45.98 ID:bP7cZ4K60
律「どーよ?」
唯「わあ〜、りっちゃん、男装似合うねぇ♪」
澪「まあもともとボーイッシュな格好が多いしな、律は」
梓「かっこいいです、律先輩!」
律「はっはっはっ、ありがとう、ありがとう諸君。女としてはやや複雑な気分だが」
紬「………………」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:01:46.15 ID:bP7cZ4K60
律「まあこの中でなら私が一番適任かな。つーわけだからよろしくな、ムギ」
紬「へっ!? あっ、よろしくお願い、しますぅ……」
女の子らしい身体つきを隠すためにやや大きめのブレザーに身を包み、ヘアスプレーで後ろに髪を流したりっちゃんはぱっと見、思春期を迎えた男の子そのものだ。間近で注意深く見ない限り、実は女の子だなんてばれやしないだろう。
彼女のいつもの快活な喋りも手伝って、事情を知らない者が見たら、目の前にいるのが女の子と看破するのは難しい。それほどまでに似合っていた。男装の麗人とはまさにこの事か。
なんだかんだ言って、唯ちゃんの提案は断るつもりでいたのに、りっちゃんの男装姿に見惚れ、雰囲気に呑まれてしまい、気付けば承諾していた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:05:56.59 ID:bP7cZ4K60
唯「じゃああとは呼び名だね。その格好でりっちゃんっていうのもおかしいし」
律「あ〜、いいんじゃねーの、別に適当で」
梓「じゃあ田井中貞利というのはどうですか?」
律「いや、それは不味い」
澪「今さっき、適当でいいとか言ってただろーが」
律「なんつーか脳内イメージが私じゃなくなるというかなんというか……いわゆる一つのメタネタってやつだ。まあ気にすんな」
唯「変なりっちゃん」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:10:09.98 ID:bP7cZ4K60
澪「律する夢と書いてリズムというのはどうだろう」
律「私ゃ、どこぞのヤンキーの家の子か。もっと真面目に考えてくれよ〜」
澪「真面目に考えたのに……」
律「真面目でこれ!?」
紬「律に人でりつとでいいんじゃないかしら」
律「まあその当たりが妥当だな」
紬「じゃあよろしくね、律人くん」
律「おう、ムギのことは私……じゃない。俺が守ってやるからな」
澪「………………」
唯「じゃあ早速、今日の帰りから作戦開始だね!」
梓「私達は少し離れたところから、お二人を見守っていますので」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:14:05.19 ID:BwbPZNdY0
全力で支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:14:52.13 ID:bP7cZ4K60
りっちゃんが私の恋人役を買って出てから早一週間が過ぎた。相変わらずストーカーらしき人物はただ尾行するだけで、これといった実害はない。
一度、りっちゃんがとっ捕まえて追っ払おうとしたが、それはさすがに危険なので止めておいた。
そんなわけで今もりっちゃんとの恋人の演技は続いている。昨日の帰りなんかはショッピングモールに寄り道をし、買い食いなんかをしてみたり、ゲームセンターで遊んでみたりした。まるで本当の恋人みたいに。
律「ムギ、デートしよう」
澪「ブ──ッ!?」
唯「うわっ、汚っ!」
りっちゃんの突然の申し出に、澪ちゃんが紅茶を噴出した。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:20:15.16 ID:bP7cZ4K60
ムギ「……えーっと、でぇとと申しますと……」
律「出威斗……! それは男と女のラブゲーム。互いの好感度を秤に掛けて、智謀著略の限りを尽くし、相手を篭絡し、虜にせんとする恋人遊戯……!(民明書房『恋人よ〜地獄交際篇〜』より抜粋)」
梓「なんでそんな男塾っぽい解説なんですか」
律「あっはは〜、まあ要はあれだ。このままじゃ埒が明かないから、いっちょ罠でも仕掛けてストーカーを釣ろうかと」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:24:59.36 ID:bP7cZ4K60
唯「なるほどぉ。りっちゃんとムギちゃんが仲良くしてるところを見せ付けて、ストーカーさんの嫉妬心を煽ろうというわけだね」
律「その通りだ、平沢隊員」
梓「あれ? でも今までも恋人同士の演技をしながら登下校してても、ストーカーからの何らかのアクションは無かったわけですよね。そんな調子で引っ掛かるでしょうか?」
律「だからこそだよ。より一層強い刺激を与えて相手の出方を窺うのさ。もしこれでもこちらに手を出してこないってんなら、端からそんな度胸のない腑抜けだったってことで片が付くしな」
澪「なるほど、律にしては考えたな」
律「にしてはってなんだよー、澪ー」
唯「そんなのりっちゃんのキャラじゃないよー……」
律「うおぉいッ! どんだけ侮られてるんだよ、私は!?」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:30:25.54 ID:bP7cZ4K60
紬「……デート……」
梓「……ムギ先輩? どうかしましたか?」
紬「え、あ、そうね。いいかもしれないわね、その作戦」
澪「いや、でも危ないだろ。万が一ってこともあるし」
律「ま〜かせとけって。ムギのことは私が守るからさ」
澪「いや、でも万が一ってこともあるし……」
律「澪は心配性だなー。大丈夫だって。ムギには傷一つつけさせやしないから」
澪(……そういう意味じゃ、ないんだけど、な……)
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:36:46.46 ID:bP7cZ4K60
律「というわけで明日の休みに決行な。場所は遊園地ってことで。澪達も隠れて援護、頼むぞー」
唯「了解であります、りっちゃん隊員」
梓「そうですね。早くこの事件を解決して、ムギ先輩が安心出来るよう、頑張りましょう」
澪「………………」
律「じゃあ詳細は後でメールするからー。じゃあ帰ろうぜ、ムギ。私、着替えて、校門のところで待ってるから」
紬「はい。ではまた後で……律人くん♪」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:37:45.50 ID:XvSVc8Wm0
ふむ。面白い 頑張ってくれ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:42:16.34 ID:bP7cZ4K60
デート当日。空は今日という日を祝福するかのように、見事に晴れ渡っていた。
昨夜は興奮のあまり少ししか眠れなかった。
逸る心が抑えられず、待ち合わせ場所に三十分も前に着いてしまっていた。
そう。今、私はりっちゃんとのデートを楽しみにしている。それがストーカー対策のための演技だと分かっていても、心のどこかが浮き立つのを抑えられなかった。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:44:40.95 ID:BwbPZNdY0
律ムギとか俺得すぎる
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:46:00.38 ID:bP7cZ4K60
紬(ちょっとだけなら、いいよね……?)
心のどこかで今の自分の有様を責める自分がいた。琴吹家次期当主としての自分。女子高生としての自分。みんなの親友としての自分。
いろんな思いが綯い交ぜになって、自分の心のことなのに最早私ではコントロール出来そうにない。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:52:02.12 ID:bP7cZ4K60
紬(少しぐらいなら、夢を見てもいいよね……?)
誰に許しを請うているのか、先ほどから頭の中はそんな言葉でいっぱいだ。だからすぐ背後まで人が接近していたことにも気付くことは出来なかった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:57:43.39 ID:bP7cZ4K60
紬「きゃっ!?」
急に世界が暗転した。あまりに突然の出来事に思考がフリーズし、対処に遅れてしまう。そんなふうに身体を強張らせている私に後ろから声が投げ掛けられた。
律「だ〜れだ? なんつってな♪」
紬「りっちゃ……律人くん……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 14:59:03.82 ID:bP7cZ4K60
聞き慣れた声でおどけた言葉が掛けられる。振り向けばそこにはりっちゃんが悪戯っぽい笑みを浮かべて立っていた。
そのことに安堵して強張った身体が解きほぐれていく。それと入れ替わるように胸の高鳴りは本日最高得点を叩き出していた。
律「あっはは〜、ごめんごめん、遅れて。って別に遅刻してねーよな、俺。来るの早すぎじゃね、ムギ?」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:02:29.38 ID:bP7cZ4K60
いつものボーイッシュな服装ともまた違った趣きの格好をしたりっちゃんに一瞬、目を奪われる。完全に男の子に扮したりっちゃんは、女の私から見ても綺麗で、そしてかっこよかった。
このあどけない笑みと人懐っこい話し方で口説かれたら、大抵の女の子はイチコロだろう。それは私も例外じゃなかった。
紬「あら、せっかくの律人くんとのデートなんですもの。遅刻なんてしたらもったいないじゃない?」
誤魔化すように平静を装い、余裕のある振りをする。覚られてはいけない。女の子同士だからとか、友達だからとかそういうものを別にしても、この気持ちは絶対に覚られてはいけなかった。
頑張れ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:07:48.15 ID:bP7cZ4K60
律「嬉しいこと言ってくれるじゃん♪ じゃあ時間を無駄にしないためにも行こうぜ、ムギ」
そう言うなり、りっちゃんは私の手を掴み、遊園地へ向けて歩き出した。胸の鼓動が更に跳ね上がる。天井知らずにBPMを上げる心臓は大忙しだ。
繋がれた手に目をやる。柔らかく、ほんのり温かい女の子の手。でも今は恋人の手。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:09:56.88 ID:bP7cZ4K60
紬(ちょっとだけなら……いいよね)
朝から繰り返していた煩悶をもう一度だけ頭の中で浮かべ、手を組み直す。指と指を求め合うように絡ませ、離れないように繋ぐ。恋人つなぎで結ばれた手は心まで繋いでくれるような錯覚を覚えさせた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:12:06.49 ID:ijrAO5sc0
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:13:10.51 ID:bP7cZ4K60
唯「なんだかいい雰囲気だねぇ」
澪「そーだな」
梓「見てるこっちまでどきどきしてきます」
澪「そーだな」
デートを楽しむ律とムギは傍から見たら、本当の恋人同士にしか見えなかった。それも絵になるほどの美男美女カップルだ。
実際、すれ違う度に振り向く人達は結構いた。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:16:41.17 ID:bP7cZ4K60
澪(なんだよ、律のやつ……あんなにデレデレしちゃって……)
実際はいつもと変わらない笑顔なのだが、シチュエーションがシチュエーションだ。そう見えてしまうのも仕方が無い。
澪(……ん? 何が仕方が無いんだ?)
ふと自分の胸にもやもやとしたものがわだかまっていることに気付いた。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:19:38.04 ID:bP7cZ4K60
澪(別に律が誰と遊びに行こうが構わないじゃないか。それをなんで私はこうも、こう……えーと……)
自分の気持ちが分からなくなり、思考がこんがらがる。深く考えるのは止めよう。今はムギのストーカーを追っ払うことが先決だ。
澪(そうだ。それに友達同士で遊びに行くなんて普通のことじゃないか)
唯「それにしてもストーカーさん、出てこないねぇ。ムギちゃんにあんなに素敵な恋人がいるっていうのに」
澪「う……」
何気なく零した唯の言葉にどこか引っ掛かりを覚える。それがまた私の心を苛立たせた。
澪(なんだっていうんだ、いったい……)
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:23:00.77 ID:bP7cZ4K60
紬「ま、待って、りっちゃ……律人くん」
律「ん……? どうした、ムギ。顔が真っ青じゃないか」
ジェットコースターを連続で三回も乗れば誰でもこうなると思うが、りっちゃんはけろりとしていた。
紬「昨夜はあまりよく眠れなかったから。ちょっと疲れちゃった、かも」
律「あぁ〜……ごめん、ムギ、気付かなくて! あぁもう、彼氏だってのに、なにやってんだ、俺は!」
彼氏という言葉にどきりとする。
律「え〜っと、どっかで休むか? どこかにベンチは……」
紬「ううん、大丈夫だから。それより、次はあれに乗りましょう」
そう言いながら夕陽に映える観覧車を指差した。
律「そうだな、観覧車なら休めるし。乗ろう乗ろう」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:30:47.82 ID:sKmW6wrCO
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:31:26.75 ID:bP7cZ4K60
揺れるゴンドラの中で向かい合わせに座る。遮られることのない夕陽の光が私達をオレンジに染め上げる。
紬「りっちゃん、今日はありがとう」
律「な〜に言ってんだよ。困ったときに助け合うのが友達だろ」
紬「……うん、そうよね。それが友達、よね」
胸がちくりと痛んだ。それをおくびにも出さずに感謝の言葉を述べる。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:35:10.04 ID:bP7cZ4K60
紬「今日は本当に楽しかった。まるで本当の恋人みたいに過ごせて。こんな私でも普通の女の子みたいに、恋する女の子みたいに胸をどきどきさせて……楽しかった、本当に……」
律「なんだよ、普通の女の子みたいにって。普通の女の子だろー、ムギは。それもとびきり可愛い女の子!
全く世の男共はなにをやってんのかねぇ。こんな可愛い子をほったらかしにー……しなかったからこんな騒ぎになったんだっけか」
絶対音感書いた人かな?
りつむぎいいよぉ至高のカップルだよ
うおおおおおおたまんねえええええええええええ
俺のしーどがはじけるわ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:37:31.52 ID:bP7cZ4K60
屈託無く笑うりっちゃんの笑みに、諦念にも似た笑みで応える。
普通の女の子。そうだったらどんなに良かっただろう。
別に今の暮らしに不満があるわけではない。それどころかこんなに恵まれた環境に文句など言いようものなら、罰が当たるだろう。
だけどその代償として私は女の子としての自由を差し出さなければならなかった。
誰かに恋すること。そんな当たり前のことが私には許されていなかった。
いずれ私は琴吹家次期当主として、どこかの企業の御曹司と結婚することになるだろう。
父は何も言わなかったが、歴史ある家の子として今まで育てられてきたのだ。それぐらいの自覚はある。だけど───
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:43:01.59 ID:bP7cZ4K60
>>55 はい、その
>>1です。
先に謝っておきます。申し訳ありません。
今回、文章量がKB数にして前の2.5倍なので、途中で席を外すことになると思われます。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:43:42.03 ID:bP7cZ4K60
律「ムギー、どうした? やっぱり具合悪いのか?」
黙りこくってしまった私を心配して、りっちゃんが熱を測ろうと額に手を乗せた。掌から伝わる温もりが今は切ない。
紬「大丈夫よ。それよりももう終点だわ。降りましょう」
律「ん」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:47:24.07 ID:bP7cZ4K60
日は沈み、パレードのイルミネーションが夜の闇を払う。パレードに見入る人の波を掻き分けて、私達は出口へと向かっていた。
出口へとたどり着いてしまえば、この恋人ごっこも終わってしまう。結果がどうであれ、そういう約束だったからだ。
まるで魔法が解けるのを恐れるシンデレラの心境。鐘の音はもうすぐ鳴ろうとしていた。
魔法が解ける。ささやかな夢が終わる。ならせめて───
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:53:56.62 ID:bP7cZ4K60
紬「律人くん」
律「ん、なんだ、ムギ?」
噴水の辺で二人、向き合う。
紬「キス、しようか」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 15:58:01.40 ID:Y6M4mOBsO
俺りっちゃんむぎちゃんで今週頑張れるわ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:02:14.63 ID:bP7cZ4K60
律「キ……え、ぅえぇ!?」
紬「振りよ、振り。これだけ駄目押しをすればストーカーの方も何かしらアクションを起こすんじゃないかしら」
せめて、小さな思い出が欲しかった。別に本当にするわけではない。後になってあんなこともあったなと笑い合えるような、そんな思い出が欲しかったのだ。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:05:36.10 ID:bP7cZ4K60
律「あー、なるほど。そうだな、やれることはやっておくか」
そう言ってりっちゃんが私の肩に手を掛ける。
周りの人達はパレードに夢中で私達には目もくれない。
律「……なあ、こういう時って、目を瞑るもんじゃない?」
紬「目を瞑ってしまったら、急にストーカーさんに襲われた時に対処出来ないでしょ」
律「そ、そうか」
互いに見つめあったまま、顔を、唇を近づける。
あと5cm、3cm、1cm……。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:09:36.13 ID:bP7cZ4K60
すぐ横の噴水のイルミネーションが一際強い光を放つ。周囲の人ごみがそれに群がるように流れを変える。
「んぅっ!?」
人ごみに背中を押されたりっちゃんの唇が私の唇を塞いだ。
世界が停まる。唇に感じる感触以外の感覚が時を止め、今や唇越しに感じるりっちゃんの体温だけが世界の全てだった。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:21:27.53 ID:bP7cZ4K60
「んむ……ぅ、っちゅ……」
思考は凍りつき、身体が引き離せない。なのにも係わらず唇だけはりっちゃんを求めるように動いていた。電流が這うように背筋に甘い快感が奔る。
「……ん、ぷはっ…っはぁ」
人ごみが緩み、ようやく身体の自由が戻った。身体を離すと同時に、飛びかけていた理性が復活する。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:22:08.11 ID:8TH1v3br0
すばらしすぎる・・・
読んでてドキドキが止まんない
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:23:09.27 ID:PRcspQrs0
フルスロットルな脳内
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:24:25.08 ID:bP7cZ4K60
紬「………………」
今更ながら事の大きさに気付き、唇を手で押さえた。
紬(キ、キス、しちゃった……りっちゃんと……私の、ファーストキス……)
律「あ、え、えと、その」
混乱しているのはりっちゃんも同じなのだろう。だけど今の私にはそこまで気遣う余裕が無かった。
三角関係とは…燃えるわ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:25:40.86 ID:bP7cZ4K60
紬「う……」
涙が一筋、頬を伝う。なんで涙が流れたのか、自分でも分からなかった。だけどそれをりっちゃんに見られたくなくて、気付いたらその場から逃げ去るように走り出していた。
律「ムギ!」
差し伸べられたりっちゃんの手を振り切って、私は夜の闇へと身を投じた。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:29:53.20 ID:bP7cZ4K60
澪「………………!」
見た。見て、しまった。
律とムギがキスしているのを。
イルミネーションでライトアップされた噴水をバックに唇を重ねる二人はまるでドラマの主人公みたいだった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:33:03.66 ID:bP7cZ4K60
私はいったい何をしているのだろう。
ストーカーを誘き出すために律とムギのデートを出歯亀のように付け回し。
人ごみではぐれ、ようやく探し当てたと思ったら、二人はキスをしていて。
澪(……なに、この気持ち……)
胸の中で昏い感情がむくむくと湧き上がる。
親友に対して決して抱いてはいけない感情。
澪(……やだ……)
抱くはずのない感情。
澪(……やだよ、律……!)
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:33:46.79 ID:AjM3w6uR0
地の文が長すぎる
改行しろチンカス
ストーカー空気
超支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:38:21.95 ID:bP7cZ4K60
唯「みおちゃーん、二人、見つかったぁ〜?」
園内を走り回って探していたのだろう。気付けば息を切らした唯がすぐ傍にいた。
律達の方に視線を戻す。一瞬だけ目を離した隙にムギはどこかへ去っていた。
澪「……いや、見つからなかったよ。これだけやってもストーカーは出てこなかったんだ。もう大丈夫だろうし、帰ろうか」
唯「えぇ? でも勝手に帰って大丈夫かなぁ」
澪「あの二人には先に帰るってメールしておくよ。さ、梓と合流して帰ろう」
唯「うん……」
急かすように唯の背中を押し、律に気付かれぬよう、その場を去る。今は誰にもこの顔を見られたくなかった。
きっと醜く歪んでいるだろうから。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:43:05.18 ID:bP7cZ4K60
紬「恋とはどんなものかしら、か……」
見慣れた自分の部屋の天井を見上げながら独り言ちる。まるで恋する乙女みたいに。
唇にそっと指を添える。キスの感触がまだ生々しく残っていた。
紬「りっちゃん……」
友達の名前を呼ぶ。ただそれだけで胸の奥に小さな火が灯る。
紬「りっちゃん……」
友達の名前を呼ぶ。ただそれだけで心が甘い想いで満たされる。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:45:16.51 ID:8TH1v3br0
ひとりごつって動詞を使うあたりが只者じゃない
むぎちゃん・・・
幸せになってくれ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:46:23.76 ID:bP7cZ4K60
紬(やっぱり……)
紬「この気持ちは、気のせいなんかじゃ、ない……」
改めて口にしたことで自分の気持ちの輪郭が鮮明に浮かび上がった気がした。そのことに戸惑いを覚える。
溜め息を吐いて、目を瞑る。瞼の裏に浮かぶのは近付いてくるりっちゃんの顔。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:49:57.59 ID:bP7cZ4K60
紬「Voi che sapete Che cosa e amor, Donne, vedete S'io l'ho nel cor.
(恋とはどんなものか 知っておられるあなた様方
ぼくが胸に恋を抱いているかどうか 見てください)」
恋に恋焦がれる青年の詩。まるで今の私のようだ。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:51:10.21 ID:bP7cZ4K60
紬「Quello ch'io provo Vi ridiro, E per me nuovo Capir nol so.
(ぼくが感じていることを あなたがたに申しましょう
こんなことはぼくには初めてで よく理解することができないのです)」
誰かに話すことが出来たらどんなに楽だろうか。そんなことすら今の私には叶わない。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:53:11.80 ID:8TH1v3br0
ケルビーノのアリアww
ムギさんパネェっす
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:53:47.31 ID:qtVdWITT0
いいねいいね
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:54:52.05 ID:bP7cZ4K60
紬「Ricerco un bene Fuori di me, Non so chi'l tiene, Non so cos'e.
(ぼくは何か幸せがどこかにあるのではないかと 捜し求めていますが
誰がそれを持っているのか それがなんなのかわかりません)」
始めは友達だった。偶然の出会いから思い出を積み重ね、いつしか私達、軽音部のみんなは親友となった。
幸せだった。素敵な仲間の一人になれた気がして。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:58:47.80 ID:bP7cZ4K60
紬「私は見ているだけで充分……」
りっちゃんや澪ちゃん達が仲睦まじくしている光景を、どこか一歩退いたところから見ていた。
紬「見ているだけで……」
普通の恋が叶わない私にとって性別など些細なことに思えた。本人達の気持ちさえ通じ合っていればそれでいいと。
紬「充分だったのに……」
だけど私にはそれすらも許されない。琴吹家を背負って立つ人間として、そんなことすっかり受け入れていたはずなのに。
今はただ、彼女が恋しい。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 16:59:38.52 ID:6IgMeGN2O
馬鹿な俺にはさっぱりだ
俺も俺もw
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:04:30.54 ID:bP7cZ4K60
澪「律、またドラム、走ってるぞ」
律「ん、あぁ、ごめんごめん」
弱々しい笑みを浮かべて謝る律。
ちらりとムギの方を横目で窺う。こちらも心ここに在らずといったかんじだ。
澪「ふぅ……今日はこれでおしまいにするか。どうも上の空な奴がいるみたいだし」
律「あはは、わりぃ」
律が片手で謝罪の意を示す。いつもならもう少し突っ掛かってきそうなものなのに。
棘のある言葉を吐いた自分に嫌気が差す。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:05:43.32 ID:VT479Mh8O
わくてか!
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:07:49.00 ID:qtVdWITT0
律と澪の衝突はもう見たくないぞ?
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:09:24.11 ID:bP7cZ4K60
紬「あ、じゃあ私、この後、用事があるから先に帰るわね」
唯「うん、ばいばいムギちゃん」
軽く手を振り、そそくさと部室を後にするムギ。
梓「ムギ先輩、ここのところ、帰るのが早いですよね」
唯「やっぱりストーカーさんのことでいろいろ悩んでるのかなぁ」
澪「それはないんじゃないか。この前の遊園地の時、散々中てつけたにも係わらず、結局現れなかったしな」
渦巻く負の感情を言葉に込めて律を見る。
あの時のことを思い出したのか、律は顔を真っ赤にしながら頭を抱えていた。
心がざわりと波打つ。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:11:43.28 ID:bP7cZ4K60
澪「律、やっぱりもう少し練習していこう。ここ何日か、あまり練習に身が入ってないようだからな」
唯「あ、じゃあわたし達も残ってやってくよ」
澪「いや、唯達は帰っていいよ。ちょっとリズム隊だけで練習がしたいんだ」
唯「ん〜、分かった。じゃあばいばい、みおちゃん、りっちゃん」
梓「お先に失礼します」
唯と梓が去った音楽室に私と律だけが取り残される。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:14:41.29 ID:bP7cZ4K60
律「で、何から練習する、澪?」
澪「……練習はしない。律に残ってもらったのは訊きたいことがあったからなんだ」
律「え、なんだよ、訊きたいことって。そんな改まっちゃって、なんかこえーなぁ」
いつもの調子を装う律。だが次の言葉を聞けば、平静ではいられないだろう。
あーもう続きが気になる
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:16:22.58 ID:YXmeE1bl0
地の文が心地よい
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:18:18.62 ID:bP7cZ4K60
澪「ムギのこと、好きなのか?」
律「はあぁ!? ……あ痛ッ!」
私からの唐突な質問に、律が素っ頓狂な声を上げながらドラム椅子からすっ転んだ。
身体を起こし、打ち付けた腰を擦りながらこちらにやってくる。
律「なんだよ、それ? なんで私がムギを好きって話になるんだよ。
そりゃ、ここ数日、恋人の真似事とかしてたけど、あれはあくまでも演技だろ?」
澪「キスしたのも演技だっていうのか?」
律「ッ!? な、んで、それを……」
頬を赤く染めながら、目を見開く律。正直、律のこんな反応を見るのは辛かった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:21:22.48 ID:mjFlVYvD0
りっちゃんかわいい、天使。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:21:25.29 ID:bP7cZ4K60
澪「あれ以来、律もムギもどことなくぎこちないじゃないか。お互いに意識しているようにしか見えないんだけど」
律「そ、そんなわけねーだろ。ムギは親友なんだし、そんな対象としてなんて見れないよ。
確かに今は気まずいけど、少し時間が経てばまた元通りだ。第一、女同士だろ、ムギと私は」
澪「性別なんか関係ないだろ……。じゃあ律、本当に今は好きな奴とかいないんだな?」
律「いないいない。女子高に通ってて、早々そんな出会いなんてあるかよ。
つーかそういう澪ちゅわんはどうなのよー。いないの、好きな人とか?」
反撃の糸口を見つけたと言わんばかりに悪戯っぽい笑みを浮かべ、からかうようにこちらに詰め寄る。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:23:56.81 ID:bP7cZ4K60
澪「……いるよ」
律「えぇ! マジで!?」
見事なカウンターをくらった律は、私に詰め寄った体勢のまま、驚きの表情を顔いっぱいに浮かべる。
律「え、誰!? 私の知ってる奴!?」
澪「あぁ、律もよく知ってる奴だよ」
律「ん〜、私も知ってる奴……?」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:26:32.93 ID:bP7cZ4K60
澪「私も最近、ようやく気付いたんだ。
今までずっと近くにいたから、自分がそいつにそんな感情を抱いてたなんて、気付けなかったけど」
今ならはっきり分かる。この気持ちは、気のせいなんかじゃ、ない。
律「ずっと近くにいたってことは幼馴染か……。
もしかして、聡か? いや、親友として応援してやりたいのは山々だが、小学生が相手っつーのは、ちょっと……いやしかし、むぅ……」
ここまで言っているのに気付かないなんて、とぼけているのだろうか。
いや、恐らく素なのだろう。律がこういう奴だってことは、私が一番よく知っている。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:29:37.75 ID:bP7cZ4K60
澪「律は、応援してくれるか? 私の、恋を」
律「おう、あったりまえだろー! 親友じゃないか、私達」
切なさと罪悪感で胸がちくりと痛んだ。
澪「じゃあ教えてあげる。私が好きなのは……」
律「……っ!?」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:30:08.60 ID:8TH1v3br0
読ませるなぁ!
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:30:15.63 ID:WS0s4G06O
男装りっちゃんでもしやと思えば…
やっぱりあんたか!
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:33:15.31 ID:bP7cZ4K60
律の腕を掴んで一気に引き寄せ、唇を奪う。
律が呆然としているうちに、逃さないように両腕で彼女を抱きすくめる。
「んん、ぅ〜……! っぷはぁ、ちょ、み、おぉ……ん……!」
我に返った律が頭を退いて逃げるが、追い縋り、再度唇を塞ぐ。
「んむうぅ……ん、はぁ、澪、や、はぁあ……!」
猫のような律の上唇を優しく愛撫するようについばむ。
「ん、ちゅ……ぅん!? んぅう〜……!」
唇を押し開き、律を味わうように舌を滑り込ませ、律のそれと絡ませる。
始めは抵抗していたが、抗し難い快楽の波に呑まれてしまったのか、くったりと身体を脱力させ、されるがままだ。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:34:23.16 ID:+R5pTtWGO
律は男装似合うだろうけど身長が・・・
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:39:26.35 ID:bP7cZ4K60
長い長いキスだった。
子供が戯れに唇を触れされるようなものじゃなくて。
恋人同士が互いの心に触れ合うためのキス。
律「はぁ……はぁ……ん、や、あぁ……み、お……?」
律の唇を奪った。その心までも奪うように、ただただ一方的に。
涙を滲ませる律の顔が目と鼻の先にあった。
それが愛しくて。
律を泣かせてしまったという事実に心が痛くて。
深く彼女の身体を掻き抱いた。
>>105 うわああああああ!!!
ってか聡って小学生だっけ?
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:42:03.18 ID:6IgMeGN2O
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:46:05.99 ID:bP7cZ4K60
律「澪……?」
抱きすくめられたまま、数分が経過していた。
身体の中には炎のように激しい熱がまだ渦巻いている。
律「いったい、どうしたんだよ……。なんで、急に、こんな……」
身体に力が入らないため、振りほどくことが出来ない。
もし力が戻っていたとしても振りほどくことは出来そうになかったが。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:50:30.70 ID:bP7cZ4K60
澪「……い、で……」
今、振りほどいてしまったら、何かが壊れてしまう。
そんな予感をさせるほど、今の澪の様子はおかしかった。
澪「どこにも、いかないで……!」
律「澪……おまえ……」
迷子の子供が縋るような、そんな弱々しい叫び。
澪の身体は震えていた。こうして私に抱きついていないと、その場でくず折れてしまいそうなほどに。
さっきまでの激しいキスが嘘のようだった。
それほどまでに今の澪は脆く、儚げだった。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:53:38.79 ID:bP7cZ4K60
澪の柔らかい胸から早鐘を打つような鼓動が伝わってくる。
落ち着かせようと。母親が赤ん坊をあやすように抱きしめようとした。
律(あ……)
だけど出来なかった。
この時、なぜかムギの顔が脳裏を過ぎった。涙を一滴、流していたあの時のムギの姿が。
何かに縛られたように身動きの出来なくなった私は、為されるがままに澪が落ち着くのを待つことしか出来なかった。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:54:09.30 ID:/khZ7FZuO
切ない…しかし興奮する
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 17:58:18.43 ID:bP7cZ4K60
紬(澪ちゃん……やっぱり、りっちゃんのことが……)
音楽室の扉に背を向け、足音を立てずにその場を離れる。
りっちゃんと顔を合わすのが気まずくて早々と帰宅の途についたのだが、途中で忘れ物に気付いて引き返したところで二人がキスをしているところに出くわしてしまったのだ。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:00:26.59 ID:sKmW6wrCO
やはり唯が絶対音感のSS書いた人か…まさか百合で来るとは
エロパロのけいおんスレは腐が暴れてほぼ壊滅状態だから、こういうスレ、貴重なんだよな…
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:01:30.46 ID:bP7cZ4K60
胸が苦しい。
紬(そうよね……あの二人は幼馴染なんだし、気心知れた仲なんだし。
それにとってもお似合いだし……)
胸が、苦しい。
紬(だから私は二人を応援しなくちゃ……この気持ちは、無かったものにしなきゃ)
胸がとても苦しかった。
紬(どうせ私には自由な恋なんて許されないのだもの。
だったら私は二人を応援しなくちゃ……親友、として)
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:05:29.58 ID:bP7cZ4K60
大丈夫。
大丈夫だ。
今までもいろんなことを諦めてきた。琴吹家に相応しい人間になるために。だから今回のことも諦められるはずだ。
私はそうやって生きてきた。
そうやって生きてきた、はずなのに───
紬(なんで、胸がこんなに痛むの……?)
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:13:43.99 ID:bP7cZ4K60
すいません、
>>1です。
この後、夜勤のアルバイトがあるため、席を外させていただきます。
戻るのは明日の8時ぐらいとなりますので、スレが残っていたら続きを投下します。
支援
明日・・・だと・・・
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:19:59.63 ID:u0yFJhAoO
何が何でもほしゅるぞ!
>>1バイトがんばってこい
ヤバイ…切ない…
頑張れ!待ってる!
絶対音感を書いた人だったんだ
うおおおこれは…全力で支援
地の文がしっかりしてていいね
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:25:56.88 ID:mVUR3w9+O
午前8時だな
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:38:50.64 ID:wiLwd1AHO
やぁ^^
他のSSスレにリンク張られてたから遊びに来ちゃった^^
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:42:23.54 ID:wiLwd1AHO
ちょっと読んだけど特におもしろくもなかった
あぼ〜ん
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:47:43.97 ID:9ZawZnw50
遠いなおい
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 18:50:35.70 ID:u0yFJhAoO
午前8時なんじゃね?
うおおおおおおコレは素晴らしい!
>>1待ってるからなー!
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 19:21:17.27 ID:mc3o2hpJO
今の時間帯の保守は最長30分くらいだっけ?
念のため保守
保守
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 19:58:07.94 ID:WS0s4G06O
私の恋はほッチキしゅ
ho
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 20:13:12.02 ID:UNc7O51bO
は
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 20:31:12.76 ID:BwbPZNdY0
む
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 20:34:38.62 ID:YFyk9dU90
無駄にレスに反応しないし物語も良いし地の文も巧い
いいよこの
>>1いいよ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 20:52:49.99 ID:ehBT+iQ/0
ho
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 21:08:36.27 ID:UNc7O51bO
me
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 21:26:51.09 ID:4IanqOko0
ムギ好きを少数派とは言わせない
律紬
律の心理描写がないのがいいな。
保守
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:00:45.90 ID:WS0s4G06O
落ちるな
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:01:24.67 ID:wC/M/QEX0
保守
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:17:27.93 ID:4IanqOko0
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:27:10.79 ID:wC/M/QEX0
>>147 ×たくあんヲタ
○大根農家
うんたん♪うんたん♪
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:42:23.47 ID:4IanqOko0
琴吹家専属のたくあん用農家ですかw
しゃらんら♪しゃらんら〜♪
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:50:41.77 ID:mwtlAdw+O
全力で支援and保守
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 22:57:00.94 ID:qtVdWITT0
保守ほしゅ
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:03:42.19 ID:sKmW6wrCO
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:06:59.08 ID:6IgMeGN2O
7時くらいまでなら酒飲みながら頑張るぞ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:13:43.63 ID:9ZawZnw50
ho
C
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:34:37.25 ID:sKmW6wrCO
この手で作ろあ〜たらしいせかい〜の愛の歌を〜
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:36:25.16 ID:63S/G/eS0
空っぽの星〜時代をゼロから始めよう〜
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:45:41.30 ID:PRcspQrs0
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:52:14.65 ID:+0kiAne2O
SSって地の文の主体が次々変わるんだな
>>159 そういうのは突っ込んじゃあかん
信者から総叩きに合うぞ
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 23:59:14.02 ID:9ZawZnw50
ほ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 00:07:19.94 ID:7UHnNKzC0
っほ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 00:24:58.16 ID:naoxXc+A0
り
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 00:33:34.58 ID:nAG1Velj0
い
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 00:46:36.02 ID:NlLCNA2Bi
じ
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 00:53:30.19 ID:SDY+I+Rs0
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 01:00:12.88 ID:pcal4oly0
>>108 保守のついでに亀だが確か中学生だったような
律澪以外は認めん
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 01:20:49.14 ID:ssrDWt5I0
男装ってことはこの間の人か、ホシュ
りつむぎこそが至高
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 01:45:35.48 ID:naoxXc+A0
寝る前に保守
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 02:06:07.15 ID:1MkhjemVO
ほ
ふ
☆
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 03:00:12.66 ID:1jKKYVpSO
うぷ・・・
@ふぉーむメイトやってたらこんな時間だったよ\(^o^)/
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 04:07:10.78 ID:pcal4oly0
ついつい見ちゃううみものがたり
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 04:23:37.70 ID:1jKKYVpSO
うぇ・・・
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 04:45:19.85 ID:Gqv0qtUV0
ほ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 05:12:08.08 ID:znVb1W9w0
ほほほのほ
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 05:40:48.97 ID:TYkGmugU0
はひふへほっ!
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 05:46:42.39 ID:1jKKYVpSO
うおおおおおおおおおおおおおおおおお
日笠さん犯してぇ
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 06:09:05.47 ID:znVb1W9w0
ほ!
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 06:11:35.98 ID:cU+q/O7KO
目覚ましみろ
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 06:30:23.53 ID:rD9PriYFO
しばらくぶりの神SSになることを期待して保守
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 06:54:25.34 ID:Ck4T+OtXO
目覚まし見たよ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 06:59:05.85 ID:rD9PriYFO
応援してる!!
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:29:38.38 ID:LING1avmO
ホスタリカ
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:39:59.03 ID:Xeq0v6oy0
ほすほす
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:51:53.47 ID:ws7LpuXj0
保守してくださった方々、本当ありがとうございます。それでは再開したいと思います。
今日中に終わればいいのですがw
>>167 うおぁ……本当だ。下調べ不足でした……。
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:54:09.76 ID:NCHztwDe0
再開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
けどこれから仕事だよ・・・
帰ってくるまで残っていてくれ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:54:39.36 ID:ws7LpuXj0
律「はあ……」
溜め息を吐きながら窓の外に目を遣る。
天気は私の心を映したかのような空模様だった。
しとしとと降りしきる雨が憂鬱に拍車を掛ける。
雨音を遮るためにヘッドフォンを装着し、適当にCDを掛ける。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 07:57:01.68 ID:ws7LpuXj0
澪のことを考える。
大切な幼馴染。
しっかり者のようで本当は寂しがりやな女の子。
凛とした容姿とは裏腹に脆い一面を持った女の子。
律「大切でも 強く抱きしめりゃ つぶれそうだ
キスをする その間に 誰かと手をつないでる」
曲に合わせて歌詞を口ずさむ。
なんとなく今の自分の状況と似ているなと思い、自嘲の笑みが漏れた。
ムギとキスをした自分が澪を落ち着かせようと抱きしめようとした。
ムギに差し伸べようとした手は澪とのキスを拒まなかった。
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:01:06.82 ID:ws7LpuXj0
ムギのことを考える。
高校に入ってから出来た親友。
おっとりしているけれど、いつもにこやかにみんなを見守っている慈愛に満ちた女の子。
時にほんわかとした容姿とはかけ離れた姿を見せることもある女の子。
律「きっと自分以外に答えはないって
入り込んだ僕の心 出口のない迷路のよう」
まさに迷路そのものだ。
この問いに答えを出せるのは私しかいないっていうのに、どうするべきなのかまるで分からない。
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:03:49.87 ID:ws7LpuXj0
律「パーフェクト パーフェクト 全てを支配してほしい
パーフェクト パーフェクト パーフェクトなモノたちよ」
もし神様のようなパーフェクトな存在がいたら、この気持ちさえも支配して答えを出してくれるのだろうか。
そんな卑怯な考えが頭を過ぎる。
律(私の、気持ちは……)
雨は止みそうになかった。
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:08:04.65 ID:73A6pU940
しえn
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:11:41.99 ID:ws7LpuXj0
唯澪律梓「お見合いぃ!?」
紬「えぇ、最初はあまり乗り気じゃなかったのだけれど、お父様の顔を立てるってこともあって。
それに案外、いい人だったしね」
唯「ふわぁ〜……お、大人の世界だぁ」
梓「そういえば普段は忘れがちですけど、ムギ先輩って良家のご息女なんですよね……」
律「お、お見合いって、そいつと結婚するのか!?」
紬「そういうわけじゃないけど、いずれはそうなるかもね。
今までそういう話は断ってきたのだけれど、そろそろ将来のことを考えてもいいかなって。
私がそう言ったら、もう斉藤が張り切っちゃって」
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:15:25.81 ID:D3ygKBPVO
俺が婿だ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:16:49.98 ID:ws7LpuXj0
律「いいかなって……ムギはそれでいいのか?」
紬「いいのかって、何が? りっちゃん」
律「そんなお見合いとかで勝手に相手を決められて……。
ムギの気持ちを無視するようなやり方で」
紬「嫌だったらちゃんと断るし、ちょっと出会いの形が普通と違うだけよ。
それにお父様の決められた方と結婚することは、前から分かってたことだし」
律「そんな……」
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:19:55.31 ID:ws7LpuXj0
紬「取り敢えず、しばらくはその方とお付き合いしてみることにしたの。
お互いのことをもっと良く知り合うためにって。
その上で返事は決めるって、相手の方も了承してくださったわ」
律「………………」
紬「今日もこの後、その人と食事に行くの。
そういうわけだから今日はもう帰るね」
唯「うん、ばいばいムギちゃん」
梓「お疲れ様です、ムギ先輩」
律「………………」
澪「………………」
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:23:43.14 ID:WOZSICAAO
猿防止
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:23:57.67 ID:ws7LpuXj0
律「ムギ!」
校門のところでムギに追いつき、その背中に声を掛ける。
紬「りっちゃん。どうしたの?」
律「本当に……本当にいいのかよ」
紬「本当に、本当にいいの。どうしたの? 変なりっちゃん」
何でもないことのように笑みを浮かべるムギ。
律「だってお前、言ってたじゃんか。
普通の女の子みたいに、恋する女の子みたいに胸をどきどきさせて楽しかったって。
そういうのに憧れてたんだろ? そういう恋がしたかったんだろ!?
なのになんで急にお見合いなんて言いだすんだよ」
ムギは笑顔のままだ。だけどその笑顔はどこか精彩を欠いていた。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:26:03.58 ID:ws7LpuXj0
律「私がキス、しちゃったからか? だとしたら謝る」
紬「半分正解で半分不正解、かな」
気持ちの整理がまるでつかない。
心が追いつかない。
どんな言葉を掛ければいいのか分からない。
だけどここでムギを見送っちゃったら、何か取り返しがつかないことになってしまう。
そんな気がした。
エンドレスエイト
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:29:31.65 ID:ws7LpuXj0
律「ムギ、私、は……ムギのことが、好……!」
紬「今のりっちゃんはちょっと私に同情しちゃってるだけ。
恋人ごっこでか弱い女の子を演じた私を守るかっこいい男の子をまだちょっとひきずっているだけ……。
だから、その先は言わないで」
律「ムギ……!」
紬「その言葉を言うべき人は別にいるでしょう、りっちゃん? ……ほら」
一体、どっちとくっ付くのか…
支援
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:34:21.15 ID:ws7LpuXj0
ムギの視線のその先───そこに立っていたのは、澪、だった。
今にも泣き出しそうなほどに涙を溜めて。
今にも崩れ落ちそうなほどに頼りなげな様子で。
澪「……っ!」
澪が校舎の方へと駆け出す。
律「澪!」
動けない。二つの想いに心が縛られて、前にも後ろにも進めない。
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:35:43.39 ID:+GYzm+e3O
家族を幸せにするための家業が栄えた結果家族を苦しめるなんて皮肉だね。
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 08:36:04.19 ID:ws7LpuXj0
紬「追ってあげて、りっちゃん。
……私は見ているだけで充分だから。それだけで充分、だから」
今まで堪えていたのだろう。
ムギは笑顔のまま涙を流し、別れの言葉を告げながら、澪が去った方とは反対方向へと走り去ってしまった。
律「ムギ……!」
動けない。二人への想いで心が引き裂かれそうで、引き返すことも追うことも出来なかった。
律「……くそ! いったいなんなんだよ、私は……!」
校門の門柱に拳を打ちつけ、己の優柔不断さに歯噛みする。
迷路の出口はまだ見つからなかった。
ああ例のマクロスってやつかこれ
ほ
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:02:30.05 ID:Rkk9KExmO
絶対音感読んできた
感動したよ 支援
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:12:23.45 ID:WOZSICAAO
支援
>>190 むしろ出来るだけ長い方がありがたい
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:15:06.42 ID:C0hFPOJX0
けいおん史上最高のssになるかもね。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:33:37.65 ID:Yve+Gdot0
し
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:42:17.14 ID:TMNrbXhkO
しえん
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 09:54:28.06 ID:7UHnNKzC0
んえし
三人がバタバタしてる間は唯と梓は何してんだろう
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 10:15:44.59 ID:kT6N2NsE0
部室でいちゃいちゃしてんじゃね
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 10:33:00.80 ID:XwdnDaNi0
夜勤明けの私が保守
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 10:57:50.73 ID:XwdnDaNi0
四円
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:25:36.85 ID:ws7LpuXj0
すいません、さるさん喰らってました。では続き。
あの日以来、ムギはあまり音楽室の顔を出さなくなった。
表向きはお見合い相手との食事だとかなんだとか。
本当のところは私と顔を合わせたくないのだろう。
律「苦……」
自分で入れてみた紅茶を一口、口に含む。
蒸らしが不十分だったのか、茶葉は開ききらず、香りは乏しいものだった。
味に至ってはムギの淹れたものと比べるべくもない。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:28:31.98 ID:ws7LpuXj0
梓「やっぱりムギ先輩じゃないと上手く紅茶、淹れられないですね」
唯「うぅ〜、ムギちゃんの紅茶が飲みたーい」
梓「やっぱりムギ先輩がいないとちょっと寂しいです……」
唯「ず〜っと一緒だったからねぇ。ムギちゃん、今頃何してるんだろ……」
梓「今日もお見合い相手の人と会うんでしたっけ」
唯「ムギちゃん、このままその人と結婚しちゃうのかなぁ」
律「………………」
りつむぎ!りつむぎ!!
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:31:02.41 ID:WOZSICAAO
猿防止
律「マリン、次は避けろよ」
唯「わかったぜオリバー!」
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:35:28.07 ID:ws7LpuXj0
ムギが他の男と笑いあっている光景を脳裏に思い浮かべる。
自分の知らない誰かと笑っているムギ。
自分以外の誰かと手を繋ぐムギ。
想像に過ぎないと分かっていても、胸の裡がざわざわと正体不明な感情に掻き立てられた。
律「……後を尾けてみようぜ」
唯「へっ?」
梓「後を尾けるって、ムギ先輩の後をですか?」
律「うん。ムギを変な野郎にやるわけにはいかんからな。
後をつけてその相手がどんな奴か私達で見定めてやるんだよ」
梓「見定める……って、それはムギ先輩本人の問題なのでは……」
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:37:13.64 ID:ws7LpuXj0
律「見合い相手の前で本当の自分を曝け出す奴なんかいないだろ。
その相手が本当はものすごい変態だったらどうする?」
唯「それは大変だぁ!」
梓「っていうかそれってまるっきりストーカーなのでは……」
律「私達にはムギの親友としてそれを確かめる義務と権利がある!」
澪「私はパス。親友だからこそ踏み込んでほしくないことだってあるだろ」
律「澪……」
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:38:12.36 ID:nAG1Velj0
そういやストーカーは結局どうなったんだ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:41:34.61 ID:ws7LpuXj0
そもなんでこんな事を言い出したのか、自分でもよく分かっていないのに、そんな我が侭に友達を付き合わせるわけにはいかない。
律「オッケー。言いだしっぺは私だからな。一人でやるよ」
唯「何言ってるんですか、りっちゃん隊員!
この平沢唯、たとえ火の中水の中、どこへでもりっちゃん隊員についていくであります!」
律「平沢隊員……! よっしゃぁ! そうと決まれば早速変装だぁ!」
唯「了解であります、りっちゃん隊員!」
何か言いたげな澪と苦笑を浮かべる梓を残して音楽室を後にする。
どこかに出かけるにしても、一旦家に帰って着替えるはずだ。
今からムギの家の前で張って、後を尾ければいいだろう。
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:45:50.16 ID:ws7LpuXj0
>>229 すいません、コピペミス……。
いつもならノリが悪いとか言って無理矢理連れまわすところだが、今の私にはその資格がない。
そもそもなんでこんな事を言い出したのか、自分でもよく分かっていないのに、そんな我が侭に友達を付き合わせるわけにはいかない。
律「オッケー。言いだしっぺは私だからな。一人でやるよ」
唯「何言ってるんですか、りっちゃん隊員!
この平沢唯、たとえ火の中水の中、どこへでもりっちゃん隊員についていくであります!」
律「平沢隊員……! よっしゃぁ! そうと決まれば早速変装だぁ!」
唯「了解であります、りっちゃん隊員!」
何か言いたげな澪と苦笑を浮かべる梓を残して音楽室を後にする。
どこかに出かけるにしても、一旦家に帰って着替えるはずだ。
今からムギの家の前で張って、後を尾ければいいだろう。
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:48:39.31 ID:L8dFpnhP0
支援
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:51:30.92 ID:ws7LpuXj0
唯「ムギちゃん、なんかあんまり楽しそうじゃないねぇ」
さわちゃんの作った衣装の中から比較的まともなものを選んで身を包んだ唯が、そんな言葉を零した。
律「これは後を尾けてきて正解だったかな」
私はといえばここ最近ですっかり身体に馴染んでしまった男物の衣装を着込み、ムギのいる店の斜向かいに身を隠していた。
>>39 琴吹家次期当主としての自分
女子高生としての自分
みんなの親友としての自分
スーパーコンピュータMUGI
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:56:30.74 ID:ws7LpuXj0
唯「笑っているんだけどいつもの笑顔とは違うっていうか……」
私はその笑顔を知っていた。
あれは私の言葉を拒んだ時に見せた、何かを我慢している時の笑顔だ。
唯「楽しくないんならなんで何回も会ったりするんだろう?」
想像してみる。
それは私にとって都合のいい、ただの妄想かもしれない。だけどそれは案外、真実に近いようにも思えた。
もしムギが澪の気持ちを尊重して、身を退こうとしていたとしたら。
もしムギが友達を傷付けないように自分の気持ちを偽っていたとしたら。
それはムギも少なからず私のことを想っていてくれるということにならないだろうか。
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 11:57:15.99 ID:fkJtdLlhO
所長があなたのこと言ってるの
たくあんはもう用済みだとか
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:01:15.70 ID:ws7LpuXj0
律(なんて、都合のいい……)
そんなのはただの願望だ。
そうであったらいいという単なるご都合主義。
たとえそうであったとしても今、ムギの隣にいるのは私じゃない。
ムギの向かいの席に座る男に目を遣る。
誠実そうで温和そうな優男。遠目にもそいつがいい男だということが分かる。
ムギの父親が娘のお見合い相手にと選んだ奴だ。家柄もしっかりとした奴なのだろう。
ぎり、と奥歯を噛み締める。
よく知りもしない相手を憎く思ったのなんて初めての経験だった。
ちくしょう出かけたくねーよ帰るまでのこっててくれ
むぎちゃんりっちゃん幸せになってくれー
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:06:54.27 ID:ws7LpuXj0
律「なんで……」
なんでお前がそこにいる。
お前じゃない。ムギの隣にいるのは、お前じゃ───
唯「ん? なんか言った、りっちゃん?」
律「あ、いや、なんでもない」
己の裡に湧き上がる昏い感情を落ち着けるように夜空を仰いで深呼吸をした。
頭を振って雑念を追い払う。視線をムギの方へと───
律「うん? あれは……」
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:06:58.80 ID:zxG3W44dO
しえん
けいおんは男キャラが少ないから恋愛もの書きにくそう
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:11:36.58 ID:ws7LpuXj0
視界の中に違和感を感じ、その正体を探る。
私達が身を潜めているところとは反対方向。そこにはどこか見覚えのある顔があった。
律「あれは、ムギのストーカー……? まだいやがったのか」
唯「え、どこどこ?」
男は物陰に隠れてムギ達の様子を窺っている。
改めてじっくり見てみるとそいつはどうもただのストーカーとは一線を画しているように見えた。
ムギに向けられる視線も偏執的というよりは、何かを冷静に観察しているようなそんな目だった。
うわ・・・何この文章・・・
ケータイ小説レベルじゃないか・・・
VIPのゆとりはこんなレベルで満足なのか
空気悪くしてゴメンw物書きとして許せなかったんだ
>>1も気にしないで続けたらいいよw
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:19:44.38 ID:ws7LpuXj0
律(ほんと何者だ、あいつ……?)
こちらの視線に気付いたわけではないのだろうが、男は足早にその場を立ち去る。
ムギのことは気になったが、あの男をこのまま野放しにしておくのも危険に思えた。
律「唯、悪い。ムギのこと、後は任せた。私はあいつの後を追う」
唯「えっ! 駄目だよ、りっちゃん。危ないよ!」
律「へいきへいき。唯もあんま遅くならないうちに帰るんだぞ」
唯「りっちゃぁ〜ん……」
こちらの身を案じる唯の視線を背中に受け、私はストーカー野郎の追尾を開始した。
斎藤・・・?
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:24:17.50 ID:fkJtdLlhO
死亡フラグなんかへし折ってやんよ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:28:32.28 ID:ws7LpuXj0
律(こんなところで何やってんだ……?)
気付かれぬようにストーカー野郎の後を尾けて、町外れの廃工場まで来ていた。
男は誰かと待ち合わせでもしているのか、忙しなく煙草を吸いながら廃工場の中をうろうろとしていた。
ここに来てもう30分は経つ。夜も更け、女子高生がうろつくには少々危ない時間になっていた。
だがここで帰るわけにはいかない。せめてあの男が何者なのか、それだけでも掴んで帰らねばならなかった。
今なら確信が持てる。あの男はストーカーなんかじゃない。
じゃあなんなのかと問われれば返答に困るが、少なくともムギにとって歓迎すべき相手ではないだろう。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:33:47.70 ID:ws7LpuXj0
律(ムギ……今頃、何してっかなー……)
じっと身を潜めるのにも飽きて、ムギのことを考える。
律(澪のやつ、怒ってるかなー……。泣いてなけりゃいいけど……)
思えばここのところ、何かとムギや澪のことを考えてばかりいるような気がする。
悶々と二人のことを考えていたら、どこからか車の音がこちらへと近付いてきた。
律(……っと、やばいやばい)
裏手に回り、中が見えるところを探す。
おあつらえ向きに裏口があり、錆びた取っ手を静かに回して中へと身を滑り込ませた。
車は開け放たれたシャッターから廃工場の中へと乗り入れ、中から数人の男達が出てきた。
目を凝らし、新たに現れた男達を視認する。
律(え……? あいつは……?)
しえn
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:39:58.66 ID:ws7LpuXj0
その中の一人に意外な顔を見かけた。
それはさっきまで穴が開くほど凝視していた顔。
ムギの見合い相手だった。
律(どういう、ことだ……?)
不審に思い、奴らの声が届くところまで息を潜めて近付く。
手下A「このまま滞りなく上手くいきそうですね、坊ちゃん」
坊ちゃんと呼ばれた男───ムギの見合い相手が口角を吊り上げ、陰惨な笑みを浮かべる。
最初見た時の印象とはまるでかけ離れたその笑みに不穏な空気を感じ取った。
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:45:24.51 ID:ws7LpuXj0
坊「あぁ。どんな心変わりがあったのかは知らないが、ようやく見合い話を受けてくれたしな。
どうやって琴吹のお嬢様に取り入ろうか頭を悩ましたものだが、こうも容易くいくとは」
手下A「後を尾けまわしても、弱みの一つも握れませんでしたからね。
付き合っている男はいるようでしたけど、どうやら最近別れたみたいですし」
手下B「見合い話を受けたのも、それが原因かもしれませんね。
寂しさを紛らわすために、他の男の温もりが欲しかったとか。ひひひ……」
坊「そこへ颯爽と王子様のように現れたのが僕ってわけか。ははっ、ちょろいもんだ」
下卑た笑いが廃工場に響き渡る。その癇に障る笑い声が、心を怒りと驚愕に染め上げる。
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:50:14.70 ID:ws7LpuXj0
律(なんてこった……あいつら、グルだったのか! これは早くムギに知らせないと……!)
知らせてどうなる?
そもそも今のムギが私なんかの言葉に耳を貸してくれるのか?
律(それでも、知らせなきゃ……。私はあいつを、ムギを守るって約束したんだから!)
忍び足で裏口を目指す。
奴らの会話を聴き取るために、随分奥の方へ来てしまっていた。
見つからぬよう、細心の注意を払って、廃工場を後にしようとした。
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:51:19.23 ID:73A6pU940
しえn
紬があぶなあぁぁぁああいいいぃいああああ!!!!!!
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:57:22.53 ID:ws7LpuXj0
坊「いざとなったら拉致って、ひん剥いて、裸の一つや二つ、
写真にでも撮って脅迫するつもりだったけど……その必要もなさそうだな」
律「な……っ!?」
驚愕のあまり、足元の注意が一瞬、逸れてしまった。
廃材らしき板に足を引っ掛け、辺り一帯に盛大に音が鳴り響く。
坊「誰だ!?」
律「しまった……!」
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 12:59:34.85 ID:PYuX2NrA0
律「やっぱり軽音楽部は最高だぜ」と似たようなのになったら絶望する
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:04:40.91 ID:ws7LpuXj0
奴らがこちらに気付くよりも早くここから抜け出そうと裏口までの道のりを駆け抜ける。
だが時既に遅く、黒服を着た手下のような男達に回りこまれてしまった。
手下A「お前……!? 琴吹紬の男じゃねえか!」
坊「なに……?」
どうやらこいつら、私が女だと気付いてないようだ。
律「くそ……!」
どこかに抜け道はないかと辺りを見回すが、周りは四人の黒服に囲まれていた。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:11:51.10 ID:ws7LpuXj0
坊「おい、お前。これはどういうことだ?」
手下A「申し訳ありません、坊ちゃん! どうやら後を尾けられていたようで……」
坊「そんなことは分かっている。
僕が言っているのはどうして尾けられるような失態を犯したんだと言ってるんだよ、この間抜け」
そう言いながら男は手下の顔を蠅でも追い払うように叩いた。
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:16:41.40 ID:D3zMyBrVO
うおお…気になって仕事にならん
ぺちっ
C
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:17:07.91 ID:ws7LpuXj0
坊「さて、君は琴吹紬さんの彼氏だよね?
君が今ここにいるってことは、そこにいる間抜けが随分前から紬さんを尾けていたことに気付いてたってことだけど……」
後ろに黒服の一人を従えながら、包囲の中へと歩み寄ってくる男。
だが今の私には目の前のぼんぼんなんかよりも、その後ろに立っている男の方に注意が注がれていた。
明らかに他の四人の黒服とは空気の違う幹部風の男。腰には白鞘の日本刀なんぞをぶら下げている。
取り立てて特徴のない顔立ちなのにも係わらず、その細い目の奥からは無機質な光が放たれ、不気味な雰囲気を醸しだしていた。
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:22:04.02 ID:ws7LpuXj0
お腹空いたので、ご飯食べてきます。
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:22:32.39 ID:iT8xlX/+O
うむ
天使な小生意気みたいだな
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:25:21.48 ID:jykayHeZ0
ギリシャ語で食堂のことをタヴェルナって言うんだけど
ギリシャの料理って基本的にオリーブオイルがふんだんに使われてて日本人にはちょっと油っこいみたい
タヴェルナでは食べるな
ってねwwwwwwwww
保守
>>264 高校の世界史の資料集にそんなこと書いてあったな
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:32:20.29 ID:jykayHeZ0
>>265 中3だったかの朝の学習みたいなので配られたプリントに書いてあった
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 13:47:23.07 ID:+GYzm+e3O
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:04:05.52 ID:Rkk9KExmO
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:06:29.93 ID:ws7LpuXj0
餃子の王将混みすぎワロタw
では続きいきます。
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:09:02.18 ID:ws7LpuXj0
坊「参ったねぇ。せっかくここまで順調に事が進んでいたのに。
さっきの会話は聞いていたんだろう?
出来れば穏便に事を済ませたかったけど……」
男は嘆息しながら気だるげ右手を振り上げる。
坊「そうもいかなくなったようだ。……やれ」
手を振り下ろす。
それが合図だったのか、周りを囲んでいた黒服達がじりじりと包囲を狭めてきた。
律(不味い。不味い。不味い……!)
四対一。しかも男と女。どうあっても勝てる状況じゃない。
まともに戦ったらものの数秒でやられてしまうだろう。然るところこれは───
律(どうやってここから逃げ出すか)
この窮地を脱し、ムギに真実を告げれば私の勝ち。
ムギを守るとか言っておきながら、出来ることが逃げることだけというのは歯痒いことこの上ないが、
今はそんなことに構っている場合ではない。
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:13:33.66 ID:ws7LpuXj0
手下A「おらぁっ!」
手下Aがこちらに詰め寄る。
汚名返上とばかりに先走り、大振りなテレフォンパンチを繰り出してきた。
向かってくる敵の全身を見るとはなしに見る。
視界は広く、視点を一極だけに集中させずに全体の流れを読むように見る。
耳は相手の呼吸、足運びの音、果ては心音さえも聴き取れるのではと思えるほどに研ぎ澄まされている。
これは裏不無くるな
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:26:16.89 ID:ws7LpuXj0
律(1&……)
迎え撃つように右足を踏み出す。
律(2&……)
放たれた右拳がこちらの右頬を掠めた。だがそんなもの気にしない。
律(3&……)
手は握り込まず、虎爪の形で相手の顎を───
律(4!)
打ち抜く!
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:32:34.24 ID:ws7LpuXj0
手下A「ぐえぁっ!?」
相手の呼吸(リズム)を読み取り、放たれたカウンターは見事に顎を打ち抜き、脳を揺さ振って昏倒させるに至る。
顎を打ち抜かれた男は膝から崩れ落ちた。
手下B「てめぇ!」
律「ぐぅ!?」
仲間が倒れたのにも怯まず、黒服の一人が横合いからこちらのボディを射貫いた。
律「〜〜〜っ!」
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:35:36.00 ID:7sjSml0AO
律かっけえ
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:38:18.40 ID:ws7LpuXj0
追撃を警戒するがこちらが一人と侮っているらしく、
黒服共はにやにやと嗜虐の笑みを浮かべるだけだった。
手下B「ったく、なにこんななよっちい野郎にやられて……ぐあっ!?」
油断していたところに、思いっきり脛を蹴ってやった。
律「へっ、ドラマーの腹筋をなめんなよ……!」
律(いける!)
律何者だw
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:40:24.86 ID:BhWR+Tyu0
すごいスキルだな
俺に試してみるか
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:43:04.86 ID:D3ygKBPVO
なんという律
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:43:26.30 ID:ws7LpuXj0
律「はっ! どうしたどうした、おっさん共!
こんなガキ相手に、何いいようにやられてんだぁ!?」
手下C「上等だ、くそガキがぁ!!」
一瞬のうちに仲間を一人やられた彼らは、こちらの安い挑発にのって、連携もくそもないまま、襲い掛かってくる。
こうなれば組みし易い。後は逃げ回って自滅を誘うだけだ。
背後を取られないように注意して、敵と敵の対角線上へと重なるように逃げていく。
怒りで相手が見えていない彼らは、猪のように突進し、互いにぶつかり、自滅を始めた。
律(あとは隙を衝いて逃げ出すだけ……!)
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:44:15.19 ID:3Dk8rkumP
日本刀で切られて死ぬ
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:47:11.31 ID:ws7LpuXj0
坊「……ちっ、馬鹿共が。おい」
幹部「……は、畏まりました。お前ら、下がっていろ」
幹部風な男の一言で黒服共が下がっていく。これは逃げ出すチャンスだ。
だというのに私の目は目の前の男に釘付けで、足は一向に動いてくれない。
律「う……」
思わず呻き声が漏れる。目の前の男の迫力に圧倒されて。
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:54:29.60 ID:3Dk8rkumP
うあぁ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:55:51.57 ID:ws7LpuXj0
幹部「ったく情けねぇ。女にいいようにしてやられるなんてよ」
律「え……?」
男はそう言うと腰の刀に右手を掛け───
律「……ッ!?」
次の瞬間には刀を振り上げ終わっていた。
はらりと服の前面が綺麗に切り裂かれ、解けたさらしと共に落ちる。
律「きゃああぁあっ!?」
晒された胸を両腕で掻き抱いて隠し、へたりとうずくまる。
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:58:00.50 ID:+GYzm+e3O
律可愛いよ律
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 14:58:04.74 ID:4za72P1D0
ぶっちゃけサラシいらn
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:02:31.70 ID:ws7LpuXj0
手下B「お、女!?」
手下C「マジかよ」
手下D「うっひょ〜」
坊「は、あは、はははははははっ! まさか女だったとはなぁ。
琴吹のお嬢様もいい趣味をしていらっしゃる」
複数の男達の好奇の視線に曝され、今更ながらに恐怖を覚える。
裸を暴かれただけでこうも無力になってしまうなんて。
今ほど自分が女であることを呪ったことはない。
話が気になりすぎて仕事昼で終わってきたぜ支援
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:08:44.00 ID:ws7LpuXj0
坊「気が変わった。どうせこのままだと琴吹のお嬢様に知られるのは時間の問題だ。
だったらこいつの裸をカメラに収めてそれを脅迫材料にすればいい」
くつくつと笑いながら、ぐつぐつと煮え立つ凶暴性を露にする男達。
かたかたと身体が震える。
立って逃げなきゃいけないのに、足が全然言うことを聞いてくれない。
坊「好きにしていいぞ、お前達」
幹部「坊ちゃん……」
坊「なんか文句あるのか? お前は黙って、僕の言うことを聞いてりゃいいんだよ」
幹部「………………」
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:11:21.14 ID:WOZSICAAO
猿支援
−−今日の政さんっ…
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:13:10.95 ID:au6xe6U5O
俺のりっちゃんがぁぁ
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:14:13.03 ID:ws7LpuXj0
手下B「ふひひ、じゃあまずは俺から……ぐへぇ!?」
ベルトを外し、ズボンを下げようとしていた男の脇腹に蹴りが突き刺さる。
幹部「何を勘違いしてるんだ? 坊ちゃんは裸をカメラに収めろと言ったんだ。
それ以外の真似をしてみろ。てめえの首、叩き落すぞ」
手下B「す、すいませ……!」
坊「……まあいいだろう」
幹部「……こんなことを言えた義理じゃねえが……すまない」
そう呟いて、男は視線を外しながら後ろへ下がった。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:17:25.07 ID:DdfDZU3PO
読んでます。がんばってください。
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:19:15.82 ID:ws7LpuXj0
手下C「へへへ、まあそういうわけだから観念しろよ?」
律「……っ!!」
強張る身体に活を入れ逃げようとするが、すぐに回り込まれてしまう。
愉悦に顔を歪ませた男達を前に、心が絶望に侵されていく。
こんなところで終わるのか、私は。
自分の身一つ守れないどころか、ムギの足を引っ張る羽目にまでなって。
悔しさと恐怖の入り混じった涙で視界が滲む。
律(神様……助けて……!)
目を固く瞑り、都合のいい神頼みで現実逃避を試みようとしたその時───
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:21:11.72 ID:ssrDWt5I0
「俺」が登場するんですね、わかります
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:24:24.02 ID:ws7LpuXj0
?『……ぁぁぁあああああっ!!』
手下B「ぅぐあっ!?」
手下C「ぐふぅ……!?」
怒涛の如き二つの雄叫びがこちらへと押し寄せた。
何事かとそっと瞼を開く。そこには見慣れた二つの背中があった。
澪「大丈夫か、律!?」
紬「大丈夫、りっちゃん!?」
鉄パイプを構えた澪と、無手のまま佇むムギがいた。
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:25:25.72 ID:g/A5LE7i0
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:27:06.32 ID:+GYzm+e3O
ムギ強いwww
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:28:44.04 ID:BhWR+Tyu0
鉄バイブにみえた もうだめだ
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:28:57.88 ID:ws7LpuXj0
律「お前ら、なんで、ここに……?」
唯「りっちゃんがいつまで経っても帰ってこないから、心配になってみんなに電話したんだ」
梓「律先輩の携帯をGPS検索してみたら、妙な場所にいるから、
これはおかしいってことになって慌てて駆けつけたんですよ」
いつの間に近付いていたのか、後ろから唯と梓が現れ、私を守るように抱きしめてくれた。
唯「遅くなって、ごめん、りっちゃん……」
梓「………………」
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:35:50.03 ID:ws7LpuXj0
悲痛に顔を曇らせる二人。
どうやら私のあられもない格好を見て、何か勘違いしているらしい。
律「あっはは、いや〜、ぎりぎりセーフ。なんとか抵抗してたんだけどなー、
もう少しでやばいことになるところだったぜ。ほんと助かった。だから大丈夫だぜ?」
澪「……それでも律が怖い思いをしたということには変わらないだろう」
紬「りっちゃん、これを……」
努めて明るく振舞う私の心を見透かしたかのように、気遣わしげな視線を送る二人。
ムギは羽織っていた上着を投げ寄越し、二人は目の前の暴漢共と対峙する。
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:40:20.74 ID:ws7LpuXj0
澪「お前ら、よくも……!」
紬「許しません……」
澪「律は、私が守る!」
紬「私の親友を……大切な人を傷付けた報い、受けてもらいます」
手下B「てめえぇ〜〜……やりゃあがったなぁ!」
手下C「どいつもこいつもひん剥いてやらぁ!」
女の子にいいようにしてやられたのが、相当頭にきたのだろう。
冷静さを欠いた彼らは考えなしにこちらに襲い掛かる。
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:42:23.96 ID:xjwx5/DEO
今北エロ安価
やっぱり女が戦うのっていいよな
女版デッドライジングとか出ないかな
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:46:47.98 ID:ws7LpuXj0
澪「わあああぁぁぁあぁッ!」
澪ちゃんが手にした鉄パイプを滅茶苦茶に振り回す。
中ることはないが、敵を分散させるのには充分だった。
手下D「うおおぉっ!」
鉄パイプの乱打を潜り抜けた一人がこちらを捕らえようと手を伸ばす。掴んでくれといわんばかりに。
ならばと要望に応えるように相手の右手───親指を掴み、外側へと捻る。
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:51:22.44 ID:ws7LpuXj0
手下D「いぎゃあぁぁぁ!?」
絶叫する男は指が折れないようにと身体を同じ方向に捻る。
その虚を衝いて、懐へと潜り込み、足を掛け、地面へと叩き伏せる。
その上に倒れ込むように圧し掛かり、右肘を水月へと入れた。
手下D「げぅっ!?」
男は短い呻き声を漏らし、戦闘不能へと陥った。
まずは一人。
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:51:53.09 ID:Y8kPWrCAO
やっぱ軽音部の逆立場っぽくていいな
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:55:23.84 ID:WOZSICAAO
特命係長ww
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 15:57:51.71 ID:ws7LpuXj0
大回りに澪ちゃんの背後へ近付こうとしていた男へと間合いを詰め、
咽喉仏へ容赦のない拳打を叩き込む。
手下C「……っ!? ぁっ!」
紬「跪きなさい」
喘ぐ男の頭をがっちりと両腕で固定し、躊躇することなく膝蹴りをボディへと何度も何度も浴びせる。
手下C「っ、あ、ぁ、ぅ、っ、っ……!」
膝蹴りを一発、水月へと入れられる度に、肺から酸素が搾り出されているのだろう。
男は喘ぐことも出来ず、顔色を真っ青に変えていく。
鼻っ柱に強烈な一撃をお見舞いし、とどめとする。
次いで二人。
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:04:11.71 ID:ws7LpuXj0
手下B「ひ、ひいぃ……!」
立て続けに仲間が二人もやられたため、残りの一人は戦意を喪失しているようだった。
澪「大体打ち合わせ通りだな……!」
紬「えぇ」
事前の打ち合わせで澪ちゃんが敵を散らし、私が撃破すると決めておいたのだ。
何も無策のまま、ここに飛び込んだわけじゃない。
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:07:54.05 ID:Yve+Gdot0
つええw
りっちゃあああああん!!!すきだあ
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:09:51.65 ID:ws7LpuXj0
坊「やあ、紬さん。妙なところでお会いしましたね」
紬「……これはいったいどういうことですか?」
坊「どういうことも何も、ねぇ……?」
にやにやと癇に障る笑いを顔に貼り付けながら、こちらを値踏みするような目で観察している。
紬「……これ以上、問い質しても無駄なようですね。いいでしょう。今回のお見合いの件は破談ということで。まあもともと断るつもりでしたけど。好みのタイプではありませんでしたし」
澪(ムギ……怒ってる?)
坊「はぁ……やはりすんなりと上手く事が運ぶほど甘くはないか。……おい、多少手荒くなっても構わん。やれ」
幹部「……はっ」
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:11:12.14 ID:g/A5LE7i0
>紬「跪きなさい」
ムギさんは最高です!
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:14:56.37 ID:+GYzm+e3O
そりゃ怒ってるだろ
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:16:06.24 ID:ws7LpuXj0
相手も腹を括ったのだろう。最早相手が私であっても躊躇うことはないようだ。
異様な空気を纏った男が立ち塞がる。相当の手練れだ。私では敵わないだろう。
紬「澪ちゃん、私があいつを引き付けるから、その間にみんなでここから逃げて」
澪「なに言ってるんだ、ムギ!? そんなこと出来るわけないだろう!」
紬「あいつらの狙いは私よ。これ以上、みんなを巻き込むわけにはいかない。
それに私一人だったらどうにか逃げ出すことも出来るし」
澪「だけどムギ……!」
紬「みんなを、りっちゃんをお願いね、澪ちゃん」
澪「……分かった」
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:17:19.92 ID:Ntzb/+yE0
ムギ「その命....神に返しなさい」
実は手下Cの役は俺なんだ支援
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:20:32.53 ID:ws7LpuXj0
幹部「相談は済んだかい? ならさっさと終わらせちまおうぜ」
紬「えぇ、そうですね。貴方達と同じ空気を吸うのもそろそろ我慢の限界ですし」
澪ちゃんの手から鉄パイプを受け取り、正眼の構えをとる。
澪ちゃんに心配させまいと、ああは言ったが、隙を衝いて逃げ出すのは難しいだろう。
だがそれでも時間稼ぎさえ出来ればこちらに勝機はある。
紬「……構えないんですか?」
幹部「基本的に女子供に向ける剣は持ち合わせていないものでね。俺は素手でいかせてもらうぜ」
侮っているわけではないのだろう。両者の実力の差を考えれば、これぐらいのハンデは当たり前だ。
じりじりとすり足で間合いを慎重に詰める。こちらの攻撃が届き、且つ相手が手出し出来ない必殺の間合いを探る。
でイクサナックル取り出すのか
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:25:31.89 ID:ws7LpuXj0
紬「ぃやぁっ!」
気合の叫びとともに死線へと一歩、踏み出す。
狙うは咽喉元。一撃で決める!
幹部「……ふぅ」
男は気だるげな溜め息を吐くと両手を振りかぶり───
紬「あっ!?」
こちらの得物を造作もなく奪い取った。
紬「無刀取り……!? そんな……」
幹部「体格や力の差を埋めるための急所狙いなんだろうが、二回も見りゃ、目が慣れる」
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:29:54.83 ID:ws7LpuXj0
簡単に言ってくれるが、今のは斉藤直伝の突きだ。
手傷を負わせるとまではいかなくとも、相手に警戒心を抱かせるには充分なもののはずだった。
それをこうも簡単に手玉に取られるとは。
澪「ムギ……!」
唯「もう、だめぇ……!」
幹部「観念するんだな。あんたさえ大人しくしててくれれば、他の奴らには危害は加えねえからよ」
紬「………………」
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:32:47.27 ID:PYuX2NrA0
すごく面白くて、すごく期待してのに…
あんましな展開だ
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:34:47.96 ID:ws7LpuXj0
構えを解いて顔を伏せる。
倒れていた黒服達が起き上がり、激しい憎悪を湛えた眼でこちらを睨む。
律「ムギぃ!」
幹部「ようやく負けを認めたか」
紬「負け? いいえ違うわ」
どこかからバスドラムを打ち鳴らすような重低音が聞こえてきた。
紬「私の勝ちよ」
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:35:21.32 ID:ks7yDz430
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:37:03.47 ID:vuKIc7D+O
斎藤か!?
裏不無
俺の出番が来たわけだ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:40:30.58 ID:ws7LpuXj0
少女が伏せていた顔を上げる。その瞳に映るのは勝利への確信。
甲高い音とともに窓ガラスが砕け、何かが飛び込んできた。
薄闇を切り裂くような蒼く輝く鋼の巨体。
総重量300kg超のアメリカンバイクが地面を穿つように着地し、スキール音とともに白煙を上げながら横付けに停まった。
紬「遅いわよ、斎藤」
斎藤「申し訳ございません、紬お嬢様」
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:42:50.70 ID:+GYzm+e3O
斎藤ってもうジジイだろwwwww
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:44:56.56 ID:g/A5LE7i0
脱ぐと寝方さん張りのムッキムキじいさんなんだよきっと
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:45:36.49 ID:ws7LpuXj0
斎藤と呼ばれた老紳士は跨っていたバイクから降り立ち、己が主の背後に傅く。
これこそが少女の切り札。事態が只ならぬ方向へと進んでいることを感じ取っていた紬は、
事前にこの頼りになる従者を呼び寄せていたのだ。
斎藤「ふむ。緊急事態のようですので、詳しい事情は後程、お訊きするとして……。
私めの役割は目の前の不逞な輩共を排除すればよろしいので?」
紬「えぇ、彼らは私の大切なものを傷付けた……。
遠慮はいらないわ。思いっきりやっちゃってちょうだい」
斉藤「御意」
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:45:43.29 ID:iSlLUcZ3O
どうせなら良家らしくボディーガードをぞろぞろが良かったけど・・・これはこれで
なぜかワタリが浮かんだ
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:50:28.36 ID:ws7LpuXj0
老紳士は徐に懐から皮手袋を取り出すと、優雅な手付きでそれを装着した。
黒服達は突然の闖入者に呆然としたまま、ただそれを見守っていた。
今この時が逃げ出す最大のチャンスだということにも気付かずに。
斉藤「では参りますぞ」
老紳士はにこりと柔和な笑みを浮かべたかと思うと───
手下A「ぐぅおっ!?」
一瞬で黒服の一人を叩き伏せていた。
斉藤直伝の突きって時点で悪即斬しか思い浮かばなくなった
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 16:56:24.97 ID:ws7LpuXj0
「っ!?」
黒服達に戦慄が奔る。
だが遅い。理性や感情が危機を察知したその次の瞬間には、彼らの意識は闇へと沈んでいた。
手下B「あぃ!?」
手下C「ひぐっ!?」
手下D「か、かは……」
反応出来たのは幹部風の男、ただ一人だった。
他の者は自分が何をされたのかすら分からないままに昏倒していた。
幹部「ボクシングか……!」
斎藤「ほう、私のジャブに反応するとは……。なかなかやりますな」
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:02:08.47 ID:ws7LpuXj0
斎藤は鞭のようにしなるジャブを上下に打ち分け、男はそれをパーリングで撃ち落とすだけで精一杯だ。
幹部「フリッカージャブとはまた厄介な……! ぃよっとぉ!」
男は大きく飛び退り、腰の得物を手にする。
本気を出さなければやられると判断したのだろう。
男は躊躇することなく、刀を抜き放ち、隙のない構えを取る。
斎藤「っシ!」
幹部「おらぁっ!」
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:03:36.15 ID:kT6N2NsE0
斎藤さん体格いいのか
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:08:26.81 ID:ws7LpuXj0
蛇のように襲い掛かる変幻自在のフリッカーと、小さい円の軌道を描く白刃が激突する。
ぶつかる度に闇の中に、火花が咲き、悲鳴のような金属音が鳴り響く。
斎藤の皮手袋には拳と甲の部分に鋼が仕込んであった。
だがそれも扱う者の卓越した技量がなければ、
刀と切り結ぶなんていう非常識な真似は到底出来なかっただろう。
斬り払うだけでは撃ち落とされるだけと判断した男は、
虚を衝くように突きを織り交ぜるが、それも不発に終わった。
斎藤の老人とは思えぬ身のこなしで苦もなくかわされる。
膠着状態。
この場にいる誰もが結末を想像しえぬ中、予想もしなかったアクシデントが天秤を傾けた。
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:09:00.42 ID:83QOGK6j0
斎藤さんは嘘食いの夜行さんだろ
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:13:12.17 ID:ws7LpuXj0
手下A「こ、のぉ!」
転がっていた黒服の一人が息を吹き返し、斎藤の足へと絡みつく。
斎藤「うぬぅ!?」
目の前の相手に集中していた斎藤には、それをかわすことは出来なかった。
幹部「っしゃあ!!」
振り下ろしていた刀を手首の切り替えしだけで、切り上げへと変化させる。
体勢を崩し、踏鞴を踏んでいた斎藤の顔面目掛けて刃が襲い掛かる。
「っ!!」
老紳士の顔に白刃がバターナイフのようにめり込む。
誰もが次の瞬間には凄惨な場面が繰り広げられると予想していたが、
目の前で展開された光景は更に斜め上をいく驚くべきものだった。
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:18:29.37 ID:ws7LpuXj0
幹部「……化け物め!」
刃が獰猛なまでに剥き出しになった歯に咬みつかれ、制止していた。
これを神業と呼ばずしてなんと呼ぼう。
斎藤は足に絡みつく腕を振り解き、刃から歯を離す。
男は静かに刀を引き、仕切り直すように後ろへと身を退いた。
幹部「なんっつー反射神経だよ。あんた、本当に人間か?」
斎藤「ほっほっ、貴方が手加減してくれなければ、今頃私の顔は真っ二つでしたよ」
幹部「は、余計な横槍で勝負が着いちまったんじゃ面白くねーからな」
目をぎらぎらとぎらつかせ、獣じみた笑いを浮かべる。
楽しくてしょうがないといわんばかりに。
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:24:10.09 ID:Ntzb/+yE0
斎藤さんチートすぎるwwwwwww
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:25:56.48 ID:ws7LpuXj0
斎藤「私は琴吹家執事・メイド連隊統括長、斎藤。
……もしよろしければ貴殿の名をお訊きしても?」
幹部「姓は白石、名はみのる。
屠った相手の名前を逐一覚えてるっつー酔狂な趣味を持っていることから
『忘レ不の白石』なんて通り名で呼ばれたりもするが……
ま、名前なんざどうでもいいやな」
斎藤「……確かに。失礼、無粋なことを申しましたな。
私達のような者が己を語るのには───」
白石「───こいつで充分ってこった!」
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:26:59.27 ID:WOZSICAAO
何を隠そう、アーサー王を素手で倒した男である
そう。斎藤は後の葛木先生だったのだ
誰かと思えば稔wwwwww
スーツケースからミサイル出してろwwwwww
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:31:35.66 ID:ws7LpuXj0
互いに地を蹴り、爆発的な速度で間合いを詰める。
機先を制したのは白石だった。
トンボの構えから、瞬時に平突きへと構え直し、神速の突きを繰り出す。
その数、三連。眉間、水月、咽喉を狙った、正に必殺の剣。
刹那の瞬に閃くその刺突は並みの者なら知覚することすらなく死へと追いやられていたことだろう。
だが迎え撃つは百戦錬磨の鬼神、闘争の修羅、斎藤だ。
後の先を制したのは斎藤だった。∞の軌道で上体を絶え間なく揺すり、尽くを紙一重でかわす。
全てをかわしきり、オーバーハンドの右を放つ。∞の反動をその拳へと集束させ、
相手の顎へと狙いを定め───
斎藤(右腕だけ……!?)
最初は律紬だったのにどうしてこうなった?
幹部「な……53万だと…!?」
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:38:06.10 ID:ws7LpuXj0
その刹那、斎藤の背に悪寒が奔る。
咽喉元を狙った最後の突き上げ。刀を執る手は右腕だけだった。
白石「甘い!」
最後の突きを放つと当時に引き戻していた左手が腰に据えられた鞘を握っていた。
剣帯を引き千切り、逆手に握られた白鞘が逆巻く疾風の如く、斉藤の顎に襲い掛かる。
斎藤「っシ!」
短い呼気と共にオーバーハンドの右拳を突き上げられる鞘へと叩きつける。
チョッピングライトによって砕かれた白鞘が粉々になって宙を舞う。
白石「もらったぁ!」
勝利を確信した白石の右腕が大上段から振り下ろされる。無情な死神の鎌のように。
勝負は決した。誰もがそう思ったその時───
厨二展開は早く終わらせてくれ
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:42:55.03 ID:ws7LpuXj0
斎藤「奥の手があるのは───」
拳打を放ち終わった右手を地面に着き、左脚が地を蹴り、宙を舞う木っ端を切り裂くように軌跡を描く。
斎藤「貴方だけではありませんぞ……!」
白石「なッ!?」
白石には何が起こったのか理解出来なかった。ただ気付いたら己の眉間が相手の足に打ち抜かれていた。
襲い掛かる刃の横を掻い潜り、地面に着いた右手を支点に身体を縦に半回転させる。
円軌道を描く左脚は無防備になった相手の頭部目掛けて振り下ろされていた。
カポエィラの軽やかな柔の動き。
空手の鋭く重い剛の一撃。
硬軟一体となった知覚不能なアクロバティックな蹴り。これこそ───
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:47:05.35 ID:ws7LpuXj0
白石「子安キック、だとぉ……!?」
額から血を流し、後ろへと吹っ飛ばされた白石の口から驚愕の一言が漏らされた。
斎藤は蹴り抜いた足を地面へと着き、すぐさま構え直す。
残心。
白石「く、ははは……まさかそんな奥の手が、あるとはなぁ。使えるのがボクシングだけと、見誤ったのが敗因か……」
斎藤「武芸百般。執事の嗜みですので」
白石「は、負けだ負けだ。俺達の負け」
白石は刀を杖代わりにふらふらと身体を起こす。
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:48:01.61 ID:2ADtECX8O
笑うしかない。
スレ間違えたかと思った
最近こういうの多いよ
最初は良かったのにめちゃめちゃな展開になってくやつ
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:52:35.16 ID:ws7LpuXj0
白石「負けたからにはけじめを着けにゃならんよなぁ。
……腕一本。それと今後一切あんた達には手を出さない。
それでチャラにしてくんねぇか」
斉藤「………………」
白石「おい」
白石は自らの刀を傍らに立っていた手下へと渡す。
手下A「し、しかし……」
白石「いいからやれ」
手下A「は、はい……!」
白石は右腕を地面と水平に持ち上げる。
覚悟を決めた男は己の腕に刃が振り下ろされるのを、ただ待つ。
紬「お待ちなさい!」
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:56:19.87 ID:WOZSICAAO
懐かしい子安キックww
魔裟斗全盛期のK−1で一世を風靡した、子安の胴回し回転蹴り
…あのキックの弱点は読まれやすく、よく金的を蹴られることなんだよな
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 17:57:19.27 ID:ws7LpuXj0
凛とした声が振り下ろされた刃を止める。
白石「なんだい、お嬢ちゃん。これは大人のけじめの着け方なんだ。
子供が口出しすんじゃねえよ」
紬「子供、それも女の子の目の前でそんな惨いことをするのが大人のやり方ですか。
大人の問題に子供を巻き込むのが正しいやり方なんですか」
白石「………………」
紬「これ以上勝手に話を進めるのでしたら、私は女子高生の琴吹紬としてではなく、
琴吹家次期当主の琴吹紬として貴方達を相手取ることになります」
白石「……は、分かった分かった。ま、命拾いしたと思って、
ありがたくお嬢ちゃんの厚意を受け取っておくよ。
あんがとよ。いや……」
白石は片膝を着き、頭を垂れる。
白石「寛大なご処置、痛み入る。琴吹紬殿」
斎藤「……成長なさいましたな、紬お嬢様」
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:01:37.25 ID:TYkGmugU0
どうしてこうなった…
最初のりつむぎが
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:02:46.27 ID:ws7LpuXj0
白石は踵を返し、車の方へと引き返していく。
坊「ふ、ふざけるな! 認めない……。僕は認めないぞ! くそ、白石ぃ!
なにやってんだよ! こんな奴ら、さっさと片付けろぉ!!」」
白石「……おっと、いけねぇ。どうやら忘れ物をしちまったようだ」
坊「ぐふっ!?」
わめき散らす主人の懐に拳打を一発入れて黙らせる。
白石「これ以上の醜態は男を下げますぜ、坊ちゃん……WAWAWA忘れ物〜」
えづく青年を引き摺りながら退散する白石。だがそこへ───
手下B「う、うわああぁぁぁぁあぁぁっ!!」
錯乱した手下の一人が叫びを上げる。
手には最も効率良く、人を殺せる武器───黒光りする拳銃が握られていた。
この展開はもういいだろwww
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:07:21.98 ID:ws7LpuXj0
紬「……っ!?」
銃口の先には紬が呆然と立っていた。
斎藤「いかん!」
乾いた炸薬の破裂する音が二発、三発と反響する。
斎藤「ぐぬぅ!?」
射線上に割り込んだ影は二つ。
銃口に背を向け、両腕を大きく広げ、少女を守るように立ちはだかる斎藤と、
紬を包むように抱きしめた律だった。
斎藤「ぬうぅ……!」
胃の腑から熱い激流がせり上がり、口から零れようとする。
それを意思の力で留め、無理矢理に飲み下す。
吐くわけにはいかなかった。
目の前には守るべき可憐な華が二輪、咲いていたのだから。
斎藤「なかなかやりますな、田井中様」
律「守るって約束したからね……ムギを」
これはサンデーでも引かれるレベル
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:10:29.20 ID:ws7LpuXj0
主の無事を確認し、敵へと向き直る。
斎藤「斎藤死すとも───」
火矢の如き勢いで敵へと肉薄し、大地をも震わす力強さで踏み込む。
斎藤「執事は死なず!!」
突き上げられた掌底が顎をぶち抜き、相手の身体を中空へと吹っ飛ばす。
男の意識は一瞬で刈り取られ、錐揉みに宙を舞い、二、三秒の後、地面へと叩きつけられた。
白石「重ね重ねすまねぇ……! 車に乗ってくれ。すぐに病院へ……!」
斎藤「馬鹿者! 病院へ行かねばならぬのは私ではない。私よりも───」
支援・・・してたのに・・・
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:11:46.22 ID:KblPep2sO
ネタバレりつ撃たれた
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:13:16.54 ID:T7P4LyzoO
>>343 斉藤のイメージが夜行さんで固定された瞬間である
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:13:38.24 ID:ws7LpuXj0
気付けば身体が勝手に飛び出していた。
中ったら痛いじゃすまないだろうなーとか考えたけど、
そんなことよりもただあいつが傷付くのが怖かった。
だから多分それが答えなんだろう。
紬「りっ……ちゃ、ん……?」
律「無事か……ムギ……?」
紬「え、えぇ……」
ムギはまだ何が起こったのか分からないといったかんじで呆然としていた。
律「そか……よかったぁ……」
紬「……っ!?」
この展開誰が得するんだよ…
中ったら?
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:15:35.86 ID:ws7LpuXj0
すぐ横から息を呑む気配が伝わる。
脇腹に感じていたムギの手の温もりが感じられなくなったところからすると、
自分の手に付いた私の血でも見てしまったのだろう。
脇腹が異様に熱かった。痛いというよりも熱い。
紬「りっちゃん……?」
律「私、馬鹿だからさぁ、こんなになるまで……なかなか、自分の気持ち、に……気付けなかった」
紬「りっちゃん……」
律「あは、は……ほんと、馬鹿……だよなぁ、私」
紬「りっちゃん……!」
律「ムギ……伝えたい、ことが、あるんだ……。聞いて、くれる、か?」
紬「しゃべっちゃだめ、りっちゃん!」
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:15:46.46 ID:3Dk8rkumP
男なら黙って支援
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:17:57.67 ID:3Dk8rkumP
>>374 中(あた)ったら
、とマジレスしてみる。
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:18:05.44 ID:ws7LpuXj0
言葉を紡ごうとしたら、代わりに血が唇から零れてしまった。
あぁ、ムギの服、汚しちまった。
斎藤さんみたくかっこよく決めたかったのになぁ。
律「ムギ……わたし、は、ムギが……」
意識が闇へと沈んでいく。
待ってくれ。
まだ一番大事なことを言ってないんだ。
紬「りっちゃん……? りっちゃん……りっ、ちゃん。りっちゃん、りっちゃん……! りっちゃん!!」
そんなに呼ばなくても私はここにいるよ、ムギ。
紬「い……いやあぁぁああぁぁぁぁッ!」
ムギの悲痛な叫び声を最後に私の意識はそこで途切れた。
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:19:38.74 ID:TYkGmugU0
りっちゃんは生きてる…よね?
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:20:42.65 ID:ws7LpuXj0
すいません、バイト行ってきます。
後はラストを投下するだけなのですが、需要がないようでしたら落として下さい。
工エェェ(´д`)ェェエ工
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:22:40.62 ID:3Dk8rkumP
斉藤が何とかしてくれると信じてる。
この時の澪や唯の反応は
来たにも関わらず空気すぐるお
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:24:27.27 ID:naoxXc+A0
律は良く負傷するな・・・。この おてんばさん☆
>>377 変換で出るな・・・そうやって読むのね
このあとの展開がどうなるか・・・
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:26:33.13 ID:g/A5LE7i0
ドカベンに中って投手いたよな
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:27:09.30 ID:ws7LpuXj0
あれもこれもと思い、バトル展開とか詰めたらなんだかアレなことに……。
取り敢えず、律澪紬の三角関係にはちゃんと終止符を打ちたいと思います。
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:27:10.30 ID:NCHztwDe0
仕事から帰って追いついたと思ったらりっちゃああああああん!!
しかしりっちゃんはよく負傷するなぁ
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:28:02.53 ID:vnYO77CQ0
うーん、もういいや
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:29:34.91 ID:TYkGmugU0
全力で待ってる
仕事がんばって
確かに良く負傷するなあww
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:31:49.62 ID:g/A5LE7i0
澪に駆け寄ってく時にトラック轢かれたのとかあったな
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:34:45.52 ID:ONry5AIcO
律澪にしないから失敗するんだ…
澪が助けに来る
↓
あっさり捕まる
↓
律覚醒
↓
なんとか二人で逃げる
↓
結局律に助けられちゃったなグスン
の展開だろjk
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:43:12.78 ID:Qw/ZDCug0
なんでみんなバトルに傾くの?
今日から俺は!とか読んじゃったの?
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:43:30.32 ID:BfNS9IWY0
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:44:01.19 ID:4za72P1D0
>>392 は?
律ちゃんは守られる方がカワイイだろjk
>>393 唯「動いちゃダメ!!澪ちゃん今骨が折れてるんだよ?」
澪「ハァ・・・ハァ・・・律が…今私を助けに来ないってことは…
私の助けを待ってるんだ!!
ここで行かない奴は・・・秋山澪じゃないんだ!!」ヒョコ…ヒョコ…
唯「澪ちゃん・・・・・・・・・・・ばかぁ!」
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 18:53:20.23 ID:g/A5LE7i0
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:03:53.73 ID:T7P4LyzoO
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:08:00.88 ID:rD9PriYFO
誰も言わないからあえて言うが文体まんま奈須きのこじゃん
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:09:10.31 ID:Pc/Ra86YO
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:23:55.32 ID:1jKKYVpSO
ほ
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:25:46.35 ID:Y8kPWrCAO
けいおんSSは澪にあれこれ酷い定義がついてるが、律はイケメンで、高確率で負傷する定義がつけられてるなww
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:28:01.60 ID:LING1avmO
律が手下二人を倒したあたりは感動した
最後まで支援
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:42:52.17 ID:naoxXc+A0
定義と言えば、澪=酷い目に遭う 律=負傷・仲間思い
唯=無知・ここぞの主人公 紬=黒幕・変態 梓=少し空気
憂=ヤンデレ 和&さわ子=空・・うわ何をするっやめ
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:44:09.71 ID:nAG1Velj0
和 イケメン
さわ 黒幕 死ぬ
梓 死ぬ
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:45:16.49 ID:kT6N2NsE0
エネファームが入ってねーぞこら
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:51:30.84 ID:C0hFPOJX0
最高のssになると思ってたのに・・・・・
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 19:55:22.76 ID:/o9sZo+P0
唯=池沼 澪=嫌な奴もしくは酷い目にあう
律=高確率でいい奴 紬=変態、大体興奮してる
梓=若干空気 憂=高確率でヤンデレ
和=空気、もしくはでてこない さわ=大体扱いが酷い空気
純=たまに数合わせで出る
聡=変態
こんなとこだと思う
あーやっぱりそんなものか。
じゃあ覆すSS作ろうかね・・・
と思ったけど思いつかんわ
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:05:13.59 ID:J/+L8XEA0
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:05:22.11 ID:PYuX2NrA0
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:06:12.61 ID:cf5Bht14O
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:10:09.96 ID:Y8kPWrCAO
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:12:08.40 ID:Qw/ZDCug0
>>409 全部反対にすりゃ斬新でいいんじゃね?
唯=賢者 澪=正義のヒーロー
律=DQNのわりに乙女 紬=淑女
梓=主人公格 憂=むしろ唯
和=常に何かしら居る さわ=JUM
純=空気で構わんがな→水没
聡=発電所
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:12:51.16 ID:kWhweVQfO
りっちゃんはSSで得してるよねなんか
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:14:34.01 ID:nAG1Velj0
男役出来るのが律くらいしか居ないしな
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:16:11.42 ID:cf5Bht14O
斎藤「いえすまいろーど」
結局発電所w
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:21:04.89 ID:/o9sZo+P0
>>414 梓「先輩達あそんでないで練習しましょうよ」
唯「ふぅ…チンポなんて肉の塊でしょ?」
憂「チンポチンポ^q^」
律「うっせーんだよ池沼どもが!」
澪「おい、いい加減にしろよ律!そんなこと言うもんじゃない!」
紬「チンポって何かしら?梓ちゃん知ってる?」
梓「え、あうぅううそんなことより練習しましょうよ!、そう練習です!///」
和「チンポというのはね…」
梓「説明しなくていいですってば!///」
聡「ハァハァ女子高生がチンポ連呼…うっ」
梓「もうやだこの部活」
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:23:04.12 ID:yU7vA3Cv0
カオス
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:28:52.46 ID:4za72P1D0
>>414 >>律=乙女
この部分だけ見るとアニメと変わってないな
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:30:37.85 ID:PYuX2NrA0
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:31:15.54 ID:BhWR+Tyu0
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:33:06.37 ID:ssrDWt5I0
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:34:06.80 ID:zqZozhHlO
なんで途中でバトル物になるんだよ
ジャンプか
なんだろう…
最近のけいおんSSはバトル展開入らないとダメなのか
昨日立ってたの憂と梓が死ぬSSも途中までは良かったのになぁ
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:36:51.88 ID:TYkGmugU0
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:41:39.92 ID:R7lG6xDl0
やっぱりイチャイチャ系がいいのか?SSは。気が向いたら・・・
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:42:19.91 ID:/o9sZo+P0
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 20:46:34.38 ID:Qw/ZDCug0
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:11:48.63 ID:WOZSICAAO
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:25:56.00 ID:5bkbe+oOO
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:37:04.33 ID:/o9sZo+P0
梓「先輩達ふざけてるか喧嘩してるかばっかり…何かいい方法ないかなぁ」
憂「おちんぽ^q^おねえたんおねえおねえwwねえたん♪ねえたん♪」
梓「はぁ…」
聡「俺からも姉ちゃんに言っといてやるから元気だしなよフヒヒ」
梓「ところで部室にもいたけどあなた誰なんですか!?」
聡「ハァハァその目もいいんだけどもう少し蔑むような目でお願いできないかなハァハァ」
梓「…(なんで私の周りこんな人ばっかりなの…)」
続きktkr
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:41:44.50 ID:/o9sZo+P0
ドカッグチュ
律「てめえ聡!せめて外での変態行為はやめろっていっただろうが!」
聡「ご、ごめ姉ちゃんボキうあぁ(あ、ちょっと気持ちいいかも///)」ドピュ
梓「律先輩!?(な、なんかシャレにならない音してるけど)」
律「はぁはぁてこずらせやがって、帰るぞ!」
聡「」
梓「あ、あの」
律「ゴキブリかと思ったら梓かよ、まぁ早く帰んな」
梓(ご、ごきぶり…)
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:46:49.09 ID:/o9sZo+P0
憂「あっデコ先輩だ〜おちんぽ食べたことある?^q^」
律「なっ何言ってんだ池沼///」
梓「こ、こら!憂やめなさいったら///」
憂「え〜チンポおいしいよ?ちんぽー」
律「か、帰らせてもらうぞ///」
梓「は、はい///じゃあかえろっか憂」
憂「ねえたん♪ねえたん♪おねえたんはどこー」
和「つまりちんぽというのは男性の」
梓「もういいですってば、ていうかどこいたんですか!」
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:53:00.84 ID:PYuX2NrA0
支援
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 21:54:35.80 ID:/o9sZo+P0
翌朝
梓「いい方法が思い浮かばなかった…やっぱり澪先輩から言ってもらったほうがいいかなぁ」
唯「あずにゃーん、おっはよー」
梓「あ、おはようございます唯先輩…っていきなり抱きつかないでくださいよ///」
唯「あずにゃんかわいいよおおおあああああ、あやばい」
梓「どうしたんですか?前かがみになって」
唯「ううん、なんでもないよあずにゃんちょっとまっててね」タッタッタッタ
梓「?」
唯「ハァハァあずにゃあああんかぁあいいよおお!シコシコ…うっ」ドピュ
唯「ふぅ…おまたせあずにゃん、学校いこうか遅刻しちゃうね先いっちゃうよ」タッタッタッタ
梓(今度はやけにドライな反応…たまに唯先輩がわからないよ)
和「つまり唯は賢者モードに…」
梓「いたんですね和先輩」
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:07:30.22 ID:/o9sZo+P0
昼休み
梓「失礼します」ガラッ
澪「おーなんだ梓か珍しいな昼休みに」
律「おう、なんだ飯はやらねーぞ」
紬「こんにちは梓ちゃん」
唯「パクパク」(賢者モード
梓「こんにちは、ちょっと澪先輩と紬先輩にお話が…」
澪「ん、そうかじゃ席外すぞ」
紬「何かしら」
律「なんだよ私らに隠し事かよ」
唯「パクパク」
梓「す、すいません」
唯賢者すぎワロタww
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:11:59.54 ID:rAFooKdZO
憂はいつも唯のを…ゴクリ
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:13:15.40 ID:/o9sZo+P0
教室外
梓「…というわけで先輩達からも練習するように強く言ってもらえませんか?」
澪「そうだな、確かに最近まともに練習できてないし梓の言うことも最もだ、昼の間にでも言っとくよ」
紬「そうねぇ確かに最近怠けてたわごめんなさいね梓ちゃん」
梓「いえ、そんな…」
ピーガガガガ
澪「ん、なんだ放送か?」
梓「なんでしょう様子がおかしいですね」
聡『澪ねええ!俺だ、結婚してくれ!君を見てるといつもチンコDOKIDOKI♪』
紬「あら妬けるわね澪ちゃん」
澪「なっ///」
聡うぜぇぇぇぇぇぇぇ
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:23:27.25 ID:+1TvAm+8O
いきなりなんだ聡wwww
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:25:09.08 ID:/o9sZo+P0
ガラッ
律「おい!澪いくぞ!」
澪「あぁわかった律!すまない、また放課後な!」ダッダッダッダ
紬「いってらっしゃい律ちゃん澪ちゃん」
紬「元気いいわねあの二人」
唯「パクパク」
聡『澪ねえの縞パンでご飯3杯いや10杯はいけっぶあ』ドガッ
澪律『ごらぁあ聡!てめえ何してんだ!!』
聡『いやこれは神聖な愛の告はドガッ決して間違ったことはしてなバキッすいません生まれてすいませんベキン』
律『すみません放送事故です引き続きお昼の放送をお楽しみください』
梓「あのコンビネーションを部活でも発揮してくれたら嬉しいんですけど…」
紬「あらあら」
紬「ところでなんで下着でご飯が食べれるのかしら?梓ちゃん知ってる?」
梓「え、ええと///あのっそのっ///」
和「ここでのご飯3杯の意味はね」
梓「説明しなくていいです!///」
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:34:49.99 ID:/o9sZo+P0
放課後
唯「ハァハァ律ちゃんのおでこ…うやば…トイレいってくるね」
梓「え?えぇわかりましたじゃ戻ってきたら今日こそ練習しましょう!」
澪「あぁ最近練習まともにできてないしな」
律「わかったよったく聡の件で借りもあるしな」
唯「ただいまーふぅ…練習しよう!」
憂「ねえたん^q^」
梓「よかった…やっと練習できる」
和「よかったわね梓ちゃん」
梓「和先輩って生徒会じゃないですっけ」
和「こまかいことはいいのよ」
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:41:01.48 ID:/o9sZo+P0
ガラッ
聡「手始めに音楽室の床を鏡張りにしようじゃないですかもしくは音楽室着衣禁止…いやブルマ着用も捨てがたいハァハァ」
梓「ていうかあなた誰なんですか!ここ女子高ですよ!」
聡「あずにゃんの怒った顔いいよぉいいいいい…」シコシコ
梓「きゃっな、何!?警察呼びますよ!」
澪「おい、ドラム走ってるぞ」
律「そうか?いいだろ別に」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」
梓「なんでこんなときだけ真面目に練習してんですか!」
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:46:29.78 ID:/o9sZo+P0
梓(そ、そうだ唯先輩なら)
梓「た、助けて唯先輩〜!」
唯「あずにゃん!あずにゃん!あずにゃん!あずぅぅうううにゃぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!あずにゃんあずにゃんあずにゃんぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!中野あずにゃんたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
番外編のあずにゃんたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ放送されて良かったねあずにゃんたん!あぁあああああ!かわいい!あずにゃんたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…漫画もアニメもよく考えたら…
あ ず に ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!軽音部ぅぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?写真のあずにゃんが私を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!あずにゃんが僕を見てるぞ!4コマのあずにゃんが私を見てるぞ!!
アニメのあずにゃんが私に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのあずにゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ律ちゃぁあん!!う、憂ー!!むぎちゃぁああああああん!!!澪ちゃァぁあああん!!
ううっうぅうう!!私の想いよあずにゃんへ届け!!軽音部のあずにゃんへ届け」シコシコ
憂「ねえたんねえええたん?おねええたん^q^うんたん?うんたんwwwにゃああんw」
梓「…(もうだめだ)」
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:52:30.54 ID:w+tShfOFP
ルイズ混じってるぞw
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:54:01.56 ID:/o9sZo+P0
チュンチュン
梓「はっ夢か今日は練習できるかな…」
屋根裏部屋
聡「ハァハァあずにゃんの寝顔…うっ」ドピュ
唯「あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんんああああああああ」ドピュ
おわり
即興とか限界wwwwww
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 22:56:35.79 ID:yU7vA3Cv0
終わったwwwなかなか面白かったよ
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 23:12:03.14 ID:Kw0LeszvO
とりあえず聡をどうにかしてくれないかw
面白かったww乙ww
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 23:20:53.75 ID:/o9sZo+P0
聡「君を傷つけた罪は 羽をもがれた天使の 永遠という名の時計仕掛けの フランス革命にも似た
鎖につながれた 昼下がりのかげろうは まばたきした瞬間に キミをさらうだろう…」
梓「え、いや意味わからないです」
和「くっなんてすごいポエム波なの!」
梓「もうやだこの学校」
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/28(火) 23:51:33.21 ID:1MkhjemVO
し
バトル展開はほんとに誰特なんだよ、リボーンかよ
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:05:57.61 ID:TVgoT89k0
VIPのけいおんssって鬱展開多いからほのぼの系が読みたいな
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:27:52.82 ID:A2cJwSXF0
結末は見届けておきたい
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:42:47.41 ID:W7oyhLcXO
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:44:22.13 ID:FXzYNXHI0
田
井
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 01:17:15.41 ID:IRluiAOP0
中
律
の
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 01:20:42.50 ID:5p80FcJ+0
お
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 01:22:31.70 ID:m6KbsDGRO
やめろ!りっちゃんを汚すな!
っ
ぱ
い
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 02:02:06.63 ID:5p80FcJ+0
飲
ま
せ
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 02:07:40.38 ID:A2cJwSXF0
紬がどう転ぶのか早く
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 02:12:18.83 ID:V0KeY8IoO
……………
ho
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 02:35:13.59 ID:/CZLSYU30
保守
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 03:13:53.03 ID:MEH4pdb0O
バトルなかったら一番の名作だよほんと
ほ
だから言っているだろう
りっちゃんは俺の嫁だって
保守
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 04:39:45.44 ID:CHuJ9Hb+O
5分誰も書き込まなければ、澪は俺の嫁。
素子
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 05:09:06.46 ID:CHuJ9Hb+O
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 05:09:52.30 ID:eTpyJ6Vc0
無様ね
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 05:18:13.25 ID:CHuJ9Hb+O
おまえら何で起きてんだよ……
徹夜じゃなくてさっき起きたんだよ
大抵澪って選ばれないよね
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 06:00:58.64 ID:A2cJwSXF0
バレンタインで好き好きオーラ全開の梓からチョコ貰っといて
梓の最後の回想は唯に取られるオチだからなー
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 06:50:26.05 ID:VoqAfofhO
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 07:32:50.86 ID:5Hmeuawx0
おはー
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 07:55:20.74 ID:N+AInMmIO
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:03:55.64 ID:j8ALv2ha0
お早うございます、
>>1です。
昨日のトンデモ展開に呆れられて落ちたと思っていたので、素直に嬉しいです。
保守してくださった方々、本当にありがとうございます。
では続き、投下します。
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:05:25.18 ID:A6yZEK0PO
Ktkr
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:05:56.79 ID:j8ALv2ha0
唯「りっちゃん、ようやく退院だねぇ」
梓「一時はどうなることかと思いましたけど、大事に至らなくてよかったです」
あの廃工場での出来事の後。律は近くの病院へと運び込まれ、緊急手術の末、一命を取り留めた。
傷跡は残るそうだが、後遺症などの心配はないらしい。
梓「でも案外元気そうでよかったです。お見舞いの時もいつもの律先輩のノリでしたし」
唯「ムギちゃんもお見舞いに来ればよかったのに〜」
紬「うん……でもやっぱり合わせる顔がないし……」
律が入院して以来、ムギは一度も病室には顔を見せていない。
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:08:29.61 ID:9QW7+IWeO
ktkr
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:11:18.95 ID:j8ALv2ha0
澪「じゃあ律を迎えにいこうか、唯、梓。花束は持ったか?」
唯「ばっちりだよ〜」
梓「……ムギ先輩、今日も会いにいかないんですか?」
紬「うん……私はいいの。りっちゃんによろしく言っておいて」
澪「……行こう、唯、梓。私は他に持ってくものがあるから、先に向かっててくれ」
唯「……りょ〜かい。じゃあ行こう、あずにゃん」
梓「え、えぇ……」
唯と梓が出ていき、静寂が音楽室を支配する。
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:16:47.80 ID:j8ALv2ha0
澪「……ムギ」
ムギが気まずそうに顔を伏せる。
澪「私、今日もう一度、律に告白する」
紬「……っ!」
ムギは肩をびくりと震わせただけで、顔を上げることはなかった。
澪「私は律が好きだから。……ムギはどうなの?」
紬「わたし、は……」
少しの間、答えを待ったが、返ってくることはなかった。
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:21:56.46 ID:g7MMj+mYO
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:22:17.76 ID:j8ALv2ha0
唯「あれぇ、りっちゃん、いないよぉ?」
昨日まで律が寝ていたベッドはもぬけの殻だった。
梓「どこへ行ったんでしょう?」
澪「まったく……じっとしてるってことを知らないのか、あいつは。
とにかく手分けして探そう。唯と梓は看護士さんに心当たりあるか訊いてきて」
唯「うん〜」
梓「分かりました」
唯と梓がナースステーションへと向かう。
二人にはああ言ったが、律のいそうな場所なら大体見当がついている。
階段を上へ上へと上り、屋上へと続く扉を潜り、青空の下へと出る。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:29:37.88 ID:j8ALv2ha0
澪「律」
律「……澪」
悪戯が見つかった子供のようにばつの悪い笑みを浮かべる律。
澪「何してんだよ、こんなとこで。さ、早く家へ帰るぞ。退院だろ、今日」
律「いや、そうなんだけど、さぁ」
澪「……ムギなら今日も来ないぞ」
律「……そ、か……。そうだよなぁ、私、ムギに嫌われてるもんなぁ」
無理矢理笑顔を作り、おどけたように言葉を紡ぐ律。
あまりにも痛々しくてとても見ていられない。
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:37:41.77 ID:j8ALv2ha0
律「いや〜、入院中も一度も顔、合わせなかったし、こりゃ本格的に愛想尽かされたかな、っはは」
澪「……あいつが会いに来ないんなら、そっちから会いにいけばいいだろ」
律「………………」
澪「好きなんだろ、ムギのことが。だったら会いにいけばいいじゃないか」
律「だけど、私はムギに嫌われて……」
澪「ムギがお前を嫌ってるわけないだろう!?」
律「だけど……」
澪「お前のムギに対する想いはそんなもんなのか?」
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:42:43.80 ID:j8ALv2ha0
律「……怖いんだ」
澪「なに……?」
律「怖いんだよ! またあの時みたいに拒絶されるかと思うと、怖いんだ。
どうしようもなく怖いんだよ……!」
澪「あの時、ムギを守るために、鉄砲の前に立ち塞がった時の勢いはどうしたんだよ!?」
律「それ、は……」
澪「守るって約束したんだろ? 守りたいって思ったんだろ!?」
律「………………」
澪「だったらこんなところでうじうじ悩んでないで、会いに行きなよ」
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:44:26.94 ID:7Fo3akg7O
けいおんssの一番の名作は梓をかけて唯と澪が勝負する話だとおも
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:49:22.77 ID:j8ALv2ha0
律「澪……」
澪「らしくないよ、バカ律」
律「……はは、なんだよバカって。ひっでーなぁ」
澪「ここまで言われなきゃ気付かないんだ。
バカって言われても仕方ないだろ」
律「澪……ありがとう!」
澪「礼なんていいから、さっさと行く」
律が駆け出す。
足音が遠ざかるのを確かめてから、手摺りにもたれかかり、空を仰ぐ。
空はどこまでも蒼かった。
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:51:45.08 ID:VoqAfofhO
猿防止
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:53:17.75 ID:GeYaHU6YO
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 08:53:24.72 ID:j8ALv2ha0
澪「こんな天気のいい日に失恋、か……」
ひどく泣きたい気分だ。
だけど今ここで泣いたら、律は私を守るために飛んでくるだろう。
小さい頃からそうだった。
気休めにお気に入りの歌なんかを口ずさんでみる。
澪「二人がすれ違い、離れるとき、涙は溢れてとまらないだろう。
神様お願い。僕にピストルをくれよ。胸の中、奥の方、ブルーを撃ち抜くから。」
だからもう泣けない。あいつには他に守るべき大切なものが出来たから。
だからもう泣かない。あいつを守るって誓ったから。
だからあいつの心を守るために、もう泣かないと決めた。
支援
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:04:17.68 ID:6dXyunWh0
まってた!
でも律澪派の自分としては…
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:13:46.93 ID:m6KbsDGRO
もう百合ならなんでもいい!
腐女子の皆さん今まですみませんでした!
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:23:56.02 ID:INzGnR9gi
澪「ああああゲロ吐いちゃうゲロ吐いちゃうよおおおおおお」
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:31:11.77 ID:8m9JWFam0
澪・・・いい子だなぁおい
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:45:11.67 ID:qpqhU1Uj0
つ・・・続きを!!
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 09:58:01.73 ID:cvcA9v9fO
>>515 ですよねぇ
律×澪のせいで百合厨になった俺としてはこの展開は…
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:15:23.33 ID:N+AInMmIO
だが今月のキャラットは律ムギプッシュなんだよな
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:29:01.08 ID:MEH4pdb0O
澪が可愛い過ぎて正直どうにかなりそう
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:31:42.54 ID:m6KbsDGRO
まだか!
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:39:48.44 ID:j8ALv2ha0
さるさん……。
続きー。
澪「どれだけ近くに寄り添えたら、『ふたつ』で『ひとつ』になれるのかなあ?
神様お願い。手錠をかけてくれよ。何時迄も、僕等が繋がっていられるように。」
私達は『ひとつ』になれなかった。
神様は微笑まなかった。
手錠で繋がれた先にいるのは私じゃなかった。
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:46:22.04 ID:j8ALv2ha0
澪「どれだけ欠落を埋めあっても、二人は別のcreatureのままだろう。
神様お願い。僕にピストルをくれよ。胸の中、奥の方、ブルーを撃ち抜くから。」
今、この手にピストルがあっても私は胸の中のブルー(切なさ)を撃ち抜くことはないだろう。
この傷も。
この切なさも。
この思い出も。
全てあいつを愛した証なのだから。
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:47:05.00 ID:rf8ESIG2O
誰か←律←澪は見てて悲しくなる
しかし、誰か←律 澪→誰かもしくはいない、だとそう悲しくならない
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:47:27.54 ID:6dXyunWh0
支援
りつむぎはやっぱ最高だー!!
しあわせー!!
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:50:05.51 ID:VoqAfofhO
猿防止
唯「優しい風が集まって空のBlueになるんです」
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:51:15.95 ID:j8ALv2ha0
澪「二人が求め合い、同じ星で出会ったことすら奇跡なんだろう
神様お願い。手錠をかけてくれよ。何時迄も、僕等が繋がっていられるように。」
だからこの奇跡に感謝する。
あいつが求め合う誰かを見つけられたこの奇跡に。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:55:06.13 ID:F8YNx0kf0
SSの律と唯はモテモテだから、あぶれる奴が出ちゃうんだよな
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 10:56:34.75 ID:j8ALv2ha0
唯「みおちゃん」
梓「澪先輩」
澪「……ん、唯に梓か。律ならもう行ってしまったよ」
唯「うん、だからね……」
唯が私のすぐ傍まで歩み寄ってきた。
唯「泣いて、いいんだよ」
梓「律先輩はもう行ってしまったから、今なら泣き声は聞こえません」
澪「な、にを……」
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:02:46.52 ID:j8ALv2ha0
唯「みおちゃんは泣いていいんだよ。また明日からいっぱい笑えるように、今日はいっぱい泣こう?」
澪「でも……」
もう泣かないって決めた。私の涙を受け止めてくれる人はいなくなってしまったから。
唯「みおちゃん。わたしね、みおちゃんにはほんとーに感謝してるんだぁ」
澪「………………」
唯「いつもバカばっかりやってるわたし達を叱ってくれて、引っ張ってってくれて。
だからね?」
柔らかな笑みを浮かべて、唯が大きく両腕を広げた。
唯「こんな時ぐらい頼ってほしいな。……友達なんだから」
澪「ゆ、い……。う……ぅ……」
唯の胸の中に飛び込む。
震える私の肩を唯と梓が優しく抱きとめてくれた。
澪「う、うわああぁぁぁあぁん……り、つ……りつぅ……!
うっ、うぅ……りつぅぅ!」
さようなら、私の初恋。
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:03:15.08 ID:qpqhU1Uj0
すばらしい
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:05:19.04 ID:6dXyunWh0
澪…そんな事言うなよ…
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:06:47.50 ID:aFpwONyS0
ここらへんがすごく切なくて良いだけにあのバトル展開は惜しいと思ってしまう・・
あそこまで本気でバトル書かなきゃ律が撃たれなかったか・・?
とにかく支援
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:09:32.21 ID:j8ALv2ha0
桜高へと続く道を走る。
病み上がりの身体ではちときついけど、そんなものはお構いなしにひた走る。
「はっ、はっ、ぁ、はぁっ……!」
心に降り続けていた雨はいつしか止んで、目に映る風景全てが輝いていた。
「はぁ、はぁ、っはぁ……!」
校門を潜り、もどかしい気持ちを抑えて上履きに履き替え、音楽室を目指す。
ムギが何処にいるかなんて分からなかった。
だけどあいつは部室にいる。
そんな妙な確信が私の中にあった。
走る。
走る。
走る───。
迷路の出口はもう目の前だ。
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:12:29.29 ID:8m9JWFam0
澪切ねぇ
病み上がりってレベルじゃねーだろwww
ステファブの曲かと思った
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:18:26.11 ID:j8ALv2ha0
「はっ、あぁ、はあぁ、はぁっ……!」
呼吸を整えるのももどかしく、勢いよく音楽室に飛び込む。
「っ!? りっちゃん!?」
「はは……やっぱり、ここに、いた……」
「………………!」
「待ってよ、ムギ!」
逃げようとするムギの前に立ちはだかる。
「あの時……」
呼吸を整える。
だけどどれだけ息を吸っても胸の鼓動は収まってくれなかった。
「伝えたいことがあるって言ったよな」
「だめ! それ以上、言っちゃあ……」
「ムギ、私は……」
「嫌い!」
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:26:18.02 ID:j8ALv2ha0
「私は……」
「嫌い、嫌い……! りっちゃんなんか大っ嫌い!」
心とは裏腹な言葉が口を衝いて出る。
「どう、してぇ……? だめって言ったのに……。
なんであんな危ないめにあってまで、わたしなんかを、守ろうとするの……!?」
嬉しかった。守ってくれて。
だけど私といる限り、この人は自分の身を省みず、私を守ろうとするだろう。
怖かった。彼女が傷付くのが。
だから遠ざける。自分の気持ちに嘘を吐いてでも。きっとそれがお互いのためなのだ。
支援
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:33:27.19 ID:j8ALv2ha0
「きらい……きらいよ……りっちゃん、なんか……」
「私は大好きだから」
「りっちゃんなんか……き……」
「私はムギが大好きだから。……だから、守るよ。
守りたい。ムギを傷付けるものから。ムギを傷付ける嘘から」
「…………なんか……だ……き……」
「だから教えて? ムギの、正直な気持ち」
泣いたうぷ主はネ甲
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:36:42.75 ID:wjOSWi22O
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:38:36.64 ID:j8ALv2ha0
「………………」
「ムギ?」
りっちゃんの両手が私の頬に差し伸べられる。
溢れ出す涙を全て拭い去るように。
「………………」
「ムギ」
りっちゃんが私の額に口付ける。
大切な宝物に触れるように。
「……き……」
「ムギ?」
デコキスwwww律がされるほうだろww
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:45:24.27 ID:j8ALv2ha0
「好、き……! りっちゃんなんか……そうやって、そんな言葉で……
私の心、を、守ってくれるりっちゃんが……大好きぃ……!!」
「うわ……っ!」
勢い余ってりっちゃんを押し倒す。
溢れる気持ちが止められない。
りっちゃんへの好きが止まらなかった。
求め合うように唇を重ねる。
一つになれた気がした。
強がりとか建前とかそういった余分が溶けてなくなっていくのを感じる。
きたああああああああああああああああああああああ!!
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:50:49.31 ID:j8ALv2ha0
「……ムギ、激しすぎ……むぐ……」
ただこの一瞬を永遠にしたくて、心に刻み込むように何度も何度も口付けをする。
未来のことなんて分からない。
だけどこの想いがあれば。
大切な人さえ隣にいてくれれば。
私達は永遠にだってなれる気がした。
あの時振り払ってしまった手を今はしっかりとつなぐ。
「もう、離さないでね、りっちゃん」
fin.
うぷ主お疲れマジスレで泣いたよ
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:53:05.37 ID:qpqhU1Uj0
いいものを読ませてもらった
ありがとう
もっと甘々な展開見たかったけど面白かった乙!
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:53:58.85 ID:6D5voBPJO
あんめえええええwww
いちおつ
乙
かなり面白かった
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:55:59.90 ID:FXzYNXHI0
どうなるんだ?これ
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:57:03.51 ID:wjOSWi22O
いいんだぜここから律とムギがバトりだしても
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:57:07.19 ID:j8ALv2ha0
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
途中のバトル展開はもう本当すいませんとしか……。
書き慣れていないものだから、さじ加減が分からず、ほとんど悪ノリの領域に……。
いい教訓を得たと思い、次に活かしたいと思います。
りつむぎのSSもっと増えろ〜増えろ〜
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 11:57:31.98 ID:6dXyunWh0
乙
面白かった
ああ続きが気になる
>>1乙!
むしろあのバトル展開の後でこの流れはすごいと思わざるを得ないと考えるんだ。
アンチが少なすぎるwwwww
あと紬は俺の嫁。
乙!今頃唯と梓がバトッてるはず
ここまで来て俺の嫁とか言うやつなんなの?沢庵入りのお茶漬けなの?
俺だって沢庵好きだよ
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 12:05:32.73 ID:nMWl8q3cO
百合って本当に素晴らしいものですね
つまらんレスで埋めんなカスども
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 12:20:00.32 ID:F8YNx0kf0
律と沢庵がくっついたことにより澪は梓のものに
そして唯を巡って勃発する憂と眼鏡のバトル
聡は発電中
乙でした。面白かったです。絶対音感のほうも面白かった。
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 12:50:27.00 ID:j8ALv2ha0
今、即興で澪のその後を書いているのですけど、出来たら投下してもよろしいでしょうか?
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 12:51:23.34 ID:A2cJwSXF0
正直蛇足感を否めないが、せっかく作ったのならカモン!!
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:04:41.80 ID:A/7sJETPO
乙
澪も幸せにしてください
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:16:52.96 ID:cAk21o+WO
次マジで律澪を
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:19:52.86 ID:j8ALv2ha0
>>575 機会があったら書きたいなぁとは思っております。
取り敢えず書けた分だけ投下。
澪〜アフター・ストーリー〜
律とムギが付き合い始めてから一ヶ月程、経とうとしていた。
最初は私に遠慮してか、どことなくぎこちなかったのだけど、
今は人目を憚らず……とまではいかなけれど、結構いいかんじだ。
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:21:07.05 ID:l7B73WJd0
格闘シーンになったときはどうなるかと思ったが、GJ
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:24:06.43 ID:j8ALv2ha0
澪「いらん気を使わなくてもよろしい」
自分という存在が二人の仲を邪魔してしまうのが嫌で、気付けばそんな強がりを言っていた。
よく失恋を吹っ切るために髪をばっさり切るとかあるけれど、それもあてつけみたいに思え、別段私に変わりはない。
じゃあ全く平気かと問われればその答えはNOだ。
唯や梓の前で泣いて少しはすっきりしたけれど、それで全てを吹っ切れるほど私は強くはない。
最初の一週間は笑うことなど出来なかった。
みんなの前では平静を装っていたけれど、一人になるとすぐに涙腺が緩んだ。
みんなの前で平気な振りをしている反動なのか、連日連夜枕を涙で濡らした。
いっそ涙なんて枯れ果ててしまえと失恋ソングを聴き倒したりもした。
槇原敬之の『彼女の恋人』を聴いた翌日なんかは瞼が腫れて大変だった。
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:26:36.65 ID:cAk21o+WO
うっお!俺しあわせ
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:30:11.49 ID:j8ALv2ha0
でも時間は偉大だ。
心の傷は緩やかに温かな思い出に変わり始めていた。
ムギ「りっちゃん、ほっぺにクリームが付いてるわよ」
律「ちょ、ムギ、いいって。自分で拭くから」
ムギ「いいから♪ ……ん」
そういうとムギは律の頬に付いたクリームを指ですくい取り、自分の口へと運んだ。
この時の律の慌てようったらない。顔を真っ赤にして、頭からは湯気が出そうだった。
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:35:57.69 ID:j8ALv2ha0
澪唯梓「はいはい、ごちそうさま」
私達はそう言って、赤面しっ放しの律と幸せそうに微笑むムギをはやし立てた。本当に自然に。
嬉しかった。大切な人達の幸せを心から祝福することが出来て。
変わり始めたことといえばもう一つあった。
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:42:02.15 ID:j8ALv2ha0
あれ以来、なぜか唯が私にやたらとスキンシップを取るようになったのだ。
最初は失恋した私を慰めるためだろうと思っていたのだが、
こうやって前のように笑いあえるようになっても、
唯「よ〜し、わたしたちも負けてられないよ、みおちゃん!」
澪「ちょ、唯、や〜め〜ろ〜」
私の頬にキスをしようとくっついてきた。
そこにどんな意図があるのか分からない私は、ただただ困惑するしかない。
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:49:09.45 ID:j8ALv2ha0
唯「あ〜、みおちゃん」
澪「なんだ唯、まだ残ってたのか」
夕陽が差し込む音楽室の机で唯は突っ伏していた。
眠っていたのか、頬に少し赤い跡が残っていた。
澪「こんなところで寝てると風邪ひくぞー」
唯「う〜ん〜……zzz……」
唯は生返事を返してまた眠りに入る。
澪「あ〜もう……」
起こしてやろうと思ったが気が変わり、私も少し休んでいくことにした。
新しく始まってた期待
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:54:31.96 ID:F8YNx0kf0
憂選手がアップを始めないといいのですが
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 13:55:52.02 ID:j8ALv2ha0
唯「みおちゃ〜ん……」
澪「ん?」
唯「えへへへ……」
澪「なんだ、寝言か」
隣で幸せそうな寝顔で眠る唯の髪を梳く。
唯「うぅ〜ん……」
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:06:43.85 ID:j8ALv2ha0
くすぐったそうに少しだけむずがるが、またすぐに笑顔に戻った。
今なら訊けるような気がした。唯が私なんかを構うわけを。
まあその本人は幸せそうに寝こけているので答えなど返ってくるはずもないのだが。
それでも訊かずにはおれなかった。
澪「唯……なんで私なんかに構うんだ?」
ニヤニヤ
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:11:24.20 ID:j8ALv2ha0
唯「………………」
澪「失恋したから? ……だったらもう大丈夫だよ。
みんなのおかげで今はもう辛くないし、唯が泣くきっかけをくれたしな」
唯「………………」
澪「唯には感謝してるよ」
唯「………………」
澪「もう大丈夫だから。だから無理して私なんかに構わなくいいんだぞ」
唯「別に無理なんてしてないよ」
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:17:43.07 ID:g7MMj+mYO
百合じゃないのは梓だけか……
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:18:32.75 ID:6dXyunWh0
発症しそうになった
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:19:06.34 ID:j8ALv2ha0
髪を梳く手が止まる。
唯「だって無理してるのはみおちゃんだもん」
澪「………………」
唯が起きていたということよりも、その言葉の方が気になった。
唯「みおちゃん、前ほどりっちゃんのこと、叩かなくなったよね」
澪「それは……当たり前だろう。いつまでも前と同じ関係ではいられないさ」
唯「うん。だからみおちゃん、無理してるんだよ。
りっちゃんとの接し方をどう変えたらいいか分からなくて」
使い古された展開にニヤニヤ
唯も素直になってもっと叩いてほしいって言えばいいのに
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:25:43.10 ID:j8ALv2ha0
澪「そんなこと……」
ある、のだろうか。
確かに私は以前ほど律をど突いたりしなくなった、ような気がする。
でもそれは律がバカをやる度にムギが嗜めるからで───
澪「あ……」
そうだ。
私の役目だったものは今はムギの役目となっていた。
そんな些細なことでまた思い知らされる。
今、律の隣にいるのは自分じゃないということに。
澪「そっか……」
これは無理をしていると言われてもしょうがない。
そんなことにも気付かないほどに、心のどこかで気を張っていたのだから。
心配してくれている唯の気持ちにも気付かないほどだったのだから。
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:28:15.69 ID:yf3DZPgzO
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:33:17.32 ID:j8ALv2ha0
唯「わたしじゃ、だめかなぁ」
唯が机に突っ伏したまま、ぽつりと呟いた。
唯「わたし、バカだし、恋がどんなものなのかも知らないけど……」
こちらを流し見るようにうっすらと目を開け、夕陽に照らされオレンジに染まった唯は───
唯「みおちゃんが悲しい顔をしているのはやだよ」
素直に可愛いと思えた。
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:37:51.20 ID:j8ALv2ha0
唯「わたしじゃりっちゃんの代わりになれないかなぁ……」
上目遣いでこちらを見る唯。
澪「……バカ、唯は唯だろ」
苦笑しながら、唯の頭を軽く小突いてやる。
唯「……えへへ」
陽だまりで眠る子猫のような幸せそうな笑顔。
そうだ。少しずつ変えていこう。
少しずつ少しずつ。
時には無理をすることもあるかもしれないけれど。
そうやって移ろいゆく時の先に。
目の前の幸せそうな笑顔が隣にある未来もあるかもしれない。
澪「ありがとな……唯」
fin.
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 14:51:43.07 ID:j8ALv2ha0
これで本当に終わりです。
ではバイトに備えて寝ます。
ノシ
よし よくやった
寝てよし
追いついたらちょうど終わってた
マジお疲れ様
ぜんぜん蛇足じゃなくてワロタww
ゆっくりおやすみ。
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:04:31.63 ID:cAk21o+WO
おつ!
またいつか!
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:09:01.37 ID:l7B73WJd0
おつかれ
最後まで楽しく読ませてもらった
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:14:10.75 ID:YXI3mxacO
つまんねー
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:20:22.90 ID:A2cJwSXF0
お疲れ様
また今度書くときは呼んでくれよ
うぷ主はガチで神やな
おつ
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:41:44.10 ID:TJJ8X+m30
厨二言われてるが、バトル展開の方も天使な小生意気みたいで俺は好きだぜ
超乙
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:46:56.73 ID:m6KbsDGRO
よし、もう十分寝ただろ
早く続編を書くんだ
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:54:15.18 ID:BtFM4o+tO
あげ
もう一回乙でした
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 15:58:14.45 ID:V0KeY8IoO
素晴らしかった!マジ乙!
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 16:05:23.42 ID:VoqAfofhO
>>599 >>560乙なんて言わない
…これからも暇な時でいいので、恒久的にスレを立てて投下してください
…けいおんがみんなに忘れ去られるその日まで
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 16:11:17.25 ID:WsKpIKmNO
よしお前ら保守の時間だ
完全に忘れられた梓の事を触れてもらおうじゃないか
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 16:16:15.00 ID:A2cJwSXF0
>>617 そらもう憧れの澪先輩×唯先輩にキマシタワーよ
この状況下なら梓憂が違和感なく実現できる
憂梓いいね!
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 17:46:01.27 ID:BtFM4o+tO
保守
もう終わったスレに保守なんてすんなよ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 17:59:31.28 ID:m6KbsDGRO
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 18:03:12.13 ID:A2cJwSXF0
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 18:03:55.94 ID:g7MMj+mYO
後日談が想像以上に感動した
けいおんリアルタイムで見てて澪ファンだったんだけど、改めて見直したらいつの間にか唯ファンに変わってて、この後日談読んだら唯は俺の嫁になった
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 18:43:13.46 ID:5tupaXZuO
胸をかきむしりたくなるほど甘く切なかったな…乙
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 18:58:59.82 ID:WsKpIKmNO
ほ
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 19:49:41.15 ID:6D5voBPJO
未読むけほす
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
帰ったら読み保