(,,゚Д゚)は精霊使いのようです

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93 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 00:15:21.35 ID:Gs5E0ErGO
ノハ )


私が泣き止んだ時には、太陽はすでに沈んでいた。


夜風が冷たかった。

どうでもよかった。

風でざわめく木の葉がうるさかった。

どうでもよかった。

星がきれいだった。

どうでもよかった。



家を追い出された。




どうでもよかった。
94 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 00:17:08.20 ID:Gs5E0ErGO
それでも私は生きていた。



どうでもよかった。




何もかもがどうでもよく感じた。



そんな私を現実に引き戻したのは、アラマキの言葉だった。


/ ,' 3『またいつでも来て下さいね』


ノハ )(そうだ……まだ私には帰る場所がある……)



崩壊しかけていた『心』がアラマキのおかげで、ギリギリその形を保った。

もしあの孤児院がなかったら……私は今こうやってギコと話してなかったかもね。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 00:29:38.17 ID:XznvV2j80
しえ
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 00:31:14.14 ID:P9OdeZoQO
支援!
支援!!
しえぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 00:37:18.15 ID:g0Z27HWr0
さるってるな
支援
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 00:50:41.73 ID:XznvV2j80
しえん
99 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:00:57.76 ID:Gs5E0ErGO
人生初の三連さる
あと17レス分あるのでご協力お願いします……(;A;)
100 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:02:36.88 ID:Gs5E0ErGO
ノハ )「……」

/ ,' 3「おや……。……お帰りなさい。さぁ、もうすぐ夕飯ですよ」



孤児院に戻ったら、アラマキが『いつも通り』迎えてくれた。

きっと私に何があったか察したんだと思う。

『からっぽ』の私と

『いつも通り』の夕飯。

『いつも通り』のメンバー。




その『いつも通り』の風景が壊れかけた心を優しく癒してくれた。



私の『いつも通り』は全てあの孤児院での生活の中にあった。
101 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:05:10.01 ID:Gs5E0ErGO
ちびっ子達のケンカ、それを宥めるオトジャ。
私によくわからないことを言ってくるアニジャ、それをぶん殴るオトジャ。

そして言い争いを始める二人を眺めて笑う私とアラマキ。



少なくとも私の『元』家族よりは家族らしい生活。
12年間、ほとんど父のこと一色しかなかった思い出のフォルダは、
あの孤児院での日々ですごく色鮮やかなものになった。



ここが自分の居場所なんだって思えた。
ここが自分の『家』なんだって思えた。



そして私は本物の家族の事を心の奥底に封じ込めたんだ。



父のことだけを残して……ね。
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:06:38.41 ID:XznvV2j80
しえん
103 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:08:23.57 ID:Gs5E0ErGO
18歳の誕生日。
アラマキは私に内緒で誕生日パーティーを開いてくれた。

それは同時に、私とアニジャとオトジャのお別れ会でもあった。



アニジャとオトジャは冒険者になる夢があった。
しかし、成年してもずっと孤児院に残って子供達の世話をいた。


『たたでさえ人手の少ない孤児院なんだ。俺らが抜けたらやっていけないだろ』
オトジャはそう言っていた。

『こんなロリっ子の宝庫から抜け出すわけないだろ!?』
アニジャはこう言って、すぐにオトジャにぶん殴られた。


二人ともあの孤児院の事が大好きだったんだ。
だから残る決意をしていた。


でも、アラマキはそんな二人に『自分の好きな事をやりなさい。子供達の事は私に任せなさい』と言って聞かせた。

確か、そのあとアニジャが『そんな老体に任せられないな』って言ったんだ。
そしたら突然アニジャが吹っ飛んで、壁に激突した。
オトジャと私がポカンとしていると、アラマキは笑いながら『ただの老いぼれだと思わないほうがいいですよ』と言った。

ちょっと怖かったな。
104 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:12:57.48 ID:Gs5E0ErGO
そんなことがあって、アニジャとオトジャは昔からの夢だった冒険者を目指すことにしたんだ。


私は18歳になったら精霊使いの試験を受けて、合格したら旅に出ると決めていから、
アラマキに吹っ飛ばされることもなかった。



(▼Д・)「ヒーちゃん誕生日おめでとう!」

(´・∀・`)「おめでとう!」

( ・`ー・´)「ヒーちゃんおめでとう!」

( ・`ー・´) + キリッ

ノハ*゚听)「みんな……ありがとう!私は……私は……」

ノハ*;;)「嬉しいぞぉぉぉぉぉぉ!!」

(/Д^)「あははー。ヒーちゃんおおげさだよー」

( ・`ー・´)ノ□「はい、ハンケチ」

( ・`ー・´) + キリッ

(´・∀・`)(まさしうぜぇ……)
105 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:18:03.70 ID:Gs5E0ErGO
みんなに誕生日を祝われて、嬉しくて泣いてしまった。
おおげさだと言われたけど、仕方がなかった。

もうすぐこの優しい子達ともお別れしなきゃいけないと考えたら涙が止まらなかった。



もちろん、その事を子供達は知らない。
言ったらきっと悲しそうな顔をすると思ったから。
私やアニジャ達の決意が鈍ると思ったから。




ノハ*゚听)「よぉぉぉーーっし!みんな、鬼ごっこやるぞぉぉぉーー!表出ろぉぉぉぉぉぉ!!」

(*´・∀・`)*・Д・)・`ー・´)「「わぁーい!!」」



( ・`ー・´) + キリッ

(#´・∀・`)「早く来いよ」
106 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:20:06.46 ID:Gs5E0ErGO
そして精霊祭の時……。
私はまずアラマキの姿を探した。
ここまで育ててくれたお礼を言いたかったからだ。

しかしアラマキはどこにもいなかった。



ノパ听)「なぁ、アラマキ知らないか?」

( ・`ー・´)「今日は用事があるとかで朝早くからどこかに行っちゃったよ」


( ・`ー・´) + キリッ


ノパ听)「そうか……」

( ・`ー・´)「ねぇ、ヒーちゃん」

ノパ听)「んー?どうした?」

( ・`ー・´)「今日でヒーちゃんとお別れなんだよね?アラマキが言ってたよ」

ノパ听)「……。うん」

( ・`ー・´)「そっか。また帰ってくるよね?」

ノパ听)「うん。いつか帰ってくるよ」
107 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 01:22:37.94 ID:Gs5E0ErGO
( ・`ー・´)「ホントだな!約束だからな!」

ノハ^竸)「おう。約束だ。……じゃあ私はそろそろ行かなきゃいけないから」

( ・`ー・´)「おう!いってらっしゃい!絶対また帰って来てね!」

ノハ^竸)「うん。バイバイ」


( ・`ー・´)「……約束だかんな」

( ;`Д;´)「約束……だかんな」


私は背中越しにまさしが泣いているのがわかった。
この孤児院で一番生意気で、一番プライドが高い子だったまさしが泣いていたんだ。

私ももちろん泣いた。
胸がぎゅうーっと締め付けられる感じがした。

でも振り返らなかった。
振り返ったら心が揺らいでしまうから。



私は少し早足で孤児院から出た。
孤児院から出たら駆け足でバス停へ向かった。
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:24:11.25 ID:rS99pbQnO
遅れてスマナイ支援
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:34:17.44 ID:XznvV2j80
しえん
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:34:26.94 ID:rA52SroyO
はいはい支援支援
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:36:57.33 ID:rA52SroyO
さらに支援
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:39:59.28 ID:rA52SroyO
まだ足りねえか支援
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:45:01.60 ID:rA52SroyO
オーケー2時までだな。落ちやしねえだろうが一応ageだ
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:48:19.54 ID:rS99pbQnO
まだ屍嚥
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 01:57:25.60 ID:rA52SroyO
支援金
116 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:00:33.92 ID:Gs5E0ErGO
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

反省してるけどごめんなさい文は書かない!

ありがとうございましたごめんなさい
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:02:28.72 ID:rS99pbQnO
よし支援
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:03:48.01 ID:rA52SroyO
おう、待ちくたびれたぞ支援
119 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:04:00.31 ID:Gs5E0ErGO
ノハ; )「はぁ……はぁ……」


バス停に着いた私は、とりあえず呼吸をととのえた。
次に涙を拭いて、自分に気合いを入れた。


ノパ听)(私は……精霊使いになるんだ!)

ノハ--)(みんなありがとう……。私……頑張るから……!!)

そして、バスに乗り込み、試験会場へ向かった……。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜


ノパ听)「あとはギコの知ってる通りだよ」

ノハ--)「それにしても筆記試験の試験官がアラマキだったことには驚いたなぁ……」

(;-Д-)(あの寝てた試験官か……)
120 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:06:35.72 ID:Gs5E0ErGO
俺は思わぬ形でヒートの過去を知ることになった。
おまけにヒートの心の傷のことを知ってしまった。


(,,゚Д゚)「……おまえの過去のことはわかった。……でもなんで俺達のパーティーから離れる必要があるんだ?」

ノパ听)「……私は……」


ノハ )「まだ『本物の』家族と『仲直り』してないんだ」


ノパ听)「家族とも仲直りできないのに、ハインと仲直りできるわけないじゃんか」


(,,-Д-)「そう……か」



ヒートの言いたいことはわかった。
『理由』もわかった。


(,,-Д-)「……仲直りしたら、帰ってくるんだな?」

ノパ听)「うん」
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:07:02.91 ID:XznvV2j80
しえん
122 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:08:51.25 ID:Gs5E0ErGO
(,,-Д-)「……ヒートが帰ってくるまで、ここで待ってるわけにはいかないが、いいか?」

ノパ听)「うん」

(,,-Д-)「一人で大丈夫か?」

ノパ听)「……一人じゃないもん」

(,,-Д゚)「……えっ?」

ノパ听)「キマイラと戦ってるときにわかった。
私はみんなに支えられてる。
みんなと一緒じゃなくても、私はみんなと一緒なんだって」

(,,-Д-)「……そっか」


(,,゚Д゚)「絶対また会えるんだな?」

ノパ听)「うん」

(,,゚Д゚)「絶対だぞ」

ノパ听)「うん」

(,,゚Д゚)「本当に、絶対だぞ」

ノハ;゚听)「う……うん」
123 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:11:10.00 ID:Gs5E0ErGO
(,,-Д-)「なら……いい」


ヒートがいなくなるのはすごく寂しいことだ。
だけどこれは彼女の問題であって、俺がどうこう言えることではない。
それに彼女は絶対に帰ってくると言ってくれた。


……なら、十分じゃないか。


(,, Д )「絶対……だぞ……」


ノパ听)「……ギコ?」


(,, Д )「……泣いてねぇぞ」


ノパ听)




ノハ^竸)
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:11:49.42 ID:XznvV2j80
しえん
125 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:12:36.58 ID:Gs5E0ErGO









チュ
ノハ*^ ), Д )









∩;゚Д゚)「な……っ!?」


ノハ*^竸)「へへ……」


∩;゚Д゚)「な、何を突然!?」
126 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:15:42.54 ID:Gs5E0ErGO
ノハ*゚ー゚)「約束」

∩;゚Д゚)「ほぇ!?」

ノハ*^ー^)「絶対帰ってくるから」

∩,゚Д゚)「……」





……それから俺はヒートに何も聞かなかった。
理由も確証もないが、ヒートは必ず帰ってくると確信が持てたからだ。


(,,゚Д゚)「金はあるな?最低限の水と食料も持ったな?地図は大丈夫か?」

ノパ听)「うん。大丈夫だよ」

(;゚Д゚)「知らないおじさんについていくなよ。変なキノコとか拾い食いするなよ。あと寝るときにはちゃんと火を焚くんだぞ」

ノハ;゚听)「おー……。お母さんみたいだな……」


( ;ω;)「おーん!おーん!」

(゚Д゚,,)「ブーンは早く泣き止め」
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:16:46.57 ID:XznvV2j80
しえん
128 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:17:45.83 ID:Gs5E0ErGO
( ;ω;)「いやだおー!寂しいおー!」

ノパ听)「ブーン……」

(;-Д゚)「あのな、ブーン。今生の別れじゃないんだから泣くこたねぇだろ」

ノパ听)「ほぉー。ギコもさっき泣いてたよなぁぁぁ!?」

(;゚Д゚)「泣いてねぇっての!」


( ;ω;)「おーん!おーん!」

(;゚Д゚)「泣き止めっての!」


ノパ听)「……なぁブーン」

( ;ω;)「……お?」

ノパー゚)「私はブーンに笑って見送って欲しいな」

( ;ω;)「お……」

( うωと)グシグシ

( ^ω^)「おっ!!」
129 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:19:35.60 ID:Gs5E0ErGO
ノハ^竸)「よし、エライエライ」

( ^ω^)「おっ!!泣くのはヒートを見送った後にするお!」

(,,゚Д゚)(ヒート……。変わったな)


ちょっと前まではすごい子供っぽかったが、今のヒートは少し大人びた感じがした。


(,,-Д-)(これなら……安心できるかな)




ノパ听)「じゃあ……そろそろ行くよ」

(,,゚Д゚)「……気をつけろよ」

ノハ^竸)「うん」


ノパ听)「じゃあ……」




ノハ*゚听)「行ってきまああぁぁぁぁす!!!」
130 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:22:10.01 ID:Gs5E0ErGO
……


( ^ω^)「……行っちゃったお」

(,,゚Д゚)「……あぁ」

( ^ω^)「もう泣いてもいいかお?」

(,,゚Д゚)「……好きにしな」

( ^ω^)「……」

(,,-Д゚)「なんだ。泣かねえのかよ」

( ^ω^)「ギコこそ」

(,,゚Д゚)「俺は泣かねえよ?」





(,,-Д-)「だって……」
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:24:07.01 ID:rA52SroyO
すぃえん
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:25:09.39 ID:awgA4cIT0
だってなんだよ
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:32:06.05 ID:XznvV2j80
しえん
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:33:14.27 ID:2WBlTwwlO
さるかな支援
135代理:2009/07/27(月) 02:36:50.87 ID:LGIKyvG70












「俺達はみんな、いつも一緒なんだから」




〜第一章 完〜
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:37:28.13 ID:XznvV2j80

代理乙
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:38:21.92 ID:awgA4cIT0
最後の最後でさるかよwwwwwwwwwwwww

138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:43:51.79 ID:e6hRddovO
139 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:44:48.97 ID:Gs5E0ErGO
二連猿、三連猿、単猿
もうちょっとでサイクルヒットだ……

質問ある方いましたらどうぞ
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 02:57:37.91 ID:P9OdeZoQO
ドクオの出番は…?
141 ◆4br39AOU.g :2009/07/27(月) 02:57:51.32 ID:Gs5E0ErGO
無いなら寝る

猿死ね


川 ゚ -゚)「今回出番なしとはどういうことだ」


猿死ね
142 ◆4br39AOU.g
>>140

('A`)「なんと!次回は僕が出ます!」

('A`)「今度こそ精霊使いになってやんだかんな!」