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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
梓「はぁ…」
紬「そのまえに、みんなに、特に唯ちゃんに見てもらいたいものがあるの。」
そして紬は一行を、墳墓横、すり鉢形の奇石近くに案内する。
再び足取りを向ける一行。
しかし、十数歩ほど進んで、木々等の遮蔽物から、
奇石の姿が露わになったとき、一行は、歩みと、そして思考を止めた。
紬の目が、驚きと、得体の知れないモノへの恐怖によって、見開かれる。
奇石の周辺を半円形に囲むようにして、
十数体の仏像や猿石が佇んでいたからである。
夕闇は少しずつ、古墳の影と黄昏の色を、『諸仏の象り』に投げかけていた。