1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
それはいつもの帰り路
唯「ふわぁ〜あちぃ…あずにゃん、アイス屋さんよっていこうよぉ!」
梓「先輩…昨日も一昨日も同じこと…」
+ ノ ⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
/ i!./ ゚
° + (_,. // . + + ワンタン♪ワンタン♪
く.,_`^''ー‐、_,,._ノ/ ゚
° `~`''ー--‐-‐' + +
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:18:40.71 ID:zP8LrVH4O
唯「暑は夏いからアイスを愛す、そんな私は貴方に熱中症患者♪」
梓「何言ってるん…」
梓「あ…」
唯「どしたの、あずにゃん?」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:21:28.35 ID:WdxNcMOoO
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:22:38.04 ID:zP8LrVH4O
唯と梓が、ふと、立ち止まったのは、
ちょっとした街角にはよく見掛けるような古本屋。
唯「ど〜〜したのぉ?あずにゃん??」
梓「先輩、少し寄っていきませんか?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:22:59.39 ID:4XXWQjt1O
ゾロアスターなんてやめてアーレフにしなさい
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:24:16.44 ID:a7ViZkZtO
ゾロアスター興味あるから期待。鳥葬とか色々。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:24:22.58 ID:HR0WF5/w0
提供
mazda
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:27:41.55 ID:zP8LrVH4O
古本屋に入ると案の定無愛想なご主人。夕刊に夢中の様子。
唯「うわっ…むっずかしいほんばっか…」
梓「先輩…」
梓「お邪魔しまーす。」
店主「…」
店主「ん?」
店主「あずさちゃんか!」
途端に店主の顔が綻ぶ。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:33:38.19 ID:zP8LrVH4O
梓「小父さん、久しぶりです♪」
店主「○○は元気にしてるかい?」
唯(○○…確かあずにゃんのお父さん…)
唯は数週間前に会った梓の父親を思いだす。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:38:44.14 ID:zP8LrVH4O
唯(ねえねえ、)
梓(はい?)
唯(このおじさん、あずにゃんの伯父さんなの?)
梓(いえ、親戚の伯父さんじゃなくて…お父さんのお友達なんです。)
店主「あずさちゃん!友達じゃなくて、腐れ音楽仲間だから!」
そう言う店主は梓の父親よりほんの数年年かさに見える。
けれど、きっと親しい関係に違いない。
梓を見る目が、ほんとに優しいから。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:41:03.98 ID:QtZ7Se/RO
>>7 鳥葬の映像見たけどグロいのダメな自分にはキツかった…
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:41:45.22 ID:vvtTcakYO
本当に拝火教のの勉強スレなら支援
ただのからかいなら市ね
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:43:27.88 ID:PkvzE2RC0
昔にもあったよね
今更
>>1はなにやってるの?
コピー&テイストだけ?(笑)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:44:05.60 ID:zZ2Sqm9C0
アフラマズダかっけえ!
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:44:34.27 ID:aSLExOCyO
テイストワロタ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:46:04.52 ID:zP8LrVH4O
唯(本がたくさん…)
梓「通りかかったんで、ちょっと寄って見ました♪」
店主「そっかそっか!」
店主「相方はお友達かい?」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:48:03.79 ID:zP8LrVH4O
梓「友達というか…部活の先輩です。」
店主「へぇ、そっかそっか…」
唯(私には一生縁のなさそ…な…)
唯「あ…」
人と『本』との出会いは偶然と好奇だ。好き嫌いと直感がよく横顔を差し挟む。
けれど…
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:52:20.37 ID:BNxS7hPtO
ゾロアスター教は善悪二元論のはしりだっけ?
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:54:11.69 ID:mTQ49q+KO
アヴェスターの響きだけで強くなれる気がしたよ。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:56:10.85 ID:zP8LrVH4O
唯「あ…」
唯「あべすた。」
梓「はい?」
店主「『アヴェスター』か。完全版の奴だね。
日本語じゃあ、古層アヴェスターから新層まで…」
店主「残ってるやつが全部翻訳されてるのはそれだけだ。」※
※脚色です。実際には存在しません。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 03:58:34.59 ID:BNxS7hPtO
ねる前に私怨
起きるまで残ってますように
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:02:04.88 ID:mTQ49q+KO
グノーシス主義について調べてる時に、ほんの少し読んだなぁ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:03:19.11 ID:zP8LrVH4O
梓「なんなんですか?それ?」
店主「旧約聖書あるだろ?簡単に言うとアレに近い本だ。」
店主「神の言葉と予言者の言葉がごっちゃになってる…」
梓「キリスト教の本ですか?」
店主「うんにゃ。アーリヤ人の古い宗教だ。」
梓「?」
唯「あべすた…」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:08:17.36 ID:zP8LrVH4O
唯「…あべすた。」
唯は数分冊に分かれている、アヴェスターの一つを手に取る。
そのとき。
周辺の音が甲高く反響して、暗くなり明るくなる。
『双子。』
唯「え?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:08:48.15 ID:mTQ49q+KO
プリーシア・ディキアン・ミズホ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:12:22.11 ID:zP8LrVH4O
『時間は双子を孕んだ。』
唯「…」
『時間は双子を産んだ。』
唯「…」
『私はそれを見る。』
唯「…」
『私は双子のためにある。』
唯「…」
『私はやがて来る。』
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:15:01.75 ID:zP8LrVH4O
唯「…」
梓「せんぱい?」
唯「あうっ。」
梓「?」
店主「?」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:17:22.36 ID:mTQ49q+KO
ふわふわ拝火
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:22:13.69 ID:zP8LrVH4O
唯「あれ?」
梓「せんぱい…大丈夫ですか?」
店主「いやいや、あずさちゃん。馬鹿にしちゃいけない。」
店主「『本』との出会いなんてそんなもんだ。自分の世界を好奇心が突き破ってさ、
その人を一瞬にして、どっかに連れてくんだよ。」
唯「一瞬?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:27:21.31 ID:zP8LrVH4O
すいません、ハオマ(酒)を少し飲みます。
店主「先輩さん?」
唯「ボケッ…」
梓「せんぱい!」
唯「うん?」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:29:42.29 ID:zP8LrVH4O
店主「ほしいのかい、それさ。」
店主「あべすたー。」
唯「…」
唯「ほしい…かも。」
店主「…」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:34:23.13 ID:ZD1Q0dmh0
ニーチェのツァラトゥストラ読み終わったばかりの俺が来たよ
否!否!三度否!!
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:34:22.65 ID:mTQ49q+KO
これだから古本屋には金を持って入りたくない。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:35:52.25 ID:8/C4Esu6O
木村鷹太郎の全訳が一応出てなかったっけ?
とりあえずしえん
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:36:35.71 ID:zP8LrVH4O
店主「じゃ、一冊百円でいいさ、もってけな〜!」
梓「え!?いいんですか!?」
店主「ああ。ついでにバンヴェニストの解説本もつけるぞ。」
梓「そんな…悪いですよ!」
店主「いいんだって!さっき言っただろ、本と人は…」
唯「…」
唯は譲ってもらった本を紙袋に入れてもらい、引きずるようにして家に持ち帰った。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:36:48.86 ID:0ULpCuG4O
アフラマズダが車のマツダの名前の元って高校の時に勉強してびっくりしたよな
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:41:02.45 ID:W/2RZcIyO
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:42:44.32 ID:0ULpCuG4O
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:46:00.26 ID:zP8LrVH4O
>>35 それは思想界では無かったかとことに…理由は…うぐぐ。
唯はそれから貪るように読み始めた。
読み始めた?
後になって覚えれば、両親まで伝った『神の種』が発芽して、栄養を求めたような。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:51:29.89 ID:zP8LrVH4O
けれど、ギー太を愛でることも欠かさない。
アフラの王もデーウァの君も、音楽をもまた愛するから。
軽音部部室
唯「ふぁぁ…」
律「眠。」
澪「お前ら…」
和「唯たちの担任、私に直接文句言ってきたわよ…」
和「二人とも弛みすぎだって。」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 04:56:04.27 ID:dwfOrfZi0
ゾロアスターとか、鳥葬しかしらないから、後学のために読む
>>1に期待
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:00:15.47 ID:zP8LrVH4O
律「どぅわってもうすぐ夏休みなんだもーん!」
澪「律、講習受けないんだって?」
律「今年も遊び倒すぜ!」
澪「…」
唯「ふぁ…ぁ…」
ドサッ
和「!」
和「唯、最近よく読んでるわね、その図象の本。」
紬「図象?」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:01:25.73 ID:HfYUIRFpO
拝火教はミステリアスなイメージだな
寺院が過美じゃなくて良い雰囲気だ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:01:44.25 ID:qqKgmMPAO
し
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:08:00.31 ID:zP8LrVH4O
紬の目に入ったのは、唯の読んでいる古い本の、
羽根(翅?)をもつ人間を象った一種のマーク。
紬(あれ?あのマーク…)
紬(…)
律「おいおい…ゆいちゃんまでお受験対策ですかぁ…」
唯「ん〜?」ペラペラ…
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:13:33.51 ID:zP8LrVH4O
梓「ゾロアスター教の『きょうてん』だそうですよ。」
律「ゾロアスター教?なんだそれ?RPGに出てきそうな響き。」
澪「世界史でちらっと出てきたろ…」
梓「確かずっと昔に絶滅したとかって…」
和「あずさ、確かイランやインドにはまだ残ってたはずよ、いわゆる信者が。」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:17:22.85 ID:zP8LrVH4O
梓「そうなんですか…」
律「じゃ、何か?唯もゾロアスター教徒になったってか?」
唯「うん。」ペラ…ペラ…
律「へ…」
梓「え…」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:26:29.80 ID:zP8LrVH4O
唯「…」ペラ…ペラ…
律「えっと…私の又従兄弟がさあ…例の『しゅーきょー』に捕まって脱会させるのに…」
紬「日本人では一人もゾロアスター教徒はいないはずよ。」
紬「たしか、師資相伝ならぬ親子相伝で。基本的に異教徒が改宗するのは無理らしいわ。」
waqwaqの護神像の名前ってゾロアスター教から引っ張ってたのかwwww
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:29:22.11 ID:zP8LrVH4O
和「紬、詳しいわね。」
紬「お父さんのお友達にインドの方がいらしてね、昔ちらっと…」
紬(…)
紬(それに、あのマーク…)
澪「唯は何かに夢中になると…つきっきりだからな。」
律「…唯よ、面白いんかそれ?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:31:21.87 ID:HfYUIRFpO
ユダヤ教と同じか
選民思想みたいなのがあるのだろうか
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:33:12.61 ID:zP8LrVH4O
唯「面白いよ〜。」ペラ…ペラ…
律「どんな内容なんだよそれ?」
唯「ん〜?」
唯「せかい、かな。」
律「はあ?なんだその中二病的な…」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:37:21.99 ID:zZ2Sqm9C0
思想として楽しめばいいよね
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:38:59.93 ID:zP8LrVH4O
唯「基本はザラシュストラの生き方と言葉、神様への『うた』だよ。」
律「ざ、ざら…なんだそれ…」
唯「ゾロアスターはザラシュストラとも読むんだって。
昔のイランの言葉はわかんないからどう読むかしんないけど…」
唯「でも、言葉の後ろには神様がいるでしょ。」
律「…(こりゃ重症だ…)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:47:21.17 ID:zP8LrVH4O
澪「ゾロアスターって予言者、だよな?」
梓「預言者?」
唯「『ふらわふる』を受けた人の子として『しゅっぴたーま家』に生まれたひと。」
律「あの…ゆいさん?ふらわふるって…」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:55:13.14 ID:zP8LrVH4O
失礼。
×ふらわふる
○ふわるなふ
ややこしい…
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:56:46.02 ID:zP8LrVH4O
唯「『ふわるなふ』は神様から溢れる光。
キリストさんの頭に付いてるのとか天使の『わっか』、だよ。」ペラ…ペラ…
律「…」
澪「イエス・キリストまで出てくるのか、その本?」
唯「出てこないけど、お話の筋は少し似てるかな。」
澪「そ、そうなのか…」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 05:58:30.81 ID:XFbrrdid0
ふわるなふたいむ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:06:12.62 ID:zP8LrVH4O
唯「『さおしゅやんと』っていう人が現れて、デーウァの君と、その配下を全て滅ぼして、」
唯「アフラの王が、『あむしゃすぷんた』、『やざだ』たちのもと、
治める正しい世界が来るんだって。」
唯「『あむしゃすぷんた』も『やざだ』も天使みたいなものだよ。」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:13:27.40 ID:zP8LrVH4O
和「いわゆる善と悪の戦いね。」
唯「うん。」
唯「『めーのーぐ(精神的なもの)』と『げーてーぐ(物質的なもの)』の。」
唯「けどね、間違って考えてるんだ、今のマズダー教徒は。」
唯「ザラシュストラもぺるしあ王の『まご(祭司)』たちの考え方も…みんな結構間違ってる。」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:18:55.46 ID:zP8LrVH4O
唯「…」
唯は一瞬、哀しそうな顔をした。
和「どういうこと?」
唯「今日はおしまい!おしまい!アイス食べにいこ!」
律「プッ…それでこそ唯だな!」
和「そうね…。今日は私も一緒に行くわ。」
澪「はあ…」
紬「…」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:22:48.47 ID:Xaz1LDVNO
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:24:11.90 ID:zP8LrVH4O
その夜、田井中家
律「ぷぅ…食べ過ぎた…」
聡「姉ちゃん!」
律「げふっ…なんだよ…」
聡「なんだよって…エヴァンゲリオンの劇場版のDVD見たがってたろ?
今日借りてきたんだ。」
律「マジでか!?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:29:43.61 ID:zP8LrVH4O
律「よし見るか!いざ居間へ!」
聡「おう!」
画面の中でなされる、エヴァンゲリオンと使徒の戦い。人と人とのたたかい。
リツコ『MAGIが…』
律「まぎ?」
律「どっかで…」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:35:01.83 ID:0ULpCuG4O
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:37:42.47 ID:zP8LrVH4O
律「使徒…」
聡「みんな後ろに『〜エル』がつくよね?」
律「ふ〜ん…」
律「なんか…」
律(不思議な…)
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:43:38.98 ID:zP8LrVH4O
田井中姉弟がヱヴァンゲリヲンを見ているそのころ…
奈良県某所 琴吹家地所
紬「ありがとう、斉藤。」
車から降りる紬。
斉藤「いえ…」
斉藤「しかしお嬢様、なぜこのような場所に…」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 06:54:06.02 ID:zP8LrVH4O
あたりは全くの野っ原。少し離れた所に小高い、奇妙に窪んだ小山がある。
ずっと昔の、有力者の墓だろうか?
紬はその小山に目を向ける。
紬「あれも御先祖様のお墓なのよね?」
斉藤「はい、ニニギノミコトから数えて三十…」
紬「ごめんなさい、それはいいわ。」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:02:41.56 ID:T2GnyP2/0
ほす
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:02:44.13 ID:zP8LrVH4O
墓に近付く紬。
近付くに従って悪寒を覚える。
それを御先祖に申し訳なく心中で許しを乞い、周囲に視界を凝らす。
その墓のまわりには奇妙な石像が多いのだ。
紬「お猿さん、鳥?ウサギ…蛙…台のような石。亀?たくさんあるわね。」
斉藤「この辺りにはとくに、猿石の類いが多ございます。」
紬「猿石…」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:08:04.66 ID:a9qFfDl6O
むぎってニニギの子孫なのか…
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:17:51.44 ID:zP8LrVH4O
斉藤「ヤマト…日本の文物から見て、異質なモノ共です。
一説では渡来人や異国の教えに関係しているとか…」
紬「異国の教え…か。」
斉藤「道教や…それに、まこと怪しい由緒ですがケン教のものとも。」
紬「ケン教、拝火教ね。」
斉藤「今日日は、ゾロアスター教ともパールシーとも呼ばれております。」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:19:15.08 ID:zP8LrVH4O
>>72 すまん、それは適当だ。ヤマサチ、ウミサチの祖父さんだから借用した。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:25:58.14 ID:a9qFfDl6O
海幸カワイソ……ざまぁwwwwwwwwww
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:29:16.43 ID:zP8LrVH4O
墳墓の前に立つ。
遠灯かりが紬の髪を微かに照らし、緩く輝く。
紬は、頭を垂れ手を合わせる。
後ろの斉藤も、それに倣う。
正面に向きなおると、紬は墳墓の横手にまわる。歩数で約二十歩。
紬「これね…」
紬の前には、すり鉢のような皿のような1m四方におさまる、半球をくりぬいた岩。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:31:20.71 ID:wpQo4Djj0
シルクロードを渡って来たのか
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:39:23.38 ID:zP8LrVH4O
その岩の前に立つ。
半球の円周は、紬の手前で十cmほど途切れ、そこから地面に段々状のものが伸びる。
斉藤「まことに奇怪な岩です。盃のようにも見えますが…『口』が空いておりますゆえ、 そうではないでしょう。」
紬はその『盃』の反対側にまわる。
風雨と年月で朽ちつつあるが、そこには
浮き彫られた、羽根(翅?)をそなえた何か、の図表があった。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:43:43.37 ID:8tUZQlhf0
鳥葬ってちゃんと人が自然の循環に入ってていいよな〜
理想を言えば俺の死体は堆肥製造機でコヤシにして野菜作りに使ってほしいよ
日本じゃ法的にも倫理的にも無理だけどさ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:49:41.27 ID:zP8LrVH4O
紬「この図表…」
斉藤「羽根を持った何か、ですな。中央部分がひどく痛んでいますが…」
紬「ここに葬られている方の渾名は、確か…」
斉藤「『烏飼(からすかい)の臣』です。」
斉藤「これもまた奇妙な…」
斉藤「ハッ…御無礼を…」
紬「斉藤、いいのよ。」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 07:56:33.25 ID:zP8LrVH4O
紬(ずっと昔に、お父さんやお母さんとお墓参りに来て…)
紬(その時、この標(しるし)を見つけて…)
紬(お父さんは、烏飼っていうぐらいだから烏の彫り物だろう、って言っていたけど…)
紬(唯ちゃんは確か…)
唯『それ?〈あふらの王〉をでほるめした形なんだって。』
紬「アフラの王、アフラ・マズダ…」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:01:16.13 ID:2SeAvv7xO
支援
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:04:44.41 ID:Oiujr3wsO
ゾロアスター教ってアフラマズダどアーリマンだっぺ?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:04:51.01 ID:zP8LrVH4O
同時刻 秋山家
自室でネットをする澪。
澪「ゾロアスター…」
澪「ふむふむ…」
澪「おそらくは紀元前六世紀ごろ…」
澪「スピタマ家に生まれウィーシュタースパ王の友となり…」
澪「いわゆるゾロアスター教の開祖、と言われる…」
澪「ふむふむ…」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:07:08.97 ID:zP8LrVH4O
澪「光と闇か…」
澪「次の作詞に生かせるかも…」カチッカチッ…
澪「ふむ…」
澪「…」
澪「ミスラ?」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:15:53.61 ID:zP8LrVH4O
澪「ヤザダの一柱…」
澪「唯が言ってたな、ヤザダは『天使』だって…」
澪「ヤザダはゾロアスター教における下位の神格…」
澪「ただし、ミスラの同教における地位は比較的高い…」
澪「ミスラはもともとアーリヤ人の神格であって…
古くはヴェーダやヒッタイトの碑文にもあらわれ…」
澪「弥勒菩薩の原型で、古代ローマ時代には『ミトラ』として
キリスト教と二分するほど教勢があり…」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:15:58.00 ID:Oiujr3wsO
世界史のオススメの参考書教えてくれたまえ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:22:10.61 ID:zP8LrVH4O
澪「戦いと調停と光の神…」
澪「一言でいえば契約を司る神…」
もともと文芸部を志望していただけあって、
神秘性や秘教性を含んだネタに引き寄せられるタチである。
澪「アテネとかミネルバみたいな…」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:26:00.03 ID:a9qFfDl6O
僕は澪たんの秘境に引き寄せられるタチです
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:26:50.55 ID:zP8LrVH4O
律がその場にいたら、
『さすがナイスばでぃのビーナス様は…』
と馬鹿にしていただろう。
澪「ふむふむ…」カチッ
しかし。
〈次へ〉をクリックした後、澪の目に飛びこんできたのは、
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:34:06.55 ID:zP8LrVH4O
ゴヤの『我が子を喰らうサトルヌス』であった。
澪「ヒイッ…!!」
ギョロ目の巨人が人型を半分ほど喰らい、血潮とともに口からぶら下げている絵だ。
サトルヌス、つまりクロノスは自分の子が己を凌ぐことを恐れ、
それがために食らう、という神話を題材にしている。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:40:34.83 ID:zP8LrVH4O
澪「う…ぅ…」
この手のモノが酷く嫌いな澪にとっては、まったくもって精神的ブラクラである。
とはいえ、椅子から飛び退きたいのだが、体が言うことを聞かない。
澪「う…うぅ…ぅぅぅ」
それに、視線を逸らしたいはずなのに、なぜか、逸らせない。
93 :
錬金術師サンジェルマン ◆NHLgEEREnQ :2009/07/20(月) 08:40:59.35 ID:/YjWYQi+O
支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:42:21.04 ID:zP8LrVH4O
すまん限界眠い。人間眠気には勝てない、寝ます。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 08:45:48.16 ID:wpQo4Djj0
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 09:01:29.05 ID:T2GnyP2/0
hじょ
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 09:03:22.92 ID:rHd1IrbUO
けいおんは生き甲斐
あずにゃんはかすがい///
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 09:15:23.90 ID:jbtGdCr+0
太陽と大地と鷲と蛇に懸けて保守
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 09:40:36.75 ID:T2GnyP2/0
ほ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 10:11:01.59 ID:wpQo4Djj0
り
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 10:23:04.51 ID:jbtGdCr+0
き
ゾロアスター教って両親が信徒じゃないと入信できなかったとおもう
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 11:18:54.81 ID:fVELE/1CO
うおおおお…ゾロアスター教に興味を持って早三年…私はこんなスレをずっと待っていた!
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 11:47:14.18 ID:ZDRhuTw9O
早く書けよカス
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 12:25:28.09 ID:BNxS7hPtO
追い付いた
ゾロアスター教はあんまり知らないから期待
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 12:27:44.86 ID:E+uPkiXe0
MAZDA
ラノベ書き志望の匂いがプンプンするぜェ……!
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 12:46:34.25 ID:BNxS7hPtO
ツァラトゥストラはかく語りき
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 12:57:56.37 ID:k7pezFWuO
ワンピース的な展開になりそうだな
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 13:33:42.71 ID:BNxS7hPtO
ほ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 13:52:42.61 ID:zP8LrVH4O
すみません、再開します。
澪は画像横にある解説文を読む。
澪「く、クロノスは…『時間』に…まつわる神で…」
澪「ゼウス…以下…主要なオリュンポス諸神…の親神…です…」
澪「ゾロアスターの…宗教のにも…比較的に後の教えですが…」
澪「時間に…まつわる…親神が…あらわれます…」
澪「『ズルワーン』と…呼ばれる…その神は…」
澪「ズルワーン…」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 13:56:22.75 ID:6DVWuswdP
ktkr
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 13:57:12.63 ID:fjNATrR9O
ややこしいな
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:02:54.78 ID:zP8LrVH4O
澪「イスカンダル…大王の東征のころには…その存在が確立されており…」
震えや恐怖はいつの間にか止み、解説文を読み下る澪。
澪「イスカンダル大王…?」
澪「検索っと…」
澪「ヤマト…沖田……違う…」
澪「アレキサンドロスV世大王…中東では『イスカンダルと』呼ばれ…」
澪「ふむ…」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:09:48.98 ID:6DVWuswdP
しえん
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:13:17.07 ID:zP8LrVH4O
澪「ズルワーン神のゾロアスター教における詳細な位置は、実際のところ、よく分かっていません。」
澪「というのは、ゾロアスター教自体がその時期や、
おそらくは場所によっても、性格を異にするからです。」
澪「原始仏教と現代日本の仏教諸派が全く異なるように…」
澪「ザラシュストラのころ、イスカンダル大王のころ、
ローマのネロ帝と同時代、そしてムハンマドと同時代とでは…」
澪「違った様相が展開されます。」
澪「さて、このズルワーン…」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:13:44.60 ID:6DVWuswdP
しえん
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:21:09.29 ID:zP8LrVH4O
澪「ズルワーンの属性として確実なのは…」
澪「原初の時間と関係しているということ…」
澪「それと…」
澪「『双子神』の親神であるといことです。」
澪「『双子神』…」
澪「アフラマズダーまたはオフルミズド、アーリマンまたはアンラ・マンユの…」
澪「親神であります…」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:22:55.41 ID:6DVWuswdP
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:23:21.38 ID:fVELE/1CO
アンラマンユたん!
現存する世界最古の一神教だっけ?
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:27:22.89 ID:6DVWuswdP
>>121 そう認識されがちだけど、実情は一神教じゃないよね
神々が複数出てくるし
アンリ・マユ
>>122 霊的存在が複数いても一つの神様を信仰するなら一神教じゃないの?
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:41:10.23 ID:zP8LrVH4O
澪「ここで、なぜ私がゴヤの絵をこのページに掲載したかのか…少し解説します…」
澪「この絵はギリシア・ローマの神話をモチーフにしていますが…」
澪「サトルヌスとクロノスはもともと、別別の神格です。」
澪「サトルヌスは、ローマと、
そしてもともとはエトルリアにおける農耕にまつわる神です。」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:46:56.85 ID:zP8LrVH4O
澪「エトルリア人はその神話のなかで、自民族の神々と
ギリシアの神々を結び付けて考えるようになりました。」
澪「ネプテューンとポセイドン、など同じように…」
澪「サトルヌスとクロノスもそうです。」
澪「さて、この絵は先ほどの通り、
ギリシア神話的にはクロノスの我が子喰い、と解釈できます。」
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:53:27.05 ID:zP8LrVH4O
澪「しかし、これを原初的な意味から考えてみると…」
澪「再生と消滅の輪です。」
澪「サトルヌスは我が子を生み、喰らい、また生み、また喰らい…そしてまた生み…」
澪「農耕のサイクル、そして何よりも、自然と宇宙のサイクルを模しています。」
澪「そして、ゾロアスター教の教えにはこれと対照的な、 そして見様によっては類似の、考え方があります。」
澪「『フラショ・クルティ』です…」
ここで秋山家の全電源と灯かりが落ちる。
一瞬にして真っ暗闇に。
澪「ヒィィィァァァ!!!」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:55:47.26 ID:b9gM0YFwO
これは興味深い
支援
宗教関係は固有名詞が多すぎて困るねw
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 14:59:27.63 ID:GP/wo07E0
澪「ヒィィィァァァ!!!」
俺「大丈夫だ。澪、俺がここにいる。」
澪「俺・・・・///」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:01:02.17 ID:zP8LrVH4O
澪ママ「ごめんごめん!」
澪ママ「冷房つけたままでホットプレートの電源入れちゃった♪」
階下から母親の声がする。
澪「プル…プル…」
澪「ママぁぁぁーー!!」
澪の頭の中には、『フラショ・クルティ』という言葉が引っ掛かかっていた。
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:05:46.10 ID:zP8LrVH4O
平沢家の居間、夕飯時
唯「モグモグ…」ペラ…
憂「…」
唯「モグ…」ペラ…
憂「…」
唯「モグ…モグ…」ペラ…
憂「おねえちゃん!!」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:17:24.91 ID:zP8LrVH4O
唯「ん〜?」ペラ…
憂「お行儀悪いよ!!」
憂「昨日だって一昨日だってその前だって…」
憂「ご飯食べてる時は食べるのに集中してっ!!」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:20:27.98 ID:zP8LrVH4O
憂(それにさ…最近ずっと…その本に構いっきりじゃない…)
結局、怒りの大もとはシス魂(こん)由来である。
唯「分かったよ〜モグモグ…」ペラ…
憂「プルプル…」
憂のボルテージが飛躍的に上昇する。
珍しいことだ。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:20:43.21 ID:fVELE/1CO
のめり込んでるな…
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:21:55.24 ID:wpGqTA4zO
拝火教スレか
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:28:03.44 ID:zP8LrVH4O
憂「おねえちゃん!!」
テーブルを思いっきり叩く憂。
その衝撃で、烏賊の塩辛を盛ってある小皿が倒れ、
中身の一部が唯のアヴェスターにかかってしまう。
唯「ああぁぁぁーーー!!?」
憂「!?」
憂「ご…ごめん…!」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:35:52.41 ID:zP8LrVH4O
開いているアヴェスターの、右側のページに、肌色の液体と烏賊の切り身が点々とつく。
唯「あ…あぅあぅ…」
憂「ご…めん…」
涙目になる憂。
小さい頃の思い出―唯のおもちゃを誤って壊してしまった―が頭をかすめる。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:37:05.45 ID:Jrl/zxp+O
アフロ=増田
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:46:50.56 ID:zP8LrVH4O
塩辛がかかったページには、文章でなく絵が描かれている。
あご髭を持つ男性が、トカゲのような竜のような、
爬虫類のような何かを踏付けている絵だ。
髭の男性は長いゆったりとしたローブを着込み、背中に光背と羽根(翅?)を有している。
爬虫類のような何かは、苦悶の表情を浮かべながら、
その目に憎悪をたたえて本の外界を睨みつけている。
憂「ごめんなさい…」
一層、シュン、とする憂。
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 15:53:00.31 ID:zP8LrVH4O
唯「…」
憂「おねえ…ちゃん…」
唯「ま…」
憂「『ま…』?」
唯「…あ、いいや。読めなくなったわけじゃないし〜」
憂「えっ…」
大雑把というか、無頓着というか、大度量というか…
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:03:27.03 ID:zP8LrVH4O
唯「ティッシュで軽く吹いて…」
唯「ぽぽいのぽいっ…と。」
憂「…怒ってない?」
唯「ぜーんぜん。『あべすた』に夢中だった私も悪いし。」
憂(よかった…)
ご存じの通り、憂がこの世でもっとも恐れるのは、愛姉に嫌われることである。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:10:09.35 ID:zP8LrVH4O
唯「一区切りだから、ご飯食べ終わったらおフロ入ろっと。」
唯「久しぶりに憂も一緒に入る?」
憂「!」
憂「うん!」
唯のアヴェスターからは、烏賊の醗酵臭とともに、
微かに、それ以外のにおいが発せられていた。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:11:28.78 ID:b9gM0YFwO
支援
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:17:40.61 ID:zP8LrVH4O
先ほどの平沢家の一件から二時間後
中野家、居間
梓父「あずさ、お母さんから氷のおかわりもらって来てくれ。」
梓「うん!」
梓の父が同年代の男性と透明な酒を飲んでいる。
この間の古本屋の店主だ。
店主「ごめん、あずさちゃん、水もお願い!」
梓「はいっ♪」
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:24:04.20 ID:zP8LrVH4O
店主「泡盛は薄めて飲みなさいよ!割ってさ!」
梓の父「先輩と違って、生(き)を味わいたいんですよ♪」
店主「肝臓にも胃にも悪いっんだよ!」
梓「はい、氷、とお水です♪」
梓は、部室や学校ではあまり見せない、人懐っこい表情を浮かべている。
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:26:57.33 ID:fVELE/1CO
支援
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:30:49.95 ID:zP8LrVH4O
店主「ありがとね、あずさちゃん!」
店主「…っと、お前は本屋一つしかないオレと違って、奥さんと梓ちゃんがいるんだから!」
梓の父「本屋一つだけって…」
梓の父「そういえば、この間も、梓の部活の…唯ちゃんだっけか、あの子に…」
梓の父「…高価な本を何冊も、タダ同然で大判振る舞いしたらしいじゃないですか?」
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:32:30.47 ID:2SeAvv7xO
一緒にお風呂ktkr
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:36:03.86 ID:zP8LrVH4O
店主「いいんだって、読みたい人間が読みたい本を読めばさ。楽器と同じさね。」
店主「それに、何千冊もあるうちの、ほんの少しだ。」
そういうと古本屋の店主は、傍らに置いてある紙袋から何冊かの古書をとりだす。
店主「あずさちゃん、これもあのお嬢ちゃんにあげてやってくれ!」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:45:54.31 ID:zP8LrVH4O
梓「!」
梓の父「はぁぁ…先輩…」
梓「小父さん!これ以上はホントに悪いですから!」
唯先輩を甘やかすと…、と続けたくなる梓。
店主「いーからいーから!」
こういうタイプの人間は、自分の気に入った相手へ
モノを贈り与えることに矜持を持っているようだ。
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 16:48:39.67 ID:fVELE/1CO
支援
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:05:41.52 ID:sWhMC4iv0
面白え。C
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:13:48.66 ID:zP8LrVH4O
店主が差し出した本は、日焼けが目立つのが二冊、真新しいのが一冊、計三冊。
梓「『ブンダヒシュン』、『ミスラ讃歌』…」
古いほう二冊の背表紙を読み上げる梓。
店主「『ブンダヒシュン』はイスラム教が今のイランを覆った時代のもんで
ゾロアスター教の創造神話が書かれてる。」
店主「『ミスラ讃歌』はミスラに捧げられた『うた』を集めたもんだよ。」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:22:31.63 ID:sDbGUkmRO
しえん
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:23:15.18 ID:fVELE/1CO
どうやらただの知識スレというわけではなさそうだな…
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:24:53.79 ID:zP8LrVH4O
真新しいほうの名前も読み上げる
梓「『アーリマン讃歌』?」
店主「それは眉唾もんだよ。イラン各地でここ最近発見された碑文や石碑を元にしてるらしいけど…」
店主「悪神アーリマンに捧げられた『うた』らしい。」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:32:01.72 ID:BNxS7hPtO
私怨
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:36:04.93 ID:zP8LrVH4O
店主「『らしい』ってのは、どうも捏造されたモノみたいなんだよな、その内容。」
店主「まあ、珍しいもんだから、一応ね!」
梓は『アーリマン讃歌』を手に取る。
見開き部分には、トカゲのような竜のような、爬虫類のような何かが
涙を流しながら、本の外界を無意思の瞳で見つめている。
次に数ページ捲ってみる。
そこはちょうど、アーリマンと腐敗の神秘について謳われた箇所だ。
面白え
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:44:44.23 ID:zP8LrVH4O
梓父「アーリマンですか…昔、大学の講義で聞いたことがありますね。」
店主「キリスト教でいう、サタンみたいなもんだ。
まあ、堕天使じゃなくて、主神アフラマズダーの兄弟神なんだが…」
店主「学者さんの弁だと、イスラム教以前のイランには
アーリマンを奉ずる一派もいたらしいんだと。」
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 17:52:29.43 ID:zP8LrVH4O
梓父「いわゆる悪魔崇拝みたいな?」
店主「今の俺らの感覚からすればな。
もっともさ、昔のイラン人の宗教感覚なんて全くわからんだろ?」
店主「なんともいえんさ。」
店主「とにかく、その本は、アーリマンを奉ずる一派が残した文書を集積したもの、」
店主「ということなってるわけ。」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:03:20.65 ID:zP8LrVH4O
梓は読め進める。
次の讃歌は、アーリマンと老いについて謳われた部分だ。
その内容は、自然の移り変わりと老いの意味について書かれている。
率直で醜悪な表現も目立つ。
はたして、これも唯に渡していいものか、と梓は考えてしまう。
ダレイオス一世ww
フィリッポス二世ww
イスラームwww
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:07:20.69 ID:zP8LrVH4O
店主「おっと、もうすぐ日が替わりそうじゃないか。」
店主「そろそろ、お暇するわ。」
梓父「せっかくだから泊まっていって下さいよ!」
店主「いいっていいって!」
店主「あ、あずさちゃん、その本お願いね。」
そして、また、平沢家。
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:13:15.83 ID:zP8LrVH4O
唯は夢を見ている。
これは唯本人にも分かっている。
まわりは全くの真っ白。
色がない。
そして目の前には、七色に輝く竜のような、大きな生き物が、
長い首をもたげて、大きな、少し細長い目で、唯を見つめている。
唯はパシャマを来たまま、正面の竜と向き合っている。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:13:35.59 ID:fVELE/1CO
支援
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:21:46.86 ID:zP8LrVH4O
竜のような生き物は、長い首と、少し寸胴な胴体を持ち、
視界の端にはヒョロッとした、長い尾がある。
瞳の色は、その輝きのため窺い知れない。
竜の胴体はぷっくりと膨れて、まるで臨月間近の妊婦のよう。
そして竜の傍らには、光りを放つ人型があった。
背中に羽根(翅?)のようなものを生やして、
ローブのような物を羽織っている、ように見える。
あまりにも発する輝きが強く眩しく、それ以上は判別できない。
『わたしは…』
竜が突然、声をあげる。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:23:44.50 ID:2SeAvv7xO
憂ちゃんの風呂シーンはどうした
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:25:44.45 ID:zP8LrVH4O
『ズルワン。』
『供物、いたみいる。』
竜は長い首を、一層、唯に近付ける。
輝く人型のほうは黙ったまま。しかし、視線は感じる。
『これは、我が子。』
竜は、輝く人型を、我が子、といった。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:28:15.59 ID:Yw0hVWvJ0
風呂シーンどこいった
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:28:21.10 ID:zP8LrVH4O
『さて、ユイ。』
『お前は何を望む?』
『なんなりと言え。』
竜は唯に問う。
唯は答えない。
かわりに、輝く人型へ顔を向ける。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:33:44.87 ID:fVELE/1CO
わっふるわっふる
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:34:11.38 ID:zP8LrVH4O
唯は、人型を指さす。
そして呟いた。
唯『ドゥルジ。』
ドゥルジ(虚偽)と。
その瞬間、まわりの白が解け始める。
白はどんどん溶けて黒が現れる。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:40:31.54 ID:fVELE/1CO
唯すげえwww
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:43:33.03 ID:BNxS7hPtO
これは良作の予感
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:48:25.26 ID:zP8LrVH4O
全くの暗闇になる。
『戯れだ。』
竜はそう発した。
大変低く、不快なほど湿って響き渡るようは声。
その瞬間に竜の体が腐り始める。
膨れていた胎(はら)も無くなっている。
高速度写真の映像を見ているようだ。
骨と腐肉にまみれると、竜は朽ちるのを止めた。いや、今でもゆっくりと朽ちているのだ。
時折どす黒い血だまりを作って、腐肉が崩れ落ちる。
暗闇でよく見えないはずなのに?
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 18:59:51.88 ID:KNYSOzOg0
ドルジに見えたorz
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:06:28.10 ID:zP8LrVH4O
唯『デーウァの君。』
『いかにも。ダエーワを統べている。…いや、デーウァを統べている。』
『お前の言葉に則ろう。』
竜は瞳の無くなった、ぽっかりと穴の空いた目で、唯に頭を近付け、唯を見つめる。
竜が近付くほど、その腐臭は強くなる。
唯は少し顔をしかめる。
そのとき、耳に酷く障る哄笑が響き渡った。
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:14:42.06 ID:LDOeuTJE0
唯かっこよす
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:19:45.98 ID:zP8LrVH4O
ドゥルジと呼ばれた人型が笑い声をあげているのだ。
すでに光りを失っており、のっぺりとした白色をしている。
本当に大きな紙で作った人型のようだ。
唯が人型のほうに視線を向けると、哄笑は一層大きくなり。人型の形が歪む。
そしてその刹那、見るもおぞましい人型の生き物に姿を変えた。
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:20:07.33 ID:fVELE/1CO
ゾロアスター大好きしえんぬ
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:22:31.76 ID:bZDMSmX/O
アーリマンって、アフラ・マズダーがつくった人間の出来の良さにショックうけて
思いっきり落ち込んだときに自分の女に慰めてもらったってマジ?
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:22:46.67 ID:rm4gGJR70
勉強スレかと思ってたが何これこわい
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:24:45.78 ID:zP8LrVH4O
大きさは小学校低学年の児童ぐらい。
そのかたちは、一言でいえば、単眼症の赤ん坊が成長したような、
そんなかたちをしている。
ゆえに、顔の真ん中には大きな一つ目と、その下にほんのわずかの鼻、裂けた口。
その口内から笑い声が聞こえてくる。
腕は二本だが足は一本。
体色は気持ちの悪いほど血の気の全くない白。死人のそれだ。
メソポタミア神話のフンババにも似ている。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:25:54.96 ID:ZDRhuTw9O
またいつものような10もいかないネタスレかと思ってたのにwwwwwwwwwwwwwwww
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:31:18.09 ID:LDOeuTJE0
(からかさお化けの+一つ目小僧)÷2
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:39:12.23 ID:magrOYqP0
スレタイで吹いた
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:40:23.39 ID:zP8LrVH4O
『我が子だ。』
朽ちつつある竜、アーリマンはかしらを人型に向けて、そう言う。
唯『あむしゃすぷんたと争う六柱の君の一柱、ドゥルジ。嘘を統べる君。』
ドゥルジ『フフ…ハハ…いかーにもっフフフ…フハッ…フッハハハハハハハ!!』
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:47:55.61 ID:zP8LrVH4O
一つ目の人型が声を発する。
男子児童の声とも、女子児童の声とも、甲高い老人の声ともとれる、不快な音だ。
ドゥルジが声を発し終えたあと、
アーリマンのまわりの暗闇から五つの物体があらわれる。
あるものは爬虫類と人が融合したかたちをし、地を這い、
あるものはどす黒い血塗れの肉塊として空中に浮かんでいる。
あるものは…
そのような醜悪なかたちをした物体が五柱、ドゥルジと合わせて六柱。
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:50:04.48 ID:6F2juj8tO
フレディーはゾロアスター教徒だっけ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:54:52.02 ID:58dUKK5xO
なんかすごい引き込まれる
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 19:58:12.84 ID:zP8LrVH4O
『我が子たちだ。』
竜はそういう。
『わたしは、ユイ、お前が気に入った。』
ドゥルジ『うそだうそっ!ヒヒッ…ヒーヒッヒハハハハ!!』
おぞましい笑みを浮かべた後、ドゥルジは口を挟む。
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:02:08.04 ID:23gOLNVh0
しえん
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:02:48.56 ID:zP8LrVH4O
アーリマンは続ける。
『お前は麗しい。身も心も。』
アーリマンがそう言った後、突然、先ほどの肉塊のような物体から声が発せられる。
『げに…眩しい…げに…ウォフと争うた…時のよう…』
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:07:49.09 ID:zP8LrVH4O
唯『アカ・マナフ、あむしゃすぷんたが一柱ウォフ・マナフと争う、悪思を統べる君。』
唯は肉塊を指して、そう言う。
アカ・マナフ『いかにも。』
肉塊は答える。
アカ・マナフ『ダエーワの主よ、眩しいからこそ…染め甲斐があるというもの。』
『その通り。』
アーリマンは答える。
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:08:26.60 ID:LDOeuTJE0
アーリマンは唯派
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:12:11.69 ID:zP8LrVH4O
『ユイ、お前は麗しい。』
『ゆえにだ、わたしは悲しみ、また喜ぶ。』
そういうと、アーリマンは突然涙を流し始める。腐敗液と涙の混じったものが滴りおちる。
『麗しきものが老い、また朽ちるのは、わたしの喜びであり、悲しみなのだ。』
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:19:28.81 ID:zP8LrVH4O
アーリマンは言う。
『これからはお前は…』
『些細なことで、お前と同じイマの末どもと争い…』
『男と契りその子を孕み…』
『より多く、またイマの末どもと争う…』
『最後の一息をはきだすその日までだ。』
そのとき、アーリマンの右側を這う、爬虫類と人型が混ざった物体が口を挟む。
『失うべくされた幸福を追ってなんになろうか?』
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:22:45.00 ID:fjNATrR9O
なにこのスレすごい
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:23:29.94 ID:fVELE/1CO
アムシャ・スプンタは真実だったか
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:29:31.72 ID:zP8LrVH4O
すると、爬虫類と人型の物体から別の声が発せられる。
『熱いぞ…苦しみとは灼熱の炎で炙られるよう。』
爬虫類の部分から突然、亀のような頭が現れ、そう口を挟む。
爬虫類と人型が混じったような物体は、
実際は二柱のダエーワが共生している姿だったのだ。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:32:24.67 ID:F7h8sdQCO
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:34:32.11 ID:zP8LrVH4O
唯は人型のほうを指して、
『ザリチュ、渇きを司る君。』
ザリチュ『いかにも。』
続いて爬虫類のほうを指して、
『タルウィ、熱を司る君。』
タルウィ『いかにも。』
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:35:41.86 ID:b9gM0YFwO
すげぇな唯
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:39:42.63 ID:f+BqS/v5O
隠れゾロアスターの俺歓喜
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:45:48.06 ID:fVELE/1CO
悪側がメインか…
なんともマニアックな層を狙ったな。
俺的には大変素晴らしいスレですがね
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:48:30.56 ID:zP8LrVH4O
『もう一度言おう。』
アーリマンが再び話し始める。
『ユイ、わたしは、お前が気に入った。』
『今の世はグメーズィシュン(混合)の世。』
唯『めーのーぐ(精神、天上)、と…げーてーぐ(物質、地上)…の?』
『いかにも。』
ゾロアスター教徒ってまだいるんだよな
インド辺りに
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:52:13.40 ID:zP8LrVH4O
『かつて、わたしのみで…世界を統べていた日々が懐かしい。』
『だが今は、我が〈はらから〉と勢を分けている。』
唯『アフラの王と?』
『いかにも。』
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:56:54.59 ID:fVELE/1CO
あんらまんゆたんは好きだが息子の害虫ヤローは嫌いだ。
Gこわい
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:57:24.55 ID:zP8LrVH4O
『しかし、混合の世のほうがより麗しい。』
『お前は、マズダーか私かを選ぶ自由がある。』
『両方ともを選ぶ自由もある。我が〈はらから〉は承知しないだろうが。』
『また、私とマズダーとも拒絶する路もある。』
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:59:42.39 ID:0LVEFLT+O
バールのようなものしかしらんな・・・マイナーすぎ
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:02:53.11 ID:zP8LrVH4O
そう言うと、アーリマンは口をつぐんだ。
唯は何も答えない。
アーリマンは数回瞬きをした後、その細く、極めて長い尾を弛ませた。
そして竜は、尾を唯のからだへ、ゆっくりと伸ばす。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:03:31.43 ID:HR0WF5/w0
パンツ脱いだ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:08:02.32 ID:bZDMSmX/O
まだ早い
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:08:14.47 ID:zP8LrVH4O
唯の体のまわりを螺旋状に、竜の尾が絡み付く。
唯は無表情のまま動かない。
絡み付いた尾が、また弛んだ後、一気に緊張し、唯の体に直接触れる。
唯の体に尾が触れた瞬間、唯の身に着けているものは、全て消滅してしまう。
全裸になっても、唯は表情を変えない。
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:09:13.12 ID:otwXgDQI0
早くして風邪ひいちゃう
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:11:40.14 ID:fVELE/1CO
俺いつの日か必ず
ゾロアスター教をモチーフにしたギャルゲか
登場人物全員ニャルラトテップなギャルゲかを作るよ。
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:15:54.45 ID:kv8UuG4fO
いあいあはすたあ
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:16:04.41 ID:zP8LrVH4O
形の良い小振りな胸を、
胸にある二つの印を、
小さく可愛らしいへそを、
女性器の入り口の上にある小丘を、
適度に張り出した尻を、
竜の尾が這う。
『麗しい。』
アーリマンは目を細める。
赤黒く腐り、所所骨の見える尾と、血色の良く張りのある唯の体は、
まことに対照的。
どうでもいいけどこの腐った変態を取り締まる神様はいないの?
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:23:13.18 ID:zP8LrVH4O
その時である。突然、唯の体に、暗く影のような人型がまとわりつく。
舌や男性器のようなものが、人型から無数に伸び始める。
その中の一つは、唯の女性器の入り口に、その先をあてがい、そして、一瞬弛む。
唯は表情を変えない。
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:23:53.39 ID:BNxS7hPtO
これはいい
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:27:52.26 ID:zP8LrVH4O
『ひかえよ。』
アーリマンが感情を込めぬ声で言う。
アーリマンの声に反応して、人型はすぐさま唯の体から離れ、
空中で球形のかたちをとる。
唯はその球を指して言う。
『サウルウァ、酩酊を司る君。』
サウルウァ『いかにも。くちおしや…』
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:32:36.92 ID:2SeAvv7xO
どういう結末になるか気になる
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:39:11.86 ID:zP8LrVH4O
アーリマンはまた数回瞬きをすると、ゆっくりとその尾を唯の体から取り払い、
みずからの背後に控えさせた。
それとともに、唯は再び下着とパジャマに包まれる。
『ユイよ、わたしはお前が気に入った。』
アーリマンは、もう何度目かの、その言葉を繰り返す。
『決するのはいつでもよい。
サオシュヤントが我が体を、まさに傷つけんとする、その時でも構わぬ。』
パチッ…
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:45:05.10 ID:zP8LrVH4O
『ユイよ、わたしはお前が気に入っている。』
『弦を奏で、歌を謳ってくれ。』
『わたしのために。』
パチパチッ…
ベッドの上で瞬きをする唯。
唯「ゆめ、だった…の?」
唯「デーウァ…ううん、ダエーワの主が…」
ベッドから上半身を起す唯。
クトゥルフ?
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:48:55.17 ID:xYUhJUUoO
支援
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:50:46.90 ID:9BN6nZPcO
興味深い……
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:50:51.31 ID:zP8LrVH4O
枕元を見る唯。
アヴェスターが無造作に開かれている。
塩辛をこぼしてしまったあのページだ。
翅を有する人物が竜を、アフラマズダーがアーリマンを踏み付けている絵である。
夢に出てきたアーリマンは、絵のそれと非常に似ているが、
全く同一というわけでもない。
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:58:37.92 ID:zP8LrVH4O
唯「なんなんだろ…」
唯「ダエーワの主、ホントに哀しそうな表情してた…」
穴の空いた目を持つ、アーリマンの顔を思いだす。
唯「…」
唯「とりあえずもう一眠り♪」
唯はまた、眠りにつく。
唯は先ほどの絵が微かに変わっていたことには気付かなかった。
アーリマンの目から涙が流れていることに。
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:59:12.39 ID:BNxS7hPtO
まだまだ序盤かな?
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:04:20.64 ID:zP8LrVH4O
翌日 軽音部部室
唯「zzz…」
律「あちぃ…」パタパタ…
梓「イライラ…」
澪「はぁ…」
紬「ボケーッ」
ちょっと休憩します。
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:04:49.75 ID:BNxS7hPtO
乙
待ってるよ
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:05:12.48 ID:/YjWYQi+O
面白いな
律が悪魔払い(エビルススレイヤー)としてみんなを助けるんだよな?
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:05:22.02 ID:8Y63n9YpO
なんという博識なスレ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:22:24.66 ID:BNxS7hPtO
ほしゅ
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:31:41.55 ID:jHC6o+OwO
実に興味深い
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:37:50.84 ID:ZavV4gym0
ゾロアスター大好きな俺歓喜
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:51:37.66 ID:zP8LrVH4O
再開します。
明日も休みをとってあるので、少し投下スピードを落として。
梓「唯先輩!律先輩!それに…ムギ先輩までっ!!」
唯「ふぁっ…」
律「へ?」
紬「ボケー」
澪「ハァ…」
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:52:49.38 ID:BNxS7hPtO
待ってたよ
私怨
メガテンにアンリ・マンユって出てたよね?
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:53:41.67 ID:BNxS7hPtO
うん
メガテンは色んな神話や宗教から名前取ってるね
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:54:11.99 ID:k7pezFWuO
カタカナの固有名詞と実在の宗教を使えば、
ただ怪物と戦う陳腐な物語も面白く、崇高に見えてしまう。
ダ・ヴィンチコードを面白く感じるのと同じ理屈。
ただ、
>>217みたいなのをもっと読みたいので支援
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:56:50.28 ID:zP8LrVH4O
梓「あーいったい何度目に…もうすぐ合宿も…」
唯「あっ練習か!」
唯「やろうやろう!」
梓「えっと…」
唯「練習するんでしょ?やろうよぉ♪」
澪(天然の王道だな…)
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:03:45.68 ID:zP8LrVH4O
ぎゅぎゃいいーーーん♪
唯「うん!ギー太も絶好調だね!」
律「かぁ〜…。気合い入れますか〜!」
梓(さっきのでモチベーション下がっちゃった…)
澪「よし!じゃあ…」
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:04:52.41 ID:BNxS7hPtO
私怨
メガテンがものすごいゲームだと再確認した
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:06:34.42 ID:dw9YJ7OvO
また10いかないうちに終わると思ってたらいつのまにか追い付いた
まさか拝火教スレとはな
うちの担任にゾロアスター教の友達がいるらしいんだが何者だよ
うちの担任は・・・・・・・・・・
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:13:43.30 ID:zP8LrVH4O
澪「…」
紬「ボケー」
澪「むぎぃ…」
紬「ハッ…」
紬「ご、ごめんなさい…」
澪「お前まで…ほんとに…」
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:16:52.15 ID:eSrKBZ2DO
ゾアメルグスターがどうしたって?
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:20:35.03 ID:LDOeuTJE0
>>251 すごいのか冒涜的で陳腐なものなのか分かりかねる。エヴァも同様。
久々にクトゥルフ物を書きたくなった
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:37:29.24 ID:BNxS7hPtO
しえんだ
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:39:28.52 ID:zP8LrVH4O
唯「じゃあ…いっくよー!」
律「おう!」
澪「ふぅ…」
梓「よし…」
紬「…」
唯「すぅ…はぁ…」
唯(…)
唯(ダエーワの主に。)
唯「ギー太に首ったけ!」
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:46:55.37 ID:Ogn21uw20
面白い
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:54:01.98 ID:zP8LrVH4O
軽音部部室前の廊下
さわ子「あの子たち、練習してるみたいですわ。」
校長「…」
桜高の校長は無口な男だ。細長い面立ちに眼鏡、頭髪は白髪。
けれど、その口端はわずかに緩んでいる。
小市民や善人といった言葉がよく似合う男だ。
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 23:55:44.15 ID:BNxS7hPtO
私怨
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:05:05.60 ID:AcD75HslO
校長「わしとセクシーコマンドーをやらんか?」
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:06:09.91 ID:dPmrheO3O
支援のような保守
保守のような支援
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:09:48.07 ID:z51nta+UO
さわ子「校長先生が見学なされるのなら、あの子たちも、今以上に熱が入りますよ。」
校長「…」
校長の口端はさらに緩む。
さわ子「ん、あら?」
さわ子は聞こえてくるメインギターと歌声に違和感を覚える。
おかしなビブラートがかかっている。
耳が良い、音楽をよく知った人間が集中しなければ、気付かないだろう。
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:11:00.55 ID:w1JgBYoE0
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:17:59.01 ID:voanjTkCO
ほっしゅねる
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:18:13.72 ID:fyBJCGMcO
厨二の一言では片付けられないスレだな
こんなに心惹かれるSSは初めてだ
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:18:57.12 ID:x3VM7DGQP
宗教研究は面白いからねぇ
信仰しようとまでは思わんけどw
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:26:29.02 ID:z51nta+UO
微かに調和を乱すようなビブラート。
さわ子(f分の…あの揺らぎでは…ないわね…)
調和が崩れるわけではない。
さわ子(良い気分、少しずつ気分が高揚するわ…)
このわずかな乱れは、聞くものを惹き付ける。
アルコールや好きな菓子を『もうちょっとだけ…』、と欲求に負けて摘まんでしまう。
そんな感じだ、後をひくような。
校長(あずにゃんハァハァ……)
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:30:16.96 ID:x3VM7DGQP
支援
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:37:11.37 ID:z51nta+UO
校長「…」
よく見ると、校長の後ろ手の指が、楽曲にあわせて小刻みにうごいている。
さわ子(校長先生も楽しんでらっしゃる…)
さわ子(唯ちゃんて、やっぱり天才肌なのかしら?)
さわ子はそれ以上考えなかった。
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:39:36.50 ID:t+ca4AL+0
しえーん
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:42:33.84 ID:5NfS0oj60
俺もそれ以上考えなかった
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:51:17.28 ID:x3VM7DGQP
しえん
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:52:41.80 ID:K8ZFbYMC0
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 00:53:39.47 ID:z51nta+UO
ぎゅぎゅーー…ジャン!
唯「よぉっし♪」
梓(すごく…良かった…!)
澪「なんか…軽音部史上で一番良い出来だよ!」
律「…」
律は何もしゃべらず、潤んだ瞳で仲間たちを見やっている。
気分が高まっているのが傍目にもわかる。
紬(…)
紬は静かだった。
しえん
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:09:04.05 ID:DQaQR2SnO
しえんするよ
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:11:55.60 ID:z51nta+UO
紬も、あの高揚感に触れたが、流されることはなかった。
高揚感とともに、体中を小さな虫が這うような、嫌な疼きを覚えたのだ。
その疼きに意識を集中すると、高揚感は全く無くなった。
同時に疼きも無くなった。
紬(どういう…こと?)
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:12:36.88 ID:x3VM7DGQP
しえん
ムギちゃんは敵側といっていいかわからんが対立してるサイドなんだな
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:23:27.73 ID:vrbMHZpVO
支援
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:33:01.39 ID:0+X+dh++O
VIPもまだまだ捨てたもんじゃないな
支援
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:35:25.58 ID:z51nta+UO
さわ子「お邪魔するわよっ!」
唯「あー!さわちゃん!」
校長「…」
唯「…と校長先生!?」
一瞬部室の空気が緊張する。温厚なオジさんだとて、校長は校長だ。
校長は無言で唯に近付くと、両手を優しく唯の両肩に乗せ、
ゆっくりと何度も頷きかける。目の端には、じんわりと涙が滲んでいる。
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:52:46.16 ID:x3VM7DGQP
sien
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 01:54:45.46 ID:z51nta+UO
さわ子「すっごくうまかったわよ!!」
さわ子も幾分、興奮気味だ。
梓「やればできるんですよ!先輩たちは!!」
梓は唯たちに向かって、かなり失礼な言葉を口走る。
梓(軽音部に入って良かった♪)
しえn
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:12:34.42 ID:z51nta+UO
律「う〜…よいしょっと!」
律は気持ち良さそうに、伸び、をしている。
紬「…」
澪「ムギ?」
澪が紬の様子に気付く。
澪「どうしたんだ?考え事か?」
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:21:33.88 ID:x3VM7DGQP
sien
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:23:27.09 ID:z51nta+UO
澪「どうしたんだ?考え事か?」
紬「えっと…」
紬はどう答えてよいか躊躇し、適当な話題で誤魔化した。
紬「一週間後、合宿でしょ、その事をね…」
律「合宿か〜!聡も喜んでたぞ!みんなと一緒に行けるから!」
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:24:38.41 ID:5NfS0oj60
事件フラグか
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:27:04.27 ID:zGXhXb+xO
なぜ聡も?
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:31:41.41 ID:z51nta+UO
唯「憂も和ちゃんも楽しみにしてるよ!」
唯も話題に加わる。
紬は、憂、和、聡を誘ったことを思いだした。
紬「あんまり期待しないでね…」
紬は、校長が誘って欲しげに視線を向けてくるのが分かったが、
敢えて気にしないことにした。
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:44:02.51 ID:z51nta+UO
澪「で、今回はどこの別荘になるんだ?」
紬は、まだ行き先を決めていなかった。
合宿やお泊まりの場所で、琴吹家の別荘を借りる際には、
行き先の最終的な選定を紬に委ねることが恒例となっている。
先日、久しぶりに先祖の墳墓に参ったことを思いだす。
あの辺りの、のどかで、そして好奇心をくすぐる風景と文物。
紬「奈良の…明日香村よ。」
紬は、そう答えた。
なんだろうこのスレは・・・
不思議なスレだ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:48:56.79 ID:z51nta+UO
さわ子「へぇ…それはまた…情緒あふれるような…おいしい地酒が…ジュルリ」
律(校長センセの前で、よくそんなこと口走れるよな…
)
梓「先輩!先生!合宿はですね…」
一方で、唯達の様子を伺っている『眼』があった。
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 02:59:21.84 ID:z51nta+UO
ギー太が光を反射すると、その『眼』はギー太のボディに、ほんの一瞬移り込む。
あまりにも短い時間なため、人間の視力で捉えることは出来ないだろう。
文字通り、眼だけであった。
ギー太を仮宿としているようだ。
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:01:03.56 ID:z51nta+UO
×移り込む
○映り込む。
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:01:13.93 ID:5NfS0oj60
その目、誰の目?
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:03:01.75 ID:x3VM7DGQP
寝る前にラスト支援
明日まで残ってますように
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:11:27.62 ID:z51nta+UO
対ではなく、一つだけ。
けれど唯が、この『眼』を見ることができたとしたら、思いだすかもしれない。
なぜならこの『眼』は、あの夢の中、朽ちつつある竜、アーリマンの背後で
一部始終を見ていた『眼』なのだから。
明日香村ってガメラ3でイリスが居たとこだけどなんか関係あんの?
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:25:21.83 ID:z51nta+UO
合宿の前日
奈良県某市 琴吹家傘下の博物館
紬は、合宿の準備があるからと、唯達と別に、一足先に奈良に入っていた。
この博物館を訪れるためである。
館長「紬お嬢さん、いらっしゃいませ。」
入り口の手前で、館長が紬に慇懃に頭を下げる。側の学芸員や事務員もそれに倣う。
紬も深々と頭を下げる。
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:39:08.79 ID:z51nta+UO
紬と斉藤は館内に入る。
紬「それで館長さん、お願いしておいた…」
館長「はい、こちらです。」
展示室内を通り抜けて、一行は作業所のような場所に入る。
作業所の中は、幾つかの長机と椅子、用途不明の器材がおいてある。
館長は一番奥の長机の端に、紬たちを案内する。
>>269 >>280 このあたりが、このスレ自体に対する表現にぴったり!のような気が
まさか
>>1、お前・・・
うん、ただの気のせいだな
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:51:19.56 ID:5NfS0oj60
読みやすいし面白いな
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 03:53:13.47 ID:z51nta+UO
長机の上には30cm四方、高さ10cmぐらいの箱が置かれている。
館長は白手とマスクをつける。
年配の女性事務員が紬と斉藤にも同じものを手渡す。
館長は箱の蓋を取り去る。
中にもびっしりと和紙が詰められていた。
館長は、和紙も取り去る。
すると、布で包まれた何かが現れる。
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:05:09.36 ID:I40b8dSHO
C
布を取ると何かを包んだ和紙が、ってことですか?
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:09:20.67 ID:z51nta+UO
館長は布をゆっくりと回転させるように剥いでいく。
段々と中身が見えてくる。
布に包まれていたのは『錠(じょう)』であった。
縦十五cm横三cmほどの細長いものである。
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:13:06.36 ID:z51nta+UO
>>312 説明下手ですいません。
箱の中には、和紙がびっちりと詰められていて、
その中に布で覆われた錠が入っていたということです。
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:32:29.91 ID:z51nta+UO
うっすらと黒がかった銅色で鈍い光沢がある。おそらく青銅製だろう。
斉藤は紬を見やる。
紬は驚きで目を見開いている。
錠の胴体の部分が、左右に翅を有する円を象ったものだったからだ。
アフラマズダーの翅とほとんど同じ形。
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:44:23.90 ID:z51nta+UO
館長「電話で説明させて頂いたとおり、
この錠はアフラマズダーのシンボルとほぼ同じ形です。」
紬「真ん中の円のようなものは?」
館長「日輪を具象化したものです。」
斉藤「すみません…」
斉藤が館長に質問する。
斉藤「錠であれば、鍵とセットになっているのでは…?」
館長「そのはずですが…」
館長「残念なことに、鍵については、どうであったか…
全く由来が伝わっていないのです。」
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:53:49.55 ID:z51nta+UO
紬は祖先の墓から帰ったあとも、あの標と半円の石造物が気になって仕方なかった。
そのため父親の許しを得て、琴吹家由来の文物を保管してもいる、
この博物館に問合せを行ったのだ。
翅を有する標を持つ、もしくはケン教由来の文物がないかと。
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 04:59:55.62 ID:z51nta+UO
紬「この『錠』は…どういった由来のものなのですか?」
館長「ササン朝ペルシア、をご存じでしょうか?」
紬は世界史の授業を思いだす。
紬(パルティアを滅ぼして建国した、ペルシア人の国で、
大化の改新と同じぐらいの時に、イスラム勢力に滅ぼされた…)
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:03:56.53 ID:z51nta+UO
紬「はい、世界史の授業レベルですけれど…」
館長「十分です。」
館長「その錠は、ササン朝の大王専用の祠堂を閉じていたもの…」
館長「…という由来で伝わっているものです。」
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:12:36.55 ID:z51nta+UO
斉藤「大王専用の祠堂?」
館長「大王がアフラマズダーに祈りを捧げる場所です。」
館長「詳しく話しますと…」
館長「ササン朝最後の大王は、イスラム勢力との戦いの最中、殺されてしまいます。」
館長「そして、大王の祠堂は、ムスリム達によって破壊されてしまいました。」
館長「ただ、最後の大王の王子の一人がなんとか生き延びまして…」
館長「その王子は、中国、当時は唐朝です、に亡命しました。」
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:14:49.59 ID:5NfS0oj60
中国では日常茶飯事だな
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:17:51.94 ID:fyBJCGMcO
話がどんどん壮大になっていくw
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:21:49.13 ID:z51nta+UO
館長「その王子が唐に逃げた際に、保有していたもの、だそうです。」
館長「なぜ祠堂の錠を唐にまで持っていったか…。その理由は、全く分かりません。」
館長「錠にまつわる意味についてもです。」
紬「なぜそれが琴吹家に?」
館長「琴吹家に渡ったルートについても、伝わっておりません。」
館長「何より、この錠が本物の祠堂の錠なのかすら…」
館長「第一、最低1400年を経ているわりには、全く錆が出ていないのですから…。」
錠は鈍く輝いており、確かに年月を感じさせない。
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:31:41.79 ID:3l8lcGwiO
はっ寝てた支援しなくては
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:33:33.40 ID:z51nta+UO
紬と斉藤は作業所を出ると、展示室内の見学をはじめた。
紬は真っ先に『烏飼の臣』の墳墓のコーナーに向かう。
そこでは、墳墓の壁画の、レプリカが展示されていた。
レプリカには、左上のほうに太陽のようなもの浮かび、黒い鳥が数多く飛び回っている。
右下には盃のようなものが描かれており、
その上には、貴人と思われる人物が寝かされている。
黒い鳥は、とくに『太陽』の周辺と、『盃』の周辺を飛び回っている。
すいません寝ます。
残ってたら続き書きます。
おやすみなさい。
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:41:54.18 ID:3l8lcGwiO
乙、
ゆっくり休んで英気を養ってくれい。
ゾロアスターだーいすき。
でもなかなかゾロアスターに関するいい文献が見つかんなくて
やさぐれた俺はクトゥルフに走っちまったんだよな…
ニャル様かあんらまんゆたんを選べだなんて酷ですわ
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 05:47:06.02 ID:5NfS0oj60
乙
落とさせません書くまでは
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 06:59:56.75 ID:GyompBclO
ほしゅ
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 07:24:34.06 ID:voanjTkCO
ほっしゅ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 07:24:53.49 ID:DQaQR2SnO
ほ
0630から少しだけと思って読んでたらいつのまにかこんな時間な・・・・・・・・・・
何かあるな・・・・・このスレ・・・・・
文字が力を持ってる・・・・・
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 07:49:51.22 ID:bQ6gYd9qO
ほ
ちょっと俺も古書店で本探してみるかな
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 08:17:07.13 ID:voanjTkCO
>>334 止めとけ、出られなくなる。
図書館行け
>>335 まじか。 じゃあ図書館にしよう…
でもそんなこと言われると気になっちゃう…
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 08:41:14.39 ID:ubVN2/MzO
古本屋に行った
>>334はこのssの唯みたいになるんですね
アリフマソ
>>334 何の本を読みたいのか自覚してないとここの唯以上に悲惨なことになる
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 09:00:12.19 ID:c4/1WfhU0
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 09:31:55.51 ID:bQ6gYd9qO
ほす
さて三田で4限の俺は今から優雅に勉強するか
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 10:12:07.54 ID:lv0yrg4JO
KO乙
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 10:14:28.00 ID:fr5twJMeO
高橋克彦の小説みたいだw
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 10:32:45.34 ID:lv0yrg4JO
ほ
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 10:48:33.60 ID:voanjTkCO
職種物を期待保守
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:09:56.04 ID:lv0yrg4JO
し
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:14:52.52 ID:0+X+dh++O
古本屋で出逢った印象深い本と言えば俺はネクロノミコンだな
日本語のやつで今画像うpしようと思ったけど見当たらん、写真撮ってあったと思ったんだけど
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:35:52.41 ID:puVK+x3p0
ゅ
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:45:24.39 ID:z51nta+UO
再開します。
盃のような台座の上に横たわり、貴人は目を閉じている…と思われる。
壁画の古人の顔は典型的なオカメ顔で、
目が細く閉じているのか開いているのか判別が難しい。
(この人物自体は、男性であるはず。)
紬「似ていないわね…」
紬は呟いた。それはそうである。1400年前の先祖だ。
おそらく紬から数えて六十代は軽く溯るだろう。
血の繋がりがあるかどうかすら、かなり疑わしい。
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:45:28.73 ID:Y1n5vr5b0
昔にもあったよね
今更
>>1はなにやってるの?
コピー&テイストだけ?(笑)
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:46:23.53 ID:lv0yrg4JO
きたこれ
支援
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:54:15.20 ID:z51nta+UO
しかし、紬が気になったのは先祖と思うれる男性よりも、
そのまわりに群がる黒色の鳥である。
鳥たちの『動き』が躍動感を持っているのだ。全く、ヤマト的でない。
館長「鳥葬を描いたものに…見えないこともないですね。」
館長が後ろから声をかける。
館長「私は、その説に反対しますが…」
とも、続けた。
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:57:04.93 ID:lv0yrg4JO
し
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 11:58:18.40 ID:voanjTkCO
え
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:07:17.40 ID:z51nta+UO
館長「墳墓の壁画に、このような絵が描かれたということは、もちろん異例中の異例です…」
館長「いわゆる『猿石』と同種の躍動感があるのも確かです。」
館長「しかし、日本にはヤタガラスや、ヤマトタケルと白鳥のように、」
館長「鳥にまつわる神話もあり、というか世界中にあって、その機能も似通っています。」
館長「これはごく当然な話です。」
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:13:45.66 ID:lv0yrg4JO
ん
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:17:20.24 ID:z51nta+UO
館長「イラン高原周辺の諸民族の伝統と日本のそれとに、
直接的な関係を認めようとすりのは、まことに危険な話です。」
館長「ただし、当時の国際的な交流、という点は重んじてみても良いかもしれません。
その刺激の中での試みか、もしくは渡来人の手によるものとして解釈するという…」
館長はそこまで続けると、ふと、あることに思い至った。
壁画を照らす橙灯に照らされて、紬の髪は緩く輝いている。
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:20:03.06 ID:lv0yrg4JO
シエラレオネ
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:32:02.89 ID:z51nta+UO
紬の髪は日本人にはまず存在しえないほどに、
明るい色をしている。
そして同じく、濃く太い眉毛。
館長は、もちろん、紬の父や、そして祖父の顔も見知っている。
二人とも紬によく似た髪質と眉。
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:32:37.08 ID:x3VM7DGQP
眉毛の伏線が
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:38:12.18 ID:/eofPe5t0
なるよ!
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:45:19.24 ID:z51nta+UO
狂った二人の男、一人は哲学者、もう一人は政治家、の言葉を思いだす。
『金毛種族たるアーリヤ人!』
そこまで考えて、館長は自分の先走った直感に嫌気を覚える。
イラン高原、のみならず中近東の民族構成は、ここ数千年めまぐるしく動いてきた。
仮にコーカサス、もしくは黒海周辺に住んでいた金髪長身の種族が、
イラン高原に移動してきたとして、
それからササン朝が滅びるまでに、どれほど他民族との融合や混交があったのだろう。
館長はそれ以上考えないことにした。
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:51:25.61 ID:z51nta+UO
そう、ペルシア人が七世紀の日本に渡来し、我が国に子孫を残し、
しかもその子孫が先祖の身体的特徴を、現在まで保っているということに。
館長は再び紬に話しかける。
館長「紬お嬢さんは、鳥葬にも興味が終わりですか?」
紬は答える。
紬「興味は…ありますね。」
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:53:56.82 ID:z51nta+UO
×興味が終わりですか
○興味がおありですか?
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:54:10.92 ID:x3VM7DGQP
sien
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:56:17.04 ID:3l8lcGwiO
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 12:57:28.03 ID:iImI6dZiO
ただの奇形だろ
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:09:49.18 ID:z51nta+UO
館長「まず、鳥葬を発明した人々がゎどのよう者たちだったかについては分かっておりません。」
館長「けれで、メディア人、と呼ばれる、アーリヤ人の一種族で、
古代ペルシア人と非常に近しい関係にある民族。」
館長「少なくとも紀元前七世紀には、
そのメディア人が鳥葬の習慣を持っていたことは分かっています。」
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:10:52.96 ID:x3VM7DGQP
sien
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:22:11.79 ID:puVK+x3p0
死縁
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:28:26.54 ID:9D5S+WWC0
ゎゎゎゎ〜
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:33:39.52 ID:z51nta+UO
すいません飯食いにいきます。
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 13:34:14.52 ID:x3VM7DGQP
いってらっしゃい
俺も飯食うか
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:06:47.57 ID:A6H/eGOmO
面白い
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:06:56.52 ID:bCXu6Jke0
保守
んじゃHOSHU
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:07:05.56 ID:tAp65JYnO
支援
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:25:04.51 ID:Dad1aRRa0
支援。
これはまとめサイトに是非。
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:26:21.21 ID:z51nta+UO
館長「そのメディア人から古代ペルシア人に、鳥葬の伝統が伝わったようです。」
館長「これがいつ頃かも、よく分かったおりません。」
館長「鳥葬の意味については…」
館長「まず、鳥類と霊的存在、とくに天体神との関わりです。」
館長「先ほども少し触れましたが、鳥は神の眷属、というのはよく聞く話でしょう?」
紬「はい。」
館長「中近東あたりには、犬や猛禽類を人々の守護者と見る向きがあったようです。」
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:27:53.71 ID:z51nta+UO
また間違った
×天体神
○善神
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:28:46.57 ID:vrbMHZpVO
シウォン
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:29:01.55 ID:voanjTkCO
支援。
もう少しペースあげてもいいと思う
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:50:58.31 ID:z51nta+UO
館長「もう一つは、死体を好む悪神の存在です。」
館長「『ナス』、と呼ばれるその悪神は、羽根を有する小昆虫の姿であらわされ…」
館長「死体の穢れを周囲にまき散らし、拡散させると考えられていたのです。」
館長「これには、伝染病とと言う意味も含められています。」
館長「かと言って、火葬にするわけにもいきません。
その理由を話す前に、もうすこし、ナスについて…」
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 14:52:29.41 ID:x3VM7DGQP
出かける前にラスト支援
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:03:29.64 ID:z51nta+UO
館長「このナスは時代を経ると、アンラ・マンユ配下の大悪神六体の一つ…」
館長「『ドゥルジ』と同一の存在とされるようになったんです。」
紬「ドゥルジ…」
その名を口にすると、一瞬、先日のように、紬の体中を虫が這う感覚が襲う。
館長「『虚偽』、を意味します。」
λ、
んv,ゝ
/;;:.:.. .i
ノ;(,,゚д゚) <……
(;:υ;:;:,.,:)
`:-u-u"
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:16:31.12 ID:z51nta+UO
館長「ではなぜ火葬にしないのか?
それは、死体を火にくべることで、
火が穢されると考えられたからです。」
館長「拝火教の名の通り、ゾロアスター教徒が、
火に対して礼拝を行うのは、ご存じですね?」
紬「はい。」
館長「火は彼らにとって、スプンタ・マンユ、『聖霊』を意味します、の化身であり、
アフラマズダーに帰属する存在でした。」
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:16:38.34 ID:voanjTkCO
支援
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:23:15.67 ID:LeGqFY2x0
支援
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:27:59.20 ID:z51nta+UO
館長「鳥葬を行う際には、寸胴の円筒をくりぬいた形の祭壇の上に死体を安置します。」
館長「壁画の祭壇のような物と似てないこともないですが…
先ほど言った通り安易な比定はしないほうがよく、
また、壁画のほうは円筒ではなく、どちらかと言えば半球ですし…」
紬は墳墓横の石造物を思いだす。あれも、どちらかと言えば半球だ。
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:39:37.46 ID:z51nta+UO
斎藤「お嬢様。」
斎藤が声をかける。
斎藤「管理人との約束の時刻まで、二時間です。」
その日は午後に入ってすぐ、別荘の管理人と落ち合う予定になっていたのだった。
昼食もとらねばならない。
紬は、館長に頭を下げながら、
紬「館長さん、今日は色々とありがとうございました。」
館長「いえ、お役に立てたのであれば…」
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:55:36.98 ID:z51nta+UO
紬「また何かありましたら…」
館長「どうぞどうぞ!お時間があるなら、会長や奥様もご一緒に!」
紬「伝えておきます♪」
翌日
京都駅 近鉄奈良線ホーム
唯「まだ来ないのかなぁ…」
和「まあ、気長に待ちましょ。」
唯達一行は明日香村へと向かうため、近鉄奈良線のホームにいた。
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:56:32.18 ID:voanjTkCO
支援紫煙私怨
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 15:59:24.98 ID:z51nta+UO
近鉄奈良線じゃないです…
×近鉄奈良線
○近鉄京都線
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:09:10.05 ID:z51nta+UO
一行は橿原神宮駅行きの列車を待っている。同駅で一度乗り換える必要があるのだ。
律「…」
聡「…」
田井中姉弟は、ベンチに座り込み、無線通信を使った対戦ゲームに興じている。
さわ子「やっぱ高いわ…近所のスーパーで買っとくんだったぁー!」
さわ子は、キヨスクでアルコールとつまみを買い終わった所だ。
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:12:44.35 ID:voanjTkCO
紫煙保守
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:21:31.30 ID:3l8lcGwiO
ソロモンよ私は帰ってきた支援!!
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:21:54.75 ID:ecaAIXe6O
13時間もパンツはいてない訳だが
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:26:18.44 ID:Dad1aRRa0
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:40:07.83 ID:z51nta+UO
澪は、明日香村ガイドを見ながら眉をつり上げて、思案顔だ。
半分タテマエだとしても、練習第一の澪には珍しい。
和「澪、何をなやんでるの?」
澪「四泊五日で練習入れたらさ、どれだけ見て周れるんだろ…」
澪「五日丸々使える和が羨ましいよ…」
和(基本的には勉強するつもりなんだけど…)
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:41:05.16 ID:JUF8XHVD0
アーリマンが四つんばいのカニみたいのしか想像できなくて俺の二億四千万の悪が爆発寸前
ゾアメルグスター派集まれー(^o^)ノ
支援だ
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 16:52:39.75 ID:3l8lcGwiO
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:00:06.42 ID:z51nta+UO
唯は本を右小脇に抱えて、言葉そのまま、左うちわをしている。
暑さに弱いだけあって、暑天のもとでは本を読む気にならないらしい。
抱えているのは、梓経由でこのまえ手に入れた『アーリマン讃歌』だ。
ギー太とともに背負ったリュックにも、何冊か入れてある。
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:10:17.12 ID:vrbMHZpVO
支援
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:11:10.92 ID:z51nta+UO
すいません、一時間ほど出かけます。
しぇん
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:17:28.97 ID:mxrWTIQ4O
Mっパゲの末世波!!
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:28:46.36 ID:Dad1aRRa0
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:32:15.34 ID:nQvm/+eGO
こんな好奇心をくすぐるスレは無いぜ
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 17:42:57.17 ID:voanjTkCO
ほっしゅ
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:11:27.47 ID:bCXu6Jke0
保守
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:11:45.44 ID:l+d8+uro0
いいスレだなぁ
妖しげな気配を感じるなぁ
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:15:28.57 ID:MalGrTwh0
追いついた
松田さんと増田さんって
濃い人多いよね
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:27:06.61 ID:voanjTkCO
捕手
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:49:27.04 ID:QevXn2iDO
☆
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 18:55:59.36 ID:z51nta+UO
再開します。
梓と憂も澪と同じように、奈良県に関する情報誌を読んでいる。
こちらはグルメ雑誌だが…
梓はここ一週間、唯たちに一度もお小言を吐かなかった。
軽音部、とくに唯が遂に本領を発揮した!と信じるまでになっている。
信じているのだろうか?梓が?梓たちが?
その根拠の源は?
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:01:00.95 ID:sHUdcpTtO
再開ktkr
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:05:14.61 ID:z51nta+UO
『カーシハラズングウイクィキュゥゥコゥ…』
アナウンスの声色が聞こえる。
唯「あっ来たみたいだよ!」
赤色の列車が入場してくる。
賑やかに列車の中に入っていく八人。
一行は、対面座席のある一画に席をとる。
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:05:47.23 ID:pKdRX0UA0
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:14:35.97 ID:z51nta+UO
進行方向、つまり橿原神宮方面を向いて、列車は右側のホームに停車している。
さわ子はホームと反対側の対面座席に座ると、前に梓と憂、横に聡をひっぱり込んだ。
すでに発泡酒500m缶二本を空けている。
さわ子「可愛い子ちゃんたちは…おねーさんとお話しましょーねぇ…ウフフ」
目が少し血走っている。
アーリマンのために弁解しておくが、これに関して彼の勢力に責任はない。
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:26:10.28 ID:3l8lcGwiO
さわちゃんwwwwww
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:26:30.78 ID:z51nta+UO
時刻は午前10時を少しまわったあたりである。
梓「ハァ…唯先輩が真面目になったと思ったら…」
憂「まあまあ、梓ちゃん…」
聡「ビクビク…」
さわ子たちと、通路を挟んでホーム側に、律と澪、唯と和が座る。
律「よくやるよ…」
澪「気にするな…」
和「ええ…」
唯「♪」
唯は座席に付くと、ギターのソフトケースからギー太を取り出した。
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:39:39.94 ID:z51nta+UO
律「ゆい、おま…何やってんだ!?」
和「ここで演奏するわけじゃ…ないわよね?」
唯「可愛い子には旅をさせろっていうでしょぉ?」
唯「ギー太にも電車からの景色を見せてあげようと思うんだ♪」
律「…」
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:43:54.45 ID:3l8lcGwiO
全然意味ちゃいますがなwww
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:53:28.10 ID:z51nta+UO
澪「プッ…」
和「まったく…唯らしいわね。」
唯「えへへ…」
憂(おねえちゃんかわいいよぉぉ…)
『カーシワラズングウ…』
発車を知らせるアナウンスが聞こえる。
唯「ギー太!電車が動き出したよっ♪」
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:53:36.84 ID:CXrjNXQ70
一つ目小僧は見れるな
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 19:53:44.12 ID:OFWZBCdi0
今更ながらアーリマンの声が諏訪部順一で脳内再生される
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:03:09.00 ID:3l8lcGwiO
しぃーえん
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:10:30.09 ID:z51nta+UO
さわ子「コップについでついでぇぇ…そそそそ!良い感じじゃない!」
さわ子は憂からもらった紙コップを使い、聡の手で発泡酒をお酌させている。
左手で聡の太ももを撫でることも忘れない。
聡「…///」
犯罪の匂いがする。
律「そーいやさあ、今日行く明日香村って、大昔は日本の首都だったんだろ?」
弟の危機を無視して、律が話しはじめる。
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:21:23.79 ID:3l8lcGwiO
さわちゃんアーリマンより穢れてるwww
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:21:32.74 ID:zGXhXb+xO
聡逃げてぇぇ
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:22:11.53 ID:Ane0C2+K0
さわちゃんショタだったんかい
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:29:09.68 ID:z51nta+UO
和「そうね、飛鳥時代って呼ばれる時代はそうかしら。」
和「というか、大王、つまり天皇の宮が置かれた場所だから、
平安遷都まであちこちに移転してるわ。」
和「飛鳥時代は、敏達天皇もしくは推古天皇から持統天皇まで、約100年くらいね。」
唯「ウマコとかイモコとかエミシとか、変な名前ばっかだよね♪」
聡、ちょと俺と代われよ
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:31:28.07 ID:5NfS0oj60
来た来た
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:38:57.00 ID:leEV8PDGO
全部読める根性がないので要約してほしい
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:44:08.26 ID:z51nta+UO
澪「昔の人からしたら、私たちの名前のほうが変だろ?」
唯「あっ…そうか。」
唯「ならなんで、明日香村あたりを都にしたの?」
和「そうねぇ…当然地の利とか、
あと、当時最有力の豪族、蘇我氏の地盤だったとかってことらしいけれど。」
唯「ふーん…」
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 20:57:13.49 ID:z51nta+UO
列車は平城京跡のすぐそばを通って、さらに先へ進む。
さわ子は両側に聡と憂、膝の上に梓をのせてセクハラし放題。
澪は風景を見ながら何かを書き取っている。
和は聞き手にまわって、律ととりとめのない話を。
唯は『アーリマン讃歌』の祈祷文に関する箇所を読み進めている。
人間の意識を、こちらに都合よく操作する、といういわゆる黒魔術のような内容である。
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 21:18:05.91 ID:z51nta+UO
『アーリマン讃歌』の内容は、アーリマン自体に捧げられたものと、
配下の諸デーウァに捧げられたものに分けることもできる。
唯が現在読んでいる箇所は、『タローマティ』という大悪神、
それも女神だと思われる、への祈祷文だ。
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 21:22:15.41 ID:dGA3WIRu0
唯はダークサイドに導かれてんの?
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 21:31:15.24 ID:z51nta+UO
唯はこの部分を読み終えると、小さな声で独り言ちた。
唯『タローマティ、臆見を司る君。』
あまりにも小さ過ぎて、誰も耳に止めなかった。
唯がその言葉を発し終えると、ギー太の中に住む『眼』の瞳孔が、数度収縮と拡大を繰り返す。
なぜそう発したのか、その理由は唯自体にもわからなかったし、
発したという事実さえ、唯の意識のはるか後方に消え去ってしまった。
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 21:43:58.40 ID:z51nta+UO
ギー太の中の『眼』は、車窓を眺めているようにも思える。
車中ではもう、『眼』が動きを見せることはなかった。
けれど『眼』は、車窓を見ているのだろうか?
人の心見透かす、タローマティの目は?
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 21:49:55.93 ID:dGA3WIRu0
ググリながら見てるがおもすれえな支援
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:15:08.13 ID:DQaQR2SnO
しえんするよ
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:18:15.66 ID:z51nta+UO
飛鳥駅前
時刻は11時を少しまわったあたりである。
唯「着いたよっ!!」
律「それほど田舎でもないかな?」
和「駅から離れると、ほんとにのどかな所らしいわ。」
律(『和』だけにね…)
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:19:10.06 ID:x3VM7DGQP
大したことないギャグなのに何故かワロタ
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:20:12.78 ID:dGA3WIRu0
>>449 ∧∧
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:22:57.91 ID:z51nta+UO
明日香村は、奈良県の真ん中あたり、
橿原市から見て南部、桜井市から見て南西部に位置している。
一方、飛鳥駅は、明日香村のかなり西より、
橿原市と、明日香村からみて南西の高取町との境近くにある。
ともかく、この風光清々しい場所で、大化の改新を始めとした、
日本史における幾つかの激動が起っていたのだ。
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:23:28.61 ID:x3VM7DGQP
支援
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:35:43.69 ID:z51nta+UO
律「ムギからメールで、もう着いてるってよ…」
唯「どこ〜?」
澪「お前ら…どう考えても、あれしか考えられないだろ…」
澪が指さした方向には、本当に右左折できるのか?
というぐらいに長いボディの、黒色の車が止まっている。
梓「…(唖然)」
聡「り、リ○ジン…本物はじめて見た…」
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:42:40.41 ID:MPa6CqBGO
リムジンは伏せなくていいだろ
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:43:11.91 ID:CXrjNXQ70
リュウマチ
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:46:22.64 ID:z51nta+UO
唯「おーい!」
唯が駆け寄って手を振る。
するとリムジンは動き始め、ゆっくりと近付き、一行の前で停車した。
運転席から斎藤が、後部座席から紬が降りて来る。
紬「みんな、ようこそ、飛鳥の里へ♪」
律「ポカーン」
澪「ハァ…」
さわ子「今度の衆院選、左派政党に投票したくなったわ(キッパリ)」
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 22:54:14.71 ID:z51nta+UO
澪「ムギ、他の車はなかったのか?」
紬「ごめんなさい…これがウチで、一番たくさん人が乗れる車なの。」
澪は、小型マイクロ借りるか、二、三台に分乗すれば良いだろ、
と思ったが口には出さなかった。
そこはキッパリじゃなくてキリッで
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:04:54.92 ID:z51nta+UO
一行を乗せたリムジンは、南部へと進路をとる。
紬「別荘まで20分かかるわ。」
助手席の紬が振り向きながら言う。
紬「あ、あと途中、寄りたい所があったら言ってね!」
明日香村南西部のメジャーなスポットはキトラ古墳しかない。
あとは、ほとんど畑か水田だ。
主要な見所は北部に集中している。
支援
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:14:57.74 ID:z51nta+UO
結局、あまり周囲の風景に気を払わず、リムジンの中でおしゃべりに収支する。
タローマティの『眼』は再び収縮と拡大をし始めていた。
タローマティの『眼』は、数千年来を経、この地に溜まった人間の欲望の臭い、
そして同胞と敵対者の臭いを見ている。
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:24:15.61 ID:z51nta+UO
そして、尾根がまさに張り出さんとする所に建つ、
大きな屋敷の前にリムジンが止まった時、
タローマティの『眼』は、ある一点を見て、はじめて、『眼』、つまり己自身を細めたのだ。
タローマティが何を思っているのかは分からない。
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:25:16.10 ID:ec02us/e0
支援
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:30:57.33 ID:z51nta+UO
琴吹家別荘前 駐車場
梓「すごく大きな別荘ですね…」
さわ子「嫌になっちゃうわ…」
律「聡、荷物持て!」
聡「えー…」
律「持て!男子の本分を尽くせ!」
聡「わかったよ…、あ、澪姉のも持つけど…?」
澪「いいのか聡?悪いな。」
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:31:40.37 ID:zxtxkFnU0
聡はおいしいポジションだな
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:32:35.94 ID:dGA3WIRu0
澪姉なんて呼べるほどの仲に発展してんのかよ
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:38:11.48 ID:z51nta+UO
憂「よいしょっと…これで全部…」
憂「…あれ、お姉ちゃんは?」
大きめのバッグを持ちあげながら、憂が言う。
和「唯がいないの?」
憂「はい。」
さわ子「唯ちゃん?唯ちゃんなら、あそこよ。」
さわ子が示した方向には、別荘の母屋の左側を、尾根に向かって歩いていく唯の姿。
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:38:26.57 ID:c0qXdnLSO
けいおんOPしかみたことないが面白い
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:39:17.02 ID:CXrjNXQ70
尾根ええええええちゃああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/21(火) 23:44:57.97 ID:z51nta+UO
唯「…」
唯はさらに小走りになる。
別荘の左裏手の小道にでる。
小道は、下れば公道、上れば尾根を進む。
そして小道から尾根側に10mほど進んだ所に、二つの石像があった。
石像に近寄る唯。
支援
sien
屋根の上じゃなくてよかった本当によかった
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:02:12.36 ID:z51nta+UO
一つの石像は鎧を纏い、ヘルメット状の兜を被り、剣を持っている。
古代日本のますらおの姿だ。
ただ、背後には放射線状の光背がある。
もう一つの石像は、猿のような形をしている。
右手に体長の半分くらいの棒状の武器を持ち、
その表情は忿怒で変形している。
明王たちの義憤の表情とは全く異質な、である。
唯は戦士のような石像には気にも留めず、猿のような石像を手でふれる。
し
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:11:42.27 ID:5/I6CW4fO
一瞬、唯の心に大きな感情の波が生じる。
がむしゃらに目的を追求するときに覚えるような、焦燥感が走った。
不快ではなかった。
感覚が研ぎ澄まされるよう。
ギー太に住まうタローマティは、ギターケース越しに、より、『眼』を細めた。
タローマティが何を覚えているのは分からない。
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:16:11.18 ID:UAjH5v/DO
難しいな。それにしても独特な文体だな
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:16:22.22 ID:D3rzucXJO
完全にダークサイドだなwww
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:20:01.03 ID:5/I6CW4fO
「お嬢様のお友達かな?」
背後から声がする。
少しずつ焦燥感は落ち着いていく。
唯「…」
「どうかしたかね?」
唯「ブルッ…」
唯「あ。」
唯は声のほうへ振り向く。
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:27:04.88 ID:m24aDLHZO
思念
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:27:53.10 ID:5/I6CW4fO
眼鏡をかけた老人が立っていた。
麦藁帽に泥のついたナイロン性の黒ズボン、上は肌着一枚。
農家の旦那さんのような格好だ。
還暦はとっくに過ぎたであろう。
唯「えっと…」
唯「第一明日香村人さんですか?」
老人「はあ?」
老人はキョトンとする。
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:33:47.85 ID:UAup+V52O
疎遠
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:34:48.18 ID:dQtHIHeMO
ダーツの旅wwwww
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:35:33.66 ID:5/I6CW4fO
管理人「おれはほれ、そこの琴吹屋敷の管理をしてるもんだ。」
唯「あっ!じゃあムギちゃん家の…」
管理人「むぎ?むぎ…つむぎか!」
管理人「やっぱりお嬢様の友達の!」
唯「はい!」
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:35:51.18 ID:ExfRpseDP
しえん
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:36:36.49 ID:1Q03s4wPO
1の前SSみたいんだけど、何てggrばいいん?
まとめうらる貼ってくれたら助かるけど、流石に他力本願すぎるから
良かったら索語だけでも誰か。。。oyz
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:40:33.61 ID:5/I6CW4fO
管理人「そっかそっか!」
管理人「よく来たねぇ!」
唯「お世話になります!」
管理人「ああ!食事だけ!…は期待してなさい!」
そう言うと、管理人は、腰にかけたタオルで汗を拭う。
管理人「で、なんで屋敷の外れにいるんだい?」
管理人は唯に聞く。
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:42:47.64 ID:5/I6CW4fO
>>487 前作なら
雄山「軽音部だと!?嗤わせるなっ!」
です。
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:47:25.19 ID:RoJomihNO
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:47:46.96 ID:w3EtzyAj0
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:49:15.76 ID:5/I6CW4fO
唯「この石像が気になっちゃって…」
管理人「それかぁ。まあ、いわゆる猿石の類いだわな。」
管理人「二つで組み合わさってるらしいんだよ。」
管理人「それと、ほれ、そこのお堂。」
管理人はもっと尾根側の斜面を指す。
そこには五畳ぐらいの大きさの、木製の建物が建っていた。
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 00:50:24.42 ID:1Q03s4wPO
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:00:56.48 ID:5/I6CW4fO
いわゆる観音像などを納めてあるような、仏教系のお堂である。
管理人「そのお堂には弥勒菩薩の仏像がおられてな…」
唯「へぇ〜」
管理人「琴吹家のものじゃないんだが、近頃は仏像泥棒が多いから、
ついでに管理してるんだ。」
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:02:57.81 ID:dQtHIHeMO
支援
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:12:02.76 ID:5/I6CW4fO
管理人「そのお堂の由緒、まあ、どうして建ってるかってことだけど…」
管理人「昔は、お堂なんかなくて、石造の弥勒菩薩が野晒しになってたんだ。」
管理人「かなり古いもんだったらしいんだが、いつのころからか無くなってしまってね。」
管理人「危篤な方がかわりにお堂を建てて、弥勒菩薩の仏像を置いたそうだよ。」
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:13:59.55 ID:5/I6CW4fO
管理人「で、その『ますらお』みたいな像は弥勒菩薩の家来で、
その猿みたいな化け物と戦っているんだって。」
管理人「弥勒様の石仏のほうが古いのか、
それとも、その猿石みたいな奴のほうが古いのかは、分からないがね。」
唯「猿…」
猿じゃないのに、と唯は思った。
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:14:21.28 ID:ExfRpseDP
しえn
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:26:49.63 ID:5/I6CW4fO
唯(アエーシュマ。)
唯(忿怒司る首人〈おびと〉)
唯は猿のような石像をじっと見つめた。
管理人「ん?どうしたんだい?」
唯「あっなんでもないです!」
管理人「なら…」
管理人「あっ!よくない!」
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:29:55.14 ID:5/I6CW4fO
唯「えっ…」
管理人「あんたがここにいるなら、お嬢様を待たせちまってるわ!」
管理人「ごめんね、先に母屋に帰ってるから!お堂も見ていいよ!
弥勒様には触らないでよ!」
そういうと管理人は母屋のほうに走っていった。
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:33:15.97 ID:dQtHIHeMO
寝る前の支援
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:34:33.94 ID:5/I6CW4fO
唯「管理人さん行っちゃった。」
唯「私もみんなのとこ行こっ♪」
唯はお堂に見向きもしない。
方向転換して、管理人の後を、てくてく追う唯。
その時、唯の影から球状の形が顔を出す。
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:41:30.30 ID:5/I6CW4fO
球状の物体は、その胴体の最大円周まで、
つまり、ちょうど半球ぐらいの形になるまで、体を唯の影から現す。
色は唯の影と同色。平面のようにも見えるが、しかし球である。
唯は鼻歌をならしつつ、小道を下る。
球状の物体から、男性器のようなものが、生えるようにして現れる。
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:49:20.58 ID:5/I6CW4fO
男性器のような物は、跳躍するようにして球状の物体から分かれ、
弧を描き、猿のような石像に接触する。
すると、石像に吸い込まれるように、それは石像の中に消え去る。
唯は全く気付かなかった。
タローマティの『眼』は、これをギー太の内から見届けると、
瞳を上にずらし白目を見せた後、
すぐに再び、何の感情も持たぬ形に戻った。
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:50:25.64 ID:5/I6CW4fO
明日は仕事なので寝ます。
残ってましたら、職場からこっそり書きます。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:50:42.58 ID:RoJomihNO
怖くなってきたな
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:51:55.51 ID:r/EBm4Ss0
乙でした
明日も期待
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 01:53:01.65 ID:ExfRpseDP
乙
すげー面白い
明日も頼むよ
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:02:04.89 ID:RoJomihNO
乙
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:09:50.78 ID:3u5CKYXoO
いよいよ高橋克彦だなww
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:23:06.22 ID:DCx3cDVfO
正捕手
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:25:16.96 ID:Iu2Dgv/+0
ついにエロシーン突入か
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:38:39.03 ID:eqURhewq0
今の内にパンツ脱いでおくか
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:41:52.84 ID:E/R7DiqXO
なんだこれwww
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 02:57:55.15 ID:e+8iM0g30
補習
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 03:10:47.34 ID:w3EtzyAj0
捕囚
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 03:40:02.18 ID:FDJlcYia0
まだ序盤みたいだな
期待
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 03:58:30.31 ID:oakIW5T/0
U斬の時と違って終わりが見えないなこれwww
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 04:17:45.28 ID:ExfRpseDP
寝る前に支援
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 04:31:25.72 ID:4Y91EbWZ0
星湯
U斬よんできたwww
CHIYOwwwwwwビーストwwwwwwww
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 04:59:23.84 ID:4Y91EbWZ0
寝る前に補修
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 06:06:48.69 ID:dQtHIHeMO
おはよう保守
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 06:56:06.60 ID:jO/pGG+mO
保守
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 07:29:29.86 ID:eqURhewq0
期待
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 07:49:22.14 ID:N6sjCkKrO
しまった寝てた保守
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 08:25:39.85 ID:jO/pGG+mO
☆
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 08:50:47.66 ID:OM5Yhxo8O
それは、稲妻のような切っ先だった。
心臓を串刺しにせんと繰り出される槍の穂先。
かわそうとする試みは無意味だろう。
それが稲妻である以上、人の目では捉えられない。
だが、
この身を貫こうとする稲妻は、
この身を救おうとする月光に弾かれた。
しゃらん、という華麗な音。
否。目前に降りたった音は、真実鉄よりも重い。
およそ華やかさとは無縁であり、纏った鎧の無骨さは凍てついた夜気そのものだ。
華美な響きなど有る筈がない。
本来響いた音は銅。
ただ、それを鈴の音と変えるだけの美しさを、その騎士が持っていただけ。
「―――問おう。貴方が、私のマスターか」
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 09:06:38.06 ID:50vDLFXE0
二月堂のお水取りもゾロアスターの影響受けてるかもしれないとは興味深いな
何も考えず見てたよ
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 09:35:46.63 ID:5/I6CW4fO
再開します。
投下は間隔があくかもしれません。
琴吹家別荘 玄関
憂「あっ!おねえちゃん!」
憂は、近付いてくる唯を見つける。
唯「ごめんごめーん!」
ちょうど管理人が紬を先導するような形で、
母屋に一行を招き入れるところであった。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 09:59:44.33 ID:5/I6CW4fO
母屋は和風の造りをした二階建てで、尾根にそって北南に長い建物であった。
和風といっても農村によくあった形態のもの、
ぱっと見れば土地持ちや豪農の屋敷に見える。
憂「おねえちゃんっ!どこ行ってたの!?」
憂は少し必死である。ここは見知らぬ土地で、まわりは畑と山林だけ。
支援支援
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 10:21:25.82 ID:D3rzucXJO
紫煙
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 10:22:50.82 ID:GGJIZmmQO
シヴェン
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 10:26:30.14 ID:5/I6CW4fO
憂「おねえちゃんはすっごく可愛いんだから、誘拐されちゃったらどうするの!?」
梓「憂、いくらなんでも…それは重症…」
こんな所でそんなことする人間はいないから、と梓は思った。
唯「ごめんよぉ〜」
律「平沢姉妹って…」
憂がダメだ
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 10:56:53.05 ID:5/I6CW4fO
管理人「おお!もう戻ってきたか!」
唯「はい!」
管理人「弥勒菩薩の仏像はどうだった?」
唯「あ、見てないです、とりあえず今日はいいかなぁーって。」
澪(弥勒菩薩…ミスラが仏教に取り入れられた姿…)
澪は、唯が来た方向を見つめた。木々の影になっているが、お堂が見える。
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 10:58:07.57 ID:YjytzqKq0
憂さんの中で唯の容姿は300%増し
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 11:24:22.34 ID:5/I6CW4fO
管理人「まあ、後で拝めばよし。」
管理人「ともかく、さ、お嬢様、皆さん、すぐに蕎麦を用意しますので…」
紬「ありがとうございます。」
一行は母屋の中へと入っていった。
sien
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 11:47:46.75 ID:D3rzucXJO
サハリエル
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 11:55:43.71 ID:5/I6CW4fO
昼食に管理人手打ちの蕎麦を食べ終わった後、唯たちは明日香村北部へと向かった。
何のへったくれもない、いわゆる観光、である。
行き先は澪がピックアップした。
とある駐車場で停車する。
リムジンから降りる唯たち。
地元の人々や他の観光客の視線が少し痛い。
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:22:34.69 ID:jO/pGG+mO
保守
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:29:32.62 ID:5/I6CW4fO
すぐそばには、ちょっとした広場のようなものがあり、芝生に覆われている。
小岡のようなものもある。
小岡にも同じく、芝生が群がっている。
その上部には、巨大な岩を組み合わせた石造の建造物がそびえていた。
小岡の『ふもと』には石造りの入り口があり、内部へと続いている。
澪「石舞台古墳だぞ!」
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:30:23.39 ID:c16XvfnxO
ゾアメルグスターは出た?
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:50:18.28 ID:OM5Yhxo8O
誰?
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:51:45.16 ID:D82VYU/BO
ゾアメルグスタと聞くとスレイヤーズしか出てこない
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 12:57:07.27 ID:5/I6CW4fO
小岡はよく見ると方形になっている。
石造建造物に見えるものは、
墳墓内部の、被葬者を埋葬した石室、
いわゆる玄室の上部が露出したものである。
律「蘇我馬子のお墓…に推定…へぇ」
さわ子「あ、私に質問しないでね、音楽教師なのよ?」
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 13:15:57.30 ID:5/I6CW4fO
聡「聖徳太子と同じ時代の人でなんしょ?」
澪「ああ、大臣(おおおみ)っていう役職についてたんだ。
今の総理大臣のような感じだな。」
唯(馬子っていうぐらいだから馬面だったのかなあ?)
和(唯、馬面の人を想像してるわね、きっと。)
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 13:29:30.55 ID:LaGkTJtG0
うっしゃ残ってたあ!
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 13:32:07.97 ID:pRw9YVWHO
支援ついでに
>>550 IDの先頭3文字が俺の大好きな曲の略でワロタ
大文字小文字の別れ方もちゃんとなってるし
追いついた
これは終焉をどうまとめてくれるのか期待
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 13:46:35.50 ID:5/I6CW4fO
律「で、なんで古墳の上にストーンヘンジみたいのが乗っかってるんだ?」
澪「石造建造物に見えるものは、古墳の石室の上の部分なんだって。
だから、もともとは、土の中に隠れてたはずだな。」
律「じゃあなんで顔出してんの?」
さわ子「千何百年も前のお墓でしょ?雨風で古墳も禿げるわよ。」
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 13:49:01.30 ID:WpJmzWCG0
>>551 Lolita and Guilty だね 俺も好きだよ
支援支援支援
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 14:05:17.81 ID:5/I6CW4fO
紬「多分…葬られた人を辱めるためなんじゃないかしら。」
紬はぽつりと言い、小岡に向かって歩き出す。
梓「どういうことですか?」
澪「大化の改新で蘇我氏は滅ぼされたろ?
そのとき殺された蘇我入鹿は蘇我馬子の孫だ。」
さわ子「驕れる者なんとやらってわけね…」
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 14:32:45.24 ID:abIWxZkg0
支援
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 14:36:29.52 ID:5/I6CW4fO
石室の中は約10畳分くらいの広さだ。天井の狭い隙間から陽がうっすらと射してくる。
入り口からの入光もあるが、それでも暗い。
内部には何もない。石壁と地面だけ。
澪「静かだ。」
澪は天井を見上げたまま、ゆっくりと身体を左に回転させる。
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 14:49:46.91 ID:D3rzucXJO
私怨
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 14:49:57.32 ID:5/I6CW4fO
非日常的な場面で、そのような振る舞いをするのが、澪の癖である。
澪「っ…」
一瞬目が回って、床に尻餅をつく。
聡「澪姉、大丈夫!?」
聡は澪に駆け寄ると澪の腕を掴んで引き上げる。
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:06:49.31 ID:5/I6CW4fO
聡(お、重っ…)
まだ、聡より澪のほうがずっと長身だ。
澪「ごめんな、さとし。」
聡「うん。」
少し赤くなる少年。
律「暗いトコでくるくるまわったら、そりゃ目もまわるって…」
呆れる律。
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:10:28.90 ID:oakIW5T/0
聡は恥を知れ
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:22:40.26 ID:D3rzucXJO
悟れよ聡
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:28:25.12 ID:dQtHIHeMO
さ
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:29:36.21 ID:5/I6CW4fO
唯も続いて石室内に入る。
唯の背中のギー太の内から、タローマティの『眼』は見つめる。
辱める者と辱められる者。
この石室の被葬者も、かつては辱める者であったはず。
タローマティの瞳孔は縮小拡大を繰り返す。
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 15:39:55.60 ID:pRw9YVWHO
>>554 言えない
Like a Greenだなんて言えない
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:01:28.22 ID:5/I6CW4fO
石舞台古墳を離れると、一行は徒歩で史跡をまわりはじめる。
そして、その際、所々に散在する奇妙な石像たち。猿型、人型、鳥型、爬虫類型…
また、石像ではなく、表面に幾何学的な図形が彫り込まれた奇岩。
それらの由来について想像力を働かせる彼ら。
王候貴族のインテリアだと熱弁する澪。
梓と憂がそれに同調する。
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:05:14.01 ID:QqnSGSGRO
親戚が桜井だったから色々見に行ったわ
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:14:57.26 ID:5/I6CW4fO
UMAを模したものだと言う聡。
単なるベンチや椅子だろうと言う律。
仏教や道教との関連性について語る斎藤。
缶チューハイを飲みながら猿石とのツーショットを撮ってもらう、さわ子。
紬は話題に加わらない。
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:25:41.07 ID:I0GAYtRB0
追い付いちまった支援
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:31:18.59 ID:5/I6CW4fO
和はそれよりも、唯のことが気になっていた。
唯が興味を示し、触れる石像は、常に、醜悪な姿のものや際立って異形なものなのだ。
唯は、石像のうちのいくつかが、ダエーワやヤザダ、
そして、それらの眷属を象ったものだということを知っていたが、
口には出さなかった。
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:39:01.18 ID:D3rzucXJO
あ〜「これほんとに日本人が作ったの?」
って思うようなのいっぱいあるよな
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:42:21.43 ID:wQMzdcf0O
ヒンズー ゾロアスター ジヤイナ
どれが一番つおい?
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:54:17.23 ID:5/I6CW4fO
ギー太の内から、タローマティは『眼』を細めていた。
ヤザダたちの象りを見る度、
幾度となく争った敵対者、
アムシャスプンタ六柱の一柱、
豊穣と信仰の守護女神、
『アールマティ』のことを思う。
タローマティは、『眼』を一層細めた。
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 16:58:13.34 ID:LaGkTJtG0
>>551 さいていでも さいこうのなつを なみだながしわらってた
あれはいいものだ
カラオケでヘッドボイスで絶叫する
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:07:18.97 ID:dQtHIHeMO
支援
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:12:00.16 ID:5/I6CW4fO
すいません、一時間ほど投下できなくなります。
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:29:45.46 ID:wQMzdcf0O
ほす
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:30:39.71 ID:DCx3cDVfO
wktk
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:31:00.48 ID:D3rzucXJO
惑星ホス
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 17:47:07.23 ID:OM5Yhxo8O
そして――――世界(スピラ)に永遠のナギ節が訪れた
完
―――・・・と思ったら何かを忘れたのかナギ節は去っていった
完
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 18:28:42.75 ID:5/I6CW4fO
軽音部一行は五時には観光を切り上げて戻り、離れの広間で練習を行った。
二時間ほど練習したあと、母屋に戻り、管理人手製の夕飯を頂くことになる。
その一方、次第に深くなる夕闇にまぎれて…
しえん
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 18:44:51.79 ID:D3rzucXJO
shien
ゾロア☆
PCが熱暴走気味だ・・・
だれか ほしゅ たのm
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:12:18.01 ID:dQtHIHeMO
スター☆
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:17:32.99 ID:fDBhgG/T0
ちんぽくるか!?
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:26:40.48 ID:LaGkTJtG0
ここまで引っ張って唯がふたなりになりましたってだけの話だったら歴史に残す
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:29:27.02 ID:5/I6CW4fO
今度こそ再開します。
琴吹屋敷左裏 弥勒堂前
『アエーシュマ』の石像から、影色の男性器が
ゆっくりと生え出るように現れ始める。
男性器のようなものが石像から体(たい)をひねり出すほどに
アエーシュマが持つ棒状の武器が闇の中に溶けていく。
ちんちんと聞いてやって来ました
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:37:35.71 ID:5/I6CW4fO
それに従い男性器のようなものは、タールのような黒光りする光沢を帯び始める。
それが石像と完全に分離したとき、アエーシェマの手には何もなかった。
その物体は黒光りするまま、
蛇のように体(たい)を左右にくねらせ、琴吹屋敷の方へ向かう。
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:45:29.06 ID:5/I6CW4fO
琴吹屋敷の北端に接触すると、壁沿いに東へ少し這い、
屋敷の北東の角を経て、少し南へと移動する。
黒光りする物体は、換気扇の通気穴から湯気の出ている所で一旦静止したあと、
その場所から壁を垂直に登り出す。
あいもかわらず蛇のような動きだ。
そのまま、通気穴から屋敷の中へ入り込む。
雨支援
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 19:59:44.29 ID:5/I6CW4fO
台所では前掛けを垂らした屋敷の管理人が、
器用な手先で、緩やかに煮たつ鍋から灰汁(あく)をとっている。
管理人の真上を、男性器のようなものが進む。
そしてそれは床に降り立つと、
そのまま、台所の中央にあるテーブルへ向かう。
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:08:20.48 ID:fDBhgG/T0
ちんぽがんばれ!!!!!!!!!!!!!
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:09:12.09 ID:OM5Yhxo8O
SS厨の特徴
・作者を特定しようとする
・アンチ叩きにやっきになる
・完結したのに続きを書き始める(主に携帯が多い)
・日付が変わる前に酉を付けることを推奨する
・草レスが異常に多い。むしろこれで誤魔化す
・自称絵師様(笑)が見たくもない下手糞な絵を貼る
・どんなクソ内容でもとりあえず「wktk・わっふるわっふる」と書き込む
・
>>1が再開すると「キター」と書き込む
・PCと携帯で争い出す
・先読みを始める
・SSの意味を分かってない。むしろ勘違いして理解している。
・ゆとり・ニコ厨・春厨が主な住人である←これ重要
・求められてないのに自己主張を始める
例@「これからバイトなのに…」
A「気になって寝られない」
B「やっと追いついた」
・エロ展開になると似たようなレスが多くなる
例@「ふう…」
A「下半身が寒いのだが」
B「イイヨーイイヨー」
・以上の項目に当てはまってもSS厨であることを認めようとしない。
>>598 そして――――世界(スピラ)に永遠のナギ節が訪れた
完
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:11:07.40 ID:5NLl0R0WO
管理人逃げろー!
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:11:38.09 ID:5/I6CW4fO
テーブルの上にあるのは、大きめの盆、何品目かをすでに盛り付けてある皿、
そして蕎麦焼酎の入った一升瓶。
黒光りする男性器、サウルウァの欠片は
一升瓶の栓の、ほんの小さな隙間を通って、中身の蕎麦焼酎に入り込む。
蕎麦焼酎に没入していくに従って、『酩酊の君』の欠片は、中身と同化していった。
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:14:59.62 ID:fDBhgG/T0
ちんぽ寄生
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:17:31.15 ID:eCA54CXnO
ジョジョのアクアネックレスみたいなものか
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:21:13.41 ID:OM5Yhxo8O
>>599 あの…恥ずかしいんで止めてもらえませんか…?
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:25:17.01 ID:5/I6CW4fO
琴吹屋敷母屋 居間
管理人「よっこらしょっと。これで全部です。」
居間のテーブルに配膳が済む。管理人を手伝っていた憂と梓も席につく。
テーブルの上には大和煮のようなもの、山菜のお浸し、味噌汁、
鮎の焼き物、小魚の佃煮…その他数品、が並んでいる。
田舎の家庭でよく食べられている品々なのだが、
盛り付け方や色つやが目で見て非常に美しい。
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:39:33.23 ID:5/I6CW4fO
「「「いただきまーす!!」」」
唯達は料理に手をつけ始める。
唯「はぐっむぐっ…」
唯「おいしいぃぃぃ!!」
唯「もぐっ…がつがつ」
さわ子「うんうん…これは素晴らしいわね!」
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:44:45.46 ID:5/I6CW4fO
律「旨いっ!」
澪「お昼の蕎麦も絶品だったけどこれも…」
管理人「そう言ってもらると、作りがいがあるってもんです。」
紬「管理人さんは昔、うちの料亭で板前さんをしてらしたのよ。
定年を迎えられた後に、お父さんが、このお屋敷の管理をお願いしたの。」
管理人「まあ、そういう次第でして…」
管理人は額を掻きながらそう言う。
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:52:04.28 ID:5/I6CW4fO
夕食はどんどん進む。
澪「律、魚はもっと綺麗に食べれるぞ!聡はもっと野菜を食べなさい!」
律「いや限界だってこれ以上食べるとこないから!」
聡「ちゃんと食べてるって!」
田井中姉弟の世話を焼く澪。
紬「ほんとにおいしいわ!こんなご馳走どれぐらい振りかしら!」
和(価値観が私たち庶民と真逆なのね…)
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:58:01.41 ID:5/I6CW4fO
さわ子「モグモグ…」
さわ子は口数が少なくなっていく。
梓(先生の静かだ…猛烈に嫌な予感がする…)
憂「おねえちゃん口のまわり…」
携帯のタオルで唯の口まわりを拭く憂。
唯「あひがとういぃ!あ、おひゃわりおねはいしますっ!」
管理人「はいはい…おっと、あれを忘れてた…!」
台所に向かう管理人
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:58:13.82 ID:eCA54CXnO
しえ
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 20:58:16.82 ID:N6sjCkKrO
さわちゃん逃げてー!
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:05:33.46 ID:5/I6CW4fO
台所から戻ってきた管理人は右手に小盆、左手に蕎麦焼酎の一升瓶をもっている。
さわ子「待ってましたぁぁ!!!」
突然立ち上がり、歓喜の声をあげるさわ子。
梓「やっぱり…はぁ…」
大きな溜め息をつく梓。
さわちゃんだめええええええええ
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:10:55.47 ID:fDBhgG/T0
おちんちん祭りじゃーい!!
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:16:15.06 ID:5/I6CW4fO
管理人「はい、たんとお食べ♪」
唯「あひひゃとおひゃいまふ!!」
管理人は唯に茶碗を手渡す。
管理人「あと、この蕎麦焼酎、明日香村産ではないんですが、
すごくおいしいんで、是非に。」
さわ子に色のついた切子硝子のコップを手渡す。
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:21:07.54 ID:LaGkTJtG0
こういうのすきだわ
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:25:19.85 ID:abIWxZkg0
陳腐なエロ展開にならないことを祈る
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:25:22.96 ID:5/I6CW4fO
さわ子「すいません…気を使わせてしまって…ニヤニヤ」
さわ子「…あら、管理人さんと斎藤さんのコップは?」
管理人「私はもう少ししたら、自警団の見回りに行かないといけないんで
今日は遠慮します。
最近はホントに仏像泥棒が多くて…」
唯は、昼間の管理人との会話を思いだす。
斎藤「山中先生のお気持ちは嬉しいのですが、私は全くの下戸でして、一滴も…」
斎藤も丁重に辞退する。
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:29:06.61 ID:LaGkTJtG0
俺も飲むぞーさわこー
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:44:19.24 ID:5/I6CW4fO
管理人は一升瓶の栓を空ける。
その瞬間。
得も言われぬ香しい芳香が居間に広がる。
極上の蕎麦を口に含んでいるのかと錯覚するほどだ。
さらに、果物や、バニラのようなハーブとは全く違った、不思議な、
そして大変に惹きつけられる、甘い香りが重なる。
さわ子「なんて素晴らしい…」
唯「いいかほりー…」
澪「すごい…」
和「焼酎のイメージ、ガラリと変わったわ…」
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:46:37.00 ID:8YPQzg7f0
おれのちんこがそんなにいい匂いだったなんて…
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 21:53:10.07 ID:5/I6CW4fO
管理人「こりゃこりゃ…なんて…!」
管理人「一昨日、試しに空けたときはいつもの匂いだったんだが…
2、3日で別の酒になるほど熟成するとは…」
管理人「人生の半分以上を料理とともに生きてきましたけど、
こんなことははじめてですよ…」
さわ子「と、とにかく味わってみないことには…」
さわ子「さっそく…!!」
一方、紬は鼻を強く押さえ、顔を一升瓶から背けていた。
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:04:17.47 ID:8YPQzg7f0
ムギが一番好きなのに…
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:05:01.32 ID:5/I6CW4fO
あまりにもおぞましい臭いがする。
虫が湧き湿気でカビが群がった蕎麦から作れば、
このような臭いになるのでは、と感じるほどだ。
斎藤「お嬢様いかがされました?」
斎藤が気遣わしげに、紬に声をかける。
紬「だ、大丈夫よ、アルコールの臭いになれてなくて…」
紬はそう答える。
しかし、紬は不安だ。皆と違ってなぜ自分だけ…
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:20:33.66 ID:TPtBuqdfO
支援
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:22:46.53 ID:5/I6CW4fO
トクトクトク…
さわ子のグラスに蕎麦焼酎が注がれる。
管理人「さ、どうぞ!」
さわ子はもう一度、芳香を楽しんだあと、
グラスを口につけ、焼酎を口に含む。
さわ子「!!!!」
あの甘い香りと蕎麦の薫香が直接に口の中に広がり、
さらに淡いチョコレートの香味が加わる。
アルコールが適度に舌を刺激し、非常に心地良い。
のどごしは少しずつ端麗感が広がっていく。
さわ子も若いなりに様々な酒を飲んできたが、これほどのものは始めてだ。
なんとなくかまいたち2を思い出した
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:31:54.56 ID:5/I6CW4fO
さわ子は非常にだらしない表情をしている。
軽音部の面々にコスプレをさせている時のような…
唯(おいしそぉ…)
梓(飲んでみたい…ハッ…未成年の飲酒は…ブツブツ)
管理人「ゴクッ…」
その場の全員は、さわ子の表情で、どのような味なのかを理解した。
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:36:17.83 ID:5/I6CW4fO
管理人「…」
管理人はかなりいける口だ。
このままここに居ては絶対に、口にしてしまうだろう。
管理人「すいません斎藤さん!あとよろしくお願いします!」
そう言うと、懐中電灯と○○地区自警団と刺繍された薄手のベストを手に取り、
玄関のほうへ出て行ってしまった。
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:37:18.09 ID:fDBhgG/T0
おちんぽ汁わっしょーい
これはスペルマの旨さを暗喩している
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:44:34.37 ID:5/I6CW4fO
さわ子「ほわわぁぁぁ…///」
さわ子「極楽に片足つっこんでるようだわ…」
律「う、うまそう…」
聡「ねえちゃん…オレも飲みたい…」
澪「こらっ…聡まで…」
サウルウァの醸す薫香は、より強く居間に立ち込める。
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:47:46.52 ID:5/I6CW4fO
書いてたら酒飲みたくなってきた…
携帯を充電がてらコンビニに行ってきます。
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:50:00.63 ID:fDBhgG/T0
聡が飲んだら一気に変態度があがるな
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 22:50:40.32 ID:abIWxZkg0
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:04:22.04 ID:5/I6CW4fO
再開します。
紬「うぐっ…」
紬は吐き気が強くなり堪え難くなっていく。
斎藤「お嬢様!」
斎藤もこの薫りに強く魅き寄せられるが、紬への忠誠心が勝る。
斎藤「山中先生、私はお嬢様を寝室にお連れしますので…」
さわ子「あっ!了解でーす!」
さわ子は斎藤にそう答える。
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:05:51.18 ID:LaGkTJtG0
ガンガンやれ
こういうの好きだー
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:13:19.37 ID:5/I6CW4fO
紬と斎藤が消えたあとも、それを意に介さぬように、さわ子は酒を飲み続ける。
さわ子「これがあるなら当分彼氏いらないわ…」
唯「じゅるり…」
律「う〜…」
和「一杯くらいなら…」
澪「そう…だな…」
梓「和せんぱいまで…ゴクッ…」
唯「さわちゃん!ちょっと頂戴!」
唯は傍らの湯飲み茶碗のお茶を一気に煽ると、
空になったそれをさわ子に突き出す。
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:14:40.43 ID:5NLl0R0WO
あああ
なんだか俺も酒を飲みたくなってきたぞ・・・梅酒だけど
あうあう
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:23:24.21 ID:5/I6CW4fO
さわ子「ゆいちゃーん、未成年は…」
さわ子「まっいいか、今日ぐらい。」
そういうとさわ子は両手で一升瓶を持って、唯の湯飲み茶碗に蕎麦焼酎をついでやる。
唯の湯飲み茶碗のなかで焼酎が、なみなみと揺れている。
唯はそれを口に持っていき流し込む。
※未成年の飲酒は法令等で禁止されています。
未成年の飲酒は心身に重篤な悪影響をもたらす恐れがあるので
絶対に止めましょう。
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:24:58.82 ID:LaGkTJtG0
いけいけいけいけー
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:25:34.79 ID:5NLl0R0WO
なんて良心的なんだ
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:25:38.32 ID:ExfRpseDP
丁寧に注意書きワロタw
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:29:00.61 ID:5/I6CW4fO
唯の口の中に得も言われぬ香味が広がる。
唯「おっおいすぃぃぃ!!!」
梓「もう我慢できない!先生わたしもっ!」
律「ちょうだいっ!」
憂「一杯ください…///」
さわ子はその場の全員についでやる。
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:34:43.44 ID:5/I6CW4fO
律「かぁーっ…ウマい!」
澪「すごくおいしい…」
梓「お父さんこういうの毎日飲んでるんだ…ずるい…」
聡「うまっ!」
和「先生ももう一献どうぞ♪」
さわ子「サンキュー!」
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:38:36.70 ID:5/I6CW4fO
居間の面々はどんどん酒を飲んでいく。
けれどその割には、一升瓶の減りが遅い。
律「あっカラオケあるぜ!やろうやろう!」
さわ子「いいわねぇ♪歌本見せてー!」
憂「ひっく。」
梓「きもちい〜!」
唯「おいしい…」
あぁ、和まで
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:39:54.04 ID:5/I6CW4fO
唯は思う。
アヴェスターにある、神に捧げる霊酒『ハオマ』とは
まさにこのようなものだったのではないかと。
神々を羨ましく思う。
そこで唯の意識は途絶えた。
しえん
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:50:12.89 ID:5/I6CW4fO
唯は夢を見ている。
これは唯本人にも分かっている。
唯は何も身に着けず全裸のまま、朽ちつつある竜、
アーリマンの頭に乗っている。
いや、正しくは額に。
あまり腐臭も気にならない。
アーリマンは霧立ち込める水面から、体(たい)の半分を出している。
ダエーワの主の周りには六柱の君。
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:51:05.59 ID:5NLl0R0WO
ムギ大丈夫かな
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/22(水) 23:57:57.62 ID:9ZiyGsW70
ことあるごとに「全裸」だの「男性器」だのでてくるのにちっともいやらしくない!ふしぎ!
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:01:19.28 ID:H87NzQx1O
『嘘を司る君』ドゥルジは、アーリマンの右側すぐの空中にある。
醜悪な笑みを浮かべながら、ギョロギョロと忙しなくその一つ目を動かす。
ドゥルジの周囲には無数の、昆虫のようなモノが浮遊している。
よく見れば昆虫と人間、それも女性、のパーツを組み合わせたようなかたち。
蠅女、蜂女、蟷螂女…それ以外にも無数の種類がある。
大きさは昆虫のそれだ。
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:02:38.90 ID:MMJgbub20
ぎーた
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:05:27.44 ID:fGQJxF35O
なんだろうな……
寄生虫かなんかを見てるような……
なんかもうとにかく気持ち悪いおぞましい吐き気がする
きっと「悪魔の書」とかってこんな風に書かれてるんだろうな…
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:07:48.88 ID:H87NzQx1O
『悪思を司る君』アカ・マナフは
アーリマンの頭の上に浮かんでいる。
アカ・マナフの周囲には時折、旋風のようなモノが湧き上がり
竜の呻きのような音を発している。
書き溜めはしていないんだろうか
もししてあるなら、一回ごとのレスをもう少し文量多めで投下して欲しい
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:13:32.66 ID:H87NzQx1O
『渇きを司る君』ザリチュと『熱を司る君』タルウィは、
互いに身体を絡ませあって、
アーリマンの左前足の付根そば、水面に浮かんでいる。
二柱のまわりの水面からは、微かに水蒸気が立ち上がっている。
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:16:43.65 ID:HXizMmeLO
渇きと熱…最悪や
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:20:31.63 ID:H87NzQx1O
『酩酊を司る君』サウルウァは、アーリマンの右後方を浮遊している。
かたちは球形のまま。
『臆見を司る君』タローマティはアーリマンの左後方を飛行している。
よく見れば、ギー太に住まう『眼』と左右対象、
つまり目頭と目尻が逆位置になっている。
663 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:29:18.41 ID:H87NzQx1O
唯はアーリマンの額に座していることに気付く。
『覚えたか?』
アーリマンは唯に問う。
唯『うん。』
唯は答える。
唯『心地良い。』
『そうであろう?』
『愛しいお前への贈り物だ。』
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:30:31.49 ID:2/3W7JDsO
しえん
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:30:46.63 ID:H87NzQx1O
唯はアーリマンに問う。
唯『あのお酒?』
『いかにも。』
アーリマンは答える。
『〈酩酊〉に命じ、ハオマを贈った。』
唯『酩酊の君、ありがとう。』
唯は後方を向き、サウルウァにそう言う。
サウルウァ『礼にはおよばぬ…』
サウルウァは答える。
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:35:56.40 ID:HXizMmeLO
贈り物…先生が一番堪能してたな
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:38:25.06 ID:H87NzQx1O
『我らのハオマは酔楽のハオマ。』
『ヤザダどもが水の如きハオマとは違う。』
アーリマンは答える。
『ムギちゃんは楽しんでなかった…』
唯は言う。
アカ・マナフが口を広く。
アカ・マナフ『げに…あの娘は…』
『捨て置け。』
アカ・マナフ『…』
アカ・マナフは口を噤む。
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:38:57.94 ID:fGQJxF35O
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:44:59.44 ID:HXizMmeLO
ムギ捨て置かれた
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:45:16.26 ID:H87NzQx1O
『ユイ、お前は香しい。』
アーリマンは目を細める。
『愛しいお前に、面白いものを見せてやろう。』
アーリマンは続ける。
ダエーワの主はゆっくりと、水面を前に進みはじめる。
六柱の君もアーリマンに倣う。
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:50:10.28 ID:HXizMmeLO
神格が人間に執着するとはね
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:55:49.37 ID:fGQJxF35O
どう考えても人柱にする気だな。
ガメラ3みたいな
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:57:00.80 ID:uJmuDkKL0
アーリマンはむぎ派か
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 00:58:30.52 ID:uJmuDkKL0
アーリマンじゃねぇ アフラ・マズダ
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:00:05.99 ID:H87NzQx1O
しばらく水面を進むと、唯の視界に橋のようなものが見えてくる。
唯『あれは?』
唯が問う。
アカ・マナフ『あれこそ〈チンワトの橋〉。』
アカ・マナフが答える。
よくよく目を凝らせば、はるか左手のはるか先には、うっすらと陸地が見える。
その陸地に、チンワトの橋の一方がかかっている。
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:04:46.39 ID:H87NzQx1O
橋は陸地から延々と伸びている。先は見えない。
『あの橋のずっと先には何があるの?』
唯は問う。
『マズダーの園がある。』
アーリマンは答える。
唯『天国?』
唯は問う。
『いかにも。』
アーリマンは答える。
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:06:59.22 ID:HXizMmeLO
アフラマズダ?
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:09:53.73 ID:H87NzQx1O
唯『あの岸の先には何があるの?』
唯は陸地のほうを指す。
『混合の地、生者の地だ。』
アーリマンは答える。
唯『この世?』
唯は問う。
『いかにも。』
アーリマンは答える。
唯『じゃあこの下は…』
唯ははじめて、水面の底を覗く。
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:17:55.74 ID:H87NzQx1O
水面の底には異形のモノがびっしりと澱めいている。
骸骨、腐りかけ、動物と人間が融合した何か、
異種同士が融合した何か。
一様に苦悶の表情を浮かべている。(表情が読めるモノに関してだが。)
唯『この下には何があるの?』
唯は問う。
『私が統べる場所』
アーリマンは答える。
唯『底までどれくらいあるの?』
唯は問う。
『底などありはしない。』
アーリマンは答える。
唯は頭を垂れ、哀しい顔をした。
おもしれー
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:23:13.67 ID:H87NzQx1O
『愛しきユイよ、顔をあげてくれ。』
アーリマンは言う。
『こやつらは報いを受けているのだ。』
アーリマンは続ける。
『…』
唯は何も言わなかった。
『あれを見よ、愛しきものよ。』
アーリマンは言う。
アーリマンが鼻先を伸ばした、その先、
橋がはじまるところには、光り輝く宮殿が建っている。
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:25:51.32 ID:qy8mhdQz0
ユイってかくと某コレクターがでてくる
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:28:41.54 ID:fGQJxF35O
別にこれヒロインが唯じゃなくてもい(ry
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:30:47.63 ID:H87NzQx1O
唯『あれは?』
顔を上げ、唯は問う。
アカ・マナフ『あれこそ〈ミフル〉の宮。』
アカ・マナフが答える。
唯『ミフル?〈ミスラ〉じゃなくて?』
唯は問う。
『ミフルは小さき〈ミスラ〉。アムシャスプンタが一つ、アールマティが僕。』
アーリマンは答える。
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:31:39.06 ID:MMJgbub20
ちんぽ汁が悪意によるものでなくて良かった
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:33:44.84 ID:H87NzQx1O
『ミスラは、わたしやマズダーとも違(たが)うもの。』
アーリマンは続ける。
唯『どういうこと?』
唯は問う。
『じきに分かろう。』
アーリマンは答える。
唯『ミフルは何をしているの?』
唯は問う。
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:38:48.83 ID:H87NzQx1O
『ほか二つのヤザダとともに、あの宮にて、死者の審判を行う。』
アーリマンは答える。
唯『審判?』
唯は問う。
『悪しきものと善きものを分けるのだ。』
アーリマンは答える。
『今、悪しきとされたものがチンワトの橋を通る。』
アーリマンは続ける。
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:46:54.64 ID:H87NzQx1O
宮殿の出口から男が出てくる。年齢や容貌は判断できない。
男はチンワトの橋を進んでいく。進むほどに橋の両側が狭くなっていく。
そしてあるところで渡りきれずに、水面に転落する。
アーリマンは続ける。
『見よ、善きとされたものがチンワトの橋を渡る。』
宮殿の出口から別の男が出てくる。
先ほどの男と同じく、年齢や容貌は判断できない。
男はチンワトの橋を進んでいく。進むほどに橋の両側が広くなっていく。
そしてやがて、男の姿はマズダーの園の方向に消えていった。
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:56:13.71 ID:H87NzQx1O
唯『わたしも死んだら、あの橋を渡るのかな。』
唯は呟く。
アーリマン『愛しいお前にはミフルの宮すら潜らせぬ。
そのときには、ユイ、お前のフラワシ(魂)を我が色に染め、
ただひとり麗しいダエーワとしよう。』
アーリマンは目を細める。
唯『憂も一緒がいいな。』
唯は呟く。
アーリマン『ならば合わせて、我が麗しき娘としよう。』
唯は、それから一言も発せず、チンワトの橋を渡る死者の姿を見つめていた。
『香しい。』
アーリマンは呟く。
ここでタローマティは気付く。
後方にいるはずのサウルウァの姿が
いつの間にか消えていることに。
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 01:58:52.06 ID:m693ASLaP
しえn
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:05:41.55 ID:fGQJxF35O
私怨
いつ頃終わる予定かいな?
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:06:18.15 ID:ed8LDQ+k0
なんてざまだよこれ
つまんなすぎるぜ最近のVIPPERさんよ
だからニコ厨にも馬鹿にされんだよカスどもが
なんでも「○○にありがちなこと」とか「スーパー○○タイム」とか
ありきたりな2番煎じばっかやってりゃ笑うと思ったら間違いだぞ
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:09:34.44 ID:Uskn6rmJO
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:13:13.85 ID:H87NzQx1O
琴拭屋敷居間 23時過ぎ
気が付くと蕎麦焼酎のあの素晴らしい薫香は、いつの間にか消え去っていた。
しかし、いまだ琴吹屋敷の居間では、酒盛りが終わっていない。
一方で、唯は一番先に寝てしまい、憂が眠る唯を梓と一緒に、
平沢姉妹と梓にあてがわれた寝室に運び、そのまま二人とも就寝した。
残った女性四人で様々な話に華を咲かせている。
聡は横で聞き耳を立てていたのだが、いつの間にか、
テーブルに突っ伏してウトウトし始めた。
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:16:21.07 ID:H87NzQx1O
>>691 オレにもわからん。
残ってたら明日書きます。
これまでの少しダークな展開から、多少、様変わりすると思います。
おやすみなさい。
乙でした!
続き楽しみにしてますね
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:17:37.03 ID:m693ASLaP
おつかれ
俺も寝るラスト保守
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:23:11.99 ID:fGQJxF35O
乙。
でもペースだと次スレいるかもなぁ…まだまだ序盤みたいだし…
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:34:23.86 ID:H87NzQx1O
追記
>>698 今で丁度半分くらい。
あと、
>>659の言う通りレスごとの分量を増やします。
おやすみなさい。
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:38:51.36 ID:9tVqiK0oO
乙
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 02:43:39.33 ID:fGQJxF35O
乙捕手
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 03:13:26.28 ID:WwxvlZ3j0
ほ
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 03:37:11.56 ID:oz+AKM390
寝る前に
>>1から読んだらこんな時間orz
でも、内容や文体が読みやすい。
昨日も今日も補習
ほしゅ
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 05:09:30.30 ID:dy6rlh780
ほ
し
ゅ
う
行
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 07:19:38.31 ID:fGQJxF35O
く
か
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 08:07:11.25 ID:2/3W7JDsO
みんながんばれ
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 08:38:54.65 ID:fGQJxF35O
保守政党。
保守
ゾロアスターって中二くさいと思ってたけど、やっぱり中二くさかったんだな
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 10:14:16.76 ID:ES2FkhFcO
ほ
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 10:14:35.03 ID:8joAmJouO
ほ
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 10:55:38.33 ID:ES2FkhFcO
ほし
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:19:37.34 ID:0pBAr75bO
今朝のグロ画像スレが原因で鳥葬について調べた矢先コレだよ。
何か因果を感じるぜ。
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:42:22.06 ID:H87NzQx1O
再開します。
…の前に一点説明。
それは、いわゆるゾロアスター教つまりアヴェスターの神々と、
インドのヴェーダの神々との関係です。
インド人の一派とペルシア人はどちらも、いわゆるアーリヤ系の民族、
インド・ヨーロッパ語族です。
もともとは同一の民族であったものが紀元前二千年期(BC200〜0BC1000)に分かれて、
一方はイラン高原へ、もう一方はインド北西部に移動したと考えられています。
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:44:08.71 ID:uJmuDkKL0
博識すなぁ
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:46:20.00 ID:OH7/vrpeO
おいおい高校の世界史レベルだろ
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:46:57.14 ID:qDogmDYR0
おk
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:55:32.14 ID:mABOB6tm0
雲胆
仏教の開祖ブッダが生まれた直後に発した言葉
雲のごとく湧き上がる自らの胆力を示したものであり、両手に木の欠片を持ち
それを打ち据えながら「雲胆雲胆」と繰り返していたといわれる
俗に言われる「天上天下唯我独尊」はこの言葉が誤って伝えられたものであることはいうまでもない
また後漢末の偉人曹操は、長坂橋の戦いにおいて百万の軍勢を張飛一人に足止めされた際
「雲胆かな」とその胆力を褒め称えたという
その後歴史上数々の偉人が雲胆を発言しており、現代でもごくまれに
幼少期に発してしまう神童が存在するらしい
民明書房刊
『御仏と偉人たち』より
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 11:56:40.84 ID:H87NzQx1O
今までアフラ、ダエーワ(デーウァ)という言葉が出てきました。
アフラというのは、インドのアスラと同じ起源、
ダエーワは、デーヴァと同じ起源です。
ただし、意味する神々は全くの逆です。
簡単に言えば、善神と悪神が逆になっています。
ヴェーダ以降のインドでは、デーヴァが善神、アスラが悪神です。
なぜこの逆転が起ったのかは、あるインド・ヨーロッパ系の一集団が、
デーヴァを奉ずる集団と
アスラを奉ずる集団とに、分裂した結果であるとされています。
例えば、アエーシュマは、インドのインドラ、後の帝釈天と、
近い起源を有する神だと考えられています。
サウルウァは、マルトー神群(インドラの部下ないし同輩神)と同起源です。
…ということを、頭の隅にでも置いていただければ…
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:00:36.61 ID:zaNm9SrcO
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:01:40.73 ID:H87NzQx1O
失礼
×紀元前二千年期(BC200〜0BC1000)
○紀元前二千年期(BC2000〜BC1001)
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:06:20.09 ID:A/QVD3+V0
アフラ・マズダかアーリマンか。
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:08:10.17 ID:fGQJxF35O
どっちが善でどっちが悪なのやら
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:08:18.90 ID:m693ASLaP
光と闇の果てしないバトル
>>724 MARCH付属高生の俺が言うが、そんなに深くやんないぞ。
アーリア人が西から侵入し、ドラヴィダ族をデカン半島南部に追いやったとか、どっかの王朝がゾロアスター教を国教にしたとか、マズダとアーリマンの善悪二限論とか最後の審判云々くらいだ
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:14:19.21 ID:fGQJxF35O
>>732 Wake up! The hero!
太陽よ〜
愛に勇気を〜与え(ry
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:15:58.21 ID:oz+AKM390
あと、マツダの社名がマズダ由来ってのもやったな。
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:15:59.16 ID:H87NzQx1O
聡「…」ウツラ…ウツラ…
律「ん?聡の奴、半分寝てやがる…」
和「しょうがないわよ、まだまだ幼いんだし。」
律「中学生でもか?」
和「ええ、十分よ。」
澪「じゃあ、私が布団敷いてある部屋まで、聡を連れてくよ。」
律「いいの?わりーなー。」
澪「ムギの具合も見てみたいし。」
紬が、焼酎の臭いに強く反応していたことを思い出す。
澪「聡、起きろ、移動するぞ。」
聡「…う…うん…」
澪は数回、聡の体を揺すって立ち上がらせたあと、
肩を支えるようにして、聡を連れていく。
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:17:38.74 ID:oz+AKM390
本編キタ━━━━( ゜∀゜)━━━━!!
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:32:44.09 ID:H87NzQx1O
琴吹屋敷の長い廊下を進む。紬専用の寝室と、
聡に割り当てられた寝室は、どちらも二階にある。
聡「ふぁ…ねむ…」
澪「成人式向かえるまでは、もう絶対に飲酒するなよ、非行の元だからな。」
聡「…うん…わかったー…ファアア…」
聡に言って聞かせる澪。
澪は昔から、田井中姉弟には色々と世話を焼いてきた。
(実は同じぐらいに、律も澪に対して心をくだいてきたのだが。)
二人が階段横の、平沢姉妹と梓が寝ている部屋の前を横切ったとき。
部屋の障子の隙間から、影色の物体が姿を現す。
そしてそれは、聡の影に飛び込み、
体(たい)の半分を床から現し、半球のかたちをとる。
大きさは直径20cmくらい。
二人はそれに気が付かない。
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:37:55.53 ID:IRH+FPjGO
アスラは農耕民族が信仰していて、実りの意味
デーヴァは狩猟民族が信仰していて、力の意味
そしてどちらも元々は太陽とか輝きを意味する善神群だった。
しかし、民族移動や流入の関係でどちらかがどちらかを征服したときに、それが神話にも反映されたんだろう。
ってな独自研究。あんまり鵜呑みにしないように。
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:46:56.98 ID:IRH+FPjGO
あと、一応参考までに、
最初期のリグ・ヴェーダ(神様への賛辞集みたいなもの)なんかではアスラ(=アフラ)とデーヴァは兄弟とかとして仲良く描かれている。
でも、時代が下るとアスラは悪鬼羅刹、阿修羅、バラモン教を見くびる存在として描かれるようになる。
密教の曼荼羅(大日如来の全ての徳をそれぞれの神様を並べることで示したもの)にも
何故か悪神であるはずの阿修羅や羅刹が描かれていることは、
バラモン教が現地の神性や神話を吸収した時にアスラもデーヴァも両方を神聖視した名残であるとかないとか。
で、これを仏教が更に吸収して、更に更にそれをヒンドゥー教が吸収するわけだからなんだかややこしい話になるわけだ。
スレ汚しスマソ。
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:51:09.42 ID:H87NzQx1O
階段を上がって二階へ。
二階は、琴吹一族が別荘に滞在するときに寝室とする部屋が数室ある。
聡は紬の父親の寝室を割り当ててもらったのだ。
障子をあけ、紬の父親の部屋に入る。
内装は下の客間とほとんど変わらない。凝った装飾など全く見られないのだ。
正座して使うための低い机があり、その脇に布団が敷いてある。
机の上には電灯とブックホルダーに挟まれた数冊の本。
その他には衣類箪笥が一つだけ。
金持ちというものを誤解しているのかもしれない、澪はそう思った。
澪「さ、聡、寝なさい。」
かけ布団を捲ってやる澪。
その時。
聡の影から球体が垂直に上昇し、聡の背中のすぐ後ろで静止する。
澪と聡は気付かない。
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 12:52:32.44 ID:H87NzQx1O
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:01:15.83 ID:Lv45+kFAO
フレディマーキュリーってゾロアスター教に関連してるよな
特集番組みたいなのでずっと前に見てびっくりした
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:02:36.19 ID:H87NzQx1O
そして球体は、男性器と舌のような影色の物体を無数に生やし、
聡の背後に放射線状に取り付かせる。
まるでヤザダたちの光背のようにも見える。
光り輝かず、澱んだ黒であるが。
いかにも眠そうだった聡の表情が和らぎ、微かに血色をおびる。
聡はそのまま澪に倒れ込み、彼女を布団の上に押し倒す。
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:05:01.89 ID:j60Hudn10
どうやら聡は死にたいようだな
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:13:25.09 ID:fGQJxF35O
らめええええええ
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:15:33.17 ID:H87NzQx1O
澪は頭の中が、プツンと真っ白になる。
聡が何をしたのか、そして、その意図が理解出来ない。
澪「さと…」
澪の言葉は最後まで続かなかった。聡が澪の口腔に侵入したからだ。
澪は反応することが出来ない。衝撃が強すぎて。
20秒ほどで、聡は澪の口腔を犯すことを止める。しかし二人の顔は接近したまま。
聡「みおねえ…」
聡の血色と表情は熱を帯びている。
そして聡はズボン越しに膨れ上がった男性器を、澪の女性器にあてがう。
澪の腹の奥に鈍い疼きがわきあがり、熱いものが女性器から溢れだす。
澪の目尻には涙の珠がたまりはじめ、目は大きく見開かれる。
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:17:44.67 ID:bTgtLvwU0
明日香村ってほんまにあるんや
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:28:07.72 ID:H87NzQx1O
サウルウァの欲望が糸を引いていた。アーリマンにはそこまで命じられていない。
聡は意識を乗っ取られているわけではない。
密かに抱いていた澪への慕情を、サウルウァが増大させたのだ。
サウルウァは『若きの暴走』をも司る。
そしてダエーワたちの中でも、もっとも欲望に関係している一柱なのだ。
サウルウァは唯に、『礼はいらぬ…』と言った。
つまり、返礼はいらぬ、その分は自ら頂戴する、という意味であった。
これから、澪の身体を存分に味わって。
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:29:52.38 ID:bTgtLvwU0
全力で適当だけどもしかしてカルティケーヤとかヴィローシャナとかシャダイとかエロヒムとかツァバトとかアメンラーとかナンディとかアールマティとかブチャラティとかもゾロアスター関係?
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:30:44.81 ID:HXizMmeLO
球体っていうとヨグ=ソトースが浮かんでくる
追いついた・・・
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:42:01.42 ID:H87NzQx1O
サウルウァは、聡が十分に澪を蹂躙するのを待ち、
そのあとに自らが直接、澪を楽しむつもりであった。
『若きの暴走』を眺めることは、このダエーワの悦びとするところだからだ。
だからしばらくは、聡を暴走させるにとどめる。
聡は澪のTシャツに手をかける。澪の目から涙が溢れ出す。
そのとき。
「さとし君ごめんなさい!」
ドゴッ!!
聡「ヘブッ…」
鈍い音がした。
紬が置物のようなものを持って立っている。
澪の上に倒れ込み意識を手放す聡。
サウルウァは、舌と男性器を引っ込め、部屋の外に逃げ出す。
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:44:05.63 ID:qDogmDYR0
パンツ脱ぐか
聡死亡w
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:47:29.22 ID:9tVqiK0oO
ムギGJ
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:50:36.25 ID:HXizMmeLO
むぎゅううううう!
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:51:50.92 ID:bTgtLvwU0
各々の部屋で大乱交スマッシュブラザーズ期待してた俺のけがれっぷりに
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:58:59.97 ID:3KJlmwQAO
紬空気読め
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 13:59:15.22 ID:H87NzQx1O
紬「だ、大丈夫かしら…」
紬の持っていたのは木製の置き時計であった。
紬は先ほど、身体中を虫が這うような、それも今までと桁違い違いで、
体内に侵入されるのでは、という感覚を覚えて、目を覚ました。
すぐ近くに、この原因がある、と感じた紬は廊下に出て…
そのあとは、今起きた次第である。
澪は、表情無く涙を流していた。
紬「澪ちゃん…」
紬は澪を助け起そうとする。しかし…
澪「嫌っ!!」
澪は聡を押し退け、紬の手を振り払い、部屋の外へ飛び出す。
紬「澪ちゃん!待って!」
ふむ
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:26:34.18 ID:fGQJxF35O
しえん
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:27:43.78 ID:3r17RESiO
なにこの稚拙な文章
物書きとして許せないんだが…
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:28:02.25 ID:H87NzQx1O
紬は心配になる。聡の後ろにいた、あの黒くて丸い『何か』が原因だ。
すぐに澪を追いたかったが、自分が殴ってしまった聡のことも気になる。
ひとまず斎藤を呼んで、彼に聡を任せることにした。
部屋から飛び出した澪は階段を下り玄関から外に出る。
自分でも分からない方向に突っ走る。
澪の身体が描く残像に沿って、涙が虚空の中に消えていった。
そして澪が辿りついたのは、屋敷の左裏手、弥勒菩薩を治めてある、あのお堂。
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:32:44.09 ID:Lv45+kFAO
千手観音なら妄想爆発する
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:37:40.46 ID:HXizMmeLO
弥勒さんはまだ修行してるんだな
どっかの宇宙で
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:45:53.19 ID:H87NzQx1O
すいません、一、二時間はずします。
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:46:49.46 ID:9tVqiK0oO
わかった
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 14:48:59.59 ID:fGQJxF35O
ほっしゅ
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:12:11.16 ID:HXizMmeLO
礼はいらぬ、で自分で取りにいくとか
怖いな
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:16:10.58 ID:f9/4r4SFO
>>751 リトクトゥの表紙のヨグさまは可愛すぎだと思う
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:21:01.82 ID:xjGhKKt70
ヨグ=ソトースって聞くとヨーグルトソースが食べたくなる呪い喰らっちまったんだけど
>>772 ヨーグルトソースって聞くとヨグ=ソトースしか思い浮かばない呪い喰らっちまったんだけど
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:40:51.26 ID:HXizMmeLO
ヨグ=ソトースとはつまりヨーグルトソースである
念のため☆
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:14:35.19 ID:vO3E6AK5O
>>763 じゃ、テメーの文章上ろよチンカスが^ ^
と釣られてみる。
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:24:25.02 ID:8pDUKk9nO
>>776 それは、稲妻のような切っ先だった。
心臓を串刺しにせんと繰り出される槍の穂先。
かわそうとする試みは無意味だろう。
それが稲妻である以上、人の目では捉えられない。
だが、
この身を貫こうとする稲妻は、
この身を救おうとする月光に弾かれた。
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:31:51.02 ID:xjGhKKt70
>>777 串刺しにせんと
かわそうと
貫こうと
救おうと
読んでてちょっとつらかった。
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:33:35.16 ID:3KJlmwQAO
文学の冒頭じゃんこれwwww
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:35:01.53 ID:HXizMmeLO
ラヴクラフト御大はゾロアスターとかも知ってたのかな
良い題材な気がするんだが
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:35:07.99 ID:NSoXniMDO
まだあったw
保守するか
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:50:31.81 ID:H87NzQx1O
再開します。
澪はお堂の階段に腰かけると、頭を垂れ、嗚咽を洩らしはじめる。
親友の弟、自分も弟のように可愛がってきた聡が、あのような…。
聡の男性器の感覚は、まだ澪の下腹部にあった。膣内からの分泌による湿りは、
澪の心を一層強く打ちのめす。
何も考えたくはなかった。
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:55:35.79 ID:bTgtLvwU0
いけいけ
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:57:30.14 ID:fGQJxF35O
ミロクがくるぞー(^O^)ノ
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:07:45.13 ID:gckxotJi0
まずい!自称小説家と自称評論家が暴れ出したぞ!
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:20:33.69 ID:HXizMmeLO
澪かわいい
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:20:45.29 ID:8pDUKk9nO
>>779 よくあれだけで気づいたwwwwwwww
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:21:19.95 ID:H87NzQx1O
どのくらい経ったか、澪は背後のお堂の中から、微かな光が洩れてくるのに気が付く。
立ち上がってお堂の中を、両開きの扉の格子越しに覗く。
金属性の仏像が何かの光を反射して輝いている。
澪が後ろの空を見上げると、中天近くに月が顔を出していた。
仏像は片足をもう片足の上にのせ、右手で印を結んで顎の近くにのせ、左手は腿の上。
後頭部には頭光(ずこう)。
澪は、どこかで見たことがあると思った。
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:25:03.89 ID:HXizMmeLO
弥勒はいいよね
ちょっと人間味があって
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:29:58.69 ID:H87NzQx1O
失礼
×顎の近くにのせ
○顎の近くに置き
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:31:30.97 ID:Y35MQ5f/O
唯ってゾロアスター教徒だったのか 萌える
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:39:21.57 ID:3KJlmwQAO
>>788 なぜかこのスレにもう貼られてたぞ
それが無くても俺なら一行目だけで分かるけどな!
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:42:32.24 ID:H87NzQx1O
澪は扉に手をかける。すっと、扉は開く。鍵はかけられていなかった。
澪はお堂の中に入る。
きちっ、きちっ、と床板が軋む。
仏像は観音開きの、仏壇のような台座のようなものに安置されていた。
大きさは80cmぐらいだろうか。
仏像は、口と目を閉じて思索しているようにも、
視線―頭はほんの少し斜めに傾斜している―の先を、
穏やかに見つめているようにも見える。
澪「半跏思惟像(はんかしゆいぞう)…弥勒菩薩…」
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:45:05.33 ID:CUXkQ45aO
僕の股間がアフラ・マヅダです
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:49:11.95 ID:xjGhKKt70
zoomzoom
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:50:21.59 ID:HXizMmeLO
zoom♪zoom♪zoom♪
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:55:55.81 ID:H87NzQx1O
澪はさらに仏像に近付く。
おそらく金銅製だ。所々に錆が浮いている。
作られて数十年経っているのか、数百年経っているのか、澪には判別できない。
澪はこの間インターネットで調べたことを思いだす。
澪「広き牧野の主(しゅ)…」
ミスラに捧げられた御名を思いだす。
澪「全地の主…」
それがアヴェスターに記されていたものか、ヴェーダに記されていたものか、
ヒッタイトの碑文由来のものなのか、
ミトラ教のものなのか、
澪には分からなかった。
澪「ミスラ。」
その瞬間、澪は奇妙な感覚に襲われた。
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:08:07.36 ID:H87NzQx1O
体内の内蔵がひっくり帰りでもするような感覚。
低重力と高重力を交互に負荷されるような。
澪の周辺の景色が高速で真下に流れはじめる。
さらには流れは速くなり、周囲の景色を視認することは全くできない。
そして周囲がいきなり開ける。闇深い青だ。
そして、その中に広がるようにして、きらめく輝き。
頭上から、さらに柔らかく照り付けるものがある。月が輝いていた。
そのとき声が響き渡った。
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:09:02.25 ID:HXizMmeLO
いいな
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:21:38.72 ID:H87NzQx1O
『私は双子のためにある者。』
『ミオよ。』
『かつてお前とわたしは、この場所で同じように…』
『このような形で語りあったのだ。』
『幾度も幾度も。』
『もう何度目かは覚えていない。』
『何度双子が生まれたことだろう。何度わたしが…』
声がする方に身体を向ける澪。
そこには、鎧と兜を見にまとい、棒のようなものを手に持つ、
金色に輝く存在があった。
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:23:57.37 ID:H87NzQx1O
まただ…
×見にまとい
○身にまとい
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:24:38.77 ID:8pDUKk9nO
木の上に卵を産むカエルがいるのか・・・@神戸
どんな誤爆だ
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:53:23.58 ID:vO3E6AK5O
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:58:58.44 ID:jnuB80g/O
澪も覚醒か
>>788 むしろあれだけ書いて気付かないヤツがいるのかと
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:04:46.54 ID:H87NzQx1O
パソコンから書きます
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:05:08.59 ID:ZDnWCkZe0
澪『ミスラ…さま…』
『敬称はいらぬ。』
ミスラの顔は若い青年のようにも見える。
黄金色の輝きが強く、表情をうかがうことはできない。
しかし、深い灰青の色をした瞳を持つ、
二つの目が澪を見つめている。
『再びお前に聞こう。ミオよ、なぜ涙を流しているのだ?』
ミスラの瞳には、湖面に風が波立つような波紋のような輝きがある。
『…』
澪は下を向き、答えなかった。
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:08:37.26 ID:ZDnWCkZe0
まただ…
×ミスラの瞳には、湖面に風が波立つような波紋のような輝きがある。
○ミスラの瞳には、湖面に風が立てる、波紋のような輝きがある。
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:08:42.39 ID:gckxotJi0
聡処刑フラグきた
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:09:33.72 ID:gckxotJi0
聡処刑フラグきた
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:16:38.14 ID:ZDnWCkZe0
『マルトー(若者)は若き雄牛に似る。』
『深慮を働かさず、情動に流され、己の思いのみを走らせるのだ。』
そういうと、ミスラは自分のまわりを見回す。
周辺の星々のきらめきがミスラのそばに集まり、
様々な色に輝く戦士たちの姿をとる。
鎧も兜も武器も種族さえも違う、多くの戦士たち。
『この方たちは…?』
『ウルスラグナ。わたしの眷属たちだ。』
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:18:00.34 ID:j60Hudn10
澪は善の立場になるのか
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:31:41.86 ID:ZDnWCkZe0
『すべてお前が決すればいい。他の者を尊ぶも自身も尊ぶも。
そうやって幾無限回、お前は自身で決めて来たではないか。』
澪『どういうことなんですか…?』
澪はミスラの言っていることが、よく理解できなかった。
澪『前世の話ですか?』
『人には前世などない。魂のみでは在りえない。身体のみでも。
魂と身体はわかれることはできぬのだ。』
『双子の争いと同じだ。アフラマズダーは己のフラショ・クルティを確信し、
アーリマンもまた己のフラショ・クルティに執着する。』
澪『フラショ・クルティ?たしか…』
『移り行くことだ。』
『アーリマンは消滅へ、アフラマズダーは完成へ。』
『しかし、在るものは消滅することもなく、完成することもない。』
『双子はそれを理解しない。』
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:43:20.05 ID:ZDnWCkZe0
『足下を見てみよ。』
澪は視線を下げた。山々と所々の明かり。
澪は空中に浮いていることに気づく。
空気は清涼であるが薄くなく、ほぼ無風である。
周辺に視界をのばすと、明かりが集まって、
やや大きな群れを作っているところがある。
天理市や桜井市だろうか。
『上昇するぞ。』
ミスラはそう言った。すると、
足元の山々や明かりが、どんどん小さくなっていく。
星
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:57:36.19 ID:HXizMmeLO
ミスラかっけー
アーリマンはどうしてもスケベ親父に見えて困る
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:12:27.08 ID:8pDUKk9nO
次のスレに行きまっしょおー
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:15:12.81 ID:2iQDvWoh0
次スレとかあっていいのか
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:16:33.15 ID:ZDnWCkZe0
『日本が小さく…』
世界中とまではいかないが、東アジアの明かりが目視できる高さまで上昇する。
日本列島は、特にまばゆい。
『あの明かりは人が作り出したもの。』
ミスラは棒状の武器を左手にも持ち替え、
胸元の前で、右手を使い印を結びながら、なにやら呟く。
すると一瞬にして、地上の明かりが消え去る。
澪『暗い…』
やみ色の大陸と、北極周辺のうっすらとした輝き、
海が鈍く青暗い光沢を放っている。
そして、かすかに見える黒灰色の、
所々ゆっくりと動くもの、おそらく雲だ。
そしてまたミスラは、なにやら呟きながら、胸元で印を結ぶ。
すると再び明かりは、地上に溢れる。
次スレなんてざらだよ
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:21:03.14 ID:wFGRGGjwQ
停電させるならあらかじめ言ってくれよ…
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:24:09.41 ID:HXizMmeLO
今の停電はミスラのせいか
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:27:53.31 ID:ZDnWCkZe0
『お前の百代前の祖先が、地上を歩いていたころには、
さきほどのごとく夜は闇のみが支配し、
人は小さなかがり火のみしか持たなかった。』
『百代後の末であるお前は今、あの明かりの恩恵を受けている。
だが、先ほどのように、あの輝きが、
二度と地上に灯らないとしたら、どうだろうか?』
澪『…』
私たちは恵まれているのかも、と澪は思った。
『下降しよう。』
再び、めまぐるしく景色が変わる。
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:39:00.44 ID:JMgo2G1HO
支援
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:48:00.06 ID:ZDnWCkZe0
再び、山々と明かりが眼下に望める位置にまで下降する。
『次のものを見せよう。
今日、お前がヤマトにいるゆえに、ヤマトでのそれを…』
澪たちの眼下の景色が水平に動いていく。
空中を移動しているのだ。しかし、風の流れはまったく感じない。
方向を、明日香村から北北西に進路をとる。
澪は、どのくらいの距離を進んだのかわからなかった。
そして静止する。
『足下の土地はイカルガという。』
澪『イカルガ…法隆寺のある斑鳩…』
『あれなるが法隆寺だ。』
ミスラたちは法隆寺の近空まで下降する。
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:58:17.00 ID:WwxvlZ3j0
なんか急に話が飛躍したな
澪に関してはなんの伏線も無かったような
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 21:08:20.93 ID:ZDnWCkZe0
『あれを見よ。』
ミスラが指す寺院の一角の建物を見る澪。
突然、澪の視界の前面に、その建物の中の映像がとびこんでくる。
身体は法隆寺の上空数十メートルのはずなのに。
澪は大きく開いた口を、両手で隠すように覆い、目を見開く。
声が出せない。涙が目じりにたまり始める。
法隆寺の一角の建物の中には、20人から30人くらいの人がいた。
天井の木組みや梁から吊るされた紐のようなもので、全員が首を吊っている。
格好から飛鳥時代の貴人とその家族のように思われる。
幼い子供も何人かいる。全員目を見開き白目に近く、舌を力なく垂らしている。
ミスラは年かさの中年男性の死体を指差してこう言った。
『あれなるは、ウマヤドという名を持つ皇子の息子だ。』
『ヤマシロノオオエという。』
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 21:14:15.88 ID:oz+AKM390
山背大兄王ということは、蘇我氏とかその辺りか。
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 21:26:59.65 ID:bTgtLvwU0
ほ
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 21:33:25.11 ID:ZDnWCkZe0
『大王の地位を望んだが、結局は争いにやぶれ、一族で命を絶った。』
『はるか昔の話だ。』
『そして、ヤマシロノオオエを自死にやったものは…』
再び眼下の景色が水平に動く。
石床と芝で覆われた何らかの遺構の上空で静止する。
そこには、古代の衣装をまとった人々が多く集まっていた。
澪『ま…ぼろし…』
『そのとおり。お前のために見せているものだ。』
眼下では、金属製の冠をかぶった女性、おそらく古代の王であろう、
の目前で、槍を持った貴人が立ち、
そばには抜き身の刀剣を持った二人の男と、
そのすぐ横で王に向かって這い蹲(つくば)っている男の姿が見える。
王の姿が消えると、刀剣を持った二人の男は、這ったままの男に数度切りつける。
澪『!!!!』
這った男は地面に臥し、石床に血流を流してそのまま動かなくなった。
『あれなるが、そのものの末路。』
死体となった男を指差してミスラが言う。
イルカーイルカー!
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 21:47:36.93 ID:ZDnWCkZe0
それからミスラは、現代に至るまで大和地方で延々と繰り返された
人々の争いとその結末を、澪に対して見せたのだった。
澪『…』
澪は、無表情のまま一言も発しなくなった。
『お前は、斯様なものを芝居か絵、文でしか知らぬだろう?』
『それは、これからもずっとそうなのであろうか?』
澪『…』
澪は答えない。
『私が統べるのは、調和だ。つまり、緊張と弛緩の連続。』
『モノは形を永続させ、またすぐに崩れ去る。』
『斯様なものを見せたのは、お前が斯様なものを知らぬからこそ。』
『しかし、お前もまた違った形で違った様相の、
緊張と弛緩の波へ参与しているのだ。』
蘇我氏はもっと評価されていい
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 22:15:56.55 ID:ZwNRK1yp0
馬子たんはぁはぁ
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 22:16:22.78 ID:8pDUKk9nO
以下、“パケロ”について語るスレ
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 22:24:30.26 ID:iUG9gLZOO
保守
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 22:26:08.73 ID:HXn2zMnQO
三日落ちってなくなった?
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 22:55:58.10 ID:aeYPWAlA0
ほ
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 23:10:07.17 ID:QScW2jm/O
支援する
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 23:21:41.50 ID:2iQDvWoh0
保守しますね
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 23:31:40.17 ID:8pDUKk9nO
Q“パケロ”って何?
A俺が高3の時に空前の遊戯王ブームが起こって、ついついバリアブルブックを買ってしまって、その付録についてた骨のヘルメした恐竜みたいなモンスターを“パケロ”と俺が呼び出したのが起源とした、こと白兵戦において最強の吉田
>>830 冒頭でネットで色々調べてる時とかにあったぜ
>>837 天皇家にたてついたってことで貶められてるんだろうね
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 23:55:38.31 ID:fGQJxF35O
あげ
850 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 23:59:05.78 ID:8pDUKk9nO
澪の“おまんまん”が濡れやすい件について
歴史書は常に権力者側の視点で作られるからのぉ
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:00:29.42 ID:FR2+sKRu0
酒のせいだよきっと
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:12:40.48 ID:9sEkp27xO
澪は頭の中が、プツンと真っ白になる。
俺が何をしたのか、そして、その意図が理解出来ない。
澪「俺…」
澪の言葉は最後まで続かなかった。俺が澪の口腔に侵入したからだ。
澪は反応することが出来ない。衝撃が強すぎて。
120秒ほどで、俺は澪の口腔を犯すことを止める。しかし二人の顔は接近したまま。
俺「澪…」
俺は血色と表情は熱を帯びている。
そして俺はズボン越しに膨れ上がった如意棒を、澪の女性器にあてがう。
澪の腹の奥に鈍い疼きがわきあがり、熱いものが女性器から溢れだす。
澪の目尻には涙の珠がたまりはじめ、目は大きく見開かれる。
冠位十二階やらは実は蘇我氏の功績だとしても不思議じゃないよな
855 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:29:37.95 ID:lPlNbJk5O
聖徳太子(笑)
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:33:40.37 ID:lPlNbJk5O
あげ
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:42:45.80 ID:FLBkLIGF0
すいません寝てました。
澪は、サタンがキリストをあちこちに連れまわして誘惑し、
彼を試した、という新約聖書の逸話を思い出す
『澪よ、お前の同輩を愛せよ。』
『ダエーワの頭、アーリマンを魅了した娘がある。
神の種を持ち、その娘はダエーワの頭を哀れむからだ。』
『ヤザダの頭の子、アナーヒターの守護を受ける娘が在る。
神の種を持ち、大王の祠堂を受け継ぐ者だからだ。』
澪『ダエーワとアナーヒター…いったい…?』
『ダエーワもヤザダも人とともに在るもの。心と精神から生まれ、
そこに住まうものなのだ。』
『アナーヒターは、アフラマズダーの娘、高位のヤザダ。
清き水を司る女神である。』
澪『神の種…大王の祠堂…?』
『神の種は、誰にでも蒔かれているものだ。珍しいものではない。』
『大王の祠堂とは、はるか昔の王がアフラマズダーに祈祷した場所。
その王たちは、アナーヒターの加護を特に篤く受けた。』
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:45:00.53 ID:0uYt2MXr0
しえん
おかえり
キリスト教はゾロアスターに結構影響受けてるよなぁ
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:46:44.70 ID:+XUnjaINO
ゾロアスター教は多くの文化にも影響してるよ
日本でもそういう説があるみたいだしね
そして
>>1おかえり
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:48:48.34 ID:9YstBWjf0
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 00:52:52.83 ID:8gUvmN3oO
清き水の女神、とかの表現が好きだ
空色勾玉思い出す
支援
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:00:25.25 ID:FLBkLIGF0
澪『なんで、私はあなたに呼ばれたのですか?』
澪は期待していたのかもしれない、自分が特別な存在かもと。
『神との邂逅など、珍しいことではない。
神との邂逅は、人の心のなかで起こること。
神との邂逅は、人であれば、多くあるものなのだ。
神との邂逅を、すぐに忘れ去る者もあり、口外する者もあり、
ドゥルジに惑わされる者もある。』
澪『ドゥルジってなんです…?』
『人を騙し惑わすダエーワだ。』
『澪よ、おまえは人の心を見ることができるのか?』
澪『…』
澪は答えなかった。
『ならば、他の者の、神との邂逅などを覗くことはできないではないか?
そして、お前は無限回、私とこうして相対したのだ。
それは他の皆人にもあてはまること。』
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:04:35.07 ID:9xUywHKAO
世界史選択者にしかわからないこの優越感
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:07:41.73 ID:0z/0ZeZJO
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:19:01.53 ID:FLBkLIGF0
澪『じゃあ私はどうすればいいんです!?どう…』
『ミオよ、決するのはすべてお前なのだ。』
『潜在するものを顕在させるのも、潜在するままにするのも。』
『お前たち人間は一人一人が、すべてのものを望むこともできる。
何も望まないこともできる。』
『すべては、決するお前と、決する時だ。』
『たとえばだ、あのマルトーとこれから、お前はどう接していくのか?』
『あのマルトーは、ダエーワの助力こそ得ていたが、お前に対する思いは、
お前に自らの子を生させたいという強い思いだ。』
『あのマルトーを拒絶することも、常のごとく接するのも、
その子をお前の胎(はら)に孕むのも。』
『すべてお前が決することだ。もちろん、決することから逃げるのも
また、決することだ。』
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:20:38.42 ID:rFcVTANT0
ミスラのお悩み相談室かよ
三勢力がこれで揃うわけだが、如何せん澪は弱いなあ
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:35:26.04 ID:lPlNbJk5O
ええええ…
なんだこれどうなるんだ…
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:41:34.90 ID:FLBkLIGF0
澪『…』
澪はそれから、口をつぐんだ。
『まあよい。お前とはこれからも無限回、
こうして相対することになろうからな。』
『ネルガル、参れ。』
するとウルスラグナたちのうちから、皮鎧を身に着けた神が現れる。
髭面で、頭には皮製のヘルメットのようなものを被り、
ヘルメットの後ろに、帽垂のようなものが棚引いている。
手には、獅子の意匠を施した棍棒を持つ。
『これをともに遣わそう。』
ミスラはネルガルを見ながらそう言った。
『さあ、お前は地上に戻れ。』
そして、また景色が急激に動き、気が付くと
あのお堂のなかの、弥勒菩薩の前に立っていた。
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:41:56.72 ID:uluRXetUO
>>870 持たざる者、律っちゃん隊員はこの先どう生きのこ
るには。
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:45:13.08 ID:FLBkLIGF0
すいません寝ます。
残ってたら書きます。
それとネルガルは、バビロニアの太陽に関係した神で
ウルスラグナと同根であると考えられています。
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 01:55:43.54 ID:XeaHz+FdO
ちゃんと完結するよな?
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 02:08:33.35 ID:HH4f6o93O
追い付いた
奈良県民の俺歓喜
これは次スレまで行くんじゃなかろうか
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 02:26:53.28 ID:lPlNbJk5O
ほっしゅ
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 02:35:45.06 ID:vbm2+qVmO
ねるほ
ほ
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 03:08:03.20 ID:9sEkp27xO
澪『じゃあ私はどうすればいいんです!?どう…』
『ミオよ、決するのはすべてお前なのだ。』
『潜在するものを顕在させるのも、潜在するままにするのも。』
『お前たち人間は一人一人が、すべてのものを望むこともできる。
何も望まないこともできる。』
『すべては、決するお前と、決する時だ。』
『たとえばだ、あの
>>853とこれから、お前はどう接していくのか?』
『あの
>>853は、ダエーワの助力こそ得ていたが、お前に対する思いは、
お前に自らの子を生させたいという強い思いだ。』
『あの
>>853を拒絶することも、常のごとく接するのも、
その子をお前の胎(はら)に孕むのも。』
『すべてお前が決することだ。もちろん、決することから逃げるのも
また、決することだ。』
保守
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 03:42:52.60 ID:lPlNbJk5O
ほしゅ
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 04:03:10.01 ID:21pyZ0KZO
保守
結末を見ずに終わるには惜しいスレ
なので寝ずの番
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 05:59:16.75 ID:d8CAwrrjO
シエン
タ
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 06:05:40.77 ID:XlJaGK0hO
しゅ
結末に導いてくれ
保守
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 06:44:47.73 ID:aB+k6DI1O
ほ
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 07:05:19.14 ID:ikMInONwO
しゅ
893 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 07:21:21.43 ID:lm79s7qL0
保守
895 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 07:53:35.46 ID:lPlNbJk5O
ほっしゅ
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 08:10:01.67 ID:9coWhbsqO
ハーバー
897 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 08:15:26.09 ID:wVk441fbO
理系の俺には何が何だか
ウィキ見ながら必死に読んでる
☆
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 09:15:07.65 ID:LpBhEj/5O
捕囚
誰かいないのか
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 10:27:10.54 ID:vbm2+qVmO
ほ
903 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 10:44:24.97 ID:MqgcxjgvO
保守ありがとうございます。再開します。
投下間隔が開くかもしれません。
澪は、月光を緩やかに反射する弥勒菩薩の仏像を見やる。
その時、ミスラの声だけが聞こえる。
『ミオ、アーリマンの愛を増大させるな。
大王の祠堂を開錠させるな。
さすれば、メーノーグとゲーテーグの境、タマーヴァンド山に至ることになる。
竜と英雄は再び争うことになるだろう。
心せよ、決するのはお前なのだ。』
そして、ミスラの声は聞こえ無くなった。
澪は弥勒菩薩に手を合わせて拝したあと、お堂の階段を降りて外に出る。
紬「澪ちゃん!」
ちょうどそのとき、紬が駆け寄ってくる。
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 11:04:07.09 ID:f9sPJsPNO
支援
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 11:09:16.96 ID:9sEkp27xO
澪に俺の子を孕ませたい
906 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 11:36:48.59 ID:b5GIOlV70
ほ
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 11:48:04.44 ID:lPlNbJk5O
あげ
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 12:09:01.17 ID:pWVmZnnq0
保守してやんよ
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 12:31:47.42 ID:MqgcxjgvO
紬「澪ちゃん、良かった…」
紬は安堵の表情を浮かべる。
澪「ごめん、ムギ、心配かけて…」
澪は、聡のことを思い出す。
澪「…」
紬「澪ちゃん?」
澪「聡はどうした、あれから…」
澪は、ためらいがちに切り出す。
紬「さっき澪ちゃんが飛び出したあと、すぐ斉藤にお願いしたんだけど…」
申し訳なさそうな表情を浮かべる紬。
澪「さっき…?」
澪は訝しく思う。ミスラとはたっぷり数時間、対していたはずだ。
面白い
うむ
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 13:40:17.08 ID:MqgcxjgvO
澪「さっきって…私が飛び出してから三時間以上は経ってるはずじゃないか?」
澪は一層怪訝な表情になる。ミスラとのあれは全て幻だったのだろうか?
紬「澪ちゃんが飛び出してから、五分ぐらいしか経っていないわよ?」
紬は、ショックで澪が混乱しているのだろう、と考えた。
まだ中学生とはいえ、聡は澪に馬乗りになり、澪は上着がはだけ下着を露出し、
そして気絶した聡の膨れた…
そこまで考えて紬の顔は一気に赤くなる。
とにかく、澪を母屋に連れて帰り、休ませないてあげないと。紬はそう判断した。
あの黒い物体のことも、とりあえずは後回しにして。
913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 14:16:01.22 ID:9sEkp27xO
澪の中に俺の赤ちゃんの素をぶちまけたいです、ハイ
保守する
915 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 15:13:58.20 ID:9sEkp27xO
私怨
916 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 15:29:05.31 ID:lPlNbJk5O
917 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 15:51:55.64 ID:lPlNbJk5O
やばいはやばいおちる保守
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 15:51:56.78 ID:MqgcxjgvO
>>916 筋も終結もオチも考えてあります。
ただ仕事が…
もうすこしお待ちください。
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 16:03:20.00 ID:MqgcxjgvO
紬は澪と一緒に母屋へ帰った。澪は聡の様子をうかがおうと、
彼が就寝している部屋へ向かったが、中から啜り泣く声を聞き、
また、明日に延ばそうという逃げもあったので、話をするのは止めにした。
一方、結局その日には、管理人が帰ってくることはなかった。
斎藤の話によると、電話でその旨を伝えてきたとのこと。
そして次の日。
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 16:20:53.60 ID:MqgcxjgvO
次の日の朝になっても管理人は帰ってこなかった。
午前中を使って練習に励む。
そして、その日の正午過ぎ、管理人はくたくたに疲れた表情をして帰ってきた。
訳を聞けば、昨日だけでかなりの仏像や文化財が被害にあったとのこと。
唯たちは管理人を労いつつ、その話を聞く。
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 16:45:04.32 ID:lEe1z8Jf0
支援
922 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 16:49:06.41 ID:MqgcxjgvO
管理人「ほんとにもう、どこの罰当たりな連中が…」
管理人が疲れきった様子で話す。
管理人「ここ一、二週間、仏像の窃盗が増えてた、という話はしたと思いますが…」
管理人「今日分かっただけで、最近盗まれた仏像の半分の数も、
昨日だけでやられちゃって…」
律「仏像って…そんなにいいお金になるんですか?」
不謹慎や表情をしつつ、律が質問する。
管理人「重文(重要文化財)もいくつかあったからなあ〜
値段なんかつけられないもんばっかりだよ…
しかも仏様だよ!罰当たりな…」
管理人は繰り返し犯人への憤りを洩らす。
923 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 17:12:25.00 ID:MqgcxjgvO
和「でも、重要文化財であるなら、見る人が見れば
盗品だって気付くんじゃないですか?」
和が率直な疑問を向ける。
管理人「どうもおまわりさんや学芸員さんの話だと、
盗品を流通させる組織があるらしくて、
しかもひどいことに、専門家が一枚噛んでる場合もね…」
管理人「それに…」
管理人は続ける。
924 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 17:24:54.35 ID:b5GIOlV70
うむ
925 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 17:31:14.67 ID:YWKCiEpi0
保守
926 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 17:40:10.78 ID:MqgcxjgvO
管理人「それに…」
管理人は続ける。
管理人「盗られた仏様は、都が明日香村にあった頃作られたやつから、
最近作られた真新しいのまで、
手当たり次第なんでもかんでもですよ…」
管理人「それに、猿石や奇石も何個無くなってまして…」
管理人「最低でも4、50キロもあるやつをですよ!」
管理人「なのに不審者の目撃例は一度もない…」
管理人「ほんと、先週の22日に3体もやられてから…
いったい何の因果か…来月はお盆だってのに…」
927 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 17:41:10.25 ID:z4yLw2JDO
>>1の書ける速度で書きたいようにやってくれ
急いで雑になったり打ち切りになるより遥かにいい
928 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 18:11:59.77 ID:+XUnjaINO
ほ
929 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 18:12:03.49 ID:9sEkp27xO
しゃらん
930 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 18:28:51.54 ID:lPlNbJk5O
ほしゅ
931 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 18:45:32.07 ID:kbNy6/ll0
聡自害しろ聡自害しろ聡自害しろ聡自害しろ聡自害しろ聡自害しろ
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:08:24.46 ID:MqgcxjgvO
パソコンから書きます
933 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:11:55.59 ID:mVpKmUXrO
これは期待
934 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:24:23.24 ID:FLBkLIGF0
澪「今月の22日っていうとたしか…」
管理人「日食でちょっと騒ぎになってた日だよ。曇ってたけどね…
とにかく、またしばらくは見回りを強くしないと…」
澪「日食…」
唯(そういえば『あべすた』もらって何日かして…)
唯(あの夢を初めてみた日だ…)
管理人「お嬢様たちも十分注意してください。
犯罪者なんてみんな一緒。
人にいつ危害を加えるかもしれません。」
そのあとすぐ、昼食をとった後、一行は橿原市へ向かう。
大和三山、つまり、畝傍山、耳成山そして天の香具山に登るために。
935 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:24:58.47 ID:aB+k6DI1O
次スレに行く前にトリ付けとくべきでは?
936 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:34:58.65 ID:3C5AJbf8O
いらなくね?
こんな難しいのを書ける奴はVIPにそんないないだろ
937 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:48:50.01 ID:+XUnjaINO
はぁ…
確かに、見れば判るな
939 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 19:55:08.25 ID:FLBkLIGF0
畝傍山には福原神宮駅に車を止めて、徒歩で登山する。
標高約200mの山だ。
大和三山や少し離れて葛城山や三輪山など、大和地方の山々は、
古来より、歌に詠まれたり、信仰の対象となったり、神話の舞台であったりと、
人々の想像を掻き立ててきた。
山頂は木々がややまばらな林になっており、三角点が設置してある。
ここから、周辺の見晴らしを楽しむ一行。
940 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:11:42.21 ID:rFcVTANT0
さわちゃんは無事なの?
相当な量飲んでたようだが
941 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:11:58.00 ID:FLBkLIGF0
北北東に耳成山、東北東に天の香具山が見える。
大和山々間の距離は約3kmである。
南東方向に目を見ければ、飛鳥の盆地が広がる。
律「疲れた…40分も登山するとは…はあはあ…」
律「さとし!!じゅーすをこれにっ!」
聡「…」
律「さとし!?」
聡「…」
うな垂れて、暗い表情の聡。一言も発しない。
そう落ち込むなエネファーム
チェルノブイリは人災だったんだ
>>940 さわちゃんに勝てる奴なんて存在するの?
944 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:25:01.06 ID:FLBkLIGF0
唯「澪ちゃん!あれが耳成山と天の香具山なのぉ?」
澪「…」
少し思いつめた表情の澪。
唯「澪ちゃん?」
澪「あ、ああ、あれがそうだぞ…」
唯(なんか…こころここにあらず…?)
斉藤「平沢嬢、あちら南西に見える高い山が葛城山、
大和三山の向こうに見えるのが三輪山でございます。
斉藤「葛城山山頂から大和三山を経て、三輪山までは、
南西から北東に沿って、直線状にならんでおるのです。」
唯「へぇ〜」
斉藤が唯に周辺の山々の説明を行う。
さわ子「耳成山と天香具山…100m級の小ぶりの山が近くに二つ…
憂ちゃんくらいね!キリッ」
憂「…/////」
梓「先生セクハラです!!そしてバチあたりですよっ!!」
>>942天災ならまだしも人災なら防げたでしょうが
「防げた」と言うのは後智恵にすぎない
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:36:32.26 ID:kbNy6/ll0
聡山から落っこちて死なねえかな
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:37:42.57 ID:b5GIOlV70
これエロゲでやってくれ
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:38:52.83 ID:FLBkLIGF0
紬「じゃあ、シートを敷いてお茶にでもしましょう。」
斉藤「ではさっそく…」
和「あ、手伝います。」
澪「…」
澪は何かを決心した様子で聡に近づく。
澪「さとし、あの大きな木の影、ちょっと来てくれ…」
聡「みお…ねえ…?」
聡を、そこまで誘導する。
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:42:04.03 ID:33c8Ki9X0
何が始まるんです・・・?
951 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:44:13.99 ID:kbNy6/ll0
聡を突き落とすんですねわかります
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:45:42.22 ID:FLBkLIGF0
澪「…」
聡「…」
聡は、黙って頷いたまま。
澪にミスラの言葉が思い出される。
一度、深く深呼吸をする澪。
そして。
澪「えいっ!!」
聡「っ!?」
澪は聡を思いっきり抱きしめた。
聡の顔が、澪の豊かな双丘にめり込む。
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:46:12.08 ID:b5GIOlV70
やったああああああああああああああああああ
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:48:04.83 ID:33c8Ki9X0
いかんな、この澪は何かに憑かれている
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:48:59.75 ID:pWVmZnnq0
なんだとおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ
956 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:49:42.50 ID:XeaHz+FdO
恥め…
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:52:32.64 ID:FLBkLIGF0
澪はそして、聡を
澪「このまま、お前と気まずい関係になるのは嫌だから…」
聡「澪ねえ…」
聡は顔を上げる。
澪「おまえは、律の弟で、それで…私の弟みたいなものでもあるから…」
澪「ずっと、私の弟でいてくれ!」
聡「澪ねえっ!」
澪「だから、お前を異性としてみることは、
無理だ、お前が大きくなったとしても…」
聡「え…」
澪「弟みたいな存在とそういう関係になるなんて、
近親なんとかって言うだろ?」
澪「はっきりいって、生理的に無理だ。」
澪「いつまでも、可愛い私の弟でいてくれ!」
聡「ガクッ…」
地面に突っ伏す聡。
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:54:22.28 ID:XeaHz+FdO
ざまあ
澪はやっぱりいい子なんだよ
しかし抱きしめるのはいかんよな…余計悶々するじゃん
960 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:55:58.53 ID:pWVmZnnq0
恥ざまぁwwwwwwwwwwwwwww
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:57:04.96 ID:ijIC3xSf0
マジにクレイジーなミュージシャンだな! 頭ン中どうなってるんだ!?
962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 20:57:14.82 ID:FLBkLIGF0
やっちった…失礼。
×澪はそして、聡を
○少しの後、澪は再び聡の体を離し、両手を聡の肩に置く。
レイプですか
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:07:24.69 ID:FLBkLIGF0
澪は聡の頭をぽんぽん撫でながら、皆のところに戻ってくる。
しょんぼりと、うな垂れている聡。
唯「あれ、みおちゃん?どこ行ってたの」
澪「たいしたことじゃないさ。な、聡?」
聡「…」
唯は澪の顔を見る。さきほどと違い、
晴れ晴れとした表情をしていた。
そして、実は一部始終を察していたさわ子は思った。
聡君、オカズには当分困らないわねっ!、と。
さて、山頂でのティータイムを楽しんだ一行であったが、
時間を取りすぎてしまったため、
他の二山に登ることを諦め、帰路につくことにする。
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:09:43.66 ID:b5GIOlV70
やばい聡欲しい
966 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:10:52.05 ID:pWVmZnnq0
さわ子www
967 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:13:53.96 ID:JM/6Trme0
低学歴でなおかつ日本史選択者だった俺には難しくてわけ分からん
>>967 厨二病の心とロマンを追い求める魂があれば、フィーリングでなんら問題無い。
970 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:22:31.02 ID:FLBkLIGF0
時刻は5時を少し過ぎたあたりであった。
琴吹家のリムジンは飛鳥盆地を南に下る。
車内では、おしゃべりするもの、風景を楽しむもの、たそがれるもの、
と、各々、悠々とした時間を過ごしていた。
夏場のこの時刻は夕昏がそろそろ降り始める時刻である。
紬は、ふと、いま通っている車道の風景を思い出す。
先祖の墓、『烏飼の臣』の墳墓のすこし手前だ。
紬は、通りかかったついでに、皆を墳墓に案内することにした。
ゾロアスター教が大好きな唯ならば、
少ない可能性だとしても、あの程度のものであれば、喜んでくれるだろうと思って。
971 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:28:22.52 ID:9sEkp27xO
972 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:39:51.09 ID:FLBkLIGF0
墳墓は林に囲まれた、周辺の道からは視認しにくい場所にある。
斉藤は、墳墓の入り口に車を止めると、鍵のかからない門柵を開け、
一行を墓域へと誘導する。
澪「あれが、ムギのご先祖さまの…?」
紬「皇族方や大豪族の古墳に比べたら、ほんとうに小さなものだから…」
和(さすがね…千年以上前のご先祖様の話題でも謙遜するのね。)
唯「ねえ!?てっ辺に上がってもいい!?」
梓「先輩っ!それって死者に対する冒涜じゃ…」
紬「いいのよ、あずさちゃん。観光地にある古墳なんてほとんど、
上に登れるようになってるでしょう?」
973 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:39:57.90 ID:pWVmZnnq0
次スレどうする?
974 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:42:14.90 ID:FLBkLIGF0
梓「はぁ…」
紬「そのまえに、みんなに、特に唯ちゃんに見てもらいたいものがあるの。」
そして紬は一行を、墳墓横、すり鉢形の奇石近くに案内する。
再び足取りを向ける一行。
しかし、十数歩ほど進んで、木々等の遮蔽物から、
奇石の姿が露わになったとき、一行は、歩みと、そして思考を止めた。
紬の目が、驚きと、得体の知れないモノへの恐怖によって、見開かれる。
奇石の周辺を半円形に囲むようにして、
十数体の仏像や猿石が佇んでいたからである。
夕闇は少しずつ、古墳の影と黄昏の色を、『諸仏の象り』に投げかけていた。
975 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:43:21.33 ID:FLBkLIGF0
>>973 そろそろ立てます。
スレ名は同じもので良いんですかね?
976 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:43:31.56 ID:33c8Ki9X0
977 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:47:43.95 ID:FLBkLIGF0
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:48:16.93 ID:vbm2+qVmO
よむほ
979 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/24(金) 21:58:56.07 ID:pWVmZnnq0
スレ立て乙
980 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
そっちでもう書いてるのか
埋めてからでもよかったのにな