1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
お任せします
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:03:26.88 ID:HFuAzBPO0
続いてたのかこれ
しばらく見てなかったな
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:03:40.81 ID:3cEOMyXmO
楽しみにしてたよ!
支援
ーーー終了ーーー
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:04:36.15 ID:8JOiykKpO
初遭遇支援!
6 :
◆dYXquVpI.6 :2009/07/12(日) 19:07:54.49 ID:6SQbq4jcO
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:08:44.96 ID:eXy3wkW6O
やっときたか
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:09:53.98 ID:7vLIWFl9O
待ってた!
wktk支援!
9 :
◆VR2ifOI46E :2009/07/12(日) 19:09:53.85 ID:6SQbq4jcO
やべ、トリ違うな…
10 :
トリあった:2009/07/12(日) 19:11:12.35 ID:6SQbq4jcO
「7:動き出す世界」
【マール峠】
( -∀・)「ふわぁぁぁ……」
(‐∀ ‐)「すぴー……すぴー……」
……宿屋の受付業務というのは意外に、暇なものである。
たぶんここの宿屋だけしか見ていないからそんなことが言えるのかもしれないけれど。
ともかく、客がこない宿屋の受付ほど暇な仕事は無いと、僕は思う。
( ・∀・)「ひーまひーまひまウルトラソウッ」
(‐∀ ‐)「へぃ……」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:14:12.06 ID:6SQbq4jcO
そもそも、こんなご時世に好んで旅をする人はかなり少ないし、老舗旅館などに泊まれるほどの金持ちなどはほぼ皆無だと言える。
実際、僕がフロントに立った1週間ちょっとの間で、新規の宿泊客は1人しか来ていない。
( ・∀・)「……」
(・∀・ )チラ
( ・∀・)
( ・∀・)「よし」
そのままボーッとしてるのも何なので、机の下でこっそりと次の目的地であるカトゥリゲス鉱山の見取り図を開いてみた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:15:46.30 ID:6SQbq4jcO
カトゥリゲス鉱山。
メタルマイン丘陵の北東に位置しており、種類を問わず大量に良質な金属が得られることで知られている。
数十年前まではリルティ達の手により積極的に開発されていたのだが、今はもうすっかり廃れてしまい、魔物の格好の住み処となっている。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:18:26.98 ID:6SQbq4jcO
ここを支配しているのはオークと呼ばれる亜人型の魔物だ。
ゴブリンほどの知能は無いが、単純な戦闘能力だけで見ればゴブリンに勝るとも劣らない。
さらに、ファイアやサンダーといった魔法も使える個体もあり、上位のものになると魔物特有の魔法である『青魔法』を使ってくるらしい。
今まで以上に、気を引き締めてかからなければ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:20:48.19 ID:6SQbq4jcO
さて。肝心のミルラの木だが、これはなんと坑道の一番奥に生えているらしい。
何とも奇妙な所に生えるんだな、とは思ったのだが、キノコの森で見た、キノコだらけの地面からミルラの木がニョキッと生えていたあのシュールな光景を思い出すと、あの辺の非科学的な物には常識なんか通用しないんだろうなと思い直す。
カトゥリゲス鉱山へは、マール峠からだと大体6日で到着する。ケージの容積から見て、次の雫でケージは満タンになるだろう。
しっかり体力を回復して、今年最後の雫集めを成功させたいものだ。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:23:39.38 ID:6SQbq4jcO
「……もしもし?」
( ・∀・)「……」
「もし……」
( ・∀・)「……ん?」
(;・∀・)「あ、うわわっ、失礼いたしました、いらっしゃいませ!」
いつの間にか、地図を見るのに夢中になってしまっていたようで、お客が来たのに気づいていなかった。
……正直、来ないだろうとたかをくくっていた所もあったが。
慌てて顔を上げた所には、見知った顔の人物が立っていた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:25:49.61 ID:InF18+gA0
支援!
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:26:34.32 ID:6SQbq4jcO
( ∵)「……おや?モララー殿ではないか。こんな所で奇遇ですな」
(;・∀・)「あ……え、ビコーズさん?」
なんと、久しぶりのお客はアルフィタリアのビコーズさん一行であった。
確かに、軍の精鋭から選ばれたキャラバンだということから考えれば、こういう所に泊まってもおかしくはない。
( ∵)「それにしても、何故こんな事をしているのだね?」
まとめで見よ
とりあえず単発支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:29:18.24 ID:6SQbq4jcO
(;・∀・)「は、こんな事とは……」
( ∵)「宿屋の受付のことだよ。キャラバンはどうしたのだね?」
(;・∀・)「あぁ、それならかくかくしかじかでして……」
こうなった経緯を簡単に話した所、ビコーズさんは愉快そうにハハハと笑い、
( ∵)「いや、なかなか楽しそうではないか。雫集めも順調のようであるし、大変結構なことだ」
と、こんな感じなことを言った。
( ∵)「さて、それでは受付の方を頼もうかね」
( ・∀・)「はい、かしこまりました」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:30:42.99 ID:InF18+gA0
支援ぞ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:33:13.53 ID:6SQbq4jcO
……………
ビコーズさん一行を部屋に案内した後は、相変わらずの暇な時間が続いていた。
まぁ、街道をのたのたと進んでいくあの時間よりは暇を持て余してはいない。
町をいく人々を眺めたり、商人さんの威勢のいい声を聞いたり、ともかく何らかの刺激が常に感じられるのがその違いだろう。
それに、時々ロマネスクさんに食材の買い出しを頼まれたり、店先の掃除を頼まれたり。そういうのがあるからなかなかに毎日が充実していて楽しい。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:34:33.21 ID:6SQbq4jcO
( ФωФ)「モララー殿、ちょっとよいかな」
と、何か用事を頼まれないかなと思っていた所に、ちょうどロマネスクさんが話しかけてきた。
( ・∀・)「なんですか?」
内心でちょっと喜びながら、それはあえて表に出さずに受け答える。
買い出しかな?それとも掃除だろうか。
( ФωФ)「……」
と、突然ロマネスクさんが首を傾げて黙ってしまった。
( ・∀・)「……どうかしました?」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:36:03.11 ID:u4UmFmiY0
キューブのクリクロは良かった支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:36:46.13 ID:6SQbq4jcO
何だか様子がおかしい。どうしたんだろうか。
(;ФωФ)「……何を言おうか忘れてしまった」
(;・∀・)「あら」
なんだそんなことか。何か大変なことでも起こったのかと思って心配してしまった。
_,
( ФωФ)「……なんだそんなことかとか思ったであろう」
(;・∀・)「いえいえ、まさか」
……何でみんな僕の思考を読んでくるのだろうか。いい加減やめてほしい。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:38:18.85 ID:6SQbq4jcO
( ФωФ)「……しかし、最近いろんなことを不意に忘れてしまう病気が流行っていると聞いたことがあるぞ」
(;・∀・)「……病気?」
それは病気ではなくただの物忘れではないのだろうか。
そう思って聞いてみた所、
( ФωФ)「いや、物忘れとは違うみたいであるぞ。詳しい話は伝道師殿がよく知っているから、興味があるならきいてみるとよいだろう」
とのことだった。
( ・∀・)「伝道師、殿……ですか」
伝道師。このご時世に、珍しいことをする人も居たものだ。
まぁ、彼らのような人が居るから、このように瘴気の壁に阻まれた世界でも他の町の情報が得られるのだろうが……
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:40:28.84 ID:6SQbq4jcO
( ・∀・)oO(ヴィップ村に一度も来たことがないのは何故だろう……?)
まぁ、会った時に聞いてみることにしよう。物忘れのことと、ヴィップ村のこと。
( ФωФ)「……ああそうだ、思い出した。モララー殿、買い出しを頼まれてはくれぬか」
( ・∀・)「あ、はい!」
やった、また町をぶらぶらできる。
……それにしてもロマネスクさん、ただの物忘れだったみたいだな。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:42:39.42 ID:vVOgSHMZO
おお
久しぶり
しえん
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:44:21.36 ID:6SQbq4jcO
……すみません、30分ほど用事が入ってしまったので保守お願いします
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:46:33.18 ID:sVANXnrMO
保守
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:52:06.22 ID:cVHqHDWIO
ほっしほしゅー
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:58:36.78 ID:Qe1I65ojO
おお久しぶり。保守
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:19:49.62 ID:sVANXnrMO
保守
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:20:02.81 ID:cVHqHDWIO
ほし
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:31:20.73 ID:Qe1I65ojO
それ
35 :
ありがとうございます:2009/07/12(日) 20:51:30.71 ID:6SQbq4jcO
……………
( ^ω^)「……故に私たちは平和な毎日を与えてくれる神に、その感謝を捧げなければならないのですお」
クラ,´∀`)「ほぉー」
リル*'')「そうなんだー」
(ざわざわ、ざわざわ)
( ・∀・)「……お?」
買い出しの帰りに人だかりを見つけたのでちょっと覗いてみた所、どうやら噂の伝道師殿とやらが話をしているようだった。
ちょうどよかった、さっきの質問をしてみよう。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:52:52.71 ID:6SQbq4jcO
お話が終わり、人がだんだんと少なくなってきた所を見計らって話しかけてみた。
( ・∀・)「あの、伝道師さんですよね?」
( ^ω^)「ええ、ホライゾンと呼んでくださいお」
語尾が特徴的だが、なかなか親切そうな人だ。やはり伝道師として慕われているだけのことはあるな。
早速だが、質問をぶつけてみることにしよう。
( ・∀・)「ホライゾンさん。ちょっと質問してもいいでしょうか?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:53:56.00 ID:6SQbq4jcO
( ^ω^)「いいですお、何でしょうかお?」
ええと、まずはあの病気のことだな。
( ・∀・)「あの、最近流行っている病気があるって聞いたんですが……」
( ^ω^)「ああ、あの記憶を失うという痛ましい病気のことですおね?」
……どうやら本当らしい。いや、ロマネスクさんを疑ってた訳じゃないけど。
( ・∀・)「ええ……それって、本当に病気なんですか?」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:56:21.10 ID:6SQbq4jcO
( ^ω^)「いえ、人々がただ病気と思い込んでいるというのが実の所ですお」
_,
( ・∀・)
つまり病気じゃないんだろうか。はっきりしてほしい。
( ^ω^)「まあまあ、お気持ちは分かりますお。確かに、ただの物忘れが偶然に頻発しただけかもしれませんお」
( ・∀・)「頻発……?」
( ^ω^)「ええ、言いたかったのはそこですお。ここに来る前はアルフィタリアの方に居たんですが、そこの民の大半が『何か忘れている気がする』、『何をしようとしたか忘れた』……そんな事を私に話してくれましたお」
……どういう事なのだろう。もし本当に病気なら、とても恐ろしい。
と、そんな僕の不安そうな表情に気づいたのか、ホライゾンさんはその笑顔をさらに綻ばせた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:59:35.71 ID:6SQbq4jcO
( ^ω^)「ああ。そんなに心配なさらなくても大丈夫ですお。記憶を失うとはいえ、それはほんの些細なことだけですお。記憶の多くを失ったという症例は聞いたことがありませんお」
( ・∀・)「はぁ……」
とはいえ些細なことと言っても、記憶が消えるのは怖い。
正直、体感したことはないからよくは分からないのだが。
( ^ω^)「まぁ、私が聞いたのはこのぐらいですお。他に、聞きたいことはありますかお?」
……まぁ、病気についてはこれぐらいでいいだろう。さて、次といこうか。
( ・∀・)「ええ。えっと……」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:02:22.43 ID:6SQbq4jcO
……。
(;・∀・)oO(……え?)
( ^ω^)「?」
……まさか、こんなに早く体感することになるとは。
何ということだろう。何を聞きたかったのかが思い出せない。
(;・∀・)「え、っと……」
(;^ω^)「……まさか、ですお?」
(;・∀・)「……」
(;-∀-)「……まさか、です」
単なる物忘れなら、頭の中にもやがかかったような感じなのだが、これにはそんな感覚すらなく、さっぱり思い出せない。
こんな訳の分からない病気が本当にあったとは……
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:05:25.06 ID:6SQbq4jcO
(;^ω^)「……まぁ、何と言いましょうかおね」
(;-∀・)「いえ、大丈夫です。多分忘れてもいい些細なことでしょうから……」
……思い出せないなら仕方ない。冷めているようだが、この状況ならそう考えるしかない。
身をもって体感したからにはそういう病気があるというのは信じるしかない。
しかし記憶に影響するとは何とも恐るべし…だな。
それにしても、二つ目の質問は何だったのだろうか。
……メモでもしておくんだったな。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:08:13.47 ID:Qe1I65ojO
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:08:21.58 ID:6SQbq4jcO
( ^ω^)「……そうですおね。ではそんな貴方に、ふと思い出した詩を差し上げますお」
( ・∀・)「……詩?」
何故いきなり詩なのだろう。まぁ、別にいいのだが……
( ^ω^)「ええ。貴方のそれも、思い出せたらいいですお、という祈りをこめて……」
ホライゾンさんは、こほん、と軽く咳払いをしてから、目をすっと細めた。
( ^ω^)『ハリの大王、雷撃たれ その身に雷電を宿す』
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:10:28.87 ID:6SQbq4jcO
( ・∀・)「ハリの……」
……何だろう、詩とはこういうものなのだろうか?あまりに短すぎやしないだろうか。
( ^ω^)「短い、ですおね。確かに、これには続きがありますお」
( ・∀・)「……え?」
何だ。だったら全部教えてくれたらいいのに……
そんな僕の気持ちを察してか、ホライゾンさんは僕にスッと制止するような視線を投げかけた。
( ^ω^)「ここで全て語ってしまえば、それでおしまい、ですお。しかし……しかし、貴方とはまたどこかで、出会う気がするのですお」
( ・∀・)「……」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:12:38.57 ID:6SQbq4jcO
……何故だろうか、言われてみればそんな気がしてきた。
それにこの人、僕は知っている……?
( ^ω^)「……また、出会えたら。その時に続きをお聞かせしますお」
( ・∀・)「……ええ、その時に」
記憶の片隅に残る目の前の笑顔。
それにはもやがかかっていて、思いだそうともがけばもがくほど、とても幸福で残酷な気持ちが襲ってくるのだ。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:19:36.30 ID:6SQbq4jcO
……………
( ФωФ)「おお、モララー殿。おかえりである」
( ・∀・)「ただいまです。すみません、ちょっと遅くなってしまって……」
ホライゾンと話し込んでしまっていたせいで、帰るのが少し遅くなってしまった。
急いで帰ったのだが、日が少し沈みかけてしまっていて、そろそろ夕食の時間が近づいていた。
( ФωФ)「いやいや、気にしなくていいのである。それより、伝道師殿には会えたであるか?」
(:-∀・)「ええ。病気、本当だったみたいですね」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:21:35.12 ID:6SQbq4jcO
ロマネスクさんの質問に、ホライゾンさんの顔が脳裏にちらついた。
多くの謎を残しながらも、彼からはいろいろな情報が得られたと思う。
とりあえずロマネスクさんには病気についてのことだけを話しておくことにした。
_,
( ФωФ)「……なんじゃ、我輩の話は信用してなかったということか」
すると、言い方が悪かったのか、ロマネスクさんは少し不機嫌そうな顔でこう言った。
あわてて訂正の言葉を告げる。
(;・∀・)「いえいえいえ、そんなことは無いです、本当に……」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:22:46.24 ID:6SQbq4jcO
_,
( ФωФ)「いーや、我輩傷ついたのである。今日のモララー殿のまかないは抜きにしてやるのである」
(;・∀・)「そんなぁ……」
何もそこまでしなくていいじゃないか、と、不平の声を漏らす。
実は先日、モルボルとの戦いで傷んでしまった装備をを修復するためにお金をたくさん使ってしまったのだ。
つまり、夕食を抜かれるということは即ち死を意味する。外に食べに行くお金が無いのだ。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:23:59.85 ID:6SQbq4jcO
すると、ロマネスクさんは僕のがっかりした顔を見てニヤリと笑い、こう言った。
( ФωФ)「ふふふ、冗談である。アルフィタリアの方から、モララー殿と夕食を同席したいと申し出があったから、そちらに顔を出してもらいたかったのである」
(;・∀・)「ああ、そういうことですか……」
なんだ、そんな脅かさなくてもいいじゃないかという不満と、夕食にありつくことができるということへの安堵を覚える。
まぁ、ロマネスクさんなりのジョークだったんだろう。
夕食ができるまではもうしばらくかかるそうなので、その準備を手伝うことにした。
FFCCって略すと違うのに間違われるんだぜ
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:30:38.82 ID:6SQbq4jcO
……………
( ∵)「ほぉ、そんな大変なことがあったのかね」
( ・∀・)「ええ。あの時は、絶対死んだなって思いましたよ……」
ビコーズさんに頼まれて、これまでの経緯を夕食の席で話すことになったので、別れた後のことから少しずつ話し始めた。
今はリバーベル街道でジャイアントクラブにやられかけた話をしている所だ。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:32:16.35 ID:6SQbq4jcO
( ・∀・)「で、そこである男の人が滝から飛び出してきましてね」
( ∵)「滝から?」
( ・∀・)「ええ、ズバァーン、って感じの勢いで。見た目はリルティっぽい感じで、真っ黒な鎧を着てました」
( ∵)「ほう、それはもしかしたら最近巷で噂になっている黒騎士かもしれないな」
黒騎士、という名前を出した時にビコーズさんの顔がフッと綻んだ気がした。
( ・∀・)「黒騎士…ですか?」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:33:37.09 ID:6SQbq4jcO
( ∵)「ああ。何でも相当な手練れのようで、彼と勝負して勝った者は一人も居ないそうだ」
( ・∀・)「へぇ……」
( ∵)「それにね……」
それからしばらくビコーズさんから黒騎士について話を聞いていた。
目的は分からないが各地を旅しているということから、挑まれた勝負からは決して逃げずに鬼神のような攻撃で相手を打ち負かすことなどと、色々な噂が飛び交っているようだ。
ともかく何につけても相当強いらしく、リルティ達の間ではヒーローのように扱われているらしい。
当のビコーズさんも少年のような笑顔で話をしてくれていた。
しかし……
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:35:20.37 ID:6SQbq4jcO
( ・∀・)oO(('A #))
あの悲しげな目を見たのを思い出すと、どうしても僕は彼をヒーローと思うことに疑問を覚えるのだ。
悪人というのではないけれど、狂気に似た何かをあの目からは感じた。
彼は、何者なんだろうか……?
(*∵)「それでね……モララー殿、聞いておられるかな?」
(;・∀・)「え、ああ、もちろんです」
(*∵)「そうかそうか、それでカトゥリゲスの奥地で修行をしていたリルティの老人がね……」
最後の行で不覚にもビコーズにモエタ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:37:12.01 ID:6SQbq4jcO
……………
( -∀-)「……」
何とも言えない感情を残してビコーズさんとの食事を終え、部屋に戻って今日のことを冒険記にまとめた。
書き終えた文章を読み直してみるとなかなかに支離滅裂なことを書いているのに気付いたが、書き直す気にはなれなかった。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:38:26.75 ID:vHRQscwLO
いつも読んでるよ
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:40:45.51 ID:6SQbq4jcO
……見覚えのある笑顔、失われる記憶、影を負ったヒーロー。
そのどれもが僕と繋がってきているのを感じる。僕の世界がゆっくりと動いていくのが分かる。
でも、僕はこの世界の傍観者でしかない。僕はまだ何も知らない。
僕の知らない所で何が起きているんだろう?
もっと知りたい。この世界の全てを。
( ・∀・)「……ふぅ」
支援
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:42:13.24 ID:6SQbq4jcO
……今日は変にいろんなことを考えて疲れてしまった。もう寝てしまおう。
冒険記を閉じて軽く体を伸ばしてからベッドへと向かう。
枕の上を占領しているマタンキを起こさないようにどかしてから、ベッドに体を横たえた。
明日からはカトゥリゲス鉱山へ向けて出発する。
疲れをしっかりとって、万全の状態で挑みたいものだ。
……しかし、この夜はやけに、蒸し暑くもないのに、なかなか寝付けなかった。
「7:動きだす世界」 終
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:46:20.98 ID:7vLIWFl9O
乙!
乙カレー
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:48:23.91 ID:6SQbq4jcO
…と、いつもより短いですが今回はここまでで終わります。
明日の夜まで残ってたらあるいは…ですが、まぁ。
ええと、2ヶ月も更新を停滞してしまった件については本当に申し訳ありませんでした。
投下を楽しみにしてくださっている方には大変失礼なことをしたなと反省しています。
ええと、言い訳はあるんですが、お母さんに言い訳するより態度で示せと叱られたことがあるので、言い訳はしません。はい。
それでは今回の内容について質問等ありましたら、どうぞ。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:53:07.68 ID:vHRQscwLO
乙
さて、質問させてもらうね
主はどのダンジョンが一番好きかな?
音楽、景色、仕掛けとか含めて
次の更新について教えて
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 21:57:01.49 ID:6SQbq4jcO
あと、まとめサイト様にお願いしたいのですが、前回の「6:キノコの森」で投下し忘れていた部分があったので、修正していただけないでしょうか…
お手間をとらせてしまい、すみません…
以下のレスで修正部分を投下します。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 22:03:04.49 ID:6SQbq4jcO
>>64 音楽や仕掛けはヴェオ・ル水門が好きですね
サイドストーリー的にはレベナ平野で…
まぁ総合的にはやっぱヴェレンジェ山が一番感動しますね
>>65 割と早い時期を予定しています。
カトゥリゲス鉱山のストーリーは七割程度固まっているので早ければ明日にでも…ですが、その辺は分かりかねますね…
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 22:08:37.68 ID:6SQbq4jcO
細胞がブチブチと千切れる、気色悪い感触を右腕に覚える。
だが、僕は痛む右腕に構うことなく、そのまま剣を振り抜いた。
と、いきなり暗かったモルボルの体内に光が差してきた。肉体を断ち斬ったのだ。
そして、何とかその隙間から抜け出し、僕の体はモルボルを貫通した。
(,; Д )「っ……しゃあ!」
とはいえ、モルボルの体内の濃厚な毒液に触れてしまい、それは防具すら貫通して僕の肉体を蝕み始めた。
耐え難い激痛が体に走る。だが、視線だけは決してモルボルから外さず、その最期まで見届けようと、気力を振り絞った。
「!!!!!」
モルボルはもはや限界だったのか、甲高い断末魔を上げてゆっくりと消滅を始めた。
やった。勝てた。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 22:10:37.01 ID:6SQbq4jcO
おkおk
楽しみにしてるぜ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 22:12:04.39 ID:6SQbq4jcO
すみません、引き続き質問等ありましたらどうぞ。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 22:31:14.88 ID:6SQbq4jcO
では、これで今日はさよならします。
支援、保守ありがとうございました。
近いうちに来ますので、またよろしくお願いします。
それでは…
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
遅ればせながら乙