ほれ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:07:23.54 ID:Ykl26n7oO
待ってた
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:12:27.41 ID:FKL4uM7/O
来た! 待ってた
4 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 21:19:13.36 ID:T8Nj+IT7O
ダメ!絶対!
カコワルイ
6 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 21:23:06.28 ID:T8Nj+IT7O
track-β
━━この世界を神が形作ったように、電脳の世界にも神は存在する。
天文学的な容量を誇り、気の遠くなるようなタグを繰って仮想の現実を作り上げた、電脳の神が。
キリスト教の四第天使になぞらえてセラフィムと呼ばれるその総合包括サーバーは、名の表す通りに四つに分割されており、それぞれがこの無限に広がる電子の海を分担で管理している。
彼らの役割は単純にして膨大。
曰く、“ネット空間内における物理法則の再現”。
風が吹けば草が揺れることも卵を落とせば割れることも現実と瓜二つならば、この世界が仮想現実と呼ばれるのも大袈裟では無いだろう。
一体、そんな“雰囲気作り”の為だけにどれだけのデータ容量が注ぎ込まれているのか。
流石にそれだけの大仕事を受け持つセラフィムも、全てを四台だけで管理出来るわけも無い。
彼らの下には、ピラミッド状に配置された下位サーバー(これまたキリスト教の天使になぞらえたネーミング)が存在し、それぞれがそれぞれに細分化された区画を管理運営しているそうだ。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:25:26.57 ID:GSAmD0SkO
ktkr
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:27:53.04 ID:elj6BCF9O
支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:28:28.14 ID:s+hy4KrV0
C!!!!
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:33:55.23 ID:f4DPu7BKO
さあ待ってたぞ
支援支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:36:40.89 ID:7grqjtsQO
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:41:48.18 ID:u0dc6Chu0
初遭遇!支援する!
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:44:29.59 ID:OlKHPRt9O
トラブル発生か?
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:47:02.96 ID:FKL4uM7/O
どうしたんだ?
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:47:47.07 ID:lrIjI6S1O
久しぶりだな
死んだのか?
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 21:54:20.55 ID:B/S+y3EQ0
携帯変わったらしいからな、とりあえず支援
18 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 21:56:08.29 ID:T8Nj+IT7O
('A`)「その下位サーバーのうちの一つを一時的にハックして、ネットのロジックを書き換える。それが、オレ達の尻に火をつけたDOSの正体ってことか」
( ^ω^)「神の定めた倫理に背くもの。故に、そのネット兵器はシャイタンと呼ばれるお」
ベルベットブルーに輝く電子の海を望む、簡易チャットルーム。
先の襲撃からほどなくして、オレ達はブーンがネット内での隠れ家として所有しているこのチャットルーム内で、やっこさんの見解を聞いていた。
从 ゚∀从「下位サーバーの一つを落としての攻撃か……。となると、あのDOSは無差別なテロ行為と見ていいな」
( ^ω^)「……いや、それは違うと思うお」
('A`)「というと?」
( ^ω^)「見たところ、周囲の構造体でラグが発生しているものは見当たらなかったお。あれは、明らかにあの換金所だけを狙って仕掛けられた、ピンポイント爆撃だお」
('A`)「サーバー一つを落としておいて、そんな器用な真似が出来るもんなのか?」
( ^ω^)「あれは正しくは、サーバーを一時的に麻痺させて掌握することによる、ハッキングの応用だお」
19 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 21:59:23.27 ID:T8Nj+IT7O
从 ゚∀从「ふむ。聞く限りでは、随分と面倒な手段のように思えるが……実際はどうなのだ?」
( ^ω^)「うーん……一概には言えないけど……下位とは言え、サーバーをSPAMで落とすのはそう簡単な事じゃないお。僕らのような電子体と違って、フィルターも防壁も特注品を使ってるだろうし」
('A`)「確かに。仮にも政府の所有物だしな」
( ^ω^)「おっおっ。だから、DOSとクラックを同時に仕掛けて、一時的に麻痺させるってのは理にかなってるお」
从 ゚∀从「そして、その二つの作業を同時にこなすのが、シャイタンだと」
( ^ω^)「そういうとだお。でも、一つ気になる事が有るんだお」
('A`)「気になる事って?」
( ^ω^)「シャイタンなんてものを用意するだけの資金があるなら、サーバーを丸ごと落とせるだけのネット兵器だって用意出来る筈だお。わざわざシャイタンを選ぶ理由が解らないお……」
从 ゚∀从「換金所だけを狙う必要があった。…と言うことだろうか」
( ^ω^)「……うーん」
20 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:00:56.68 ID:T8Nj+IT7O
腕を組んで唸り出すブーン。相手の得物の仕組みが解ったところで、肝心の襲撃理由が解らない。
唯一の手掛かりといえば、現場に残されたフラッグを見てブーンがこぼした“黒山羊のサーカス”という単語だけ。
('A`)「そもそも、あいつらは何なんだ?ブーン、お前何か知ってるんじゃないのか?」
オレの問いにブーンは背筋を震わせて顔を上げる。
( ;^ω^)「ぼ、僕もあまり詳しくは…ただ、最近巷を賑わせているネットテロリストだってことぐらいしか、知らないお」
どこか歯切れの悪い口調のやっこさん。
从 ゚∀从「ネットテロリストとな」
( ^ω^)「噂で聞く限りじゃ、陰謀論者の集まりみたいなものらしいけど……」
('A`)「実は世界を裏で操っている黒幕が居るのだー!ってか?」
( ;^ω^)「……多分」
从 ゚∀从「馬鹿馬鹿しい。大方、ニューロジャックの中に洗脳プログラムが埋め込まれているなどと言ったことを信じ込んでいるような輩だろう」
('A`)「オレ達は、そんなおめでたい連中の為に金色火竜のデータをオシャカにされたのか……」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:02:26.25 ID:FKL4uM7/O
支援
思い出しただけではらわたが煮えくり返る。一体あの金火竜と再び巡り遭うのに、どれだけあのエリアに入り浸らなければならないのか。
('A`)「とにかく、相手が何であれ許せるわきゃあねぇよな」
( ^ω^)「……と、言うと?」
('A`)「決まってんだろ?復讐だよ!ふ・く・しゅ・う!あいつら、この手でとっつかまえて……」
( ;^ω^)「ちょっ!それ本気で……」
意気込むオレ、鼻白むブーン。案の定鋼鉄の世話役は、肩を竦めて鼻を鳴らした。
从 ゚∀从「何を言い出すかと思えば、また下らないことを」
(#'A`)「あん?何か文句あっか!?」
从 ゚∀从「貴様の非論理的な思考にはもう慣れている。だからと言ってそれを許した訳ではない」
(#'A`)「やかましい!これが黙ってられますかってんだ!」
从 ゚∀从「奴らを捕まえて、何の益が有る?誰か、報酬を払ってくれる人物の当てでも有るのか?」
(#'A`)「ネットテロリストって言うくらいだ。きっと偉いお役人さんが報奨金ぐらい払って下さいますよ」
从 ゚∀从「では、どうやって奴らを“とっ捕まえる”のか。スイーツ探偵(笑)先生の作戦をお聞きかせて願おうか」
(#'A`)「ぐぬぬ……」
正論過ぎて何も反論が思いつかない。毎度のことながら、オレは彼女に言い負かされるのがお約束となっているのだろうか?
(#'A`)「先生、そんなの認めませーん!」
从 ゚∀从「はぁ?」
(#'A`)「兎に角、捕まえるったら捕まえるの!相手の正体が解らないなら調べりゃいいんだよ!幸い、オレ達には電子の王という心強い味方が……」
( ^ω^)「お断りだお」
(;'A`)「なっ!」
( ^ω^)「そんな得体の知れない奴ら相手にしたってロクなことはないお。やるんなら、ドクオ1人でやってくれお」
从 ゚∀从「おやおや、頼みの綱にもあっさり見限られたようだな。さて、これからどうする?」
(;'A`)「ハ、ハインは勿論協力してくれるよな?何てったって、オレは君の主なん……」
从 ゚∀从「先にも言ったろう。どうしてもと言うならば、今回に限り別行動をとらせてもらう」
(;'A`)「え…?ちょ…何言って…」
从 ゚∀从「現実を見ろ、孤独死予備軍。今我々がしなければならないのは、“明日”を生きるために生活費を稼ぐことだ。
悪者退治はキャプテンアメリカにでも任せておけ」
(;'A`)「な…な…」
从 ゚∀从「大人になるんだ。ドクオ坊や」
(;'A`)「っ……!」
ぷつり。胸の中で、何か致命的なものが切れる音がしたような気がして。
(#'A`)「そうかいそうかい!だったら結構!もう誰の助けも借りるもんか!オレ1人で調べてやんよ!」
気がつくと、オレは感情に任せてログアウトしていた。電子の海と入れ替わるようにして、オレの部屋の黄ばんだ壁が視界に映る。
('A`)「あ……」
我に返り、自分のしたことに気付いた時にはもう遅かった。
('A`)「また……やっちまった……」
つくづく、自分の学習能力の無さに嫌気がさす。
从 ゚∀从「……」
隣で、目を開けたまま没入している相棒を見やる。真紅の双眸は、電子の海を写して虚空を見据えていた。
その瞳が、今にもオレの方を向きそうな気がして。
(;'A`)「くそったれ…!」
オレは、また逃げ出した。
※ ※ ※ ※
──主の消えた空間を暫く見つめてから、私は傍らに立つ塩豚に向かって溜め息の真似事をしてみせた。
( ^ω^)「追わなくていいのかお?」
从 ゚∀从「言っただろう。私は別行動をとると。どうでもいいが、その台詞はまるで古典的なメロドラマのようだな」
( ^ω^)「一応はドクオもハインちゃんの所持者だお。ほっとくのはプログラム違反なんじゃないかお?」
从 ゚∀从「命令だと言われればな。それ以外の行動については、概ね私の自由にしていいとのことだ」
( ^ω^)「そんなもんなのかお」
从 ゚∀从「そんなものだ」
塩豚は私と顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。
( ^ω^)「しかし、ドクオがあんなに自分の感情を剥き出しにするとこなんて初めて見たお。珍しいこともあるもんだお」
从 ゚∀从「何を今更。あれほど情動的でコントロールの利かない人間も居ないぞ」
( ^ω^)「へぇ。五年間付き合ってるけど、僕の前じゃあそこまで素を出すことなんかなかったお。ハインちゃんも、よっぽど気に入られてるんじゃないかお?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:08:59.79 ID:FKL4uM7/O
しえん
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:09:10.97 ID:GSAmD0SkO
支援
28 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:10:27.70 ID:T8Nj+IT7O
从 ゚∀从「そんなものなのか?」
( ^ω^)「そんなもんだお」
乾いた笑い声をあげて、彼は遠くを見つめる。
四年前、あのスクラップ置き場で私が主と出会う以前から、この塩豚は我が主と友人をやっていると聞く。
その割りにはプライベートで交友しているところをあまり見ないのが不思議だった。
“友人”というものの形は様々に存在するものだが、主の塩豚に対する感情は、フォックスとかいう人物に向けられるそれとは微妙に違うような気がする。
何か、私の知らない複雑な事情があるのだろうか。
( ^ω^)「……で、別行動と言ってたけどこれからハインちゃんはどうするんだお?」
何時も通りの締まらないにやけ面に戻った塩豚が、私を振り返り尋ねる。
人好きのするその丸顔を真正面から見据え、私はここに残った本来の目的を果たすべく口を開いた。
从 ゚∀从「単刀直入に聞こう。何を知っている?」
( ^ω^)「は?」
唐突な質問に首を傾げる塩豚。あまりに単刀直入過ぎたか。自分の言動を反省しつつ、私は続ける。
从 ゚∀从「黒山羊のサーカスについてだ。ごまかしは通じん。あの時の貴様の反応は明らかに異常だった」
( ^ω^)「……」
29 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:12:13.67 ID:T8Nj+IT7O
从 ゚∀从「最も、あの腐敗脳は気付かなかったようだがな」
( ^ω^)「……」
暫くの間彼は無表情に私の顔を見つめると、やがて観念したように溜め息をついた。
( ^ω^)「やっぱり、ハインちゃんの目は誤魔化せないかお」
从 ゚∀从「恥じる事はない。私の脳核には人類学と心理学のソフトアプリケーションがインストールされているのだ」
( ^ω^)「それを聞くのが、別行動の理由ってわけかお?」
从 ゚∀从「それは貴様の返答次第だな」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:13:32.98 ID:WL8RJrVgO
☆ノハヽ
从*‘ー‘从 ぴぴぴ♪
31 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:13:53.03 ID:T8Nj+IT7O
( ^ω^)「……と、言うと?」
从 ゚∀从「私の予想が外れてくれればいいのだが。“黒山羊のサーカス”は、あのツクバ電脳都市の件と何か関係が有るのではないか?」
途端、塩豚の顔が驚愕の形に歪んだ。
( ^ω^)「……どうして、そう思うんだお」
从 ゚∀从「以前、貴様が軌道エレベーターの残骸を前にして浮かべた表情と、あの黒い旗を見た時の反応が酷似していた。どうなのだ?」
( ^ω^)「……」
从 ゚∀从「あの時、貴様はあのシュールとかいう女人に何を聞いた?それも一緒に聞かせてもらおう」
長い、長い、沈黙があった。
私の中で纏まりつつある一つの“危惧”が、静寂をもって確かな形を得ようとしている。
やがて。
32 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:14:41.80 ID:T8Nj+IT7O
( ^ω^)「あの時、僕はシュール先輩からこう聞いたんだお……」
ブーンの告白を持って、それは、明らかなものとなるのだった。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:15:05.06 ID:FKL4uM7/O
支援
sen
35 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:16:58.50 ID:T8Nj+IT7O
※ ※ ※ ※
──夕暮れに染まるニーソクの駅前を、当てもなく歩く。相変わらず幟を掲げた労働組合らしき連中が、大声を張り上げてデモ隊を指揮していた。
朝からずっとあの調子で街を練り歩いていたのだろうか。だとしたら随分と精の出ることだ。
('A`)「それだけのバイタリティがあんなら、デモなんてする必要ねぇだろ」
こんな皮肉が出てくるのは、些かオツムも冷静さを取り戻した証拠だろう。
おかげでオレは、さっきからどうしようも無いくらいの自己嫌悪に苛まれていた。
('A`)「いい加減学習しろよ、オレ」
“ついカッとなってやってしまった。今は反省している”。なるほど、ニュースホロでよく見る犯罪者達の気持ちが、今なら分かる気がする。
普段なら、ハインに反対されたぐらいじゃあそこまでキレたりしない。流石のオレも、自分の言い分が通らないぐらいでだだをこねるほどガキじゃないさ。
自分でも、どうしてあんな醜態を曝してしまったのか今一計りかねているのが正直なところだ。
それともオレは心のどこかで、彼女が 「命令を聞くのは当たり前」だなどと思っているのだろうか。
36 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:19:11.53 ID:T8Nj+IT7O
('A`)「だったら、最低だな……」
吐き捨て、懐の煙草に手を伸ばそうとして思いとどまる。少しだけ学習できた気がした。
('A`)「……さて、これからどうしたもんかね」
すぐに戻って謝れればいいのだが、やはりばつが悪い。
ちょいと時間を潰しでもすれば、頭を下げる覚悟も固まるだろうか。
('A`)「何ともなぁ……」
ぼやき、頭をかく。取り敢えず喫茶店でも、と思ったところで聞き覚えのある声に呼び止められた。
「おや、誰かと思えばドクオ君じゃないか」
そういうあんたは誰だっけ。記憶の糸を手繰りながら、振り返った背後。
lw´‐ _‐ノv「奇遇だね。君もよさこい祭りの帰りかい?」
珍しい人物が、そこにいた。
しえn
38 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:21:33.20 ID:T8Nj+IT7O
※ ※ ※ ※
──街頭ホロは、さっきからひっきりなしに同じニュースを叫びたてていた。
o川*゚ー゚)o『金田官房長官の容態は未だ不明!そして、現場にはこのように不気味な旗が残されております』
恐らくはラウンジ区だろう。“官房長官、真夜中のオフィス街で謎の襲撃”と仰々しいテロップがホログラフの下部を流れる中、カメラは街路樹の根元につきたった一本の黒い旗を映し出している。
o川*゚ー゚)o『犯人の残したメッセージでしょうか。これは…山羊?一体、何を意味するのでしょうか?』
リボンの似合う女子アナが言うように、旗には白で縁取るように黒山羊の顔が描かれていた。
o川*゚ー゚)o『今後も、我々GMN(グローバルメディアネットワーク)は、この事件を全力で追っていきたいと思います!』
旗の横に並び締め括る女子アナ。その隣で、黒山羊の赤い瞳が“次はお前だ”とでも言うように、不吉に街頭を見下ろしていた。
( ^ω^)支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:24:12.38 ID:zjb1ZUt+O
久々にキター
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:24:40.14 ID:u0dc6Chu0
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:26:17.30 ID:6blXJgTrO
初遭遇ktkr
全力支援
43 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:27:26.39 ID:T8Nj+IT7O
(´・ω・`)「どうやら、サーカスが動き出したみたいだね」
ニューソクの本通りに面したオープンカフェで、僕はフェイク・ダージリンを啜りながらそのニュースホロを眺めていた。
培養漕産の茶葉はお世辞にも旨いとは評し難いが、それも目の前に絶世の美少女が居ればまた別だ。
川 ゚ -゚)「意外と遅かったですね。…しかし、これは少々やり過ぎではありませんか?」
闇色のゴシックドレスに、ヴェール付きの帽子を召した姿はまるで葬式帰りのようだが、その美貌はヴェールでは覆いきれまい。
繻子のように艶やかな黒髪は真っ直ぐにゴシックドレスの開いた背中にしなだれ、それが覆う輪郭は雪のように白くほっそりとしている。
白雪の面の中では、アーモンドのような切れ長の双眸が深紅の輝きを放っていた。
(´・ω・`)「やり過ぎ、か。どこをとって君はそう判断する?クー」
No.k-001。愛称はクール。鋼鉄の処女。彼女が特A級護衛専任ガイノイドならば、その人ならざる美貌もまた、納得のいくものであろう。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:27:42.83 ID:FKL4uM7/O
支援!
45 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:29:38.58 ID:T8Nj+IT7O
川 ゚ -゚)「私の予測演算プログラムでは、彼らがリアルでの活動を始めるのはもう少し先になる予定でした。しかも、真夜中とはいえ監視の目の多いラウンジ区で政府官僚を暗殺など…」
僕の向いの席に腰掛けて編み物をしていた彼女はその手を止めると、汚いものでも見る目で街頭ホロを見上げた。
(´・ω・`)「やり過ぎか。ふむ、確かに。君の意見も尤もだよ」
フェイク・ダージリンのチープな味に顔をしかめ、僕は彼女へと向き直る。
(´・ω・`)「だがね、僕は“道化師”で彼らは“サーカス”だ。派手なパフォーマンスで観客を喜ばせるのが僕達の仕事なら、それにやり過ぎるという事はない」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「むしろ僕はもっともっと仰々しくやってくれてもよかったと思っているよ。それこそ、この国が機能しなくなるくらいにね」
彼女は僕の顔をたっぷり五秒見つめてから、ふっと笑みを零した。
川 ゚ー゚)「それは、マスターの本意には沿わないのではありませんか?」
最近人間の感情を理解したとうそぶく彼女は、時折このような表情を取って僕をからかう。
特注品の電脳核を設えてやったと思ったら、こんなことまで覚えるのだから困ったものだ。
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:31:00.38 ID:i+EScwMk0
わおわお来てた、待ってたよ
支援支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:32:40.67 ID:d5f3SbnEO
待ちに待ったぞ支援
49 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:33:44.29 ID:T8Nj+IT7O
(´・ω・`)y-「まぁね。ものの喩えさ」
川 ゚ -゚)「マスター、お煙草は体に触ります」
僕が懐から出したラッキーストライクを見咎め、彼女が苦言を呈す。
そのもの言いが余りにも、“あの娘”に似ていて、僕は思わず苦笑した。
(´・ω・`)y-~「以前も言ったろう、クー。僕が今更肺癌の心配をするなんてのは意味の無いことだって」
何時も口喧しく、僕がどんなに完璧な作戦を打ち出しても必ずその穴を見つけて指摘して来る目ざとさ。
“よくもこのような穴だらけなプランで動こうというものだ。豪胆なものだな”
最早自分の記憶なのかすら定かでない、遥か昔のビジョンの中で、彼女は何時も仏頂面。
血のように赤い瞳は、冷徹に前を見つめていて……。
川 ゚ -゚)「それに、ここは禁煙です」
(´・ω・`)y-「おっと、流石にそれはマズいね」
川 ゚ー゚)「ルールには、破っていいものと悪いものがある。マスターの言葉です」
あるいは僕も、誰か、叱ってくれる存在を欲しているのかも知れない。そう思うと、自嘲せずには居られなかった。
50 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:34:58.23 ID:T8Nj+IT7O
(´・ω・`)「その通り。ところで、前に君に設えてやった“玩具”の調子はどうだい?」
川 ゚ー゚)「はい、今のところ問題はありません。危惧されていた背部アクチュエーター系と腕部機構の接続に不具合もありませんし、通常運用に関しては何ら支障はありません。この通り、編み物も出来ますよ」
(´・ω・`)「それならよかった。そろそろ稼動実験も済ませておきたいんだけど、それにはもう少し舞台を整える必要がある。悪いが、もうしばらく待ってはくれないか」
川 ^ー^)「えぇ、ではその日を楽しみに待っていますね」
そう言って彼女は野菊のような笑みを浮かべる。
その笑顔が人間のそれと比べてなんら見劣りしないことに、僕は気分を良くした。
(´・ω・`)「ところで、それは何を作っているんだい?」
僕が彼女の手元を指差し言うと、彼女は悪戯っぽく微笑んだ。
川 ゚ー゚)「マスターに、マフラーをと思いまして。マスター、冷え症でしょう?」
(´・ω・`)「はは、まだ冬には早いよ。まあ、君の腕なら今から編んでも丁度いいかもしれないけどね」
51 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:37:35.70 ID:T8Nj+IT7O
_,
川 ゚ -゚)「マスターも意地の悪いことを言います」
(´・ω・`)「ははは、ごめんごめん。冗談だよ」
冷え症、と彼女は言った。
残念なことに、僕の体はもうそんなものに煩わされようなことはない。
暑さも、寒さも、そして痛みすらも、僕にはもう味わうことが出来ないのだ。
(´・ω・`)「さて、それじゃあ僕らも動こうとしようか」
胸の奥底で、暗い何かが身じろぎを始める。
(´・ω・`)「一つ、破ってはいい方のルールを破りにいこうじゃないか」
マナー違反分のチップを給仕に渡すと、僕は立ち上がった。
黄昏が、宵闇に取って代わろうとしていた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:37:42.61 ID:IgWrWIaZO
支援た
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:38:12.72 ID:FKL4uM7/O
しえ
54 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:40:09.33 ID:T8Nj+IT7O
※ ※ ※ ※
──何の因果か。何の偶然か。
lw´‐ _‐ノv「久し振りだね。以前の米騒動以来かな」
世にも珍妙なるライス星人との第一種接近遭遇を果たしたオレは、何を思ったのか異星人をネットカフェに誘いカラスに鳴き声を聞きながらお茶などを嗜んでいた。
('A`)「いや、前もブーンに同じこと言ってませんでしたっけ?」
lw´‐ _‐ノv「マスター、私カフェモカね」
('A`)「聞いてねえし」
折角会ったのに立ち話もなんだから、という流れでどちらともなくお茶にしようと相成ったわけだが、どうにも珍しいこともあったもんだ。
まぁ、どうせ元から時間を潰すつもりだったんだし一人だろうが二人だろうが同じか。
(-@∀@)「お待たせ致しました。こちら、カフェモカになります」
lw´‐ _‐ノv「うむ、大義であった」
などと思いながら、ぼんやりと彼女を見つめる。
彼女はウェイターからコーヒーカップを受け取ると、何を思ったか懐から胡椒瓶を取り出しカフェモカに振り掛けた。
(;'A`)「ちょ!胡椒てあんた!」
lw´‐ _‐ノv「ノン。これは米だよ」
(;'A`)「え?えぇー……」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:40:20.12 ID:VrlGikrc0
支援
56 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:42:40.51 ID:T8Nj+IT7O
戸惑うオレを余所に、彼女はコーヒーカップの中身を喉を鳴らして飲み干す。
lw´‐ _‐ノv「うん、美味かな美味かな。マスター、なかなかいい米使ってるね」
(;-@∀@)「は?はぁ?」
最早どこから突っ込めばいいのかわからない。オレも自分を型破りな男だと自負しているが、彼女を超える自信はなかった。
lw´‐ _‐ノv「お前も男なら、自分の師ぐらい越えてみせろ」
(;'A`)「師事したつもりはないんですけどね。つうかモノローグ読まないで下さい」
lw´‐ _‐ノv「わかってるわかってるん☆」
(;'A`)「シュールさんってそんなキャラでしたっけ」
本当にこの人は得体が知れない。ブーンから聞く限りでは、あいつが昔所属していたハッカーチームのリーダーをやっていたというが、本当にこんな人にリーダーが務まるのだろうか。
lw´@ 3@ノv「ドラえも〜ん」
そう言えば、彼女はブーンの高校の先輩だったとも聞く。奴とは四年間の付き合いだが、そういう昔話はあまり聞かない。彼女ならそう言ったことも知っているかも知れない。
('A`)「あの、シュールさん?」
lw´‐ _‐ノv「何だいのび太君?」
面白そうだから最初から読むしえん
58 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:44:51.79 ID:T8Nj+IT7O
('A`)「ブーンって、高校時代はどんな奴だったんです?」
lw´‐ _‐ノv「えっ……?」
何の気なしに聞いた一言。瞬間、彼女の顔から表情が消えた。
lw´‐ _‐ノv「それを…聞くのかい…?」
え?オレ、何かやばいこと訊いた?もしかして、タブーか何か?え?え?
lw´‐ _‐ノv「今と大差ない、尻の青い塩豚だったよ」
('A`)「あ、そうなんすか……」
何だよ。脅かすなよ。やばいこと訊いちゃったかと思ったぜい。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:44:53.46 ID:VrlGikrc0
すうぃえーん
60 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:46:08.28 ID:T8Nj+IT7O
lw´‐ _‐ノv「そうだな……今よりは、もう少し明るかったかな」
ほんの小さな呟き。微かに込められた憐憫。独りごちるようにして漏らされたそれを、しかしオレは聞き漏らさなかった。
('A`)「今よりは?」
lw´‐ _‐ノv「……」
尋ねるオレを、彼女は無表情に見つめる。それは、どこか躊躇っているようにも見えた。
lw´‐ _‐ノv「……聞くかい?」
苦笑混じりに尋ねる彼女。
('A`)「是非とも」
ほんの些細な好奇心でせがむオレ。彼女は窓の外へと視線を向けると、懐かしむように目を細めて語り出した。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:46:11.07 ID:FKL4uM7/O
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:47:04.04 ID:EziA1LX7O
田所!田所!
支援
63 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:48:09.02 ID:T8Nj+IT7O
lw´‐ _‐ノv「あの頃は、彼にとって真の意味で青春だったんじゃないかな」
('A`)「青春、ですか」
lw´‐ _‐ノv「ああ。努力、友情、勝利。そんな言葉がしっくりくるほど、あの頃の彼は輝いていたよ」
('A`)「はは、少年週刊誌じゃあるまいし」
lw´‐ _‐ノv「全くだ。しかも自覚のないハーレム体質ときたから質が悪い」
(;'A`)「ハー…レム…だと?」
lw´‐ _‐ノv「実際彼はモテた。彼のライバルを自称するおにゃのこのハッカーが突っかかってきたり、奥手な後輩に柱の陰から覗かれてみたり、その手の逸話はに事欠かないよ」
(;'A`)「あの…野郎…」
lw´‐ _‐ノv「ハックの腕は超一級。どんな構造体(ストラクチャ)も防壁もお茶の子さいさい。ピンチになっても、気合いと幸運で切り抜ける」
('A`)「何だろう。突発性の鬱病かな。胸が重いよ」
lw´‐ _‐ノv「あの頃の彼は、カッコ良かったよ。誰が見ても。……ワタシがな見ても」
そう言ってカップに口を付ける彼女を見てオレは、この人もそんなブーンに惚れていた一人なんじゃないかなんて邪推した。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:50:35.68 ID:qAJRAAlRO
初遭遇支援
65 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:51:14.09 ID:T8Nj+IT7O
lw´‐ _‐ノv「……」
カップを置き、ふいに彼女は押し黙る。栄光は永遠ではない。重苦しい沈黙にそれを思い出したオレは、ばつの悪い思いで俯いた。
lw´‐ _‐ノv「……変わってしまったよ、彼は」
ぽつり。古傷を抉るような、彼女の呟き。
四年前、ネットの片隅で初めて出会った時のブーンは人間不信に陥っていて、他人を寄せ付けない雰囲気を伴っていた。
今でこそオレ達と馬鹿な話をして笑いあっているが、シュール嬢からしたら、やはりそれは違うものに見えるのだろうか。
('A`)「……やっぱり、その、親友が亡くなったっていう……」
lw´‐ _‐ノv「それも有るだろうけどね…きっかけに過ぎない」
('A`)「他に、原因が……?」
lw´‐ _‐ノv「……」
今度こそ完全に沈黙してしまったシュール嬢は、その先を一向に語らない。一体、彼女の舌を鈍らせるその原因とは何なのか。
('A`)「あの、シュールさ……」
業を煮やして先を促そうとしたオレは、しかし、彼女の何時になく真剣な眼差しに射竦められ口を閉ざした。
しえん
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:54:53.79 ID:VrlGikrc0
支援
68 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:55:04.76 ID:T8Nj+IT7O
lw´‐ _‐ノv「この先を、聞くのかい?」
鋭い。研ぎ澄まされた刃物のように、その視線は鋭い。
それは、人を煙に巻くような飄々とした彼女の雰囲気からは、想像もつかないほどに冷たく、鋭利なものを纏っていて。
この先に踏み込んではいけないと、警告されているような気がした。
(;'A`)「……」
ブーンの過去。そこに何があったのか。それを聞くと言うことは即ち“彼”の人生に深く関わると言うこと。
果たしてオレに、そんな覚悟があるのか?
ヘリカルからも、“アイツ”からも逃げ出したオレに、そんな覚悟があるのか?
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:56:02.54 ID:EziA1LX7O
支援
70 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:56:16.28 ID:T8Nj+IT7O
('A`)「……あの、シュールさん」
lw´‐ _‐ノv「何だい?」
('A`)「オレ、初めてあいつと会った時に見せて貰ったんですよ」
lw´‐ _‐ノv「……何をだい?」
('A`)「あいつが、ヒトの脳核にハッキングするところを」
lw´‐ _‐ノv「……」
“はぁ?寝言は寝て言えよ。んなの無理に決まってんだろ”
“ホントだお。なんなら、今、目の前で証明してみせるお”
('A`)「それ以来…オレは、あいつに一目置いて、よく連むようになったんですけどね」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 22:57:28.59 ID:FKL4uM7/O
しえん
72 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 22:57:31.25 ID:T8Nj+IT7O
('A`)「あいつのことは嫌いじゃない。嫌いじゃない、とは思うんですけどね。あいつは、やろうと思えばオレの頭の中身まで覗けるんだって思うと……その……」
lw´‐ _‐ノv「怖い……かい?」
('A`)「……はい」
lw´‐ _‐ノv「だったら、尚更この先は聞かない方がいい」
('A`)「でも、やろうと思えばあいつはとっくにオレの脳核に仕掛けてると思うんです。でも、そうしてない」
lw´‐ _‐ノv「……それで?」
('A`)「だから、信用する……なんては言いません。オレもそこまで人間が出来てないんで。でも、もう逃げるのは止めにしようと思うんです」
lw´‐ _‐ノv「……ほう」
('A`)「ヒトと深く関わるのが嫌だった。余計な事に首を突っ込んで、面倒な目に遭うのが嫌だった。だから、今までは他人に干渉しないようにして来た。でも、その先には何も待っていないのが判っていたんです」
lw´‐ _‐ノv「……」
('A`)「オレは強くない。それは、これから先も本質的に変わる事は無いでしょう。それでも、少しずつでも前に進めるのなら。進むことを許されるのなら……」
73 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:01:15.88 ID:T8Nj+IT7O
少しずつ、少しずつ。歩くような速度で。
きっと、これから先もオレは色々な嫌なことから逃げたりするだろう。中途半端と笑うならば笑え。
それでもほんのちょっと。ほんのちょっとだけでも成長することは出来ないだろうか。
ほんのちょっと。本当にほんのちょっとでいいから、どうかオレの足よ。一歩を踏み出す勇気を。
('A`)「だから、オレは自分の為に聞きたいんです。ブーンの過去に、何があったのか」
lw´‐ _‐ノv「……」
沈黙。そして静寂。窓の外で鳴いていた鴉の声も、今は聞こえない。シュール嬢は推し量るようにしてオレの瞳を覗き込むと厳かに言った。
lw´‐ _‐ノv「君が、もしブーンのため、なんて言い出したら蹴り飛ばしてやるつもりだったが」
('A`)「聞かせてもらえますか?」
lw´‐ _‐ノv「あぁ。結論から言おう……」
彼女はそこで一旦言葉を切ると、感情を消した声色で告げる。
lw´‐ _‐ノv「彼は、自らの恋人の脳核をハッキングして、発狂させてしまったんだよ」
耳をつんざく爆音が巻き起こったのは、丁度彼女の言葉が終わったのと同時だった。
next track coming soon...
74 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:05:36.90 ID:T8Nj+IT7O
以上、本日の投下分でございました
これからキャラクタープロフィールを投下したいと思います
ネタバレを多少含みますので本編未読の方は御注意下さい
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:05:39.79 ID:VrlGikrc0
おぉ乙っ!
乙です。。。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:06:09.77 ID:u0dc6Chu0
乙!
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:06:21.69 ID:FKL4uM7/O
ここで終わりか・・・
乙
79 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:07:14.87 ID:T8Nj+IT7O
キャラクタープロフィール
('A`)
氏名:鬱田独夫(ドクオ)
年齢:26歳(AD;2150年現在)
性別:♂
誕生日:7月28日
血液型:O
人種:モンゴロイド
現住所:日本国 VIP特別政令指定市ニーソク区 14番街メゾンdeVIP 4-4
本籍:同上
所属:どっくん何でも屋(ニーソク14番街ヒロユキビル五階 TELL 09990-874823-4545)
病歴:盲腸炎の経験
術歴:脳核置換手術、及び脳核通信デバイスの挿入手術の経験
頭髪:頭ボサボサボサノヴァヘア──友人談
瞳:三日間餌にありつけないでいるフンコロガシの目──同居人談
好きなもの:エロゲ、マルボロ、コーヒー(ブラックのみ)、1970年代のアメリカの雰囲気、大昔のロードムービー、自堕落な生活
嫌いなもの:我が儘な女、喧しい女、女、現実の女、時間に追われること、面倒臭いこと
──本編の語り部にして、何でも屋を営む自他共に認めるダメ人間。過去のトラウマから、女性恐怖症で生身の女性と上手く関係を築けない。中途半端にボディーガードとしての知識が有るため、生存率は高い。
必殺技 『弱音を吐く』 ↓\→+P
覚醒必殺技 『どうせオレなんか』↓\→↓\→ +挑発ボタン
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:10:19.66 ID:s+hy4KrV0
乙!
81 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:16:36.51 ID:T8Nj+IT7O
これにて本日の投下は終了でございます。途中、お母ちゃんの乱入により進行が遅れましたことを深くお詫びします
さらに重ねて、前回の投下から異常に間が開いてしまったことも、謹んで謝罪させていただきます
ごめんちゃい☆
本当に申し訳ない
次回投下の目処はまだ立っておりません
一週間以内にカタをつけたいとは思っていますが、何とも言えません
そこは文章の神様次第ということで
さて、質問があればお気軽にドゾー
乙
露骨に鬱展開の匂いがしてきたな
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:17:31.69 ID:VrlGikrc0
ここいらを境にドックンのへっぴり腰は治るの?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:19:00.25 ID:zFTd6OqNO
ブーンは童貞なんですか><
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:21:05.86 ID:s+hy4KrV0
本当に楽しみにしてたんだ、色々あったそうだがご苦労さん!
ここにイラスト支援はおk…なのか?
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:25:26.28 ID:u0dc6Chu0
その手の逸話はに事欠かないよ
その手の逸話に事欠かないよ かな?
87 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:28:18.68 ID:T8Nj+IT7O
>>83 (`A´)「やだやだ!一生ヘタレでいいもん!」
>>84 待て!外伝!
>>85 是非にとも!イラストは自分の主食であります大佐!
ブーンはリア充
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:33:23.00 ID:VrlGikrc0
ギコさん黒狼って言われてるけど、強化外骨格が狼に似てるからそういわれてるの?
それとも動きとか、組の名前とかそういうのからきてるの?教えて作者たそ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:35:39.49 ID:s+hy4KrV0
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:35:59.14 ID:FKL4uM7/O
俺はブーンがリア充なんて認めない・・
92 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:39:43.83 ID:T8Nj+IT7O
>>89 ギコさんの仕事ぶりを評して「狼の狩りみたいだ」とどこかのちんぴらが例えたのが由来となっているようです
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 23:43:28.01 ID:VrlGikrc0
毎度親切設計で丁寧な仕事をする作者には頭が下がる
俺も次回投下までに絵でも描いておくわ、乙
94 :
◆fkFC0hkKyQ :2009/07/11(土) 23:48:31.72 ID:T8Nj+IT7O
>>90 神だ…神が御光臨なされた!供物を持て!宴の準備をしろ!早く!早く!
うおえhっぐうjkshありがとうごぜぇます!ありがとうごぜぇます!
小生、主要キャラの集合絵というものに憧れておったのです!なんと!なんと!hfあkづ!hfkいいr!
ごめwwwちゅっとテンパってるwwwwうぇwwwwうぇwwwwwww
>>91 ( ^ω^)「だが、それが現実だお」
そのふざけた現実をぶち壊す!
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 00:00:30.47 ID:hhlGjn1bO
塩豚が外伝でズッコンバッコンしてたら俺泣いちゃうよ?
97 :
◆fkFC0hkKyQ :
さて、それではそろそろ質問がもなさそうなので僕も現実に帰るとします
次回のこの時間も、チャンネルは2ちゃんねる!
バイバイブゥー