('A`)ドクオと忍者のようです

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ニンニン!
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:49:43.88 ID:iN7oacBs0
                \ │ /
                 / ̄\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ─( ゚ ∀ ゚ )< ニンニンニンニン!
                 \_/   \_________
                / │ \
                    ∩ ∧ ∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ ∧ ∧ \( ゚∀゚)< ニンニンニンニンニンニン!
ニンニン〜〜〜!   >( ゚∀゚ )/ |    / \__________
________/ |    〈 |   |
              / /\_」 / /\」
               ̄     / /
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:50:04.25 ID:ougm5OfRO
最近ペース早いな
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:50:49.90 ID:kNJ/vF3wO
ニンニン
支援
5 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 21:51:45.30 ID:GXZC48Vv0
>>1代理どうも。

まとめ
ブーン速。さん:http://hoku6363.fool.jp/Nin-nin/nin00.html
●さん:http://maruboon.web.fc2.com/011/0.html

本当は二話書き溜めて投下しようと思ったけど、忙しいのでこまめにだします。
しゃあ!
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:52:31.75 ID:DAJjf6mqO
よっしゃ支援!
7 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 21:52:58.61 ID:GXZC48Vv0
第二十四話 〔ドクオの戦い〕



思えば、この物語はドクオの空好きな話から始まった。
それから、様々な出来事を通してここまできた。

('A`)「……」

しかし、その様々な出来事と直面した時。
ドクオは例外なく逃げてしまっていた。

('A`)「……いってきます」

そんなドクオが、成長の一歩を踏み出す。
小さいけれども、確かな歩幅で。
ゆっくりと床を踏みしめて。

今までの自分を隔絶するかのように。
ドクオは自らの手で、壷を頭に被せた。

( ^ω^)(どうなるんだお……)

(´<_` )(ドクオ……)
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:53:04.06 ID:4gwm8wlO0
いい投下間隔だ、支援
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:53:55.44 ID:BsFz9ZseO
支援でござる
10 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 21:54:26.56 ID:GXZC48Vv0
一方、敵サイド。

(*゚∀゚)〜♪

ξ#゚听)ξ「……!」

ご機嫌なつー。
それとは対照的に不機嫌なツン。
プラスとマイナスの感情が、見えない壁一枚隔てた空間で混ざり合う。

ξ#゚听)ξ「何負けて喜んでるんだよ! くそが……!」

(*゚∀゚)「兄ちゃん、兄ちゃん〜♪ ぐふふ〜」

今までツンの怒声に怯えていたのが嘘のように。
つーは上機嫌のまま、ツンの声を流す。
結果、空回りするツンの怒り。

ξ#゚听)ξ「……!」

ξ////)ξ「ごめんねつー。せっかくお兄ちゃんと仲直りできたのにね。大好きだから嫌いにならないでね」

そして始まるツンデレ。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:56:22.39 ID:yvQ44R/WO
きたな
支援
12 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 21:57:20.34 ID:GXZC48Vv0
(,,゚Д゚)「……」

満身創痍で言葉を発しないリーダー。

(*゚ー゚)「……」

未だに呆然とし続けるしぃ。

(#゚;;-゚)「……はぁ」

この体たらくぶりはどうだろう。
確かに今のところ負け越している。
が、決して負けたわけではないのだ。

(#゚;;-゚)「じゃあわたしがたたかってながれをもらうか」

小さく呟き、でぃが壷へと歩を進める。
あまりにも自然な挙動。
でぃが壷を被りきるまで、浮き足立った中嶋親衛隊の誰一人もでぃの行動に気が付かなかった。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:57:23.12 ID:joU7IK55O
しっしっしー
14 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 21:59:52.81 ID:GXZC48Vv0
場面は変わり、オワタ。

\(;^o^)/「本当に長老人使い荒すぎワロタ」

中嶋城へ単体で攻め込んだ際に、一度通った地下道。
そこをオワタは、また荒巻宅の地下から中嶋城へ向かって通っている。

\(^o^)/「重過ぎワロタ」

オワタのか細い腕には、荒巻から頼まれた荷物が。
手に余るのか、地下道に一本の線を引きながら、ずるずると進んでいる。

\(;^o^)/「でもまさか……」

ちらり、荷物に目を寄せる。
地面と同色の茶。
それが。

\(;^o^)/「これが兄者君の忍具だなんて……」

兄者の忍具。
それを持って、オワタは相変わらず線を引きながら、目的地へと向かっていた。
15 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:02:31.78 ID:GXZC48Vv0
(;'A`)(dkdkdkdkdk)

渡辺からもらった忍具。
椅子を片手に、純白の部屋でドクオは待っていた。
まだ、戦場に訪れない敵を。

(;'A`)(今まで皆すごい戦いしてたからなぁ……。俺なんかじゃ無理だよなぁ……。失望されたらどうしよう……)

脳内をぐるぐると渦巻く、不安の思念。
渦巻けば渦巻くほど、不安は大きく育っていって。
眩暈を覚えるほどに、ドクオは情緒不安定になっていた。

(;'A`)(やばい……。足が震えてきた……)

渡辺への告白ですら、ここまでの緊張はなかった。
何より、ドクオの順番が良くなかったのだ。

あと一回勝てば勝利。
プレッシャーが否応無しに掛かるタイミング。
もともと臆病なドクオにとって今の状況では、有利なのにもかかわらずピンチと感じてしまうほどであった。
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:03:28.28 ID:joU7IK55O
しえん
17 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:05:34.16 ID:GXZC48Vv0
(;'A`)(……)

体の中から、止め処なく力が抜けていくのを感じる。
今まで、皆がこのプレッシャーに打ち勝ってきた。
それは理解できる、のだが。

(;'A`)(ただのいじめられっこな俺ができるのかな……)

元来、スタート地点が違うのだ。
確かに、現実世界にいた頃には自らの意思で壷を被った。
が、いざ戦場の空気に触れてしまえば、たちまちに腰抜けとなってしまう。

それが、ドクオなのだ。

(;'A`)(とりあえず座っとこ……)

忍具の椅子を、手から離し。
ゆったりと腰掛ける。
ドクオの全体重を受け止めるそれは、例え椅子であろうとも、今のドクオには頼もしく感じた。

(;'A`)(そうだ、これは渡辺さんが俺のために作ってくれた椅子だ……)

そこでドクオは思い出した。
自身の忍具の出生を。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:05:48.51 ID:yvQ44R/WO
支援
19 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:10:27.13 ID:GXZC48Vv0
一つ、自分を勇気付けることを思い出せば。
後は芋蔓式に、続々と自分を奮い立たせることを思い出す。

('A`)(そうだよ、ここで勝てば弟者君に兄者君を返してあげられる)

('A`)(通学で見守ってくれていた忍者たちにも恩返しが出来る)

('A`)(俺が、俺が頑張るしか……!)

膝の上に置かれた拳を握り締める。
自らの勇気を振り絞るために。

戦いに向かう前に支給された忍び装束。
漆黒に包まれた自分の姿を、第三者視点で想像してみる。

('A`)(なんだ、俺も忍者じゃないか……)

卓越した想像力で描かれた今の自分は、とても頼もしかった。
通学時にあこがれた忍び装束。黒い姿。謎に包まれた表情。
全てが自分となっていた。

('A`)(忍者は負け知らずなんだ!)

心の中で、ドクオの咆哮。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:12:29.32 ID:4gwm8wlO0
支援
21 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:13:35.33 ID:GXZC48Vv0
と、同時に。

(;'A`)「うわっ」

部屋の中央、床から天井にかけて円錐を逆さまにした形で、光が広がる。
純白の部屋、純白の光、中に見える黒い影。
敵の、登場。

(;'A`)「……」

光が段々と薄らいでいく。
反比例して、光の中の影が濃くなっていく。
光の中の姿が、鮮明になっていく。

(;'A`)(この人が、俺の……!)

(#゚;;-゚)「やぁ」

光の中から現れたのは。
顔中傷だらけの老婆。
でぃであった。

光から出て来たでぃ。
座ったままのドクオ。
二人の視線が交差し合う。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:14:19.05 ID:joU7IK55O
頑張れドックン
23 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:15:27.79 ID:GXZC48Vv0
(#゚;;-゚)「……」

(;'A`)(この人、やっぱり直接見ると……)

今から戦う相手。
それは理解している。
だが、ドクオには引っかかるものがあった。

(#゚;;-゚)「とつぜんだけど」

しかし、ドクオの考えなどお構いなく。
でぃは口を開く。

(#゚;;-゚)「ころさせてもらうよ」

(;'A`)「……ふぇ?」

今、ドクオのデビュー戦。
傷だらけの老婆、でぃとの戦いが始まった。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:15:56.40 ID:yvQ44R/WO
やっと主役の戦いか
25 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:17:15.18 ID:GXZC48Vv0
(#゚;;-゚)「そんじゃ」

言うが早いか。
でぃは自身の忍び装束の合間から、一本の筆と紙の束を取り出した。

(;'A`)「……?」

ドクオが唖然としている間にも、でぃはサラサラと紙に筆を滑らせていく。
そして。

(#゚;;-゚)「かんせい」

ひらり、手に持っていた紙を床へと落とす。
揺れながら床に落ちていく紙。
ふと、ドクオの視界に映ったそれは。

(;'A`)(は瀬川……?)

は瀬川の絵が描かれていた。

(;'A`)(なんであんなものを……?)

ドクオの疑問をも置き去りに、でぃの手から放たれた紙は、重力に従って床へと落ちていく。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:18:25.67 ID:OvfHs5170
支援
27 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:19:40.94 ID:GXZC48Vv0
(;'A`)「一体何を……」

「しているのか」
そこまで、ドクオは聞くつもりであった。
だが。

「ホマ!」

(メ);'A`)「痛ッ!」

突然頬に走る衝撃により、それは掻き消された。
しかし、それよりも。
ドクオはとあることに意識を奪われていた。

(メ)'A`)「ホマ……?」

衝撃を受ける直前、確かに聞こえた鳴き声。
今まで何度も聞いた。
聞き慣れすぎた鳴き声。

( ^^ω)「ホマッホマッ」

は瀬川だ。
28 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:22:20.82 ID:GXZC48Vv0
(;'A`)「なんで……?」

ここは、確かに二人が戦うべき場所のはず。
なのに、は瀬川の乱入。
ドクオの中で、謎が渦巻く。

と。

(#゚;;-゚)「いけ、はせがわ」

でぃが突如現れたは瀬川に指示を繰り出した。
その指示通りに、ドクオに再度襲い掛かるは瀬川。

( ^^ω)「ホマッ!」

(;'A`)「わわっ!」

鞭のように撓る、は瀬川の足。
それがドクオへと向かってくる。

(;'A`)「うぅ……!」

なんとか忍具の椅子で受け止めたドクオ。
だが、それも辛うじて、といった形でだ。
29 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:26:09.10 ID:GXZC48Vv0
(;'A`)「……」

わけがわからない。
表情でその言葉を語っているかのように、ドクオは今、困惑していた。

でぃが紙には瀬川の絵を描いた。
それを床に落とした。
気づけばでぃに従順なは瀬川がドクオに襲い掛かっていた。

('A`)(紙を落として召喚……?)

ふと、一連の事柄を結びつけた先に、ドクオは答えを見つけ出した。

('A`)(まさか、式神……?)

ちょくちょく漫画などで出てくる式神。
ぬらりひょんの孫知識しかないドクオでも、その存在は知っていた。

('A`)(だとしたら……)

対策を考え付く。
その場で止まり、椅子にゆったりと腰がけた。

(#゚;;-゚)「ふん、よゆうだね……」
30 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:29:47.27 ID:GXZC48Vv0
(#゚;;-゚)「つぎだよつぎ。おまえはもうもどれ」

気が付けば、でぃの周りを動き回っていたは瀬川が消えていた。
その代わり、一枚の紙が落ちている。
もちろん、は瀬川のイラストつきで、だ。

('A`)(やっぱり……)

(#゚;;-゚)「まだまだいくよ」

言いながら、再度でぃは懐から紙とペンを取り出す。
同時に、ドクオが動く。

('A`)「今だ、あの紙を奪ってきて!」

|/゚U゚| + 激しく略奪 +

椅子がドクオの想像を読み取り、実現化。
生み出された忍者は、即座にでぃの手に持つ紙を奪いにかかった。

(;#゚;;-゚)「おっと」

|/゚U゚| + 激しく略奪 +

結果、呆気にとられるほど簡単に紙の強奪が成功した。
ドクオの手に、その紙が忍者から渡される。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:30:10.68 ID:yvQ44R/WO
支援
32 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:32:55.39 ID:GXZC48Vv0
('A`)「あなたの忍具はこれ、式神ですよね?」

椅子に座りながら、今さっき奪い取った紙をでぃに見せ付ける。
これによって自分の絶対的有利なポジションが手に入った。
ドクオはでぃの視線を受けながらも、続けて口を開く。

('A`)「あなたにはもう忍具がない。だから、負けを認めてください……」

それは、戦うことを放棄した上での勝利を望む言葉。
しかし、返ってきた言葉は。

(#゚;;-゚)「なんで?」

素朴な疑問。
自分は全く不利な状況ではない。
そう返すかのごとく。

('A`)「あなたは、俺と同じ匂いがするんです……。その顔の傷、喋りなれてないせいか歪な口調、暗い性格。
    たぶんなんで違ったら失礼なんですけど、あなたは昔、俺と同じ苛められっ子でしたよね?」

流れるように、ドクオの口から言葉が溢れていく。
初見のときから感じていた。
自分と似た存在。
33 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:35:21.38 ID:GXZC48Vv0
そしてドクオは、奪い取った紙を両手で掴み。

('A`)「そんな人相手に攻撃して勝とうなんて思えません」

一気に引き裂いた。
高い音を立てて、二つに分かれるでぃの紙。

(# ;;- )「くっ……」

皺と傷に塗れた顔を俯かせるでぃ。
喉から搾り出したような声が漏れる。

('A`)「これで俺の、勝ちですよね……?」

(# ;;- )「く……」

そのまま、でぃは床に膝を着いた。
小さく震える身体。
手まで床について、でぃの表情は完全に隠れている。

('A`)(やった……!)

ドクオが荒巻たちを勝利に導いた。
今ドクオは心の中でだが、最上級の喜びを感じている。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:35:56.09 ID:yvQ44R/WO
支援だ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:39:46.51 ID:9oWns/0W0
リアルで初遭遇!
支援( ^ω^)
36 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:39:57.12 ID:GXZC48Vv0
が、そんな時。

(# ;;- )「くっ……くっ……」

(#゚;;ー゚)「くっくっくっくっく……」

床に身を預けていたはずの老女から、声が響く。
最初は悔しさを表した声なのだと、ドクオは思っていた。
しかし。

(#゚;;ー゚)「くっくっくっくっく……」

(;'A`)「……!」

確かに見えた老女の表情には、笑顔が張り付いていた。
皺を更に深く刻んだ、老齢の笑み。

(;'A`)「何に笑っているんですか……?」

その問いに対し、でぃは顔から笑みを消して答える。

(#゚;;-゚)「たしかにわたしはむかし、いじめられていた。ふとうこうになってまともにきょういくもうけられなかった」

(#゚;;-゚)「すうじもかんじもわからない。このとしになってもさ……。だけどね」
37 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:43:40.05 ID:GXZC48Vv0
(#゚;;-゚)「ひきこもりがちだったわたしは、いんたーねっともないじだいさ。『え』をかいて、いちにちをすごした」

(#゚;;-゚)「だから……」

(;'A`)「……!」

そこでドクオは気が付く。
自分のとんでもない勘違いに。

ドクオの目に映ったのは、両手両足を床についているでぃ。
その身体の隙間から、床に置かれた紙に絵が描かれているのが見えたのだ。
しかもその絵は。

(#゚;;-゚)「だからわたしは『え』をかく『ぺん』がにんぐなのさ。わたしがかいた『え』は『ぐげんか』するんだよ」

/,'3「ふぉっふぉっふぉwwwwww」

荒巻の姿であった。
若干歪ではあるが、それでも作り出された荒巻がドクオの眼前に立ちはだかる。

(;'A`)「なんてことを……」

驚愕するドクオ。

(#゚;;-゚)「そんなことにきがつかないあんたのすがたがおもしろかった」
38 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:47:04.46 ID:GXZC48Vv0
(#゚;;-゚)「ちなみにはせがわはね。すべてわたしがうみだしたのさ。つんにさいきょうのにんじゃのいめーじをきいてね」

/,'3「いくぞい」

(;'A`)「うわ……きた……」

でぃの説明が終わると同時、作り出された荒巻が飛び込んできた。
標的は当然、忍具に座ったままのドクオ。
荒巻の拳が迫る。

('A`)「忍者……出てきて……!」

|/゚U゚| + 激しく防御 +

|/゚U゚| + 激しく攻撃 +

|/゚U゚| + 激しく追撃 +

|/゚U゚| + 激しく終了 +

ドクオは一気に四体の忍者を出す。
一体目が荒巻の拳を受け、二体目が荒巻のがら空きの腹部へ拳を突き出す。
三体目が二体目の攻撃によって吹き飛ぶ荒巻を、上から叩きつけ。

そして四体目が、倒れる荒巻に手裏剣を突き刺した。

/ ,' 3「ワシへの配慮はないんかい」

現実世界での荒巻の呟き。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:47:28.42 ID:yvQ44R/WO
でぃ…
40 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:50:43.35 ID:GXZC48Vv0
/,'3「むりぽ」

その言葉を最後に、消えていく荒巻。
煙となって、宙に散っていく。

(#゚;;-゚)「ほぅ……ならこれはどうだ?」

その言葉にドクオが振り向く。
いつの間に描いたのだろう。

(;'A`)「うわ……」

そこには推定20匹程度のは瀬川の群れが作られていた。
全てのは瀬川が、ドクオに対して敵意の篭った眼差しを向けている。

((((( ^^ω))ω)ω)ω)ω)ω)『ホマー!』

そして、一気にドクオへと寄ってくる。

(;'A`)(どうしよう……今のままじゃ忍者五体までしか出せないし……)

(;'A`)「仕方ないかぁ……。疲れるけどあれを使おう」
41 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:54:24.88 ID:GXZC48Vv0
('A`)「……」

椅子に座りながらも、精神集中。
深く息を吸って、吐いて。
焦る心を、落ち着かせる。

眼前には大量のは瀬川。
しかし、何故か恐怖を感じなかった。
集中力が高ぶっていくのが感じられる。

空気がゆったりと流れる。
一音一音、確かにドクオの耳に届く。
吸って、吐いて――

('A`)「……いくぞ!」

椅子に深く腰掛けたドクオ。
活力のなかった目を、気合の篭った目に変えて。
自らの勝利を掴むために。

('A`)「――分身の術」

反撃。
ドクオの行動が始まる。

(;#゚;;-゚)「な……?」
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 22:55:50.73 ID:7Bxvb4ysO
支援
43 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:56:29.02 ID:GXZC48Vv0
ドクオが始めたのは。

(((#'A`))「うおおおおおおおおおおおお!」

椅子の上で、激しく足を痙攣させただけ。
いわゆる、貧乏揺すり。

(;#゚;;-゚)「……」

唖然とするでぃ。

(;^^ω)「……」

は瀬川たちも、ドクオの行動にリアクションがとれずにいる。

そんな中、ドクオの貧乏揺すりは続く。
かた、かた。
椅子の脚が床と継続的にぶつかる音が響く。

((((#'A`)))「おおおおおおおおおおおおおお!!」

そして。
でぃが異変に気づき始めた。

(;#゚;;-゚)「まさか……」
44 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 22:59:13.23 ID:GXZC48Vv0
(#(#(#'A`)`)`)「おおおおおおおおおお!!」

(;#゚;;-゚)「……」

ドクオが貧乏揺すりをするたびに、影が揺らいだ。
残像が、残る。
残像に、質量が感じられる。

(#(#'(#'A`)A`)`)「おおおおおおおおおおおおお!!!」

それはだんだんと、確実なものに変わっていき。

(;#゚;;-゚)「まさかほんとうにするとは……」

('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)「「「「「おまたせしました……」」」」」

でぃの眼前に、五人のドクオが現れた。
その内、一人のドクオが口を開く。

('A`)「さらにですね、五人で忍者を想像すれば当然……」
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:00:41.51 ID:ougm5OfRO
支援
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:01:16.26 ID:yvQ44R/WO
支援
47 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:02:54.96 ID:GXZC48Vv0
そして現れる5×5、総勢二十五人の忍者たち。

|/゚U゚| + 激しく参上 +

(#゚;;-゚)「くっ……! いけ! おまえら!」

( ^^ω)『ホマ!』

忍者の大群対、は瀬川の大群。
さほど広くない空間に、敷き詰められた駒たち。

|/゚U゚| + 激しく攻撃 +

(;^^ω)「ホマ……」

明らかに、ドクオの生み出した忍者たちが。
でぃの生み出したは瀬川たちを圧倒していた。

(;#゚;;-゚)「くぅ……」

('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)「「「「「ふぅ……」」」」」

数分後。

|/゚U゚| + 激しく勝利 +

無傷な忍者二十五体と、でぃと、ドクオ五人。
それだけが残った。
48 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:05:22.13 ID:GXZC48Vv0
|/゚U゚| + 激しく包囲 +

('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)(((((渡辺さんに告白して良かった……)))))

ドクオ達が思い出すのは、自分が失恋した日のこと。
忍具に座ったままふられたドクオは、失恋の痛みに耐え切れず、癖通りに忍具の上で貧乏揺すりを始める。
そういった行動が忍具とうまく作用しあったのか、ドクオは無意識のうちに分身といった忍者的な技を出せていた。

その結果、今ドクオはでぃを大量の忍者で囲んでいる。

(# ;;- )「くっ……」

今度こそ、正真正銘の勝利だろう。
伏せられたでぃの空気に、もはや戦意は感じられない。

('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)(((((ん……?)))))

そしてドクオたちは気が付く。
でぃの足元に、数滴分の水滴が落ちていることに。

(# ;;- )「どうせわたしはだめなおんなだ……。なにをしてもだめなんだ……」

小さく聞こえるでぃの声。
49 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:10:40.94 ID:GXZC48Vv0
('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)(((((この人……)))))

苛められていた頃の自分が、今のでぃに被って見えた。
誰にも助けられない。
自分の力で切り開こうにも力がない。

(# ;;- )「ちーむのために……なんのやくにもたてなかった……。くそ、くそ……」

途轍もない絶望感。
溢れ出す涙。
どんどんと嫌いになっていく自分。

今のでぃは、状況こそ違えど数ヶ月前のドクオと一緒だった。
もともと大きくはない老婆の背中が、更に小さく見える。
彼女の着る忍び装束も、黒がより深く見えた。

('A`)「……」

分身をとくドクオ。
当然、忍者も五人に戻る。

(# ;;- )「なにをしてる? はやくおわらせればいいじゃないか……」

答える、ドクオ。

('A`)「……すみません」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:11:01.50 ID:yvQ44R/WO
しえん
51 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:12:59.52 ID:GXZC48Vv0
('A`)「長老さんたち、申し訳ないです。でも、俺はこの人に勝ちを譲りたいと思います」

|/゚U゚| + 激しく敗北 +

(# ;;- )「え……?」

ドクオが虚空へ向けて声を放つ。
同時に、忍者も五体全てが消えていく。
座っていた忍具から、立ち上がる。

そしてでぃへと歩み寄り。

('A`)「……俺には俺を倒せないです。あなたの勝ちですよ」

ゆっくりと手を差し伸べる。
しかし。

(# ;;- )「……」

顔を上げないでぃ。
そんな彼女に、ドクオは更に声をかけた。

('A`)「俺はいじめられっ子にはなれてもいじめっ子にはなれないです。五対一、完全ないじめじゃないですか。
    そんな勝ち方、いじめられっ子な俺がしちゃいけないと思うんですよ。だから、反則負けってことにしてください」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:14:11.43 ID:yvQ44R/WO
ドクオ優しいな
53 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:16:06.49 ID:GXZC48Vv0
(# ;;- )「…………」

しばらく静まり返る空間。
時間の流れが、空気の流れが。
ゆったりと二人を包み込む。

(#゚;;-゚)「……ありがとう」

そして、顔を上げたでぃが、ドクオの差し伸べた手を掴む。
涙で潤んだ目、皺に刻まれた彼女の歴史。
傷だらけの暗い過去。

その全てと向き合ったドクオ。
彼にとっては、名誉の敗北であった。

('A`)「大丈夫ですよ」





――この後、現実世界でボコボコにされることも知らずに。
  _
(#゚∀゚)「あいつ何してやがる……」

/   3「偽者のワシをひたすら攻撃した恨み、はらさせてやるわい」

从'ー'从「頑張れー」
54 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:17:27.46 ID:GXZC48Vv0
これにて投下完了。
やっと貧乏揺すり分身のネタが出来たぜ。
第一話から長かったぜ。

質問あればどうぞ。
55 ◆qvQN8eIyTE :2009/07/07(火) 23:19:54.30 ID:GXZC48Vv0
あと一応宣伝しておくべきなのかな。

( ^ω^)ブーン系サマー三国志のようです

 今ブーン系の最強を決める時が来たッッ!
 ブーンチーム、ドクオチーム、ツンチーム 3つのチームに分れ、巻き起こるブーン小説大戦争!

 多数の作者の良短編が飛び交う祭と言う名の戦場!
 所属チームを優勝に導くのは―――他ならぬ君の短編だ!

★開催時期は8月21日(金)〜23日(日)
 参加表明は開催当日まで受け付けます、ゲリラながらもおk!
 安価やお題?いい度胸だ、かましてやれ!

★参加条件は、楽しむ事
 いままで投下した事ない?なら祭りでデビューしちゃえよ!
 
★作品テーマは自由 
 いい意味で自重せず、夏を楽しめればそれで良し!


★参加表明絶賛受付中!参加表明スレまで是非書き込みを
★同時にお祭り補佐官も募集してます。
 手伝ってやるよって方いれば[email protected]までメールか、
 スレやチャットで名乗りでてくださると色々と助かります。激募集中

http://jbbs.livedoor.jp/auto/5584/#2

みんなで祭りっちゃおうぜ!
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:20:38.79 ID:7Bxvb4ysO
乙! ドクオは良い奴だな
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:28:27.27 ID:yvQ44R/WO
乙!荒巻黒すぎわろた
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:33:59.01 ID:+oa9f6/PO
確かに良い奴だけどさあ
なんかねえ

59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:45:34.94 ID:yvQ44R/WO
もう一度読み返すほ
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:50:57.59 ID:UrHoDJL20
                      + 激しく忍者 +
            卍
      ∠ ̄\∩
        |/゚U゚|丿
      〜(`二⊃
       ( ヽ/
        ノ>ノ
       UU
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 00:07:44.88 ID:LB0CN9dGO
よむほ
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 00:17:21.93 ID:LB0CN9dGO
面白かったけどドクオがなぁ…
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
乙です!!