(,,゚Д゚)All for one one for〜…のようです。
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理っ!
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 19:03:26.65 ID:Ezf0onHdO
燃え尽きるほどヒート
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 19:04:55.66 ID:jckxKb860
リア充氏ね
4 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:05:11.66 ID:a1pj6IETO
5 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:07:31.67 ID:a1pj6IETO
重荷を背負った後の腕を掴まれ
知らぬ土地を練り歩いたために疲労した足を急かされ
たどり着いた先には、見慣れた少女が二人。
なんだか焦っているようだが、俺にはさっぱりだ。
こういう時は、有名な人の名台詞を言うしかないな。
(,,゚Д゚)「落ち着け。まだ慌てるような時間じゃあない。」
36話「認識」
6 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:11:05.16 ID:a1pj6IETO
(*゚ー゚)「はい、どうぞ。」
(,,゚Д゚)「うむ。」
ちゃぶ台の前に置かれたお茶を俺はゆっくりと啜った。
日本茶特有の苦味と甘味を感じながら、もうそろそろ冬になるなと他愛も無いことを思う。
(,,゚Д゚)「……さて。」
緑茶の最適温度は80℃。ちょっと息を吹きかければ熱い熱い言いながら飲む必要もない。
お茶菓子にと、買ってきたばかりのもみじ饅頭をほお張ってから俺は言葉を発した。
目標は目の前に座る女の子。
腰を下ろせば地につくほど長い髪の童顔な少女はやや俯きがちにこちらを見た。
(,,゚Д゚)「どういうことか、お兄さんに説明してもらおうか。」
从'ー'从「はい。えっと…今日の帰りにですね、下駄箱を開けたらそれが入ってたんです。」
(,,゚Д゚)「……。」
从'ー'从「……。」
_, ,_
(,,゚Д゚) ?
从;'ー'从 ?
7 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:15:13.57 ID:a1pj6IETO
(,,゚Д゚)「…それだけ?」
从'ー'从「はい。」
(,,゚Д゚)「えっ」
从'ー'从「えっ」
(*゚ー゚)「ホントにそれだけだったよね。」
証言者であるしぃが俺たちのやり取りを見てから、繋ぎを言ってくれた。
まとめるとこうらしい。
いつものように授業を消化して、今日は部活動もなし。
宿題をして、ギコさんたちの帰りを待とう。
と下駄箱を開けたら、そこにはご丁寧に手紙が置かれていた…。
(,,゚Д゚)「何の変哲もないね。」
(*゚ー゚)「現実なんてそんなもんだよ。」
(,,゚Д゚)「この手紙の主はどんな奴なの?」
字を見る限りでは、真面目そうな感じがするが。
あ、中身は読んでないぞ。プライバシー的にそれは良くないからな。
若内 敏道(わかない としみち)と書かれている、手紙を包装してある裏面を読んだだけだよ。
8 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:19:05.80 ID:a1pj6IETO
从;'ー'从「えぇ。まぁ…何といいますか…。」
必死で考えているみたいだ。
目立たない子なのか? それとも興味がないのか?
(*゚ー゚)「一番目立つグループに所属しているわけじゃないけど…かといって暗い人じゃないよ。
よくいる、普通の人って感じかな?」
(,,゚Д゚)「へぇ…。」
从'ー'从「正直な話…私、どうしたらいいかわかんなくて…。」
……つまるところは、この相談に来たってことだよな。
(,,゚Д゚)「今まで貰ったこと、ないの?」
从'ー'从「はい。」
(*゚ー゚)「今時メールとか電話じゃなくてラブレターだもんねぇ…。
まぁ対応に困るといえば困るんじゃない?」
(,,゚Д゚)「…なんかやけに余裕ぶってるなお前。」
俺の中の何かが反応する。
この態度…この表情。
まさかこいつ…!?
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 19:19:31.75 ID:hSOeOwuRO
><
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 19:23:00.58 ID:Fxz9mexXO
支援
11 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:23:33.28 ID:a1pj6IETO
(;゚Д゚)「貰ったことあるのか!?」
(*゚ー゚)「中学で二回。高校では一回だけあったかな。」
ホギャー!
そんな…まさか…嘘だッ!!!
俺はどこかの鉈女さんの名台詞の如く叫んでしまった。
だがそんなのはどうでもいい。
(;゚Д゚)「いつだよ!? どこで!? つーか相手は!?」
(;゚ー゚)「あーもー! うっとーしい!」
両手を顔面につきたてられて俺の動きは停止させられる。
それでも尚、俺の言葉は止まらない。
(;゚Д゚)「何で一言相談をしなかった!? お兄ちゃんはそんな勝手なこと許しませんよ!!」
(*゚ー゚)「あのねぇ、付き合ったわけじゃないんだよ?
ただ、告白されたってだーけ! お兄ちゃんが心配するような要素はどっこにもないんだよ?」
(;゚Д゚)「ほえ?」
(*゚ー゚) =3
从'−'从「……。」
12 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:27:54.18 ID:a1pj6IETO
……取り乱してしまったな。
まぁよくよく考えればしぃも立派な高校生だ。節度ある付き合いをしてくれると…信じてるよ。
ともかく、本題はそっちじゃない。
今は目の前で俺の行為にドン引きしているであろう後輩のこれからについてを話し合うことが必要事項なんだ。
(,,゚Д゚)「返事はどうするの?」
从'ー'从「へ?」
(*゚ー゚)「私も読んでないからわかんないけど…きっと内容は端的に言えば『好きです。付き合ってください。』でしょ?
渡ちゃんはどうしたいの?」
从;'ー'从「え? あ…そっか。読んでないんだっけ、しぃちゃん。」
(*゚ー゚)「?」
从'ー'从「この手紙…ラブレターではあるんだけど…」
(,,゚Д゚)「だけど?」
从'ー'从「この人が私に言いたいことは…ちゃんと書かれていないんです。」
(*゚ー゚)「…というと?」
从'ー'从「内容は端折らせてもらうけどね、要するに…この手紙は準備期間みたいなものらしいの。」
(,,゚Д゚)「…つまり、その手紙には好きだとか付き合ってとかは書いてない?」
支援
14 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:31:49.71 ID:a1pj6IETO
从'ー'从「はい。直接的にはかかれてません。
ただ…頼みごとがあるんです。」
(*゚ー゚)「どんな?」
从'ー'从「一週間、自分を見ていて欲しい。だそうです。」
何か背筋がゾワッとした。
恋は盲目って言うけど……そんな言葉、文字でも表に出せねぇよ。
从'ー'从「多分、まだ全然知らないだろうから知って欲しい。
そしたら、また一週間後、放課後に体育館倉庫の裏で待ってる。と」
(,,゚Д゚)「へ〜…ずいぶん変わったことするもんだな。」
(*゚ー゚)「逆にお兄ちゃんみたいに単純すぎると、恋愛なんてやってけないよ。」
(;゚Д゚)「なんだと。」
从'ー'从「…。」
渡ちゃんは再び手紙を読み直している。
しかし…内容を知ると、どうして相談に来たのか不思議に思える。
15 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:36:04.62 ID:a1pj6IETO
だってそうだろ?
手紙では告白してないし、彼女がやるべきことだって書かれている。
だったら、わざわざ俺の部屋まで来る必要だってないし、相談ならしぃにするだけで十分なはずだ。
从'ー'从「…あの。」
野暮なことを考えていると、大きな黒い瞳が二つ、こちらを見ていることに気づいた。
从'ー'从「…ギコさんは…驚かないんですね。」
(,,゚Д゚)「? 何が?」
从'ー'从「しぃちゃんがラブレター貰ったことには驚いてたけど…
私が貰っても、全然普通の態度と言いますか…落ち着いてるな、って。」
(,,゚Д゚)「…ん〜…まぁね。」
(,,゚Д゚)「たしかに、渡ちゃんだって俺の妹みたいなもんだけどさ…
本当の妹じゃないし、あれこれ口出しされても迷惑だろ?」
(#゚ー゚)「あたしの自由はないんか!」
从;'ー'从「そんな…! …ことは…ないですよ。」
(*゚ー゚)c<,,゚Д゚)「でも、そういう手紙を貰っちゃった以上は何かアクションしないと勇気を出した相手にも失礼だろうし。」
(*゚ー゚)c<,,゚Д゚)「とりあえずは、言われた通りに一週間。そいつのこと見てみればどう?
案外気に入るかもしれないぜ?」
16 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:39:52.81 ID:a1pj6IETO
从 - 从「…………わかりました。そうしてみます。」
そういうと、渡ちゃんは手紙を折りたたみスッと立ち上がる。
部屋を出る際に一言挨拶をしてから、何故だか俯きがちに帰っていった。
(*゚ー゚)c< ,,゚Д゚)「…? どうしたんだろう。」
(;゚ー゚)c<) ブチッ! ,,゚Д゚) て
(;゚ー゚)c<) 悲Д゚,,)
(*゚ー゚*)c<) ゚Д゚,,)
支援
18 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:44:22.04 ID:a1pj6IETO
――――――。
次の日、教室に入った私はすぐさま席に着いた。
今日は朝練があるのでしぃちゃんとは別々に登校。
資料集のせいで、普段より数倍は重たく感じる鞄を机に置いて一息つく。
教室内の風景はいつもと一緒。
それぞれがグループを作り、近況報告や昨日見たテレビの話など様々な会話を繰り広げている。
私はいつもしぃちゃんと一緒なので、こういう時は一人ぼっちになる。
別に他に友達が居ないわけじゃないけど…今日は誰かと話す気分にはあまりなれない。
今日の授業の予習でもしようかとバッグのファスナーを開けるも、視線は何故だが別の方向へ向いてしまう。
( ><)「あそこでネドヴェドが入れたからこそ勝てたんです!」
友達の机に座って夢中に話をしているのが、若内くん。
何の話かよくわからないけど、多分スポーツの話をしているんだと思う。
そこで彼の言われるままの行動を無意識的に行っていることに気づく。
……悪いことではないから別にいいか。誰が見ているわけでもないだろうし。
19 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:48:24.89 ID:a1pj6IETO
話の内容を盗み聞きしてもさっぱりなので、見る部分は自ずと容姿になってしまう。
髪の長さは長すぎず短すぎず。色は真っ黒。たまーに髪型が違うけど、基本的には所々をいじった感じに仕上げている。
身長は高校生1年生の平均身長より少し高い。
ギコさんやジョルジュさんに比べるとまだ身体が出来てないように見える。
筋肉がないわけじゃないけど、骨格はやはりまだ幼さを残しているみたい。
声は若干高め。ギコさんのような低くてよく通る声とはちょっと違う。
( ><)「!」
从;'ー'从「!」
目が合ってしまった。
どうやら凝視しすぎたみたいだ。
彼自身が望んだことだし、悪いことをしているわけじゃないのに何故だが罰が悪い気分に陥る。
(* ><)ノシ
从;'ー'从「ぁ…ぇと…。」
从'ー'从ノシ
若内くんはすぐさま笑顔を作ってこちらに手を振ってきた。
少し戸惑いはしたけど、私も同じことをして返す。
20 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:52:18.61 ID:a1pj6IETO
(*゚ー゚)「おっはよー、渡ちゃん!」
从'ー'从「あ、おはよーしぃちゃん。」
後ろから声がしたので振り返る。
そこには薄ら汗を帯びた顔のしぃちゃんが居た。
指定鞄ではなく、エナメルの運動部らしいバッグを机の脇に置きながら席に座る。
(*゚ー゚)「この時期になると汗もすぐひくから助かるわー。」
パタパタと下敷きで扇ぎながら肘をついて涼んでいるしぃちゃん。
(*゚ー゚)「あ、そうだ。どう? 若内くんは。」
从'ー'从「うん…。」
視線を落としながら私は考える。
……本当に何も知らないから、まだなんて言えばいいのかわからない。
今まで意識したこともなかったし、クラスに居る男子の一人程度しか認識してなかったのでいきなり言われても困る。
(*゚ー゚)「だから一週間の期間を設けたんじゃないかな?」
从'ー'从「…かなぁ。」
(*>ー゚)b て「今まではそうだったかもしれないけど…実は俺ってこんな奴なんだ!
知らないのだったら、知ってもらえばいい! 無理じいして、勝手に玉砕するよりはよっぽどマシだよ!
ってことを必死に考えたんだろうね、やるじゃん!」
遠くで話してる若内くんへ親指を立てながらしぃちゃんは私の考えていたことと同じことを言った。
21 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:55:39.89 ID:a1pj6IETO
多分、若内くんがしようとしていることはそういうこと。
知らないなら、知って欲しい。
それで答えが見つかれば……どっちであろうと後悔しない…?
(*゚ー゚)「それは若内くん自身が感じることだから、想像は難しいかな。」
从'ー'从「……。」
HRのチャイムが鳴り、同時に先生が入ってくる。
そこでみんなは話をやめてそれぞれの席へ。
私も前を向いて、先生の報告を聞くことにした。
――――。
从'ー'从「……。」
川 ゚ -゚)「…ん。早いな。」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 19:57:30.52 ID:Fxz9mexXO
支
援
23 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 19:58:46.70 ID:a1pj6IETO
私が手紙を貰ってから3日が経過した。
ここのところ、先輩たちが生徒会の仕事で忙しかったので部活はなかった。
しかし今日はそういうことが一切ないようなので、久々に集まって活動しよう。
というメールを昨日、ブーン先輩からいただいた。
普段ならば部長のクーさんがいつも文芸部の部室を開けるので、私が先に居ることは確かに珍しいことだろう。
クーさんは入ってきた時の一言を発しただけで、後は長机の前の椅子に座って読書をしているだけだった。
私はというと……
( <●><●>)「今のブロックは、サイドが見えていたはずなんです。
ちゃんと声をかけるべきなのはわかってます。」
(; ><)「はい! すみません!!」
( <●><●>)「じゃ、もう一回やってみるのです。」
窓の外で繰り広げられている激闘を眺めていた。
競争率が高いため、ローテーションで使われているグラウンド。
いつも見るのは野球部とサッカー部の人たちぐらい。
けど、今日はハンドボール部の人が使っている。
隅の方では陸上部の人たちも居た。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:00:40.14 ID:ZfmwCSRMO
支援!
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:01:33.40 ID:1gz+V9MU0
広○
臼○
26 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:03:03.84 ID:a1pj6IETO
私が見ているのは言わずともハンドボール部。
あまり見かけない珍しいスポーツでもあるし、何よりビロード君が居るからだ。
半円状に徒党を組んで、ボールを回しあってゴールを狙う。
バスケットとフットサルを足して2で割ったようなスポーツと、ビロード君から聞いたことがある。
川 ゚ -゚)「…さっきから、何を見ているんだ?」
从;'ー'从「ひゃっ!?」
気配もなく近づいてきていたので驚いた。
クーさんがいつの間にか読書をやめて真後ろ居たのだ。
一息ついて、質問を返す。
从'ー'从「ハンドボール部です。知り合いの人が所属してるので…どんなものかと思いまして。」
川 ゚ -゚)「……。」
クーさんも黙ってハンド部のプレーを見始めた。
高く跳躍する姿、無茶苦茶な角度から放たれるシュート、素早いパスの応酬。
あまり運動が得意でない自分からしたら、素直に羨ましいと思える動きだった。
鈍くさい自分には絶対にできそうにないスポーツだなぁ…。
( ^ω^)「お? 二人して珍しいおね。何してるんだお?」
シリンダーの動く音が聞こえ、再び振り向く。
ブーン先輩が本を抱えたまま部室へ入ってきた。
そして本を置くと同時に、こちらへ歩み寄り窓の外を見始めた。
久しぶりに見た気がする
待ってた支援
28 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:08:04.74 ID:a1pj6IETO
( ^ω^)「? ハンド部かお?」
川 ゚ -゚)「知り合いが居るから見ているそうだ。」
( ^ω^)「へぇ…。あれも怪我の多いスポーツなんだおね。」
从'ー'从「やったことがあるんですか?」
( ^ω^)「体育で一年の時にやったことあるんだお。
オフェンス…攻める方だおね。
それを止める方法がサッカーやバスケと違って、ボールを弾くんじゃなくて…体当たりで止めるんだお。」
从;'ー'从「えぇ!?」
( ^ω^)「厳密には違うけど、ほとんど身体をぶつけにいくようなもんだお。
接触も多いから、しっかりストレッチしないと大怪我するお。」
从;'ー'从「……あっ!!」
と先輩の解説を耳にしつつ見ていると…
ビロード君が接触を起こした。
シュートに行った後にバランスを崩してしまったらしく、正面にいたゴールキーパーさんの足が絡んでしまったようだ。
大きな声なら聞き取れるが、小さな声は口パクをしているようにしか見えない。
ただ、ビロード君は必死に謝っていた。キーパーの人も同じように謝っている。
だが、練習中にそんな動作は無駄らしい。キャプテンと思わしき人の大声がビロード君をせきたて、プレーは再開される。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:10:46.85 ID:vtoS9mXJO
ktkr!待ってたぜ支援!
30 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:14:12.52 ID:a1pj6IETO
( ^ω^)「去年は県大会直前で負けたからね。今年は凄い気合い入ってるんだお。」
从'ー'从「…大丈夫かなぁ…ビロード君。」
川 ゚ -゚)「ビロード?」
从'ー'从「さきほど言った知り合いの人です。
小さい頃、ガラス製のバッヂをつけていたからそんなあだ名になったそうですよ。」
川 ゚ -゚)(……間違いなく『ビードロ』と勘違いしているな。)
( ^ω^)「知り合い……。渡辺さん、そのビロード君ってのはどれ?」
从'ー'从「あの端っこに居る…あ、今ボール持った人です!」
( ^ω^)「へぇ……。」
と、外に目をやったままのブーンさんは咳払いをしてから聞いてきた。
( ^ω^)「…その知り合い、ってのは…どの程度?
友達じゃないの?」
从'ー'从「……わからないです。」
( ^ω^)「?」
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:16:38.34 ID:Fxz9mexXO
支援支援
33 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:18:45.75 ID:a1pj6IETO
从'ー'从「あ、実は私、3日ほど前に彼から…その、ラブレターを貰ってまして…。」
(; ゚ω゚) て(なんだと!?)
川 ゚ -゚)「ほぅ。」
(; ゚ω゚)「へ、へぇ……。ど、どんなことが書かれていたんだお?」
从'ー'从「自分のことを一週間見て、それから答えを聞きたい。要約するとこんな感じです。」
(; ゚ω゚)(うまい手口だお…さては、初めてではないなビロード!)
从'ー'从「なので、この3日は彼のことを見てきました。」
川 ゚ -゚)「…して、結論は?」
从'ー'从「……まだわかりません。」
(; ゚ω゚)「そりゃあそうだおね。ま、まぁ期限はまだ4日あるわけだから…ゆっくり考えるといいお…。」
从'ー'从「はい。そのつもりです。」
――――。
( ><)「そういえば、渡辺さんってどこら辺に住んでるんですか?」
从'ー'从「学校から少し歩いたところにあるアパートだよ。近くにマルケーがあってね……」
内藤www
35 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:24:50.87 ID:a1pj6IETO
放課後、部活が休みである私とビロード君は教室に残って談笑をしていた。
本当は早く帰って夕飯の支度をしないといけないんだけれど…
しぃちゃんが任せといて! と言ったのでお言葉に甘えることにした。
( ><)「へぇ〜。兄弟は?」
从'ー'从「いないよ。家には私一人だしね。」
(; ><)「え? あ…ご、ごめんなさいです。」
悪いことを言ったと思ったのか、ビロード君はすぐさま謝ってきた。
こういう真面目な所は彼の良い所だと思う。
…でも、まだやっぱり距離があるのは否めない。
ギコさんみたく、冗談を言って私をからかうだとかそういうことはしてこないもの。
私も人のこと言えないけど…まだ本音の自分を出してないのはすぐにわかる。
( ><)「…ん? あれ、もしかしてそのアパートって高岡荘って名前だったりします?」
从'ー'从「あ、そうだよ。よく知ってるね。」
36 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:29:11.64 ID:a1pj6IETO
(* ><)「部活の帰りに何回かそのコンビニ使ったことあるんですよ。
……じゃあ、今日は一緒に帰りませんか?」
从'ー'从「え? ……あ、うん。いいよ。」
気づけばそろそろ日の入り時刻。
日が沈む頃には帰るようにしてるので、この時間まで学校に居たことは滅多にないだろう。
防犯的な意味も含め、ビロード君は私を送ってくれるといってくれた。
( ><)「そろそろマフラーが欲しい季節ですね。」
从'ー'从「そうだねー。」
落ち葉が枯れ始め、風が徐々に冷たさを増す季節になってきた。
日の入りが早いのもそれを十二分に実感させる。
再び他愛もない話を続けて私達は帰路を歩き続ける。
( ><)「着いたのです。」
気がつけばもう高岡荘。
四角い窓からはいくつも光が漏れており、みんなが既に帰宅していることを認識させた。
从'ー'从「わざわざありがとうね。」
( ><)「気にすんなですよ。これくらいはいつでも、いくらでもするんです。」
从'ー'从「ふふ…ありがとう。」
(* ><)
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:31:01.41 ID:Fxz9mexXO
支
援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:31:06.74 ID:RVX2mono0
来てた支援
39 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:35:28.24 ID:a1pj6IETO
中々こちらを見て帰ろうとしないビロード君を私は見続ける。
寒そうにしている姿、何故だがしらないけど少し照れているようにも見える。
(* ><)「あ、あの渡辺さ(,,゚Д゚)「さっぶーい。」
ビロード君が何かを言い始めたと同時に
二階の扉が開いて、ギコさんが出てきた。
近所を歩くようなラフな格好をしていて、少しだけみっともない。
でもよく見かける姿ではあるので違和感だとか不快感は全然覚えなかった。
(,,゚Д゚)「おや、渡ちゃんか。おかえりー。」
二階の廊下の桟に両腕を組んで体重をかけるギコさん。
そのまま楽しそうな笑顔で話し続ける。
从'ー'从「あ、ただいま…かえりました!」
(,,゚Д゚)「なんか固っ苦しいなw…って、お? その隣のキミは?」
( ><)「あ、若内って言いますです。」
(,,゚Д゚)「あー。キミがか。そうかそうか。」
といいつつ先ほどの体制を解いて階段を降り始めるギコさん。
そして私達の前までくると
(,,゚Д゚)「渡ちゃんは良い子だぜ。ちょーっと抜けてる所もあるけどな。」
从* ー 从「ちょっ!? ギコさん!?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:35:51.01 ID:OvfHs5170
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:36:51.02 ID:RVX2mono0
なんだか、こじれそうだな
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:36:55.70 ID:vtoS9mXJO
ビロード…
43 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:38:36.90 ID:a1pj6IETO
(,,^Д゚)「あはは。悪い悪い。じゃあ、俺買い物頼まれてるから、ここで。」
从*ー 从「ぁぅ…。」
(; ><)「!」
ポケットに入れていた手で、去り際にギコさんは私の頭を撫でてきた。
あったかいギコさんの手で触られると…同じように心も温かくなる。
だから、誰にも言ったことはないけど私はこの行為が凄く好きだ。
( ><)「…あ、失礼します。」
少しギコさんが歩いてから、ビロード君はハッと気づいたかのように深々と礼をする。
礼儀正しいビロード君を視界に入れつつ、私はギコさんの背中を無意識的に追っていた。
( ><)「……。」
从'ー'从「ごめんね、こんな時間まで。今日は送ってくれて本当にありがとう。」
( ><)「…気にしなくていいんです。
じゃあ、また明日。」
从'ー'从「うん。」
ギコさんと同じようにポケットに手を入れて去っていくビロード君。
でも、なんかいつもより表情が固かったような気がした。
44 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:42:58.96 ID:a1pj6IETO
从'ー'从「ん?」
しぃちゃんが作ってくれていた夕食をごちそうになった後。
明日の予習をしようと机に向かっていると、携帯電話が震えた。
送り主はビロード君。
なんだろう、明日の予定でも聞き損ねたのかな?
( ><)【急で申し訳ないんです。
この前書いた手紙の返信…というか期限。明日までで良いですか?
勝手に頼んでおいて、勝手な変更をしてごめんなさいです。】
从;'ー'从「ええ〜?」
本当に突然でビックリした。
何でこんなことを言ってくるのか全然わからないが…
彼がそれでいいならそうしよう。
3日間だけど、それなりに見てきたつもりだ。
オッケーの返信をすぐ様した私は、再び予習へと取り掛かった。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:45:15.01 ID:RVX2mono0
恋する乙女と同様に、恋する男子も鋭いんだな
46 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:47:02.08 ID:a1pj6IETO
(*゚ー゚)「え? じゃあ、あの返事は今日するってこと?」
从'ー'从「うん。そうみたいだよ。」
(*゚ー゚)「どうしたんだろうね、急に…何かあったのかな?」
从'ー'从「…。」
何故期間を短くしたのか。
私には全然わからない。
けど、ビロード君はビロード君なりに考えがあるんだろう。
だったら、彼の精一杯の考えに私もしっかり答えなければならない。
(*゚ー゚)「答えはもう決めてるの?」
从'ー'从「…うん。一応ね。」
(*゚ー゚)「まぁ私からしたら、最初からわかってることなんだけどね。」
从;'ー'从「え?」
(*゚ー゚)「なんでもないよ。じゃ、今日は私も部活あるし、渡ちゃんは渡ちゃんで頑張ってね。」
从'ー'从「うん。ありがとう。」
47 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:50:55.82 ID:a1pj6IETO
最初は普通だった。
でも、意識した途端になんだが自分も緊張してしまっていることに気づいた。
ただ、この心で感じたことを伝えるだけ。
それだけなのに、何でだろう。変な気分。
予習の後も、授業中も昼休みも
一生懸命、ビロード君へ伝えるべき言葉を考えた。
けど、時間は残酷なもので…それが固まりきるまえに放課後は訪れてしまった。
夕焼け色になった体育館倉庫の裏。
人目につきにくいその場所に私とビロード君は居た。
48 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:54:47.54 ID:a1pj6IETO
( ><)「…じゃあ…言うことを言わせてもらうのですよ。」
(* ><)「……渡辺さん。僕は君が好きです! よかったら付き合ってください!!」
ビロード君は彼なりに考えてきた言葉を私にぶつけた。
耳に届いた瞬間、心臓が大きく高鳴った。
……次は…私の番だ。
伝えるべきことを…伝えないと!
从'ー'从「ビロード君。」
( ><)「はい。」
从'ー'从「お手紙、嬉しかったよ。ありがとうね。」
从'ー'从「3日間…考えたんだけどね…」
( ><)「…はい。」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 20:55:31.48 ID:Fxz9mexXO
支援
しえん
51 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 20:59:48.24 ID:a1pj6IETO
私は一息ついてから、しっかりと言った。
从'ー'从「…ごめんなさい。」
( ><)「…そう…ですか。」
从;'ー'从「あ、でもビロード君がダメだから断ったわけじゃないんだよ?
頭だって悪くないし、ハンドボールも一生懸命やってたし…私なんかに告白してくれたり…。
だからね、その…ビロード君って凄い良い人だし、絶対」
( ><)「わかってますよ。だから、もう良いです渡辺さん。」
从;'ー'从「へ?」
( ><)「……他に、好きな人がいるんですよね?」
从'ー'从「……。」
( ><)「予想では、多分あの人だろうけど…あえて言わないでおきますです。」
( ><)「無茶な要求にちゃんと答えてくれてありがとう。
渡辺さんも、頑張ってくださいね。」
从'ー'从「あ……うん。」
それだけ言うとビロード君はクルリと振り返り、何も言わずにその場を後にした。
ぎこぉぉぉぉぉぉぉ
ビロード…
しえん
55 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 21:03:07.31 ID:a1pj6IETO
――――。
从'ー'从「……。」
家路をなぞりながら私は考える。
ビロード君は…わかってたのかな。
何で断ったのか、私が何を考えていたのか。
だから、わざわざ時期を早めて…私にエールを?
(;゚Д゚)「なんかいつもより多くないかこれ?」
ノパ听)「ん〜? そんなことないだろ。あたしの分とあんたの分で二人分。
ほ〜ら、計算が合う。」
(;゚Д゚)「いや、おかしいよそれ。何かがおかしい!」
ふと後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
歩いてきたのはギコさんとヒートさん。
並んで歩いているとまるで本当のカップルのようだ。
ノパ听)「おー、渡ちゃんか。今帰り?」
しえん
57 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 21:07:22.78 ID:a1pj6IETO
从'ー'从「はい。」
(,,゚Д゚)「部活もないのにやけに遅いね。勉強でもしたの?」
从'ー'从「……そんなところですね。」
ノパ听)「そっかそっか。おし、渡ちゃん! ここで会ったが百年目だ! あんたもあたしの手料理食っていきな!」
从'ー'从「え? 良いんですか?」
(;-Д-)「無理やり付き合わされる人数が一人だろうが二人だろうが関係ないもんな。」
ノパ听)「そーいうことさ。じゃ、ちゃっちゃと帰ろうか!」
从'ー'从「はい。」
荷物を持っているせいで歩みの遅いギコさん。
普通なら手伝ってあげるべきだろうけど…今は好都合かな。
私が今日改めて認識したこと…
ギコさんが好きだってこと。
それを私達に向かって言ったヒートさん。
フェアにする必要なんてないことなんだろうけど…私はあえて言おう。
从'ー'从「ヒートさん。」
宣戦布告ktkr
いけ!わたちゃん!
60 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 21:10:14.21 ID:a1pj6IETO
ノパ听)「ん?」
从'ー'从「私も、負けませんからね!」
ノパ听)「ん? お、おう。」
何を言い出すんだこの子は、という表情を浮かべるが気にしない。
すぐにわかってくれるだろう。
さて、言ってしまった以上はゆっくりとしてられない。
私もビロード君のように…頑張ってみよう。
まずはちゃんと自分のことをちゃんと知ってもらっていたい。
私が本当はどんな人で、どんなことを考えているのかをわかってほしい。
从'ー'从「ギコさん、手伝いますよ。」
(,,゚Д゚)「おー、ありがとなー。」
そしていつか、この人と一緒に並んで歩きたいな。
つづく
あれだ、ギコがせこい
そして乙
乙!
乙!リア充乙!
64 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 21:12:08.87 ID:a1pj6IETO
ふ〜
レポートか投下か悩んだあげく、俺は二分もの長期間考えた後に決断した。
支援ありがとうございました。
来週投下はきっと無理です。
再来週もきっと無理です。
近況報告はHPの方でたま〜にするので、お願いします
HP持ってたの?
乙!
ノパ听)と一緒に歩きたいです
このノパ听)はノパ听)の中でもノパ听)でノパ听)大好きだああああああああああ
68 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/07/07(火) 21:16:15.68 ID:a1pj6IETO
7xさんの十話の所にURLがありまする
実はクリスマス編の辺りで若干展開に詰まりつつあるので、悩み悩みしております
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:17:58.02 ID:uGhwK3zG0
NEMESISかとおもって開いた俺は負け組か
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 21:18:46.68 ID:vtoS9mXJO
乙じゃなくてあえてお疲れ様!!!渡ちゃん視点良かったよ また待っとります
>>67 私は落ち着いている
ノパ听)への言葉はただ気持ちが暴走したわけではない
愛ゆえの心の叫びだ
>>68 時間がかかってもノパ听)を待ち続けるゆえ、納得いくもののために頑張ってください
あと私はノパ听)です