1 :
◆qvQN8eIyTE :
もう自分でまとめブログにかいてろよ
3 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 22:51:38.03 ID:KdhDDmZN0
第二十二話 〔長岡の戦い〕
荒巻が勝った。
弟者が負けた。
今のところ、一進一退。
(´<_`;)「皆……申し訳ない……」
現実に戻ってきた弟者。
なんとか話せる程度まで回復し、第一声。
それは、全体の足を引っ張ってしまったことに対する謝罪の言葉。
沈黙。
労うべきか。慰めるべきか。
決めかねた上での沈黙である。
その中に突然響く、長岡の言葉。
_
( ゚∀゚)「ったく、許せない敗北だな」
沈黙を破る。
同時に、気まずい空気を塗り替える。
一同を、怒りの空気が包み込んだ。
4 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 22:53:22.07 ID:KdhDDmZN0
(#^ω^)「長岡、それはあんまりだお……!」
皆の気持ちを、代表して内藤がぶつける。
それを肯定の目で見る一同。
その一同には、当然長岡や弟者は含まれていない。
(#^ω^)「いくら弟子とはいえ、必死に頑張った弟者君をそんなに悪く――」
_
(#゚∀゚)「だから許せねぇんだよ! 死にかけるまで必死に頑張ったこいつが! ここまで痛めつけたあいつらが!」
内藤の怒声を、また別の怒声が塗り替える。
ぶつかり合う声が、重なり。
そして長岡の声が勝って、皆の耳に強く残る。
( <_ )(長岡さん……)
長岡の素直ではない憤りに。
そこに隠れた優しさに。
静かに感動する弟者。
長岡の言葉はまだ続く。
_
(#゚∀゚)「何より! 何よりも許せねぇのがよ!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:53:43.32 ID:7y3vFUipO
ここ最近早いね
支援!
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:57:09.95 ID:93cp6KqLO
最近ペースすげぇ 支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:59:32.30 ID:eFjYIH/cO
ktkr!
支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:02:29.14 ID:E7+uuFXvO
うお!?早!w
支援だ
9 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:03:51.11 ID:KdhDDmZN0
_
(# ∀ )「相手側に、昔いなくなった俺の妹がいることなんだよ……」
先程とは一転。
今にも消え入りそうな声で、擦れた声で。
長岡は弱弱しく呟いた。
( ^ω^)「長岡……」
それによって、内藤の怒声はやむ。
しかし、驚きを隠しきれないのがこの二人。
(;'A`)「え?」
(´<_`;)「前話していた妹が?」
_
( ゚∀゚)「あぁ、あそこにいるのがそうだ」
そう言って長岡は敵側の一人を指差す。
指の先には。
(*゚∀゚)「?」
確かに長岡とそっくりの少女がいた。
10 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:08:01.09 ID:KdhDDmZN0
(;'A`)「他の人たちは知っていたんですか……?」
(;^ω^)「まぁ、一目でつーちゃんだとわかったお」
/ ,' 3「あんなに怖がりだった子が、まさかとは思ったがの」
驚いたのはドクオと弟者のみ。
その他の忍者たちは既知の事実だったらしい。
(;'A`)「なんで……」
驚きを隠せない。
相手側に長岡の妹がいることにも。
荒巻たちがそれに対するリアクションを微塵もとらなかったことにも。
_
(#゚∀゚)「仕方が無いんだよ。忍者なんてこんなもんさ。敵味方もいずれ別れるときがくる。なぁ、内藤?」
( ^ω^)「……そうだお」
何故か内藤に相槌を求めた長岡。
対し、少し含みのある返事をする内藤。
(;'A`)「……」
自分の入り込めない領域があることを、ドクオは認識した。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:09:13.15 ID:h0r7Yv9p0
あれ、つぎ23話じゃなかったか?
支援
12 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:12:13.38 ID:KdhDDmZN0
_
(#゚∀゚)「だがまさか自分の妹が敵に回る日が来るなんて思ってもいなかったぜ」
そして、一呼吸の間。
小さく息を吸い込み。
_
(#゚∀゚)「おいコラ! つー、次はお前が戦え! お兄ちゃんが説教してやる!」
空間を振るわせる大きな声。
向けられた先は、見えない壁を隔てた自身の妹。
しかし。
(*゚∀゚)「……」
( ´`_ゝ)「俺もいつかセクロスするときには幼女にあんな喘ぎ声を出させたいものだ」
反応したのは兄者のみ。
対象のつーは、全く反応が無い。
_
(#゚∀゚)「クソッ!」
長岡の怒り。
向かう矛先に無視をされたそれは、長岡の中でまわり続けてどんどんと大きくなっていく。
_
(#゚∀゚)「つー!」
もう一度響く、怒声。
13 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:13:31.28 ID:KdhDDmZN0
>>11 はっはっは、そんな馬鹿な……ぁ。
そんな馬鹿なぁぁぁああああああ!!!!!
すいません。
>>3は二十三話に脳内訂正してください。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:15:33.43 ID:h0r7Yv9p0
おばかwwww
支援支援
15 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:16:53.07 ID:KdhDDmZN0
(*゚∀゚)「……うざいなぁ」
と、小さく聞こえたつーの声。
僅かにだが空気を揺らした声は、長岡の耳に届く。
_
(#゚∀゚)「なんだとコラ!」
しかし、長岡が何を喚こうと、以降つーは反応をしなくなった。
長岡の声を無視。
(*゚∀゚)「……よいしょ」
そのまま壷へと向かって歩き。
(*゚∀゚)「ちょっとどいてね」
(*゚ー゚)「……あ、あぁ。ごめん」
先程の戦いで呆然としたままのしぃをどかし。
(*゚∀゚)「はぁ、うざいなぁ……」
そのまま壷を被った。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:18:25.29 ID:eFjYIH/cO
支援
17 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:19:17.15 ID:KdhDDmZN0
_
(#゚∀゚)「……ほう」
つーの行動。
それは長岡にとって、宣戦布告のようにも感じられた。
長岡は憤りながら、そのまま一直線に壷へと向かって、それを被る。
( ^ω^)「……」
/ ,' 3「……」
再び無音になる世界。
長岡のかき乱した空気が、それぞれの肺に入り、そして出て行く。
そのころには部屋の空気も浄化されているのだろうか。
(;'A`)(あんなに怒って、長岡さん……)
( <_ )(……)
各々の呼吸音が、各々の耳に確かに聞こえる空間だけが残された。
从'ー'从「頑張れー」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:20:39.80 ID:7y3vFUipO
支援
19 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:24:39.49 ID:KdhDDmZN0
_
(#゚∀゚)「よう」
(*゚∀゚)「……」
確かに似ている。
そっくりな兄妹。
何年ぶりかの、再開。
(*゚∀゚)「……」
大きく開いた目と、ほんのり赤みを帯びた柔らかそうな頬。
低身長なため、下から見上げる顔。
_
(#゚∀゚)「久々だな。可愛い可愛い俺の妹よ」
確かに、自分の妹。
小さな頃からずっと一緒に、仲良く遊んでいた自分の妹。
昔から怖がりで、何かあれば泣きながら自分を頼りにしてきた、可愛い妹。
_
(#゚∀゚)「……」
それが今や、対立している。
これから、自分と自分の世界一大切であった妹が戦うこととなった。
戸惑いや葛藤が無かったといえば、嘘となる。
20 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:28:03.23 ID:KdhDDmZN0
だが。
_
(#゚∀゚)「いい加減、何か喋ってみろ! なんでいきなり俺の前から消えた!」
仕事、長老、仲間、自分の意思、ぼろぼろにされた自分の弟子。
様々な事が絡まり合い、長岡は引くことができなくなっていた。
今、ここで妹と戦うのが最善の判断だと長岡は考えたのだ。
_
(#゚∀゚)「この泣き虫つーちゃんがよ!」
(*゚∀゚)「……!」
遂に長岡から動きを見せる。
彼の右腕に装備された忍具が回転を開始。
静電気を発生させ始めた。
_
(#゚∀゚)「何か言えよ!」
バチバチ、と大きな音を立て始める忍具。
その発生した特殊な静電気による電磁力で、つーを引き寄せようとする。
(*゚∀゚)「うざいよ、兄ちゃん」
そこで、初めてつーが口を開く。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:28:32.76 ID:eFjYIH/cO
支援支援
22 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:32:51.11 ID:KdhDDmZN0
_
( ゚∀゚)「……何?」
長岡が驚いたのは、つーの発言にではない。
今まで確実に静電気で引き寄せられた。
今回も確かに引き寄せた。
しかし、つーが微動だにしていなかったのだ。
(*゚∀゚)「その兄ちゃんの思い上がりがうざいんだって」
つーが言葉を続ける。
まるで、長岡が何もやっていないかのように。
電磁力を全く気にせずに。
(*゚∀゚)「どうせその忍具で私を引き寄せられるとでも思っていたんでしょ? 無駄だよ」
言いながら、つーが床をコツコツと踵で鳴らす。
忍び装束にヒール。
何とも不釣合いな格好だ。
(*゚∀゚)「兄ちゃんは自分の忍具で自滅すると良いね」
23 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:34:29.28 ID:KdhDDmZN0
つーの発言と同時、高速で白い塊が飛んできた。
_
(;゚∀゚)「何?」
すぐさま気が付き、回避する長岡。
_
(;゚∀゚)「ぐっ!?」
だが、右腕に命中。
確かに避けたはずなのに。
何よりも、つーがいつ攻撃を仕掛けたか、長岡には見えなかった。
_
(;゚∀゚)(一緒に暮らしていた頃はまだ忍具を持っていなかった。……考えられるのは忍具の攻撃か)
怒りで我を見失いかけていた長岡が、頭を冷やす。
そして冷静に分析。
つーの姿を観察する。
(*゚∀゚)「何? 突然妹を女として見ちゃった?」
_
( ゚∀゚)(探すんだ……。一緒に暮らしていた頃とは確定的に違う何かを……!)
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:35:54.39 ID:eFjYIH/cO
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:36:01.48 ID:DnfuD7i2O
>>1 ならばニコ動で「キンタマひゅひゅん」と検索するんだ
26 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:39:35.67 ID:KdhDDmZN0
顔。
昔と変わらず、未だに童顔。
大きな目、長岡に良く似た口元、ふわりとした髪。
体。
相変わらずの微妙なふくらみ。
やたらと短い足。
――そして、確実に高くなった身長。
_
( ゚∀゚)「これか!」
遂に長岡は、つーの忍具を発見する。
同時、動き始める長岡の忍具。
(*゚∀゚)「兄ちゃんも学習しないね」
コツコツ、踵を鳴らす。
呆れたように投げかける視線。
先程と同じく、伸び行く白い弾道。
_
(;゚∀゚)「うぐっ!」
またも、長岡の右腕に命中した。
27 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:41:54.73 ID:KdhDDmZN0
(*゚∀゚)「また同じことを繰り返すの? やっぱり兄ちゃんはあの頃のままでアホだね」
_
( ゚∀゚)「あの頃? それがどの頃かはしらねぇが、お前の忍具はわかったぜ」
自信満々の笑みを浮かべあう兄妹。
兄を敵意と優越の混ざった目で見つめる妹。
二発の攻撃を受けた右腕から血を流しながらも、それでも余裕を浮かべる兄。
長岡の指が、つーの足元を指した。
_
( ゚∀゚)「お前の忍具はそれだな」
そこには、片足がしっかりと地面に埋まりこんだ、つーの履くヒールが。
もう片方の足の周りにある床が、やたらと砕けている。
荒巻や弟者の激戦後も、傷一つ付かなかった床に、である。
_
( ゚∀゚)「お前は俺が発生させた磁力に負けないように、床に忍具を突っ込んで踏ん張りを利かせた。
そしてもう一方の足で、周囲の床を砕いて俺の磁力に引き込ませた。種がわかればなんてことない」
(*゚∀゚)「確かに私の忍具はヒールだよ。でもさ、その程度で勝ち誇るの? バカなの? 死ぬの?」
長岡の解析。
しかし、つーは動じず。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:42:56.61 ID:eFjYIH/cO
しえんぬ
29 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:45:06.11 ID:KdhDDmZN0
_
( ゚∀゚)「あぁ、ここからはお説教タイムの開始だ」
呟かれた言葉。
それはつーに向けて放たれたのか。
それとも長岡自身に向けて放たれたのか。
_
( ゚∀゚)「普通のやり方じゃお前を引きずり出せないのはわかった」
_
( ゚∀゚)「だから!」
右腕をそっと掲げる。
滴る血も、気にしない。
バチバチと、空気が爆ぜる音が長岡の忍具から響きだした。
_
( ゚∀゚)「……本気を出させてもらう」
いつもの長岡とは違う。
戦いの顔へと変化した。
(;*゚∀゚)「何さ! 本気でもなんでもやってみな!」
負けじと威勢を張る、つー。
その声を合図に、長岡は掲げた腕を振り下ろした。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
_ ∩
( ゚∀゚)彡 渡辺Cカップ!渡辺Cカップ!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
_ ∩
( ゚∀゚)彡 つーはBカップ!つーはBカップ!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
_ ∩
( ゚∀゚)彡 ツンはえぐれ!ツンはえぐれ!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
(*゚∀゚)「……は?」
ξ#゚听)ξ「……ア゛?」
从//ー//从「ふえぇ?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:49:49.20 ID:0AcBv7r0O
しえん
えぐれとかひでえwww
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:51:28.29 ID:7y3vFUipO
しえん
34 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:55:03.77 ID:KdhDDmZN0
長岡は、ひたすらに腕を振り回した。
それも、主要女キャラのカップ数を公表しながら。
これできっと萌え豚は歓喜だろう。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 「おっぱい!おっぱい!」
⊂彡
(#*゚∀゚)「いい加減にしろー!」
怒りながら、埋まっていないほうの足を掲げる。
そしてヒールを長岡に向け、伸ばした。
(#*゚∀゚)「背伸びキック!」
何とも言えない名前の技を放つ。
しかし。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 「おっぱい!おっぱい!」
⊂彡
振り回された腕に、軽くはじかれてしまった。
(*゚∀゚)「なんなのこの兄ちゃん」
35 :
◆qvQN8eIyTE :2009/06/30(火) 23:57:51.28 ID:KdhDDmZN0
それよりも、である。
つーは、微かな違和感に気づき始めていた。
(;*゚∀゚)(なんか引っ張られる力が強くなっているような……)
そんなつーの反応に対し、長岡は。
_
( ゚∀゚)「やっと気が付いたか、電磁力の変化に」
不適に微笑みかける。
その目は、勝利を確信した色に満ちていた。
_
( ゚∀゚)「普通のやり方じゃお前を引っ張り出せないみたいだからな。更に磁力を強めたんだ。
下敷きの摩擦+おっぱい運動によって起きる腕と空気の摩擦。これで電力が上がる」
長岡の説明がつーに届くのと。
(;*゚∀゚)「うわっ」
遂につーが、四方一メートルほどの床と共に宙に浮かんだのは。
_
( ゚∀゚)「いらっしゃい、我が妹よ」
ほぼ同時であった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:58:42.04 ID:7y3vFUipO
しえん!
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:58:59.76 ID:0AcBv7r0O
( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!
38 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:00:36.81 ID:Ms4OiIM70
(;*゚∀゚)「おっとっと」
すかさず、床に刺さっていない側のヒールを、床に突き刺す。
何とか飛ばずにすんだ事に、つーは小さく安堵の息を漏らす。
そして。
(#*゚∀゚)「危ないじゃないか!」
先程つーと共に浮かんでしまった床を、足を振って長岡へと飛ばす。
今までとは比べ物にならない、巨大な白い凶器。
これが弾丸だとすれば、数分前の弾丸など輪ゴム鉄砲レベルのものだろう。
_
( ゚∀゚)「わからねぇのか? 磁力が上がってるってことは、電力も強くなってるってことだろ?」
だが、長岡は落ち着き払って飛んできた床へと手を向ける。
瞬間。
青い閃光が、宙を舞う床と長岡の腕の間を走り抜けた。
_
( ゚∀゚)「つまりはこうなる」
(;*゚∀゚)「え……?」
黒煙を舞い上がらせながら、粉になっていく床。
それが、長岡の静電気に寄せ付けられ、宙を飛んでいる。
つーにとって、何もかも信じられない展開である。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:02:29.26 ID:DWmaNMd6O
長岡かっこよす
40 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:03:16.49 ID:Ms4OiIM70
_
( ゚∀゚)「オラオラ、まだまだ磁力は強くなっていくぞ」
(;*゚∀゚)「うぅ……」
必死にこらえるつー。
だがしかし、床に抉れた筋を作りながら、つーは少しずつ引き寄せられていく。
自らの、兄の元へと。
(;*゚∀゚)「あっ……」
そして、急に感じなくなる足への負担。
少し高くなる視線。
浮遊感。
つーの足が、地を離れてしまった。
(;*゚∀゚)「あ……あぁ……」
長岡へと飛んでいく。
つーの脳裏に浮かぶのは、先程塵となって砕けた床のこと。
自分もあのように、黒焦げになってしまうのだろうか。
(* ∀ )「あ……い、い……」
つーの精神を、完全に恐怖が支配した。
(*;∀;)「嫌だよー!!!」
つーは引き寄せられながらも、泣き叫ぶ。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:03:55.56 ID:GJzJ7CYXO
しえしえ
42 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:07:25.25 ID:Ms4OiIM70
(*;∀;)「……え?」
確かに死を覚悟した。
死への恐怖に、形振り構わず泣き叫んだ。
だが、気が付けば自分を死へと引き寄せる磁力が消えていた。
(*;∀;)「なん……で……?」
何でも何も、磁力が消えたのは長岡が忍具の発動をやめたことが原因だ。
そのくらいつーでもわかっている。
しかし、何故長岡が止めたのかが、わからなかった。
涙で霞む視界の先にいた、長岡の表情をよく窺ってみる。
_
( ;∀;)「可愛い自分の妹をやれるわけねぇじゃんか……」
よく見れば、彼の頬に光る一筋の涙。
彼もつー同様、泣いていた。
(*;∀;)「……兄ちゃん!」
_
( ;∀;)「つー!」
二人の今までの距離を埋め合うかのように。
現実世界で戦いの様子を見られていることも忘れて。
彼らは抱き合いながら泣いた。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:08:50.71 ID:nkrxQj5lO
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:09:07.92 ID:GJzJ7CYXO
支援
45 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:10:53.87 ID:Ms4OiIM70
_
( ゚∀゚)「……で、なんでお前は中嶋親衛隊なんてところに?」
二人とも、泣きに泣いて、やっと涙が止まった頃。
泣き腫らした目で、長岡はつーに尋ねた。
(*゚∀゚)「兄ちゃん、やっぱり覚えてないんだね」
つーに至っては、まだ瞳が潤んでいる。
兄に対する感動の涙に、恐怖での涙が足された分。
やはり長岡よりも、涙が多かったのか。
_
( ゚∀゚)「……悪い、何の事だかさっぱりわかんねぇ」
(*゚∀゚)「しょうがないなぁ……」
そしてつーは語り始める。
かつて、自分が兄に受けた屈辱を。
ゆっくりと、その口で。
46 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:14:06.70 ID:Ms4OiIM70
_
( ゚∀゚)「おk」
二人で近所の美容院へと訪れた二人。
受付をすませようと、店員に話しかける長岡。
店員「ラーシャーセwwwwww予約してるっすかwwwwww」
(;*゚∀゚)「あわわ……してないです」
店員「してないっすかwwwwサーセンwwwwwwじゃあこのカードに記入おねしゃーすwwwwww」
(*゚∀゚)カキカキ……
(*゚∀゚)「書きましたー」
店員「あざーっすwwwwwそんじゃ指名とかあるっすかwwwwww」
(*゚∀゚)「特にn――」
_
( ゚∀゚)「この子の氏名は長岡つーです!」
店員「………………ップwwwwww氏名wwwwwwwwしめい違いwwwwwww」
(*゚∀゚)「…………」 (*;∀;)ブワッ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:14:58.61 ID:DWmaNMd6O
支援
それは、二人がまだ幼い時。
(*゚∀゚)「兄ちゃん! 美容院連れて行って!」
_
( ゚∀゚)「おk」
二人で近所の美容院へと訪れた二人。
受付をすませようと、店員に話しかける長岡。
店員「ラーシャーセwwwwww予約してるっすかwwwwww」
(;*゚∀゚)「あわわ……してないです」
店員「してないっすかwwwwサーセンwwwwwwじゃあこのカードに記入おねしゃーすwwwwww」
(*゚∀゚)カキカキ……
(*゚∀゚)「書きましたー」
店員「あざーっすwwwwwそんじゃ指名とかあるっすかwwwwww」
(*゚∀゚)「特にn――」
_
( ゚∀゚)「この子の氏名は長岡つーです!」
店員「………………ップwwwwww氏名wwwwwwwwしめい違いwwwwwww」
(*゚∀゚)「…………」 (*;∀;)ブワッ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:16:46.68 ID:GJzJ7CYXO
これは恥ずかしい
50 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:17:24.24 ID:Ms4OiIM70
(*゚∀゚)「覚えてる?」
_
(;゚∀゚)「そんなこともあった気が……」
(*゚∀゚)「それだけじゃないよ」
_
(;゚∀゚)「なんでしょ?」
(*゚∀゚)「何回も兄ちゃんの失敗に巻き込まれて精神的に疲れてた私に、止めを刺したのはあのことだった」
_
( ゚∀゚)(なんでこの人地の文調なの)
(*゚∀゚)「そう、あれは兄ちゃんが時間を聞いてきたことが発端だった――」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:18:57.46 ID:GJzJ7CYXO
しーえん
52 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:21:17.17 ID:Ms4OiIM70
_
( ゚∀゚)「なぁなぁ、つー。今何時?」
(*゚∀゚)「わかんないよ。その腕時計で見ればいいじゃん」
_
( ゚∀゚)「これ忍具だからみれねぇよ。ちょっと時報聞いてみて」
(*゚∀゚)「面倒くさいなぁ……。しょうがない」
(*゚∀゚)カチャッ 「……」
(*゚∀゚)「兄ちゃん兄ちゃん。時報の番号なんだっけ? 11までは覚えてるんだけど」
_
( ゚∀゚)「119じゃね?」
(*゚∀゚)ピッピッピ「なるほどなるh「はいこちら消防署! いかがなさいましたか?」
(*゚∀゚)「……」ダイジョウブデスカ?ヘンジヲシテクダサイ!
(*゚∀゚)「すいません、間違い電話でした」ガチャッ ツーツー
(*゚∀゚)「……」
(*;∀;)ブワッ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:22:08.47 ID:DWmaNMd6O
これはwwww
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:23:29.40 ID:GJzJ7CYXO
つーがかわいそうだwwww
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:23:43.14 ID:fwZ3LGNK0
あるあるwww
56 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:23:43.92 ID:Ms4OiIM70
(*゚∀゚)「それがトラウマになった私は、家を泣きながら飛び出した。
よりにもよって時間を聞いてきた張本人の兄ちゃんは気づかなかったみたいだけどね」
_
(;゚∀゚)「そんなことが……」
つーの説明に、終始冷や汗が止まらない長岡。
話すつーの穏やかな表情と比べると、とても惨めな表情であった。
(*゚∀゚)「で、そんな泣いてる私を中嶋様が拾ってくれたわけなんだけど……」
(*゚∀゚)「まぁ、私も勝負に負けちゃったし、今回ので兄ちゃんのしたこともチャラにしてあげよう」
そんな長岡に届くつーの声。
それは、たちまちに長岡の心を晴れ渡らせ。
満面の笑みを長岡に作らせた。
_
( *゚∀゚)「本当か!? さすが俺の可愛い妹だ!」
(*゚∀゚)「それと――」
――この戦いが終わったら、また一緒に暮らそう。わたし、帰るから。
長岡を幸せが包む。
今までで一番、穏やかな勝利であった。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:24:40.84 ID:GJzJ7CYXO
しえーん
58 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:25:11.81 ID:Ms4OiIM70
( ^ω^)「え? 何これ? どんなオチ? え? え?」
/ ,' 3「妹……甘美な響きじゃのう……」
(´<_`;)「えぇ……」
(;'A`)「……」
戦場の様子を眺める一同。
兄妹の感動劇には付き合っていられない様子である。
しかし、戦績は三戦二勝一敗。
('A`)(いい感じだなぁ……)
勝負の風向きは、追い風。
少々モチベーションの上がったドクオ。
そんな彼の耳に、驚きの言葉が届く。
/ ,' 3「次は、ドクオ君にでも行ってもらうかの」
(;'A`)「……え?」
いつか来ることはわかっていた。
しかし、遂に来てしまった。
主役の、ドクオの戦いが。
从'ー'从「がんばれー」
59 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:26:12.09 ID:Ms4OiIM70
これにて第二十三話投下終了。
え?
>>48>>52が実話じゃないのかって?ははは、死ね!
質問等あればどうぞ。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:29:24.07 ID:f68dpRtO0
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:29:47.98 ID:ENLAXfhQ0
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:29:56.33 ID:GJzJ7CYXO
乙ッ!
63 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:32:58.32 ID:Ms4OiIM70
64 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:33:58.09 ID:Ms4OiIM70
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:36:25.39 ID:fwZ3LGNK0
67 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:36:36.01 ID:Ms4OiIM70
68 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:37:49.69 ID:Ms4OiIM70
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:38:52.83 ID:fwZ3LGNK0
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:41:46.22 ID:DWmaNMd6O
71 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:42:47.42 ID:Ms4OiIM70
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:44:15.43 ID:fwZ3LGNK0
( ´,_ゝ`)プッ
73 :
◆qvQN8eIyTE :2009/07/01(水) 00:46:49.39 ID:Ms4OiIM70
うわあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 01:03:33.79 ID:vc4Y5Lc5O
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 01:15:02.60 ID:YLTKfxXZ0
作者wwwwwwwwwwww
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
クソワロタwwwwwwww