( ^ω^)ブーンが聖杯戦争に巻き込まれたようです
1 :
聖杯戦争 ◆cMeBip.NEGNz :
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:01:07.66 ID:ET9CvBBpO
しえ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:02:32.75 ID:Pi8x/Z/uO
読んだことないけど支援してやんよ
4 :
全体的なあらすじ:2009/06/28(日) 00:02:44.64 ID:AKaVkiEQ0
聖杯。それは手に入れた者のどんな願いをもかなえるといわれる伝説の魔術道具。これを求め、7人の魔術士がそれぞれ
7人の使い魔“サーヴァント”を従え、命懸けの戦いを繰り広げる“聖杯戦争”がVIP市で行われようとしていた。
魔術士見習いの中学生ブーンはある日、ふとした事から死んだ母親によく似た女性、『騎兵<ライダー>』のサーヴァント
クーに命を救われる。魔術の師匠である従姉妹のツンや聖杯戦争の管理人ショボンの説明を受け、
亡き母の復活を夢みてブーンは聖杯戦争への参加を決意する。
幼い容姿の天才魔術士アヤカスフィールに最強最悪の『剣士<セイバー>』、阿部孝和。
研究肌の魔術士プギャーに、悲劇の複製少女『槍兵<ランサー>』。
老獪陰湿なロマネスクと、伝説の狙撃手『弓兵<アーチャー>』。
裏社会に生きる格闘家ハインリッヒに戦闘狂の『暗殺者<アサシン>』“ギコ”。
ツンやそのサーヴァント『狂戦士<バーサーカー>』ドクオに助けられながら、ブーンはクーとともに聖杯戦争を戦い続ける。
そんな中現れた最後のサーヴァント『魔術士<キャスター>』シィナ。自らの主を殺したアサシンに惚れ、
行動を共にするという変り種の彼女の正体は、クーの生前の主・シィナ姫だった。幾度かの衝突やアサシンの死もあり、決別する二人。
その後、町中を巻き込んで暴走を開始したシィナ。ショボンやアヤカスフィール達と組んで敵の根城に突入するブーン達。
立ちふさがる魔道兵器ガットゥーゾをツン達にまかせ、ブーンとクーは敵の本丸にのりこんだ。
かつての主従の、それぞれの“今”と“明日”をかけた戦いが始まる。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:02:51.74 ID:HDx+LKteO
久しぶり!支援!
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:03:18.20 ID:tst362W9O
支援
7 :
主に『Fate』を知らない人のための用語解説:2009/06/28(日) 00:04:50.17 ID:AKaVkiEQ0
魔術士:魔術を操る人間。基本的に祖先に魔術士がいないと魔術士になることはできない。“魔法使い”ではないので注意が必要。
魔法使い:現代の技術で不可能な事(例:時間跳躍)を魔術で実現できる魔術士のこと。
聖杯:あらゆる願いを叶えるといわれている、伝説の魔術道具。早い話がドラゴンボール。
現在は“長門有希”の姿をとり、現界している。
聖杯戦争:7人の魔術士(マスター)が聖杯をめぐり、サーヴァントとともに繰り広げる殺し合い。早い話がバトロワ。
マスター:サーヴァントを召還した魔術士。マスターでないと、聖杯を使役することはできない。
管理人:聖杯を管理し、勝ち残ったマスターに与える事が仕事。管理人は聖杯を使用できない。
サーヴァント:全ての時間軸・全ての世界から“英雄”と呼ばれる存在を聖杯の力を用い、基本無作為に現世に召還したもの。
サーヴァントを呼び出したマスターと主従関係を持つ。正体を敵に知られぬよう、基本的に彼らは兵種で呼ばれる。
『剣士<セイバー>』:剣士の英雄。本編では「セイバー=阿部孝和」
『槍兵<ランサー>』:槍使いの英雄。本編では「ランサー=フェイト=テスタロッサ」(敗北済)
『弓兵<アーチャー>』:弓兵の英雄。本編では「アーチャー=エルヴィン=ケーニヒ」(敗北済)
『騎兵<ライダー>』:騎兵の英雄。本編では「ライダー=川 ゚ -゚)=クー=ウィン=ドーベル」
『魔術士<キャスター>』:魔術士の英雄。本編では「キャスター=(*゚ー゚)=シィナ=L=ドヴァ」
『暗殺者<アサシン>』:暗殺者の英雄。本編では「アサシン=(,,゚Д゚)=武蔵坊弁慶」(敗北済)
『狂戦士<バーサーカー>』:狂戦士の英雄。本編では「バーサーカー=(‘A`)=ドクオ=ナティウ」
令呪:サーヴァントと契約した魔術士がもつ、サーヴァントに対する強制命令権。最大3回まで行使が可能。
サーヴァントの能力強化もできるが最大回数使い切ると、マスターとしての資格を失う。
宝具:サーヴァントがそれぞれ持っている切り札。壮絶な威力を持つものも多いが、魔力を膨大に消費する。
固有結界:基本的に魔術士のみしか使えない、魔術のひとつの到達点。自分のおもいままになる空間を形成する。
原作:TYPE-MOON制作のエロゲー『Fate/stay night』のこと。当ブーン小説の基本設定、主な話の展開は
このゲームおよび同名のアニメから拝借されているものが多い。
『新わたなべ☆ちゃんねる』:本編終了後のおまけ。WATANABEさんとヒッキーが作中の自称を解説したり、
読者からの質問に全レスしたりする。たまに作者や他作品のキャラも登場する。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:05:33.25 ID:fmRiBrXq0
うぉマジか
最後に見かけたのは鋼鉄処女でだったような・・・
支援してやんよ
9 :
現状確認:2009/06/28(日) 00:08:19.04 ID:AKaVkiEQ0
( ^ω^) ブーン:亡き母に似た『騎兵<ライダー>』クーとともに聖杯戦争に参加している見習い魔術士
川 ゚ -゚) クー:宝具『突撃槍<ランス>』をもち、巨大な“イヌ”を駆るサーヴァント。生前はシィナに仕えていた騎士だった。
ξ゚听)ξ ツン:ブーンの従姉妹で、一流魔術士女子高生。サーヴァントは『凶戦士<バーサーカー>』ドクオ。
('A`) ドクオ:なぜかクーを慕う臆病なサーヴァント。玉砕覚悟で阿部さんと戦うも……
その正体は誰もわからない(笑)
从'ー'从 アヤカスフィール:ロリロリ魔術士。ブーンの担任で、彼に惚れた。ツンとは腐れ縁。サーヴァントは『剣士<セイバー>』阿部孝和。
阿部さん:『くそみそテクニック』からの出演。肉弾戦を得意とする優勝候補。男には滅法強い。
(´・ω・`) ショボン=ノウレッジ:バーボンハウスを営む聖杯戦争の管理人。ブーンの後見人でもある。
体は人間だが、その体に宿る魂は英霊『タフガイ=ガンファイター』のものだった。
lw´‐ _‐ノv 長門 :対魔術願望増幅用ヒューマノイドインターフェース、“聖杯”。
ξ*’ワ’)ζ 高槻やよい:ブーン達の前担任。元『アイドルマスター』。本編には登場しないが、BADENDになると登場する。
(*゚ー゚) しぃ:マスターのいない『魔術士<キャスター>』。惚れていたアサシンの死によって暴走。
街の住民を犠牲にして魔力を蓄え、7人に分身してブーン達を迎え撃つ.
【今北三行】
ツン、アヤカ、セイバー(阿部さん)、ショボン他数名魔道兵器ガットゥーゾと雑兵軍団相手に戦闘開始
ブーンとクー、7人に分裂した『魔術士<キャスター>』シィナと戦闘開始
作者、復活。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:08:56.92 ID:sVQLd6DUO
久々だな
待ってたよ!
11 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:11:05.81 ID:AKaVkiEQ0
夫婦剣、干将・莫耶。
刀鍛冶の夫の為、妻が自らの髪を火にくべて作られたという、大陸に伝わる二振一対の名剣。
キャスターは両手にかまえたそれを大きく振り上げ、クーへとせまる。彼女の胴はがら空きである。
川 ゚ -゚)「!!」
短剣で二撃を同時に受け止め、距離を縮めてレイピアで一突。
相手がシィナ一人なら、それで勝負は事たりる。
だが。
(*゚ー゚)「たあーっ」
儀礼剣アゾット。リーチの短さに加えて武器としては華美な装飾。
戦闘にはあきらかに不利な武器ではあるものの、だからといって無視していいものではない。
低い体勢から踏み込んできた二人目のシィナが振り上げるアゾットを払い、たまらずクーが一歩下がる。
12 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:13:55.31 ID:AKaVkiEQ0
左右から大きく迂回し、薙刀をかまえた二人のシィナがクーへと迫る。
『暗殺者<アサシン>』こと武蔵坊弁慶が生前より持つ、薙刀タイプの宝具『一凪・改<イチナギ・レプリカ>』。
クーの間合いの間合いの外から二人のシィナが、全く同じタイミングで大薙刀を横に振るう。
(*゚ー゚)「たぁぁぁぁっ」
(*゚ー゚)「はぁぁぁぁぁっ」
薙刀。
その巨大さにもかかわらず、使い方次第では女子供でも十分な破壊力をひきだす事のできる戦具。
並の刀はもちろんの事、鍔迫り合いを想定して作られていない細剣や、防御においては受け流す事を主流に作られた
ダガーでは到底受けられないような重い、しかも左右からの両撃。
川 ゚ -゚)「ふんっ!!」
(*;゚ー゚)(*;゚ー゚)「「っ!!」」
その双撃を、クーはしっかりと両腕の得物で受け止めた。
13 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:18:09.20 ID:AKaVkiEQ0
川 ゚ -゚)「伊達に『騎乗兵<ライダー>』のサーヴァントをやってはいない。たとえ大きな得物だとしても、
『魔術士<キャスター>』風情の操る贋作のひとつやふたつ、十分受けきれる」
(*゚ー゚)「ふぅん、じゃあ……」
同時に薙刀がひかれ、別のキャスターがこちらに向かってくる。手には一振りの日本刀。
日本刀に詳しくないクーでも違和感を持つほどに長すぎるそれをかまえ、間合いに踏み込み
(*゚ー゚)「はぁーっ!!」
一閃。
長刀・楼観剣の受け太刀をあきらめ、クーが後ろへ跳ぶ。
(*゚ー゚)「……」
後方にかまえていたシィナが弦を引く。
弓状アルファベット・Mに番えた3本のFが平行に放たれる。視界にはこちらへ向かい大きく跳躍するシィナ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:18:09.40 ID:Ep8bsI/90
支援
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:19:03.27 ID:fmRiBrXq0
支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:22:07.01 ID:JFWLlMdOO
偽物でもMを使うのか支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:22:26.87 ID:sVQLd6DUO
支援
18 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:22:52.44 ID:AKaVkiEQ0
3本のうち真ん中のFを斬り捨て、槌が振り下ろされる前に迎撃しようと右腕に魔力を込める。
▼;・ェ・▼<おんっ?!!
(;゜ω゜)「あ、あれは!!」
川;゚ -゚)「……なん……だと」
今まさに飛び上がらんとしていたクーの顔が驚きに染まる。
上空から勢いまかせに振るわれる黄金の大槌は、先刻みたときよりも数倍大きくなっていた。
(*#######゚Д゚)「光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
↑注:シィナ
キャスターの勇気(っぽい魔力)を受けて巨大化した超巨大槌・ゴルディオンハンマーが、
轟音とともに床を穿ち、その地点を中心に石の地面が隆起する。
( ^ω^)「(……伝説の豪傑(←(,,゚Д゚))の脅迫にロリ教師(←从'ー'从)の誘惑。
聖杯戦争がはじまってからいろいろとヤバい事巻き込まれたけど……)」
(;^ω^)「(勇○王はやりすぎだお、常識的に考えて)」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:22:56.85 ID:ewAq1FJFO
そぅ支援だ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:25:49.16 ID:JFWLlMdOO
支援
21 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:28:19.46 ID:AKaVkiEQ0
ブーンのつぶやきをかき消すように、室内とは思えないような量の砂埃が舞い上がる。
▼;ェ;▼<あおんっ、おんっ!
( ;ω;)「ゲホッ、ゲホッ」
川 −-−)「『目を閉じろ、口を覆うんだ』
腕の令呪を介し、クーの声がブーンの頭になだれ込む。
(*゚ー゚)「あれを避けるかぁ……流石、やるじゃない」
川 ゚ -゚)「当然……だっ」
まるでブーメランのように背後から迫りくる夫婦剣の片割れを、後ろを向かずに振り払う。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:30:53.49 ID:xuWV/CcZO
懐かしいな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:32:17.90 ID:ihmxZgz2O
生で見るの初めてだww
支援
24 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:33:46.03 ID:AKaVkiEQ0
川 ゚ -゚)「私を──私を誰だと思っている」
両手の得物を地面に落として『突撃槍<ランス>』を呼び寄せ、後ろに大きく振りかぶると
あらん限りの力を込めて、それを前方に投げた。
(*;゚ー゚)「ひっ!」
ミサイルのように一直線に飛んでいく『突撃槍<ランス>』は、槌を持ったシィナを腹部から吹き飛ばし
今まさにFを放たんと、アルファベットFを構えていたシィナに着“撃”した。
川 ゚ -゚)「……あと5人」
(*;゚ー゚)「…………」
25 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:37:41.52 ID:AKaVkiEQ0
直後。
アゾットを両手で握り締め、無言のまま背後からクーへと向かうシィナ。
細身剣と短剣は地面に転がり、『突撃槍<ランス>』は彼方。手元に呼び出している余裕はない。
完全にクー空手になるのを狙い済ましたようなタイミングで懐に飛び込んでいく。
土煙がようやくおさまり、視界が開ける。
(;゜ω゜)「…………」
アゾットにより破壊された手甲、クーの左手から滴りおちる血液。
ブーンが見たものは、赤く染まった腕でシィナの首を掴んで持ち上げるクーの姿だった。
川 ゚ -゚)「……腕1本犠牲にして3人か。割りに合わないな」
(*゚ー゚)「3人犠牲にして腕1本。割りに合わないわね」
…………
……
…
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:39:57.29 ID:1YrPGIkUO
久しぶり 支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:41:24.27 ID:xqFeqqvY0
つーか、仮にも忠誠誓った騎士だった奴が元主君相手に
敬語もつかわねぇし、侮辱したりって
まぁいいけど、支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:43:17.95 ID:fmRiBrXq0
本編開始までは粛々と支援
29 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:47:13.00 ID:AKaVkiEQ0
一方その頃。外での戦いが決着しようとしていた。
('、`*川「ペニサスホーン!」
(*゚∀゚)「幻符『ジャック・ザ・ルビドレ』」
从*゚∀从「サンダーレイジ!」
3人のメイドの攻撃で吹き飛ぶ雑兵達。
ガットゥーゾへと続く道が開け、セイバーと、彼に背負われたツンが走る。
ツン達の決意を感じ取ったのか、ガットゥーゾの砲撃は2人へと集中する。
放たれた無数の弾がアヤカとショボン、ハインリッヒによって打ち落とされ、繰り返される爆発の中を
ただひたすらガットゥーゾに向けて駆けていく。
ξ゚听)ξ「言えた義理じゃないけど……悪いわね」
セイバー「気にするな。それより一発で決めてくれ。
さすがに何度もできない」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:48:25.37 ID:4aohIvcaO
久しぶりだね 支援
31 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:48:53.68 ID:AKaVkiEQ0
ξ゚听)ξ「わかってるわっ」
地面を蹴り、ガットゥーゾの頭部近くへと飛び上がる。
ガットゥーゾの口がパカリと開き、魔力の波動が放たれるその直前。
空中でセイバーはツンを上空へ放りなげた。
魔力の奔流が腕を交差させ、防御の体制をとったセイバーを飲み込む。
空中に放りだされたツンはそれを横目に、左腕をガットゥーゾに向ける。
ξ゚听)ξ「(……ったく、最後くらいはしっかり働きなさいよ。『狂戦士<バーサーカー>』)」
彼女の詠唱に呼応するかのように包帯が外れ、左手の令呪が強く輝く。
32 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:53:22.27 ID:AKaVkiEQ0
ξ゚听)ξ「ドクオ、中からアレを止めなさい!!」
ドクオ?「 」
空中に描かれる魔法陣。そこから現れた影は迷わずガットゥーゾの口に飛び込んでいく。
魔力を操り、十数メートルの高さから地面に着地するツン。
巨大な一撃によりボロボロになり、一糸まとわぬ姿で地面に横たわっていたセイバー。
疲弊しながらも、いつでも対応できるように攻撃準備を整えたその他5人。
全員が見守る中、悲しき魔道兵器は内部で爆発を連鎖させ、その巨体をみるみる小さくしていった。
…………
……
…
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:53:56.92 ID:5IeY74BJO
久支援
34 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 00:57:50.74 ID:AKaVkiEQ0
川 ゚ -゚)「……ひとつ腑に落ちない事があった」
大槌や『突撃槍<ランス>』。激しい戦闘の中でいたる所が破損した魔術神殿・プリンセスブレイブ。
地に描かれていた魔法陣の中心、レイピアを6人目のシィナの胸から引き抜きながらクーはつぶやいた。
川 ゚ -゚)「『終焉の楽園<ル・ラーダ・フォルオル>』が魔力不足で使用不能なのはわかる。しかし
7人に分裂する余力を持ちながら何故、宝具『花嫁修業<プリンセスブライド>』を使わないのだろう、と」
最後の一人となったシィナは薙刀を降ろし、黙ってクーの話を聴いている。
川 ゚ -゚)「様々な7つの武具に6つの“はなびら”があればもっと私は苦戦しただろう。
実際、私はいつあの“はなびら”がこちらに向かってくるかをずっと警戒していたのだが……」
川 ゚ -゚)「これでは放てないのも当然だ」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 00:59:23.76 ID:fmRiBrXq0
支援
36 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 01:02:13.95 ID:AKaVkiEQ0
言いながらクーは屈み、動かなくなったシィナの手からひび割れた楼観剣を取り上げ、地面へと無造作に振るう。
妖怪の鍛えたといわれる名刀は真っ二つに折れ、地面に転がったかと思うと死体ともども姿を消す。
そこには花びらの形をした魔術装置の残骸だけが残った。
川 ゚ -゚)「『花嫁修業<プリンセス・ブライド>』の内臓魔力により“はなびら”を変化させ、
自らの姿と武器を形つくり、それを本体が統率する。そんなところだろう?」
(*゚ー゚)「……ご名答。よくわかったわね」
(*゚ー゚)「そう。この『一凪・改<ヒトナギレプリカ>』以外は全部ニセモノよ。
普通に『花嫁修業<プリンセスブライド>』なんて撃ってたら、すぐに魔力切れを起こしちゃうからね」
川 ゚ -゚)「…………」
(*゚ー゚)「……まぁ、6つとも全部貴女に壊されちゃったけど。これでもう私の打つ手はないわ。
ガットゥーゾはやられちゃたし。薙刀1本じゃ貴女には敵わない。おしまいだわ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 01:04:19.09 ID:4aohIvcaO
支援支援
38 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 01:07:38.54 ID:AKaVkiEQ0
川 ゚ -゚)「………」
無言でレイピアを縦に構え、横に払う。
クーの目に迷いは、ない。
(*゚ー゚)「楽しかった。あっちで一緒になりましょう。ギコ君も待ってる」
薙刀を左手に持ち替え、古びた短刀を取り出すシィナ。
顔面蒼白気味のブーンやビーグルが固唾を飲み込んで見守る中、クーが踏み込んだ。
その切っ先がシィナに届く寸前──
(*゚ー゚)「『終焉の楽園<ル・ラーダ・フォルオル>』」
つぶやくと同時に、シィナは短剣を自らの心臓に打ち込んだ。
39 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 01:12:44.37 ID:AKaVkiEQ0
世界が揺らぐ。
ブーンの目の前で、クーが“シィナではなくなった何か”に取り込まれる。
不可解な引力が体に働き、ブーンの体も同じように虚無の中へと吸い込まれていく。
川;゚ -゚)「 」
( ;ω;)「 」
叫ぶ声は声にならず。呼んだ名前は言葉にならず。
ξ;゚听)ξ「!!」
从'ー'从「?!」
セイバー「……!」
从 ゚∀从「……?」
('、`*川「……?」
从 ゚∀*从「……」
(;・ω・`)「……!」
(*;゚∀゚)「……時符『プライベートスクウェア』ッ!」
lw´‐ _‐ノv「……世界崩壊因子を確認。情報の分解、再構成へ」
ひとつの世界は、そこで終焉を迎えた。
…………
……
…
40 :
第30話「崩壊」:2009/06/28(日) 01:15:46.36 ID:AKaVkiEQ0
ブーン達がシィナの作り出した世界に飛び込んで丸1日後。
聖杯こと“長門”と『黄金家政婦<ゴールドメイド>』“つー”の力により、
ブーンはツン達が待つ現実世界の内藤家へと帰還する。
彼の無事を喜ぶ輪の中に、クーの姿は見当たらなかった。
【第30話・終了】
→第31話へ続く
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 01:17:55.23 ID:EcgdyBYIO
乙
かなり久しぶりに感じる
42 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:20:23.65 ID:AKaVkiEQ0
ちゃーちゃーちゃらららっらっらっちゃー
从'ー'从「おはわったー!! お嫁にしたいブーン小説キャラNO.1、WATANABEでーす」
(-_-)「……アシスタントのヒッキーです。お待たせしました」
从'ー'从「いやぁ、長かったねぇ……投下間隔」
(-_-)「前回投下日が1月ですからね……来ていない間にエスパークーが完結しちゃいましたよ」
从'ー'从「ナギ=バルバロッサ=ローマイヤー先輩、お疲れ様でした」
(;-_-)「(勝手に登場させて&倒してごめんなさい……)」
从'ー'从「長い間ずっと待っててくれたみんなにはホント感謝だよぉ。ありがとーー!!」
それじゃあ今日もはりきっていっくよー!!」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 01:22:18.09 ID:sVQLd6DUO
半年も経ってたのか
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 01:23:56.65 ID:4aohIvcaO
まだ半年しかたってなかったか
45 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:25:26.84 ID:AKaVkiEQ0
从'ー'从「このコーナーは、読者のみんなが今よんでくれたわかりにくいブーン小説
『( ^ω^)ブーンが聖杯戦争に巻き込まれたようです』について、本編では
語りきれない設定や登場人物のバックグラウンド、読者さんからの質問に応えるコーナーだよ」
(-_-)「今日いただいたレスの中でおもしろいモノはどんどん採用してネタにしています。
リアルタイムで書いているので、遅いのはカンベンしてくださいね」
从'ー'从「それじゃあ、今日のテーマを発表するね。本日のテーマは……」
从'ー'从「『シィナについて』だよぉ」
(-_-)「国を失い、魔術士の英雄『魔術士<キャスター>』として現界し、恋に狂った少女シィナ。
設定的にいろいろ詰め込みすぎた感もある彼女について解説していきます。」
从'ー'从「宝具や『亡き王女のための七重奏<セプテット・ラバー>』だけじゃなく、
背景であるドヴァ帝国関係まで、ネタバレにならない程度に解説しちゃうよぉ」
46 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:31:57.90 ID:AKaVkiEQ0
从'ー'从「本編や過去の『わた☆ちゃん』で解説したように、彼女は「シィナ=リンゴール=ドヴァ」というオリジナルの英雄だよっ」
(-_-)「キャラや背景設定の原型は『双子の妹の机から…』スレから。
キャラとしての立ち位置は原作『Fate』のキャスター・魔女メディアですね。」
从'ー'从「かつて栄えた魔法王国“ドヴァ”。その滅んだ原因は“ラクエン”による侵略だったんだ。
別にドヴァはとりたてて変な国じゃなかったんだけど、魔法(魔術)を認めない“ラクエン”にとっては
ドヴァのあり方そのものが悪だったんだ」
(-_-)「手段を選ばないラクエンの猛攻に耐えかね、ドヴァは滅びます。いくら王族や騎士が強くても
数とゲリラ戦には敵いませんでした。シィナは処刑され、クーは乱戦の最中討ち死。
ラクエンの手により、“ドヴァ”の存在は歴史の闇に葬りさられたのです」
从'ー'从「ショボンがドヴァについて知ってたのは(ピー)←前回の聖杯戦争の『魔術士<キャスター>』 のお陰だねっ」
47 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:40:13.57 ID:AKaVkiEQ0
(-_-)「キムチ=オボニダーに偶然召喚され『魔術士<キャスター>』となったシィナ。
いろいろあって、体も心もボロボロになった彼女は『暗殺者<アサシン>』に助けられます」
从'ー'从「“恋はいつでも! ハリケーン”状態になったシィナちゃん。おかげで元気になったんだけど……
『暗殺者<アサシン>』が死んじゃったから悲しくなって、ちょっと暴走しちゃったんだ」
(;-_-)「(街ひとつ潰しかけたのは“ちょっと”じゃないよなぁ…)」
从'ー'从「少しわからいづらいけど、今回の最後の場面でシィナちゃんは“サーヴァントの魂ひとつ”を犠牲に、
つまり自らの魂を犠牲にして『終焉の楽園<ル・ラーダ・フォルオル>』を使ったんだ」
(-_-)「『終焉の楽園<ル・ラーダ・フォルオル>』ですが、今後の展開にちょっとかかわってくるため
説明できません。すいません」
从'ー'从「『花嫁修業<プリンセスブライド>』は前も言ったとおり6つの花びら型ファンネルだよ。
通常状態なら決して燃費の悪い宝具じゃないんだけどね……あの状態のシィナは乱射不可能だったんだ」
(-_-)「……ちなみに『亡き王女のための七重奏<セプテット・ラバー>』はあくまで戦い方のひとつなので
宝具ではありません。名前の由来はラヴェルですか?」
从'ー'从「うんにゃ、東方」
(;-_-)「(やっぱり……)」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 01:42:35.61 ID:1YrPGIkUO
乙
49 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:49:29.06 ID:AKaVkiEQ0
50 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 01:52:20.00 ID:AKaVkiEQ0
82 :芸名無しさん:2009/01/20(火) 14:02:50 ID:3FmIV.os0
シィナ=リンゴール=ドヴァって、椎名林檎か。今頃気づいたわ
ドヴァがわからんけど
从'ー'从「正解だよ〜。『スマイル』面白かったねぇ。」
(-_-)「ドヴァについては『わた☆ちゃん vol15』や上の解説でも触れている通り、
「双子の妹の机から……」というスレッドが元ネタになっています」
从'ー'从「
>>83さんの言うように、ググったらもっといろいろわかるよぉ」
84 :芸名無しさん:2009/01/20(火) 20:52:50 ID:oS2Aaeoo0
アゾットで打ち込むってアホなの?
从'ー'从「アホだねぇ。作者が」
(-_-)「……単に担当で切りかかった、くらいの意識で読んでください。お願いします」
从'ー'从「続いて、今日のコメントについての返信いくよー」
51 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 02:02:00.42 ID:AKaVkiEQ0
从'ー'从「お久しぶりコメントしてくれたみんな、ありがとー! すっごくうれしいなぁ」
(-_-)「(一応)現役ブーン系作者として、ちょっと残念な覚えられ方ですね…
>>8」
作者「もうアイアンメイデンさんの所に誤爆したりなんかしないよ、絶対」
(-_-:)「……」
从'ー'从「
>>16さん。あれはレプリカだからね。アルファ成分が本物より足りてないからシィナでも持てるんだ。
ちなみに、威力は魔力で強化されている分、本物の(Mによる)Fより強いよ」
(-_-)「ちなみに『暗殺者<アサシン>』が本編で使用したMは、輪廻の狭間でイッチロー=マリナーズ(オオカミ軍)から
譲りうけたという裏設定があったりします。」
从'ー'从「サムライJAPANのWBC2連覇、おめでと〜〜」
(-_-;)「(最後の投下って、WBCより前だったんだな……)」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 02:06:23.81 ID:EcgdyBYIO
久しぶりすぎて話の内容が曖昧になっとる
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/28(日) 02:06:39.09 ID:+nhWnl1BO
さる防止
54 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 02:10:05.23 ID:AKaVkiEQ0
从'ー'从「
>>27さんの言うことも最もだねぇ。でも、これには理由があるんだ。」
(-_-)「第15話にてブーンは「シィナの下に行かないでくれ」という主旨の令呪を使用しています。
あとはクーの覚悟ですね。かつての主従関係より今のマスター(ブーン)を選んだ彼女は
意図的にキツい態度をとっています。詳しくは後ほど……」
从'ー'从「
>>43君に
>>44君。人によって感じ方が違うんだねぇ……他のみんなはどう感じたのかな?」
55 :
『新わたなべ☆ちゃんねる』Vol.6:2009/06/28(日) 02:17:57.26 ID:AKaVkiEQ0
ξ*’ワ’)ζ「うっうー
>>52さん、私もよくありますー」
从'ー'从「そういう時はもう一度ブーン芸で最初からだね。私の活躍がまた見れるなんて……
うーん、芸さんありがとー!!」
从'ー'从「よし、質問コーナーもこれでおしまい。それじゃあみんなぁ……」
从'ー'从「「ばいばーい」」(-_-)ξ*’ワ’)ζ
(-_-)「ヒソヒソ(そういえばWATANABEさん、今回は黒くなかったですね)」
从'ー'从「ヒソヒソ(マイケルが死んじゃったからね)」
(;-_-)「……」
56 :
◆cMeBip.NEGNz :2009/06/28(日) 02:23:23.79 ID:AKaVkiEQ0
以上で30話は終了です。支援・wktk、ありがとうございました。
久しぶりにネット環境が復活したので、これからもちまちま書いていきます。
芸さん、読んでくれた皆さん、ありがとございました。
それでは、おやすみなさい。
……トリップおかしい?
仕様が変わったのさ