女「実は私ロボットだったんです」

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
階下が騒がしくなった、と思ったら誰かが階段を駆け上がる音がする。

音は次第に大きくなって、そして俺の部屋の扉が勢い良く開け放たれた。

女「男〜! 起きてる?」

男「……んぁ? なんだ女か、朝っぱらからなんだよ、うるせぇ」

女「何が朝よ、時計くらい見なさい。もうすぐお昼でしょうが」

男「はぁ? 俺が何時まで寝てようとお前には関係ないだろう」
男「ってか週末くらい寝かせろ、以上おやすみ……」

女「なっ!? ひっどい! それに関係なくないでしょこのバカッ!」
女「アンタが起きないと、ご飯片付けられないんだから、さっさと起きて食え!」

男「……。(チッ)へぇへぇ分かりましたよ、ったくやかましい女だな」

女「やかましいって何よ。そもそもアンタねぇ、」
女「こんな可愛い幼馴染が起こしてやってるのに、アンタは何が不満なわけ」

男(可愛い……ねぇ)

このままこいつに逆らっていても余計うるさくなるだけなので、

俺は盛大な溜め息をつきつつ、渋々ながら黙して従ってやることにした。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:53:16.00 ID:3D0J4Mbj0
食卓に並べられたのは、飾り気はないが洗練されているのが窺える

純和食のメニューだ。さすがと言うか、随分と熟れてる感じだ。

なんだかんだ言って俺のメシ使いをやっているのは伊達でないらしい。

が、一口食べてみると、どうやらいつもより味付けが濃い気がする。

男「……お前さ、これうちに持ってくる前に味見したか?」

女「なによ、煮物に醤油入れすぎたのがそんなに気に障るわけ?」
女「ちょっとくらい味が濃くたって白米で中和すればいいでしょ」
女「不満があるなら別に食べてくれなくていいんですけど?」

男「いや……、別にそういうわけじゃないけど……」
男(っていうか訊いただけだろうがよ、一言と言わず余計だぞ)

当たり前のことだが、俺にとって塩辛いものは女にとっても塩辛い。

そして、今はこうして俺のズボラさにプリプリと不機嫌そうにしている。

もちろん嬉しそうにしている顔や、笑顔だって見たことがある。

だが今の俺にとってはそんな、こいつの「人」として当然のことすら、

ともすれば疑わしく思えてくるのだ……
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:55:14.45 ID:3D0J4Mbj0
西暦20XX年

――企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても、

国家や民族が消えてなくなるほど、情報化されていない「近未来」

幸運なことに第三・四次世界大戦は起きていないし、ソ連は崩壊したし、

アメリカは三国時代に突入していないし、日本は核攻撃なんて受けてないし、、

東京壊滅なんてしてないし、犯罪に対し攻性な組織なんて噂にもならない。

機械の体や電子機器埋め込んだ頭脳なんてのも実用化されておらず、

四半世紀、いや半世紀前の人にも思わず「ごめんなさい」したくなるほど、

変わらず進歩がなくつまらない『未来像』を体現した時代。

変わらず人々が、明日を生きるために忙しなく命を削っている時代。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:56:32.51 ID:3D0J4Mbj0
ま、車椅子の男の怪しげなソフトを入れると映えそうな携帯用情報端末や、

人間の脳の信号で直接操作出来る義肢、あとは紙みたいに薄いモニターなんかは

実用化されてるから、『未来』を夢みた人達にはそれで手をうってもらいたい。

と、そんな夢も希望もない世界観をこれまで持っていた俺は、

その認識が大きな誤りであったことを知るのだった……
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:57:41.35 ID:yFm4nrbcO
支援
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:57:51.76 ID:3D0J4Mbj0
やはり、くどすぎるか……
だが人生初SSだ、まだくじけない
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:57:52.87 ID:xKOmDKoMO
期待
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:57:57.96 ID:YF1I+NQBO
男「巨乳大好き」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 23:59:11.37 ID:3D0J4Mbj0
支援thx
見ての通り作家気取り(笑)の駄文なんで
軽妙な語り口の楽しげなのを求めてたらごめんなさい


一週間ほど前の夜、俺のモバイルに音声通話の着信が届いた。

男(発信者は……女か、なんなんだこんな時間に)
男「もしもし女か? 一体どうしたんだ?」

女「お、男? 今後ろからなんか変な人につけられてて……」

男「っ! わ、分かった。で、今どこにいるんだ?」

女「今は……○○の前通ったとこ」

男「よし、すぐにそっち行ってやる」
男「だから、出来るだけ人通りの多い道選んでブラついてろ」

女「う、うん。分かった……。お願い、早く来て」

男「おう、待ってろ!」

通話を切るなり俺は、モバイルとは別の大型端末の前に座った。

一昔前は「パソコン」などと呼ばれていたものだ。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:01:26.81 ID:B/aO/rO90
携帯用端末、通称「モバイル」の操作性や電源のキャパシティが向上してから、

個人用としてのパソコンの地位は次第にモバイルにとってかわられた。

もちろん企業や研究機関、あるいは画像や音響など高度な処理能力を要求される

分野では、依然として大型端末の需要が存在しているのは言わずもがな。

ただ、今時分テメエの趣味でこのタイプの端末を所有しているのは、

一部の好事家のみに限られていると言えるだろう。俺もその例に漏れない。

俺はモバイルのGPS情報を管理しているサーバーにアクセスし、

女のアカウントを入力し、モバイルの位置情報を取得する。

普段は本人の家族しか出来ないことだが、事態が事態だ背に腹は代えられない。

取得した位置情報を常時このメインマシンからモバイルに転送させ、

俺はモバイルを手に取り家を飛び出した。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:04:26.83 ID:B/aO/rO90
書き溜めたテキストが、消えた……
すみませんこっからペースダウンしそうです

男(おいおい、人通りの多いとこ通れ、っつっただろうが……)
男(これじゃあどんどん裏道へ向かっていっちまうぞ)

モバイルに表示された女のマーカーは、俺の指示に反する動きをしていた。

女は、どんどんもといた大通りから離れているようだった。

男(くそっ! あのバカなんでこんな道ばっか選びやがんだ……)

もとの場所近くにいてくれさえすれば、十分も走っていれば追い付けたものを、

女の今の位置は、俺も普段通らないような道の奥なので、

追い付くのにそれなりの時間を要しそうだった。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:05:35.29 ID:CCoTpoiX0
テキストが消えたとな

頑張れ
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:09:15.77 ID:CoUDrowCO
男「俺はぜんぜん普通だよ」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:10:36.90 ID:B/aO/rO90
追っては離れられ、先回りしては逆をつかれ、なんてのを

二十分くらいはしていたろうか、うちを出てから合わせて

三十分くらいは経過してるだろう。

そうして女のマーカーに追い付いた俺は、理解不能な状況を目にした。

女は……、いる。そして女のいうストーカー野郎らしき、

いかにも下卑た表情をした、軽薄そうな若い男も……、いる。

まず予想外なのは、その男というのが三人組だったことだ。

が、俺の理解を超えているのはそんなことではない。

その三人を、女が一人で伸してしまっていることだ。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:11:03.43 ID:iHkFc1mxO
俺は見てるからな
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:14:33.95 ID:B/aO/rO90
俺の知ってる女は、気は強いが別段荒っぽいわけでもなく、

至って普通のか弱い、年相応の少女の姿だ。

それが、よく見ると手からは血が滴り、服もところどころが破れて

あられもない格好になっている。

女「男さん、ですか。どうもお手数をおかけして申し訳ありません」

それは、確かに女の声だった。が、その精気に欠ける声色と、

まるで一切合切の感情というものを置いてきてしまったかのような

表情は、俺の知ってる女のものでは、断じてなかった。

その顔は現在の姿も相俟って、非常に硬質で機械的な印象すら受ける。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:19:12.82 ID:B/aO/rO90
男「えっと、その、無茶苦茶アホっぽい質問なんだけど……」
男「お前、女……だよな?」

女「はい、何如にもそうです」
女「ただし、あなたが普段「女」と認識している人格サブルーチンには」
女「一時的に休眠状態に入ってもらっている、ということを補足しておきます」

休眠だって? 人間は極度のストレスに長期間晒されると、

その記憶を封印して精神の平衡を保つために、別の人格を形成する、

なんてオカルトな話もあるが、そういうことだろうか……?

男「ようするに、実は女は多重人格で、お前はその別人格、ってことか?」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:23:42.42 ID:B/aO/rO90
女「あぁ……、言葉が不足していたようで、申し訳ありません」
女「どうやらいらぬ誤解を招いてしまったみたいですね」
女「端的に言ってしまえば、私「女」という人物は、ロボットなんです」

男「………………なんだって?」

ヤバい、頭ん中がハテナマークでいっぱいになりそうだ。

多重人格ってだけでもアブナ気なのに、まさかこいつが

こんな電波ちゃんだったとは……。

だがそんなことでこの俺はくじけはせん……。

あのエロゲにありがちな幼い日の約束に誓って、俺は女が

どんな厨二でメンヘラで電波で空鍋がnice boatでも、

支えてやるって決めたんだ!
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:31:39.04 ID:iHkFc1mxO
こ・・こりゃてーへんだ!!
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:31:48.50 ID:B/aO/rO90
女「……その顔では、どうやら信じてはいただけてないみたいですね」
女「では、これをやると修理に時間がかかるので避けたかったのですが」
女「背に腹はかえられない、という奴ですね」

言うなり女は、ところどころ血の滲んだ右手の、小指を口に咥えると、

ギリギリと顎に力を込め、そのまま指を引き抜いた!

男「う、うわ! 馬鹿、な、何やってんだお前!?」

女「安心してください、別に噛み千切ったわけではありません」
女「なにか刃物があれば、映画のようにそれを使ったのですが」
女「生憎手頃なものは持っていないので、歯を使ったまでです」
女「それで、これを見てもまだ、信じては頂けませんか?」

女はそう言うと、俺の前に右手を差し出した。

確かに、その小指は繋がっている……。

だが、そこには皮膚がなく、無骨な金属製の細いモノだけがあった……。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:36:37.46 ID:B/aO/rO90
男「な――ぁ――!」

お、落ち着け、俺……。

現代には見た目には紛い物と分からない、精巧な義手だって存在してる。

いきなりのパフォーマンスに驚きはしたが、きっとそれだ、それに違いない。

女「義手、ではありませんよ?」

言うと女は、突然その右手の人差し指と中指を、俺の下に突っ込んできた。

男「――!」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:38:00.40 ID:B/aO/rO90
うわーーー! 恥しすぎる誤字だ!

下じゃなくて口です! 舌とごっちゃになってしまった……orz

「まだ」エロ路線は早いつもりなんが……
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:39:30.27 ID:iHkFc1mxO
ビックリさせやがって、アナルかと思ったじゃねえか
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:40:18.76 ID:FgNzMnoK0
わっふるわっふる
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:44:35.07 ID:B/aO/rO90
女は指で俺の舌を、摘んだり撫でたりと弄んでいく……。

女「分かりますか? いくら義手でも敏感な口内を誤魔化せるほど」
女「精巧ではありませんよ? 少しぬるめの体温や」
女「指に刻まれた指紋の皺なんか、感じられせんか?」

女は俺に顔を近付け、至近距離で俺の目を覗き込みながら問うてくる。

男「わ、分かった! 分かったからその妙にエロい仕草はやめろ!」

俺は女の指を口から抜かせると、言った。

心無しかその無表情な顔が名残惜しそうに見えたのは、気の所為だと思いたい……。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:49:15.82 ID:B/aO/rO90
確かにその指の感触は、人間のものだった。

俺は別に最新の義肢に精通しているわけじゃないけど、

口に咥えても分からないほど本物っぽい、なんてことはないと思う。

そもそも、モノを掴んだり放したり、って程度の事は可能だろうが、

こんな風に精密に人の舌を、その……あれするほど器用じゃないはずだ。

う、別段気持ち良かったわけでもないのに、何故か思い出すと血流が……。

いかんいかん、邪念を捨てて、今は状況を整理するのが先だ。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:55:56.22 ID:B/aO/rO90
女は俺の唾液のついた指をハンカチで拭いだした。

せ、せめてティッシュにしてくれ、消耗品じゃないのが妙に恥ずかしい。

と、思ったらそのハンカチで小指を縛り始めた。止血、ってことだろうか。

男「おい、その指……」

女「あぁ、お気になさらず。もともと右手は皮膚の損傷が激しかったので」
女「どの道修理をしなければならないところでしたから」

男「いや、その、痛くないのか〜とかそういうことなんだけど」

女「心配には及びません、今の私は一部の感覚と感情の機能を停止していますので」

そういうこと言われると、なんだか本当に人間じゃなく思えてくるな……。



これ読んでる人いるんだろうか
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 00:59:39.82 ID:B/aO/rO90
実は苦手なんだけど、会話オンリーでちゃっちゃと進めた方がいいでしょうか?
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:01:51.02 ID:ZFpcDBiN0
読んでるんだぜ

多分レス増やしたくないからコメントないんだろ
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:02:22.48 ID:B/aO/rO90
男「じゃあ、その、お前は本当にロボット……なのか?」

女「はい、そうです」

男「あ〜、それは……いつから?」

女「いつから、と言いますと?」

男「いや、いつそういう風になっちまったのかな、と」

女「あぁ、そういう意味ですか、もちろん最初からですよ」
女「私はサイボーグではなくアンドロイドですから、改造されたわけじゃありません」
女「私の場合は正確にはガイノイドになりますが、ということを補足しておきます」

男「え、ちょっと待て、ってことは生まれた時から?」

女「はい、そうです」

うわ信じらんねぇ、隣に住んでて物心ついた頃からの幼馴染だぞ。

気付かないなんて有り得るかよ……?
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:08:18.26 ID:B/aO/rO90
男「まずさ、根本的な問題として、今の人類に」
男「人間そっくりのロボットを作る技術なんてない、ってのが」
男「ある種の共通認識なんじゃないか、と思うんだけど」
男「その辺の矛盾はどう解決してくれんの……?」

女「……ここから先は、他言すると生命に関わる機密を知ることになりますが、」
女「それでも構いませんか? それを覚悟して頂けるなら、お話します」

う、なんか話がスゴい方向へ進んできたな……。

普通なら絶対信じないんだろうけど、なんかこう俺も内心

『これってひょっとしてマジなんじゃねぇの?』とか思い始めてんだよなぁ。

男「……分かった、それについては了承する」

女「では、裏路地とは言え、いつまでもこんなとこへいるわけにもいきません」
女「だから、まずは場所を変えましょう。私のうちでどうでしょうか?」

男「あ、あぁ……」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:12:12.11 ID:iHkFc1mxO
読み手は気にするな
書き手が書きたいように書くのがSSなんだぜ
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:15:35.44 ID:B/aO/rO90
女に俺の上着を貸すと、出来るだけ人のいない道を選ぶようにして、

俺たちは女のうちへと向かった。

男「っておい、こんな夜遅くだとお前の両親もいるだろうに、どうすんだよ」

女「問題ありません」

女は施錠されていないことを確認すると、そのまま無言で入っていった。

女母「女! こんな遅くなっていったいどうしたの?」
女母「それに男君まで、なにかあっ……」

女「女母(名前)さん、計画を第2段階に移行することにしました」

女母「――っ! 分かりました……、では私たちは下で待機しています」

女「ありがとうございます。それでは修理キットを持ってきておいてください」

な、なんなんだ、この二人の余所余所しさは……?
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:23:05.49 ID:B/aO/rO90
女の部屋に入るなり、女は受け取った修理キットを開きつつ言った。

女「私は『初めから』ロボットだって言ってるんですよ?」
女「だったら、私の両親だって尋常な方々ではない、というのは」
女「想像に難くないと思います」
女「申し上げ難いのですが、男さんはまだ頭が上手く回っておられないようですね」

男「それは……正直そうだな。なんていうか訳分かんなすぎておかしくなりそうだ」

女「分かりました、では少しここで待っていてください、すぐ戻ります」

言うと女は部屋を出ていった。それから五分ほどして、

湯気の立つコーヒーカップの乗った盆を抱えて戻ってきた。

女「男さんはブラック派でしたよね」
女「でもこういう時は糖分を取って頭を休ませてあげるといいですよ」

盆にはカップの他に、角砂糖やミルクの入った器も添えられていた。

男「……そうだな、じゃあ頂くよ」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:26:35.73 ID:dpW6+yyuO
会話オンリーなら見ない
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:31:04.39 ID:B/aO/rO90
俺が甘くしたコーヒーを啜っている間、

女はちょっとしたスプラッタシーンを演じていた。

女の手の傷は手首から下全体に及んでいた。例の男たちを殴った反動だろう。

女はその手全体の皮膚を、メスで切り込みを入れ手際よく剥いでいく。

その下は人肌に似た色にコーティングされた金属の骨格になっていて、

全体は皮膚の赤黒い血で濡れていた。

男「なぁ、その血って……」

女「外側は人間の細胞を培養して作った人口皮膚になっています」
女「当然生きた皮膚細胞ですので、恒常性を保つために人口血液も流しています」
女「少々の傷なら、細胞内のナノマシンがすぐに補修しますが、
女「ここまで酷いと傷口から壊死が始まるでしょう」
女「私の皮膚の恒常性自体は、人間のそれより劣りますから」

ナノマシンとか……、それなんてSFだよ常識的に考えて。
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:35:17.06 ID:B/aO/rO90
男「それって、ヤバいんじゃないのか?」

女「いえ、外側の皮膚を貼り替えて縫合するだけですので、大事ではありません」
女「内側の骨格はそれなりに頑強に出来ているので無事でしたし」

男「そ、そうなのか……」

にしても、知り合いが自分の手の皮膚を目の前でベリベリ剥いでる、

ってのは流石に気味のいい景色ではないな……。

@ちゃんねるに転載されてるグロ画像で鍛えておいてよかったぜ。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:36:53.35 ID:DPzuQuYR0
つC
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:40:23.83 ID:B/aO/rO90
女「さて、そろそろ落ち着かれましたか?」

女は修理キットの中から、パック詰めされた人口皮膚とやらを取り出しつつ言った。

男「いや、さっきからそんなのばっか見せられてちゃあねぇ……」

女「大丈夫そうなので本題に入りましょう」

男「……おい」

女「作業自体はそう複雑でもないので、気にせず質問なさってください」
女「ここでなら込み入った話も安心してなさってください」

男「安心しろ、ったって普通の女の子の部屋じゃねぇかよ」

女「見た目はそうですが壁は防音になっていますし、
女「盗聴盗撮などあらゆる電子的な『覗き』にも対策してあります」
女「もちろん、外では数名の人が常に目を光らせているので安心です」

安心ねぇ、普段の女が聞いたら何て言うか……。
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:45:53.71 ID:B/aO/rO90
男「一番の疑問はだ、お前の言うことが真実だとすれば、
男「あまりにも現代から見てオーバーテクノロジー過ぎないか、ってことだ」

女「なるほど。では逆に訊かせてもらっていいでしょうか?」

男「ど、どうぞ……?」

女「男さんは、今の科学技術の『何』を知っているんですか?」

……えっ?

女「男さんの知ってる科学の最先端、とはどういうものか、
女「と訊いているのです。ご理解頂けてますか?」

男「分かるけど、どう答えていいか分からないな……」

女「男さんは、確かに平均的な学生と比べれば博識ですし、
女「頭の回転も早い方だろうと思います」
女「しかし、どこかの研究所で研究をしている、というわけでもないし、
女「そんな方々に資金を提供している国の重役、でもないですよね」
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:46:23.06 ID:dhTxFSv+O
いい雰囲気だ(SF的な意味で
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:48:43.43 ID:3uf+QlA5P
久々に本格派だな……

名前は普通のものにしてくれた方が読みやすかったのにw
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:51:19.09 ID:ZFpcDBiN0
>>42
VIP以外池
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:52:05.14 ID:B/aO/rO90
女「そういう人たちが、果たして全ての情報を大衆に開示している、と何故言い切れますか?」
女「かつて、映画やドラマでは凄く時間がかかるような描写をされていた、
女「電話という機械の逆探知、実は当時から数秒で出来るものだ、なんてご存知でしたか?」

あ〜、電話ね。なんだろう、この凄くメタ的な都合の存在を勘繰ってしまいたくなるような、時代錯誤の例は。

現代ならもっといい例えくらいあるだろうに。閑話休題。

女「国の政府とは、えてして情報を出し惜しむものです」
女「それは科学技術でも同じです。たとえば、やれば出来ることを
女「出来ない、と思わせることで犯罪者を油断させたり」
女「逆に、出来もしないことをフィクションでやってみせて、
女「犯罪者への牽制にしてみたり、そのような例は枚挙に暇がありません」
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 01:54:09.92 ID:0qjDQvex0
時間をかけて読みたい
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:01:20.80 ID:B/aO/rO90
男「………………」

それは、そうだ。俺が知ってる『最先端』だって、

そんな作られた、思い込まされた最先端だった、ってことも十分有り得る。

女「あなた方大衆が想像されている『最先端』は、実際のソレから
女「およそ一世紀は取り残されている、と考えてもらって差し支えありません」

男「い、一世紀だって!? いや待て、そんなバカなことがあるかよ?」
男「たとえば、そんな進んだ技術があるなら、どっかの研究機関が抜け駆けして
男「製品化なりして大金を得よう、としたっておかしくないんじゃないか?」

女「もし、世界中の国家がグルになって、あらゆる科学技術を管理し隠匿しよう、
女「と考えたとします。はたして、そんな状態で抜け駆けなんて考える組織があるでしょうか?」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:05:41.32 ID:B/aO/rO90
ある訳がない。確かに、今世界は概ね民主主義で統一されている。

国とは国民の代表が運営するものであり、国と民はイコールの存在だ。

だがそんな名目とは別に、民衆を支配し、扇動し、ある方向へと向けさせようとする、

怪物のように巨大で、独自の意思を持った存在としての『国』という主体も、

厳然として存在している。みなそれから目を逸らし、国は自分たち個人によって

作られている、という幻想を信じ込まされている。

そして、そんな『怪物』たちがグルになって、『隠そう』と言っているんだ。

それをちっぽけな『個人』がどうこうしよう、などと無理に決まっている。

有史以来、人間が繰り返してきたことだ。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:15:23.13 ID:B/aO/rO90
女「私の身体に用いられている技術も、そのような『隠された技術』の集合体です」

男「それで、そのお偉いさんどもは一体全体何がしたい、ってんだよ……」

女「私のような人造人間を作り、人間社会に溶け込ませるためです」

男「なんでわざわざそんなことを……?」

女「非常に壮大な計画であるため、その思惑は一枚岩ではなく、一言で表すのは困難です」
女「ただし、名目上の目的としては、『ヒトの精神の解明』が掲げられています」

ヒトの精神の、解明?

女「私の脳、と言うべき部位には、一般にはまだ存在すら知られていない、
女「量子コンピュータが使われています。ご存知ですか?」

男「ビットを1と0の重ね合わせにすることで、両方の値を任意の割合で持たせ、
男「それまでのコンピュータでは不可能な超並列処理が可能な、全く新しい
男「コンピュータ、だったか?」



この辺私は理系ではないので、間違ってたらすみません
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:22:44.91 ID:dhTxFSv+O
支援
眠い
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:23:57.55 ID:B/aO/rO90
女「そのような認識で結構です。これが実用化されれば様々な分野で活躍するだろう、
女「と言われていました。それだけ画期的なモノだったわけですが、その用途の一つに
女「生物のニューロンのシミュレーション、というものがあるのをご存知ですか?」

男「……聞いたことはあるな」

女「人間の脳は、コンピュータに比べ驚異的な能力を持っていますが、
女「その構造自体は比較的早く解明されています」
女「あとは、それをシミュレート出来るスペックのコンピュータさえあれば、
女「再現自体は可能と言われていました」

男「お前の頭ん中に、そのシミュレータが入ってる、ってのか?」

女「そうです。そして、そのシミュレータ上の挙動を計測することで、
女「ただヒトを観察するだけでは得られない、人間の精神の挙動についても
女「より理解が広まる、というのが、この計画の大義名分とされています」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:30:43.64 ID:B/aO/rO90
なるほど、ただ外から観察するだけでは、内部の処理の結果しか見ることが出来ないが、

内部までシミュレーションしてしまえば、内部の挙動も観察出来るから、

より確かな情報が得られる、ってわけだ。

『きっとこうだろう』みたいに好き勝手言うだけの心理学が、

ヒトの内部の観察によって、真偽を議論の対象にすることが出来るようになるんだ。

これは画期的と言わざるを得まい。だが……

男「あのさぁ、そうやって聞くと、俺からすればそれだけでもスゲェ、って思うんだが」
男「それが大義名分だ、って言うのか? じゃあ、本来の目的ってのはなんなんだよ」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:37:36.00 ID:B/aO/rO90
女「……その前に、一つ質問をしてもよろしいですか?」

男「……あぁ、いいけど。なんだ?」

女「男さんは、私……『女』の味方でいてくれますか?」

男「…………」

これは、軽々しく頷いていい質問じゃあない気がする。

どうする?

……なんて、初めから決まってるんだけどな。

男「当たり前だろ、そんなの?」

女「……ありがとうございます」
女「それでは、分かりました、お話します」
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:44:34.83 ID:B/aO/rO90
女「と言っても、それほど意外な話ではありません」
女「時間が経って、冷静になった男さんなら、すぐ思い至るようなレベルの話です」
女「ただ、それを予め言っておくか否か、というのは重要だと思いました、と補足しておきます」

この言い回しはひょっとしてこいつのクセなんだろうか……?

女「人間と寸分違わぬ見た目の機械、これは様々な用途が考えられせんか?」

男「……諜報、軍事、政治家の替え玉や影武者、あんまりいい気分の用途じゃねぇな」

女「概ね正解です。あとは、愛玩用というのも考えられます」

この場合は、単なる『愛でる』、という意味ではないんだろうな……。
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:52:56.09 ID:B/aO/rO90
女「スパイとして敵対する組織に送り込むことも出来ますし、
女「単純に量産して兵士として送り込むことも出来ますよね」
女「敵国の政治家を暗殺し、その替え玉としてアンドロイドを送り込んだり、
女「自国の要人の影武者にも出来ます」

女「ただし、その様な用途で扱おうと思うのは資金の豊富な国の政府が主ですが、
女「とはいえアンドロイドは作るだけでもかなりのコストがかかります」
女「だから『ハードへの需要』とは別に、より安価な『ソフトへの需要』も存在しています」

男「ソフトへの需要?」

女「人間の精神がどういうものか、今までとは比べものにならないくらい研究が進むわけです」
女「それだけでも、かなりの価値があると思いませんか?」
女「労働に何一つ文句を言わないようにも出来る、人を殺すことを躊躇わないようにも出来る、
女「核ミサイルの発射スイッチを押すことを躊躇わないようにも出来る、
女「自分の部下に絶対服従を誓わせることも出来る……」

男「…………」
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:54:22.33 ID:B/aO/rO90
さっきからこの辺は実は即興に近いんですが、どうでしょうか
ちょっと深入りした設定には自信がないんですが……
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:58:18.78 ID:Qa2d+J/E0
男「お、お前…ロボットだったのか!?」
女「ち、違う」
男「何が違うって言うんだ?」
女「あ、ア・ン・ド・ロ・イ・ド」
男「うるさい黙れ。お前なんかロボットで十分だ」

ってのを思い出した。
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 02:58:23.91 ID:dhTxFSv+O
よっぽど破綻していないかぎり良し

流石に深夜は人いないな…
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:02:30.84 ID:B/aO/rO90
なるほど確かに、掲げている大義名分とは大違いな、胸糞悪くなりそうな真意だな。

男「で、お前はそんなことのために作られて、今もそのために行動してる、ってのかよ」

女「その通りです」

男「俺に、それを黙認しろ、ってのか?」

女「私はそのような選択肢を提示する気はありません」
女「もしあなたが、この計画に害なす行動を取られるというのなら、
女「その時は、私があなたを始末しなければなりません」

男「――ッ!? な、何だって……?」

女「というより、『私』はそう作られています」
女「たとえ『私』の主人格がどれだけあなたを好いていても、
女「計画の邪魔をするようなら、『私』は直ちに手を下さなければならない」
女「あなたは『私』に、私の『主人格』に、選りにも選ってあなたを手にかけさせたいですか?」
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:06:00.64 ID:vxyKkMuu0
支援
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:08:56.53 ID:4ZnI6tPm0
これはもしや女騎士〜メイドの人?
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:11:16.08 ID:B/aO/rO90
男(こ、こいつ……)

女「私の見た限り、あなたはそれを良しとはしないはずです」
女「もしあなたが、『私』の『味方』でいてくれる、というのなら、
女「あなたの取るべき行動は一つしかないんじゃあ、ないですか?」

言うなり女は立ち上がると、話している間に縫合の済んだ右手を俺の首にかけつつ、

女「この国で、一年に何人が『交通事故』で命を落としているか、ご存知ですか?」
女「何人が、『飛び降り自殺』で命を落としているか、ご存知ですか?
女「風呂場で『溺死』していたり、突然の『心臓麻痺』で死んでいたり、
女「はたまた、死体すら見付からず、『行方不明』になっているか、ご存知ですか?」

最後に女は、俺の耳に触れるか触れないかまで口元を近付け、

女「……『我々』の手にかかれば、あなた一人くらい訳ないんですよ?」

男「――ッ!」

女「長話で疲れたんじゃないですか? コーヒーを淹れなおして来ますね、フフフ」


>>60
生まれて初めてのSSです
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:11:57.66 ID:ova66vGfO
問題ない続けてくれ

いや、続けてくださいお願いします
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:15:56.88 ID:EPYzZ8+qO
しえん
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:16:53.00 ID:hcRbCSplO
追い付いた(`・ω・´)面白いな

自信持って投下して
寝ちゃったらごめん
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:19:43.52 ID:B/aO/rO90
トン、トン、トン、トン、トン……

男「…………はっ! はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

女が階下へ降りていく脚音が聞こえなくなった頃、

俺は知らず呼吸を止めていたことを思い出した。

荒い呼吸で脳に酸素が一気に流入し、軽い眩暈と頭痛に襲われる。

男(……ふざけやがって)

選択の余地なんて、最初からなかったんだ。

今日のことは黙っていろ、さもなくば死あるのみ、かよ。

あれが、あんなのが、十年以上も付き合いのある女だなんて、悪い冗談だ。

だが、さっきから主人格だのなんだの言ってるが、そもそも『アイツ』は

普段俺と接してる『女』とは違うのだろうか……?

そもそも、何故今になって、俺にこんなことを話すんだ……?

こんなことを俺に話したところで、アイツにメリットなんてないんじゃないか?

分からない、これだけ話を聞いても分からないことだらけだ、まったく頭にくるぜ。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:27:16.80 ID:B/aO/rO90
さっきから説明ばかりで申し訳ないです
初SSでこれだけ暖い言葉を頂けるなんて……

最後まで頑張らせていただきます!
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:28:01.85 ID:iHkFc1mxO
なんだか方向が変わってきたな。
おじさん下ネタも好きなんだよ。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:30:42.95 ID:B/aO/rO90
女「どうぞ、新しいコーヒーを淹れてきました」
女「それと、前の週末に『私』が焼いたクッキーもあるんですよ、
女「そのうちあなたに差し上げるつもりだったようですので、
女「折角ですから今食べちゃってください」

男(まるで第三者のことを語っているようだな……)

盆には、先程のようなコーヒー一式と一緒に、

一見すると気が強い『あいつ』から想像も出来ない、

可愛らしい形のクッキーが乗っていた。

あいつのこういう女の子らしいとこを知ってる男って、

俺くらいのものじゃないかな……。

男「……お前、さっきから普段の女と今のお前を、区別して語ってるようだけど、
男「どういうことだ?」

女「あぁ、それについての説明がまだでしたね」
女「普段の私は、自分が生まれた、というより作られた目的なんて知りもしない、
女「極普通の女子高生ですよ。数百グラムの体重の変動で一喜一憂したり、
女「好きな男性と相対してドキドキしたり、そういうどこにでもいる女の子です」
女「当然、自分が人間じゃないなんて夢にも思ってないはずです」

男「で、お前は一体なんなんだ……?」
――
エロも入れようと思えば入れられますが、どうしましょう?
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:30:51.43 ID:dhTxFSv+O
>>67
おまえに限らず俺も皆も大好きだがだまっとこうな
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:32:36.59 ID:zSu5cUowO
女「実は私ロボットだったんです」
男「じゃあアナルに出しても大丈夫だな」
女「う、うん//…(まんこに出してよぉ…ばか)」
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:34:30.27 ID:iHkFc1mxO
>>69
おまえもな^^
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:36:42.85 ID:rBDpq2RGO
なんか星新一っぽいな
しえん
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:38:14.59 ID:B/aO/rO90
あ〜、>>67氏のような意見もないよりはあった方が嬉しいので大丈夫です
あと雰囲気のために敢えて苦言を呈してくれた>>69氏もありがとうございます

出来るだけ意見は取り入れていきたいと思いますので、
喧嘩せず生暖かい目で見守ってくれると有り難いです
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:39:14.74 ID:hcRbCSplO
無理にエロ入れるくらいなら一人で妄想させてくれ
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:40:04.27 ID:iHkFc1mxO
>>73
了解
悪かった
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:43:30.16 ID:dhTxFSv+O
>>75
でしゃばって申し訳ない
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:44:24.07 ID:B/aO/rO90
女「緊急時対応人格サブルーチン、と呼ばれています」
女「端的に言えば、『私』が私の生命を脅かす危機に瀕した時、
女「いらぬ感情に左右されず、最適な方法を選択するために用意された、
女「緊急時の駆け込み寺のようなものです」

男「今日のもそのうちの一つだった、ってのか?」

女「はい、万が一私一人で危機を脱出出来なかった場合のために、
女「あなたにも連絡をしていたのですが、それについては杞憂で終わりました」
女「幸いと言えば幸いですが、お手間を取らせてしまったことは申し訳ありません」

男「……いや、それはいい。ただ、なんであの時あんな面倒な道順を通っていたのか」
男「それが引っ掛かってんだが」

女「あれは私があの道を通ったわけではなく、GPSの衛星にハッキングして、
女「私があの道順で移動している、と見せ掛けただけです」

男「な、なんだって……?」
――
どなたか『緊急時対応人格』をEMHにこじつけくれたら筆者が喜びます
元ネタ分かる人は失笑くらいはしてください
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:46:49.52 ID:NXBMU4oTO
エロなら他で間に合っとるからいらん
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:47:39.31 ID:iHkFc1mxO
>>76
こちらこそ
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:52:28.37 ID:419wi0zPO
人格なんたらはマイメリを思い出す
ってか誰も知らんよな
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:53:05.73 ID:B/aO/rO90
女「あなたに連絡を差し上げた時点で、私は既にあの場所にいました」

男「いや、訳が分からないんだが……。そもそもなんであんなとこに?」

女「学校の帰りに彼らに目をつけられたらしく、無理矢理あの場所に連れ込まれました」
女「そして暴行されそうになり、顔面を殴打されたところで『私』が起動しました」

男「はぁ!? んな大事なことなんで今まで言わなかったんだよ!」
男「で、大丈夫だったのか!? ってか顔殴られたってそれこそ大丈夫なのかよ!」

女「私のボディの貞操を心配しておられるのですか?」
女「それについては心配は無用です、とりあえずは未遂で片付けることが出来ました」
女「それに仮に完遂されていたにしても、私の主人格からその記憶だけ消し去り、
女「性器から痕跡を消せば傍目には無垢な処女と変わりませんから」

男「………………」

あぁ、頭痛くなってきた……。
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 03:58:03.99 ID:ObzGx+gsO
追いついた
面白いです
好きに書きなぐって下さいこのやろー
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:03:45.46 ID:B/aO/rO90
女「それと顔についてですが、どうやらすぐにナノマシンが修復したみたいです」
女「というわけで安心してください。もちろん、仮に痕が残っても修理すれば消せますが」

男「ハァ……。で、一応訊くけど、今までにソレをその、完遂されたことは?」

女「気になりますか?」

このアマ……。

女「幸いそのような過去は『存在しません』のでご安心を」
女「ただし、記憶もない、痕跡もない過去の有無を確認する術を、
女「あなたがお持ちかどうか疑問ではありますが、ということを補足しておきます」

男「いらねぇ補足してんじゃねぇよ、ったく……」
男「って、今それは、その、置いとくとして、じゃああの音声通話の時点では……」

女「はい、『私』です」

男「でもお前ってその時、その、アレだったわけだろ?」
男「でも、俺が聞いた通話の音声ではそんな雰囲気感じられなかったんだが……」

女「それはですね、あの音声は私が合成したものをそちらに送信しただけなんです」
女「こちらの実際の音声ではありません」

もうやだこの世界……。
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:15:21.27 ID:B/aO/rO90
男「じゃあお前は、モバイルとかなしで単独でネットに接続が出来る、ってのか?」

女「はい、私の頭部にはそのような機構も埋め込まれていますので」

あ〜、それはちょっと羨しいな、とか思う俺って厨二病かな。

男「じゃあ、俺が駆け付けた時、なんで誤魔化したりしなかったんだよ」
男「こうやって俺に大事な機密情報漏らすことに、何のメリットがあるんだ?」

女「メリット、というものは存在しません。むしろデメリットばかりです」

男「……だよな。じゃあなんでわざわざ」

女「私が作られたのは、一応は研究目的とされています」
女「それは確かに、軍事的な意図は色濃いです。それは否定しせん」
女「でも、純粋な探究心で行われた計画、でもあるんですよ?」

男「…………」
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:17:51.06 ID:B/aO/rO90
女「私のような存在が作られた以上、いずれ人間は、
女「機械との関係を見直さなければならない日が来ます」
女「そんな時に、人は機械と、機械は人とどう付き合っていけばいいのか」
女「そこには希望もあり、また恐怖もあります」
女「そんな来たるべき『審判の日』に、人間と機械は何を選択するのか」
女「それを判断する材料として、私とあなたがモデルケースに選ばれたんです」

男「モデルケース……?」

女「紛い物の少女と、ソレを紛い物と知らされる少年」
女「そんな二人の行く末に、興味を持っている人たちもいた、というだけの話です」

男「………………」

女「どうか……、嫌いにならないであげてくださいね、『私』のこと」
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:23:51.52 ID:Qa6XVldHO
支援だ
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:24:39.21 ID:B/aO/rO90
男「……俺にどうしろって言うんだ?」

女「お任せします。ただの友達としてこれまで通り接するもよし」
女「必要以上の接触を避け、今日聞いたことも忘れて、別々の人生を歩むもよし」
女「……こんな話を聞かされてなお、変わらぬ恋慕を傾けるもよし」
女「思うように付き合ってあげてください」
女「それがいずれ、人と機械の関係を決定する判断材料になるんです」

男「それは……、責任重大だな」

女「そう構えなくて結構ですよ。今のところ、それは遠い未来の話です」
女「それに、私の兄弟姉妹はたくさんいる、私のようなモデルケースだって、
女「別に私たちだけ、っていうわけでもないんです」

男「……そうか」
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:27:57.99 ID:B/aO/rO90
女「さて、それでは今日はこの辺にしておきましょう」
女「緊急時対応人格は『脳』への負荷が強いので、明日はほぼ一日休眠を取ることにします」

男「え、そうだったのか? それは、悪いことをしたな。長々と話させちまって」

女「お気になさらず。これも必要なことでしたから」
女「それでは、また。おやすみなさい」

男「あ、あぁ、おやすみ……」

ベッドに入り、スヤスヤと寝息を立て始めた女を見届けると、俺は彼女の部屋を出た。

すると、そこには彼女の母親がいた。

女がロボットだったとすると、彼女と彼女の夫は、何者なんだろう?
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:36:26.37 ID:B/aO/rO90
女母「今日は、ありがとうございました」

女の家を出ようとする俺に、深々と頭を下げる女母。

男「あ、いえ。えっと、その……」

女母「色々と、あなたを怖がらせるようなことも言ったと思うけど、
女母「『あの子』がこうして打ち明けるのも、それだけあなたを信頼しているから、
女母「と思っていただけると幸いです……」
女母「こんなことを言うのは身勝手だとは思うけど」
女母「今後もあの子と親しくしてやってくれないかしら」

男「……分かりました。ただ、今はまだ頭の中が整理出来てなくて」
男「まだ、今後自分の気持ちどう落ち着くかは、ちょっと分かりません」
男「それでも、あいつへの気持ちがそう簡単になくなる、とは思いません」
男「俺も、前向きにやっていこうとは思っています」

女母「そう。何と言っていいか……、本当に、ありがとう」

男「いえ。ところでその、女母さんも、もしかして?」
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:39:12.55 ID:cqWhcnzcO
む。追い付いてしまった。

つC
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:43:10.98 ID:B/aO/rO90
女母「あ、いえ。私はそうじゃないのよ」
女母「私たち夫婦は、あの子の両親役として選ばれた被験者なの」
女母「あの子の兄弟姉妹にも、同じように家族役が宛てがわれてるわ」

男「じゃあ、女のことは、どのように思ってるんですか?」

女母「被験者とは言え、私たちも全くの部外者だったわけじゃないわ」
女母「あの子の開発に関わった技師なの」
女母「最初は、仕事の一環。作ったもののアフターケアのつもりだった……」
女母「でもね、こうして何年も一緒に過ごしてると、あの子が人間じゃないってことを
女母「忘れそうになるのよ。私たちも開発に携わっていた、ってのにね、おかしいでしょ?」

おかしいわけ、あるか……。俺だって、今の今までそんなこと思いもしなかった。

今だって、悪い夢でも見てる気分だってのに……。

女母「今では、あの子が本当に、私がお腹を痛めて生んだ子のように思えてくるの」
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:48:35.23 ID:B/aO/rO90
女母「実はね、私、一度子供を流産してるのよ」
女母「それ以来子供が出来ない身体になっちゃってね……」
女母「だから、余計にそう思っちゃうのかしら」

男「………………」

女母「とにかく、今の私たちにとって、あの子は大事な一人娘」
女母「だから、出来ることなら幸せになってもらいたい……」
女母「男くん、あの子を、受け入れてあげてちょうだい」

男「さっきも言ったように、今後俺自身の気持ちがどうなるのか、
男「それは俺にもまだ分かりません」
男「ただ、俺はあいつに問われた時、味方でいてやる、って答えたんです」
男「だったら、その答えの責任くらいは、取るつもりですよ」

女母「……ありがとう、男くん」

男「いえ、それでは。女が目を覚ましたらよろしくお願いします」

そうして俺は、すぐ隣の自宅に戻った。

俺は、寝ようと思っても寝られないので、

そのうち俺は、寝ようとするのを止めた……。
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:50:18.28 ID:dAzJmiC3O
幼なじみということは、女ボディ幼稚園児verとか、
小学校低学年verとか、あまつさえ第二次性徴ver
とかがあったのか?

素晴らしいな!
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:53:49.12 ID:B/aO/rO90
翌日、俺は寝不足と知恵熱(?)のダブルパンチの頭を抱え登校した。

普段から女と一緒にいることが多い俺は、それまで皆勤だった女の、

欠席の理由を級友たちに必死で誤魔化しつつ、昨日のことをずっと考えていた。

それから今日まで、俺は答えを出せずにいたのだった……。

――

キラークイーン 第三の爆弾! バイツァダスト!!

時は>>2へと戻る!

何か質問があればどうぞ
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:56:11.01 ID:dAzJmiC3O
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:56:52.21 ID:B/aO/rO90
一応最後のオチのイメージはあるんですが、
このペースだと大分スレが余りそうですね

間をどうしましょうか

>>95
あるぜ!
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 04:58:54.61 ID:B/aO/rO90
レスがないのは見てる人が少ないのか、
さっさと書けということなのか、どう解釈すべきでしょう……
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:00:22.16 ID:dAzJmiC3O
オレは見てるぜ
さっさとお書き下されこの野郎
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:05:05.73 ID:B/aO/rO90
時は女に叩き起こされ、一緒に遅めの朝飯を食っている週末へと戻る。

女「なによボーっとして、まだ寝惚けてんの?」
女「それともアタシの可愛さに見惚れてた?」

男「……まぁな」

女「……ハァ。アンタどうやらマジに半分寝てるみたいね……」
女「とりあえず一回冷たい水で顔洗ってきたらどうなのよ?」

男「そうだな、そうするわ」

言うと俺は、緩慢な動作で立ち上がり、洗面所へと向かう。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:09:54.84 ID:B/aO/rO90
あれから、びっくりするほど何もない。

緊急時対応人格サブルーチンとかいう、冷徹バージョンの女が出てくることもないし、

隠匿された未来テクノロジーが俺の平和な生活を脅かすこともない。

まるで、あの日の出来事が全て夢か何かだったように……。

本当に何もない。ただ一人ウジウジ悩んでる俺が、

女にどうにも気の抜けた対応しか出来ない、というだけだ。

それについて女から何か言われることはない。

こういう時にそっとしておいてやろう、なんて選択肢を選ぶあたりも、

あいつの繊細な女の子らしい一面の一つ、と言えるんだろうか……?
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:14:55.89 ID:B/aO/rO90
濃い味なのに何故か味気ない食事を終えると、俺は再び自室へと戻った。

男「ぁあ〜、ねむ……」

最近は暇さえあれば寝ているな。何せ寝ている間は悩まなくて済むから。

悩んでいる事柄の夢を見てうなされる、なんて出来過ぎなことも起きないし、

寝ている間だけが俺の平穏な気がするぜ……。

女「ちょっと男、ごはん食べてすぐ寝ると牛になる、って言うよ?」

男「……んな非科学的なことあるわけねぇだろ、バーカ」

科学の子相手に俺は一体何を言ってんだか……。

女「ねぇ、こんな天気いいのに惰眠貪るだけなんて勿体無いよ」
女「アタシが付き合ってあげるからさ、一緒にどっか行こ?」

男「るえぇ、帰れ。俺は寝る……」
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:19:45.37 ID:B/aO/rO90
しかし女は引き下がらない。

女「寝過ぎは身体に悪いんだぞ」

男「……あまんじて受け入れよう」

女「そうやって引き込もってると心まで不健全になっちゃうぞ」

男「何をおっしゃる、俺は心も身体も元気ハツラツですよ?」

すると女は、俺が被っている布団をガバッ、と取り去ると、

俺の上に覆い被さって、俺の目を大きめの瞳で見詰めてきた。

その射貫くような視線が、一週間前の女とダブって、

俺は思わず息を飲んだ……。
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:21:35.78 ID:B/aO/rO90
ちなみに男イケメンコースと、男ヘタレコース、どちらがいいでしょう?

ルートというよりは男の性格や行動選択にちょっと修正を加えるくらいなんですが
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:28:53.05 ID:B/aO/rO90
女も俺も微動だにしない。というより、俺にはそうするしかなかった。

俺の顔にかかった長い髪の、シャワーを浴びたばかりらしいシャンプーの香りに

ドキリとするが、それ以上に俺は、今の女が、怖かった……。

女「……嘘、ついてるでしょ」

男「え……?」

女「なんか男、何かに悩んでるんだけど誰にも相談出来なくて、自分でも答えが出せなくて」
女「それで仕方ないから丸投げしてふて寝でもしよう、ってそういう顔してる」

男「……どんな顔だよ」

びっくりした。まさかこうも的確に俺の今の状態を言い当てられるとは。

付き合いが長いとそんなことまで分かるもんかね……。

それとも、今の女もまた、女であって女じゃない、とか。なんてね。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:35:07.01 ID:B/aO/rO90
女「ねぇ、なんか悩んでんなら相談してよ」
女「アタシ、男と違ってそんな頭良くないけどさ、ちょっとくらいなら助けになるよ?」
女「最近の男、絶対変だったって」

そうか、今まで触れられずにいたことを、今になって……、と思ったが、

言わなかっただけで気にしてなかったわけじゃないんだな。

腫れ物みたいに扱われてたのは一体どっちなんだか……、情けねぇなぁ、俺。

ただ、いつまでもマウントポジション取られたまま、ってのは気に喰わないので、

まずはそれを取り返すことにしよう。

女「――っ!? キャ!!」

俺は起き上がりつつ女を引き込み、突然のことに動けない女の上に、

先程まで俺がそうされていたように、覆い被さってやった。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:37:37.38 ID:XnJ9EFB+O
しえん
しえん
しえん
しえん
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:37:39.77 ID:LnWjiOrN0
へたれは見てるとイラッとするから池面コースがいいなぁ
つか、これだけ荒らしがいない良SSスレだとageたくないな
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:40:59.81 ID:B/aO/rO90
女「い、いきなり何すんのよ、バカ!」

口では気丈に振る舞っているが、目は泳いでるし身体も微妙に震えてるみたいだ。

やっぱこういうの慣れてないのかな。そういや『こいつ』とここまで密着するのって、

ガキの頃以来の気がする。『アイツ』の言葉を真に受けるなら、やっぱ『まだ』なんだろうか。

男「お前さ、結構可愛いな」

女「ハァ!? だからいきなり何言い出すのよ、っていうかさっさと退いてよ!」

男「いや、男に押し倒されて震えてるのって、なんかいかにも処女です、って感じで可愛いなと」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:53:32.20 ID:B/aO/rO90
女「……バカじゃないの?」

男「ひどいな、せっかく俺が素の感想を言ってやったってのに」

女「とにかく、冗談はいい加減にして……」

男「いや〜、これだけ可愛い女の子と密室で二人っきりだと、男としてクるものがあるよなと」

女「…………」

ヤバイ、これ以上やるとマジにシャレにならなくなりそうなのでこの辺で勘弁してやろう。

男「分かったか女〜、ダウナーな♂ってのは何しでかすか分からないんだからな、少しは自重しろ自重」

言いつつ俺は、女の上から退けると、すぐ横に腰掛けた。
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:57:14.91 ID:iVsdchb6O
優柔不断は見ててイライラするので、そこそこイケメンな方向で

支援だじぇ
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:59:00.10 ID:MGnaVjDY0
SFとか好きな人?
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 05:59:58.90 ID:B/aO/rO90
男「俺ってさぁ、そんなにいかにも悩んでますって顔してたか?」

女「……まぁ、アタシが分かるくらいには、ね」

男「それは、随分とご注視してらっしゃることで」

女「別にそんなんじゃぁ……」

男「お! ツンデレのデレが出たな、遂に女も幼馴染キャラの極意を会得したか」

女「……バカじゃないの」

男「それ地味に傷付くんだがなぁ。じゃあ女、一つ質問していいか?」

女「……なに?」

男「お前さ、俺のことどう思ってんの?」

女「………………はぁ?」

――

>>111
大好きな人ですがなにか?
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:05:11.57 ID:B/aO/rO90
女「アンタ……、まさか今までそんなことで悩んでた、なんて言わないでしょうね」

疑問符をつけずほぼ断定しているのが怖い……。

男「半分正解、かな」

言うと女は盛大な溜め息をつき、

女「ハァ……、アンタやっぱりバカだわ、頭いいけどバカだわ」

男「悪ぅございましたね。そのニュアンスで言うと♂ってのはみんなバカなんですよ」
男「どうだ、開き直った俺に勝てるとでも思うたか!」

女「………………で、もう半分は?」

スルーされてしまった。ヤバい、さっき押し倒した時のアドレナリンのせいで、テンションがヤバい。

男「……俺が、お前をどう思ってるか、かな」

女「――――っ!」
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:11:21.90 ID:B/aO/rO90
女「で……、結局どうなわけ?」

男「そっちが先に答えてくれる、って気は?」

女「ない」

即答ですか、そうですか……。

俺は、決心つけるように一息つくと、一気にまくしたてた。

男「はぁ……。はいはい正直好きですよすっごい好きですよ、
どんくらい好きかって言うとそりゃあお前、
お前が第三次世界大戦で核ミサイルの発射ボタン押して人類滅亡させたりしても
構やしない、ってくらい好きだな、例えがよく分からないのは
スルーしてくれとにかくそれくらい好きだ、
これでどうだ満足かえ? おい」

女「…………本っ当によく分かんない例えね」

男「で、お前の返事は?」

女「そうねぇ、じゃあとりあえずキスして」

男「はぁ?」

女「嫌だったら引っ叩く、嫌じゃなかったら引っ叩かない。それでいいでしょ?」

ウゼェ……。
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:16:52.57 ID:B/aO/rO90
男「なんだそりゃ、スィーツ(笑)かよ、気取ってんじゃねぇぞ」

女「随分古い単語引っ張ってくるのね」
女「いいじゃん、アタシもテンション変になってんだから」

男「アタシ『も』ってなんだよ、『も』って……」

女「だって声震えてるし、なんかそっちもテンション高そうだな、って」

見透かされてらぁ。

女「いいからほら、ん!」

言いつつ唇突き出してくる女。アヒル顔になっていないのは評価してやらんでもないぞ。

男「ええぃくそっ! こんなの絶対後から思い出して布団被って悶絶したくなるような黒歴史になるってのによ!」
男「よ〜し俺も♂だ、覚悟決めたぞ、やるったらやるぞ、恥ずかしくなって止めてほしいなら今のうちだぞ!」
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:22:31.39 ID:B/aO/rO90
それでも引く気配のない女。

仕方ない、こうなったらやるしかないか。ったく、これなんてケータイ小説?

俺はぎこちない動作で、女の肩と後頭部をそれぞれ手で支えると、

そのまま自分の頭を女の頭に近付けていく。

最早目前、というところで、一瞬思い止まる。

が、俺は、軍事用ソルジャーアンドロイドとか諜報ロボットとかセクサロイドとか、

ヒトとマシンの未来を決めるモデルケースだとか、そういうの一切合切を頭から消し飛ばして、

齧り付いた。

いや、自分でもそうとしか言えないくらい、齧り付いた。

ここまでのやりとりよりもこの瞬間が黒歴史になりそう、ってくらい無様だった。

目を閉じて待機していた女も、その瞬間は流石に目を見開いた。目があってしまった……。
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:27:19.75 ID:B/aO/rO90
しかし次の瞬間には、女は身を委ねるように目を閉じると、

肩に置いた俺の手を取り、指を絡めるように手を繋いできた。

それから十秒、三十秒、あるいは十分くらいはそうしていたんじゃないか。

マジで時間の感覚がなくなる、ってあるんだな、ビックリだ。

とにかく、それくらい長く感じられる時間そうしていて、

最後にはどちらからともなく身体を離した。

ヤバい、女の顔真赤じゃん、俺の顔もきっとそうだと思うと余計に恥ずくなってくるぜ。

が、それ以上に今の後の『段取り』への期待で胸が踊る!

そんな俺の気配を感じ取ったのか、

女「はい、おしまいっ!」

男「いやなにが!? 俺まだ何もしてないだろうが……」

女「だって目が野獣みたいになってたし……」
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:35:04.71 ID:B/aO/rO90
男「んな無体な……」

女「いいのっ! そういうのはもっとお互いをよく知ってからで……」

男「俺よりお前を知ってる男が他にいるのかよ」

女「……とにかくだめ! で、今日はアタシの買い物に付き合うこと! OK?」

男「……はいはい、分かったよ」

女「じゃあさっさと着替えて準備する! 早く!」

まったくやかましい女だ、本当に。

でも、それが異常に心地良く感じちまう辺り、俺はどうやら完全にこいつにやられたらしい。

俺には、世界が今後どうなるかとか、そういう難しいことはよく分からない。

俺に出来ることは、こいつと一緒にいること、ただそれだけだ。

だったら構うもんか、俺は『アイツ』に言っちまったからな。

『こいつ』の味方でいる、って。じゃあ、俺はただそれを全うするだけだ。

まったく、今は手を引かれてばっかだが、いつかは俺がこいつの手を引いてやりたいもんだ……。
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:36:18.17 ID:B/aO/rO90
と、こんな感じで前半が終わりました
これで一区切りついたと思います

後半はこっから急転直下ですが、正直疲れました……
しかし寝たら落ちそうだ
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:39:49.54 ID:B/aO/rO90
落ちたら立て直して続きを書くべきでしょうか?
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:43:16.16 ID:h28IUOwjO
書いてくれると有難い
けどその前に落とさせやしない
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:44:08.45 ID:B/aO/rO90
ありがとうございます。

それでは一度寝ますので、もし落ちてたら同じスレタイで立て直します

よければ見てやってください、それではノ
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 06:45:38.32 ID:h28IUOwjO
おやすみー
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 07:00:57.02 ID:Qa6XVldHO
乙!
期待して待ってるぜ。
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 07:20:43.11 ID:vwwgRKZL0
良スレ発見
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 07:53:13.97 ID:419wi0zPO
おはよう
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 08:01:16.58 ID:dAzJmiC3O
らららかがくのこ〜
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 08:39:21.99 ID:X9zOR3YGO
追いついたので支援
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 09:18:48.16 ID:dAzJmiC3O
保湿
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 09:21:24.60 ID:06pZ5Sb/O
ユリア100式スレじゃなかったのか
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 10:00:03.02 ID:h28IUOwjO
西瓜食いたい
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 10:47:20.46 ID:k5zRB9KJi
まってる
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 11:29:52.38 ID:dAzJmiC3O
カレーを食いながら保守
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 11:49:31.62 ID:ErM1lzBKO
今日のキャメロンたんスレ?
支援
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 12:03:33.43 ID:dAzJmiC3O
トルヒーヨのハルディン
トルヒーヨのハルディン
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 12:22:19.48 ID:hcRbCSplO
保守任せた(`・ω・´)
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 12:53:04.65 ID:dpW6+yyuO
これはいい
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 13:35:22.57 ID:3PL4VHCbO
ふぅ
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 13:59:00.29 ID:CscTtTLK0
hs
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:02:52.27 ID:B/aO/rO90
なん……だと……
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:25:32.25 ID:B/aO/rO90
深夜、某所。

女の家に立つ、二人の人物。

そのうち一人は、露出の高い服で健康的な肢体を晒し、ギターケースのようなものを小脇に抱えた少女。

そしてその少女を携えた、ヨレた白衣の中年の男。

白衣「ふむ……、ここか。アーシア、ここが何体目の『キャリア』だ?」

白衣の男は女の家を一瞥すると、傍らに立つ少女、アーシアに問うた。

アーシア「238体目だ――、博士」

白「……それで、確か『女』という名前だったかな」
白「果たして彼女に『ホスト』としての適正があるだろうか?」

ア「それは確認してみないことには分からない――」
ア「ただ、今まで220体がキャリア止まり、確率は低いんじゃないか――?」

白「そう言うなアーシア、聞くところによるとここのガイノイドは、何やら面白いことをしてるそうじゃないか」
白「そういう話を聞くと、何か起こりそうな予感がするもんだよ、フフッ」
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:26:10.25 ID:ObzGx+gsO
幼なじみほっすぃぃぃ
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:32:38.60 ID:vxyKkMuu0
いつになったらトランスフォームするんだ
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:33:12.83 ID:k5zRB9KJi
>>1
NEOGEOは好きか?
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:34:42.08 ID:B/aO/rO90
そんな二人に忍び寄る影。

派手な服装の軽薄そうな若者だが、その顔には僅かの精気も感じられない。

無機質とも言える表情で、二人に目を据え離そうとしない。

白「……まったく。せっかく『発症』した残り18体に接触しようとしても、
白「すぐこうやって出歯亀がやってきやがる、少しは自重してほしいもんだ」

言うなり白衣の男は、着ている白衣に手を突っ込み、懐から黒光りする鉄の塊を取り出す。

銃だ。ただし、いわゆる火薬を爆発させて弾丸を飛ばす、一般的な銃とは違って見える。

白「アーシアッ! 私が離脱するまでの間ちょっと遊んでやれ!」

ア「了解、マスター。恐らく他にまだ数体いるだろうから、退屈はしそうにない――」
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:36:33.17 ID:c5JkQBh00
再開?
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:38:27.23 ID:B/aO/rO90
こっからしばらく酷い厨二展開です

苦手な方は飛ばした方がいいかもしれません
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:41:27.98 ID:k5zRB9KJi
>>147
さっさと続けろ
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:43:09.93 ID:B/aO/rO90
若い男に向けて発砲しながら、後退する白衣の男。

その発射音は火薬が燃焼する時のそれではなく、消音器が働いているかのように静かだった。

弾丸を受けた若い男は、一瞬よろめくが、倒れる様子はない。

そして、白衣を敵性と判断したのか、一気に間合を詰めるべく駆け出す。

が、白衣を庇うように男の前に立ち塞がるのは、アーシアと呼ばれていた少女だ。

彼女は抱えていたギターケース様のソレを振り被ると、そのまま男に叩き付けた。

それを真正面から受けた男は、およそ人と楽器ケースが出す音とは思えない凄まじい音を発しながら、錐揉みしつつ数メートルは吹っ飛ばされた。
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:47:41.60 ID:k5zRB9KJi
>>149
どんどん続けろ
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:54:12.01 ID:B/aO/rO90
そうしている間に、周囲を窺いながらジリジリと後退する白衣。

一方アーシアは、抱えていたケースを地面に置き、その蓋を開けた。

中に入っているのはもちろんギターなどではなく、何か巨大な長方形の鉄の『箱』と、

白衣が持っているものより幾分大き目な、短機関銃様の銃だった。

ア「博士、これを」

その銃を白衣に向けて投げ渡すとアーシアは、巨大な『箱』の、

穿たれた二つ穴のうち一つに右手を突っ込んだ。

すると、金属的な音を響かせながら、アーシアの腕と『箱』はガッチリ固定され一体となった。

箱の取っ手を左手で持って提げながら、アーシアもまた周囲を窺う。

すると、先程の男は、緩慢な動作で起き上がると、アーシアへと目を据えた。

そして気が付けば、周囲には他にいくつか、同じような冷たい視線が集まっていた。

ア「機影確認、その全てを敵性と判断、数は五。マスター、命令を」

白「……よし、やっちまえ」

その一言を合図に、六つの『ヒトガタ』は動き出した。
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 14:55:08.22 ID:Afkeqs7RO
途中まで書いたんだが一人じゃむりぽっwwww
↓書くの手伝ってくれwwwwwwwwww
http://gamerbook.net/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E4%B8%80%E8%A6%A7
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:03:03.63 ID:B/aO/rO90
もっとも脅威度の高いはずのアーシアには目もくれず、五体は全て白衣に殺到する。

白衣はアーシアから手渡されたばかりの機関銃で牽制しながら後退していく。

またアーシアは、驚異的な速度で白衣のもとへ駆け寄ると、最も手近な敵に箱を叩き付ける。

そして、箱から轟音が響く。箱の先端の穴から飛び出た杭が、敵を穿ち吹っ飛ばしたのだ。

敵の身体には大穴が開き、アーシアの脚を支えるアスファルトが軋む。

先程のケースでの殴打とは比べ物にならない勢いで錐揉みする敵の一人。

そうして彼は、沈黙した。二度と立ち上がることはなかった。
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:10:02.10 ID:B/aO/rO90
残った四体は、どうやら最優先目標を修正したらしい。

四つのヒトガタに囲まれたアーシアは、しかしその巨大な得物すらものともせず、

華麗とさえ言える体捌きでその包囲を抜けると、白衣とは別方向へとかけていく。

役十メートルという高さの跳躍をしつつ、敵を白衣から遠ざけるアーシア。

彼女に飛びかかってきた敵の一人をハイキックで蹴り上げると、落下してきた敵に下から杭を打ち込む。
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:15:38.95 ID:B/aO/rO90
残り三体、しかし敵は怯まない。

三体は同時にアーシアへと襲い掛かる。

アーシアは敵に、左掌底、蹴り、そして右の得物での殴打をほぼ同時に食らわすと、

そのうち一体、民家の塀にめり込むように叩き付けられた敵にむけて、杭を穿つ。

残り二体。

このままでは勝目がないと、敵はここに来て間合を取った。

が、アーシアの圧倒的速力から逃れることは出来ず、後退しているところを足払いをされた敵は、体勢を崩し無様に倒れ伏す。

そうしてアーシアの武器によって、呆気なく沈黙する。
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:15:41.20 ID:wwiJJ+Rsi
これは超期待、支援させてもらう
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:16:42.42 ID:k5zRB9KJi
>>155
どんどん続けろ
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:23:57.75 ID:B/aO/rO90
残り一体、それは偶然にも最初に彼女らを襲ってきた敵だった。

一対一でありながら、まるで八方塞がったかのように動けない敵。

そして、圧倒的優位に立っていながら、それでも油断せず周囲と敵を窺うアーシア。

敵は最初にアーシアからの殴打を受けたダメージが残っているのか、

他の四体に比べ明らかに精彩を欠いていた。

ヒトガタは、恐怖も諦観もない虚無を湛え、無言のままアーシアへと飛びかかる。

アーシアもまた、そんな敵に無情に止めを刺す。

そうして訪れる夜の静寂、そして、遠くから聞こえるサイレンの音。

付近の住民が通報したのだろう、今日は少し派手に暴れすぎてしまったらしい。

一度周囲に注意を払うが、敵の気配がないことを確認したアーシアは、

白衣の男を追って夜の闇へと消えていった。

閑話休題。
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:25:20.71 ID:B/aO/rO90
厨二はひとまずここまでです
ここからはまた男と女の話に戻ります
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:30:26.15 ID:B/aO/rO90
女に告白をして数ヶ月が過ぎた。

その間、本当びっくりするくらい何もなかった。

極普通の幼馴染カップルとして、至極平和な日常を送っていた。

その片割れが実はロボットだとか、国家的陰謀が絡んでるとか、

そういうのが全部なかったみたいに、とにかく平和だった。

自分としてはそれなりに悲壮な覚悟をしたつもりだったので、ちょっと拍子抜けだが、

これはこれで悪くない、退屈というのはある意味幸福なのだ、なんて思っていた。

だが、『その日』、俺の日常は崩壊した……。
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:30:40.30 ID:k5zRB9KJi
うんうん

どんどん続けろ
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:32:28.52 ID:k5zRB9KJi
ガンガン
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:34:06.62 ID:k5zRB9KJi
続けろ
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:36:17.86 ID:B/aO/rO90
その日の放課後、俺と女はいつものように、他愛ない雑談をしつつ帰っていた。

女「ねぇ、今週末はどこ行こっか」

男「またかよ……。これだけ毎日会ってんだからいい加減デートにも飽きる頃だろ」

女「何言ってんのよ、毎日のように一緒にいるからこそ、
女「生活にメリハリをつけるのが長続きの秘訣でしょうが」
女「まったく恋愛ってもんが分かってないなぁ、男は」

男「そりゃ悪ぅございましたね。どうせ俺はつい最近まで彼女いない歴=年齢の童貞で
男「女心? なにそれ美味しいの? な男ですよ」
男「っていうか俺としては家でゆっくり過ごしたいんだがね」

女「え〜、そんなの詰まんないじゃん」
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:36:31.97 ID:dAzJmiC3O
チィッ! ナゾナゾ博士め!
……何が目的だ?
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:44:09.93 ID:B/aO/rO90
男「そんなことより俺はだな、そろそろ恋人らしい蜜月の時間を過ごしたいのだよ」

女「――! ばっ、ちょっ、突然何言い出すのよ!」
女「そんなんアタシたちにはまだ早い! だから我慢!! OK?」

男「んな無体な。そんなだからクラスで他の女子にいいように遊ばれるんだよ純情チェリーガール」

女「なっ――! ……あ、あんたは、そういうことさせない女の子じゃあ不満なわけ?」

男「その言い方は卑怯な気がするな……。はいはい分かりましたよ冗談ですよ、だからそうマジな顔になるなって」

女「………………」

男「な、なんだよ、本当に怒ったのか? 冗談だって言……」

いや、違う……。

この顔は、『女』じゃない、『アイツ』の時のだ……。
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:48:29.36 ID:B/aO/rO90
この顔は、本当に久し振りだ。あの日から一度も見たことがなかったからな。

あれは全部白昼夢か何かだったんじゃあ、なんて本気で思い始めていた矢先にこれだ。

まったく嫌になるぜ……。

女は俺に目もくれず、じっと正面を見据えていた。

そこには、俺たちと同じくらいか少し上の女の子がいた。

なんか妙に肌を強調した服装で、つい目のやり場に困ってしまう。

女「……下がってください、男さん」

男「……おい、あいつが一体どうしたってんだよ?」

女「分かりません、ですが何か嫌な感じがします……」

嫌な感じ、ねぇ。その物言いは無機質なコイツには不釣り合いに思えた。
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:54:38.09 ID:B/aO/rO90
???「女さん……ですね?」

女「……そうですが、何かご用ですか?」

???「ここでは人の目がありますから、場所を移しませんか」
???「ご安心を。貴女が私の指示に従ってくれている間は、
???「少なくともそこの男性に危害を加えるつもりはありません」

――!?

それはつまり、女がこいつに従わなければ、その時は俺がどうなってもしらないぞ、

ってことかよ、ったくふざけやがって。

男「おい! お前は一体何なんだ!」

???「あなたには関係のないことです、少し黙っていて頂けませんか?」
???「あまり私を煩わせると、力ずくで黙って頂くのもやぶさかではありませんよ?」

男「――っ!」
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 15:59:12.22 ID:k5zRB9KJi
さっさと続けろ
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:03:13.98 ID:B/aO/rO90
女「……分かりました、従います。ですから男さんは解放してあげてください」

???「それは困ります。今ここでその方を逃がしては、貴女への質草がなくなってしまいますからね」

言うにことかいてモノ扱いかよ……。今のお前らの方がよっぽどモノっぽいじゃねぇかおい。

そして俺たちは、人通りのない路地裏へと入っていった。

しかし、こいつは一体何者なんだ……?

女が警戒するくらいだ、もしかしたら生身の人間ではないのかもしれない。

確かにこいつには、今の女と同じ雰囲気を感じるが……。

???「これだけ人の目がなければ十分ですね」

女「……それで、あなたの目的は何なんですか?」

???「目的ですか? そうですね、端的に言えば女さん、貴女に死んでもらいたいんです」
――
さっきさるさん食らった……
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:08:36.32 ID:B/aO/rO90
こ、こいつは今何て言ったんだ……?

死んでもらう? それはつまり、こいつは、女を殺そうとしてる、ってことかよ?

男「な、何ふざけたこと言ってやがんだお前!?」

俺は思わずそう叫んだ。すると、そいつは元いた場所から一瞬消えた、

そう思った次の瞬間、そのしなやかな細腕からは想像も出来ない怪力で、

俺は首を締め上げられていた。

男(なっ! み、見えなかった……、いつの間に近付かれたんだ……)
男「あっ――ぐっ――、は、放せ……」
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:17:06.04 ID:B/aO/rO90
???「黙っていてください、と先程も申し上げたはずです」
???「ご理解頂けないようでしたら、実力行使させていただく他ありません」

男「――くっ、クソ!」

すると女はそいつの腕を捕み、俺の首から引き剥がした。

そして、俺を庇うように俺とそいつの間に割って入った。

女「とりあえず、お話は伺います。ですから男さんに手荒なことはしないでください」

……今の『女』がこんなに頼もしく感じるなんて、思いもしなかったな。まったく我ながら情けない。

女「それで、どういう事情があるのかお聞かせ願えますか?」
女「あなたは生身の人間ではないようですが、計画の関係者というわけでもなさそうですね」
女「一体何者で、どういう目的があるのですか?」

???「事情? 貴女に聞かせる事情なんて私にはありませんよ」
???「ただ、貴女の機能を停止させる、それが私の仰せ付かった命令です」

言うなりそいつは、ヒトならば絶対に出せないであろう脚力で、女へと襲い掛かった。
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:18:21.71 ID:h28IUOwjO
サルよけ支援
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:19:08.94 ID:B/aO/rO90
すみませんが、用事があるので席を外します

21時頃に再開しますので、よければ見てやってください

落ちていたら同じスレタイで立て直します。それではノ
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:37:20.71 ID:J/2/bsEiO
おい
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:41:02.26 ID:cqWhcnzcO
>>1乙〜。
りょーかい。待ってるぜ。
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 16:47:26.98 ID:GdFlT8CwO
俺は見ている。ちゃんと完結させてね。
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 17:14:34.81 ID:Qa6XVldHO
期待★
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 17:52:26.61 ID:dAzJmiC3O
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 18:30:47.50 ID:h28IUOwjO
ボスボロット
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 18:37:44.44 ID:wxvUvcOkO
あ げ 
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 19:05:15.40 ID:dAzJmiC3O
だ し
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 19:16:11.03 ID:CKYfcuW7i
ふー
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 19:47:29.62 ID:h28IUOwjO
揚げ出し豆腐対麻婆豆腐
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:29:36.25 ID:h28IUOwjO
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:35:37.80 ID:dAzJmiC3O
しまったァアアア―――ッ!
ふたつのスピカ買うの忘れてた保守
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:36:01.88 ID:0qjDQvex0
アーシアのパイルバンカーカッコ良過ぎ
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:48:05.13 ID:B/aO/rO90
>>184
外道マーボーは何と何を合体させれば出来ますか?
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:51:17.93 ID:B/aO/rO90
>>186
         ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ     SFのFはファンタジーのFだおwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)      SFファンタジーとか文盲もいいとこだおwww
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //   バ
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/      ン
|     ノ     | |  |   \  /  )  /    バ
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /     ン
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))



そう思っていた時期が私にもありました
注意:SF=サイエンス・フィクション
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:54:36.76 ID:i+lHyBCii
>>189
さっさと続けろ
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:55:06.48 ID:B/aO/rO90
さて、戻ってきましたのでそろそろ再開したいと思います

正直残ってると思ってなかったのでかなり嬉しいです
俄然燃えてきましたよ
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:55:40.64 ID:ZQT1gLRcP
        ____
        /     \    
     /   ⌒  ⌒ \   さっさと書けよ
   /    (●)  (●) \     
    |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
   \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
__/          \  |__| | |             |
| | /   ,              \n||  | |             |
| | /   /         r.  ( こ) | |             |
| | | ⌒ ーnnn        |\ (⊆ソ .|_|___________|
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 20:56:41.03 ID:i+lHyBCii
>>191
さっさと続き書けよ
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:00:49.41 ID:dAzJmiC3O
さっさとスケキヨ
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:02:04.76 ID:B/aO/rO90
突き出された相手の拳を、女は片腕で軽くいなすと、

そのまま無防備な相手のホディへと自分の腕を伸ばす。

が、相手はそんな女の巧みな体捌きにも難なく反応し、

女の腕を躱すとその勢いを殺さず、そのまま女の胴へと蹴りを見舞った。

女「――ぁぐっ!」

敵の蹴りをまともに食らってしまった女は、薄汚れたビルの壁面に

半ばめり込むように激突し、そのまま地面にうずくまった。

ヤバいぞ……、女の動きも達人じみてるが、敵はそもそも動きが桁違いだ。

女「男さん!! そこを……、動かないで下さい……」

俺が思わず動きだそうと脚に力を込めたのを、女は見逃がさなかったらしい。

俺は、何かしなければ、と思いながらも、それ以上動けなくなってしまった。

そりゃそうだ、俺がここで何かしたところで、事態は悪い方向にしか進まない……。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:02:55.87 ID:i+lHyBCii
>>195
どんどん続き書けよ
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:04:18.26 ID:0qjDQvex0
>>196
今日はなんか似たようなの二人いるけどどっちが本物なんだ?
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:05:45.16 ID:i+lHyBCii
>>197
ID変わった
どっちも一緒
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:11:56.68 ID:B/aO/rO90
???「それでいいんですよ、男さん。あなたはそこでじっと見てるしかないんです」

男「――っ!」

女「……ご心配なく、私はこのくらいのダメージでは何ともありませんから」
女「それよりも貴女、見ての通り私と貴女の実力差は歴然です」
女「それなら、わざわざ人質などいなくても、その実力で私を圧倒すればいいのではないですか?」
女「もし男さんをこのまま逃がしてくれるというなら、私は逃げも隠れもしない、と確約します」

男(――!? こ、このバカ、何考えてやがる!)

???「自分でおかしなことを言ってる、とは思いませんか、女さん?」
???「この場で最も優位に立っているのは私なんですよ、貴女に交渉の余地があるとでも思ってるんですか?」

女「なら、一つ聞かせてください。私を破壊したあと、男さんをどうするつもりなんですか?」

???「さぁ、それを貴女に聞かせる義理は私にはありません」

それを聞いて、心無しか女の表情が険しくなったように感じられた。

それは『今の』女としては少々違和感のある顔に思えたが、果たしてどういう意図なのだろうか。

かと思えば、女は突然相手に向かって跳んだ。

それまでの受け身からは考えられない、渾身の跳躍だった。
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:12:49.25 ID:i+lHyBCii
>>199
さっさと続けろ
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:13:09.28 ID:0yJ/DjzM0
>>198
こてでびゅーしろよw
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:22:59.88 ID:B/aO/rO90
女「男さんっ! 私が時間を稼ぎますので、その間に人通りの多いところまで逃げてください!」

言うなり女は相手に掌底を打ち込む。

敵は易々とそれを回避するが、それでも怯むことなく女は追撃をかけるべく敵の脚を払った。

敵は後方へ退くことでそれも躱すが、女は足払いの勢いのまま一回転し、今度は敵にハイキックを見舞う。

が、それを完全に見切っていた敵は、高く掲げられた女の足を掴むと、それを軽々と投げ飛ばした。

女「ぁうっ!!」

再びビルの壁に叩き付けられた女は、そのまま崩れ落ちた。

今度ばかりはダメージが蓄積されすぎたのか、すぐには起き上がれない。

男「女っ!」

???「黙ってみていてください、死にたいんですか?」

その一言に俺は思わず怯んでしまった。

敵は倒れ伏す女に向かって悠々と近付いていくと、女を地面に仰向けに寝かせ、

そして腕を高く振り被った。

男「!? や、やめ――」

勢い良く振り下された腕が、女の胸に突き立てられた。
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:25:11.23 ID:i+lHyBCii
>>201
こて嫌い
SS好き
>>202
どんどん続けろ
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:30:18.86 ID:B/aO/rO90
その瞬間、女の体から機械の駆動音のようなものが響いたが、

次第に弱々しくなっていき、そしてすぐ沈黙した。

男「お、女……」

???「まだ終わっていません、静かにしてください」

そいつはぐったりした女の体を引っくり返すと、女の長い髪を避け、うなじの部分を露にする。

そうして女の首の後ろの皮膚を、勢い良く引き千切った。

男「――なっ!」

何を、やってやがんだ、こいつは……。

内部の露になった女の首にはケーブルを挿すプラグのようなものが備わっていた。

そいつは自分の首の、同じ辺りに手を伸ばすと、そこから一本のケーブルを手繰り寄せた。

そして、それを女の首のプラグに挿入する。

すると女は、口から白っぽい液体を吹きながら、目を見開き痙攣しはじめたのだ。

男「お、おいっ! 一体何やってんだテメェ!!」

???「黙りなさいっ! 気が散ります!!」
???「この子の『脳』が完全に焼けてしまっても構わないんですか!?」

男「――っ!?」
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:30:58.07 ID:XnJ9EFB+O
しえん
しえん
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:37:27.28 ID:B/aO/rO90
しばらくして女の痙攣が収まると、そいつは女からプラグを抜き、自分の首へと収納した。

???「終わりました……。あとは煮るなり焼くなりどうとでもしてください」
???「ただネクロフィリズムを満たすのはやめておいた方がいいですよ」
???「この状態でも多少は外部の様子を窺っていますから」

男「だ、誰がんなことするかよ!」

???「しばらく待てば『彼ら』が回収にやってきて修理に回されることでしょう」
???「あなたとの記憶は恐らく無事ですから、安心してください」

男「おい、お前の目的は何なんだ……」

???「それは今は言えません。いずれ分かることです」
???「ただこんな時、私のマスターなら『歌でも一つ歌いたい気分』とでも言うんでしょうね」
???「それでは、ご機嫌よう」

それまでずっと無表情を貫いていたそいつは、ここに来て突然不適な笑みを受かべつつ言うと、

そのままツカツカと去っていった……。
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:38:20.68 ID:i+lHyBCii
>>206
うんうん
続けろ続けろ
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:39:51.03 ID:Km1UqpDJO
グロい
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:44:54.90 ID:B/aO/rO90
そいつの姿が見えなくなった頃、女から再び駆動音のような音が聞こえた。

女「…………男、さん?」

男「――!? 女っ!」

急いで女のもとへ駆け寄ると、女は目だけで俺の方を見ると、弱々しい声で言った。

女「どうも……見苦しいところをお見せしてしまって……」

男「このバカ! んなのどうでもいいんだよっ! それよりお前、大丈夫なのか?」

向こう側が覗けるくらいの大穴を胸に穿たれた奴に、大丈夫かはない気もしたが、俺は訊かずにはおれなかった。

女「はい……、致命的な損傷は免れましたが……、先程ウィルスか何かを入れられたらしく、」
女「駆動系が制御出来なくて体が動けません……」
女「まことに申し訳ありませんが、私をうちまで送っていただけますか?」

そして俺は、胸に風穴空いた女の子を背負って帰路に付くことになってしまった……。
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:45:31.35 ID:i+lHyBCii
>>209
いい
続けろ
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:49:49.32 ID:B/aO/rO90
とりあえず女には俺の上着を着せ、おぶって連れて帰ることにした。

これなら傍目にはそれほど変には見えな……ヤバい俺も色々と麻痺してきたかも。

人間社会に溶け込むのが目的である以上当たり前のことだが、

女の体はロボットである、という先入観に反して軽かった。

そして、あんなことがあった後でこんなことを思うのも何だが、柔らかかった。

あんな大立ち回り演じてたのが嘘みたいに、極普通に女の子していた。

それ以上その感覚に意識を向けていると、邪念に取り憑かれてしまいそうだったので、

俺は先程までの出来事を反芻しながらひたすら意識を女の体から遠ざけた。
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:51:48.21 ID:i+lHyBCii
>>211
続けろ続けろ
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:54:04.82 ID:B/aO/rO90
俺が女の家に上がろうとした時、女は突然こんなことを言った。

女「あ、すみません。よければ男さんのうちに寄っていただけませんか?」

男「ん? それは別にいいけど、なんでだよ?」

女「男さんの部屋には、大型の端末がありましたよね。あれを少しお借りしたいんです」

それは別に構わないが、あんなもので一体何をするんだろう……。

とにかく俺は女を背負って自宅へと入っていった。

普通の家なら、こんな状態の女の子を連れて入っては家族に心配されるだろうが、

その点に関しては幸いなことに心配ご無用なのだ。
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 21:58:12.71 ID:B/aO/rO90
俺の両親は数年前に亡くなっている。

最初は親戚のうちに引き取られることになっていたのだが、

このうちへの愛着と、あとは隣家の誰かさんのために、俺はこのうちに残ることを望んだ。

幸い隣には都合のいいことに家族ぐるみの付き合いのある一家がいたので、

近しい親戚のいなかった俺は比較的あっさりと今の生活を手に入れた。

女が俺のメシ使いなるものをしていた背景がそれなのだが、

こうも都合良くことが進んだのも、もしかしたら女の背後の連中が関係していたのかも、

と今にして思うことがある。

とにかく俺は、一人で住むにしては少々広すぎる家へと女を運ぶ。
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:01:19.65 ID:i+lHyBCii
ガンガン続けろ
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:03:42.08 ID:B/aO/rO90
女「それでは、このケーブルを私とその端末に繋いでください」

部屋に運ばれるなり、女は俺に自分の鞄を漁らせ、そのケーブルを出させた。

途中、どう見ても生理用品入れです本当に……、な感触の小さいポーチがあったが、

最近トラブル続きでスキルを身に付けた俺は華麗にスルーする。

ん? だがロボットに生理ってあるのか? いやでも人間社会に溶け込み本人まで騙すんならそれくらい……

って待て、スルーしろ俺。やましい方向じゃないにしてもこの議題は色々とヤバい。

男「……これは」

片方の端子は、キーボードやマウスなどを端末に取り憑けるための一般的な形状だが、

もう一方は見たこともない形状をしていた。こちらを女の首筋に繋げばいいのか……。
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:06:17.97 ID:dLuyNePs0
支援
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:08:25.17 ID:JkhkJw430
久々の良ssスレ

C
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:09:43.04 ID:B/aO/rO90
一方を俺の端末に繋ぎ、もう一方を挿すべく女の首筋に手を伸ばす。

男「――っ!?」

これは、見ない方がよかったな……。

赤黒い血で濡れた端子挿入口と、無理矢理千切られた無惨な皮膚の断面、痛々しいことこの上ない。

いくらこいつが人間じゃなくて、今は痛みを感じてないらしくとも、

こんなものを見て平気な奴がいるとは思えないし思いたくない。

男「……挿入口が三つあるけど、どれだ?」

女「私の右手側にあるプラグに挿してください」

男「……分かった」

血でベッタリと濡れた首筋を、見ないように指先の感覚だけで探り、女の右手側の穴に端子を差し込む。

女「それで、端末の電源を入れてください……」
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:10:04.11 ID:dAzJmiC3O
いいなぁ固定資産税を払わなくていいなんて……
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:10:59.36 ID:i+lHyBCii
>>219
どんどん続けろ
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:12:02.08 ID:B/aO/rO90
すると、見たこともないOSの起動画面になった。なんだこれは。

男「なぁ、これって……」

女「それは私の『脳』のOSです」

男「この、GDA2.0ってのは何の略だ?」

女「GreatDoctorAzuma ver2.0です」

男「………………」
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:13:29.23 ID:B/aO/rO90
あれ、固定資産税免除の条件は確か……
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:14:04.17 ID:i+lHyBCii
>>223
さっさと続き書けよ
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:16:33.52 ID:B/aO/rO90
女「ちなみに男型だとADA2.0です」

男「なんとなく想像はつくが、その心は……?」

女「AdmirableDoctorAzuma ver2.0です」

男「………………」
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:19:12.79 ID:dLuyNePs0
支援
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:19:29.98 ID:3S+Gltm2O
支援
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:22:19.76 ID:B/aO/rO90
起動したOSは、黒い背景に白文字のシンプルなインターフェイスだった。

キャラクタベースインターフェイスか……、前世紀の遺物かよ。

女「起動したみたいですね、それでは私の言う通りに操作をしてください」

俺は女の言う通りに文字を入力していく。

何らかの命令文なのだろうが、見たこともないものばかりで俺には意味が分からなかった。

女「ありがとうございます、あとは私一人で出来ますので、男さんは休んでいてください」
女「しばらくこの端末のコントロールを独占してしまいますが、構いませんか?」

男「あぁ……、いいぞ」

すると、俺が操作していた時とは比べ物にならない……。

っていうか人間が操作するのとは訳が違う速度で、画面上を文字が流れては消えていった。
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:27:58.71 ID:B/aO/rO90
それをぼんやりと眺めていると、突然女が苦悶の表情を受かべた。

女「うぁ! ぅう……ぁう……うっ!」

男「お、女!? どうしたんだ!」

何が何だか分からないが、女の首に繋がっているケーブル、これが元凶に思えてならない俺は、

それを抜かんとケーブルに手を伸ばす。すると、それまで微動だにしなかった女が、手を伸ばし俺の手を掴んできた。

男「――っ!?」

女『やめたまえ、少年。手荒なことをするとこの少女のメモリが消失してしまうぞ?』

その声は確かに女の口から発せられていた。だがその口調は、普段の女のものでも、

緊急時対応人格サブルーチンなる『女』のものとも違っていた。

人間らしい感情は感じとれる。だが、それはどちらの女とも似わない、不適なもののようだった……。
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:37:06.58 ID:B/aO/rO90
女『フハハハハハハハハ!』
女『やっとで『ホスト』と接続《ネット》出来たぞ、いやぁ実に長かった』

男「な……なに?」

女は無表情のまま、高笑いをし、そして不適な口調でまくしたてる。
そして俺の方を目だけでギョロリと見詰めた。

女『フムフム、君が男くんかな? いやぁ、先程は私のアーシアがお邪魔したみたいで、悪かったね』
女『しかし私はどうしてもこの子とネットする必要があったのだよ』
女『そのために実に手間取ったが、どうやらその甲斐はあったようだな』

男「お、お前は一体誰なんだ! さっき女を襲った奴と関係があるのか!?」
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:38:32.97 ID:ik2wUC2Z0
支援
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:42:31.46 ID:B/aO/rO90
女『関係があるもなにも、アーシアをけしかけたのは私なのだよ?』
女『ま、それは君の知る由のないことだったね、すまないすまない』
女『彼女の応対はどうだったかね? 私がしつけたんだが、何か粗相をしなかったかな?』

粗相……だと? あれをそんな一言で片付けるつもりかよ、こいつは……?

女『いやはや彼女はどうも私といる時とそれ以外で、人格サブルーチンを切り替えてる節があってね』
女『私もそちらにお邪魔した『アーシア』がどんな感じだったのか把握していないんだよ』

男「て、てめぇ! あんなことしておいて、知らねぇで済ますつもりなのかよ!?」

女『あんなこと? 彼女は態度はともかく命令には忠実なはずなんだが……う〜む』

そいつはしばらく悩んでいたようだが、すぐに合点がいったのか、

女『あぁ、なるほどそういうことか。いやいや、その女さんを襲えってのは
女『私の命令でね、彼女はそれに従ったまでなんだよ。誤解を招く表現だったか、すまないね』

こいつ、どこまでもふざけやがって!
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:47:55.47 ID:B/aO/rO90
女『う〜む、それじゃあこれで手を打とう!』
女『先程のお詫びに、私が君の疑問に答えて差し上げよう、これでどうだね?』

男「――くっ!」

ふざけた野郎だ、まったく頭にくる。

だが今は情報が必要だ、聞き出せるだけ聞き出しておきたい……。

男「てめぇは誰なんだ、なんで女にこんなことをしたんだ!」

女『おいおい、同時に複数質問をするのは無礼ってもんじゃないかい、男くん?』
女『まぁ今回は特別に答えてやらんでもないさ。といっても、私が何者かについては答えられないけどね』

男「くそっ!! 馬鹿にしやがって!」

俺は再び女の首筋に手を伸ばす。すると、女の手がまたしても俺の手を掴み、

ギリギリと締め上げていく。

女『だからやめとけ、っつってんだろうが物分りの悪ぃガキだな、おい』
女『今その嬢ちゃんがどうなるかは、オレの胸三寸にかかってる、って理解してねぇのかよ?』
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:49:43.02 ID:i+lHyBCii
>>233
ガンガン続けろ
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:51:10.65 ID:ekrUucSzO
女「オアッwwwオアッwwwwww」
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:52:55.79 ID:B/aO/rO90
男「なっ!?」

いきなり口調が粗野になったぞ。だがそんなことよりも、俺には訊くべきことがあった。

男「そりゃあ一体どういう意味だ、え?」

女『だからよぅ、オレがその気になりゃあその嬢ちゃんの脳を、
女『今すぐこんがりローストしちまうのも楽勝なわけよ、分かる?』
女『テメェに今出来ることは大人しくオレの話を聞くことだけなんだよ』
女『いい加減その辺理解しろよ、これだからガキは嫌なんだよ』

男「…………っ!」

女『で、オレがなぜこんなことをしたか、についてだったな、え?』
女『一言で言やぁ、嬢ちゃんをボコボコにして、こうして端末に繋がせて、
女『オレがネットするチャンスを作ろう、ってのが一番の目的だな』
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 22:57:43.69 ID:i+lHyBCii
>>236
うんうん
どんどん続けろ
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:01:01.03 ID:B/aO/rO90
女『最後に嬢ちゃんの『中』にオレの特製プログラムをアーシアに入れさせたよな?』
女『アレで嬢ちゃんの体の自由を奪っただけじゃなく、嬢ちゃんのネットする機能も
女『一時的に停止させてもらったわけよ、つまり本部に救助を要請するには、
女『ネット出来る端末が必要不可欠、って状況を作らせてもらった、ってわけだ』
女『ドゥーユーアンダスタン?』

そうして女が俺の端末からネットするのを悠々と待っていやがった、ってわけかよ……。
俺はそんな罠にも気付かずまんまと乗せられちまった、ってわけか……くそっ!

女『おっとあんまり自分を責めんなよ少年?』
女『その嬢ちゃんにはその時一緒に、時限起動式の自壊プログラムも入れといたんだ』

男「な、なにっ!?」

女『だぁら落ち着けっての。そりゃあオレがもう解除してやったさ』
女『つまり嬢ちゃんを助けるには否が応にも一度俺にハックさせる必要があったってわけだ』
女『だがいいじゃねぇかよ、オレはその嬢ちゃんに用がある、嬢ちゃんはオレに用が出来た』
女『つまりオレらの利害は一致してるわけよ、それの何が問題なんだ?』

こいつ……いけしゃあしゃあとふざけた事を……!
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:02:57.93 ID:i+lHyBCii
>>238
よしよし
さっさと続けろ
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:06:02.83 ID:B/aO/rO90
男「……その、女への用ってのは何なんだよ」

女『そいつはちょっと言えねぇなぁ、オレ様のグレートな計画が破綻しちまう』

???『(ザァザァ)……くん、やは、彼女に、触してき、か。網を、ってお、たのは正、だった、うだな……』

女『なに――っ!?』
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:09:12.30 ID:0qjDQvex0
何事
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:12:33.52 ID:B/aO/rO90
その声もまた、女の口から発せられるものだった。

だがその口調、そして会話の流れから見ても、おそらくまったく別の人物だろう。

???『……君が『その』機体から情報を得ようとしたように、
???『私もまたその機体から情報を得ようとしたまでだよ』

女『まさか、オレがそいつをハッキングすることを読んでいやがったのか!?』

???『その機体に寄越した護衛を倒してしまったのはマズかったね』
???『おかげで次のターゲットがその機体であることはすぐに分かった』

女『だがなぜオレがこいつに直接ネットする、だなんて分かった!?』

???『物理的な接触はこれまで散々試みて失敗していたじゃないか?』
???『だからそろそろ別の趣向を凝らしてくるだろう、と踏んだまでさ』
???『他にも数パターンの接触法を予想し網を張っていたが、
???『まさかこんな方法を試してくるとはね、君ならもう少し頭のいい方法が思い付いたろうに』
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:13:38.55 ID:i+lHyBCii
>>242
どんどん続けろ
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:20:10.87 ID:B/aO/rO90
???『だがお陰で君の計画を阻止する糸口が掴めそうだよ』
???『君には過去に色々と世話になったが……』
???『まさか君の馬鹿さ加減に感謝する日が来るとは、皮肉なものだね』

女『畜生ッ!!』

いったいどうなっているんだ、俺はどちらを味方と見做せばいいんだ?

いやそもそも、こいつらは誰で何を企んでいやがる……?

???『さて、男くんと言ったね』

男「――っ!?」

???『私はその『女くん』を用いた計画の、責任者の一人だ』
???『今し方君と話していた男の手によって、その子の脳には重大なトラブルが発生している』
???『それを取り除くためにも、その子のボディを回収したい』
???『今すぐ人をやるので、彼らのその子のボディを差し出してくれたまえ』

女『させるかっ! アーシア、行け!!』
女『……いいか坊主、その嬢ちゃんを本当に救いたいなら、オレにつけ!』
女『アーシアを送った、さっきのガイノイドだ。そいつに嬢ちゃんを差し出せ、いいな!』

男「………………」
――
ここで安価なんて出したら叩かれそうだなぁ……
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:20:17.96 ID:dAzJmiC3O
三ノ宮
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:21:42.07 ID:i+lHyBCii
さっさと続けろ
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:22:38.67 ID:JkhkJw430
マジで頑張れ。wktkしてるから
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:23:37.98 ID:gquiDi1EO
スレタイ見てこないだ見たトランスフォーマー思い出した
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:24:56.92 ID:h28IUOwjO
この状態で女をハックしている二人に早口言葉を言わせると面白いことになりそうだ
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:26:27.04 ID:nh5yrBt90
男が勉強して修理でよくね?
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:27:24.27 ID:B/aO/rO90
どちらを選ぶような間もなく、階下でインターホンが鳴った。

この状況で、まったく無関係の来客、なんてのは万に一つもありはしないだろう……。

いったいどっちだ……?

男「…………」

階下に降りると、俺は玄関の覗き穴から外を窺う。

立っていたのは、一見すると宅配業者然とした格好をした、大柄な男だった。

大男「すみませーん、荷物を引き取りに参りましたー」

荷物を引き取りに、ねぇ。俺は当然そんなもの頼んでいない。

これはつまり、あの責任者とかいう奴が寄越したに違いない。

とすれば、俺がすべきことは………………。
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:28:20.33 ID:i+lHyBCii
さっさと続けろ
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:31:34.61 ID:B/aO/rO90
俺は二階へ戻ると、女の様子を確認した。

端末の電源は、切れている。女も先程とは違い、物音一つ立てず、微動だにしない。

どうする、ここから動かすにはケーブルを抜かなくてはなららないが、

突然抜いたりして問題が起きないだろうか……。

俺は女の首筋に手を伸ばし、そしてそこに繋がったケーブルの先端を摘む。

そしてゆっくり力を込め、少しだけ引き抜いてみる。が、女に異常が起きる様子はない。

そのまま一気に引き抜くと、俺は女の体を抱え階下に降りた。

そして……、

先程から喧しく鳴り続けているインターホンは無視し、

静かに裏口へと回り、外へ出た。
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:33:16.49 ID:dLuyNePs0
支援
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:34:45.68 ID:B/aO/rO90
男「――!? くそっ!」

だが、裏には玄関の大男と同じ制服を着たものがいた。

どうやら俺の行動を予想して先回りされていたらしい。

俺は女を抱えたまま後退し家の中へと戻るが、そいつは驚くべき速度で間合を詰め、

裏口の扉をタックルで破壊しつつ中に侵入してきた。

男「っく! こいつもロボットかよ!?」
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:40:08.94 ID:B/aO/rO90
するとその気配を察知したのか、表にいた大男も同じく扉を破壊して中に侵入する。

俺はリビングへと逃げ、その窓から庭へ逃げようとした。

が、それすら読まれているのか、リビングの前の庭にももう一体のロボットが……。

そうこうしているうちに、侵入してきた二体もリビングへと駆け付けた。

三体のヒトガタに密室の中で追い詰められたわけか、さすがに万事休すか……。

その時、二階から凄まじい轟音と、家全体を揺らす振動が響いた。

かと思えば、何かが天井を突き破り、リビングにいたロボットの一体に激突したのだった。

男「な、なんだ!?」
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:45:02.63 ID:i+lHyBCii
さっさと続き
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:47:19.74 ID:B/aO/rO90
舞い上がる粉塵の影に見え隠れするその姿は、少女のものだった。

露出の高い服を身に纏い健康的な肢体をさらす彼女の手には、

その矮躯には不釣り合いな得物を携えていた。

それは、箱としか言い様がなかった。

黒光りする、鉄製の箱。長さ1メートルはあろうかというその箱は、

少女の右手にアタッチメントか何かのように装着されていた。

そして彼女の腕と反対側に穿たれた穴からは、太く鋭い杭が伸びていた。

よくロボットなんかが武器に使っている、パイルバンカーという奴だった。

???「お待たせした上に屋根と床をぶち抜いてしまったみたいで申し訳ありません」

全然申し訳なくなさそうな顔で、少女は言った。

男「アーシア、か……?」

アーシア「何如にも。今後ともよしなに」
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:54:30.96 ID:B/aO/rO90
ア「ふむ、今度の獲物は戦闘用にチューニングされた義体のようですね」
ア「これは久し振りに腕が鳴ります」

アーシアはさっきの去り際と同じく不適な笑みを湛えて、残り二体のアンドロイドを一瞥する。

ア「さて男さん、危険ですので避難するなり物陰に隠れるなり読経するなり憲法九条暗唱するなり
十字を切るなり二拝二拍手一拝するなりコー○ンの音読をするなりお好きにどうぞ」

男「……じゃ、じゃあせっかくだから避難するのを選ばせてもらうよ」

ア「了解しました。ただしあまり遠くには行かない方がいいですよ」
ア「こいつらの仲間がどこで待ち構えているか分かりませんので」
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/23(火) 23:59:58.24 ID:Ikb6skTgO
追い付いただと?!

寝れないじゃないか…



またひまっぴーがまとめてくれないかな…
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:01:50.23 ID:hAsNmSaD0
言うなりアーシアは、室内にいたもう一体のロボットへ向けて疾駆する。

そのまま杭を打ち込もうとするが、相手はそれを見た目に反した機敏さで躱すと、

アーシアの横腹に渾身の殴打を加える。

パイルバンカーの側面で打撃を防御するが、勢いまでは殺せず、

アーシアは壁を比喩でなくマジで突き破り、隣の部屋まで吹っ飛んでいく。

男「お、俺の家が……」

しかし、次の瞬間には体勢を立て直したアーシアが敵に向かって突進する。

アーシアの予想外の復活の早さに、敵は判断が一瞬送れたらしい。

それは人間同士ならいざ知らず、ヒトガタの対決においては十分な隙となった。

得物を両の手で構えるアーシア、次の瞬間にはその杭が敵を穿つだろう。

だが、庭にいたもう一体のロボットが、アーシアの側面に向けてタックルをかます。

己と敵の脚力の両方を加算した運動エネルギーが、再びアーシアを吹っ飛ばす。

が、それすらものともせず、すぐに得物を構え直すアーシア。

こいつ……、不死身かよ……。
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:08:24.74 ID:hAsNmSaD0
ア「どうやら、このような狭い戦場で大振りな武器は少々不利なようですね……」

言うなりアーシアは、一度構え直したパイルバンカーを、ガチャガチャと駆動音をさせながら腕から外す。

っていうかそれ、一体どういう形にくっついてやがんだよ……。

少女の腕が内側から展開して特大のパイルバンカーと合体するところ、あまり見たくはない。

そして身軽になったアーシアは、何か拳法のような構えを取った。

ア「徒手空拳はロマンに欠けるのですが……」

そういう問題だったのか……。

先程とは打って変って、ジリジリを間合いを測る三者。

一触即発、触れたら切れるワイヤーのような殺気が絡み合う。

それを最初に破ったのは、敵の一体だった。
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:09:00.69 ID:4jpYsdm0O
ダメだ眠い…


誰か朝まで保守を頼む…


もしくはひまっぴーよ… まとめといてくれ…ガクッ…
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:10:41.00 ID:hAsNmSaD0
こういう無駄に長い描写飛ばしてさっさと終わるべきですか?
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:13:38.15 ID:B2bbU+T1P
自分の書きたいように書け
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:18:03.74 ID:hAsNmSaD0
アーシアに向けて疾駆するロボット。

しかしさっきのような勢い任せの猪突猛進とは違う。

アーシアの一挙手一投足に注意を払い、アーシアの何如なる反撃も凌いでみせよう、という意思の宿った疾駆だった。

対するアーシアもまた、何如なる攻め手も通じぬとばかりに、射貫くような視線で敵を見据える。

そうしてぶつかりあう両者。

敵は渾身の正拳突きを繰り出す。それをアーシアは、必要最低限の動作でいなすと、

突き出された敵の腕を狙い掌底をぶつける。

骨、というより鉄筋が折られたのかとさえ思える音が響き、敵の右腕はあらぬ方向へと曲がる。

ア「何如な強靭なアンドロイドと言えど、それが人の造物である以上ウィークポイントは必ず存在する――」
ア「まして渾身の力を込めて引き伸ばされた関節だ、然るべき角度で然る可き方向へ曲げれば、この通り――」
ア「お前木偶人形、千騎束になっても私には勝てない――」
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:20:46.57 ID:2nsZXqbk0
今北
これから読む
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:25:46.49 ID:hAsNmSaD0
そんな挑発にも表情一つ変えず、臆することなくアーシアへと襲い掛かるロボットたち。

が、二体による完全なタイミングの波状攻撃さえ、アーシアには届かない。

敵の直線的な打撃を、アーシアは傍目にはほとんど力を使うことなく、

ただベクトルをほんの少しズラしてやることで、易々と躱してみせる。

そうして生じた敵の隙を決して見逃さず、確実に敵にダメージを与えていく。

そんなことを繰り返すうちに、敵は体中の関節を破壊され、無様に地面に這い蹲った。

二体の地を這う敵を感情の込もらない目で一瞥したアーシアは、

一度は置いた得物を再び手にすると、未だ諦めようとしない敵に止めを刺した。
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:32:33.35 ID:hAsNmSaD0
半壊した家の中で、動くものは俺とアーシアのみ。女は一向に意識を取り戻す様子はない。

いや、動くものはもう一人いた……。

白衣を着た、何如にも怪しげな中年の男。

細い、細すぎる不健康な体躯に無精髭、しかも表情まで怪しいときた。最悪だ。

白「その様子だと、どうやらどっちも選ばなかったみてぇだな、え?」
白「ま、次善の選択って奴だな。最良はオレにその子を渡すこと。最悪は奴に渡すこと」
白「最良ではなかったが、最悪でもなかった、ってことで今回は特別に褒めてやっかな」

男「……アンタは?」

白「俺か? オレぁそこのアーシアの保護者に決まってんだろ」
白「そうだなぁ、うん、ドクター・イーストとでも呼んでくれ、それがいい」

男「……分かりました、東博士ですね」

白「うわっ! なんでオレの名前が分かったんだよ、え!?」

男「……アンアバカ? ひょっとしてアンタってすっげぇバカ?」
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:37:21.56 ID:hAsNmSaD0
男「さっきの女のOS、グレートドクターアズマだったし……」
男「しかもアンタ今自分でイーストとか名乗ったじゃねぇか」

白「う……ぐっ……、フ、フハハハハ! 少年よ、実はなかなかどうして頭が切れるじゃないか!」
白「見直したよ、この私から一本取るとはねぇ!」

あ、こいつ猫被りやがった。

白「で、なんで博士だって分かったんだよ……」

男「いや、ハッキングにも精通してそうだし医者というよりは博士かなと」
男「でもOS作ったりハッキングしたりって、アンタようするにプログラマなんじゃねぇか」
男「なんで白衣なんか着てんだよ意味ねぇだろ」

白「それはだなぁ、その方が格好良いからに決まってんだろバーカ!」

うわぁ、俺こんなアホにさっきまでいいように乗せられただなんて……。
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:39:30.58 ID:lIZy+MGZ0
ドクターウェスト臭がwwww
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:40:48.30 ID:hAsNmSaD0
>>271
エルザは昔のゾンビ映画の主演女優
アーシアも同じようなとっから取りました
ヒントはロメロですのでよければ推理してください
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:46:39.42 ID:hAsNmSaD0
東「ま、正直なとこ嬢ちゃんを傷付けたのは悪いと思ってるさ」
東「だがオレにはどうしてもやらなきゃならないことがあった」
東「ま、それはさっき失敗しちまったがな」
東「しかしその嬢ちゃんさえこっちにあるなら十分だ、まだ挽回出来る」

言いつつ東は女の体を俯せにすると、懐から取り出したモバイルに繋がったケーブルを、女の首筋に挿した。

東「さ〜てオレの可愛いベイビィはどうなってるかなと……ん?」

男「どうしたんだ……?」

東「………………っ! くそ! やられた、この嬢ちゃんのじゃねぇ!!」

男「な、ちょ、どういうことなんだよ!?」
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 00:49:18.82 ID:hAsNmSaD0
東「ボディが挿げ替えられてやがる……、このボディを本物の嬢ちゃんが遠隔操作してたんだ!」

男「っ!? じゃあ、本物の女は別の場所にいるってのか!?」

東「そうだ……。くそっ、通りでこんなお粗末な作戦が上手くいってたわけだぜ」
東「網張るだけじゃなく疑似餌まで撒いてやがったとは……」
275>>1:2009/06/24(水) 01:01:18.85 ID:ZVX1wTQR0
さるさん食らいました……
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:01:40.88 ID:hAsNmSaD0
男「ちょっと待て、女は自発的にあの責任者って奴に協力してんのかよ?」

東「さぁね、そいつぁオレには分からねぇよ……。確かめたきゃ嬢ちゃんに直接訊くんだな」

男「女の居場所が分かるのか!?」

東「うるせぇ! そいつが知りたいのはオレの方だ!!」
東「こっちは必要な情報は何一つ得られず、奴らにこっちの情報だけ奪われちまった」
東「その情報が解析される前に嬢ちゃんを回収したいが、完全に八方塞がりだ、手掛かりはない」

男「……その情報ってのが解析されたらいったい何が起こるってんだよ?」

東「ふんっ、俺が作ってあの嬢ちゃんの兄弟姉妹らに仕込んでたプログラムが解除されちまうんだよ」

男「そのプログラムってのはなんなんだよ」

東「連中の計画を一網打尽にする破壊プログラムさ」

男「……なんだって?」
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:04:00.00 ID:hAsNmSaD0
あまり投下するとまた食らいそうなので少しペースダウンします
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:04:30.76 ID:VVeqBVPI0
なんと
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:13:18.35 ID:hAsNmSaD0
東「あの嬢ちゃんたちのOSには、情報を収集し、学習し、
東「自分を進化させられるプログラムを仕込んでおいた……」
東「それは仕込まれたアンドロイドがネットする度に学習し、
東「自分と繋りのあるネットの範囲がどこかを知るようになる」
東「そしてオレの命令が下った瞬間、自分が繋がっている
東「全てのテクノロジーを破壊し尽くす、そういうプログラムだ」

男「………………」

東「しかしそのプログラムを保持した『キャリア』は山ほどいても、
東「オレの命令を受け付け実行に移せるほどの『ホスト』はそうそういない」
東「いたとしても、連中に先に嗅ぎ付けられて、その個体だけ破壊されるだけだ」
東「オレはもう何年も、俺が命令を下せる『ホスト』を求め歩いた……」

言うなり東は、自嘲のような笑みを受かべた。

東「そうして次のホストとして見付けたのが、あの嬢ちゃんさ」
東「オレは何としても嬢ちゃんと接触したかった……」
東「だが、今までの方法ではだめだった。だからオレは考えた」
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:23:32.91 ID:hAsNmSaD0
男「それで、物理的な接触じゃなく、ハッキングを試みた、ってわけか?」

東「そうだ。だがどうやら勇み足だったらしいな、見事にはめられちまった」
東「プログラムの抽出法が割れた以上、無力化されるのも時間の問題だ」
東「そうなりゃオレの計画も終わりだな、ハハハ」
――
すみません、中途半端ですか今日はこの辺で終わります

朝か昼頃再開したいと思ってますが、今度はさすがに落ちるかもしれません……
もし落ちてたら加筆修正をしてまた立て直します
それではノ
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:25:54.41 ID:56k+RleuO
お疲れ。
まじで応援してるぜ ノシ
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 01:48:06.41 ID:pfxc6gvx0
面白かった ほ
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 02:02:02.66 ID:cGZLPCFLO
お疲れ!
就寝保守
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 02:46:41.21 ID:/vVGBZyWO
         


285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 03:16:51.97 ID:/vVGBZyWO

 ホ

286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 03:43:52.21 ID:2T9SZVAa0
まだ続いてたのか素晴らしい。
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 03:44:13.95 ID:Ldh7YVgzO
保守
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 03:58:03.57 ID:R3ExJ93eO
ふふっ…
落とさせはせぬ!!
断じて!!
落とさせはせぬわぁ!!
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 04:21:34.86 ID:kl4X4Ks7O
落ちるわけ… なかろう
落ちるわけ!
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 05:06:30.57 ID:OT0iqqgQO
ここまで凝ったのは初めてだな
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 05:54:12.48 ID:/vVGBZyWO
HO
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 06:21:46.72 ID:ovp74ykoO
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 06:48:36.28 ID:iVMDXF2G0
死守…してみせるさ…
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 07:08:34.92 ID:pWpSJlBDO
追いついた
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 07:33:09.31 ID:/vVGBZyWO
あげうどん
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 08:21:35.08 ID:yfVEeyeO0
ほす
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 08:37:16.20 ID:bkmfO3mri
少女ロボッ子バトルコメディをVIPで見れるとは・・・
全力で支援させて貰う!
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 09:01:40.29 ID:3+oBz6f2i
待ってる
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 09:54:53.71 ID:yfVEeyeO0
ホッシュ
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 10:46:36.55 ID:FtXPV2MhO
続き
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 11:12:05.10 ID:ovp74ykoO
まだかよ
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 12:00:49.19 ID:ovp74ykoO
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 12:32:54.56 ID:3+oBz6f2i
待ってる
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 12:42:46.60 ID:kl4X4Ks7O
ヘイ! ラーメン半チャン定食お待ちッ!
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:02:56.61 ID:3+oBz6f2i
待ってる
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:06:01.28 ID:ki+yPcjF0
なんだ舞台はアメリカと中国の戦争で世界が灰に沈んだ世界のウェイストランドと呼ばれる地で
そのリベットシティという街のガードの主任が自分がアンドロイドって事に気付いたって話じゃないのか
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:08:38.69 ID:LUHInsn30
>>306
箱に帰れ
配信きてるぞ
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:36:24.70 ID:ki+yPcjF0
>>307
うるせえ
俺はPS3派だ
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:51:06.55 ID:kl4X4Ks7O
タリファの子守歌
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 13:56:36.21 ID:R3raMvpAi
>>308
配信なくて涙目www
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 14:03:41.82 ID:H26oc0bR0
まだなのか・・・
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 14:05:21.03 ID:j4KsdDxoO
保守スレにならなきゃいいがね
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 14:57:18.02 ID:yVk0ypBMO
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 15:31:26.36 ID:3i6Mzk6h0
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:02:24.81 ID:OlejlMdtO
まだかなぁ
316>>1:2009/06/24(水) 16:09:15.44 ID:hAsNmSaD0
すいません、家族でのPC争奪戦がありまして
一時間ほど時間を確保してきました
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:10:55.92 ID:3i6Mzk6h0
キター
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:21:35.67 ID:hAsNmSaD0
男「……女が直接アクセスしたログなんかがあれば、そっから女の居場所を特定出来ないか?」

東「フンッ、んな不用心なこと連中が許すかよ」

男「いや、一つだけある……。女が直接ネットし、放置されたログが……」

東「なにっ!? 出せ、さっさと出せ! 早くあの嬢ちゃんを見付け出さないと手遅れになるんだぞ!!」

男「……一つ、条件がある。俺も……連れていけ、女のところへ」
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:23:59.98 ID:++jajwHz0
支援
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:26:30.00 ID:hAsNmSaD0
東「………………」
東「敵の本拠地なんだぞ、鬼が出るか蛇が出るか分かったもんじゃない……」

男「構わないさ、ただ連れていってくれるだけでいい。邪魔になったら切ってくれて構わない」

東「……いいだろう」

男「女は以前……、俺のモバイルに直接ハッキングしてきたことがある……」
男「俺が女から正体を聞かされた日のことだ」

東「……モバイルか。それは今手元にあるのか?」

男「もちろん。こいつだけは肌身離さず持ってるからな」
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:32:33.67 ID:hAsNmSaD0
東は俺から受け取ったモバイルと自分のそれとを繋げると、何やらよく分からない操作を始めた。

東「……だめだ。どうやら嬢ちゃんは今、完全にネットから隔離されたスタンドアローン状態にある」
東「これじゃあ居場所を特定することは出来ない……」

男「そ、そんな……」

東「だが――」

言うなり東は、俺にモバイルのモニターを見せてきた。

東「でかしたぞ、あの嬢ちゃん。オレに電脳ハックされながら、お前のモバイルにメッセージを送っていやがった」

男「メッセージだって!? ちょ、ちょっと見せてくれ」
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:34:07.27 ID:kl4X4Ks7O
鍋焼きうどんを食べながら支援
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:39:19.02 ID:hAsNmSaD0
女『このような形でしか連絡差し上げることが出来ないことをお許しください』
女『このメッセージをお聞きになっている頃には、
女『私は男さんに多大な迷惑をかけてしまっているのではないでしょうか』
女『迷惑ついでに、『私』の生まれて初めての言い訳、というものを聞いてやってください』
女『私は、とある男の計画を阻止するため、別のボディを遠隔操作しつつこの数日過ごしていました』

男「………………」

女『このメッセージが届いている頃には、その作戦は十中八九成功しているものと思います』
女『ただしこの数日、私なりに色々と考えてみた結果、それはあなたにとっても、
女『そしてもう一人の『私』にとっても不本意な幕引きなのではないか、という結論に達しました』
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:43:47.47 ID:iVMDXF2G0
保守したかいがあった…いいぞもっとやれ
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:45:09.22 ID:hAsNmSaD0
女『男さんは優しい方です。『私』や、『私』を必要としている計画の存在を、
女『内心では容認出来ていらっしゃらないのではないか、と私は考えます』

男「――っ!」

女『男さんとしては、私が阻止しようとしていた「ある男」の計画、の方に共感なさるのではないでしょうか』
女『もし私の『見る目』が確かなら、男さんはきっとこの情報を必要としていることでしょう』
女『そう思いまして、必要なものを添付しておきました』
女『これをどうするかは、男さんにお任せします』
女『もしこのメッセージを消去した場合、データを復元不能なよう完全削除するためのプログラムを仕込ませていただきました』
女『もしその方に賛同出来ないようでしたら、安心してこのメッセージごと消去してください』
女『それでは……、男さんの満足のいく結果になってくれることを祈っています』
女『男さんの……、もう一人の幼馴染より』

男「………………」
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:50:11.11 ID:hAsNmSaD0
女の言う通り、このメッセージにはファイルが添付されていた。

この中に、俺の必要としている情報が……。

東「どうするかは、お前に任せてやるよ」
東「どの道オレは、奴に負けたんだからな……」

男「……あんたの言ってることが真実かどうか、そしてあんたが内心何を考えているのか……」
男「俺には未だ何一つ確証が持てない。そんな状態で、いきなりあんたを信じろ、ってのは無茶な話だ」

東「………………」

男「でも……、このメッセージは確かに『アイツ』のものだ」
男「俺は、もう十年以上も『アイツら』と一緒にいたんだ」
男「そんな『アイツ』が、俺はきっとこっちを選ぶだろう、っつってんだ」
男「だったら、ウジウジ考えてる必要はない……」

男「……このファイルを、開いてくれ」
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:55:14.42 ID:UjCPsHAxO
追いついたのにこれからバイトとかorz
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 16:55:37.57 ID:hAsNmSaD0
女からの添付ファイルは二つあった。

一つは、女が今いる場所を伝える、もう一件のメッセージ。

そしてもう一つは、俺にはよく分からない種類のファイルだった……。

東「……それは、GDA2.0上で使う実行ファイルだ」

女によって伝えられた場所へ、東の車で向いつつ、彼は俺に言った。

東「どうやら嬢ちゃんは、そいつを自分の中で実行してほしいみたいだな……」

男「……それで、何が起こるんだ」

東「さぁね。オレのメインマシンで逆アセンブルしてみりゃどういうファイルか分かるだろうが」
東「ここにあるテクノロジーじゃちょいと解析は無理だな」

男「このアーシアで実行してみる……ってのは?」

東「おいおい、そんな得体のしれないファイルを俺の可愛いアーシアに使えるわけねぇだろが」
東「そもそもアーシアはGDA1.9、その実行ファイルとは互換性がないんだよ」
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:02:40.26 ID:hAsNmSaD0
男「その2.0とか1.9とか、どう違うんだよ?」

東「1.X系列はその名の通り、初めて実用化された脳のエミュレート機能を持つOSだ」
東「お前を襲ったロボットなんかに入れられてんのもみんな1.X系列だ」
東「もっとも連中の手の内にあるのは精々1.1止まりだから、性能はオレが独自に開発を続けた1.9には遠く及ばない」
東「アーシアが連中を圧倒したのもそのためだ。性能的にはさっきのロボット一体とアーシアはほぼ互角」
東「むしろアーシアの方が少しばかり劣ると言ってもいい。ロボットと言えどデカい方がパワーは出るからな」

男「2.0ってのは?」

東「オレが連中の仲間だった時に開発した、最後のOSだ」
東「1.X系列の、『ヒトの心』の模造品として不十分だったところを改善し、
東「ほぼ完全な『心』の模倣、エミュレーションを可能にしたソフトだ」
東「もっとも、そのOS自体に俺がさっき言ったバグを仕込んでたから、
東「連中も気安く量産するわけには、いかなかったようだがな」
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:04:07.23 ID:hAsNmSaD0
すみません、パソコンを家族に譲らねばならなくなりましたので、

またしばらく席を外します

夜の九時前後に再開しますので、それではノ
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:08:03.00 ID:E54Unv4UO
おつかれー
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:08:35.11 ID:pWpSJlBDO
ほんとに
しね
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:26:59.10 ID:VVeqBVPI0
>>332
適当杉ワロタww
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:41:47.50 ID:ucD4xEoOO
私、いつまでも待ってるから。>>1の事・・・絶対に・・・
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 17:44:22.62 ID:/vVGBZyWO
     ほ
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 18:28:01.10 ID:/Db1egddO
保守
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 18:47:15.83 ID:kl4X4Ks7O
さてお好み焼き保守
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 19:13:13.38 ID:Z7FyEj6cO
保守
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 19:39:56.61 ID:UjCPsHAxO
保守
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 19:55:06.25 ID:E54Unv4UO
もう一つあった
ロボ子スレは落ちた?
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 19:56:46.17 ID:nbXFsyyh0
そっちは爆発オチで終了
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 20:00:29.92 ID:EuLRcehr0
ロボ子スレこまめにリロードしとくんだった
気づいたら落ちてるとかねーわ
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 20:13:31.74 ID:hvhjAzuCO
ほーしゆ
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 20:47:00.42 ID:Xo7wH/MiO
み、見てるんだからねっ!
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:09:34.38 ID:iVMDXF2G0
死守
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:16:09.63 ID:pWpSJlBDO
ほんとに
しょう
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:18:16.22 ID:hAsNmSaD0
東「そうだアーシア、例のブツを渡しといてやれ」

ア「了解――」

言うと、俺と二人後部座席に座っていたアーシアは、俺に金属製の塊を手渡してきた。

男「……これは?」

それは、恐らく銃なのだろう。

恐らく、というのは、なんというかこう、ものすご〜く未来的なのだ。それも悪い意味で。

なんというか、SFかぶれの厨二漫画なんかが考えそうな

「出来そうでやっぱり結局出来なかった」未来的銃そのまんまの造形をしていたからだ。
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:19:43.35 ID:VVeqBVPI0
 *     +    巛 ヽ
            〒 !   
      +    。  |  |
   *     +   / /   
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / 
      ,-     f
      / ュヘ    |
     〈_} )   |   
        /    !
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
――――――――――――
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:26:42.70 ID:hAsNmSaD0
東「コイルガン、って奴だ。あの嬢ちゃんなんかに使われてる常温超伝導体を使ってんだが」
東「ま、連中の計画の副産物で作られたアブないオモチャってとこだな」
東「それとお前はアーシアを連れていけ、オレは別行動を取る」

男「……大丈夫かよ?」

東「舐めんなよ、ガキ。お前とは鍛え方が違うんだ」

男「……そうかい」

東「アーシア、中に入ったらそいつを連れて一直線に嬢ちゃんを目指せ」
東「俺に構う必要はない、いいな?」

ア「……了解しました――」
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:37:13.80 ID:hAsNmSaD0
男「そもそもお前、連中の仲間だったんだろ……」
男「それをなんでそう躍起になって潰そうとするんだよ?」

東「あの嬢ちゃんたちが、どういう目的のために作られたか、お前は知ってるか?」

男「……人間の精神の解明、が大義名分だったな」

東「……それを馬鹿正直に信じてんなら、俺はテメェを過大評価してたことになっちまうな」

男「………………」

東「連中の計画の末に嬢ちゃんたちに待ってる運命は、奴隷だ……」
東「なぜこんな大それたことを秘密裏にやってるか、それは全てロボットを奴隷として酷使するためだ」
東「どういう意味か、分かるな……?」
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:50:50.87 ID:4jpYsdm0O
C
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:52:31.65 ID:hAsNmSaD0
男「……大っぴらにやってしまうと、ロボットの人権問題が発生するから、か」

東「その通りだ。数十年前にクローンに成功した時にも似たような騒動があってな」
東「想像してみろ、もしそれが秘密裏に行われていて、今でも人のクローンが禁止されていなかったら、と」

労働力、軍事、あるいは奴隷。それに、金持ちの臓器移植のためだけに……。

東「そういうことだ。その二の舞になることを避け、こうして極秘に進められているわけだ」
東「そうして十分な成果を得られた、と判断された場合、本格的に裏の奴隷産業が動き出すことになる」
東「俺はそれを食い止めたくて、連中から離反し独り奔走している、ってわけだ」
東「……ま、ヒーローなんかとは程遠いがな。テメェのケツをテメェで拭こうとしてるだけだ」

男「………………」
――
支援ありがとうございます
今までに何度かさるさん食らってるのでマジで有り難いです
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:53:34.12 ID:++jajwHz0
せざるを得ない
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 21:54:24.35 ID:pWpSJlBDO
しったか乙
えなりかずき
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:00:45.96 ID:hAsNmSaD0
なるほど、女が言っていたのはそういうことか。

確かに、こいつの言っている通りだとすれば、俺にとって共感出来るのはこの東という男の方だろう。

男「……さっき、ホストはネットした全ての端末を破壊する、みたいなことを言っていたよな?」
男「それって、女や女のように人間社会に溶け込んでるロボットまで破壊する、ってことになるのか?」

東「ふむ、やはりそこに気付いたか。どうやら多少頭は切れるようだな」

男「………………」

東「オレはそのつもりだ。過ぎたテクノロジーってのは、あっちゃいけないものなんだ……」
東「オレは科学者として、そのことにもっと早くに気が付くべきだったんだ」
東「ロボットだけじゃない、そのプログラムが正常に作動すれば、
東「人類のテクノロジーは数世紀は後退するだろう、と俺は踏んでいる」

男「――っ!? じゃ、じゃあその影響で、罪もない人やロボットが死んでもいいって言うのか!?」

東「オレはそれでもいいと思っている」
――
>>354
それを言われると痛いですね
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:06:53.62 ID:hAsNmSaD0
東「だがね、同時にオレは、人間の叡智に対する希望、みたいなのも持ってんだよ」
東「それが、科学者ってもんだ。だからこそオレは、科学で人を救おうと躍起になってたんだ」
東「……この事は人類にとって大きな失敗だ。でもそこから学び、それを乗り越え、
東「再び人類は復活すると、オレは信じてる」

男「………………」

東「ま、どっちにしても今のオレにそれを決める資格はもうない」
東「『ホスト』である嬢ちゃんはお前を名指ししたんだ、お前が決めろ」

男「……んな重大な決断、俺一人に任せる、ってのかよ」

東「勘違いすんなよ、一人じゃない。二人、いや『三人』だ。そうだろ?」

男「………………」

東「この件について、オレはもう何も言わん。好きにしろ」
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:09:01.01 ID:hAsNmSaD0
一時間ほど車を走らせ、女が示した場所へ到着すると、

そこは一見すると荷物の配送センターか何かのようだった。

男「……本当にこんなとこに女がいるのかよ」

東「その嬢ちゃんを信じる、っつったのはテメェじゃねえか……」
東「ま、俺はここの存在なんて知らなかったがな」

男「……お前、連中の仲間だったんじゃないのかよ」

東「バカ言え、オレみたいな裏切り者が出た以上、それまでの拠点でそれまで通り出来るわきゃねぇだろ」
東「オレが装備整えていざ対決だ、って戻った時にはモヌケの空だったさ」

男「………………」
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:09:48.79 ID:nbXFsyyh0
支援
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:10:21.74 ID:E7NQUXrkP
自分はサイボーグだと思い込んでるだけで実は人間でしたって映画なかったっけ?
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:15:31.42 ID:hAsNmSaD0
東「さってと、じゃあ行きますか」

車から降りると、東は俺に渡した銃をそのままデカくしたような機関銃を手にした。

そして白衣のポケットに、弾の入ったカートリッジをいくつか、無造作に突っ込む。

東「……それとほら、これを着ろ。志半ばで鉛弾で死ぬのは御免だろ?」

つまり防弾チョッキか。俺は学生服の上着を脱ぐとそれを身に付け、

その上から再び学ランを着込む。

ふむ、頑丈なのに物凄い軽い材質で出来てるらしく、全然気にならないぞ。

ア「では行きましょう男さん、不用意に私から離れないで下さいね」

そう言うアーシアも、右手には既に例の得物が装備されている。

う〜ん、見れば見るほど巨大だが、重さなどないかのように担いでる様子は本当にシュールだ。

俺も、受け取った銃を手にすると、いくつかのマガジンを取りやすいポケットに入れ、二人に続く。
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:20:41.18 ID:hAsNmSaD0
敷地の外に停車した俺たちは、そこで二手に別れると、別方向から中を目指す。

ア「一応言っておきますが男さん、その銃の威力をあまり過信しないでください」
ア「精々が牽制や足止め程度です、それで倒せるとは決して思わないでくださいね」

そんな頼りないブツで大丈夫かよ……。

いやいや、俺はもともと切るなら切れ、ってつもりで来たんだ。贅沢は言うまい。

男「分かった。それじゃあ頼りにしてるからな、アーシア」

ア「――!」

俺がそう言うと、何故か驚いたようなきょとんとしたような顔をするアーシア。

なんなんだ一体……。っていうかこいつこんな顔も出来るんだな。
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:26:58.50 ID:hAsNmSaD0
ア「失礼ですが男さん、あなたは私が怖くないのですか?」

男「怖い……とは? なに、お前最後の最後で俺を背後から

男「その手にしてる杭でズバッ! とやるつもりだったのか?」

ア「別にそういうわけでは……」
ア「ただ、ついさっき会ったばかりの、しかもあんな邂逅のし方をした相手を
ア「よくもそれだけ信用出来たものだ、と呆れていただけです」

そういえば、俺とこいつはまだ数時間の関係でしかないんだっけ……。

最初よりもむしろうちに駆け付けてくれた時の印象が強くて忘れてた。

確かに、あの最初の出会いに着目すれば、俺は本来こいつにビビるか敵視するのが順当なんだろう。

男「ま、いいんじゃない? 溺れるものは藁をも掴むと……」

ア「私を過信されるのも困りますが、さすがに藁扱いは心外ですね……」
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:31:42.31 ID:nbXFsyyh0
支援
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:35:22.75 ID:UjCPsHAxO
支援
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:35:44.68 ID:hAsNmSaD0
言いつつアーシアは俺を半眼で睨み付けてくる。

こいつって結構自尊心が高いんだな。口調が割かし謙虚だから気付かなかったぞ。

しかもこんな軽口にまでマジになるとは、これはからかうと面白そうだ

男「冗談だって。お前がどれだけ頼もしいかはよく知ってるつもりだ」
男「俺んちに来てくれた時のお前、そりゃあもう格好良かったぞ?」
男「ヤバくなったら頼むぜ?」

ア「な――!? いや、わ、私はその、博士に仰せ付かったから
ア「あなたを護衛しているだけです! それ以上でも以下でもありません!」
ア「だから邪魔になったら遠慮なく捨て置きますから!」
ア「だから、精々邪魔にならないよう自重してくださいっ!」

やっぱり面白かった。しかしこいつツンデレだったのか……。

いや、これは単に褒められ慣れてない、って感じだな。

東め、子供は褒めて育ててやるものだぞ、しっかりしやがれ。

にしても、これ以上からかうとマジで後ろから刺されそうだ。

この辺で自重しておこう。
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:40:18.33 ID:hAsNmSaD0
というより私が楽しんで書いてる部分は概ね評価が低そうですので……
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:41:53.27 ID:iVMDXF2G0
しまむら
ええかんじにださい

368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:44:21.60 ID:gSg8OfRJ0
>>366
評価とかどうでもいいから早く書いてね
続き待ってるんだから!!
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:45:44.16 ID:++jajwHz0
こまけぇこたぁ
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:48:17.61 ID:hAsNmSaD0
アーシアは巧みに見張りの死角をつくと、俺を先導しつつビルの一つへと近付いていく。

男「おい、確かにあのビルが怪しいっちゃ怪しいが、一直線にここ目指してたけどいいのか?」

ここの敷地は随分と広い。一際目を引く本部らしき建物の他にも、いくつかこじんまりとした建物はいくつかある。

そのどこに女がいるか分かったもんじゃない。

ア「大丈夫です。女さんのメッセージによれば、この大きな建物の中で間違いありません」

男「で、東の奴はどこへ向かってんだ?」

ア「博士も目指しているのはここのはずです」
ア「私たちが表で起こす混乱に乗じて裏から入るつもりのようです」

男「……俺たちゃ陽動ってわけかい」

何が決断は任せる、だ。いい感じに損な役回してきやがって……。

男「そんな派手なことして本当に女のところへ辿り着けるのかよ?」

ア「その点はご心配なく」

言うとアーシアは、またあの不適な笑みを受かべる。

ア「『行き』は確実に届けてみせますよ、女さんのところへ」
ア「ただし『帰り』の保証は出来ません」

心配だ……。
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:56:13.93 ID:hAsNmSaD0
ア「では、陽動は陽動らしくケレン味たっぷりで行きましょう」

言うとアーシアは、俺たちが隠れて本部を覗いていた物陰から飛び出すと、

入口の前にいるガードマンらしき男たち(恐らく連中もロボットだろう)へ向けて得物を構えた。

男「っておい!? 十メートル以上あるじゃねぇか、この距離じゃ杭は届かな――」

と俺が思わず叫んだ矢先、アーシアの武器から一瞬紫電が巻き起こったかと思うと、

俺の叫びを掻き消す轟音と共に、アーシアの右手が火を吹いた。

右手の武器から発射された『何か』は、光の軌跡だけを残し、

目にも止まらぬ速さで敵ごと入口に着弾すると、壁を破壊し粉塵を巻き上げ、

敵もろとも建物の壁面に大きな傷痕を穿つ。

男「な……、なんなんだ、今のは?」

ア「ただのレールガンですよ、このような開けた場所でしか使えない不便極まりない道具です」

もう、やだ……。
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 22:58:20.02 ID:8+k8uAnYO
支援
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:00:19.60 ID:pWpSJlBDO
しきおりおりの
えんたーていんめんと
んん…はいってる…
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:01:48.30 ID:hAsNmSaD0
あ〜、まだ網膜にさっきのマズルフラッシュが焼き付いてやがる……。

レールガンは発射の瞬間に弾丸後部の伝導体がプラズマ化するというが、恐らくそれだろう。

っくしょう、耳鳴りまでしやがって……。

男「一つ訊いていいかな、レールガンって奴ぁそんな小型化出来るもんだっけ?」

ア「仕組み自体は簡単で日曜大工でも出来ますからね。電源さえ確保出来れば可能です」

男「……その電源ってのは、いや聞くまい。聞くとお前から半径100km以内にいたくなくなりそうだ」

どうせ小型の常温核融合炉とかそういうオーバーテクノロジーが飛び出すんだろ?

俺だって学習するんだ、いくらなんでも世の中には知らない方が幸せなことだってある、うん。
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:07:16.10 ID:hAsNmSaD0
俺たちは半壊したエントランスをくぐり、建物の内部へと悠々と侵入する。

すると、案の定数体のロボットが駆け付けてきた。

男「やっぱ、そうなるよな。悲しいけどこれって陽動なのね……」

敵に向けて、俺は銃を構えた。さっきのを見たあとだと、こんなものおもちゃにしか見えないけど……。

ア「下がってください男さん、ここは私に任せてください」

そう言うとアーシアは、俺を押し退けるように敵へと突っ込んでいった。

ここから先は語るべくもない、アーシアは戦い、そして勝った。
――
省略された部分を見るためには(ry
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:10:37.53 ID:VVeqBVPI0
そろそろバトル書くのだるくなってきたか
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:12:10.27 ID:hAsNmSaD0
馬鹿な、厨二病末期の俺がダルくなるわけないじゃないか

ただバトルになると支援率が……
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:12:15.50 ID:iVMDXF2G0
ワッフルワッフル
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:14:56.49 ID:VVeqBVPI0
ならば書け書けーわっふるわっふるー
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:16:36.15 ID:pWpSJlBDO
みんな見(いっ)てるからレスしないだけだ
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:17:28.49 ID:hAsNmSaD0
じゃあバトル書くことにします

バトルになると筆者が熱くなるので、もし冗長になったらすみません
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:20:09.76 ID:hAsNmSaD0
敵へと果敢に突っ込んでいくアーシア。

敵は統率の取れた完璧な動きでアーシアへと攻撃を繰り出す。

しかしアーシアは広いフロアを利用し、地を蹴り壁を蹴り、三次元的な動きで敵を翻弄する。

敵の突き出した腕は虚しく空を切り、その度に生じた隙はアーシアの攻撃のチャンスを与えた。

伸ばした腕の殴打が不発に終わり体勢を崩した敵に、アーシアは躊躇なく杭を突き立てる。

そうして一体目の敵の機能を停止した段階で、敵は作戦を変更したようだ。
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:22:05.70 ID:gSg8OfRJ0
存分にオナってくれww
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:27:44.49 ID:hAsNmSaD0
友軍機もろとも巻き込んだ攻撃は、敵にとって考慮すべき条件が少なくなった分、

より鋭さを増しアーシアへと襲い掛かる。

危険な体勢から腕の力のみで巧みに身を躱すアーシアだが、先程までの余裕はなく寸前での回避となった。

それを見越したかのように狙い澄まして更なる敵の追撃が見舞われ、

アーシアは防ぐ間もなくそれを受け、広いフロアを錐揉みしながら吹っ飛ばされる。

全身に砕けた壁の破片などを受けながら、それでも彼女の動きは鈍ることなく、

鋭い目線で敵全体を窺う。
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:29:14.35 ID:hAsNmSaD0
すみません順番を間違えました。

>>384の前にこれが入ります。
――
先程までは、『敵を倒し、なおかつ同士打ちを避ける』かのように振る舞っていた敵が、

アーシアの脅威度を大幅に上方修正したのか、アーシアを倒すことのみに集中するようになった。

敵の攻撃を、床を滑るようにして躱すアーシア。

そこへもう一体の敵が、振り上げた拳を叩き付ける。
――
友軍機もろとも巻き込んだ攻撃は、敵にとって考慮すべき条件が少なくなった分、

より鋭さを増しアーシアへと襲い掛かる。

危険な体勢から腕の力のみで巧みに身を躱すアーシアだが、先程までの余裕はなく寸前での回避となった。

それを見越したかのように狙い澄まして更なる敵の追撃が見舞われ、

アーシアは防ぐ間もなくそれを受け、広いフロアを錐揉みしながら吹っ飛ばされる。

全身に砕けた壁の破片などを受けながら、それでも彼女の動きは鈍ることなく、

鋭い目線で敵全体を窺う。
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:32:21.09 ID:ovp74ykoO
WaffleWaffle
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:36:10.65 ID:hAsNmSaD0
先程まで敵に先んじて突っ込むことで戦いの主導権を握らんとしていたアーシアだが、

この数の敵に捨て身の連携をされて愚直に敵陣へ突入するのはマズいと判断したか、

今度は敵の動きを見極め反撃の機を探る。

そんなアーシアへ向け殺到する敵。アーシアは身を低くすると、そのうち一体へ足払いをかけ、

体勢を崩した敵に渾身の掌底を食らわせ敵の一団から強引に引き離す。

数瞬の孤立、しかしほんの僅かな時間でも、アーシアと一対一

という状況になってしまうことは、その敵にとって致命的だった。

床を転がる敵が体勢を整えるより先に追い縋ったアーシアは、

起き上がりざまの敵に杭を打ち込む。
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:44:38.84 ID:hAsNmSaD0
残るは五体。

パイルを打ち込む反動でほんの一瞬体勢を崩すアーシアに群がる。

そんな敵の合間を縫って、地を這うように駆け抜けたアーシアは、

先程まで彼女のいた壁際に群がる敵の一体に蹴りを見舞う。

それによりたたらを踏む敵は、背後の味方二体も巻き込み体勢を崩した。

倒れた三体を無視しアーシアに追い縋る二体のロボット。

だが二体ではアーシアを包囲するには足りなかった。

一体の攻撃を左腕で軽くいなすと、もう一体を右手の武器で思い切り殴打する。

部屋の端まで吹っ飛ばされた敵は無視し、左腕だけで相手をしていた敵に向き直る。

もはや一対一、敵の攻撃を悠々と掻い潜って懐に入ったアーシアは、左の肘撃で敵を怯ませつつ

右腕の杭で敵を穿つ。
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:48:09.05 ID:hAsNmSaD0
先程蹴飛ばされた三体と、殴り飛ばされた一体も体勢を整えアーシアへ殺到するが、

それぞれはアーシアを挟んで対称の位置にいた。

アーシアは数の少ない敵の方へ駆け出すと、敵の眼前で跳躍し、そのまま敵を足蹴にしさらに跳ぶ。

そうして敵の上を取ったアーシアは、反応が遅れた敵の頭上から串刺しにするように杭を打ち込む。

残りは三体。
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/24(水) 23:56:24.64 ID:ovp74ykoO
しねん
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:01:04.83 ID:PFZpPwJP0
しかしここに来てアーシアの得物は限界にきていた。

飛び出した杭が戻らないのだ。まともな整備もせずに連続使用したため、パイルの射出機能が限界を迎えたのだ。

得物を外し徒手空拳となったアーシアは、残る敵に向けて疾駆する。

敵もまた得物を失ったアーシアに対し波状攻撃を仕掛けるが、

アーシアはそれを、一部は躱し一部は流し、巧みに防いでいく。

そうしてアーシアによって攻撃をあらぬ方向へ流され体勢を崩した敵の顎に、

アーシアは掌底を打ち込む。

その瞬間、アーシアの掌から激しい紫電が発生し、その電流は敵の内部の電子機器を焼き尽くす。
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:02:43.28 ID:omNwDwXPO
しこしこ
えろ動画
んぁ…いくぅ〜
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:04:27.94 ID:jQIrS74/0
shine!
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:06:58.01 ID:Bx7NfIYVO
sign
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:08:01.47 ID:PFZpPwJP0
その予想外の攻撃に一瞬怯んだ二体。

その隙にアーシアは、そのうちの一体にハイキックを見舞った。

そうして襲い来るもう一体の攻撃を身を捻って躱すと、敵の顔を掴み再び紫電を起こす。

機械のショートする嫌な臭いをさせた敵を捨てると、最後の一体へと駆け出した。

この状況でもなおも諦めることなく攻撃を繰り出す。

しかし易々と躱し、足払いをかけるアーシア。

そして倒れ伏した敵に馬乗りになると、その頭部へ紫電を食らわした……。
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:09:51.00 ID:Bx7NfIYVO
fine
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:11:34.28 ID:PFZpPwJP0
ア「お待たせしました」

服や髪についた埃を払いつつ、アーシアは俺のもとへとやってくる。

本当に、埃以外に被害はなさそうに見える。どんな体してんだよ……。

男「こんどはレールガン、使わなかったんだな……」

ア「これ以上のダメージを与えるとこのフロアが保たないと思いまして」
ア「それにそう何発も乱射出来るものではないですから」

男「あ、そう。にしてもお前って何でもありだな」
男「ひょっとして左手外すと銃になってたりしない?」

ア「……?? それは比喩か何かですか?」

どうやら宇宙海賊にはお詳しくなかったらしい。
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:12:31.40 ID:jQIrS74/0
スペースオペラ!
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:17:16.40 ID:Bx7NfIYVO
サイコガン

コブラ?
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:17:30.56 ID:PMcX+0kP0
…ふぅ
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:18:17.19 ID:fNa27ZqIO
どうせ中身はアレな女と男がキャッキャウフフするスレか、と思って開いたがガチなのかw

読んでくる
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:19:30.39 ID:6yX/EpjzO
男という名の物語支援
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:20:45.35 ID:PFZpPwJP0
ア「それでは先を急ぎましょう」

男「……あぁ。で、女は何階にいるんだ?」

ア「地下の最下層です」

男「ち、地下ぁ!?」

この建物、外から見た以上に凄いことになっていたらしい。

男「……で、どうやって地下まで降りるんだ?」

ア「エレベーターにしましょう」

男「随分堂々と行くんだな……。途中で止められたらどうすんだ?」

ア「その時はその時です。我々は元々陽動ですので、いっそより目立つ選択肢を選ぶ方がいいんです」

男「……途中でケーブル切られたりしたら?」

ア「乗っている間、私から離れないでくださいね」

満面の邪悪な笑みを浮べつつ言うアーシア。

さっきからかったのを根に持たれてんだろうか、心配だ……。
――
このスレの平均年齢いくつだよ……
404>>1:2009/06/25(木) 00:21:30.02 ID:hRaL7Bp40
さるさん食らいました……
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:22:36.28 ID:PFZpPwJP0
数分前のレス代行が今!
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:23:15.30 ID:fNa27ZqIO
>>404
ID見てからNG余裕でした
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:24:30.34 ID:Bx7NfIYVO
コブラより電磁レールガンって聞いて銃夢ガンムって漫画思い出した
>>1は知ってる?
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:29:48.94 ID:PFZpPwJP0
エレベーターに乗り込み、頭文字Bの一番数字の大きなボタンを押す。

地下十階か、かなり深いな。

アーシアの腕を半ば抱き付くように掴みながら、

少しずつ数字の大きくなっていくメーターをビクビクしながら見つめる。

が、何事もなく地下十階に到着する。

慣性によるGを受けながら、俺はホッとした気持ちで扉の開くのを待った。

そうして扉が開いた瞬間、俺が目にしたのは……
――
>>406
頭が高い! そのお方を誰と心得る! レス代行スレの住人様だぞ!!

>>407
なにそれすてき
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:31:07.95 ID:jQIrS74/0
合宿式の自動車教習所に何故か全巻置いてあったので暇潰しに読破した>コブラ
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:31:52.73 ID:Bx7NfIYVO
銃夢を知らないだと
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:33:59.66 ID:PFZpPwJP0
扉が開いて目の前にいたのは、二十は下るまいという数のロボットだった。

しかも、それぞれが手に禍々しい火器を装備している。

それらが火を吹く寸前に、アーシアは俺を抱きかかえて

エレベーターのコンソールの影に身を隠す。

次の瞬間には、轟音と共にエレベーターの壁に大小様々な風穴を穿っていく。
――
>>410
BJは守備範囲外なんですごめんなさい
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:35:46.93 ID:6yX/EpjzO
そういやコードギアスの銃は全部コイルガンだな
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:38:57.56 ID:PFZpPwJP0
ア「マズいですね……」

男「どうすんだよっ!?」

ア「……私が敵引き付けますので、男さんはその間に先へ進んでください」

男「お、お前一人であの数相手にするのは無茶だろ!?」

ア「大丈夫です……、『行き』は必ず連れていく、と確約しました」
ア「命に替えても男さんを女さんの元へ行かせてみせます」

男「……それで、お前は一体どうすんだよ?」

ア「……『帰り』まで面倒を見る、とは言ってませんが?」

言いつつアーシアは、再びあの不適な笑みを受かべる。

そうして俺が何か言おうとする前に、コンソールの影から飛び出し、

敵陣へと突っ込んでいった。

ア「男さん、ご武運を!!」
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:45:07.78 ID:PFZpPwJP0
エレベーター内への掃射が止み、敵は標的をアーシアに定めたようだ。

男「あの馬鹿、格好付けやがって!! ロボットの女ってのはどいつもこいつもこんななのかよ!?」

いつまでもここにいても仕方ない。俺は銃声が遠くなるのを感じると、

一気にエレベーターの外へと駆け出した。

が、あれだけの数だ、その全てがアーシアを追って行ったはずはなかった。

エレベーター付近で待機していた数体は、俺を見付けると銃口を俺に向け、

容赦なく引き金を引いた。

男「――クソッ!」

俺は床を転げるように逃げると、通路の奥の角を曲がり、銃弾の射程から逃れる。

が、全てを運と勘で避け切るのは無理だったらしく、背後から一発受けてしまった……。
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:45:39.61 ID:6yX/EpjzO
とある科学の支援
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:49:26.16 ID:PFZpPwJP0
防弾チョッキのお陰で貫通することはなかったが、それでもその衝撃は凄まじかった。

殴られたなんてもんじゃない、衝撃だけなら車にでもはねられたようにすら感じる。

しかもそれが小さい一点に向けて放たれたのだ、痛いなんてもんじゃない。

灼けるようだ……。

それでも、この程度で済んだのは僥倖と言えよう。

数人による銃の掃射を受けて一発、しかも致命傷を免れたのだ、

これで文句を言うのは流石に理不尽ってもんだ。

男(……しかし、これからどうする?)
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:51:00.19 ID:6yX/EpjzO
ザボーガー支援
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:53:09.92 ID:PFZpPwJP0
数時間前、今に比べればまだファンタジーしてなかった頃、

アーシアと初めて会った頃を思い出す。

あの圧倒的な強さのアーシアと、力の上では互角の敵。

それが数体、しかも全員火器で武装をしている。

対する俺はどうだ、ただの高校生だ。

ベトナム帰りの英雄でもなければ世界最強のコックでもない。

手にするのは、連中に致命傷を与えられるのかどうかも怪しいちっぽけな銃一丁。

この状況を引っくり返せる手があるのなら是非俺に知らせてほしい……。
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:53:54.94 ID:jQIrS74/0
その幻想を、ぶち壊せ!
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 00:59:49.27 ID:PFZpPwJP0
俺は敵の数すら把握出来ていない。

そう思い、俺は壁から敵を窺う。が、見えたのは油断なくこちらに向けられた銃口。

俺は半ば反射的に顔を引っ込める。次の瞬間、銃弾がそれまで俺が顔を出していた壁を削る。

男(……マズいな)

だが、それにしても俺を襲いにこないのはどうしてだろう。

警戒されているのだろうか?

もしかしたら、俺もアーシアのように強力なロボットなのでは、なんて思ってやがんのか?

ならば、この機を逃す手はない。

俺は立ち上がると、そのまま通路を駆け出す。

敵が油断している間に、逃げ切れるかもしれない……。

が、そう思い俺が第一歩を踏み出した瞬間、背後に敵の気配が。

マズイ、と思った俺は、すぐ隣にあったドアにタックルするように飛び込む。
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:04:57.11 ID:PFZpPwJP0
施錠されていたら終わりだが、幸いなことに扉はすぐに開いた。

俺は危げな体勢のままドアを閉め鍵をかけた。

そしてすぐに壁の影に身を隠す。

すると、エレベーターの時と同じように敵はドア越しに俺を狙って撃ってきやがった。

どうやら、警戒はしているがこちらの行動は筒抜けらしい。まいった……。

部屋の中は倉庫のようだった。箱ばかりで隠れる場所には事欠かないが、

そんなもの時間稼ぎにしかならないだろう……。
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:06:01.07 ID:hFvUTr+y0
支援


残念だけど朝まで残ってることを祈りつつ寝る
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:10:57.15 ID:fNa27ZqIO
支援
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:11:21.13 ID:PFZpPwJP0
とにかく、いつまでもドアの近くにいるわけにもいかない。

俺は部屋の奥に置かれた箱の影に身を潜めた。

しばらく敵は様子を窺っていたようだが、遂に業を煮やしたのか敵は部屋の中へと入ってきた。

先程まで遠く聞こえていた銃声も止んだ。

アーシアは無事だろうか、やられてしまったのだろうか……。

敵が銃を構えるのを気配で感じる。

……まったくアーシア、何が『行き』は任せろ、だ。全然じゃないか。

……こうなったら、お前と東だけが頼りだ。女を頼んだぞ。

俺は、次の瞬間には訪れるであろう死を覚悟した。

が、部屋に響いたのは銃声ではなく、何か大きなものが倒れる音だった。

男「……?」
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:13:15.14 ID:fNa27ZqIO
わっふるわっふる
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:18:58.59 ID:HTmaNsEqO
女テラ空気www
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:19:00.51 ID:PFZpPwJP0
???「お待たせ…………しました…………」

聞き覚えのある声に、俺は飛び出した。

そこにいたのは、満身創痍で立っているアーシアだった。

男「――アーシア!?」

体中に銃弾を受け全身を赤黒い血が滴り、ところどころ骨格が見えている。

それどころか、銃弾はその内部にまで及んでいるみたいだ。

目は片方があさっての方を向いているし、片腕は千切れかけ完全に動いていない。

足にも銃弾を受けているのかフラフラだ。

男「アーシア、大丈夫か!?」

アーシアに肩を貸しつつ、問う。

我ながらなんて間抜けな質問だ、もっと言い様があるだろうに……。

ア「『行き』は任せろと……言いましたので……」
ア「私は……約束は……守ります……」

男「分かった……、分かったからお前はもう休んでろ……」

ア「いいえ……、敵はまだ……残っていますので……」
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:19:38.13 ID:Ts6yOASt0
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:24:31.36 ID:PFZpPwJP0
男「そんな体で戦えるかよ!?」

ア「私をあまり舐めない方がいい……ですよ……」
ア「これでも男さん、よりは……幾分マシです……」

アーシアは、例の笑みを受かべようとしているようだが、

表情を上手く作れないのか、頬をピクピクと痙攣させるだけだった。

ア「それに、男さんは女さんの場所を……知らないじゃないですか……」

男「………………」

ア「さぁ、行きましょう……」

言うとアーシアは、覚束無い足取りで部屋の外を目指す。

肩を貸している俺も、その速さに合わせるように歩む。
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:25:52.79 ID:PFZpPwJP0
すみません、少し席を外します。

1、2時間ほどすれば戻ってきます

それではノ
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:27:52.75 ID:fNa27ZqIO
このタイミングでか…
おやすみ
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:32:30.74 ID:wqFoJKLWO
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:33:04.69 ID:jQIrS74/0
アーたんがすっかりヒロインなんだが
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:39:48.95 ID:V5ABxGbS0
ふぅ
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:52:46.37 ID:aSREoae/O
まさかまだ残っていて、しかも進行中とはな

支援せざるを得ない
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:53:18.59 ID:rzXPuXhzO
支援

ちなみにこの時間はどれくらいのペースで保守してればいいん?
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 01:54:59.44 ID:jQIrS74/0
50分に1回ぐらいでおk
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:01:15.11 ID:wqFoJKLWO
なる ほ
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:07:58.29 ID:emHhXOGE0
誰かロボ子スレのdat持ってるやついない?
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:26:13.88 ID:swFWacIRO
 
  ほ
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:26:53.00 ID:wqFoJKLWO
ほう
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:38:35.90 ID:PFZpPwJP0
アーシアの誘導に従い、俺たちは先程のエレベーターの前へと戻る。

ア「敵から逃げながら……このフロアの全体像を……探っていました」
ア「女さんはこの、通路の……先の部屋にいるはずです……」

その時、俺たちは今まさに向かおうとしていた通路から、大きな人影が現れた。

敵のロボットだ、しかも三体。手にはやはり銃を持っている。

ア「男さん! 後ろの通路の角に隠れてください!」

言うなりアーシアは、俺と敵の間に割って入るように前へ出ると、

緩慢な動作で敵へと向かっていく。

男「アーシア!!」

ア「早くッ!!」

次の瞬間、轟音と共にいくつもの銃弾がアーシアを貫く。
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:49:42.54 ID:PFZpPwJP0
千切れかけていた腕は吹き飛び、片足が完全に破壊されたのか、片膝をつくアーシア。

それでも彼女は歩みを止めない。破壊された足は膝で体を支え、前へ進む。

千切れた腕からはケーブルが垂れ、白い液体が床に滴り落ちている。

そして再び銃弾の掃射。

全身の皮膚は粉々にされ、内部のマネキンのような骨格が半分以上見えている。

その骨格にもいくつも穴が空き、ところどころスパークを発している。

それでも、彼女は前に進むことを止めなかった。

ア「男……さん……、早く……逃、げて……くだ……さい」

俺は半ば無意識に、銃を手に取り敵に向けて発砲していた。

が、敵はまったく怯まない。

アーシアを脅威たりえないと判断したのか、敵の一体がアーシアへと近寄る。

敵の容赦のない殴打に、彼女はとうとう床に倒れ伏す。

そんな彼女の頭部を、敵はその巨体で踏み付ける。

ミシミシと、軋む彼女の頭蓋。
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 02:54:08.12 ID:PFZpPwJP0
そうして、動けない彼女の胴へと、持っていた機関銃を発砲する。

飛び散る皮膚と機械の部品らしきもの。

もはや彼女からは、弱々しい駆動音がするのみで、微動だにしない。

そして敵は、彼女の頭に乗せられた足に力を込める。

その時、彼女の残された片腕が、己の頭を今まさに砕かんとする足を掴む。

そして次の瞬間、激しい紫電が巻き起こった。かと思うと、敵は煙を上げながら後方へと倒れる。

それきり彼女は、ピクリとも動かない。

アーシアの、渾身の最後の一撃だった……。
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:00:45.12 ID:jQIrS74/0
きてた
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:02:24.36 ID:PFZpPwJP0
だが俺には感傷に浸る暇はなかった。

残った敵二体は、瀕死のアーシアからの思いがけない反撃を受け、

警戒を増したようだった。そして、止めを刺さんと彼女に銃口を向ける。

そして俺は気が付いたら、彼女を庇うように彼女の前で仁王立ちをしていた。

……何故そうしたのか、自分でも分からなかった。

後悔していないか、と問われれば、はっきり言ってしまくりだ。

足だってガクガク震えている。

今まさに発砲されようとしている銃の前に身を乗り出すなんて正気の沙汰じゃない。

それに俺にはすべきことがある、アーシアにしたって、こんなところで庇われるのは本望ではないはずだ。

それでも俺は、そこを退こうとはしなかった。

というより、退けなかった。退け、という命令を体が受け付けなかった……。
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:06:32.61 ID:PFZpPwJP0
俺の予想外の行動に敵は一瞬面食らったようだが、それでも銃口はまっすぐ俺を狙っている。

そして引き金に指が添えられた、まさにその時――

敵のロボットが、二体ともバタバタと倒れたのだった。

男「え……?」

???『フハハハハ! どうやら間に合ったようだな、少年!!』

フロア全体を、芝居がかった聞き覚えのある声が響き渡る。

東だった。東が館内放送を使って俺に話し掛けていたのだった。
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:07:25.83 ID:qgUFOugQ0
つC
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:09:28.07 ID:jQIrS74/0
shien
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:13:03.00 ID:PFZpPwJP0
男「お前! いったいどこで何やってんだ!? っていうかこれはどういうことだ!?」
男「ってかこっちの声聞こえてんのかよクソッ!!」

東『問題ない、そこのアーシアの耳を通してちゃんと聞こえているさ』

男「……え? じゃあアーシアはまだ無事なのか!?」

東『らしいな。こうしてこちらに音声を届けられている、ということはそうなのだろう』
東『ま、この天才科学者たるオレの最高傑作が、そう簡単に死んだりするわけはないがな』

ウゼェ……。

男「で、お前は今どこにいんだよ! この状況を説明しろ!」

東『な〜に、そのロボット達の制御室を見付けてね、ちょいとイジってしばらくオネンネしてもらったのさ』
東『私の才能に感謝したまえよ少年、もしあと0.5秒作業が遅れていたら、
東『君は今頃蜂の巣だったのだからねぇ!』

男「……ならもう一つ。テメェのこのタイミング、どうも作為のようなものを感じるんだが」

東『決まってんだろ、ギリギリで助けた方がドラマチックだからな!』

ウゼェ……。

ってかなんかこいつテンションおかしくないか……?
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:19:14.24 ID:PFZpPwJP0
ア『男さん、聞こえますか?』

その時、館内放送からアーシアの声が聞こえた。

男「アーシアか!? な、なんでお前の声が!」

ア『私が博士のモバイルを通じて館内放送へネットしているんです』
ア『今の私は自力で声を発せられる状況ではありませんから』
ア『それで、私の首のプラグに男さんのモバイルを接続してくれませんか?』

男「わ、分かった……」

俺は、モバイルに繋いだケーブルを、アーシアの首筋のプラグに挿した。

ア『ぁあっ、んんっ! お、男さん、入れる時はもっと優しく……』

男「な、何!? 何なの!!?」

ア『……冗談ですよ。場を和ませようと思いまして。面白かったですか?』

男「………………」
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:21:12.71 ID:jQIrS74/0
あーたんwwww
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:23:51.24 ID:PFZpPwJP0
モバイルの電源を入れると、女の時と似た、しかし細部の異なる起動画面が出る。

そうしてしばらくすると、OSが起動する。

男「あれ……? 今度はデスクトップ画面があるぞ?」

しかも、キャラクターをあしらった壁紙や妙にファンシーなアイコンが目につく……。

ア『あぁ、それは私の趣味です。お気に召しませんか?』

男「アーシア……、とりあえずお前しばらく黙れ……」
男「ここ数時間で築き上げたお前のイメージが崩れていく……」
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:28:30.05 ID:PFZpPwJP0
ア『一度起動したOSはそのモバイルのディスク内に保存されます』
ア『ですからもう私からケーブルを抜いて構いません』

その指示に従い、俺はアーシアの首筋のケーブルに手をかける。

が、何やら嫌な予感がしたので、俺は代わりにモバイル側のプラグから抜いた。

ア『酷いですね男さん、人がせっかく『ぁあっ! ら、らめぇ……』なんてネタも考えていたのに』

どうやら俺の選択は間違っていなかったらしい。

男「……で、どうすればいいんだ?」

ア『それでは私の言う通りに操作をしてください』

そして俺は、彼女の言う操作によって起動したこのフロアのマップを開き、

女の元へと急いだ。
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:30:21.50 ID:XgsM/3NCP
>>1の描写好きだな…
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:34:33.76 ID:PFZpPwJP0
辿り着いたのは、広いホールのような場所だった。

そのホールの真ん中に、虚ろな目をした女が座っていた。

男「――! お、女!?」

俺はすぐさま女の元へと駆け寄った。

女はしばらくぼんやりとした顔をしていたが、次第に俺に目の焦点が合ってくる。

その時――

女「や、やぁっ!! こ、来ないでぇ!!!!」

男「――なっ!?」

女は、パニックを起こしたように腕を振り回し俺を避けた……。
――
>>455
ありがとうございます
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:35:47.75 ID:geA3fLEM0
最終兵器彼女か
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:37:30.49 ID:6MsSj69nO
わくわく
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:40:42.40 ID:PFZpPwJP0
男「な、お、女……? 俺だ、男だ、分からないのか!?」

すると女は、ようやく俺を認識してくれたみたいだったが、

今度はボロボロと大粒の涙を零し始めた。

女「わ、わた、私……、男と一緒に、学校から、帰ってたらっ……」

ゆっくりと、嗚咽混じりに話し始める女。

女「お、女の子が現れて……それから、路地裏にいて……、その子が……わ、私の」

今日の、放課後のことか……?

女「お腹にて、手を突っ込んできて……すごく痛かった……それから……」
女「男のうちにいて……お、男が……私の首に、ケーブルみたいなの挿してきて……」

まさか、あの時の記憶が……。
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:46:19.37 ID:PFZpPwJP0
女「そ、それから……気が付いたら……手術台みたいなとこで寝かされてて……」
女「男の人……責任者って言ってて……私のことろ……ロボットだって……」
女「お母さんもお父さんも、男もみんな知ってて……私だけが知らないんだって……」

男「………………」

女「お父さんもお母さんも……本当の親じゃない……って……」
女「ねぇ……男……、私の体……どうなっちゃったの……?」
女「わ、私……本当に……、人間じゃない……の?」

俺は思わず、女を抱き締めていた。

男「……まったく、バカだなぁ。んなハズないだろ、何頭悪いこと言ってんだよ」
男「夢、そうだよ全部悪い夢さ。目が覚めたら、また一緒に朝飯食って、一緒に学校行こうぜ、な?」
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:52:04.38 ID:PFZpPwJP0
苦しい言い訳だ……。

正常な精神の持ち主が、夢と現実の区別を失うことがあるだろうか……。

女は、信じ難い状況に翻弄されてはいるが、まだ精神は至って正常だ。

女が歩むべき道は、異常者として都合の良い言葉を鵜呑みにするか、

正常者として、辛い現実と向き合わねばならないか、そのどちらかだ……。

俺は知らず、とんでもない選択肢を女に提示してしまった……。

女はしばらくの間、俺の胸で泣き続けていたが、突然言った。

女「男……その手に持ってるの、何……?」

俺が今手にしているのは、モバイ……ッ!?

女「そのケーブル、なに……? どうするの……?」
女「男も、私に痛いことするの……? 私、やっぱり普通の女の子じゃ……」

俺は、なんて馬鹿なんだ………………。
――
そろそろ連投数がヤバそうです……orz
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:52:44.70 ID:jBP4cQ6l0
ほいほい
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:52:47.04 ID:uLdKLkX1O
まさかのフr
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 03:56:16.56 ID:jQIrS74/0
そのままちんこをコネクト!
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:00:13.59 ID:PFZpPwJP0
東「……随分悪趣味なことをするじゃないか」

コンソールの前に座る白衣の男は吐き捨てるように言う。

ここは、施設内のテクノロジーを制御する部屋の一つ。

普段なら数名の人員と、別の場所で管理されているロボットによって護衛されている部屋だが、

今はたった二人の人間しかいない。

東は、この場にいるもう一人の人物へと語り掛ける。

東「まったく、お前には参ったよ。まさかこんなゴールを用意してたとはね」
東「これじゃああの貧弱坊やも意思が萎えちまったろうな、詰みだ詰み、はい決定」

???「何も知らない彼に、彼女を破壊する手助けをさせようとしていた君が言えることかな?」

答えるのは、高そうなスーツを身に纏い、東へと拳銃の銃口を向けている男。

この施設の、責任者たる男だった……。
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:07:10.19 ID:PFZpPwJP0
遡ること約十数分。

男とアーシアが陽動として動いている隙に乗じた東は、

施設内の機器全体の制御室を探していた。

そしてこの部屋を発見し、その時未だ五体満足だったアーシアと男の援護をすべく、

コンソールに手を伸ばしたところで、この男――責任者に銃を突き付けられ、

男たちがロボット相手に奔走するところを、施設内の監視カメラから見させられていた。
――
さっきもさるさん食らいました……

よければ支援お願いします
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:10:24.90 ID:swFWacIRO
 
支援
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:11:04.42 ID:jKdiys4G0
支援
         
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:15:45.92 ID:PFZpPwJP0
敵の攻撃を受け、少しずつ損傷していきながらも、

男を守るため二十もの敵に果敢に挑むアーシアの姿を、

歯噛みしつつ眺めることしか出来なかった。

そんな状況が変わったのは、男が倒れ伏すアーシアの前に出、彼女を庇った時だった。

???『……東、やれ』

東『……な、なに?』

???『彼を助けてやれ、と言ったんだ』
???『お前ならすぐだろ? 早くしないとその少年が蜂の巣にされるぞ?』

東『――なっ!? く、クソッ!!』

そうして男は九死に一生を得たのだった。

???『ほら、突然の事に彼はキョトンとしてるぞ?』
???『何か言ってやったらどうだね?』

東『………………』
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:17:24.15 ID:JxvO79PRO
支援
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:17:26.75 ID:swFWacIRO
支  援  
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:18:37.13 ID:jKdiys4G0
支援

 
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:21:10.98 ID:PFZpPwJP0
東「オレぁガキをこき使うのは好きだがガキをイジめるのは趣味じゃあねぇなぁ」

???「そう言うな。私は彼らに、共に平穏に生きていく、という選択肢を提示しているだけなのだぞ?」

東「ほざけ。その見せ掛けの平穏の影で、嬢ちゃんみたいな女の子が汚ねぇオッサンの相手させられたり」
東「シュワルツェネッガー扮するロボットよろしく、戦場で大勢の人を殺して周ることになるんだろうが」
東「それをどの面下げて平穏、だと? ふざけんのも大概にしとけや、え?」

その男を鬼の様な形相で睨み付ける東。しかし男は意に介さない。

???「だがね東、ヒトを完全に模倣する機械、だぞ?」
???「そんな危険な技術が野放しにされていいと思うのか?」
???「我々は『彼ら』について知らねばならないのだ」
???「それこそ君の言う映画のような未来にならないように、ね」

東「だったら、俺がその技術をブチ壊してやるさ!!」
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:21:52.00 ID:swFWacIRO
支    
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:23:08.96 ID:jKdiys4G0
援 
476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:31:09.36 ID:PFZpPwJP0
???「馬鹿なことを……。『彼ら』は掛け値なしに君の生涯の最高傑作ではないか」
???「このまま行けば君は、この世界の大きな一歩の立役者になれるんだぞ?」
???「それを、みすみす放棄して何の益がある?」

東「やかましいッ! 人の人生を、こんな胸糞悪い研究の糧にしやがって!!」
東「オレがしたかったのは、オレが目指していたのはこんなことじゃない!」
東「お前もそうだろ!? 一体どこで踏み外しちまったんだよ、え?」
東「答えろッ! 答えてみやがれッ!! 神鷹!!」

神鷹「踏み外した? 違うな東。踏み外したのはお前だ」
神鷹「ヒトと科学の深淵に足を突っ込み、お前は臆して退いた」
神鷹「だが俺は違う、俺はよりその深淵を目指した、それだけのことだ」
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:31:16.75 ID:swFWacIRO
支店じゃなくて支援
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:32:27.46 ID:jKdiys4G0
紫煙ではなく支援
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:36:09.03 ID:o89QGmGHO
名前が厨学生
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:40:22.46 ID:PFZpPwJP0
神鷹「科学者なら、なぜ全人類を敵に回してでも、その真髄を求めようとしない!?」
神鷹「なぜお前はそう簡単に捨てられるのだ、宇宙の神秘への渇望をッ!?」
神鷹「俺とお前が手を組めば、ヒトの心の深淵すら覗き見ることが出来るんだぞ!?」
神鷹「なぜそれが分からない!? なぜ、そのことに気付かない!?」

東「黙れッ! 黙れ黙れ黙れ、黙れッ!!」
東「真理の探求? 全宇宙の解明? んなもん俺にとっちゃどうでもいいッ!!」
東「科学は希望だッ! ヒトと全生物、そしてこの宇宙を幸福にするための希望のはずだッ!!」
東「オレはそう思ってこれまでやってきた、お前もそうじゃなかったのかよッ!?」

神鷹「馬鹿な……。お前の言う科学など、所詮『人間の幸福』、
神鷹「いやそれすらただの大義名分、『一部の人間のための幸福』、
神鷹「そのためのものでしかなかったじゃないか」
神鷹「今現在、何十億の人間が飢えで苦しんでると思う?」
神鷹「いくつの種が絶滅の危機に瀕していると思う?」
神鷹「それを救おうとせずして何が希望か、そんなものはだな、
神鷹「ただ己の偽善を正当化するためだけの言い訳に過ぎん」
神鷹「なればこそ、俺のように己に正直に真理を渇望することこそ正義ではないかね?」

>>479
ヒント:塵骸魔京
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:40:37.81 ID:swFWacIRO
ワッフル支援
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:47:18.20 ID:PFZpPwJP0
東「屁理屈捏ねんじゃねぇ! テメェこそ自分のエゴを正当化するためだけに
東「社会問題を引き合いに出して理論武装してるだけじゃねぇか!!」
東「お前はいつからそんな奴に成り下がった!?」
東「オレと科学者を志していた頃のお前はそんなんじゃなかったじゃねぇか、え!?」

神鷹「……そうだな、思えば俺も若かった」
神鷹「ちょっと人より勉強が得意なだけの二人のガキが
神鷹「本気で世界の悪に立ち向かって勝てる、なんて思っていやがったんだからな」
神鷹「考えただけで虫酸が走る。実はだな、今タイムマシンを開発中で、
神鷹「そいつを使って過去の俺を殺してしまおう、などと考えているんだよ」
神鷹「お前もどうだ? タイムパラドックスの検証にもなって一石二鳥だろ?」

神鷹は、どこまで本気か分かりかねる口調で言うと、

先程までの激昂が嘘のように、ヘラヘラとした顔を東に向ける。
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:47:37.72 ID:jKdiys4G0
しえん
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:48:03.47 ID:swFWacIRO
ワッショイ支援 
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:51:04.56 ID:PFZpPwJP0
東「……違うな」

神鷹「……なに?」

東「ようやく気付いた、いや〜こんな簡単なことに気付かないなんてオレもヤキが回ったかな?」

神鷹「……何の話をしている?」

東「お前は、あん時からな〜んにも変わっちゃいねぇ」
東「ウジウジ悩んでどっちにしようか考えて、血の気が多かった俺に全部任せてた、
東「そんな優柔不断な厨二病のガキのまんま、ってわけだ。そうだろ?」

神鷹「なにを根拠に……」

東「だったら、なぜさっさとオレを殺しちまわなかった!?」

神鷹「………………」
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:51:50.32 ID:swFWacIRO
と支ま援
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:55:55.24 ID:yDVrNcCeO
支援せざるをえない
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:57:37.81 ID:PFZpPwJP0
東「なぜ嬢ちゃんに余計なことを吹き込んで、放ったらかしにしてる!?」
東「なぜ人払いをした施設にテメェと嬢ちゃんだけでノコノコ待っていやがった!?」
東「なぜ嬢ちゃんのとこへあのガキを行かせやがった!?」
東「なぜオレとこの期に及んでんな下らねぇ議論やってんだ、え!?」

神鷹「………………」

東「み〜んな昔のお前のやり口だよ! あとからどっちの道も選べるように
東「ギリギリまで選択肢を保持しておこう、っつうケツの穴の小せえやり口だ!!」
東「結局お前は、今でもテメェ独りで何も決められねぇ坊ちゃん野郎でしかなったんだよ!」
東「この数年間、お前にとってオレはなんだった、え!?」
東「お前の中の良心か? 傍らで心地良さそうなことほざいてる天使の声のつもりかよ!?」
東「だからお前はオレを殺さなかったんだ、いつでもオレを始末出来たのによぉ!」
東「良心、天使の側が頑張ってくれてるから、テメェは安心して悪魔になれたんだ」
東「そうだろ? テメェで考えず片方の役を演じるだけでいい、
東「ってのはさぞかし楽だったことだろうよ、テメェにとってはな!!」
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 04:57:49.66 ID:swFWacIRO
siエん
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:01:29.03 ID:d9A/KBAfO
やっと追いついた!!
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:01:43.79 ID:mC9yAqqGO
人型パソコン思い出す
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:02:49.68 ID:PFZpPwJP0
東「……いや、今回ばかりはちと状況が違うな」
東「テメェはこの俺、天使の声が敗北した時点で作戦を変えた」
東「天使でも悪魔でもない、第三者に結果を委ねたんだ」
東「それがあのガキと嬢ちゃんだ、そうだろ?」
東「だからテメェは寸前のとこであのガキを前に進ませた、試練を与えてな」
東「そして最後にラスボスまで設定して大団円のお膳立てをしたわけだ」

神鷹「………………」

東「さっきテメェを悪趣味と評したが、訂正させてもらう」
東「テメェは最低の腑抜け野郎だ! ガキをこき使うのでもイジめるのでもない、
東「ガキにテメェのケツ拭かせておんぶに抱っこされてるクズ野郎だッ!!」

神鷹は、歯噛みしながら東のまくしたてる言葉を聞いていた。
しかし、彼の表情に先程までの鋭さはない。
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:03:01.86 ID:swFWacIRO
試演
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:07:41.30 ID:PFZpPwJP0
東「……そういう意味じゃあオレとお前はよく似てる」
東「俺も、結論を連中に押し付けてきたからな」
東「結果、お前の思惑通りになってしまった、お前の思ってた以上にな」

優柔不断な大人の中に潜む、天使と悪魔は、

結果どちらも答えを出せなかったので、

そのうち彼らは、悩むことを止めた……。

東「見ろ、神鷹。あの二人が、人類に審判を下す判事だ」
東「オレたちは陪審員にすらなれない、ただの傍聴人だ」
東「好き勝手やって、始末に負えなくなったことを次の世代に託す、
東「『ダメな大人』の代表って奴だ……」
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:07:56.11 ID:jKdiys4G0
sienn
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:08:20.94 ID:swFWacIRO
市延
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:13:56.51 ID:PFZpPwJP0
男「……これは」

女「ねぇ、男ぉ、答えてよ……。答えてぇ!!」

女は俺の学生服を掴むと、ガクガクと揺さぶる。

男「………………」

俺にすがり、「答えて」とうわ言のように繰り返す女。

その目からは止め処なく涙が溢れ、頬は真赤になっていた。

俺は知れず彼女の頬に手を添えると、自分の顔に近付け、そのままキスしていた。

告白の日にして以来、互いに恥ずかしくて避けていたキスだ。

顔を離すと、女は突然の事に泣くのも忘れてキョトンとしてやがる。

……よし、決心ついた。俺はもう誤魔化さない、逃げない。

俺の純粋な気持ちをぶつけて、何としても女を黙らせてやる……。
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:14:36.09 ID:swFWacIRO
資艶
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:19:32.75 ID:PFZpPwJP0
男「……いいか、女。確かにお前は、人間じゃない。機械の体だ」

その言葉に、女が息を飲むのを感じた。そして再び目に涙が滲む。

が、それでも俺は怯まない。

男「でもな女、それが何なんだ?」

俺の問いに女は面喰らう。

男「仮にお前がロボットだったとして、何か問題があるってのか?」

女「……だって、私の体は人間じゃないんだよ?」

男「お前は、俺が人工臓器や義手義足をしてたからって嫌いになるってのかよ?」

女「そ、それは。でも……」

男「何の違いがあるってんだ、体の不自由な部分を機械で補うのと」
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:20:04.20 ID:swFWacIRO
至燕
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:24:23.01 ID:PFZpPwJP0
女「……でも、その人たちには人間の部分がちゃんとある、私と違う」

男「違わない! お前は人間だッ!!」

女「どこが!? 私のどこが人間だって言うの!?」

男「――ッ!? こ、この!!」

俺は、銃を取り出すとそれを自分の眉間に押し当て、引き金に指をかける。

そして響き渡る銃声……。
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:25:00.47 ID:swFWacIRO
偲宴
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:26:13.16 ID:o89QGmGHO
長過ぎて読みづらい。
進展遅く感じる。
がんばれ
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:28:55.96 ID:PFZpPwJP0
しかし俺は死んではいない。

銃を握った俺の手を、女が必死になって俺の頭から引き離していた。

男「……なんで、助けた? なんでお前は、今俺を助けたんだ?」

女「そ、それは、だって男が……」

男「答えてみろよ、え!? なんで今俺を助けやがったんだ、って訊いてんだよ!」

女「だ、だって男が死んじゃうじゃん!!」

男「んだよそりゃ!? もうちょっとはっきりした答え出せねぇのかよ!!」
男「そんなんで俺が納得すると思ったのかよ!? 俺が死んだから何だってんだよ!!」

女「わ、分かるわけないでしょ!? アタシだって必死だったんだから!!」
女「自殺しようとしてる彼氏助けて何が悪いってのよッ!!」

男「それだ、それだよ!!」

女「だから何がよ!?」
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:30:27.71 ID:swFWacIRO
志炎
506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:36:31.90 ID:PFZpPwJP0
男「それがお前の『人間』の証じゃねぇのかよ、え!?」

女「――ッ!」

男「お前が芯までメカだったらロボット工学三原則第一条とか引っ張り出してくんじゃねぇのかよ!!」

女「……それは」

男「ったく、テメェのおつむは科学の粋を集めて作った人間エミュレータだってのに、
男「随分と鈍く出来てやがんだなぁ!!」
男「自信持て! お前は人間だよ、俺の好きな女は間違いなく誰よりも人間やってるって!」

女は、俺の言葉にしばしの間逡巡したようだが、静かに「うん」と言ってくれた。

女「……で、そのモバイルは何なの?」

男「悪の組織の計画をぶっ潰して、お前の中の悪い無視を消し去ってやる」
男「そうしたら、一緒に帰ろう、な?」

女「お見事ですね、男さん」

突然女の表情と声色が無機質なものに変わった。

男「え、う、うわぁ! あ、お、『お前』か……」
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:37:03.64 ID:swFWacIRO
示遠
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:42:18.10 ID:PFZpPwJP0
女「いや、よくもまぁそれだけ陳腐な言葉並べて『私』を説得出来ましたね」
女「気合と根性の勝利という奴ですか?」

うわ、第三者に聞かれてたと思うと急に恥ずかしくなってきやがった……。

っていうか俺だってよく考えず発言してたんだ、放っとけ!

男「お前なぁ、出てくんならタイミング考えろよ、感動台無し……」

女「あんな茶番で感動するのは当人たちだけだと思いますが」
女「それは置いといて、『私』のままでそれを挿すと幾分痛みを伴いますので、
女「私がご入用だと思い出てきたのですが、必要ありませんでした?」

男「いや、それはそうだな、ありがと――」
男「……って、この間の記憶って女に残るんじゃないのか?」

女「そんな筈ないじゃないですか、何を頭の悪いことを」

男「いや、だってさっき……」
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:42:36.26 ID:swFWacIRO
弛焔
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:45:55.74 ID:PFZpPwJP0
女「あぁ、それは責任者が私の記憶を『私』にコピペしただけです」

男「……あ、それもコピペって言うんだ」

女「とにかく、今のこの間のことは『私』の記憶に残りませんので、
女「その辺は安心してください」

男「……でもその間の記憶が途切れてると女があとで煩そうだ」

女「だから、そんなわけないじゃないですか」
女「それじゃあおちおち私が出れないですよ。ちゃんと適当な記憶に摩り替えて誤魔化すんです」

男「そ、そうだのか……」
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:47:32.65 ID:swFWacIRO
仕薗
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:48:16.82 ID:81aIyr4o0
                                     _ ∩ ;. ;.,;.;.∵
                                  ⊂/   ノ ). ;. ;支援〜      
                                  /   /     
                                  し'⌒∪. ;. ;    
                       
               _, ========、.==== 、.、    
             ,_/    ハ,,ハ  //    ヽヽ____
        ___/_  ( ゚ω゚ )//|/二)  |ヽヽ__/ノ ___
   ,-=,~ ̄    , -- ,   _ ̄ ̄ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ     ̄ヽ  ―――  (´⌒(´⌒;;;
  / - ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ― ´  /;;;;;;ヽ o .|        ノ ,-‐-、 0.|  ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒(´⌒;;;
  ( ニ  |゚ ゚̄|   ニフ  //  ̄ヽ| _ |        / / ,.- .、.、_ )    (´´(´⌒;;
  .>ヽ 二二二フ エニフ_|;:I  ノ |└┴―――― ´ _|::( ∵)|_/  ≡≡(´⌒(´⌒;;;≡
   ̄ ̄ゞゝ;;;;ノ ̄ ̄ ̄ゞ_ゝ ー,ノ ̄ゞゝ ̄ノ ̄ ̄ ̄ゞ_ゝ ーノ ≡≡≡(´⌒(´⌒(´⌒(
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:51:49.07 ID:PFZpPwJP0
女「時に男さん、あなたはどのような結果に収めようとしていたのですか?」

男「……それはまだよく分からない。ただ、とりあえずお前が添付したファイルを実行しようかと思って」

女「なるほど。ちなみにそのまま東氏のプログラムを実行してしまうと、
女「私を含む全てのロボットまで機能停止し、復活も不可能になってしまいます」
女「それでも構いませんか?」

男「か、構うに決まってんだろ!?」

女「だと思いました。ではどうします? 実行するかしないか、オール・オア・ナッシングで選ぶなら」

男「……俺には、出来ない。というより、俺には決められない」
男「女や他の大勢の命をどうするか、俺一人に決める権利はない……」
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:52:22.59 ID:swFWacIRO
砥怨
515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 05:59:52.06 ID:PFZpPwJP0
女「そう思いまして、東氏のプログラムを制御するプログラムを用意しています」
女「あのメッセージの二つ目の添付ファイルの正体が、それです」

男「な、なんだって!?」

女「私だって自分の中で育ちつつあるプログラムの存在に気付かないわけありませんよ」
女「日が経つごとに肥大化するデータがあれば、なんだろうと自己診断してみるのは当たり前です」
女「そうして、こんなこともあろうかと制御プログラムを作っておいたのです」

無表情な女の顔が、何やらエッヘンとでも言いたげなのは気の所為だろうか……。

女「それじゃあ男さん、そのモバイルを貸してください」

男「お、おう……」

俺からモバイルを受け取った女は、プラグを手にすると、

皮膚が張ったままの首筋にプラグを突っ込んだ。

男「え、ちょ、自分で出来んの!?」

女「さっきは体が動かないから頼んだだけじゃないですか」
女「男さんはまさか手で自分の首が触れないほど体が固いんですか?」

男「………………」
516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:00:01.75 ID:swFWacIRO
嗜縁
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:02:13.29 ID:pnKXpadnO
なんというチートキャラ
518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:05:47.76 ID:PFZpPwJP0
しばらくすると女は、何やら怪訝そうな顔で俺とモバイルの画面を見やる。

女「……なんか他の女の臭いがしますね」

あ、ヤバっ! モバイルん中にはアーシアのOSが入ったままだった!

女「これは……あの凶暴女の臭いですね……」
女「……男さん、一体これはどういうことでしょう、ご説明願えますか?」

む、無表情な女の目の奥に何やら妖しい光が、あわわわわ……。

女「……ま、今はその件については不問にしましょう」
女「それで男さん、これで気兼ねなく、計画は潰しつつロボットたちの命は守れます」
女「どうしますか……?」

男「………………」

俺は……。
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:05:50.31 ID:uLdKLkX1O
なんかセガサターンのゲームに…こんな感じの…何だったか…マリカ?だっけか
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:06:16.67 ID:swFWacIRO
詩淵
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:12:20.12 ID:PFZpPwJP0
男「………………やめとこう」

女「……それはどうしてか、お聞かせ願えますか?」

男「お前のボディ、小さい頃からずっとそれだったわけじゃないだろ?」
男「幼児期には幼児期、小学生の時は小学生、今なら今の、そうだろ?」

女「……何如にも、その通りです。我々は年代に合わせた義体に何度か換装します」

男「もし連中のテクノロジーを破壊したら、誰がお前や他のロボットのボディを換装するんだ?」

女「………………」

男「……やっぱり俺には出来ない。そのプログラムを使っちまうってことは、
男「多かれ少なかれお前らの未来を奪っちまうことになるからな……」
男「だから……、俺には出来ない」

女「そう、ですか……」
女「分かりました、男さんがそう決めたのでしたら、私は何も言いません」
女「そして恐らく『私』も、男さんに異論はないはずです、きっと」

男「……すまない」
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:12:37.92 ID:swFWacIRO
司円
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:18:06.28 ID:hFvUTr+y0
しえん
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:18:58.63 ID:PFZpPwJP0
東『そこのお二人さん! イチャつくのはいいが今はそれどころじゃないんだぜ!?』

男「なっ! あ、東!?」

くそっ!! 俺と女の会話を出歯亀してたのは『女』だけじゃなかったのかよ!?

東『この基地は既に自爆シークエンスに入ってる、さっさと逃げないとみんな仲良く木っ端微塵だぞ!!』

じ、自爆シークエンスだってッ!?

男「そ、そういうのはもっと早く言え、このアホ!!」

東『オレも今気付いたんだ、カウントは約五分』
東『さっさと上へ上がってこないとマジでヤバいぞ!!』

男「お、おい!? お前はどうすんだ!!」

東『俺もこっちが片付いたら逃げるさ、上で落ち合おう』
東『そうそう、アーシアを頼んだぞ、途中で拾って運んでいってやってくれ』

畜生、東の野郎ギリギリで知らせてきやがって、覚えてやがれ!!
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:19:15.22 ID:swFWacIRO
試煙
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:19:33.36 ID:81aIyr4o0
  (  ゚д゚) ゲホッゲホッ
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ ) ゲッホ・・・
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ ) ガタッ
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

 ⊂( ゚д゚ ) ゲホッゲホッホッ
   ヽ ⊂ )
   (⌒)| ダッ
   三 `J

/  O | ̄| O  ヽ
|    / |     | ゲホホッゲホッゲッホッ
ヽ、.  ├ー┤    ノ ゲホホッゲホッ ヒュ-ヒュ-ッ 支援
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:24:01.01 ID:PFZpPwJP0
女『男さん、急ぎましょう!』

男『あ、あぁ』

少年は少女に手を引かれ、ホールを抜け階段を目指す。

途中倒れている、ボロボロのもう一人の少女を少年が抱え上げ、

それを見て何やら言いたげな顔をする一人目の少女。

そうして階段へ向かう彼らをモニター越しに見つめる、二人の男……。

神鷹「これが、彼らの選択か……」

東「どうかな。あのガキ、どうやらまだ腹に一物抱えてるみたいだぜ?」
東「ありゃなんかやらかす奴の顔だ。オレはそれに賭けてみたい」

神鷹「そうか……」
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:24:59.63 ID:swFWacIRO
姿鳶
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:30:22.35 ID:Wn0LzN1aO
ロボッツ(笑)
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:30:45.81 ID:PFZpPwJP0
部屋に備えられた椅子に、緩慢な動作で腰掛ける神鷹。

東「……お前は、逃げないのか?」

神鷹「お前と彼女を基地ごと始末し、その結果を見届けるのが私の役目だ」
神鷹「彼女は恐らくこのまま逃げられてしまうだろう」
神鷹「そして俺にはもうお前を撃つ気力はない」
神鷹「だから俺には、もう何もない。あとは彼らに任せて先に逝くことにするよ」

東「……オレは生きるぜ。お前には負けたが、俺は連中の計画を許すわけにはいかない」
東「それに、あのガキが何をしでかすにしても、導いてやる大人が必要だ……」
東「オレみたいな駄目人間でも、テメェの失敗談を語って聞かせるくらいのことは出来るからな」

神鷹「……そうか」
神鷹「思えば俺は……、お前に憧れていたのかもな」
神鷹「直情で、思い立ったらすぐ行動に移し、どんな結果にも決して後悔するとのない、お前に……」

東「だったらそのオレはもう死んだよ……」
東「思慮深く慎重で、常に正解の道を選んできた、頭の良いお前と一緒にな……」
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:30:52.81 ID:swFWacIRO
誌堰
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:31:04.34 ID:nbavF8gr0
朝起きたらなんか凄くなってる
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:38:35.78 ID:PFZpPwJP0
そう言うと、東は部屋を後にした。

残された神鷹が、残り数分の己の人生を何如にして過ごしたかは、誰も知らない……。



女「男さん、早く! あと二分ちょっとで爆発します!!」

く、くそぉ……、地下十階から一階まで戻ってくるのに三分もかかってしまった……。

日頃の体力不足がまさかこんなところで響いてきやがるとは、思いもしなかったぜ。

半壊したエントランスを抜け、アーシアを抱いた俺と女は基地の敷地から出来るだけ遠くへと逃げた。

すると後方から、何かが近付いてくるのを感じた。一台のトラックだった。

東「お前ら、乗れ!」
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:40:23.91 ID:swFWacIRO
獅怨
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:42:50.21 ID:L6vhWrL/O
追い付いた支援
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:43:15.17 ID:rzXPuXhzO
寝る前に支援

後は任せた
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:43:25.15 ID:VWBYiUyCO
まさかこんな時間に投下とは
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:44:05.27 ID:PFZpPwJP0
荷台の扉の開けられていたそのトラックには、積荷が一つもなかった。

俺と女は荷台の中へ入ると、扉を閉めた。

本来トラックの荷台は内側から開けられないはずだが、

このトラックは内側からも施錠出来るようになっていた。

もしかしたら、積荷だけでなくロボットなどを運ぶためのものなのかもしれない。

東は俺たちが荷台に乗り込むのを確認すると、急発進でトラックを走らせる。

残り時間は一分。悠長に出口から出ている暇はないと、東は強引にフェンスを突き破ったらしい。

衝撃は俺たちのいる荷台まで伝わってくるが、如何せん窓がないため外の様子が窺えない。

それからしばらくして、後方で轟音が轟く。それから遅れるように、爆風が車体を襲う。
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:44:26.22 ID:swFWacIRO
視沿
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:51:08.67 ID:PFZpPwJP0
二度三度と横転し、四角い鉄の箱の中でシェイクされる俺たち。

誰を庇うべきか一瞬悩んだが、結局俺は両方庇うことにした。

お陰で衝撃が止むころには体の端々が痛い……。

その後、歪んで開かなくなった扉を外の東と協力して開くと、

俺たちは完全に動かなくなってしまったトラックを後にした。

幸い少し歩けば人通りのある道に出たので、東はタクシーを拾って、

アーシアを抱えて帰っていったようだ。

うちがとても雨風凌げる状態じゃない俺は、その日は近くのホテルを利用し、

翌日女と共に帰宅した。

互いに意識して眠れず、あまり疲れの取れない一晩ではあったが、

結局何の進展もしなかったのは言うまでもない……。
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:51:45.12 ID:swFWacIRO
歯厭
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:54:35.45 ID:PFZpPwJP0
階下が騒がしくなった、と思ったら誰かが階段を駆け上がる音がする。

音は次第に大きくなって、そして俺の部屋の扉が勢い良く開け放たれた。

女「男〜! 起きてる?」

男「……んぁ? なんだ女か、朝っぱらからなんだよ、うるせぇ」

女「何が朝よ、時計くらい見なさい。もうすぐお昼でしょうが」

男「はぁ? 俺が何時まで寝てようとお前には関係ないだろう」
男「ってか週末くらい寝かせろ、以上おやすみ……」

女「なっ!? ひっどい! それに関係なくないでしょこのバカッ!」
女「アンタが起きないと、ご飯片付けられないんだから、さっさと起きて食え!」

男「……。へぇへぇ分かりましたよ、ったくやかましい女だな」

女「やかましいって何よ。そもそもアンタねぇ、」
女「こんな可愛い『彼女』が起こしてやってるのに、アンタは何が不満なわけ」

男「……そうだな、悪かったよ」

言うと俺は、素直に起き上がると、部屋を出ざまに女の頭を撫でてやる。

何やら顔を真赤にして怒鳴っているようだが、とりあえず無視無視。
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:54:52.89 ID:swFWacIRO
糸延
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:58:46.00 ID:PFZpPwJP0
あの激動の日から数ヶ月――

俺は新築の家で女と共に朝飯を食らう。

あれからどうなったかと言うと、表面上は何も変わらない。

平和そのものだ。

特筆すべきことと言えば、俺の家が『謎のガス爆発』で吹っ飛んだことで、

ご近所からいらぬ注目を浴びてしまったことと、

最近一人増えたクラスメイトとの間でギャルゲチックなイベントが起きて

俺が日々心身を磨り減らしている、ってくらいのものだ。
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 06:59:10.25 ID:swFWacIRO
子塩
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:06:36.84 ID:PFZpPwJP0
ちなみに東によって女に仕込まれたプログラムを俺がどうしたか……。

やられっぱなしが性に合わない俺は、使わないまでも連中にちょっとした仕返しをすることにした。

まず、東と『女』、そして微力ながら俺の三人で、解析されにくいより強固なものにする。

そして、それ制御プログラムと共に、全ての2.X系列のロボットへと送る。

今回のことに関してのレポートと、俺と女からの心の籠ったメッセージ付きで。

そして計画の中心人物なんて連中には、このようなメッセージを送ってみた。

『テメェらの悪事はみんな分かってんだぞ』

『もしテメェらがちょっとでも悪さしてるのを発見したら、

『すぐに例のプログラムを実行するぞ、テメェらが後生大事にしてるロボットの反乱だ』

『それが嫌なら、精々人類とロボットのために貢献することだ、いいな?』

この脅迫に効力があったかどうかは定かではないが、

東曰く、連中の計画は今かなりペースダウンしている、とのことだった。

こうして俺と女は、『平穏』を手に入れた……。
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:06:52.78 ID:swFWacIRO
思縁
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:14:50.34 ID:PFZpPwJP0
女「ねぇ、男。今日は久し振りに二人っきりでどっか行こうよ?」

男「……二人っきりねぇ。そう簡単に『アイツ』が二人にさせてくれるかよ?」

女「そう思うんなら早く食べて出発すればいいでしょ! OK?」

その瞬間を見透かしたかのように、玄関でインターフォンの音がする。

女「――ッ!?」

男「……はぁ。はいはい今出ますよ」

扉を開けるとそこには、休日だと言うのに真面目にも学校の制服を着た、俺たちのクラスメイトがいた。

???「おはようございます、男さん。今日もいい陽気ですね」

男「いい陽気はいいがなぁ、来る時はモバイルでアポ取れって何度も言っただろ、アーシア?」

ア「そんなことをしては女さんに『検閲』されてしまうじゃないですか」

男「……それはそうだが」

女「ちょっとアーシア!? 今日はアタシと男のデートだってのに、なんで来んのよ!?」

その言葉にアーシアは、いつものように不適な笑みを受かべると、

ア「いいじゃないですか、女さん。三人で一緒に遊びにいけば」

俺は盛大な溜め息をついた。今日も一日待っているであろう受難を思い、朝から気が滅入る。
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:15:19.13 ID:swFWacIRO
指遠
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:17:17.58 ID:2qH32yDEO
アーシア可愛いなぁ
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:19:04.63 ID:KGSmlw/IO
支援
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:20:13.97 ID:PFZpPwJP0
などと言いつつ二人の美女に挟まれた生活を何気に満喫している俺だが、

別に連日遊んでばかり、というわけではない。

俺は将来、東のように連中の計画のブレーキ役たるべく、日夜勉強に励んでいる。

何せ、俺は大人たちから面倒臭ぇ遺物を与った子供代表だからな。

敵は巨大、そして責任は重大だ。

それでも、この二人の少女を人類の希望とするか絶望とするかは、

俺の手にかかってる、ってのは自意識過剰すぎだろうか。

ま、難しいことを考えるのは『大人』の仕事だ。

今は、この『平穏』を最大限満喫していたい……。



女「実は私ロボットだったんです」   完
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:22:38.16 ID:swFWacIRO
面白かった!
最後まで続けてくれてありがとう
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:22:39.68 ID:pnKXpadnO

本当に楽しかった
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:22:41.01 ID:uLdKLkX1O
乙。さ、次はエロゲバージョンを書くんだ
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:24:01.18 ID:PFZpPwJP0
>>555
残念、エロはハリウッドの濡れ場のような扱いであるべきだ、が持論なのだ
好きな作家? 虚淵玄ですが何か?


質問、駄目出しなどあれば遠慮なくどうぞ
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:27:40.90 ID:uLdKLkX1O
>>556
まぁこのストーリーにエロゲ風味を加えるなら男が強くて倒したご褒美に、って感じだろうな。以下感想
作品自体はとても面白かった。ただ淡々と周りの意見を聞かずに書いて欲しかった
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:28:26.30 ID:PFZpPwJP0
>>557
それは正直すみません、人生初SSなのでつい卑屈になってしまって
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:31:05.42 ID:d9A/KBAfO
面白く読ませてもらいました。
 
ひとつ、女の両親はロボットの開発に携わってたんだよね?
じゃあ悪い人なの?今は女とどう接してるの?
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:32:38.23 ID:ZKFP4i/00
お疲れー

>>1にとってキャメロンはアリ?
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:34:40.76 ID:PFZpPwJP0
>>559
東や若かりし神鷹のように単に科学への探究心でやってた人もいます
それに、たとえ悪意がなく単に研究した結果ロボット開発に関係ある理論を発見しただけでも
国が「ちょっと気の研究見せてもらったよ、それで話なんだが(ry
なんて言ってくるのでむしろ極悪人は少ないです
というか研究者で悪人は神鷹みたいな特殊な例です

今は里親と養子のような関係ではないでしょうか

>>560
すいません、どのキャメロンですか?
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:35:30.55 ID:VWBYiUyCO
女があっさりと事実を受け入れ過ぎな気がするな
SSでできる長さじゃ限界があるから仕方ないんだろうけど

何はともあれ面白かった
>>1
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:37:01.32 ID:d9A/KBAfO
>>561
そうか良かった。安心した。
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:37:40.88 ID:PFZpPwJP0
>>562
心理描写が苦手なだけです、あまり尺は考えてません
なんせまだスレも半分ありますし

何はともあれ精進します、ありがとうございます
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:38:58.09 ID:ZKFP4i/00
>>561
えとサラコナークロニクルのターミネーチャンです
観てなかったかな?
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:40:33.08 ID:PFZpPwJP0
>>565
なるほど、3で見限ってどうせ監督も違うなら4も別にいいかな、
と思いそれもノーチェックでした

面白いようなら見てみたいですが
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:43:24.24 ID:NVl2Ohd8O

女が自分の何なのか気づいた後の展開を、小ネタなんかをもう少し挟んで終わって欲しかったかな
バトル描写が濃密だったのにちょっと終わり際が淡白だった
何にせよ面白かったです
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:45:03.78 ID:PFZpPwJP0
あの状況での冷徹女の登場はむしろ
筆者にとってん緊急時対応だった気がしますよ……
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:45:07.17 ID:IEX04rqHO

>>1はニトロプラスが好きなのか?
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:47:29.67 ID:PFZpPwJP0
>>569
私が無条件で手を出すメーカーは型月とニトロプラスだけです
他メーカーだと燃えそうなタイトルだけ、って感じですね
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:52:19.92 ID:Jufx4Qm9O
おもしろかった…

だが、SSってかネットで読む内容じゃないな


内容が深くて濃くて長い
ぜひ本で読みたいな


ともあれ お疲れ様でした
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:53:21.59 ID:PFZpPwJP0
>>571
酷い文章ですがこれでもワナビ(笑)ですので
もし何年後かにでも似たような内容のラノベを見かけたら私だと思って買ってやってください
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:55:14.49 ID:uLdKLkX1O
>>1はこの方向以外は出来ない?
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:55:29.97 ID:ZKFP4i/00
>>566
そか、回答ありがとう
ジョンに嫉妬する萌えターミネーターはどうかと思ったんだ
また次作待ってます。ほんとに乙
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:57:36.44 ID:PFZpPwJP0
>>573
この方向、と言いますと?
新ジャンルや普通のSSスレのような感じですか?
見ての通り日常パートになるとただでさえ鈍い文章が一層酷くなりますので、
さすがにこれでスレを立てるのはどうかと思い自重しています


次回作ですか、実は今回ので即興の限界を思い知りましたので、
SSはこれが最初で最後になるやもしれません……
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 07:58:36.55 ID:oOtQ82Nh0
おもろかった、乙!
また書いてね
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 08:01:55.39 ID:uLdKLkX1O
>>575
何というかSFの方向じゃなく普通のバトル物とか面白く書いてくれそうな気がしたんじゃい
まぁ確かにSS向きじゃない気もする。何か今vipに居るって気がしなくなる不思議
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 08:04:22.01 ID:PFZpPwJP0
>>577
今回はたまたまSFが思い付いたんでそうしましたが
普段は伝奇が多いですね
ただ超能力者の主人公がループする似非SFとか
主人公が吸血鬼の話では吸血鬼は実は異星起源種とか、
ついSFっぽい設定を入れてしまうあたり癖かもしれません
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 08:04:22.92 ID:wqFoJKLWO
おもしろかった!
ありがとうね!
580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 08:36:03.06 ID:ra/NNTIP0
エロなしでよかったです
乙!
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 08:58:20.72 ID:wT5JDGh4O
乙!面白かった!
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 09:01:19.43 ID:DeJ9GyV1O
面白かった
たまにはこういうのもいいね
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 09:15:02.45 ID:KGSmlw/IO
>>1
おもしろかったよ〜


気が向いたらでいいんで、是非また書いてもらいたい。
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:07:30.70 ID:GixpJrzF0
乙!!
ってか人生初SSでここまで書けるのかよwww
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:31:12.37 ID:0Y+x2Nu8O
乙!
面白かった。
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:42:04.18 ID:Of6niOJ3O
>>1
楽しく読めたよ
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:44:04.26 ID:d6h6aox+0
乙!
面白かった!

次回作にも期待!
588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:50:13.55 ID:dOFKrUiyO
乙!おもしろかったぞ。
今度は自信持って書きたいように書けばいいんじゃない?とおもた。
ラノベ化楽しみにしてるぜww
589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 10:52:33.17 ID:I+LWgncO0
遅ればせながら>>1乙乙
それとホシュラーの皆さんも乙でしたー

面白かったよー
自分としては、ロボットって自覚した後の男と女(とアーシア)の
日常ストーリーが、もうちょっとあると良かったなー
また書き溜まったら投下してねーノシ
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 11:05:20.59 ID:1Ojhq3LoO
寝ようと思ってPCの電源落としたのにうっかり携帯でこのスレ開いたのが運の尽きだった

面白かったぜ。
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 11:20:32.94 ID:yVgDdKRMO
おつかれ
面白かった!

女が自分をロボットだと知ってしまうシーンはもっと掘り下げてほしかったかな。
自分がロボットだと知った衝撃をあれだけで納得(?)したのはちょっと拍子抜けした。
途中で人格交代するにしても、事件解決から日常に戻る前に、後日談として女にもう一度話をし直してくれてたらもっと説得力増したかも。
592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 12:16:51.59 ID:fNa27ZqIO
>主人公が吸血鬼の話では吸血鬼は実は異星起源種とか

前にそんな設定の奴読んだ事あるんだが、まさかなw
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 12:48:12.77 ID:h9gvy3Bk0
ふぅ やっと読み終わった
こういうのもっと増えてもいいよね
地の文があると色々違うし
594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 12:50:14.63 ID:f4uzAwuNO
いちおつ

こんな感じのSS置いてる
サイトどっかにないもんかな

595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 13:19:53.56 ID:jQIrS74/0
>>1乙!
あーたんかぁいいよあーたん
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 14:00:03.31 ID:V5ABxGbS0
終わってたんかwwwいち乙
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 14:11:23.28 ID:uVZYQCIgO
>>1

後日談マダー
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/25(木) 15:34:03.19 ID:BMbza50PO
>>1
乙でしたー
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>1乙!
面白かった!
時間忘れて読んじまったぜw


アーシアかわいいよアーシア