1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:29:02.70 ID:a7vDtgkP0
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:32:40.70 ID:lMIY32pPO
代理ありがとうございます
それでは投下します
※元ネタ有り
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:35:16.13 ID:lMIY32pPO
僕は良く優しい人だと言われる。
けど僕はちっとも優しい人なんかじゃないんだ。
だってその優しさは『優しい僕』を皆に売り込む為の『偽りの優しさ』だから。
( ・∀・)優しくなれないようです
どろ…どろ…
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:38:17.96 ID:lMIY32pPO
*(‘‘)*「おかーさん!」
J(;'ー`)し「ヘリカル! どこに行ってたの」
( ・∀・)「オモチャ屋さんの前で泣いていましたよ。お母さんが見付かって良かったです」
J( 'ー`)し「娘がご迷惑をお掛けしてすみません」
( ・∀・)「迷惑なんかじゃありませんよ。気にしないで下さい」
J( 'ー`)し「本当にありがとうございます。ほらヘリカル、ありがとうは?」
*(‘‘)*「ありがとう、やさしいおにぃちゃん」
( ・∀・)「どう致しまして。もう迷子になっちゃ駄目だよ」
*(‘‘)*「うん! ばいばーい」
僕は一日一善を目標にしている。
今日は街で出会った迷子の女の子を母親の所まで連れて行ってあげた。
そうしたら当然の様に感謝された。
今日、僕は『やさしいおにぃちゃん』になった。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:38:51.66 ID:JBs2KilpO
様子見支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:41:17.04 ID:lMIY32pPO
(;'A`)「ちくしょう財布落とした。これじゃあ間に合わないじゃねぇか……」
( ・∀・)「良かったらこれ使って下さい」
('A`)「え? いいのか兄ちゃん」
( ・∀・)「えぇ。足りますか?」
('A`)「あぁ、充分過ぎるくらいだよ。それで、どうやって返せばいい?」
( ・∀・)「返さなくてもいいですよ。それより時間は大丈夫ですか?」
(;'A`)「おっとやべぇ! 遅れちまう」
('∀`)「悪ぃな、それとありがとう。名も知らない優しい青年よ!」
一日一善と言っても、一回良い事をしてハイおしまい、なんて事はない。
今日は迷子の後に駅前で財布を落としたサラリーマンを助けた。
そうしたらやっぱり感謝された。
今日、僕は『優しい青年』にもなった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:41:46.01 ID:ykqJJe8y0
支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:44:17.04 ID:lMIY32pPO
lw´‐ _‐ノv「流石にこれは買い過ぎたな。重くて運べやしない」
( ・∀・)「あの、良かったら手伝いましょうか?」
lw´‐ _‐ノv「誰かと思ったら、隣人のマララー君か」
( ・∀・)「モララーです」
lw´‐ _‐ノv「だったらお言葉に甘えるとするかな。よろしく、ミララー君」
( ・∀・)「それじゃあ袋を貸して下さい。あとモララーです」
lw´‐ _‐ノv「人の名前を覚えるのは苦手でね。悪いな、ムララー君」
( ・∀・)「モララーです。まあ、いつか覚えてくれればいいですよ」
迷子とサラリーマンを助けた後の僕は、帰り道で隣人のシューさんを見付けた。
買い物をし過ぎた様なので助けてあげる。
きっとまた感謝され、僕は『優しい隣人のメララー君』にでもなるのだろう。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:47:17.41 ID:lMIY32pPO
lw´‐ _‐ノv「ふぅ、やっと家に着いた。ありがとう助かったよ」
( ・∀・)「当然の事をしたまでですよ」
lw´‐ _‐ノv「本当に助かったよ。さて、どうやってお礼しようか」
( ・∀・)「僕が勝手に言い出した事ですから気にしないで下さい」
lw´‐ _‐ノv「それだと私の気が済まないんだ」
lw´‐ _‐ノv「そうだ、せっかくだしお茶でも飲んで行かないかい? 聞きたい事もあるし」
( ・∀・)「それじゃあお邪魔します」
彼女の家に着いたら予想通り感謝された。
お礼にお茶をご馳走してくれるらしい。
ここで断るのはおかしいし、僕に聞きたいがあるらしいので少しだけお邪魔する事にした。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:48:29.90 ID:JBs2KilpO
しえん
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:50:15.98 ID:lMIY32pPO
( ・∀・)「それで聞きたい事ってなんですか?」
lw´‐ _‐ノv「君は『優しさ』ってなんだと思う?」
( ・∀・)「『優しさ』ですか?」
( ・∀・)「そうだなぁ、相手を思いやる心……かな」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ『優しい人』は? 君は良くそう呼ばれているみたいだけど」
( ・∀・)「自分で言うのもおかしな話ですが、思いやりを持った人じゃないですかね」
lw´‐ _‐ノv「それは君の本心か?」
( ・∀・)「え……?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:53:16.48 ID:lMIY32pPO
lw´‐ _‐ノv「私はそんな在り来たりの答えは聞きたくない」
( ・∀・)「…………」
lw´‐ _‐ノv「君の本当の答えを聞かせてくれないか?」
( ・∀・)「…………」
僕は優しさが思いやりの心だなんて微塵も思っていない。
そして何故だかは分からないが、彼女は僕の答えが本心では無いと見破った。
ここでしらばっくれてもきっとバレるのだろう。
しばしの沈黙の後に僕はゆっくりと口を開いた。
( ・∀・)「……分かりました。お話しします」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:56:20.63 ID:lMIY32pPO
( ・∀・)「正直な所、僕は『優しさ』が何なのか分かりません」
( ・∀・)「でも僕が『優しい人』では無い事は分かります」
lw´‐ _‐ノv「それは何故?」
( ・∀・)「僕は『人の為』に優しくしているのでは無くて『自分の為』に優しくしているから」
( ・∀・)「意識していなくても頭のどこかで『優しい自分』に酔い痴れて満足しているんです」
( ・∀・)「これは僕だけじゃ無くて、全ての人がそうなんじゃないかと思います」
lw´‐ _‐ノv「つまり世の中に『優しい人』はいないと?」
( ・∀・)「そうなりますね」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 17:59:20.23 ID:lMIY32pPO
lw´‐ _‐ノv「意識せずとも自分の為に行動している、か。……少し分かり難いな」
( ・∀・)「それじゃあ、シューさんは目の前で子供が泣いていたらどうしますか?」
lw´‐ _‐ノv「泣きやむようにあやすかな」
( ・∀・)「何故泣きやまそうとするんですか?」
lw´‐ _‐ノv「泣いているのが可哀相だから……いや違うな」
lw´‐ _‐ノv「鳴き声が鬱陶しいからだ」
( ・∀・)「それと同じ様な物ですよ」
lw´‐ _‐ノv「……そうだな、君の言う通りだ」
lw´‐ _‐ノv「私は気付かぬ内に、自分の為に行動していたんだな」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:01:50.09 ID:JBs2KilpO
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:02:16.95 ID:lMIY32pPO
( ・∀・)「僕は『優しい人』になりたいです」
( ・∀・)「だけど、どうやってなれば良いのか分かりません」
( ・∀・)「なれない物になろうとする。その為に『偽りの優しさ』を振り撒く」
( ・∀・)「そう『自分の為』に」
僕は酷い人なのかも知れませんね。
最後にそう言って僕は立ち上がる。
( ・∀・)「長々とすみません。そろそろお暇します」
lw´‐ _‐ノv「私が聞き出したんだ。気にしないでくれ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:05:22.95 ID:lMIY32pPO
( ・∀・)「それじゃあ、お邪魔しました」
lw´‐ _‐ノv「モララー君、最後に二ついいかな」
( ・∀・)「なんでしょうか」
lw´‐ _‐ノv「一つ、私は君から『優しさ』を貰ったよ」
lw´‐ _‐ノv「二つ、『優しさ』は間にあるよ」
( ・∀・)「え?」
lw´‐ _‐ノv「私からはそれだけ。それじゃあ、また」
( ・∀・)「あ、はい。また今度」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:07:33.44 ID:8r9n78p8O
しえーん
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:08:16.97 ID:lMIY32pPO
自分の家に帰って考える。
僕は『偽りの優しさ』しか持ち合わせていない。
それなのに彼女は僕から『優しさ』を貰ったと言う。
渡せないのに貰えたとはどう言う事だろうか。
それに『優しさ』は間にあるって言うのも分からない。
彼女は何故分かったのだろうか。
( ・∀・)「……また今度聞いてみよう」
いくら考えても分からなかったので今日はもう眠る事にした。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:11:17.02 ID:lMIY32pPO
*(‘‘)*「おにぃちゃんだ!」
( ・∀・)「あ、昨日の……」
J( 'ー`)し「まさか翌日に会えるなんて、運がいいわ。実はお礼をしようと思っていたんです」
*(‘‘)*「はい、これあげる!」
( ・∀・)「これは?」
J( 'ー`)し「クッキーです。この子と二人で作ったんですよ」
*(‘‘)*「おてがみもあるからあとで読んでね」
( ・∀・)「うん、ありがとう」
今日は街を歩いていたら昨日の親子に出会いお礼を貰った。
不格好なクッキーと、下手くそな字で書かれた手紙。
『優しい自分』に酔う僕の様に、お礼をする自分に酔う為の行動じゃないか、と思った。
だけどなんだか『優しい』気持ちになった。
しえん(・ω・)
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:14:19.48 ID:lMIY32pPO
('A`)「お! 来たな、兄ちゃん」
( ・∀・)「あぁ、どうも」
('A`)「ほら、これ昨日借りた金。ちゃんと返したからな」
( ・∀・)「はい、受け取りました。別に良かったんですけどね」
('A`)「そうはいかねぇよ。それから、ほい」
( ・∀・)「なんですか?」
('A`)「ハンカチだ。良かったら使ってくれ」
( ・∀・)「ありがとうございます」
親子と別れた後、駅前で昨日のサラリーマンと出会って貸したお金とお礼を貰った。
お金は1円も増えていないし、ハンカチだって趣味の悪い柄だ。
お礼の為だけにわざわざ買いに行くなんて馬鹿じゃないのか、と思った。
だけどやっぱり『優しい』気持ちになった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:14:40.61 ID:JBs2KilpO
しえん
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:16:49.31 ID:dtBqTVQKO
優しい支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:17:25.80 ID:lMIY32pPO
なんでだろう。
不格好なクッキーも、
下手くそな字で書かれた手紙も、
1円も増えていないお金も、
趣味の悪い柄のハンカチも、
全部あの人達が『自分に酔う為』に用意しただけなのに。
なんで『優しさ』を貰えたんだろう。
( ・∀・)「あ、そうか……」
その時やっと分かったんだ。『優しさ』の正体が。
本当に間にあったんだって、気付いたんだ。
( ・∀・)「シューさんに知らせなきゃ」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:18:13.87 ID:pNZfMZYAO
モララーは久々に見た
支援なんだぜ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:18:14.87 ID:8r9n78p8O
ようです
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:19:10.78 ID:8r9n78p8O
なんだよようですってちくしょう
しえん
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:20:21.38 ID:lMIY32pPO
『優しい人』にはなれないんだ。だけど悲しくは無い。
だって『優しさ』は、一人では作れないんだから。
僕と誰かがいてその間で作る物なんだ。
知らない間に一緒に作る物なんだ。
( ・∀・)「シューさん!」
lw´‐ _‐ノv「どうした? 何か良い事でもあったの?」
( ・∀・)「やっと『優しさ』が何か分かりました」
lw´‐ _‐ノv「それは良かった。じゃあ聞かせて貰おうか」
( ・∀・)「はい!」
聞かせてあげよう、僕が今日出会った『優しさ』の事を。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:22:17.06 ID:lMIY32pPO
これで終わりです
元ネタはBUMP OF CHICKENの『ひとりごと』でした
支援ありがとうございました!
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:22:31.63 ID:JBs2KilpO
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:23:36.90 ID:XmKYJsxH0
ええはなしやねん
乙
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:24:53.96 ID:pNZfMZYAO
>>1乙!
最近モララーが出るやつないから
ちょっと嬉しかったぜ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:27:50.83 ID:a7vDtgkP0
面白かったがモララー一人称のやさしさ語りは流石に食傷ぎみ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:28:07.73 ID:dtBqTVQKO
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:28:35.99 ID:y0WtXSrUO
>>1乙
なかなか良かったよ
こうやって俺が書き込むのも俺の中では偽りの優しさなのかもな
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:28:59.08 ID:ZxkO5Puf0
まあテーマとしては使い古されまくってるからな
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:29:10.63 ID:TGW7p6jUO
この長さなら総合でやった方がいいな
なんにせよ乙
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:35:01.72 ID:ykqJJe8y0
乙〜
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:38:25.96 ID:lMIY32pPO
>>35 モララーがどれだけ『優しさ』にこだわっているかを表現しようとした結果、しつこくなってしまいました
>>37 私はあなた優しさを貰えましたよ
ありがとう
>>39 総合とスレ立てで迷ったのですが、前にさるがしつこくてスレを独占気味になっていた気がしたので
またそうなって迷惑になるのを防ぐ為にこっちにしました
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:41:53.21 ID:83NrSfDbO
元ネタ、('A`)どろどろのようです だと思ったのに…
読んでくるといいさ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:44:29.23 ID:lMIY32pPO
>>42 モララーだったのが誤解の原因かな?
何にせよ、どろどろじゃなくてごめんなさい
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:53:40.29 ID:83NrSfDbO
だってモララーの性質がまさかの完全一致なんだ
シューに出会わなければああなっていたんだろうね
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 18:55:57.86 ID:uB80GDd90
乙だけ言って読んでくる
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/09(火) 19:01:21.82 ID:lMIY32pPO
>>44 主人公はモララーしか無いと思ったんです
私にどろどろのモララーのイメージが染み付いていたのかも知れませんね
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>1も読んで知ってたのか、なら仕方ない
あれは異常に役にはまってたからな