タラヲ「なぜ殺すかって?楽しいからに決まってるですぅ」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
雨風が窓を叩く。
その音が鼓膜に纏わりつき、カツオはなかなか眠りにつくことができなかった。
浅い眠りに落ちては、窓の揺れる音で目が覚める。
カツオ「やっぱり枕が変わると眠れないのかな」
慣れないベッドの上で寝返りを打つ。
隣のベッドで寝ている妹のワカメは兄とは対照的にぐっすりと眠れているようだ。
時計を見ると午前0時を過ぎていた。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:12:40.41 ID:AFiukAen0
翠星石で再生された
3 :
桜 ◆52iqXyRJt2 :2009/05/31(日) 23:13:05.59 ID:LqCg6BO10 BE:1903608678-2BP(502)
えみしゃかとおもった。
いつもより少しだけ夜更かしをした彼らがベッドに入ったのは日を跨ぐ前の午後10時。
そのときより、この館にぶつかる風の勢いは明らかに強くなっている。
カツオは少しでも不慣れなベッドに身体が馴染むように体勢を色々と変えてみるが、どうも落ち着かない。
本当はカツオも気づいていた。どうして眠れないのか。それは雨の音や慣れないベッドが原因ではないことを。
カツオ「あんな話聞くんじゃなかったよ」
その時、窓の外が一瞬白く光った。
そして随分遅れて雷鳴が轟く。
彼は光よりも音の伝わる速度が遅いことを知っていた。
だから、雷が落ちたのはこの館からはずいぶんと遠いところなのだろうと考えた。
カツオ「やれやれ、折角の旅行なのについてないなぁ」
しばらく雷が鳴り続けたが、どれもまだ遠い場所での出来事だった。
カツオは頭まで布団を被り、雑音を遮る。
ようやく落ち着く体勢を見つけ、彼の意識は少しずつ薄れていった。
どれくらい時間が経ったのか。
カツオが再び意識を取り戻したとき、あれほど酷かった雨風はその力を弱めていた。
枕もとの時計に手を伸ばす。午前2時20分。
半覚醒のカツオはボーッと天井を見つめる。
今回はかなり深い眠りに落ちることができたのに、なぜ目が覚めてしまったのだろう。
カツオ「今のは一体……」
上半身を起こし、部屋中を見渡す。隣のワカメは未だぐっすり眠っていた。
夏だというのにこの天候のせいで空気は冷えている。
半袖のパジャマでは肌寒く、そばに置いていたカーディガンを羽織った。
カツオ「“あれ”は何だったのだろう……」
朦朧とした中で直前の記憶を辿る。そして思い出す。確かに聞いた。何か異様な物音を。
何の音?どこから?
なぜかそれが彼の思考を引き付けて離さない。
普段からいろいろな事に興味を持つ子供だが、それとはまた違う。
第六感――つまり直感が、本能と言い換えてもいい。それが彼を呼んでいる。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:26:00.45 ID:AFiukAen0
支援
8 :
クックル ◆MelonSD/Gw :2009/05/31(日) 23:27:41.79 ID:PAHFkrjKO
ラノベに影響された文体
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:27:59.91 ID:squIhbZsO
支援
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:28:13.38 ID:oxJcMNGRO
語尾だけタラヲ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:29:35.82 ID:k50d8bXzO
フムフム
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:29:59.95 ID:g5XpZwLN0
続けろ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:31:05.99 ID:8ifzdguSO
期待
眠る妹を起こさないようにベッドの横に揃えて置かれたスリッパを履く。
忍び足で部屋を横切り、静かにドアを開け、廊下に出た。
最後に振り返り、再度ワカメの様子を確認する。
カツオのベッドの位置からは見えなかった彼女の可愛い寝顔が見える。
カツオ「よし、眠っているな」
音を立てないように静かにドアを戻すと、小さくため息をこぼす。
廊下は部屋の中以上に寒かった。
広く、そして長く続く廊下。点いている電球が少なく、廊下の突き当りが見えないほどの暗闇。
いや、下手に光源がある分、その光が届いていないところが際立ってより暗く見える。
吸い込まれそうな漆黒。
カツオの足も自然とそちらの方へと引っ張られた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:32:04.44 ID:raOVViH5O
もしやこないだの発狂サザエの方か
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:32:57.48 ID:rz6brCjSO
うーん物書きとし
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:33:16.76 ID:y1WtIY660
>>15 もしそうなら俺は寝ないぞ
明日仕事だけど
カツオたちに宛がわれた部屋は館の北側二階の奥から二番目の部屋。
方角的には西にあたる、一番奥の部屋では、甥のタラヲと親戚のイクラが寝ている。
この館はカタカナの“コ”の形をしていた。
そして中庭に面して廊下が一繋ぎになっていて、その逆側、つまり館の外側に各部屋が配置されている。
今カツオのいる二階は北側に五つの客室があり、コの縦線に当たる部分には一階に続く階段と中庭側に突き出すバルコニー。
南側には伊佐坂家の人々のための部屋が西側から三つ続いて、東の角には大きな娯楽室があった。
この館は隣人の伊佐坂の別荘だ。
小説家である伊佐坂は一昨年『鯉空』という作品が大当たりし、一躍時の人となった。
映画化、漫画化、アニメ化など各方面に強い影響を及ぼしたこの作品で稼いだ金額は推測するのも恐ろしい。
去年の秋頃から別荘の建築をはじめ、今年の六月に完成したらしい。
そして、夏休み、大人たちがお盆休みに入るこの時期に、避暑がてら御呼ばれされることになった。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:41:59.87 ID:ZKzeEzPvO
かまいたち2ですか?
昨夜、カツオには日付が変わったという感覚はないだろうが、就寝の直前まで、この館を訪れた人たちが集まり遊んでいた娯楽室。
その部屋の中央に大きなテーブルがあり、それを囲むように如何にも高級な皮のソファーが置かれていた。
壁には磯野家の数倍はある画面のテレビ。それ挟んで両脇に並べられた変わった棚には沢山のビンが並んでいた。
カツオには分からなかったが、それはワインやウイスキーなどの中でも希少で価値の高いお酒なのだと姉に教えてもらった。
奥にはビリヤード台やダーツ、チェス盤なども置かれている。
子供たち、フネ、お軽、ウキエはトランプで遊び、マスオ、ノリスケ、サザエ、たい子、甚六はビリヤードを楽しんでいた。
そして、波平、伊佐坂はそんな様子を見ながら、姉の言う“高い”お酒を飲んでいた。
大人たちも普段と違い、羽目を外していた。
そのおかげで磯野家では珍しい夜10時過ぎまで夜更かしを楽しみ、カツオたちは部屋に戻る。
そして現在に至る。
鯉空www
“コ”の右上、北東の角を曲がり、南北に延びる廊下に出た。
突き当りには娯楽室の大きな二枚扉が見えるはずだった。
既に2時20分。大人たちも既に就寝したのだろうか。その部屋からは光は漏れていない。
カツオ「もうみんな寝たのか」
時間も時間だし、父さんや母さん、伊佐坂先生夫婦なら寝ていてもおかしくはない。
でも、姉さんやノリスケおじさんなら起きていてもおかしくはないと思ったんだけどな――
自分の部屋に戻ろうと、踵を返そうとしたその瞬間、轟音が館に響く――
期待!
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:47:54.49 ID:X7fiOXSVO
鯉空ワロタww
視界に真っ白な閃光飛び込んだ。
一瞬の静寂の後、建物全体を豪雨が襲う。
館そのものが音響設備かのようにその音と共鳴し合い、激しく響く。
カツオは思わず耳をふさぐ。
今度は近い。そう思った。
カツオ「どこか近くに落ちたのかな……」
早く部屋に戻って寝てしまおう、そう思ったときに気づいた。
なぜだろう、一体今のは何で?
第六感が、直感が、本能が。彼を呼んでいる。
そして彼は一歩を踏み出す。寝室とは逆の方向に。
風が一段と激しくなった。バルコニーに続く扉がガタガタ騒ぐ。
館から数百メートル離れた古木に閃光が突き刺さる。
再び雷鳴が館を揺らした――――
「嵐の館」
この物語は二次創作です。つまり妄想です。現実であるわけがない。
ですから実在するキャラクターの名前が出てきてもそれは妄想です。現実であるわけがない。
この物語の中で何が起きても全て妄想です。現実であるわけがない。
ですから安心してください。この災いがあなたの身に降りかかる事はないのですから。
Wakame Isono
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/31(日) 23:59:36.25 ID:y1WtIY660
うみねこかとおもった
Day 1
8月13日(水)
住み慣れた平屋を朝早く出て、新幹線、バスを乗り継いで伊佐坂家の別荘に着いたのは正午をかなり過ぎ、既に午後2時。
バス停にはワゴン車に乗ったノリスケと、愛車に乗った甚六が待っていた。
伊佐坂とその妻のお軽、息子の甚六は先週末から、ノリスケ一家も今週の初めから別荘に訪れていたらしい。
特に別荘の主人である伊佐坂本人は完成してから幾度となく、知人を招待し、夜通し酒を飲み交わしているらしく、
ここしばらく愛犬を散歩させる姿を見ない日が続いていた。
駅を出たときから気になっていたが、ここに来て雲行きがいよいよ怪しくなってきた。
マスオは昨夜の天気予報を思い出す。
沖縄の南東で発生した近年稀にみる規模の台風の接近。ついでに、お天気コーナの可愛いお姉さん。
まだ雨は降り出していないが、時間の問題だろう。
予報でも今晩の遅くからこの地方に影響を与え始め、明日早朝には暴風域に入るらしい。
嫌な時期に来たものだ、とマスオは思う。もちろん、そう思ったのはマスオだけじゃないだろう。
降り立ったバス停付近にはまだ残っていた民家も消えて、深い森の中の一本道を走ること一時間強、急に視界が開いた。
木々が生い茂る中、そこだけがポツンと空いている。その空間を牛耳っているのが、目的地の別荘だ。
スポットライトを当てられた舞台俳優のよう。妻の妹に当たるワカメはそう表現したが、マスオはまったく逆の印象を受けた。
森の成長に取り残された土地、あるいは周囲の木々に拒否された土地。
これほどファーストインプレッションに差があるのは年のせいだろうか。
いや、違う。マスオは自分自身に言い聞かせる。僕はまだまだ若い、と。
そして思う、これは天候のせいだと。このどんよりとした暑い雲が、じめじめとした空気が僕を陰鬱な気分にさせているのだ。
ワカメは子供だから、天候よりもはじめて訪れる地、そして旅行そのものに慣れていないため興奮してる。
だから天候を気にする余裕がないのだ。
隣の席に座る妻に目をやる。長旅の疲れのせいか、寝息を立てていた。
その姿を美しいと感じるのは、夫の欲目なのか。
ふと窓の外に目をやる。そこには古い大木が腰を据えていた。
樹齢はどれくらいだろうか。百年はとうに超えていそうな貫禄だ。
しばらく目を奪われる。それは妻とはまた異なった美しさを持っている。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:21:04.16 ID:vOf94g6GO
支援
そうしているうちにノリスケの運転するワゴン車が進路を変えた。
今まで走ってきた道を逸れ、別荘の前の駐車場に入ったのだ。
寝ている妻を起こし、車から降りる。クーラーの効いていた車内とは違い、じめっとした空気が気持ち悪い。
長野の別荘と聞いたから、もっと爽やかなイメージがあったのだが、近づく低気圧のせいもあってか、それを味わうことはできなかった。
サザエ「ふぅ〜はぁ〜、空気が美味しいわね」
タラヲ「おいしいです〜」
続いて降りてきた二人がマスオに言う。
美味しい?この空気が?
些か疑問を感じたが、ここでマイナスな意見を言うよりは、ポジティブな二人に合わせることにした。
マスオ「本当だね、心が洗われる気分だよ〜」
ごめんsageてたんだね
トランクから荷物を降ろし、先を走っていた甚六の車に乗っていた義父母と義弟に合流する。
少しの会話の後、なぜか先頭に立ったノリスケに案内されて、別荘に向かう。
途中、マスオは足を止め、もう一度空を仰いだ。数分前よりもその厚みが増したように思える。
そのまま視線を後方に落とし、あの古木があった方を見た。
ここからでも分かる、その存在感。他の木々とは一線を画した威圧感。
ノリスケ「マスオさ〜ん、ぼやぼやしてると置いていきますよ〜!」
マスオ「ああ、ごめん。今行くよ」
自分、妻、息子の三人分の荷物を持ち直し、足を別荘を方へと進めた。
白の明るい外壁はレンガ造り、その頂点には朱色の屋根。手前に突き出した玄関の屋根も朱色。
壁には左右対称に丸い窓がいくつか取り付けてある。その窓の縁も同様に朱色。
そして建物の周囲を銀杏の木が等間隔に林立していた。
中世のお城を思わせる。今回はマスオの第一印象もワカメはサザエと同じだったようだ。
玄関の前で待っていた伊佐坂とお軽が一行を出迎えてた。
波平が今回の招待について感謝の意を述べる。それに対して伊佐坂が旅の苦を労った。
子供たち三人はその僅かな時間を惜しみ、一刻も早く中に入りたいようだった。
それを察したお軽が話を切って、磯野一家を別荘の中へと案内する。
建物東側、突き出した玄関を抜けると、すぐに広々とした応接間に出る。
右手の壁にはどこかで見たような絵画が掛けられ、その対面にはこの館に相応しい中世の鎧が飾ってあった。
見上げると、吹き抜けの天井には豪華な装飾を施したシャンデリア。両端には二階へと続く階段。
そして玄関を入った真正面にどこかへ続く扉がどんと構えていた。
応接間にあるソファに見慣れた人の姿がある。ノリスケの妻であるたい子とその息子イクラだ。
イクラは若干退屈そうにしていたが、タラヲの姿を視界に捉えると、一気に表情が明るくなり母の手から彼の元へ駆け寄っていった。
イクラ「はぁ〜い!」
タラヲ「あ、イクラちゃんです〜!」
同じようにタラヲも彼の元へ駆け寄っていった。
サザエは座っているたい子の隣に腰掛て、大きくため息をついた。
サザエ「はぁ〜、疲れた。やっぱり長野は遠いわね」
たい子「お疲れ様、サザエさん。お茶でも入れましょうか?皆さんもどうですか?」
サザエに続いて、一行が荷物を適当に降ろし、次々とソファに腰掛ける。たい子はその皆に問いかけた。
たい子「カツオ君たちはジュースの方がいいわよね」
カツオ「あ、お願いします」
波平「こら、少しは遠慮せんか!」
波平の突っ込みで場が和む。たい子が席を立とうとした時、それをお軽が制した。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:40:52.40 ID:K4ATprFz0
お軽「いいんですよ、皆さんはお客様ですから。持て成すのは私たちホストの仕事ですよ。」
たい子「でも、さすがにこの人数分を一人で用意するのは大変かと思います。」
お軽「そう、ね。じゃあ、お手伝いお願いしていいですか?」
たい子「もちろんです」
フネ「お軽さん、私も手伝うわ」
たい子「大丈夫ですわ、伯母様。お疲れでしょうから、少しお休みになってください」
お軽「そうよ、おフネちゃん。二人いれば大丈夫よ」
フネ「あら、そう。それなら甘えさせてもらおうかしら」
サザエ「そうよ、母さん。少しくらい休憩した方がいいわ」
カツオ「姉さんは嘘でもいいから手伝う素振りした方がいいよ」
波平「左様」
サザエ「す、すいましぇ〜ん……」
波平の突っ込みで再び笑いが起きた。それを聞いて、二人はキッチンへと向かう。
甚六は仮眠を取りたいと自室へと戻っていった。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:44:09.33 ID:XgxllOf2i
しえん
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:45:09.94 ID:K4ATprFz0
建物一階、応接間から右手に延びる廊下を進んで二つ目の扉に食堂がある。
ここでの食事は全て取るようになっていた。
たい子とお軽はその手前、一つ目の扉の中へと入っていく。食堂に接して設けられているキッチン。
大人数の来客者が来てもいいように大型の冷蔵庫があり、戸棚には食器がずらり。
お軽はその中から人数分のティーカップを取り出し、たい子は冷蔵庫からジュースを取り出し、ガラスのコップに注いだ。
暫し長旅の疲れを落としながら、大人たちは談笑を楽しんでいた。
子供たちも最初は話を聞いていたが、次第に飽きてきて屋敷の中を探検することにした。
フネは人様の家を除きまわるのは良くないとそれを制す。
だが、伊佐坂は展示品を壊さないと守るならば好きなだけ見て回っていいと子供たちを遊ばせようとした。
子供たちのため、というよりは完成した文字通り“自分の城”を自慢したいという気持ちもあったように思える。
イクラ「はい、は〜い!」
カツオ「どうしたのイクラちゃん?何か見せたいものでもあるの?」
イクラはカツオの手を引き、どこかへと続く扉の前に立ちそれを叩いた。
ワカメとタラヲはその後ろを付いてくる。
タラヲ「イクラちゃんは、この戸を開けろって言ってます〜」
たい子「きっとカツオちゃんたちに中庭を見せてあげたいのね」
サザエ「中庭があるんですか?」
ノリスケ「そうなんですよ!これがしっかりと手入れされてすっごい綺麗な庭なんです!伯父さんたちも見てくださいよ!」
伊佐坂「何で君が得意げに話すんだ。ここは私の別荘だぞ」
波平「左様」
サザエ「是非見てみたいわ!」
伊佐坂「どれ、私が中庭を案内しよう」
そう言って伊佐坂が立ち上がり、サザエ、フネ、波平が続く。ノリスケは、ばつが悪そうにコーヒーを啜った。たい子はそれを見てクスリと笑う。
マスオさんは見ないのですか、とお軽がどこか上の空のマスオに訊ねた。
サザエが振り返りマスオを催促すると、手に持っていたカップをテーブルに置き、立ち上がる。
彼のカップが全く減っていない事にたい子だけが気がついた。
カツオは早く開けるように要求するイクラを抑えて伊佐坂を待った。
賢いカツオのことだから、彼の感情も理解していたに違いない。
伊佐坂が扉の前に立った時、背後から別のドアが開く音がした。そこにいた全員が振り返る。
ウキエだった。
ドアの外にいる人から荷物を受け取り、軽く挨拶をした後、ウキエが入ってくる。
服の右肩部分の色が変わっていた。
ウキエ「参ったわよ、急に雨が降ってきてさ。テニスサークルの合宿も中止になっちゃって。」
伊佐坂「何?ついに振ってきたのか」
伊佐坂は急いで目の前の扉を開ける。同時にサーッという細かい音と雨の匂いがした。
扉の向こうは広いテラスになっていて、庭を眺めるために置かれただろう椅子が二脚あった。
この上はバルコニーになっているらしい。
伊佐坂は少し気を落としているようだ。
実はこの中にはも拘った造りになっていて、植えてある花の種類や位置を決めるのも伊佐坂は関わっていた。
そして一流の庭師も雇い、こまめに手入れさせていた。
ここを訪れた者にこの庭を案内するのが彼の密かな楽しみでもあった。
天気のいい日、ここで読書したら気持ちいいだろうなとカツオが言う。
それにサザエが反応し、漫画は読者に含まれないわよと茶化す。
波平が後ろから咳払いをして、こっそり伊佐坂の顔色を窺った。そこで漸くサザエも察する。
波平「いや、雨の庭園というのも良いですな。さすが伊佐坂先生」
フネ「本当ですね。風流ですわ。ねえ、サザエ?」
サザエ「え、ええホントね!素敵だわ〜」
タラヲ「すてきですぅ〜」
ワカメ「伊佐坂先生、あの花は何ていうの?」
伊佐坂「え?あれかい?あれはね……」
家族総出で伊佐坂の機嫌を直すことに成功した。その光景をウキエとお軽が申し訳なさそうに見ていた。
もちろん嘘を言ったわけでもない。フネの言う通り、雨に耐える庭園の花や植木に風流を見出すことはできる。
しかし、それをできないイクラは外に出られないことを残念がっているようだ。拗ねた声を出してたい子に飛びつく。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:57:42.77 ID:K4ATprFz0
次第に強くなる雨。雨の匂いに土の匂いが混じる。ふっと下を見るといくつか水溜りができていた。
壁のないテラスの白い床も雨で濡れてその色を変え始めた。伊佐坂を含め一行は諦めて室内に戻る。
遠くで雷鳴が聞こえた気がした。
マスオはブルッと身を震わせ、室内へと飛び込んだ。
やはり何処からか低い音が聞こえる――
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 00:59:38.89 ID:K4ATprFz0
夕食を済ませ、三家族は二階の娯楽室に集合した。総勢14人。普段より騒がしいのは当然だといえる。
大画面のテレビは台風の接近を知らせていた。昨日よりも台風は勢力を増し、破壊力を強めているらしい。
四国では、屋根が飛ばされたり、窓ガラスが割れるなどの被害が出ているとの事だ。
それを聞いてワカメとタラヲが不安がっていた。フネも家の心配をする。
だがカツオは逆にワクワクしている。小学生の男の子とは往々にしてそういったものだ。
暫くしてウキエがやって来る。お風呂の準備が整ったらしい。
伊佐坂、波平から始まり順々に浴室へと向かう。
マスオが娯楽室を出たとき、雨音は更に激しさを増していた。時刻は午後9時40分を少し過ぎていた。
天気予報の通り、この地域も徐々に台風の勢力下に入ってきたようだ。
全ての客室にシャワーは付属していた。しかし、それとは別に大きな浴室があるという。
娯楽室を出て、そのまま廊下を進み階段を下りる。応接間から左手の廊下を進み二つ目の扉。そこに脱衣所があった。
浴室もご多分に漏れず豪華な造りだった。おそらく大理石なのだろうとマスオは驚嘆する。
この別荘に一体幾ら金をつぎ込んだのか。それより『鯉空』で一体幾ら金を掴んだのか。
きっと僕が一生かけても稼げない額なのだろう。広い浴室に小さなため息が木霊する。
娯楽室は完全防音になっている。窓はあるが厚いカーテンのおかげで光も入らないようになっている。
そのおかげでワカメやタラヲ、イクラを怖がらせる暴風の音は聞こえない。
ウキエ、フネ、お軽の大人三人を入れた六人はもう何度目になるか分からないババ抜きを飽きずに楽しんでいた。
先ほどまでその輪の中にいたカツオだったが、繰り返す幼稚な遊びに退屈を覚え、何か楽しいことはないかと考えていた。
大人グループに入ろうと試みたが、彼の身長でビリヤードをするのは容易くはない。
そこで酒を飲み交わす父とこの館の主に目をつけた。
いつになく酔いが進んでいる父ならばあるいは小遣いをせびられるかも知れないと考えたのだ。
笑顔で近づくカツオ。どうやら伊佐坂はまだこの別荘を自慢しているらしい。
波平「ほぉ〜それは素晴らしいですな〜。是非見てみたいものですな」
カツオ「ねえ、何の話をしてるの?」
伊佐坂「いやあ、カツオ君。カツオ君も聴いていくかい?」
波平「伊佐坂先生、こいつには建築の素晴らしさを説くなど時間の無駄ですよ」
カツオ「そんなことないよ!僕だってこの別荘がすごいってことぐらい分かるさ!」
伊佐坂「あっはっは。そうかい、ありがとう。それにカツオ君も好きそうな話もあるんだよ」
伊佐坂は空になったグラスにウイスキーを継ぎ足す。そして座り方を変えて身を前に乗り出した。
それに呼応して、波平とカツオも顔を寄せる。どうやらお軽に聞かれることを危惧してるらしい。
伊佐坂「いいかいカツオ君。これは決して他人に言っちゃダメだよ?磯野さんもいいですね?」
カツオ「う、うん。分かりました」
波平「承知いたしましたぞ。」
伊佐坂「先ほど言いましたよね?この別荘はある有名は人に設計していただいた、と」
波平「確か、中村青司と申しましたか?天才と呼ばれている建築家だとか」
伊佐坂「その通り。実はその中村青司が設計したとされている建築物はいくつか存在するんですけどね……」
カツオ「それがどうかしたんですか?」
伊佐坂「実はね、その建物でね、次々に人が死んでいるらしいんだ」
カツオ「え?」
二人は意外な話の展開に一瞬言葉に詰まる。目を見合わせた後、波平がどうにか口を開く。
波平「そ、それは本当ですかな?」
伊佐坂「噂、ですが。だが出版関係の仕事仲間に彼に詳しい人がいてね。その人が言うには……」
波平「本当らしい、と」
伊佐坂「ああ。実はね、その中村青司自身、彼が設計した屋敷で死んでいるんだ」
カツオ「そんな……」
伊佐坂「僕が去年の夏前にこの別荘の設計を依頼して、その後すぐに。つまりこの館が彼の遺作になるわけだ」
今読み返すと伊佐坂先生の口調おかしいな……
前のめりになっていた体を戻し、椅子に深く座りなおす。グラスを口元に運び、ググッと咽喉に流し込んだ。
波平を同じようにグラスの残りを飲み干す。
この曰く付きの館の主に御代わりを勧められたが、波平は結構と手を突き出した。
伊佐坂「とくに人が集まるときには注意しろと言われたよ。何か良くないことが起きるかもしれない、とね」
カツオ「よ、良くないことって?」
少年の質問を聞いて、伊佐坂は意味有り気に沈黙を保った。少し間を開けて言う。。
伊佐坂「ま、あくまで噂だけどね。ははははは」
波平「まったく、伊佐坂先生も人が悪い。あはははは」
大人二人はブラックジョークを楽しむかのように、この気味の悪い話を笑い飛ばした。
そして伊佐坂は脅えるカツオを肴にするかのように、また手に持ったグラスを空にした。
恐怖で動けずにいる少年を見ながら、伊佐坂は更に話を続けた。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 01:16:32.91 ID:K4ATprFz0
マスオが戻った時には、子供たちの姿はなかった。
時計を見ると10時25分。四十分近く風呂に入っていた事になる。
マスオ自身はそれ程長く入っていた感覚はなかった。しかし、実際時間は経っている。
親交の深い隣人と自分との圧倒的な差をこのような形で見せ付けられた。それに強い衝撃を受けたのは確かだ。
正直な話、ここまでとは。予想の遥か上を行く絢爛な様。自分の小ささを思い知らせられた。
彼の精神状態を考えると、時間の経過に気がつかないのも仕方のないことなのかもしれない。
伊佐坂「どうだったかね、お風呂は?」
マスオ「あ、いいお湯でした」
伊佐坂「いや、そうじゃなくてだね」
マスオ「え?あ、ああ素晴らしいお風呂でした。思わず絶句しちゃいましたよ」
伊佐坂「そうかそうか。喜んでいただけてよかったよ。結構だ、うん」
グラスに入ったウイスキーをちびりと啜り、声高に笑う。頬が赤い。かなり酔っ払っているようだ。
その姿にマスオは自分の中に込み上げてくるものを感じていた。
マスオ「(くそ、俺だって……)」
サザエ「あなた?どうかしたの?」
マスオ「なんでもない」
嵐の中で夜は更けていく――
炎が風でその勢いを増幅させるかのように、暴風はこの呪われた館に潜む災いの火種を地獄の業火の如く掻き立てるのだろうか。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 01:33:59.83 ID:q7XryjQ8O
まったく、また眠れないな
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 01:39:45.35 ID:K4ATprFz0
壁に掛けられたアンティークの時計は既に1時を過ぎていた。
数時間前まで賑わっていた娯楽室は今はもう静まり返っている。
長旅の疲れもあってサザエ、マスオが客室に向かったのは三十分ほど前。
そのあと、一人、また一人いなくなり、残っているのはノリスケだけになった。
リモコンでテレビの電源を落とす。軽く背伸びした後、時計に目をやる。
ノリスケ「あーもうこんな時間かぁー。僕も寝ようかな」
こちらも少し酔いが回っているようだ。足元が覚束ない。
そういえば、と思い出す。伊佐坂が自室に戻る前に言っていた。最後に出るものは鍵を閉めるようにと。
ノリスケ一家がこの別荘に着いた最初の夜、昼間寝すぎたイクラが目が覚めて、一人で屋敷内を歩き回る事件が起きていたのだ。
もし、またどこかの部屋に入り、高級な物を壊してしまったら。
そう思った伊佐坂の指示で客室以外の全ての部屋は夜の間、施錠されることになった。
テーブルの上を見渡すとそれらしい鍵があった。
以前聞いた話によると、この鍵は複製不可能らしく、今ノリスケの手の中にある物とお軽が管理しているスペアキーの二つしかない。
失くしたら大変だと、気を引き締めると、部屋の電気を消し、娯楽室を後にする。
廊下に出て気づく。酷い豪雨だと。台風の強風域に入っているに違いない。
急いで施錠し、ふらつきながらもその足を自分に宛がわれた客室へと進めた。
ジリリリリ
お軽は手を伸ばして目覚まし時計を止める。普段は目覚まし時計など使わない。
けれども今日はホストという立場だ。万が一、というのは許されない。
カーテンを開ける。だが、部屋の薄暗さは変わらない。無数の雨粒が窓に激突しては落下していく。
昨夜ニュースで見たとおり一夜明けて嵐はより酷くなっている。この館を囲む森の木々が大きく揺れていた。
お軽「さて、早く朝食の準備しないと」
Day 2
8月14日(木)
一階北側にあるお軽の寝室を出てキッチンに向かう。
廊下の右手、つまり中庭に面する壁には等間隔に窓が設置されている。
建物正面についていたものと同じ丸い窓。
お軽はふとその窓の外に視線を飛ばした。そこには良く手入れされた庭園が見える。
完成以来、ここには伊佐坂に付き添ってよく来ている。今回も既に一週間以上をここで過ごしてきた。
もちろん、部屋を出て、キッチンに向かう過程で目に入る風景にも慣れた。
最初は釘付けになった庭園も今では、生活の一部にまで埋もれている。
なのになぜだろう。気になるのだ。
昨日までとは違う。何が?
どうしてか分からない。“何か”がお軽を好奇心を駆り立てるのだ。
窓に近づいて、様子を窺う。嵐の影響で荒れているのは仕方ない。
その他の相違点を探す。絶対に何かある、その確信がお軽にはあった。
お軽の行動を予期してたかのようなタイミングで薄闇を閃光が貫く。お軽は思わず声を上げてしまった。
そういえば、昨日の夜遅くに近くで大きな落雷があったのを思い出した。
そんな事思い出してると遅れて雷鳴が耳に届いた。
ゆっくりと目を開けて、ふっと息を吐く。再度、外へと視線を飛ばす。
そして見つけた。“相違点”を。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 01:52:24.72 ID:K4ATprFz0
庭園の中心、円形状の花壇、すっかり花は倒されてしまったが、そこにそれはあった。
お軽「あれは……?え?」
見間違いかもしれない。でも見間違えようがない。あれは、そうだ、あれは。
人間の腕だ。
To be continued.... Next story is 「最悪の夜明け」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 01:56:30.04 ID:nZvImHSFi
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 02:03:46.53 ID:K4ATprFz0
支援ありがとう
でも書き溜めてあるのがここまでなので、ちょっとペースが遅くなります
ごめんなさい
たぶん朝までは自分で保守しながら頑張るので、会社・学校等ある人は寝た方がいいと思います
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 02:23:35.05 ID:pW/QmECaO
支援する
保守もする、安心して書いてくれたまえ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 02:31:51.12 ID:K4ATprFz0
Day 2
8月14日(木)
午前6時50分を少し過ぎた。
言うまでもなく空は厚い雨雲に覆われていて、夜明けを知らせる太陽の光が入ってくる余地はない。
それでも先程までよりは幾分か明るくなった。
ごおおお、ごおおおという暴風の音が屋敷の周りをぐるぐると駆け巡る。
応接間に五人分の人影が見える。
波平、マスオ、サザエ、ウキエ、そしてお軽だ。
彼らの姿は寝起きそのもの、パジャマのままだ。しかし、この緊急事態だ、それも仕方あるまい。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 02:34:02.21 ID:mUPW+0DKO
つC
“あれ”を見つけた後、少しの間放心状態だったお軽だったが、大き目の雷鳴がお軽の意識も無理やり呼び戻す。
そして、彼女の視覚は再び“あれ”を捕らえた。残酷な現実は何も変化していない。
人間の腕。力なく横たわる誰かの腕。一体の誰の…………。
気を落ち着かせて、お軽は思考を巡らせる。自分は何をすべきなのかを。
まず一番近くの部屋にいる夫に知らせに走った。
部屋の扉を力強くノックして、夫の名前を呼ぶ。しかし返事がない。
もしかして、“あれ”は夫の腕なのか?そんな最悪のシナリオが頭を掠める。
扉を開けようとドアノブの回す。が、鍵がかかっている。
彼女はある結論を出した。夫のは部屋の中にいる、と。
館の部屋には全て廊下側からも鍵が掛かるようになっている。
その鍵は二つあり、一つは伊佐坂が、もう一つはお軽が持っていた。
しかし、先日のイクラの夜歩きが原因で、客室以外の全ての部屋は施錠されることになり、それはお軽の仕事だった。
お軽が持つスペアーキーは全ての鍵が束になっているので使いづらい。そのため伊佐坂が持つ鍵をお軽が借りた。
つまり、この数日、外からこの部屋に鍵を掛けることができるのは、お軽だけなのだ。
もちろん、中から鍵を掛けることもできる。しかし、ここは伊佐坂の寝室。他に誰が入るというのだ。
やはり、お軽以外は鍵を掛けることはできない。
そして今、鍵が掛かっているということは伊佐坂がこの中にいる、ということだ。
もう一度、部屋の中へ呼びかける。やはり応答はなし。
仕方なく、その場を離れ他の人間を呼びに行く。
そして現在に至る。
館南側に続く廊下から更に一人やって来た。甚六だ。
甚六「やっぱり書斎にもいないみたい。かなり酔ってたから寝てるんじゃないかな?」
波平「そうだと言いのだが」
お軽「わたし、もう一度主人の寝室見てきます」
甚六「俺も行くよ、お袋」
お軽は足早に廊下を進む。その後ろに甚六がついていく。
応接間から南北に伸びる廊下にはテラスへ出る扉を挟んで左右に二箇所ずつ。
そのどこからも中央にある花壇は見えない。
しかし、東西に走る廊下にある窓、西に近づくほどそれは視界に入ってしまう。
お袋に再び見せるのはあの残虐なものを見せるのは耐えられない、と甚六は思った。
お軽が呼びに来た後、二階の廊下の窓から甚六自身もそれを見た。
角度が良かったのか、一階の廊下からは腕が見えるだけだったが、そこからはまた“別のもの”を見ることができた。
眼鏡をかけて確認する。誰かの体の一部“だった”ものがそこにはあった。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 02:53:26.37 ID:uPZ/pJAKO
支援
まず、右腕。これがお軽見たものだ。花壇の北側、テラスからの視点だと右側。そこにそれはある。
そして、左脚。これは花壇の東側、テラス視点で手前側。そこにある。
最後に、左腕。これは最初気がつかなかったが、花壇の中央で緑に埋もれて、手の甲だけが見えていた。
甚六は思い出してまた気分が悪くなった。しかし、母親を一人にはできない。
なるべく外を見ないように廊下を進む。突き当たり、一階一番西の奥の部屋が父親の寝室だ。
先に着いたお軽がノックする。だが反応は無い。
甚六「お袋、鍵持ってるんだろ?こんな事態なんだ。それ使って親父起こさないと」
お軽「そうだわね。ちょっと待ってて」
お軽は身を翻し、隣の自室に入っていく。
一分もしないうちに戻ってきた彼女の手には鍵が握り締められていた。
ガチャリと重い金属音がした。ゆっくり鍵を引き抜き、恐る恐るドアノブを回す。
いつも使っている扉が何倍もの重さに感じられた。
部屋に足を踏み入れた二人は、中にいるはずの、そう信じている、人物に呼びかける。
お軽「あなた……?」
甚六「親父……?」
カーテンが閉められ未だ薄暗い部屋、甚六が手探りでスイッチを探す。
天井の蛍光灯に明かりが灯る。その眩しさに目が眩む。
お軽がまた夫を呼び、部屋を見渡した。
だが、そこに彼の姿は無い。
「最悪の夜明け」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:05:18.08 ID:uPZ/pJAKO
伊佐坂先生;
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:05:24.95 ID:X+jvKORvO
wktk
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:07:57.43 ID:q7XryjQ8O
マスオ「ぇえ!?いささか先生は組立式じゃなかったのかい?」
意識が暗い夜の海に浮かんでいる。ワカメはそんな感覚に捕らわれていた。
波は比較的穏やか。台風はもう過ぎ去ったのか。しかし空は黒い。月も星も見えない。
サーッ、サーッと波が寄せて返す音。砂が攫われ、また戻ってくる音。
岸が近いのか?分からない。視点は常に天を仰いでいる。
少し怖いけど、心地いい。何もできないけど、何もしたくならない。これは夢?うん、きっと夢。
誰かが呼んでいる。よく知っている声だ。必死に耳を傾ける。でも波打ち際の音が邪魔して聞き取れない。
誰なの?何を言ってるの?波の音がどんどん大きくなって私に迫ってくる。さっきまであんなに穏やかだったのに。
急激にうねり出した水面は生き物のように彼女の身体に襲いかかる。
そして数秒のうちに、幼い体は海中へと引き込まれていった。
もっと深い暗闇。息は不思議と苦しくない。でも、もう声は聞こえなくなってしまった。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:13:21.41 ID:n6oHmDiTO
寝る前に読み始めたら面白い、支援
――――ワカメ、起きて!お願い、ワカメ!!
ワカメ「はっ!」
フネ「ワカメ大丈夫かい?すごい汗だよ?」
ワカネ「あ、お母さん。大丈夫よ、ちょっと変な夢見ちゃっただけ。」
フネ「そうかい?それより、カツオは?」
ワカメ「え?お兄ちゃん?」
驚いて身を返す。しかしそこにあるのは抜け殻となったベッドだけだった。
フネ「カツオ、どこいったか知らないかい?」
ワカメ「わからない。トイレじゃないの?」
フネ「部屋の備え付けのトイレにもいないのよ」
ワカメ「え?じゃあ、娯楽室でテレビでも見てるんじゃないの?」
眠い目を擦りながら次々に投げかけられる母親の言葉に答えた
ふと時計に目をやる。7時まで5分を切っていた。
平日ならそろそろ起きて学校に行く準備をする時間だが、今は夏休み。
普段より少し遅く起きる習慣がついていたため、この時間でも多少眠気が残る。
特に昨日はいつもに比べて夜更かししてしまったので、余計に辛い。
ワカメ「何かあったの?」
フネ「え?ああ、ちょっとね。」
言葉を濁す。平然を装う母親だが、その様子がおかしいことは一目瞭然だ。
ここで初めて、兄がいないことに不安を覚えた。
フネはワカメをつれて隣の部屋、タラヲとイクラがいる部屋へと向かう。
その時フネは意識的に窓側に立ち、娘の視界が、外に向かうのを防いだ。
当然、例の物を見せないためだ。
足早に廊下を移動し、部屋のドアをノックする。
少し経って、中からたい子が顔を出した。
フネ「二人は?」
たい子「まだぐっすり眠っています。あれ?カツオちゃんは?」
フネ「それが……」
言葉が続かない。
ワカメの肩に乗った手が震えているのが分かった。
たい子はそれを察して、二人を部屋の中へ招いた。
応接間に残った四人は現状を整理していた。
マスオ「つまり、まずお軽さんが庭の遺体に気がついたのが今から15分ほど前」
ウキエ「その後、父に伝えようと部屋に行ったけど、返事が無く、とりあえず私と兄貴を起こしに来た」
波平「それからウキエ君がわしと母さんの部屋に来て、次にサザエたちの部屋に行った、と」
サザエ「お軽さんはたい子さんたちの部屋に行ったのね。」
ウキエ「その間、兄貴は父さんが書斎にいるかもしれない思い、確かめに行っていた。でもいなかったみたい」
波平「それでほぼ同時に廊下に出てきたわし達は二階の窓からそれを確認した」
サザエ「“あれ”は本物なのかしら……」
波平「分からん。とりあえず、全員の無事を確認するため、母さんはカツオたちの部屋に、たい子さんがタラちゃんたちの部屋に。」
マスオ「そして僕たちがこのテラスから中庭に出て、“あれ”を確認しようと降りてきたところに甚六君が来たんでしたね」
波平「左様」
マスオ「しかし鍵が無いんですよね……」
四人はもう一度扉の前に付いた南京錠に目を落とす。
もともとこの扉に鍵が付いていなかったわけではない。掛け金式の単純な錠だった。
しかし、この単純な仕掛けの鍵ではイクラに開けられてしまう恐れがあった。
前日の昼間の様子を思い出せば分かるとおり、イクラは相当中庭が気にいっているらしい。
また夜に抜け出して、この台風の中、外に出ようものなら、ただでは済まない可能性もある。
伊佐坂は妻と相談して、南京錠をつけて置く事にしたのだ。
この屋敷で中庭に繋がる扉は二箇所。このテラスの他に書斎にもあるらしい。
書斎にある扉も掛け金式の錠前だったが、南京錠は付いていなかった。
しかし、書斎自体に鍵が掛かっているため、中に入れない。
ウキエ「私、母さんに鍵借りてきます」
彼女が母と兄を追って、廊下を右に折れよとしたところで立ち止まった。
そこにはちょうど戻ってきたお軽さんと甚六の姿があった。
ウキエ「母さん、父さんは?」
娘を質問に、彼女は答えようとしない。
ウキエ「兄貴、父さんは?いたんだろう!?」
大声を出す妹にビクッと反応した後、左右にゆっくりと首を振った。
ウキエ「そんな……」
サザエ「それじゃあ、あの死体はやっぱり……」
波平「ば、バッカモーン!そんな事を軽々しく口にするんじゃないッ!」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:46:01.32 ID:pW/QmECaO
よし追い付いた!
まさか『中村青司』とは!館シリーズ好きの俺はwktkが止まらん!
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:50:32.24 ID:eW165dFoO
支援
怒鳴り声に脅え、小さく声を出した後、サザエは俯いてその場に立ち尽くす。
ソファに座り込むお軽と、ウキエ。それに寄り添う甚六。
認めたくは無い、だが、この状況を考えると……あれは、きっと、そう、あの手は……。
マスオ「あの、お軽さん。この南京錠の鍵をお借りしたのですが」
波平「マスオ君……」
マスオ「まだ分からないじゃないですか!“あれ”が人間のものなのか。風で飛ばされたマネキンかもしれないですよ!」
サザエ「そう、ね。まだ分からないわ……。」
波平「そうですな。お軽さん、鍵を貸していただけますかな?」
問いかけにやっとの思いで反応する。そして虚ろな目で波平を顔を見つめた。
お軽「鍵……。ああ、そうでした。ここに鍵を付けたんだったわ。えーっと、何処に置いたかしら」
甚六「お袋の部屋にあるのか?だったら俺が取ってくるよ」
お軽「あ、違うのよ。そこの鍵は、主人が持っているの」
マスオ「ええぇッ!?」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 03:56:18.82 ID:pW/QmECaO
「今日の一本」と呟きながらタバコ吸う奴は登場するんだろうか支援
面倒なことになった、と波平は思った。折角の休日が、折角の家族旅行が、どうしてこんなことに。
しかし、とりあえず“あれ”の正体を確認しないことには事が進まない。
マスオの言うとおり、マネキンかもしれない。しかしこんな人里離れた山の中にどうして、という疑問はある。
もしかしたらカツオのいたずらの可能性だって考えられる。
伊佐坂がいないのも、あいつの悪知恵に唆されて隠れているのかもしれない。そういった意味ではおあつらえ向きの建物だ。
何せ、ここは『中村青司』が設計した館なのだから――
波平、マスオ、サザエ、ウキエの四人は中庭に直接出ることは諦めて別のルートで花壇に向かった。
遠回りになるが、一旦玄関から外に出て建物の外壁に沿って裏手に回る。それか、中庭を横切って花壇まで行くルート。
しかし、この最悪の天候、玄関一歩出て瞬間に傘の骨は逆方向に曲がってしまう。
役立たずのそれを玄関に放り投げ、四人は走った。しかし、吹き付ける暴風がそう易々と道を譲ってはくれなかった。
全身に衝突する雨粒が痛い。そして弾幕となって視界を奪う。
サザエはぬかるむ地面に足を取られ、二度ほど転んでしまう。
この日のために新調したパジャマが泥まみれになってしまった。しかしそんな事も言ってられない。
建物の裏に着いた時点でマスオを除く三人は息を切らしていた。
中庭は三方を建物に囲まれているためか、風の勢いは弱まった。
まずマスオが飛び出し中庭を進もうとするが、道順が分からない。
実はこの庭園の裏側、カタカナの“コ”の空洞部分。つまり西側は不審者を侵入を防ぐため、迷路状になっていた。
波平は昨日、伊佐坂が言っていたことを思い出した。
実はね、その建物でね、次々に人が死んでいるらしいんだ――
そのうちの一つに「迷路館」と呼ばれる建物があるらしい。
もしかしたらこの庭園のモチーフになったのはその建築なのかもしれない、と思った。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:09:37.45 ID:pW/QmECaO
wktk
一呼吸置いてウキエが先頭に立つ。全体の把握は無理でも裏口と内部を繋ぐ道は覚えているらしい。
狭い通路を早足で駆けていく。他の三人も遅れないように彼女に続いた。
何度か左右に折れ曲がり、数分のうちに、迷路を抜け出した。
今来た道を引き返せと言われても波平たちには無理な注文だ。
それに今は引き返しているときではない。
ウキエは止まらずに走っていく。迷路を抜けてすぐに例の花壇があった。
そして四人は間近で“それ”と対峙した。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:15:03.08 ID:OMPlL7EKO
おもしろ杉。
寝れねーよ
支援。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:17:36.44 ID:pW/QmECaO
この館の名前が気になるんだが
ああ、とか細く声を発した後、ウキエはその場に座り込んだ。そして雨の音に隠れて嗚咽混じりの泣き声が聞こえる。
マスオもウキエが見た物を捕らえた。それは位置的に、最初にお軽が発見したものだ。
何者かの左腕。マネキンじゃなく、何者かの。
何者かの?いや違う。これは……。
マスオが目にしたそれは、恐らくウキエも気づいていたのだろう。
もしかしたら、最初からそれで判断しようとしていたのかもしれない。
手のひら、指の間、物書き特有の痕跡。
つまり、それが、その『ペンだこ』が、その腕の持ち主を物語っていた。
間違いない。これは『伊佐坂の右腕』なのだ。
波平とサザエは時計回りに花壇を回って“左脚”の所へと走ってゆく。
そして二人はそれが大人の左脚であることを確認した。
おそらく、これも伊佐坂のものなのだろうと、サザエは内心思っていたが口にはしなかった。
サザエはウキエの肩をやさしく抱く。彼女はサザエの胸に飛び込み、いっそう激しく泣いた。
母に何ていえば言いのだろうか、彼女には皆目見当もつかなかった。
マスオは花壇に咲く花を分けて中央へと向かう。
そこに“左腕”があるはずだ。状況から判断して間違いないだろう、伊佐坂の左腕が。
一度、窓越しに見ただけだったので、正確な位置を覚えていなかった。
が、緑の中に白い腕というのは目立った。少し探すとそれはすぐ見つかった。
サザエ「あなた、見つかった?」
マスオは振り返り、首を縦に下げた。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:26:54.88 ID:fMQ0Jb0wO
かまいたち
波平「そうか、やはり、その……。」
波平は言葉を選ぶのに戸惑った。しかし、確認したいこと十分に推測できる。
それはやはり伊佐坂の腕なのか?
マスオ「……違うようです」
サザエ「え?」
波平「どういうことかね、マスオ君」
マスオ「これは、多分伊佐坂先生の腕じゃないと思います」
サザエ「どうしてそう思うの?」
右腕ならばペンだこで判断できた。
しかし、左腕でどうやって伊佐坂のものではないと推測したのか。
その答えは呆気なくマスオの口から放たれた。
マスオ「だってこの左腕。どう見ても子供の腕なんですよ」
ちょっとコンビニ行って来ます。
第二話はもう少しだけ続きます。
第三話はまったくの白紙なので、今度こそ遅くなります
ごめんなさい。
>>93 あの人のキャラクター掴みづらい。出したいんだけどなぁ
>>100 推理して
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:45:11.63 ID:Vc9NzaMeO
また寝れないじゃないか
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:45:16.19 ID:oWrXKd/2O
追いついた
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 04:59:32.66 ID:pW/QmECaO
>>105 確かに掴み辛いキャラだわなw
館の名前は推理か…うーん…考えながら風呂に入ろう
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 05:01:05.34 ID:9THMdFfQO
あ
場面は変わる。二階北側一番奥の部屋。七時を少し過ぎていた。
フネは落ち着きを取り戻していた。
しかし部屋から出ることができずにいる。
それは恐怖心。真実を知ることより、知らないでいることを選んだ。
カツオはきっとワカメの言うとおり娯楽室でテレビでも見てるのでしょう。
あるいは隠れて私たちを脅かそうとしているに違いない。きっとそうだわ。
だから慌てふためいてカツオを探すなんて事したらあの子の思う壺だわ。
ここで大人しく待っていましょう。
そのうちお父さんが見つけ出して、大目玉喰らうの。
私はそれから出て行って仲裁に入ってあげればいい。それで丸く収まるわ。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 05:06:18.22 ID:rqJ5yHMf0
やっと追いついたー
スレタイで吹いてそのテンションで見たのが間違いだった
もう朝だ
フネは心からそう思っているわけじゃない。しかしそう思わないと心が安定を保てない。
自己暗示にも似たそれで自分をどうにか制御していた。
ワカメはそんな母親を見て何を思うのだろうか。この部屋に来てから一言も発せずにただ椅子に座っていた。
ここに来てたい子の中にも強い不安の種が芽を出していた。それは急成長し、たい子の心臓に纏わりついた。
今朝からまだ夫の、ノリスケの姿を見ていないのだ。
いや、正確に言えば昨日の夜、娯楽室で別れて以来一度も。
数十分前、寝室にお軽が訪ねてきたとき、なぜかそれはノリスケとは関係のない事だと判断した。
寝不足だったから?昨日久しぶりにたくさんのアルコールを摂取したから?
お軽があまりにも伊佐坂が心配だという事をするから強調するから?
ノリスケという人間がそんな事件に巻き込まれるような存在じゃないと思っているから?
理由は定かではない。
ただ今、こうしてイクラの寝顔を見ると、心が落ち着く。冷静になって、やっと夫が無事が気になる。
たい子にも楽観的な見解はあった。きっと酔いつぶれて娯楽室で寝ているのだ、と。
あそこは防音だから、この騒ぎにも気づいていないのだ。
きっと、そうなの、きっと。
徐にたい子は立ち上がった。そして部屋の扉へと近づいていく。
ワカメ「どこに行くの?たい子伯母さん?」
たい子「ちょっと、娯楽室に。主人が酔いつぶれて寝ているの」
ワカメ「え?そうなの?」
フネ「だったら私も行くわ。カツオもそこにいるでしょうから」
ワカメ「じゃあ、私も行く」
フネ「だめです。ワカメはタラちゃんとイクラちゃんと一緒にここで待っていなさい」
ワカメ「え、でも……」
たい子「大丈夫、すぐに二人連れて戻ってくるから、少しの間だけイクラの事お願いね」
ワカメ「……うん、わかった。」
二人は子供三人を部屋に残し、廊下を直進、突き当たりで右に折れ、再びの直進。
いくつか窓の横を通り過ぎたが、彼女たちの視界に外で座り込むウキエの姿は入らなかった。
装飾された重厚な二枚扉。
ドアノブを回すが開かない。鍵が掛かっている。
中に誰かいる。二人はそう確信した。
フネ「カツオ、いるのは分かっているんですよ。さっさと出て来なさい!」
たい子「ノリスケさん、あなたもいるんでしょう?」
返事が無い。当然だ。完全防音のこの部屋に外からの声が届くはずも無い。
もちろん、室内で誰が何を言おうともこちらにも伝わらない。
それでもお構いなしに扉を叩き続ける。声を投げかけ続ける。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 05:23:23.95 ID:SPxfvybnO
追い付いた
あれやこれやのBGMが欲しくなるな
それは一階の応接間にまで届いていた。
ただならぬ雰囲気を察知したお軽と甚六は階段を駆け上がり、音のする方へと急ぐ。
お軽「おフネちゃん、どうしたの?」
フネ「あ、お軽さん。お恥ずかしい。実はね、カツオったらこの中で鍵を掛けて閉じこもったのよ。」
たい子「ノリスケさんも一緒なんです。あのひと、本当に子供みたいなんだから」
甚六「それ本当なんですか?」
フネ「ええ、本当よ。それでね、あの花壇のマネキン。あれもカツオたちのいたずらみたいなの。」
たい子「すいません、お騒がせしてしまって……」
どうも様子がおかしい。甚六はそう思った。
しかし、鬼気迫る表情の二人に何も言葉が出てこない。
お軽「本当に、本当にあれマネキンなの?」
甚六「お袋……」
フネ「本当にごめんなさい、迷惑掛けてしまって。折角招待していただいたのに」
たい子「申し訳ございません。今引きずり出して謝罪させますから」
お軽「甚六、私の部屋へ行ってスペアキーの束を持ってきてください」
甚六「あ、ああ……」
甚六は踵を返し、急いで一階へと降りていった。
フネ「カツオ、こんなことしても無駄ですからね。今、甚六さんが合鍵取りに行ってくれてますから」
波平たち四人は来た道を引き返すことにした。
ここへ向かうとき以上に彼らの足取りは重く、嵐はそれを祝福するかのように勢いを増して襲い掛かる。
冷たい。痛い。辛い。寒い。怖い。
そのどの感情よりも今、大切な人を失った“悲しい”という感情が強かった。
どうにか玄関にたどり着く。言うまでも無く四人とも下着まで濡れている。
早く着替えなければ。しかし、びしょ濡れのまま入るのも躊躇われた。
だが、応接間に誰の姿も無い。
お軽さんは、甚六君はどこへいったのか。
その時廊下の奥から足音が近づいてきた。
甚六君だ。
手には鍵の束が握られている。
甚六「あ、おじさん!大丈夫でしたか?」
波平「あ、ああ。何とか。」
甚六「ちょっと待っててください。今タオル持ってきますから」
マスオ「その鍵を持ってどこに行くんだい?」
甚六「どうも娯楽室の中にカツオ君とノリスケさんがいるようなんです」
波平「何?カツオが!?」
甚六「そうらしいですけど。とりあえず鍵届けてすぐ戻りますから、待っててください」
そういい残し、彼は急いで階段を駆け上がっていった。
カツオが生きている……?
読み始めから、かまいたちのBGMがずーと脳内再生厨
支援
冷たい雨で濡れきった波平の頬に暖かい液体が零れる。
遺体を見たとき、カツオの腕だとすぐに分かった。
そしてどこか心の奥で観念した、もうカツオはこの世にいない、と。
だからうれしかった、カツオが生きていると聞いて。
しかし、もちろん無事ではない。腕が切断されていることは確かなのだ。
波平は走った。
伊佐坂が自慢していた高級絨毯の上を泥だらけの靴で横切る。
筋肉に蓄積した疲労など関係ない。甚六を追い越さんとばかりに階段を駆け上る。
そして、娯楽室の前では、妻フネの手によって鍵が開けられようとしていた。
ガチャリ
重い金属音、勢いよく開く扉、そして――――
嗅ぎ慣れない匂いが鼻をつく。
ああ、これは一体……目に飛び込んだ一面の赤。
この館の屋根に使われる朱色ではなく、もっと光を失った、鈍い。
そう、例えるなら、乾いた血のような。
甚六の叫び声が防音の部屋に響く。
波平は気づいた。ああ、これは血なのだ、と。
To be continued.... Next story is 「嘲笑う殺人鬼」
支援
次はいつ頃の予定で?
>>124 少し仮眠も取りたいし
昼に残ってるなら、保守しながら書くし。
残ってなければ、書き溜めて夜またスレ立てようかな。
実は思いついたまま書いてるから、俺も結末知らないんだ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 06:04:51.71 ID:A+j854mzO
仕方ないな
保守
>>125 ゆっくり休んでくれ
んでボチボチ書いてくれ。楽しみに待ってる
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 06:37:33.51 ID:SPxfvybnO
続き期待保守
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 07:40:50.49 ID:pW/QmECaO
風呂ん中で爆睡しちまったぜ保守
思いつくまま書いてるとは凄い…程よい残虐性や不安感、精神的な恐怖感は本家の綾辻っぽいね。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 08:17:13.13 ID:pW/QmECaO
保守
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 08:33:02.34 ID:pW/QmECaO
やべぇ眠い
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 08:35:50.85 ID:+t1p47r/O
読む前だが書き込んでおく
マジキチ
館シリーズかw
今日の一本の推理小説家に期待
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 08:37:39.19 ID:pW/QmECaO
読んだ後が楽しみだwww
犯人はヤス
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 08:40:17.53 ID:A+j854mzO
元ネタ知らんがおもしろい
保守
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 09:24:58.95 ID:pW/QmECaO
>>136 元ネタは綾辻行人の『十角館の殺人』を初めとする小説、通称館シリーズ。
謎の建築家「中村青司」が設計した館にはある特徴がある。そろそろ説明あると思うよ。
俺も館は初めてだぜ・・・かまいたちなら分かるんだが
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 09:33:14.25 ID:A+j854mzO
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 09:49:37.60 ID:pW/QmECaO
>>138 館シリーズは十角館、迷路館などの『中村青司という風変わりな建築家が設計した館』で起こる事件の話。どう風変わりなのかは説明あると思うし、元ネタ知らんでも大丈夫だと思うよ。
>>139 いえいえw
落ちたら勿体ないかと…
>>1よ、勝手に説明して気を悪くしたならスマソ
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 09:52:48.01 ID:2EKE+Vkd0
まだ追いついてないけど名作の気配につき保守
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:06:32.29 ID:2EKE+Vkd0
社内ニートの俺が引き続き保守
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:06:58.28 ID:pW/QmECaO
☆
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:08:13.45 ID:Thg4bCKwO
SS書ける〜見て来ました
詳しくはないが推理物好きだからほしゅ
無事完結することを切に願う
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:22:02.29 ID:2EKE+Vkd0
vipって今はどれくらいで落ちるんだ?
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:35:48.58 ID:2EKE+Vkd0
またもや社内ニートの俺が引き続き保守
vipで落ちる感覚が分からない
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:36:34.03 ID:pW/QmECaO
いつも寝てる時間だからな…1時間くらい?
ダメだ眠気限界…夕方まで残っててくれ〜 (´・ω・`)
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:44:35.38 ID:K4ATprFz0
保守本当にありがとう!
今から少し書き溜めてから投下させてもらいます
>>140 説明ありがとう!
>>145 それは俺も切に願う……
頼む、いい落ち浮かんでくれッ……!!
やっぱタラヲはクズだな
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 10:50:59.66 ID:2EKE+Vkd0
??149
おかえり。会社に居る時間帯は保守出来るから任せろ。ゆっくりでいい。
ちなみに今までの行動纏め
波平:一日目伊佐坂と飲酒。ニ日目、中庭に右腕、左腕、左足の様子を確認に行く
フネ:一日目、ババ抜き。二日目、ワカメを起こして娯楽室へ。
カツオ:一日目未明 中庭に左腕? 死亡?
ワカメ:一日目、ババ抜き。娯楽室にいた。二日目はフネに起こしてもらい、タラヲイクラと共に居る
マスオ:一日目ビリヤード。風呂後伊佐坂と会う。二日目中庭に右腕、左腕、左足の様子を確認に行く
サザエ:一日目ビリヤード。12:30過ぎに客室へ。二日目中庭に右腕、左腕、左足の様子を確認に行く
タラヲ:一日目、ババ抜き。二日目、イクラワカメと共に居る
ノリスケ:一日目ビリヤード。娯楽室でたい子が確認以降、行方不明 娯楽室の鍵を所持。施錠済み。娯楽室最終退室者?
たい子:一日目ビリヤード。イクラとともに寝ていた
イクラ:一日目、ババ抜き。二日目たい子と共に寝ていた。
伊佐坂:一日目波平と飲酒。中庭に右腕と左脚 死亡?
お軽:中庭の右腕第一発見者、スペアキー管理。一日目、ババ抜き。二日目伊佐坂の寝室を甚六と確認後、たい子を起こす。
甚六:一日目ビリヤード?送り迎え後仮眠。中庭の右腕左腕左足発見者、二日目伊佐坂の寝室をお軽と確認後、娯楽室の惨劇を確認
ウキエ:一日目、ババ抜き。二日目中庭に右腕、左腕、左足の様子を確認に行く
序章は一日目の夜の様子なんだね
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 11:04:23.94 ID:2EKE+Vkd0
社内ニートの俺が引き続き保守保守
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 11:08:57.13 ID:K4ATprFz0
少しずつ投下していきます
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 11:12:45.95 ID:K4ATprFz0
物語はときにその時間を巻き戻し、場所を移動して始まることがある。
しかし、そこに無意味な流れなどない。
つまり全ては必要不可欠なものなのだ。
Day ?
8月XX日(?)
東京、快晴。
見上げた空には憎らしい夏の太陽が地球上を這う人間を見下ろしていた。
彼の視線を辿ってみる。
そこには見慣れた一軒の平屋があった。
また姉がいたずらをした弟を追い掛け回している。
しかし今回のタイムトリップの目的地はその隣。
とある小説家の家。
庭の見える書斎。大きなガラス戸の向こう、犬と戯れる少女。
執筆用のデスクの隣に置かれたテーブルと椅子。
それは担当編集との打ち合わせに使うためのものだろう。
クーラーのよく効いたその部屋で、青年は緊張した面持ちでその人を待っていた。
今のあーやよりもよっぽど上手いと思う
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 11:23:43.89 ID:A+j854mzO
しえんぬ
大手出版社に勤めるその青年は前触れも無く、本当に突然、その家に招かれた。
もちろん、その大物作家との面識はこれっぽちも無い。
接点といえばうちの出版社の雑誌にも、先生の連載があるってことくらいだよな。
口に出るか出ないかの小さな音でそう呟くと、江南は出されたコーヒーを啜った。
しかし、その接点すらも怪しい。
何せ彼が担当するのはミステリ物で、この家の主人、伊佐坂が得意とするのは恋愛小説なのだから。
伊佐坂「やぁ、待たせてすまない」
ガチャとドアの開く音が鼓膜に届く。振り返ると、そこにその人がいた。
江南は慌てて持っていたカップをテーブルの上に起き、ソファーから立ち上がる。
江南「あ、ほ、本日はお招きいただいて、ありがとうございます!江南と申します」
伊佐坂「ははは、まあそう硬くならないでくれ。まあ座ってくれ」
江南「はあ、すいません。それで僕はどうして呼ばれたのでしょうか?」
伊佐坂「いやね、君のところ出版社に勤める知人から聞いたんだが、『中村青司』知ってるよね?」
中村青司。その名に、全身の筋肉がピクッと反応する。
今まで幾度も耳にしたその名前。
江南「先生の口からその名前を聞くとは思いませんでした。」
伊佐坂「君は彼について詳しいんだろ?ちょっと話を聞きたくて。」
江南「詳しい……ですか。確かにそうかもしれません。でも、なぜそんな事を?」
伊佐坂「ふふふ、君はこれを聞くと驚くかもしれんが。実はだね……」
それから数時間、二人は一人の男について熱く語った。
時計を見てようやくお昼を過ぎていることに気づき、伊佐坂の勧めで店屋物のうな重を取った。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 11:41:11.46 ID:otilWrEF0
しえn
食べ終わると、江南は次の仕事があるから、と伊佐坂家を出る。
帰り際に先程の少女、ウキエというらしいが、その彼女が僕のところに駆け寄り、言った。
ウキエ「面白い名前ですね。まるでイギリスの有名な小説家みたい」
それだけ言うと彼女は去っていった。
玄関の外まで見送りに来てくれた伊佐坂夫妻に会釈し、その脚で例の推理作家の家へと向かう。
隣の家の前では、坊主頭の少年が立たされていた。
しえん
それからまた数時間経過して、太陽が西の空の端に沈んでいこうとしていた頃。
日中の気温が35℃を超えたらしく、この時間もまだ気温は高い。
それでも過ごしやすく感じるのは少し風が出てきたからであろうか。窓際でチリーンと風鈴が鳴いた。
久しぶりに気分のいい青年にあったものだ、と伊佐坂は考えていた。
もちろん、話があったから、というだけではない。
礼儀作法、落ち着いた口調、澄んだ目。
彼の出す空気、オーラというのか、それはとても気持ちの良いものだった。
伊佐坂「やはり、ウキエの婿には彼みたいな青年がいいな」
お軽「ふふふ、そうですね」
伊佐坂「あの娘も、なかなか好印象を受けたように思える」
まったりとした時間が流れる。
その時、それを切り裂くようにチャイムが鳴る。
お軽は立ち上がり、応対に出ようとすると、それより早くウキエが駆けつけた。
どうやら、彼女の友人らしい。しばらく玄関先で会話を交わす。
そして10分程経った頃、伊佐坂とお軽がいる書斎のドアがノックされた。
ウキエ「父さん、いる?」
ウキエ「あの、実はね……」
お軽「どうしたの、改まっちゃって」
ウキエ「実は、その、父さんに……」
伊佐坂「うん?私に何のようだい?」
ウキエ「あのね、父さんに紹介したい男性がいるの」
一部始終を上空から見下ろしていた“それ”はその場を立ち去る。
そして“それ”の視点は再びのタイムトリップの後、この嵐の館へと戻ってきた。
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:07:18.18 ID:otilWrEF0
支援
「嘲笑う殺人鬼」
Day 2
8月14日(木)
相も変わらず、激しい豪雨はこの館を攻め立てる。なぜそんな事をするのかは分からない。
応接間に集まった11人の人間が音を発することは無かった。
柱時計が現在の時刻が午前9時15分であることを教えてくれた。
“あの光景”を見てしまったフネ、たい子、お軽、そして波平までもが、どこかおかしくなっていた。
こんな状況なのだ。むしろ少しくらい狂っている方が自然に思える。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:12:47.99 ID:FUrlXiosO
なんという館シリーズ
今から読む
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:16:35.52 ID:yO/FANWPO
追いついた。
読み始めてから綾辻っぽいなと思って読んでたら案の定wwコナンが来たから神社の跡取り息子も出るな。
支援。
程度の差はあれ、皆の思考の歯車はズレを生じ始めていた。二人を除いて。
タラヲ「ママー、お腹空いたですぅー!朝ごはんまだですかぁー?」
イクラ「バーブーッ!!」
幼い子供に現状を察するのは無理な話だ。
人が死んだなどと伝えられるはずもない。
ノリスケおじさんはどこですか?と聞くタラヲ。
その名を耳にしてたい子はまた声を押し殺して泣いた
サザエは部屋中を見渡す。いつもなら率先して動くであろう、主婦三人は完全に参ってしまっている。
それも仕方ないのかもしれない。聞くのも恐ろしい娯楽室の惨劇を目の当たりにしてしまったのだから。
タラヲ「ママー」
サザエ「そうね、このまま何も食べないわけにはいかないし。私何か作ってくるわ」
タラヲ「わーい!僕はホットケーキが食べたいですぅ」
イクラ「ちゃー!」
マスオ「一人じゃ大変だろ、僕も手伝うよ」
サザエ「お願いします。タラちゃんたちはここで待っていてね」
サザエ、マスオ夫妻はまだ冷静にいられた方だ。
二人は応接間から出て右の廊下を進む。
サザエ「こんな時だもの。わたしたちがしっかりしなくちゃ!」
支援
彼女は考えていた。こんな時こそ笑顔が必要なのだと。明るい私がサザエさん、なのだと。
本来しっかり者と呼ばれるタイプの人間でないことは自分でも理解していた。
それでも家族に支えられて、これ以上ない幸せに囲まれて、日々を楽しく生きてきた。
その家族が辛そうな姿を見るのは、サザエ自身、身を切りつけられるほど辛い。
これを幸いというのか分からないが、弟が死んだかもしれないという実感は全くといって良いほど無い。
花壇の左腕を見てないから?あの部屋を見てないから?
違う。カツオだから。
あのカツオがそう簡単に死ぬとは思えない。
無責任な、根拠の無い自信。だから、それを理由に家族を励ますことはできなかった。
これ以上誰も苦しめたくは無い。私がしっかりしなくては。
彼女は何度も自分自身言い聞かせる。感情の大半を占める恐怖を追い払うかのように。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:35:09.04 ID:M2PoQcUhO
頑張れ
応接間の扉が開かれてから約二時間。
この館の滞在者たちの動きを追う。
床一面に広がる血、血、血。そして、その夥しい量の血の海に浮かぶ肉塊。
それが少なくともノリスケの物であることが分かったのは、彼の顔がビリヤード台の上に置かれていたからだ。
それ以外に確認できたのは、他にもう一人誰がそこに“いる”ということだけ。
擬音を用いて表現するならば、バラバラというより、グチャグチャ。原型を留めている部位が少ない。
しかし、“それ”が誰なのかは、波平だけにはすぐに分かった。
“左腕”が二本ある、つまり、これはカツオだったものではない。
そう直感した。
しかし、そうじゃない可能性も捨てきれない。
目的は分からないが、ノリスケとカツオが“解体”され、そこに伊佐坂の左腕だけを置いたとも考えられる。
それでも波平は信じて疑わなかった。カツオは生きていると。
かろうじて人格を保てている彼はその事を大声で喜ぶわけにもいかず、自分の胸にしまった。
>>175 「応接間の扉」じゃなくて「娯楽室の扉」でした、ごめんなさい
しえ
完結までがんばれ
応援してます
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:45:28.25 ID:VzKmq1adO
お、再開してたか
wktk
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 12:46:24.20 ID:2EKE+Vkd0
>>176 今聞くところだった。
把握。面白すぎる
その後、すぐに娯楽室を施錠し直すと、放心状態、もはや気絶とも思える、フネ、たい子、お軽を連れて応接間に戻った。
応接間のソファーにウキエ、その隣に寄り添うようにサザエが。
マスオの姿が見えないのはタオルを取りに行ったためらしい。
そこに三人を座らせると、波平はそこに置かれていた電話見つける。近寄ると、どこかの番号をダイヤルした。
決まっている110番、警察だ。
今思えばその行動は遅い。
まず花壇の遺体を確かめる前に電話を入れるべきだった、と後悔する。
しかし、おかしい。掛からない。何度押しても繋がらない。
甚六を呼びつけ、電話を渡す。しかし、甚六には原因は分からない。
もしかして、この嵐で?電線が切れたのか?それとも――
換気できずに、じめっとした室内の空気が、そのまま恐怖になり二人に纏わりつく。
そこにマスオがタオルを持って帰ってきた。それをソファーのサザエとウキエに渡す。
一枚を自分の首にかけ、最後の一枚を波平に差し出した。
電話が通じないとなると助けを呼ぶ手段は一つ。車で街まで下りる。
この嵐の中を?とも思うが、背に腹は変えられない。
運転経験の少ないマスオではなく、愛車がある甚六が一人で行くことになった。
マスオ「一人で本当に大丈夫かい?僕も一緒に行ったほうが……」
甚六「大丈夫ですって!それに不安でしょ?何かあったときに若い男がいないというのは」
マスオ「そうだけど」
甚六「一時間もすれば麓の街につきます。そこで民家で電話借りるなり、派出所に飛び込むなりできますよ」
マスオ「そうかい、じゃあ気をつけて」
雨の中、駐車場の愛車まで走る甚六の背中を、玄関から見送った。
その時、何かが気になった。何かが違う。
この館に滞在する時間が短く、周囲の変化などに気づくはずも無いマスオだが、何かに気づいた。
ふいに強い風がマスオにぶつかり、体温を盗んでいった。
ぶるぶる身体を震わせる。風邪を引くかもしれない。
そう思ったマスオは違和感の正体も掴めないまま、屋敷内へと帰っていった。
支援
甚六がいう“何かあったとき”。その言葉に波平はハッとする。
今まで考えなかったわけでは無い。それよりもただ、ただ息子の安否が気になった。
出来のいい息子ではない。しかし、自慢の息子だ。
いまどこにいるのだろうか、それだけしか頭に無かった。
しかし甚六の台詞によって、その重大な疑問にようやく目を向ける。
一体、誰がこんなことしでかしたのか――――
犯人、いや殺人鬼と呼ぶ。この憎たらしい殺人鬼は誰なのか。
どこかに潜んで、カツオを監禁し、またこの中の誰かを狙っているのか。
波平分かるは、そいつがどこからに間違いなく存在すること。
そしてそいつが愛する息子の左腕を切り落としたということだ。
彼は心の奥から湧き出るものを感じた。普段、息子や娘に向ける“怒り”とは似てるが、やはり違う。
どす黒い感情、その名前は“憎悪”――
甚六はどうにか愛車までたどり着いた。すぐに車内に飛び込みたいところだが、殺人鬼が潜んでいるかもしれない。
周囲を注意深く見渡す。車の中にもその存在がないと判断すると、運転席をドアを開け、中に入った。
少しの距離走っただけなのにインナーまで濡れていた。
ジーンズが守ってくれたため、下着は濡れていない。しかし、そのジーンズがぴったりと脚にくっつくのが気持ち悪い。
キーを差し込み、捻る。エンジンが音を立てた。
殺人鬼によってタイヤがパンクさせられている可能性に今更気づいたが、愛車は問題なく走り出した。
甚六「よかった、これでどうにか街まで行ける」
激しい横風にハンドルを取られかける。ここで事故を起こしてしまっては意味がない。
気を引き締めて、前方を見据える。
そして、それが目に入った。
甚六「こ、これは……」
車を停車させる、いや停車せざるを得ない。
緊張の糸がぷつりと音を立てて切れるのが分かった。
嵐の中、ドアを開けて“それ”の前に立つ。
甚六の神経は“それ”をどうするかに捕らわれていて、背後から近づく気配に全く気づいていなかった。
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 13:37:33.25 ID:uPZ/pJAKO
wktk
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 13:49:23.06 ID:2EKE+Vkd0
保守
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:04:12.69 ID:2EKE+Vkd0
保守
マスオが柱時計に目をやる。午前9時40分。
彼の持ってきた皿には所狭しと御握りが並べられていた。
その後ろからサザエが出てくる。彼女はお味噌汁の入ったお椀を持っていた。
それをテーブルの上に並べる。人数分を一度で運ぶことが出来ず、彼女はもう一度キッチンへと戻っていった。
タラオは、ホットケーキがよかったと愚痴をこぼしたが、すぐに諦めて御握りに手を伸ばす。
マスオ「もうすぐ二時間か……」
順調にいけば甚六は既に山道抜け、町に降り、誰かを助けを求めた後だろう。
そして、警察はパトカーに乗ってこっちに向かっている。
もう十分もすれば、きっと雨の音をかき消すぐらいのサイレンが近づいてくるに違いない。
順調にいけば、自分で用いたその言葉に不安を覚える。
居ても立ってもいられず、マスオは何度も玄関の扉を開け、町へと続く道が森に吸い込まれていく、その入り口を見つめる。
早く、早く来てくれ。しかし、白と黒に塗り分けられた車体が赤い光を回しながらやってくることはない。
迷うことのない一本道。それでも意思も持った木々に騙され、森の奥深いに連れて行かれたのかと心配してしまう。
昨日ここに到着したときに浮かんだ想い。ここは周囲の木々に拒絶された土地。
その土地に住むものは皆死んでしまえばいい。
彼らの想いが声となり、いや声ではなく、鈍い痛みとなって頭に伝わってきた。
そして、そうやって入り口を見つめる度に感じる違和感。
まだ正体が分からない。
落ち着かず、貧乏ゆすりする波平。言葉を発そうとしない、三人の主婦。
どこか遠くを見ている(眠っている?)ワカメ。ただ俯くウキエ。
そして能天気にはしゃぐタラヲとイクラ。
サザエは後片付けをしていて、ここにはいない。
はぁ、と溜め息を漏らす。
もう来たかもしれない。何度目になるか、また立ち上がり玄関へと足を運ぶ。
それに反応するものは誰もいない。
外に出る。濡れた衣服を長袖に着替えたが、まだ肌寒い。
すぐに視線を飛ばす。数秒待つが誰も出てこない。
まだ来ないのか。焦りが冷静さを侵食する。
段々と遠くで揺れる木々が本当に意識を持って迫って来るように見えた。
俺は殺されるかもしれない。そう思った。
どうせ殺されるなら、あの古木に。昨日見た、あの美しい、大樹に潰されたい――
瞬間、心臓を捕まれた気がした。ハッとする。
そしてもう一度、森の入り口に見る。
違和感が正体を現した。違う、逆に姿を消したのだ。
圧倒的な存在感を放っていたあの大木が一晩のうちに消えていたのだ。
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:23:46.42 ID:7pUUfdbSO
さるよけ
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:24:33.61 ID:VzKmq1adO
文章から滲み出る凄い緊張感…ゴクリ…
思わず走り出す。駐車場を抜け、舗装された道に出る。そのまま森の入り口へと向かった。
ああ、やっぱり無い。一体どうして?
必死に走り、そこに近づくと見えてきたのは驚くべき光景。
あの古木が折れて道を塞ぐように倒れている
マスオ「なんで?一体どうして……」
それを前に甚六の愛車が停まっていた。
マスオは近づいて中を覗く。エンジンが掛かったまま、中には誰もいない。
彼はどこに行ったのか。
二時間前、ここで何があったのか。
行く手を阻むように横たわる年老いた巨木は、その疑問に答えてはくれなかった。
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:33:33.62 ID:Hw79ALc/O
追い付いた、面白いな
ところで1スレで収まるの?
突然場面が切り替わる。
ここは伊佐坂家・別荘。
外観は白を基調にして、所々に朱色が混じっていた。
晴天の元、正面からその館を見上げる。
青い空を池に見立てると、それはまるで優雅に泳ぐ鯉のようだった。
もちろん、その館が建った経緯を知っていればの比喩。
そして、それを知るものはこう呼ぶ。
鯉空御殿、もしくは『鯉空館』と――
しかし残念ながら今日の池は濁りきっている。鯉が泳ぐ姿は見えない。
視点は正面玄関の扉を開けどんどん進む。
鍵が掛かっている扉、掛かっていない扉、いやそれ以前にそこが例え鋼鉄の壁であろうと構わず進んでいく。
たどり着いたここは鯉空館の×××。そこにいる誰かの感覚。
真っ暗な闇に閉じ込められている。周りがまるで真空であるかように何もない。
だが、動けない。必死に手足を動かす。しかし前後左右、どちらにも進まない。
恐怖が何もかもを奪っていく。最早思考能力を残して全ての感覚を失った。
助けて。助けて、助けて、助けて助けてお願い助けてたすけてたすけてたすけ――――
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:38:38.41 ID:r//dDpTX0
鯉空ひっぱるなwww
>>199 スレが落ちる方が早いか、話を思いつく方が早いか
1000まで行くことはないと思うけど
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:51:28.62 ID:Hw79ALc/O
把握した最後まで支援するぜ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:52:44.21 ID:2EKE+Vkd0
17:30までは絶対に落とさせんぜ。
それ以降、自宅は規制されてるodn・・・
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:53:27.50 ID:SPxfvybnO
応援してるぜ
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 14:57:24.72 ID:7pUUfdbSO
さるよけならニートの俺に任せろ
>>80 おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 15:11:07.85 ID:iH0vAKw90
wktkが止まらねえぞ
視点が持ち主に返される。
盗まれていた間に時は流れていた。
応接間、ずぶ濡れのマスオが今見た真実を告げる。
無慈悲な真実を、助けは来ないと。
タラオとイクラはきょとんとしている。マスオの言葉の意味が理解できないようだ。
しかし、他のものにはそれがどれだけ絶望的なものか理解した。
ワカメもおそらく気づいているのだろう、この館の異変に。
サザエが何かを言いたげに夫の顔を見つめる。
その時、ドンッと大きな音を立てて波平が立ち上がり、咆えた。
波平「もう我慢ならんぞ、殺人鬼めッ!!わしが見つけ出して殺してやるッ!!」
テーブルの上に置かれたお軽のスペアキーの束を奪い取る。
サザエ「父さん、落ち着いて!どこ行く気なの?」
波平「決まっておるだろうがッ!この屋敷のどこかにおるくそったれ殺人鬼を見つけ出してノリスケや伊佐坂先生の敵を取るんだ!」
鬼の形相。それはもうサザエの知っている磯野波平の顔ではなかった。
波平は娘が止めるのも聞かないで応接間の飛び出していった。
その後ろを、サザエとマスオが追う。
そして、その後ろを退屈していたタラヲとイクラが必死について行く。
波平たちはかくれんぼしているのだと勘違いしたのだ。
タラヲ「僕たちもさがすですぅー」
イクラ「はーい!」
しえん
北側一番奥の部屋、つまり伊佐坂の寝室に飛び込む。
そこに何も隠れていないのを確認すると、次は隣の部屋に飛び込む。
お軽の寝室だが、本人に了承も得ず、好き勝手荒らす。
そこに痕跡が見つからなければまた隣の部屋。
それを繰り返し、波平は全ての部屋を探すつもりらしい。
だが、暴挙を止めるものはいなかった。
空き部屋を含め、ひと段落着いて、応接間に戻ってきたのは12時近い時間になっていた。
先に飽きて戻ってきていた幼い子供二人が訊ねる。カツオ兄ちゃんは見つかったのですかぁ?
だが波平は答えない。
マスオの歯車は完全に狂っていた。
どうして?これだけ探してもいないんだ?
侵入者がいる形跡がまるで無い。
悪寒がする。嫌な汗が拭っても止まらない。
そうすると疑うしかなくなるのだ、ここにいる誰かを――
マスオは眩暈がしたので、少し休もうと一人寝室へ向かった。
サザエはそれに気がつかない。
戻ってきてから波平はキョロキョロと部屋中を落ち着きなく動き回る。
サザエ「父さん、どうした?」
波平「何を言ってる、お前も探さんかっ!」
サザエ「父さんこそ何言ってるの?ここのどこに人が隠れる場所があるのよ!」
サザエが正しい。ここに人が隠れる事のできる空間はない。
この部屋でかくれんぼしろと言われて思いつく隠れ場所は机の下か、階段の陰。
大の大人がこれだけいて気づかないような場所じゃない。
波平「……。そうかお前らは知らんのじゃな。確かにここに潜むのは難しいかもしれない。普通の館ならば、だ」
サザエ「ど、どういうこと?」
波平はこの館の秘密を説明する。昨晩、伊佐坂に教えてもらったことを。
まず『中村青司』の名前を出す。二人の会話の聞いていたお軽も聞き覚えはないようだった。
次に、今は亡き中村青司が天才建築家で、設計した家で次々に人が死んでいることを。
そして、ここもまた同様に呪われた館であることを。
呪い。あの時は笑い飛ばした。今、自ら音として発することで、それが本当に存在することを噛み締めた。
サザエ「じゃあ、その中村って人が、今回の事件の犯人だって言うの?だからどこにもいないって?」
彼女の歯車も次第に嫌な音を立て始めた。ギシギシギシ、と。
波平は一呼吸、間を空けて投げかけられた質問に答える。
波平「そうじゃあない。そうじゃないんだ、サザエ。」
サザエ「え?」
波平「中村青司の建築にはな、大きな特徴があるんだ。わしはそれを探している。」
サザエ「特徴って……?」
波平「隠し部屋だ」
夢と現、その境界で彷徨う意識をどうにか繋ぎとめるワカメ。
彼女の耳に誰かの笑い声が聞こえた気がした。
To be continued.... Next story is 「推理の行方」
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 15:35:07.31 ID:tvQ2aU590
タイトルからとんでも展開のSSだと思ったら、なかなかどうして
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 15:42:01.44 ID:2EKE+Vkd0
ひとついいか。
犯人は タラヲ なのか?
書き溜めたのが無くなったので、また時間かかります。
保守、支援してくださってるから本当にありがとうございます。
皆さんの期待を裏切らないような結末を造りだせればいいんですけど……
>>218 どうだろうwwww
一筋縄ではいかないのが、綾辻クオリティー
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 15:47:36.87 ID:2EKE+Vkd0
ふむ。ますます楽しみだw
ゆっくり書いてくだされ。名作の為。
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:01:57.23 ID:2EKE+Vkd0
ほす
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:11:57.27 ID:A+j854mzO
ほ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:16:29.33 ID:7pUUfdbSO
ほ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:17:03.32 ID:q7XryjQ8O
追い付いた
期待捕手
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:22:26.56 ID:pW/QmECaO
起きた!残ってた!早速読んでくるかな
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:29:12.23 ID:4yjnrhEyO
ほっする
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:40:11.79 ID:A+j854mzO
ほっする
Day 2
8月14日(木)
台風はいつまでこの土地に留まっているつもりなのだろうか。
移動するスピードは減速するばかり。
ここから逃がさない。そう言いたいらしい。
突風の舞に合わせて、木々が謳う。雨が謳う。
激しい閃光が遥か上空で喝采を送る。
時間の流れさえも、その演舞が終わるのを惜しむように、動きを変える。
いつまでも見ていたい。“それ”はそう思った。
しかし“それ”は身を翻し、眼下の館を見据える。
その視線は、怪しく動く黒い影を捉えていた。
「推理の行方」
お、きた
サザエ「隠し部屋……」
サザエは今飛び込んできた聞きなれないワードを繰り返す。
波平「隠し部屋だけじゃない、隠し通路、隠し階段、隠し扉。彼の、中村青司の設計した館には必ず何がある。」
そういえば、とサザエは思い出す。先刻、館中の部屋を探して回ったとき、父は妙な所を探していた。
今思えば、父が探していたのは、犯人そのものではなく、隠し部屋への入り口だったのだ。
しかし、俄かに信じがたい。
サザエ「でも、そんなものが本当に存在するのかしら?」
波平「ああ、恐らく間違いないだろ。状況が全て物語っている」
波平の状況から導き出した仮説、ここでは推理と呼ばせてもらう。
彼の推理はこうだ。
昨夜、娯楽室に最後まで残っていたのはノリスケ。それはウキエと甚六の証言だ。
そして、今日の朝、フネが扉を開くまで、あそこは施錠されていた。
周知の事実として、外から鍵を閉めるには鍵が必要であり、その鍵は二本しか存在しない。
その鍵のうち一本は間違いなく、お軽が持っていた。(ここでお軽に疑いをかけるなら話は別だ)
そしてもう一本、普段は伊佐坂が所持しているはずの鍵は、娯楽室のテーブルの上に無造作に置いてあった。
あそこに入れたものならば誰でも持っていける。
しかし屋敷中を探していたあのとき、それが気になった波平は中を確認した。
すると鍵はまだテーブルの上には置いてあった。
何か日本語おかしくなったけど、雰囲気で読んで
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:55:26.00 ID:Hw79ALc/O
おk
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 16:57:16.66 ID:2EKE+Vkd0
問題無い
これがそうだ、と波平はポケットから鍵を取り出した。
波平「これを使って扉を施錠できることは確認済みだ。この意味が分かるか?」
サザエ「あの部屋は密室だった……」
波平「左様。いや違うか、隠し扉の知らないものにとっては密室だった、が正しい」
サザエ「で、でも母さんが扉を開けた後、こっそり入って鍵を置いていった可能性もあるわ」
波平「それは絶対ない。部屋を出た後、わしが確実に施錠し、それ以降スペアキーここにあったのだから」
サザエが次の言葉を見つけられず、そこで一度二人の会話が途切れる。
依然変わらず振り続ける雨、引き続ける風。悲鳴を上げる鯉空館。
止んでいた雷鳴も遠くで活動再開したようだった。
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:04:49.57 ID:pW/QmECaO
館シリーズは密室の謎をとりあえず無視していいから好きw
その音をマスオは寝室で一人で聞いていた。
部屋に置かれた小さな冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、口に運んだ。
それからベッドに仰向けになって見知らぬ天井を見つめる。
全身に取り憑いた悪寒は、その存在を大きくしていく。
そうすると疑うしかなくなるのだ、ここにいる誰かを――
小さな声は窓に衝突する雨の音に居場所を取られる。
そして、もう一度彼の中へと戻り、その言葉の意味を確かめさせる。
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:12:22.93 ID:pW/QmECaO
過去に遡ったり場所を透かし見る、いわゆる『神の視点』は綾辻っぽい。
チラリと「河南」が登場したのも嬉しい!知らない人のために説明するが、河南とは館シリーズに登場する人物。偶然「中村青司」の設計した十角館の事件で主人公、島田潔と出会い、以後「館」の謎を追う島田と行動を共にする事も。
出版社勤務で、推理作家になった島田とは仲がいい。河南孝明(カワミナミ タカアキ)と読むが島田からは「コナン」と呼ばれる。推理力は無いw
考えてみればそうするしかないのだ。
交通手段もない偏狭の地までどうやってきたのか。
この嵐の中、どこに隠れているのか。
見ず知らずの人間をなぜあんな残虐な方法で殺すのか。
それが、あの中にいる人間の犯行なら納得がいく。
マスオには心当たりがあった。
しかし、自らの産み出した推理を肯定できずにいた。
寝返りを打つことで、視界が変わった。
すると突然、思考能力が落ち始める。意識が朦朧とする。
なんだろう、急にどうして?
窓の外、屋敷を囲むように植えられた銀杏の木の一本が左右に身体を揺らす。
それを動きを目で追いかけた。
次の瞬間、それはマスオに囁いた。
――怖いだろう、死ぬのは怖いだろう?
――お前は今その恐怖に押し潰されそうになっているな
――俺には手に取るように分かるぞ
マスオ「どうすればいい、僕は……。俺は…………」
――その恐怖心を消し去る方法は二つある
――大人しく殺されて、恐怖すら感じない屍になるか
――自分を狙う可能性のある者を皆殺せばいい
――簡単だろ?
マスオ「僕にそんなことできるわけがない……」
――何もしない、つまりお前は前者を選ぶんだな?
マスオ「なぜ……そうなる……」
――気づいてるだろう?体の気だるさを。お前何者かに睡眠薬を飲まされたんだよ
マスオ「ええぇっ……」
――まあ、いいさ。お前が生きるか死ぬか、俺にはどっちでもいい
――ただ、面白いものが見れればそれでいいんだよ。まぁ、お前の健闘を祈るぜ
その言葉を最後にそいつの気配は消えた。
しかし睡眠薬。もしかしてさっき飲んだミネラルウォーターに……
意識が朦朧とするのはそのためか?体が熱を帯びているのも?
誰が?誰が俺を殺そうとしている?
ああ、その問いの答えは既に出ていた。
肯定できなかった推理。
お軽だ――
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:32:45.73 ID:pW/QmECaO
うわあああぁマスオさーん
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:33:59.53 ID:2EKE+Vkd0
睡眠薬はまだ死なない・・・マスオ・・・
脳内再生されまくりだ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:44:03.01 ID:uPZ/pJAKO
やべえお軽って誰か分かんねーww
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:47:26.81 ID:fUx8ny0FO
うーん…
物書きとしてゆるせないんだが
何この幼稚な文章
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:47:40.15 ID:2EKE+Vkd0
>>246 伊佐坂先生の奥さんだよ。フネのお友達。
おかるさん。
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:50:17.44 ID:pW/QmECaO
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:50:59.33 ID:1ixPlJowO
>>247 ものは書けても空気は読めないのか
氏ね
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:51:34.12 ID:1HTgj3f10
>>247 毎度ですいませんが、
じ ゃ あ て め え が 書 い て み ろ
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:52:02.08 ID:gdTRy38d0
コピペはスルーするんだ
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:53:12.72 ID:2EKE+Vkd0
一杯見てる人居るみたいだ。
帰社なんであとは頼んだ。家でROM専になるぜ!
いつだったか、そう遠くない過去の話。
確か今年の3月の中頃のことだったと思う。
ノリスケに呼び出されて、二人で駅前の焼き鳥屋で飲んでいた。
春というにはまだ寒く、夜の街をコート無しで歩くのもできない。
いつになく機嫌の良いノリスケ、それはマスオにとって不気味でしかなかった。
会社にかかってきた電話で彼が言った一言、「今日は僕がおごります」
ハイエナと呼ばれた彼が?マスオは半信半疑でここへ来た。
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:54:31.08 ID:cpBjRyq0O
酔いが進み、ノリスケの機嫌が更に良くなったのを見計らって彼は訊ねてみた。
マスオ「ねー、ノリスケ君。何で今日はそんなにご機嫌なんだい?会社でいい事でもあったかい?」
ノリスケ「あ、分かります?さすが、マスオさん。会社ではないんですけど、とてもいい事があったんですよー!」
マスオ「ええ?なんだい?教えてくれよ〜」
ノリスケ「たい子には内緒にしてくださいよ!実はですね……」
それを聞いて驚きのあまり大声出してしまう。
他の客たちが何事かと注目する。
なんでもないですよ、と立ち上がったノリスケが誤魔化した。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:55:58.88 ID:Hy7BRrsiO
>>255 それもコピペ
↑
これもコピペ
↑
コピペ
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:56:02.52 ID:BLqjosGiO
う〜ん
なにこの幼稚な文鳥
鳥飼いとして許せないんだが
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:57:08.48 ID:1HTgj3f10
鳥飼いなら仕方ないな
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 17:57:20.82 ID:nklLblnjO
ラオタ馬鹿にすをあ><
マスオ「先月だけで20万も儲けたのかい?」
ノリスケ「ええ、そうなんです。これは仕事で稼いだお金じゃないからたい子にばれず、全部僕の財布にはいるんです」
マスオ「一体何をしたんだい?まさか変な仕事に手を出したんじゃあ……」
ノリスケ「違いますよ、人聞きの悪い。株ですよ、株」
マスオ「株、だって?」
商社に勤めるサラリーマンだ、ある程度株取引の知識があるのは当然だ。
しかし、彼は出版社の編集。株に縁がある職業とは思えない。
となると、独学だ。
マスオはあまりいい気がしなかった。
素人が株に手を出すということのあまりにも大きいリスクに気づいていない。
ビギナーズラック。どこの世界にも存在する。
今回の20万という金額はそれだ。
心配するマスオよそに、ノリスケは自分の武勇伝を嬉しそうに語る。
ノリスケ「それでですね、次はもっと大金を注ぎ込もうと思うんですけど、どうですマスオさん?一口乗りませんか?」
マスオ「いや、僕は遠慮するよ。ノリスケ君ももうやめた方がいい。株を舐めちゃいけないよ」
ノリスケ「大丈夫ですって。どうも僕には天性の才能があるみたいです。出版社やめてプロのトレーダーになるのも悪くないな」
伊佐坂「それは助かりますね。これでソファーで寝ながら原稿を待つ担当とさよならできるんですから」
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:03:00.06 ID:pW/QmECaO
マスオ「伊佐坂先生、どうしてここに?」
伊佐坂「ちょっと用事で出ていて今帰ってきたところなんです。外は冷えますから熱燗で体を温めてから帰ろうかと。」
ノリスケ「そうなんですか?先生も僕らと一緒に飲みましょうよ」
伊佐坂「よろしいですか?それよりさっきの株の話、詳しく聞かせてくれるかな?」
ノリスケ「え?先生興味あるんですか?例の小説で印税たくさん入ったでしょう」
伊佐坂「金というのはいくらあってもいいものだ。いま、長野に別荘を建てて。そこに骨董品の展示室を作ろうと思ってたところなんだ」
ノリスケ「骨董品ですか。それは確かにお金が掛かりますね。でも万が一、失敗しても文句言わないでくださいよ?」
伊佐坂「君には天性の才能があるんだろ?期待してますよ、先生」
ノリスケ「先生だなんて、参ったな。はははは」
その後、二人の妻に内緒にすることを固く誓わされ、その場はお開きになった。
マスオは誓いを守り、その事を口にはしなかった。
伊佐坂は完全に金に魅入られてるなw
それから暫くして、何故か株取引のことがばれたノリスケは波平にこっぴどく叱られた。
もう二度と、株には手を出さないと念書も書かされた。
マスオは内心ホッとしていた。ノリスケが大きな損失が出る前に足を洗えて。
しかし、伊佐坂はどうなのだろう。
気にはなったが、共犯者のノリスケがいなくなったので、彼も一緒に足を洗ったのだと勝手に解釈した。
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:15:54.42 ID:4yjnrhEyO
シエンタ
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:19:32.62 ID:5nbzv6iNO
追い付いた
面白い
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:20:07.64 ID:ZhkANzYRO
追いつき支援
館シリーズ知らんけど興味が沸いた
今度読む
だが、今日、館内の全ての部屋を見て気づいた。
伊佐坂の言っていた骨董品の展示室がないということに。
二階北側、カタカナの“コ”の右上。
娯楽室とは対になるほど大きな部屋がある。現在は使われていないその部屋。
もしかしたら、ここが展示室になる予定だったのでは。
しかし、そうなると妙だ。なぜ何も無いのか。
この屋敷が完成して、二ヶ月程経つ。展示棚すら設置されていないのは腑に落ちない。
そしてもう一つ気になることがある。
娯楽室にあったワインやウイスキーだ。
サザエはカツオに“高い”お酒だと言っていたが実際はそうではない。
数こそ多いが、希少価値の高い銘柄というにはお粗末なものだらけ。
サザエにとって、ワインやウイスキー=“高い”お酒なのだろう。そそっかしいサザエらしい勘違い。
伊佐坂自身がそれを高級な物だと言わなかったので、マスオも気にはしなかった。
本当に高額なものはワインセラーにでも保管してあるのだと、再び勝手に解釈していた。
だが、ワインセラーもない。
これは、どういうことだろう?
マスオは考える。そして導き出す。
彼は、伊佐坂は、一人になっても株取引を続け、その挙句に大損したのだと。
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:40:47.30 ID:ZhkANzYRO
支援
とても…私怨
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 18:55:00.84 ID:A+j854mzO
やるなマスヲ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:03:47.91 ID:q7XryjQ8O
お軽を疑ってたのはそういうことか
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:07:44.89 ID:7pUUfdbSO
年寄り一人でバラバラ殺人か
すげーなお軽さん
8月14日も折り返しを過ぎ、お軽の寝室の目覚まし時計が午後2時をさしている。
午前、気が動転していた三人の主婦の歯車も、時間の経過とともに元に戻り始めていた。
それでも軋む音は完全に消えはしない。
再び、タラヲが空腹を訴え、サザエがキッチンへ向かう。
そこでマスオの姿が無いことに気づいた。
ワカメは慌てる姉に、夫が二階に上がったことを伝える。
どうやら彼女もまた落ち着きを取り戻し出したらしい。
それを聞いて急いで自分たちの客室に戻る。
そこで夫はベッドで眠っていた。
一瞬、死という文字が脳裏をよぎるが、もぞもぞ動いているのを確認すると、気づかれないように部屋を出た。
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:23:33.39 ID:sEFJ+BvcO
支援
階段の下でワカメが待っていた。
サザエ「どうしたの、ワカメ?」
ワカメ「昼ごはん作るんでしょ?私も手伝うわ」
二人はキッチンへと入っていく。
その後姿を見て、フネは自分の不甲斐なさを嘆く。
まだ小学生の子供があれほど気丈に振舞っているのに私は……。
数秒、心の中で自分を貶した後、ゆっくりと立ち上がり、勇敢な二人の娘を背中を追った。
たい子は自分の隣で遊ぶ、小さな我が子を見つめる。
無事に帰れてとして、ノリスケがいなくなった今、母一人子一人で生きていけるのか。
一層ここで殺されてしまえば、という想いは無い。
絶対に生き残って、東京に帰るんだ。そしてこの子を、イクラを立派に育ててみせる。
それが、死んだあの人のために唯一できること……。
たい子はイクラを無理やり抱きしめ、少しだけ泣いた。
ウキエはただ一点を見つめ、何かを考えてる。時々思い出したように瞬きをする以外ほとんど動かなかった。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:26:37.00 ID:pW/QmECaO
それより少し前、一番早く立ち上がったのがお軽だった。
今更自分の格好が酷いことに気づく。それは冷静に物事を判断できるようになった証でもある。
恥ずかしい、と思った。
部屋に戻って着替えと思ったが一人で行くのも心細い。
また視界に花壇の腕が飛び込んでくるかもしれない。
迷っていると、波平が声をかける。
そこで彼に頼み、少しの間、部屋の前で待ってもらうことにした。
手早く、着替えを済ませる。枕元に置かれた時計により、現在の時間が午後2時であることを知る。
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:38:17.86 ID:ZhkANzYRO
しえしえ
そのまま視線を窓の外へ向ける。
どうやら台風がこの土地から離れて始めてるようだ。
今朝までの雨風に比べると、それらは確実に弱体化していた。
今気になるのは甚六だ。車を置いて姿を消してしまった。
最初は甚六も、と思ったが、そこに争った形跡はないと聞いて胸を撫で下ろす。
サザエはもしかすると自力で下山しているのかもしれない、と言った。
当たり前の精神なら、嵐の中車で一時間以上の山道を自力で降りる息子を肯定など出来ない。
しかし、この状況なのだから。得体の知れない殺人鬼に捕まっているよりは。
そう考え、森の入り口を見つめ、息子の無事を祈る。
コンコン
その音で我に返る。少し物思いに耽りすぎたようだ。
長針と短針が数字2の近くで重なっているのを見て、そう思った。
お軽「今行きます」
そう言って部屋を出ようとして気づく。
机の上に置いてあった、夫から預かった方の鍵が全て無くなっている。
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 19:39:42.82 ID:sEFJ+BvcO
しえん
波平「一体何のためだ……」
お軽からその事実を聞かされ波平は首を傾げる。
なぜ今更、鍵なんかを盗んだのか、彼には理解できなかった。
波平が隠し扉を探しにお軽の部屋に入った時、確かにそれはあった。
無用心だ、と感じたのを覚えている。
それから館中の部屋を全て鍵を開けて回った。
現在、鍵が閉じられているのは応接間からテラスへ出るための扉と娯楽室だけ。
だから今更鍵など盗まなくても全ての部屋に入ることが出来る。
波平「一体何のためだ……」
繰り返し同じことを呟く。
結局、良い事、悪い事、どちらも起きないまま二日目の夜がやって来た。
>>1 がんばれ
だが無理して完結させないで、きちんと完結させてくれ
面白過ぎるから
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 20:00:04.06 ID:7pUUfdbSO
しえ
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 20:24:24.56 ID:uPZ/pJAKO
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 20:37:43.34 ID:RKWdSE2lO
面白い
変化の無い状況に退屈した“それ”は、またも時を場所を越える。
もちろん“それ”がその場所に行くのにも必ず理由がある。
なぜなら、これもまたこの物語の一部なのだから。
Day ?
8月XX日(?)
東京、曇。
先日までのカラッとした暑さではなく、ジメッとした暑さが肌に触れる。
江南は伊佐坂との約束を守り、ある提案の上司に持ちかけていた。
それを聞いて相手は目を丸くする。
本当か?よくやった、江南!そう言って背中を思い切り叩かれた。
少し強い衝撃が背中を走る。
暴力は好きじゃないが、こういうのは悪くない。
自分のデスクに戻り、茶封筒の中から原稿を取り出す。一番上の用紙には『伊佐坂難物』のサイン。
もう何度も読み直したであろう、その原稿を再び読み返そうとしたときに電話が鳴った。
右手で受話器を取り、左手で一枚捲る。
だが、その声の主に気づき、手を止める。片手間で、その人の対応するのは失礼だと思った。
江南「どうも。暫くです。新作は進んでいますか?」
受話器から落ち着いた声が零れてくる。
半年振りか、と江南は思った。
――ははは。あまり調子がいいとは言えないな
江南「そうですか。ところで、今日お電話頂いたということは、手紙読んでいただけたんですね」
――ああ。今読み終えて慌てて電話したんだ。書かれていたことは本当なのかい?
江南「もちろんです。今それが僕の手の中にあるんですから」
――そうか。明日、会えるかな?
江南「はい。でも仕事しなくていいんですか?」
――締め切りは当分先だよ。気長にやるさ
江南「編集者として聞き捨てなら無いですよ、今の台詞。全国のファンも待ってるんですから」
――ああ、期待に沿えるように頑張るよ。じゃあ、明日午後二時。いつもの所で
江南「もちろん、僕も、伊佐坂先生も楽しみにしてるんですから。早く仕上げてくださいね、『館』シリーズの新作」
――善処するさ。時間に遅れるなよ
江南「僕が待ち合わせに遅れたことがありますか?綾辻先生こそ、遅れないでくださいよ!」
相手が電話を切ったのを確認してから、江南は受話器を戻す。
改めて、手元の原稿を読もうとしたとき、誰かに呼ばれた。
編集部の入り口に立っている見慣れた制服の男性。宅配便の業者だ。
その男の手にはデスクの上にあるのと同じ封筒が見えた。
伊佐坂先生からだ、すぐに分かる。
弾む気持ちを抑えて、受け取り証明にサインをする。
業者「えっと、カワミナミ様でいいでしょうか?」
江南「いいえ、イギリスの小説家と同じ、コナン、と言うんです」
To be continued.... Next story is 「蠢く影」
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 20:58:43.41 ID:yO/FANWPO
まさか本物の綾辻じゃないよな。もし本物だったら早く新作書けといいたいww
支援。
コピペに乗っかるわけじゃないが、てにをはの間違い(誤字?)多すぎだと思う
文才は模倣かもしれないがあると思うし、普通に続きが気になる
とゴチャゴチャKY口出ししたけど、最後までついていくんで頑張ってください
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:15:52.26 ID:K4ATprFz0
第五話が全くの白紙なんですが、このまま書き続けた方がいいですか?
それとも日を改めた方がいいのかな?
この後の展開もほぼ未定だし
本当にタラヲが犯人なのかも決まってないし
>>297 ごめんwww気をつけるwww
でも慣れてないんだ、今までの見逃してくれwwww
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:19:00.49 ID:tvQ2aU590
>>298 作者がもっとも満足いく状態でお願いします
この勢いの方が良作になりそうなのか、じっくり考えた方が良作になりそうなのか……
ただスレ落ちたら見失うかもしれないのが怖いけれど
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:29:10.66 ID:KNkIbbQiO
アドリブで半端なもの出されるより
ちゃんと練っていいものを見せて欲しいわ
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:32:44.99 ID:7pUUfdbSO
>>1のしたいようにするといい
俺はついていく
落ちて新スレ立てたらわかりやすいスレタイよろしく
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:39:11.37 ID:K4ATprFz0
とりあえず今は書き溜めて、ある程度溜まったとき、このスレが残ってたら投下するよ
残っていなかったら、明日の夜、タイトルに「鯉空館の殺人」って入れてスレ立てるよ
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:44:25.96 ID:hktaiiPaO
>>303 期待してます
夜食は?もし酒飲んでるんだったら芋類がオススメ
次の日に残りにくいぞ
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:46:12.65 ID:1zvC8RNlO
やっと追いついたwww
期待して待ってるからじっくり練ってくれ
読んでたら館シリーズとゲームのYAKATAやりたくなったwww
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:58:28.21 ID:9Y1QDJ5aO
テンテンくんの巻末劇場の漫才にでてたサザエさん一家惨殺事件を思い出した
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 21:58:28.40 ID:C2u3vT3E0
追いついた!
おもしろすぎる支援!支援!
>>1頑張って!
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:03:22.78 ID:K4ATprFz0
>>306 それとは関係ないけど、綾辻行人もサザエさん(に似た)一家の殺人事件書いてるんだよね
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:04:16.96 ID:bq3pUm8y0
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:09:38.60 ID:opPXNiTI0
ふぅ・・・
続きはまだか?
保守
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:31:36.37 ID:YhDUPRu8O
ほしゅ
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:32:05.01 ID:hktaiiPaO
補修
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 22:52:44.77 ID:Thg4bCKwO
ほ
保守ついでに
先生早く奇面館の原稿書いてくださいよ
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 23:07:55.94 ID:K4ATprFz0
ほ
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 23:16:38.22 ID:C2u3vT3E0
張大人「保守だコノヤロー!」
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 23:18:28.59 ID:H6+EBxrlO
とりあえずタラヲは犯人でいて欲しい
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/01(月) 23:42:20.70 ID:54t/gYMHO
落ちるなんて許さないよ!!
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 00:03:16.73 ID:Ywl7NQwUO
とりあえず中島登場に期待
中島「磯野〜、犯人探ししようぜ!!」
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 00:19:43.11 ID:aikVYW5fO
保護
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 00:44:38.06 ID:lXrI2Jm20
ちょっと夕飯買いに行ってきます。
戻ったら、ちょっとだけ投下して寝るかもしれないし、また徹夜かもしれない
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 00:46:50.96 ID:rKjqnkjIO
あんまり無理しないでね!
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 00:52:34.94 ID:S9ew9ZrPO
保守
しえんね〜
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:01:26.99 ID:Ulfw03nFO
捕手
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:16:32.89 ID:7HW+hD36O
捕手
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:20:54.13 ID:lXrI2Jm20
Day ?
8月XX日(?)
店の入り口の扉を開けながら、腕時計を見る。午後1時45分。
予定通り、江南は15分前に待ち合わせの喫茶店に着いた。
入り口から数えて二つ目、表の通りが見えるそのテーブル席に腰掛けた。
顔馴染みのウエイトレスに、向こうが僕を覚えてるかはわからないのだが、いつもと同じコーヒーを注文した。
鞄から二つの茶封筒を取り出しテーブルに置く。重ねるとそれなりの厚みになる。
最初に渡された方が200枚。昨日送られてきた方が400枚。
それら一枚一枚が伊佐坂の想いが込められた作品の一部だ。
一枚目に伊佐坂難物のサイン。そして二枚目にはこの小説のタイトルが書かれている。
ただそれだけを見てもどんな話なのかは想像し難い。読み終えて再びそのタイトルを思い出すと、なるほどと唸ってしまう。
伊佐坂らしい表題だ、と江南は思った。
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:24:46.02 ID:lXrI2Jm20
コーヒーが運ばれてくる。
黒の水面に白の液体を流し込む。そしてスプーンでゆっくりとかき混ぜた。
色が茶色に変わると、カップを持ち上げて一口味わう。
一言だけ、美味い。
それ以外の表現は知らない。
食事にしても、コーヒーにしても、ワインにしても。
知識に乏しいのは編集として痛手に違いない。
もう一口啜り、上手い表現はないか考えていると、カランカランという音が耳に入る。
そして入り口に目をやるとその人、綾辻行人が立っていた。
綾辻「やあ、遅れずに来たね。えらいぞ、コナン君」
江南「どうもお久しぶりです」
江南は立ち上がり会釈する。
綾辻はそれに答えるように、右手を上げた。
一通りの挨拶を終え、綾辻は先程と同じウエイレスに、同じくコーヒーを頼む。
そして早速、テーブルに置かれたこの伊佐坂の新作に興味を示していた。
江南「気になりますか?」
綾辻「それは同じ物書きとしてね。例の作品以来の新作だろ」
江南「ええ。しかも今まで恋愛物しか書かなかった伊佐坂先生が全く別のジャンルに挑戦なさってるんですよ」
綾辻「僕と同じミステリ、だね」
にっこりと笑い、手元の原稿を渡す。
受け取った綾辻は一枚目を捲り、その小説タイトルを見た。
そしてクスリと笑う。
江南「綾辻先生の『館』シリーズの大ファンだって言ってらっしゃいました」
綾辻「手紙にもそう書いてあったね。でもやりすぎじゃないかな?実際にカラクリ屋敷を建てるなんて」
江南「まぁ、そうですけど。でも再現することは可能なんですかね?」
綾辻「隠し収納くらいはできそうだね。でも誰にも気づかれない秘密の通路なんて創作の中でしか通用しないだろ」
江南「確かに。そう考えると気になりますね、伊佐坂先生の別荘」
綾辻「どんな仕掛けがあるか聞いてないのかい?」
江南「全く。今度招待してくれるって言っていただきましたけど」
綾辻「それは残念。新作の参考にしようと思ったのに。」
そんなやり取りをしながらも、手元の分厚い小説をパラパラと捲る。
正直な話、この作品にそれほど興味は無かった。
ただ、何か理由をつけて仕事が放棄できればよかったのだ。
綾辻「これはどうだい?売れそうかい?」
江南「ミリオンヒットした『鯉空』以来二年ぶりの新作。さらに新ジャンルの開拓。話題性はあると思います」
綾辻「話題性ね……」
話題性だけでミステリをやられたら迷惑だな、と思いながらも、またパラパラと原稿用紙を捲る。
Day 2
8月14日(木)
午後8時。あれだけ酷かった暴雨風が小雨になった。
それでも風の勢いは、若干強い。
時々、遠くで稲光が見えた。雷鳴はかなりの間をおいて、小さくゴロゴロと聞こえる程度だった。
殺人鬼に鍵を奪われた以上、それそれの客室に戻って寝るのは危険だと判断する。
残った10人は一つの部屋に集まり、夜の闇に潜む者から身を守ることにした。
そして、夜が開け天候が回復した後、甚六が持ってきていたサイクリング用の自転車で街に助けを呼びに行く。
それで皆が助かる。質素な夕食をとる皆に向かい波平は優しくそう言った。
結局、殺人鬼が鍵を奪った理由は分からないまま。
しかし単独行動さえしなければ大丈夫、波平はそうであってほしいと願った。
10人が横になれるほどの部屋はこの館に二つ。
娯楽室とバルコニーを挟んで反対側にある空き部屋だけ。
どちらを使用するかは考えるまでもない。
夕食の片付けが終わった後、皆で移動してきた。客室のベッドから布団を引っ張ってくる。
北側二階には五つの客室、そして各部屋にはベッドが二つずつ。合計10個。
そこからかき集めるだけで十分だった。
このまま何も起きなければいい、皆がそう願いながら早めの就寝。部屋の電気が消える。
夜更かしをした前夜とは大違いだ。
この時、誰もいなくなった応接間のアンティークの時計が午後8時20分を示していた。
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:52:46.56 ID:A+5SMPXO0
支援
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 01:58:07.47 ID:Yl8aRW0TO
支援
時間経過を確かめるため、“それ”は近くの時計を見る。
人間二人分の肉片が転がる娯楽室の時計は午後10時5分を示す。
ついでにこの部屋を観察する。
本来訪れるものを楽しませる為の部屋だが、残念ながら今はその役割を失っている。
この季節だ。当然のようにそこらに転がったものには蛆が湧きいている。
血の臭い、肉の腐る臭い。部屋中の空気を汚染してもまだ足りず、僅かな隙間から廊下へ出ようとする。
その隙間も廊下側からガムテープで塞がれている。
だが、なぜだろう、それは外へ外へと漏れ出していた。
分厚いカーテンが引き千切られていた。
窓を挟んだ向こう側の世界も相変わらずの暗闇。
と、その時。その窓を通して、娯楽室に光が差し込んだ。
徐々に薄くなった頭上の雨雲がついに裂けて、そこから月がその姿の一部を晒す。
それだけで、澱んだ室内の空気が浄化される。
人が思っている以上に、月光は神秘なる力を持っているのかもしれない。
そして、その光に反応するかのように、娯楽室で何かが動いた――
「蠢く影」
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:11:11.77 ID:ugiVAq75O
wktk
固い床を背中に感じながら、ウキエは思い出していた。
十日ほど前、父がまだ東京にいた日のこと。
見上げた空には惚れ惚れする夏の太陽が地球上の人間たちを見守っていたあの日。
はじめて見る顔の編集者が家に訪れていた。とても若い。
変わった名前で少しだけ会話を盗み聞きしてみた。彼の名前はコナンというらしい。
コナンが帰った後、父はご機嫌だった。
この夏は書斎に篭って執筆に没頭する日が続いて、出てきたかと思うとすぐに長野の別荘に行く。
そんな繰り返しだった。
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:13:44.19 ID:tvWI5VLK0
支援支援
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:18:52.68 ID:FkGmgwQVO
眠い
支援
だから久しぶりに笑う父の顔を見て、今日、この機会を逃す手は無い。
ウキエはそう感じた。
急いである人物に電話を掛ける。
ウキエは落ち着かず、家中を行ったり来たりしていた。
電話越しの相手の反応はあまりよくない。
絶好をチャンスが今目の前にあることを必死で説明する。
何とか家に来るよう言説得したが、いつになっても来ない。
イライラはピークに達していた。
何度目かの往復を終えて、部屋に入ろうとすると同時。隣のドアが開き、兄が出てきた。
さらっと館シリーズの原作者であるあ〜やが出たことに誰も突っ込まないのか?
甚六「さっきから五月蝿いんだよ。勉強に集中できないだろ?」
ウキエ「ああ、ごめん」
甚六「なんだ、それ。本当に謝る気あるのかよ」
ウキエ「はぁ、もう面倒くさいな。ちゃんと謝ったからいいでしょ?」
甚六「それが謝る側する態度か?」
ウキエ「うざいな!模試の結果が悪かったからって私に当たらないで!いつまで浪人してんのよ!」
言い終わってから、すぐに後悔する。これは絶対甚六には言ってはいけない台詞だった。
甚六の顔が見る見る赤くなってゆく。
ウキエを謝罪の言葉を探すが、口から出てこない。
その後、兄は何も言わずに部屋へと戻っていた。
私は馬鹿だ。イライラして兄貴に当たったのは私の方じゃないか。
部屋に戻ろうとしたとき、玄関でチャイムの音が鳴る。
やっと彼が来た。
>>345 館シリーズの江南(かわみなみ)≠この物語の江南(こなん)
ってのもあまり反応が無くて寂しかったりする
あーやは申し訳ないが分かんないけど読んでて凄く面白いよ。
その人物はウキエの所属するテニスサークルのOBで現在某有名私立大学の三年生。
去年の夏の合宿で知り合って以降、二人は急激に距離を縮めて、新学期が始まる頃には男女の仲にまで発展していた。
それから約一年、二人は順調に交際を続けた。
そろそろ父に彼を紹介したい。そして家族公認の関係になりたいと常に思い続けていた。
しかし、父親は彼を受け入れてはくれなかった。
伊佐坂は、その男を一目見た瞬間に全てを把握して、すぐさま、その男の一切を拒絶するかのように家から追い出す。
その後二人の関係は何とか続けることが出来た。
しかし、ウキエは彼との間に溝のようなものを感じてしまう。
当然怒りは父に向けられたが、文句を言うまもなく、長野の別荘へ逃げられてしまった。
館シリーズに興味を持った人は十角館、迷路館、時計館を読んでみるといいよ
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:42:50.64 ID:V9Ed4FskO
甚六は何年浪人してんだよ....
マスオは眠らずにいた。
それもそのはず。いつ自分を襲ってくるか分からない殺人鬼が同じ部屋の中にいるからだ。
睡眠薬を盛られ眠ってしまったマスオが目を覚ましたのは午後六時ごろ。
それ以上正確な時間は分からない。
目を開けるとそこには妻の姿があった。
正常な生活をしてくれば、まず見ることのないだろう、疲労困憊した表情。
マスオは覚醒しきってない意識の中、妻の頬にそっと手を伸ばす。
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:51:27.44 ID:Ywl7NQwUO
甚六は今頃「妹がうるさいからまた浪人しそう」とかいうスレ建ててるんだろうな
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:52:33.78 ID:V9Ed4FskO
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:53:56.48 ID:JI5jCyTAO
やべぇおもしろすぎる
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 02:53:56.82 ID:NCKXW8DfO
>>239で河南を説明した俺が来ましたよ
「カワミナミじゃなくてコナンになってんじゃん!」
と突っ込もうとしたら遅かったwww
しかも綾辻(あーや)本人登場www
つまりサザエさんの世界に館シリーズを書いてる綾辻行人がいる、ってパラレルワールドだな
マスオ「サザエ、あまり無理しちゃダメだよ」
サザエ「私は平気よ。それよりあなたこそ大丈夫?顔色が良くないわ」
マスオ「僕だって平気さ。それに今若い男は僕一人なんだ。いつまでも寝てるわけにはいかないよ」
サザエ「でも……」
妻の制止をやんわりとかわして、体を起こす。
そしてまだ、何かを言いたそうな唇に優しくキスをした。
急に立ち上がったからなのだろうか、軽い眩暈がした。
続いて、脳を殴られたような痛みの頭痛。そして耳鳴り。
きっと強い睡眠薬による強制睡眠のせいで体の調子が崩れたのだ。
苦しそうな夫の姿を見て、サザエは何か言っているが、聞き取れなかった。
それでも無理やりに笑顔を作って見せた。
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:01:45.71 ID:aikVYW5fO
支援
マスオは自分の足で一階まで降りる。二手に分岐する廊下を北方向へ進む。
キッチンには既に全員揃っていた。全員といっても、マスオ、サザエを抜いて八人だけ。
もちろんそこに冷酷なる殺人鬼、お軽の姿もあった。
何食わぬ顔でこちら見ている。
寝ている間に襲われなかったのは、きっと常に誰かが傍にいたためだろう。
そんな事を思いながら、お軽を睨み返す。
食欲はない。それでも周りに余計な心配をさせないよう、なるたけ多く胃袋に放り込む。
また、何かあったときに力が出なくては困るというのも気持ちもあった。
あったのだが。
やはり、それほど量を食べることは出来なかった。
頭痛が治まらない。それでも睡眠を取れたおかげで少し冷静さ取り戻す。
さっき聞いた何者かの声は、きっと睡眠薬のせいで引き起こされた幻聴なんだ。
だが、お軽が殺人鬼だという考えは変わらなかった。
眠りに着く前の彼なら、彼の中での真実をこの場で、皆の前で、本人に突きつけていただろう。
もちろん証拠はないにも関わらず。
しかし今の彼はそれをしないで、義父の提案を落ち着いて聞けるほど冷静になっている。
そして今まで冷静に観察を続けていた。
あれから何時間経過したかが分からない。この部屋に時計は無いのだ。
カーテンの向こうが少し明るくなっているのに気づいた。
そう言えば雨音もしない。
そこでようやく嵐が去ったことに気がついた。
夕食時に波平が言っていた策はどうやら上手くいきそうだ。
後は、俺があいつを見張っていればいい。マスオは気合を入れなおす。
マスオの努力のお蔭かどうかは分からない。だが、何事もない静かな夜が数時間続いたのは確かだった。
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:16:36.55 ID:NCKXW8DfO
ドキドキするな
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:17:08.17 ID:6VvDnQ43O
今全部一気に読み終えた
綾辻なんて、虫の鳴き声を嫌うオカンに
カッターでトラウマ植え付けたのは自分でしたみたいな
ワケワカメな本しか読んだ事なかったから、二度と読むかって思ってたけど
こんな感じの話があるなら読んでみたいと思った
面白い。
>>1最後まで頑張ってね
いやぁ、なかなかどうして
遥か上空に一度姿を現した月はすぐ見えなくなった。
それからまた小雨が降る。止む。また降る。
風はほとんど吹いていない。
館を取り囲む森の木々が身体を動かすことはもう無いだろう。
ただ庭園の草花がそっと揺れているだけだ。
マスオはハッとする。
いつの間にか眠ってしまっていた。
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:25:20.85 ID:V9Ed4FskO
マスオかっけえ
ギギッという音がする。入り口の扉が開いていた。
眠る前、外から鍵を開けられてもいいように、ドアノブが回らないように仕掛けした。
そういえば波平はなぜか、周囲の壁を念入りに調べていた。
マスオは不思議に思っていた。隠し扉でもあるわけじゃないのに。
それにしても扉が開いているということは、誰かが外に出たということ。
残る人数を数える。確かに九人しかいない。
部屋が暗く、布団深くに潜っている者もいるため、そこで誰が出ていったのか判断することは出来ない。
マスオは急いでその人物を追いかける。
当然、マスオの中では誰なのかは決まっていた。
慌てたためか、足元がふらつく。
体勢を崩し、誰かにぶつかってしまった。
しかし、その正体を確かめることなく、マスオも部屋の外へと飛び出していった。
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:38:23.86 ID:ugiVAq75O
支援
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:39:07.36 ID:rKjqnkjIO
面白い
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:39:14.01 ID:NCKXW8DfO
マスオは「館には隠し部屋や通路がある可能性」について聞いてないのか
書き溜めていた分がなくなり、ちょうどいい感じの睡魔が――――
いけないと解りつつも、男はベッドに横になった。
暑くなった目に、まぶたを通して枕の冷たさが伝わる。気持ちいい。
5分だけ、そう呟いたのを最後に男は深い眠りについた。
薄いカーテンの向こうは微かに明るく、カラスが一度だけカァーと鳴いた。
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:43:45.61 ID:ugiVAq75O
今日は終わり?
>>374 ごめんなさい。
もう限界かも。
できれば誰か朝まで保守を。
僕のためでなく四話まで読んで寝た人のために。
どうか慈悲を。
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 03:55:31.95 ID:ugiVAq75O
>>375 保守は可能な限りするつもり
続き待ってるぜ
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:01:35.76 ID:V9Ed4FskO
保証
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:06:03.10 ID:8hQVjUIJO
原作の館シリーズ?知らなくても普通に面白いね
保守
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:08:20.29 ID:NCKXW8DfO
セリフのみのSSと違って、疲れるだろうな。かなり書いたんじゃね?ゆっくり寝てくれ。乙!
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:28:36.32 ID:h7+pCgc0O
追い付いた…
こんな緊張感のあるSS読んだの初めてだ。
支援&保守
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:41:53.95 ID:HEgQUbvYO
ほしゅほしゅ〜♪
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・)
\_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
あ゙〜もうワクテカが止まんねぇよ!!
∧_∧
⊂(#・д・)
/ ノ∪
し―J|l|
人ペシッ!!
__
\ \
 ̄ ̄
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 04:57:55.60 ID:NCKXW8DfO
もう一回最初から読んでくるかな保守
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 05:09:39.76 ID:JUVJYRWtO
これは良質なSSだな
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 05:23:09.77 ID:u2qA7o9zO
ho ニャーン
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 05:35:55.75 ID:DmU5C+MR0
保守
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:03:35.48 ID:ugiVAq75O
ほ
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:15:09.82 ID:28roAMwJO
オモロ保守
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:17:13.06 ID:cEqGo/HhO
なんという事だ…
もうわかってしまった…
犯人は…
タマ…
保守
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:17:57.68 ID:prPsanPKO
展開にスゲードキドキするww頑張れ!支援
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:23:27.34 ID:H0ggQ+T4O
マスオがかまいたちの夜の主人公っぽくていい
完結までがんばれ
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:24:22.18 ID:NCKXW8DfO
な、なんだってー
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:25:19.49 ID:DJwiz87TO
暮秋の候
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 06:54:53.07 ID:HEgQUbvYO
保守
こんな沢山の方に保守してもらえるなんて僕はなんて幸せ者なんだ……(´;ω;`)ブワッ
今から書き溜めますんで、しばらくお待ちください
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 07:26:39.58 ID:cEqGo/HhO
保守
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 07:27:52.99 ID:ugiVAq75O
三時間しか寝てなくて大丈夫なのか?
あまり無理すんなよ
保守なら任せろ
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 07:28:39.04 ID:gx2XB/G2O
今日は楽しい〜♪High,KILLING〜♪
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 07:31:28.93 ID:81c2za1PO
このスレのおかげでハロワは明日にすることにした
意識が暗い夜の海に浮かんでいる。ワカメはそんな感覚に捕らわれていた。
波は比較的穏やか。台風はもう過ぎ去ったのか。しかし空は黒い。月も星も見えない。
サーッ、サーッと波が寄せて返す音。砂が攫われ、また戻ってくる音。
岸が近いのか?分からない。視点は常に天を仰いでいる。
少し怖いけど、心地いい。何もできないけど、何もしたくならない。これは夢?うん、きっと夢。
>>399 お前がハロワ行かないと続き書かないって作者が言ってたよ。
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 07:46:26.15 ID:Oe/OaK0TO
ダミ声の可愛いあの子は出てこないのかなー
突然、何かに左足を掴まれる。そしてそのまま海中へ。
勢いよく海低に叩きつけられる。まず海底が意外に浅いことに驚いた。そのあと痛みを感じないことに気づく。
むしろ掴まれていた左足の方が痛かった。
この黒の海で暗闇の度合いに、水深は関係ない。どこも同じ暗黒。
金属が軋む音が聞こえた後、何者かに左脚を踏まれた。
虚ろな意識の中にいても、その痛みだけははっきりと感じていた。
ワカメ「マスオ、兄さん……?」
それが声という形で発せられたかは分からない。
モザイクがかかったような彼女の視界に義兄の姿らしきものが飛び込んだ。
ワカメ「どこへ行くの……?」
彼に反応はみられない。やはり声は届いてないのかもしれない。
かろうじて自分の思い通り動かせる目でその背中を追う。
そしてまた金属の軋む音がした。
ワカメの脳が覚醒するのにいつも以上に時間を要した。
やっと身体が思うように動く。
上半身を起こして、マスオが消えた方向を見据える。
そして、ワカメは息を呑む。
就寝前にあれほど頑丈に固定したはずの扉が開いているのだ。
ワカメ「何で……?マスオ兄さんが……?」
隣に寝るフネを起こさないようにそっと抜け出し、彼を追うため扉に手を掛けた。
しかし、開くことが出来ない。
父は言っていた。何者かが私たちを狙っているのだ、と。
直接的な表現を用いた説明はしてもらっていない。もちろん、聞こうともしなかった。
でも気づいている。
ここにいない人達は既にこの世にいないのだ、と。
当然、そこには大好きな兄、カツオも含まれる。
怖かった。
その扉の向こうのどこかに、決して遠い所ではなく、同じ屋根の下に、“いる”のだ。
殺人鬼、が。今も誰かを狙っている。
マスオが危ないということはすぐに気がついた。
それでも彼を追いかけて部屋の外に出る勇気を小学生の少女に求めるのはどう考えても無理な話だ。
今の私にできるのは、ワカメは考える。
そして扉を少しだけ開き、その場に座り込んだ。
そのまま廊下の様子を窺う。
ワカメ「お願い、早く帰ってきて。マスオ兄さん」
なぜか分からない。混乱していたのだろう。
父を起こしてマスオ探すという考えは出てこなかった。
ワカメは誰にも気づかれてはいけないとさえ思っていた。
なぜ、マスオは一人で部屋を出たのか。無用心に扉を開けたまま。
それの理由を推測すると、どうしてもマイナスな考えばかりが浮かんでくる。
いや、違う。マスオ兄さんはそんな人じゃない、自分に言い聞かせる。
だから誰にも言わない。きっとすぐに戻ってくるのだから。
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:03:56.90 ID:ugiVAq75O
支援
健気な少女の視界に映るのは、しんと静まり返った二階廊下。
窓から外の天気が窺えた。小雨が降っている。そしてバルコニーに続く扉。
そう言えば一度もバルコニーに出ていないな、と思った。
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:18:13.18 ID:qdq4ptU30
こういうの好きです
雨が完全に止んだ。それでも黒と呼ぶには厚みの足りない薄い雲がまだ空には残っていた。
その下に浮かんでいた“それ”は屋敷で起きていた全ての出来事を知ることが出来る。
ワカメの視界は決して移ることのない、その影たちの蠢きを、確かに“それ”は捉えていた。
刹那のうちに、それは屋敷の中へ移動する。応接間。
柱時計を見る。日を跨いだ午前3時。
“それ”の存在に気づかない影はその死体を運ぶ。
“それ”が記憶するその死体の名前は、『フグ田マスオ』だった――――
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:24:22.39 ID:qdq4ptU30
・・・・・・ゴクリ。
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:43:20.03 ID:HEgQUbvYO
…うまい……うますぎる…………
Day 3
8月15(金)
廊下にある窓の外の様子で夜が明け始めたことを知る。
結局マスオは戻って来なかった。
ワカメはもう限界だった。
精神的にも、肉体的にも。
最悪のシナリオは既に構築されていた。
後悔の念が攻め立てる。もし、すぐに父か姉を起こしていたら。
ああ、マスオ兄さん――
背後で物音がした。振り返って確認する。
誰かが目を覚ました。
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:50:32.71 ID:2fPA7ajyO
おもしろすぎる
頑張ってください
ワカメは安堵した。一人で背負い込むにはあまりに重く、冷たい現実。
これ以上は耐えられない。
誰だろう。カーテンの向こうは明るくなっているが、まだまだこの部屋は暗い。
その人はワカメの存在に気づく。
そして違和感を覚えていた。扉が開いている……?
異変を感じたその人は今にも泣き出しそうなワカメに優しく声を掛けた。
お軽「一体どうしたの、ワカメちゃん」
波平がそれを見つけたのは偶然だった。
もしかしたらと想い二階の廊下から庭園を見渡したが、それらしきものはない。
前日と同じように屋敷の部屋を片っ端から探そうと一階の廊下を歩いていたときだ。
それが見えた。
テラスにぶら下がる。それ。目を細める。確かめる必要もない。
娘婿、マスオだ。
誰もいない応接室に行き、テラスに繋がる扉を叩く。
しかし扉は昨日から変わらず南京錠によって硬く閉ざされていた。
伊佐坂がいない今、その鍵はどこにあるか分からない。
階段を一段飛ばして駆け上がる。
皆が集まる部屋に飛び込む、しかしそこでは既に騒ぎが起きていた。
お軽が発狂している。ウキエがいない、ウキエがいない、と。
何だと!波平は叫ぶ。
部屋に残っている人間を確認する。確かにそこにウキエの顔はなかった。
待てよ、波平は思い出す。マスオの下に見えた白い塊を。
昨夜のウキエの姿を思い出す。純白の寝間着を着ていたじゃないか。
それでは、やはり。
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 08:58:45.62 ID:a4kakci5O
支援
波平の心は待ちついている。
異常な時間の流れに毒されて、人が死ぬことに慣れ始めていた。
それにしても不味いことになった。
テラスに続く扉が依然として塞がれているのならば、もう一度建物の裏にあの迷路を抜けなければならない。
それが出来るのは道順の覚えているものだけだ。
泣き叫ぶお軽をなだめて訊ねる。道順は分かるか?返ってきた答えはノーだった。
サザエ「確か書斎にも庭に通じる扉があったでしょ」
波平「おお、そうであった」
サザエ「私も行くわ」
波平「し、しかしだな」
サザエ「大丈夫よ!私は平気だから……」
娘の目の端に涙が溜まっているのが見えた。
とても平気には思えない。
必死に訴える彼女の目を逸らすことはできない。
波平「分かった。わしについて来い」
一階に下りて左手の廊下を進む。
東西に伸びる廊下、カタカナの“コ”の下の横線、突き当りの書斎へ急ぐ。
後ろから、小さい呻き声が聞こえる。
振り返らなくても分かる。サザエも見つけたのだ。
夫の変わり果てた姿。
庭園に出ると、雲があちこちで切れて、青い空が覗いている。
ぬかるむ土に足を取られる。書斎からテラスにかけて二人分の足跡が地面に残る。
必死で駆けつけても残酷な事実は何一つ変化することはない。
テラス天井からロープを垂らし、その端に輪を作る。
人の頭が通るほどの大きさがあればいい。
あとは、伊佐坂が自慢の庭園を堪能するため、また来客者に堪能させるために用意してあった椅子。
それに乗って輪に首をかける。そして椅子から降りる。
ただ、それだけ。
それだけで、この『フグ田マスオの首吊り死体』の完成だ。
彼の足元には首に同じロープを巻いた伊佐坂ウキエの姿が冷たく横たわる。
この時、扉を挟んで反対に存在する柱時計がぴったり午前7時を指していた。
To be continued.... Next story is 「狂った歯車は戻らない」
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:05:19.39 ID:qdq4ptU30
・・・っ!
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:06:24.36 ID:IWcyZ/j+0
a
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:09:34.73 ID:ugiVAq75O
結末が予想できない
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:12:08.34 ID:ZAO9dQhv0
黒幕はあの人か・・・
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:12:29.83 ID:dpw2ZpeN0
どうなるんだ
おもしろい!
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:15:04.51 ID:lXrI2Jm20
たぶん11時くらいから再開します。
>>426 君の予想を遥かに超える笑劇の結末がそこに!
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:22:14.25 ID:NMq2p1MBO
おもしろすぎ
がんばってください
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:31:32.90 ID:1OIMm9/f0
笑劇・・・だと・・・!?
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:32:01.15 ID:dYI09H6y0
あった!残ってた!
>>1お疲れ!
今日も社内ニートの俺が保守!
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:33:54.24 ID:ohLJ0W2kO
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:40:47.49 ID:qdq4ptU30
支援
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 09:41:46.53 ID:Rp0roINhO
携帯が書いてると思ったらPC様だった
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 10:02:52.80 ID:dYI09H6y0
キャバクラの事で怒られた社内ニートのおれがまたもや保守
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 10:22:10.16 ID:ugiVAq75O
ほしゅるるる
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 10:42:15.82 ID:dYI09H6y0
20分に一回くらいは早いのかな?
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 10:42:34.47 ID:pmLiliE9O
ホシュ
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 10:59:50.18 ID:r2QpJDIhO
ほしゅ
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:13:38.78 ID:lXrI2Jm20
Day ?
8月XX日(?)
近くで火事があったのか消防車のサイレンが行き交う。
それに反応して、庭のハチが吠える。
それからしばらくしていつもの静かな夜に戻った。
甚六は時計を見る。午前一時。
数日前、妹に言われた言葉が蘇った。
模試の結果が悪かったからって私に当たらないで、いつまで浪人してんのよ――
俺だって好きで何年も浪人してるわけじゃない。
勉強机の上、いくつも重なった参考書の山に隠れて、写真立てがある。
古い写真だ、幼い子供が二人仲良く並んでいる。甚六とウキエだ。
甚六は手にとって思い出した。その写真を撮影した日のことを。
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:18:53.71 ID:TSRoBOXZO
面白いんだが誤字・脱字が目立ってイライラするからもっと真剣に書け、読んでもらう側のことを考えて読みやすく尚且つ奥深い文章を心掛けるように
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:24:39.68 ID:raCsID/u0
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:25:20.25 ID:lXrI2Jm20
甚六が小学五年生のとき、はじめてテストで学年一位なった。
それを喜んだ両親は記念だと言い、一位と記されている個人成績表を持って写真を撮った。
本当は彼一人のはずだったが、妹がどうしてもというので二人並んで撮ってもらった。
その頃二人の仲はとてもよかった。
特に妹のウキエは甚六のことが本当に大好きだった。
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:25:51.46 ID:dYI09H6y0
続きを読めるだけで良い。
誤字脱字は脳内変換できるし、前までの話との食い違いに対する
突っ込みに反応してレス付けて答えてくれるので問題無い。
眠い時は寝て下さい。義務は一切ありません
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:27:19.90 ID:lXrI2Jm20
ウキエ「おにーちゃんは、トーダイってところに行くんでしょ?お母さんが言ってったよ」
甚六「でも東大ってのは本当に頭のいい人しかいけないんだぞ」
ウキエ「ふーん。でもおにーちゃんなら大丈夫だよ!」
甚六「そうかなぁ?」
ウキエ「うん!おにーちゃんがトーダイに入れたらご褒美にウキエがお嫁さんになってあげる!」
甚六「お嫁さん?嬉しいけど兄妹じゃ結婚できないんだ。法律で決まってるんだぞ」
ウキエ「そうなの?そんな法律、おにーちゃんが偉くなって変えちゃえばいいじゃん」
甚六「はははは。できるかな?」
甚六「できるよ!」
成長するにつれて、ウキエは兄離れしていった。
甚六が中学に上がる頃の兄妹の関係は、ごく普通の、一般的なものに変わっていた。
だが、逆に甚六のウキエに対する想いは年齢を重ねるごとに大きく硬いものになっていく。
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:28:49.64 ID:VV8jWBCZO
ほしゅ
誤字・脱字は本当に申し訳ない。
それに加えて日本語がおかしい箇所も多々あると思う。
気をつけてるんだけど、読み直さないからいけないんだよな……
脳内変換してください、ホントすいません
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:32:12.18 ID:hQDCcanw0
1時間かけてやっと読み終えた
館シリーズだっけ?そっちはよく知らんがうみねこのなく頃にと話似てるのな
いや、うみねこが真似してるだけなのか知らんが
なにが言いたいかっていうと面白いから頑張れ
>>1
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:34:14.06 ID:6VvDnQ43O
金払って読んでる訳じゃないんだから、
こっちは完全に読ませてもらってる側
それを履き違えるバカなガキは、ハルヒのエロSSでも読んでればいい
ウキエは誰からも好かれるような女の子に成長した。容貌が、精神が、肉体が。
幼さが抜けて少しずつ“女”に近づいていく様を甚六は一番近くで見てきた。
それを悟ってなのか、思春期のウキエは必要以上に甚六を嫌い始めた。
あの写真に写っている頃が嘘のように。
それは反抗期の一種だったのかもしれないが、それを知らない甚六の心を酷く傷つけた。
高校に入ってからますます綺麗になる。
早熟の果実のように、汚れた触れるとあっという間に腐ってしまいそうなほど純潔。
精神面でも落ち着いたウキエと甚六の仲は、一番悪かったときと比較すると驚くほど改善されていた。
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:40:11.03 ID:TSRoBOXZO
謝らなくていいから出来る限りミスを無くすようにな
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:41:35.20 ID:hQDCcanw0
(^ω^;)
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 11:43:35.94 ID:TSRoBOXZO
あとガキとか言ってるお前、これでも私は編集部の仕事やってるんで悪しからず
それでも甚六の体の奥で狂った歯車は、極微少だが日々彼のある感情を変化を与える。
高校を卒業する頃になると、それを彼が自覚できる程の異常なものに変貌していた。
おにーちゃんがトーダイに入れたらご褒美にウキエがお嫁さんになってあげる――
その言葉を支えに中高6年間ひたすら勉強に打ち込んだ。
しかし、彼が学年で一位を取ることは二度となかった。
18歳で迎えた春、彼は東大を受験したが、努力の甲斐もなく落ちてしまう。
457 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/02(火) 11:45:34.20 ID:L2V+OaRZP BE:937062375-S★(517011)
読んでもらう側って
>>1のことかよwww
結末が気になるな。がんばれ〜
静かな夜、まるで嵐の前の静けさ。あれ以来ハチは吠えない。
一息入れよう、そう思って部屋を出る。廊下に電気はついていない。
ふと誰かの声が耳に入る。階段の下。電話で話している?
聴覚を活性させることに集中する。そしてウキエに気づかれないように、ゆっくりと階段を下りる。
耳に入る単語。テニスの合宿、長野、別荘、父。それから――――
そこで甚六は目を覚ました。
東京にある家の自室のものとも、長野の別荘のものとも異なる天井。ここは……。
部屋を見渡すがまだ思い出せない。
どれくらい寝たのか。体が痛い。意識もまだはっきりしない。
しばらく考えて思い出す。
ああ、そうか。俺は。そうだった。全部思い出した。
もう一度天井を見上げ、深いため息を零す。
甚六「ああ、俺はいつまでこの部屋に閉じ込められていればいいんだ……」
これから寝るんだけど、夕方までスレが残ってますように(´・ω・`)
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 12:00:58.80 ID:r2QpJDIhO
追い付いた!
TSRoBOXZOを透明あぼーん余裕でした
カタカタカタ
軽い音が連続して聞こえる。
そこに誰かいた。その背中に見覚えがあった。
その人物が忙しく両手を動かし、何かをしている。
カタカタという音がするのはそのためだ。
その人物の正面の壁に掛けられた時計を見る。ぴったり午前7時を指していた。
「狂った歯車は戻らない」
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 12:10:43.35 ID:1uzHdtStO
支援
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 12:28:30.95 ID:JUVJYRWtO
おもしれぇ
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 12:35:51.66 ID:NCKXW8DfO
閉じ込められてたのは甚六なのか!俺はてっきり…
Day 3
8月15日(金)
波平はマスオの遺体のポケットから一枚の紙を見つけた。
そこには人間の書いた物とは違う文字で、おそらくワープロか何か使ったのだろう、罪の告白が書かれていた。
自殺。
サザエは夫の死の真相を受け入れられずにいた。
ワカメもそれは同じだった。
「全ての殺人は私が犯人です。申し訳ありませんでした。死を持ってお詫びします。」
中央よりやや上にその一文があって、数行空けて右下に「フグ田マスオ」の名が記されていた。
遺書。そう判断していいのだろう。波平は思った。
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 12:44:08.91 ID:5qoHjR4fO
クラピカのまんまんぺろぺろチュッチュしたいお
サザエ「こんなの信じたら殺人鬼の思う壷だわ!父さんしっかりしてよ」
ワカメ「そうよ、罠に決まってるでしょ!」
二人は波平に詰め寄る。
お軽はもう動かないウキエの遺体にしがみ付き声をあげて泣いていた。
フネが隣に寄り添う。
たい子はもう死体は見たくないと、タラヲとイクラの二人と一夜過ごした空き部屋に留まった。
しかしだ、波平が口を開く。
波平「状況が全てを物語っておる」
ワカメ「どういうこと?ちゃんと説明して」
波平「密室なんだ、ここも。ある意味な」
サザエ「何言ってるの?ここのどこが密室なの?入り放題じゃないッ!!」
サザエの口調が徐々に荒くなっていく。
波平「左様。普段のこのテラスは入り放題。密室などというと正気か疑われるだろう」
サザエ「そういう回りくどいのはやめてッ!はっきり言いなさいよッ!」
波平「いいか。この扉はついさっきまで閉じられていたのだ」
サザエ「それが何よ」
サザエを視線を横にスライドさせた。
応接間のソファーの上に並べられた二つの遺体。
お軽はそのうちの一つにしがみ付いて未だ泣き叫んでいる。
サザエたちが立つテラスから応接間が見えるようになったのは十数分前。
sien
閉ざされた扉の向こうにウキエがいると聞き、お軽はその扉に寄りかかり泣いた。
それがきっかけになったのか、お軽は思い出した。
伊佐坂がこの南京錠の鍵を隠した場所を。
応接間、柱時計がチクチク揺れる。その横に沈黙を貫き立つ中世の鎧。
お軽はその頭部を持ち上げた。そこに小さな鍵があった。
波平「伊佐坂先生が殺人鬼に襲われたとき、鍵を奪われたのなら、この扉は殺人鬼が自由に出入りできただろう」
サザエ「伊佐坂先生とお軽さんしか知らないところに隠されていたから、この扉は他の人間には開けない。それはいいわ」
ワカメ「でも中庭側からは入りたい放題よ。書斎の鍵は殺人鬼も持っているんだから」
波平「左様。思い出せ、サザエ。最初にわしとお前で書斎を抜けここに来たときのことを」
サザエ「鍵は閉まっていたわ。」
波平「そこじゃない、中庭に出てあとだ。雨でぬかるんだ地面を」
サザエはハッとして自分が辿った道に目を向ける。
地面には四本の線がくっきり残っていた。
サザエ「私たちがここに来たとき地面には誰の足跡もなかったわ」
波平「左様。もう分かっているな。『密室』の意味が」
所々重なっているが、四本の線のうち二本は書斎からテラスへ向かうサザエと波平の足跡。
残り二本はテラスから書斎へ引き返した二人の足跡だった。
ワカメが一部始終を細かく話してくれた。波平はまずその記憶力に驚かされた。
マスオが部屋を抜け出したこと。
それから二十分ほどで雨が止んだ。
それから二、三時間ほど経って、空が明るくなり始めた頃にお軽が目を覚ましたこと。
波平「雨が降れば足跡は消せるかもしれない。でもマスオが部屋を抜け出した後、すぐ雨が止んだ」
サザエ「言いたことは分かるわ。」
部屋抜け出してすぐマスオはテラスに向かう。
ウキエはその時すでにテラスにいたのか、一緒に向かったかは分からない。
その足跡を雨が消す。
そして何かがあって、惨劇が起きた。
サザエ「二人がテラスに行く目的が分からないわ!」
波平「こうは考えれば納得できる。マスオ君がウキエを襲おうとしたため、ウキエは逃げた。しかしテラスに追い詰められてしまう」
サザエ「ば、馬鹿なこと言うんじゃないわよ!マスオさんがそんな事……!!」
父親の推理を受け入れられないサザエが子供に聞かせてはいけないような言葉を用いて食って掛かった。
波平も同じくらい汚い言葉で返事する。
波平もサザエもおかしい。
二人を見て、ワカメは改めてこの空間の異常性を認識していた。
もう何が真実で何が虚実なのか理解できない。
波平とサザエが互いを罵り合う。
次から次に発せられる言葉は徐々に鋭くなっていき、お互いの心を深く切り裂いた。
その声を聞いてるはずのフネもそれを止めようとはしない。
さるよけや支援をするのは良いが、汚い言葉は口にしないのが紳士淑女の礼儀ですよ。
>>1頑張って下さい。
っC
ワカメは中庭に出る。この二日間は窓を挟んで館の中から見るだけだった。
まだ地面はぬかるんでいる。一歩踏み出すたび、ワカメの背後に足跡を増やしていった。
久しぶりの青空を見上げて、今日は暑くなりそうだと思った。
遠くの森から蝉の鳴き声が届く。
推理ごっこはいいから助けを呼びに行けばいいのに。
早くしないと皆死んじゃうよ?
まぁ、どうせ私も殺されるだろうけど。
こんな世界はもういいや。早く終わっちゃえ。
生まれ変わって次の世界へ行きたい――――
庭園の奥へと進んでいく。
蝉の鳴き声が僅かに大きくなる。
既にテラスからは彼女の姿は見えない。
でも、誰も気づかない。
“それ”は彼女を追わない。
その視点は後姿が見えなくなるまで、暴風雨ですっかり荒れた庭園を見続けていた。
そして180℃回転し、館の中へと視点は移動する。
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:16:07.70 ID:1uzHdtStO
しえん
ハイパー昼飯タイムに突入します。
ストックも少ないので再開は2時半頃ということでお願いします。
もう真相に気づいた人いそうだね。でも多分それで用意した真相の半分くらいかな?
そんなに面白い展開でもないんで、期待しないで待ってください。
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:26:45.49 ID:28roAMwJO
じんろくを脳内でさぶちゃんに変えてた……
バカバカバカバカバカ
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:35:35.84 ID:dYI09H6y0
ハイパー保守タイムですな。その間にもう一回読みなおしこよう・・・
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:37:43.73 ID:KYIf8rgzO
追い付いた支援
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:45:55.42 ID:IWXocQt80
追いついた紫煙
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:50:40.19 ID:2dLwJ4fKO
追い付いてない私怨
犯人は裏のお爺ちゃん
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 13:55:24.33 ID:dYI09H6y0
wordで纏めてたら46145文字でした
落ちを作りそびれたイササカ先生の新作か!
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:06:41.27 ID:2a9+7OFLO
追い付いた支援
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:22:33.23 ID:IWXocQt80
ほ
やっとおいついた
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:39:23.46 ID:r2QpJDIhO
保守
突然子供の声が聞こえた。
タラヲ「パパはまだ寝てるですか?朝ですよー」
その声でサザエの体温が急激に低下して、そして凍りつく。
熱くなった頭が一瞬で冷めるのを感じた。
タラオ「おーい、パパー」
サザエ「ダメよタラちゃん、部屋に戻りなさい!!」
サザエが駆け寄る。
それより早くタラヲが父親の身体に飛び乗った。
サザエ「ああ……」
タラヲ「あれ?パパ冷たいですー」
サザエも彼を下ろすときに触ったから分かる。
体温を失った人間の冷たさに一瞬、激しく動揺する。
心臓の辺りから湧き出る“悲しい”という感情が全身を満ちるまで数秒。
それでも、とめどなく湧き続けるそれは、いつの間にかと涙という形で頬を濡らす。
先程まで嬉しそうに話しかけていたタラヲだった、言葉を無くす。
幼いタラヲは“死”という概念を理解できるだろうか。
沈黙。
サザエはどうしていいか分からない。
分からないが、気づくと息子を包み込むように抱きしめていた。
ここからその表情を見て取ることは出来なかった。
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:47:44.57 ID:1uzHdtStO
支援
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:48:01.09 ID:6TCr/bqy0
/  ̄  ̄ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚|⌒| |⌒|゚o \
| | (__人__). | |
\ | `|⌒|´ | /
/ ̄ |川!| ̄|川i| ̄\
ポチどこいった
これで妄想落ちだったら・・・
サザエ「ごめんね、タラちゃん。もうねパパは起きないのよ……」
タラヲ「ごめんね、タラちゃん……」
隣のウキエに縋り付いていたお軽も、二人を見る。
フネは相変わらず何も言葉を出そうとしない。
波平も胸が苦しくなる。
この臭い。サザエは気づいた。この臭いは。
抱きついたタラヲから不快に臭いがする。どこかで嗅いだ。
知りたくはない。知りたくないが、訊ねずにはいられない。
サザエ「タラちゃ……」
サザエの言葉に被せるように、腕の中の息子は眼下の父親に向かって言った。
タラヲ「なーんだ。結局パパも死んじゃったんですかぁー」
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 14:57:41.48 ID:6TCr/bqy0
∧ ∧
/ ・ / ';,
/ '; / ';
/ ;______/ ;
/ \
/ / \ \
/´ ( ) |____| ( ) |
| ///// ( | :| ) ///// | キタキタキタ〜〜〜!!
| ( ) :| | ( ( |
| ) ( | | ) ) |
| ( ) '; / ( ( /
\ ) ( \/ ) ) ../
ヽ ........:::::::
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 15:01:33.75 ID:dpw2ZpeN0
ついにキタキタキター
ドクンッと心臓が過剰な動きをした。
そう言えば。たい子さんはどうしたんだろう。
この子がたい子の目を盗んで勝手に部屋から出てきたと思っていた。
でも、たい子なら、きっと、絶対、タラヲ追いかけてくるはず。
タラヲの発言に困惑する一同。
その中で最も遠い存在のお軽が、最も先にタラヲに話しかける。
お軽「死んじゃったって、タラちゃん悲しくないの?」
タラヲ「何でですかぁー?」
お軽「な、何でって……パパが、タラちゃんのパパが死んだのよ?もうパパと遊ぶことも出来ないのよ」
人の死、その悲しみを一番強く感じたのはお軽だ。
夫、娘、そして恐らく息子も……。
だからその小さな子供の反応がどうしても理解できなかった。
タラヲ「何言ってるですかー?これから『遊ぶ』んですよー、パパ『で』」
タラヲがポケットに手を入れて、何かを取り出した。
サザエは強くなる臭気に、動揺する。
ああ、そうだわ。これは血の臭いだ。
サザエ「……タラちゃん。たい子さんとイクラちゃんは?」
タラヲ「二人とはもう遊び終わったですぅー。次はパパの番ですぅー」
ギラリと鈍く光る。
赤黒いそれを掴むタラヲの右手を目一杯高く持ち上げる。
そして、思い切り、父親の顔めがけて、一気に、振り下ろす。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 15:10:17.24 ID:6TCr/bqy0
空中元彌チョッーーーープ
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 15:10:56.90 ID:IWXocQt80
ひゃーーーーーーーー
グサッ
死後硬直の始まっていたマスオの体は、タラヲが想像したより硬い。
その事実に、はじめてタラヲは表情を変えた。
タラヲ「あれ?パパは他のと違って硬いですぅー」
再び、その手を振り上げる。
女三人は何が何だか分からない。
目を見開いたまま、口を開け放ったまま、微動すらしない。
グサッ
またその嫌な音が応接間を満たす。
波平には何が起きているか分からなかった。
サザエの背中がその光景を遮る。
仕方ないので、その場へ足を進めながら、疑問を投げかけた。
波平「おい、何だ今の音は……?」
グサッ
質問の返答を聞く前に、三度目のそれが波平の耳に届く。
そこで足が止まる。
何なのだ、一体この音は。
動かないサザエの横から回り込む。ようやく彼の両目は眼鏡越しにその光景を捉えた。
四回はそれと同時に聞こえた。
つまんね
支援
ぶら下がる彼の顔も不気味だった。何度も思い出したいものじゃあない。
それでも必死に思い出そうとしていた。
今そこにあるものが、記憶のそれと明らかに異なっているから――
波平「タラちゃあああああああん!!何をやっているんだああああああああああああ!!」
五度目、タラヲの持つ、鈍い光を放つ何かが、マスオの顔を貫く。
タラヲの顔は少しだけ血で汚れていた。
心臓の動きの止まったマスオの顔を抉っても、血が噴出すことはない。
それはタラヲにとっても不満の一つだ。
右手のものを引き抜いたとき、頬に少しだけ血がついた。
タラヲは左手で、それを拭うと、ぺロッと舐める。
タラヲ「ふふふふ。美味しいですぅー」
タラヲ死ね
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 15:28:39.43 ID:8hQVjUIJO
タマ「狂ってやがる・・・・」
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 15:32:35.37 ID:6VvDnQ43O
暇を持て余した幼児の遊び
恐ろしい…
しえん
波平「止めなさい!なぜそんな事するんだああああああ」
タラヲ「なぜこんな事するかって?楽しいからに決まってるですぅ」
祖父がなぜ怒っているのか分からない。
いつもはカツオ兄ちゃんを怒るのに、僕は怒られたことないのに。
理解できないことは、面白くない。
僕はまだ子供だから知らないことは沢山ある。
大人になるまでに学べばいいと思ってた。
しかし、何で今までこんな面白い遊びを隠していたか。理解できない。
大人はズルイ。
タラヲは苛立ちを覚え、再度右腕を掲げる。
ガチリッ
突然、唐突に、いきなり、急に。
この異様な空間を監視し続けたアンティークの柱時計が大きな音を立てた。
波平は思わず振り返る。
そして時計の異常に気づいた。時間がずれている。
腕時計は8時になろうとしているが、柱時計は依然7時のまま。
耳を澄ますとガチガチガチガチという機械音が聞こえた。
歯車が壊れたのかもしれない、波平はそう思った。
その柱時計が放った大きな音でスイッチがオンになったかのように、サザエが動き出した。
グサッ
六回目、タラヲは腕を振り下ろす。
To be continued.... Next story is 「嵐の終わり」
支援支援
タラちゃん覚醒支援
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:02:35.01 ID:IWXocQt80
タラヲ本性紫煙
支援
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:19:10.05 ID:pmLiliE9O
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:23:43.97 ID:NsFU5WuxO
やばい面白い
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:25:16.99 ID:ScCSZA9xO
CEN
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:39:50.44 ID:rKjqnkjIO
支援
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:41:24.04 ID:8Q/vCKc/0
しえん
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:47:56.27 ID:zKLKFHf5O
支援
あれ?寝てた?
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 16:57:36.56 ID:dpw2ZpeN0
>>530 キリのいいところまで投下して寝るとはさすがだな
展開が一番気になる所でもあったがなwwwww
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:03:41.59 ID:dYI09H6y0
寝てても良いんだよ。
みんな待ってるから
ごめん、書き溜めてない。時間かかりそう……
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:13:30.00 ID:SPxSVtcM0
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:19:26.39 ID:NCKXW8DfO
ほしそういちろう
>>535 もう少し寝た方が良い気もしますが。
頑張って下さい。
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:34:51.46 ID:HEgQUbvYO
おいカス、あんま寝てないんだから体調に気を付けろよ
扇風機とかつけっぱなしで寝て風邪ひくなよ
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:40:41.60 ID:rKjqnkjIO
ほしwww
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:47:14.02 ID:JG6zxXOQO
つ☆☆☆☆☆☆☆
保守ついでに金平糖置いていきますね。
543 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/02(火) 17:50:46.76 ID:L2V+OaRZP BE:1070928858-S★(517011)
タラヲの仕業だったのか!
起きろー朝だぞー
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:52:14.09 ID:dYI09H6y0
>>543 まだ判断するには早い
毎日人が多くなっていくねー。きょうは保守する必要なかったwww
がんばってね!
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:55:38.03 ID:8hQVjUIJO
ゆっくり書いていってね!!
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 17:56:04.59 ID:28roAMwJO
>>543 タラオに遺書が書けるのか謎だな……
私怨☆
マスオさんにはもう少し生きててもらいたかったな
VIPは3日で強制過去ログ行きだっけ?
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:04:16.37 ID:AgcytPrzO
携帯から支援
お茶入ったよー
且且~
且且~
∧_∧ 且且~
(´・ω・)且且~
`/丶O=O且且~
/ ‖_‖且且~
し ̄◎ ̄◎ ̄◎
最近は大丈夫だった希ガス
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:09:32.02 ID:NCKXW8DfO
旅スレで丸4日落ちなかったとこあったな
>>550 いたがきます
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:22:32.03 ID:MHPYJm8B0
この手のスレに、こんなにハマったのは初めてだ
あげ
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:35:14.31 ID:KCnq3NHF0
さぁて、支援だ。
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:35:30.30 ID:hQDCcanw0
ただいま保
タラヲ糞ワロタwwwwww
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:39:34.22 ID:ohLJ0W2kO
バイト終わって来てみれば…
タラヲ死ね
>>1頑張れ
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:49:12.20 ID:gx2XB/G2O
イクラが空気すぎる・・wまさか
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:49:29.58 ID:SPxSVtcM0
イクラもたい子さんも……
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 18:52:37.74 ID:prPsanPKO
俺のもの………
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:04:43.17 ID:MTNOWJ6YO
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:05:10.37 ID:NCKXW8DfO
緊張感すげぇある…アニメ脳内再生したら笑えるんだがな
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:06:07.28 ID:3uoNt65f0
【レス抽出】
対象スレ: タラヲ「なぜ殺すかって?楽しいからに決まってるですぅ」
キーワード: 翠
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/31(日) 23:12:40.41 ID:AFiukAen0
翠星石で再生された
抽出レス数:1
今日はもうダメかも知れない
途中までだけど投下してもいい?
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:10:13.17 ID:sm+NAnmrO
いいともー!
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:11:47.96 ID:hQDCcanw0
期待
Day ?
8月XX日(?)
“それ”がやってきた。
これまでビデオのリモコンを停止ボタンを押したように止まっていた時間は、
“それ”に観察されることによって動き出した。
白黒の世界に色が出現する。
綾辻は一度原稿から目を離す。
右手でカップを持ちコーヒーを啜る。すっかり冷めてしまっていた。
腕時計を見る。結構な時間が過ぎていた。
江南「どうですか?話題性だけじゃなくて、内容もいいでしょう?」
冷たいコーヒーを不味そうに飲み干すと、綾辻はもう一度原稿の表題を見た。
物語の冒頭を読んだだけだが、どうだろう。悪くない。だが、気になる点がいくつかある。
綾辻「もしかして伊佐坂先生の別荘に迷路があったりするのかな?」
江南「どうでしょう。でも『迷路館』みたいな建物ではないと思いますよ」
綾辻「そりゃそうだろう。僕ならそんな別荘ほしくないね」
江南「そうですか、僕は好きですけどね。でもやっぱり連想してしまいますよね」
綾辻「このスタイルが珍しいと思わないが、僕の作品を読んでいただいてるのを考慮すると、ね」
江南「ミステリ小説家が知人を別荘に招待する。昨今この業界じゃあ、そんな作品捨てるほどありますよ」
綾辻「捨てるほど?僕の作品は捨てないで欲しいもんだ」
江南「大丈夫ですよ。僕は、鑑賞用・保存用・布教用。全作品三冊ずつ買いますから!」
綾辻「それは、それでねぇ……」
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:16:13.77 ID:NCKXW8DfO
綾辻ktkr
そういえば、と江南が言う。
綾辻は新しいコーヒーを頼んでいた。
江南「先生が読んでる間に思い出したんですけど」
綾辻「何を?」
江南「伊佐坂先生の別荘のことです。あんまり関係ないかもしれないんですけど」
綾辻「うん」
江南「先生、お金がなくて折角の別荘なのに飾るものがないと嘆いてたんですよ」
綾辻「へぇ」
江南「工事の途中で色々問題が出て、それに対処する度に通帳からお金が消えていったそうです」
綾辻「それはそれは。さぞ立派な別荘なんでしょうな」
江南「それ聞くと、一つくらい隠し部屋あっておかしくないと思うんですよね」
綾辻は適当に相槌を打つ。ベテラン作家とはいえ、恋愛小説を書いてた人がミステリに手を出すなんて。
しかも、少しだけだが、面白そう。
釈然としないモヤモヤしたものが綾辻の中に生まれていた。
まだ続いてたヤタ――ヾ(゚∀゚)ノ――!!
>>1 無理しない程度に書いてください
ボーっと空を見上げる。どんよりとした雲が広がる。
綾辻「コナン君。嫌な天気だね」
江南「天気予報で言ってました。嵐が迫ってるらしいですよ」
「嵐の終わり」
Day 3
8月15日(金)
波平「もう止めなさい!聞いているのかッ!!」
波平は再び振り下ろされようとしていた孫の右手を掴む。
ずしりと重い。思わず両手に力が入った。
有り得ない。これが幼稚園に入る前の子供の力か……?
タラヲの腕はまだ彼の下にあるマスオの顔“だった”辺りに向かって進もうとしていた。
波平「タラヲッ!それを離しなさい!」
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:20:33.51 ID:tRjWnxoKO
とりあえず整理すると
イササカ→おそらく死亡 中庭で右手が見つかる
カツオ→おそらく死亡 中庭で左手見つかる
ノリスケ→死亡 娯楽室でバラバラ死体に
ジンロク→行方不明 一応生存だが監禁中
マスオ→死亡 テラスで首吊り自殺?
ウキエ→死亡 テラスで絞殺死体
タイコ・イクラ→死亡? タラヲの発言から推測
ワカメ→生存 ただし情緒不安定 何処かに歩き去った?
生き残りはタイコ・イクラ・ワカメを除いて現在テラス集合
ナミヘイ サザエ オカル タラヲ
タラヲぶっちゃけたけどまだ推理モノにできるぜ!
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:24:04.52 ID:lXrI2Jm20
返事をしない。
波平は無理やりそれを奪い取ろうとした。
その瞬間、胸部に強烈な痛いを感じる。
恐る恐る視線を下ろす。
タラヲの小さな右足が波平の急所、みぞおちにめり込んでいた。
腕の力が抜ける。
そして開放されたタラヲの手は標的を変えて振り下ろされる。
グチャ
父親の顔よりを深く刺さる。感触が気持ちいい。
憎たらしい笑みを浮かべたその顔に、生暖かい液体が降り注ぐ。
波平「ぎゃあああああああ」
波平Back comeooooooooon!!!
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:25:55.49 ID:SPxSVtcM0
ついに波平まで……
こええ〜
波平の左目から血が噴出している。
体内から流れ出るそれを止めようと必死に抑えた。だが、指の隙間から大量に滴り落ちていく。
タラオ「わーい!お祖父ちゃんの頭、噴水みたいですぅー!」
床に転げ落ちる祖父。水溜りのようになっている自分の血に溺れそうになる。
右目のみの視界にタラヲの足が入り込んだ。
しかし、それも束の間、視界は黒に染まる。
遅れて、反対の目にも激痛が走った。
しばらく暴れたあと、波平は動かなくなった。
タラヲ「左だけじゃ可哀想ですから右にも噴水作ったですぅー!」
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:27:44.70 ID:NCKXW8DfO
チャイルドプレイあるいはペットセメタリーあたりが脳内再生される
その噴水で水遊びを楽しんだタラヲの上半身は赤一色になっている。
高笑いの後、その小さな殺人鬼の目は祖母と隣人に向けられた。
フネとお軽は恐怖で声すら出ない。
それでも逃げないと。殺される。
この二日間、自分も殺されるかもしれない、そんな漠然とした恐怖は常に付きまとっていた。
よく知った人間が一人消える度に、その恐怖が色濃くなるのを感じていた。
しかし、それは、もしかしたら殺されるかもしれない、消極的な恐怖。
今は違う、目の前の悪魔は、逃げないと確実に私たちを殺す、積極的な恐怖。
今すぐ逃げなくては。先に動いたのはフネだった。
ウエキの死を悲しむお軽を慰めるために肩を抱いたその手で半世紀近くの友人を突き飛ばす。
お軽は予期せぬ方角から受けた力に、抵抗するすべもなく倒れこむ。
頭を上げると、目の前にタラヲの姿があった。
フネは前方に倒れるお軽を見ようともせずにその場から逃げ出す。
だか、どこに逃げる?どこに逃げても無意味な気がした。
気づくと応接間に接する階段を必死で登っていた。
無意識の脳がどんな判断を下したのか、二階に逃げることを選んだらしい。
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:31:25.50 ID:kEynDhcGO
追い付いてしまった…。
wktk
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:32:47.12 ID:H0ggQ+T4O
キャラクター全ての声がアニメと一緒の声で脳内再生厨
俺だけかな
半分まで登り、安心したのか、急にお軽のことが心配になった。
生贄として悪魔に捧げておいて、身勝手なのは分かっている。
親友の姿を探す。
倒れこんだお軽は身動き一つしていない。
その前で悪魔が振り上げた右手を今まさに振り下ろそうとしている。
思わず目を閉じたのがいけなかった。
フネは階段を踏み外してしまう。バランスの崩れた体、手すりを掴んだ手のみで支えるにはあまりにも年老いていた。
身体は宙を舞い、一階の床へ叩きつけられる。
その大きな音に、タラヲは手を止めた。
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:34:11.42 ID:6TCr/bqy0
/ヽ /ヽ
/ ヽ / ヽ
/ ヽ__/ ヽ
┏┓ ┏━━┓ / \ .┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃ / \ / | .┃ ┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━| > < |━┓┃ ┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃ |. (__人__) | ┃┃ ┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ヽ \/ / ━┛┗━┛
┃┃ ┃┃ / \ ┏━┓
┗┛ ┗┛ /  ̄ ̄ヽ / ̄ ヽ .┗━┛
.ヽ_______/ \__/
目が合う。立ち上がろうとするが思うように動かない。なぜ?
自分の足を直視する。何かがおかしい。そんなところに関節があっただろうか。
折れている。
痛みより恐怖の方が強い。
這ってでも逃げようとする祖母の前に孫は立ちはだかる。
フネ「あああ…………」
グチャ
タラヲ「わーい!お祖母ちゃんの噴水も綺麗ですぅー」
タラヲは後頭部に深く食い込んだおもちゃを引き抜く。
噴出した血が目に入ってしまった。
水よりねっとりした液体は拭っても、なかなか取れなかった。
タラヲ「見えないです」
お軽にとっては絶好のチャンス。今なら悪魔から逃げることが出来るだろう。
しかし、お軽はそんな素振りを一切見せない。
お軽は悟っていた、逃げても無駄なことを。
どうせなら一思いに殺して欲しい。家族と一緒の所に送って欲しい。
そんなことを考えていた。
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:45:46.82 ID:yj1xl4ntO
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:49:03.61 ID:dpw2ZpeN0
さるさんか……
支援
手の甲を何度も往復させる。
焦れば焦るほど酷くなる気がした。
それでも一分後には、どうにか視力を取り戻す。
しかし、完全に取り除くことは出来ない。まだ赤色が全体の半分を汚染している。
頭を大きく動かし、対象を探す。
視力を失いながらも、耳で観察していた。
それは動いてない。
見つけた。
二度と見失わないように捉えて離さない。
そして振り下ろす。
タラヲ「バイバイですぅー!」
グチャ
594 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/02(火) 19:56:46.07 ID:L2V+OaRZP BE:856742584-S★(517011)
再開してた!タラヲこえええええ
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 19:57:20.13 ID:JG6zxXOQO
ほ〜らほ〜らみんなの〜
額から滴る血が顔を通り過ぎ、顎から滝のように流れ落ちてゆく。
全てがゆっくりと、スローモーションのように動く。
痛みはない。
ぐるぐると意識が暴走している。様々な記憶が錯綜した、これが走馬灯なのか。
その後に全身の力が抜けてゆく。
全てが崩れ落ちる。
手に握っていた物が最初に床に落ち、カランカランと音を立てた。
それからすぐに、タラヲが床に横たわった。
まっすぐ頭に刺さった包丁がギラリと光る。
それを引き抜くと、震えるお軽に近づく。
そして、サザエはタラヲと同じようにしてお軽を殺した―――
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:00:29.87 ID:dpw2ZpeN0
この手のSSでタラヲが良い奴だった試しが無いw
リアルタイムktkr
しえん
本当に中途半端ですいません。ここまでしか書けてない……
自分でも誰が死んで誰が生きてるのか分からなくなってくるんだよね。
だから
>>575はありがたい
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:06:39.88 ID:H0ggQ+T4O
>>599 とりあえずゆっくり休んでくれw
んで待ってます
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:11:07.92 ID:AiySVaL6O
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:11:08.88 ID:MTNOWJ6YO
これをあの夕方6:30からの枠で放s・・・いや、なんでもない
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:13:29.16 ID:tRjWnxoKO
タラヲ無双入ったから蛇足かと思ったが役立って何より
結末楽しみにしてるよ!
今のうち言い訳
即興だから穴だらけ、強引な展開、説明不足、伏線なしand無視、誤字脱字
日本語でおk、タラヲの覚醒、読めるオチ、納得のいかない結末、解明されない謎
色々あると思うけど許してくださいね☆
んじゃ風呂入りってきます!
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:17:59.31 ID:dpw2ZpeN0
言い訳ありすぎwwww
だが勿論最後まで読むぜ
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:25:16.83 ID:8hQVjUIJO
むしろ即興でここまで書けるのは凄い
続き期待してる
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:26:19.64 ID:NCKXW8DfO
サザエさんがタラヲを…だと…しかもお軽さんまで…
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 20:43:48.04 ID:x0mlngnEO
支援
即興で…だと!
それは素晴らしいで…
んっ。馴れ合うのは不本意だが…
っC
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:03:54.40 ID:Ywl7NQwUO
ついに中島の登場か…
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:07:36.89 ID:DDnbub9IO
ここから中島無双が始まるのか…………ゴクリッ
中島、花沢、かおり辺りは次の話しで出したいなあ…
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:09:15.94 ID:HEgQUbvYO
HANAZAWAだろjk
タラヲ生き返る悪寒w
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:18:03.72 ID:2cdXAZP9O
まだいるんだね
あてずっぽな先読みで作者の邪魔する馬鹿
追い付いた。次にサザエさん見るときはこれを思い出しそうだな・・
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:51:45.13 ID:onILqwgUO
tntn
ほ
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 21:57:20.13 ID:A6aUZBgq0
波平「Say YO!」
フネ「HO! HO!」
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:01:47.84 ID:aRLlbvczO
寝れねえwwww
保守
頑張って下さい
この館シリーズって他のアニメでも流用できそうだな けいおんらきすたはるひひぐらしetc
無事完結出来そうで何よりです
>>1せんせいは納得いくまでゆっくり書ききってくだしあ
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:16:27.49 ID:5qoHjR4fO
俺は最初からタラヲが怪しいと睨んでたんだ
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:21:49.18 ID:aikVYW5fO
つづきまだ?
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:27:36.42 ID:cEqGo/HhO
まったり待ちましょ
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:29:27.36 ID:Ywl7NQwUO
カツオが生きてまた中島と野球できるなら、他は誰が死んでも構わない
ほ
全力で…干す
ほっするほっする
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 22:51:53.69 ID:M0NcW2T9O
なぜ保守するかって?続きが見たいからに決まってるですぅ
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:03:35.69 ID:qdq4ptU30
a
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:03:42.88 ID:2dLwJ4fKO
なぜ(ry
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:11:15.68 ID:KCnq3NHF0
タラヲ「保守してくれなかったらお前も噴水にするですぅ。」
グサ。
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:11:33.16 ID:JG6zxXOQO
磯野ー!保守しようぜ!
635 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/02(火) 23:18:12.15 ID:L2V+OaRZP BE:267732825-S★(517011)
ほっ^^
追い付いた
なんという事だ…
☆ゅ
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:37:36.47 ID:vsSx6YQpO
かまいたち2の陰陽編みたい
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:45:02.85 ID:lXrI2Jm20
>>639 さっきからめっちゃ言われてる
かまいたちの夜ってやったことないんだよね。
今でも楽しめる?
藤原竜也の出てたドラマはもう一回みたいな。
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:49:07.13 ID:F7CVfnpEO
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:51:40.58 ID:ya89elfyO
もいついた
ほしゅほしゅ
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:52:59.32 ID:NCKXW8DfO
>>640 おぉ、起きたか?それとも書き貯めてたのかな。
かまいたちは今でも楽しめるぞ。本格の短編っぽい。
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/02(火) 23:58:38.63 ID:lXrI2Jm20
>>643 ぷっすま見ながら書き溜め中。
前から興味はあったし、今度プレイしてみようかな
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:03:55.07 ID:5YC+g3n5O
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:04:46.75 ID:XjoYcs/SO
地中海、地元デース
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:12:16.96 ID:2G4I9My4O
っC
コーヒー入れたよー
c□c□~
c□c□~
∧_∧ c□c□~
(´・ω・)c□c□~
`/丶O=Oc□c□~
/ ‖_‖c□c□~
し ̄◎ ̄ ̄◎ ̄ ̄◎
俺は2しかやったことないけど、1のほうが面白いらしい
2はグロさと理不尽さ(唐突に死んだり)が増してて、謎解きは1より簡単で少ないらしい
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:18:11.42 ID:d+Txm6B0O
つC
ってなんですか?ggrmsn、Sir.
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:20:39.68 ID:xTPzPGFn0
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:22:56.47 ID:2G4I9My4O
>>649 つは手の形
Cは「し」えん(支援)を表してる
平たく言えば支援するよって事
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:23:45.27 ID:d+Txm6B0O
>>650 おおお!ありがとうございます、Sir.
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:25:02.05 ID:d+Txm6B0O
>>651 イエッサー
理解しました、ありがとうございました!
イエッサー!
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:25:30.00 ID:0hRvW2Kv0
背の高い庭木が隙間なく続く。
ここもまた優秀な庭師によって手入れされている。
木々の高さ、枝の長さ、葉の茂り具合。
特徴的なものが一つもない。
統一されたそれは方向感覚を失わせる。
大人なら建物の屋根、朱色のそれを捉えることで東西南北を判断できる。
しかし、まだ小学3年のワカメに取り囲む緑の壁は高すぎた。
決して広い迷路ではないはず。だが脱出できない。
右、左、右。 いや、右、右、左?違うかな。右、左……。
ああ、すっかり迷ってしまった。
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:28:02.17 ID:5YC+g3n5O
656 :
Katariya ◆SKETD94gsU :2009/06/03(水) 00:29:09.73 ID:O+y8lQbSO
寝たいんだけど、落ちないよな?
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:31:10.78 ID:zDO+X7Q6O
っC
朝まで保守できるかな
あの曲がり角を右に折れれば出口に着く。
そう信じて進むが、そこは行き止まり。
今来た道を引き返す。
もうどれくらい繰り返しただろうか。
どこを歩いても見た覚えのある通路のようで、見覚えのない。
実際は10分も経っていない。
どんなに複雑でも、方角が分からなくても30分も迷えば脱出できる。その程度の規模のだった。
しかし、ワカメに分かるはずもなく、ただ直感のまま、本能のまま、感覚を頼りに進む。
苛立ち。不安。後悔。恐怖。諦め。そして、自暴自棄。
ワカメはその場に座り込み、空を仰ぐ。均等的に青い。
太陽さえ見えれば方角はつかめるに、と一人呟く。
声がした。彼女を呼ぶ声が。
ワカメの右側から聞こえる。はら、また。
ワカメ「お姉ちゃん……?」
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:38:17.95 ID:TF24zS2lO
支援
わかめうめぇ
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:44:30.71 ID:plUyI687O
サザエこええ
サザエ「ワカメ出てらっしゃーい!ワカメー!」
心配して探しに来てくれた。素直に嬉しく思った。
その声を頼りに右へ右へ。
結果、中庭に戻ることになるが、現状よりはましだ。
姉の声が聞こえるだけで見えてた景色が変わる。
全く同じに見えた木々にも少しずつ違う表情をしているの気づく。
ふいに風が駆け抜けて、出口が見えた。
その延長線上でサザエが手を振っている。
・・・ゴクリ
ワカメもそれに応えるため、手を挙げようとした。その時。
姉の右手の中で、ギラリと光る物が見えた。
サザエもワカメを視界に捉える。
サザエ「みつけたあああああああああああああああああああああああああああ」
目を見開き、怪しい笑顔で、こちらに向かってくる。
短距離走の選手のように、激しく腕を振り、太ももを高く上げて。
獲物を駆る肉食獣のように、目は逸らさずにワカメを見据え、口からはよだれが落ちる。
段々と近づいてくる。
どうすればいいのか分からなくなった。姉の胸に飛び込めばいいの?それとも……
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:52:34.70 ID:plUyI687O
うわあへ(´^o^`)ノ
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:53:44.61 ID:5YC+g3n5O
うわああああああああああああああああああああああ
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 00:55:26.10 ID:zDO+X7Q6O
いっちゃらめぇええぇえ
誰かが囁いた気がした。逃げろ、と。
なぜ逃げるの?あれは私を心配してくれている実の姉なのに。
また姉の手の中で鈍い光が。なんだろう?
後ずさりしながらも、目で追う。
包丁?
さっきまで役に立たなかった本能が、防衛本能が意識するより先にワカメの身体を再び迷路の中へと連れて行く。
サザエ「まぁぁぁあああてえええぇぇぇ、にぃぃいいげぇぇええるううぅぅなぁぁああああああああ」
右、左、右。 いや、右、右、左?
どっちでもいい逃げ切れるなら。
木々の表情が消えた。まずい、私はどこに向かっているんだ?
何故かネウロの犯人っぽく再生された
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:08:43.42 ID:tE3JdLkI0
このスレが朝まで残ってることを
信じて寝ます……
さっきは何度か右左折すると必ず行き止まりにぶつかった。
でも今はどんどん奥へと進んで行く。
後ろからサザエの叫び声が聞こえた。
彼女もこの迷路に侵入してきたのだ。
しかし今回の第六感はすごい。
正しい通路に、根拠はないが確かにそう思う、私を導いてくれた。
見覚えのない長い直線に出る。
突き当たりは右に折れている。
出口。そう思った。
背後からまた風が吹き抜ける。追い風。私を助けてようとしている。
姉の声は未だ遠い。
息を切らしながら走る。すぐそこを右に曲がるだけ。
そして――――
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:09:17.38 ID:C3C4EufjO
きょーもいいてんきー!
支援
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:09:54.79 ID:plUyI687O
もうサザエさん見れねーよww
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:11:34.53 ID:t3Dbe83dO
やっと追いついたぜ
支援
WKTK
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:16:05.48 ID:ptDw+qkF0
サザエこわすぎワロリング
ワカメの視界に飛び込んできた。開けた空間が。
しかし、それは狭い通路に比べて、少し広いということ。
2メートル×2メートルの正方形の空間。
緑の壁が変わらずそそり立つ。出口はない。
それどこか他へ繋がる通路さえない。
つまり、行き止まり。
サザエ「どこいきやがったああああああああ」
自分を探す怪物、迷宮の主、何かの本で読んだ、確か半人半牛の怪物、その名前はミノタウロス。
遠くにいたはずのその怪物が、すぐ後ろに迫っているように感じた。
679 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/03(水) 01:21:32.78 ID:Hu3ypSyQP BE:428371182-S★(517011)
サザエ怖すぎる…
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:21:44.29 ID:2hfr7JMwO
行き止まりwww
詰んだwwwwwwww
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:25:07.56 ID:0RsI7HpuO
イッキ読みした
しえしえ
どうする?引き返す?ここに隠れる?
分からない。
役に立たない防衛本能。やはり死ぬのか。
もしここに来たら?逃げ場はない。
でもいずれここを見つけるに違いない、何せ相手は迷宮のミノタウロスなのだ。
今引き返せばやり過ごせる可能性はある。
僅かな望みにかけよう。
鼓動が早まる。汗が頬を流れる。直進するだけのこの通路に姉が来ないことを祈りながら、来た道を引き返す。
また叫ぶ、ミノタウロスが。
回避策が浮かばない。
やっぱり殺されるの?私、殺される……
あああああああああああああああああああああああああああああああ
ワカメの意識はここで途切れた。
崩れる少女の身体を誰かが背後から抱き上げる。
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:28:32.63 ID:BASOPmZFO
誰も予測するなよ
>>673見て思い出した。
しまった。やらかした。
本当は迷路の中でワカメを追いかけるときに、サザエに主題歌歌わせようと思ってたのに。
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:30:52.88 ID:J+xeZI7SO
復活の
>>1乙
とりあえず、サザエを雄大君に粛正してもらうしかないな
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:32:14.69 ID:eGAq+wzOO
お魚くわえてC
サザエがシャイニングのジャック・ニコルソンと重なるwwww
Day ?
8月XX日(?)
通りに面した喫茶店。
そこで働くウェートレスの気分は沈んでいた。
台風の関東通過で今日を含めてここ数日、雨ばかりだった。
せっかくセットした髪をここに来るまでにすっかり崩れてしまった。
今日はあの人が来る日なのに……。
仕事中にも関わらず、彼女はそのことばかり考えていた。
店長の話も上の空。
チラッと左手の腕時計を見る。給与で買ったブランド物の時計。
午後1時43分。そろそろあの人が来るはず。
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:36:02.05 ID:rybNmlBzO
主題歌www
彼の、彼らの指定席は開いている。
予約しているわけでなく、ただ偶然に、いつもその席は開いてる。
入り口から二番目、通りを見渡せるテーブル席。
カランカラン
入ってきた人物は彼女が待ち焦がれた人ではない。
ゆっくり移動するその人は、彼の指定席に座ってしまった。
がっかりしていると続けざまに誰かが入ってきた。
もう一度入り口に目をやる。その人だ。
彼はいつも通り、彼の指定席に座る。どうやら先客とは知り合いらしい。
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:43:05.75 ID:2G4I9My4O
朝まで残っててくれ……
おやすみ支援
彼女がその人についていることは彼が出版社で働いていて、『綾辻行人』という作家の担当であること。
そして、綾辻行人は彼を『コナン君』と呼ぶ。たぶん、あだ名なんだと考えていた。彼の本名はまだ知らない。
お盆休みも終わり、前の通りをスーツを着たサラリーマンが行き交う。
彼女はそのテーブルに注文を取りに行った。
彼はいつも通りコーヒーを、そしてはじめて見る男性、その人もコーヒーを注文する。
テーブルの上に置かれた厚い原稿用紙の束が目に入る。彼も小説家なのか。
一番上にサインがしてあった。『伊佐坂』、その文字は読み取れた。一瞬だったため下の名前は分からない。
変わった名字。きっとペンネームなんだと彼女は考えた。
>>693 一行目の最初
彼女がその人について知っていることは
です
つC
696 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/03(水) 01:48:36.44 ID:Hu3ypSyQP BE:321279326-S★(517011)
dkdkwkwktktk
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:49:24.54 ID:COMI6kKaO
コナン「先生の新作、編集部でも評判は良いですよ」
伊佐坂「そうですか、それはよかった」
コナン「今、調整中で連載は再来月号からということになりますが、よろしいでしょうか?」
伊佐坂「ああ、それでお願いします」
コナン「『例の作品』、先生が超えようとしている。もしかしたら今回で目標達成できるかもしれませんね」
伊佐坂「そうだといいんだど……」
彼女はコーヒーを届けにきたとき、伊佐坂という男が右腕にだけ手袋をしているのに気づく。
その男は、コーヒーを受け取ると、左手でカップを持って口に運んだ。
紳士淑女の諸君。
私はそろそろ寝るが、頑張って支援したまえ。
そして
>>1頑張ってくれたまえ。
っC
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:57:54.54 ID:PnPFG1RjO
俺もう体力限界だ…(●,、●)
っC
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 01:59:04.55 ID:0hRvW2Kv0
と、ここまで投下してストック切れです。
このあと、二つのシーンがあって、第七話も終わり。
そして次はいよいよ最終話・解決編(予定)
もしかしたら寝てしまうかもしれんけど、とりあえず七話完成させたいと思います
>>701 俺ミステリー好きだったって思い出したありがとう
おかげで全然眠れそうにない!!
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:04:20.56 ID:eGAq+wzOO
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:09:21.61 ID:5YC+g3n5O
>>1ガンガレ!最初から張り付いてるんだぜw
でも寝不足には注意だぜw
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:10:39.84 ID:zDO+X7Q6O
無理しないでね
でも全力で期待
わくわくてかてか
寝れんwww
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:26:44.57 ID:0hRvW2Kv0
ごめん、やっぱり仮眠取る。
何か俺だけ地震で揺れてる感じがする
大丈夫かよww
気にせず休め
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:28:08.32 ID:eGAq+wzOO
>>708 お休みノシ
創作に繋がるいい夢見ろよ
支援
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:48:30.40 ID:uicCR8N1Q
黒柳さん保ッ守ートです
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:49:16.60 ID:5YC+g3n5O
保守は任せろ
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 02:52:05.18 ID:plUyI687O
捕手が保守ッ
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 03:04:49.88 ID:plUyI687O
ほ
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 03:09:42.41 ID:eGAq+wzOO
だめだ・・・
後は任せたorz
保守かな
怖いの苦手なのにここまでよんでしまった
ほすほす
四円
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 03:30:41.01 ID:GaaPFaPGO
ほ
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 03:31:47.82 ID:uicCR8N1Q
野々村くん、保ッ守ートです
保守間隔もうちょっと開けたほうが良いかと
始めから読んでるが、面白くて寝れん
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 03:55:43.13 ID:F83Us13pO
うーん…
紳士として保守するんだが
何この素敵な小説
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 04:07:06.82 ID:cTgOsfxiO
ほしゅ
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 04:09:09.74 ID:5YC+g3n5O
>>721 同意…だが遅いかw
どのみち足りなくて次スレが必要になるかもねw
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 04:34:15.47 ID:rybNmlBzO
保守ですぅ
保守
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 04:57:33.08 ID:Mv/rHR9D0
今日は早めに学校が終わり特にすることもないので家に帰ってきた。
「ただいま〜」
家には風邪で高校を休んでいる姉が居るはずだった。だが誰も返事をしない。
応接間を見に行くとそこには姉が寝ていた。
弟の俺が言うのもなんだがかなり美人だしスタイルも良い、それにいつも優しい良い姉だった。
静かな寝息を立てて寝ている、どうやら風邪薬がかなり効いているらしく、ゆすっても起きる気配はなかった。
その時、ふと俺の目に姉の胸の谷間が飛び込んできた。
高校一年生らしく発達した胸は、中学生の俺の欲望を刺激した。
そっと服の上から胸を揉んでみる。とてもやわらかくて暖かい。
今度は服の隙間から手を入れて乳首を触ってみる。感触からして小さめだが、少し大きくなってきた。
我慢しきれなくなった俺は、姉のスカートを少しずつ手繰り上げた。
そして白い下着が目に入ったとき俺の理性は完全に吹き飛んでしまった。
下着に手を掛けてゆっくりと脱がす。
保守
…ふぅ。
保守
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:03:19.95 ID:Mv/rHR9D0
俺はただ保守しに来ただけさ・・・
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:11:23.38 ID:gzzGPfLbO
ほーしゅ
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:16:08.58 ID:Mv/rHR9D0
下着を脱がすとそこにはうっすらと毛が生えている陰部があった。
顔を近づけて匂いをかいでみる、ほのかに甘いような香りがして俺は頭がくらくらした。
姉が起きないように気をつけながら陰部をゆっくり開く。
それは薄いピンク色をしてかすかに濡れている様だった。
我慢しきれなくなった俺はそれをそっと舐めてみる、少ししょっぱい。
ゆっくりと舐めるたびにピンクのそれはひくひく動いた。
俺は体を起こして今度は姉の服を捲り上げる。ブラはしていないのですぐに小さめな乳首が姿を現した。
俺はそれを口に含んで舐める。もう片方は手でゆっくり撫で回す。
姉の口からかすかに息が漏れた。どうやら少し感じているらしい。
そして・・・
保守
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:21:13.45 ID:VZCPc51M0
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:29:48.36 ID:TF24zS2lO
保守しに来たら・・・ビビったわ
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:43:08.46 ID:rybNmlBzO
弟=カツオ
姉=サザエ
なんだろ?
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 05:49:22.09 ID:kLrDbcOo0
これうみねこのBGM聴きながら見ると楽しいな
追いついてしまった保守
明日仕事だから、夜まで見れんよ…
誰かまとめ期待
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 06:28:31.28 ID:d+Txm6B0O
C
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 06:44:51.34 ID:5YC+g3n5O
ほしひゅうま
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 06:54:07.31 ID:soKGSu6UO
す
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:01:20.33 ID:T53dXtYsO
ほしゅ
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:01:44.20 ID:O+y8lQbSO
ほし
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:02:13.40 ID:JrHbVg8tO
おい
>>728 途中でやめんなy…やめないでください
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:10:35.97 ID:6/GJgSr9O
保守
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:21:04.30 ID:pNqlXPOgO
ほっしゅっしゅ
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:42:21.10 ID:5YC+g3n5O
いっそ埋めちまうか保守
あらよっと
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 07:57:12.17 ID:/iqCsxjhO
sageでも有効だよね?一応あげ
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:00:43.95 ID:0hRvW2Kv0
仮眠のつもりが本格的に寝てしまった……
保守ありがとうございます!
今から書くんで時間かかります、ごめんなさい
再開は9時半頃です
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:01:18.31 ID:ucZNlQrr0
ほ
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:03:48.25 ID:OL2sVUkhO
プロポーズの言葉コンテストに出てるカップルがデブスばっかりでげんなりする
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:03:54.38 ID:/iqCsxjhO
kitaーーーーーーー!!
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:11:00.16 ID:5YC+g3n5O
>>750 おはよう!本格的に寝てくれよwww
wktkだが、無理せず書いてくれよな!
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:21:30.06 ID:aSgIm6XmO
>>750 おはようww
期待しながら待ってるよー
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:30:51.71 ID:/iqCsxjhO
ほ
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:31:00.14 ID:/PdCCQsjO
おはよう保守
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 08:47:43.06 ID:soKGSu6UO
ホイッスル
ピャー(`ェ´)
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:15:01.06 ID:aSgIm6XmO
ほしゅ
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:17:55.20 ID:EyU4yKuX0
お早うございます。社内ニートです。
このスレはずっと残っている事に感謝しつつ保守
単位と引き換えに保守
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:45:51.65 ID:0hRvW2Kv0
もうこんな時間、投下始めます
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:48:49.33 ID:rybNmlBzO
わくてか
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:49:07.05 ID:/DjgjpL8O
待ってた!
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:51:14.71 ID:0hRvW2Kv0
時間を、場所を、そして世界を。ある条件下で自由に行き来できる力を持つ“それ”。
次に現れたのは、同じ世界だが、はじめての時間、はじめての場所。
今回はタイムトラベルではなく、単純な時間経過。
特定の空間に、大きな爪あとを残したあの嵐は既に立ち去っていった。
晴天に紛れ、見下ろす先に大きな建物がある。数多くの部屋の中から“それ”は目的の人物を見つけ出す。
その人物は夢を見ていた。暗い夢を。悲しい夢を。悪夢とは少し違う気もする。
しかし、目を覚ませば、忘れてしまう夢。その程度の夢。
そうあれは夢だった。
物語の入り口をDay 1として、時の経過を表す
Day 7
8月19(火)
薬品のような匂いが嗅覚を擽る。
保健室とは少し違うが嫌いな匂いじゃない。
ゆっくり目を開ける。開けようとしたが、開かない。
光が目に入る。眩しい。
ううっ、と小さく漏らす。
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 09:56:58.95 ID:TF24zS2lO
支援
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:00:13.23 ID:Y3b/+YyOO
支援
少しずつ暖かい光を目が受け入れだした。
一度の瞬きにしてはとても長い時間をかけたことになる。
瞼を持ち上げると、視界には白い壁が、違う、白い天井があった。
ふわっと暖かい風が頬に当たった。
それがやって来たほうに目を動かすと、白いカーテンが靡いている。
少女を包んでいるベッドや、設けられた家具も、多少の差異はあるが、基本白で統一されていた。
目が覚めましたか、と優しい声。
立っていた知らない女性も、純白を纏っていた。
確かに見知らぬ人だが、彼女のお蔭で、自分の状況が少しだけ、ほんの少しだけ理解できる。
ワカメ「……ここは病院ですか?」
――そうですよ、何も心配いりませんよ、安心して眠ってください。
すぐ目の前にいるのに、遠くから話し掛けられているように錯覚する。
心配いらない、安心して。
その言葉に違和感を覚える。心配する、安心する理由が見つからない。
思い出そうとすると、直接脳を殴られたような痛みが走った。
コンコン
誰かが病室のドアを優しく叩く。
どうぞ、と看護婦が誰かを招きいれた。
今度はワカメも覚えがあるその男性。
ベッドの隣に置かれた椅子に腰掛け、その男性は穏やかな口調で言った。
――生き残ったのは、残念だが、三人だけのようです。
また、遠くから話し掛けられているように錯覚。
そして胸をギュッと締め付ける言葉。
ああ、やはり、そうだ。あれは夢、じゃない。
隠れていた惨劇の記憶が姿を現した。
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:15:35.75 ID:pNqlXPOgO
しえn
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:21:08.45 ID:cVDLb/ViO
wktk
物語の入り口をDay 1として、時間移動によりバグが発生
Day ?
8月XX日(?)
通りに面した喫茶店。
そこで働くウェートレスの気分は晴れていた。
台風が過ぎ去り、穏やかな日が続く。
セットした髪を崩すことなく、あの人を待つことが出来るのだ。
カランカラン
腕時計を見る。まだ午後1時30分。コナンじゃない。
それでも確かめるように入り口に目をやる。
知っている顔、こっちが一方的にだが、コナンの担当する小説家、伊佐坂。
例の指定席に座り、コーヒーを注文する。そして左手で口に運び、口に含んだ。
それから大分時間が経過する。しばらく客が入ってくることはなかった。
午後2時を10分を過ぎ、伊佐坂はコーヒーの御代わりを注文した。
それをテーブルに運んだときに、誰かが来店する。
彼女の知る顔、だが、コナンじゃない。
その『女性』は、コナンの担当するミステリ作家、『綾辻行人』だ。
これは、間違いなくペンネームだと彼女は考えた。
綾辻「申し訳ない。寝坊してしまいまして。」
伊佐坂はその女性を、いや、彼女の作品をよく知っていた。
彼が書くミステリがどこか彼女の作品に似ているのは、彼が幾度と『館』シリーズを読み返したからなのだろう。
肩より長く伸びる黒髪、軽くウェーブしていた。
タイトなスーツを着こなし、ハイヒールでコツコツと音を立ててこちらに向かってくる。
サングラスを外すと澄んだ、しかし、奥が見えないほど深い黒目で伊佐坂を見据える。
とても三十代とは思えない。若々しく、何より、美しい。
コーヒーの匂いに混じって、香水の匂いが伊佐坂の鼻に届く。
自分と年齢の離れた女性に伊佐坂は目を奪われた。
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:38:14.39 ID:l65C1MJAO
しえん
誰かあとでまとめwiki作ってくれ
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:38:35.56 ID:JrHbVg8tO
支援
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:38:40.72 ID:Y3b/+YyOO
支援
伊佐坂「私も今着いた所です」
思わず嘘をつく。しかし、綾辻はクスリと笑う。
綾辻「着いたばかりなのに、もう二杯目のコーヒーですか?」
伊佐坂「あ、いや、それは……。申し訳ない」
綾辻「いえ、悪いのは僕ですから」
伊佐坂「いえいえ、私が少し早く着すぎたのが悪いんですよ!」
伊佐坂「私の小説は、特にミステリの方なんですが、読んでいただけましたか?」
綾辻「コナン君に頼まれて読んだのですが、正直……」
伊佐坂「面白くない……と」
綾辻「いえ、正直嫉妬してしまいます。ミステリを始めたばかりなのに、僕より面白いんじゃないですか」
伊佐坂「そんなことはないです。私は先生の『館』シリーズの大ファンで…………」
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:42:26.86 ID:EyU4yKuX0
自分用に纏めたWordが107ページに突入したでござる
糞スレ
半分はお世辞(僕より面白いというのはありえない)、半分は本音だった。
綾辻の頼んだコーヒーが届く。
テーブルを挟んで反対の男は熱く語っている。
一通り言葉を吐き終え、彼がコーヒーを啜る。
タイミングを計って、綾辻は切り出した。
綾辻「実は、今日ここに来たのは、少しお話したい事がありまして。」
伊佐坂「ほう、何でしょうか」
一呼吸、間を置く。
綾辻「二年前の殺人事件についてです」
伊佐坂の手が止まった。
あー なるほど
把握
支援
Day 7
8月19(火)
ワカメ「もう一人は誰が……」
ワカメはベッドの上で上半身を起こす。
男性は無理しなくていいと言ったが、大丈夫と座りなおした。
彼女に怪我はない。ただ精神が疲れ切って、四日間も眠ってしまった。
――会いたいですか?
まだ遠くから聞こえる。
こんなに意識ははっきりしているのに。
看護婦が医者を連れてきた。
ワカメの診察した後、廊下で待っていた男性と言葉を交わしていた。
――車椅子を借りてきました。
自分で歩ける、と言おうとしたが、満足に体が動かせない。
ワカメは男性に抱えられベッドから移動すると、その体を車椅子に預けた。
彼に押されて廊下を進む。知らない人が沢山いた。
足を骨折したのか、松葉杖を持つ40代くらいの男性。
自動販売機でお茶を買うお婆さん。
なぜ入院しているか分からない程元気な男の子。
走るその子を注意する、太ったナース。
沢山の人とすれ違う。
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 10:58:39.07 ID:EyU4yKuX0
なん・・・だと・・・
エレベーターで別のフロアに移動する。
先程までと違い、そこは人が少ない。
大きなガラスがはめ込まれた壁、そのから中を心配そうに覗き込む人たち。
彼らも知っている。
父波平の兄、私の伯父、海平夫妻と、母の兄、同じく私の伯父、鯛造夫妻。
それから他に……。
――見えるかい、ワカメちゃん。
皆が覗いていたガラスの向こうに目をやる。
誰かが寝ていた。
その人体からは沢山の管が伸びている。
言葉に詰まる。意識はなくても彼は生きていた。
自然に涙がこみ上げる。しばらく声が出なかった。
これで私は一人じゃない。そう思った。
少し経って、ようやく、ワカメはその人物に話しかける。もちろん届かないのだろうが。
ワカメ「お兄ちゃん……」
To be continued.... Next story is 「神の視点から見た世界」
ぶわっ(´;ω;`)
ってことはもう一人はサブちゃんか
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:08:07.47 ID:58HqYYBbO
全ての黒幕はタマ
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:12:32.30 ID:Tq+u73NZO
タマ&ハチ「置いてきぼりにして自分たちは楽しそうにしてたのが許せなかった…反省はしていない」
ストック無くなっちゃった
次、最低限書かないといけないことは分かるのに
どう見せるのが一番いいのか悩む
時間ください
あと、綾辻は女ってのは完全に急な思いつき。
男って書いてない気がするんだけど……
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:21:32.61 ID:IXHd8h+JO
ゆっくりでいいから頑張ってくれ
応援してる。
べっべつに
>>1のSSのファンになったとか
そういうんじゃないんだからねっ////
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:33:47.67 ID:cVDLb/ViO
wktk
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:33:49.09 ID:xS2z0FYWO
カツオ(´;ω;`)
信じてた!信じてたさ!!
ゆっくりで構わない!
支援!支援!
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:44:29.33 ID:l65C1MJAO
真相うっすら見えたな
どう見せてくれるのか期待
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:48:15.64 ID:cVDLb/ViO
昼休み時間は落ちるが早いから、保守たくさんになるけど
>>1000までで完結するかな??
中島「磯野・・・(´;ω;`)」
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 11:59:42.78 ID:Y3b/+YyOO
花沢「い゙その゙ぐぅん…」
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:09:41.42 ID:IHeCFoiG0
保守
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:09:51.81 ID:gzzGPfLbO
サザエ「かぁぁあああつおおおおぉぉおおおおああぁぁー」
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:16:08.31 ID:cVDLb/ViO
鰹 若布 鱈男 栄螺 鱒男 波平 船 海苔助 鯛子 イクラ 難物 お軽
4円
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:31:17.05 ID:dBgttYaai
Hoshu
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:31:37.70 ID:cVDLb/ViO
wktk
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:36:33.37 ID:cVDLb/ViO
続きが読みたいので保守します。
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:42:21.83 ID:A/KmWrXzO
C
鯉空か…
5月、空に浮かぶ鯉のぼりに恋をした鯉のお話
あぁ、僕はこんなに自由に水の中を泳げるけども、空までは届かない
そんな素朴な恋心を書いた小説です
きっと
保守
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:50:44.85 ID:EyU4yKuX0
もう終わっちゃいそうだけど
保守時間の目安
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 12:53:17.54 ID:6/GJgSr9O
頑張って下さい
保守
もし落ちてたら…
そう思うと不安で不安で、3時間しか眠れなかったw
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:32:52.65 ID:C3C4EufjO
自宅帰るまで残ってて欲しい
保守
やった!まだあった!
夕方まで保ってくれー
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:37:14.55 ID:kLrDbcOo0
ただいま保
まさか雷が直撃していて全て夢とか…
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:46:35.98 ID:/DjgjpL8O
オチ予想するやつなんなの?
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:47:48.92 ID:kLrDbcOo0
推理だろ
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:51:53.44 ID:rybNmlBzO
予想する奴はチラシの裏に書いてろカス
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 13:54:52.85 ID:DZJECluRO
しっしっしーえん
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:03:28.55 ID:0hRvW2Kv0
まる子「さぁーさぁー皆集まって!鯉空館の殺人・解決編始まるよー!!」
調子乗ってすいません。書き溜まったところまで。
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:05:21.91 ID:cVDLb/ViO
wktk
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:05:32.08 ID:kLrDbcOo0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:06:13.53 ID:7eg3DAkcO
wktk
時間移動の際に発生したバグを修正。
また物語の始まりより、長時間経過しているため、日時だけを表示する。
二年後
8月17日(水)
綾辻「実は、今日ここに来たのは、少しお話したい事がありまして。」
伊佐坂「ほう、何でしょうか」
綾辻「二年前の殺人事件についてです」
その言葉で、伊佐坂の表情が曇る。
伊佐坂「出来ればその話はしたくないな」
綾辻「そこを何とかお願いします。どうしても知りたくて」
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:10:08.20 ID:973XQtzvO
しえん!!
止まっていた手を動かして、コーヒーを口に運ぶ。
綾辻も細い女性らしい手でカップの取っ手を持ち、一口啜る。
その爪にはマニキュアが塗られていた。
伊佐坂の見つめる、いや、睨みつける視線を感じ、彼女は彼と目を合わせる。
沈黙。
先に視線を逸らしたのは伊佐坂の方。
彼女の、その全てを見透かすような目に耐えられなくなった。
ふふ、と綾辻は微笑む。
伊佐坂「あまり思い出したくはないんですよ、あの日のことは」
綾辻「お察しします。僕の知る限り、現実で起きた事件の中でも悲惨な事件でした」
それを思い出させようとしてるのはお前だろう、口にしないがそんな感情を含んだ視線をぶつけられた。
しかし綾辻は気にせずに続けた。
綾辻「伊佐坂先生は僕の愚作を豪く評価してくださっているみたいで、あの別荘にもそんな仕掛けがあったんですよね」
伊佐坂「ええ、綾辻先生の作品の中で再現できそうな物を選んで」
綾辻「それは嬉しいのですが。そうすると、あの事件、僕の小説がなければ起きなかった。そんな風に思ってしまって」
伊佐坂「いや、それはないです!誰もそんなことは思ってませんよ」
綾辻「伊佐坂先生がそう言ってくれて、少し気持ちが楽になりました。この二年、ずっと気になってて。」
そう言って俯く彼女は、儚げで、差し込む日差しが、表情に更なる陰影を与える。
どこか神秘的な、彼女に、作家としての尊敬、それ以上の感情が伊佐坂の中に芽生えようとしていた。
ふわふわした感情、体中が火照ってゆく。
その時、綾辻が両方の手のひらで抱えていたカップをコースターに戻して、こちらを見る。
目が合い、ドキッとする。柔らかそうな彼女の唇がゆっくり開く。
綾辻「先日、磯野ワカメさんに会ったんです」
伊佐坂「…………え?」
体温が急激に下がっていく。それなのに全身から嫌な汗があふれ出す。
綾辻「彼女を預かっている親戚の家を訪ねて九州まで。お盆休みはどこも混んでいて大変でした。」
何を言わない目の前の相手。
目が泳いでいる。
餌を食べる鯉のように、ただ口をパクパクさせていた。
綾辻「色々話してくれました。あなたのこともね、伊佐坂甚六さん」
「神の視点から見た世界」
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:24:53.42 ID:xTPzPGFn0
じん・・・ろく・・・・・・!
もえてきたしえん><
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:25:05.11 ID:HuGu8hQN0
思いつきで書いてるんなら
中々のもんだと思うよマジで
神とは。それは一体、何なのだろう。どのような条件を満たす者がそう呼ばれるのか。
『全ての事象を知ることの出来る存在』
世界の監視者。『誰にも知られていない事実を知っている』。
それは神と呼ばれる者にしか出来ない。
しかし神は色々な形で、どこにでもいる。八百万。確かにそうなのかもしれない。
この物語、現実であるわけがない、この妄想の世界。
そこにいる神とは。
時間を、場所を、自由自在に行き来できる存在、物語の見続ける視点、“それ”こそがこの世界の神。
なんというwktk
だが、ふむ、誰にも知られていない事実を知っている、か。
逆に言えば、それが出来れば、その者は神なのだろうか。
嵐の夜、一部から『鯉空館』と呼ばれる館で、殺人鬼が引き起こした事件の全て。
誰にもばれる筈がない。そう信じている殺人鬼は、今ものうのうと生き続ける。
もちろん“それ”は知っている。だが、どうすることも出来ない。
“それ”は全てを知ることが出来ても、この世界に干渉することは出来ない。
しかし、ここに一人、別の『神』が関わってくる。
その人物は『誰にも知られていないだろう事実を知る』ことが出来た。
また、直接的に事件に干渉する力も持っている。
物語の世界では、そのような者たちを神とは別の呼び方をする。
『名探偵』
この物語、『鯉空館の殺人』の世界では、綾辻行人、彼女がその役を担っていた。
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:35:48.99 ID:Tq+u73NZO
ほ
綾辻行人が警察内部の知人から得た情報
嵐の去った後、警察と消防が駆けつけた。
道を塞ぐ大木を排除する。どうやら、落雷によって倒れたらしい。
レンガ造りの建物だったため、火災は間もなく鎮火した。
だが、屋敷の半分以上が燃えてしまった。
後日生き残った人物に屋敷の見取り図を書いてもらう。
消失したのは、玄関を入ってすぐの応接間を含め北側すべて。
そして何故か、そこから離れた娯楽室も入り口から部屋の半分まで燃えていた。
その焼け跡から多くの遺体が発見される。
綾辻シリーズが読みたくなったんだが
綾辻シリーズってかなり怖い描写があったりする?
応接間で7人分。二階の北東に位置する部屋、空き部屋だったらしい、そこに2人分。
そして、娯楽室に、こちらはバラバラになっていて一部紛失した遺体、また2人分見つかった。
合計11人の遺体。稀に見る惨劇だ。
損傷が激しすぎて、特定できない者がほとんどだ。
これも後日、生存者に確認を取り、身元を特定する。
応接間の遺体
磯野波平、磯野フネ、フグ田マスオ、フグ田サザエ、フグ田タラヲ、伊佐坂お軽
二階空き部屋の遺体
波野たい子、波野イクラ
娯楽室の遺体
伊佐坂難物、波野ノリスケ
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:47:13.76 ID:AEL6+SeRO
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:48:01.78 ID:xAef3dBv0
しえん
なん…だと…
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:49:24.20 ID:B86D2T2CO
タラヲ「ヤるで〜す」
澪「いやあぁぁぁっ」
だと思ったのに
むむむ…
紳士淑女のたしなみ。
っC
また中庭の西側、背の高い庭木によって作られた迷路。
一つの行き止まりの地面に、地下室へ続く隠し扉が発見された。
その後、屋敷を捜索するがそれ以外の隠し部屋や隠し通路は存在しなかった。
念のため、その屋敷を設計した鈴木太郎氏にコンタクトを取ったが、地下室の存在さえ知らなかったらしい。
実際に屋敷を施工した佐藤建設に話を聞く。
この屋敷の主人で、今回の被害者でもある伊佐坂難物から、建設が始まってから地下室を作るように指示されたらしい。
後の捜査で分かった。
彼は酔っ払うと、別荘の自慢ばかりしていた。嘘か本当か分からないことを所構わず大声で叫ぶという。
屋敷にある迷宮を抜けると、地下に続く隠し扉があり、そこには自分が稼いだ数億を隠している。
そんなことを言ったこともあるらしい。
一人目の生存者、伊佐坂甚六は助けを呼びに行く途中で拉致監禁されていたらしい。
犯人の目を盗み、逃げ出すため隠し持ったナイフで右手の薬指から向こう半分を、自ら切り落とした。
地下室から出ると、彼の部屋にあったサイクリング用の自転車で山を降り、警察に駆け込んだ。
二人目の生存者、磯野ワカメ。彼女は屋敷から離れた所で倒れているのを現場に駆けつけた捜査員が発見保護。
すぐに伊佐坂甚六が手の治療を受けていたのと同じ病院に搬送。外傷はなし。
この二人の証言により、犯人は40代くらいで、身長は165センチ程で、ぐるっと口の周りに髭の生えた男。
黒い頭巾を被っていたため、それ以上詳しい特徴は分からなかった。唐草模様の風呂敷を背負っていたらしい。
支援
そして三人目の生存者、磯野カツオ。犯人に左腕を丸々切り落とされた。その腕は娯楽室で見つかった。
逃げる途中、娯楽室の棚に逃げ込む。止血の知識があったらしいが、それでも血を失いすぎて気絶。
その後、消火にあたった消防士が見つけ、ワカメ同様病院に搬送。
もし、娯楽室が全焼していたら彼は助からなかっただろう。
しかし、彼は今も意識を取り戻さないまま、つまり植物状態だという。
以上が警察から得た情報である。
これを元に綾辻は推理を展開した。
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 14:56:23.19 ID:xAef3dBv0
ん?
支援
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:00:16.34 ID:pNqlXPOgO
支援支援
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:01:34.01 ID:0hRvW2Kv0
残念、ここまでしか出来てない
ここでハイパー昼飯タイムに突入
その後また書き溜めます、今度はラストまで
855 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:01:36.56 ID:jG+SxziCO
もう少しですね。
頑張って下さい。
っC
>>唐草模様の風呂敷
ちょww
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:10:43.76 ID:EyU4yKuX0
>>842 この文中には10人分のしたいしか無いわけだけど
応接室の死体にウキエさんの死体があるとおもっていいのね。
これで11人になる
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:14:24.30 ID:Y3b/+YyOO
9時まで残ってくれるといいなぁ。
支援
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:15:16.90 ID:0hRvW2Kv0
>>857 うわあああああああああああああああああああああ
やってもうたああああああああああああああああああああああああああああ
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:17:37.97 ID:EyU4yKuX0
大丈夫、こまごまと修正したのをWordに八付けてる最中に気がついただけだから。
11人がしっかり分かれば納得いくだけ。きっとみんなのなかでは脳内保管してると思う
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:17:59.34 ID:feb1o0qAO
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:20:58.27 ID:C3C4EufjO
ごくり…
C
864 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:21:29.89 ID:tuvdwMTaO
追い付いた
支援
紳士淑女の必須スキル
っ[脳内変換]
っ[スルー](含荒らし耐性)
っ[支援]
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:22:32.47 ID:qQZ8HDMfO
そろそろパンツ履いとくか
>>866 まさかお前…この描写で抜いたのか…!?
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:33:53.51 ID:Y3b/+YyOO
どこで抜いたんだwwwww
唐草wwww
ほんとサザエさんだなwww
乙武さんとZ武さんの違いはわかったけど、タラオとタラヲの違いはわからない
ウキエさんがいなかったのは、何らかのミスリードを誘うものなのかと思ったよC。
それにしても、唐草模様のあの人まで登場とはw
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:46:53.41 ID:5YC+g3n5O
館シリーズ読破してるのに唐草模様が誰の事か分からない俺涙目
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:50:00.19 ID:EyU4yKuX0
サザエさんに出てくる泥棒はみんな口の周りに真っ黒いひげはやして唐草模様のふろしきかぶってるのさw
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:50:05.37 ID:qQZ8HDMfO
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 15:53:18.79 ID:BGZE5guqO
。
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 16:02:19.95 ID:Y3b/+YyOO
支援
うんこがどっこいしょ
亀だが
>>841 館シリーズなら怖かったりグロかったりする描写はない。筈
その他は気持ち悪い描写があった気がした
sien
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 16:26:41.04 ID:Y3b/+YyOO
今の時間帯は何分置きでいいの?
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 16:34:26.26 ID:A/KmWrXzO
こんなもんかな
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 16:39:13.53 ID:5YC+g3n5O
やべぇ。すっげー長くなりそう……
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 16:49:03.36 ID:5YC+g3n5O
どんと来い!いや来てください><
このスレでまとめるのが難しいくらいにか
1000越えそうなら次スレ立てればいいんじゃね?
そしてまとめはハム速の中の人が
まとめてくれるはず・・・っっ
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:02:16.25 ID:qQZ8HDMfO
パンツ脱いで支援
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:06:14.26 ID:j9Es4SOpO
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:12:19.84 ID:B7zIRfohO
追い付いた
ほ
ここからは真相だから、途中で切れるのやだな
このスレ落として、新しいの立てたほうがいいかな?
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:17:38.02 ID:kLrDbcOo0
それがいいと思いまふ
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:17:55.68 ID:5YC+g3n5O
パートスレ云々言う奴が出てくる可能性はあるが、確実に次で終わるんだろうし
>>1の好きにするといい
確か
>>1は落ちたら鯉空館の殺人と言うタイトルでスレを立てると言ってた様な…
それならパー速厨にとやかく言われないと思うが、紳士淑女の諸君。
予定の四分の一も終わってない
書くのが遅いんじゃなくて、書かなきゃいけないことが多すぎて……。
夜遅くになるかも試練
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:29:06.78 ID:5YC+g3n5O
ここはのんびり保守してるから、立てたら言ってください
ほんじゃ「解」とでもスレタイに付けて
解答編を1からはり直せばいいんじゃね
そうすれば否定材料ないでしょ
遅くなってもしっかり完結させてくれればそれでいい。
待ってる
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:35:55.30 ID:DZJECluRO
スレ立てはじめから、じっくり読ませていただいてまっふる
C
900 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:46:00.91 ID:fPDKvgezO
俺は待ってるぜ
次スレが決まるまでgnskしますかね
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 17:56:37.16 ID:EyU4yKuX0
ここまででWord115ページ、60000文字でした。
ゆっくり考えてくれー
903 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:12:09.79 ID:58HqYYBbO
保守間隔はどんくらいがいいんでしょ
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:19:12.11 ID:EyU4yKuX0
保守時間の目安
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:21:35.11 ID:sM3Ujgs5O
パー速はできる限りやめてほしゅ
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:52:00.96 ID:21AEpO7wO
次作は新しいスレに投下してくれるのか
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:52:33.47 ID:FtjvepHRO
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ追いついてしまった
つC
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 18:54:31.29 ID:VxyBghdmO
追いついたのでC
ほしゅ
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:13:37.45 ID:2G4I9My4O
残ってたあああ!!!
追いつき支援
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:14:26.53 ID:kfWV4NdOO
おおいついたあああああ
三日分一気に読んだ
>>1久しぶりのwktkありがとう!
ほしゅ
よっしゃまだあった!!
今から読むわくてか
まずい
書いても書いても終わらない
気力が削がれる
今日中に終わらないかも試練
915 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:26:06.13 ID:973XQtzvO
>>914 がんばれー!
いつ終わろうと最後まで付き合うぜー
がんばれ!!!
待ってるよ。遅くなっても、長くなっても!
明日だってOKだ
>>914 終わるまで大人しく待つから、気にせず頑張れ。
ここまできたら、完結編を読めない方が気持ち悪い。
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:32:59.09 ID:feb1o0qAO
>>914 長くなっても全然構わないこっちは
遠慮せず自分が一番納得した形で終わろう
それに俺はついていく
>>914 書き終えたい気持ちがあるなら、いつまでも待つぜ
次スレ立てるなら、分かりやすいスレタイで頼む
鯉
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:47:21.55 ID:OFA/WZ4XO
まだあったから最後まで一気に読むつもりだったのに追いついた
922 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:48:12.37 ID:JrHbVg8tO
鯉
923 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 19:54:06.19 ID:dgQZvLLGO
てか最後になるとレス沢山つくだろうし、もうこのスレじゃ中途半端な場所で1000行きそう
ということで埋め
924 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:13:01.23 ID:p6FvISTbO
次立てるならスレタイだけ教えてくれ
925 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:14:00.50 ID:JRGdwA5qO
ごめん、鯉空を書いたのは伊佐坂父で、
綾辻が興味持ったミステリーを書いたのは甚六でいいの?
926 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:17:57.33 ID:78+G5XSdO
× 恋空
○ 鯉空
>>924 タラヲ「なぜ殺すかって?楽し(ry」解 ―鯉空館の殺人―
ってスレタイにするよ
928 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:18:26.51 ID:n7eW/1IWO
1日遅れで読み続けてやっと追い付いた
普通におもしろい
誰か●持ちいない?スレ建てお願いしたい
追いついたァー!何か伝説になりそうなスレだな!あとちょっとで完結しそうなのが、勿体ないとさえ感じるよ!
登場人物を良く知ってるだけに、情景がリアルにうかぶ・・・。
931 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:22:46.41 ID:qOen6WeqO
まあ休憩しろよ
つ旦
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:23:03.12 ID:5YC+g3n5O
>>925 鯉空は父。綾辻が興味もったミステリはどうだろ?まだ甚六って確定した訳じゃないかも
>>932 だな。そしてそのミステリーの話に鍵が有りそうだな。
あー!わくわくすっぞー。
934 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:40:43.61 ID:ArN0JZasO
追い付いたお(´・ω・`)
うわあああああああああああああああああい
>>1(・ω・`)乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんだからね!
解決編が楽しみです
ほ
937 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:44:21.52 ID:JRGdwA5qO
>>932 あ、そうか。甚六が書いたって描写はなかった
>1の執筆待ちの間に、もう一回読み直してくるか
予想厨みたいな書き込みして、みんなゴメンお(´・ω・`)
938 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:54:07.73 ID:BGZE5guqO
しゃべんなカス
939 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 20:55:30.22 ID:TbpKmKYZO
語尾に「お」をつけたり顔文字使えば許されるってもんじゃない
>>1 パー速厨はめざといから、最初に言ってた様に
鯉空館の殺人
で良いと思うよ。
馴れ合うのも好きでは無いが、殺伐としたのはもっと嫌だな。
そんな変態紳士のささやかな願いは、無事に完結した作品を見る事。
強く願う。
941 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:03:38.80 ID:tDB0MIOmO
余計うぜぇくたばれ豚
942 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:04:12.44 ID:5hnK8UUgO
おいついた
944 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:34:59.40 ID:/PdCCQsjO
期待
945 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:35:20.94 ID:PAHaxQ/Pi
ほ
ほしゅ
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:50:42.44 ID:feb1o0qAO
がんばれタラちゃん
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:53:10.33 ID:Y3b/+YyOO
残ってて良かった!
保守
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 21:53:24.75 ID:xHOUp1lmO
うめ
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:00:28.99 ID:dgQZvLLGO
中島「磯野、起きたら野球しようぜ!!俺、中学生になっても、高校生、大学生、社会人になっても…いつまでもお前が起きて野球しに来るの待つから!!!!!」
951 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:04:59.59 ID:PnPFG1RjO
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:09:38.80 ID:iKODtdP3O
まだ残ってるwww
次スレはもうあるのかい?
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:09:43.52 ID:cYebrodfO
次スレはパー速?VIP?
次スレあるなら誘導頼みながらの、
つC
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:12:27.21 ID:cZA+PmqnO
>>980が立て宣言すればいい
無理なら指定すればいい
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:12:58.22 ID:5hnK8UUgO
ほ
956 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:21:24.36 ID:Y3b/+YyOO
ksk
もう少しだ!もう少しだから待って!
落ちそうなら誰かスレ立てここで教えて!
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:29:36.29 ID:PnPFG1RjO
もうすこしとな?!
959 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:37:19.61 ID:5hnK8UUgO
待ってたぜ
>>957 後50切ったし、誰かが鯉空館でスレ立ててくれるでしょ。
それまで、がんばって書き貯めておいて!
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 22:52:29.70 ID:cVDLb/ViO
ほ
963 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:01:55.01 ID:GaaPFaPGO
しゅ
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:02:46.28 ID:PnPFG1RjO
誰かが次スレ立てるの待ち
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:03:29.85 ID:cVDLb/ViO
スレ立てってそんな難しかったけ?
携帯でよければ立てて来るけど…
>>965 立てていいなら、
>>970過ぎたら立ててくる。
タイトルは、「鯉空舘の殺人 −解−」でいいの?
サザエさん関係の言葉が入ってないとわからないぜ
969 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:10:08.55 ID:Y3b/+YyOO
970 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:11:09.99 ID:5YC+g3n5O
早く立てて
うを、誰かいいタイトル考えて!
973 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:11:28.83 ID:gzzGPfLbO
>>967 「タラヲ」を入れた方が、用事でスレ見失った人が検索して辿り着き易いかも
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:18:01.80 ID:5YC+g3n5O
GJ!
じゃあ、こちらはゆっくり落としにかかりますか。
そういえば、カツオは片腕になっちゃったんだよな。
一緒に野球できるようになるのかな?(´・ω・)
980 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:18:59.84 ID:eRpZ5PkYO
じゃあ梅
981 :
キャット☆ふわ丸 ◆73YxKZ36Zw :2009/06/03(水) 23:19:43.71 ID:Hu3ypSyQP BE:321278562-S★(517011)
982 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:22:16.08 ID:IHeCFoiG0
(⌒Y⌒Y⌒)
/\__/ __ _ _
/ / \ |_ /| / ./| |_
.(⌒f^<''" 弋z.ミ'テtフ __| /‐| / /‐| |_
.( 〉!ト _ i{ ´ ̄r' =|'  ̄
(/ェ゙‐ェi. 、__`_ヤ ( サザエでございます )
./iュ.Hヽ.、 ゙,ニ/
-^ ー'-.、,i._`ヽ,.仁リ
ー - .、 /、
983 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:22:18.01 ID:5hnK8UUgO
宇目
984 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:30:35.58 ID:ArN0JZasO
期待埋め
985 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:32:08.88 ID:5hnK8UUgO
986 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:33:24.07 ID:rybNmlBzO
うふふ〜
ですぅ〜
987 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:36:37.12 ID:78+G5XSdO
___
くγ二二ヽ>
|||ノノイハ))
|||リ゚‐゚ノ| ですぅ
ノ|」(L介」)|
≦ノヽノ ヘ≧
ミく二二二>ミ
バーブー
989 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:38:56.49 ID:M4NK4QYq0
タラヲ「そこはらめれしゅ〜〜〜〜、はうっ!」
埋めついでに、現在までの状況
イソノ ナミヘイ:タラヲに刺される→死亡
イソノ フネ:タラヲに刺される→死亡
イソノ カツオ:何者かに左腕を切り落とされる→かろうじて生存
イソノ ワカメ:サザエに殺されかける→無傷で救助される→生存
フグタ マスオ:首吊り自殺?→死亡
フグタ サザエ:焼死?→死亡
フグタ タラヲ:サザエに刺される→死亡
イササカ ナンブツ:バラバラ死体で発見→死亡
イササカ カル:サザエに刺される→死亡
イササカ ジンロク:何者かに監禁される→右手を損傷するものの脱出→生存
イササカ ウキエ:マスオに首を絞められる?→死亡
ナミノ ノリスケ:バラバラ死体で発見→死亡
ナミノ タイコ:タラヲに遊ばれる→死亡
ナミノ イクラ:タラヲに遊ばれる→死亡
991 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:40:08.85 ID:DNm9MkBSO
波平「バーブー」
フネ「よちよち」
992 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:41:26.29 ID:5hnK8UUgO
今追い付いた支援
994 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:44:36.85 ID:5hnK8UUgO
フグ田くぅぅぅぅぅぅぅん!
995 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:45:22.65 ID:IHeCFoiG0
1000なら映画化決定
996 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:45:28.01 ID:ZtK0B+a+O
田中マルクス闘莉王
1000なら我が家のお稲荷さま。二期決定
998 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:46:43.08 ID:BGZE5guqO
タラしね
999 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:46:51.64 ID:5hnK8UUgO
999
1000 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/03(水) 23:46:54.50 ID:IHeCFoiG0
1000なら続編制作決定
1001 :
1001:
16歳♀暇だから全レスします☆ こちらスネーク 1990年生まれ集まれ〜☆ 安価でお絵描き
中学生 遊戯王 新ジャンル VIPで本格的にRPG作ろうぜ XBOX360
全力で釣られるのがVIPPERだろ!w ポケモン コテデビューする ら
が カレシと別れそう・・・ 初心者 鬱病♀だけど 彼氏/彼女いないVIPPERちょっとこぃ♪ き
っ 唇スレ mixi招待するお 釣った厨房に安価でメールwwwww ☆
こ さみしい・・・誰かかまって 425はどこも変えてなかった ピカ厨 自 す
う 時代の流れ デブきめぇんだよ 捨てアド晒してメル友 メンヘラ 殺 た
い VIPヌクモリティ 顔晒し 馴れ合いスレ 「〜だお」 コテ雑 し
き 今のVIPが嫌ならVIPから出てけww A雑 大阪VIPPER集まれ!!☆ ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール VIPでMMO ネタにマジレスの嵐 す
く 隠れオタ skype パートスレ Skype mp3垂れ流し
な 住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン 二番煎じ
い 空気読め リア充 ニコニコ動画
>>1 そっヵ、残念やわ(´・ω・`)
お 付き合ってくだしあ>< 今から元カノに痛メする
>>3 ウチは高校生だぉ☆
>>9 うはwwこれがVIPクオリティw
∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !! V∩
>>2 自重しろwwwww Be
ハ (7ヌ) (/ /
>>7 ブラウザゲーやらないか?
ル / / ∧_∧ || モリタポ
ヒ / / ∧_∧ ∧_∧ _( ゚ω゚ ) ∧_∧ || 埼
>>5 2chって有料なんですか?
\ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄ ⌒ヽ( ゚ω゚ ) // 玉
>>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
\ /⌒ ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒ ⌒ / O
>>8 お母さんに何て言えば
| |ー、 / ̄| //`i構って女/ F 安価で絵描くお
低 | 恋愛 | | 厨房 / (ミ ミ) | | F 14歳♀中学生処女だけど質問ある? ハ
年 | | | | / \ | | ム
齢 | | ) / /\ \| ヽ PCに詳しい人ちょっときて!!! イ ス
化 / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | 電車男 ミ タ
| | | / /| / レ \`ー ' | | / サーセンwwwwwwwwwwwwwww フ |
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