海底死体「改定したい」

海底死体「改定したい、ああ改定したい」

深海生物「何をだい」

海底死体「この腐った世の中を」

深海生物「腐っているのはあんたの方だろう」

海底死体「いや僕は水圧でひしゃげただけだ、まだ腐ってないよ」

深海生物「まあとにかく食べてもいいかな」

海底死体「やめてくれ」

深海生物「聞こえない、ただのしかばねのようだ」ムシャムシャ

海底死体「いや確かにしかばねだけどさ」

何が面白いの？

深海生物「なんであんたはこんな所にきてしまったんだ」

海底死体「豪華客船、船上パーティー、隠された陰謀、迫る水面」

深海生物「ほほう船上パーティー、じゃあ」

海底死体「ああ、僕はそれなりに名前の売れた人ぶ」

深海生物「お腹の中にはご馳走が詰まっているというわけだ」

海底死体「まあそうなるけどさ、こんな風に蔑ろにされるのも久しぶりかもしれない、名前なんて無力なものだ」

深海生物「まったくだ」

深海生物「ろーすとちきん、ろーすとびーふ」

海底死体「確かにそんなものも食べたかも知れない」

深海生物「海の底では火を通したもの、殊にあぶり焼かれたものなんて
　　　　　滅多にお目にかかれない、食べてもいいかな」

海底死体「残念ながら胃のような部分は割と前に破裂して流れさったよ」

深海生物「役に立たない奴だね」

海底死体「煮ても焼いても食えん奴だとよく言われたよ」

深海生物「まあ俺は生のままでもいけちゃうんだけどね」ムシャムシャ

海底死体「生はだめぇ」

深海生物「人聞きの悪い」

た…食物連鎖ってやつか……

海底死体「開廷したい」

深海生物「どんな内容でさ」

海底死体「僕を食べるのを止めてほしいんだ、被告人は君」

深海生物「ほう、何のために」

海底死体「今はまだ手足が半分無くなっただけだけど、このまま食べられつづけたら僕は消滅してしまう」

深海生物「俺らの仕事は海底の掃除屋、死骸を食べるのが仕事なのさ」

海底死体「体は死んでも意識はある僕を死骸というのかい」

深海生物「体の死を自覚しているというのは体が死んでいるのを認めているわけだ」

海底死体「ううむ」

深海生物「つまりあんたは自分で自分が死骸だといっている、あんたは死骸、僕は掃除屋」ムシャムシャ

海底死体「ああ残っていた足ももってかれた」

深海生物「心までは食べたりしないさ」

海底死体「用があるのは身体だけってことか」

深海生物「本当に人聞きの悪い」ムシャムシャ

こんなネタ考える時間をもっと他のことに使いなよ

海底死体「あ」

深海生物「あ」

海底死体「何か降ってきたよ、僕の体に積もる」

深海生物「所謂まりんすのーというものだよ」

海底死体「ほうこれが、綺麗なものだね」

深海生物「そうだね」わさわさ

海底死体「何をしているんだい」

深海生物「雪掻きさ、食糧が埋もれてしまわないようにね」わさわさ

海底死体「僕のことを食糧と呼ぶか、この雪に埋めて眠らせてくれよ、もう」

深海生物「微生物の死骸、糞、色んな生き物の成れの果て、積もる積もる」

海底死体「か、顔の周りだけでも退けてくれると嬉しいかな」

何このセンス…

ツンデレだらけ

気に入ったぞ

海底死体「何を食べているんだい」

深海生物「ひとでを捕まえたのさ」ムシャムシャ

海底死体「マリンスノーを食べにやって来たのかな」

深海生物「そうかもしれない」ムシャムシャ

海底死体「君は死骸以外も食べられるんだね」

深海生物「俺だってやるときはやるさ」

海底死体「それならば僕の死体にこだわらずどこかに行けばいいじゃない、ここは餌があまりとれないだろう」

深海生物「大きな餌にそんなことを言われても」ムシャムシャ

海底死体「まあそうだけどね」

深海生物「あんたはなんで死んでるのに意識があるんだ」

海底死体「さあ、考える脳みそも喋るための声帯も全部死んでいるはずなのにね　　　　　でも、それを言ったらさ」

深海生物「なんだよ」

海底死体「人間でもない君とこうやって意思の疎通が出来るのも不思議だね」

深海生物「他にもここは真っ暗だ、なんであんたは俺や周りを見れるんだ」

海底死体「なんでだろう、不思議としか言いようがない、それか気のせいなんじゃないかな」

深海生物「気のせいで済ませられるものか」

海底死体「世の中なんて気のせいで出来てるようなものだよね」

深海生物「随分と達観しているね」

海底死体「一度人生終了しているからかな」

支援死体

面白かった乙

海底死体「君の仲間はどこにいるんだい」

深海生物「さあ、海の底は広いからな、わからない」

海底死体「少なくとも僕がここにきてからは君の仲間とはあっていないね、淋しくないの」

深海生物「みんなその日を生き延びるのに必死だからね」

海底死体「君は随分余裕に見えるけど」

深海生物「当面の食糧は確保去れているからね」ムシャムシャ

海底死体「なるほど」

おまえ好きだわ気に入った

深海生物「あんたは淋しいのかい」

海底死体「少しはね、こんなに長く人間に会わないなんてことはなかったから」

深海生物「へえ、人間は随分と狭い世界にすんでいるんだ」

海底死体「でもこの果てしない暗闇の世界も嫌いじゃないよ、是非友人や家内にも見せてあげたいね
　　　　　死後は深海葬をオススメする、なんて」

深海生物「それはいい、俺にも有益で一石二鳥だ」

海底死体「問題は連絡手段がないことかな」

深海生物「海底けーぶるとやらがはられていても俺らには何の意味もなさないんだな」

海底死体「まるで宇宙だ」

深海生物「なんだいそれ」

海底死体「海面の上の空の上にある暗闇の世界のこと」

深海生物「なんだ、ここと変わらないじゃないか」

海底死体「だけど宇宙はもっともっと広いんだ」

深海生物「俺が移動出来る範囲は海の方が広い」

海底死体「それはそうだ」

深海生物「触れられなければいくら大きくても関係ないじゃないか」

海底死体「無謀な夢よりも手の届く幸せという訳だね」

深海生物「だから俺は１キロ先の鯨の死骸より、目の前のあんたをいただくよ」ムシャムシャ

海底死体「移動するのが面倒なだけなんだろう」

深海生物「残す所頭だけとなってしまったな」

海底死体「ああ、ついに終わりなんだね」

深海生物「もう死んでるだろう、今更なにをいうんだ」

海底死体「だけど気分的な問題さ」

深海生物「ふうん」

海底死体「あれ、食べないの？」

深海生物「気分的な問題さ」

クソワロタｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

>>22
ｋｗｓｋ

海底死体「ああ、一度あいつをぶん殴りたかったなあ」

深海生物「あいつって誰さ」

海底死体「僕に重りを縛り付けて海に突き落としたあいつさ」

深海生物「手も足もないくせに」

海底死体「君が食べたくせに」

深海生物「そいつが死んで沈んで来たら頭から食べてやるよ」

海底死体「運よく同じ死に方をすればの話になるけどね」

深海生物「あんたはなんで殺されるほど恨まれていたんだ」

海底死体「改定したかったんだ、それで保守派の連中に目をつけられた」

深海生物「したかった」

海底死体「ああ、もういいんだ」

深海生物「諦めたのかい」

海底死体「いや、どんなに地上が変わっても深海は何も変わらないんだな、とおもってさ」

深海生物「うちゅーはどうだい」

海底死体「宇宙も変わらないんだ、人間が変えられるものなんてすごく小さい」

深海生物「悟りをひらいたんだな」

海底死体「体の大半が頭になってしまったからかな」

深海生物「体の十割を頭にすればもっとひらけるかも」

海底死体「顔から食べる気か」

海底死体「おい」

深海生物「なんだい」

海底死体「最近食べないなあと思ってさ」

深海生物「お腹がいっぱいなのさ」

海底死体「今更嘘をつくんじゃないよ、僕の体を喰らい尽くした君が
　　　　　もしかして僕の身体には飽きたっていうのかい」

深海生物「まったく人聞きの悪いやつだ」

深海生物「食糧は探せばある、話し相手なんて食糧より見つけるのが大変だ」

海底死体「だからまだ残しておくってのか」

深海生物「まあね」フラッ

海底死体「おい、どうかしたのかい」

深海生物「少し眠いだけさ」

海底死体「じゃあ寝たらどうだい」

深海生物「そうするよ、敵が来たら起こしてくれよ、ぐう」

これは……

スレタイからは想像もつかない流れだ

海底死体「おい、君」

深海生物「」

海底死体「マリンスノーだよ、綺麗だなあ」

深海生物「」

海底死体「積もって来たよ、埋もれてしまう」

深海生物「」

海底死体「あ、ナマコの一種だ、君、食べられるんじゃないかい」

深海生物「」

うわあああ

海底死体「開廷したい」

深海生物「」

海底死体「被告人を無罪とする」

深海生物「」

海底死体「存分に食べてよろしい」

深海生物「」

海底死体「だから雪掻きだけはしてほしいんだけど」

深海生物「」

海底死体「また随分と積もるね」

深海生物「」

海底死体「綺麗なのに目の上に積もるから見えなくなってしまう」

深海生物「」

海底死体「僕も眠ろうかな」

深海生物「」

海底死体「おやすみ、またね」

深海生物「」

海底死体「」


おわる

乙

サザエさんの人?

乙

凄く切なくなった、乙

外の景色を眺めてこれ全部水の中だったらなんだか怖いな、とよく考えます。
またいつか。おやすみなさい。

おまえは１日１つ書かないと気が済まんのか

スレタイだけ見て俺は評価するって書きに来て
糞コテだったからやっぱりやめようと思って
最後まで読んでやっぱり評価しようと思った

乙

なんか切なくなった
小学校の国語の教科書に載ってそうな雰囲気だ

好き