春日「おーい!若林!バッティングするぞ!」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
割と短いです。



***

「お疲れ様でしたー!」


若林「お疲れ様ですー」
春日「お疲れトゥーッス!」

早朝から5本ほどのロケや収録を終え、今日もようやく1日の仕事を終えた。

ここ半年以上、まともな休みはない。
2008年M−1で準優勝してから、驚くほどのブレイクをし、功を奏して、今もその人気を保ち続けている。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:28:24.27 ID:GvD+bSpC0
若林「久しぶりにバッティングしたいなー!」
春日「そうですねぇ。」

金田「え?!バッティングセンターいくの?!」
若林「まぁ、どうしようかなぁ、って・・・」
金田「じゃあさ!!バッティングで賭けしねー?!?」
若林「ごめん、それはできない・・・。」
春日「トゥーッス!!」



金田「え?!マジ!?若林さん稼いでるのにケチだしっ!!」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:29:44.15 ID:GvD+bSpC0
白鳥は美しい。
優雅に皆もを滑るように泳ぐ。
少なくとも私たちの目にはそう映る。

しかし、実は水面下で必死に水をかいているのだ。
まわりからは順風満帆に見える人生も、その裏側には、
血の滲むような努力と、誰にも言えない、辛い思いが隠されている。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:32:14.39 ID:GvD+bSpC0
カランコロンッ

春日「いらっしゃい。」
若林「よぉ〜春日〜〜」
春日「やだ、若林、もう出来上がってるざんすか?そういうのはお断りですぞ〜」



時は2003年、2008年にM−1で準優勝し、有名になる前、春日はママのバイトをしていた。
友人芸人たちが時々訪れてくれていたが、若林は春日と同じ売れていない身なので来ることは珍しい。


春日「なんかあったのか?若林が来るなんて久しぶりじゃないか。」
若林「おい春日、お前ファンの子と付き合ったことあるか?んなわけねぇな、お前人気ねぇし、キモいし。」
春日「はははは、何だいきなり、この春日ですぞ。」
若林「嘘つくな、聞いた俺がバカだった。」
春日「ウィ」
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:33:02.94 ID:BlJJZ9unO
スワニー?
\ 支援 /
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:33:48.18 ID:GvD+bSpC0

春日「じゃあ、春日が今夜はサービスで、付き合ったことにして話してやりますよ!」
若林「なんかお前偉そうだな!いつからそんな想像力豊かになったんだよ!」
春日「生まれつきの才能だな。ウィ。」

若林「(コイツ、ホントにやべぇ)」


若林「(まぁいいや)俺、ファンの子と付き合ったことないからわかんねーんだよなぁ。どうだった?楽しかった?」
春日「楽しくなければ、付き合わなきゃいいし・・・」
若林「(いきなりだめなのか…)満足できたのか?」
春日「満足するから、その瞬間を・・・って、そういう話じゃないか。ウィ。」
若林「(ぷっ)出すもん出しちゃえば、おわりか?!」
春日「・・・この春日にも、そんなこともありましたなw」
若林「(意外と浅い妄想だな)勝手だよな〜」
春日「トゥーッス!!」
若林「ホントつまんね。」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:36:47.54 ID:GvD+bSpC0


若林「春日、俺、魅力的?」
春日「(若林酔ってる?)どうした、いきなり・・・」
若林「どう?!」
春日「どうって・・・照れますな・・・」

若林「この業界で、俺たち、1番になれるかな?」
春日「なれますぞ、ならないといけなトゥーッス・・・。」
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:37:24.03 ID:O+BdMGf8O
支援
がんばれ
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:39:35.04 ID:GvD+bSpC0
若林「なんばーわーんにーならなくてもいいーもぉーともぉーと特別なぁーおんりぃ〜わぁ〜ん♪」

春日「(うわああああああ!!!!)スマップすごいな。いまも出す曲出す曲ヒット曲、不動のアイドルの地位だ。」
若林「俺、あの歌大っきらいなんだよ。」
春日「なんでだ?春日レベルのいい曲ですぞ。」
若林「ぬるい!甘い!安い!!」
春日「おしい牛丼屋だな・・」
若林「特別なオンリー1ってなんだよ!みんな取るに足らないただの1だろ?ただの1だから特別な1を目指すわけじゃんか。
   特別な1って言ったら、ナンバー1のことだろ?
   ナンバー1を目指すからこそ、努力するわけで、勉強するわけで、苦しむわけで、悩むわけで、けど、耐えるわけで。頑張るわけで。」

若林「それなのに、自分をあまえさせてもともと特別なオンリー1だなんて言い直るのは、楽だし、卑怯だし、ずるい!」
春日「(大分できあがってますなぁ)まぁまぁまぁまぁ、若林、落ち着きなさいよ。」


完全に出来上がってる若林に、そっと冷たい水を差しだした。
今日はなんかおかしい、少なくとも、長い付き合いの俺が思うのだからきっと間違いなく。


若林「春日、」
春日「ウィ。」
若林「おれ、もうお笑いやめる。」
春日「なんでございますか!?!?!?いきなり。」
若林「この仕事・・・・もう、やっていけない・・・・。」

10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:39:37.47 ID:+E8JDNXBO
すまんがつまらん
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:40:06.57 ID:uARrgYCI0
それより来週のアメトーークがものすごく楽しみな件
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:41:25.40 ID:GvD+bSpC0
いきなり若林が号泣しはじめた。
こんな姿、みたことないし、尋常じゃないことがうかがえた。



若林「先月ぐらいから、ファンになったっていう人がいたんだ。」
春日「ウィ。」
若林「その人、マネージャーの知り合いで、すっごいいい人で、優しくて、趣味も多彩だし、知識も豊富だし、何一つやなことなかったんだよ。」
春日「そうざますか。(いつの間に…)」
若林「全然活動してないのに、すごく応援してくれて、差し入れや、漫才の感想、時には厳しくしてくれたし、なんとなく俺も漫才で応えなくちゃならない、と思ってたんだ。」
春日「(なんだと)ウィ。」
若林「だんだんプレゼントも高額になっていって、あぁ、この人お金もちなんだなぁ、って思うようになって。」
春日「ところで若林、その人、男なのか?女なのか?」
若林「男の人だよ、それが何か・・?」
春日「てっきり熟女かと思いまして・・・。」
若林「で、今朝…新聞みたら・・・・」
春日「新聞?」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:44:28.41 ID:GvD+bSpC0

カサガサ・・・
新聞を取り出して三面を見る。


春日「飛び降り?!」
若林「まさか・・・・・こんなことになるなんて・・・・」
春日「借金・・・・でございますか・・・」
若林「おれのせい・・・おれのせいであの人・・・・」
春日「若林、それはちがいますよ!!!」
若林「俺・・・あの人がそんな苦しい思いしてるなんて知らなかったし・・・」
春日「しょうがないだろ、知らなくて当たり前でしょう!!」
若林「春日!!!教えてくれ!!!俺はまちがってたのか?!?!?」
春日「そんなことない!!若林は間違ってない!!」

若林「一生懸命頑張った結果が、こんなことになるなんて・・・・」
春日「だから、しょうがないんだって若林!!」


柄にもなく、うぉんうぉんと声を上げ、泣き崩れてしまった。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:47:41.26 ID:GvD+bSpC0
春日「若林、アンタ、ついてなかったんですよ・・・。」
若林「ついてなかったとか、そんな言葉で片づけていいのかよっ!!」
春日「だって、その人には気の毒な言い方だが、自業自得だろ、だってそうでしょう?!
勝手に金つぎ込んで勝手に死んだわけで!貢ぐ相手がたまたま若林だっただけで!
若林じゃない誰かにもおんなじことしてたかもしれないですよ!!!!」
若林「・・・でも・・・」
春日「でもじゃない!!若林!お前が背負う問題じゃないんだよ!!」
若林「・・・・・」
春日「じゃあ、お前、家族のところに行って、今までもらった金返して、責任とって来なさいよ。できるのか?!」
若林「・・・今のおれには・・・できない・・・・。」

春日「だったら、偉そうにいい人ぶるな、俺のせいだった、みたいな言い方するな、わかりましたか・・・。」
若林「あぁ・・・わかってる。おれも、俺のせいじゃない、俺は悪くない、って言い聞かせてるんだけど・・・思い出しちゃうんだ・・・」
春日「そりゃ、すぐには無理ですよ、忘れられればいいってもんじゃないし、忘れられればいいってもんじゃない、ゆっくり時間かけて、うやむやにしちゃえばいいんですよ。」
若林「うやむやって・・・」
春日「だってわかんないでしょう?なにが良くてなにが悪いのとか、わからないんだから、ハッキリさせないまま、ずっと、ぼんやりさせていけば…いいんじゃないですか?」



春日「若林はまじめすぎるんですよ。世の中は、もっとゆる〜いときのほうがいいってこともあるんですよ。なんでだろぅ〜とか、ゲッツ!!みたいに、また、この春日のように。」
若林「・・・・ごめん、春日、ありがとう。」
春日「だからw若林はそういうとこがまじめなんですよ。」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:51:04.94 ID:GvD+bSpC0
春日「若林、この店でバッティングやったことないだろ?」
若林「ない、え、ってか、バッティングとかあんの?」
春日「お前、笑いにまじめだからもしかしてこの店にバッティングセンターがあることすら気付かなかったんじゃないですか?」
若林「いや、普通知らないでしょ、そんなのあるとかwww」
春日「ほら、やってみるざんすよ」


カキーン、コーン、ワカチコーン!


春日「なかなかイイセンスしてますな。」
若林「そ、そうか?」
春日「ウィ、もっと、打ってみましょ。」
若林「なんか、この感覚、久しぶりだな・・。いくぞ!」
春日「そうだ、深呼吸しろ、深呼吸。集中、集中!余計な力は抜くんですよ!これ、力みすぎるとかえって裏目にでますからね!いいか、いきましょう、集中だぞ!
   ようし、こう、ほら、こい!ホラ!カモン!シェキラベイベ!!!」

若林「うるせぇよ!」
春日「お約束だな。」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:53:01.01 ID:GvD+bSpC0
シュッ・・・・


若林「カラ振りか・・・難しいなぁ・・・。」
春日「欲がでましたな。なかなか自分の思い通りにいかないでしょう?…でも、楽しくないですか?」

若林「あぁ。」


今日、はじめて若林がニッコリわらった。



春日「春日が見本を見せてやりまトゥーッス!!」


シュ、しゅ、シュ、ワカチコー。



ホームランどころか、まさかの三振。


若林「まじめにやってんのか!あ、ウケとか狙ってんのか?このテクノ?」
春日「ウィ」
若林「頑張ろうな!」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:55:31.69 ID:GvD+bSpC0
人にはみんな、忘れられない過去がある。
胸をえぐられるような辛い思いでもある。
忘れたくても忘れられない。逃げたくても逃げられない。
そんな傷を抱えながら、みんな生きてる。
忘れようと努力する必要もない。
ただ、うまく付き合っていくことが、自分の傷との向き合い方を見つけることだ。

若林がいつもバッティングセンターでバットを振ること、笑いにまっすぐなことは、
彼なりの自分の過去との付き合い方なのかもしれない。




おわり
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:56:02.49 ID:ot8NtqG20
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:56:46.62 ID:GvD+bSpC0
すいません、つまんないもん投下して。
次からはもう自重します。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:59:21.67 ID:ot8NtqG20
王道が多い中こんなのは珍しい
卑下する必要は無いと思う
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:02:12.53 ID:KAnPrNajO
いま北産業

ちょっと意外な展開で良かった!乙!
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:23:40.44 ID:4XJyoO7p0
金田じゃないほうも出してやれよ…

でもよかったぜ乙
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:28:26.60 ID:GvD+bSpC0
暖かい言葉ありがとうございます。


>>22
川島・・出そうと思ったんですけど、金田で事足りちゃってw
すいません。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:29:43.22 ID:vipEnxzKO
乙!
ワカチコーンにわろたwww
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:31:41.76 ID:NWMhCw+x0
スレタイからして春日と若林逆だろ
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:39:22.65 ID:KAnPrNajO
夜中のテンションでたのしい

スレタイ、自分は春日が誘ったから、って解釈した
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:43:19.82 ID:2db2U1noO
凄い癒された
春日のうやむや云々の件は、凄い励まされた
本当にありがとう
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:45:36.06 ID:h1hHQY1oO
びっぷーでこんなつまらないの初めて見たw
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:50:18.07 ID:VHtViBbsO
>>1お前のおかげで自信でたわ
俺もSS書いてみる
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:52:31.70 ID:khz8/l4vO
>>24今すぐIDスレに行くんだ!
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:52:52.30 ID:FSdKDFroO
なんだこれ
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:55:08.09 ID:KAnPrNajO
>>24
のIDが!!
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 02:56:14.45 ID:DP4rYFDNO
>>24
すげぇ
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 03:03:23.91 ID:LXd0wI8cO
>>1
乙だよ
悪くなかったぜ

>>24
パネエエエ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 03:26:00.42 ID:VRkW2PnBO
1乙

良かったよ
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>24
どうせ今日だけだ、思いっきり楽しめよ