ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
長編投下の際の注意
・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に時事ネタでなくてもいい…気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるのハルにゃんに言っちゃうよ
・台詞や他者への呼称等、その人物に対する統一性は違和感が生じないように推敲が必須だね。もし不安であるのならば、まとめ等を参照すること。
・1行には全角120文字、1レスには最大30行まで入るけど、全角で2048文字の制限があるから気をつけて欲しいのね。
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・次スレは970以降、臨機応変に対応してくれ!無理なら他のヤツらに頼むってのもありだな…すまん!ごゆっくり〜
・スレが立ってから二日過ぎたスレッドは
>>1000まで行かなくても落ちる……これは僕にとっても既定事項だ
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集してください、わかりましたか?んん…!もうっ!
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら罰金だからねっ!
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 22:20:21.83 ID:hhqtIikNO
今日はプリンか
これは珍しい
「え?」
思わず聞き返してしまった。僕でなくとも「彼」の人となりを少なからず知る人ならば、自分の耳を真っ先に疑ってしまうであろうその台詞。
「悪いが聞き損じてしまったようだ。今……なんて言ったのかな? もう一度お願いできるかい?」
いつも通りを装っても、問い掛ける唇が震えて。こんな言葉を紡ぐのすら精一杯だったと言うのだから、我ながらなんて情けない話なんだろう。
「……こんな事、何度も言わすなよ」
キョンは顔を二、三振って。もしかして照れているのだろうか。
それなら……嬉しい。
僕だけが混乱しているのでは無いのなら、君も緊張してくれているのだとしたら、とても嬉しい。
「俺……は……」
言いよどむキョン。顔を背けて、更にその表情を片手で覆い隠した。
恥ずかしいのかい? でも、僕もなんだよ、キョン。
僕も、顔から火を噴いてもオカしくない位には顔を赤く染めている筈なんだ。鏡なんて無くても、この頬の火照りが何より雄弁に語ってる。
似た者同士、良いじゃないか。
君の素直な気持ちを、聞かせて欲しい。
今度はちゃんと聞くから。聞き逃さないように耳を欹(ソバダ)てて。
その上で僕も、君の勇気に応える為にも、感情を包み隠さず吐露してみせるよ。
だから、もう一度だけで良い。聞かせて欲しい。
さっきの言葉がどうか夢でも幻想でも、空耳でもない事をどうか僕に教えて欲しい。
君の声で。君の言葉で。
「……俺は……佐々木の事が……」
キョンの口許がゆっくりと、スローモーションで動いて。僕はそれに見惚れてる。
今くらいは、こんな時くらいはX染色体の理性を預けてしまっても良いのかも知れない。
第一、抗える訳も無いんだ。
ねぇ、キョン。君は今、何を思ってるんだい?
嫌われるかも知れない。もう二度と笑って会えなくなるかも知れない、とかそんなリスクを背負ってでも僕に伝えたい言葉なんだろう?
僕は今、とてもドキドキしているよ。君がそんな気持ちにさせてくれているんだ。
願わくば、もう少しだけ。君が言いよどんで、この時間が延びる事を。
この一生に一度の心臓の高鳴りを忘れない為に、貧弱な脳細胞に刻み込む時間を。
後一秒。
また一秒。
永遠の様な、刹那の今が過ぎる。過ぎる。
ねぇ、キョン。その台詞が終わったら、次は僕の番なんだろう?
君も張り裂けそうな不安と期待をその胸の内に抱くのだろうね。
ならば、僕としてはそれを出来る限り引き伸ばすのが君への一番の返礼だと思うんだ。
後一秒。
また一秒。
永遠の様な、刹那の今を君に贈る。贈る。
だから、もう少しだけ頑張って欲しい。もう一度だけ、君から僕への想いを聞かせて欲しい。
その少しかさついた唇が今一度開いたら
きっと僕はしあわせで死んでしまうんだろう
「Heart To Heart」 is closed.
佐々木って誰?オリキャラ?
続けて「古泉一樹の情操教育」行きます。
古泉「……」
長門「……お風呂にする?」
古泉「……」
長門「……ご飯にする?」
古泉「……」
長門「それとも……『うさぎとかめ』?」
古泉「……出方に拘る必要は特に無いんですよ?」
長門「しかし、それでは読者に飽きられる」
古泉「読者を気にする、その十分の一でも構いませんので、僕のプライバシーを尊重して頂けたら助かります」
長門「合鍵を持っている場合、家主の承諾を得ずとも部屋に入っても良いと聞いた」
古泉「ちなみに、その鍵はどうやって手に入れたんですか」
長門「情報操作」
古泉「……ですよね」
古泉「で、今日はどの様なご用件ですか?」
長門「立ち話もなんだから、入って」
古泉「僕の部屋です」
長門「合鍵を持っている以上、私の部屋でもある」
古泉「取り敢えず、その合鍵は没収させて下さい」
長門「……怒られた」
古泉「当然です」
長門「合鍵は使ってはいけない?」
古泉「少なくとも家主の承諾を得てから使用して下さい」
長門「分かった。では承諾を求める」
古泉「却下です」
長門「……そう」
古泉一樹の情操教育 「うさぎとかめ」編
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 22:32:25.22 ID:uLBhienDO
古泉「それで、今日は『うさぎとかめ』ですか」
長門「(こくこく)」
古泉「何を疑問に思ったのかはなんとなく分かりました。ずばり、兎はゴールしてから眠るべきだった、とかですね」
長門「……流石は超能力者」
古泉「いえ、心を読んだりとかは出来ませんから」
長門「どうして兎は途中で眠ったのか。これは物語の都合上仕方がないと考えた。この話は子供に『努力は報われる』事を教える話」
古泉「少しづつ、教育の成果が出て来ているようで、嬉しく思います」
長門「しかし、私は騙されない」
古泉「これはまた……厄介な方向に育ちましたね……」
長門「これまでの会話から貴方の思考パターンをトレースした。そこから導き出されたのは『兎は亀の為にわざと居眠りをした』という新事実」
古泉「これではどちらが解釈を頼んでいるのか分かりませんねぇ」
長門「しかし、なぜ兎が亀の為に待ったのかは分からない」
古泉「なるほど。そこで僕の出番ですか」
長門「そう。貴方ならばこの疑問に対して明確な答えを提示してくれると考えた」
古泉「光栄です」
長門「『三匹の子豚』の話を応用すると、兎は亀の友達になりたかったのではないか。亀に自信を付けさせる為にわざと負けたのではないか、と考えた」
古泉「素晴らしい解釈かと」
長門「しかし、貴方がする話の様な説得力に欠ける」
古泉「そうですか?」
長門「そう。そこで貴方にこの先のストーリーを作って貰いたい」
古泉「話は分かりました。そうですね……少し時間を頂けますか?」
長門「カレーを作っておいた」
古泉「では、夕食にしましょうか」
長門「考えた?」
古泉「ええ。ではご飯を食べながらで良いので聞いてくれますか? 僕なりに考えた『うさぎとかめ』のストーリーを」
長門「正座」
古泉「そんなにかしこまる必要はありません。あくまでコレは嘘物語ですから」
兎「さぁ、カメ! あたしとかけっこで勝負しなさい!」
亀「断る。俺がお前なんかに勝てる訳無いだろ。少し考えれば分かる筈だ」
兎「良いから勝負しなさいよ、このウスノロ! そんなんだからいつまで経っても平団員なのよ!」
亀「……平団員って何だよ……」
長門「待って」
古泉「なんでしょう?」
長門「話がオカしい。今までの『情操教育』とは明らかに毛色が違う」
古泉「あはは。ほら、同じ事をやるばかりでは読者に飽きられると言ったのは長門さんが先ですよ?」
長門「……キャスティングにも難が有る」
古泉「と、言いますと?」
長門「なぜ兎が女性で亀が男性なのか」
古泉「それがこのお話のキモです」
兎「良いからさっさと位置に着く! やる前から諦める、その根性を鍛え直してあげるわ!」
亀「別に頼んでないぞ」
兎「あーもー、ぶー垂れる前に動きなさい! 行くわよ、はい、ヨーイドン!」
亀「……なんで俺がこんな事をせにゃならんのか……やれやれ」
長門「この『兎』と『亀』は誰かを髣髴とさせる。気のせい?」
古泉「気のせいでしょう」
>>11 原作に居るのか。
てっきりキョン子とかの類かと思ってたわ
兎「……そりゃそうよね。あたしが本気出したらこうなる事は自明の理よ? でも、アイツも遅過ぎない!?」
亀「アイツの我が侭に振り回されるのは今に始まった話じゃないが、しかし、山の頂上までって面倒だな、オイ」
長門「それで、なぜ兎は居眠りを始めたのか」
古泉「先ほど言いましたよね。兎を女性に、亀を男性にしたのはなぜか、って」
長門「三分四十二秒前」
古泉「長門さんは最初『兎は亀と友達になりたかった』という推論を立ち上げられました。ですが、僕はそこにもう少し踏み込んでみようと思います」
長門「どういう意味?」
古泉「兎は、亀の事が好きだった。今回、僕はこの物語をそんな小さな恋の話にしてみようと思うんです」
長門「恋。言葉としては認識している」
古泉「ふむ。では、聞きます。恋とはなんでしょう?」
長門「他者を恋しく思う感情」
古泉「恋しく思う、とは?」
長門「『好き』だという事」
古泉「結構です」
兎「冷静になって考えてみるのよ、あたし。ここでぶっちぎり勝っちゃってみなさい? アイツは二度とあたしと勝負なんてしてくれないわ。……なら、ここは居眠りでもして良い勝負に持ち込むべきよね」
亀「……あーあ、言わんこっちゃ無い。あの馬鹿、上の方で眠りこけやがった……ああ、もう。あんなトコで寝たら一発で風邪引いちまうぞ……全く」
古泉「つまり、彼女は勝負をエキサイトさせたかったのでは無いでしょうか?」
長門「何の為に?」
古泉「一つは『その方が面白い』から。彼女の常套句ですね。そして、もう一つは」
長門「もう一つは?」
古泉「亀さんにもたまには花を持たせてあげたかったんですよ」
長門「しかし、彼女は寝過ごしてしまった。良い勝負も何も無い」
古泉「そうですね。それでは少し面白くありません。仕方が無いので少し話を捻じ曲げましょうか」
長門「捻じ曲げる?」
古泉「そうです。こんな風に……」
兎「はっ! 寝過ごした!!」
亀「おう、起きたか」
兎「かかかかかかかめっ! アンタ何やってんのよ!」
亀「何って言われてもな。もうすぐ日も暮れるし、お前をあのまんま寝かせっ放しにしとく事も出来んだろが」
兎「うるさいうるさいっ! さ、さっさとあたしを下ろしなさいよ!!」
亀「言われんでもな。ほら、起きたんなら下りろ。帰るぞ」
長門「負ぶったの?」
古泉「はい。そして二人で家に帰りました」
長門「……よく、分からない」
古泉「かも知れませんね。でも、そんな感じで良いのではないでしょうか?」
長門「何が良いの?」
古泉「好きな人……この場合は亀ですか。に、背負われる経験をした兎さんの胸中は、少なからず幸せだったと思います」
長門「そういうもの?」
古泉「そういうものです」
長門「……そう」
古泉「貴女にも、好きな人が出来たら分かるかも知れません」
佐々木は萌えんなぁ……。
長門「今回の話はよく分からなかった」
古泉「でしょうね。僕も少しグダグダになってしまったかな、と反省しています」
長門「なので補足を求める」
古泉「はぁ……どんな話をすれば良いのでしょうか」
長門「話す必要は無い」
古泉「と、仰いますと?」
長門「帰る」
古泉「送りますよ。もう夜中ですし、女性の一人歩きは危険です」
長門「……おんぶ」
古泉「え?」
長門「補足。兎の心境をトレースする為に実際に負ぶわれてみる必要性を確認した」
古泉「……えっと……」
長門「……おんぶ」
古泉「こんな感じで良いですか?」
長門「悪くは無い」
古泉「はぁ。それはそうと、今日は月が綺麗ですね」
長門「月には兎が居ると聞いた」
古泉「ああ、そんな話も有りますね」
長門「餅を搗いているらしい」
古泉「では、月になぞらえて……かぐや姫の話でもしながら帰りましょうか」
長門「わっふる」
古泉「……どこでそういう単語を覚えてくるんですか?」
長門「内緒」
>>19 それは新ジャンルだな、俺の中でなにか弾けた。
今度酒飲みに行こうぜ。
長門「……少しだけ、兎の気持ちが分かった気がする」
古泉「何か言いましたか?」
長門「なんでもない。それより、続きを」
古泉「はい。それでかぐや姫はですね……」
長門「(……こういうのも悪くはない)」
兎「あんた、なんで一人でゴールしなかったのよ!」
亀「お前を置いていけるかよ」
兎「……うぅ」
亀「ほら。勝負事なら明日また付き合ってやるから。今日は帰るぞ。てか、さっさと降りろ」
兎「……足痺れた」
亀「……しょうがない奴だな、全く」
兎「明日、再戦しなさいよ!」
亀「……はいはい」
兎「『はい』は一回っ!」
古泉「……部屋にも着きましたし、そろそろ下りませんか?」
長門「……足が痺れた」
古泉「いや、貴女に限ってそれは有りませんから」
〆
GJ!
亀と兎もだが、古泉と長門の掛け合いがたまらんぜ!
最近古参が居なくなったから少し残念だな。
新規はもう少し努力した方が良いというか何というか。
って言えば頑張ってくれるはず。
28 :
どりょ:2009/05/07(木) 23:25:50.38 ID:MX4DVhWO0
そう、それはこの台詞から始まったのである。
「ちょっとキョン! あたしのプリン食べたでしょ!」
原因は確かに俺にあったのだろう、多分。だが、いつからあのプリンがハルヒの所有物になったんだ?
「あたしが決めたら」
その日から、あのルールが発動したのである。
会長「喜緑と付き合ってたと聞いたんだが…本当か?」
コンピ研部長「え?な、なんのことだい?」
会長「喜緑江美里と付き合っていたのかと聞いているんだ」
喜緑「会長?どうかされたんですか?」
会長「君は黙ってろ。さぁ、どうなんだ!」
コンピ研部長「ちょ…まっ…待ってくれ!意味が分からないよ」
喜緑「落ち着いてください会長!どうしたんですか!?」
鶴屋「いやぁ〜若いねぇ」
みくる「案外、会長も頭悪いんですねぇ」
鶴屋「ま、口は災いの元ってことかな?あははは」
30 :
被ってご免なさい:2009/05/07(木) 23:27:56.90 ID:MX4DVhWO0
団長様であるハルヒは今日も今日とて、冷蔵庫にあるプリンに手を付けた俺を叱りつけるのである。
何故だ、まだ冷蔵庫に2つ残ってるではないか、ハルヒの分もあるだろ。
「このプリンはみんなあたしの所有物なの! 食べたい時はあたしに許可を取りなさいよ、分かった?」
ハルヒはそう言ってプリンのフタを画鋲で壁にはり付ける。これで4つ目だ。
なんでも、これが5つ揃うともれなく団長からの裁きを貰えるそうだ。いらない、何だそのポイント制度は。
まずい、もうリーチなのである。揃った時に、一体何をされるのか…。
31 :
努力しない新参:2009/05/07(木) 23:30:52.73 ID:MX4DVhWO0
そして今日、壁には5つのプリンのフタが画鋲ではり付けられている。ああそうだ、リーチだと知りつつもプリンに手を出したのだ。
何やってんだ俺…。遂に揃ってしまった。
言い訳させてくれ、あの時はハルヒが休みだと思って、後から連絡すればいいかなとだな…
「問答無用!!」
スパーンという快音が部室(おそらく廊下にも)に響き渡り、正座させられている俺は頭を押さえる。
痛いです、ハリセンで叩かれた脳天よりも皆の視線が。古泉はニヤニヤしている、朝比奈さんは遠巻きに見守り、長門は興味津々といった表情であった。
「罰ゲームを発表するわ!」
嫌な予感しかしないのだが…。
「はい、これ」
渡された紙は、チラシ?
近所にオープンした新しいケーキ屋か…。
パシリか、要するに。
「いいえ、あたしも同伴するわ」
何でだ?
「最初はアンタ一人で行かせるつもりだったんだけど、あたしもまだ見たことないから…気になるのよ、だからついでに…!」
おーい、真っ赤になってないか?
「…うるさい!!」
なんとも無理矢理な理由付けだな。素直に言ったらどうだ。
「それはアンタの方でしょ!?」
そうか、じゃあ向こうで俺が素直で正直者であることを証明してやるから行くぞ。
「ちょ、ちょっと、」
嗚呼、俺もハルヒに負けないくらいに真っ赤なのだろう。朝比奈さんは微笑み、古泉はにやつき、長門は何故かじと目で俺達の行方を見ている。
俺はハルヒの手を引っ張って部室を出た。
証明? まぁ、ハルヒがお目当ての数量限定のプリンとやらを手に入れたらな。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 23:37:30.46 ID:uLBhienDO
>>30 被ってごめん
書いてる最中のSSで佐々木が発狂するんだが、書いててなんか可愛く思えてきた俺はきっと何かされてる
まぁ、発狂直後に静岡みたいに異形化するんだけどね…
古泉と長門ねえ。
古泉イラネ
↑お二人さん乙!
>>24 それ言われると結構痛いわぁ…
俺を顧みると、スレ汚しぐらいしかできなさそうだ。ロムして出直してくる。
>>24 多分、規制で書き込めないから来ないだけじゃないかな?
ところで、もう2年半位かな?アナルとプリンが立ち始めてから
俺佐々木属性ないが、静岡見たいになるなら読むぜ
ついでに今懐かしの1やってる
いやほい
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:43:46.28 ID:Pd8s7BJmO
ぬるぽ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:49:34.47 ID:EyzxyMMIO
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 01:54:43.37 ID:Pd8s7BJmO
6時時起きなのに寝れない…
バイクで転けてからなんか変だ
生きてるか?
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 04:02:12.32 ID:0fUWlBdg0
まだ終わらんよ!
48 :
●:2009/05/08(金) 04:30:27.85 ID:0fUWlBdg0
てす
ヨシキタ
眠い
今日はプリンか!
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 09:44:41.51 ID:rzHE8rxKO
ホレ
クソスレも落ちないから困る
油断大敵
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 13:04:47.66 ID:MPdS9mlsO
大敵大敵
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 13:06:59.87 ID:WChq74JK0
ハルヒの胸についてる二つのプリン
>>45 そういえば、レスするの遅れたが…大丈夫か?
まずい事になる前に病院で検査したらどうだ?
なんかおおごとな予感
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 15:59:43.72 ID:sBg0BOFc0
この時間でも二時間落ちないとは恐るべしだなVIP
連休気分がまだ抜けてないぜ
俺もなんか調子でない感じだ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 17:45:31.88 ID:Sh0OyQ360
なるほど……五月病だな!
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 18:48:18.67 ID:Pd8s7BJmO
古泉「朝起きたら朝倉さんが居たんですが」
長門「私が命令した」
朝倉「命令されました…」
古泉「理由はなんですか」
長門「夫婦と言う物に興味がある。今日から2週間、朝倉涼子は貴方の嫁」
古泉「…」
朝倉「2週間よろしくね、古泉く…」
長門「夫婦なのに苗字で呼ぶのはおかしい」
朝倉「…よろしくね、あなた」
古泉「拒否権は無しですか?」
長門「無い。拒否した場合、涼宮ハルヒに嘘の情報を流す」
古泉「どんなです?」
長門「私と朝倉涼子は古泉一樹に恥ずかしい写真を撮られて脅されていると」
古泉「そ、そんな、写真が無ければ…」
長門「情報操作は得…」
古泉「2週間よろしく、涼子」
こんな話が書きたかった
>>63 続き楽しみにしてるよ
どうせ1000とか行かないだろうから投下。
ポルノパロ注意。
《He is the weather maker》
真夜中の事。そんな迷惑気に言ってはみるが、おそらく皆様方が想像されているほど遅くなく、
ただし学校の友達に電話をして許されるほどに早くはない、そんな微妙な時間帯の話である。
相手が我がSOS団副団長であったなら、不機嫌を全面に押し出し、何か用かと怒鳴りつけてしまったであろう、
俺の人生の中で最も素晴らしい時間……気持ち良く眠りに墜ちかけていた瞬間だった。
耳障りな音が闇を劈き、俺は布団を跳ね飛ばす。
一体何事か、と携帯電話を見ると団長様から直々のお電話だ。
無視すれば、授業中に背中にダメージを受けることになるだろう。
全く、やれやれと言う以外に言葉が見つからないね。
しかも第一声が、「あ、キョン?ちょっと眠れそうにないから電話付き合ってよ」と来たもんだ。
俺にはあいつの心情と、それに付き合ってやる自分の心の広さが理解できないね。世界の七不思議に入ること請け合いだ。
「お前は一体、今何時だと思ってるんだ?よいこのみんなはおやすみの時間だぞ。団長ともあろうものが非常識だな」
「うるさいわね!その団長様の夜の相手に晴れて選ばれたのがあんたなんだから、ありがたく付き合いなさいよ!」
……勘弁してくれ。こっちは、日々のお前らの子守でくたくたなんだ。
妹だってさっきようやく寝かしつけた所なのだから……、とここで俺は思い出す。
互いの利益が一致する、適度な長さの御伽物。
「そうだ、いい話があった。妹も最近はなかなか聞いてくれなくなった話なんだがな」
「ふぅん……、どんな話よ」
……あいつの顔が目に浮かぶようだ。
アヒル口、ジト目で疑うようにしかめ面をしながらも、――――きっとその瞳は。
「俺の大事な、友達の話だ」
彼女の瞳は、煌めいているはずだ。
電話の奥で、息を飲む音がした。
夜は長く、この話だって短くはない。
たまにはこんなのも悪くない、なんて思ったのだった。
――――――――
さて、みんなが眠りにつく頃……、ちょうど今の時間ぐらいの事だ。
俺の知り合いに天気を作る職人がいてな、明日の空の色を決めている。
そいつの事を話そうと思う。
「……へぇ。変わったお知り合いね」
そう馬鹿にするなよ。御伽話だと思って聞いててくれないか?
「まぁ……頼んだのはこっちだし、別にいいけど」
よし、じゃあ続きだ。
そいつは真面目な奴でな、多少のサボリはするが、いつもきちんと空を染め上げる。
本当にたくさんの色を混ぜて、黙々と。誰にも相談しないで、な。
「大変そうね……」
あぁ。実際大変だと思う。あいつは口に出さないし、何も言わないが。
なんたって、世界の空だし。熟慮も必要だ。
その上、全部思い通りになんてできやしない。
最初のうちは頑張っていたんだが、キレちまってな。今じゃ気分で染めてるらしい。
「髪の毛じゃないんだから……」
そんな奇抜な色にしてるわけじゃないんだから、放っておけよ。
それに、気分と言うよりは気持ちに近い。
洒落た言い方をすれば、あいつは気持ちを空に織り込んでいるのさ。
「そういう言葉、あんたには似合わないわ……。
ねぇキョン、それって雨も晴れも雪とかも、そいつの気分次第って事?」
似合わないって………。
まぁ、いいか。
端的に言えばそういうことだ。
ちゃんと俺らの事も考えてくれてるが。
「ふうん……。例えば?」
落ち込んで、泣かずにはいられない日や、誰かに寄り添いたい日。
温もりの有り難さを学ぶべき日なんかには、雨を降らせるんだ。
例えば、零れる涙を隠したり、一緒に帰る口実だったり。
冷えた手を暖めるのは、暖かい手であるべきだ、なんてのがあいつの持論だったな。
「晴れの日は?」
心に癒しが必要な日。
人はあの青を借りて鳥を描くんだ。飛んでいるそれは、見るもの全てを笑顔にする。
「痛む心に、鳥を……」
いつの日にか、いつの間にか、俺の知らない誰かの塞いだ心を開けるようにとあいつは頑張っているのさ。
だからお前、もう雨とか曇りに文句つけるなよ。
毎日天気のことでうだうだ言いすぎだ。
「……なかなか面白かったわ、ありがと」
肯定の返事はなしかよ……。
もう眠くなったか?ちゃんと寝ろよ。
「わかってる。じゃ、おやすみ」
……あ、あー、うん。お休み。
「何よ、言いたい事でもあるの?」
まぁ、今度でもいい話だ。
「言いなさいよ、目が冴えちゃったわ」
そいつはすまない。だが別に大したことじゃない。そんなことより早く寝た方が……。
「いいなさいっ!」
……やれやれだ。お前はいつもそう……。
わかったよ、言うからちょっと待てよ……。
二人の深呼吸、そして、沈黙。
―――――――――――――――
大事な友達の話、なんて言うから彼女――佐々木さんの話でもするのかと思ったのに……。
普通の御伽話、寝物語。
残念、というよりも安堵が勝り、私はそれだけで眠れるような気がした。
それにしても、あいつにしてはロマンがあるわ。天気を作る友人だなんて!
まさかそんな話が聞けると思わなかった。
寝ろ、と一言聞けるだけでも……、べ、別に声が聞きたかったんじゃないの。
ただ家に誰もいなかったから、ちょっと怖かっただけなのよ。うん。
寂しさと怖さで神経が参っていたとしか思えないけれど、私は少しでも話を長引かせたくて。
何か言いかけたキョンをしつこくしつこく促した。
キョンは、少し躊躇してから話を始めた。
私は、少しだけドキドキしていた。なんだか、さっきから、佐々木さんの顔が頭にちらついて離れてくれない。
何の話をするのかしら。
ひょっとしたら、ひょっとしたら。
私は知らぬうちに目を閉じて、祈るようにしながら叫んでいた。
「いいなさいっ!」
(かみさまどうか、お願い。そんな終わり方は嫌なの)
――――――――――――
実はな、と話出す自分の声が、やけに頼りなく聞こえた。
何を緊張しているんだ。
佐々木にせっかくアドバイスを貰って、釘まで刺されて。
黄昏時には決めていた。
あいつを誘うと決めていた。――だから。
「明日の天気を、そいつに教えてもらったんだ」
「快晴らしいわね」
「納得いく仕事ができたとか、満足そうに言われたよ」
いつもはそんな顔しないのにな、と少し佐々木の顔を思い返す。
「そんなことだったの?何よ……もう。じゃあ」
ハルヒの言葉に弾かれるように、俺は言った。
「最高の天気なんだ、出かけないとマズいだろ?ハルヒ」
最高の親友に背中を押されても、なおぐずついてしまった俺。
最高の口実を使い、ハルヒを誘いだす。
「エスコートなら任せとけ。傘が要らないんだ、お前のために両方開けとく」
な、あ、とか聞こえるが、無視だ無視。
「海でも、街でも、空の続く場所ならどこでも付き合ってやるよ。
せっかく晴れだから、眩しいくらいに陽の照ってる所を歩こう」
だから、頼むから。
「なぁ、デートしようぜ」
いつの間にか、日付は変わっていた。
ハルヒから電話がかかって来る前に、明日こそは誘えるといいなんて考えてた俺へ。
返事はわからんが、やったぞ。おめでとう。
―――――――――――
話されたそれは、なんだか夢を見てるみたいに幸せな誘い。
すぐには返事ができなかった。
舌が張り付いて、話せない。
意味のない一音のみが焦って飛び出す。
どうしよう、嬉しいのに!
「エスコートなら任せとけ。傘が要らないんだ、お前のために両方開けとく」
落ち着いて、落ち着いて涼宮ハルヒ。
大丈夫、遊びに行くだけなんだから。
あいつは何も意識しないでこういう言葉を使うのよ。
ぜったいでででででーととかじゃないんだから!
「今日、デートしようぜ」
目の前に火花が散り、一瞬頭が真っ白になる。世界から音が消えて、視界が一気に色彩に満ちた。
でーと、なのかしら?
脳がピンク色の単語で埋まり、私は混乱のあまり普通の受け答えをしてしまった。
飛切り可愛くない了承の言葉を、ひどくニヤけながら。
それからの事は覚えていない。
だから今、後悔しているのよ。
私、変な事言ってないわよね。
おかしな受け答え、したかしら。
夢だったのかしら、まさかね。
一人では答えの出ない問いを続ける。
その行為はあまりにも苦しくて、ベランダに出てみる。
「そういえば……」
夜にも、色があるのね。
毎日違う空の色が。
それを確認した途端、なんだか安心してしまった。
「……寝ようかしら」
後ろで、誰かが笑った気がした。
ひょっとしたら、幽霊かも。ひょっとしたら、例のキョンの友達かも。
でもそんなことでは、振り向かなかった。
頭が明日の事でいっぱいだったから。
(天気を作る職人さんへ。
今日、晴れにしてくれてありがとう。
願わくば、あの人と出かける日は、ずっとずっと晴れでありますように。
雨にもちゃんとした素敵な理由があるのはわかったわ。
でもやっぱり、私は晴れが好き。空が蒼い、それだけでも笑えるから――――)
fin
《I intend to say good-bye to my lover.》
僕が上京して何年になるか、そこまで細かい話は必要だろうか。
そうならば喜んで話をさせて頂きたいし、
まぁ、ないとしても時間がある限りいくらでも喋り続けてしまうのだろうけれど。
さて、社会人になり、ルーチンワークの堕落に溺れている僕は、よく学生時代を思い出す。
しかも、中学や高校の時の淡い恋の記憶を。
そんなセピア色の台詞から話を始めるとしよう。
僕は、彼と彼女が仲睦まじくしている光景を見ているのに、本当は耐えられなかった。
そんな本音は今まで誰にも話した事はない。
けれど、きっと僕の彼女はそんな浅はかな考えなどはとっくに見破っているに違いない。
もう黒髪の小柄な宇宙人との付き合いは、かれこれ10年近くになるのだから。
彼女、周防九曜は、僕と同い年だ。
高校時代に知り合った奇妙な人物の一人。
その他の人物の紹介もしたいが、また長くなるので割愛しよう。
決して報われない、恋をしていたあの頃。
胸が張り裂けてしまいそうな痛みに耐えて、僕は笑顔を絶やさなかった。
我慢できなくなった瞬間、初恋に蓋をした。
何の痛みも伴わない、酷く簡単な作業だった。
僕は穴を埋めるように彼女を愛した。周防さんはそれに応えてくれた。
恋に破れた僕の姿は、そんなに哀れだったのだろうか。
彼女は僕の言う事なら何でも聞いてくれた。
今思えば、甘え過ぎだった。
もっと、距離感を大切にすべきだったのに。
そして今日。僕は彼女に、何もかもを残したまま。
別れ話をしようと思う。
あるバーのテーブル席。
初めて一緒にお酒を飲んだのは、確かここだった。
昔から変わらない、この店独特のもてなしはどうやら健在のようだ。
静かに置かれたバーボンの氷の音が、いやに高く響く。
「ようこそ、バーボンハウスへ。このバーボンはサービスだから、落ち着いて飲んで行ってくれ」
注文を聞いたあと、彼はテーブルのキャンドルに火をつけてカウンターに戻っていった。
「―――綺麗、ね」
火は、彼女の顔を淡くぼかして揺らめく。
――この暗さなら、彼女の表情は見えない。
本当に、雰囲気のあるいい場所だ。この店を選んでよかった、なんて思う。
「別れましょう、周防さん」
「――え?」
彼女の目が好きだった。
昔、じっと見過ぎて怒られた事もある。
けれど、今あんなにも焦がれたそれは、恐怖の対象でしかなかった。
視線を交わせずに、僕は彷徨わせたそれを夜景に向けた。
――彼女の瞳の方が、ずっと綺麗なのに。
「――私は、構わないわ――――」
「わかってるでしょうけど……周防さんが嫌いになったわけじゃ」
「――言い訳なら、いらない――――」
黙り込んだ彼女。
気まずくなった僕は煙草に逃げた。
肺に有害物質をしこたま送り込み、口から柔らかく吹き出す。
この一連の作業を好きだと言ってくれたのは、本当に昔の話。
大体高校の終わりの頃だった。
意味なく始めた習慣が根付いたのを彼女のせいにしたら、きっと怒られてしまうけれど。
――なんて、感傷に浸っているような時ではない。
空気が、僕を柔らかく刺して拒絶する。
煙草を吸い終わったら、行こう。
心に決めて、僕は灰になっていくそれをぼんやり眺めていた。
「――スクリュードライバーを」
空になったグラスを掲げながら、周防さんはつぶやいた。
マスターは僕に小さく目配せをし、注文を促す。
少しだけ迷ったあと、僕は決断を延ばす事にした。
「先程と同じものを」
下がり眉の彼は、かしこまりましたと答えて柔らかく微笑んだ。
「――この氷が溶けるまでの間だけ、恋人でいましょう」
我が儘なんて言わない彼女の、最後のお願い。
もう一時だけ、だなんて。
とてもいじらしい。
「あなたが望むなら、望むだけ」
僕はキスをした。
恋人としての特権を使える間に。
氷が溶けるまでは、恋人で。
今日の間は、愛する人。
店を出たら、酷く遠い人。
僕の微笑みは、いつの間にか彼女に吸い取られていた。
消えたのではなく、消したのだと言っておこう。
――――
いつかまた誰かと恋に落ちるのでしょう?
あなたが幸せになれるように、ずっと祈っています。
決して嘘じゃないわ。
だから、許して。
あなたのその薄い唇を、指通りの良い髪を、控え目な笑顔を奪う誰かに、嫉妬する勝手すぎる私を。
お願いだから、私を。
ずっと覚えていては、くれないだろうか……。
――――
席を立つ彼女に、僕はこう言った。
「また、友達として会ってくれるわよね?周防さん」
「―――ごめんなさい、それは無理」
「そんな、どうして!?」
「――あなたを観察する必要は、だいぶ前になくなった。もう会う理由はないわ。
――ね、佐々木さん?」
また巡り逢うには、東京は広すぎる。
そういうことにしておきましょう、と彼女は笑った。
僕は、取り返しのつかない事をしてしまったのか?
ここで本当に、お別れなのだろうか?
「周防さん、私そんなの嫌。対等な友達同士でいたいの!」
「――ごめんなさい、それは無理。私はあなたを好きな人としか見られなかった。
――それも、さっきまで」
今はもう、遠い人。
僕は笑う。いや、泣いている。
たまに微笑む、桜色の唇が好きだった。
いつも真っ直ぐな、君の瞳が好きだった。
折れてしまいそうな、小枝のような指が好きだった。
少しだけハスキーな、その声がとても好きだった。
「―――じゃあ、さようなら」
ねぇ、九曜。
君を束縛している自分が心底嫌になってしまったんだ。
どうしたら上手に君を愛せたのだろう。
ねぇ、教えてくれないか?
――――ぼくの、こいびと。
――――わたしの、ともだち。
恋人で居たくて使っていた一人称に、戸惑いを覚えている。
今、自分はどちらを使うべきなのだろう。
「僕は……、九曜。僕は!」
「――――どうか、お幸せに。佐々木さん。
じゃあ、――――さよなら。」
別れを告げたはずの僕が、彼女と離れたがらない私が、一人になりたくない自分が。
今、分裂して叫ぼうとしていた。
*************************************
お粗末でごめんせめて300行くといいな保守
乙です!
王道とまさかの組み合わせに驚きです。
ところで、「ポルノ大好きなの」とか言われるとエッチな意味に思ってしまうのは自分だけ?
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 20:30:42.84 ID:a1ZDQRJf0
あるあるwww
よく寝たぜ
明日大学休みだし徹夜でss書くかな
まだあったのかこのスレw
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 20:57:33.77 ID:SMWC6syT0
まだあった。
「大体、理解したか?」
狐面が問い掛ける。唇が震えて、声が出ない。
「自分への罰を。自己満足の為に。結局、そんな下らない理由だった、って訳だ、全て」
そんなのって……無いだろ。声にならない。か細い空気の漏れでしか無かった俺の其の独白を、如何やって汲み取ったのかは分からない。また、お得意の「台本」とやらにでも載っていたのだろうか。
でも、そんなのは全部、如何でも良かった。
「事実、そうなのだから仕方が無い。なぁ、『キョン』。俺が言った真実の中に、一つでも思い当たる節が無いと言い切れるか?」
何も言い返せない。言い返せる、筈も無い。
「他の面子は全員、お前の下らない罪悪感に巻き込まれただけなんだよ」
なら……アイツらを危険に晒しているのは……俺、だってのか?
「そうなるな」
……ふざけんなよ。
「お前が一番ふざけた存在なんだが」
……ふざけんな。
「オイ、聞いてるか? お前が蒔いた種なんだよ、全部」
……そんなのって。
「そんなのってアリかよッ!!」
吠えた。俺を見つめる魔王と其の従者の眼は、酷く苦しそうだった。
100mを全力疾走した後の様に息が荒い。心臓の鼓動音が遠く鼓膜にまで届いて、煩わしい。誰に指摘されなくても分かる。
俺は激昂していた。
「真実ってのは常に残酷なモンだと知るんだな」
「そんな、どうしようもない真実なんざ、ぶっ壊してやれば良いだけの話だろッ!? 今までだって俺達SOS団はそうやって来た筈だッ!」
俺の叫びに、答えたのはスケアクロウだった。
「其れが出来ていたら、今、僕たちは此処に居ないんだよ、キョン」
辛そうに。苦しそうに。今にも泣き出しそうな笑顔で。スケアクロウは続ける。
「君を救おうと、皆が動いた。宇宙人も、未来人も、超能力者も。そしてこの僕も。しかし、規定事項を回避するのは不可能だった。何度も試した。思い付く限りは何だってやったよ。けれど、無理だったんだ」
聞き分けの無い子供を諭す様に静かな声で。
「なんでだよ……? 時間遡行に情報操作が有れば、大概の事は如何とでもなっちまうだろ? 朝比奈さんの能力使用の許可が下りなかったとしても、長門だって確か時間遡行が出来るって話だよな?」
朝比奈さんとはやり方が違うものの長門も同じ能力を持っていると言っていた。時間遡行さえ出来れば、大概の事は何とかなる……筈だ。
この事件を端から無かった事にしてしまえば良いだけ。そうさ。古泉がハルヒにゲームを貸したのが実質的なトリガーなのだから、其のイベント自体を消してしまえば……。
「古泉君などは君の為に、過去の自分の消去を長門さんに依頼した程だったんだ。そう、唯一人、君の為に、ね」
絶句する。絶句しか、出来ない。
「だが、何も妨害は出来なかった。この事件を無かった事にするのを、神が許可しなかったからだ。この一言で全て納得いくな?」
魔王が吐き捨てるように言った。
「神……ハルヒ……が?」
其れこそ冗談だろ。アイツ、根は優しいんじゃなかったのか!? 俺の知っているハルヒは、こんな残酷物語を望む様な奴じゃ、断じて無かった筈だ!
「優しいのさ。だから、叶えた。お前の深層に潜んでいた望みをな。そして其れを誰かが邪魔する事など許さなかった。お前の為に。唯、恋しい男の為に。理に適っているだろう?」
「俺は……こんな事……望んじゃいない……っ」
そうだ。長門を傷付けて、朝比奈さんを泣かせて、古泉を苦しめて……そんな事、俺は決して望んじゃいない!
「言ったろ。過程は問題じゃない、ってな。其れに、お前さえ其の気になれば、アイツらは無事に元の世界に帰る事が出来る」
狐面の言葉に一筋の光明を見た気がした。なぁ、ソイツは本当か? 嘘じゃないよな?
「嘘じゃないさ。なぁ、『キョン』。お前が、お前の手で、お前の大切な仲間を、死に物狂いで守ってみせろよ。そうすりゃ、アイツらは大丈夫だ。俺が保障してやる。この世界は、あくまでもお前個人への罰なんだからな。
お前が心から望むのならば、神は其れを叶えるだろう。そういう風に、この世界は出来ている。そろそろ其の事を学んだら如何だ?」
魔王の言葉を、監視者が継ぐ。
「そして、君が身勝手にも彼らを巻き込んで心を痛めるのすら、罰の内と言う訳だよ。理解出来てきたかい?」
「なんとなくで良いなら、な」
出来れば、理解なんか死ぬまでしたくなかったが。
「第三の質問だ」
俺が落ち着いてきたのを見て取ったのか、予(アラカジ)め、このタイミングで切り出す事になっていたのか……多分、両方なんだろう。魔王が喋り出した。
「罰、ってのは具体的には何を指すんだろうな?」
問われて考える。既に十分精神的には痛め付けられた気がするので、この辺でエンディングを迎えて欲しいと願うのは……コレも俺の身勝手なのだろうか?
「そもそも、『勇者が魔王を倒してハッピーエンド』っつー古式ゆかしいシナリオの何処に勇者への罰が隠れてるのか、って話だろ」
ちょっと待て。その前に確認しておきたい事が有る。
と言うか、其れが分からないと何も予測なんざ立てられん。
俺は兼ねてよりの疑問を口にする事にした。このタイミングでしか、出来ない質問だとも思ったからな。
「魔王(オマエ)は誰だ?」
確信とも言える俺の質問に眼前の男と女は苦笑いを返すばかりで、何一つ答えようとはしなかった。
衝撃のボスキャラ三者懇談会から三十分ほど過ぎただろうか。半分ほど中身が残っているグラスと、全く手の付けられていないグラスを見つめて、俺は途方に暮れていた。
「俺に如何しろ、ってんだよ」
魔王と其の部下が退席し、一人残されたテーブル。其の上には未だ手付かずの料理が並んでいたが、生憎、其れで埋める筈だった胃袋は形の無い何かで一杯になっている。
この大量の料理の処分方法を検討して嘆いているのでは無い。俺を悩ませているのは、先刻まで対面に座っていた二人から聞かされた話である事は、説明する必要も無いと思う。
結局、あの二人は「魔王は誰なのか?」という俺の渾身の疑問に対して解答を口にする事は無かった。
其の代わりと言ってはなんだが、多少ヒントめいた言葉は残していったけどな。
『俺達は嘘を吐く事が出来ない。ソイツはアンフェアだからな。適当な嘘で誤魔化す事が許されていないから、答えられない質問には沈黙以外為す術が無い』
……全く、意味不明である。誰に対してアンフェアなのか。まぁ、あの場には俺しか居なかった訳だが。
『未だ時期ではないと言い換える事も出来るか。今度会ったら、其の問いの答えをくれてやるよ。其れまでは、ソイツは宿題だ』
宿題って。何様の心算だよ、非常識なお面なんざ被りやがって。嗚呼、魔王様か? なら、もう少し「其れっぽい」格好をして来い、ってんだ。
『血反吐を吐いて、泥水啜(スス)って、命を賭けて仲間を守り抜いてみろ。其れが出来て、且つ、未だお前が生きていたら、また会う事になるさ』
言われなくても、アイツらを守るのに尽力するのは当然だし、魔王と勇者なんだから物語の最後に対面するのは分かり切ってると思うんだが。
『嗚呼、そうそう。最後に一つだけ』
立ち上がった魔王が最後に口にした言葉。
『好きな女くらい、最後まで信じ切れるよな?』
……ダメだ。ヒントが乏し過ぎる。
俺は奴らとの会話を一通り反芻した後そう結論付けようとして、そして思い留まり又も思考の海に沈み込む。
罪。其れを罪と思い込んだのは自分。俺自身。そしてハルヒは其の後悔を汲んだだけ。
けれど、本当にそうなのか?
否、アイツは嘘を吐けないと言った。其の言葉を信じるとするならば、ハルヒが為した事に対して疑問の余地は無い。
そして、魔王は、俺には嘘を吐いている様には如何しても見えなかった。……顔は結局最後まで見えなかったから「聞こえなかった」って言った方が的確だろうか。
では「嘘は吐けない」という言葉を鵜呑みにするとしよう。すると、この世界の一部が俺への罰で出来ているという事になる訳だが。
其れでも確かに納得は出来る。思い当たる節もビシバシと有るさ。
だが……。
ん?
「だが」、何だ? 何なんだ、この引っ掛かり。魔王が何者なのかとか、罰ってーのが具体的に何を指すのか、「台本」なんてのが如何して存在してんのか。そんな東京ドームの数で計れそうな山と有る疑問を差し置いても。
其れでも何かが引っ掛かる。未だ自分は根本的に何かを勘違いしているんじゃないか、という声が何処かから聞こえる。具体的には頭の後ろ。うなじの辺りが総毛立っている様な。
背後霊なんかの存在をもし俺が信じていたら、其れが警告してるんだと判断しするだろう、確信的に奇妙な感覚。
俺はこの期に及んで何を勘違いしている?
何を見落としている?
整理しろ。足りないピースは想像で埋められる。其れだけの数が揃っている……気がする。
違う。「気がする」じゃない。今日、魔王が俺の前に現れたのは何の為だ?
『お前に真実ってヤツを伝えに来たんだよ』
恐らく……いや、間違いなく。アイツが出て来たのは、必要最低限のピースを俺に提供する為だ。そうとしか奴の言動は取りようが無い。
だったら。だったら、魔王は先刻俺にどんな真実の欠片を持ってきた?
「……『アンフェア』……」
呆然と呟く。今、一瞬だけ何かが繋がった気がした。この事件の全貌が全て見えた……気がした。
まるで一瞬だけ目蓋に焼き付く稲光。
「誰に対して『アンフェア』なのか……決まってる。この場には俺しか居ない。だったら『俺に対して』しか有り得ない」
先刻まで考えていた事実を思考の棚から再度引きずり出す。
ピースは……少なくとも組み合わせれば全体像が見える所までは揃っている筈なんだ。
考えろ。考えろ。この事件の全貌を。アイツらは、何を何て言っていた!?
「不公平……公平ではない……嘘を吐くのはアンフェア……」
其処まで呟いて気付く。
「そうか……コイツはルールだ」
これがゲームならば。ゲームはルールの範囲でやらなければならない。だとすると、魔王其の他はルールを解説する側の人間なのだろう。
だからプレイヤー……俺に対して嘘を吐く事はゲームの存在其の物を脅(オビヤ)かしかねないから、出来ない。
そう、考えればアイツ等が嘘を吐けない事にも納得がいく。
そして、其処から出て来る解答は一つ。
「……奴らからもたらされる情報は全て問題文って事か」
詰まる所、これはクイズ。
「出題者があっちで回答者が俺。成る程な。少しばっかり読めてきたぜ」
此処まで考えれば必然、解答とやらが何を示唆しているのかも理解出来る。
「エンディングを自力で導き出せ……そう言ってるんだろうな、きっと」
さて、となると望み通りにしてやるのが「エンディング」への一本道なのだろう。
では早速、少しばかりでは有るが今回の事件を整理してみようと思う。
この事件の発端
・昨年の十二月
・古泉がハルヒにゲームを貸した事
この事件の目的
・ハルヒの初恋を新しい恋を提示する事で終わらせる
・十二月の俺の行動に関して俺自身が持っている罪悪感を罰をもって終わらせる(?)
この事件の性質
・ゲーム世界という形を取る
→魔王に初恋の相手を充て、主人公に新しい恋の相手を充てた
→初恋を二度目の恋で上書きする、という意味らしい
・世界改変ではなくどちらかと言うと閉鎖空間
→その為、元の世界から呼ばれた俺達の様な人間以外は厳密には人ではない
→しかし、俺達は此処で死ぬと現実でもきっちり死ぬ
→俺達は死亡だけは避けなければいけない
・創られた世界である為、現実には存在しない人間(朝倉涼子)も存在する
→実際には朝倉もこの世界の一部らしい
→出現理由は俺の後悔
ゲームとしての側面
・魔王を倒せばエンディング
→実際はそうではなく、ハルヒを充足させるか「元の世界に帰りたい」と思わせる必要が有るっぽい
→しかし、明確な筋道が存在している事から魔王を倒す必要も有るのかも知れない
・メインシナリオが存在する
→しかし、何も考えずにシナリオ通り冒険して魔王を倒せば良いというものでは無いっぽい
→魔王側は何かにつけて俺に「何か」を伝えたがっている
「……だから、其の『何か』が分からないんだっつの」
溜め息を吐いてペンを置き、殴り書きされたメモに目を落とす。
しかし、こうやって整理してみて初めて分かる事は有るな。
「今回の事件は少なくとも二つの目的っつーか目論見っつーかが絡み合ってんのか」
そして、其れが全部「魔王討伐」に集約されているっぽい。
ん? って事は、だ。
「『俺への罰=魔王討伐』って事になるのか?」
……背筋にゾクリとしたモノが走り過ぎる。
『魔王の死がエンディングに深く関わってくる以上、死は避けられない可能性が極めて高い』
確か、長門がそんな事を言っていた。アレは何の話をしていた時だった?
魔王討伐=魔王殺害=俺への罰
……待て。一寸待ってくれ。
『好い加減気付いたら如何だ? お前は人類史上最悪の大量殺戮犯なんだよ』
頼む、そんなのは勘弁してくれ。
『之は全て仕組まれていた事の様な、そんな気がするんです』
そんな事って無いだろ!? こんなのが規定事項かよ!?
『回避は不可能だ。俺が死ぬか。お前が死ぬか。世界の行く末はこの時点で二つに絞られた』
……見落としていた。見ないようにしていた。考え違いしていた。
最初から其の可能性は話されていたじゃないか。なのに目を背けた。意図的に。無意識に。
『基本的な考え方は全て相似。しかし、ジョン=スミスの正体に関してのみ違う』
そう。考えれば。考えずとも。コレが一番単純な解答。
なんで気付かなかった。気付けなかった?
『ジョン=スミスが貴方の異時間同位体であった場合』
見て見ぬ振りをしてきた。頭の何処かでずっと気付いていた。
『一番大切な人を生かす為に、二番目に大切な人を手に掛けなければならない、となったとします。もしも貴方なら、如何しますか?』
真実は常に残酷。そして気付いた時には。
……全てが手遅れ。
後半戦終了です。ではではー。
おつんつん!
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 22:47:57.09 ID:4GK+o+sY0
キター!!!
11PM
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 23:14:43.16 ID:EEOClKia0
まーた微笑み厨が沸いてるな
うぜえわ、ホント
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 23:18:33.90 ID:EEOClKia0
微笑が上がってるとなぜか急に信者が宣伝を始める不思議。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 23:44:04.96 ID:MPdS9mlsO
いちいちアゲて宣伝してるんだろ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/08(金) 23:44:57.40 ID:EEOClKia0
IDてす
休憩だ。あっぱー読も
タイガーアパカー
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
「それを本気で言ってるのか? 死ぬぞ……、古泉」
「それでも、誰かがやらなければいけないのです」
「だからって、何でお前が。機関の超能力者なら誰でも良いんだろう?」
「僕はこれでもSOS団の副団長ですからね、それを抜きにしても皆さんと居る時間は特別でしたよ。僕でお役に立てる事があれば、何でもしたいという気持ちに嘘はありません」
「……そろそろ、時間」
「さて僕は行きます。長門さん朝比奈さん、後の世界の事はまかせましたよ。それから、涼宮さんをお願いしますよ──」
最後に聞こえたのは、俺の本名だった。
何か熱い展開保守。