【離れても】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【傍にいるよ】

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
このスレはもしもローゼンメイデンが普通の女の子だったらという妄想を垂れ流すスレです

ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki
ttp://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/

nのフィールド@休憩所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/7014/
携帯からは↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/7014/

前スレはどうなったの?なんて言う時は・・・・・
2ch RozenMaiden過去ログ倉庫
ttp://rozen-thread.org/

>>2-3あたりの<<スレのルール>>があぼーんされて読めない人はwiki内のテンプレを読んで下さい
ttp://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/26.html
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:56:45.92 ID:urTh5EQR0
<<スレのルール>>
●『「コテ」を付けての投稿/書込は禁止です』
 名前覧は空白もしくは投稿SSの題名で書込してください。これは「コテハン」を否定しているのでは無く、「コテ」による投稿/書込が荒れる原因になりやすい為です。

●『性的に過激な描写は禁止です』
 そのようなSSは別のスレ(エロパロ等)に投稿して下さい、現在性的描写のボーダーラインは少年誌レベルまでです。*少年誌レベルでもNGワードを付けるようにして下さい。

●『未来アンカーやリレー小説は禁止です』
 スレストの原因になったり投稿し辛い空気になり、スレの衰退を加速するのでやめましょう。

●『ローゼンメイデンの作品に登場しないキャラを使用するのはなるべく控えて下さい』
 他のキャラやオリジナルのキャラを使う場合は下記の項目を参照してNGワードを付ける等の配慮を御願いします。
 なお同年代の男性キャラを登場させる場合には【ベジータ】【笹塚】を使うのがスレの慣例となっています。*この二人を使う場合はNGワードは不要です、二人の性格等は@wikiや過去ログ参照の事。

●『以下の項目に該当するSSを投稿するときは冒頭に注意文を付けて下さい』(例「○○ネタだから注意」「○○系につき苦手ない人スルーよろ」)
 また「メール欄」に、あぼーん用の特定のNGワードを付記するなどの各自配慮をお願いします、特に<<NGワードは全てのレスに入れる必要がある>>ので注意して下さい。
○現在のNGネタは以下のとおり ( )内はNGワードです
 百合(yuriyuri) 死を扱う(sinineta) 男色(uhouho) グロテスクな表現(guroino) 性的描写を含む(biero)*少年誌レベル ネタバレ(netabare)*基本的にコミックになるまで 他作品のキャラを登場させる(hokakyara) オリジナルキャラを登場させる(orikyara)

<<スレのマナー>>
・スレ・作品と関係ない雑談は控え、気に入らない作品や書込並びに荒らし等は無視して下さい。相手をすれば自分も同罪です。
・長編でレスを大きくまたぐときや前スレからの続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:15:55.01 ID:urTh5EQR0
上がれ
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:32:38.84 ID:L5/13y8oO
いちにおつ
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:45:44.22 ID:OiE1j0fsP
>>1
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:01:13.58 ID:ea15IuhsO
いちおつ
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:16:06.88 ID:D1sFj2tE0
乙つ
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:29:57.68 ID:D1sFj2tE0
お風呂入るのさ
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:40:51.65 ID:MFD7lHGhO
いちおつ!
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:52:28.86 ID:L5/13y8oO
保有数も増えたしあげて寝るぜ
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:02:20.46 ID:rB+jFKna0
薔薇>>1乙女
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:13:11.66 ID:1GOCdLxW0
いちおつ
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:13:41.99 ID:MFD7lHGhO
ジ「ただいま〜…ってそうか、今日はみんな出掛けてるんだったか。やれやれ、久々の一人の夜だ。盗んだバイクで走り出すより家でまったりくつろぐかね」

ガチャ
ジ「なにはともあれまず何か食い物は…ん?『ジュンくんへ。ケーキを買ってあるのでお腹すいたら食べてね。夕飯はラップしてあるのをチンしてください。チンする前にラップはがしちゃダメよぅ!』…か。やれやれ、ご苦労なこった」

ムシャムシャ
ジ「んー、んー、んー。甘い。ふはは、甘いわぁあああああ!!…さて、なんかテレビでも見るか…お?『ジュンへ。為になりそうな番組を録画しておいたから見なさい』…?ま、ちょうど見たい番組もなかったし…
えー、“緊急特番、紅茶好きな金髪ツインテールお嬢様の正しい愛し方!〜貴方はもっと犬らしくなれる〜”…えらいピンポイントな番組もあったもんだな…つーかディレクターとプロデューサーが発狂でもしたか?さて、メモとペンはどこいったかな…」

ザバー
ジ「はー、さっぱりした。風呂場でワイングラスでジュースを飲むとは僕もなかなか粋な事をする…しかしなんか疲れたな。あの特番が三時間半もあったせいか。今日はもう寝るかなぁ…と布団をめくったところにあるパンティーに驚きと驚愕と動揺を隠せない僕はガラスのボーイ。
…退けないとな。寝れないもんな。退けないとな。寝れないもんな。退けないとな。寝れないもんな…では、ルパンキャ〜チッ!!」バチン!「ギャー!桃色パンティーに繋がれていたピアノ線からネズミ取りへと続くその道のりは青春の掛け橋だーッ!!
…と、何だこのネズミ取りにくっついてる紙は。どれ…『桜田くんに罪はありません。どうか私が今ノーパンでいる事が、桜田くんの古びたタンパク質の循環に一役買いますように。貴方の柏葉巴』…
あれ?なんか、大して普段と変わらない1日だったな」


【離れても】【傍にいるよ】
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:27:05.20 ID:x8f1ysA30
いちおつ!

>>13
怪談かと思ったらいい日常物だ!
…巴日常的にそうなのか…w
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:30:04.21 ID:ea15IuhsO
いっていいかな
ちょっと長くなった
16第2話・名前を呼んで:2009/05/04(月) 23:32:13.13 ID:ea15IuhsO
翌日、約束どおりジュンは巴に連れられ学校への道を歩くことになった。
「有璃珠学園ってどんな学校?」
沈黙を避けようと、早々にジュンがそんな疑問を話題にする。
「中高一貫の共学で…あの、普通は進学のときにしか編入はないところなんだけど…」
後半を言い辛そうにする巴に、ジュンが笑いながら気にしないよう言った。
「ん…そう…話を戻すね。
……そうだなぁ、学園の真ん中に、"nのフィールド"って湖があるのが、やっぱり一番特徴かなぁ」
「"nのフィールド"?変な名前の湖…」
「うん、わたしもそう思う」
ジュンが洩らした感想に、巴が笑いながら相づちを打つ。
「でね、その湖にはいろんな言い伝えがあるんだけど…
…まぁそれに準えた学園行事が多いし、追々知ることになると思うよ」
他にも巴はいくつか学園の話をしたが、「敷地がやたらと広い」「学食は豪華だけど高い」といったことを除けば普通の印象をジュンは持った。

家を出発して20分。
「ここが有璃珠学園よ」
「はー…すご……」
道中話は聞いていたが、校門前なのに校舎が見えないほどの広さとはジュンは想像もしていなかった。

「桜田くん、せっかくだし"nのフィールド"まで行ってみる?」
「…うん、見てみたいかな」
「決まりだね。こっち」
ジュンの答えに、巴は笑顔を見せた。
学園までの道中で、二人の間にあった溝はだいぶ埋まったようだった。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:32:41.02 ID:MFD7lHGhO
>>15
保有数増えたし問題なし。どんどんいったれ。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:33:00.22 ID:ea15IuhsO
巴に連れられて到着した湖は、ジュンが思っていたより遥かに大きく、そして美しかった。
「……はああ…」
思わず、感嘆の声が洩れた。
「…喉、渇いたね」
「……うん」
「ジュース買ってくるけど、桜田くん、何がいい?」
「……うん」
湖を見つめたまま上の空な返事をするジュンを見て、巴は少しいたずらしたくなった。
「そうだ、桜田くん。食虫植物って知ってる?虫をおびき寄せて食べちゃう植物のことらしいんだけど」
「……うん」
「昔むかし。学園ができるずーっと昔。この湖はその頃からここにあったの。
あるとき、ひとりの旅人がここの森で迷ってしまった。その旅人は森を彷徨って、そしてこの湖に辿り着きました。
その旅人は喉がひどく渇いていたのも忘れ、湖を見た途端その美しさに心奪われてしまいました」
「………」
いつの間にかジュンは巴の語りに意識を移していた。
「ところで、この湖にはある小さな妖精が棲んでいたの。
彼らはいつも湖を綺麗にしていたんだけど、なぜだかわかる?」
ジュンの興味が湖から自分に移ったことに気付いた巴は、ジュンに問い掛けた。
「…綺麗好きだったから?」
「…間違いではない、かな?
妖精たちはね。この湖に魅了された生き物を捕食して生きていたのよ。
……さて、その旅人はどうなってしまったのでしょう?」
再び巴はジュンに問い掛けた。
「よし、柏葉さん。帰ろう、今すぐに」
「……ふふふ、冗談よ」
青い顔で動揺するジュンを見て、巴は耐え切れなくなって笑いだした。
「全部、作り話。そんな怖い妖精はいないから、安心してここで待ってて」
そう言って、巴はジュンを残してジュースを買いに行ってしまった。
「う、嘘だと…?」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:36:01.12 ID:ea15IuhsO
巴が姿を消して数分。先ほどの話が影響し、純粋な気持ちで湖を見れなくなったジュンが適当な木の根元に座って待っていた。
「柏葉さんは全部作り話って言ってたけど、これだけの湖だもんな。妖精くらいいてもなんら……」
―――パキッ
背後で小枝が折れる音がして、ジュンは身を硬くした。
「(待て待て待て、何今の音!?妖精さん来ちゃった!?)」
そんな怖い想像がジュンの頭をよぎり、ごくりと唾を飲み込んだ。
「(…どうしよう……)」
しばらく悩んだジュンであったが、意を決して立ち上がり、背後を振り返った。
そこにいたのは、左右で異なる光を放つ瞳と長い栗色の髪が印象的な妖精。
ジュンは一瞬本気でそう思った。
「(…これなら、湖に頼らないでも相手を魅了できるんじゃないかな……)」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:37:38.44 ID:ea15IuhsO
しかし、彼を夢の世界に飛ばしたのが妖精なら、現実に引き戻したのもまた妖精の悲鳴であった。
「いやぁぁぁぁぁあっ!!変質者ですぅぅぅぅっ!!」
「うなっ!!?」
その妖精…もとい、少女はいきなりジュンを『変質者』呼ばわりしたのだ。
その悲鳴の内容と音量にパニックになったジュンだったが、とりあえずこのままでは良いことは何もないと判断し、慌ててその少女を黙らせようとした。
しかし、それがさらなる状況の悪化を招いてしまうこととなる。
「待って、落ち着いて!」
そういって少女の肩に触れようとした。それを見た少女は、悲鳴の音量を引き上げ、さらにとんでもない内容を口走った。
「コイツ翠星石の可愛さに欲情しやがったですぅぅぅぅっ!!」
「うわあああああああっ!!?」
もう訳が分からなくなったジュンは、そのパニックに任せて少女の口を手で塞ごうと身を乗り出した。
しかしパニックのあまり足がもつれた。
「きゃあああああっ!?」
なんという悲劇の連鎖。少女をジュンが押し倒す形になってしまった。
「(何この大惨事…夢に違いない、うん)」
「………ぅ…」
ジュンが現実逃避に走りかけたとき、少女が先ほどまでとは打って変わって小さな声で何か言った。
「え?」
「…痛いのは、勘弁ですぅ…」
観念したらしいその少女が涙目で発した言葉はジュンの脳天を直撃し、
あぁもうなんかどうせ夢だし流されていいかなぁ、と思ったそんなとき、
「…桜田くん」
恐怖の存在を背後に感じ取り、ジュンはこの大惨事が現実だと言うことを思い知った。
「巴!?いいとこに来たですぅ!この野郎を叩き斬って欲しいですよ!」
「ち、違うんだこれは!!どう違うのか、もう僕にもさっぱりわからないんだけど!」
「…そっか、桜田くん、翠星石みたいな娘がタイプなんだ、そっか、そっか……」
三者が三者とも互いの発言を全く聞かずに喚き散らし、もはやカオス以外の何物でもない惨状がそこにあった。
「あらあら、騒がしいですわね」
そのカオスを打ち払ったのは、騒ぎを聞き付けてやってきたひとりの教師だった。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:39:40.83 ID:ea15IuhsO
「事情はわかりましたわ」
現れた女性教師・雪華綺晶は、喚き散らす三人を落ち着かせつつ、
その間に三人の喚く支離滅裂な主張を整理して完全にその場の状況を理解したようだ。
「なんにしても、何事もなかったならそれで宜しいですわね」
そう治めようとする雪華綺晶に少女――翠星石は噛み付いた。
「よくないですよ!危うく翠星石はこの肉欲獣に乙女の花を散らされるところだったですよ!?」
「だ、だから僕は…」
「ひぃぃっ!」
「桜田くんはロング派…」
せっかく宥めた三人が再び騒ぎだすのを見て、雪華綺晶は溜息をついた。
「はぁ…いい加減にしないと、さすがのきらきー先生も怒りますわよ?」
ふわふわとした外見の雪華綺晶だが、その言葉に得体の知れない威圧感を感じた三人は本能的に言い合いを止めた。
「…そろそろお昼の時間ですわ。仲直りするには一緒にお食事するのが一番だと思いますの」
三人が黙ったのを確認した雪華綺晶は微笑みながらそう言って、回れ右をして歩きだした。
「さぁ、学食へ参りますわよ。
奢れる程たくさんお給料を貰っているわけではありませんので、期待はしないでくださいまし」
そんな後ろ姿を、三人は慌てて追い掛けた。
先ほどのプレッシャーを浴びながら彼女に逆らえるものが果たしてこの世にいるのだろうか。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:41:14.08 ID:ea15IuhsO
「ふーん…そうですか、この肉欲獣は巴のところで飼われてるですか」
「…肉欲獣言うな」
「肉欲獣に肉欲獣って言って何が悪いですかチビ人間」
「お、おまえより僕のほうが大きいだろ!?」
「細かいことを気にするその器が小さいと言ってるのです」
「肉欲獣呼ばわりが細かいことだぁ!?」
「コホン」
徐々に言い合いに熱が帯びてきた二人を、雪華綺晶が咳払いで一喝した。
「ごはんは楽しく食べるものですわ」
そう言う雪華綺晶の前には信じられない量の食事が並んでいた。全て彼女の昼食である。
最も安い商品がかけうどん300円である学食でこの量の支払いは一体いくらになるのかジュンにはとても想像がつかない。
そしてそれを支払えてしまうほどの給料を薄給と言い切る彼女の金銭感覚にジュンは目眩を覚えた。
「で、君が噂のジュンくん?」
この質問の間に、雪華綺晶はかけうどん(大盛)400円・きつねうどん(大盛)490円・肉うどん(大盛)590円を一瞬で平らげた。
「…どんな噂かは知らないですが、そうです」
その様子に、ドン引きの見本と言えるほどにドン引きしながらジュンは答えた。
その間にも各種そば(大盛)、各種ラーメン(大盛)が彼女の胃袋に消えていった。
その信じられない光景を唖然と見つめるジュンの脇腹を巴が不意に突ついた。
「気持ちは分かるけど、女の人が食べてる姿をじろじろ見るのはあまりよくないと思うよ」
「う…すいません、雪華綺晶先生」
「気にすることはありませんわ。でも、わたくしのことはきらきーとお呼びになって?」
有璃珠学園名物・三色麺(大盛・全部乗せ)という、うどん・そば・ラーメンが一堂に会した、どう見ても誰か一人を対象に開発されたと思われるメニューをやはり一瞬で片付けた雪華綺晶は、そう微笑んだ。
「きらきーはいつもこれ以上軽く平らげるですぅ。もう驚き疲れちまいましたよ」
雪華綺晶の隣で、持参していた小さな弁当を食べ終えた翠星石がそう呟く。
「チビ人間が肉欲獣なら、きらきーは食欲獣ってところですねぇ!」
うまいこと言ってやったと言いたげに笑顔を浮かべた翠星石に、雪華綺晶は歯を剥き出しにする独特な笑顔を向けた。
「翠星石ちゃん?その話を再び蒸し返すようなら、きらきーは肉食獣になってしまうかもしれませんわ」
翠星石の得意げな表情はあっという間に消え去り、
「な、なんのことかわからんですぅ〜」
と青い顔をしながら誤魔化した。
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:42:26.69 ID:ea15IuhsO
それからいくらかの話をし、翠星石がジュンを肉欲獣と呼ばなくなった頃。
「あらあら、もうこんな時間ですわ」
ふと時計に目をやった雪華綺晶が空になった食器を器用に重ね、立ち上がった。
「あ、翠星石もそろそろ…」
釣られて時計を見た翠星石も忙しなく席を立つ。
「ではお二人とも、ごきげんよう」
「また今度ですぅ」

「わたしたちもそろそろ帰ろうか」
二人の姿が見えなくなると、巴が立ち上がってそう言った。


「…なんか、面白そうな学校なんだな」
帰り道、独り言のようにジュンが呟いた。
「うん」
律儀に相づちを返す巴に、ジュンがふとした疑問を投げ掛けた。
「そういえばあの…きらきー先生は何の担当なんだ?」
「きらきー先生は日本史の先生。兄さんの大学の後輩なんだって」
「白兎兄さんの?」
「うん。たぶん今日も一緒に取材じゃないかな」
「…取材?」
聞き慣れない単語にジュンが首をかしげる。
「そっか、桜田くんは知らなかったっけ。兄さんはこの町の伝承とか調べてる学者なんだよ」
「へぇ…」
「…まぁどんなこと調べてるのか、わたしもよく分からないんだけどね。
兄さんにそういうの聞いたら話が脱線して長くなっちゃうから」
桜田くんも聞くときは覚悟したほうがいいよ、と巴は笑った。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:43:24.63 ID:ea15IuhsO
玄関を開けると、ちょうど出かけようとするところだったらしい白崎がいた。
「お、二人ともお帰り。デートは楽しかったかい?」
ただいま、と声を掛けようとした二人に白崎が先制攻撃でからかいの言葉を投げ掛けた。
「で、デート…」
「兄さん!!」
一瞬で顔を真っ赤にした巴が、白崎をポカポカ打ちながら非難を浴びせる。
「ごめんごめん…じゃあ今から僕はでかけてくるけど、留守番は頼んだよ」
「…ぷぃ」
笑いながら謝る白崎だったが、巴は膨れっ面で居間に姿を消した。
「あはは、怒らせちゃったよ。ジュンくん、悪いけど機嫌取りと留守番は頼んだよ」
「が、がんばります」
白崎は玄関の扉を閉じた。


ジュンが居間に入ると、巴はクッションを抱っこしてソファに横たわっていた。
「(まだむくれてる…)」
やけに子どもっぽい巴の態度に、ジュンの頬も思わず緩む。
「…今日はありがとう、柏葉さん」
「……」
応答はないが、ジュンは構わず続けた。
「なんていうか、楽しかった」
「……」
「でさ、昨日白兎兄さんが言ったこと覚えてる?」
「…呼び名のこと?」
「そう、それ。きらきー先生や翠星石と話してたら、それしきのことで身構えてたことがアホらしく思えてきてさ」
「…うん」
「やっぱ、『柏葉さん』はよそよそしいよな」
そこで一度話が途切れた。
ジュンは深呼吸をし、巴は起き上がり、ジュンのほうを振り返る。
ジュンの目には決意の光が灯り、巴の目には期待の光が灯る。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:44:17.60 ID:ea15IuhsO
「これから、よろしく。











柏葉。」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:45:31.88 ID:ea15IuhsO
「………ごめん、聞こえなかった」
長い沈黙のあと、巴が再び聞き返した。
「…え…と……これからよろしく、柏葉」
「………」
巴の目の光が冷たい色に変わる。
「…柏葉?」
「桜田くんのバカ」
冷たい声でそう言い放ち、巴は居間を飛び出した。


数分後、居間。
うなだれる男一人。言わずもがな、ジュンである。
「…なんで…なんで……」
さすがのジュンも、あの状況で『柏葉』と呼ぶのが正解だとは思っていない。
『巴』と呼ぶつもりだった、巴の目を見るまでは。
巴の目を見た瞬間、どういうわけかジュンの決意は濡れた綿菓子の如く溶けて消え去ってしまったのだ。
このときのジュンの心境が果たして他人に分かるだろうか。
固めた決意が一瞬後に跡形もなく消え去っているときの心境を。
なんのことはない。ヘタレとはこういうものなのだ。


夕方帰宅した白崎は、昼間にいたはずの仲睦まじい二人の面影が消え去っていることにひどく戸惑ったという。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:46:55.32 ID:ea15IuhsO
ジ「次回予告…」
巴「(ジトー…)」
ジ「うぅ…」

白「…さて、第二話も終わりましたね」
翠「やりづれぇですよ…」
雪「気にしたら負けですわ」
白「今回『もしかしたら…』程度に元ネタが見えてくる方がいらっしゃるかもわかりません」
ジ「いや、どうだろう」
巴「(ジトー…)」
翠「おめーらはこっちにくるな」

雪「次回、それはヘタレの一大事」
ジ「もう許してくださいお願いします」
巴「(ジトー…)」
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:49:51.16 ID:ea15IuhsO
以上です

大タイトルは次回出す予定です
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:09:35.42 ID:2sdkpi0+O
読む前に上げるのだ
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:14:32.29 ID:yJQXKujV0
>>28
新しい連載が増えて嬉しいぜ
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:18:15.45 ID:2OR8vIHb0
>>1乙です!
>>28 すげー楽しみ
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:05:24.56 ID:wqfovh+QO
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:15:59.46 ID:UEqIp0Qt0
>>28
『きらきー先生』
この単語だけでご飯食べられるようになりました!ありがとうございます!
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:20:27.55 ID:UEqIp0Qt0
投下します。
NGはメール欄、単発スレタイものです。
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:21:12.79 ID:UEqIp0Qt0
「……もう、三年も経ったのか」
「ええ……そうね……」

降りしきる雨の中で、私はジュンの持つ傘の下で小さく答えた。

人間はいつか死ぬ。それは避けられない運命。
そうとは知っていたつもりだった。
それなのに……
早すぎる別れ。友人である蒼星石の突然の逝去から三年経った今も、私達は悲しみを拭いきれずに居た。

泣き止む事を忘れたかのように降り続ける雨の中、私は蒼星石のお墓を探して歩き続ける。
石畳を打つ音だけを聞きながら歩く私が思い出すのは、去年彼女のお墓を訪れた時の事。


きっと、翠星石自身、蒼星石との死別を認めたくなかったのだろう。
翠星石がお墓参りに来る事の無かった蒼星石のお墓は、雑草が茂り、苔に蝕まれていた。

ジュンはその光景に、翠星石の薄情さを咎めるような事を言っていた。

でも、私はそうは思わなかった。

人の心は、ささいな事でも深く傷つく。
翠星石は誰よりも蒼星石を愛していた。
彼女が心に負った傷は、現実と向き合うには深すぎたのだろう、と。
翠星石は、未だに蒼星石の死を認められずにいるのだろう、と。


過去の記憶を手繰り寄せながら、私は蒼星石のお墓を探して歩く。やがて……
「真紅、あれ……」
そう言ったジュンの指し示す先には、一つの墓標が静かに佇んでいた。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:22:25.89 ID:UEqIp0Qt0
去年は荒れ果てていた彼女のお墓は、今年は綺麗に掃除されていた。

「……久しぶりね、蒼星石」
私はそう声をかけながら、蒼星石の墓標へと近づく。

「……この様子だと貴方のお姉さんは、悲しみを乗り越えてくれたようね」
小さく、囁くように呟く。

「翠星石は優しすぎるから、本当は繊細な人だから、って貴方はいつも言っていたわね……」
呟き、花を手向ける。

「これで貴方も……安心して……」
堪えなければと思っても、私の声には嗚咽が混じり始める。

蒼星石の死が悲しいのか。翠星石の成長が感じられたせいか。
その全てか。

気が付けば私は、雨に濡れるのも厭わず、蒼星石のお墓に泣きながらすがり付いていた。
彼女の墓標は、まるで生命そのもののように不安定で、儚いものに感じた。

時間にしたら、ほんの数分の事だろう。

「……風邪、ひくぞ」
ジュンが私にそう言いながら傘を差し出す。

私は涙を拭き、いつもの気丈な表情を作ってから立ち上がる。
「……みっともない所を見せてしまったわね。忘れて頂戴」

ジュンと、蒼星石の墓標にそう告げ、私はその場から立ち去る事にした。
 
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:23:33.70 ID:UEqIp0Qt0

そして、蒼星石のお墓参りの帰り。

「ジュン。貴方は先に一人で帰ってなさい」
私はそう言い、タクシーを捕まえる。

「……どこに行くんだよ」
「ちょっと用を思い出しただけよ」
「……そうか、わかった」

きっと、ジュンも気付いてはいるんだろう。それ以上の詮索は無い。
私は捕まえたタクシーで、彼女の所へと一人で向かった。


道中、ずっと何かが胸に引っかかる感触が離れなかったが……
「嫌な雨ね……」
天候のせいだろう、と自分に言い聞かせる事にした。


翠星石の家の呼び鈴を鳴らすと、彼女はすぐに出てきてくれた。

「いやー、真紅!久しぶりじゃねーですか!」

そう顔を出した翠星石は、私が知る限りではここ数年無い程の元気の良さだった。
蒼星石が急逝してからというもの、翠星石は太陽を失った植物のように衰え、痩せてしまったが……

「もう元気になったようね」
「そりゃあ翠星石の元気が無かったら、空から槍が降ってくるですぅ!」

楽しそうに笑う翠星石からは、陰鬱な雰囲気は微塵も感じられなかった。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:24:20.55 ID:UEqIp0Qt0
「たまたま近くに来たのよ」
私は、あらかじめ心の中で準備していた小さな嘘をつく。

だが、翠星石は理由には興味が無いといった表情で、私を家の中まで迎え入れてくれた。

リビングまで通され、そこで私が見たのは、テーブルの上で湯気を上げる小さな二つのカップ。

「あら、お客さんが来ていたの?」
そう言う私に対し、翠星石は「いやいや、何でもないですぅ」とだけ答えた。

ひょっとしたら、彼女も自宅で蒼星石を悼んでいたのかもしれない。
咄嗟にそう思ったが……
私にとっては久しぶりに見た翠星石の笑顔。
それが曇るのを見るのはあまり嬉しくはないので、それ以上は踏み込まない事にした。

そのかわり。

「ふふふ。てっきり私は、素敵な男性とお茶でも飲んでいたのかと思ったわ」
友人として、他愛ないお喋りをする事にした。

「ななな何言ってるですか!すすす翠星石はそんなハレンチな事……」

顔を真っ赤にして慌てる彼女を見るのも、何年ぶりだろう。
ついついほころんでしまう表情のまま、私は彼女をたしなめる事にした。


テーブルに着き、新しく翠星石が淹れてくれた紅茶と、彼女が自分で焼いたというスコーンを囲む。

久しぶりの、笑顔で交わす友人同士の会話。
場合によっては翠星石を慰める事も考えていた私にとって、それは必要以上に楽しい時間でもあった。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:24:53.96 ID:5ADRB//f0
凄い疑問なんだけど
人間だったらローゼンメイデンじゃないんじゃない?
それとも人間同士で殺しあうの?
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:25:09.63 ID:UEqIp0Qt0
「あの時は、真紅が作った目玉焼きが黒コゲになって大変だったですぅ!」
「でもそのお陰で、カラスが寄って来なくなったんじゃない。
 そう考えると、結果としては私が一番の活躍だったんじゃない?」

昔の思い出話に花を咲かせながら、既に何杯目かも覚えていない紅茶のおかわりを貰う。
翠星石も瓶から砂糖を何杯も入れて紅茶を飲む。

「でも今では、私も料理が出来るようになったのよ?」
「ほー、それは意外ですぅ。真紅は何を作ったりするんですか?」
「それは……その……冷やっことか…湯トウフよ」
「あはは!確かにそれなら、失敗しようが無いですぅ!」

笑い転げている翠星石を、私はちょっとだけ拗ねたフリをして見つめる。
翠星石は目の端の涙を拭きながら、「いやいや、大した成長っぷりですよ」と合いの手を入れてきた。
それから再び、翠星石はとても甘くなっているであろう紅茶を口元へと運ぶ。

私は紅茶にミルクを入れる事はあっても、砂糖を入れることはあまりない。
それでも、目の前でこうも美味しそうに砂糖を入れた紅茶を飲む翠星石を見ていると……
ちょっとだけ、甘い紅茶も悪くない気がしてきた。

私は特に意識せず、翠星石とお喋りをしながらテーブルの上に置かれた砂糖の瓶に手を伸ばす。
だが、私の手は瓶に触れる前に、翠星石に腕を捕まれて止まっていた。


「触るなですぅ!!」

今まで聞いたことも無い、翠星石の怒号と言っていいほどの叫びがリビングに響く。
私を睨みつけるその表情は……どこか、言いようの無い圧倒的な何かを感じさせる。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:25:54.29 ID:UEqIp0Qt0

「ご…ごめんなさい……」
突然の事に気おされた私は、そういうと慌てて手を引っ込めてしまった。

「……お砂糖ですか?今持って来てやるですぅ」
翠星石はまるで仮面のように再び柔らかい表情を作ると、そう言いキッチンへと向かっていく。

その最中、私に背中を向けたまま……
翠星石は小さな、それでいてはっきりと聞こえる声で、言った。

「……最近、夢を見るですよ……―――― 」









 
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:26:56.01 ID:UEqIp0Qt0

翠星石の家からの帰り道。
タクシーの中で、私は静かに目を閉じながら今日一日を振り返っていた。

突然の剣幕には驚いてしまったけれど……それでも、翠星石が元気になってくれて良かった。
これならきっと、蒼星石も浮かばれるだろう。
それにしても、彼女は何故、あんなに怒ったのだろう。
あの瓶の中身は砂糖でないのなら、一体何だというのだろうか。

ほんの、他愛ない疑問。
明日になれば忘れてしまうような。

でも……その時私は、行きのタクシーで感じた不自然さを不意に思い出した。

嫌な、とても嫌な感じがする。

「……行き先を変えて頂戴」
私はタクシーの運転手にそう告げる。

嫌な予感がするけれど……このまま帰ってはいけない。そんな確信が、心のどこかに存在していた。




 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:27:40.00 ID:UEqIp0Qt0

そうして私は今、再び蒼星石のお墓の前に居る。

傘を差し出してくれる相手が居ないので、服は雨に濡れている。

「……蒼星石……先に謝っておくわ。ごめんなさい」

そう、はっきりとした口調で告げてから、墓標に触れる。

生命そのもののような不安定感。
あの時は、そう感じた。
だが……それは心情的なものではなく、実際に彼女の墓標は不安定になっていた。

まるで誰かが動かし、体裁だけ整えてから去ったかのように。

私はほんの少し力を込め、墓標を押す。
するとそれは、崩れかけの砂の土台にでも建てられていたかのように、実にあっさりと倒れた。

心臓が痛いくらいに、激しく脈打つ。
雨が滴る髪が、顔に張り付く。

私が覗き込んだ蒼星石の墓穴には……何も無かった。

遺品も、遺骨や遺灰も。


 
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:29:25.67 ID:UEqIp0Qt0

まるで何か悪い夢のように、翠星石の言葉が思い出される。


『最近、夢を見るですよ。
 夢の中で蒼星石が、「離れていても、傍に居るよ」って言ってくれるですぅ』


そう言った時の翠星石は、私に背中を向けていた。
だけれど、ひょっとしたら、彼女はあの時、笑っていたのではないだろうか。
彼女は既に、静かな狂気の世界に足を踏み入れていたのではないだろうか。
砂糖ではない『何か』を飲みながら、彼女は『誰か』を感じていたのだはないだろうか。


全ては、予想でしかない。

証拠といえそうなものは、何も残されていない蒼星石のお墓だけ。


それでも私は……
決して雨のせいではなく、体の芯が凍りつきそうな感覚に震えていた。




 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:30:09.96 ID:UEqIp0Qt0
終了です。

>>39
ストックキャラとしてローゼンメイデンの登場人物を使う、ssのスレ。
って事じゃね
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:38:31.74 ID:jf1ndKf00
>>39
好きに解釈しなよ
作品としてのローゼンメイデンのキャラ全員(ジュンも梅岡も一葉も)普通の女の子でかまやしないし
ローゼンメイデンが「普通の女の子」を指す言語の国の話かも知れないんだから。

あと人の投下中に割り込むな
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:32:28.31 ID:UEqIp0Qt0
おやすみーっと
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:45:39.73 ID:8t8bWDSYO
>>1
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:52:57.38 ID:00NOYFIMO
いちおつ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 06:47:26.15 ID:GeReFzzQO
おは
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 07:05:40.25 ID:rAdmba9OO
おはほしつつ>>1
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 07:10:53.55 ID:Lc4FiM6GO
>>44
こえぇ…翠こえぇ……


53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 07:48:51.81 ID:2sdkpi0+O
おっは〜
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 09:06:30.58 ID:Lc4FiM6GO
おはよう
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 09:48:43.10 ID:wqfovh+QO
おやすみ
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 10:11:24.71 ID:2sdkpi0+O
>>55
ジ「やあ、同志がいるぞ」
め「あら、同志がいるわ」
翠「お前らちょっと体育館裏に来いです」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 11:11:40.36 ID:8t8bWDSYO
あげなのだわ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 11:25:02.06 ID:2OR8vIHb0
おはよう
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 12:22:01.95 ID:8t8bWDSYO
あげかしら
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 13:18:25.46 ID:9hna3fDuO
あげ
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 14:04:55.17 ID:X2QyNizL0
あげげ
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:11:01.43 ID:9hna3fDuO
あげ
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:19:44.64 ID:GeReFzzQO
み「GWかぁ……仕事も休みだし退屈だなぁ」
借金取り「ウチはおかげさんで仕事があってね。娘を遊園地に連れてけんのですよ、草笛さん」
み「まぁまぁお茶でもどうぞ」っ茶
借金取り「これは丁寧にどうも」
み「ところでお宅は給付金どうしたんですか? もう貰いました?」
借金取り「いやぁ、ついE・Tとやらを買いましたよ。週末は旅行ですよ」
み「それはそれは」



ジ「あれが借金踏み倒し女王の話術か……」
蒼「金糸雀はバイトに行ったらしいよ」
ジ「……卵でも買ってやるか」
蒼「そうだね」
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 16:22:02.13 ID:9hna3fDuO
みっちゃん…
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 16:57:33.58 ID:D9j1Uc5C0
ジ「『ローゼンメイデンが普通の女の子だったら』・・・」
紅「そのスレタイがどうかしたの?」
ジ「いや・・・このスレは『ローゼンメイデンは普通の女の子』という大前提がある」
紅「ええ、そうね」
ジ「その大前提を覆そうと思う」
紅「覆す?」
ジ「『ローゼンメイデンが普通の女の子じゃなかったら』・・・!」
紅「!!・・・例えば?」
ジ「人形・・・とか」
紅「原作読め」
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:49:59.79 ID:yJQXKujV0
おはよう
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:18:21.61 ID:8t8bWDSYO
あげですぅ
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:55:27.95 ID:AEW/Bf4gP
>>13
いいテンションだ。一役どころか十役は買うことになるであろう
>>28
ジュンのヘタレもわかるがやはり口惜しいのぅ
しかし甘酸っぱいことに定評のある二人なのでじっくりと見守っていきたい
ちなみに元ネタはまったく見当もつかぬ
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:06:58.93 ID:yJQXKujV0
こどもの日も終わりか
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:22:41.57 ID:DjQ9wLYAO

「離れても、傍にいるよ」

寂しくなるねと言った私に、その言葉を添えて、貴方はプレゼントをくれた。
貴方をデフォルメした、ぬいぐるみ。
徹夜で拵えたのだろう。ちょっと縫い目が粗い。
私は、アナタを胸にきつく抱きながら、貴方の乗る飛行機を見送った。
どこまでも高い蒼穹に消えてしまう前に、私の視界は滲んでしまったけれど。


それから毎週、貴方は留学先で買い求めた絵ハガキで、便りをくれた。
風習の違いに戸惑う様子や、言葉の壁に苦しめられていること、等々・・・
行の間、字の傾きから、貴方の苦悩が偲ばれて、私は落ち着かなかったものよ。
そんな夜には、返事の手紙を書いた後、アナタを抱いて眠ったわ。
せめて、遠い異郷の貴方に、安らかな時間が訪れますようにと祈りを込めて。
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:36:09.46 ID:DjQ9wLYAO
>>70

三ヶ月が経ち、貴方からの便りは隔週になった。
半年が過ぎて、それは一ヶ月に一回となった。
便りの無いのは元気な証し。貴方も異郷での生活に慣れてきたんだよね。
それは喜ぶべきことだし、貴方の努力を賞賛すべきだとも思う。
でも・・・やっぱり私・・・寂しいな。


国際電話というものを、私が生まれて初めて使ってみたのは、そう――
離れ離れになって、一年が過ぎた頃だったよね。貴方からの便りは、もう来なくなってた。
胸騒ぎがして、時差も考えずにかけたから、貴方を深夜に叩き起こしてしまったのよね。
受話器から届く貴方の声は、奇妙に硬かった。
その時は、寝ぼけ半分だから、そう聞こえただけなのだと思っていたのよ・・・。


そんなことがあって暫くの間は、貴方も近況を絵ハガキにしたためてくれた。
でも、それも長くは続かなくて・・・半年も経つと、また音信不通になった。
私から頻繁に手紙や電話をしたら、貴方の邪魔になるかもしれないし・・・
なにより、しつこいと拒まれてしまうのが怖かったのよ。
私は毎晩のようにアナタを抱きながら、不安な眠りに就いていた。
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:49:36.21 ID:DjQ9wLYAO
>>71

二年目の夏休みに、貴方は帰国した。私に一報もくれずに。
貴方のお姉さんに教えてもらわなかったら、帰省したことさえ知らなかった筈だ。
どうして、こそこそ隠れるように戻ったのか。咎める気持ちよりも、その理由が知りたくて。
だから、私は貴方の家を訪れた。そして、知ってしまったわ。
貴方の隣には、美しい女の子が寄り添っていた。


高潔な気品をまとったブロンドの女の子を、貴方は『真紅』と呼んだ。
とても優しく。とても愛おしげに。
向こうで知り合った留学生同士なのだと、貴方はいう。
それにしては馴々しすぎるのではないかと思うけれど、私には何も言えない。
所詮、私は単なる幼なじみ。見守り、ただ応援するだけ。


貴方が真紅と共に留学先へと戻っていった日、私は見送りに行けなかった。
貴方たちの仲睦まじい姿を見ているのが、いたたまれなくて。
その日はずっと、夜になるまで悶々としていた。
勇気をもって変わった貴方と、変われなかった意気地なしの私――
悪いのは、やっぱり私の方なのかな? ねえ、どう思う・・・桜田くん。
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:00:22.65 ID:DjQ9wLYAO
>>72

そして更に半年が過ぎて、もう三年・・・。そろそろ、ケジメを着けようと思う。
ぬいぐるみに――アナタに罪はないけれど、傍に置いておくと辛くなるから。
だから、捨てるね。ごめんなさい、桜田くん。
私は手にしたハサミの切っ先を、ぬいぐるみの縫い目に宛った。
そこに詰め込まれている私の想いも、解き放つつもりで。


――結局、捨てられなかった。
私は今夜も、貴方のぬいぐるみを抱きしめて眠る。
貴方も、こんな風にあの娘を・・・真紅を抱いて眠ってるのかな。
やだ。もう考えたくない。
私はアナタに鼻を埋めて、そっと匂いを嗅いだ。


別々の道を歩きだした、あの日から・・・ずっと傍に居てくれるアナタ。

「僕はいつでも、傍にいるよ」

夢に落ちていく寸前、そんな囁きを聞いた気がして、少しだけ心が安らいだ。
こんな私を、貴方は寂しい女だと笑うのかな? それとも・・・。
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:02:55.97 ID:DjQ9wLYAO
>>70-73
以上、保守がてらのスレタイもの即興書きでした。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:42:27.75 ID:8t8bWDSYO
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:42:44.01 ID:rJ0Hl0KI0
同一人物(高校生)による殺人予告。通報協力頼む

2ch ファ板
http://dubai.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1240148502/
>>630>>695

チャットのキャプチャ
ttp://uproda.2ch-library.com/125152Lzo/lib125152.jpg
ttp://uproda.2ch-library.com/125157ggU/lib125157.jpg
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:45:43.69 ID:AEW/Bf4gP
中に誰もいませんよ的な解決方法を推奨
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 20:56:14.30 ID:GeReFzzQO
こうゆうのって男が勝手なのか女が執念深いのか……
巴だと執念深いと考える俺末期
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
まぁ巴は待つからな