1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
「とんでもない巨根の持ち主として学園中から一物……失礼、一目置かれていた君が、
まさか女の子だったとはね。さすがの私も少しばかり驚いたよ」
「!」
あわてて振り返る。
とても驚いているとは思えないあの平坦な口調と、
いつもと変わらぬ薄笑みを浮かべた余裕の表情。
まぎれもなく忌まわしき生徒会長その人だった。
「……どうして?」
「さすがに学園内で怪我人を見つけたら放っておく訳にもいくまいよ」
「怪我人?」
「うむ。どうやら怪我ではないようで、そこは一安心と言ったところだがね」
意味が分からない。
なぜ見つかったなぜこの場所になぜばれたなぜ――
「廊下に血痕の道ができていた」
混乱している私に向かって、会長は言った。
「トラブルの気配を感じ、血痕を追った。辿り着いた先に君がいた」
「!」
足下を見る。
そこに広がる真っ赤な水たまりに言葉を失う。
――迂闊。
痛恨の失敗である。
先日終わったばかりのお片付けタイムは、まだずいぶん先のはずだ。
しかし女が単身で男子校に潜入し、
気がついたら巨根イケメンとして四六時中注目を浴び続けるストレスは尋常ではない。
自律神経の乱れから周期が狂ってもおかしくないのだ。
つまり。
会長は、私の織物で拵えたレッドカーペットに案内されてきたのである。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:54:23.66 ID:mh9tp1Qx0
「ところで、だ」
会長の伊達眼鏡が煌めく。
「君に尋ねなければならないことがある。分かるね?」
まずい。
この学園に忍び込んだ理由。
それだけは決して知られてはいけない約束だ。
否、約束などという言葉では生ぬるい。
これは、文字通り、わたしとあいつとの命の盟約だ。
聞かれる。誤魔化さなきゃ。だけど、どうやって?
もっともらしい理由を必死で探る。
しかし混乱した頭には、何も浮かんでこない。
逃げるか?
否。身体が硬直して動けそうもないし、逃げたところで会長の脚には敵わないだろう。
うまく隠れれば?
否。股先から流れ落ちる血液が、私の居場所を伝えてしまうだろう。
今のこの状況のように――。
そして。
ただ睨むことしか出来ないわたしに向かって、会長が詰問した。
オナ禁3日が限界だな
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:56:51.19 ID:mh9tp1Qx0
「その虚根の正体は?」
「そっちかよ!」
「バイブかね?」
「へ、変態! バイブじゃない! ディルドーだ!」
「もうバレているのだから、無理に男口調を続ける必要はないのだがね」
「訂正しろ! バイブなんて痴女しか使わない! そして、わたしは痴女じゃない!
これは特殊振動機能付きのディルドーだ!」
「……それをバイブと言うのだが、」
「訂正しろ!」
「な、涙目にならずともいいだろう。ん、分かった。ディルドーだな」
怒りで身体の震えが止まらない。
バイブ呼ばわり。それだけは許せないのだ。昔から。絶対に。
許してはいけないと。
決して許してはいけないと、あの日あの時あの場所でそう誓ったのだ。
「あのだね」
絶体絶命のさなか、唯一残された矜持だけは保ったまま、
また何か問いかけようとしている会長を睨み付ける。
「私は何も君の秘密を学園にバラそうと言うわけじゃないのだよ」
「……、は?」
一瞬、素に戻ってしまう。
ウィィィィィィン。
「ぃやんっ!」
――情動振動発作。
脱力する出来事に遭遇すると、自動的にディルドーが振動するのだ。
わたしたち、アレコレプッシー患者特有症状のひとつである。
今回は、脱力度合いが激しかったためか、振動も強い。
声……、出ちゃう!
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:58:05.86 ID:mh9tp1Qx0
飽きた
なんだこれ脳沸いてんのか?
なにこれ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:02:57.58 ID:mh9tp1Qx0
>>6 GW、ヒマだから電撃大賞に応募しようと思って、さっき書いた。
レーベルの色に合わないかも知れないから、ちょっと困ってる。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:22:53.36 ID:mh9tp1Qx0
「ん? どうしたね? 顔が真っ青だが、貧血かね?」
必死に声を漏らさないように答える。
「あ、あの、なん……で、バラさな、ぁ!……い、んっです……か?」
「うむ。私は生徒の代表だから、生徒会長なのだよ。何より生徒の事情を優先するさ。
無論、学園内の調和を乱さない範疇に置いて、だがね」
「おれ……んっ! わたしは、だいじょ、ぃやん!、大丈夫、だと?」
「いや、それはもう少し詳しく話を聞いてみなければ何とも言えないさ。
ひとまず座りたまえよ。顔が半分真っ青半分真っ赤になってるぞ。アシュラ男爵か?」
少しずつディルドーの振動が収まってきている。
つまり、わたしも冷静さを取り戻してきているのだろう。
ギリギリだった。
生理中のディルドーは危ないのである。
ぶっちゃけ、ちょっとだけイッた。
――悟られずに済んで、良かった。
そして、頭を切り換える。
この人を信用していいのか。
学園無双の異名を持つこの生徒会長は信用に足る人物なのか。
わたしの秘密を打ち明けても大丈夫なのか。
そして、考えるまでもないという結論に至る。
信用するもしないもないのである。
大丈夫もクソもないのである。
退路は完全に断たれているのだ。
罠であろうと、何であろうと、道がある以上、そこに飛び込むしかない。
「分かりました。話します。場所を変えてもらっていいですか?」
「うむ。顔色も戻ってきたな。それでは生徒会室はどうかね?」
わたしは黙って頷いた。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:25:13.92 ID:HzemKxMLO
アホだ…アホ過ぎる…
支援
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:27:52.05 ID:CC594zWKO
つまん
ね
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:42:26.27 ID:mh9tp1Qx0
生徒会室に移動するまでは気が気じゃなかった。
目立たない黒の学ランとは言っても、下半身血まみれという状況である。
そして、不良連中にすら慕われている会長閣下のご同行。
目立たないわけがないのだ。
放課後であることも幸いした。
校舎に生徒はほとんど残っておらず、
無人の廊下のど真ん中を堂々と歩く会長の真後ろに位置取って、
こそこそとついて行くへちょいわたしである。
グラウンドから運動部の掛け声が響く。
夕焼けが、校舎をオレンジ色に染める。
そして、わたしのお股は真っ赤に染まっている。
叙情的なひととき。
置かれている状況をふと忘れて、気を抜いた瞬間に、振動発動。
「きゃんっ!」
たびたび振り返っては、怪訝そうな顔を浮かべる会長に
わたしはただ苦笑いを返すことしか出来なかった。
幸い、誰かに出会うこともなく、生徒会室に辿り着いた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:01:24.03 ID:mh9tp1Qx0
生徒会室に入ると、会長がロッカーを漁り、タオルとジャージを投げてくれた。
「このままでは話しにくかろう。奥にシャワーがある。着替えてきたまえ」
「生徒会室にシャワーねーだろ! 普通!」
「肝が据わっているな、君は。この状況でよく突っ込んでいられるものだ」
眼鏡の奥から鋭い眼光が向けられる。
「あ……」
「生徒会役員は、この学園の自治を守るため、交代でこの部屋に泊まっている。
つまり、生活に必要な道具は全て揃っているわけだ」
「どんな学校だよ!?」
思わずまた突っ込んでしまったわたしだが、
脚にまとわりつく不快感を優先し、奥のシャワー室に入った
「なんで、男子校のシャワー室に、
ウィスパー超朝までガードさらふわ400夜用があるんだよ!」
途端に叫んでしまったわたしである。
「そうか。ディルドーは外せんのか。ならせっかくの生理用品も役に立たんな」
「す、すいません」
「普段はどうしてるのかね?」
「一応、ロリエから出ているふたなり用ギャザーで何とかやっています」
「そんなものが?」
「いえ、正確には、ロリエの製品が一番改造しやすいらしく、
とあるマニアが通信販売を行っているのです」
「
やべ、ちょっと飯食ってくる。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:57:12.37 ID:mh9tp1Qx0
※
>>12 はなかったことになりました。適当に書きすぎた。
生徒会室に入ると、会長がロッカーを漁り、タオルとジャージを投げてくれた。
「このままでは話しにくかろう。奥にシャワーがある。着替えてきたまえ」
「生徒会室にシャワーねーだろ! 普通!」
「肝が据わっているな、君は。この状況でよく突っ込んでいられるものだ」
眼鏡の奥から鋭い眼光が向けられる。
「あ……」
「生徒会役員は、この学園の自治を守るため、交代でこの部屋に泊まっている。
つまり、生活に必要な道具は全て揃っているわけだ」
「どんな学校だよ!?」
思わずまた突っ込んでしまったわたしだが、
脚にまとわりつく不快感を優先し、奥のシャワー室に入った――
「なんで、男子校のシャワー室に、
ウィスパー超朝までガードさらふわ400夜用があるんだよ!」
――途端に叫んでしまったわたしである。
ちなみに、ナプキンはディルドー部分を貫通させてから、
ガムテープで固めることで対処した。我ながら手慣れたものだ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:03:21.16 ID:mh9tp1Qx0
「……しかし、女性として認識すると、女性にしか見えんな。普通に胸もあるし。
よく今まで誰にも気付かれなかったものだ」
会長は、ジャージ姿のわたしを上から下まで舐めるように眺めた。
「あ、あの、あんまり見ないで下さい……」
「気にせんでくれ。性的な視線ではない」
「……そうですか」
「ときに君、ノーブラだね」
「性的だろ!」
「私は女性に関心がない」
「え゛?」
「そうでなければ男子校などに入るかね?」
「む、無茶苦茶言いますね」
「――君がふたなりであるようにだね」
「ふたなりって言うな……」
「わたしは光成と言う」
「は?」
「自己紹介だよ。吉田光成。私の名だ」
「はぁ」
脈略がなさ過ぎて、頭がくらくらしてきた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:08:35.57 ID:mh9tp1Qx0
というか、いまのって……ひょっとして冗談?
わたしをなごませてくれたの?
みつなりってことは3つ目のものがあるのかな? やおい穴?
「ボケッとしてないで君も名乗りたまえよ」
「知ってるでしょう? 生徒全員の名前を全部覚えてるって聞きましたよ」
「いや、本名の方だよ」
「……言えません」
「なぜかね?」
「事情は言えません」
「なら構わん」
「早っ! いいんだ!?」
「なら、えーと、天我くんでいいかな?」
「はい」
「なぜ、この学園に入った?」
いきなり切り込まれた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:26:08.73 ID:mh9tp1Qx0
「これも……、話せません」
「さすがにそれは受け入れられんよ」
会長は表情も変えずに言った。
わたしは、必死にあの契約内容を思い出す。
どこまでなら喋って大丈夫なのか?
何を言ったら、わたし自身が終わってしまうのか?
――綿密に、丁寧で指先でなぞるように罰則規定の範囲を探る。
「だんまりかね?」
「……人を、探しています」
「この学園の生徒をかね?」
「分かりません。生徒じゃないかも知れません。
だけど、この学園内の誰かです」
「誰か、とは?」
「とは?」
「オウム返しはやめた方がいい。考えなしであることがバレるだけだよ」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:27:34.88 ID:mh9tp1Qx0
「ある条件に合う人間です」
「ある条件とは?」
「話せません」
「犯罪性のあることかね?」
「ありません」
「危険性のあることかね?」
「ありません」
「その信頼性を証明できるかね」
「できません」
「なら、どうすればいいと君は考える?」
会長の顔を見た。眼鏡の奥に光る目を見た。
あ。と、思った。
自主的に退学しろ、と言っているのだ。この人は。
目の前が暗くなる。
全身の、力が、抜ける。
ウィィィィィィン。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:37:14.91 ID:mh9tp1Qx0
「んふぅ!」
ソファに座っていたせいで、より奥深くに入り込んでいたディルドーが強烈に振動する。瞬間、身体が弓なりに仰け反る。
足のつま先から頭のてっぺんまで、電流がわたしの体内を駆け巡る。
「くぅっ!!!」
全身を貫く強烈な刺激に抗えない。
声をこらえるのもバカバカしくなってくる。
こんな生き恥もうイヤだ。
男の人の前で、イっちゃう……!
悔しかった。
何でわたしだけこんな目に?
こんな病気に生まれ持ってしまったせいで。
あんな契約を交わしてしまったせいで。
あのやぶ医者の顔が脳裏に浮かぶ。
殺してやりたい、と思った。
これが終わったら、殺しに行こう。
そう、決めた。
「黙認しよう」
絶頂の直前に、ありえない言葉を聞いた気がした。
たぶん、イッたのだろう。
頭の中が真っ白になり、直後わたしは気を失った。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:46:13.20 ID:/VbSITAH0
構わん続けろ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:56:07.40 ID:5YStDS54O
期待
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:06:42.83 ID:mh9tp1Qx0
少し黄みがかった天井。
霧が蛍光灯の光を柔らかく遮っている。
むせた。
「あ、起きた?」
パイプ椅子に座った白衣の女性。
ロングの黒髪を後ろで縛っている。くわえタバコ。眼鏡。
白衣からこぼれる胸の谷間に、巨乳の本気を知る。
なぜ巨乳であるのか。なぜ殊更に強調するのか。
――それこそが、女医という生き物であるからだ。
「ほ、けん、室?」
「うん、ここは保健室よ。天我くん」
「どう、し、て?」
「倒れたから」
ケロッと言う。
「あの、わたしっ!」
飛び起きる。
「わたし?」
「……」
「天我くんは、オカマちゃんなのかな?」
「あ、俺、えと、あの、あ! 会長は?」
「あ、そうだったそうだった」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:12:33.73 ID:mh9tp1Qx0
女医は、白衣のポケットから携帯電話を取り出し、
くわえタバコのまま、おもむろに誰かと話し始めた。
「あー、あたしだけどー。目、覚めた。うん、大丈夫。っぽい。たぶん。
――あたしのたぶんは大丈夫ってことよ。
――どっちがいい加減よ! 教職免許と医師免許のハイブリットなめんな。
――とりあえず、しばらくお前に出る幕はない。
――泥かぶり役だけやってりゃいいんだよてめーは、死ね。
――ぷっちんプリン忘れんな。生徒会室の冷蔵庫入れとけよ。
――うるさい。死ね。帰れ。ホモ。きめー。プリン」
切った。
「天我くん、体調はどう?」
いま眼前で繰り広げられていた不穏な会話の主とは思えぬ穏やかな口調と表情で、
女医は尋ねる。
展開に、追いつけない(※作者が)。
ただ呆然とした表情しか返せないわたしに、
女医は、優しく微笑んだあと、タバコの煙を吹き付けた。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:46:11.70 ID:mh9tp1Qx0
「バーカ」
咳き込んでいるわたしを無視して女医は言う。
「野獣の檻に単身乗り込むには器が小さすぎでしょ、あんた。
そんなに輪姦学校希望? レディコミに脳みそ焼かれちゃったの?
というか、なんで今までこんな無茶が成立してたの?
あんた、どう見ても女じゃん。普通に長髪だし、睫毛長いし、肌ツヤツヤだし!
スタイルもしっかりしてるし、見た目清楚っぽいのに、妙にエロい空気持ってるし!
何がどうやったらバレないのよ!?」
立て続けの混乱のあげくに、まくし立てられてもう泣きそう。
女医の言葉が一瞬やみ、ため息のあと、
「で、あんた、アレコレプッシーなの?」
――耳を、疑った。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:53:56.59 ID:mh9tp1Qx0
奇病。と、されている。
そもそも実在すら疑われている病気だ。
アレコレプッシー。和称:性器同一障害。
生まれながらに電動ディルドーを膣に備えた女児。
脱力するとディルドーが振動する。
脱力具合によって振動の強弱が変化する。
ディルドーは、決して抜けない。
どう連動しているのか。
体内器官と複雑に絡まり合ったそれは、抜いたら心臓が止まるという。
最初に学会に発表したドイツの医師は、特殊病棟に運ばれた。
その論文を載せた当時の専門誌は、ポルノ・オカルト扱いされ、廃刊を余儀なくされた。研究に携わっていたある日本人が受けた最初で最後の取材は、アダルトビデオ会社だった。
それを知らずにインタビューに応じた日本人研究者は、
バイブ博士と命名され、愛好家たちの爆笑を誘った。
冒頭で、彼の至極真面目なインタビューを展開し、
そのあとは、ひたすら素人娘と呼ばれる玄人女たちが
リモコン動作のバイブを入れて街を歩くだけの映像。
そんなものが、一部で大ヒットし、シリーズ化。
熱心な信者すら呼び込んだ。
今や、アレコレプッシーの名は、
アダルトビデオ業界のドル箱シリーズの名前として認識され、
バイブ博士のロゴは、エロい信頼の証となった。
医学的な真実を知っている人間は、ほとんど存在しない。
もしかしてさるくらった?
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:02:07.08 ID:mh9tp1Qx0
>>25 いや、行き当たりばったりに書いてるから
無駄に時間が掛かってるだけよ。
思いついたのスレ立てる直前だもんw
貯めとか一切ないよ。泣きそう。
>>26 いきあたりばったりでこれってすごいな!
まあ、焦らずゆっくりやってよ!
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:16:55.20 ID:mh9tp1Qx0
――の、はずなのに。
「知って、いるんですか?」
「で、どうなの?」
「……、はい」
「鴨ネギ過ぎる……」
女医は頭を抱えた。
「もしかして、つか、もしかしなくても信じてるわけね。鞘の話」
「知ってるんですか!?」
「ここに! 世界で一番可哀想な娘が!」
突然の咆哮と共に抱きしめられた。
うぅ。この人、力強すぎ……万力?
「……く、苦しい」
きれぎれに呻くと、女医は抱擁を即座に解いて、わたしの両肩を押さえて言った。
「あ、ごめん。でも、あの与太話は信じちゃダメ。あれこそオカルトだから」
分かってる。そんなことあるわけがない。
わたしが、一番、知っている。
だけど。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:27:09.16 ID:eqyPjTveO
下読みしたことあるけどこんなのが送られて来たらブチぎれる自信ある
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:28:14.26 ID:mh9tp1Qx0
言い返そうとするわたしに女医が泣きそうな顔で告げる。
「女にとってこんなに辛いことはないと思う。あんたは誰より苦しんでいる。
あたしも出来ることなら力になってあげたいと思う。
だけど、こんなのバカげてる。ありもしないオカルト信じて、
自分の身ィ削って、死ぬより辛い目に遭うなんて!」
もはや泣きそうではない。女医は泣いていた。
「やおい穴なんて存在しないの! BLは狂気の産物。
腐女子という狂人によって生み出された悪魔の幻想。
その幻想の中ですら………、その穴は男にしか開かれない!!」
鞘。剣を納める筒。
剣と鞘は対。
唯一の剣は、唯一の鞘に納まる。
既製品でなければ。
そして、わたしは既製品なんかじゃ、ない。
――もうひとつの奇病。
ドイツの医師は、その論文にある可能性を示唆した。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:31:03.68 ID:mh9tp1Qx0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:09:21.59 ID:vOTRo4YE0
仮称:アベコベプッシー。男性版性器同一障害。
つまり、やおい穴の実在である。
そして、この部分こそが、ドイツの医師の権威をどん底まで失墜せしめ、
あげく死ぬまで特殊病棟に閉じ込められる羽目になる真の理由である。
いわく。
一人のアレコレプッシー女児は、
もう一人のアベコベプッシー男児と同時に産み落とされる。
同じ空間とは限らない。
時間的に同じ、というだけだ。
生まれたばかりの人間の体内にディルドーが存在するというのは物理的にあり得ない。
どこかから空間跳躍してきたとというのだ。
もはや、超理論である。
最初から超理論であるとも言える。
しかし、超理論の体現者としてのわたしが存在してしまったのだ。
――話を続けよう。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:17:16.06 ID:vOTRo4YE0
ディルドーは、空間を跳躍して現れる。
どこから?
仮に、どこかの空間とする。
当然、そのどこかの空間には、空間すらなくなる。
虚となる。
虚の対になる実を持った女児が生まれた瞬間に。
ならば。
実を持つ人間が生まれたと同時に、虚を持つ人間が生まれていなければならない。
エネルギー保存の法則に従うならば。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:19:30.77 ID:vOTRo4YE0
実と虚。
運命の男女。
アダムとイブ。
剣と鞘。
アベコベプッシーとアレコレプッシー。
つまり、アレコレプッシー患者の持つディルドーは、
対となるアベコベプッシー患者の持つやおい穴に入れれば抜ける。
そういう説である。
さすがに、これはトンデモが過ぎた。
まず、女児に対して男児である必要がない。
そもそも、人間に対して人間である必要もない。
論理性は、どこまでも破綻している。
叩けばいくらでもホコリが出るだろう。
むしろ、ホコリそのものだ。
しかし、実在してしまったのだ。
このわたしという人間が。
あり得ない実を持ったわたし。
だから――信じてみたいと、思ってしまったのだ。
あり得ない虚を――。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:44:30.21 ID:vOTRo4YE0
「あなたは、何者ですか?」
わたしは、女医に、問う。
本来、最初に聞かなければならない質問。
一介の保健教師が持っているべき情報ではない。
こんな偶然はあり得ないのだ。
死ぬ思いと覚悟で、ついに探し当てたやおい穴を持つ人間の可能性。
同じ日同じ時で生まれた異性。
わたしの十字架を解き放つことのできる唯一の存在。
彼が存在するとされる学園の保健教師。
何者でもないわけが、ないのだ。
「あたし、亜鳥かぐや。この学園の保健教師」
「……」
「そんなことが聞きたいんじゃないのくらい分かるわ」
睨む。女医を。亜鳥かぐやと名乗る女を。
「……腐ってるの」
「は?」
「あたし、腐ってんのよ」
「つまり?」
「最初は些細なこと。些細なハガレンだった……」
巨乳保健教師、亜鳥かぐやは語り始めた。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:55:03.68 ID:g+sZUI/mO
夜食食いながら見てたら追いついたw
ゆっくりでいいから最後まで書いてくれ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:04:08.96 ID:vOTRo4YE0
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:06:07.49 ID:vOTRo4YE0
彼女の延々と続くヤオイ語りは、余りにもくだらないので割愛する。
最悪だった。
くだらなすぎて、何度も脱力した。
当然、脱力の度にディルドーは激しく震え、わたしは何度もイキまくった。
二度イったあとは、もう声すら押さえられなくなった。
同性とはいえ、喘ぎ声全開のまま、人前で何度もイッた。
わたしが喘ぐたびに、亜鳥かぐやは嬉しそうな顔をして、
アル×エドの相関関係というか相姦関係がいかにヤバいかを熱く語った。
あまりの刺激に立ってられなくなったわたしが、彼女にもたれ掛かると、
あろうことかこいつ、わたしの胸揉んだ。胸揉んだ!?
「はぁはぁはぁはぁ……」
彼女の話が終わったときには、
わたしは地面にペタッと座り込んだまま動けなくなっていた。
意識が途切れそうで、もう何が何だか分からなかった。
何かされたような気もするが、正直よく覚えてない。
ただ、彼女の半生が、
幻のやおい穴を探し求めるためだけに捧げられた、ということは分かった。
そして、その過程でアベコベプッシーという病気に出会うのは必然だった。
彼女は探した。土地を問わず、金を問わず、時間を問わず。
ドイツに飛んだ。インドに飛んだ。密林を探った。秘境を開拓した。
しかし、見つからなかった。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:15:17.91 ID:I1XVcuuc0
設定がアホすぎて吹いたw
もっとやれw
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:39:28.79 ID:pJqi9yH3O
なんぞこれww
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:40:42.10 ID:vOTRo4YE0
身も心も疲れ果て、失意のどん底にいた亜鳥かぐやは、
ある日、ネット上で最近流行り始めたらしい、とあるコピペに目を向けた。
巨大掲示板に書き込まれる腐女子のネタコピペ。
もはや、レスすらもらえない書き込み。
なぜか気になった。
なぜか?
彼女は退屈していたのだ。
毎日部屋に籠もって、絶望だけを抱えて、腐SSを検索し続けるも、
志を感じない模造品ばかり。
しかし、他にすることもない。
ただ、ルーチン化された毎日。
つまり、何でもよかったのだ。
亜鳥かぐやは、何かがしたかった。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:42:20.10 ID:vOTRo4YE0
そして。
彼女の溜まりに溜まった腐エネルギーの矛先は、
コピペの元ネタ探しに注がれることとなった。
心底、無駄であると言える。
誰も得しない。ただ時間を浪費するためだけの作業だ。
ただ、浪費したかっただけなのだろう。時間を。
彼女は辿った。ありとあらゆるリンクを。
彼女は探した。ありとあらゆる検索エンジンを。
彼女は盗んだ。プロバイダーからIPアドレス情報を。
そして、長く無為な時間の果てで。
彼女は、ついに見つけたのである。
それは、ある学校の裏サイトから発信されていた。
ハンドルネーム:菊散りうんこ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:55:57.44 ID:vOTRo4YE0
やべー。眠すぎて何も思いつかねぇwww
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:17:57.32 ID:vOTRo4YE0
ダメだ。寝る。明日書く。自分用まとめ。
【あらすじ】
膣の中に電動ディルドーを持って生まれるという奇病、
アレコレプッシーの少女・天我。
この奇病は、脱力すると膣の中のディルドーが振動し、自身に強烈な刺激を与える。
ディルドーは、決して抜けない。
抜いたら、心臓が止まるという。
しかし。
難病アレコレプッシーを治療可能とする唯一の仮説。
アベコベプッシー。やおい穴を持って生まれた男子のことだ。
実在するか分からないアベコベプッシー患者のやおい穴に、
ディルドーを挿入すると、膣の中のディルドーは抜けると言われている。
やおい穴を持つ少年は、この男子校にいるかも知れない。
天我は、ディルドーをちんこと誤魔化し、その学園に入学する。
気を抜くと刺激される性感。
声、出ちゃう。
周りは性欲盛りの男まみれ。
天我は、身の危険を感じつつも、自身の病気を治すため奮闘する。
しかし、ある日、辣腕で名を轟かせる生徒会長・光成に正体がバレてしまう。
お、犯される!?
だけど決して抜けないディルドーがある限り、
イキまくっても天我の処女膜は大丈夫なのだ!
そこに、事情を知る保健教師・亜鳥かぐやが現われ……。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:30:49.09 ID:vOTRo4YE0
気が付くと家の前にいた。
どうやって帰ってこれたんだろう?
彼女が送ってくれたのだろうか?
部屋に戻ると、わたしは制服のままベッドに倒れ込んだ。
疲れ切っていた。もう一歩たりとも動けない。
最悪の一日。バレた。バレた。バレた。
わたしはどうなるんだろう?
もうどうなってもいいとさえ思う。
あのやぶ医者以外で、初めてわたしの病気を知っている人に出会った。
助けてくれそうな予感がした。
心配、してくれた。
嬉しかった。
……嬉しかったのに!
わたしは思い出す。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:32:37.69 ID:vOTRo4YE0
亜鳥かぐや。
彼女が見つけたやおい穴情報。
ある学校の裏サイトから発信された書き込み。
本当に無意味な情報だった。
亜鳥かぐや。
悔しい。
弄ばれた。
わたしの身体を好き放題いじられた。
彼女は明らかに性的に興奮していた。
わざと脱力させたのだ。
わたしの興味を引くようなそれっぽい情報をねつ造して。
途中でくだらない話を意図的に挟んで。
試すため?
違う。
犯すためだ。
腐女子のくせにレズ。
正気じゃない。
ん?
おかしくないか?
違和感を覚える。
腐女子。ホモ好きな女子。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:34:28.38 ID:vOTRo4YE0
彼女は、確か会長に電話でこう言っていた。
「ホモはきもい」と。
その彼女が、腐女子?
おかしくはないか?
嘘?
嘘をつく理由。
何かがあるから。
あの学園に入ったのは間違いじゃない?
少なくても何かはある。
ちょっとは希望が出てきたのだろうか?
本当に?
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:36:07.00 ID:vOTRo4YE0
まず。
あの女は敵だ。明らかに。
わたしを食い物にした。
そして会長はよく分からないが、
少なくても、あの女に逆らえない。
関係は不明だが、そういう気配が確かにあった。
つまり。
孤立無援。
もともと孤立無援だったけどね。
全員殺してまわってわたしも死のうかな。
絶望的な気分になる。
いつだって絶望的だったよわたしの人生。
ハハハ。と。
誰もいない部屋で一人空笑い。
もう先のこと考えるのめんどくさい。
このまま寝ちゃおう。
ネガティブな気分のまま寝ると絶対なると思う。
入眠時淫幻覚。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:37:39.09 ID:vOTRo4YE0
ネガティブな気分のまま寝ると絶対なると思う。
入眠時淫幻覚。
アレコレプシーの症状のひとつ。
金縛り状態で、現実そのものとしか思えない夢を見る。
どこまでも生々しい。
肌触りがある。音が聞こえる。味がする。実感がある。
でも、動けない。
そして、この夢は、例外なくいやらしいのだ。
大抵、目が覚めるまで、されるがままに蹂躙される。
どこかの誰かに蹂躙される夢にディルドーが連動する。
わたしは、わたしの意志に関わりなく夢に犯されるのだ。
――本当は望んでるんじゃない? この変態女。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:39:34.49 ID:vOTRo4YE0
はは。死のう。
どうせ寝たら夢に犯されて夢にイカされて飛び起きる。
そのとき死のう。今は死ぬのもめんどくさい。
そして、わたしは寝た。
起きた。
夢も幻覚も見なかった。
死ぬ気はなくなっていた。
どうせ死ぬなら、どうなってもいい。
そのつもりで、あの契約を交わしたのだ。
――だったら。
決めた。
持ってる情報は根こそぎ奪い取る。
わたしの身体なんて好きに弄ればいい。
どうせ、誰もわたしを犯すことなどできないのだ。
女だろうと、男だろうと。
黄金の貞操帯。電動ディルドー。
矛盾を秘めた呪いの防具が、わたしの処女を守ってくれる。
――わたしは、鋼鉄の処女だ。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:41:05.41 ID:vOTRo4YE0
このときは、まさかあんな急展開が待っているとは思ってもいなかった。
今日、わたしは全てを知ることになる。
かぐやさんの真意。
女が大嫌いな彼女の演技。その理由。
アベコベプッシーの存在。
論文の真実。
運命の相手。
――覚悟の有無。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:42:58.33 ID:vOTRo4YE0
覚悟。そう、覚悟だ。
わたしは何も考えていなかったのだ。
自分のことで必死だった。
覚悟は自分のことだけだと思っていた。
誰かのための覚悟なんて思いもよらなかった。
やおい穴を、わたしのディルドーで攻めたら?
わたしのアレコレプッシーは治る?
だとしたら、アベコベプッシーは?
移されたディルドーはどうなる?
虚が実に埋まり、矛盾は何も無くなる?
残念ながら、世界はそこまで合理的ではないようだ。
だけど。
前より楽しい毎日になるかも知れない。
そんな気がしている。
ちょっとは恥ずかしいこともあるかも知れないけど。
だから。
しばらくは、このままで。
第二部 〜ラブコメ―いつか、ディルドでホモレイプ編―につづく〜
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:45:16.88 ID:vOTRo4YE0
一区切り。
後半だるい展開にしかならなくてめんどくさすぎた。強引に軌道修正。
ねじ飛んでるくらい頭の悪いノリにしたいんじゃ。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 05:04:05.09 ID:UVQ4V/vyO
支援
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 05:16:10.60 ID:UVQ4V/vyO
ほ
寝ます。
しかし貯めなしってきついね。