1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
お内裏様とお雛様〜
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:29:55.75 ID:kodTkIjyO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:31:12.48 ID:OyFZzbryO
支援射撃
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:32:13.58 ID:kodTkIjyO
学友と共に校舎に残り、勉学に励む訳ではなく。
('A`)「どいつもこいつも」
夕日に照らされながらタイヤを引っ張り回す訳でもない。
('A`)「平凡な日常こそが人生の全てってな顔をしやがって」
そんな、毎日を楽しく有意義に生きている人間とは、無縁な男がここにいた。
('A`)「その平凡な日常が嫌いな人間は一生を全うするなってか」
貧相な躯をなよつかせ、吐き出す言葉は呪詛ばかり。
('A`)「リア充共め」
鬱田毒男。高校二年生。
大学に入れば自動的彼女ができるとか、そんな夢を見ちゃう男。
奇々怪々惑星のようです
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:32:15.10 ID:8ayhznLNO
小夜と美紀
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:33:04.48 ID:OyFZzbryO
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:34:33.93 ID:kodTkIjyO
野球部のかけ声なんかを背中に受け止つつ、ドクオは校門を抜け、駅までの道を早足で進む。
周りにはドクオと同じように駅に向かう学生がいるが、俯きながら歩く人間は一人しかいない。
短いスカートをはいた女子達の、甲高い声が自分に向けられていない事を祈りながら、
道路に点々とする集団を素早く追い越し、駅前商店街へと足を踏み入れた。
('A`)(すれ違う時にいちいちチャリから降りるばばあうぜぇ)
勿論声には出さない。
心の中でご老人に悪態を吐きながら、夕方の買い物客で賑わう商店街を突き進もうとする。
と。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:36:28.52 ID:A5G5tDWY0
不思議惑星キン・ザ・ザ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:37:31.58 ID:kodTkIjyO
「おい」
(;'A`)「ぇふっ」
何者かに肩を掴まれた。
あまり強い力ではなかったが、考え事をしている時にいきなり呼び止められるのは心臓に悪い。
誰が一体何の用があって話しかけたのか、警戒しながら振り向くと、
クラスの中ではなかなか美人の部類に入る、素直クールがぬらりと立っていた。
(;'A`)「ふ お お す、素直」
川 ゚ -゚)「なんだその声は」
謎のため息をだしながら、驚いた様子で素直を見つめる。
(;'A`)「いや、なん、なんでも」
なんでもなくは無い表情で、歩く速度を素直に合わせる。
川 ゚ -゚)「いくら呼んでもお前が反応しないからだろう?」
(;'A`)「え、呼んでた? すまんこ」
川 ゚ -゚)「す まんこ?」
('A`)「すみません」
素直は肩にかかる黒髪をやれやれとでも言いたげに揺らした。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:38:12.60 ID:D0dsiGoj0
支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:40:59.73 ID:kodTkIjyO
素直クール。さっきも言ったようになかなかの美人であり、ドクオ唯一の女友達的な立場にいる女性。
彼女は高校に入ってからドクオと知り合った。
なぜあのような冴えない男がスレンダー美女、素直クールとお近づきになれたのかと言うと、
なんと素直の方からドクオに寄っていったらしい。蓼食う虫も好き好きと言うか。
言葉使いが少々ぶっきらぼうなせいで女子と馴染めずにいた素直クールは、
同時期に、同じくクラスに馴染めずにいたドクオと、図書室にて平凡な出会いを果たした。
───
('A`)(濡れ場ねーかな)
川 ゚ -゚)「おい」
('A`)そ
川 ゚ -゚)「その本が好きなのか」
(;'A`)「好きといいますか、いやあのその」
川 ゚ -゚)「その本は私のお勧めだ。面白いぞ」
(;'∀`)「あっ、そうなんすか! 素直さんのお勧めならこりゃあ読まないとな!」
川 ゚ -゚)「君の笑顔は気持ち悪いな。その顔は生理的に受け付けない」
('A`)
───
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:41:37.39 ID:GaAXrL6vO
クーの前ですまんことか言えるドクオはイケメン
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:42:21.11 ID:D0dsiGoj0
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:44:16.85 ID:kodTkIjyO
今まで話した事は無かったが、同じクラスであった事や、
本の趣味が合うという理由で(ドクオとしては、本を真面目に読む気は毛頭無かったのではあるが)、
それから図書室で顔を合わす度に、ちょくちょくと話すようになった。
いつも話しかけるのは素直の方からだったが、ドクオも満更ではなかった。
ただ、素直との会話には、少しばかり難点があるのだ。
川 ゚ -゚)「運良く君を見つけられてよかった。少し付き合って欲しいんだが」
(;'A`)「えぇぐへっ つ、突き合って?」
童貞垂涎のキーワードにむせ込むドクオ。
傍目から見たらわざとらしい事この上ないが、これはドクオからしたら自然な反応である。
川 ゚ -゚)「下衆が。テストが近いだろう? だから一緒に勉強でもしようかと思ってな」
だが簡単に足蹴にされる
('∀`)「mjd?え?どこで? どっちかの家で?」
川 ゚ -゚)「場所は市立図書館だ。人の目があるところじゃないと君に何をされるかわからないからな」
川 ゚ -゚)「そしてその顔はマジでやめろ。やめてくれ」
('A`)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:46:54.13 ID:kodTkIjyO
ちなみに、素直の言葉に悪意は無い。思った事を包み隠さず話す。
なので、思った事を思ったままに口に出し、はぐらかしたり、
お世辞を言う事もしないので、普通の女子とはびっくりする程話が合わない。
その容姿のせいもあり、話せば話す程嫌われるという、負の無限ループに陥るのだ。
ドクオの考えでは、女子という生き物は、相手に笑顔で返答しながら内心ではこいつマジもいきー☆
と言ってたり、狡猾、冷徹、偽善、特にぶ男には辛く当たる生き物だと思っているので、
素直との会話は、多少傷つく事もあるが、正直に言ってくれる分、普通の女子と話すよりは楽であると思っている。
とドクオは、少々傷付いている自分を無理矢理なだめるのであった。
('A`)「さいですか……」
川 ゚ -゚)「だから、ここを曲がって路地裏に行くぞ。近道だ」
('A`)「家帰って漫画読もうと思ってたのに……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:49:03.49 ID:kodTkIjyO
蚊の鳴くような声で独り言に近い抵抗の言葉を呟いたが、
地獄耳素直クールの御耳にはばっちり聞こえたらしい。
川 ゚ -゚)「そんな事考えてるから赤点大王と影で言われるような事になるんだ。つべこべ言わずに大人しくついてこい」
('A`)「あいあい」
だがまあ、やはり満更でもないと思っているようだ。
表情一つ変えることもなく、素直は足を早め、商店街から裏通りへと進んでいく。
図書館の閉館時刻は確か6時だった。後二時間も無い。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:51:17.57 ID:2We9OE2DO
しえぁ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:52:19.65 ID:D0dsiGoj0
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:52:22.46 ID:kodTkIjyO
賑わっていた表通りとは逆に、路地裏の方は人の通りも少なく、
開け放たれたドアから、どこかの店の小汚い厨房が見えた。
規定の時間を無視して放り出されたゴミ袋から沸き立つ悪臭に顔をしかめながら、
ドクオは文句を言いつつも素直の後ろにくっついていく。
('A`)「そんなに急がなくてもいいだろ……」
川 ゚ -゚)「勉強する時間が無くなる。それはつまり君に勉強を教える時間が減るという事」
(*'A`)
川 ゚ -゚)「君は最高に頭が悪いからな。少しでも私が見て教えてやらないとダメダメだ」
('A`)「……そっすね」
ポリバケツやらなんやらを避けながら進んでいると、急に素直が足を止めた。
見慣れぬ路地裏に気をとられ、辺りを見回しながら歩いていたドクオは即座に反応する事ができず、顔から素直にぶつかった。
鼻に触れた髪の毛から、ふわりといい匂いがした。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:55:12.00 ID:kodTkIjyO
(*'A`)「きゅ、急に止まるなよ! 惚れてまうやろが!」
(゚- ゚ 川「ちょっと黙れ」
('A`)「俺……今そんなに変な事言ったかな……」
わざとらしくいじけるドクオには目もくれず、素直は前を顎で指す。
川 ゚ -゚)σ「あそこに変な人間がいる」
('A`)「変な人間?」
素直の脇から、前方に首を伸ばす。
唸りを上げる室外機の横にビール瓶を入れたケースが積み立てられている。
その影に、誰かいた。一瞬ホームレスのオヤジか何かだと思ったが、どうやら違うようだ。
('A`)「……なんだありゃ」
川 ゚ -゚)「変態じゃないのか」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:59:17.32 ID:kodTkIjyO
(´・_ゝ・`)
秋めいてきている空の下、その男は上半身裸で立っていた。
腰には薄汚れた紫色の布を巻きつけ、どこかの魔王のような透明な肩当てをしていて、
透ける肩当ての下に、浅黒い肌と、骨が浮き出たひょろっちい体が見える。
頭には、銀箔でも貼り付けてあるのか、裏通りに差し込む夕日に反射光を返す、訳のわからない物を被っていた。
こちら側からだと西日が眩しくて直視できない。
川 ゚ -゚)「……」
(;'A`)「ちょ、引き返して他の道に行こうぜ」
しかし素直は何も言わずにその男の横を通り過ぎようとした。
と、男は獲物を捕らえるような恐ろしい素早さで、素直のスカートの裾を掴んだ。
(゚- ゚ 川「!」
(´・_ゝ・`)「……」
ギョッとした顔をして、素直は男を見つめる。
鼻の穴を膨らませた変態野郎を想像していたのだが、
そこには、眉を八の字にし、困り果てたという表情をした、彫りが深い顔があった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:02:36.78 ID:BDuZ+4HR0
支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:02:42.55 ID:E3LMjsdHO
(;´・_ゝ・)「κЭбαΧпШэ」
(゚- ゚ 川「な」
(;'A`)「何を言ってんだ……?」
(;´・_ゝ・)「κЭбжОδÅπЁ!」
目が合うなり凄い勢いで謎の言語を吐き出し始めた。
(;'A`)「素直お前英語得意だろ! 何て言ってんだよこのおっさん」
川 ゚ -゚)「英語じゃないだろこれは。とにかく貴様。裾を離せ。逃げれない」
何を言ってるのか全くわからないし、スカートの裾を離す気配がしない事から、こちらの言葉も通じていないらしい。
(;´・_ゝ・)「ΤНыфβЙгЛщ」
(;'A`)「日本語でおk」
(;´・_ゝ・)「〜〜!」
とりあえず必死な事だけはわかったが、なぜ必死なのかわからなくては意味が無い。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:04:29.60 ID:BDuZ+4HR0
しえ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:05:08.74 ID:3cQf3Jgg0
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:06:24.94 ID:E3LMjsdHO
言葉が通じない事に痺れを切らしたらしいおっさんが、
腰に巻き付けてあった布の中におもむろに手を突っ込み、何かを取り出した。
楕円形をした、小さなカプセルのような物だった。
(;´・_ゝ・)つ・
_,
(゚- ゚ 川
それを飲み込むようなジェスチャーをしながら素直に手渡そうとするが、
素直は普段滅多に見られないしかめ面をしながら、それを断固として受け取ろうとはせず、
無理だと悟ったらしいおっさんはドクオにターゲットをチェンジし、
左手で同じようなジェスチャーをしながら、右手に乗せられた黒いそれを渡そうとしてきた。
(;´・_ゝ・)つ・「γ∞ЯОгэκζΓ」
(;´;_ゝ;)「売rνрΘ∂Б!」
(;'A`)「な、泣くなよ! 泣くなよ!」
嗚咽混じりに叫ぶおっさん。携帯を取り出し警察に電話でもしてやろうかとドクオは思ったが、
朝から電源を切りっぱなしなのを思い出す。取り出して電源を入れ直している暇はない。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:07:23.13 ID:tqpCxEwyO
デミタスw
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:08:58.79 ID:9pB1LN8jO
しえ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:10:03.64 ID:E3LMjsdHO
(;´;_ゝ;)つ・「ΕλτιΥε」
進展しないこの状況を変えるには、おっさんが手に持っている謎の物体を飲み込むしかなさそうだ。
(;´う_ゝ;)つ・⊂('A`;)
・⊂('A`;)「……」
股間から出てきた所にドクオは不快感を感じずにはいられなかったが、
その粒を恐る恐る受け取ると、息を止めて一気に飲み込んだ。
('A`)'「んがぐっぐ」
川 ゚ -゚)「! 何を口に入れた。出せ」
素直が近寄ってきて、何としても吐き出させようと、ドクオの背中を強く叩く。
しかし謎の粒が食道を下っていく感覚が伝わってくるのと、
粒がもう後戻り出来ない位置まで降りてきているのをドクオは感じた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:12:04.89 ID:tqpCxEwyO
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:12:17.16 ID:3cQf3Jgg0
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:14:36.05 ID:E3LMjsdHO
後々考えると、その後戻りできないという感じは、この時に限った事では無かったのかもしれない。
川;゚ -゚)シ('A`)'
(´・_ゝ・`)「……」
横で狼狽える素直とは反対に、ドクオが粒を飲み込んだ事を確認したおっさんは静かになり、
口をポカンと開けて突っ立ってぼんやりしているドクオに、静かに語りかけてきた。
(´・_ゝ・`)「……すゆ、」
('A`)「!」
不思議な事に、おっさんから発せられた言葉はさっきのような理解不能な言語ではなく、
組み立ては滅茶苦茶だったが、辛うじて日本語だとわかる物に変わっていた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:16:36.40 ID:E3LMjsdHO
(´・_ゝ・`)「理解されているのが来る、言葉--」
('A`)「は? え? 日本語?」
(´・_ゝ・`)「効果は目に見えるようになりましたか? 私は、助けて欲しいと思います」
落ち着き払った、さっきまでの気の動転っぷりからは想像も出来ないような紳士的な顔で、
おっさんは静かに話を続ける。相変わらず怪しい格好のままなのがおかしい。
(´・_ゝ・`)「私はこの星の中に多量のどぐを知ってある事を来た、いわゆるこの星と異なった人間です」
(´・_ゝ・`)「どぐを持って来るとき、場所から、多量の少しで、そこで追いかけられてしまうでした」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:17:34.27 ID:3cQf3Jgg0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:18:22.93 ID:BDuZ+4HR0
支援
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:20:31.23 ID:E3LMjsdHO
滅茶苦茶というか、なんというか。
やはり意味不明のままだが、日本語になった分、まだ聞く気が起きる。
おっさんが話しながら指した足元には、タグが付けられた図書館の本が数冊散らばっていた。
(´・_ゝ・`)「そのうえ、遠くで走行からの途中で落ちて、星間瞬間転換装置でメモリをするなら、それはそれを破壊されて」
(´・_ゝ・`)「焦点はあったのに無くなる事が元のに起こってしまいました、そして、それは戻れないと等しいです」
本の次に自らの膝を指した男。そこには擦り傷が出来ており、うっすらと血が滲んでいた。
走行から落ちて、という事を、走っている途中に転んで何かを落としたのだろうとドクオは推理した。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:22:44.63 ID:BDuZ+4HR0
しえん
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:22:51.66 ID:9pB1LN8jO
支
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:23:03.36 ID:3cQf3Jgg0
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:23:26.96 ID:E3LMjsdHO
(´・_ゝ・`)「ここ人達みな小さいコミュニケーション機器を習得されてます、そして、それは深く根付いています、
そして生活に、マシンは影響は大きく、またマシンに人達が影響も大きく与えます」
('A`)「ま、machine? 性感?」
川 ゚ -゚)「おい 何を言ってるんだ。早く逃げるぞ」
('A`)「いやだっておっさんが日本語を話し……」
川 ゚ -゚)「さっきと同じような事ばかり言ってるじゃないか。とても日本語とは思えないが」
川 ゚ -゚)「やはりさっきの変な物を飲んだせいで頭が……」
('A`)「? 素直には聞こえてない……?」
素直にはおっさんの言葉が理解出来ないのか?
俺にだけ日本語として伝わっているのか?
だが、おっさんの支離滅裂マシンガントークは依然として続いているので、そんな事を気にしている場合ではなかった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:27:04.61 ID:E3LMjsdHO
(´・_ゝ・`)「あまりに高度な文明多く、容易いこの装置を直すのです」
(´・_ゝ・`)「それは尋ねています。 別の星という人達によって捕らえられるのは人生で恥になります。
私は、必ず、これを直して欲しいと思います。」
また腰に巻いた布の中に手を突っ込み、手のひら大の懐中時計のような物を取り出した。
それはおっさんの手の上で弱った小鳥のように震えていて、今にも動きを止めてしまいそうにみえた。
時計のように文字盤があり、そこには長さが違う三本の白い針が、みなばらばらの方向を向いている。
本来なら数字がある筈の場所には、銀河系のような絵が、十個ほど描かれていた。
懇願するような目をして見つめてくるおっさんに、ドクオはぼそりと尋ねてみる。
('A`)「……こっちの言葉が伝わるかわからんが、産業で」
(´・_ゝ・`)「直せ」
('A`)「一行だけだが、把握した」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:28:47.25 ID:3cQf3Jgg0
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:30:38.86 ID:E3LMjsdHO
とりあえずこの時計のような物を直せ言っている事はわかった。
だがパッと見ても仕組みはわからないし、裏側についた小さなつまみが、どう関係しているのかもわからない。
無闇と触ったら余計ややこしい事になりそうだった。
一人でどうにかできそうな物とは到底思えない。
素直はおっさんの足元にある本を見てから図書館に行く所だった事を思い出したらしく、
俺の横でおっさんを睨みながらイライラしている。
素直から滲み出る不機嫌なオーラをあえて無視し、おっさんから受け取ったそれを素直に見せた。
('A`)「これ、直せって」
川 ゚ -゚)「自分の持ち物なんだから自分で直せばいいのに」
('A`)「俺に言われても困る。とりあえずこの針をどっかに合わせればいいんかな……」
川 ゚ -゚)「貸せ。こういうのは先人の知恵にかかれば一発で直る」
(;'A`)「ちょまっ 何を……!」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:31:32.96 ID:BDuZ+4HR0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:33:47.63 ID:tqpCxEwyO
wktk
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:37:36.86 ID:E3LMjsdHO
素直は手のひらから時計を引ったくると、裏表と眺めまわした後自分の手に乗せ、チョップを繰り出し始めた。
川 ゚ -゚)ノシ◎
(;´・_ゝ・)「〜〜фуЪ!!」
素直の奇行におっさんは仰天し、慌てて掴みかかったが、
私に触れるなと言わんばかりに心底嫌そうな顔をした素直の蹴りを食らい、
ビールケースに背中からぶつかり、そのままのびてしまった。
白目を向いてケースにもたれているおっさんをよそに、素直は尚も時計にチョップを続ける。
テレビなんかは叩くと直ったりするが、こんな小さな、しかも精密そうな機械に
チョップをするのは余計悪化させる事になりかねないと思い、
容赦なく時計に手を振り降ろそうとする素直の腕に、両手でつかみかかった。
川 ゚ -゚)シ⊂('A`;)
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:38:51.49 ID:tqpCxEwyO
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:41:04.85 ID:E3LMjsdHO
川 ゚ -゚)ノ「む、離せ」
⊂('A`;)「まてまてチョップなんかしたら余計壊れるって!」
細いくせになかなか強い腕を踏ん張って抑え、素直の説得にかかる。
川 ゚ -゚)「私の使う電化製品はいつもこうすれば直るんだ」
('A`;)「テレビとかとは違うんだぞ! それにおっさんを蹴り飛ばすなんて何考えてんだ!」
川 ゚ -゚)「ふん。乙女のスカートをいきなり引っ張った罰だ」
どうやら相当根に持っているらしい。他にも色々と妨害されたので、鬱憤がたまっているのだろう。
('A`;)「ならもう気は済んだだろ! それおっさんに返して早く図書館行こうぜ!」
川 ゚ -゚)「ふむ。ならば最後にもう一発」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:42:48.30 ID:naZQIVdBO
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:45:38.48 ID:E3LMjsdHO
俺が空中で押さえつけていた右手に向かって、時計を持つ左手が急に浮かび上がり、
素直はチョップの形のまま固まっていた右手に、思い切り時計を打ち付けた。
川 ゚ -゚)ノ◎⊂('A`)
川 ゚ -゚)ノ「あっ」⊂('A`)
川 ゚ -゚)ノ ⊂('A`)
その瞬間、光に包まれるとか、時空が歪み出すとか、そういう前置きも何もなく、俺達は砂漠のど真ん中に立っていた。
俺は素直の腕を両手で止めた態勢のまま。素直は時計を右手に打ち付けた態勢のまま。
さっきまで目の前にあった時計は無くなっていた。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:45:58.97 ID:3cQf3Jgg0
支援
いつも想うがクーはカオヘのセナに脳内補完出来るよね
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:47:12.82 ID:BDuZ+4HR0
しえ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:50:51.88 ID:E3LMjsdHO
───
从;'ー'从「ぜひぃぜひぃ」
エプロンを身に着けた女性がのろのろと路地に入ってきた。
从;'ー'从「あぁ〜!本泥棒見つけたぁ〜」
(´×_ゝ×`)
从'ー'从「んもう……。本は大事に扱わないと駄目だよ〜」
のびたおっさんをちらりと見、地面に散らばった本を不器用そうに集める。
从'ー'从「借りるなら貸し出しカウンターを通してから借りていって下さいね〜」
ふわふわした態度のまま踵を返し去ろうとしたが、本が落ちていたすぐ横に何かあるのを見つけた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:54:56.73 ID:E3LMjsdHO
从'ー'从「あれれ〜?」
从'ー'从「なんだろうこの時計?」
拾い上げ、しげしげと見つめるのは不思議な時計のようなもの。
三本の針に、銀河が描かれた文字盤。
从'ー'从つ◎「文字盤のガラスが割れて針が止まってる……。壊れてるのかな〜? 動かな〜い」
从'ー'从そ「あっ。この変態さんの時計かなぁ?」
ぽん とわざとらしく手を打ち、女性はそっと時計をおっさんの横に置く。
◎⊂从'ー'从「時計ここに置いておきますから、次は服を着て来て下さいね〜」
(´×_ゝ×`)◎
从'ー'从「じゃ、この本は持って帰りますから〜」
从'ー'从「ばいみ〜♪」
本を抱えた女性は、図書館への近道を抜けて帰って行く。
カラスが鳴いている。もうすぐで四時半を回る頃だった。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:57:14.46 ID:3cQf3Jgg0
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 00:58:15.31 ID:E3LMjsdHO
これで今日は終わり。代理してくれた
>>1に再度愛を
元ネタは
>>8の通り、不思議惑星キン・ザザです。ロシア映画です
そんな感じでこんな時間までありがとうございました
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 01:00:40.30 ID:3cQf3Jgg0
おつおつ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月) 01:04:24.50 ID:BDuZ+4HR0
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>60 クー!
すんませんそれだけ言いたかった
お休みなさい