69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 21:55:46.81 ID:rE6u3h8cO
(´・ω・`)「……それは綾子ちゃんから?」
从'ー'从「はい! ショボちゃん、プライドが高いから
必ず復讐しなきゃ終わりにしてくれないって教えました」
渡辺の言葉通り、負けを認めていながら隙を伺って牙を剥こうとしているのが、
少年の様子から見て取れた。
(´・ω・`)「もちろんです。命を奪うことで救える命もある。
そのためには、どんな手を使ってでも対象を抹殺するのが死神の仕事ですから」
仕事への責任感がそのままプライドに反映しているような言葉だった。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 21:55:48.50 ID:qyCYJVQ00
支援!
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 21:58:13.41 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「そうは言っても、ブーンも死んであげるわけにはいかないんだお。
今回は、完璧渡辺さんのせいで命狙われてるんだし、
出来ることなら、騒がしいだけだし連れて帰ってほしいくらいなんだお」
从;'ー'从「ブ、ブーンさん! 約束が違います! バラしますよ!?」
( ^ω^)「……というわけで、渡辺さんを連れていかれても困るわけだお。
だから、何度でもかかってくるといいお。
七縦七擒(しちしょうしちきん)と言えば、聡明なショボちゃんには通じるかお?」
ブーンの言う七縦七擒とは、中国三国時代の名軍師「諸葛亮孔明」が、
叛乱を企てた南蛮の王を七度捕らえておきながら、何もせず七度逃がしたという戦略をいう。
段違いの実力を見せつけられ、南蛮王は心を砕かれて孔明に心酔したとされる。
とん、と背中を押して距離を置き、言葉通りブーンはショボンを手中から手放して見せた。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 21:59:23.32 ID:qyCYJVQ00
支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:01:15.16 ID:rE6u3h8cO
(´・ω・`)「情けをかけるわけですか?」
( ^ω^)「違うお。こうでもしなきゃ、ショボちゃんは追い払えないと思ったまでだお」
(´・ω・`)「僕がブーンさんに心服するとでも?」
( ^ω^)「してもらわなきゃ困るお。
そのために何度でも勝ってやるお」
滅多に見せない真面目な顔をしてブーンは応じていた。
(´・ω・`)「そうですか。では僕も何度でも言いましょう。
どんな手を使ってでも対象を抹殺するのが仕事なんです。
――例え、人質を取ろうとも」
すっ、と足音も立てずに素早く移動して見せた先には、
ξ;゚听)ξ「ちょっ、私!?」
もう安全だと油断していたツンの姿。
その首元に大鎌の先端が突き付けられていた。
(´・ω・`)「手負いの獣を甘く見ると、思わぬ反撃を食らうものです。
相手の息の根を止めるまでは、
何があっても気を抜いちゃいけないのが勝負の世界でしょう?」
死神の少年は、卑怯な手を取りながらも少しも恥じる様子がない。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:03:35.12 ID:rE6u3h8cO
(´・ω・`)「さぁ、ブーンさんの大事な人がピンチです。
賢いあなたですから、どんな選択肢があるのかわかってますよね?」
( ^ω^)「……ニア にげる」
ξ#゚听)ξ「馬鹿ブーン! この場面で冗談に走るな!!」
ツンがブチ切れた。
( ^ω^)「ふっ、ここぞという場面でやるのがブーンだお。
後で、愛してる、って耳元で囁いてくれたら助けてあげるお」
何やら、脅されている立場だというのにブーンは、ツンを脅し始めた。
ξ#゚听)ξ「アホブーン! 大事な彼女が殺されそうな時に悠々と脅すな!!」
(´・ω・`)「まったくです。緊張感ゼロにしたところで、状況が好転するわけでもないのに」
今だけはツンとショボンの意見は一致した。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:04:18.62 ID:qyCYJVQ00
支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:05:42.80 ID:qyCYJVQ00
支援
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:06:42.59 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「おふざけだってしたくなるお。
あまりにも予定調和すぎて」
吐き捨てるように言ったブーンの言葉に、
聞き捨てならないとばかりにショボンが、
(´・ω・`)「予定調和? 僕の行動が予測済みだとでも言うんですか?」
( ^ω^)「おっおっ。ツンを人質に取ってブーンの命と交換しろ、
なーんて迫るのは目に見えていたお」
にやり、と口角を吊り上げてブーンは笑みを形作って見せる。
ショボンはその笑みに一抹の不安を覚えた。もしや、人質に取ったことに罠が仕掛けられているのか。
迷いが生じ、大鎌を握っている手の力を緩めようとした瞬間、
( ^ω^)「ポーカーフェイスが崩れてるお、ショボちゃん。
大丈夫、今回は何の仕掛けもしてないお」
ブーンが揺さぶる。
不安を言い当てられて不愉快な思いになるが、
罠がないと宣言するブーンの思惑がまったく読めずにますます不安を覚えるショボン。
アドバンテージを握っているはずのショボンは、追い詰められているような心境に陥っていた。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:08:12.55 ID:qyCYJVQ00
支援
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:08:40.38 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「大分余裕ないみたいだお。
人質を取っているのに、何でそんなに恐れているんだお?」
(;´・ω・`)「……何を考えているのかが読めない相手なんて、初めてのことなんです」
( ^ω^)「初体験の相手に選んでくれてありがとうだおwww優しくするおwwww」
どんな相手も煙に巻くのはブーンの常套手段。
とぼけているように見せ相手を翻弄して、
自分のペースに持っていくことに於いては誰よりも長けている。
ショボンは初めてブーンを恐ろしく思った。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:10:43.53 ID:rE6u3h8cO
(;´・ω・`)「何が目的なんですか?」
( ^ω^)「そう構えるなお。取り乱したほうが負けだお」
(´・ω・`)「そんなの重々承知しています。
ですが、わかっていても心をかき乱される。
おちゃらけているようで、深い人ですね、ブーンさん」
( ^ω^)「買い被りだお。楽しければそれでいい。
ブーンのモットーはそれだけだから、どんな時でも楽しんで生きてるだけだお」
本音か、はたまたブラフか。
それすらも判断出来ないほどショボンは翻弄されてしまっていた。
( ^ω^)「選択肢の話、答えは一つしかないお。
――ブーンの命をあげるから、ツンを解放してくれお」
極めつけに、ブーンは真剣そのものの表情でそう言ってみせた。
これには、ショボンばかりか、ツンも渡辺も驚きの表情を見せる。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:11:47.71 ID:qyCYJVQ00
ブーンのキャラが好きだ支援
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:13:12.60 ID:rE6u3h8cO
ξ;゚听)ξ「何言ってるのよ、ブーン! 本当に何の策もないわけ!?」
从;'ー'从「そうです! ブーンさん、血迷ったんですか!?
素直に応じるなんて、ブーンさんらしくないです!!」
二人して呼び掛けるが、ブーンは気にも留めてない。
( ^ω^)「策なんて何もないお。
ショボちゃんがここまでするなら諦めようって考えてただけだお。
今後もずっと命を狙われ続ける羽目になるんだし、
逃れる術があるとは思えないお。
だから、ここでどんな形でも決着をつけないといけないお」
ξ;゚听)ξ「だ、だからって!!」
( ^ω^)「まぁ、最後まで聞けお。ブーンだって、ただ殺されてやるわけじゃないお。
ショボちゃんと勝負するつもりなんだお。
ブーンはツンのために命をかけ、ショボちゃんは渡辺さんのために命を狩る。
どっちが想い人に対して愛を注げられるか、だお」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:15:31.14 ID:rE6u3h8cO
それは、無茶苦茶な勝負だった。
人を殺すのが仕事である死神に対して、
殺せたら勝ち、殺せなかったら負けとせまっているのだ。
どう見てもブーンのほうが分が悪い。
( ^ω^)「ショボンもよく考えてみるお。今回は仕事抜きで。
誰かのために何かをするってのは容易じゃないんだお。
ましてや、そこに人の命がかかっているなら尚更だお。
ブーンを殺してでも無理矢理連れて帰って、渡辺さんは喜ぶと思うかお?
それが渡辺さんのためでも、だお」
初めてショボンを呼び捨てにし、問いかける。
( ^ω^)「どんな手を使ってでも、ってショボンは言ったお。
それはいいけど、目的は本当に正しいのかお?
渡辺さんのためだって建前を作ってるけど、本当は自分のためじゃないのかお?」
間隙を幾ばくも取らず、さらにブーンは言葉を紡ぐ。
いつしか、屋上に聞こえる音はブーンの声のみになっていた。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:15:38.71 ID:qyCYJVQ00
このままシリアスで行くのか……?
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:18:12.08 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「死神の仕事は人の命を取り扱う重みのあるものだお。
その責任に押しつぶされてしまいそうになるのも無理のないことだお。
けど、今回はショボンの意思でブーンの命を刈り取る。
本来ならその責任はショボンにあるけど、渡辺さんのためと口にすればするだけ、
渡辺さんに責任を押し付けているようなものだと気付かないのかお?」
唇を固く結んで、ショボンは突き刺さる言葉の一つ一つを噛み締める。
( ^ω^)「他人を思いやることの難しさを知らないのに、誰かのためだなんて口にするなお。
結局は自分のためでしかないんだお、そんなのは。
ブーンだってそうだお。ツンのために命をはって死んでしまっても、ツンはきっと喜ばないお。
ツンのためを思うなら、それこそどんな手を使ってでも生き延びてやることだお」
86 :
>>84ごめwwwこっから笑えるとこないwww:2009/04/12(日) 22:19:54.27 ID:rE6u3h8cO
ξ )ξ「…………」
毅然とした態度で頷くツン。
その瞳には光るものがあった。
( ^ω^)「それでもブーンはツンのために命をかけるんだお。
ツンへの気持ちを形にしたいから。渡辺さんを思うショボンの気持ちにも負けないんだって」
渡辺はおろおろと落ち着きなく様子を伺っていたが、
決して口を挟んだりはせずに心配げに見守っていた。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:21:06.83 ID:1wJe3dmpO
シリアス支援!
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:21:13.46 ID:qyCYJVQ00
ちょwwwwwいつものようにブーンが落とすのかと思って気楽に見てたwwwww
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:22:04.52 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「さぁ、考えるお。ブーンは殺されることでツンへの気持ちを思う存分表現出来るお。
悔いはあるけど、惚れた女の子に命を捧げられるなら本望だお。
ショボンはブーンを殺すことで何を得られるお? 渡辺さんに何を捧げられるお?」
はっきりとブーンは語りきった。
淀みない言の葉は確かな力を持ち、聞くものの理解を促す。
普段は不真面目一辺倒である男の言葉だからこそ、
めったに吐かない正論には正統性と重みが現れていた。
( ω )「…………」
人質を取って絶対的優位を確立していながら、
ショボンは拳銃を突き付けられているかのような心境に思いやられて沈黙を余儀なくされる。
自分の行動が何のためなのか。
行動の果てに何が得られるのか。
自らの行動理念を根本から覆される問いかけは、確実にショボンの思考を蝕んでいく。
行き着く先は――。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:23:53.44 ID:qyCYJVQ00
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:24:48.36 ID:rE6u3h8cO
(´・ω・`)「綾子ちゃん。僕がブーンさんを殺すことを正しいと思えるか?
綾子ちゃんのためじゃなく、僕自身のためだったとしてだ」
問いかけは、あれほど自信に満ちていたショボンとは思えないほど小さく弱々しいものだった。
从'―'从「えとえと……ショボちゃんは正しい行動ばかり取ってた気がします。
でもそれは、ショボちゃんにとって正しい行動であっても、
私にとっては間違ってるように見える時がありました。
私のためを思っての行動だってわかるから口には出せなかったですけどね」
渡辺はとつとつと述壊した。
从'―'从「今回に関しても、目的も方法も間違っているように思えるんです。
逃げ回る私も悪いのはわかってますけど、
馬鹿な私でもわかるように天界へ戻る理由を言い聞かせて連れ帰るようにしてくれたら、
いやいやながらでもショボちゃんについていったはずです」
(´・ω・`)「そうか……」
力なく頷いて、ショボンはまた深く沈黙した。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:26:39.73 ID:rE6u3h8cO
すでに死神の大鎌はだらりと下げられ、ツンは自由の身と何ら変わりはない。
それは、ブーンの勝利を意味していた。
( ^ω^)「渡辺さん、一度天界に帰ったらどうだお? ショボちゃんも十分にフォローしてくれるだろうし、
何よりも責任を放棄して逃げ回ることで周りに迷惑をかけ続けるのも辛いはずだお」
ブーンは渡辺にも正論を説いた。
从;―'从「はい。私のせいでブーンさんが死んじゃうかもしれなかったんですよね。
もしそうなってたら、私は一生後悔していました。ごめんなさい……」
普段は無駄に元気を撒き散らす渡辺が、今は泣きながら頭を下げて見せた。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:27:23.54 ID:qyCYJVQ00
支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:28:38.84 ID:qyCYJVQ00
あいwn
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:31:01.84 ID:qyCYJVQ00
撃ち間違えた支援
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:31:09.29 ID:rE6u3h8cO
( ´ω`)「よし、これならショボちゃんの面目も保てるお。
面倒だから、ブーンにこんな真面目な役は二度とやらせるなお。
大体最初の設定じゃ、」
ぶつぶつと呟くブーンは、どことなく照れた表情をしていた。
その姿を見て、ツンは嬉しそうに笑う。
ξ*゚ー゚)ξ「たまには真面目になるものもいいものよ。
いざというときには絶対的に頼りになることを、久しぶりに再認識出来たわ」
( ^ω^)「惚れ直したかお? それならあれだお、今夜は肉じゃがパーティーだお!」
ξ*゚ー゚)ξ「あらゆる料理を肉じゃが味にしてみせるわ」
打てば響くようにツンは返してみせた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:39:49.60 ID:qyCYJVQ00
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:43:06.10 ID:qyCYJVQ00
さるかな?
支援
99 :
バイバイさるさん♪:2009/04/12(日) 22:44:12.68 ID:rE6u3h8cO
从*つー'从「私もいつかツンさんの手料理食べたいです!」
ξ*^ー^)ξ「ちゃんと天界で責任を果たしてきたらまた遊びにおいで。いつでも作ってあげる」
从*'ー'从「はい! ショボちゃんも無理矢理連れて行きます!」
(;´・ω・`)「え、綾子ちゃん! 僕はいいから!」
从'ー'从「何でですか? ショボちゃんも肉じゃが好きですよね?」
(;´・ω・`)「いや、それはそうだけど……」
どこの世界に人質に取った相手と仲良く食卓の席を並べられるというのか。
そんな気持ちを欠片も感じ取れず、空気が読めない天然娘は言葉を続けた。
从*'ー'从「ショボちゃんは恥ずかしがりやだから遠慮してるんですね! 大丈夫です!
ツンさんは優しいですし、胸の小ささを指摘しなければ怒ったりもしないですから!」
( ^ω^)「っwwwwwwwひっwwwwwww」
(;´・ω・`)「……綾子ちゃん。そういうのは本人がいる前で言うのはやめたほうがいいぞ?」
思わずショボンも突っ込んでしまう天然ぶりを発揮し、
当然ながら会話の全てを聞きもらすことがなかったので、
渡辺の背後では何やら殺気じみたものが発生しだした。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:44:23.33 ID:1wJe3dmpO
支援!
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:45:23.34 ID:qyCYJVQ00
さるよけしえn
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:46:58.97 ID:qyCYJVQ00
支援支援
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:47:07.80 ID:rE6u3h8cO
ξ゚ー゚)ξ「あはは。綾子ちゃん、ちょっといいかしら? お姉さんとお話しよう?」
从;'ー'从「わわっ! ツンさん、笑顔なのに目が冷たいです!
ブ、ブーンさんヘルプミーです!!」
首根っこをツンに掴まれて後ろ向きにずるずると引きずられ、
渡辺は「あーれー」と言いながら物陰へと連れ去られていった。
( ^ω^)「天然ってのも色々大変だお」
二人の姿を眺めつつ、しみじみとブーンは呟いた。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:48:59.00 ID:qyCYJVQ00
ww
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:50:04.49 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「さて、ショボちゃん。
決着はついただろうけど、最後に一つだけ言わせてもらうお」
(´・ω・`)「……なんですか?」
( ^ω^)「今回は本気で危なかったお。
ショボちゃんが思い直すかどうか、一つの賭けでしかなかったんだお」
(´・ω・`)「自信満々に見えましたけどね」
( ^ω^)「ブラフに決まってるお。内心ドキドキだったんだお。
ショボちゃんに恋しちゃったかと勘違いしそうだったお」
ブーンの冗談に嫌悪感を抱いていたショボンだが、
今では真面目なブーンのほうが抗し難いと悟って何も言わなかった。
( ^ω^)「それで言いたいことっていうのは――
二度とブーンとツンの前に現れないでくれ、ってお願いだお」
(´・ω・`)「…………」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:53:04.83 ID:rE6u3h8cO
( ^ω^)「ブーンが狙われるくらいならどうとでも出来るお。
けど、ツンに危険が迫るのだけはどうしても許しがたいお。
少しでもツンを傷付けてたら……
ブーンも本気でショボちゃんを傷付けに行ってるとこだったと思うお」
(´・ω・`)「…………」
( ^ω^)「だから、渡辺さんも含めて二度とブーンたちの前に現れないようにしてくれお」
不真面目極まりないブーンの、本当の姿がそこにあった。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:56:08.59 ID:rE6u3h8cO
(´・ω・`)「……わかりました。綾子ちゃんには言わないほうがいいですね」
( ^ω^)「言ったらきっと落ち込むお。内緒にしといてくれお」
(´・ω・`)「了解です」
話はそれだけだ、と小さく言ってブーンは締めくくった。
気まずさが漂う中で、どこからか賑やかな怒鳴り声だけが響き渡る。
ブーンは目を細めて声が聞こえてくる物陰に見やり、優しく微笑んでいた。
(´-ω-`)「この人には敵わないな……」
( ^ω^)「ん? 何か言ったかお、美少女戦士?」
(´・ω・`)「何も言ってませんよ、変態仮面さん」
ショボンは冗談につられて冗談で返していた。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 22:59:03.06 ID:rE6u3h8cO
(;^ω^)「ちょ! それ女性の下着を被って悪事を退治する下品なヒーローじゃないかお!
ショボちゃん通だお、意外と!」
(´・ω・`)「ブーンさんにぴったりだと思いまして」
心から笑いながらショボンはそう言った。
人の命を奪う仕事のために、自分を律して笑うこともなかった少年の姿はそこにはいなかった。
本人も知らず知らずの内に無邪気さを取り戻したショボンを見て、ブーンもまま満足そう笑うのだった。
抜けるような青空の下、平和な午後を彩る笑い声だけが優しげに木霊していた。
从'ー'从は死神のようです
おわり
乙
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:03:30.41 ID:rE6u3h8cO
これで!終わりだ!
支援支援ありがとう!さるしね!
絵もありがとう!
一ヶ月すっとばしてごめん!
今完結しました!完結しました!
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:03:57.34 ID:qyCYJVQ00
ちょwさるくらったwwwwww
乙だぜ!! ありがとう!
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:04:07.02 ID:1wJe3dmpO
激しく乙!
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:07:11.64 ID:qyCYJVQ00
初遭遇で重複したら申し訳ないんだが、以前なにか作品書いたことありますか?
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:07:13.00 ID:rE6u3h8cO
>>111 それだけ支援した証拠なんだぜ
誇れ
それでは!
変な森の支援に行きます!
機会があれば股!
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:08:30.24 ID:rE6u3h8cO
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:08:53.39 ID:S5gFywofO
乙!
ブーンかっけぇ!!
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/12(日) 23:09:59.68 ID:qyCYJVQ00
まじか、本当に乙でした!!
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙ー