【SS】

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1ノーヴェ 「ちっ、手間掛けさせやがって。この幻術バカが・・・」
 「ちっ、手間掛けさせやがって。この幻術バカが・・・」
物言わなくなった幻術使いの少女を足蹴にして彼女、ノーヴェは呟く。
長きに亘る攻防は彼女達、ナンバーズの勝利に終わった。
といっても一対三という圧倒的に不利な状況でありながら、幻術使いが健闘したのも事実。
彼女達にもそれがわかっている。だからこそ、ノーヴェは苛立ちを隠せない。
何度も何度も倒れ付した幻術使いを蹴り付けた。
 「・・・いつまでも、そんなことしてる場合じゃないッスよノーヴェ。ほら、早くオットーを助けに行くッスよ!」
  「お、おう・・・」
相方であるウェンディに諭され、ノーヴェは蹴るのをやめた。
その横では、ディードが珍しく不安そうな顔をしていた。
双子の片割れであるオットーが敵に捕らわれているのだから無理もない。
  「それでは、お姉様方。急ぎましょ──」
不安からか自ら話を切り出したディードの頭部が突如、鮮血を吹き上げ破裂した。
横に立っていたノーヴェは何が起きたか理解できず、突っ立ったままだった。
  「狙撃ッ!?くっ、逃げるッスよノーヴェ!!」
すこし離れた場所にいたウェンディには見えていた。
光弾が崩れた外壁から飛来してきたのを。
ウェンディは咄嗟の判断でIS「エリアルレイブ」を発動させ、ノーヴェを抱えてその場から離脱する。
抱えられたノーヴェは未だに把握しきれず、ウェンディを怒鳴りつける。
  「おい!ウェンディ!!ディードを置いていく気かよ!?」
  「・・・ディードはもうダメッス。殺傷設定で撃ってきたってことは、向こうもマジになったってことッスよ。
   あの場にいたらあたしらも首が飛ぶッス」
 「そ、そんな・・・。くそっ!」
遠くにディードの姿は見えた。
頭部の半部は吹き飛び、脳と機械骨格が剥き出しになっている。
すでにその瞳に光はなく。ただ灰色に濁っていた。
姉妹、それも妹の死に二人は怒りと憎しみと、そして僅かな恐怖を感じた。
「畜生ッ!!・・・また、また俺は間違えちまったのか!!」
ヘリの中から、ディードを狙撃した男。ヴァイスが忌々しく叫ぶ。
彼は間に合わなかった。自分が遅れたせいで有能な後輩があんなことになった。
21 ◆jT4OPvESiA :2009/04/07(火) 15:20:25.22 ID:qVT/0WGz0
その憤りから殺傷設定での射撃をしたのだ。
その事に後悔はない。
ただ自分のせいで後輩を助けられなかったことが、彼を苛む。
  「くっ、こんなんじゃラグナにどんな顔して向き合えばいいんだよ・・・」
自虐的になる自分に気づいたのか。
数発顔を殴りつけ、後輩であるティアナの救出に向かった。
僅かな望みに賭けて。
ハイウェイに姉を抱きかかえた少女が一人。
名をスバル・ナカジマ。スターズ分隊のフロントアタッカーだ。
彼女はうまくやった。
姉を救い。自分も五体満足。
これ以上ないほどに完璧な仕事をした。
自分のやるべきことは終わった。
あとは、みんなの援護に行こうと考え。
彼女は状況を確認しようと回線を開いた。
  「アルト、聞こえる?ギン姉は無事に助け出したよ!・・・あれ、アルト?」
おかしい、回線は繋がっているはずなのに返答がない。
彼女は何度も呼びかけた。
そうして何度目かの呼びかけで返答があった。
「ス、スバルッ!?大丈夫!?」
  「え、うん。あたしもギン姉も無事。・・・なにかあったの?」
アルトの尋常じゃない動揺ぶりに、スバルの頭に最悪の予想が浮かぶ。
アルトは息を落ち着かせると、ゆっくり口を開いた。
  「落ち着いて聞いてね、スバル。・・・ティアナが心肺停止の状態で発見されたの。今、ヴァイス陸曹が搬送中」
  「・・・え?ティア、が」
スバルは頭の中が真っ白になるのを感じた。
完全に思考は停止していた。
アルトはまだなにか言っているが、理解できない。
  (ティアが、心肺停止・・・?)
信じられない。信じない。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:21:01.36 ID:TTThYtNt0
なんだかわかんないけどウェンディからサイキックフォースだと判断した
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:21:17.52 ID:qVT/0WGz0

その言葉が身体の中を駆け巡り、彼女はもうその場から動けなかった。
〜〜一部閉幕〜〜
まあ久々に書いたけどこんなもんですが?
あれから一ヶ月。
時間の流れはこんなにも速いのか、と少女、スバル・ナカジマは思う。
親友を失い、憧れの人を失い、信頼する上司を失った。
そんな結末が訪れても世界は終わらない。
生き残った自分は生きていかなければならない。
それの辛さがこの一ヶ月で嫌というほど身に沁みた。
いつも夢に見る、こうはならなかった世界。
そこにはきっと友と共に夢の舞台へと上がり、輝ける未来が広がっていたはずだ。
だが、それは所詮幻想に過ぎない。
そして、その幻想に対して現実はあまりに暗い。
誰かを失くした涙を否応なく見続けた。自らも涙した。
誰かを憎む声を聞いた。自らも憎んだ。
誰かが絶望した。──しかし、彼女は絶望だけはしなかった。
なぜなら、彼女は継いでしまったからだ。
憧れた人から継いだもの、それは不屈の心。
それがある限り、彼女は進み続ける。
絶望の中だろうが、地獄の果てだろうが、なんであろうと。
「なんて、ね。・・・格好付け過ぎ」 スバルは自虐的に笑う
わざわざ夢だった特救のスカウトを蹴ってまでも、彼女は残存ナンバーズの捜索隊に志願した。
理由は言わずもがな、今も逃げ続けるノーヴェとウェンディ。その二人を見つけるためだ。
彼女達を恨んでいないわけじゃない。
むしろ確実に憎んでいるだろう。だが、目的は仇を討つわけじゃない。
話をしたいんだ。話をして許したい。
いつまでもこんな憎しみを持ち続けるのは彼女には耐えられなかった。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:22:38.06 ID:qVT/0WGz0
姉のギンガと父ゲンヤは更正施設で戦闘機人達の更正の手伝いをしている。
その二人から聞いた。みんな話してみればいい子達、だと。
なら、親友を殺した子達も話をすれば分かり合えるんじゃないか。
だからこそ、スバルは彼女達を探すと決めた。
きっと、より良い未来を掴むために。
「おーい、スバル!」
自分を呼ぶ声に彼女は振り返る。
  「あ、ヴァイスさん。どうしたんですか?」
ヴァイス・グランセニック。
彼も捜索隊に志願した。動機は死なせてしまった後輩の為。
そして、妹と向き合う為だ。今ではティアナに代わり、スバルの相方として活躍している。
「どうしたもこうしたもねぇ!あいつらの目撃証言だ、早速現場に行くぞ!!」
 「りょーかい!あ、ご飯食べながらでいいですか?」
「そんなん帰ってから食え!ほら、いくぞ!!」
「引っ張んないでくださいよぉ。あー、ご飯がー!」
ヴァイスに引き攣られながら、スバルは進む。
いつか、いつかの様に夢を見れる日を目指す。
───その胸に不屈の心を宿して。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:22:42.27 ID:Zqc5j26R0
渋谷のゲーセンでサイキックフォースやってたら腐女子に文句言われた
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:25:46.98 ID:qVT/0WGz0
直に交わる、青と赤。

その交差は何を生むだろう。

幸福か不幸か、希望か絶望か、優しさか憎しみか。



まぁ、どれにしても世界は変わる。変わらざるを得ない。

なぜなら、戻れないのだから。穏やかで幸せだった頃には、もう戻れない。



──だからこそ、彼女達は進むのだ。


                          『完』

あとがき
最後は適当 とりあえずこれが全力
81 ◆jT4OPvESiA :2009/04/07(火) 15:28:48.64 ID:qVT/0WGz0
感想お願いします!

「ここが良かった」「ここが好き」みたいなのお願いしますっ!

批判、指摘などはよそでスレ立ててやってくださいね^^
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:30:25.47 ID:TTThYtNt0
ああ、もう一回だけレスしてやるよ
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 15:31:58.44 ID:TpnjS1jbO
何から突っ込んだらいいの?
とりあえず半年ROMってね
111 ◆jT4OPvESiA :2009/04/07(火) 15:32:22.77 ID:qVT/0WGz0
立てた時間が悪かったですねORZ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
つまらん
それとセガサターンスレかと思った