1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
幽香「菊はもう嫌…」
風見幽香が自分自身の菊門を見詰めざるを得ない状況に陥ってから随分と経つ。
夏の終わり。彼女の首と胴体が分離した事が全ての始まりであった。
果樹が果実を落とすように彼女の体が首を落とす事は考えてみれば当然の事である。
ところが今回のソレは少しばかり事情が違った。
あろう事か彼女の自我は体ではなく首に残留してしまったのである。
幽香は自我を体に戻す方法を考えていたがどうしてもそれが頭に浮かばなかった。
菊門の中心には当然の事ながら僅かな隙間が空いている。
中へと続く隙間である。
彼女は辟易しながらもその隙間を見続ける。
自分の中に答えを探し、随分と経つが答えは未だ見付からず…
冬は近い
糞スレ終了
早苗「常識に囚われてはいけない…」
そう呟く彼女を2柱は見つめていた。
心配していたのである。
常識と言えども所詮は個人の思想に過ぎずそれ故に掛け替えの無いものだ。
捨ててしまえば東風谷早苗という人格も霧散してしまうだろう。
連日何か良い方法が無いかと探していれば天狗が面白い話を持ってきた。
花を操る妖怪がその首を切り落とし己の自身を見つめているというのだ。
その夜の事だ。
早苗「どう…し・・・て」
2柱は困り果てていた。
実践したは良いものの首を落として尚喋る彼女は詰まる所常識から外れていた。
首を落とされてすら生きている常識などどこに有ると言うのだろうか?
まともな考えを持った娘だった事は間違いない。
とりあえず切り落とした首を早苗の菊門に乗せる神奈子。
2柱はしばし話し合うと更に良い方法が無いものかと再び天狗に会いに行ったのだった。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 20:05:32.85 ID:Ni36km0c0
ほう
自分を見つめるという事はある人間にとっては難しくまたある人間にとっては簡単な事である。
また言い換えれば、ある妖怪にとっては簡単でまたある妖怪にとっては難しい事である。
アリス・マーガトロイドに自己性がらみの相談を受けた因幡てゐは珍しくまともな答えを振る事にした。
竹林に住む藤原妹紅と屋敷に住む蓬莱山輝夜は随分と長く生きており
時折、自分が分からなくなるという。
そんな時は夜中にこっそり抜け出してお互いの首を交換するという話だ。
顔は無理でも自分の体を見ることでその答えが見付かるらしい。
「参考になったわ。ありがとう」
そう呟いた彼女を見送った後、てゐは内心毒づいた。
「蓬莱人って人間でも妖怪でも無いんだよね…しまったなぁ」
兎の足で飛び跳ねてすぐさま訂正しようか迷ったが
まさか首をすげかえる真似などするものかと暢気に帰路についたのだった。
sage進行か
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 20:25:16.56 ID:fa2L1hRg0
八雲紫は時折どうしょうも無い事を思いつく。
そしてそのどうしょうも無さは恐ろしくも素晴らしい
恐ろしいのは風見の話を聞いたわけでも無しに首のすげかえを思いつくという所。
素晴らしいのはそれを上手にこなす所。
そして彼女は秋の終わり、よく晴れた日、八雲藍と橙の首を取り替えた。
藍「ほぅ…私はこんな体をしていたのか。」
橙「藍様はこんなにも高い目線をしていたのですね。」
彼女は満足であったし式達も満足であった。
特に他者の視点を知った化け猫は少し成長したであろう。
紫はこの発見を誰かに伝えたく隙間で何処かに消えて行った。
狐はイヌ科、猫はネコ科。
性質が正反対の2匹の相性は良くは無く時期に首がぐらつくだろう。
其れに気付くのはまだ少し先の話である。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 20:33:42.99 ID:fa2L1hRg0
博麗霊夢は満足していた。
幻想郷には時折、下界の人間が訪れる。
そんな時、彼らの体を奪ってやるとこれがまた良い塩梅なのだ。
栄養状態も良好で何より腋の下を通り抜ける何ともいえぬ心地悪さが無い。
あの体の芯をも凍らす心地悪さは筆舌に尽くしがたい。
「ふぅ…いいじゃないこの体…でも少し汚れているわね」
そう呟くと彼女は湯浴みをしに向かった。
残念な事に風呂から上がり着替えたならば再びアレが彼女を襲うだろう。
首を外すと言うことは己を見つめなおす良い機会になるものだが欲に駆られている内は到底それも望めまい。
博麗霊夢が自分自身を見つめようとしない限り腋の涼しさは消える事はないだろう。
決してだ。
フランドール「ねぇお姉様…何が違うのかしら?」
レミリア「さぁね、フラン…実の所は私にも分からないわ」
吸血鬼の観点で言えば昼間。人間の観点で言えば真夜中の会話である。
メイドが何処からか仕入れてきた情報では首の取替えが流行っているというのだ。
レミリア・スカーレットは地下幽閉暦の長い妹には良い経験になると思ったし
当の本人であるフランドール・スカーレットも面白そうと乗り気であった。
双子は災い…と言う話は各地の民話に残っている。
鏡張りの部屋が人を狂わせるようにあまりに似過ぎた片割れもまた心を狂わせるのだ。
見詰めなおすのには向いても見詰めるのには向かない。
幸いにも聡いメイドがそう進言したので2匹は巫女と魔女と交換しようと考えた。
自分からの視点ではなく他人からの視点も時には…いや大抵の場合は大事なのである。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 20:44:56.62 ID:Ni36km0c0
s
読みにくい
12 :
抜く水 ◆KKkkKkKkKk :2009/04/06(月) 20:46:48.93 ID:xrkeWbWn0
〆ニニニノユ
. // 「 ̄^|
. / /(^,ニ=L__」ニ\ ______、
. (| ||||,,,,, ノ`|Tη~コ.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
. `ヽヽ(,,iii,, .._」L__ ノ.ト(♀ ̄|||∞∞∞. )
. | |(i,,  ̄|| ̄ ̄ ( | ' | (||""'' !!''. /
. | |(,,,,iii ,,,,ii|,,|_⊥_」||iiilll|_)/ii,,_____/,iノ
. └-'''!!ii,,,,,,,ii!!!|iiiii|||||||||||||||||||||||||| /||||||| ||iii,,,,,,,,,/
.  ̄ ̄||i!ー! ||' '|||||' '|||||||||||| /||||||||||.|||||||||||/
. ┌┘!・┐|||llll|||||||lllll|||||!!!|||| /|||||||||||||||||||/
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ーーーー-| | |・┴┐|||||||||| ||iへ|iヘ|i_|−i|-ii-、|||
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ーーーー-| | |ーーーー-||\_ЦШ__|ー!!ш|||
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. /-| | | `一-、ヽ HEAVEN | |||||||||||||
. / | | |ヾヾ !||||| )) )/__〃_/||||||||||||||
/ | | |||l) ) !!! |ト- ゚/ ( ||||||||||||||
何匹かの木っ端妖怪が氷精を捕まえ○○を探していた。
○○と何かと問われても上手くは説明できないだろう。
要は各々にとって一番大切なものである。
チルノ「ねぇ…もう…」
先ほどまでアレほど暴れていた氷精も今はすっかり大人しい。
手や足を振り回していたのは手や足が合った時の、過去の話である。
名無しの本読み妖怪「やっぱり胸の中にあるんじゃないの?大切なのは心だって本に書いてあったわ」
ミスティア「いや頭よ。頭が無ければ物事は考えられないじゃない」
リグル「いやゴキブリは頭を取っても結構生きる・・・腹じゃないかな?ゴキブリは空腹で死ぬし」
チルノ「やめ・・・」
大妖精「どっちみち頭と胴しか残ってないんだし全部試せば良いじゃない」
ルーミア「そうね」
幽香は少し離れた花畑の菊の傍らで聞いていた。
妖怪の聴力は流石である。
幽香「子供ね…大切なものはそれほど遠くに無いものなのに」
自分の命を他人が持つ事は少ない。心もまた然りである、
大抵は自分が秘密の引き出しに。
そう、しまって忘れているだけなのだから他人の家を壊してまで探す必要はないのだ。
ふむ
_,,....,,_
-''"::::::::::::::::\
ヽ::::::::::::::::::::::::::::\ おお、こわいこわい
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi rr=-, r=;ァ .| .|、i .||
`! !/レi' rr=-, r=;ァ レ'i ノ !Y!  ̄  ̄ 「 !ノ i |
,' ノ !  ̄  ̄ i .レ' L.',. 'ー=-' L」 ノ| .|
( ,ハ 'ー=-' 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ
アリスは死んでいた。
首と胴が離れていた。
蓬莱と上海が見付からなかった。
蓬莱の顔をした上海と上海の顔をした蓬莱が見付かった。
アリスが何をしたかったのかは結局の所、見付からなかった。
葬儀は一応執り行われたがアリスを思って泣く者は何処を探しても見付からなかった。
探しても見付からないのは無いからである。
持たぬ者が蓋を開けたので彼女の中の真空に外界の大気が流れ込み死んだ。
中身が外界で満たされた故に彼女の個が無くなり概念的にも死んだ。
天子「案外楽しいのね…」
辺りは暗くなっているがそれでもまだ温かい。
数日間に渡って日の光に晒されたその場所は随分と熱を溜めていたのかもしれない。
彼女の服は所々裂け血が滲んでいたり痣になっていたりした。
自身の自信で地震を起こし神社を倒壊させその修復に要らぬちょっかいをかけた報いである。
一言で言えば異変を起こし制裁されたのだ。
それでも彼女は満足だった。
彼女たちは確かに自分を睨んでいたのだ。
人生とは何故こうも退屈なのかと思っていたがそれは幻想だったらしい。
何かが見付からなくてもその身を揺すって見ればいい。
そうすれば何かが落ちてくるだろう。
落ちてこなければ諦めもつきその後の行動も取りやすい
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:20:26.19 ID:fa2L1hRg0
天狗の射命丸文は四本の足と立派な耳、そして頑丈な甲羅を持っていた。
そればかりではなく雄雄しい角も持っていたし鋭い牙も持っていた、翼や尻尾、毒針も挙げようとすれば幾らでも挙がる。
文「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぐぁべぐぁぶべぶぃぶげぃげ」
発声器官も独特の進化を遂げてしまい以前のような言葉は喋れない
彼女は素晴らしい素質を持ち何にでもなれる可能性があった。
何にでもとは男にでもと言う意味もある。
それが新聞記者等と言う職に着いてしまい余りにも多くの人妖に触れたのだから結果は言わずともわかるだろう。
誰もが持っている少し優れた部分に憧れ朱に染まってしまったのである。
もう天狗と言う種であったことすら分かるまい。
もう夜中であったが戸を叩く音がしたので
第3間接の第8肢上手に使い扉の鍵を外したのであった。
巫女と通じる所があるが己を見直すこともせずに他者を羨むのはお勧めしない。
これは間違いなく作者は病気
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:26:19.08 ID:Ni36km0c0
s
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:27:33.22 ID:7XLkGWRIO
ぐりんぐりん?
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:28:05.17 ID:fa2L1hRg0
構想練って書くまで10分程かかるから保守はガチでありがたい
ありがとう
これ即席で書いてるのかよ
パチュリー「小悪魔。258列のEからこのシリーズを。」
小悪魔「分かりました。いつも通り5分後にお持ちします。」
パチュリー・ノーレッジは完成された魔法使いだった。
パチュリー「この考えは新しいわね…まぁ本に新しいと言うのもどうかとは思うけど。」
本とは即ち他人の思想。他人に囲まれればより己は際立つだろう。
小悪魔「パチュリー様。本館の方で人手が足りないようで支援要請が来ております。」
パチュリー「私は行かない。でも、貴女は行っても構わない。」
小悪魔「分かりました。行って参ります。」
然しながら過ぎたるは及ばざるが如し。度が過ぎても何処かしら欠陥が生まれるのだ。
他人に囲まれた状況で、自分を見失ったとすれば誰が彼女を助けてくれよう?
答えは他人だ。
しかし今この瞬間、命を持った他人は存在しなかった。
小悪魔「パチュ…パチュリー様。ただいま戻りました。」
パチュリー「うむ」
パチュリーは有りもしない口髭を撫でながらそう答えた。
小悪魔は又かと思いながらもどこか安堵した表情を浮かべていた。
前の奇行はへそのごまを舐める事。
それよりは幾分かマシだと思ったのである。
書き溜めてるかと思った
支援
メディスン・メランコリーも純粋な意味で完成されていた。
その中には毒しか生きていないからである。
単純ゆえに強力でそれ故迷いようが無い。
アリス「毒って品がないわ…」
メディスン「黙れよ売女」
一応言葉は返していたが、実の所彼女の心は動かなかった。
静止した振り子の波は検出されずそれ故誰にも気付かれない。
八意永琳の言付で彼女を探した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女が発見できなかった事も一度や二度ではない。
単純ゆえに余りに退屈。
彼女と交友を持つならば毒に味がつく頃をじっくり待つのが良いだろう。
それは人にも言えることである。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:53:12.28 ID:fa2L1hRg0
とある山の神様は山の天狗を訪ねたが夜も更けていたためか天狗の機嫌は悪かった。
神奈子「首を落としても早苗は自分を見つめてくれなくてね・・・」
諏訪子「と言うわけでもっと他の方法を聞きに来たのよ」
神奈子「諏訪子…私が喋っているんだ…」
諏訪子「何よ!そんな怒らなくても良いじゃない」
文「…グギャググギャギャグウギャ?」
神奈子・諏訪子「ぁなるほど…」
天狗は眠そうな目でもう少し様子を見てみては?と言ったので2柱はそれに従った。
早速戻った2柱の神は菊門の上の首をもう一度見直したが既に動かなかった。
なんだ常識の中に居たのかと2柱は安堵したが風祝が死んでしまった事に気付き再び困り果ててしまった。
己を見つめなおす作業はできるだけ己がやるべきなのだ。
自己の形成に無理やり力を加える事は時として砂上の楼閣を崩壊させる。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 21:59:09.49 ID:Ni36km0c0
s
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 22:07:21.87 ID:oFahBLIl0
支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 22:08:28.44 ID:fa2L1hRg0
火焔猫燐は氷精の死体を運んでいた。
妖精は死んでも分解再構成されるがこの氷精は殆ど妖怪の様であった。
彼女にはこの氷精がどのような理由で殺されたのか大体の予想がついている。
実の所、この猫も化けて人に成った時、随分と途方にくれたものだ。
猫なのか人なのか分からなくなってしまったのである。
空「ねぇ?何それ?氷の死体?」
燐「そうみたいだねぇ…」
空「ずいぶん古いじゃない」
燐「失礼な事言わないの。まだ死んで2日しか経ってないよ」
空「古いじゃない。いつもならそのまま炉で燃やすのに」
燐「そういう目で見るならそうかな?まぁ調べるとこも大して無いみたいだし燃やしちゃうよ」
空「一緒に見せてよ!」
燐「空も好きだねぇ」
お燐は随分と死体を開いたものだが未だに何かは見付からない。
それでも氷の死体なら徐々に溶けて行くのだろう。
黒く焦げ付かず何時までも透明で火炎に散る瞬間、何かが見付かるかもしれないと思った。
捜す方向は間違っていてもだ。
物事は時折流れに逆らい正に転じる。
同じ興味を持つ仲間を得たならば狂わなくても何とかなる。
保守ありがとうございます
書くペース鈍ってきたのでありがたいです
保守
八意永琳は天才且つ秀才であった。
自分と言う存在を確定させるためには個としての特異性が必要なのだと導き出した秀才だった。
更にその手段を確立させ所持することに成功した天才だった。
永琳「興味深いわ…外の世界の進化は科学面だけではなく精神面でのソレも見られる」
そう呟く彼女の左手には漫画と呼ばれる小雑誌。
懇意にしている道具屋で買い求めたものだ。
片方の手にはコーヒーカップ。中身は地獄のように熱い黒。
飲めば触れた細胞に即効性のある変化をもたらす薬品で汚染された細胞は周囲の細胞を分解していく。
彼女の特異性は不死身と薬品作りの才を組み合わせた自己損壊に伴うものだった。
永琳「ブッ!!」
そんな彼女が薬品を吐き出した。
永琳「なによこの表現…私と同じことしてるじゃない」
永琳「ぁ〜辞めた。折角身を傷めたのに馬鹿らしいったらありゃしない」
完璧な個別性は完璧でなくてはならない。
そして心の安定をいとも簡単に捨て去るその強さは天才故の完璧さだった。
人間がこの域に達することは決してない。
パルスィ「妬ましい…妬ましい…」
水橋パルスィは常に誰かを妬んでいたが自分が妬まれている事など最期まで知らなかったのだ。
彼女の精神構造は初期段階から歪んでおりそれ故妬み方を知っていた。
妬み方はシンプルだ…
無いものを妬めば良い。
自分に無いものを妬めば良いのだ。
つまりは自分を知っている。
「何が妬ましいだ…舐めやがって!!この!この!」
既に動かぬその骸。
殴りつけるのは誰だろうか?
きっと怒りと妬みで鬼のような形相だろう。
彼女からみた橋姫は声肥った豚の様。
貪欲な食欲で無限に求め続けるのだ。
真赤に染まった夜空には一つの黄色い星が出ていた。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 22:40:28.86 ID:fa2L1hRg0
魂魄妖夢が語るには今朝早く八雲紫がやって来て西行寺幽々子を連れて行ったらしい。
更に問えば狐と猫の調子がどうも悪いと言う。
そこまで聞いて全てが分かってしまったので彼女に手土産を持たせ屋敷に帰らせた。
恐らく幽々子は紫の体
恐らく紫は狐の体
恐らく狐は猫の体
恐らく猫は幽々子の体
狐と猫なら上手くはいかねども、子豚と狸が加わればまぁ上手くいくだろう。
人や動物の縁とは中々に捨てて置けないものである。
なんか僕と同じようなこと考えてる作者だ
がんばれ
支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 22:43:38.78 ID:m6oqm8e10
東方スレなのに面白いね
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 22:56:44.49 ID:fa2L1hRg0
いやはや強さとは不思議なもので立ち向かう以外にも逃げる強さという物がある。
行為は正反対にもかかわらずそれでも同じ強さなのだ。
伊吹萃香は鬼である。
年から年中酔っ払っている。
萃香「ぁあ…良い具合だ…良い具合だねぇ」
鬼は遥かに昔の日、やりたい放題やった分、手痛い報いを受けたので一族揃って逃げたのだ。
鬼は真っ直ぐだと信じた者はどこかの歪みに気付いてしまい必死に歪みを探し続けた。
彼女もその一匹だったが限界まで薄まってもその歪みが分からない。
広がれば霧散し集まればまた浮き出てくるのだ。
萃香「わからん…わからん…なぁんにもわからん」
という訳で酒を飲み己の失っている。
無いものに迷うことは少なく迷わないならばわりかし強い。
何かに気付けば世界の見方も変わるので今の彼女は幸せだろう。
注意しておきたいのは彼女の救いが底にあったと言うだけで全ての個がそこに有るとは限らない。
そいういう事だ。
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彼女も鬼だ。
星熊勇儀の過去は伊吹萃香と変わらない。
変わるのは現在だけだ。
彼女は何かや誰かと戦う時に遊びながら戦う。
勝っても負けても問題ない。
「遊びながらやったのにこんな物とは情けない」
「遊びながらやったのでこんな物だろしょうがない」
強い自分は個性の一種だ。
ここからは仮定を含める話。
彼女の自尊心が傷つけられることがあったのならば?
その時は全力で相手を殺すのだ。
幸か不幸か鬼は強く更に彼女は鬼の中でも強かった。
しかしながら力とは別の次元の強さもある。
それを知った彼女は一つの結論を出したのだ。
殺して集め、継ぎ合わせ、生き返らせて、また殺せば良いのだと
力以外の何かを持つ集合体を殺せば力こそが一番だと証明できる。
結局の所それは失敗した。
「な…んで?なんで!動かないんだ!!」
個人にとっての何かは皆それぞれ違うのだ。
四方八方にかかる同じ力のベクトルはその動きを停止させる。
気付かない事は時に不幸でもある。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 23:15:13.79 ID:s4iyviAgO
前にレミリアか誰かでスレ立てただろ
昨夜じゃね。知ってる気がするぞ この感じ──
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 23:17:05.40 ID:fa2L1hRg0
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 23:19:06.37 ID:fa2L1hRg0
フランドール・スカーレットは中々に魔女が来ないので暇つぶしを考えた。
4人まで分裂することの出来る能力で首の交換を行ったのだ。
フランドール「うーん変わんないね」
フランドール「まぁ元が同じだし」
フランドール「ぁーわかんないけど。ヒドラの首?」
フランドール「つまりはそういう事ね」
彼女たちは純粋故に幻想を追い求め自滅する事は無かった。
フランドール「「両方上半身って気持ち悪いね」」
フランドール「「化け物みたい…」」
フランドール「「」」
フランドール「「」」
もちろんソレのみが唯一の危険ではない。
彼女は間違いなく迷っている。
個の探求は存在の探求であり存在とは即ち生故に最大の謎賭けに成り得るのだ。
喩えるのならばカゴメであり迷宮である。
霧雨魔理沙「げふぅ…うぇえええええええッ…ボチャッベチョベチョベチョ」
これが霧雨魔理沙の日課である。
彼女は人間で少女なのに貪欲の気がある。
だからこうして夜毎に吐き散らすのだ。
霧雨魔理沙「ぁーバチュリーの奴パクったの不味かったかな…いやにとりか?」
彼女は他者の何かを取り込もうとしていたが自己が浸食される感触に怯えていた。
このまま嘔吐物の中でくたばるかも知れないがわりかし根性があるので鞍替えできるかも知れない。
他者から奪うのではなく他者に奪われない自分を創るのだ。
枕の下の剃刀と細く輝く銅の針。
使われるかどうかは分からぬが枕の下まで来てるから覚悟の時はきっと近い。
持ちすぎ故に心が壊れることもある。
100人乗りの心もあれば赤子で限界の来る心もあるのだから。
咲夜さんの胸の話見たときはなにこのサイケ野郎と思ったが、
今日はなにこのサイケ野郎すげぇって思った支援。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/06(月) 23:35:51.43 ID:fa2L1hRg0
魂魄妖忌「ふぅ…」
悟りを開くのもいいだろう。
それが自己の完結であり補完である。
しかし捨てた物の価値を見直してはならない。
という言葉は個人となった古人の個人的な結論でありそれが一番だと主張するにはこじんまりとしすぎている。
ごめん
>>47の最期の行
故人となった古人の個人的な…の間違いです
親父ギャグも言葉間違ったら台無しですよね
悟りを開くと言う事は何も強さの果てだけに存在するものではない。
人間は弱く妖怪も弱点がある。
これが大衆の認識であろう。
ならば観測される悟りとは強さの果てではなく弱さの果てにあるべきではないのか?
古明地さとりは心を読める妖怪なので実はこっそり泣いている。
皆が皆優しいわけではない。
それでも彼女の目が開くのは誰かの弱さを知っているからに他ならない。
さとり「言わなくてもいいわ」
負に向かった負は正となるがそれは正に向かった正では無いのだ。
故にこの世に悟りがあるのかも知れない。
古明地こいしは目を瞑ったのでどこかの鬼と似たように強かった
無意識を操る力は非常に役に立った。
拾った笛を吹きながら里の子供達を並ばせる。
前の子供の肛門に頭を突っ込ませて行くと一本の蛇が出来る。
その後、先頭と最後尾を連結させれば輪になるのだ。
俗に言うウロボロスの輪である。
ここから何かしらの教訓でも…くだらない事の連結が回転している世界である。
もちろん彼女は無意識だったのでそんな事は考えなかった。
里の子供が無意識にやった自殺なので獣も巫女も裁けなかった。
考えなくても世界が廻る一例ではあるがこいしが成功したのは目以外の感覚器を持たなかったからである。
もし耳があるのなら罪の深さを聴いただろう。
尤もこいしには考える為のアレが無かったのかもしれないが。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:02:46.94 ID:62Q5Lj/m0
ho
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:03:25.49 ID:UtKgUrc90
紅美鈴は主とその妹君の悩みを知っている。
しかしだそんな事は些細な事ではないかとも思うのだ。
持っていると証明できなくても紅い悪魔は一人でありその妹も一人である。
美鈴(無理やり求めてもどうしようも無いと思うんだけど…)
美鈴「第一ね、価値の証明すら怪しいじゃない」
美鈴は自分の胸にさほど価値を感じていないのだが日頃同僚の目が気持ち悪い。
良く出来る人間なのだがあの目はゴミクズの目である。
彼女にとって自己性のヒエラルキーはその程度の物である。
身の丈にあった思考が案外簡単に答えとなるときもあるのだ。
悩みぬき血を吐くよりは格段に楽である。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:16:13.44 ID:GYX/HGeLO
お
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:16:46.60 ID:UtKgUrc90
阿求「はいはい…」
稗田阿求はとある書物の執筆者。
謎めいた契約により30年程生き100年程働き再び30年生きる。
彼女はこの世界が約3分の1の価値だと決めていた。
書物もそれを著す様にキッチリとした文字で編集される。
彼女はふと面白い考えを思いつく。
妖精の虐待を勧める一文を自然な繋がりで書き足した。
この世の価値は3分の1なのでどうでもいいのだ。
虐殺ですら半殺しに劣る計算なので虐待など取るに足らない。
阿求「いやぁ次生まれた時が楽しみですね。まぁ覚えてないでしょうが」
自己が無くても時は進むと割り切れば使わない容量を活用できる。
その方が有意義なときもあるだろう。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:25:13.56 ID:UtKgUrc90
ルナチャイルド「いったぁ…全然加減しらないのね!」
サニーミルク「全くだわ!鎖骨外す前に肋骨外そうとするなんて無理があるのよ!!」
スターサフィア「妖精ってこんな扱いだったっけ?」
サニーミルク「さぁ?でもそういうものなんでしょ」
他者から与えられた個か自我による個なのかはそれほど問題ではない。
認めるのは結局個であるのだから。
ho
保守ありがとう
この日のために東方勉強したのにネタに詰まってきたぜ…
誰か趣旨を教えてくれ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:33:50.47 ID:62Q5Lj/m0
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:37:18.62 ID:vr03/MAUO
俺は阿呆だからか意図を理解が出来ん……先程から何度も読み返しているのだが……
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:38:05.92 ID:UtKgUrc90
>>58 価値観の多様性とその不確実さを表現したかった
各レスを比較すると分かってしまうが多数の矛盾がある
しかしながら個別で見ると完結している(筈)
そこを絡めて不条理な精神構造を強調するようにした
と言うのは今考えた話で正直何も考えてない
衣玖さん可愛い
焦らなくてもよろしいのでは
東方のキャラ詳しくないから分かりにくいぜちくしょう
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:52:46.42 ID:UtKgUrc90
鍵山雛は厄神で厄に満ちては居るのだがその心は満たされない。
厄は毒。
その概念はメディスン・メランコリーに大分近い。
そして事実は大分遠い。
なぜなら人形は毒を愛しているのだから。
雛「全く嫌になるわよね…」
最近、下方回転の独り言が呪いの様に沸いてくる。
そしてその先端が外壁を掘りぬけ心の中枢にねじ込まれたので雛は舌を噛んで死んだ。
厄は転じて薬になるとくだらないユーモアを持たない故に死んだ。
何が毒で何が薬か其れを決めるのは個人である。
つまりは精神の毒は不定であり実体を持たないのだ。
それを決めるのが個であり結局の所、彼女は個を持っていたが故に死んだ。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:55:34.75 ID:MCstZ0ExO
クーリエでやれ
>>65 こんな文章持ち込んだらボコボコにされるので…
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 00:57:35.20 ID:62Q5Lj/m0
クーリエでやるには内容がアレで叩かれちゃうね
俺の脳内容量無さ杉ワロタ
ラーメン喰って来る
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:16:57.05 ID:nflBjZpH0
おい本にしてこっそり売ってくれよ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:27:14.54 ID:83AdMWpJO
萃香とさとりこいしのとこ好きだな
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:28:23.29 ID:e+pLxhpDO
ゆうかりんに向日葵にされたい
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:35:06.60 ID:UtKgUrc90
小野塚小町は四季映姫・ヤマザナドゥの部下である。
固い上司と柔らかい部下の良好なバランス関係は実に良く出来ている。
固すぎる上司に柔らかすぎる部下なのだ。
小町「いやはやこれは面白いねぇ」
小町「白黒つけるってこれはどう決めるのか」
きっかけは子供の魂である。
お気楽な小町もこの魂が流れ着いた時には目をむいた。
菊門部分で癒着した魂は尻尾を加えた蛇の様。自己創造と自己破壊の象徴は永遠の象徴でもある。
いくら上司とは言えども堅苦しく完璧なのは詰まらない。
偶には崩れた表情も見たいと思った小町の思想と蛇は見事に連結した。
小町「さぁ!四季映姫様!魂は裁かなければならねどもこの魂は全にて1つ!!」
四季映姫「小町、芝居は必要ありません。何が言いたいのですか?」
小町「いやぁ…魂繋がっちゃってるけどこれどうするのかなぁーって思いましてね…」
四季映姫「くだらない…何人分の連結ですか」
小町「29人分です」
それだけ効くと四季映姫・ヤマザナドゥはその蛇を29等分した。小野塚小町はそれでいいのかとは思ったものの異論を挟めるわけも無い。
要するにそれが閻魔なのだ。人には到底無理な判断をいとも簡単にこなしてしまう。
だが個人の判断が全てを決定し得るのだと。ソレは余りにも生々しい、生の身勝手さを含んでいた。
彼女の明確な判決は彼女から生み出されるが故に肉の臭いを漂わせるのだ。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:48:01.21 ID:UtKgUrc90
上白沢慧音は自分の性癖に辟易していた。
彼女は他人の臭いを極端に敬遠する嫌いがある。
そして自分から発散される臭いをつい求めてしまうのだ。
雨に濡れた履物を脱ぐ時などはそれこそもう堪らない。
慧音「おかしい…しかしどうしょうもないのだ…」
そう良い訳して見るも理性がそれを許さないから苦しむのだ。
結局の所、答えは突然見付かった。
特別な日に彼女が歴史を編集しているとある接点が見えたのだ。
自己性は自己から生まれると。
慧音「なるほどな…私も少なからず求めていたのか」
自己性を求めているのならば自己の臭いを欲するのは道理なのだと彼女は決めた。
余談となるが髪についた糞尿の臭いは強烈で長く続く。
自己性の生々しさを認めるならばそれほど驚く話でもない。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 01:58:36.61 ID:6Fff+dZZ0
保守
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 02:03:53.67 ID:83AdMWpJO
スカトロはきついわ…
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 02:33:05.07 ID:UtKgUrc90
少しだけ昔、香霖堂の店主が書物を作ることにした。
人間と妖怪の間で路頭に迷った彼は自己性を確認するために比較法を選んだのだ。
いくつかの話を検証したが結局答えは出なかった。
そして彼は思考を止めたのだ。
思考なきところに自己は生まれぬともいえぬが思考しないことの選択が自己とも言える。
卵が先か鶏が先かの無限螺旋に陥って結局答えは出ないだろう。
俺もこのスレを立てた意義を見出せず寝る
保守と支援と感想ありがとうございました><
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 02:56:31.47 ID:vr03/MAUO
乙
乙&支援
このシリーズは好きだ。
バカだから内容がよくわからんが、落ち着く。
保守は…望み薄、か
また頼むぜ旦那。
混沌が入った箱を整然と並べた其れは正に秩序そのものであった。
難しかったな
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 03:39:30.58 ID:8C/mWhI4O
東方知らないけどこの文章好きだ
もしゅ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 06:16:38.22 ID:1PN8SpeM0
この芸風でいけばおk
いつの間にこのスレ立ってたんだいやまじで
まだ残ってるとは思わなかった
いい間隔で保守されてたんだな
だな
あらやだ
ディ・モールトいい保守
に