( ^ω^)「ヒーローはレッド」を譲れないようです
115 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:19:27.12 ID:FMuNQq0V0
( ・∀・)「中で開発が進められていたのは、何かご存知だろう」
言わずもがな、魔と学の成す武の結晶、魔導騎士。
ブーンとドクオは頷いた。
( ・∀・)「では、それが何を動力にしているか知っているかな」
('A`)「魔力じゃねーのか」
( ・∀・)「そう。魔力もそのひとつ」
( ^ω^)「ひとつ? まだ何かあるのかお」
(#'A`)「結論を急げ! ぐずが」
ブーンはドクオをたしなめる。
( ・∀・)「血と色味のある記憶さ。それも、純度が高いほどいい。
研究で私はそれを突き止めた。記憶とは、感情とも言い換えられる」
( ^ω^)「感情ですかお」
( ・∀・)「ああ、厳密には、人の体液の流れから生まれるんだが……」
116 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:20:46.25 ID:FMuNQq0V0
曰く、感情の昂ぶりや沈降は独特の波長を放つらしい。
('A`)「昔、どっかの医療特化の国がそんなこと発表したらしいな。
脳みそ辺りで目に見えないほど小さな粒子が出る、とかよ」
( ^ω^)「そういえば抗自白剤訓練でそんな説明を受けたお」
( ・∀・)「そう。おおまかな感情は、その粒子の種類から推測できる。
魔力を当てることで、それを可視化、精製を可能にした」
得られるのは微量ではあるが、と付け加えたモララー。
( ・∀・)「ところで、さっきの部屋で心臓を見なかったか?」
( ^ω^)「お。びくびくし続けてたのを見ましたお」
( ・∀・)「あれは、ヴィップ国の武人の心臓だ」
( ゚ω゚)「え?」
117 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:23:19.13 ID:FMuNQq0V0
ブーンが青ざめた。
ドクオでさえ、怒りの表情を一転させた。
( ・∀・)「要は、心の臓が送り出す血液。武の道を歩む者は、それに不可解な力を宿す。
魔力とは別種でいて、近しく、目には見えない。戦闘のセンスはそれに起因する」
なおもモララーは続ける。
( ・∀・)「抽出は生体からできれば良いが、なかなかそれも難しい。
だから、戦争で出た死体から取り出した心臓を使っているのさ」
(;゚ω゚)「僕の、仲間の心臓を?」
( ・∀・)「ニューソクよりもヴィップの兵の方が資質に恵まれているんだ。
薄めたとしても、有用なんだよ。強力な魔導騎士を作るためにはね」
('A`)「てめえは救われねえヤツだな。まともな死に目に会えねえぞ」
( ・∀・)「分かってる……。分かっているんだよ……」
モララーは、笑った。
涙を流しながら。
( ;∀;)「でも仕方ないんだ。やるしかなかったんだよ。私は。ははははは。
私は、あはは、手を汚して! それでも守りたいものがあったんだよ!」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:26:37.22 ID:hH2g9HoEO
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:26:50.77 ID:khVogTWF0
おもすれー
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:28:39.26 ID:L0z6YGEYO
支援
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:34:53.07 ID:85fqe1ggO
初支援!!
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:35:36.25 ID:0GHrY8vvO
支援
123 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:35:46.21 ID:FMuNQq0V0
妻が!
子供が!
家族!
旧い友人!
目前で腕をもがれ、脚を斬られ!
耳は削がれ、片目はえぐられ!
それでも皆生かされて!
どうしたら良かったんだ!?
結果を出さないと彼らが痛めつけられる!
逃げられるわけないだろう!?
あはあははははははははははははははは
ああああああああああああああ!!
彼の叫びは、防音の障壁に吸い込まれる。
ブーンはドクオの肩を叩き、一度、その結界から外に出た。
ドクオは何も言わずに従う。
涙にまみれて頭をかき乱す。
床に頭を打ち付ける。
腕を、顔を爪で掻く。
そんなモララーから、二人は黙って、顔を背けた。
124 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:39:33.47 ID:FMuNQq0V0
('A`)「おい、続きはまだ話せるか」
孤独な懺悔を見届けると、ドクオは問いかけた。
その声は先ほどより柔らかいトーンだった。
( ∀ )「ああ……すまない。時間を無駄にさせた」
( ^ω^)「それで、動力源がどういう関係があるんですお」
( ・∀・)「みっつの要素を混合、凝縮、固形化したものが核となる。
それが、これだ」
モララーが指にあるもの二人に見せる。
見る角度によって色を変える、美しい石のついた指輪だ。
('A`)「随分小さいな」
( ・∀・)「魔導騎士達の胸にはこれより大きなものが内臓されている。
私のこれは、いわば警備撹乱用の鍵さ。働く学者は皆これを着けている」
( ^ω^)「撹乱……。つまり、格納されてある魔導騎士に偽装できるのかお」
( ・∀・)「魔術は対象を明確に限定した場合、より強い効果を発揮する。
ここは対人用魔法に溢れているんだ。必ず、なんらかの感情の色を看破される」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:43:05.28 ID:Iwx1v7RAO
まだ支援
126 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:43:58.59 ID:FMuNQq0V0
('A`)「逆にその色とやらがなければ、全く見つからない、と」
( ・∀・)「少なくとも、混在したエネルギーに包まれている限りは」
防音障壁の光が徐々に弱まってきた。
同様に目くらましの魔術も薄まっている。
ブーンはフラスコを振って、魔法液が残り少ないことを確認した。
( ・∀・)「クール様の魔術。この蒼い光。懐かしい感覚だ」
('A`)「会いたいか」
いや、とモララーは答える。
( ∀ )「こんな私が会う資格などない」
( ^ω^)「……戦争は僕達が食い止めますお。モララー博士。
絶対に、助けに来ますお。そうしたらまた会えますお」
('A`)「……そろそろ行くぞ」
目元を潤ませたモララーに背を向けたドクオは、寂しげな表情をしていた。
そこで、唐突に待てが入る。
( ・∀・)「まっ、待ってくれ。君が中に入るのか?」
127 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:45:45.28 ID:FMuNQq0V0
( ^ω^)「僕ですかお? いや、僕達は二人で」
(;・∀・)「この小核では一人しか警備網を騙すことができない」
('A`)「なんだと?」
(;・∀・)「それに、君等の任務は『存在・規模の確認』。『鹵獲あるいは奪取』だったな」
(;^ω^)「ですお」
(;・∀・)「前者は簡単だ。だが魔導騎士は持ち出せない。不可能だ
せいぜい、設計図を盗むことができるくらいだろう」
('A`)「魔導騎士の存在はひっかからないんだろう? 一体、何が言いたいんだ」
モララーは、俯いて唇を噛んだ。
防音障壁が消える直前に、彼は指輪を二人に渡してこう言った。
――見れば分かる。
128 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:47:04.93 ID:FMuNQq0V0
モララーと別れた二人は、顔を見合わせる。
お互いが怪訝な表情を浮かべている。
('A`)(あの野郎、どういうことだ)
( ^ω^)(見れば分かる?)
手信号で、ブーンが指輪をはめることが決定された。
ドクオが紙切れを差し出し、ブーンはそれに向かって状況を伝える。
( ^ω^)「ブーンだお。兵器廠内への潜入準備が整ったお。通信後、侵入。
内部を探り、脱出。可能ならば兵器を持ち出すお」
『こちらツン。了解。ブーン、気をつけて』
淡白な返答に、ブーンは苦笑したが、十分に心配する気持ちが伝わった。
ドクオが姿を隠すと、ブーンは廊下を奥へと進む。
魔術液を使わずに歩いたため、自らの足音に心臓が跳ね上がった。
手を重々しい黒の扉にかけ、深呼吸。
( ^ω^)(行くお……)
それは開かれた。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:49:14.93 ID:Jc0T/gD70
しえn
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:49:42.81 ID:0GHrY8vvO
しえ
131 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:51:57.81 ID:FMuNQq0V0
果たして、彼は、モララーの言葉の意味を理解した。
――むしろ、目的の物しかないといったところか
132 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:53:40.93 ID:FMuNQq0V0
( ω )「こちらブーン」
『クールだ。どうした、発見できたか』
( ω )「皆、任務は失敗だお。実行不可能だお」
『どういうことだ。答えろ、ホライゾン』
ブーンは、兵器廠の中央を見る。
整列した白黒の鎧の群れ。
その中央には、台座に座らされた銀に輝く巨大な具足。
甲冑の胸部は、開かれている。
中には、魔力核と思しきものは見当たらない。
その一体だけが、異常に巨大だった。
常人の十倍以上の身の丈。
凄まじく太く長い剣。
だが、衝撃を与えたのはそれではない。
核が無ければ、ただの大きな甲冑飾りだ。
むしろ絶望の根源は、モノクロの鎧。
特に、一番近い魔導騎士の露出した顔面だった。
「どうでしょう、すばらしい作品でしょう?」
それが言う。
133 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:55:10.56 ID:FMuNQq0V0
( ω )「作品?」
「そうです、作品です。私も含めてね」
「私もですよ」
「無論、私や、隣にいる私。背後にいる私も」
「すばらしいとは思いませんか」
「これを見て。すばらしいとは思いませんか」
( ω )「狂ってるお」
「ご理解いただけない?」
( ω )「こちら、ブーン。皆、逃げる準備をするお」
『答えろ! 何があった!』
魔導騎士達が一斉に面を上げ、顔を彼に向けた。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 01:56:46.25 ID:khVogTWF0
しししええん!!!
135 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 01:57:49.53 ID:FMuNQq0V0
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
「実に残念です、兵団団長ホライゾン殿」
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)(<●><●>)
百を超える、ワカッテマスがそこにいた。
白と黒とに覆われた鎧からのギョロついた二百の眼差し。
それらが立ち尽くしたブーンに視線を集中させていた。
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:00:13.30 ID:0GHrY8vvO
まだしえん
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:01:11.05 ID:Umo7FkhNO
こえー
138 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:01:38.14 ID:FMuNQq0V0
( ω )「魔導騎士っていうのは」
( <●><●>)「私ですよ」
一番近いワカッテマスが答える。
( ω )「無人の、仮想生命の兵器じゃないのかお」
( <●><●>)「ああ、それは試作品のことですよ。そうですねえ。ちょっとお話しましょうか」
隣のワカッテマスが小首を傾げた。
そして、さらに隣のワカッテマスが動作を引き継いで指を鳴らす。
( <●><●>)「こちらへ、客人をお連れください」
ブーンの背後でどたばたと騒音が起こる。
怒号。
悲鳴。
罵声。
しかし、それらはすぐに止んだ。
「こっちに来い! おとなしくしろ!」
(#'A`)「チクショウ! モララーの野郎騙ってやがった! ブー……ン……」
(;'A`)「どういう、ことだ……」
139 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:05:02.56 ID:FMuNQq0V0
愕然とするドクオは、ブーンの足元に放り出される。
彼をつれてきた兵士は、一礼すると出て行った。
( <●><●>)「知、力、学、金。あればあるほど気持ちのよいものです」
隣へ。
( <●><●>)「美しさを数に感じませんか。私は感じます。貴方達もそうでしょう」
もう一人、隣へ。
( <●><●>)「多大なる物を手にするに、私は貨幣を利用しました」
さらに話し手は隣へ。
( <●><●>)「物欲とは面白い。蔑視されるが、一方で人間の本質だ」
( <●><●>)「手に入れることが楽しみです。美しさです。悦びです」
( <●><●>)「ですが、それでも一生のうちに全ては手に入りそうもない」
( <●><●>)「そこで私は知ったのですよ。一生を延長する手段を」
( <●><●>)「戦場を駆けずり回るという新たな娯楽も手にいれました。それを実現する手段こそ」
順々に喋っていた全員が、声を揃える。
他人の命を取り込むこと。
140 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:07:06.70 ID:FMuNQq0V0
ドクオが立ち上がり、剣を抜く。
(#'A`)「けっ! 雁首揃えてわがままの正当化演説かよ! くだらねえ!」
( <●><●>)「迅雷の傭兵ドクオ殿。貴方には失望しましたよ」
(#'A`)「なんだと?」
( <●><●>)「私の宝物庫に盗みに入った回数、八回。いずれも未発覚」
( <●><●>)「と、言うことにしてあげたのに。まさか盗った物を他人のために使うとは」
ドクオがぎくりと固まる。
( <●><●>)「純粋な物欲ならばと許容していたのに、義賊まがいの行動? 馬鹿馬鹿しい」
( ω )「馬鹿馬鹿しい?」
( <●><●>)「強欲を持つ仲間だと思っていたのですが、期待外れでした」
そこで、再び背後に気配が生じる。
141 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:09:39.51 ID:FMuNQq0V0
開かれた扉の向こうには、つい先ほど別れた人間がいた。
( ∀ )
( ^ω^)「……モララー博士」
彼は何も語らない。
( <●><●>)「いやはや、彼は得るより保持することに執着していました。彼も欲深い」
( <●><●>)「それを刺激してお願いをしたら、わたくしの願望を実現してくださったんですよ」
( <●><●>)「感情に潜む魂の色を発見。精製。混合することで、記憶を継承。すばらしい技術です」
( <●><●>)「おかげでわたくしは、それを定着させた疲れ知らずの身体をこんなにも得た」
( ・∀・)「……約束通り、家族は解放しろよ」
魔導騎士全員が笑顔を浮かべる。
そして、笑う。
一人が始めて、左右に伝播し、後ろに広がる。
巨大な銀色の鎧以外にそれが感染する。
薄気味の悪い、背筋を凍らせる嬌声。
142 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:11:35.40 ID:FMuNQq0V0
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
けたけたけたけたけたけたけたけた
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
けたけたけたけたけたけたけたけた
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
けたけたけたけたけたけたけたけた けたけたけたけたけた
けたけたけたけたけたけたけたけた
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
けたけたけたけたけたけたけたけた
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
けたけたけたけたけたけたけたけた けたけたけたけたけた
(<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>) (<●><●>)
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:12:00.45 ID:0GHrY8vvO
しえ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:12:40.73 ID:Jc0T/gD70
しえn
145 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:13:43.67 ID:FMuNQq0V0
( <●><●>)「――ホライゾン殿、おかしいでしょう」
( <●><●>)「美談か、悲劇か。いいえ、紛う事無き喜劇!」
( <●><●>)「……はあ。モララー博士。約束は守りましょう」
ワカッテマスが一人を除いて、面を下ろす。
( <●><●>)「ところで、ホライゾン殿。『暗殺は不可能』そうおっしゃいましたね」
( ω )「それがどうしたんだお」
( <●><●>)「そんなことありませんよ」
ブーンへ近付くワカッテマス。
ブーンが剣を抜き、身構えた。
頬を汗が流れる。
ドクオはそれが、ブーンの赤いスカーフに濃いシミを作るのをちらりと見た。
立ち止まったワカッテマスは、脱力したまま胸元を開ける。
その甲冑の中は、生身の人間のように見えた。
無防備に健康そうな胸を張るワカッテマス。
( <●><●>)「これは肉に見える、装飾品ですよ。あ、元はヴィップ国の兵士だったらしいです。
心臓の位置を狙ってください。核を突けば、おめでとう、一撃死です」
146 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:15:11.73 ID:FMuNQq0V0
( ω )「今、なんて言ったんだお」
( <●><●>)「心臓の位置です、心臓。ここですよ」
(;'A`)「おい、ブーン。罠だ。やめろ」
( ω )「ヴィップ国の、なんだお」
ああ、とワカッテマスは納得した。
( <●><●>)「ホライゾン殿の部下の一人でしょうか。良い筋肉でしょう?
確か、半年前に生体から剥ぎ取って、以来、わたくしの体に――」
やめろ! という叫びが重なる。
刹那、鋼の刃が二種類の音声を断ち切った。
147 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:17:04.15 ID:FMuNQq0V0
( <●><○>)「――」
モノクロの鎧は、崩れ落ちるように倒れた。
胸元から、複数の色が混ざった液体を噴出して。
( ω )「なんだ、簡単に死ぬんじゃないかお」
拍手が沸きあがる。
顔を覆った、多数の魔導騎士達の拍手。
擦れる金属が不協和音となり、彼を包んだ。
(;'A`)「クソ! 馬鹿野郎! そんなことしたら!」
一体が手を上げた。
騒音は止む。
新たに進み出たワカッテマスが、兜を外す。
( <●><●>)「お見事。さすが若くして兵団を率いるまで上り詰めたお方。
国を挙げて演舞に対する礼をしたいのですが、残念ながら、
皇帝ワカッテマスが殺されてしまいました」
(#'A`)「チクショウ!」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:20:05.69 ID:XHD/A/LcO
支援
( <●><●>)「目撃者は百以上のニューソク皇国兵士。魔導騎士とはいえ、意思ある者。
犯人はヴィップ国、兵団団長ホライゾン。それにより我々は宣言します」
――ニューソク皇国は、ヴィップ国へと報復行為に乗り出す。
(;'A`)「やっぱりそういう目論見だったんだな……」
150 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 02:22:58.51 ID:FMuNQq0V0
( <●><●>)「下賎な義賊気取りは妙に気が付きますね」
(;'A`)「明らかな多勢が隙を見せる時は裏があんだよ。てめえみてえな野郎は特にな」
( ゚ω゚)「ドクオ。もう良いんだお。こいつは人間じゃない。
ようやく踏ん切りが付いたお」
ブーンは、剣に付着した液を振るい落とし言う。
( ゚ω゚)「こいつは、こいつらは僕らが殺さなければならない」
含み笑いが返される。
( <●><●>)「ふふふ、良い怒りの色が見えます。鮮血の赤。
そう、首から胸から噴出する赤です」
( ゚ω゚)「ふっ」
再び、銀の軌跡が描かれる。
低空に踏み出した、大きな一歩。
対して、ワカッテマス達はぼんやりとそれを眺めている。
ブーンが鋭く鎧の上下の隙間を突き上げて、硬い物を砕いた。
( <●><○>)「――」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:28:35.95 ID:Umo7FkhNO
頑張れー
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:29:18.64 ID:9/+JnPXSO
支援
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:32:04.31 ID:0GHrY8vvO
たびたび時間あくな
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:39:30.26 ID:Umo7FkhNO
猿避け
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:58:56.73 ID:2jfslzjRO
おさるさん?
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 02:59:57.16 ID:0GHrY8vvO
寝落か?
157 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 03:00:07.90 ID:FMuNQq0V0
ごめんなさい。
さるってて身動きが取れないので、
改めて投下するなりしたいと思います。
詳細は天下一ブーン会したらばで。
はてさて、これは書き込まれるのか。
158 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 03:07:10.36 ID:FMuNQq0V0
おっ、書き込みできた。
すっかり遅刻した上にこんなんなってすみません。
ここまでの支援ありがとうございました。
こんな遅くまで起きていただいたのに。
>>91 改めまして。
まとめは是非ともしていただきたいです。
ですけどもここまでで半分ほどでして。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 03:08:51.31 ID:2jfslzjRO
続き楽しみにしてるよ乙
160 :
◆s7L3t1zRvU :2009/03/30(月) 03:11:47.03 ID:FMuNQq0V0
改めて、は
ここからのと、始めからのとどっちがいいでしょうか。
ともあれ、祭りのトリにすみません。
お付き合いありがとうございました。
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 03:15:16.06 ID:2jfslzjRO
結構長いからまとめてくれるサイト貼って続きからの方が良いかもしれんね
乙。
続きが気になるw
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/30(月) 03:51:11.75 ID:0GHrY8vvO
起きてたのか
164 :
◆KIFt9K0slU :
乙です!
続きにwktkしときます