(,,゚Д゚)All for one one for〜のようです。
1 :
◆jOnMQUNVXQ :
立つかな?
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:37:38.68 ID:xBFnkeVm0
まとめ読んだよ!楽しみ支援
3 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:37:47.37 ID:DzdsYYa50
あ、立った。
まとめサイト様がついてくださいました。
7xまとめ − 川 ゚ -゚)ブーン系小説
こちらのサイトなのですが、URLが貼れないので後ほど携帯から貼ります。
では今回は3,4話合併号です
4 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:38:26.22 ID:vtiQybx1O
5 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:39:06.55 ID:DzdsYYa50
3話 「文芸部」
_
( ゚∀゚)「よ〜ギコ!」
(;゚Д゚)「いってぇっ!?」
教室に入ってからすぐにジョルジュが後ろから頭を小突いてきた。
_
(; ゚∀゚)「あ、悪ぃ」
そこは先日、鬼神によって深手を負った場所なんだからなるべく触らないでくれよ。
_
( ゚∀゚)「すまんすまん。いやしかしツンちゃんも中々やってくれるね。」
やる、ってかやり過ぎだろ。こっちはしばらく気を失ってたんだからよ。
_
( ゚∀゚)「そうか。…で、お前俺の目の届かない所でヒーちゃんに何かしちゃったとかないだろうな?」
急に目に殺意がこもる。
(,,-Д-)「別に何もしとらん。」
_
( ゚∀゚)「ホントに?」
(;゚Д゚)「本当に!」
6 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:41:08.72 ID:DzdsYYa50
ったく…コイツの素直好きは異常だからな。
別にお前の彼女でも何でもないだろうが。
_
( ゚∀゚)「そうか。なら良いや」
ふぅっと一息ついて席に戻る
するとすぐにブーンがこっちにやってきた
(,,゚Д゚)「どした?」
( ^ω^)「今日は暇かお?」
…まぁ帰宅部だし、予定は入ってないけど?
( ^ω^)「じゃあ放課後にちょっと手伝って欲しいんだお。」
…あぁ、また本の整理か
ブーンは「文芸部」という、活動といったら本を読むだけの無気力な部に所属している。
文化祭の時にちょっと本の紹介冊子などを作るだけで後はほとんど何もしないお気楽な部活だ。
本来の目的はは本を読むだけでなくディベートなどをして、大会にも出るような由緒正しい部なのだが…
今は部員が少ないためほぼ活動停止状態なんだとか。
故に現在は読書だけ…なのだが、それだけじゃ悪いので図書委員の手伝いが文芸部の活動内容らしい。
去年何度かブーンの手伝いをした事もある。
手伝いの手伝いってのもなんだが、どうせ暇だからノープロブレム。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:43:47.66 ID:xBFnkeVm0
支援
8 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:43:57.82 ID:DzdsYYa50
( ^ω^)「あ、違うお違うお。
今日は部室に本を運ぶの手伝って欲しいんだお。」
…部室?
( ^ω^)「そうだお。四階の隅の方にあるんけど…知らなかったのかお?」
…あぁ、あのほとんど生徒指導室と化してるあの教室か。
たまにジョルジュが連れて行かれたりするもんな。
( ^ω^)「じゃ、お願いだお。」
ブーンは自分の席に戻っていった。
そして放課後。
俺は1階の図書室から分厚いハードカバーを5冊ほど抱え、4階へと続く階段を登っていた。
これだけあったら漬物石の代わりにでもなるんじゃないかってくらい重い。
横ではブーンが涼しい顔をして小さな本を10冊程抱えている。
(;゚Д゚)「ふぉおおおお!!!」
震える足腰のままなんとか階段を登りきり、文芸部部室に倒れこむように入る。
( ^ω^)「はい、お疲れさまだお〜♪」
あ〜、くそぅ! 腕がプルプルしてやがる!
( ^ω^)「ありがとだお、ちょっと休んでて良いお。」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:44:56.34 ID:xBFnkeVm0
支援
10 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:46:20.92 ID:DzdsYYa50
そう言ってブーンは俺の運んできた本を一冊ずつ机に置き始めた。
文芸部部室は、大きさや造りは普通の教室と変わらない。
が、扉や窓が防音仕様になっていて全て閉めたら外からの音はほとんど聞こえなくなる。
事実、野球部の気合いの入った意味不明な声すら聞こえなくなっていた。
( ^ω^)「あ、部長。クーラー付けますかお?」
入り口付近で伸びていると、本を運び終えたブーンが部長なる人に話しかけていた。
まだ軽く痙攣している足を、これまた痙攣している腕で机にしがみつき年寄りのように立ち上がる。
(,,゚Д゚)「…あれ?」
思わず声が出る。
部員数が少ないのにも驚きなのだが、それよりも部長に驚きだ。
川 ゚ -゚)
無表情で本に目を落としている華奢な体の女性。
素直 空さんが文芸部の部長だったのだ。
(,,゚Д゚)「ブーン、ブーン。」
部長以外の唯一の部員であるブーンを呼び寄せる。
(,,゚Д゚)「あの人が部長なのか?」
俺は耳元でこっそり聞いた。
聞こえては無いと思うけど、小さい声で話す内容でもないかもな。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:46:54.44 ID:xBFnkeVm0
支援
12 :
◆microbe.12 :2009/03/24(火) 20:47:39.41 ID:qmXsRzjf0
始まてた
しえーんします
13 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:48:17.46 ID:DzdsYYa50
( ^ω^)「うん、そうだけど…?」
…というかあんな人が部長なんか勤まるのか?
引っ越しの挨拶に行った時すら無言だったのに…
そういやさっきのブーンが言った「クーラー付けますか?」の返事すら聞いてないぞ。
気が付けばクーラーのスイッチ入ってるし。
というかまだ5月なのにクーラーとは贅沢な。
(,,゚Д゚)「ブーン、あの人何年?」
と聞くとブーンは顔を離し、かわりに宇宙人でも見るような目で俺を見た。
(; ^ω^)「何言ってんだお? 隣のクラスじゃないかお。」
なにぃっ!?
と思わず叫びたくなったが、読書中の方の迷惑になりそうだったので何とか抑えた。
(;゚Д゚)「だって俺一度も見た事…。」
言いかけたその時、防音扉が静かな音を立てて開いた。
そしてその隙間からこれまたアンバランスに積み上げた分厚い本を抱えこんだ女子生徒が入ってくる。
…っていうか危な……
从; ー 从「キャ〜!?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:48:52.50 ID:xBFnkeVm0
支援
15 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:50:25.09 ID:DzdsYYa50
そう思った瞬間、本は甲高い叫びと共に前倒しになり部室の床を滑るように散らばった。
(; ^ω^)「あ〜…大丈夫かお?」
と駆け寄るブーン。
俺は直立不動。
頭の中でその本を床にダイビングさせた女性の顔
それに記憶として刻まれている女性の顔を照らし合わせる。
そして一言。
(,,゚Д゚)「渡辺ちゃん…?」
素直さんよりも小柄な少女は、チワワ見たいな目で俺を上目使いで見た。
从;'ー'从「あ…あれ? 赤木さん?」
やっぱり。綿でも混ざってるんじゃないかってくらいふわふわのロングヘアー。
そして今現在真正面から覗ける白い三角地帯。この無防備さは忘れるわけもない。
( ^ω^)「ん? 渡辺さん、ギコと知り合いなのかお?」
本を拾いながらブーンが言った。
从'ー'从「あ、はい。実は先日引っk…」
頭で考えるより先に、俺の体は渡辺ちゃんの口を手で塞ぐ、という動作を行っていた。
从;'ー'从「んぐっ?」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:50:25.81 ID:3ExRrpw4O
>>12 黙ってたけどそろそろトリはずせよ
読者のくせにしゃしゃりすぎなんだよお前
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:51:02.28 ID:WiZh1XYDO
one or fall
ってかラグビーの話じゃないのかよ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:52:04.59 ID:xBFnkeVm0
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:52:48.63 ID:SrBOQ17T0
20 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:53:10.36 ID:DzdsYYa50
困惑している渡辺ちゃんを一旦外へ出して俺は話をした。
ほら、いくら相手がブーンでも言ったら目を丸くしちゃうだろ。だからその事は秘密な。
実はまだ引越ししたこと言ってないんだからさ。
本当は言うベきなんだけど…アパートの事情が事情だから…ね?
口を塞がれたまんまの渡辺ちゃんに同意を求める。
渡辺ちゃんは首を縦に振り、俺の手を口からはがした。
从;'ー'从「すみません。」
いや、むしろこっちが謝る事だよ。突然ごめん。
从-ー'从「いえ、じゃあその事は二人の秘密って事で。」
いたずらっぽくウインクする渡辺ちゃん。
いや、嬉しいけど別に二人だけってわけじゃあないんだけどなぁ…。
話を終えたので、ごまかしながら俺達は部屋へと戻った。
ちらっと流し目で素直さんを見る。
首の位置はほとんどそのまま、黙々と読書を続けている。
一応部長なんだから、散らかってた本を拾ってあげるくらいしてあげても良いのにね。
( ^ω^)「渡辺さん、本何処に置いておけばいいんだお?」
ブーンが本を持ち上げながら聞く。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:54:49.08 ID:xBFnkeVm0
支援
22 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:56:08.86 ID:DzdsYYa50
从;'ー'从「あ、すみません。私やりますんで良いですよ。」
とことこ とブーンの方へ小走りで向かう。
ん〜…なんか小動物でも見てるみたいだ。
从'ー'从「あ、ブーンさん。ここら辺の本、今日が返却日ですよ。」
ここら辺とは最初っから机に置いてあった、たくさんの文庫本だ。
一般生徒は貸し出しできる本数が決まってるが、部として借りているので一度に大量の本を借用できるらしい。
故にこの部室はいつもいつも本が入れ替わりしているのだ。
…というか、こんなに散乱してんのによく分かるな。
( ^ω^)「あ〜、そうかお。じゃ、返しに行くお。」
手分けして本を積み上げていくブーン達。
俺も手伝おうと手を伸ばすが
( ^ω^)「あ、もう後は特別な用は無いから、帰っても構わないお。」
ブーンはそれを制し、渡辺ちゃんと共にさっさと部室から出て行ってしまった。
部屋に一人残される俺。
いや、正確には二人なのだが…
素直さんは無言のまま、一定の姿勢で本を読んでいる。
そのあまりにも静かさのせいで、居るのか居ないのかわからないくらいだ。
確認できるのは、時折ページを捲る音が聞こえてくるおかげと言っても過言ではない。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:56:35.66 ID:xBFnkeVm0
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 20:57:07.00 ID:qmXsRzjf0
どれはずすかな
し
25 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 20:59:08.13 ID:DzdsYYa50
うぅむ…どうしようか。
話しかけるか話しかけまいか…。
ブーンの言う通り無難に帰った方が良いかもしれん。
けど帰り際に一言ぐらい声をかけた方が良いかな…。
いやでも熟読してるし…邪魔か?
(;゚Д゚)「――!」
悶々としながら素直さんをちら見していると、素直さんは急に顔を上げて俺の目を見据えた。
川 ゚ -゚)「帰るのか」
語尾すら上がらない、疑問形なのかそうなのか疑いたくなるくらいな平坦な声で素直さんは言った。
初めてこの人の声を聞いたという感動なんか全くない。
予想通り過ぎる声だからかもね。
(;゚Д゚)「あ、いや…その…」
川 ゚ -゚)「無理しなくていい。自分の意思に従え。」
な、何故に命令口調?
いや、でもなんか俺ちょっと気配りされてるんじゃね?
(;゚Д゚)「いや、まだ時間あるし…もう少し居ようかな…なんて、ハハ。」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:00:13.01 ID:xBFnkeVm0
支援
27 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:01:29.65 ID:DzdsYYa50
川 ゚ -゚)「……そうか。」
と言うと素直さんはすぐに視線と姿勢を読書に戻した。
(;゚Д゚)「…あの?」
問いかけても素直さんは下を向いたままだった。
(,,゚Д゚)「素直さんって本、好きなの?」
素直さんは面倒くさそうにゆっくり顔を上げると、首を小さく縦に振った。
(,,゚Д゚)「どんな本が好きなの?」
すると素直さんは本を持ち上げ、表紙が俺に見えるようにしてくれた。
しかし、筆記体のようなそうでない様なよくわからない文字だったのでジャンルはおろか題名すらわからない。
洋書だと思うが、ぶっちゃけ魅力は感じられない。
川 ゚ -゚)「小説。」
(;゚Д゚)「あ、な、なるほど。じゃ、おすすめとかある?」
素直さんはこれまたゆっくり本を定位置に戻し、机に散乱している文庫本を指差した。
川 ゚ -゚)「本に慣れてないならこちらを読んだ方がわかりやすい。」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:02:57.96 ID:xBFnkeVm0
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:04:07.56 ID:qmXsRzjf0
ー
30 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:04:46.22 ID:DzdsYYa50
(,,゚Д゚)「あ、そうなんだ。じゃ、一冊借りて良いかな?」
川 ゚ -゚)「どうぞ」
俺は散乱した文庫本の中から『走れバロスwww』という見慣れた題名の本を手に取り
(,,゚Д゚)「じゃあコレを借ります。」
と言い、素直さんが首肯するのを確認してから部屋を後にする。
階段を降りる最中、ブーンと渡辺ちゃんに出会った。
( ^ω^)「あれ? まだ帰ってなかったのかお?」
(,,゚Д゚)「あぁ、素直さんお勧めの本を借りてたんだ。論議の末、これになったんだけどね。」
先ほど借りた手の平大の文庫本をヒラヒラさせながらブーンの横を通り過ぎた。
(; ^ω^)「…今、論議の末、って言ったかお?」
ギコが去った後、目を合わせる二人。
从;'ー'从「え…じゃあ部長と話したって事ですか?」
頷くブーン。
从;'ー'从「うそ…。部長が話してるのって私ほとんど見たことないですよ。」
(; ^ω^)「僕も二、三回しか聞いた事ないお。
しかもどれも短調な答えだけだったし…。」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:05:57.42 ID:xBFnkeVm0
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:07:16.45 ID:qmXsRzjf0
¥
33 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:07:31.48 ID:DzdsYYa50
从;'ー'从「論議の末って事は…かなり話したって事でしょうか?」
( ^ω^)「わからないお。ギコが嘘言ってるかも知れないから…。」
从'ー'从「あ、それもそうですよね。」
(; ^ω^)「というか出来ればそうであって欲しいお…。
部長がペラペラ理屈こねて話してるのを想像したらなんか変な気分になってくるお。」
从;'ー'从「ですよね…。」
部室に戻り、部長の素直を二人は見る。
川 ゚ -゚)
そこにはいつものように本を読み耽っている素直が居たが
川 ー )
ほんの少しだけいつもと違うような気がした。
つづく
34 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:08:52.41 ID:DzdsYYa50
つづけて4話いくよー
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:09:27.16 ID:xBFnkeVm0
おぉ!乙!
続きに期待してるよ!
36 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:10:45.85 ID:DzdsYYa50
4話 「ジョルジュとヒート」
_
(* ゚∀゚)「ひ、い、と、ちゃ〜ん♪」
満面の笑みで素直の元へ向かうジョルジュ。
片手には本日返却された中間試験の古典のテスト用紙が握られている。
_
( ゚∀゚)「見て見て。俺、古典88点だった!」
惜し気もなく大声で話すジョルジュ。わざとかテメー。
ノハ-听) 「はいはい。どうせあたしはバカですよ〜だ。」
頬杖をつき、そっぽを向きながらジョルジュへ自分のテスト用紙を見せる素直。
点数は75点。く…お前もか… 。
( ^ω^)「ギコは何点だったお?」
ブーンがテスト用紙を点数の所を隠す感じで持ちながら俺の所へやってくる。
ちらっと見えたが96点だった。許すまじ貴様ら。
(;゚Д゚)「え?あ、俺は…」
さっと点数の所を隠す。
( ^ω^)「え〜、見せてくれお。」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:11:33.00 ID:qmXsRzjf0
つづきしえー
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:13:22.36 ID:xBFnkeVm0
支援
39 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:14:51.45 ID:DzdsYYa50
やだやだやだやだ。お前まさかアレか?
自分より低い奴の点を見て「まだ俺は大丈夫だった」って安心する口か? あぁん?
ってかそんなレベルの点数じゃねーだろお前はぁ!!
(;゚Д゚)「あっ!」
ブーンから必死で点数の所を折り曲げた用紙を防衛していると
つるっと手が滑り、ひらひらと俺の42点という恥ずかしい点のテストが宙を泳いだ後に、着地した。
(;゚Д゚)「うわわっ!」
慌てて取りにいくと足元に落ちたからなのか、反射的に誰かが拾ってくれた。
(;゚Д゚)「あ、サンキ………エフ。」
うわぁ、蛇みたい…。
拾ってくれた心優しいはずのクラスメイトは鋭い目つきをした津井出だった。
ξ゚听)ξ「…。」
何か言われるかと思ったが無言で突き返すと、津井出は右手に持ってたテスト用紙を俺に見せつけ。
ξ゚听)ξ「フン。」
と鼻で笑いやがった。
くぅう〜別にテメーが古典のテストで93点取ったくらいじゃ驚きゃしねぇぞコラァッ!
しかしよくよく考えると、俺の点数は津井出の半分にも満たないわけで…
なんか惨めになるから考えるのやめよ。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:15:18.69 ID:xBFnkeVm0
支援
41 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:19:19.36 ID:DzdsYYa50
机に戻るとブーンはもう自分の席に戻っていた。
先生がテストの解説を始めるからである。
_
(#)゚∀゚)「いやぁ、ヒーちゃんったら照れ屋さんだなぁ。」
後ろの席でジョルジュがぼやいた。
言われてから素直の顔を見てみると何だか赤くなってるが、お前何をしたんだ?
_
(#)゚∀゚)「いや、勉強の仕方を教えたあげるって言ったら急に照れちゃってさ。」
…それだけか?
_
(#)゚∀゚)「それだけ……あ、ついでに手とり足とりナニ取りを付け加えてな。」
そりゃ赤くなるわなぁ…
つーか下ネタをさりげなく混ぜるな
そういやよく見たらお前の右頬もなんか赤いな。
さっきパチーンて音がしたがありゃお前らか。
―――ところで一つ気になったことがある。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:19:46.60 ID:qmXsRzjf0
ー
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:20:10.91 ID:xBFnkeVm0
支援
44 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:23:01.62 ID:DzdsYYa50
(,,゚Д゚)「なぁ、ジョルジュ」
放課後、今日は体育館が使えないって事で部活なしのジョルジュと共に帰る事にした。
家の所在をバレないようにするため、駅の方まで一緒に歩くことにする。
着いてからは別の用事があるからとか適当なことを言って逃げればいいさ。
なんでこんな面倒なことをするかというと、聞きたいことがあるからだ。
( ゚∀゚)「なんだ?」
(,,゚Д゚)「お前さ、素直と中2の時何があったんだ?」
実は、コイツと素直は中学の時から同じ学校なのだ。
ジョルジュと同じ中学の知り合いに話を聞いてみても
( `ー´)「さぁ? そっちこそ知らネーノ?」
と聞き返される始末だ。
だが、断片的にだが情報を聞いてみると何やら中1の時は別になんて事なかったが
中3の時からは既に素直大好き状態になってたらしい。
つまり中2の時にコイツと素直で何かがあったはずなんだ。
_
( ゚∀゚)「え? 中2の時?」
(,,゚Д゚)「あぁ。聞いた話だと、中2の頃から素直が好きになったんだろ?」
正確には聞いた話から推理すると、だがそこは省いても問題ないだろ。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:23:57.53 ID:xBFnkeVm0
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:24:51.43 ID:qmXsRzjf0
っん
47 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:26:07.27 ID:DzdsYYa50
_
( ゚∀゚)「あぁ。まぁね。実は、衝撃的な出会いがあったんだよ。」
_
( ゚∀゚)「長くなるけど聞く?」
頷く俺。するとジョルジュは右手を差し出してきた。
(,,゚Д゚)「…なんだよ。」
_
( ゚∀゚)「情報料として120円頂きます。」
ちっ…ちゃっかりしてんなお前。
仕方なく120円…つまりジュースをよこせということと理解したので
歩行中に見つけた自販機からノンカロリーコーラを買ってきてジョルジュへよこす。
立ち話ではなんだしということで近くの公園のベンチで座りながら話を聞く事にした。
男二人でベンチに座るってのはなんだか嫌な感じだ。
つなぎ姿のいいおとこが居たらヤバイかもな。
_
( -∀-)「あれは3年も前の話になるかのぉ…。」
じじくさい語尾はいらないから早く話せ。
_
( ゚∀゚)「まぁ、急かすなよ。ちゃんと話してってやるからさ。
ちゃんとお駄賃は貰ったもんな。」
ジョルジュはコーラ缶を見せながら話し始めた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:27:30.57 ID:xBFnkeVm0
支援
支援
50 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:28:08.38 ID:DzdsYYa50
―――3年前。
長岡 丈 14才
_
( ゚∀゚)「やぁみんな、張り切ってるかい!!」
武道場に入るなりテンション高く挨拶をするジョルジュ。
( ゚∋゚)「…」
しかし部員の反応は冷たい。
元々、寡黙な連中が集まっていたから一人だけベクトルの違う奴が混じると空気が濁る。
_
( ゚∀゚)「なんだよ、今日も元気ねぇなみんな」
そう言って部室に向かい、空手着に着替えた。
(,,゚Д゚)「え?お前空手部だったの?」
_
( ゚∀゚)「話の途中で割り込むな。最後まで聞けよ。」
51 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:29:14.94 ID:DzdsYYa50
それからいつものように練習をしていたんだがな…部活が終わってから主将に呼び出されたんだよ。
武道場の裏にね。
最初はなんとも思わなかったんだけど…いざ武道場の裏に行ってみるとさすがにちょっとビビッたね。
いつも練習してる奴らとは言え、ガタイの良い連中が雁首揃えて眉間に皺寄せながらこっち睨んでるんだもの。
_
(; ゚∀゚)「な、何の用?」
と俺が聞いたらさ、部長が。
( ゚∋゚)「お前…部活辞める気は無いか?」
っていきなり切り出したんだよ。
_
(; ゚∀゚)「は? 部活を辞める気は無いか?」
思わずオウム返ししちゃったね 。
( ゚∋゚)「その…なんだ。お前が居るとさ…部活の雰囲気が乱れるというか…」
( ゚∋゚)「…率直に言うと」
( ゚∋゚)「うぜーんだよ。」
腹に重りが入ったみたいだったね。ズドーンと来たんだよ。
( ゚∋゚)「……お前だけ空気が違うからこっちもやりにくいんだ。
頼むから、やめてくれないか。」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:29:33.74 ID:xBFnkeVm0
支援
うおう・・・・支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:31:28.90 ID:/kBtO5COO
支援
55 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:33:30.69 ID:DzdsYYa50
お願いまでされちゃったよ。
しかし、俺はその時楽観的に考えてたし辞める気なんて毛頭ないから
_
( ゚∀゚)「ヤダね。俺は空手やりたいもん。」
って言っておさらばしようと思ったんだ。
したら…
( ゚∋゚)「そうか…仕方ない…。」
いきなり部員の一人が俺の前に立ちはだかってさ
(#゚;;-゚)「だったら、部に居たいなんて気持ちを無くしてやるよ!」
って言いながら俺の頬を
バキッ! と一発ね。
わけがわからなかったからとっさの防御もできなくて、なすがまま。
我に返った時は既にフクロにされてたんだ。
空手部の蹴りが腹やら頭やらにクリーンヒットしまくりでさ
口の中は鉄の味しかしないし…流石の俺もヤバいって思ってた。
その時だよ。
ノハ ) 「アンタら、そこらへんにしときなって。」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:33:38.28 ID:qmXsRzjf0
なんと…
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:35:38.56 ID:xBFnkeVm0
ヒート爆誕!支援!
58 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:36:50.41 ID:DzdsYYa50
突然武道場の方から女の子の声がしてさ
腫れた目でそっちを見ると…女神が武道場の窓から顔を出していたんだ。
そ。それがヒーちゃん。
(; ゚∋゚)「す、素直…!」
ヒーちゃんが登場してからいきなり部長がなんか慌てた感じでたじろいてさ。
ノパ听) 「残念だけど、あんた達の悪行は全部コレに入ってるからね。」
と、ヒーちゃんは手に持った携帯の画面を見せながら言ったんだ。
そこにはムービーが流れてたから、一部始終を撮っていたみたいだね。
ノパ听) 「よっ、と」
窓からヒーちゃんが俺達の前に飛び降りてきてさ部長を指差しながら。
ノパ听) 9m「アンタらホントにだっさいね。」
ノパ听) 「一生懸命空手を頑張ってる奴を邪魔って言って、しまいにはフクロにまでして……。大の男が恥ずかしくねーの?」
(; ゚∋゚)「う、うるせぇ!」
ってヒーちゃんにパンチを食らわそうと…
パンチだぜ。女の子に向かって全力パンチ。今思うと考えられん。
けど、ヒーちゃんは上手く そのパンチを受け流してたんだ。
んで、カウンターに上段回し蹴りを部長の側頭部に
ドコッ!! っと。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:38:48.31 ID:xBFnkeVm0
支援
し!え!ん!
61 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:39:44.35 ID:DzdsYYa50
部長、一発で堕ちてたよ。
女だからって舐めてたからかもね。
そしたら部員達もビビッっちゃってさ、ヒーちゃんが
ノハ#゚听) 「女子空手部部長をなめるんじゃないよ!!」
って腕組んだまま一喝したら
(;゚;;-゚)「やっべ!」
と伸びてる部長を引っ張って逃げていったんだ。
ノパ听) 「ほら、立てるか?」
ボロボロになった俺に手をさしのべるヒーちゃん。
聖母降臨って感じ。後光さしてたよアレは。
けどそん時は膝にもキてたから立てなくて、首をフルフル横に振ったらさ。
ノパ听) 「だらしねぇなぁ。ほれ。」
肩を貸してくれたんだ。優しいよな。
けど一つ引っかかることがあってさ、口の中切れてて痛いけど聞いたんだ。
_
(##)∀ )「なん…で、知ってたの?」
ノパ听) 「…アンタが武道場に来る前に、アイツらが話してるの偶然聞いてな。
こりゃマズイかなって、携帯の準備しといて…もしもマジなら証拠押さえようと思ったんだ。」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:40:46.38 ID:xBFnkeVm0
支援
側頭部はやばいわな・・支援
64 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:44:02.45 ID:DzdsYYa50
それを聞いた途端にズキューンと来たね。
あんまり話した事すら無いのに、俺の事を気にかけてくれた上に助けてくれただなんて。
_
(##)∀ )「…ありがとう」
ノパ听) 「礼なんか良いって、それより今は喋らない方が良いぞ」
で、そのまま保健室まで連れてってもらって、なんとかなったのよ。
保健室の先生には階段から落ちたってことにしておいたけどね。怪しまれたけど。
部活の方は、結局それ以降は何も無し。
部員との仲は良くなかったけど、空手自体は3年間ちゃんと楽しんでやれたよ。
(,,゚Д゚)「ふ〜ん…」
俺は聞き終えた感想を述べた
素直って空手部だったんだ。だから貫手とか知ってるんだな。
怖い怖い。
_
(; ゚∀゚)「あ、なんだよ! ふ〜んて!
なんかこう…感動した! とかねぇのかよ!?」
ジョルジュは空のコーラの缶を振りながら抗議する。
(,,゚Д゚)「いや、だってなんか嘘くせぇし…。」
_
(; ゚∀゚)「ば、バッカ! 嘘のような本当の話なんだぞ!」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:45:25.17 ID:qmXsRzjf0
しえ〜ん
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:46:39.32 ID:xBFnkeVm0
支援
67 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:47:27.65 ID:DzdsYYa50
(,,-Д-)「はいはい。じゃ、また明日な」。
ベンチを立ち上がり家に帰ろうとする。
後ろからジョルジュが「本当なんだってば〜!」って叫んでるが気にしない。
嘘なんかつけないアイツの事だ。
言われなくても本当の話ってのはわかってるよ。
素直に対するお前の気持ちも…な。
つづく
68 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:49:40.33 ID:DzdsYYa50
今回の投下はこれにておしまいです。
凝縮や連続投下のことを考えると、18話分書き溜めがありやす。
投下の内容は始まって間もない所なのに、現在書いてるのは修学旅行編とかギャップありすぎて戸惑う。
質問は…されても困ります。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:50:16.58 ID:xBFnkeVm0
乙!次回はいつ頃?
70 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/03/24(火) 21:51:40.79 ID:DzdsYYa50
>>69 体力が残っていれば木曜日。無理だと土曜日になります。時間帯は6〜9時の間に投下を開始するつもりです。
バイトで怒られっぱなしなのでメンタル面できついんです('A`)
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:52:17.83 ID:UAI7hpzsO
乙
面白いな
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:52:55.25 ID:xBFnkeVm0
>>70 無理しないで自分のペースで進めてよ。
楽しみにしてるからさ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/24(火) 21:53:07.70 ID:qmXsRzjf0
乙
頑張れ、バイトに負けるな
>>72 今のところは無理せず自分のペースなんで大丈夫です。
>>73 一生懸命やったのに叱られると流石にヘコみます。
でも頑張ります。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
悔しいと思うけど、あまりブーン系関係ない事言わない方がいいと思うぞ、叩かれるもと