1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:41:34.73 ID:uL9fAagVO
3 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:44:13.72 ID:uL9fAagVO
ひとりと言うのはとても冷たい物だと思った。
自分の呼吸音ばかりがこの耳に届くのだ。
己が発する音ばかりが響くのだ。
この冷たい世界で、自分はゆるやかに死んで行くのだろう。
ひとりになって長い時間が経った今、
この身は、孤独と言う物を感じなくなる。
それは孤独を忘れたのではなく
本当は感じなくなったのではなく、
この体が、孤独に満たされてしまったからだ。
耳の先から尾の先まで、血液の様に孤独が流れる。
ああ、冷たい。冷たい。
どうしてこうも、冷たいのだろう。
4 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:46:16.27 ID:uL9fAagVO
もぞり、身体を動かす。
からり、何かが音を立てる。
いつからひとりになったのか、もうわからない。
違う、わからないのではなく、思い出したくない。
頭を持ち上げて、母の胸に押し付ける。
母の体はひどく冷たかった。
閉ざしていた瞼をうっすら持ち上げる。
目の前には、白い骨があった。
ぐるりと辺りを見回した。
そこらじゅうに、仲間の骨が落ちていた。
どうしてだろう、胸が痛い。
わからなくて、わからなくて、声をあげて泣いた。
ひとりは、いやだ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 20:47:10.02 ID:h++wh+E4O
支援
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 20:47:15.62 ID:pMyzCdgsO
がんばれ田ちゃん支援
7 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:48:11.41 ID:uL9fAagVO
【ミセ*゚ー゚)リ 変な森のようです】
第三話 前編 『ひとりぽっち。』
森の奥の岩場に住むのは、ひとりが嫌いな森の人。
支援
9 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:50:05.35 ID:uL9fAagVO
ほう。
気の早い夜の鳥が、その声を森に響かせる。
世界はすっかり薄暗く、赤とオレンジと紫が不思議に混ざった夕方の森。
てっこらてっこら歩いていた六つの足が、ぴたりと止まる。
内の二つは赤い靴を履く、少女ミセリの小さな足。
もう二つは濃いめの緑、、更に小さな森の人ノーネの足。
残る二つは優しい緑、ノーネと同じくらいの大きさをしたニダーの足。
そろそろ野宿の準備をしようと言うニダーの言葉を聞いて、二人は頷いた。
ニダーは薪を拾って集め、ノーネは夕食のおかずになる山菜を集める。
そしてミセリはマントを脱いで、
水筒と折り畳み式の桶を持って、川を探しに歩き出す。
ミセ*゚ー゚)リ「水くむから川探してくんねー」
( ノAヽ)「あいよー」
<ヽ`∀´>「把握ニダー。川は少し遠いと思うから、迷わないように気を付けるニダ」
ミセ*゚ー゚)リ「はーい」
10 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:52:10.87 ID:uL9fAagVO
先日、道に迷ってうろうろした時に川から離れてしまった。
ミセリは自分の不注意を恨みながら、水を節約しながら飲んでいた。
荷物の周りで作業をする二人に背を向け、川を探すべく歩くミセリ。
念のためにと小まめに後ろを振り返り、迷わないように気を付ける。
そんなミセリがこの変な森にやってきて、二週間近くが過ぎた。
ニダーと一緒に行く様になり、一週間ほど。
最初こそはぎこちなかった三人の仲も、今ではごくごく平和な物。
もちろんホームシックには陥るし、寂しくて怖くてしょうがない時もある。
けれど、いくら寂しがっても怖がっても、このままじゃ元の世界には戻れない。
元の世界から離れてみると、あの世界がどれだけ幸せだったか気付く。
もっともそれは今更で、母に大嫌いだと喚いた事実は消えない。
どんなに謝りたくとも謝れない、チクチク痛む胸には、気付かないフリをした。
背の低い木々と不思議な植物、色とりどりの木の実とキノコ。
時折横切る角を持つうさぎ、羽根を持つ獣。
奇妙な世界はいつでも薄暗く、湿った空気が肺を重くする。
ひとりだったら、きっと潰れていただろう。
ノーネと出会い、ニダーと出会って良かった。
二人のお陰で、心残り負担は、大きく取り除かれている。
支援支援
12 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:54:05.76 ID:uL9fAagVO
この童話的な世界には、人間と何ら変わらない確執が生じる。
あの小さくてまるっこい生き物達は、人間と同じ様に傷付け合う。
ノーネの様に、いじめの対象になる場合も、あるのだ。
どこでもこんな感じなんだね、ある時ミセリが呟いた。
多いモノと違うモノが少しでも存在してたら、そうなるのも無理はないニダ。
寂しそうに笑うニダーの言葉に、ミセリはただ俯いた。
自分がいじめられたのも、もしかしたらその所為なのかな。
なんて、小さな自己弁護。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 20:54:56.05 ID:dEK4di/lO
支援
14 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:56:06.01 ID:uL9fAagVO
ミセ*゚ー゚)リ「川ー……っと、おぉ、何じゃこりゃ」
森の中を歩いて歩いて、見付けた場所は、岩場だった。
細い川の周りには、灰色の小石から岩までがごろごろと転がっている。
今まで川と言えば、木々に挟まれた様な浅く可愛らしい物ばかりで。
少しばかり開けた空間、景色に合わないゴツゴツした岩。
ミセリは首を傾げながらも、大人しく小さな川で水を汲む。
袖を捲って、まずは丸い水筒に水を入れる。
水筒がずっしり重くなったのを確認してから蓋をして、腰から下げ直す。
今度は折り畳み式の、皮を張った四角い桶に水を汲む。
ミセリは腕いっぱいに、水の重さを感じながら立ち上がった。
がさり。
ミセ*゚ー゚)リ「……ん?」
支援
16 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 20:58:12.46 ID:uL9fAagVO
岩場に背を向けて歩き出そうとした時、何かの音を聞いた。
がさがさ、と何かが木々を揺らす音。
ミセリがひょい、と後ろを振り返る。
すると、
ミセ;゚ー゚)リ「…………え?」
大きな大きな生き物が、ミセリに暗い影を落とす。
顔は見えない、逆光で、ミセリには生き物のシルエットしか見えない。
けれどその生き物は大きく、長く、言い様の無い威圧感を放っていて。
ミセ;゚−゚)リ「う、うゎ……ぁ…………
うわあぁぁああああぁあああああああっ!!!?」
一目散に逃げ出した。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 20:58:18.60 ID:dEK4di/lO
紫煙
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 20:59:32.63 ID:h++wh+E4O
しえん
19 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:00:08.58 ID:uL9fAagVO
ミセ;゚−゚)リ「何だあれ何だあれ何だあれっ」
重くなった水筒と水で満たされた桶は、ミセリをうまく走らせない。
腰と腕から伝わる重さは、動きを妨害するには十分すぎて。
ばしゃばしゃ、桶の水を溢しながら二人の元へ急ぐ。
一度後ろを振り返ったが、追いかけては来ないらしく、影は見えなかった。
だがあの大きさ、あの威圧感、恐怖を感じるなと言う方が無茶な物で。
ミセリはただただひたすらに、二人の元へと足を動かす。
そうして息が切れて息苦しくなってきた頃、ようやっと二人の姿を見付けられた。
服をびしょ濡れにして、肩を大きく上下させながら足を止めたミセリ。
それを見付けたニダーが、驚いた顔で駆け寄ってきた。
<;ヽ`∀´>「どうしたニダっ? 何かあったニダ!?」
ミセ; − )リ「ぜっ……ぜっ…………川、とこ……おっきい、影……がっ」
<;ヽ`∀´>「とりあえず落ち着くニダ、座って水を飲むニダ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:01:05.69 ID:dEK4di/lO
試演
21 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:02:04.83 ID:uL9fAagVO
ニダーに言われるがまま、その場にへたりこんで何とか深呼吸をする。
ずいぶんと中身の減ってしまった桶から水を汲み、
澄んだ冷たい水が入った器を、ミセリに差し出す。
ぜぇぜぇ、未だうまく落ち着いてくれない呼吸に胸を押さえながら、
ニダーに差し出された器を受け取り、ゆっくりとそれを口に持って行く。
喉に流れて行く冷たい水は、上がっていた体温と乾いていた喉に染み込む。
ぐっと一気に残りを飲み込み、ミセリは深々とため息を吐いた。
ミセ;゚ー゚)リ「あ……あんがと……」
<;ヽ`∀´>「大丈夫ニダ?」
ミセ;゚ー゚)リ「うん、大丈夫……」
( ノAヽ)「キノコあつめたノーネ……ってうわ、水すくなっ」
ミセ;゚ー゚)リ「ご、ごめん……なんか、おっきいのが居て……」
<ヽ`∀´>「おっきいの?」
ミセ;゚ー゚)リ「うん、音がしたから後ろ向いたら、おっきい影が居てっ」
( ノAヽ)「んあー? どーせみまちがいなノーネ」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:04:05.43 ID:G++b0XqQO
ワクテカ支援
23 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:04:08.33 ID:uL9fAagVO
ミセ;゚−゚)リ「ち、違う! 本当に見た!」
( ノAヽ)「ふーん。で、これじゃスープ作れないノーネ」
ミセ;゚−゚)リ「なっ……!」
<;ヽ`∀´>「ま、まあまあスープが無くてもご飯にはなるニダ。
それよりミセリ、おっきいのっって、」
ミセ;゚−゚)リ「う、うん……えっと、」
( ノAヽ)「もーイイノーネ、それより晩飯つくるノーネ」
ミセ#゚−゚)リ「…………ノーネ、まったく信じてないね」
( ノAヽ)「信じろってのがムチャなノーネ」
ミセ#゚−゚)リ「でもわたしは確かに見たの! 見間違いとかじゃないっ!」
(#ノAヽ)「森にそんなのがいるなんて聞いたコトないノーネ!」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「ノーネが知らないだけかも知れないじゃんっ!!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:04:13.40 ID:i3zitgbsO
おお来てた
しえん
25 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:06:08.05 ID:uL9fAagVO
(#ノAヽ)「よそから来たヤツに言われたくないノーネ!
オマエよりは森に詳しいノーネ!!」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「あたまっから居ないって決めつけてどーすんのよ!!」
(#ノAヽ)「どーもしないノーネ! 居ないモンは居ないノーネ!!」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「はぁ!? それで居たらどーすんのっ!?」
(#ノAヽ)「知ったこっちゃないノーネ!
んなくだらないコトどーでもイイノーネ!!」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「くだっ……ミセリはその下らない事にマジになってるバカだっての!?」
(#ノAヽ)「あーあーバカなノーネ! ミセリはバカなノーネ!!」
<;ヽ`∀´>「も、もう止めるニダ二人ともっ! 喧嘩してどうするニダ!?」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「ニダーは黙ってて!!」
(#ノAヽ)「ニダーは黙ってろなノーネ!!」
<;ヽ´Д`>そ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:07:03.22 ID:/XDfdoku0
ひどいwww
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:07:10.29 ID:dEK4di/lO
紫炎
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:07:56.26 ID:h++wh+E4O
支援
29 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:08:09.45 ID:uL9fAagVO
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「ほんっとに性格悪いよねノーネっ!! さいてぇっ!!」
(#ノAヽ)「なっ、ギゼンシャが言うなノーネっ!! イライラするノーネっ!!」
<;ヽ´Д`>「も、もう止めるニダっ、これ以上言い争いしてどうするニダっ」
_,,
ミセ#゚Д゚)リ「もう良いっ!! ノーネなんかでっきらいだあっ!!!!」
(#ノAヽ)「もうイイノーネっ!! ミセリなんか大っキライなノーネっ!!!!」
て
<;ヽ´Д`>そ
目一杯に声を張り上げての口喧嘩。
その結果、互いのだいきらいを合図に、二人は逆の方向を向いて
森の奥深くへと、闇の中へと走り出してしまった。
間に挟まれていたニダーは困り果て、
次第に遠退いて行く二人の背中を交互に見つめていた。
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:09:40.48 ID:/XDfdoku0
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:09:52.46 ID:dEK4di/lO
C円
33 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:10:16.04 ID:uL9fAagVO
<;ヽ´Д`>「え、ぇ…………え?」
突然走り出した二人に、ぽかん、と間の抜けた顔を晒していたニダーだったが、
少しの間を置いてから、びょんと跳ね上がって、広げた荷物を慌てて拾い集める。
ずっしり重い三人分の荷物を抱き抱えたニダーは、少しだけ考え
ノーネの行った方を向くと、勢いよく走り出した。
<;ヽ´Д`>「あわわわわ、この中で見つかるニダ……?
カンテラも持てないから真っ暗ニダ…………そういや今日ウリの誕生日なのに……」
もう夜になった、真っ暗な森の中。
ほう、ほう。夜の鳥は活発に声をあげている。
両腕いっぱいの荷物を持つニダーには、足元を照らす灯りを持つ事も出来ず、
ノーネの名を呼びながら、その辺りを走り回る事しか出来なかった。
うわーん、うわーん
ふと、耳に届いた、声。
34 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:12:39.89 ID:uL9fAagVO
<;ヽ`Д´>「ノーネ! どこニダー!? ノーネー!!」
つんと立った耳に流れ込む、泣き声。
その声の質と高さはノーネの物で、ニダーは声を頼りに走る。
ろくに見えない足元、何度も木の根に足を引っかけては転びかけるが
それでもニダーは、必死になってノーネの姿を探した。
<;ヽ`Д´>「ノーネどこニダーっ!? 出てくるニダーっ!!」
灯りも無しにこんなところに居ると、肉食の獣に遭遇したり怪我をしかねない。
せめてノーネと再会して、灯りをつけなければ危ない。
そう、ニダーが息を切らしながら走っていると、
wwWww
wwWwwww
,,,w(_(_wWwww
,,wwしし'wwwWwww,,,
<;ヽ´Д`>そ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:13:30.08 ID:i3zitgbsO
ニダー大変だな
しえん
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:13:39.11 ID:/XDfdoku0
尻?
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:14:03.41 ID:h++wh+E4O
しえん
38 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:14:14.91 ID:uL9fAagVO
尻だった。どこからどう見ても尻だった。
<;ヽ´Д`>「…………ノーネ?」
三 ノAヽ)そ ガサッ
<;ヽ´Д`>「……」
(;ノAヽ)「……」
<;ヽ´Д`>「……無事そうで、何よりニダ……」
(;ノAヽ)「の……ノネ……」
草むらに頭を突っ込んだ尻に声をかけ、
ニダーはがっくり肩を落として、荷物を地面に下ろした。
ばつの悪そうな顔をしながら、ノーネは草むらから出て地面に座る。
ごし、と少し赤くなった目元を擦り、ため息。
<ヽ`∀´>「……大丈夫ニダ?」
( ノAヽ)「へーきなノーネ……」
デジャヴ支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:14:30.80 ID:i3zitgbsO
なんか前もこんなん見たw
41 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:16:06.75 ID:uL9fAagVO
<ヽ`∀´>「何で、あんなコト言ったニダ?」
( ノAヽ)「だって……居るわけ、ナイノーネ……」
<ヽ`∀´>「……」
( ノAヽ)「だいたいミセリはワガママなノーネ、ギゼンシャなノーネ」
<ヽ`∀´>「……」
( ノAヽ)「いっつもメーワクかけられてる、こっちの身にもなってほしいノーネ」
<ヽ`∀´>「……」
( ノAヽ)「イイコトいったつもりでノーネに自分の意見押し付けるノーネ
メーワクだってわかってないノーネ」
<ヽ`∀´>「……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:16:08.81 ID:h++wh+E4O
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:16:34.34 ID:/XDfdoku0
しえん
44 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:18:06.89 ID:uL9fAagVO
ぶつぶつとミセリに対しての文句を口にするノーネ。
それを正面に座って、カンテラに火を灯して静かに聞くニダー。
カンテラの灯りが二人の顔を照らし、
静かに頷きながら話を聞いていたニダーが、そっと口を開く。
ああ、子供なんだなあ、と微笑ましく思いながら。
<ヽ`∀´>「喧嘩する相手が居るのはイイコトニダ、
こう言うのは、仲が良くなきゃ喧嘩にはならないニダ」
( ノAヽ)「……喧嘩してるのに、んなわけナイノーネ」
<ヽ`∀´>「ひとりぽっちで誰とも話さないのと、誰かと仲良くなって喧嘩する
ノーネは、どっちが良いニダ?」
( ノAヽ)「…………」
<ヽ`∀´>「仲良くなると、相手をいっぱい知るニダ
いっぱい知ると、自分と合わないとこがどうしても見付かるニダ」
( ノAヽ)「……ノネ」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:18:29.98 ID:i3zitgbsO
しえーん
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:18:29.38 ID:dEK4di/lO
詩園
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:18:59.98 ID:MjDgYsl8O
しえー
48 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:20:07.99 ID:uL9fAagVO
<ヽ`∀´>「それは仲良しの証拠ニダ、お互いがいっぱい知って
その合わない部分同士が、ぶつかりあってしまうニダ」
( ノAヽ)「…………ぶつかりあうのに、仲良しなノーネ?」
<ヽ`∀´>「ニダ。そのあとで反省して、謝れたらもっと仲良くなれるニダ
もっともっと仲良くなるための、階段ニダ」
( ノAヽ)「…………」
<ヽ`∀´>「ウリの話は、こんな考え方もあるんだって軽く聞いてほしいニダ。
ウリが思うに、この階段があるから、もっともっと仲良くなれるニダ」
( ノAヽ)「ノネ……」
<ヽ`∀´>「大変な思いをして手に入れたものは、大事にするニダ
だからノーネも、ミセリとの仲良しを大事にするために、」
( ノAヽ)「階段、のぼるノーネ?」
<ヽ`∀´>「そうニダ」
( ノAヽ)「…………」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:21:04.21 ID:dEK4di/lO
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:21:50.53 ID:/XDfdoku0
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:22:19.44 ID:h++wh+E4O
試演
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:24:35.57 ID:dEK4di/lO
紫煙
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:26:05.95 ID:i3zitgbsO
しえんんん
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:26:08.84 ID:uL9fAagVO
ちょ、みーライオンで書き込めねぇ
何だこれ
55 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:28:06.46 ID:uL9fAagVO
<ヽ`∀´>「……ノーネ」
( ノAヽ)「ノネ?」
<ヽ`∀´>「ノーネは大きくて怖いおばけを見たら、どうするニダ?」
( ノAヽ)「? こわいから逃げるノーネ」
<ヽ`∀´>「それをウリたちに話して、信じてもらえなかったらどうするニダ?」
( ノAヽ)「怒るノーネ」
( ノAヽ)
(;ノAヽ)そ
<ヽ`∀´>「結論、出たニダ?」
(;つA∩)「……で、出たノーネ…………」
<ヽ`∀´>「じゃあ、ちゃんと言わなきゃニダ」
(;つA∩)「…………」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:28:47.86 ID:dEK4di/lO
猿じゃなくてみーらいおん?
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:29:50.76 ID:i3zitgbsO
しえーん
どーしたどーした
58 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:30:35.24 ID:uL9fAagVO
<ヽ`∀´>「でも、自分が見てないモノは信じられないのが普通ニダ」
(;つAヽ)「……」
ビッシ
<ヽ`∀´>σそ 「でも!」
(;ノAヽ)そ
<ヽ`∀´>「でも、嘘でもキライって言うのは、良くないニダ
これは、ミセリもワルいニダ」
( ノAヽ)
<ヽ`∀´>「仲直りしないと、喧嘩もできなくなるニダ
ひとりぼっちは良くないニダ、誰とも、仲良くできないニダ」
( つA∩)「…………アヤマルノーネ」
<ヽ`∀´>「……」
<ヽ`∀´>「じゃあ明日ミセリを探すニダ、この時間うろうろしたら危ないニダ」
( ノAヽ)「……」
<ヽ`∀´>「ミセリもそれは分かってるから、安全な場所を探してるはずニダ!」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:31:06.18 ID:dEK4di/lO
なんとかなったのかな
支援
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:31:32.36 ID:i3zitgbsO
しえーん
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:31:33.91 ID:h++wh+E4O
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:32:15.46 ID:/XDfdoku0
支援
63 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:32:18.96 ID:uL9fAagVO
( ノAヽ)「……わかったノーネ」
<ヽ`∀´>「明日、朝一番に探しにいくニダ。ウリだって心配ニダ」
( ノAヽ)「…………」
<ヽ`∀´>「でもこの時間に危ない中に突っ込んでったら
下手するとみんな死んじゃうかも知れないニダ」
( ノAヽ)「……りかいしたノーネ、……早く寝るノーネ」
<ヽ`∀´>「ご飯は良いニダ?」
( ノAヽ)「ミセリも…………ハラヘリなノーネ」
<ヽ`∀´>「……ホルホルホル、なら早く寝て明日に備えるニダ!」
( ノAヽ)「ノネ!」
<ヽ`∀´>「よいしょっと、おやすみニダ!」
( ノAヽ)「おやすみなノーネ!」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:32:38.17 ID:bmOq3E0bO
来てたか支援!
65 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:34:09.64 ID:uL9fAagVO
まるっこいノーネの頭をぽんぽんと撫でてから、
軽く寝る準備をして、マントにくるまるニダー。
ノーネはミセリが置いていったマントにくるまって、寝る体勢に入る。
寒くないかな、とミセリの匂いがするマントの中で思い
ノーネは、ゆっくりと瞼を閉ざした。
なかなか寝付けなかったノーネの頭の中では、後悔なんかがぐるぐるり。
けれどその代わり、腹の底にあった黒くてぐろぐろしたモノは、消え失せていた。
ニダーの言葉は、驚くほど素直に耳に入る。
それはきっと、重みとか意味が、けた違いだからで。
ひねくれ者のノーネにも、その言葉の真意はいやと言うほど伝わった。
友達を亡くしたら、もう仲良くはなれない。
ノーネはニダーの気持ちと言葉を噛み締めながら、ゆっくり夢へと落ちて行った。
66 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:36:06.50 ID:uL9fAagVO
_,,
ミセ#゚д゚)リ「何よ何よ何なのよっ! ノーネのぶわぁぁぁあかっ!!」
ノーネとの言い争いのその後に、森の中へと走り出したミセリ。
暫くの間は勢い良く走っていたミセリだったが、
息が上がってきたところで足の動きをのろくし、今は歩きながら愚痴を言う。
夜の森の闇の中、側に居ない相手に文句を言う。
ぶつぶつ、ぐちぐち、ぎゃんぎゃん。
声の大きさを下げては上げてを繰り返し、あてどもなく歩きながら眉を寄せる。
_,,
ミセ#゚д゚)リ「頭っから嘘だって! 見間違いだって決めつけて!!
本当に見たもん、見たもん! ノーネのバカっ!!」
ぶるり。
木々を揺らす風がミセリを撫でる。
その風の冷たさにミセリは身震いし、己の肩をぎゅっと抱いた。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:36:32.33 ID:dEK4di/lO
ニダー誕生日なのに不憫だなw
68 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:38:09.80 ID:uL9fAagVO
_,,
ミセ#゚−゚)リ「……さむい…………マント置いてきちゃった……」
肩を抱いたまま、来た道を振り返る。
自分が歩いて走って来た道は、闇に包まれて見えはしない。
その闇の深さに、ミセリは再び身震いした。
_,,
ミセ ゚−゚)リ「…………」
眉を寄せて、前に向き直る。
やはり、闇でいっぱいだった。
寒さに立ち止まり、自分を包み込む闇の色に、頭はきんと冷たくなって行く。
自分が今置かれている状況にやっと気づいたミセリは、
漸く冷静になり、顔色をゆうっくりと無くす。
青い顔をして、辺りをぐるりと見回す。
四方、闇の壁に遮られたかの様な暗さ。
ふと、自分の手を見下ろす。
うっすらとしか見えなかった。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:39:14.34 ID:/XDfdoku0
支援
70 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:40:09.15 ID:uL9fAagVO
ミセ ゚−゚)リ「……さむ……ぃ」
何も見えない暗闇に、一人きりと言う恐怖。
孤独を強くさせる寒さ、ミセリは心細さに小さく呟き、唇を噛む。
下手に歩き回って、迷ってはいけない。
もう既に、元の場所には戻れない。
これ以上、迷わない様にしなければ。
ああ、けれどこのまま孤独と恐怖と寒さに震え
身を抱きながら夜を過ごさなければならないのは、嫌。
でも戻れない。
ノーネと喧嘩をした上に、道に迷ってしまっている。
あらゆる意味で、戻れない。
時折吹く風の音にすら怯え、迫っているかも知れない獣に怯え
こんな状態で、一晩を明かさなければいけないのか。
そう思うと、どうしようもない後悔がミセリを襲う。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:40:14.70 ID:dEK4di/lO
試演
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:40:19.87 ID:h++wh+E4O
しえん
73 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:42:15.66 ID:uL9fAagVO
ぺたん。
ミセリは身を抱きながら、その場にへたり込んでしまった。
その顔には、先程までの怒りなんかは存在しなくて
ただ、怯えて震えて、今にも泣き出しそうな顔。
真っ青な顔には、恐怖しか浮かばない。
ミセ ゚−゚)リ「…………ど、しよ……どう、しよう……」
ミセ ;−゚)リ
ミセっ−;)リ
ミセつ-∩)リ
ぽろりと溢れた涙は温かく、頬を伝って顎へと流れ、落ちる。
濡れる目元を手で覆い、膝を抱える様にして地べたに座る。
縮こまった小さな背中が、小刻みに震えていた。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:43:32.50 ID:1VVizUtqO
間に合ったんだな支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:43:50.61 ID:i3zitgbsO
しえん
76 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:44:26.05 ID:uL9fAagVO
怖い、寒い、寂しい、怖い。
同じ言葉、短い言葉ばかりが頭に回る。
何であんなムキになって喧嘩したんだろう。
何で勢いに任せて飛び出してしまったんだろう。
何で、何で。何でこんなに、バカなんだろう。
冷たい風がミセリを撫でるその度に、ミセリはひたすら自分を責めた。
今さら後悔しても二人の元には戻れないし、暖かさも求められない。
いつのまにかノーネに対する怒りは姿を隠し、恋しさだけが溢れ出る。
ほう、ほう。
夜の鳥は、そんなミセリを嘲る様に鳴いていた。
そんな声にすら怯えるミセリ。
その背中を見つめる、二つの目が闇に浮かんでいた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:46:04.73 ID:/XDfdoku0
しえん
78 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:46:10.90 ID:uL9fAagVO
ミセつ-∩)リ「っ……く、ひっ……ぇぐっ…………寒い、よ……
ノーネ……ニダー…………ひぐ、ぅっ……」
ついに溢れる嗚咽。
しゃくりあげて仲間を呼び、深く俯きながら次々に溢れる涙に目を擦る。
その姿は本当に、一人の子供に過ぎなくて。
ひくひくと泣くその頭を、そっと撫でた。
びくり、ミセリの肩が跳ねる。
突然頭を撫でられたミセリは、少しの間を置いてから、顔をあげる。
その小さな手の主が誰だとか、考える余裕もなくて。
ミセっ−;)リ「う、ぇ……?」
(,,^Д^)「どう、なさったんですか?」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:46:22.57 ID:i3zitgbsO
しえんんん
80 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:48:43.01 ID:uL9fAagVO
ミセっ−;)リ「……だ、れ?」
(,,^Д^)「タカラです、……違うな、タカラと申します、大丈夫ですか?」
ミセっ−;)リ「は……っ、う……うぅぅぅ……っ」
(,,^Д^)「大丈夫ですか? お腹でも痛むんですか?
ここに居ると危ないですよ、暗いし寒いし、一人では危険です」
_,,
ミセっД;)リ「ぅあ、あっ……うわぁぁあぁんっ! うわああああああああんっ!!」
(;,^Д^)「え? え? だ、大丈夫ですかっ!?
私は怖くありませんよ、泣かないで下さいっ!」
_,,
ミセ ;Д;)リ「うわぁぁぁあぁあんっ!! うぁあああああああぁぁあぁっ!!」
(;,^Д^)「ええと、ええと、泣かないで下さい!
取り敢えず私の家に行きましょう、ね? ほら、泣き止んで?」
顔を上げると、そこに居たのは笑い顔の森の人。
小さな手でミセリの頭を撫でて、自分にしがみついて、声を上げて泣くミセリを
なんとか泣き止ませようと、困った様に声をかける。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:49:32.74 ID:h++wh+E4O
支援
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:49:49.15 ID:i3zitgbsO
しえーん
83 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:50:24.55 ID:uL9fAagVO
なんとかミセリを立ち上がらせ、手を引きながら森の人、タカラは歩く。
大丈夫、怖くないよと子供に対する様に優しく声をかけて。
常に笑い顔のタカラだけれど、今は少し困った様な笑顔。
返事もせずに泣きじゃくるミセリが、とても小さな子供に見えた。
誰かに会えた、心配してくれた、手が暖かい、優しい。
それらがミセリをいっぱいにして、いっぱいにして、溢れ出る涙が止まらない。
それはきっと嬉しいから、安心できたから。
危険な相手ではないと分かった訳では無いけれど、
それはミセリを安心させるには、十分すぎる物だった。
タカラに手を引かれて歩き続け、いつのまにか、少しだけ開けた空間に出た。
涙で歪み、夜の闇に飲まれていてよくは見えない。
けれどそこは、夕方ミセリが訪れた、岩場だった。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:50:51.74 ID:/XDfdoku0
支援
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:51:27.51 ID:bmOq3E0bO
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:52:27.81 ID:dEK4di/lO
紫炎
87 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:52:38.10 ID:uL9fAagVO
あの大きな影を見た場所。
しかし今のミセリには、そんな事は浮かばない。
ただただ、溢れ出る涙に翻弄されていた。
タカラが足元に気を付けて下さいと注意を促し、岩や石が転がる道を進む。
そして岩場の影にそっと隠れる、小さな洞穴へと入って行った。
かたい地面に狭い壁、硬質な湿った空気が、ひんやりとミセリを包む。
けれど左手は、タカラの優しい体温に触れていて、寒さは感じない。
洞穴は奥に進むにつれて広くなって行き、少し歩くと、そこには光が溢れていた。
暖色の灯り、天井から下がるランプ。
一番奥に辿り着くと、そこはまるで部屋の中。
小さなベッドや棚が置かれ、向こう側には違う部屋に繋がる穴まで見える。
タカラはミセリにクッションを渡して地面に座らせ、
向こうの部屋に向かって、声をかけた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:53:31.22 ID:i3zitgbsO
しえん
89 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:54:18.00 ID:uL9fAagVO
(,,^Д^)「でぃさん、温かい飲み物を貰えますか?」
『はーい』
(,,^Д^)「ええ、と……大丈夫ですか? どこか痛むんですか?」
_,,
ミセ ;−;)リ「……へい、き……」
(,,^Д^)「ええと、ええと……あ、お名前は?」
_,,
ミセ ;−;)リ「ぐすっ……ミセリ……」
(,,^Д^)「ミセリさんですね、……ミセリさん、どうして泣いてるんですか?」
_,,
ミセ ;−;)リ「わか、な……ぃ……っひぐ…………さみし、がっだ……ぇぐっ」
(;,^Д^)「な、泣かないで下さいミセリさんっ、大丈夫ですよ? ね?」
(#゚;;-゚)「タカラ、ミルクあたため……」
(,,^Д^)「あ、でぃさん有り難うございます」
(#゚;;-゚)
(,,^Д^)「……でぃさん?」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:55:50.37 ID:i3zitgbsO
しえーん
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:56:18.61 ID:h++wh+E4O
しえん
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:56:29.84 ID:/XDfdoku0
しえ
93 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:56:35.58 ID:uL9fAagVO
(#゚;;-゚)
(,,^Д^)「でぃさーん……?」
(#゚;;-゚)そ
(;,^Д^)?
(;#゚;;-゚)「……に、ニンゲンっ!?」
(;,^Д^)「ぇ…………あ、あぁニンゲン!?」
|-゚)三 ヒュッ
(;,^Д^)「あぁ……ミセリさん、ニンゲンだ…………あれ? でぃさん?」
|-゚):
(:,^Д^)「あー……えー…………そのー………………」
ミセっ−゚)リ?
(:,^Д^)「……私はどうすれば良いんですか…………」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:56:43.58 ID:GHTc8KURO
ミセリの泣き顔可愛え
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:57:29.14 ID:h++wh+E4O
支援
96 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 21:58:10.40 ID:uL9fAagVO
向こうの部屋から顔を出した、タカラの同居人でぃ。
でぃはカップに入ったホットミルクを机に置くと、
ミセリの姿に驚き、ひょいと引っ込んでしまった。
怯えた目でこちらを見るでぃと、未だに泣きべそをかくミセリ。
そんな二人に挟まれたタカラは、深々とため息を吐いて項垂れる。
でぃが入れたホットミルクをミセリに差し出し、タカラは椅子に腰かける。
温かいミルクを受け取り、ほんのりと甘いそれを飲む。
体の中から感じる暖かさに、ミセリはほっと息を吐く。
ようやく、涙が姿を引っ込めた。
(,,^Д^)「……大丈夫、ですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「……うん、ありがとう」
(,,^Д^)「良かった、女の子に泣かれては困ってしまいますからね」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんね、……その、泣いて……」
(,,^Д^)「いえ、大丈夫ならそれで構いません。
ところで、どうして泣いていたんですか?」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 21:59:00.26 ID:i3zitgbsO
しえんしえん
98 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:00:11.77 ID:uL9fAagVO
小さな水色の手がミセリの頭を撫で、安心した様に微笑む。
問われたミセリは困った様に俯いて、小さく、口を開いた。
ミセ*゚−゚)リ「う、……ノーネ……えっと、友達と、喧嘩して……」
(,,^Д^)「お友達と? どうしてですか?」
ミセ*゚−゚)リ「あの、その、……おっきい生き物の影を見たんだけど、
それを友達に話しても、見間違いって全然信じてくれなくて……」
(,,^Д^)「ん……なるほど」
ミセ*゚−゚)リ「それで、喧嘩になって……でっきらい、って怒鳴って……
んで、飛び出して来ちゃったの……」
(,,^Д^)「はぁ……ううん、しかし、見間違い……頭から否定して、
全く受け入れないのは、お友達も大人げないかも知れませんね」
ミセ*゚−゚)リ「……ぅ」
支援
100 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:02:24.05 ID:uL9fAagVO
|-゚)「……ご飯、出来た……です」
(,,^Д^)「あ、でぃさん」
ミセ*゚−゚)リ「へ?」
|-゚)
|三 ヒュッ
ミセ*゚−゚)リ?
(;,^Д^)
(;,^Д^)「と、取り敢えずご飯にしましょうか?
ミセリさんもどうぞ、召し上がって下さい」
ミセ*゚−゚)リ「良い、の? ミセリが食べると、ご飯……減っちゃうよ」
(,,^Д^)「良いんですよ、ミセリさんはお客様ですから」
ミセ*゚ー゚)リ「…………ありがと」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:02:35.79 ID:i3zitgbsO
しえん
最初のモノローグは誰だ…?
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:02:54.16 ID:h++wh+E4O
しえん
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:03:46.22 ID:dEK4di/lO
C円
104 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:04:23.31 ID:uL9fAagVO
いつもより控え目で、大人しいミセリの発言。
それは仲間が側に居ない緊張感と、喧嘩の後で神経がくたびれているから。
けれどそれに気付く者は誰も居らず、ミセリ本人すら、その事に気付かない。
ただ遠慮がちにお礼を呟いて、ゆっくり立ち上がった。
何かを食べると言う事に対し、躊躇いながら。
少しの肉と野菜が入ったスープ、固いパンと薄いお茶。
決して豪華とは言えない夕飯が並ぶ机には、ミセリとタカラだけがつく。
小さな椅子に腰掛けるタカラ、床にクッションを置いて座るミセリ。
もう一つ存在する椅子には誰も乗っておらず、食事も二人分だけ。
台所の方で、小さくスープを飲む音が聞こえた。
水色の森の人、タカラは困った顔で台所を見ている。
正しくは、台所に繋がる穴の端から覗く、傷だらけの尻尾を。
やがてタカラは諦めたのか、小さく、いただきますと呟き
ミセリに食べる様に促して、遅い夕食を始めた。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:05:19.61 ID:1VVizUtqO
支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:06:05.61 ID:h++wh+E4O
支援
107 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:06:15.94 ID:uL9fAagVO
ミセ*゚ー゚)リ「ごちそう、さまでした」
(,,^Д^)「お粗末様でした」
ゆっくりとした夕食が終わり、ミセリは空っぽになった器を重ねる。
その器をタカラが受け取り、台所へと向かった。
向こう側では、
「ごちそうさまでした」、「次は一緒に食べましょうね」とタカラの声。
それを聞きながらミセリはクッションを抱き締めて、壁際に移動して座り込む。
壁にもたれ掛かり、少し固いクッションを強く胸に抱く。
温かいのだけれど、なんだか寂しい。
ノーネとニダーが居ないと、寂しい。
質素ながらも美味しい夕飯も、二人を思うとなかなか喉を通らなかった。
表情を曇らせるミセリに、戻ってきたタカラは、やはり困った顔。
それを影から覗くでぃの視線に、余計に困った顔。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:07:11.10 ID:i3zitgbsO
しえーん
支援
110 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:08:15.56 ID:uL9fAagVO
(,,^Д^)「あ、」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?」
(,,^Д^)「済みません、薪が切れそうなので取りに行ってきますね」
ミセ*゚ー゚)リ「ん……あ、本当だ……ミセリ、取ってくるよ?」
(,,^Д^)「ミセリさんはお客様、ですよ。では行ってきますね」
ミセ*゚ー゚)リ「……うん、行ってらっしゃい」
タカラがふと、壁際に積まれた薪が残り少ない事に気付き、
つぎはぎだらけのマントを羽織って、部屋を出て行った。
ミセリは自分の申し出を微笑みながら断るタカラの優しさを感じて、
一つ頷いて、その小さな背中を見送った。
部屋の中に流れる静寂。
ランプの灯りがゆらゆらと、ミセリの影をぼんやり作る。
壁際で膝を抱えて俯くミセリ。
それにゆっくり、恐る恐る近付く影。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:08:30.67 ID:/XDfdoku0
支援
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:09:25.16 ID:dEK4di/lO
詩園
支援
114 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:10:14.26 ID:uL9fAagVO
自分の前までやって来た影に気付いたミセリが、ゆるりと顔を上げると
ぺちん。
何かが、ミセリの頭を控えめに叩いた。
ミセ*゚−゚)リ「へ……?」
(#゚;;-゚)「……め、……めっ」
ミセ*゚−゚)リ「ぇ、……え?」
(#゚;;-゚)「そ、その……あの…………キライ、とか……嘘でも言っちゃ、めっ」
ミセ*゚−゚)リ「ぁ…………ごめん、なさい……」
(#゚;;-゚)「あの、あの……その、
……キライ、は……言うのも、言われるのも……痛い、から……」
ミセ*゚−゚)リ「ごめ、ん……なさい…………もう、言わない……」
(#゚;;-゚)「……う、ん」
ミセ*゚−゚)リ「……」
(#゚;;-゚)「……」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:11:32.30 ID:h++wh+E4O
試演
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:11:36.05 ID:flwv+mlxO
追い付いた支援
117 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:12:25.13 ID:uL9fAagVO
ミセ*゚−゚)リ「……お名前、は?」
(#゚;;-゚)「で……でぃ……」
ミセ*゚−゚)リ「わたし、ミセリ…………よろしく、ね?」
(#゚;;-゚)「よろ、しく……」
ミセ*゚−゚)リ「……」
(#゚;;-゚)「……」
ミセ*゚−゚)リ「……ありがとう、叱って、くれて……」
(#゚;;-゚)「ぁ、ぇ、えと、……どう、いたしまして、です……」
ミセ*゚ー゚)リ「ぇ……えへ」
(#゚;;-゚)「……ふふ」
ミセ*゚ー゚)リ「でぃ、」
(#゚;;-゚)「ぅ、?」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:12:38.06 ID:/XDfdoku0
しえんー
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:12:38.25 ID:yWPsOUa/O
巨人の元抑えがいると聞いて
120 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:14:35.71 ID:uL9fAagVO
ミセ*^ー^)リ「ご飯、美味しかったよ」
(#゚;;-゚)
(*#゚;;-゚)
にっこり笑うミセリに、でぃは頬を赤くして俯いてしまった。
可愛いなあ、と、くすんだ緑の森の人、でぃを見つめる。
どうやら女の子らしいでぃは、控え目で人見知りが激しい。
けれど実際は大人しいだけで、芯はしっかりした優しい子。
少し話すだけで、そんな印象を持つ事が出来た。
しかしどうしても気になるのは、そんなでぃの全身に刻まれた、傷跡。
途中で千切れた尾に右耳、顔にも体にも、あます事なく存在する傷。
それらは全てが古い物で、すっかり塞がっている。
それでも生々しい、茶色くなった傷跡は
ミセリの目を引き付けるには、十分すぎた。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:15:45.46 ID:flwv+mlxO
支援
122 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:16:10.42 ID:uL9fAagVO
ミセリが傷に触れようと、手を持ち上げた瞬間。
(,,^Д^)「ただいま戻りましたー」
(#゚;;-゚)「あ、タカラ……」
ミセ*゚ー゚)リ「お、お帰り、タカラ」
(,,^Д^)「はい、ただい……おや、珍しい組み合わせですね」
(#゚;;-゚)「う、ん……」
(,,^Д^)「おぅ……でぃさんがニンゲンと話すなんて、思いもしませんでした」
ミセ*゚−゚)リ「へ、」
(,,^Д^)「? ……あ、言ってはないですね、でぃさん」
(#゚;;-゚)「……うん」
ミセ*゚−゚)リ?
123 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:18:08.82 ID:uL9fAagVO
戻ってきたタカラが、抱えていた薪の束を壁際に置いて、マントを脱ぐ。
そして驚いた声で二人に話し掛け、少しだけ、ばつの悪そうな顔。
俯くでぃの顔を覗き込むと、それに気付いたでぃは、にっこり。
やっと見れた笑顔は、少しだけ、悲しそうで。
ミセリの前にそっと座ると、ゆっくりゆっくり、でぃは口を開いた。
(#゚;;-゚)「…………でぃ、ニンゲンが作った道具で、こんな格好に、なった」
ミセ ゚−゚)リ「…………ぇ、?」
(#゚;;-゚)「森の生き物は、いろんな種族がいて……争うの
それで、森で、ニンゲンの物とか……見付かる、です」
(,,^Д^)「その森に落ちている道具は、種族同士の戦いの時、武器になります」
(#゚;;-゚)「それで……その、ニンゲンの物は、森の生き物には……作れない」
(,,^Д^)「技術的に、私たち森の生き物には鉄砲なんかは作れません
ナイフ等の刃物も、つい最近までは作れませんでした」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:20:01.21 ID:flwv+mlxO
C
125 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:20:07.22 ID:uL9fAagVO
ミセ ゚−゚)リ「ぇ……あ、ぁ……」
(,,^Д^)「以前、大規模な争いが起きた時、でぃさんは」
(#゚;;-゚)「タカラ」
(,,^Д^)「済みません、でぃさん」
(#゚;;-゚)「……ミセリ、でぃ……ニンゲンの道具で、こうなった……
でも、ニンゲンがキライとかじゃ、ない、です」
ミセ ゚−゚)リ「で、ぃ…………」
(#゚;;-゚)「……ニンゲンの道具が広まって……今まであった形、壊れてった……」
(,,^Д^)「ニンゲンの物は森では異様な存在、今までなかった奇妙な物です。
それらが加わる事で、森の生態系なんかが、狂ってきているんです」
(#゚;;-゚)「タカラが言ったナイフも……
最近、森の生き物が真似して作って……広まった……」
(,,^Д^)「しかしナイフは便利です、危ないけれどちゃんと扱えば良い。
ニンゲンの影響、全てが悪くはありません」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:20:43.62 ID:/XDfdoku0
支援
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:21:15.59 ID:i3zitgbsO
しえん
128 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:22:11.36 ID:uL9fAagVO
(#゚;;-゚)「ニンゲンが、悪いんじゃ、ない……
でもみんな……ニンゲンのせいに、する……」
(,,^Д^)「ニンゲンの物が見付かるのは、不可抗力です。
ニンゲンが悪い訳でも、私たちが悪い訳でもありません」
(#゚;;-゚)「…………でも傷つけられたら……ニンゲンが悪いって……」
(,,^Д^)「責任転嫁ですよ、勝手に使っている癖にニンゲンが悪だなんて。
それを使って、種族は違えど森の仲間をねじ伏せて、エゴです」
ミセ ゚−゚)リ「…………」
(#゚;;-゚)「今は争い、マシになった……
でもやっぱり、傷残ってる人……いっぱい、いるから……」
(,,^Д^)「自業自得の癖に、ニンゲンを悪に仕立て上げて責めるんです。
我が仲間ながら、大変愚かしいと思います」
(#゚;;-゚)「…………タカラ、こわい」
(,,^Д^)「……済みません、怒ってしまいました」
(#゚;;-゚)「それに、むつかしい……」
(,,^Д^)「済みません……」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:22:50.51 ID:h++wh+E4O
支援
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:23:09.87 ID:flwv+mlxO
支援
131 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:24:07.78 ID:uL9fAagVO
ミセ ゚−゚)リ「……」
(#゚;;-゚)「ミセリ、」
ミセ ゚−゚)リ「ごめん……なさい」
(#゚;;-゚)「ミセリは、」
(,,^Д^)「ミセリさんは悪くありません、悪いのは我々の方で」
_,
(#゚;;-゚)「タカラ、」
(,,^Д^)「済みません」
ミセ ゚−゚)リ「でも、人間嫌われてるの……それだけじゃ、なさそうだよ……
石とか投げられて、凄く、凄く怖がられた……」
(#,^Д^)「な、」
_,
(#゚;;-゚)「タカラ」
(,,^Д^)「はい、済みません」
ライオンは一箇所に20回留まると匂いを嗅ぎ付けてやってくる
他スレに移動して匂いをごまかせば平気
ライオン来たら総合や他スレに支援でもしてこよう
遭遇した事は無いので推察に過ぎないけど、参考までに
133 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:26:09.85 ID:uL9fAagVO
(#゚;;-゚)「……ミセリ、ミセリは、悪くない……ね? ……それは、わかって」
ミセ ゚−゚)リ「……ん」
(#゚;;-゚)「…………ミセリの前に来たニンゲン、ミセリくらいの大きさで……」
ミセ ゚−゚)リ「……」
(#゚;;-゚)「そのニンゲン、は……怖かった、らしいの
森の生き物を……たくさん、傷付けた」
ミセ;゚−゚)リ!
(#゚;;-゚)「でぃもタカラも、そのニンゲンの事は……あんまり知らない
……でも、すごく怖かったって、聞いた事ある…………だから、」
(,,^Д^)「だから、ニンゲンを嫌う森の生き物は多いんです」
_,
(#゚;;-゚)
(,,^Д^)「済みません」
_,
(#゚;;-゚)「タカラ、明日のあさ、ご飯なし」
(;,^Д^)「すっ、済みませんっ!」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:26:54.85 ID:bmOq3E0bO
良いコンビだ支援
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:27:15.52 ID:1VVizUtqO
しえしえ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:27:45.61 ID:/XDfdoku0
しーえん
137 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:28:17.68 ID:uL9fAagVO
でぃとタカラがきゃいきゃいと、じゃれあう姿を見もせずに
ミセリはただただ深く、がっくりと項垂れて膝を抱えていた。
自分が悪いのでも、人間全てが悪いのでもない。
自分まで嫌われるのは理不尽だし、石などを投げられるのはもっての他。
けれど、けれど、この胸でぐるぐると巡る、気持ち悪い物はなんだ。
今にも込み上げてきそうな涙は、申し訳なさは、何なのだ。
ミセリが自分の膝に爪を立て、顔を伏せる。
小刻みに震える背中に気付いたでぃが、そっと、ミセリの頭をよしよし、と。
ほんのりと感じる体温が、やさしい感触が、
たまらなく、たまらなく、嬉しくて切なくて申し訳なくて。
ついにぽろりと溢れた涙を隠したくて、ミセリは顔を上げられなくて。
膝が涙に濡れて、少しだけ、暖かかった。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:29:01.49 ID:h++wh+E4O
しえん
支援
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:29:35.04 ID:/XDfdoku0
支援
141 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:30:10.10 ID:uL9fAagVO
ミセ − )リ「ご、め……ごめっ……なさ、っ」
(#゚;;-゚)「……ミセリが謝ること、ない、です……よし、よし」
(,,^Д^)「そうですよ、ミセリさんが何かをした訳じゃありません」
ミセ − )リ「で、もっ……ミセリ、ミセリっ……」
(#゚;;-゚)「いいこ、いいこ……ミセリは、いいこ」
ミセ − )リ「でぃ……っごめんね……っ、ごめ、ねっ…………傷、だらけ、でっ」
(#゚;;-゚)「でぃ、ニンゲンは少しこわい…………でも、ミセリ、好きよ?」
(,,^Д^)そ
ミセ − )リ「……で、ぃ」
(#゚;;-゚)「好きだよ、ミセリ、だから泣かないで、です」
て
(,, Д )そ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:31:58.80 ID:flwv+mlxO
支援し
143 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:32:29.50 ID:uL9fAagVO
何度も何度もでぃに頭を撫でられて、好きだよと声をかけられ、
ミセリはやっと涙を拭いて、顔をあげる。
にこ、と微笑むでぃ。
それを見て、つられて微笑むミセリ。
真っ赤になった目元を擦り、腕を伸ばして。
ぎゅう。
でぃを強く抱き締めて、頬を押し付けた。
(*#゚;;-゚)「わ、わ、わぁ」
ミセ*^ー^)リ「ありがと、でぃ……大好きっ」
(*#゚;;-゚)「あわ、わ、わわわぁ……でぃ、でぃも、その……好き……」
チーン
(,, Д )
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:33:48.31 ID:dEK4di/lO
タカラwww
145 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:34:08.39 ID:uL9fAagVO
ミセ*゚ー゚)リ「……タカラ、どったの?」
(#゚;;-゚)「? わかん、ない……」
ミセ*゚ー゚)リ「……まいっか」
(#゚;;-゚)「ん……もう、寝よ? ベッド繋げて、三人で」
ミセ*^ー^)リ「ん!」
(#゚;;-゚)「タカラ、一緒に……寝るよ?」
(*,^Д^)「! いいですとも!」
(#゚;;-゚)?
ミセ*゚ー゚)リ?
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:34:33.69 ID:4dGV4o3h0
タカラ(^Д^)9mプギャーwwww
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:35:44.93 ID:/XDfdoku0
みんなかわいいwww支援
148 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:36:06.14 ID:uL9fAagVO
小さなベッドを2つ繋げて、タカラとでぃがミセリを挟んで寝る準備をする。
タカラはどこかがっかりした顔でランプの灯りを消して、ベッドに潜り込んだ。
少し狭いベッドの中、歪な川の字で並ぶ三人。
タカラは複雑そうな顔で、でぃは少し嬉しそうな顔
ミセリは、ノーネとニダーに早く謝りたいな、と少し緊張した顔で。
三人はそれぞれの気持ちを抱いて、それぞれの表情で、
ゆっくり、ゆっくり、眠りへと落ちて行った。
三話 前編、おわり。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:38:32.08 ID:pMyzCdgsO
乙
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:38:35.39 ID:oA7GvoNNP
おつ!
相変わらず内容が深いから楽しい
151 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:38:35.74 ID:uL9fAagVO
支援ありがとうございました、今回は本当に前編だけだよ!
確認したのに誤字とかひどくて本当に申し訳ないです。
うっかりみーライオンに食われかけましたが、
>>138を参考にして次からは気を付けます!
それでは、これにて失礼!
152 :
◆tYDPzDQgtA :2009/03/15(日) 22:40:12.75 ID:uL9fAagVO
うわー安価ミスったー
>>132の間違いです、申し訳ないです。
今度こそ失礼!
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:40:34.50 ID:/XDfdoku0
乙!
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:40:52.38 ID:flwv+mlxO
乙!
毎回読みがいがあるなぁ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:41:23.44 ID:h++wh+E4O
乙
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:41:42.62 ID:moeCx/cbO
乙
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:42:33.62 ID:pMyzCdgsO
ちょ、真面目に
>>138のレス比較してたのにwww
ちゃんと同じにならないよう、毎回変えてるな、とか感心してたのなw
乙
乙!
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:50:45.69 ID:1VVizUtqO
乙!
次も頑張れ!
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:51:49.16 ID:dEK4di/lO
乙〜
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:52:50.59 ID:QGa2Yb4cO
乙!
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:54:13.09 ID:bmOq3E0bO
乙。後編も楽しみにしてる
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/15(日) 22:56:08.06 ID:jTMAA+QzO
乙
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙、次回も楽しみにしてる