1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 19:24:02.72 ID:M0KFAOB30
wktk
3 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:25:48.80 ID:B3R/qqlAO
>>1乙!
初北産業
gdgd探偵
ほのぼの?
シリアス(笑)
4 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:28:23.13 ID:B3R/qqlAO
簡易登場人物説明
( ^ω^)……ココア好き24歳、本人はキザなつもりだが呆れる程に全然決まっていない。
从'ー'从……みかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみかんみk
('A`)……みんな憧れ永遠の無職、その技術力には目を見張るものはあるが週1回は連行される。
(´・ω・`)……大企業の社員。結構不遇、妻を溺愛している。
( ´∀`)……ショボンの上司。少し子供っぽいところも。
(,,゚Д゚)……刑事、最近の悩みはコートを新調しようか、ということ。
( ・∀・)……ギコの後輩。やれば出来るタイプ。でも滅多にやらない。
(*゚∀゚)……超高確率で登場するモブキャラ。
(*゚∀゚)……↑にそっくりすぎる顔、区別がつかないが果たして……?
5 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:29:38.36 ID:B3R/qqlAO
6 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:33:22.69 ID:B3R/qqlAO
上に書いたように、携帯は対応していないみたいなので、携帯向けの、前回の産業説明。
みんなウキウキバレンタイン。かわいいあの娘(デレ)が襲ってくる、sneg?
( 'A`)ついに童貞脱出かと思いきや予想通り釣りですた
m9(;Д;)プギャーwwwwwwwwwww
規制食らってはや2週間。全然とけねえよ。ちくしょう。
とりあえず、1月振りですが携帯から投下します。
7 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:34:20.70 ID:B3R/qqlAO
〜( ^ω^)从'ー'从聖者達に死を、のようです〜
9th-1〜黒と白〜
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 19:35:36.03 ID:35m9SgHD0
待ってました
支援す
9 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:37:54.38 ID:B3R/qqlAO
ここは夜の街のとある場所。普通の人間ならば好んではいようとはしない場所だ。
そこにいるのは2人。白い服と黒い服。対照的な2人は向き合う。
その間に和やかな雰囲気はなく、また険悪な空気でもない。
良くも悪くも互いに互いをなんとも思っていないのか。
川 ゚ -゚)「ふう、いったいどこをほっつき歩いてたんだ」
ζ(^ー^*ζ「へへ、ちょっと楽しいところだよ〜」
川 ゚ -゚)「仕事がなかったからよかったものの……」
ζ(゚ー゚*ζ「内藤ホライゾン」
川 ゚ -゚)「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「空けてる間、ちょっと会ってきたんだけど期待はずれだったというか」
川 ゚ -゚)「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「愛想尽かすのも良くわかるわw あんなザマじゃあ」
10 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:39:25.92 ID:B3R/qqlAO
片方は自分が簡単に一本背負いで投げた男を思い出し笑う。
一方は表情を変えず、沈黙のまま。果たしてその鉄仮面の内側に感情はあるのか。
表情は変わらないまま、その口を開く。
川 ゚ -゚)「そうか」
その一言だけ。
興味があるのかないのか、判断のつかない顔で見据える。
11 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:42:12.20 ID:B3R/qqlAO
ζ(゚ー゚*ζ「そういえば妹さんだっけ? あいつらの依頼を受けた書類があったけど」
川 ゚ -゚)「ヒートが……?」
ζ(゚ー゚*ζ「好きな人がいるみたいだよ、バレンタインにチョコあげるっぽかったし」
川 ゚ -゚)「そう人の親類を詮索しないでくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「だって聞こえちゃったものは聞こえちゃったし」
川 ゚ -゚)「むう、あいつももうそんな年か……」
ζ(^ー^*ζ「はは、クーちゃんばばくさ〜い」
川 ゚ -゚)「お前はそのぶりっ娘をどうにかできないのか?」
ζ(゚、゚*ζ「だってこうしてると男がひょいひょいと釣れて面白いんだもん」
川 ゚ -゚)「確かに使えるときは使えるがなあ……」
ζ(゚ー゚*ζ「そうそう! 釣れると言えばドクオってのが傑作でさー」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 19:42:13.54 ID:35m9SgHD0
支援す
13 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:44:39.53 ID:B3R/qqlAO
川 ゚ -゚)「ドクオ?」
ζ(゚ー゚*ζ「懐かしい名前かしら? そのドクオなんだけど」
ζ(////*ζ「ど、ドクオさん! す、好きです!!」
ζ(゚ー゚*ζ「とか言ったり思わせぶりな態度してたら真に受けちゃってさーw」
川 ゚ -゚)「…………」
14 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:47:21.75 ID:B3R/qqlAO
ζ(゚ー゚*ζ「あげくダッチワイフと生身の人間の区別がつかないで私抱いた気になってんのよww」
川 ゚ -゚)「……やめろ、くだらん」
ζ(゚、゚*ζ「あら、せっかくお友達の近況報告してあげてるのに」
川 ゚ -゚)「お気遣いは結構だ。さっさと仕事をしよう」
ζ(゚ー゚;ζ「やれやれ、お堅いですこと」
川 ゚ -゚)「今回はここだ、難くもなく易くもなく。といったところだ」
ζ(゚、゚*ζ「さっさと終わらせよー」
話し終えた2人は音もなく再び闇に姿を溶かし込む。
それはさながら猫のようにしなやかに、そして美しく。
15 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:50:26.66 ID:B3R/qqlAO
----------------------------------------------------------------------------------
( ^ω^)「……ということなんだお」
从;'−'从「そ、そんな〜」
週が明け、平日の朝は穏やかに陽射しを窓から投げかける。
三寒四温のこの時期。今日は暖かく、しかし時折吹く風には微かな冬の名残。
小鳥は近づく春を感じてか、元気に空を飛び回り、さえずる。
そんな何かいいことがありそうな予感がする朝。
たくさんのお土産を抱えて探偵社にやって来た渡辺に僕が伝えたのはデレが消えたということ。
明らかに非友好的な態度 『 盗み猫 』 という存在。そしてあのデータが目的でここにいたということ。
そしてドクオがひどい目にあった。ということも詳細は伏せて伝えた。
流石に全てはとても言えない。僕がそんな目にあった日にはその場で自決するかもしれない。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 19:50:31.19 ID:hf9PqibcO
久しぶりにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 19:51:37.62 ID:gqigGnZH0 BE:368172094-2BP(124)
18 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:51:42.80 ID:B3R/qqlAO
从;'−'从「む、むしょくはどうしたの〜?」
( ;^ω^)「多分……ショックで寝込んでるお」
あの後僕がドクオにしてやれることと言えば服を貸し、誰にも言わないと約束するくらいだ。
抜け殻のようになっている無職は 「ああ」 とだけ言い残して去った。
それ以来こちらから連絡は取ってないし、あちらも当然だとは思うが連絡はしてこない。
どうすれば立ち直るのか皆目見当がつかない。従って放置している。
19 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:54:12.04 ID:B3R/qqlAO
从;'−'从「…………」
渡辺が目をやるのは机に置かれた大小2つの紙袋。
小さい袋にはみかんプリンと鮮やかな色でプリントされている。
先日の旅行で買ったみんなへのお土産らしい。数は4つ。今ここにはいない2人の分もある。
( ^ω^)「ちなみにそっちの紙袋は?」
从'ー'从「私の分だよ〜」
ちなみに紙袋はスーツケース大くらいの大きさ、かなり大きい。
覗いてみると大小のカップ、包装紙に包まれたお菓子。
ネットに入った大粒のみかん。とにかくみかん関連を色々と買い込んである。
20 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:57:00.34 ID:B3R/qqlAO
(; ^ω^)「…………」
从'ー'从「悩んだってしょうがない! 悔やんだって仕方ない! というわけでおみやを食べて気分直しだ〜!!」
声高々にみかん祭り開催を宣言し、手当たり次第に品をひっつかみ取り出す。
从'ー'从「ていっ!!」
( ;^ω^)「おおっ!?」
オーバースローから相当の速度で投げられたお菓子の包みをキャッチ。
みかんサブレと書いてある。みかんと名がついている品はなんでも買ってきたようだ。
从'ー'从「特別にブーンにも分けてあげよう! たんと食うがいい〜」
( ^ω^)「おっ、じゃあありがたくいただくお」
こんな嫌なことが続くときは食べるに限る。そう思った彼女なりの気遣いだろう。
すでにみかんプリンを夢中で食べ始めている渡辺に軽く礼を言い
2人だけの暴飲暴食パーティーは始まった。
21 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 19:58:42.39 ID:B3R/qqlAO
----------------------------------------------------------------------------------
(;^ω^)「ぶはー、食いすぎたお」
从;'−'从「ちょっと気持ち悪いかも〜」
時間は昼、食べ散らかしたごみの散乱した部屋は甘い匂いやすっぱい匂いで充満している。
2人でお腹をさすり、僕としては珍しい食後のオレンジジュースを飲んでいるとコール音が響いた。
从'ー'从「出るのめんどくさいな〜」
( ^ω^)「たしかに、それじゃあ今日は臨時休業でいいかお?」
从'ー'从「さんせ〜」
( ^ω^)「……ってわけにもいかないお」
22 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:02:11.30 ID:B3R/qqlAO
冗談を言いながら受話器を取る。
( ^ω^)『夫の不倫から誰にも言えない事件まで、困ったときは内藤探偵社へ。何か御用ですかお』
(´・ω・`)『もしもし、ブーン君かい?』
( ^ω^)『ああ、その声はショボンさん。何か依頼ですかお?』
(´・ω・`)『察しがよくて助かるよ。君たちをぜひとも、という指名があってね』
( ^ω^)『指名ですかお?』
(´・ω・`)『ああ、悪いけど今からVIPタワーまで来て欲しい』
( ^ω^)『VIPタワーですかお?』
(´・ω・`)『うん、エントランスで僕の名前出してくれれば大丈夫だから』
( ^ω^)『了解しましたお、それじゃあ今から出ますお』
从'ー'从「依頼きたの〜?」
23 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:04:33.36 ID:B3R/qqlAO
( ^ω^)「ショボンさんからだお、今すぐ来て欲しいらしいから用意していくお」
从'ー'从「めんどくさいな〜」
( ^ω^)「労働は尊いって誰かも言ってたお、ほら準備する」
从;'−'从「働きたくないな〜」
ぶつくさ言う助手を急かし、自分も準備をする。
( ^ω^)「お……」
赤いペンダントを付ける。コートを羽織る。
戸締りを確認して出る準備は万端だ。
从'ー'从「準備完了〜」
あちらも終わったらしい。
すでに外に出ようとしている。
( ^ω^)「それじゃあ行きますかお」
24 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:06:13.19 ID:B3R/qqlAO
----------------------------------------------------------------------------------
扉にしっかり鍵を掛けて出発。
電車に揺られることしばらく、そびえ立つVIPタワーが見えてくる。
VIP駅で電車を降り、目的地へと歩を進める。
目的地はVIPタワーに入っている大企業、流石コーポレーションだ。
( ^ω^)「そういや名前出してくれれば、って言ってたけど、それって結構すごいおね」
从'ー'从「そうだね〜」
適当な返事を返しつつ紙袋に大量に入ったみかんをほお張るのは助手。
駅からタワーまでの道中で考えるのは呼び出された理由。
今度は逆に妻の浮気調査とかなのだろうか。
しかし指名という言葉があった以上、知り合いの誰かの依頼なのかもしれない。
25 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:07:58.04 ID:B3R/qqlAO
( ^ω^)「すいません、流石コーポレーションで働いているショボンの知り合いなんですが」
(*゚∀゚)「へ、誰ですかそれ?」
( ^ω^)「…………」
(*゚∀゚)「…………」
从'ー'从「ショボンさんの知り合いなんですけど〜」
(*゚∀゚)「いや、だから誰ですかそれ?」
从'ー'从「…………」モグモグ
(*゚∀゚)「あ、タワー内での持込み飲食は禁止されております」
从'ー'从「…………」モグモグ
(*゚∀゚)「だから禁止ですって」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 20:11:40.42 ID:kOJyDX4/O
支援支援
27 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:11:41.42 ID:B3R/qqlAO
入ってすぐ、目前にいる受付嬢に対する問いの答えは至ってシンプル。「そんな人知らない」だ。
もちろん複数の企業が入っている巨大タワーだから、全て把握しきれない部分もあるのだろう。
(´・ω・`)「あ、いたいた。おーい」
頭上にクエスチョンマークが出てくるのではないかと思うくらいに不思議そうにする受付嬢と向き合うこと数分。
沈黙を破ったのは探している人だった。
( ^ω^)「あのー、受付で名前出しても大丈夫じゃなかったんですが……」
(*´・ω・`)「はは、1回やってみたかったんだよね。『受付で名前を出せ、それで大丈夫だ』ってさ」
从'ー'从「…………」
(´・ω・`)「ちょっとハードボイルドに決まってたでしょw」
(;^ω^)「…………」
从'ー'从「ていっ」
(;´・ω・`)「いたっ! なんでみかん投げるの!?」
从'ー'从「ていていっ」
(´;ω;`)「いたたっ! なんでだああああ!!」
(;*゚∀゚)「タワー内での飲食物の投擲は禁止されています!」
28 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:16:11.14 ID:B3R/qqlAO
----------------------------------------------------------------------------------
( ^ω^)「全く、冗談もほどほどにしてほしいもんですお」
(´・ω・`)「いや、すまなかった」
上昇するエレベーターの中での会話。
近年新たに建てられた新、経済の中心地の周辺は発展途上で、建設中の様々なビルが無機質な様相を呈している。
眼下には昔からの商店街とタワーと同時期に建設させられた歓楽街であるVIPランドが見える。
そして遠くには周囲に建造物が密集しているVIP駅が見える。
ここが経済の中心だ、というには少し寂しい感じもするが、じきに充実するだろう。
(´・ω・`)「さあ、付いてきてくれ」
エレベーターのドアが開き、つかつかと歩いていく。
2基あるエレベーターの乗り場は、その階のエントランスのような造りになっている。
迷うことなく歩いていく彼に僕達はついていく。
お昼時であまり人がいないのだろう。廊下はがらんとしている。
それにしても廊下の割りには結構幅が広い。しばらく歩いていると、すれ違いに1人のOLが話しかけてきた。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 20:16:51.61 ID:35m9SgHD0
支援す
30 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:19:11.48 ID:B3R/qqlAO
川д川「あ、ショボンさんお昼もう戻ってきたんですか?」
(´・ω・`)「はは、昼飯じゃないんだ。客人を迎えにね」
( ^ω^)「どうも、内藤と申しますお」
从'ー'从「こんにちは〜」
川д川「こんにちは、ショボンさんのお友達ですか?」
( ^ω^)「ええ、そうですお」
从'ー'从「はいどーぞ」
川;д川「みかん……?」
从'ー'从「本場オオカミの品だよ〜」
川;д川「あ、ありがとう……」
(´・ω・`)「オオカミまで行ってたのかー」
川д川「そうだショボンさん。その……も、もしよければお弁当を作ってきたんですけど……」
31 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:21:04.62 ID:B3R/qqlAO
(´・ω・`)「ん、なんか言った?」
川;д川「ななななななんでもありません!! 失礼します!!」
ダダダダッ
(;^ω^)「全力疾走……」
(´・ω・`)「相変わらず変わってるなあ、貞子さんは」
走り去っていった女性の名前なのだろう、ぽつりとつぶやいてサラリーマンは再び歩き出す。
(´・ω・`)「こっちの部屋だ、入ってくれ」
通されたのは会議室とプレートのついた廊下に面する部屋。
部屋の規模は小さいらしく、人1人が通れるほどの大きさのドアが1つついているだけだ。
ノブに手をかけ、ショボンがドアを開く。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 20:24:10.16 ID:35m9SgHD0
支援す
33 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:24:27.31 ID:B3R/qqlAO
( ´∀`)ガツガツガツ
部屋に入ると会議に使うのであろうテーブルが1つ。4、5人が座れるほどの大きさだ。
正面中央を陣取っていたのは恰幅のいい男性。ものすごい勢いでカツ丼をかきこんでいる。
(´・ω・`)「モナーさん、連れてきましたよ」
( ´∀`)「げぷっ、ああ、ありがとうだモナ」
(´・ω・`)「あれ、僕の分のカツ丼はどうしたんです?」
( ´∀`)「あ、これだモナ」
そう言って男は2つのどんぶりをこちらに向ける。
残っているのはわずかに米粒が2、3粒だけ。
34 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:29:00.60 ID:B3R/qqlAO
(´;ω;`)「僕のカツ丼があああああああ!!」
狭い会議室に男の悲鳴が響く。
受け取り覗き込んでいるどんぶりの中身はついさっきまで彼の空腹を満たすべく存在していたはずだ。
その様子を見るが、悪びれたようすもなく上司の男は話す。
( ´∀`)「さすがにこの年で2人前はこたえるモナ」
(´;ω;`)「なら食べないでくださいよ!」
( ´∀`)「そうだ、そういえば愛妻弁当はどうしたモナ?」
(´・ω・`)「早弁でなくなりました」
( ´∀`)「そりゃ食いすぎだモナ」
一応僕はこの男性を知っている。
先日ここにいる、渡辺を除いた3人で一緒に酒を飲んだ関係だ。
( ^ω^)「あのー」
( ´∀`)「ああ! 君たちを呼んだのは他ならぬ僕だモナ」
会話の間に割って入る。思い出したように男――モナーはこちらに向き直りしゃべりだす。
( ´∀`)「いや、ちょっと困ったことがあって聞いて欲しいモナ」
(;^ω^)「はあ……わかりましたお」
35 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:31:51.68 ID:B3R/qqlAO
----------------------------------------------------------------------------
お茶を一口飲み、男は話を始める。
( ´∀`)「改めて、ショボンの上司、茂名モナーだモナ」
( ^ω^)「珍しい苗字ですお、そういえばショボンさんの苗字は?」
(´・ω・`)「椎名、変わった苗字だけど結構気に入ってるんだ」
从'ー'从「…………」モグモグ
( ^ω^)「そうですかお、ところで今日僕達を呼んだ理由を聞かせて欲しいんですが……」
単刀直入に質問をする。
相手は昼休憩中の社会人なので、今の内に済ませてしまいたい。
モナーは再度お茶を飲み一息。こちらを見て言う。
36 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:34:48.23 ID:B3R/qqlAO
( ´∀`)「その前に、これを誰にも口外しないと約束して欲しいモナ」
( ^ω^)「お、わかりましたお」
こういった仕事をやっているとよくある話ではある。こういう場面は素直にしておくのがいい。
( ´∀`)「それじゃあ……まず、僕は一軒家を持っているモナ」
( ^ω^)「マイホームってやつですかお」
( ´∀`)「これでも流石コーポレーションの部長だからモナ、それなりにお金は頂いているモナ」
从'ー'从「…………」モグモグ
( ´∀`)「その一軒家に僕は古美術品を集めているモナ。いわゆる趣味の一環というやつモナ」
( ^ω^)「古美術品ですかお」
(´・ω・`)「まったく、渋い趣味だよね」
37 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:39:18.86 ID:B3R/qqlAO
( ´∀`)「そういうなモナ。持っているのは中世の壺だったりサーべルだったり、あとこないだもらったニダーたんのサインもあるモナ」
从'ー'从「そういえばそうだね〜」
( ´∀`)「モナモナ、高いのは妻に怒られるしそこまでつぎ込む気もなかったモナが……」
( ^ω^)「ですが?」
( ´∀`)「ところが昨日、こんな手紙が届いたモナ」
懐から取り出したのは1つの手紙。
白地に様々な装飾が施された、例えるなら女子高生とかが使いそうなそれ。
黒と白、2匹の猫が寄り添ったシールで封が留められている。
中央下に筆記体で black and white thieves と書いてある。
( ^ω^)「……これは?」
( ´∀`)「とりあえず読んでみてくれモナ」
そう言って手渡された手紙。
丁寧に開けて中身を取り出す。
中には1枚の紙が入っているだけだ。
38 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:42:43.73 ID:B3R/qqlAO
( ^ω^)「えーなになに……
『1週間後の夜8時、あなたの家にある大切な『 モノ 』をいただきに参上しますにゃん☆盗み猫より』」
内容は簡潔、そしてふざけている。いわゆる犯行予告というやつだ。
それにしても何か引っかかる。
39 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:44:54.50 ID:B3R/qqlAO
( ^ω^)「お、ホントだお……」
ζ(゚ー゚*ζ『PS、警察には言わないでくださいね、手荒な真似はしたくないんで。
どうしても、というのならしょうがない。
こないだ貴方が知り合ったへっぽこ探偵の内藤ホライゾンならいいですよw』
40 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:47:36.76 ID:B3R/qqlAO
そうだ、思い出した。
『 盗み猫 』
あのデレが言っていた言葉だ。
ζ( ー *ζ「私は、盗み猫『 白猫のデレ 』」
何か引っかかっていたのはこのことか。
それにしてもご指名とは結構なことをしてくれるものだ。
こっちだって一応探偵としてのプライドがある。
それにあの女には聞きたいこともたくさんある。
こちらに関しては私情だが早くもその機会を得たことになる。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 20:50:11.54 ID:35m9SgHD0
支援す
42 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:51:27.28 ID:B3R/qqlAO
( ^ω^)「警察には連絡しましたかお?」
( ´∀`)「予告状には届けるな、って書いてあったけど上島竜平のノリと受け取って連絡しておいたモナ」
(;^ω^)「て、適当すぎませんかお?」
なんとも掴みどころのない人だ。
どこか飄々としている。
( ´∀`)「でも予告状を警察に突きつけたら単なる女子高生のいたずらに思われたモナ」
( ^ω^)「あのふざけた文面ですからお」
( ´∀`)「一応予告の日は形式上、2人の警官を送ってくれるらしいモナ」
( ^ω^)「ふむ……でもどうせ眉唾ですお」
( ´∀`)「どちらかというと君達の方をあてにしてるモナ。いつしかのショボンの件では活躍したらしいし」
( ^ω^)「そうですか、それはうれしいですお」
(´・ω・`)「うん、探偵としての腕は並程度だけど人はいいからね」
(;^ω^)「はは、手厳しいお」
苦笑しながらこちらを見るのはかつての依頼人ショボン。
あの時は相手が悪かっただけだ、と僕は思っている。
43 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:54:38.69 ID:B3R/qqlAO
( ´∀`)「じゃあ引き受けてくれるモナ?」
( ^ω^)「ええ、詳細はまた後ということでよろしいですかお?」
( ´∀`)「そうモナね、そろそろ昼休憩終わりだし……」
(´・ω・`)「それにしてもお腹すいたなあ……」
( ^ω^)「まあ早弁したんですし……おばあっ!!」
突如として飛来してきた物体。
頬にめり込む鈍い音と共に勢いで首が捻られる。
44 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 20:57:33.00 ID:B3R/qqlAO
川;д川……
( ω )「お、おー……」
熱い頬を手で押さえる。
物体の飛んで来た方向は出入り口。
見事な投球フォームで立っているのは先程のOLだ。
(´・ω・`)「あれ、貞子さ――」
川;д川そ
川;д川ダダダダッ!
見つかったのに驚いたのか、慌てて走り去る彼女。
というか投げれば見つかるのは当然だと思うのだが。
从'ー'从「あれれ〜、こんなところにお弁当があるよ〜?」
( 'ω`)「お、本当だお」
(´・ω・`)「タワー内で物投げるの禁止なんだけどなあ……」
飛来した物体は簡素な風呂敷に包まれている。
ショボンはそれを取り上げて風呂敷を開く。
中には走り書きのメモで「ショボンさん、あまったんでたべてください」と書いてある。
45 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 21:00:01.01 ID:B3R/qqlAO
(´・ω・`)「お、弁当か。ありがたいなあ」
( ´∀`)「モナモナwモテる男は辛いモナww」
(;´・ω・`)「勘弁してくださいよ、そんなんじゃないですって」
从'ー'从「モテモテだ〜」
(;´・ω・`)「ちょ、しぃにメールしようとしないで! お願いだから秘密にしてくれ!」
46 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 21:03:38.83 ID:B3R/qqlAO
(;´・ω・`)「違うから! 僕妻一筋だから!!」
( ´∀`)「お、もう時間だモナ。それじゃあまた今度そっちに行くモナ」
( ^ω^)「了解しましたお、それじゃあまた後日」
从'ー'从「モテモテだ〜」
(;´・ω・`)「ちーがーうー!!」
会社の会議室とは思えないような悲鳴のあがるなか
冷めたお茶を口に運ぶ。
( ^ω^)「……苦っ」
やっぱり合わない。帰ってココアでも飲もう。
盗み猫――意図は読めないが勝負なら望む所だ。
9th-1〜黒と白〜fin
47 :
◆EC5LBDpcy. :2009/03/14(土) 21:06:44.99 ID:B3R/qqlAO
今日は以上で終わり。質問とかあったらどうぞ、投下遅れて申し訳ない。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:13:55.53 ID:r/6GtIv+O
乙!
面白かったぜ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/14(土) 21:39:40.23 ID:Wu4Uutgr0
おつ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
みかんしえn
なんだおわってたか
乙!