1 :
◆jOnMQUNVXQ :
ドラクエ8を久々にやり直してます。
まとめサイト様 面白蛇屋
URLは後ほど貼ります。
28話投下しちゃうんだよ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:20:55.59 ID:OSPLDdOTO
3 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:21:03.25 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「すまなかったな。お前達のことを無視して。」
川 ゚ -゚)「全くだ。勝手にいじられては私も困る。」
('A`)「それぞれの特徴にあった機体にするのがカスタムだろ?
俺たちの意見を飛ばされたらおかしいじゃねーかよ。」
E・ゼロの研究を終え、カスタムルームに呼び出された二人。
新しい機体の意見交換を行うために、兄者が呼んだのであった。
第28話「重軽」
4 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:22:44.98 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「で、どういう仕様にしたい?」
兄者は武器庫のリストを見せながら言った。
('A`)「…そうだな。やっぱ俺にも一撃必殺の攻撃力がある武器が欲しいよ。」
( ´_ゝ`)「…というと、サンダースパークか?」
(;'A`)「……う〜ん…」
いくらなんでも、同じ武装ってのはイヤだな。
もしもE・ゼロと一緒に使えばダブルサンダースパークってか?
何だか戦闘のプロの人に怒られそうなネーミングだ。
('A`)「それはいいや…。」
( ´_ゝ`)「だが、エアロ機に一撃必殺級の攻撃力のあるビーム兵器を積んだ所で機動性を失うだけだ。
装甲面が弱いお前には致命的だぞ。」
('A`)「……」
( ´_ゝ`)「正直な話をしよう。」
('A`)「あん?」
( ´_ゝ`)「お前の機体に一撃必殺の攻撃力を求めてなんかいない。」
('A`)「……。」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:23:28.66 ID:5ZvZyQhZO
支援
6 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:24:37.10 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「それを選んだのはおまえ自身だし、今更違うタイプの機体に乗り換えなんかしても上手くいかないだろう。」
( ´_ゝ`)「なら考えられることは一つ。」
('A`)「俺の機体の特性を更に向上させる、だろ?」
( ´_ゝ`)「そういうことだ。」
('A`)「わかったよ。まぁ正直期待してなかったから構わねぇぜ。」
( ´_ゝ`)「ブーン製の新たな炉心……『ハイパーバレル』(ブーン命名)を組みこめばスピードの上昇は十二分に見られるはずだ。
そして、それを殺さず機能的な武装にすることはできるぞ。」
('A`)「例えば?」
( ´_ゝ`)「まず装甲面は限界ギリギリまで落とす。すると、自然と機体は細く、薄くなるはずだ。」
('A`)「……あ〜、そういうことか。」
( ´_ゝ`)「一部だけそういう設計にすれば立派な武器になるさ。」
('A`)「オッケーオッケー。なら、そっちの方向で頼むわ。」
( ´_ゝ`)「うむ。任せておけ。」
('A`)「んでさ、俺もちょっと考えてみたアイデアがあるんだが…」
( ´_ゝ`)「なんだ?」
7 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:26:35.48 ID:eZMSxUOb0
ドクオは兄者に耳打ちするようにそのアイデアを話した。
( ´_ゝ`)「…不可能では…ないだろう。やってみないことにはわからんが。」
('A`)「じゃあそっちもお願いする。」
( ´_ゝ`)「わかった。」
ドクオと話が終わると、兄者は一度咳払いしてから精一杯高い声で言った。
( ´_ゝ`)「次でお待ちのお客さまー、どうぞ〜♪」
川;゚ -゚)「気色悪い声で呼ぶな。」
少し引き気味にクーがやってきた。
( ´_ゝ`)「お前はどうする? ドクオは今の方針を変えず、機体特性特化を選んだぞ。」
川 ゚ -゚)「言われなくてもわかってるはずだろう。私もそうする。」
( ´_ゝ`)「そうか。で、具体的には?」
川 ゚ -゚)「…そうだな。」
川 ゚ -゚)「まずは装甲面の強化だ。ガチガチにしてくれても構わない。」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:26:52.15 ID:EfoTH0baO
速筆だなあ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:27:53.57 ID:BGXPx5FkO
来てたかジョンw支援
10 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:29:02.22 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「運動性は捨てると?」
川 ゚ -゚)「構わない。ハイパーバレルならば運動性も向上するんだろう?」
( ´_ゝ`)「まぁそうだがな。」
川 ゚ -゚)「で、次は…」
川 ゚ -゚)「ビームカノンを4門、ミサイルポッドを二セット、ロケット砲を6門。
それだけ組んでくれ。」
( ´_ゝ`)「随分と重装備にしたな。いくらハイパーバレルでも、それだけ組むとなると…動きは鈍くなるぞ。」
川 ゚ -゚)「機動性を特化するのがドクオなら、火力を特化させるのが私だ。
それで良い。」
( ´_ゝ`)「もしもの時のフォローはドクオに任せる、とな。」
川 ゚ -゚)「あぁ。それに、少しは移動性を増す考えもある。」
( ´_ゝ`)「ミサイルポッドをパージできるようにするのか?」
川 ゚ -゚)「その通りだ。」
( ´_ゝ`)「了解だ。大体のことは頭に入れた。後は完成を待っていてくれ。」
川 ゚ -゚)「頼んだぞ。」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:30:24.23 ID:BGXPx5FkO
紫煙
12 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:30:27.94 ID:eZMSxUOb0
――――。
( ´_ゝ`)「よし…。」
二人が去ってから、兄者はどんな形でそれぞれの武装を組み込むかをデザインし始めた。
大体の構造は頭に出来ていたので設計図はすぐ完成し、兄者はモララーへ二人の意見データを送った。
( ^ω^)「でね、この部分をこうやって改造するとエネルギー供給率が82%も上がるわけなんだ。」
( ・∀・)「おおー! なるほど!!」
研究室にて―――
モララー及び技術開発局員へ、ブーンが新炉心『ハイパーバレル』の構造説明をしていた。
大きなコンピューターにその設計図を映して、教鞭を片手に誇らしげにブーンは説明していた。
( ・∀・)「しかし、この発想はなかったです。流石、オーバーテクノロジーの塊ですね。」
( ^ω^)「それほどでもないよ。」
(研`Д´)ノ「ブーン教授!!」
( ^ω^)「なんだね?」
(研`Д´)「確かに、ハイパーバレルの能力は凄いと思います…
けど、コストや素材面で考えると大量生産は不可能じゃありませんか?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:31:10.41 ID:mzaJi34F0
お!きてたか
支援す
14 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:32:51.01 ID:eZMSxUOb0
(; ^ω^)「そう、欠点があるとすればそこなんだ…。
時間も結構かかるし…」
( ・∀・)「時間については、ブーンさんが一人でやってたよりもかなり迅速にできますね。
技術開発局が総動員で製作しますから。
コストは王様に地に頭でもこすり付ければ何とかなるだろうし…」
( ^ω^)「設計図は渡しておくよ、大事に使ってくれよな。」
( ・∀・)「はい、ありがとうございます。」
( ^ω^)「それじゃ、僕はE・ゼロの調整に行ってくる。」
( ・∀・)「はーい。頑張ってください。」
帰り際、他に用はなかったかな…と思い返す。
( ^ω^)「あ!」
そういえば、忘れていることがあった。
( ^ω^)「そうそう。」
( ・∀・)「? どうしました?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:33:29.74 ID:BGXPx5FkO
試演
16 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:35:10.91 ID:eZMSxUOb0
( ^ω^)ノシ「調整の時に、予備電力使ってるんだけどさ。
バッテリー倉庫がもう空になってたから、補充しておいてね。」
( ・∀・)ノシ「あ、そうでしたか。すみませんね。
教えてくれてありがとうございます。」
( ・∀・)「お?」
モララーのコンピューターにデータが転送されてきた。
ドクオとクーの後継機の設計図だ。
( ・∀・)「重装備&軽装備って感じだね。あの姉弟らしいや。」
(研`Д´)「データが来たってことは、まずMP3に新炉心を組めってことですかね。
しかしモララーさん、局長になっても兄者さん達の言いなりですね。」
( ・∀・)「一応、ZIP製作の功労者の息子達だしね。兵器については僕の方が上かもしれないけど…
ZIPオンリーならまだまだ双子さんの方が上なんだよ。
だから地位は僕が上でも敬語を使う癖が抜けないんだ。」
話をしながらモララーはコンピューターをいじる。
( ・∀・)「……よし、さっそく取り掛かろうか。
スコール機ならば武器庫にある既存兵器ですぐ製作可能だけど…」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:38:32.01 ID:BGXPx5FkO
C円
18 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:38:40.68 ID:eZMSxUOb0
(研`Д´)「エアロ機のこれは…何か凄いことになってますね。
ドクオさんが考えたアイデアらしいですけど……」
( ・∀・)「ドクオ君もブーンさん達に劣るとはいえ、素質はあるんだ。
僕ら常識人の考えを越えた発想をすることは、ありえないとは言い切れないからね。」
(研`Д´)「なるほど…。」
( ・∀・)「んじゃ、頑張っていこー。
なるべく早く、そして丁寧にね!」
(研`Д´)ゞ「了解!」
―――日は流れ。
(´<_` )「……。」
ξ;゚听)ξ「……。」
シンのコンピュータールームで、二人が作業をしていた。
黙々と一機のコンピューターを解体して、パーツをくっつけたり外したりしているのだ。
ξ゚听)ξ「あの…これは何を…?」
(´<_` )「君が自分で言っていたことだ。
MPをレーダーとして使うための装置をこっちに接続しているんだよ。」
ξ゚听)ξ「なるほど…。」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:40:40.78 ID:BGXPx5FkO
紫煙
20 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:41:59.17 ID:eZMSxUOb0
(´<_` )「……そんで、こことここを繋げて…と…。」
ξ゚听)ξ「……あの。」
(´<_` )「ん? 何だ?」
機械をいじりながら顔も向けずに弟者が返事をする。
ξ;゚听)ξ「私……居る意味あります?」
変わらず、コードを接続したりパーツを混ぜ込んだりしている弟者。
(´<_` )「ん〜?」
ξ゚听)ξ「アイデアは出しましたけど…私、機械の中身については詳しくないですし…
邪魔じゃありません?」
(´<_` )「ツン、そこのニッパー取ってくれ。」
ξ゚听)ξ「え? あ、はい。どうぞ。」
(´<_` )「サンキュ。」
ξ゚听)ξ「……。」
ξ;゚听)ξ(あれ? もしかして今、『ツン』って呼んだ……?)
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:42:58.70 ID:8WsuMGIC0
ドラクエ6しか全クリしてません^q^
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:43:28.95 ID:BGXPx5FkO
試演
23 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:43:43.17 ID:eZMSxUOb0
ξ;゚听)ξ「あ、あの弟者さん!」
(´<_` )「何だ?」
ξ;゚听)ξ「さっき私のこと、ツンデレじゃなくて…ツンって」
(´<_` )「よし、出来た。」
ξ゚听)ξ「え?」
ゴチャゴチャした回線をパソコン内に丁寧にしまい込み、締結部品を使って固定する。
完成したコンピューターは、従来のキーボードに加えて一対のレバーが付いたモノになっていた。
ξ゚听)ξ「これは?」
(´<_` )「ZIPのコクピットについてるレバーと一緒のもんさ。
これで超長距離までレーダーを飛ばすことが可能だ。」
ξ゚听)ξ「はぁ…。」
(´<_` )「それで、この機能を他のコンピューターに繋げて…」
キーボードを操作し、アップデートを開始する。
(´<_` )「…よし、後はGMの到来を待つだけだ。」
ξ゚听)ξ「え? 今からやるんじゃないですか?」
24 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:47:06.58 ID:eZMSxUOb0
(´<_` )「いくら俺たちMP3マシーナリーのMPでも、我武者羅に飛ばしたって相手の居場所を特定できるもんじゃない。
宇宙は広いからな。」
(´<_` )「だから、GMの落下角度や速度を計算しその延長線上にレーダーを飛ばす。というわけだ。」
ξ゚听)ξ「ワイバーンの時のように、空間転移できたら?」
(´<_` )「そん時はさすがにお手上げかな。」
ξ;゚听)ξ「…。」
(´<_` )「……あぁ、それと。」
ξ゚听)ξ「?」
(´<_` )「さっき何か言いかけてたよな? 何だ?」
ξ*゚听)ξ「え、い、いやそれは……」
(´<_` )「………おや?」
ξ;゚听)ξ「ど、どうしました?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:48:36.16 ID:BGXPx5FkO
C円
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:51:23.34 ID:mzaJi34F0
支援す
27 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:52:54.35 ID:eZMSxUOb0
(´<_` )「運が良いな、俺も。」
ξ゚听)ξ「何ですか?」
(´<_` )「さっそくだ、来たぞ!」
弟者はレバーを握り
ツンデレはすぐにオペレーター達に配備命令を出した。
( ´_ゝ`)「まだテスト中だが…大方完成はしている。受け取れ。」
川 ゚ -゚)「ありがとう。」
格納庫で、兄者はクーに説明をしていた。
言われた通りの武装は済んだ。
両肩にミサイルポッド。大腿部に、伸縮性のビームカノンが2門、縦向きについている。
全体的に、以前のスコール機よりゴツゴツとしていた。
近い表現があるならば今は亡きショボンの愛機…ガイア機に少し似ている。
川 ゚ -゚)「スコール機、ヘヴィウエポンモード…『H・スコール』といった所か。」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:54:33.94 ID:BGXPx5FkO
試演
29 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:56:13.98 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「ヘヴィ・スコールか…なるほどな。」
川 ゚ -゚)「ドクのエアロ機はどうしたんだ?」
( ´_ゝ`)「あいつのはまだ調整中なんだ。
実験中だから、動かすのも難しい状態になっている。」
川 ゚ -゚)「では出撃できないのか?」
( ´_ゝ`)「いや、後少しだから急げば無理ではないが…。
一人だけで戦うということは考えておいたほうがいい。」
川 ゚ -゚)「わかった。」
クーはボタンを押してコクピットに乗り込む。
ポケットから起動キーをとり出して、鍵穴に差込み回転させる。
それと連動するように、H・スコール機が上昇していった。
( ´_ゝ`)「くれぐれも無理はするな。弟者が居ないせいでレッドライガーも動かせんからな。」
川 ゚ -゚)「あぁ、わかってる。」
ゆっくりゆっくり上昇していくH・スコール。
シャッターを出終えると、ブースターに火をつけた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:56:32.06 ID:HF1LHaPT0
すごくHなんだな
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 20:58:22.11 ID:BGXPx5FkO
紫炎
32 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 20:58:58.68 ID:eZMSxUOb0
川 ゚ -゚)(…やはり少し重装備にしすぎたか…上昇開始まで時間がかかりすぎる。)
バックアップの場合ならばそれでも構わないが、こういう緊急時にはちょっと困る。
川 ゚ -゚)「まぁいい。行こう!」
ある程度の高さまで上がると、重さに身を任せるように前傾姿勢になりながらH・スコールは発進していった。
今度の落下地点は荒野らしい。
そのままMPESに衝突することなく、そいつは降り立った。
川 ゚ -゚)「……ミセリ、あれは?」
ディスプレイに向かって話しかける。
巨大な蛇のGMがそこにいた。
顔は二つで身体は一つ。双頭のコブラであった。
全長はこちらの倍くらいありそうだ。
ミセ*゚ー゚)リ《ヴリトラですね。神話の生物ですよ。蛇ですけど、龍の化身と称えられていたそうです。
『宇宙を塞ぐ者』という異名も持ってますね。》
川 ゚ -゚)「ほぅ…小生意気な。」
クーはグッとレバーを握った。
先ほど実感したことがある。
機体の重量は増したが、ブースターの推進力は驚くほど上がっていた。
新炉心のおかげだろう。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:01:28.14 ID:BGXPx5FkO
C円
34 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:02:00.12 ID:eZMSxUOb0
川 ゚ -゚)「その点に関しては、ブーンに礼を言わねばな。」
川 ゚ -゚)「さて、では…テストというわけだ、遠慮なく全力で行かせてもらおう。」
川 ゚ -゚)「見せてもらうぞ、H・スコール!」
H・スコールは肩のミサイルポッドを展開した。
無数の丸い弾頭が見えており、クーが操作をするとそれらは一気に射出された。
直角に動いたり直進したりと、様々な動きを見せながら数多のミサイルがヴリトラを襲う。
ヴリトラは敏捷性が高いようで、それらをいくつか回避していく。
しかしミサイルはホーミング性なので、かわされつつも軌道を無理やり変更し直撃していった。
爆発が巻き起こり、煙が沸き起こる。
川 ゚ -゚)「…!」
川 ゚ -゚)「ミサイルポッド、パージ!」
H・スコールの肩についていた一対のミサイルポッドが、射出される。
空になった巨大なミサイルボックスが地に落下していった。
若干軽くなったH・スコールは急上昇を始めた。
火傷を負っているヴリトラが突進してきたのだ。
最初の時よりも速く空に舞い上がり、攻撃を回避するH・スコール。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:04:15.21 ID:Q1rkm0QL0
しえn
36 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:06:10.45 ID:eZMSxUOb0
…ヴリトラに飛翔能力はないみたいだが、どうやら飛び道具は持っているみたいだ。
川 ゚ -゚)「MPES作動!」
口を広げたヴリトラが片方が火炎を、片方が吹雪を吐いてきたのだ。
蒼いシールドが展開し、その二つのブレスを防ぐ。
弾かれる水のように、火炎と吹雪はH・スコールを軸に二手に分かれていった。
川 ゚ -゚)「ロケットランチャー!」
下腿部から、細長い箱が2つ横に出てくる。
中で3門ずつに仕分けされたロケット砲だった。
川 ゚ -゚)「発射!」
出し惜しみせず、一気に発射される。
無誘導弾だが、完全に命中はしなくとも威力は高い。
爆音と爆炎が巻き起こり、ヴリトラはダメージを更に蓄積していく。
川 ゚ -゚)「以外にしつこいな…ならば次は…」
といいかけた所で
H・スコール機の真横を何かが通っていった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:06:20.68 ID:BGXPx5FkO
試演
38 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:08:42.13 ID:eZMSxUOb0
ZIPほど大きくもなく、生き物でもなかった。
……この独特の風切り音…もしや…
その『何か』はヴリトラに向かっていた。
クーだからこそ、その存在に気づけたものの…
余りのスピードと、不可視性からヴリトラには回避できなかったみたいだ。
『何か』は命中すると、綺麗にヴリトラの身体を真っ二つに切断した。
川 ゚ -゚)「カマイタチ…か。」
('A`)「待たせたな、姉ちゃん。」
カマイタチを放ったのは新・エアロ機だった。
従来よりもかなりスマートに変わっている。
特に、脚部が細い。
腕部よりも更に細く、鋭利な造りになっていた。
足先など、反り返った刃のようだ。
('A`)「コレがS型カスタム…『S(スライト)・エアロ』だ。」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:10:00.07 ID:BGXPx5FkO
紫炎
40 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:12:21.16 ID:eZMSxUOb0
空中でポーズを決めてみせるS・エアロ。
川 ゚ -゚)「なるほどな、軽量すると共にその脚部そのものを武器にしたのか。」
('A`)「あぁ、そうさ。そんでもって、詰めはしっかりしようぜ姉ちゃん!」
残像を発生させて、S・エアロは急降下した。
そして、縦に切り裂かれたヴリトラに追い討ちをかけるようにカマイタチを放った。
川 ゚ -゚)「そういうことか。」
なんと、倒れていたヴリトラはそれを回避した。
二つに分かれたヴリトラは一匹の巨大なコブラとなり、それぞれの意志を持って活動を再開したのだ。
('A`)「片方は俺が仕留める。そっちは姉ちゃんがお願い。」
川 ゚ -゚)「わかった。」
二手に分かれて、それぞれのヴリトラの討伐を開始した。
川 ゚ -゚)「ミサイルの追跡性、ポッドのパージはオッケー。
ロケットランチャーも全弾発射、3発は命中…と。」
川 ゚ -゚)「よし、ならば残すはこれのみだな。」
41 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:14:47.25 ID:eZMSxUOb0
ガコンと、大腿部の2門のビームカノンが作動した。
足と平行にくっついていたカノンは、機体と垂直になるように相手に向かって真っ直ぐ伸びた。
だが…クーが頼んだのはビームカノンを4門。
後二つは……
川 ゚ -゚)「肩部、ビームカノン展開。」
ミサイルポッドが外れた部分の少し後ろに2門ついていたのだ。
肩甲骨部分から2門、他の2つと同じようにビームカノンが伸びた。
形状は大腿部が四角い直方体状の大砲
肩部は丸い円筒状の大砲という感じだ。
どちらも、H・スコールの基調である蒼色をしている。
ビームカノンのスタンバイが出来ると、モニターに照準が表示された。
『グングニル』の照準装置を流用したものだ。
十字を描く白い線が、ヴリトラを中心に捉える。
川 ゚ -゚)「目標セット! ファイヤ!!」
ほぼ無反動で、4つのビームカノンが一斉に発射された。
超速で放たれた蒼い色のビームはヴリトラに全て命中した。
川 ゚ -゚)「……ふむ。威力はまぁまぁ…だが。」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:15:24.56 ID:BGXPx5FkO
C円
43 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:19:45.36 ID:eZMSxUOb0
全て命中したが、まだヴリトラには息がある。
だが、鱗は剥離し、肉は爛れている。もう虫の息だ。
川 ゚ -゚)「やはり、MPによるバスターには及ばない…か。」
H・スコールの手が渦巻くように蒼い光を放ち始めた。
川 ゚ -゚)「新武装、新炉心のテストはこれでおしまいだな。
付き合ってくれて、ありがとう。」
川 ゚ -゚)「では、さらばだ!」
ヴォルテックスピアを顕現したH・スコールは、ロイヤルブルーバスターでヴリトラの片割れを完全消滅させた。
('A`)「…ん〜…。」
S・エアロの方は余り調子が良くないみたいだった。
急な襲撃だったので、最後の調整まで上手くいってなかったからだ。
たまに、足のカマイタチが発生しないことがある。
('A`)「カマイタチ? 違うね、これは『エアロブレイク』だ!」
『エアロブレイク』とは、砥がれた足を超高速で振り切ることで風の刃を発射するものだ。
偶に接続不良を起こすので、カマイタチを発生するほどの速さまで達することができずに不発で終わることがある。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:21:47.67 ID:BGXPx5FkO
紫煙
45 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:22:04.34 ID:eZMSxUOb0
('A`)「まぁこれは仕方ないか。」
切り裂かれ、緑色の血をボタボタと垂らすヴリトラ。
火炎を噴射し、抵抗を試みるもS・エアロは簡単にかわす。
慣性を無視したような、稲妻飛行を行って脚部の刃でじわりじわりとヴリトラの体力を削っていく。
('A`)「このまま終わりじゃつまらねぇよな。」
言いながら前方、後方、上方など様々な方向から攻撃をしては離れてを繰り返すS・エアロ。
('A`)「そんじゃ、最後のテストしますかね。」
フッと空中で制止する。
そして、S・エアロは思いっきり右手を握り始めた。
するとじんわりと、緑色の光が発生した。
('A`)「上手くいってくれよな!!」
ヴリトラが全身全霊をこめた火炎を放つ。
今までより、大きく激しくそして速かった。
しかしS・エアロは螺旋を描くようにして、それを回避し
('A`)「おらっ!」
懐の入り込むと、握った拳をヴリトラの腹部に突き刺した。
46 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:24:04.65 ID:eZMSxUOb0
めり込ませたわけでも、殴打したわけでもない。
間違いなく、S・エアロは手を突き刺したのだ。
('A`)「ファントムドリル、成功っと!」
いつの間にか、S・エアロの右腕は円錐状のドリルに変形していた。
そのまま推進力を使い、ヴリトラの身体をぶち抜く。
緑血を撒き散らしからヴリトラは爆発を起こして消滅した。
その様子を眺めてから、H・スコールの方を見る。
('A`)「…姉ちゃん、そっちはどうだった?」
通信回線を開いて、ちょうど片割れを倒したH・スコールへ連絡をとる。
川 ゚ -゚)「悪くないぞ。ハイパーバレルのおかげだな。」
('A`)「俺も良い感じだったぜ。まだちょっと調整がいるけどな。」
川 ゚ -゚)「それじゃ、帰るか。」
('A`)「そうだな。」
二機の風神と水神は、息を弾ませることもなく楽々とGMの討伐を終えた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:26:11.07 ID:BGXPx5FkO
試演
48 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:27:31.23 ID:eZMSxUOb0
( ^ω^)「しかしドクオも面白いこと考えたもんだね。」
( ´_ゝ`)「そうだな、武器の記憶なんて考えたことなかったよ。」
S・エアロが最後に出したファントムドリル。
機体のどこかに隠していたわけではないのだ。
S・エアロをギリギリまで軽くするために…ドクオは考えたのだ。
MPの特性を利用した隠し武器というべきか…
まず、ドリルがついた状態をS・エアロに記憶させる。
それからドリルを取り外して、普通の腕を装着しなおす。
すると、S・エアロ自体は腕が壊されていると誤認するわけだ。
そしていざという時に、MPを使って腕の再生を行う。
すると元の形…つまりドリルアームに戻り武器として使用できるというわけだ。
そんなS・エアロだが難点がいくつか。
脚部を余りにも細くしたため、自重に耐えられないので自立歩行が出来ない。
ドリルアームにチェンジした後は、ずっとそのままでないといけない。
装甲面が更に脆くなった。
などなど、万能というわけではないのだ。
( ^ω^)「ところで、兄者。わざわざ何で僕をシンに?」
戦闘が終了するや否や、ブーンは兄者と共にシンのコンピュータールームに向かっていたのだ。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:30:05.18 ID:BGXPx5FkO
紫炎
50 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:31:44.46 ID:eZMSxUOb0
( ´_ゝ`)「弟者がある実験をしていてな。
お前も知っておくべきことだからさ。」
( ^ω^)「そういや、最近弟者見なかったもんね。」
( ´_ゝ`)「あぁ。ずっとここに居たわけだ。」
( ^ω^)「何をしてたんだ?」
( ´_ゝ`)「それは着いてから教える」
コンピュータールームに到着する。
戦闘補佐をしていたオペレーター達が、一箇所に集まっていた。
( ^ω^)「?」
( ´_ゝ`)「弟者だ。」
その人ごみを分けて、コンピューターの前に座りレバーを握っている弟者を見た。
目をつぶり、じんわりと汗を滲ませながら集中している。
ξ;゚听)ξ「あ、兄者さん。」
( ´_ゝ`)「どうだ?」
ミセ;゚ー゚)リ「現在65億キロです…まだまだ距離があるかと。」
51 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:34:10.05 ID:eZMSxUOb0
( <_ ;)「……。」
( ´_ゝ`)「冥王星を越えたか…やはり太陽系の外だったみたいだな。」
( ^ω^)「兄者、これは何を…?」
( ´_ゝ`)「わからんか? ジョルジュの位置を特定しているんだよ。」
(; ^ω^)「え!?」
( ´_ゝ`)「だがまだ時間がかかりそうだな…交代が必要かもな。」
( ^ω^)(……弟者はずっとここでこの機械を作っていたのか…)
1日経っても2日経っても
レーダーが反応をを捉えることはなかった。
しかし、遂に一週間後
弟者はある反応をキャッチした。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:35:26.34 ID:BGXPx5FkO
紫煙
53 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:35:44.29 ID:eZMSxUOb0
GMを送り込んできていた大きな戦艦と思わしきものを…
そう
ジョルジュの居場所を…つきとめたのであった……!!
――――。
( ,-∀-)「ふわぁあ……。」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:39:24.17 ID:Q1rkm0QL0
あしえn
55 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:40:14.98 ID:eZMSxUOb0
夜、モララーは倉庫のバッテリーの補充のためにカスタムルームに来ていた。
眠気に負けないように、キーボードをいじって明日までには補充完了できているように設定する。
( ・∀・)「…あ、そうだ。」
せっかくだし、ブーンのE・ゼロの予備電力も入れておいてあげよう。
昼間は残った電力でやってただろうし、調整してたのならもうほとんど空じゃないかな?
モララーはE・ゼロのコクピットに乗り込む。
スペアキーで、起動し予備電力を作動させてどれくらいエネルギーが残っているかを確認した。
( ・∀・)「……おや?」
モララーは何度も何度もディスプレイを見る。
そこに映されていたものは、E・ゼロの機体情報。
それが全て正常を示しているのだ。
(; ・∀・)「変だな……。バッテリーが全く減ってない……?」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:44:22.78 ID:Q1rkm0QL0
ξ ^ω^)ξ 支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:45:17.52 ID:yda+efx8O
はやくていいね
しえん
58 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:46:19.29 ID:eZMSxUOb0
理由はわからないが…手間が省けたしそれでいいか…とモララーは思い、コクピットを降りる。
しかし何故だろうな?
そう思って、ブーンがE・ゼロの機体調整を行っている姿を思い返す。
……あ、そういえばそうだった。
確か……キー君に操作を任せて予備電力で動かしてるんだっけ?
キー君自身の電力で動かしてたから、E・ゼロのバッテリーが減らなかったのかな?
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:46:49.89 ID:QAc+EypdO
ドリルは男のロマン
支援
60 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:48:11.47 ID:eZMSxUOb0
まぁそんなところだな。別に聞かなくてもいっか。
今日は眠いし、もう寝るかな……。
第29話に続く……
61 :
予告 ◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:51:30.10 ID:eZMSxUOb0
待ってるだけが俺たちじゃねぇ…
( ´∀`)「今より、24時間の休暇を与する。」
てめぇの居場所がわかったなら
川 ゚ -゚)「すまない。少しだけ、私にも時間をくれないか。」
今度はこっちが攻めてやる!!
( ^ω^)「行くぞ!! 終わりの始まりだっっ!!!!」
次回( ^ω^)ブーンはマシーナリーのようです。
第29話「帰る場所」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:53:05.76 ID:Q1rkm0QL0
乙いよ
初回と変わらない雰囲気が好きだ
63 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 21:54:25.34 ID:eZMSxUOb0
書き始めて、何かが足りないと思ってたんだ。
ずっとずっと引っかかってた。
そうだよ
ドリル成分が足りないじゃねぇか!!
というわけで、S・エアロが誕生したわけです。
そろそろ終盤ですね。
いつまで経っても誤字脱字が消えないので、頑張ってきます。
次回投下は少し期間を置かせていただきます。
質問あればどうぞ。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 21:59:18.82 ID:BGXPx5FkO
ちょっと離れてる間に終わっとったorz
乙〜
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 22:05:55.09 ID:8WsuMGIC0
乙乙〜
作者はアーマードコアとかはお好き?
66 :
◆jOnMQUNVXQ :2009/02/09(月) 22:10:02.72 ID:eZMSxUOb0
>>65 名前ぐらいしか聞いたことないですね・・・すみません。
ロボットは、スパロボに出てくるバンプレオリジナルのような機体よりも
ゲッターロボやマジンガーZのような、少し古いデザインのが好きですね
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/09(月) 22:21:55.79 ID:Q1rkm0QL0
どう考えてもグレンラガン好きだよな
>>67 えぇ、大好きです。
そして言い忘れてました。
支援ありがとうございました。
蛇屋さんにいただいたZIPファイルのおかげで、今日も私は二つの意味で元気です。