グラハム・エーカーはAIRな夏体験をするそうです。四話

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
我が子よ…
よくお聞きなさい。

これからあなたに話すことは…とても大切なこと。
わたしたちが、ここから始める…
親から子へと、絶え間なく伝えてゆく…
長い長い…旅のお話なのですよ。

そして…この物語はそんなお話の一つ。
運命に抗う力のある、不思議な…不思議な
男の人の物語……。

――――あらすじ

突然姿を消した佳乃を探し、再び神社へやって来たグラハムと観鈴。
佳乃を見つけるグラハムだが、うつろな目をした彼女は、往人の首を
凄い力で絞め始めた…。

今までのお話を見逃した人用↓↓DLキー【gurahamu】半角で
http://nullpo.vip2ch.com/upload.cgi?mode=dl&file=26399

元ネタが分かるとより楽しめます。
詳しくはグーグルで【AIR】と【ガンダム00】で調べてください。

※因みにアニメ版AIRの物語をなぞって行く形で、
ガンダム00分を入れて行きます。多少強引なコラボ小説なので
途中途中、は?とか思う場面がありますがご了承ください。


2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:11:31.17 ID:OYzcHFu+0
>>1
で、このスレの趣旨は?
趣旨がぜんぜん分からない。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:11:53.96 ID:Ngj/m2e+0
――――――神社

グラハム「!?また此処か!?往乃……」

観鈴「グラハムさん!あれ!!」

往乃「……」フラ…

グラハム「…!おい、往乃!?」

往乃「ならばいっそ.....わたくしの手で.....」

観鈴「グラハムさんッ!?」

グラハム「ぐわッ!?」

意味不明の言葉を口から発しながら、
火のように熱い両手で私のの首を絞めつけている。
首筋は焼けているようだ。全力で佳乃の両手を首筋から離そうとしたが、
逆にもっと強く絞められた。激痛もさっきと比べられないほど増えている。
息はできずに視界は暗くなりはじめた。このままでは殺されそうな程、強力な締め付けだった。

観鈴「やめ……て!!」グググ

往乃「……」ググ

グラハム「……グ」

グラハム「往……乃……」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:11:59.74 ID:aPyrkkq30
俺もわからん
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:15:33.43 ID:Ngj/m2e+0
グラハム支援スレですね。

グラハム「……」

グラハム(意識が朦朧としてきた……このままではマズい)

観鈴「このッ!」

ガシッ!

往乃「!?……」バタッ

観鈴「え!?大丈夫ですか!?」

グラハム「ゲホッ…ゲホッ……心配するな、死んではいない」

グラハム「気を失っているだけだ」

グラハム「それよりも観鈴、有難う」

観鈴「え?はい……」

ダダダ......

聖「往乃ー!!」

グラハム「?聖か、ちょうどよかった……ゲホッゲホッ」

聖「!?どうしたんだグラハム君!その首の痣……」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:19:58.21 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「いや、私の事よりも往乃を早く連れて行け」

聖「……分かった」

観鈴「大丈夫ですか?グラハムさん」

グラハム「何、少々危なかったが君のおかげで何とかなったよ」

観鈴「そうですか……私達も診療所に」

グラハム「そうだな、行くとするか」

―――――診療所

聖「……」

往乃「……」

グラハム「それで、どうして彼女がこんなになるのか分かっているのか?」

観鈴「……」

聖「実はな……この子は夢遊病かもしれないんだ」

聖「いや、そうではないかも知れない、けれども私は医者だ」

聖「非現実的な物は認めない、だがこの子……往乃がおかしくなったのは」

聖「私がまだ学生の頃だ……」
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:22:08.56 ID:MduFE4yD0
パー速でやれ
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:24:47.43 ID:Ngj/m2e+0
―――――10年前

往乃「わ〜い!お姉ちゃ〜ん!!」

聖「こらこら、そんなに急ぐと転ぶぞ?往乃」

往乃「分かってるよ〜……」ジー

聖「ん?どうした」

往乃「あれ―――」

聖「ん?風船屋か?」

往乃「風船が一杯あれば!お空に飛んでいけるよね!お姉ちゃん!」

聖「ん?まぁ確かに沢山集まれば飛べるかも知れないが……?なんだ、風船が欲しいのか?」

往乃「うん!いい?」

ポチ......

聖(キ……キツいな)

聖「あぁそうだな!買ってやるぞ?何色が良い?」

往乃「ホント!?じゃぁじゃぁ!!!」グイグイ

聖「ふふっ」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:28:09.24 ID:Ngj/m2e+0
屋台のおっさん「あいよ〜」

往乃「わーい!」

聖「ほらっ……風船だぞ往乃―――」

ドンッ

通行人「あぁすいません」

聖「あ……」

往乃「え……?風船が……」

聖「……往乃」

往乃「えぐッ……えぐッ…うわぁぁぁん!」

聖「あぁ往乃?風船もう一つ買ってあげるから―――」

聖「……お金を家に取りに行こう!な?」

往乃「……買ってくれるの?」

聖「あぁ、また買ってあげるから、家に一回お金を取りに行こう、な?」

往乃「うん……」

聖「そうと決まったら急ぐぞ、往乃」
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:32:10.41 ID:Ngj/m2e+0
往乃「うん!」

―――――霧島宅

聖「……よし、お金は整った」

聖「神社までまた走るぞ!往乃」

往乃「うん……うん!!」

ドタドタドタ......

――――――神社

聖「……よしっ…間に合ったか!?」

往乃「風船屋さん……?」

ガチャッ……ゴトン

聖「すまない、もう屋台は終わりなのか?」

屋台員「すいません、もうお終いの時間なので―――」

往乃「……」

聖「往乃……?」

聖「おい!往乃!!何処に行く!!」
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:33:26.78 ID:opniy1vUO
よくぞ来た>>1!!
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:37:44.67 ID:Ngj/m2e+0
往乃「こっち……こっちに」

聖「ん!?どうした往乃、そっちは入っては行けない場所だぞ!?」

往乃「これだ……」

聖「……これは御神体?駄目だぞ、往乃……?」

カチャリ......キィィィ

その時、突然私と往乃を白い光が覆ったのだ、
御神体の扉を開けると其処には……

聖「……羽?」

私はおもむろに「それ」を取り出し
往乃が触りたそうな顔をしていたので手に取らせようとすると……

往乃「うわぁ……」

聖「……眩しい」

管理人「こら!其処で何をしている!!」

聖「!?往乃、見つかってしまったぞ」

往乃「え?う、うん」

管理人「ん?それは御神体ではないか」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:44:07.37 ID:Ngj/m2e+0
さっきまでの光は無く、住職さんに
怒られてしまったので私は「それ」を戻し、
往乃とこの事を謝り、許しを貰い、家に帰ったのだ

聖「だが、その日から……往乃の様子はおかしくなり始めた」

グラハム「ふむ」

観鈴「……」

往乃が光を怖がりだし始めたり、無意識に外を出歩いたり、
意味不明な独り言を喋りだすようになって行った。
そして、遂には……

往乃「……」

聖「!?往乃!?しっかりしろ!!往乃ー!!」

血だらけの往乃が其処に倒れていたんだ。
手首にはメスで切った後があった。
前まではこんな事をするような子ではなかった。

聖「ふむ、何とか平気みたいだな……往乃」

私が診た所、命に別状は無かった、
私は安堵したが、手首に残った痣が余りに酷かった。
そこで私は―――
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:47:56.48 ID:Ngj/m2e+0
往乃「……」スゥースゥー

聖「往乃……」

往乃「……?誰……」

聖「このバンダナを大人になるまで外しちゃいけない」

往乃「……どうして…」

聖「これを付けていれば【魔法】が使えるようになるのだよ」

往乃「……ん」

聖「……」

私は往乃に辛い思いをさせたくはなかった。
だから魔法が使えるようになると言えば
往乃はそれを信じ、外さないようになると考えたのだ。

グラハム「……そうだったのか」

観鈴「だから往乃ちゃん……」

聖「……私も妹に嘘は吐きたくなかった…」

聖「魔法など……ないのだ」

往乃「……!?」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:52:18.24 ID:Ngj/m2e+0
往乃「……」

往乃「そんな……えぐっ…」

聖「この事は、往乃には内緒にしてくれないか……」

グラハム「……分かった、その頼みを了承しよう」

観鈴「分かりました……」

聖「君達まで巻き込んでしまってすまないと思う…」

グラハム「そんな事は無い、話してくれてすっきりしたぞ」

観鈴「……それじゃあ私達はこの辺で」

聖「あぁ……夜分遅くまですまなかった」

―――――夜、神尾家

観鈴「ねぇ……グラハムさん」

グラハム「どうした」

観鈴「嘘って悪い事なんですよね……」

グラハム「あぁ、そうだな、嘘を吐くのは良く無い事だ」

グラハム「相手の信頼を損なってしまうからな」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:55:41.47 ID:Ngj/m2e+0
観鈴「けれど、聖さんのお話……」

グラハム「観鈴」

観鈴「はい?」

グラハム「世の中にはな、嘘を吐いても良い嘘がある」

観鈴「…?」

グラハム「相手の事を思って吐く嘘は悪いとも言えず、良いとも言えない」

グラハム「だが、それは相手の為を思ってしている事」

グラハム「だが、時にその同情は相手を傷つける」

グラハム「正直、難しい所なのだ」

観鈴「……良く分からないけど、聖さんは悪くないんですね?」

グラハム「そういう事だ、君は嘘なんて吐く大人にはなるなよ?」

観鈴「はい」

ブロロロr......

観鈴「お母さんですね」

グラハム「あぁ、玄関に行ってやるか」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 16:58:55.83 ID:Ngj/m2e+0
ドガン!ガシャン!

晴子「帰ったでー」

グラハム「おぉ、お疲れ様だな」

観鈴「お帰りなさい、お母さん」

晴子「ん?今日は妬けに良い感じやな〜」

晴子「さて!今日も飲も飲も〜」

グラハム「飲みすぎは体に良くないんだがな」

観鈴「にははは」

晴子「五月蝿いわい!他人の心配しないで自分の心配するんやな!」

晴子「今日はとことん付き合って貰うからな!グラハム!」

グラハム「望む所だと言わせてもらおう、晴子」

観鈴「私は今日はアップルジュース」

――――――晩酌

晴子「ぬあっははははは!!」

グラハム「……いかん、酔ってきた」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:02:25.48 ID:Ngj/m2e+0
晴子「なんやなんや〜?強そうな顔して酒の耐久戦は弱いんか〜?」

グラハム「む!?聞き捨てならんな!舐めるなよ!晴子!!」

観鈴(お酒臭い……)

――――――翌日

グラハム「のぉぉぉ……」

観鈴「あんなに飲むからいけないんです!これ水飲んでください!」

グラハム「……すまない」ゴク

観鈴「ふぅ、それじゃぁ頂きます」

グラハム「うむ、頂こう」

パクパク......

――――――食事後

観鈴「それじゃぁグラハムさん準備できましたか?」

グラハム「うむ、準備完了だ」

観鈴「いってきまーす」

グラハム「行ってくる」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:07:50.04 ID:Ngj/m2e+0
観鈴「うおーい!今日も晴れですね!!」

グラハム「あぁ、背伸びをすると気持ち良いな」

観鈴「……堤防まで勝負〜!にははは!」

グラハム「ん!?卑怯な!突然だぞ!観鈴―――」

――――――堤防

観鈴「はぁ…はぁ……」

グラハム「……ふふ、私の勝ちだな」

観鈴「あんなに早いなんて……観鈴ちんがっくし…」

グラハム「ふむ、私に勝とうなど……無理な話だ」

観鈴「けど、気持ちよかったし勝ち負けはいいです〜」

グラハム「?そうか」

――――――

観鈴「また見た、あの夢、空の夢」

グラハム「……またか」

観鈴「今度は悲しい夢だった、とても悲しい夢」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:12:01.69 ID:opniy1vUO
うおーいwwww
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:14:14.77 ID:Ngj/m2e+0
観鈴「いつもどおりにお空の上を滑る様に飛んでた」

観鈴「体中何も縛る物も無くて、目に映る景色は何処までも続いてた」

観鈴「気持ち良いはずなのに……楽しいはずなのに」

観鈴「……心はすっごく泣いてた」

グラハム「そうか……観鈴は平気か?」

観鈴「私は平気だよ!」ワッショイワッショイ

グラハム「先の話……その夢の話をしている時の観鈴は」

グラハム「悲しい……とても悲しい顔をしていた」

観鈴「え……」

グラハム「君に、悲しい顔は似合わんぞ、いつもこうやって笑っていろ」

グラハム「笑顔を絶やすな、笑顔一つあれば周りも笑いに包まれる」

観鈴「分かりました〜」

グラハム「ふむ、そうだ、その笑顔」

グラハム(笑顔を忘れちゃあ駄目だぞ……観鈴)

観鈴「じゃぁ私は、行ってくるね」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:19:39.81 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「ふむ、気をつけろよ」

観鈴「いってきまーす!」

グラハム「ふむ、バイトまで時間はあるし、武田商店近辺辺りから散策してみるか」

――――――廃品置場

みちる「ないな〜ないな〜」プリプリ

グラハム「……どう見てもみちるだな」

みちる「!?なッ」

みちる「グラハム・エーカー!?何でこんな所に居るのよー!」

グラハム「私がここに居ては変か?それよりお前こそ何をしている」

グラハム「廃品置場になんて……」

みちる「へっへ〜ん!ま、歩きながら話してあげるよ!」

グラハム「?」

――――――

みちる「でね、美凪にプレゼントをって……」

グラハム「なるほどな」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:23:33.44 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「しかし、お前にも以外な一面がある物だな」

グラハム「ガサツで女らしさのカケラもない―――」

みちる「は!?何よー!!」

グラハム「のわっ!?って……あれは美凪か?」

みちる「え?美凪?」

母「それじゃぁね」

美凪「はい……では」

グラハム「……あの人は、確か米を運ぶのを手伝った…」

グラハム「?母親だったのか」

みちる「……美凪、悲しそうな顔してるよ」

グラハム「?悲しそうな顔?」

美凪「あ……グラハムさん」

グラハム「……やれやれ」

美凪「今日は……何故……此処に?」

グラハム「あぁ、さっき、みちると一緒に―――」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:27:37.40 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「?居ないな……」

美凪「?みちるが居たのですか…?」

グラハム「あぁ、先に廃品置場で出会ってな、歩いていたら君を見つけたわけだ」

美凪「そう……ですか」

グラハム「それよりも、まさかあの人が君の母親だったなんてな」

美凪「?知り合いなのですか?」

グラハム「あぁ……ちょっとな」

グラハム「それよりも、優しそうな母親で良い人そうだな、あの親にしてこの子有りだな」

美凪「―――私は母の夢のカケラです―――」

グラハム「?夢のカケラ?」

美凪「では私はこれで……」ペコリ

グラハム「ん?変な奴だ」

グラハム「ちょうど良い時間だな、診療所に向かうとしよう」
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:32:27.10 ID:Ngj/m2e+0
往乃「あ、グラハム君」

聖「おぉ来たか」

グラハム「うむ、仕事だな」

聖「あぁ、その事なんだが掃除をしながら往乃と遊んでやってくれ」

往乃「やった!」

ポテト「ピコー!」

グラハム「一度に二つとは……やってみせよう」

――――――

往乃「うーん……」

聖「どうした?眠いのか?往乃」

往乃「うん」

グラハム「ならば昼寝をすると良い」

往乃「そーする」

ポテト「ピコ」

グラハム「では寝てくるといい」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:35:30.83 ID:Ngj/m2e+0
聖「では私は仕事があるから、雑務の方は頼んだよ、グラハム君」

グラハム「あぁ、やるぞ、ポテト」

ポテト「ピコー!」

――――――そして、その日の夕方

聖「あーグラハム君!もうそろそろ良い時間だ」

聖「往乃を起こしてきてくれないか?」

グラハム「あぁ、分かった、彼女の部屋に行けばいいのだろう?」

聖「そうだ、だがくれぐれも……やましい事をしようと思わないようにな」シャキン

グラハム「?そんな事はしないぞ」

ポテト「ピコ」

グラハム「よし行くぞポテト」

――――――往乃の部屋前

グラハム「往乃ー!起きてるかー!」コンコン

ポテト「ピコー!」

グラハム「?返事が無いな、仕方ない……入るぞ…往乃」
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:39:21.01 ID:Ngj/m2e+0
ガチャリ......

グラハム「!?往乃!?」

ポテト「ピコッ!!」

グラハム「……机に手紙があるぞ」

グラハム「とにかく、ポテト、聖を呼んで来い」

ポテト「ピコッ」ストトト

グラハム「……グラハム君には、信じてもらえると思うから、これを書いています」

往乃「あたし、やっぱり空に行くことにします」

往乃「そうすれば、みんなが幸せになれるような気がします」

往乃「グラハム君が探してるお話も、見つかるような気がします」

往乃「いつになるのか分からないけど、必ず、その人を連れてきます」

往乃「それまで、お姉ちゃんを助けてもらえると嬉しいです」

聖「なんだと!?」

グラハム(……往乃、気づいて居たのか?)

グラハム「とにかく探そう!私の予測では神社だ!!」
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:41:50.46 ID:Ngj/m2e+0
聖「そうだな!!急ごう!往乃が危ない!」

ポテト「ピコー!!」

グラハム「私は観鈴を連れてくる!」

聖「分かった!行くぞポテト!」

ポテト「ピコー!!」

――――――

観鈴「はぁ…はぁ…」

グラハム「着いた……」

聖「往乃ー!!!」

ポテト「ピコピコー!!」

観鈴「何処にいるんですかぁー!」

聖「後ろに回ってみよう!!」

グラハム「!?まさか御神体に!!」

聖「その可能性は高い!急ぐぞ!!

観鈴「御神体?」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:46:41.37 ID:Ngj/m2e+0
――――――御神体前

往乃「……」

聖「!?往乃ー!!」

観鈴「血だらけ……」

グラハム「とにかく脈を測るんだ!聖!!」

聖「今やっている!!」

聖「外傷が無い……体は傷ついていないだと?」

観鈴「そんな事ってあるんですか?」

グラハム(何だ……さっきから御神体から何かが……)

聖「とにかく命に別状は無い……ふぅ」

その時、突如、私達を御神体から放たれる光が包んだ。
私、グラハム・エーカーは誘われるがままにその羽の下へと……

観鈴「グラハムさん!?」

聖「グラハム君!?何をする気だ!!」

グラハム「……黙ってみていろ」

その時、私は自分で意識したのでもなく、自然と羽を手に取って―――
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:49:41.98 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「……」

聖「……何をする気だ?」

観鈴「……羽?」

グラハム「今から往乃の意識を取り戻す」

聖「!?」

私は本能に赴くままに、その羽を往乃の胸元に置き…
何かを念じた、何かは分からない。だが―――

往乃「!?」

聖「なんだ?急に風邪が……」

ヒュウウウウ!!

観鈴「わッ!?何!?光!?」

その時、私が何かを念じると、突風が突然吹き、
更に、往乃の胸元の羽が突然光りだしたのだ。

グラハム「ぐわぁぁぁぁ!?」

聖「なッなんだ!?」

観鈴「何…?」
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:50:54.42 ID:Ngj/m2e+0
↑此処で誤字をするとは……なんたる失敗!!恥晒しにも程がある!!
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 17:50:59.75 ID:c3vEeZ/00
イイィヤッホーイ!グラハム最高!
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:02:18.08 ID:Ngj/m2e+0
突然、私の目の前に稲穂の光景が広がる―――
そして……誰かの…女の声が聞こえてきた。

白穂「私の名は白穂と申します……どうか私の話を聞いてください…」

その声を聞いた途端、意識だけになったような
感覚に陥った。

白穂「私には夫と、息子の八雲が居ました…とても幸せでした」

「ですが、生まれた八雲の右腕には痣があり、それを村人は不吉だと言いました」

「私と夫はそんな物を気にもせず、幸せに…幸せに毎日を暮らしていたのでした」

「ある日、私と八雲が稲穂畑で遊んでいた時……空から差し込む突然の光と」

「一枚の羽が私と八雲の下へと降って参りました、私はそれを神様からの贈り物だと思いました」

「ですが、時は立ち、戦が始まり…私の夫は戦に駆り出されました」

「結局夫は帰ってこず、役人が私と八雲の持つ、白い羽を血眼になって探し出し始めました」

「私と八雲はこの国から逃げる事にしました、安泰な生活を送れる国を目指して…何里…何里と旅を続けていました」

「そして、遂にとある国の漁村にたどり着いたのです……私は安堵しました」

「社の宮司様の計らいにより、寺においてもらえる事となりました……しかし、夏に入ったときの事…」

「村では流行病により、次々と人が死んで行きました…村人は私達のせいだと、宮司様に迫ったそうです」
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:11:15.64 ID:Ngj/m2e+0
白穂「……」

宮司「というわけだ……貴方様方をこれ以上置く事は出来ない…」

宮司「すまなかった…守ってあげられなくてすまなかった…」

白穂「宮司様!この子は、わたくしのいのちです!!」

白穂「どうか!この子だけはお助けください!!」

宮司「しかしだな……」

白穂「……死ななければならないというなら……私の手で…」

私は…八雲の首下を掴み……絞めました…
しかし、腕に力が入らず……そもそも母が子を殺すなどと…
出来る訳もありません……私は我が子を手にかける事など出来なかったのです。

白穂「出来ませぬ!……わが子を殺す母が、どこにおりましょうか!」

白穂「わたくしが、身代わりになります!」チャキッ

宮司「待て!早まるな白穂殿!!」

「どうか、この子だけは…」

「この子だけは、お助けください」

―――グサッ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:12:25.87 ID:vxH1P9Fr0
グラハム・セントラル・ステーション?
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:15:43.98 ID:Ngj/m2e+0
残酷な音と同時に私、グラハム・エーカーの
目の前に映る光景はまた変わり始めた……

往乃「……」

母「……往乃、辛いなら、私の所に来てもいいのよ?」

往乃「えっとね、お母さん」

往乃「ありがとう」

往乃「あたしはお母さんのこと、よく覚えてないけど」

往乃「あたしのためにお母さん、長生きできなかったのかもしれないけど…」

往乃「でも…」

往乃「あたしを生んでくれて、ありがとう」

母「……佳乃」

母「あなたには、羽根はないから」

母「辛くても、空には来られないから…」

母「そこで幸せに、おなりなさい」

往乃「うん!お友達も一杯居るし!お姉ちゃんだって居るもん!寂しくなんかないよ!」

母「そう……そう……なら母は……安心です」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:20:28.69 ID:Ngj/m2e+0
グラハム「……往乃?」

そしてまた、私の目に映る光景が変わる……
その変わる瞬間瞬間が巡るましいほどに。

白穂「この子の可愛さ限りなや
  天に例えば星の数  山では木の数かやの数
  おばな かるかや はぎ ききょう
  七草ちぐさの 数よりも
  大事なこの子が ねんねする……」

グラハム「何だ?この歌は……とても心地良い……」

女の子守唄と同時に……視界が開けてくる。
そして……浮遊感だけだった意思もしっかりとしてくる。

シュゥゥゥゥゥ

グラハム「……今の……皆見たか?」

聖「あぁ……見たぞ」

観鈴「……なんだか子守唄を聞いた気がします」

往乃「……」シュゥゥ

聖「!?右腕の痣が……消えていく?」

グラハム(……呪いとか言う物が解けたのか?)
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:24:14.93 ID:Ngj/m2e+0
観鈴「あ……羽が…」

キラキラキラ......

聖「羽が消えて行く?」

聖「一体なんだと言うのだ…」

グラハム「分からないな、だが、往乃が救われたのは事実だ」

往乃「……お姉ちゃん」

聖「…往乃…大丈夫か?」

往乃「うん、平気、大丈夫だよ」

観鈴「何はともあれ一件落着?ですね!」

グラハム「……あぁ」

往乃「あ……」

往乃の右腕に付いていたバンダナが風に煽られ
空に飛んでいってしまう……。

グラハム「往乃、空には…あいつに行って貰おうか」

往乃「え?うん」

聖「ふふ……」
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:28:27.17 ID:Ngj/m2e+0
観鈴「あー!もう朝だー!」

往乃「へ!?えぇー!?」

聖「……寝ないで一日過ごしてしまったな」

グラハム「……ま、たまには良いんじゃないか?」

観鈴「そういえば眠たくない……」

往乃「あ!あたしもー」

聖「私もだな」

グラハム「私はちょっと疲れた……」

グラハム(とにかく、往乃に纏わり付いていたザラザラした感覚は無くなったな)

グラハム(何が起きたのかは分からないが、とりあえず何かの決着が付いた事は確かだ)

グラハム(残るは……)
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:34:17.82 ID:Ngj/m2e+0
今日はかなり早めに一話分終了した。
次回からは誤字等が無い様に注意する。
謎の光に包まれ……何かの声を聞いた私、グラハム・エーカー。
そして痣の消えた往乃からは不吉な物を感じなくなった。
物語の一つが今、終了した……だが。

次回予告

みちる「シャボン玉って綺麗…からっぽで、お空みたいで」

観鈴「私、ホントに邪魔者だから、いつも一人で遊んでるの」

みちる「みちる、何か悪いことしたかなぁ…」

美凪「母の想いは行き場をなくして、母は、夢を見つづけるこ
    とを選んだのです…

   「飛べない翼に、意味はあるんでしょうか…」

次回、GIR、第五話 つばさ 〜wing〜

次も阿修羅すら凌駕する過疎さで頑張るぞガンダム!!
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:50:13.60 ID:Ngj/m2e+0
というわけで四話終了です。お疲れ様でした。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 18:51:50.50 ID:NQvcfIGLO
乙!
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 19:20:12.54 ID:c3vEeZ/00
お疲れ〜
楽しみにしてるよ!
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 19:30:24.36 ID:opniy1vUO
>>1乙!
いよいよ美凪編か…
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/30(金) 19:40:23.02 ID:Pa/5jHnjO
支援
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
支援の風に乗って〜
一乙の鐘を鳴らせよ〜